説明

撮像ユニット及び撮像装置

【課題】 高倍率化、広角化及び小型化を図る。
【解決手段】 正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、第1レンズ群乃至第3レンズ群によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子IMGとが物体側より像側へ順に配置され、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が大きくなると共に第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が小さくなり、広角端における第2レンズ群から固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像ユニット及び撮像装置に関する。詳しくは、高い変倍比を有すると共に撮影画角の十分な広角化が可能なデジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ等に好適な撮像ユニット及び撮像ユニットを備えた撮像装置の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年デジタルカメラ等の撮像装置の市場は非常に大きなものとなっており、ユーザーのデジタルカメラ等の撮像装置に対する要望も多岐に亘り、高画質化、小型化、薄型化は言うまでもなく、近年ではズームレンズを含む撮像ユニットの高倍率化や広角化への要望も非常に大きくなってきている。
【0003】
一般に、最も物体側のレンズ群が正の屈折力を有するポジティブリードタイプの光学系は、変倍比を大きくできる利点があるため、例えば、変倍比が5倍を超えるような高倍率に適したタイプとして多く用いられている。
【0004】
特に、ポジティブリードタイプの小型の光学系として、物体側より像側へ順に、正・負・正・正の屈折力を有する4つのレンズ群から成る4群構成の光学系(ズームレンズ)が知られている(例えば、特許文献1乃至特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−23529号公報
【特許文献2】特開2005−338740号公報
【特許文献3】特許第3977150号
【特許文献4】特開2006−308957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1及び特許文献3に記載された正・負・正・正の4群構成の光学系にあっては、十分な高倍率化が達成されていない。また、一般に、正・負・正・正の4群構成の光学系においては、広角化を図る際に、第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズの外径が大型化し易いため、特許文献1乃至特許文献3に記載された正・負・正・正の4群構成の光学系にあっては、撮影画角の十分な広角化と小型化が実現されていない。
【0007】
さらに、光学系の広角化及び高倍率化には良好な収差補正を行う必要があるため、レンズ枚数を多く使うことが通常とされている。特許文献4に記載された光学系は、高倍率化と広角化が図られた光学系とされているが、上記のような良好な収差補正を図る必要があるため、第1レンズ群のレンズ枚数が多く、十分な小型化の実現には至っていない。
【0008】
加えて、正・負・正・正の4群構成の光学系にあっては、フォーカシングを行うために第4レンズ群を配置していることが多く、3群構成等のレンズ群の少ない光学系よりもサイズが大きくなってしまい、より十分な小型化を図ることが課題であった。
【0009】
従って、特に、非撮影時にレンズを沈胴させて収納性を図った所謂沈胴式の撮像ユニットにおいては、レンズの枚数を削減して沈胴時の光軸方向における薄型化を図ることが極めて困難となるため、高倍率化及び広角化と同時に、小型化された撮像ユニットの開発が強く要請されている。
【0010】
また、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を用いた撮像装置においては、像側がテレセントリックに近い撮像ユニットを用いることが、像面照度の均一化を図ることが可能であるため望ましい。このような撮像ユニットとしては最も像側のレンズ群が正の屈折力を有する撮像ユニットが好適である。
【0011】
そこで、本発明撮像ユニット及び撮像装置は、上記した問題点を克服し、高倍率化、広角化及び小型化を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
撮像ユニットは、上記した課題を解決するため、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第1レンズ群乃至前記第3レンズ群によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子とが物体側より像側へ順に配置され、広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が大きくなると共に前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が小さくなり、広角端における前記第2レンズ群から前記固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにしたものである。
【0013】
従って、撮像ユニットにあっては、ズーミングの際の変倍効果に大きく寄与している第2レンズ群と第3レンズ群の変倍効果が高くなる。
【0014】
上記した撮像ユニットにおいては、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置され、前記開口絞りがズーミングに際して前記第3レンズ群と一体で移動することが望ましい。
【0015】
ズーミングに際して開口絞りに専用の空間が不要となる。
【0016】
上記した撮像ユニットにおいては、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)0.45<f3/(fw・ft)1/2<0.70
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【0017】
撮像ユニットが条件式(1)を満足することにより、第3レンズ群の屈折力が適正化される。
【0018】
上記した撮像ユニットにおいては、 前記第3レンズ群における最も像側に位置するレンズ面を非球面に形成することが望ましい。
【0019】
第3レンズ群における最も像側に位置するレンズ面を非球面に形成することにより、全てのズームポジションに亘ってコマ収差と像面湾曲が良好に補正される。
【0020】
上記した撮像ユニットにおいては、前記第2レンズ群は第1の負レンズと第2の負レンズと正レンズが物体側より像側へ順に配置されて成ることが望ましい。
【0021】
第2レンズ群が第1の負レンズと第2の負レンズと正レンズが物体側より像側へ順に配置されて成ることにより、第2レンズ群の主点位置が物体側に近付き易くなる。
【0022】
上記した撮像ユニットにおいては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)−0.50<f2/(fw・ft)1/2<−0.30
但し、
f2:第2レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【0023】
撮像ユニットが条件式(2)を満足することにより、第2レンズ群の屈折力が適正化される。
【0024】
上記した撮像ユニットにおいては、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)−2.0<f12w/ fw<−1.5
但し、
f12w:広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
とする。
【0025】
撮像ユニットが条件式(3)を満足することにより、第1レンズ群と第2レンズ群の合成屈折力が適正化される。
【0026】
上記した撮像ユニットにおいては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)0.8<f23t/ ft<3.5
但し、
f23t:望遠端における第2レンズ群と第3レンズ群の合成焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【0027】
撮像ユニットが条件式(4)を満足することにより、第2レンズ群と第3レンズ群の合成屈折力が適正化される。
【0028】
上記した撮像ユニットにおいては、前記固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行うことが望ましい。
【0029】
固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行うことにより、フォーカシングを目的とするレンズ群が不要となる。
【0030】
上記した撮像ユニットにおいては、ズーミングの際に前記固体撮像素子が光軸方向へ移動され、無限遠物体合焦時において、広角端における固体撮像素子の位置が最も像側に存在することが望ましい。
【0031】
無限遠物体合焦時において、広角端における固体撮像素子の位置が最も像側に存在することにより、広角端よりも望遠側において長くなるフォーカスストロークをズーミングにおいて可能な限り確保することが可能となる。
【0032】
上記した撮像ユニットにおいては、ズーミングの際に第2レンズ群が光軸方向において固定されていることが望ましい。
【0033】
ズーミングの際に第2レンズ群が光軸方向において固定されていることにより、第2レンズ群をズーミング時に移動させるための駆動機構を設ける必要がない。
【0034】
上記した撮像ユニットにおいては、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子が物体側から像側へ向かって移動することが望ましい。
【0035】
無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子が物体側から像側へ向かって移動することにより、広角端よりも望遠側において長くなるフォーカスストロークをズーミングにおいて可能な限り確保することが可能となる。
【0036】
上記した撮像ユニットにおいては、前記固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行い、ズーミングの際に前記固体撮像素子が光軸方向へ移動され、フォーカシング及びズーミングの際に固体撮像素子がステッピングモーターの駆動力によって光軸方向へ移動することが望ましい。
【0037】
フォーカシング及びズーミングの際に固体撮像素子がステッピングモーターの駆動力によって光軸方向へ移動することにより、ズーミングとフォーカシングの動作を同一の機構によって制御することが可能となる。
【0038】
上記した撮像ユニットにおいては、前記固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行い、ズーミングの際に前記固体撮像素子が光軸方向へ移動され、フォーカシング及びズーミングの際に固体撮像素子がリニアモーターの駆動力によって光軸方向へ移動することが望ましい。
【0039】
フォーカシング及びズーミングの際に固体撮像素子がリニアモーターの駆動力によって光軸方向へ移動することにより、ズーミングとフォーカシングの動作を同一の機構によって制御することが可能となる。
【0040】
撮像装置は、上記した課題を解決するため、物体側より像側へ順に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と負の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群とから成るズームレンズと、前記ズームレンズによって形成される光学像を撮像する固体撮像素子と、操作が行われるスイッチを有する入力部と、少なくともズームレンズの駆動を制御する駆動制御部とを備え、広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が大きくなると共に前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が小さくなり、広角端における前記第2レンズ群から前記固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにしたものである。
【0041】
従って、撮像装置にあっては、ズーミングの際の変倍効果に大きく寄与している第2レンズ群と第3レンズ群の変倍効果が高くなる。
【発明の効果】
【0042】
本発明撮像ユニット及び撮像装置は、上記のように構成することにより、高倍率化、広角化及び小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下に、本発明撮像ユニット及び撮像装置を実施するための最良の形態について説明する。
【0044】
[撮像ユニットの構成]
本発明撮像ユニットは、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、第1レンズ群乃至第3レンズ群によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子とが物体側より像側へ順に配置されている。
【0045】
また、本発明撮像ユニットは、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が大きくなると共に第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が小さくなり、広角端における第2レンズ群から固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにしている。
【0046】
上記のように構成することにより、広角化を確保した上で、ズーミングの際の変倍効果に大きく寄与している第2レンズ群と第3レンズ群の変倍効果を最大限に引き出して高倍率化を図ることができ、また、全光学系の全長を短縮化して小型化を図ることもできる。
【0047】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、第2レンズ群と第3レンズ群の間に開口絞りが配置され、開口絞りがズーミングに際して第3レンズ群と一体で移動することが望ましい。
【0048】
開口絞りに関して上記のように構成することにより、高倍率化を図った際においても、全てのズームポジションにおいて十分なFナンバー及び周辺光量を確保することが可能となる。また、開口絞りが第3レンズ群と一体で移動する構成にすることにより、ズーミング時に開口絞りを独立して移動させる必要がなくなるため、駆動機構の削減を図ることが可能となり、撮像ユニットの簡素化及び小型化を図ることができる。
【0049】
一般に、特に、光量調整用の開閉機構等を有する開口絞りの場合には、絞り羽根やシャッター等の駆動機構を有しているため、独立して移動させると、移動のための空間の確保が困難になったり、レンズ鏡筒の構造が複雑化するため好ましくない。従って、上記のように開口絞りを第3レンズ群と一体で移動する構成とすることにより、撮像ユニットが配置されるレンズ鏡筒の小型化を図ることも可能である。
【0050】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、以下の条件式(1)を満足することが望ましい。
(1)0.45<f3/(fw・ft)1/2<0.70
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【0051】
条件式(1)は、第3レンズ群の屈折力を規定する式である。
【0052】
第3レンズ群は、ズーミングに際して変倍に大きく寄与しているレンズ群であるため、第3レンズ群の屈折力を適切に設定することが小型化及び高倍率化を図るために重要となる。
【0053】
条件式(1)の上限を超えて大きくなり過ぎると、第3レンズ群の屈折力が小さくなり過ぎ、光学系の高倍率化を実現するために全長を長くする必要が生じ、小型化を実現することができなくなる。
【0054】
逆に、条件式(1)の下限を超えて小さくなり過ぎると、第3レンズ群の屈折力が大きくなり過ぎるため、第3レンズ群において発生する収差の補正が困難になる上、特に、ズーミング時おける収差変動が大きくなり過ぎるため、画質の劣化を来たしてしまう。
【0055】
従って、撮像ユニットが条件式(1)を満足することにより、第3レンズ群の屈折力が適正化され、高倍率化及び小型化を図ることができると共に画質の向上を図ることができる。
【0056】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、第3レンズ群における最も像側に位置するレンズ面を非球面に形成することが望ましい。
【0057】
第3レンズ群における最も像側に位置するレンズ面を非球面に形成することにより、全てのズームポジションに亘ってコマ収差と像面湾曲を良好に補正することが可能となり、画質の向上を図ることが可能となる。特に、固体撮像素子を可動とすることによりフォーカシングを行う場合において、全ての物体距離に対してコマ収差と像面湾曲を良好に補正し良好な画像を得ることが可能となる。
【0058】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、第2レンズ群は第1の負レンズと第2の負レンズと正レンズが物体側より像側へ順に配置されて成ることが望ましい。
【0059】
第2レンズ群は、第3レンズ群と同様にズーミングに際して変倍に大きく寄与しているレンズ群であるため、第2レンズ群の屈折力を適切に設定することが小型化及び高倍率化を図るために重要となる。また、第2レンズ群は光学系の広角化と光学系のレンズ径を小型化するために最も重要なレンズ群であり、第2レンズ群のレンズ構成と屈折力を適切に設定することが、小型化、高倍率化、広角化及び高画質化の全てにおいて重要となる。
【0060】
第2レンズ群を第1の負レンズと第2の負レンズと正レンズを物体側より像側へ順に配置して構成することにより、第2レンズ群の主点位置を物体側に近付け易くなるため、広角端における入射瞳位置を物体側に配置することが容易になる。従って、例えば、画角(広角端の半画角)が38°を超えるような広角化を図る際においても、第1レンズ群の径を小さくすることが可能となり、それに伴い全光学系のレンズ径の小型化に大きく寄与する。
【0061】
このように第2レンズ群を第1の負レンズと第2の負レンズと正レンズを物体側より像側へ順に配置して構成することにより、広角化及び小型化を図ることができる。
【0062】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、以下の条件式(2)を満足することが望ましい。
(2)−0.50<f2/(fw・ft)1/2<−0.30
但し、
f2:第2レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【0063】
条件式(2)は、第2レンズ群の屈折力を規定する式である。
【0064】
条件式(2)の下限を超えて小さくなり過ぎると、第2レンズ群の屈折力が小さくなり過ぎ、第1レンズ群の最も物体側に位置するレンズの径と全長を大きくする必要が生じるため小型化を実現することができない。
【0065】
逆に、条件式(2)の上限を超えて大きくなり過ぎると、第2レンズ群の屈折力が大きくなり過ぎるため、特に、広角端における軸外収差と望遠端における軸上収差の補正を適切に行うことが困難になり、画質の劣化を来たしてしまう。
【0066】
従って、撮像ユニットが条件式(2)を満足することにより、第2レンズ群の屈折力が適正化され、小型化及び高画質化を図ることができる。
【0067】
尚、撮像ユニットにおいては、第2レンズ群における物体側に位置する第1負レンズを非球面レンズとして構成することが最も好ましい。第1負レンズを非球面レンズとして構成することにより、特に、広角端における軸外収差の発生を極限まで抑えることが可能となるため、一層の画質の向上を図ることが可能となる。
【0068】
また、第2レンズ群における最も像側に位置する正レンズを非球面レンズとして構成することも望ましい。正レンズを非球面レンズとして構成することにより、広角端における軸外収差と望遠端における軸上収差の補正を一層効果的に行うことが可能となる。
【0069】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、以下の条件式(3)を満足することが望ましい。
(3)−2.0<f12w/ fw<−1.5
但し、
f12w:広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
とする。
【0070】
条件式(3)は、広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の合成屈折力を規定する式である。
【0071】
上記したように、例えば、画角(広角端の半画角)が38°を超えるような広角化を図る場合には、第1レンズ群のレンズの径を小さくすることが全光学系のレンズ径の小型化に大きく寄与している。具体的には、広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の合成屈折力が、その光学系の径方向における小型化に対して最も大きく寄与する。
【0072】
従って、条件式(3)の下限を超えて小さくなり過ぎると、第1レンズ群と第2レンズ群の合成屈折力が小さくなり過ぎるため、広角化を図る場合に第1レンズ群における最も物体側に位置するレンズの径が大型化してしまう。
【0073】
逆に、条件式(3)の上限を超えて大きくなり過ぎると、第1レンズ群と第2レンズ群の合成屈折力が大きくなり過ぎるため、特に、広角端における軸外収差が大きくなってしまう。従って、画質の劣化を来たしたり、又は、第1レンズ群の屈折力が小さくなり過ぎることにより、高倍率化を図った場合において光学系の全長が長くなったり、望遠端におけるFナンバーが暗くなり過ぎたりするため、小型化に支障を来たすと共に高画質化を図ることができなくなる。
【0074】
従って、撮像ユニットが条件式(3)を満足することにより、高倍率化を確保した上で小型化を図ることができると共に高画質化を図ることができる。
【0075】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、以下の条件式(4)を満足することが望ましい。
(4)0.8<f23t/ ft<3.5
但し、
f23t:望遠端における第2レンズ群と第3レンズ群の合成焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【0076】
条件式(4)は、広角端における第2レンズ群と第3レンズ群の合成屈折力を規定する式である。
【0077】
条件式(4)の上限を超えて大きくなり過ぎると、第2レンズ群と第3レンズ群の合成屈折力が小さくなり過ぎるため、光学系の全長が長くなり小型化を図ることが困難になる。
【0078】
逆に、条件式(4)の下限を超えて小さくなり過ぎると、第2レンズ群と第3レンズ群の合成屈折力が大きくなり過ぎるため、特に、望遠端における軸上収差と倍率色収差が大きくなってしまい画質の劣化を来たしてしまう。
【0079】
従って、撮像ユニットが条件式(4)を満足することにより、小型化及び高画質化を図ることができる。
【0080】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行うことが望ましい。
【0081】
固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行うことにより、フォーカシングを目的とするレンズ群を削減することができる上に、フォーカス感度を1.0に設定することができるため、レンズ群によってフォーカシングを行う場合に比べてフォーカスストロークを短くすることが可能となる。具体的には、例えば、正・負・正・正の4群構成のタイプにおいて第4レンズ群によってフォーカシングを行う場合には、フォーカス感度が0.3〜0.7程度になることが多い。従って、固体撮像素子によってフォーカシングを行うことにより、フォーカシングに必要な空間をレンズ鏡筒の内部から30%〜70%も削減することが可能となり、必要に応じて確保したスペースをズーミングのためのストロークの確保に分配することも可能となる。
【0082】
このように固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行うことにより、小型化を図ることができると共に高変倍化を図ることができる。
【0083】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、ズーミングの際に固体撮像素子が光軸方向へ移動され、無限遠物体合焦時において、広角端における固体撮像素子の位置が最も像側に存在することが望ましい。
【0084】
一般に、光学系における像倍率は、広角端に比べてそれより望遠側の方が高くなるため、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までフォーカシングするためのフォーカスストロークは、広角端に比べてそれより望遠側の方が長くなることが多い。
【0085】
そこで、上記したように、無限遠物体合焦時におけるズーミングに際して、広角端における固体撮像素子の位置が最も像側に存在するように構成することにより、広角端よりも望遠側において長くなるフォーカスストロークをズーミングにおいて可能な限り確保することが可能となり、結果として、レンズ鏡筒において必要なフォーカスストロークを短くすることが可能となる。
【0086】
従って、撮像ユニットにおいて光学系の小型化を実現することが可能となる。
【0087】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、ズーミングの際に第2レンズ群が光軸方向において固定されていることが望ましい。
【0088】
ズーミングの際に第2レンズ群が光軸方向において固定されていることにより、第2レンズ群をズーミング時に移動させるための駆動機構を設ける必要がなく、また、第2レンズ群の移動ストロークを駆動機構のカム部材等において確保する必要がない。
【0089】
従って、レンズ鏡筒の構造に関して大幅に簡素化及び小型化を図ることが可能となり、撮像ユニットの小型化を図ることができる。
【0090】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子が物体側から像側へ向かって移動することが望ましい。
【0091】
上記したように、一般に、光学系における像倍率は、広角端に比べてそれより望遠側の方が高くなるため、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までフォーカシングするためのフォーカスストロークは、広角端に比べてそれより望遠側の方が長くなることが多い。
【0092】
そこで、上記したように、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子が物体側から像側へ向かって移動する構成とすることにより、広角端よりも望遠側において長くなるフォーカスストロークをズーミングにおいて可能な限り確保することが可能となり、レンズ鏡筒において必要なフォーカスストロークを短くすることが可能となる。
【0093】
従って、撮像ユニットにおいて光学系の小型化を実現することが可能となる。
【0094】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、フォーカシング及びズーミングの際に、固体撮像素子がステッピングモーターの駆動力によって光軸方向へ移動することが望ましい。
【0095】
固体撮像素子がステッピングモーターの駆動力によって光軸方向へ移動するように構成することにより、ズーミングとフォーカシングの双方の複雑な動作を同一の機構によって制御することが可能となる。
【0096】
従って、レンズ鏡筒の構造の簡素化及び小型化を図ることができると共にカム部材を回転させて行う制御方法に比べて駆動精度が高いため動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0097】
本発明の一実施形態による撮像ユニットにあっては、フォーカシング及びズーミングの際に、固体撮像素子がリニアモーターの駆動力によって光軸方向へ移動することが望ましい。
【0098】
固体撮像素子がリニアモーターの駆動力によって光軸方向へ移動するように構成することにより、ズーミングとフォーカシングの双方の複雑な動作を同一の機構によって制御することが可能となる。
【0099】
従って、レンズ鏡筒の構造の簡素化及び小型化を図ることができると共にカム部材を回転させて行う制御方法に比べて駆動精度が高いため動作の信頼性の向上を図ることができる。
【0100】
尚、本発明による撮像ユニットにあっては、ズーミング及びフォーカシングの際に固体撮像素子が光軸方向へ移動されるが、固体撮像素子の近傍に配置されている赤外線カットフィルターや光学ローパスフィルター、固体撮像素子を封止しているカバーガラス等を固体撮像素子と一体で移動させてもよい。
【0101】
一般に、固体撮像素子はカバーガラス等により予め封止されている形態や、赤外線カットフィルターや光学ローパスフィルターがパッケージとして一体に設けられている形態が多い。従って、赤外線カットフィルターや光学ローパスフィルター、カバーガラス等を固体撮像素子と一体で移動させる場合においても、フォーカシングやズーミングに際して固体撮像素子が移動される構成とされたときの上記した効果が損なわれることはない。
【0102】
[撮像ユニットの数値実施例]
以下に、本発明撮像ユニットの具体的な実施の形態及び実施の形態に具体的な数値を適用した数値実施例について、図面及び表を参照して説明する。
【0103】
尚、以下の各表や説明において示した記号の意味等については、下記に示す通りである。
【0104】
「si」は物体側から像側へ数えた第i番目の面、「ri」は第i番目の面の曲率半径、「di」は第i番目の面と第i+1番目の面の間の軸上面間隔(レンズ中心厚又は空気間隔)、「ni」は第i番目の面から始まるレンズ等のd線(λ=587.6nm)における屈折率、「νi」は第i番目の面から始まるレンズ等のd線におけるアッベ数を示す。
【0105】
「面番号」に関し「ASP」は当該面が非球面であることを示し、「曲率半径」に関し「INFINITY」は当該面が平面であることを示し、「面間隔」に関し「(di)」は可変間隔を示す。
【0106】
「K」は円錐定数(コーニック定数)、「A」、「B」、「C」、「D」はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数を示す。
【0107】
「f」はレンズ全系の焦点距離、「FNO」はFナンバー(開放F値)、「ω」は半画角(単位°)を示す。
【0108】
尚、以下の非球面係数を示す各表において、「E−n」は10を底とする指数表現、即ち、「10−n」を表しており、例えば、「0.12345E−05」は「0.12345×10−5」を表している。
【0109】
各実施の形態において用いられたズームレンズには、レンズ面が非球面に形成されたものがある。レンズ面の頂点から光軸方向における距離を「x」、光軸方向に直交する方向における高さを「y」、レンズ頂点での近軸曲率を「c」とすると、非球面形状は以下の数式1によって定義される。
【0110】
【数1】

<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態における撮像ユニット1のレンズ構成を示している。
【0111】
撮像ユニット1は、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、第1レンズ群GR1乃至第3レンズ群GR3によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子IMGとが物体側より像側へ順に配置されて成る。
【0112】
撮像ユニット1においては、図2に示すように、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群GR1が第2レンズ群GR2との間隔を広げるように物体側へ移動し、第3レンズ群GR3が第2レンズ群GR2との間隔を縮めるように物体側へ移動する。第2レンズ群GR2は、広角端と望遠端の間のズーミングに際し、光軸方向において固定とされている。
【0113】
広角端から望遠端へのズーミングに際しては、固体撮像素子IMGが光軸方向へ移動され、固体撮像素子IMGは広角端において最も像側のポジションPに位置されている。
【0114】
また、撮像ユニット1においては、広角端における第2レンズ群GR2から固体撮像素子IMGまでの距離Lが、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにされている。
【0115】
さらに、撮像ユニット1においては、固体撮像素子IMGを光軸方向へ移動させてフォーカシングを行う構成とされ、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子IMGが物体側から像側へ向かって移動する。
【0116】
撮像ユニット1は変倍比が9.41倍とされている。
【0117】
第1レンズ群GR1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1の正レンズL12とが接合されて成る接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第2の正レンズL13とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0118】
第2レンズ群GR2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の第1の負レンズL21と、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第2の負レンズL22と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23とが接合されて成る接合レンズとが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0119】
第3レンズ群GR3は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1の正レンズL31と物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第1の負レンズL32とが接合されて成る接合レンズと、両凸形状の第2の正レンズL33と、物体側に凹面を向けた第2の負レンズL34とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0120】
第3レンズ群GR3と像面IMGの間にはカバーガラスCGが配置されている。
【0121】
開口絞りSTOは第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間に配置され、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の近傍に配置され、第3レンズ群GR3と一体に光軸方向へ移動する。
【0122】
表1に、第1の実施の形態における撮像ユニット1に具体的数値を適用した数値実施例1のレンズデーターを示す。
【0123】
【表1】

撮像ユニット1において、第2レンズ群GR2の第1の負レンズL21の両面(第6面、第7面)、第2レンズ群GR2の接合レンズの接合面(第9面)、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の物体側の面(第12面)及び第3レンズ群GR3の第2の負レンズL34の両面(第17面、第18面)は非球面に形成されている。数値実施例1における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数Kと共に表2に示す。
【0124】
【表2】

数値実施例1の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=13.43)及び望遠端状態(f=41.23)におけるFナンバーFNO及び半画角ωを表3に示す。
【0125】
【表3】

撮像ユニット1において、広角端状態と望遠端状態の間の変倍に際して、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間の面間隔d5、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3(開口絞りSTO)の間の面間隔d10及び第3レンズ群GR3とカバーガラスCGの間の面間隔d18が変化する。数値実施例1における各面間隔の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=13.43)及び望遠端状態(f=41.23)における可変間隔を表4に示す。
【0126】
【表4】

図3乃至図5は数値実施例1の無限遠合焦状態における諸収差図を示し、図3は広角端状態、図4は中間焦点距離状態、図5は望遠端状態における諸収差図を示す。
【0127】
図3乃至図5には、球面収差図において、実線でd線(波長587.6nm)、破線でg線(波長435.8nm)における値をそれぞれ示し、非点収差図において、実線でサジタル像面、点線でメリディオナル像面における値をそれぞれ示し、横収差図において、実線でe線(波長546.1nm)、破線でg線における値をそれぞれ示す。
【0128】
各収差図から、数値実施例1は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0129】
<第2の実施の形態>
図6は、本発明の第2の実施の形態における撮像ユニット2のレンズ構成を示している。
【0130】
撮像ユニット2は、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、第1レンズ群GR1乃至第3レンズ群GR3によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子IMGとが物体側より像側へ順に配置されて成る。
【0131】
撮像ユニット2においては、図7に示すように、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群GR1が第2レンズ群GR2との間隔を広げるように物体側へ移動し、第3レンズ群GR3が第2レンズ群GR2との間隔を縮めるように物体側へ移動する。第2レンズ群GR2は、広角端と望遠端の間のズーミングに際し、光軸方向において固定とされている。
【0132】
広角端から望遠端へのズーミングに際しては、固体撮像素子IMGが光軸方向へ移動され、固体撮像素子IMGは広角端において最も像側のポジションPに位置されている。
【0133】
また、撮像ユニット2においては、広角端における第2レンズ群GR2から固体撮像素子IMGまでの距離Lが、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにされている。
【0134】
さらに、撮像ユニット2においては、固体撮像素子IMGを光軸方向へ移動させてフォーカシングを行う構成とされ、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子IMGが物体側から像側へ向かって移動する。
【0135】
撮像ユニット2は変倍比が9.41倍とされている。
【0136】
第1レンズ群GR1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と物体側に凸面を向けた第1の正レンズL12とが接合されて成る接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第2の正レンズL13とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0137】
第2レンズ群GR2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の第1の負レンズL21と、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第2の負レンズL22と物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23とが接合されて成る接合レンズとが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0138】
第3レンズ群GR3は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第1の正レンズL31と物体側に凹面を向けたメニスカス形状の第1の負レンズL32とが接合されて成る接合レンズと、両凸形状の第2の正レンズL33と、物体側に凹面を向けた第2の負レンズL34とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0139】
第3レンズ群GR3と像面IMGの間にはカバーガラスCGが配置されている。
【0140】
開口絞りSTOは第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間に配置され、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の近傍に配置され、第3レンズ群GR3と一体に光軸方向へ移動する。
【0141】
表5に、第2の実施の形態における撮像ユニット2に具体的数値を適用した数値実施例2のレンズデーターを示す。
【0142】
【表5】

撮像ユニット2において、第2レンズ群GR2の第1の負レンズL21の両面(第6面、第7面)、第2レンズ群GR2の接合レンズの接合面(第9面)、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の物体側の面(第12面)及び第3レンズ群GR3の第2の負レンズL34の両面(第17面、第18面)は非球面に形成されている。数値実施例2における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数Kと共に表6に示す。
【0143】
【表6】

数値実施例2の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=13.45)及び望遠端状態(f=41.21)におけるFナンバーFNO及び半画角ωを表7に示す。
【0144】
【表7】

撮像ユニット2において、広角端状態と望遠端状態の間の変倍に際して、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間の面間隔d5、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3(開口絞りSTO)の間の面間隔d10及び第3レンズ群GR3とカバーガラスCGの間の面間隔d18が変化する。数値実施例2における各面間隔の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=13.45)及び望遠端状態(f=41.21)における可変間隔を表8に示す。
【0145】
【表8】

図8乃至図10は数値実施例2の無限遠合焦状態における諸収差図を示し、図8は広角端状態、図9は中間焦点距離状態、図10は望遠端状態における諸収差図を示す。
【0146】
図8乃至図10には、球面収差図において、実線でd線(波長587.6nm)、破線でg線(波長435.8nm)における値をそれぞれ示し、非点収差図において、実線でサジタル像面、点線でメリディオナル像面における値をそれぞれ示し、横収差図において、実線でe線(波長546.1nm)、破線でg線における値をそれぞれ示す。
【0147】
各収差図から、数値実施例2は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0148】
<第3の実施の形態>
図11は、本発明の第3の実施の形態における撮像ユニット3のレンズ構成を示している。
【0149】
撮像ユニット3は、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、第1レンズ群GR1乃至第3レンズ群GR3によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子IMGとが物体側より像側へ順に配置されて成る。
【0150】
撮像ユニット3においては、図12に示すように、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群GR1が第2レンズ群GR2との間隔を広げるように物体側へ移動し、第3レンズ群GR3が第2レンズ群GR2との間隔を縮めるように物体側へ移動する。第2レンズ群GR2は、広角端と望遠端の間のズーミングに際し、光軸方向において固定とされている。
【0151】
広角端から望遠端へのズーミングに際しては、固体撮像素子IMGが光軸方向へ移動され、固体撮像素子IMGは広角端において最も像側のポジションPに位置されている。
【0152】
また、撮像ユニット3においては、広角端における第2レンズ群GR2から固体撮像素子IMGまでの距離Lが、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにされている。
【0153】
さらに、撮像ユニット3においては、固体撮像素子IMGを光軸方向へ移動させてフォーカシングを行う構成とされ、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子IMGが物体側から像側へ向かって移動する。
【0154】
撮像ユニット3は変倍比が11.76倍とされている。
【0155】
第1レンズ群GR1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と両凸形状の第1の正レンズL12とが接合されて成る接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第2の正レンズL13とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0156】
第2レンズ群GR2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の第1の負レンズL21と、両凹形状の第2の負レンズL22と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0157】
第3レンズ群GR3は、両凸形状の第1の正レンズL31と、両凸形状の第2の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33とが接合されて成る接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第3の正レンズL34とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0158】
第3レンズ群GR3と像面IMGの間にはフィルターFLとカバーガラスCGが物体側より像側へ順に配置されている。
【0159】
開口絞りSTOは第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間に配置され、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の近傍に配置され、第3レンズ群GR3と一体に光軸方向へ移動する。
【0160】
表9に、第3の実施の形態における撮像ユニット3に具体的数値を適用した数値実施例3のレンズデーターを示す。
【0161】
【表9】

撮像ユニット3において、第2レンズ群GR2の第1の負レンズL21の両面(第6面、第7面)、第2レンズ群GR2の正レンズL23の像側の面(第11面)、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の両面(第13面、第14面)及び第3レンズ群GR3の第3の正レンズL34の両面(第18面、第19面)は非球面に形成されている。数値実施例3における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数Kと共に表10に示す。
【0162】
【表10】

数値実施例3の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=14.79)及び望遠端状態(f=51.50)におけるFナンバーFNO及び半画角ωを表11に示す。
【0163】
【表11】

撮像ユニット3において、広角端状態と望遠端状態の間の変倍に際して、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間の面間隔d5、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3(開口絞りSTO)の間の面間隔d11及び第3レンズ群GR3とカバーガラスCGの間の面間隔d19が変化する。数値実施例3における各面間隔の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=14.79)及び望遠端状態(f=51.50)における可変間隔を表12に示す。
【0164】
【表12】

図13乃至図15は数値実施例3の無限遠合焦状態における諸収差図を示し、図13は広角端状態、図14は中間焦点距離状態、図15は望遠端状態における諸収差図を示す。
【0165】
図13乃至図15には、球面収差図において、実線でd線(波長587.6nm)、破線でg線(波長435.8nm)における値をそれぞれ示し、非点収差図において、実線でサジタル像面、点線でメリディオナル像面における値をそれぞれ示し、横収差図において、実線でe線(波長546.1nm)、破線でg線における値をそれぞれ示す。
【0166】
各収差図から、数値実施例3は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0167】
<第4の実施の形態>
図16は、本発明の第4の実施の形態における撮像ユニット4のレンズ構成を示している。
【0168】
撮像ユニット4は、正の屈折力を有する第1レンズ群GR1と、負の屈折力を有する第2レンズ群GR2と、正の屈折力を有する第3レンズ群GR3と、第1レンズ群GR1乃至第3レンズ群GR3によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子IMGとが物体側より像側へ順に配置されて成る。
【0169】
撮像ユニット4においては、図17に示すように、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群GR1が第2レンズ群GR2との間隔を広げるように物体側へ移動し、第3レンズ群GR3が第2レンズ群GR2との間隔を縮めるように物体側へ移動する。第2レンズ群GR2は、広角端と望遠端の間のズーミングに際し、光軸方向において固定とされている。
【0170】
広角端から望遠端へのズーミングに際しては、固体撮像素子IMGが光軸方向へ移動され、固体撮像素子IMGは広角端において最も像側のポジションPに位置されている。
【0171】
また、撮像ユニット4においては、広角端における第2レンズ群GR2から固体撮像素子IMGまでの距離Lが、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにされている。
【0172】
さらに、撮像ユニット4においては、固体撮像素子IMGを光軸方向へ移動させてフォーカシングを行う構成とされ、無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子IMGが物体側から像側へ向かって移動する。
【0173】
撮像ユニット4は変倍比が11.78倍とされている。
【0174】
第1レンズ群GR1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の負レンズL11と両凸形状の第1の正レンズL12とが接合されて成る接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第2の正レンズL13とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0175】
第2レンズ群GR2は、像側に凹面を向けたメニスカス形状の第1の負レンズL21と、両凹形状の第2の負レンズL22と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正レンズL23とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0176】
第3レンズ群GR3は、両凸形状の第1の正レンズL31と、両凸形状の第2の正レンズL32と両凹形状の負レンズL33とが接合されて成る接合レンズと、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の第3の正レンズL34とが物体側より像側へ順に配置されて構成されている。
【0177】
第3レンズ群GR3と像面IMGの間にはフィルターFLとカバーガラスCGが物体側より像側へ順に配置されている。
【0178】
開口絞りSTOは第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間に配置され、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の近傍に配置され、第3レンズ群GR3と一体に光軸方向へ移動する。
【0179】
表13に、第4の実施の形態における撮像ユニット4に具体的数値を適用した数値実施例4のレンズデーターを示す。
【0180】
【表13】

撮像ユニット4において、第2レンズ群GR2の第1の負レンズL21の両面(第6面、第7面)、第2レンズ群GR2の正レンズL23の像側の面(第11面)、第3レンズ群GR3の第1の正レンズL31の両面(第13面、第14面)及び第3レンズ群GR3の第3の正レンズL34の両面(第18面、第19面)は非球面に形成されている。数値実施例4における非球面の4次、6次、8次、10次の非球面係数A、B、C、Dを円錐定数Kと共に表14に示す。
【0181】
【表14】

数値実施例4の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=15.03)及び望遠端状態(f=51.60)におけるFナンバーFNO及び半画角ωを表15に示す。
【0182】
【表15】

撮像ユニット4において、広角端状態と望遠端状態の間の変倍に際して、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間の面間隔d5、第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3(開口絞りSTO)の間の面間隔d11及び第3レンズ群GR3とカバーガラスCGの間の面間隔d19が変化する。数値実施例4における各面間隔の広角端状態(f=4.38)、中間焦点距離状態(f=15.03)及び望遠端状態(f=51.60)における可変間隔を表16に示す。
【0183】
【表16】

図18乃至図20は数値実施例4の無限遠合焦状態における諸収差図を示し、図18は広角端状態、図19は中間焦点距離状態、図20は望遠端状態における諸収差図を示す。
【0184】
図18乃至図20には、球面収差図において、実線でd線(波長587.6nm)、破線でg線(波長435.8nm)における値をそれぞれ示し、非点収差図において、実線でサジタル像面、点線でメリディオナル像面における値をそれぞれ示し、横収差図において、実線でe線(波長546.1nm)、破線でg線における値をそれぞれ示す。
【0185】
各収差図から、数値実施例4は諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが明らかである。
【0186】
<実施の形態の補足>
上記した第1の実施の形態乃至第4の実施の形態における撮像ユニット1乃至撮像ユニット4にあっては、何れも広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群GR1と第3レンズ群GR3がそれぞれ第2レンズ群GR2に離接するように移動する構成を例として示した。
【0187】
しかしながら、撮像ユニット1乃至撮像ユニット4にあっては、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群GR1と第2レンズ群GR2の間隔が大きくなると共に第2レンズ群GR2と第3レンズ群GR3の間隔が小さくなるように各レンズ群が移動可能とされていればよい。
【0188】
また、第2レンズ群GR2は、広角端と望遠端の間のズーミングに際し、光軸方向において固定とされているが、広角端と望遠端の間のズーミングに際して第2レンズ群GR2が光軸方向へ移動される構成とすることも可能である。
【0189】
[撮像ユニットの条件式の各値]
表17に撮像ユニット1乃至撮像ユニット4における条件式(1)乃至条件式(4)の各値を示す。
【0190】
【表17】

表17から明らかなように、撮像ユニット1乃至撮像ユニット4は条件式(1)乃至条件式(4)を満足するようにされている。
【0191】
[撮像装置の構成]
本発明撮像装置は、撮像ユニットが、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、第1レンズ群乃至第3レンズ群によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子とが物体側より像側へ順に配置されている。
【0192】
また、本発明撮像装置は、撮像ユニットが、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群と第2レンズ群の間隔が大きくなると共に第2レンズ群と第3レンズ群の間隔が小さくなり、広角端における第2レンズ群から固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにしている。
【0193】
上記のように構成することにより、広角化を確保した上で、ズーミングの際の変倍効果に大きく寄与している第2レンズ群と第3レンズ群の変倍効果を最大限に引き出して高倍率化を図ることができ、また、全光学系の全長を短縮化して小型化を図ることもできる。
【0194】
[撮像装置の一実施形態]
図21に、本発明撮像装置の一実施形態によるデジタルスチルカメラのブロック図を示す。
【0195】
撮像装置(デジタルスチルカメラ)100は、撮像機能を担うカメラブロック10と、撮影された画像信号のアナログ−デジタル変換等の信号処理を行うカメラ信号処理部20と、画像信号の記録再生処理を行う画像処理部30とを有している。また、撮像装置100は、撮影された画像等を表示するLCD(Liquid Crystal Display)40と、メモリーカード1000への画像信号の書込及び読出を行うR/W(リーダ/ライタ)50と、撮像装置100の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)60とを有している。さらに、撮像装置100は、ユーザーによって所要の操作が行われる各種のスイッチ等から成る入力部70と、カメラブロック10に配置されたレンズ及び後述する固体撮像素子の駆動を制御する駆動制御部80とを備えている。
【0196】
カメラブロック10は、ズームレンズ11とCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子12とを含む撮像ユニット13(本発明が適用される撮像ユニット1、2、3、4)等を有している。
【0197】
カメラ信号処理部20は、固体撮像素子12からの出力信号に対するデジタル信号への変換、ノイズ除去、画質補正、輝度・色差信号への変換等の各種の信号処理を行う。
【0198】
画像処理部30は、所定の画像データフォーマットに基づく画像信号の圧縮符号化・伸張復号化処理や解像度等のデータ仕様の変換処理等を行う。
【0199】
LCD40はユーザーの入力部70に対する操作状態や撮影した画像等の各種のデータを表示する機能を有している。
【0200】
R/W50は、画像処理部30によって符号化された画像データのメモリーカード1000への書込及びメモリーカード1000に記録された画像データの読出を行う。
【0201】
CPU60は、撮像装置100に設けられた各回路ブロックを制御する制御処理部として機能し、入力部70からの指示入力信号等に基づいて各回路ブロックを制御する。
【0202】
入力部70は、例えば、シャッター操作を行うためのシャッターレリーズボタンや、動作モードを選択するための選択スイッチ等によって構成され、ユーザーによる操作に応じた指示入力信号をCPU60に対して出力する。
【0203】
駆動制御部80は、CPU60からの制御信号に基づいてズームレンズ11の各レンズを駆動する図示しないモータ等を制御する。
【0204】
メモリーカード1000は、例えば、R/W50に接続されたスロットに対して着脱可能な半導体メモリーである。
【0205】
以下に、撮像装置100における動作を説明する。
【0206】
撮影の待機状態では、CPU60による制御の下で、カメラブロック10において撮影された画像信号が、カメラ信号処理部20を介してLCD40に出力され、カメラスルー画像として表示される。また、入力部70からのズーミングのための指示入力信号が入力されると、CPU60が駆動制御部80に制御信号を出力し、駆動制御部80の制御に基づいてズームレンズ11の所定のレンズが移動される。
【0207】
入力部70からの指示入力信号によりカメラブロック10の図示しないシャッターが動作されると、撮影された画像信号がカメラ信号処理部20から画像処理部30に出力されて圧縮符号化処理され、所定のデータフォーマットのデジタルデータに変換される。変換されたデータはR/W50に出力され、メモリーカード1000に書き込まれる。
【0208】
尚、フォーカシングは、例えば、入力部50のシャッターレリーズボタンが半押しされた場合や記録(撮影)のために全押しされた場合等に、CPU60からの制御信号に基づいて駆動制御部80がズームレンズ11の所定のレンズを移動させることにより行われる。
【0209】
メモリーカード1000に記録された画像データを再生する場合には、入力部70に対する操作に応じて、R/W50によってメモリーカード1000から所定の画像データが読み出され、画像処理部30によって伸張復号化処理が行われた後、再生画像信号がLCD40に出力されて再生画像が表示される。
【0210】
尚、上記した実施の形態においては、撮像装置をデジタルスチルカメラに適用した例を示したが、撮像装置の適用範囲はデジタルスチルカメラに限られることはなく、デジタルビデオカメラ、カメラが組み込まれた携帯電話、カメラが組み込まれたPDA(Personal Digital Assistant)等のデジタル入出力機器のカメラ部等として広く適用することができる。
【0211】
上記した各実施の形態において示した各部の形状及び数値は、何れも本発明を実施するための具体化のほんの一例に過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0212】
【図1】本発明撮像ユニットの第1の実施の形態の構成を示す図である。
【図2】本発明撮像ユニットの第1の実施の形態について、広角端と望遠端の間のズーミングに際して、レンズ群と固体撮像素子の動作を示す図である。
【図3】図4及び図5と共に第1の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例の収差図を示し、本図は、広角端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図4】中間焦点距離状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図5】望遠端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図6】本発明撮像ユニットの第2の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】本発明撮像ユニットの第2の実施の形態について、広角端と望遠端の間のズーミングに際して、レンズ群と固体撮像素子の動作を示す図である。
【図8】図9及び図10と共に第2の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例の収差図を示し、本図は、広角端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図9】中間焦点距離状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図10】望遠端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図11】本発明撮像ユニットの第3の実施の形態の構成を示す図である。
【図12】本発明撮像ユニットの第3の実施の形態について、広角端と望遠端の間のズーミングに際して、レンズ群と固体撮像素子の動作を示す図である。
【図13】図14及び図15と共に第3の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例の収差図を示し、本図は、広角端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図14】中間焦点距離状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図15】望遠端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図16】本発明撮像ユニットの第4の実施の形態の構成を示す図である。
【図17】本発明撮像ユニットの第4の実施の形態について、広角端と望遠端の間のズーミングに際して、レンズ群と固体撮像素子の動作を示す図である。
【図18】図19及び図20と共に第4の実施の形態に具体的数値を適用した数値実施例の収差図を示し、本図は、広角端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図19】中間焦点距離状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図20】望遠端状態における球面収差、非点収差、歪曲収差及び横収差を示す図である。
【図21】本発明撮像装置の一実施形態を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0213】
1…撮像ユニット、2…撮像ユニット、3…撮像ユニット、4…撮像ユニット、GR1…第1レンズ群、GR2…第2レンズ群、GR3…第3レンズ群、L21…第1の負レンズ、L22…第2の負レンズ、L23…正レンズ、IMG…固体撮像素子、100…撮像装置、12…固体撮像素子、13…撮像ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群と、前記第1レンズ群乃至前記第3レンズ群によって形成される光学像を撮像する固体撮像素子とが物体側より像側へ順に配置され、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が大きくなると共に前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が小さくなり、
広角端における前記第2レンズ群から前記固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにした
撮像ユニット。
【請求項2】
前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間に開口絞りが配置され、
前記開口絞りがズーミングに際して前記第3レンズ群と一体で移動する
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項3】
以下の条件式(1)を満足する
請求項1に記載の撮像ユニット。
(1)0.45<f3/(fw・ft)1/2<0.70
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【請求項4】
前記第3レンズ群における最も像側に位置するレンズ面を非球面に形成した
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項5】
前記第2レンズ群は第1の負レンズと第2の負レンズと正レンズが物体側より像側へ順に配置されて成る
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項6】
以下の条件式(2)を満足する
請求項1に記載の撮像ユニット。
(2)−0.50<f2/(fw・ft)1/2<−0.30
但し、
f2:第2レンズ群の焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【請求項7】
以下の条件式(3)を満足する
請求項1に記載の撮像ユニット。
(3)−2.0<f12w/ fw<−1.5
但し、
f12w:広角端における第1レンズ群と第2レンズ群の合成焦点距離
fw:広角端における全光学系の焦点距離
とする。
【請求項8】
以下の条件式(4)を満足する
請求項1に記載の撮像ユニット。
(4)0.8<f23t/ ft<3.5
但し、
f23t:望遠端における第2レンズ群と第3レンズ群の合成焦点距離
ft:望遠端における全光学系の焦点距離
とする。
【請求項9】
前記固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行う
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項10】
ズーミングの際に前記固体撮像素子が光軸方向へ移動され、
無限遠物体合焦時において、広角端における固体撮像素子の位置が最も像側に存在する
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項11】
ズーミングの際に第2レンズ群が光軸方向において固定されている
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項12】
無限遠物体合焦時から近距離物体合焦時までのフォーカシングの際に、固体撮像素子が物体側から像側へ向かって移動する
請求項9に記載の撮像ユニット。
【請求項13】
前記固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行い、
ズーミングの際に前記固体撮像素子が光軸方向へ移動され、
フォーカシング及びズーミングの際に固体撮像素子がステッピングモーターの駆動力によって光軸方向へ移動する
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項14】
前記固体撮像素子を光軸方向へ移動させてフォーカシングを行い、
ズーミングの際に前記固体撮像素子が光軸方向へ移動され、
フォーカシング及びズーミングの際に固体撮像素子がリニアモーターの駆動力によって光軸方向へ移動する
請求項1に記載の撮像ユニット。
【請求項15】
物体側より像側へ順に配置された正の屈折力を有する第1レンズ群と負の屈折力を有する第2レンズ群と正の屈折力を有する第3レンズ群とから成るズームレンズと、
前記ズームレンズによって形成される光学像を撮像する固体撮像素子と、
操作が行われるスイッチを有する入力部と、
少なくともズームレンズの駆動を制御する駆動制御部とを備え、
広角端から望遠端へのズーミングに際し、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が大きくなると共に前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が小さくなり、
広角端における前記第2レンズ群から前記固体撮像素子までの距離が、全てのズームポジションにおいて最も長くなるようにした
撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2012−42557(P2012−42557A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−181666(P2010−181666)
【出願日】平成22年8月16日(2010.8.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】