説明

携帯通信端末及び通信状態通知方法

【課題】 各種制御信号のモニタ機能を有するPCツールを有していない携帯通信端末では、現在、携帯通信端末内で、どのような現象が発生しているのかを知ることができないため、大容量データをダウンロードする際、ユーザにストレスがかかることがある。
【解決手段】 携帯通信端末内のCPUは、ステップS1でチャネル及び伝送レートが変更されたと判定した時は、取得したチャネル情報が報知チャネル、呼出チャネル、共通チャネル、個別チャネルのいずれであるかに応じて、LED通知部の点滅パターン及び色を制御する。LED通知部は着信報知のために点灯/点滅するLEDからなる既存の着信通知部であり、これを利用して現在のチャネル情報又は伝送レートを発光色と点灯又は点滅パターンの組み合わせによりユーザに通知する。これにより、大容量データをダウンロードする場所の通信環境が分かり、通信環境が良好な場所でのダウンロードが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯通信端末及び通信状態通知方法に係り、特に通信ネットワークを介して他の通信端末と通信する機能を有する携帯通信端末、及びその携帯通信端末における現在の通信環境・通信状態を通知する通信状態通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線基地局と移動局である携帯通信端末と、該無線基地局の通信を制御する制御局とを含む移動体通信システムとして、CDMA(Code Division Multiple Access)移動体通信システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このCDMA移動体通信システムでは、通信に使用する無線チャネルとして、無線基地局と複数の携帯通信端末との間で共用される共通チャネル、及び携帯通信端末毎に個別に割り当てられる個別チャネルの一方のチャネルをトラヒックの特性に応じて選択使用する。
【0003】
一方、携帯通信端末の評価業務で、大容量データをダウンロードし、スループットを測定する場合、同じ容量のデータをダウンロードする場合でも、複数の携帯通信端末が基地局網に接続され、トラヒック量が増加した状態や、フェージング、ノイズの付加された通信環境が悪い状態でダウンロードする場合には、スループットが低下し、ダウンロード完了までに大きな時間差が発生する。
【0004】
すなわち、携帯通信端末を使用して、大容量データをダウンロードする際、通信環境が悪く伝送レートが低い状態で、ダウンロードを実施していると、端末自体に、最高レートが、上り:64kbps/下り:384kbpsの能力があったとしても、いつまでたっても、上り:64kbps/64kbpsのまま、最高レートに到達しない場合や、個別チャネルから、共通チャネルに、状態がランクダウンする場合がある。通常、これらの通信状態に関する情報は、ユーザには通知されない。
【0005】
この状況を、携帯通信端末内の各種制御信号のモニタ機能を有するPCツール等を使用し、受信データの誤り率が増加し、正常データの受信率が劣化することを検出するようにした場合は、伝送レートが低下したり、個別チャネルから共通チャネルへの、チャネル遷移が発生している現象を監視することが可能であり、ダウンロードに時間がかかる理由をユーザに通知できる。なお、大容量のダウンロード時は、一般には共通チャネルではなく、個別チャネルを使用し、その中で伝送レートを上げるよう要求することで高レートでの通信を行う。
【0006】
また、通信状態報知機能を有する携帯通信端末も従来知られている(例えば、特許文献2参照)。この従来の携帯通信端末では、呼出中から通話中に遷移したことを検出する手段と、その検出手段により通話中に遷移したことが検出された時に、その検出結果を表示する表示手段とを備えた構成である。具体的には、基地局からの通話通知信号の検出、又は相手側からの音声を認識する音声認識部の音声認識出力に基づいて、通話中を検出し、液晶表示素子(LCD)や発光ダイオード(LED)により通話中検出結果を表示又は点滅等により報知する。
【0007】
【特許文献1】特開2004−282169号公報
【特許文献2】特開平11−205863号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、各種制御信号のモニタ機能を有する前記PCツールを有していない携帯通信端末では、現在、携帯通信端末内で、どのような現象が発生しているのかを知ることができないため、大容量データをダウンロードする際、通信状態により伝送レートが低い場所でダウンロードすると、ダウンロード完了までに時間がかかり、ユーザにとってストレスがかかるという問題がある。
【0009】
一方、前記PCツールを有している携帯通信端末では、通信中の携帯通信端末内の状態は分かるが、待ち受け中の着信待ち状態にある読み出しチャネルの状態は分からず、また、PCツールを別途用意しなければならず、コスト的にも不利である。
【0010】
また、特許文献2記載の従来の携帯通信端末では、報知する通信状態は、呼出中から通話中に遷移した状態であり、大容量データをダウンロードする場合に、ダウンロードする場所の通信状態が良好であるのか、劣悪であるのかの報知を行うことはできず、このため、通信環境が悪い場所で無駄な接続をしてしまい、ダウンロード完了までに時間がかかり、ユーザにとってストレスがかかるという問題がある。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、PCツールを用いることなく、ユーザに対して、通信環境に関する情報を、視覚的、簡易的にユーザに通知することにより、ユーザが、大容量データのダウンロードにより、時間を費やす際に感じるであろうと思われる、ストレスを軽減させ得る携帯通信端末及び通信状態通知方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の他の目的は、通信中以外の例えば、待ち受け中の着信待ち状態にある呼び出しチャネルの状態が遷移する場合にも、表示パターンを変化させてユーザに通知する携帯通信端末及び通信状態通知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明の携帯通信端末は、通信ネットワークを介して他の通信端末との間で通信する機能を有する携帯通信端末において、通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、チャネルの遷移時に取得して更新する取得手段と、取得手段で取得及び更新したチャネルの情報に応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、取得及び更新したチャネルの情報を通知する通知手段とを有することを特徴とする。
【0014】
この発明では、通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、チャネルの遷移時に取得し、それを予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより通知するようにしたため、ユーザは点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、現在のチャネルの情報を把握することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯通信端末は、上記の取得手段は通信中のチャネルの遷移時に、そのチャネルの伝送レートを取得して更新し、通知手段は取得及び更新した伝送レートに応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、取得及び更新した伝送レートを通知することを特徴とする。
【0016】
この発明では、通信中の伝送レートが点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせによりユーザに通知されるため、ユーザは現在通信中の伝送レートを把握することができ、これにより、ユーザに対して、伝送レートが低い環境下にいることを視覚的に判断させることが可能となる。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯通信端末は、上記の通知手段として、着信の有無を点灯又は点滅にて通知する着信通知手段を利用したことを特徴とする。この発明では、携帯通信端末に元々存在する既存の着信通知手段を利用しているため、コストアップを最小限にすることができる。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯通信端末は、上記の取得手段を、通信中以外のチャネルの情報として、基地局情報を取得中の状態にある報知チャネル、待ち受け中の着信待ち状態にある呼出チャネルの情報を取得する手段としたことを特徴とする。この発明では、視覚的な装飾として通信中以外の状態を通知するようにしたため、通信中以外の現在の状態がどのような状態であるかを視覚的に判断することができる。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、本発明の携帯通信端末は、基地局との間で共用される共通チャネル、及び携帯通信端末毎に個別に割り当てられる個別チャネルを使用するCDMA移動体通信システムにおける携帯通信端末であって、取得手段は、通信中のチャネルの情報として共通チャネル及び個別チャネルを取得し、個別チャネルの遷移時にその個別チャネルの伝送レートを取得することを特徴とする。この発明では、CDMA移動体通信システムで用いられる携帯通信端末の通信中の状態が共通チャネル使用か個別チャネル使用かを視覚的に判断でき、更に個別チャネルの場合は、伝送レートも視覚的に判断することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、本発明の通信状態通知方法は、通信ネットワークを介して他の通信端末との間で通信する機能を有する携帯通信端末の通信状態通知方法において、通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、チャネルの遷移時に取得して更新する第1のステップと、第1のステップで取得及び更新したチャネルの情報に応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、取得及び更新したチャネルの情報を通知する第2のステップとを含むことを特徴とする。
【0021】
この発明では、通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、チャネルの遷移時に取得し、それを予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより通知するようにしたため、ユーザは点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、現在のチャネルの情報を把握することができる。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、本発明の通信状態通知方法は、上記の第1のステップは、通信中のチャネルの遷移時に、そのチャネルの伝送レートを取得して更新し、上記の第2のステップは、取得及び更新した伝送レートに応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、取得及び更新した伝送レートを通知することを特徴とする。
【0023】
この発明では、通信中の伝送レートが点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせによりユーザに通知されるため、ユーザは現在通信中の伝送レートを把握することができ、これにより、ユーザに対して、伝送レートが低い環境下にいることを視覚的に判断させることが可能となる。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、本発明の通信状態通知方法は、上記の第2のステップは、着信の有無を点灯又は点滅にて通知する着信通知手段を利用してチャネルの情報又は伝送レートを通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、チャネルの遷移時に取得し、それを予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより通知することにより、ユーザは点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、現在のチャネルの情報を把握することができるようにしたため、PCツールを用意することなく、ユーザに対して、通信中だけでなく通信中以外の状態でも視覚的に現在の通信環境・通信状態を通知できる。
【0026】
よって、本発明によれば、大容量データのダウンロード時における通信環境・通信状態に基づいて、ユーザは、時間をおいたり、環境を変えてから、データのダウンロードを試みることが可能となるため、通信環境が悪い状態での、無駄な接続を避けることが可能となり、大容量データのダウンロード時の無用なストレスの発生を軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる携帯通信端末の一実施の形態のブロック図を示す。本実施の形態の携帯通信端末10は、通信ネットワークを介して他の通信端末と通信する機能を有する携帯通信端末(例えば携帯電話)であり、図1に示すように、LCD表示部20と、制御部30と、アンテナ40と、無線部50と、操作部60と、LED通知部(着信イルミネーション)70と、マイクロフォン(マイク)80と、スピーカ90とを含む。
【0028】
制御部30は、携帯通信端末10の全体を統括的に制御する中央処理装置(CPU)31と、CPU31の動作プログラムや、操作部60から入力された、通信状態表示機能オン/オフ情報などを識別して記憶するメモリ32とを含む。LCD表示部20は、液晶表示素子(LCD)で構成された、表示画面の画面表示を行う画面表示手段であり、制御部30のCPU31による表示制御手段によって駆動される。
【0029】
無線部50は、アンテナ40を介して最寄りの無線基地局(図示せず)との間で無線通信する。ここでは、携帯通信端末10は前述したCDMA移動体通信システムで用いられ、無線部50は、無線基地局との間で共用される共通チャネルか、携帯通信端末10に個別に割り当てられる個別チャネルを使用して通信する。操作部60は、ユーザの操作に応じて各種の情報を制御部30に入力する。
【0030】
LED通知部70は、着信の有無を点灯あるいは点滅でユーザに通知するために用いられる発光ダイオード(LED)から構成された既存の通知手段であるが、本実施の形態では、このLED通知部70を、制御部30が、操作部60の操作によって通信状態表示機能がオンに設定されたことに応じて、無線部50より取得した通信状態の情報を通知するためにも用いる。また、制御部30は、無線部50より取得する通信状態の情報が更新されるに応じて、LED通知部70の点灯・点滅のパターンを変更することにより、情報の更新を通知する。なお、LED通知部20が互いに異なる表示色の複数のLEDからなる構成の場合は、点灯又は点滅するLEDの表示色パターンを、取得した現在の通信状態の情報に応じて変更するようにしてもよい。
【0031】
マイク80は、送話音声を音響−電気変換して送話音声信号を生成し、これを制御部30及び無線部50を通して公知の方法によりアンテナ40から相手端末へ送信させる。スピーカ90はアンテナ40を介して無線部50にて受信した受話音声信号が、制御部30を介して供給され、その受話音声信号を電気−音響変換して受話音声として発音する。マイク80及びスピーカ90の動作自体は周知である。
【0032】
次に、本実施の形態の動作について、図2フローチャートを併せ参照して説明する。制御部30のCPU31は、操作部60から通信状態表示機能オンが設定されると、図2のフローチャートに従った動作を行う。ただし、図2は全てのチャネル及び、伝送レート情報を網羅しているわけではなく、代表的な状態遷移時のフローチャートである。なお、通信状態表示機能オン(ON)の設定の際には、LCD表示部20に図3に示した画面が表示され、LED通知部70におけるイルミネーション点灯パターンも操作部60から設定可能とされる。
【0033】
図3において、イルミネーション点灯パターンは、「待ち受け中」、「通話中」、「通信環境 良」、「通信環境 悪」等の説明項目に対応して、点灯・点滅する発光ダイオードの発光色と、点灯又は点滅とを組み合わせたパターンである。なお、説明項目を「チャネル」、「転送レート」とすることも考えられるが、これらはユーザには理解し難いので、図3に示したようなユーザに理解し易い説明項目とすることが望ましい。なお、通信状態表示機能をオフに設定すると、上記の通信状態に応じたLED通知部70に対する点灯・点滅制御を行わないので、消費電力の浪費を避けることができる。
【0034】
制御部30のCPU31は、操作部60から通信状態表示機能オンが設定されると、チャネル及び伝送レートが変更されたかどうか判定する(ステップS1)。ここで、この実施の形態の携帯通信端末10は、前述したように、CDMA移動体通信システムで用いられ、パケット通信により、データをダウンロードする際等は、個別チャネル中においても、データ量や、トラヒック量に応じ、通信中に伝送レートが変更される。
【0035】
この伝送レートは、拡散率(Spreading Factor)により、段階的に上り:64kbps/下り:64kbps、上り:64kbps/下り384kbps等、定まったレートとなっているため、この、拡散率の値が変化する度に、LED通知部70への、表示色や、点滅のパターンを割り振ることにより、ユーザは、トラヒック量や通信環境の状態を視覚的に判断することが可能となる。
【0036】
図2のステップS1でチャネル及び伝送レートが変更されていないと判定された時は、CPU31は無線部50よりチャネル及び伝送レートの情報を取得し(ステップS2)、再びステップS1でチャネル及び伝送レートの変更の有無を判定する。一方、CPU31は、ステップS1でチャネル及び伝送レートが変更されたと判定した時は、取得したチャネル情報が報知チャネル、呼出チャネル、共通チャネル、個別チャネルのいずれであるかに応じて、LED通知部70の点滅パターン及び表示色を制御する。
【0037】
すなわち、取得したチャネル情報が報知チャネルのときは、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を報知チャネル用の値(例えば10等)に設定し(ステップS4)、その設定したLED点滅用変数に基づいて、LED通知部70の点滅パターン及び表示色を制御する(ステップS12)。同様に、取得したチャネル情報が呼出チャネルのときは、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を呼出チャネル用の値(例えば20等)に設定し(ステップS5)、取得したチャネル情報が共通チャネルのときは、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を共通チャネル用の値(例えば30等)に設定し(ステップS6)、それぞれ、その設定したLED点滅用変数に基づいて、LED通知部70の点滅パターン及び表示色を制御する(ステップS12)。
【0038】
ただし、ステップS3で取得したチャネル情報が個別チャネルのときは、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を個別チャネル用の値(例えば40等)に設定した後(ステップS7)、取得した伝送レート情報が下り64kbps、下り128kbps、下り384kbpsのいずれであるか判定する(ステップS8)。取得した伝送レート情報が下り64kbpsであるときには、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を下り64kbps用の値(例えば41等)に設定し(ステップS9)、その設定したLED点滅用変数に基づいて、LED通知部70の点滅パターン及び表示色を制御する(ステップS12)。
【0039】
同様に、取得した伝送レート情報が下り128kbpsであるときには、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を下り128kbps用の値(例えば42等)に設定し(ステップS10)、下り384kbpsであるときには、LED点滅用変数(Illumination_pattern)の値を下り384kbps用の値(例えば43等)に設定し(ステップS11)、それぞれ、その設定したLED点滅用変数に基づいて、LED通知部70の点滅パターン及び表示色を制御する(ステップS12)。
【0040】
このように、本実施の形態によれば、チャネル及び、伝送レートの情報は、無線部50からの割り込み処理により、通信中の状態遷移時に、用意した変数に設定し、通信中の状態が遷移する度に更新し、変数に設定されたパターンに従って、LED通知部70を構成している、発光色の異なる複数のLEDを選択して、点灯又は点滅させることにより、表示色と点灯又は点滅パターンとの組み合わせにより通信状態通知機能を実現することができる。
【0041】
また、本実施の形態では、通信中の共通チャネル/個別チャネル時のみではなく、通信中以外の、基地局情報を取得中の状態にある、報知チャネル、待ち受け中の着信待ち状態にある、呼出チャネル等に、状態が遷移する場合にも、着信LEDの配色や、点灯/点滅パターンを割り振るようにしているため、ユーザにとっては、視覚的にも、配色や点灯/点滅パターンの表示を楽しむことが可能となる。
【0042】
携帯通信端末のような、場所を変更して、大容量のデータのダウンロードを行うことが可能な端末では、同じ容量のデータをダウンロードする場合においても、通信状態により、伝送レートが高い状態と低い状態とでは、ダウンロード完了までの時間に差が発生するため、伝送レートが低い状態でダウンロードを実施することとなるユーザにとっては、ストレスを感じることとなる。
【0043】
しかし、本実施の形態によれば、既存のLED通知部70による着信イルミネーション機能を利用し、視覚的に、通信中の状態を明示するようにしいているため、ユーザには、伝送レートが低い環境下にいることを判断することが可能となり、その場合は、ユーザは、時間をおいたり、環境を変えてから、大容量のデータのダウンロードを試みることが可能となるため、通信環境が悪い状態での、無駄な接続を避けることが可能となり、上記のストレスを感じないで済む。
【0044】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、通信携帯端末は携帯電話機以外の簡易型携帯電話機(PHS)、携帯型情報機器などにも適用可能である。また、本発明は、上記の図2の動作をCPU31により実行させるコンピュータプログラムも包含するものである。
【0045】
また、上記の実施の形態では、既存の着信報知用のLED通知部70を利用して通信状態などを配色と点灯/点滅パターンとの組み合わせで通知するように説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、LCD表示部20の画面上の電池マーク、アンテナピクトが表示される画面上端の欄(領域)を使用し、チャネルが遷移される毎に上端の欄の色を変更するなどの方法でも通知が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の携帯通信端末の一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1の動作説明用フローチャートである。
【図3】本発明により通信状態表示のオン設定時の画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10 携帯通信端末
20 LCD表示部
30 制御部
31 CPU(中央処理装置)
32 メモリ
40 アンテナ
50 無線部
60 操作部
70 LED通知部
80 マイク
90 スピーカ





【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介して他の通信端末との間で通信する機能を有する携帯通信端末において、
通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、該チャネルの遷移時に取得して更新する取得手段と、
前記取得手段で取得及び更新した前記チャネルの情報に応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、該取得及び更新したチャネルの情報を通知する通知手段と
を有することを特徴とする携帯通信端末。
【請求項2】
前記取得手段は通信中のチャネルの遷移時に、そのチャネルの伝送レートを取得して更新し、前記通知手段は取得及び更新した前記伝送レートに応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、該取得及び更新した伝送レートを通知することを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。
【請求項3】
前記通知手段は、着信の有無を点灯又は点滅にて通知する着信通知手段を利用したことを特徴とする請求項1又は2記載の携帯通信端末。
【請求項4】
前記取得手段は、前記通信中以外のチャネルの情報として、基地局情報を取得中の状態にある報知チャネル、待ち受け中の着信待ち状態にある呼出チャネルの情報を取得する手段であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の携帯通信端末。
【請求項5】
基地局との間で共用される共通チャネル、及び携帯通信端末毎に個別に割り当てられる個別チャネルを使用するCDMA移動体通信システムにおける携帯通信端末であって、前記取得手段は、前記通信中のチャネルの情報として前記共通チャネル及び前記個別チャネルを取得し、前記個別チャネルの遷移時にその個別チャネルの伝送レートを取得することを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか一項記載の携帯通信端末。
【請求項6】
通信ネットワークを介して他の通信端末との間で通信する機能を有する携帯通信端末の通信状態通知方法において、
通信中又は通信中以外の状態でのチャネルの情報を、該チャネルの遷移時に取得して更新する第1のステップと、
前記第1のステップで取得及び更新した前記チャネルの情報に応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、該取得及び更新したチャネルの情報を通知する第2のステップと
を含むことを特徴とする通信状態通知方法。
【請求項7】
前記第1のステップは、通信中のチャネルの遷移時に、そのチャネルの伝送レートを取得して更新し、前記第2のステップは、取得及び更新した前記伝送レートに応じて、予め定めた点灯又は点滅パターンと表示色との組み合わせにより、該取得及び更新した伝送レートを通知することを特徴とする請求項6記載の通信状態通知方法。
【請求項8】
前記第2のステップは、着信の有無を点灯又は点滅にて通知する着信通知手段を利用して前記チャネルの情報又は前記伝送レートを通知することを特徴とする請求項6又は7記載の通信状態通知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−295383(P2006−295383A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110949(P2005−110949)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】