説明

撮像デバイス

【課題】本発明は、高電界の印加によりアバランシェ増倍現象が生じる光導電層への正孔注入阻止の度合いを強化した酸化セリウム製の正孔注入阻止層を用い、高感度・高解像度で高S/Nの高品位画像が得られる光導電型の撮像デバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】導電面を有する透光性基板と、前記導電面上に形成される光導電部と、前記光導電部に走査用の電子ビームを発射する電子ビーム源と、前記光導電部に電気的に接続され、前記電子ビームの走査によって得る撮像信号を読み出すための信号読み出し部とを具え、前記光導電部は、前記導電面から前記電子ビーム源に向かう方向に順次積層された、正孔注入阻止層、光導電層、及び電子ビームランディング層を含み、前記正孔注入阻止層は、密度が6.5g/cm以上の酸化セリウムで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高感度・高解像度で高S/Nの高品位画像が得られる光導電型の撮像デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
セレン系非晶質半導体で構成される光導電層に高電界を印加すると、内部でアバランシェ増倍現象が起きることが知られており、この現象を利用した光導電型の高感度撮像管が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
このようなアバランシェ増倍現象を生じさせるには、5×10V/m以上の強度の高い電界を光導電層に印加する必要があるため、正極性電極からセレン系非晶質半導体(光導電層)への電荷(正孔)の注入を阻止して暗電流を抑制するための手法として、正極性電極とセレン系非晶質半導体(光導電層)の間に、例えば酸化セリウム薄膜を正孔注入阻止層として設ける手法が知られている。
【非特許文献1】テレビジョン学会全国大会講演予稿集、33〜34頁、1989年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように正孔注入阻止層として酸化セリウム薄膜を設けても、正孔注入阻止層の膜質や印加される電界の強度によっては、正極性電極からセレン系非晶質半導体(光導電層)への電荷の注入を効果的に抑制することができない場合があり、正孔注入阻止層を通過した電荷注入に起因する暗電流が生じる場合がある。
【0005】
一般的に、アバランシェ増倍現象を利用した高感度撮像管では、光導電層に印加する電界の強度を高くするほど高い増倍率(感度)を得ることができるが、電界の強度を高くしすぎると電荷の注入に起因する暗電流もアバランシェ増倍を起こし、S/N等の画質の劣化を招く虞がある。
【0006】
このため、光導電層に印加できる電界の強度には限界があり、この電界強度の限界により高感度撮像管の増倍率の最大値も制限されるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、高電界の印加によりアバランシェ増倍現象が生じる光導電層と、この光導電層への正孔注入阻止の度合いを強化した酸化セリウム製の正孔注入阻止層とを用いることにより、高感度・高解像度で高S/Nの高品位画像が得られる光導電型の撮像デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面の撮像デバイスは、導電面を有する透光性基板と、前記導電面上に形成される光導電部と、前記光導電部に走査用の電子ビームを発射する電子ビーム源と、前記光導電部に電気的に接続され、前記電子ビームの走査によって得る撮像信号を読み出すための信号読み出し部とを具え、前記光導電部は、前記導電面から前記電子ビーム源に向かう方向に順次積層された、正孔注入阻止層、光導電層、及び電子ビームランディング層を含み、前記正孔注入阻止層は、密度が6.5g/cm以上の酸化セリウムで構成される。
【0009】
また、前記光導電層は、セレンを主体とする非晶質半導体層で構成される光導電膜を含んでもよい。
【0010】
また、前記光導電部には、当該光導電部内にアバランシェ増倍現象を生じさせる電圧が印加されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高電界の印加によりアバランシェ増倍現象が生じる光導電層と、この光導電層への正孔注入阻止の度合いを強化した酸化セリウム製の正孔注入阻止層とを用いることにより、高感度・高解像度で高S/Nの高品位画像が得られる光導電型の撮像デバイスを提供できるという特有の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の撮像デバイスを適用した実施の形態について説明する。
【0013】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の撮像デバイスの構成を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は撮像デバイスを(a)のA−A矢視断面で示す図である。
【0014】
図1(a)に示す透光性基板1の一方の面には導電膜1Aが形成されており、この導電膜1A上には、光導電部2が形成される。この透光性基板1は、インジウムリング3によってシールされてガラス管4に取り付けられる。
【0015】
ガラス管4は、一端が封止されたガラス製の管状部材であり、このガラス管4の内部には、奥部から開口部に向けて、電子ビーム源5、第1グリッド電極6、第2グリッド電極7、第3グリッド電極8、及びメッシュ電極9が配設される。
【0016】
また、透光性基板1は、金属製ピン1Bを備える。この金属製ピン1Bは、透光性基板1を貫通する貫通孔の内部に嵌着されている。金属製ピン1Bは、導電膜1Aと電気的に接続されており、光導電部2に電圧を印加するための電源11の正極性端子と、撮像信号を読み出すための読み出し部12が接続される。その際、電源11のもう一方の負極性端子は電子ビーム源5に接続され、走査電子ビームを介して閉回路を形成するように設置される。
【0017】
さらに、ガラス管4の外側には、図示しない偏向コイル及び集束コイルが配設され、第3グリッド電極8内で加速される電子(電子ビーム5A)を偏向・集束させる。
【0018】
「各部の構成」
透光性基板1は、被写体から得られる反射光を透過して光導電部2に誘導する透明な基板であり、例えば、透光性ガラス製の直径18mmの円板状の基板で構成される。この透光性基板1の一方の面には、酸化インジウムを主体とする直径14mm、膜厚30nmの導電膜1Aがスパッタ蒸着法により形成される。
【0019】
光導電部2は、電子ビーム源5から発射される電子ビーム5Aのターゲットとなり、高電界の印加により内部でアバランシェ増倍現象を生じさせる薄膜状の光導電部である。この光導電部2は、平面視円形であり、電子ビーム5Aによって走査される走査面2Aと、透光性基板1及び導電膜1Aを経て図中上方向から光が入射する入射面2Bを有する。この入射面2Bは、光導電部2の導電膜1Aとの境界面である。なお、電源11から光導電部2に印加される電圧をターゲット電圧と称す。
【0020】
また、図1(b)に示すように、光導電部2は、電子ビーム源5と対向する走査面2Aの中央部に走査領域2Cを有する。この走査領域2Cは、偏向コイル及び集束コイルによって偏向・集束される電子ビーム5Aにより、撮像信号を取り出すための走査が行われる領域である。なお、金属製ピン1Bは、平面視において走査領域2Cの外となる位置に配設されている。光導電部2の詳細構成については図2を用いて後述する。
【0021】
インジウムリング3は、透光性基板1とガラス管4との間をシール(密封)するためのインジウム製の環状部材である。
【0022】
ガラス管4は、インジウムリング3が取り付けられる開口部を一端に有し、他端が封止されるガラス製の管状部材であり、電子ビームによる走査を実現するために、インジウムリング3によって透光性基板1とシール(密封)されることにより、内部空間が真空に保持される。
【0023】
電子ビーム源5は、ガラス管4内の端部に配設される電子放出源であり、陰極材料をヒータで加熱して電子雲を励起する装置である。
【0024】
第1グリッド電極6、第2グリッド電極7、及び第3グリッド電極8は、電子ビーム源5で励起された電子を電子ビーム5Aとしてメッシュ電極9の方向に引き出して加速させるための電極である。
【0025】
メッシュ電極9は、走査用の電子ビーム5Aのターゲットとなる光導電部2に衝突する電子の速度を低下させるための減速電界を生じさせる電極である。
【0026】
ここで、各電極に印加される電圧は、例えば、電子ビーム源5のヒータ:約6V、第1グリッド電極6:約20V、第2グリッド電極7:約300V、第3グリッド電極8:約600V、メッシュ電極9:約800Vである。
【0027】
また、光導電部2の光入射面2Bには、電源11から導電膜1Aを介して、光導電部2の厚さに応じて100〜5000Vのターゲット電圧が印加される。
【0028】
走査領域2Cの表面電位は、走査終了直後には電子ビーム源5と同じ電位となり、光導電部2の入射面2Bと走査面2Aの間にはターゲット電圧と同じ電圧が印加される。その後、光が入射すると、吸収された光で光導電部2内に電子−正孔対が生成され、正孔が光導電部2内の電界に沿って走査面2Aまで走行し、走査面2Aの表面電位は正方向に変化する。正方向に上昇した走査面2Aの表面電位は、次の電子ビーム走査により再び電子ビーム源5と同じ電位に戻るが、その際に閉回路に流れる電流変化が読み出し部12から撮像信号として取り出される。
【0029】
電子ビーム源5で発生された電子は、第1グリッド電極6によって引き出され、第2グリッド電極7により電子ビーム5Aとして出射され、外部磁界によって偏向・集束されるとともに第3グリッド電極8で加速される。加速された電子は、メッシュ電極9を通過すると減速され、略零の速度で光導電部2の表面に到達する。これにより、高速で電子が光導電部2に衝突することを抑制でき、衝突による2次電子の放出が抑制される。
【0030】
「光導電部2の構成」
図2は、実施の形態1の撮像デバイスの光導電部2の構成を詳細に示す断面図である。
【0031】
光導電部2は、正孔注入阻止層2a、光導電層2b、及び電子ビームランディング層2cの積層体であり、透光性基板1の導電膜1Aの表面上に積層されている。
【0032】
正孔注入阻止層2aは、導電膜1Aから光導電層2bへの電荷(正孔)の注入を阻止するための層であり、暗電流を抑制するために形成される酸化セリウム(CeO)製の薄膜層である。この正孔注入阻止層2aは、真空蒸着法によって導電膜1Aの表面上に形成される。
【0033】
光導電層2bは、セレン(Se)を主原料とする非晶質半導体層であり、高電圧の印加によりアバランシェ増倍現象を生じさせる半導体層である。この光導電層2bは、真空蒸着法によって正孔注入阻止層2aの表面上に形成される。
【0034】
電子ビームランディング層2cは、電子ビーム源5から放出され、第1グリッド電極6、第2グリッド電極7、及び第3グリッド電極8によって加速され、メッシュ電極9によって減速された電子が到達する層である。
【0035】
「光導電部2の作製方法」
このような光導電部2は次のようにして作製される。まず、導電膜1A上へ真空蒸着法により直径14mm、膜厚10nmの酸化セリウムからなる正孔注入阻止層2aを形成する。この際、真空蒸着装置内に設けた加熱機構を用いて、透光性基板1の温度を220℃に保持すると、正孔注入阻止層2aを構成する酸化セリウムの密度は、6.7〜6.8g/cm程度になる。
【0036】
次に、正孔注入阻止層2aの上に真空蒸着法により直径14mm、膜厚2〜50μmのセレン(Se)を主体とする非晶質半導体からなる光導電層2bを形成する。さらに、圧力0.1〜0.4Torrのアルゴン(Ar)ガス雰囲気中で三硫化アンチモン(Sb)を蒸着し、直径14mm、膜厚0.1μmの電子ビームランディング層2cを形成する。以上のようにして光導電部2を得る。
【0037】
このようにして光導電部2を形成した透光性基板1と、電子ビーム源5、メッシュ電極9等を内蔵したガラス管4を、インジウムリング3でシールし、内部を真空封止することにより、実施の形態1の撮像デバイスを得る。
【0038】
図3は、実施の形態1の撮像デバイスにおける撮像信号電流特性及び暗電流特性を示す図である。これらは、光導電層2bの厚さを4μmとした撮像デバイスによって得られた特性であり、正孔注入阻止層2aを作成する際の透光性基板1の温度を上述した220℃の他に、40℃、100℃、及び150℃に変更して作製した撮像デバイスによる特性を含む。なお、横軸は、電源11から光導電部2に印加しているターゲット電圧を表す。
【0039】
このように基板温度を変えて作製した撮像デバイスの正孔注入阻止層2aの密度を測定したところ、表1のような結果を得た。
【0040】
【表1】


また、図4は、表1の結果を特性として示す図である。この測定結果では、透光性基板1の温度を100℃以上とした場合に、正孔注入阻止層2aの酸化セリウムの密度は、6.5g/cm以上の値が得られた。なお、設定温度が25℃の撮像デバイスは、室温で作製したものであり、従来の撮像デバイスに相当するものである。
【0041】
図3の特性図に示すように、撮像信号電流特性は、すべての温度において略同一の特性を得た。
【0042】
一方、暗電流については、正孔注入阻止層2aの作製温度が40℃、100℃、150℃、220℃と上昇するに連れて低くなった。25℃の撮像デバイスを基準とすると、40℃の場合でも約2割低下しており、100℃では約5割に低下し、150℃では約1/3に低下し、220℃では約1/4にまで低下した。
【0043】
このように暗電流の値が低くなったのは、表1に示したように作製温度が上昇するに連れて正孔注入阻止層2aを構成する酸化セリウムの密度が上昇したことと、作製温度が上昇するに連れて酸化セリウム中の酸素欠陥量が少なくなり、酸化セリウム中の欠陥準位が減少して導電膜1Aとのエネルギーの障壁が大きくなったためと考えられる。
【0044】
このような結果より、正孔注入阻止層2aを構成する酸化セリウムの密度を6.5g/cm以上とした場合に、暗電流の値が非常に低くなり、正孔注入阻止層2aを作製する際の透光性基板1の温度を100℃以上とした場合に、高感度・高解像度で高S/Nの高品位画像が得られる光導電型の撮像デバイスを提供することができることが分かった。特に、透光性基板1の温度を220℃とした場合には、暗電流を従来の撮像デバイスの1/4程度に低減した撮像デバイスを作製できることが分かった。
【0045】
以上、実施の形態1によれば、正孔注入阻止層2aを作製する際に透光性基板1を加熱して暗電流を大幅に低減することにより、高感度・高解像度で高S/Nの高品位画像が得られる光導電型の撮像デバイスを提供することができる。
【0046】
なお、以上では、セレン(Se)を主体とする非晶質半導体からなる光導電層を用いた撮像デバイスについて説明したが、本発明は光導電層の材料に何らの制限を付すものではなく、Si、PbO、CdS、CdSe、CdTe、Sb等からなる光導電層を用いる撮像デバイスにも適用し得ることは言うまでもない。
【0047】
また、以上では、真空蒸着法により酸化セリウムを形成したが、密度が6.5g/cm以上の酸化セリウムを得られるのであれば、他の方法を用いてもよい。
【0048】
また、透光性基板1は、ガラス基板に限らず、透光性樹脂基板、又はオプティカルファイバープレートであってもよい。また、X線に対する透過率が高いベリリウム(Be)、結晶シリコン(Si)、又は窒化ホウ素(BN)等の薄板等を用いれば、X線用撮像デバイスの暗電流を低減することが可能である。
【0049】
また、以上では、一般的に広く使われている撮像管を用いて説明したが、電子ビームを真空中で加速し、光導電層にランディングさせて蓄積電荷を読み出す方式のデバイスであれば、他の形式の撮像デバイスであってもよい。
【0050】
[実施の形態2]
図5は、実施の形態2の撮像デバイスの断面構造を示す図である。実施の形態2の撮像デバイスは、X線画像用撮像デバイスに好適であり、電子ビーム源としての電子放出源アレイ20を備える点が実施の形態1の撮像デバイスと主に相違する。この電子放出源アレイ20は、複数の微小なカソードがマトリクス状に配列されたものであり、任意のカソードを選択して電子ビームを発射させることができる。このため、実施の形態1の撮像デバイスのように、第1グリッド電極6、第2グリッド電極7、第3グリッド電極8、偏向コイル、及び集束コイルは備えない。
【0051】
また、実施の形態2では、ガラス管4はカップ状である。電子放出源アレイ20は、ガラス管4の底面に配設される。
【0052】
その他の構成は、基本的に実施の形態1の撮像デバイスに準ずるため、同一又は同等の構成要素には同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0053】
実施の形態2の撮像デバイスは、透光性基板1として厚さ0.5mm、直径18mmのベリリウム(Be)製の薄板状の導電性基板を用いる。ベリリウム(Be)製の薄板状の透光性基板1は導電性を有するため、実施の形態1のように一方の面に導電膜1Aを形成する必要はない。
【0054】
透光性基板1の一方の面には、実施の形態1と同様に光導電部2が形成される。この透光性基板1は、インジウムリング3を介してガラス管4に封止される。
【0055】
また、上述のように、実施の形態2のガラス管4は、カップ状である。このカップ状のガラス管4の内部の底面には電子放出源アレイ20が配設され、開口部4Aの近傍には、メッシュ電極9が配設される。
【0056】
電子放出源アレイ20は、複数の微小なカソードがマトリクス状に配列された平板状の電子ビーム源である。走査ラインと選択ラインに印加する電圧値を制御することにより、所望のカソードから電子ビーム20Aを光導電部2に発射することができる。
【0057】
以上のようにして光導電部2を表面に形成した透光性基板1と、電子放出源アレイ20やメッシュ電極9等を内蔵したガラス管4とをインジウムリング3を用いてシールし、内部を真空封止することにより、実施の形態2の撮像デバイスを作製することができる。
【0058】
光導電部2に印加する電圧と撮像デバイスの撮像信号電流及び暗電流の関係は、光導電部2の構造と膜厚に依存する。このため、実施の形態1と同一の正孔注入阻止層2a及び光導電層2bを含む光導電部2を用いた実施の形態2の撮像デバイスにおいても、実施の形態1の撮像デバイスと同じように、従来技術による撮像デバイスに比べて暗電流を低減することができる。
【0059】
なお、以上では、ガラス管4がカップ状である形態について説明したが、カップ状のガラス管4の代わりに、同一形状で金属製の真空チャンバを用いてもよい。
【0060】
以上で説明した実施の形態1及び2の撮像デバイスは、高画質が要求されるテレビジョンカメラ、特にハイビジョン用カメラに最適であり、産業、医療、理化学分野等の画像解析システムに適用すれば、高S/Nでの信号処理が可能になる等の効果が得られる。
【0061】
以上、本発明の例示的な実施の形態の撮像デバイスについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1の撮像デバイスの構成を示す図であり、(a)は側断面図、(b)は撮像デバイスを(a)のA−A矢視断面で示す図である。
【図2】実施の形態1の撮像デバイスの光導電部2の構成を詳細に示す断面図である。
【図3】実施の形態1の撮像デバイスにおける撮像信号電流特性及び暗電流特性を示す図である。
【図4】表1の結果を特性として示す図である。
【図5】実施の形態2の撮像デバイスの断面構造を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 透光性基板
1A 導電膜
1B 金属製ピン
2 光導電部
2a 正孔注入阻止層
2A 走査面
2b 光導電層
2B 入射面
2c 電子ビームランディング層
2C 走査領域
3 インジウムリング
4 ガラス管
4A 開口部
5 電子ビーム源
5A、20A 電子ビーム
6 第1グリッド電極
7 第2グリッド電極
8 第3グリッド電極
9 メッシュ電極
11 電源
12 読み出し部
20 電子放出源アレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電面を有する透光性基板と、
前記導電面上に形成される光導電部と、
前記光導電部に走査用の電子ビームを発射する電子ビーム源と、
前記光導電部に電気的に接続され、前記電子ビームの走査によって得る撮像信号を読み出すための信号読み出し部と
を具え、
前記光導電部は、前記導電面から前記電子ビーム源に向かう方向に順次積層された、正孔注入阻止層、光導電層、及び電子ビームランディング層を含み、前記正孔注入阻止層は、密度が6.5g/cm以上の酸化セリウムで構成される、撮像デバイス。
【請求項2】
前記光導電層は、セレンを主体とする非晶質半導体層で構成される光導電膜を含む、請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項3】
前記光導電部には、当該光導電部内にアバランシェ増倍現象を生じさせる電圧が印加される、請求項1又は2に記載の撮像デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−33738(P2010−33738A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−191823(P2008−191823)
【出願日】平成20年7月25日(2008.7.25)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】