説明

携帯端末装置

【課題】ターンクローズ状態におけるキー操作部が、十字キー15aと同等な機能を有し違和感なく使用できる携帯端末装置を提供すること。
【解決手段】先ず、ステップS14にて、起動されたアプリケーションが第2表示状態(横長表示)であるか否かが判定される。横長表示で無いと判定された場合には、処理をステップS15に移し、キーb1〜b6の割り当てを、キー割り当てテーブルの「ターンクローズ状態(縦)」のキーb1〜b6各々に割り当てられたキー操作機能とする。ステップS14にて、起動されたアプリケーションが横長表示であると判定された場合には、処理をステップS16に移し、キーb1〜b6の割り当てを、キー割り当てテーブルの「ターンクローズ状態(横)」のキーb1〜b6各々に割り当てられたキー操作機能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー・アサイン機能を具備する携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末装置は、携帯性の向上という観点から、より小型軽量であることが求められている。ところが、操作性を考慮すれば、操作キーの小型化には限界がある。加えて、表示画面の画面サイズについては大型化が求められている。このような相反する要求を両立させるため、近年の携帯端末装置では、表示画面が設けられた表示筐体と、操作キーが設けられた操作筐体とをヒンジによって連結し、表示筐体の表示画面を含む表示パネルと、操作筐体の操作キーを含む操作パネルとを対向させて、折り畳む(通常クローズ状態:フォルダ閉状態とも称する)ことができるものが主流となっている。
【0003】
さらに、折り畳み用の第1回転軸だけでなく、第1回転軸に直交する第2回転軸を有する2軸ヒンジを用い、第2回転軸を中心として操作筐体及び表示筐体を相対的に回転可能にした携帯端末装置が提案されている。このような折り畳み式携帯端末装置では、表示パネルを外側に向け、操作パネルを内側に向けて折り畳む(ターンクローズ状態と称する)ことにより、携帯端末装置全体をコンパクトにした状態で、表示画面を閲覧することができる。
【0004】
しかし、表示パネルを外側に向けて折り畳んだ状態、すなわち、ターンクローズ状態では、操作パネルが内側となるので、当該操作キーのキー操作を行うことができないという問題があった。そこで、従来より、表示パネル上に操作キー(十字キー)を設けることにより、表示パネルを外側にして折り畳んだ(ターンクローズ)状態でもキー操作入力を可能とした携帯端末装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図12及び図13に、従来の携帯端末装置における十字キーの配置を示す。従来文献では、十字キーの2通りの配置が示されている。
【0006】
図12は、第1の十字キーの配置を示す図で、図12(A)は、通常オープン(フォルダ開)状態における従来の携帯端末装置400を正面から見た図であり、図12(B)は、通常オープン状態における従来の携帯端末装置400を側面から見た図である。この例では、操作パネル、すなわち、主操作部における十字キー402aが操作パネルの側面(十字キー402b)にも配置され、ターンクローズ状態でも十字キー402bの操作が可能となっている。
【0007】
図13は、第2の十字キーの配置を示す図で、図13(A)は、オープン状態(図では操作部パネルが反転した状態)における従来の携帯端末装置200をメイン表示画面201側から見た図であり、図13(B)は、逆クローズ(ターンクローズ)状態における従来の携帯端末装置200をメイン表示画面201側から見た図である。この例では、操作パネルにおける十字キー202がメイン表示画面201側(十字キー202)に配置され、逆クローズ状態でも十字キー202の操作が可能となっている。
【特許文献1】特開2006−20273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図12に示した従来技術では、十字キーを携帯端末装置の側面に配置しているため、携帯端末装置の容量が大きくなって(例えば、厚くなって)しまったり、操作に違和感があるという問題があった。
【0009】
また、図13に示した従来技術では、十字キーのキー構成をそのままディスプレイ(メイン表示画面)側に配置(搭載)しているため、キースペースが多く必要となり、ディスプレイの大画面化を考慮した場合、携帯端末装置(筐体)が大型化してしまうという問題があった。
【0010】
さらに、両者に共通して、従来技術では、表示部の縦長方向での使用にのみ対応した十字キーのキー構成を、そのままメイン表示画面側または携帯端末装置の側面に配置しているため、例えば、表示部を横長方向で使用した場合等には、操作に違和感があり、また、十字キー以外の用途に当該十字キーを使用した場合、操作に違和感があり、使い辛いという問題があった。
【0011】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、筐体のコンパクト化が図れ、またはディスプレイの大画面化が図れる携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る携帯端末装置は、上記目的を達成するため、正面部に上下方向操作キーと左右方向操作キーとを含む主操作部を備えた第1筐体と、正面部に表示部を備えた第2筐体と、前記第1筐体と前記第2筐体とを、前記第1筐体の正面部及び前記第2筐体の正面部とが露出する第1状態と、前記第1筐体の正面部が前記第2筐体に被覆されて該第2筐体の正面部が露出する第2状態とに変形自在に連結する連結機構部と、前記第2状態のときに、前記第1筐体または前記第2筐体の露出する位置に配置される、前記表示部の長手方向に対応して一列に配置される1対の第1操作キーと短手方向に対応して一列に配置される1対の第2操作キーからなる副操作部とを備え、前記副操作部は、前記第2状態のときに、前記第1操作キーまたは前記第2操作キーの内の一方が前記主操作部の上下方向操作キーとしての操作機能が割り当てられ、前記第1操作キーまたは前記第2操作キーの内の他方が前記主操作部の左右方向操作キーとしての操作機能が割り当てられることを特徴とする。
【0013】
また、上記携帯端末装置では、前記副操作部である短手方向に対応して配置される1対の第2操作キーは、前記第1状態のときに操作無効とされるものである。
【0014】
また、上記携帯端末装置では、前記連結機構部は、前記第1筐体と前記第2筐体とを、前記第1筐体の正面部が前記第2筐体の正面部と対向した状態で該第2筐体に被覆される第3状態に変形自在に連結し、前記第3状態において、前記副操作部である前記第1操作キー及び前記第2操作キーの操作機能は、前記上下方向操作キー及び前記左右方向操作キーの有する操作機能とは異なった操作機能が割り当てられるものである。
【0015】
また、上記携帯端末装置では、前記第2状態のとき、前記副操作部としての前記第1操作キーまたは第2操作キーに加え、該第1操作キーまたは第2操作キーが配置される部位に対して直線上に一列に、選択または決定のための操作機能が割り当てられた第3操作キーがさらに配設されるものである。
【0016】
また、上記携帯端末装置では、前記第2状態のとき、前記副操作部としての前記第1操作キーまたは第2操作キーに加え、該第1操作キーまたは第2操作キーが配置される部位に対して直線上に一列に、取り消しまたは戻るための操作機能が割り当てられた第4操作キーがさらに配設されるものである。
【0017】
また、上記携帯端末装置では、前記連結機構部は、前記第2筐体の前記表示部の表示面と平行な回動軸を有する回動連結部によって前記第2筐体に連結されており、前記第2状態のときに露出する前記表示部と同一平面上に位置する部位の表面に、前記第2操作キーが配設されるものである。
【0018】
また、上記携帯端末装置では、前記表示部は、前記第2筐体の長手方向または短手方向の何れかに表示方向が切り替えられるように表示制御され、前記副操作部である前記第1操作キー及び前記第2操作キーに割り当てられる前記上下方向操作キー及び前記左右方向操作キーの操作機能は、前記表示部の表示方向に応じて変更されるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第2状態において、露出する部位に設けられた副操作部に対して、第1状態での主操作部における上下方向操作キーと左右方向操作キーに応じた操作機能の割り当てを行うことにより、筐体のコンパクト化又は表示の大画面化が図れ、第2状態のときにも第1状態のときと同等な機能の操作を行うことができ、これにより、違和感の無いキー操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
<携帯端末装置の構成>
【0021】
図1は、本発明に係るホスト装置と通信を行う携帯端末装置の一例である携帯電話装置1の開いた状態における正面図を示す。また、図2(A)は、携帯電話装置1を開いた状態における左側面図を示し、図2(B)は、携帯電話装置1を開いた状態における右側面図を示す。また、図3は、携帯電話装置1を開いた状態における背面図を示す。
【0022】
携帯電話装置1は、表面がフロントパネル2aとリアパネル2bにより構成される操作部側筐体部(第1筐体)2と、表面がフロントパネル3aとリアパネル3bにより構成される表示部側筐体部(第2筐体)3と、を備えて構成される。操作部側筐体部2は、フロントパネル2a表面に、操作キー群(主操作部)11と、携帯電話装置1の使用者が通話時に発した音声が入力される音声入力部12とが露出するように構成される。また、操作キー群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能などの各種機能を作動させるための機能設定操作キー13と、電話番号の数字やメールなどの文字などを入力するためのテンキーなどの入力操作キー14(14aはクリアキー)と、各種操作における決定を行う決定キー15aと、上下方向のスクロールや左右方向のスクロール等を行う十字キー(上下方向操作キー、左右方向操作キー)15bと、から構成されている。
【0023】
また、操作キー群11を構成する各キーには、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3の変形状態(オープン状態、クローズ状態、ターンクローズ状態)や起動されているアプリケーションの種類に応じて、所定の機能の割り当て(キー・アサイン)が行われる。また、使用者により操作キー群11を構成する各キーの押圧動作がされることにより、割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0024】
また、操作部側筐体部2の一方の側面には、図2(A)に示すように、外部機器(例えば、ホスト装置)とデータの送受信を行うためのインターフェース16と、ヘッドホン/マイク端子17と、着脱可能な外部メモリのインターフェース18と、充電端子19とが設けられている。なお、インターフェース16、ヘッドホン端子17及びインターフェース18は、着脱可能な防塵対策用のキャップで覆われている。
【0025】
また、操作部側筐体部2の他方の側面には、図2(B)に示すように、一対のサイドキー(第1操作キー)20と、撮像用の操作キー21と、受信角度の調整可能な放送波受信用のアンテナ22とを備えている。また、サイドキー20には、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3の変形状態(オープン状態、クローズ状態、ターンクローズ状態)や起動されているアプリケーションの種類に応じて、所定の機能の割り当て(キー・アサイン)が行われる。また、使用者によりサイドキー20の押圧動作が行われることにより、割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0026】
また、表示部側筐体部3のフロントパネル3a表面には、各種情報を表示するための所定形状のディスプレイ30と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部31とが露出するように構成される。
【0027】
また、操作部側筐体部2のリアパネル2b表面には、図3に示すように、被写体を撮像するカメラ部23と、被写体に光を照射するライト部24と、が露出して形成されている。また、操作部側筐体部2のリアパネル2bには、バッテリーが着脱可能に格納されているバッテリー収納部を覆うバッテリーリッド25が設けられている。
【0028】
また、表示部側筐体部3のリアパネル3b表面には、各種情報を表示するための所定形状のサブディスプレイ32が露出して形成されている。
【0029】
また、ディスプレイ30及びサブディスプレイ32は、液晶パネルと、この液晶パネルを駆動する駆動回路と、この液晶パネルの背面側から光を照射するバックライト等の光源部とから構成される。
【0030】
また、操作部側筐体部2の上端部と表示部側筐体部3の下端部とは、図1乃至図3に示すように、連結部(連結機構部)4により連結されている。連結部4の一方面側には、図3に示すように、一列に配列されて構成されている副操作キー群33を備えている。また、副操作キー群33を構成する各キーには、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3の変形状態(オープン状態、クローズ状態、ターンクローズ状態)や起動されているアプリケーションの種類に応じて、所定の機能の割り当て(キー・アサイン)が行われる。また、使用者により副操作キー群33を構成する各キーの押圧動作が行われることにより、割り当てられている機能に応じた動作が実行される。
【0031】
ここで、連結部4の構造と動作について図4乃至図7を用いて説明する。図4は、携帯電話装置1を開いた状態(オープン状態)における斜視図を示す。図5は、図4に示すオープン状態から携帯電話装置1の表示部側筐体部2と操作部側筐体部3を、連結部4の開閉軸Aを中心に矢印A2方向に閉回転し、閉じた状態(クローズ状態)の平面図を示す。図6は、図4に示すオープン状態から携帯電話装置1の表示部側筐体部2を、連結部4の回動軸Bを中心にして矢印B2方向に180°回動した状態(ターンオープン状態)の斜視図を示す。図7は、図6に示すターンオープン状態から携帯電話装置1の表示部側筐体部2を、連結部4の開閉軸Aを中心に矢印A2方向に閉回転し、閉じた状態(ターンクローズ状態)の斜視図を示す。
【0032】
連結部4は、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを、開閉軸Aを中心にして任意の角度で開閉自在に支持し、且つ回動軸Bを中心に任意の角度で回動自在に支持する2軸ヒンジ機構により構成されている。
【0033】
また、連結部4は、一方端側4aが図示しない連結部材により操作部側筐体部2の上端部と連結されており、他方端側4bが図示しない連結部材により表示部側筐体部3の下端部と連結されている。
【0034】
連結部4の一方端4aには、該連結部4における表面から垂直に突出するように形成される凸形状の開閉部4cが形成されている。そして、操作部側筐体2の上端部には、この凸形状の開閉部4cが挿嵌される凹形状の切り欠き部2cが形成されている。
【0035】
この開閉部4cの開閉軸A方向における両側それぞれには、図示しない孔部Aが形成される。また、操作部側筐体2の切り欠き部2cにおける両内側面には、図示しない孔部Bが形成される。そして、凸形状の開閉部4cが、凹形状の切り欠き部2cに挿嵌された状態において、孔部Aと孔部Bとは互いに近接して対向するように配置されると共に、孔部Aと孔部Bとの双方に円筒状の開閉連結部材が挿通される。これにより、操作部側筐体2と連結部4とは、開閉可能に連結される。なお、開閉部4cは、操作部側筐体部2の上端部に挿嵌される形状であれば良く、特に凸形状に限られず、また、操作部側筐体部2の上端部の形状も凹形状に限られない。
【0036】
また、連結部4の他方端側4bと表示側筐体部3の下端部とは、回動連結部材により回動自在に軸着されている。連結部4における表示部側筐体部3側の側面には図示しない孔部Cが形成される。また、表示部側筐体3における連結部4側の側面には、孔部Dが形成される。そして、孔部Cと孔部Dとの双方に回動連結部材が挿通されることで、操作部側筐体2と連結部4とが回動軸Bを中心に回動可能に連結される。
【0037】
携帯電話装置1は、上述したように、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが連結部4により連結されているので、開閉軸Aを中心にして、相対的に開閉動作させたり、回動軸Bを中心にして回動動作をさせたりすることにより様々な状態に変形することができる。
【0038】
例えば、開閉軸Aを中心にして、矢印A1方向に相対的に開動作をさせることにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを互いに開いた状態(開放(通常オープン)状態(第1状態))にすることができる。
【0039】
また、開閉軸Aを中心にして、矢印A2方向に相対的に閉動作をさせることにより、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを折り畳んだ状態(折畳み(通常クローズ)状態)にすることができる(図5を参照)。
【0040】
また、オープン状態において、回動軸Bを中心に表示部側筐体部3を矢印B2方向に180°回動させ(図6を参照)、開閉軸Aを中心にして表示部側筐体部3を矢印A2方向に閉動作させてクローズ状態にすることにより、表示部側筐体部3のフロントパネル3aが外側に露出したまま折畳んだ状態(回転折畳み(ターンクローズ)状態)にすることができる(図7を参照)。
【0041】
なお、本実施形態においては、連結部4による折り畳み式の携帯電話装置1の説明をしているが、折り畳み式ではなく、両筐体2、3を重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転(リボルバ)式でも良い。
【0042】
操作部側筐体部2は、フロントケース2aと、上述した操作キー群11を構成するキーシートと、キースイッチ用のフレキシブルプリント配線基板と、シールドケースと、基準電位パターン層及び携帯電話機用のRF(Radio Frequency)モジュール等の各種電子部品を備える回路基板と、アンテナ部と、リアケースと、バッテリーと、バッテリーリッドと、を備える。また、バッテリーは、リアケース2bの外側から装脱可能に収納される。
【0043】
また、フロントケース2aとリアケース2bとは、互いの凹状の内側面が向き合うように配置され、互いの外周縁が重なり合うようにして結合される。また、フロントケース2aとリアケース2bとの間には、キーシートと、フレキシブルプリント配線基板と、シールドケースと、回路基板と、アンテナ部と、がこの順番で構成されている。つまり、フレキシブルプリント配線基板を覆うようにしてシールドケースが積層配置され、また、フレキシブルプリント配線基板の上面にキーシートが積層配置される。
【0044】
フロントケース2aには、携帯電話装置1を折り畳んだ状態で表示部側筐体部3のディスプレイ30と対向する内側面に、キー孔が複数形成される。複数のキー孔それぞれからは、機能設定操作キー13、入力操作キー14及び十字キー15bの押圧面が露出する。この露出した操作キー群11を構成する機能設定操作キー13、入力操作キー14及び十字キー15bの押圧面を押し下げるように押圧することで、対応するキースイッチのそれぞれにおけるメタルドーム(椀状形状)の頂点が押圧され、スイッチ端子に接触して電気的に導通する。
<本発明の要部の説明>
【0045】
次に、本発明の要点について詳細に説明を行う。
【0046】
図8は、本発明の携帯端末装置の使用形態を示す図である。図8に示すように、本発明の携帯端末装置の使用形態は、携帯端末装置にて起動されているアプリケーションの種類に応じて、例えば、4種類の使用形態に分類することができる。そして、この使用形態に応じて、最適な操作キーの割り当て(キー・アサイン)が行われる(後述)。以下、この4形態について説明する。
【0047】
図8(A)は、一般にオープン状態(第1状態)と呼ばれるフォルダ開状態(縦方向での使用)を示していて、これは、電話機能やメール機能を使用する場合における最適な使用形態である。この形態でのキー操作は、操作部側筐体部(第1筐体)2に設けられた決定キー15a(操作キーa3)、十字キー15b(操作キーa1,a2,a4,a5)及びクリアキー14a(操作キーa6)を含んだ、操作キー群(主操作部)11により行われる。キー操作の結果は、表示部側筐体部(第2筐体)3に設けられたディスプレイ(表示部)30に反映される。尚、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とは、連結部(連結機構部)4により結合されている。
【0048】
図8(B)は、第2状態であるターンクローズ状態(縦方向での使用)を示していて、例えば、写真機能やゲーム機能を使用する場合における使用形態である。この形態でのキー操作は、副操作キー群(左右方向操作キー)及びサイドキー(上下方向操作キー)からなる副操作部307にて行われる。キー操作の結果は、表示部30に反映される。
【0049】
図8(C)は、第2状態であるターンクローズ状態(横方向での使用)を示していて、例えば、写真機能やテレビ機能を使用する場合における最適な使用形態である。この形態でのキー操作は、副操作キー群(上下方向操作キー)及びサイドキー(左右方向操作キー)からなる副操作部307にて行われる。キー操作の結果は、表示部30に反映される。
【0050】
図8(D)は、一般にクローズ状態(第3状態)と呼ばれるフォルダ閉状態を示していて、表示部30を使用しない機能、例えば、ミュージックプレイヤー機能等を使用する場合に最適な使用形態である。この形態でのキー操作は、副操作部307により行われる。キー操作の結果は、サブディスプレイ(副表示部)32に反映される。
【0051】
図9は、上述の携帯端末装置1の各使用形態に応じ、直感的なキー操作が可能となるように、最適な操作キーの割り当て(キー・アサイン)を行うために必要なキー割り当て動作を行うための、携帯端末装置の機能ブロック図を示したものである。
【0052】
図9に示すように、携帯端末装置1のキー割り当て等に必要な機能ブロック図は、制御部300、ROM301、RAM302、ディスプレイ(表示部)30、サブディスプレイ32、無線通信部303、使用形態検出部304、表示方向検出部305、主操作部11(操作キー群)、副操作部307、表示制御部308、音声入出力部309により構成される。
【0053】
制御部300は、ROM301及びRAM302と連携して、携帯端末装置1全体を制御する。ROM301には、携帯端末装置1の制御プログラム、各種アプリケーションプログラム、キー割り当てテーブル等が予め記憶されている。そして、制御部300は、ROM301に記録された制御プログラムに基づいて各機能ブロックの制御を行う。また、ROM301に記録されている各種アプリケーションプログラムの起動/停止及び制御等を行う。
【0054】
無線通信部303及び音声入出力部309は、携帯電話装置としての機能を実現するための機能ブロックである。ディスプレイ30及びサブディスプレイ32は、各種アプリケーションによって様々な表示が行われる。
【0055】
使用形態検出部304は、携帯端末装置1が、前述の4形態(3状態(オープン/クローズ/ターンクローズ)のうちの何れの形態(状態)であるかは、例えば、携帯端末装置1の各所に設けられた磁気センサ等により検出し、ターンクローズの縦横は、アプリケーションの種類により検出)のうちの何れの形態であるかを検出するものである。形態が変化すると、その検出結果を制御部300に通知する。これにより、制御部300は、該検出結果を、RAM302に、「現在の携帯端末装置の使用形態」として記憶する。
【0056】
表示方向検出部305は、現在稼動しているアプリケーションプログラムから、ディスプレイ30が、縦方向(長手方向)で使用されているのか、または、横方向(短手方向)で使用されているのかを検出し、その検出結果を制御部300に通知する。ディスプレイ30が、縦方向(長手方向)で使用されているのか、または、横方向(短手方向)で使用されているのかの検出は、例えば、制御部300から送信される表示方向検出部305に対する制御信号中に含まれる現在稼動しているアプリケーションプログラムの情報から検出される。これにより、制御部300は、該検出結果を、RAM302に、「現在の携帯端末装置の表示方向」として記憶する。
【0057】
主操作部11及び副操作部307は、それぞれ操作キーが押圧動作されると、その情報を制御部300に通知する。
【0058】
表示制御部308は、例えばワンチップコンピュータからなり、アプリケーションプログラム毎に決まった表示方向に基づいて、ディスプレイ30に表示される画像を、縦方向または横方向にて表示する。
【0059】
また、音声入出力部309は、稼動しているアプリケーションプログラムに従って、必要とされる音声を出力する。
【0060】
次に、図10及び図11を参照して、前述の携帯端末装置1の各使用形態(4形態)に応じ、ユーザにとって、直感的なキー操作が可能となるような、最適な操作キーの割り当て(キー・アサイン)を行うための手順(方法)について説明を行う。尚、図10は、キー割り当てを行うための手順を示したフローチャートであり、図11は、具体的なキー割り当てテーブルを示したものである。
【0061】
先ず、制御部300は、ステップS10にて、現在の携帯端末装置の使用形態を検出する。具体的には、制御部300がRAM302の「現在の携帯端末装置の使用形態」を参照し、現在の携帯端末装置の使用形態を判定する。ステップS10で、フォルダ開状態であると判定された場合、制御部300は、処理をステップS11に移す。
【0062】
ステップS11にて、制御部300は、操作キーa1〜a6の割り当てを、ROM301に記憶されたキー割り当てテーブルの「フォルダ開状態(縦)」の操作キーa1〜a6各々に割り当てられたキー操作機能とする。尚、このキー割り当ては、携帯端末装置1の基準となる状態(通常キー・アサイン)であって、このキー割り当ては、当該携帯端末装置1固有のものである。そして、この操作キーa1〜a6の各々が有するキー操作機能が、以降の操作キーb1〜b6に割り当てられることになる。
【0063】
一方、ステップS10にて、フォルダ閉状態であると判定された場合には、制御部300は、処理をステップS12に移す。
【0064】
ステップS12にて、制御部300は、操作キーb1〜b6の割り当てを、ROM301に記憶されたキー割り当てテーブルの「フォルダ閉状態」の操作キーb1〜b6各々に割り当てられたキー操作機能とする。この場合、操作キーb1〜b6の割り当ては、これから起動するアプリケーション、または、起動されたアプリケーションによって決定される。例えば、操作キーb1の押圧動作をすることにより、ミュージックプレイヤーが起動される等である。尚、以降、操作キーb5,b6を第1操作キー、操作キーb2,b3を第2操作キー、操作キーb4を第3操作キー、操作キーb1を第4操作キーとも称する。
【0065】
一方、ステップS10にて、ターンクローズ状態であると判定された場合には、制御部300は、処理をステップS13に移す。
【0066】
ステップS13にて、制御部300は、ディスプレイ(表示部)30に表示された画像が、待ち受け中初期画面か否かの判定を行う。ここで、待ち受け中初期画面は、携帯端末装置1がターンクローズする前に起動させたいアプリケーションの選択を行わなかった場合に表示される。ステップS13にて、表示部30の表示が待ち受け中初期画面であった場合、制御部300は、処理をステップS17へ移す。
【0067】
ステップS17にて、制御部300は、操作キーb1〜b6の割り当てを、ROM301に記憶されたキー割り当てテーブルの「ターンクローズ状態(待ち受け中初期画面)」の操作キーb1〜b6各々に割り当てられたキー操作機能とする。この場合、操作キーb1〜b6の割り当ては、これから起動するアプリケーション、または、起動されたアプリケーションによって決まっている。例えば、操作キーb2の押圧動作をすることにより、カメラが起動される等である。
【0068】
一方、ステップS13にて、待ち受け中初期画面が表示されていない場合、すなわち、携帯端末装置1がターンクローズする前に起動させたいアプリケーションの選択がすでに行われていた場合、又は、ターンクローズ状態から特定のアプリケーションが起動された場合、処理をステップS14に移す。
【0069】
ステップS14では、起動されたアプリケーションが、制御部300により、第2表示状態(横長表示)であるか否かが判定される。横長表示で無く、縦長表示(第1表示状態)であると判定された場合には、処理をステップS15に移す。
【0070】
ステップS15にて、制御部300は、操作キーb1〜b6の割り当てを、ROM301に記憶されたキー割り当てテーブルの「ターンクローズ状態(縦)」の操作キーb1〜b6各々に割り当てられたキー操作機能とする。詳しくは、操作キーb1の操作機能として操作キーa6の機能(取り消し(クリア)または戻る)が割り当てられ、操作キーb2の操作機能として操作キーa2の機能(左へ移動)が割り当てられ、操作キーb3の操作機能として操作キーa4の機能(右へ移動)が割り当てられ、操作キーb4の操作機能として操作キーa3の機能(選択または決定)が割り当てられ、操作キーb5の操作機能として操作キーa1の機能(上へ移動)が割り当てられ、操作キーb6の操作機能として操作キーa5の機能(下へ移動)がそれぞれ割り当てられる。
【0071】
一方、ステップS14にて、起動されたアプリケーションが、制御部300により、第2表示状態(横長表示)であると判定された場合には、処理をステップS16に移す。
【0072】
ステップS16にて、制御部300は、操作キーb1〜b6の割り当てを、ROM301に記憶されたキー割り当てテーブルの「ターンクローズ状態(横)」の操作キーb1〜b6各々に割り当てられたキー操作機能とする。詳しくは、操作キーb1の操作機能として操作キーa6の機能(取り消し(クリア)または戻る)が割り当てられ、操作キーb2の操作機能として操作キーa5の機能(下へ移動)が割り当てられ、操作キーb3の操作機能として操作キーa1の機能(上へ移動)が割り当てられ、操作キーb4の操作機能として操作キーa3の機能(選択または決定)が割り当てられ、操作キーb5の操作機能として操作キーa2の機能(左へ移動)が割り当てられ、操作キーb6の操作機能として操作キーa4の機能(右へ移動)がそれぞれ割り当てられる。
【0073】
以上のように構成された携帯端末装置1によれば、以下の効果がある。
【0074】
フォルダ開状態における十字キー15b、決定キー15a及びクリアキー14aの有する操作性を、フォルダ閉状態やターンクローズ状態における副操作部307に持たせることができ、副操作部307を、十字キー15b、決定キー15a及びクリアキー14aと同様に、違和感無く使用することができる。
【0075】
また、従来例のように、フォルダ閉状態やターンクローズ状態において、露出する部位に十字キーを設ける場合と比べ、副操作部307が占有するスペースを小さくすることができ、筐体のコンパクト化または画面(表示部)の大型化が図れる。
【0076】
さらに、副操作部307の各キーを、十字キー15b、決定キー15a及びクリアキー14aの有する用途以外の用途で使用した場合でも、違和感の無いキー操作が可能となる。
【0077】
また、携帯端末装置のレイアウト(縦/横)に従って、視覚的に認識のしやすいキー・アサインを実現できる。
【0078】
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
【0079】
例えば、以上の説明において、第2表示状態(横長表示)であるか否かの判定は、起動されるアプリケーションの種類によって決まるとして説明したが、これに限定されることは無く、例えば、携帯端末装置1内に設けられたモーションセンサによって判定するようにしても良い。
【0080】
また、本発明のキー割り当て(キー・アサイン)機能は、携帯端末装置のみならず、他の機器(装置)にも適用することが可能である。例えば、PHS(Personal Handy phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルナビゲーション装置、ノートパソコン等のアンテナを備えた他の携帯無線機などである。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明に係る携帯端末装置の開いた状態における正面図である。
【図2】本発明に係る携帯端末装置の開いた状態における側面図である。
【図3】本発明に係る携帯端末装置の開いた状態における背面図である。
【図4】本発明に係る携帯端末装置の開いた状態における斜視図である。操作部側筐体部に内蔵される部材の分解斜視図である。
【図5】本発明に係る携帯端末装置の表示部側筐体部と操作部側筐体部を、閉じた状態(クローズ状態)における平面図である。
【図6】本発明に係る携帯端末装置の表示部側筐体部を、連結部の回動軸を中心にして180°回動した状態(ターン状態)における斜視図である。
【図7】図6に示す表示部側筐体部を、連結部の開閉軸を中心に閉回転し、閉じた状態(ターンクローズ状態)における斜視図である。
【図8】本発明に係る携帯端末装置の使用形態を示す図である。
【図9】本発明に係る携帯端末装置の機能ブロック図である。
【図10】本発明に係る携帯端末装置のキー割り当て判定フローチャートである。
【図11】本発明に係る携帯端末装置のキー割り当てテーブルを示した図である。
【図12】従来の携帯端末装置における十字キーの配置を示す図である。
【図13】従来の携帯端末装置における十字キーの配置を示す図である。
【符号の説明】
【0082】
1 携帯電話装置(携帯端末装置)、2 操作部側筐体部、2a、3a フロントパネル、2b、3b リアパネル、3 表示部側筐体部、4 連結部、11 操作キー群(主操作部)、12 音声入力部、13 機能設定操作キー、14 入力操作キー、14a クリアキー、15a 決定キー、15b 十字キー、16 インターフェース、17 ヘッドホン/マイク端子、18 インターフェース、19 充電端子、20 サイドキー、21 操作キー、22 アンテナ、23 カメラ部、24 ライト部、25 バッテリーリッド、30 ディスプレイ、31 音声出力部、32 サブディプレイ、33 副操作キー群、300 制御部、301 ROM、302 RAM、303 無線通信部、304 使用形態検出部、305 表示方向検出部、307 副操作部、308 表示制御部、309 音声入出力部、a1〜a6,b1〜b6 操作キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面部に上下方向操作キーと左右方向操作キーとを含む主操作部を備えた第1筐体と、
正面部に表示部を備えた第2筐体と、
前記第1筐体と前記第2筐体とを、前記第1筐体の正面部及び前記第2筐体の正面部とが露出する第1状態と、前記第1筐体の正面部が前記第2筐体に被覆されて該第2筐体の正面部が露出する第2状態とに変形自在に連結する連結機構部と、
前記第2状態のときに、前記第1筐体または前記第2筐体の露出する位置に配置される、前記表示部の長手方向に対応して一列に配置される1対の第1操作キーと短手方向に対応して一列に配置される1対の第2操作キーからなる副操作部と、
を備え、
前記副操作部は、前記第2状態のときに、前記第1操作キーまたは前記第2操作キーの内の一方に前記主操作部の上下方向操作キーとしての操作機能が割り当てられ、前記第1操作キーまたは前記第2操作キーの内の他方に前記主操作部の左右方向操作キーとしての操作機能が割り当てられることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記副操作部である短手方向に対応して一列に配置される1対の第2操作キーは、前記第1状態のときに操作無効とされることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記連結機構部は、前記第1筐体と前記第2筐体とを、前記第1筐体の正面部が前記第2筐体の正面部と対向した状態で該第2筐体に被覆される第3状態に変形自在に連結し、
前記第3状態において、前記副操作部である前記第1操作キー及び前記第2操作キーの操作機能は、前記上下方向操作キー及び前記左右方向操作キーの有する操作機能とは異なった操作機能が割り当てられることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記第2状態のとき、前記副操作部としての前記第1操作キーまたは前記第2操作キーに加え、該第1操作キーまたは前記第2操作キーが配置される部位に対して直線上に一列に、選択または決定のための操作機能が割り当てられた第3操作キーがさらに配設されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記第2状態のとき、前記副操作部としての前記第1操作キーまたは前記第2操作キーに加え、該第1操作キーまたは前記第2操作キーが配置される部位に対して直線上に一列に、取り消しまたは戻るための操作機能が割り当てられた第4操作キーがさらに配設されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項6】
前記連結機構部は、前記第2筐体の前記表示部の表示面と平行な回動軸を有する回動連結部によって前記第2筐体に連結されており、前記第2状態のときに露出する前記表示部と同一平面上に位置する部位の表面に、前記第2操作キーが配設されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項7】
前記表示部は、前記第2筐体の長手方向または短手方向の何れかに表示方向が切り替えられるように表示制御され、
前記副操作部である前記第1操作キー及び第2操作キーに割り当てられる前記上下方向操作キー及び前記左右方向操作キーの操作機能は、前記表示部の前記表示方向に応じて変更されることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の携帯端末装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−171366(P2008−171366A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6411(P2007−6411)
【出願日】平成19年1月15日(2007.1.15)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】