説明

摺動部材、その製造方法及び摺動構造

【課題】非晶質炭素被膜が形成された摺動部材において、これまでに比べてより低い摩擦係数を確保することができる摺動部材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基材の摺動面に、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜が形成された摺動部材である。摺動部材の非晶質炭素被膜は、珪素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1以上であり、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比(N/C比)が、0.1〜0.25の範囲にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摺動面に非晶質炭素被膜が形成された摺動部材及びその製造方法に係り、特に、初期馴染み性に優れた摺動部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車産業などの我が国の基幹産業において、トライボロジーは重要な役割を担っている。例えば、自動車産業においては、現在、地球環境保全のため、自動車からの排出される二酸化炭素の削減を目指してさまざまな取り組みが行われており、その一例としてハイブリットシステムなどのエネルギー効率の良い動力源の開発が良く知られている。しかし更なる低燃費を目指すためには、動力源の開発だけでなくエンジン内部および駆動系における摩擦によるエネルギーの伝達ロスの低減が重要な課題となる。
【0003】
前記課題を鑑みて、動力系機器における摺動部材の摩擦係数の低減化、耐摩耗性の向上を図るべく、構造用鋼あるいは高合金鋼からなる摺動部材の摺動面に被覆する新たなトライボロジー材料としての非晶質炭素材料(DLC)が注目されている。
【0004】
このような非晶質炭素炭素材料を利用した部材の一例として、窒化炭素膜に珪素を含有させることにより炭素の一部を珪素で置換して、窒素炭素珪素材料を形成した硬質材料が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−167206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような硬質材料を用いた場合には、これまでの非晶質炭素材料に比べて耐摩耗性を有する点で優れているが、このような材料を用いたとしても、必ずしも摩擦係数が充分に低減することができるものではなかった。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、これまでに比べてより低い摩擦係数を確保することができる摺動部材およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を鑑み、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、低摩擦を得るためには、含有する窒素と炭素の割合が重要であり、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比(N/C比)の増加に伴いC−NとC=NのC−C結合に対する割合が増加し、一方、N/Cの原子比の減少した場合にはC=NがC−Nに対して増加して(炭素と窒素とのsp結合が増加し)、これにより低摩擦係数を発現するとの新たな知見を得た。
【0009】
本発明は、発明者らの前記新たな知見に基づくものであり、本発明に係る摺動部材は、基材の摺動面に、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜が形成された摺動部材であって、前記非晶質炭素被膜は、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1〜0.25の範囲にあることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比を前記範囲内にすることにより、炭素と窒素とのsp結合が増加し、摩擦係数を低減することができる。窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比(N/C比)が、0.1未満の場合には、窒素の含有量が低いため摩擦係数を低減することができない場合がある。一方、N/C比が、0.25を超えた場合には、N/Cの増加に伴いC−NとC=NのC−C結合に対する割合が増加し、炭素と窒素とのsp結合が減少し、摩擦係数を低減することができない場合がある。
【0011】
より好ましくは、珪素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比(Si/C比)が、0.2〜0.5の範囲である。後述する発明者らの実験によれば、Si/C比が、0.2未満、Si/C比が0.5を超えた場合には、摩擦係数が増加する傾向にある。
【0012】
また、本発明として、摺動部材の製造方法についても開示する。本発明に係る摺動部材の製造方法は、基材の摺動面に、プラズマCVDにより、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜を成膜する摺動部材の製造方法であって、前記原料ガスとして、少なくとも炭化水素系ガス、窒素ガス、及び珪素原子を含むガスを用いて、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1〜0.25の範囲となるように前記非晶質炭素被膜を成膜することを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、原料ガスとして、少なくとも炭化水素系ガス、窒素ガス、及び珪素原子を含むガスを用いて、プラズマCVDにより成膜することにより、炭素原子、珪素原子、窒素原子の含有量を調整し、炭素と窒素とのsp結合が増加した、これまでよりも低摩擦係数を有する摺動部材を製造することができる。
【0014】
また、より好ましい態様としては、前記炭化水素系ガスにメタンガスを用い、前記珪素原子を含むガスにテトラメチルシランガスを用いる。原料ガスとしてメタンガス(CH)、テトラメチルシラン(TMS)を用いてプラズマCVD法で非晶質炭素成膜することで、SiをSi/C比で0.1〜0.7含有しながら、N/C比が0.03から0.54まで変化させることが可能となり、上述した範囲の非晶質炭素被膜を容易に成膜することができる。
【0015】
なお、本発明でいう「珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜」とは、いわゆる珪素を含有したa−CNxのことであり、酸素原子及び水素原子をさらに含有していてもよい。
【0016】
また、本発明に係る摺動部材は、潤滑状態、無潤滑状態どちらで使用してもよいが、より好ましくは、上述した摺動部材及び上述した製造方法により製造された摺動部材を第1の摺動部材として備え、該第1の摺動部材に摺動する摺動部材を第2の摺動部材として備え、該第1及び第2の摺動部材が無潤滑状態で摺動する摺動構造にする。これにより、低摩擦で、これらの摺動部材を摺動させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、これまでに比べてより低い摩擦係数を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】実施例及び比較例2に係る摺動部材を製造するための製造装置の模式的概略図。
【図2】実施例に係る摺動部材のX線光電子分光による測定結果の一例を示した図。
【図3】ボールオンオンディスク摩擦試験機を説明するための図。
【図4】実施例、比較例1及び2に係る摺動部材のN/C比と摩擦係数の結果を示す図。
【図5】実施例、比較例1及び2に係る摺動部材のSi/C比と摩擦係数の結果を示す図。
【図6】実施例、比較例1及び2に係るC=N/C−Cの比率とN/C比との関係、C−N/C−Cの比率とN/C比との関係とを示した図。
【図7】実施例、比較例1及び2に係るC=N/C−Nの比率とN/C比との関係を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の本発明の摺動部材及びその製造方法を実施形態について説明する。本実施形態の摺動部材の製造方法は、基材の摺動面に、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜が形成された摺動部材を製造する方法である。具体的には、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1〜0.25の範囲となり、好ましくは、珪素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.2〜0.5となるように非晶質炭素被膜を成膜する方法である。
【0020】
まず、摺動部材の基材を準備する。この基材の材質としては、摺動時において非晶質炭素被膜との密着性を確保することができるような材質および表面硬さを有する材料であれば、特に限定されるものではなく、例えば、鋼、鋳鉄、アルミニウム、高分子樹脂等の基材などを挙げることができる。
【0021】
また、この基材の表面には、非晶質炭素被膜を成膜前に、基材と非晶質炭素被膜との密着力を高めるために、ケイ素(Si)からなる中間層を設けてもよく、さらにケイ素の代わりに、クロム(Cr)、チタン(Ti)またはタングステン(W)を用いてもよい。
【0022】
次に、原料ガスとして、少なくとも炭化水素系ガス、窒素ガス、及び珪素原子を含むガスを用い、搬送ガスとしてアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスを用いる。具体的には、炭化水素系ガスとしては、メタンガス、プロパンガス、アセチレンガス、プロパンガス、ベンゼンガスなどを挙げることができ、上述した含有量の範囲で、非晶質炭素被膜を成膜されるものであれば、特に限定されるものではない。
【0023】
また、珪素原子及び炭化水素基からなるガスとしては、例えば、テトラメチルシラン(Si(CH)ガス、シラン(SiH)ガス、トリメチルシラン((CHSiH)ガス、ジメチルシラン((CHSiH)、モノメチルシラン(CHSiH)ガス、などを挙げることができ、上述した原子範囲で、非晶質炭素被膜を成膜されるものであれば、特に限定されるものではない。
【0024】
そして、基材を、電極に対峙させ、基材と電極との間に、不活性ガスをプラズマ生成のためのキャリアガスと上述した原料ガスとを流すと共に、バイアス電圧を作用させることによりプラズマを発生させて、プラズマCVDにより、基材表面に、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜(Si含有CNxHy被膜)を成膜する。なお、プラズマCVDにおいては、原料ガスをプラズマ状態にすること(原料ガスの原子や分子が励起され、化学的に活性すること)ができれば、直流(DC)・高周波(RF)・マイクロ波などいずれを供給してもよい。
【0025】
本実施形態により製造された非晶質炭素被膜は、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1〜0.25の範囲にあるので、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比を前記範囲内にすることにより、炭素と窒素とのsp結合が増加し、摩擦係数を低減することができる。
【実施例】
【0026】
以下に、本発明を実施例により説明する。
(実施例)
<摺動部材の製作>
図1に示すように、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜(Si含有a−CNxHy膜)の成膜には、2.45GHzのマイクロ波を利用した表面波励起プラズマCVD装置を用いた。装置の概要を図1に示す。直径400mm、高さ300mmの円筒状のチャンバ内において、100mm×60mmのステンレス(SUS304)製の試験片と、石英管表面との半径方向の距離dが20mmとなる位置にホルダを設置した。成膜ガスとしてアルゴン(Ar)、メタン(CH),窒素(N)およびテトラメチルシラン(TMS:Si(CH)を準備した。なお、TMSにより、成膜される膜中にはSiが含まれることになる。900W(平均270〜360W)のマイクロ波パワーをパルス状にし、dutyを30−40%、周波数を500Hzとし、高密度プラズマ(電子密度ne>1011cm-)を、直径10.5mm、長さ150mmの石英アンテナに沿って生成した。
【0027】
その後、試験片ホルダと基板に−300Vのバイアス電圧を印加しながら、試験片をプラズマ中にさらすことで、Arプラズマによる試験片の表面洗浄を行う。成膜温度200℃〜300℃になるまで加熱し、その後、Arガス、CHガス、Nガス、およびTMSガスを混入し、マイクロ波パワーを900W,電圧を−300Vに維持した状態で,全圧を40Paとして成膜を20分間行った。
【0028】
本実施例では、非晶質炭素被膜中の窒素含有量が摩擦係数に及ぼす影響を調べるため、ArとTMSのガス流量を10sccm、2.0sccmに固定し、CHとNの流量を、(1)13sccmと2sccm(成膜温度:250℃)、(2)14sccmと1sccm(成膜温度250℃)、(3)15sccmと0.6sccm(成膜温度:300℃)、(3)15sccmと0.2sccm(成膜温度:300℃)の3条件での、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜(Si含有a−CNxHy膜)を厚さ1.2μmとなるように成膜した。
【0029】
(比較例1)
窒素を含まない珪素を含有した非晶質炭素被膜(Si−DLC)を、プラズマCVDにより成膜した摺動部材を準備した。
【0030】
(比較例2)
実施例1と同じように、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜(Si含有a−CNxHy膜)を成膜した摺動部材を製作した。具体的には、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1未満、0.25を超えるように、非晶質炭素被膜を製作した。実施例と相違する点は、ArとTMSのガス流量を10sccmと、2.0sccmとに固定し、CHとNの流量を、(1)12sccmと3sccm(成膜温度:200℃、250℃、300℃)、(2)13sccmと2sccm(成膜温度:250℃)、(5)15sccmと0.2sccm(成膜温度:300℃)の3条件かつカッコ内に示す各成膜温度の条件での、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜(Si含有a−CNxHy膜)を成膜した点である。
【0031】
[評価試験]
<X線光電子分光による測定>
X線光電子分光(XPS)法により、非晶質炭素被膜に含まれるC−C、C=N、C−N、C−Oの結合エネルギーを測定し、さらに炭素、窒素、酸素の割合(原子%)を算出した。この結果を、表2に示す。なお、図2は、成膜温度250℃、メタンガス13sccm、窒素ガス2sccmの条件における測定結果である。
【0032】
<摩擦試験>
以下の手順で摩擦試験を行った。まず、直径8mm、以下の表1に示す窒化珪素球を準備した。
【0033】
【表1】

【0034】
図3に示すボールオンディスク摩擦試験機を用いた。摩耗試験を行う事前準備として、ボール試験片Bをアセトンとエタノールで各15分間超音波洗浄した。その後、チャンバ30内において、ボール試験片Bを試験機の本体から取り外したボールホルダー35に固定し、光学顕微鏡(図示せず)を用いてこの表面に傷が無いことを確認後、これらをデシケータ(図示せず)内に投入し、ボール試験片Bを乾燥させた。一方、ディスク試験片Dの表面に形成した非晶質炭素被膜の表面(摺動面)の埃などの異物をハンドブロー(図示せず)で取り除いた。
【0035】
次に、ディスク試験片Dをディスクホルダー44に保持させると共に、ボール試験片Bが固定されたボールホルダー35をステージ31と一体となるように試験機の本体に取り付けた。平行板ばね32に接着したひずみゲージ33(協和電業製,KF−1−120−C1−16)を用いて、ボール試験片Bがディスク試験片Dの非晶質炭素被膜の表面に対して付加される荷重の値が0.1Nの荷重(ヘルツ平均接触圧力(135MPa))が付加されるようにステージ31を調整して、これらを当接させた。なお、ボール試験片Bとディスク試験片Dの接触位置は、この3軸ステージ31によって決定され、垂直荷重は、z軸を上下させることにより調整した。
【0036】
そして、乾式下(乾燥摩擦条件下)で、チャンパ内に窒素ガスを導入し、モータ41を駆動してプーリ42を回転させ、ベルト43を介して、窒素ガス雰囲気下でディスクホルダー44のディスク試験片Dを、ボール試験片Bに対して回転半径が2mm、相対速度(摺動速度)が42m/s(回転数200rpm)となる定速回転条件で60分間回転させた。
【0037】
このときの摩擦力を、ひずみゲージ34で測定し、センサインターフェイス(協和電業製,PCD−300A)を介して、コンピュータ内にデータを取り込み、記録した。そして、摩擦係数を換算した。この結果を表2に示す。
【0038】
なお、図4に、実施例、比較例1及び2に係る摺動部材のN/C比と摩擦係数の結果を示し、図5に、実施例、比較例1及び2に係る摺動部材のSi/C比と摩擦係数の結果を示す。なお、図4の四角囲み内に示す比は、CHとNの流量の比である。
【0039】
さらに、図6に、実施例、比較例1及び2に係るC=N/C−Cの比率とN/C比との関係、C−N/C−Cの比率とN/C比との関係とを示し、図7に実施例、比較例1及び2に係るC=N/C−Nの比率とN/C比との関係を示す。
【0040】
【表2】

【0041】
[結果]
図4及び表2から、実施例及び比較例2から、N/C比が0.03から0.54まで変化したCNx膜において、N/C比が0.19において摩擦係数の最小値0.022となり、実施例の如くN/C比が、0.1〜0.25の範囲で摩擦係数が低減されたことがわかる。また、比較例1の窒素を含有しないSi含有の非晶質炭素被膜よりも、それに窒素を含有することで、摩擦係数が、0.030から0.022に(約27%)減少することがわかった。
【0042】
また、摺動部材の低摩擦を得るためには、珪素は含まれていることが必要であると考えられ、図5及び表2の結果から、0.2〜0.5の程度の範囲がより好ましいと考えられる。
【0043】
図6に示すように、N/C比の増加に伴いC=NとC−NのC−C結合に対する割合は増加した。また、図7に示すように、N/C比が小さいときにC=NがC−Nに対して30倍程度と著しく多いことが示された。これは、プラズマCVD法により成膜した被膜は、N/Cの増加と伴にsp結合がsp結合に対して増加し、N/C比が、0.1〜0.25の範囲では、炭素と窒素とのsp結合が増加し、摩擦係数を低減することができたと考えら得る。なお、表2に示すように、被膜中の酸素は、チャンバのリークによるものであると考えられる。
【0044】
以上、本発明の実施の形態を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0045】
31…ステージ,32…平行板ばね,33…ひずみゲージ,35…ボールホルダー,41…モータ,42…プーリ,43…ベルト,44…ディスクホルダー,B…ボール試験片,D…ディスク試験片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の摺動面に、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜が形成された摺動部材であって、
前記非晶質炭素被膜は、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1〜0.25の範囲にあることを特徴とする摺動部材。
【請求項2】
基材の摺動面に、プラズマCVDにより、珪素及び窒素を含有した非晶質炭素被膜を成膜する摺動部材の製造方法であって、
前記原料ガスとして、少なくとも炭化水素系ガス、窒素ガス、及び珪素原子を含むガスを用いて、窒素原子の含有量/炭素原子の含有量の原子比が、0.1〜0.25の範囲となるように前記非晶質炭素被膜を成膜することを特徴とする摺動部材の製造方法。
【請求項3】
前記炭化水素系ガスにメタンガスを用い、前記珪素原子を含むガスにテトラメチルシランガスを用いることを特徴とする請求項2に記載の摺動部材の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の摺動部材または請求項2または3に記載の製造方法により製造された摺動部材を第1の摺動部材として備え、該第1の摺動部材に摺動する摺動部材を第2の摺動部材として備え、該第1及び第2の摺動部材が無潤滑状態で摺動することを特徴とする摺動構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−153943(P2012−153943A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14054(P2011−14054)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】