説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】 書換え制限記憶媒体の記憶領域を効率的に利用可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】 本発明に関する撮像装置においては、撮影処理時、生成された画像データは書換え制限記憶媒体に書き込む一方、FAT、ディレクトリエントリといった管理情報については、撮像装置の内部メモリに保持する。そして、管理情報は、内容が確定した後で書換え制限記憶媒体に書き込む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラ等、映像をデジタルデータとして記録する撮像装置及びその制御方法に関し、特には書換え可能な回数が制限された記憶媒体に記録を行なう撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、データファイルは、ファイルシステムと呼ばれる、データファイルの記憶場所や属性などを管理するための決まりに従って記憶装置に記録される。ファイルシステムはOSの種類などに応じて様々なものが知られているが、FAT(File Allocation Table)ファイルシステムが広く用いられている。
【0003】
FATシステムを用いた記憶装置の領域構成の概要を図2に示す。先頭領域には、マスタブートレコーダ(MBR)、ブートセクタ、FAT、ディレクトリエントリからなる管理領域が設定されている。管理領域には、記憶装置におけるデータ領域のサイズや、記憶装置における論理的な最小記憶単位を表すクラスタサイズ等、ファイルシステムに関する基本的な情報が記録されている。管理領域の後にはデータ領域が続く。通常、データファイルはデータ領域に保存される。
【0004】
ここで、例として、データ領域に記録されたデータファイル(IMG_0001.JPG)を取得する最も基本的な手順について説明する。例えばOSに含まれるファイル入出力モジュールは、まず、記憶装置内のディレクトリエントリのブロックを見つける。ファイル入出力モジュールは、ディレクトリエントリ中のファイル名から、IMG_0001.JPGを探索し、IMG_0001.JPGのディレクトリエントリが見つかったならば、その開始クラスタを取得する。
【0005】
次いで、ファイル入出力モジュールは、取得した開始クラスタに対応するFATのアドレスを参照し、そのデータファイルがどのようなクラスタのつながりに記録されているか(クラスタチェーン)を把握する。
【0006】
図2の場合、IMG_0001.JPGは、ディレクトリエントリから、開始クラスタが3であることが分かる。クラスタ3に対応するFAT領域を参照すると、”4”が記録されており、クラスタ3に続いてクラスタ4にも記録されていることが分かる。次いで、クラスタ4に対応するFAT領域を参照すると、”5”が記録されている。このように、最後のクラスタであることを示す”FFFF”が記録されているクラスタまで、データファイルが記録されているクラスタのつながりを辿って行く。
【0007】
ここでは、クラスタ6に対応するFAT領域に”FFFF”が記録されているので、IMG_0001.JPGは3-4-5-6と4つのクラスタを使用して記録されていることが分かる。さらに、1クラスタ当たりの容量から、IMG_0001.JPGが使用している領域のサイズを知ることができる。つまり、16KB/クラスタとすると、IMG_0001.JPGは16KB*4=64KBの領域を使用していることになる。ファイル入出力モジュールは、このようにしてIMG_0001.JPGがクラスタ3〜6に存在することを認識し、そのクラスタを読み出すことでファイルを取得することができる。
【0008】
次に、新たなファイルIMG_0002.JPGを記憶媒体に保存する際の手順について説明する。ファイルを新規保存する際、ファイル入出力モジュールは、まずファイルをオープンする。ファイルオープン時、ファイル入出力モジュールは、ディレクトリエントリ領域にファイル名(IMG_0002.JPG)に対応した新しいエントリを登録する。ただし、この時点では、ファイルの開始クラスタやファイルサイズは未定なので空白である。
【0009】
次に、ファイル入出力モジュールは、データ領域の未使用クラスタにファイルを書き込む。データを書き込み終えると、ファイルをクローズする。ファイルクローズ時、ファイル入出力モジュールは、ディレクトリエントリに開始クラスタやファイルサイズを書き込み、また、FAT領域にクラスタチェーンを書き込む。
【0010】
このように、ファイルを保存する場合、ディレクトリエントリの書き込み(ファイルオープン時)、データ領域の書き込み、ディレクトリエントリ及びFATの書き込み(ファイルクローズ時)の少なくとも4回の書き込みを行う。
【0011】
また、近年デジタルカメラ等で使用する交換可能な記憶媒体のコスト低下を目的として、書換え可能な回数が制限された記憶媒体、例えば、一度だけ書き込みが可能な記憶媒体が提案されている。書換え可能な回数が制限された記憶媒体、ここでは、一度のみ書き込み可能な記憶媒体を、以下では書換え制限記憶媒体と呼ぶ。
【0012】
書換え制限記憶媒体に対しても、FATファイルシステムを適用することが可能である。しかし、書換え制限記憶媒体では、同一書き込み単位(セクタ)内のデータを更新することはできない。そのため、書換え制限記憶媒体に対してファイル保存する際、同一セクタ内でFATやディレクトリエントリの更新が必要な図2で説明した方法を、そのまま用いることはできない。
【0013】
そこで、書換え制限記憶媒体に対してFATファイルシステムを適用した場合のファイル保存手順が提案されている。
この方法について、図3を用いて説明する。新たなファイルIMG_0002.JPGを書換え制限記憶媒体に保存する場合、FAT、ディレクトリエントリ、データ領域の書き込みが必要な点は代わりがない。
【0014】
データ領域については空きクラスタに対して書き込みを行えばよいが、管理情報(FAT及びディレクトリエントリ)については既に書き込まれている。上述のように、一度しか書き込みが行えない書換え制限記憶媒体では、一度書き込んだデータ上書き更新することはできない。そこで、それまで使用していたFAT及びディレクトリエントリの領域は無効にし、代わりにIMG_0002.JPGについての情報を加えた新たな管理情報を、未使用領域に書き込む。また、ディレクトリエントリはファイルオープン時ではなく、データ領域の書き込み後に、データサイズや開始クラスタを含め、全ての情報を1回で書き込む。
【0015】
これにより、書換え制限記憶媒体に対してFATファイルシステムに基づいたファイル記録が可能になる。しかしながら、新たなファイルを保存するたび、データ領域以外に管理情報用の容量を消費することになる。
【0016】
例えば、特許文献1では、管理情報を、画像データと共にカメラの内蔵不揮発性メモリに記録し、メモリカードの取り出し時等のタイミングで、画像データと管理情報を一括して書換え制限記憶媒体へ記録することが提案されている。
【0017】
【特許文献1】特開2003−244606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
特許文献1によれば、ファイルが生成される毎に管理情報を書き込むことがないため、書換え制限記憶媒体の使用効率を向上させることが可能になるであろう。しかし、特許文献1では、画像データと管理情報の両方を、カメラが内蔵する不揮発性メモリ22に記憶する構成であるため、不揮発性メモリ22の容量が大きくないと、書換え制限記憶媒体への書き込み回数が増加し、記憶媒体の利用効率が低下してしまう。近年のデジタルカメラは高画素化により、生成される画像データの容量が大きい。従って、かなり大容量の不揮発性メモリ22を内蔵しないと、記憶媒体の利用効率を実効あるものにすることができないが、大幅なコスト上昇を招きうる。
【0019】
また、特許文献1では、メモリカードの取り出し時や、外部機器の接続時に画像データの書き込みを行なう。従って、書き込みが終了するまで次の処理が待たされるとい問題がある。例えばユーザがメモリカードを直ちに交換したい場合であっても、内蔵メモリに記憶された画像データの書き込みが終了するまで待たねばならない。
【0020】
一方、撮像装置においては撮影可能枚数を判断するため、記憶媒体の空き容量を知る必要であるが、書換え制限記憶媒体を利用する場合には、特有の問題点が存在する。従来、撮像装置は、起動時処理において記憶媒体のFAT領域の情報から空きクラスタ数を求め、クラスタサイズと乗じることで記憶媒体の空き容量を算出していた。そして、この空き容量を元に、撮影可能枚数を求めている。
【0021】
書換え制限記憶媒体は、撮像装置が通常の記憶媒体と同様に利用できるように構成されている。そのため、書換え制限記憶媒体を使用している場合、実際には画像データに加えて管理情報分の容量が減少する場合でも、撮像装置側では単に画像データ分の容量が減少したものとして空き容量を更新してしまう。
【0022】
その結果、撮像装置が算出した空き容量と、実際の空き容量との間にずれが生じることになる。しかし、従来、書換え制限記憶媒体の空き容量を撮像装置側で精度良く把握するための具体的な方法についての提案はなかった。
【0023】
従って、本発明の目的の1つは、使い勝手やコスト増を抑制しながら、書換え制限記憶媒体の容量を有効に活用可能な撮像装置及びその制御方法を提供することにある。
【0024】
また、本発明の別の目的は、書換え制限記憶媒体の空き容量を精度良く把握することが可能な撮像装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上述の目的は、撮影モードを含む複数の動作モードを有する撮像装置であって、記憶媒体を着脱可能な装着手段と、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、書換え可能な内蔵記憶手段と、判別手段により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、撮影モードにおける撮影処理で生成される画像データについては記憶媒体に書き込むとともに、画像データの管理情報については内蔵記憶手段に一時保管し、撮影モードが終了する際に記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御手段とを有することを特徴とする撮像装置によって達成される。
【0026】
また、上述の目的は、記憶媒体を着脱可能な装着手段と、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、書換え可能な内蔵記憶手段と、判別手段により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、撮影モードにおける撮影処理で生成される画像データについては記憶媒体に書き込むとともに、画像データの管理情報については内蔵記憶手段に一時保管し、管理情報が予め定めたデータサイズに達する毎に記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御手段とを有することを特徴とする撮像装置によっても達成される。
【0027】
また、上述の目的は、記憶媒体を着脱可能な装着手段と、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、書換え可能な内蔵記憶手段と、判別手段により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、記憶媒体に追記するデータを内蔵記憶手段に一時保管し、追記するデータが予め定めたデータサイズに達する毎に記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御手段とを有することを特徴とする撮像装置によっても達成される。
【0028】
また、上述の目的は、撮影モードを含む複数の動作モードを有し、記憶媒体を着脱可能な装着手段及び書換え可能な内蔵記憶手段を備える撮像装置の制御方法であって、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別工程と、判別工程により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、撮影モードにおける撮影処理で生成される画像データについては記憶媒体に書き込むとともに、画像データの管理情報については内蔵記憶手段に一時保管し、撮影モードが終了する際に記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御工程とを有することを特徴とする撮像装置の制御方法によっても達成される。
【0029】
また、上述の目的は、撮影モードを含む複数の動作モードを有し、記憶媒体を着脱可能な装着手段及び書換え可能な内蔵記憶手段を備える撮像装置の制御方法であって、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別工程と、判別工程により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、記憶媒体に追記するデータを内蔵記憶手段に一時保管し、追記するデータが予め定めたデータサイズに達する毎に記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御工程とを有することを特徴とする撮像装置の制御方法によっても達成される。
【0030】
また、上述の目的は、記憶媒体を着脱可能な装着手段と、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、記憶媒体の空き容量を算出する空き容量算出手段と、空き容量算出手段が算出した空き容量で撮影可能な枚数を算出する撮影可能枚数算出手段とを有し、撮影可能枚数算出手段が、 判別手段により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合、空き容量算出手段が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズ及び予め定められた管理情報データサイズとから撮影可能枚数を算出し、 判別手段により記憶媒体が書換え制限記憶媒体でないと判断された場合、空き容量算出手段が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズとから撮影可能枚数を算出することを特徴とする撮像装置によっても達成される。
【0031】
また、上述の目的は、記憶媒体を着脱可能な装着手段を備えた撮像装置の制御方法であって、装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別工程と、記憶媒体の空き容量を算出する空き容量算出工程と、空き容量算出工程が算出した空き容量で撮影可能な枚数を算出する撮影可能枚数算出工程とを有し、撮影可能枚数算出工程が、 判別工程により記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合、空き容量算出工程が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズ及び予め定められた管理情報データサイズとから撮影可能枚数を算出し、 判別工程により記憶媒体が書換え制限記憶媒体でないと判断された場合、空き容量算出工程が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズとから撮影可能枚数を算出することを特徴とする撮像装置の制御方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0032】
以上の構成により、使い勝手やコスト増を抑制しながら、書換え制限記憶媒体の容量を有効に活用可能となる。また、書換え制限記憶媒体の空き容量を精度良く把握することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(デジタルカメラ100の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。本実施形態における撮像装置は、デジタルカメラに限るものではなく、デジタルカメラとして動作する装置であってもよい。デジタルカメラとして動作する装置には、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話などがある。
【0034】
10はレンズ部、12は絞り機能を備えるシャッター、14は光学像を電気信号に変換する撮像素子、16は撮像素子14からのアナログ画像信号をデジタル化し、画像データに変換するA/D変換器である。なお、撮像素子14には、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等を用いることができる。
【0035】
タイミング発生部18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給し、メモリ制御部22及びシステム制御部50により制御される。
【0036】
画像処理部20は、A/D変換器16からの画像データ或いはメモリ制御部22からの画像データに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0037】
また、画像処理部20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御部40、測距制御部42を制御し、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)、AE(自動露出)、EF(フラッシュプリ発光)機能を実現している。
【0038】
さらに、画像処理部20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0039】
メモリ制御部22は、A/D変換器16、タイミング発生部18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮伸張部32を制御する。
【0040】
A/D変換器16の出力データが画像処理部20、メモリ制御部22を介して、或いはA/D変換器16の出力データが直接メモリ制御部22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0041】
画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26を介してLCDや有機ELディスプレイ等の画像表示部28により表示される。撮像した画像データを画像表示部28で逐次表示すれば、電子ビューファインダ(EVF)機能を実現することが可能である。
【0042】
また、画像表示部28は、システム制御部50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはデジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0043】
メモリ30は撮影した静止画像や動画像を格納する記憶装置であり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。そのため、複数枚の静止画像を連続して撮影する連続撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。
また、メモリ30はシステム制御部50の作業領域としても使用することが可能である。
【0044】
圧縮伸張部32は、メモリ30に格納された画像データを読み込み、その画像データを所定の画像圧縮方法に従って圧縮し、圧縮された画像データをメモリ30に書き込む。また、圧縮伸張部32は、メモリ30から圧縮された画像データを読み込み、その画像データを伸張し、伸張された画像データをメモリ30に書き込むこともできる。なお、所定の画像圧縮方法には、JPEG、JPEG 2000等で規定された画像圧縮方法を使用することも、適応離散コサイン変換(ADCT)、ウェーブレット変換等を用いた画像圧縮方法を使用することもできる。
【0045】
露光制御部40は絞り機能を備えるシャッター12を制御するとともに、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能も有する。
測距制御部42はレンズ部10のフォーカシングを制御し、ズーム制御部44はレンズ部10のズーミングを制御する。バリア制御部46はレンズ部10の保護を行うためのレンズバリアである保護部102の動作を制御する。
【0046】
フラッシュ48は撮影時の補助光源として機能し、調光機能も有する。また、AF補助光の投光機能も有する。
露光制御部40、測距制御部42はTTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを画像処理部20によって演算した演算結果に基づき、システム制御部50が露光制御部40、測距制御部42に対して制御を行う。
【0047】
システム制御部50は例えばCPUであり、メモリ52に記憶されたプログラムを実行することによりデジタルカメラ100全体を制御する。メモリ52はシステム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
【0048】
表示部54は例えばLCDやLED、スピーカ等の出力装置の組み合わせにより構成され、システム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を出力する。表示部54はデジタルカメラ100の操作部70近辺の視認し易い位置に、単数或いは複数設置される。また、表示部54の一部は光学ファインダ104内に設置されている。
【0049】
表示部54の表示内容のうち、LCD等に表示するものとしては、シングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、等がある。また、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記憶媒体200の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付け・時刻表示、等がある。これらの一部は光学ファインダ104内にも表示される。
【0050】
また、表示部54の表示内容のうち、光学ファインダ104内に表示するものとしては、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、等がある。
不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。
【0051】
デジタルカメラ100は、モードダイアルスイッチ60、第1シャッタースイッチ(SW1)62、第2シャッタースイッチ(SW2)64、画像表示ON/OFFスイッチ66、クイックレビューON/OFFスイッチ68及び操作部70を備える。これらは、システム制御部50に所定の動作の開始、停止等を指示するための操作部材である。これらの操作部材は、ボタン、スイッチ、ダイアル、タッチパネル、視線検知装置、音声認識装置或いはこれらの組み合わせで構成される。
【0052】
ここで、これらの操作部材の具体的な説明を行う。
【0053】
モードダイアルスイッチ60は、例えば自動撮影モード、プログラム撮影モード、パノラマ撮影モード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各動作モードを切り替え設定するためのスイッチである。
【0054】
第1シャッタースイッチ(SW1)62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン(図示せず)の第1ストローク(例えば半押し)でONとなる。第1シャッタースイッチ(SW1)62がONにされた場合、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF処理等が開始される。
【0055】
第2シャッタースイッチ(SW2)64は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタンの第2ストローク(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理及び記録処理からなる一連の処理の開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御部22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理部20やメモリ制御部22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮伸張部32で圧縮を行い、記録媒体200に画像データを書き込む記録処理が行われる。
【0056】
画像表示ON/OFFスイッチ66で、画像表示部28のON/OFFを設定することが出来る。光学ファインダ104を用いて撮影を行う際に、画像表示部28をOFFにすることで、省電力を図ることが可能となる。
【0057】
クイックレビューON/OFFスイッチ68は、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビューを行なうか否かを設定する。なお、本実施形態では特に、画像表示部28をOFFとした場合でのクイックレビュー実行有無の設定をするものとする。
操作部70は、スイッチ、ボタン、回転ダイアルスイッチ、タッチパネル等の操作部材を有するユーザインターフェースである。
【0058】
操作部70には、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン等が含まれる。また、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動−(マイナス)ボタン、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動−(マイナス)ボタン、撮影画質選択ボタン、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタン等も含まれる。
【0059】
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、これらの検出の結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記憶媒体200を含む各部へ供給する。
【0060】
電源86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、或いはACアダプター等からなり、コネクタ82及び84によってデジタルカメラ100に取り付けられる。
【0061】
カードコントローラ90は、インタフェース91を通じ、記憶媒体200とデータの送受信を行う。記憶媒体200は、コネクタ92によりインタフェース91と接続される。記憶媒体着脱検知部98は、コネクタ92に記憶媒体200が接続されているか否かを検知する。
【0062】
記憶媒体200は、着脱可能な記憶媒体である。記憶媒体200には、メモリカードやリムーバブルHDDなどを用いることができる。
なお、記憶媒体200を複数利用可能であっても良い。この場合、2組以上のインタフェース91及びコネクタ92がカードコントローラ90に接続される。また、記憶媒体200の規格は同一であっても異種の規格が混在していても良い。
【0063】
また、インタフェース91に装着するのは記憶媒体200に限定されない。例えば、LANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHS等の通信カード、等の各種通信カードを接続することもできる。この場合、通信カードを介してコンピュータやプリンタ等の外部機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことが出来る。
バリア102は、デジタルカメラ100の、レンズ部10を含む撮像部を覆う事により、撮像部の汚れや破損を防止する。
【0064】
光学ファインダ104は例えばTTLファインダであり、プリズムやミラーを用いてレンズ部10を通じた光束を結像する。光学ファインダ104を用いることで、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用すること無しに撮影を行うことが可能である。また、上述したように、光学ファインダ104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などの情報表示がなされる。
【0065】
通信部110は、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信処理を行う。
コネクタ(無線通信の場合はアンテナ)112は、通信部110を介してデジタルカメラ100を他の機器と接続する。
【0066】
次に、このような構成を有するデジタルカメラ100における、書換え制限記憶媒体の管理情報の更新方法について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本実施形態における書換え制限記憶媒体の管理情報更新方法の概要を模式的に示す図である。
【0067】
図5は、本実施形態における書換え制限記憶媒体の管理情報更新処理を説明するフローチャートである。
ここでは説明を簡単にするため、記憶媒体200が書換え制限記憶媒体であることをシステム制御部50が事前に検出しているものとする。記憶媒体の種類を検出する方法に制限はなく、例えば機械的な検出方法であっても、電気的な検出方法であっても良い。前者の場合、書換え制限記憶媒体のパッケージの特定部分の形状を機械的に検出する方法がある。また、後者の場合、予め記憶されている記憶媒体の属性情報を取得して検出する方法がある。
【0068】
モードダイアルスイッチ60の操作により撮影モード(自動撮影モード、プログラム撮影モード、パノラマ撮影モード等、撮影を行なうモード)となった際に、システム制御部50は、撮影準備処理を行なう(S601)。
【0069】
S602で、システム制御部50は、撮影可能枚数が1枚以上であるかどうかを確認する。後述する起動時処理フローにより、記憶媒体200に対する書き込み可能セクタ数及び、撮影可能枚数は計算済みである。このとき、記憶媒体200の残容量が少なく、撮影可能枚数が0枚であるとき、システム制御部50は、撮影を許可せず、S613へ処理を進める。
【0070】
S602において、撮影可能枚数が1枚以上であると判断された場合、システム制御部50は、操作部70による入力を受け付け、撮影モードを終了する入力がなされたかどうかを判定する(S603)。ここで、撮影モードを終了する入力とは、具体的に以下のようなものが例示できる。モードダイヤルスイッチ60を介した再生モードへの移行指示、電源スイッチの操作によるシャットダウン(電源オフ)指示。また、システム制御部50がオートシャットダウンを行うような異常を知らせる通知など、ユーザの操作によらない入力も含まれる。
【0071】
撮影モードを終了する場合、システム制御部50は、処理をS613へ進める。撮影モードを終了しない場合、システム制御部50は、シャッタースイッチSW1 62及びシャッタースイッチSW2 64の入力を受け付け、撮影指示が入力されたかどうか判定する(S604)。S604において撮影指示が入力されていない場合、システム制御部50は、処理をS601へ戻す。
【0072】
S604において撮影指示が入力された場合、すなわち、シャッタースイッチSW2 64がONとなった場合、システム制御部50は、周知の撮影処理を行なう。そして、得られた画像データをカードコントローラ90を通じて書換え制限記憶媒体200へ書き込む(S605)。また、システム制御部50は、書き込み済みセクタ数に、書き込んだ画像データが使用したセクタ数を、設定する(S606)。セクタ数は、画像データサイズとセクタサイズから求めることができる。このセクタ数は、画像データが記憶媒体200で使用する容量に相当する。
【0073】
さらに、システム制御部50は、FAT、ディレクトリエントリといった管理情報については書換え制限記憶媒体200ではなく、例えば不揮発性メモリ56やメモリ52等の書換え可能な内部メモリに書き込む。ここで、既に管理情報が書き込まれている場合、システム制御部50は、その内容を更新する(S607)。1枚目(IMG_0001.JPG)の撮影処理終了時の内部メモリ及び記憶媒体200の状態を図4(a)に、2枚目(IMG_0002.JPG)の撮影処理終了時の内部メモリ及び記憶媒体200の状態を図4(b)にそれぞれ示す。
【0074】
次に、システム制御部50は、内部メモリに書き込んだ管理情報のサイズが所定のサイズ以上になったかどうかを判定する(S608)。ここで所定のサイズとは、書換え制限記憶媒体200への最小書き込み単位(例えばセクタ)の大きさであってもよいし、内部メモリに確保したバッファサイズであってもよい。
【0075】
S608において管理情報が所定サイズに満たない場合、システム制御部50は処理をS611に進める。S608において管理情報が所定サイズ以上である場合、システム制御部50は、管理情報を所定サイズ分、書換え制限記憶媒体へ書き込む(S609)。そして、システム制御部50は、書き込み済みセクタ数に、S609で書き込んだ管理情報が使用したセクタ数を加算する(S610)。管理情報が書き込まれた際の内部メモリ及び記憶媒体200の状態を図4(c)に示す。
【0076】
システム制御部50は、現在の書き込み可能セクタ数から、計算した書き込み済みセクタ数を減算する(S611)。次いで、システム制御部50は、後述する撮影可能枚数計算処理(図10)を行い(S612)、処理をS601へ戻す。
【0077】
一方、S613で、システム制御部50は、書換え制限記憶媒体200に未だ書き込んでいない管理情報が存在するかどうか判定する。ここで未書き込みの管理情報が存在する場合、システム制御部50は、内部メモリに記憶された管理情報を書換え制限記憶媒体200の所定領域へ書込む(S614)。そして、システム制御部50は、現在の書き込み可能セクタ数から、S614における書き込みで管理情報が使用したセクタ数を減算する(S615)。
【0078】
最後に、システム制御部50は、後述する撮影可能枚数計算処理(図10)を行い(S616)、撮影モードを終了する。なお、S613において未書き込みの管理情報が存在しない場合、システム制御部50はそのまま撮影モードを終了させ、再生モードへの移行、シャットダウンなど、S603で検出した入力に従った処理を行なう。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、新たに生成された画像データについては書換え制限記憶媒体200へ書き込む。一方、管理情報については、変更される可能性がある間は内部メモリで保持する。そして、管理情報のうち、内容が確定した部分から書換え制限記憶媒体に書き込む。従って、書換え制限記憶媒体200の容量を効率的に使用することができる。
【0080】
さらに、管理情報は画像データと比較して十分小さいサイズであるため、管理情報を一時記憶するために必要な内蔵メモリの容量は少なく、通常は内蔵メモリの容量を増やす必要はない。また、特に管理情報の確定した部分を書き込む際、書換え制限記憶媒体200の書き込み単位に等しいデータ量毎に書き込む様にすることで、書換え制限記憶媒体200の記憶容量を一層効率よく使用することが可能になる。
【0081】
図6は、本実施形態における記憶媒体200とデジタルカメラ100との通信に係る構成を抜き出して示したブロック図である。図6では、便宜上インタフェース91及びコネクタ92は省略してある。
【0082】
記憶媒体200は、コントローラ401と不揮発性メモリ402から構成されている。コントローラ401は、デジタルカメラ100内のカードコントローラ90からコマンド線403を介して既定のコマンドを、データ線404を介して処理データをそれぞれ受け取る。また、コントローラ401は、受信したコマンドによって実行した処理結果を、データ線404を介してカードコントローラ90に返す。
【0083】
ここで、カードコントローラ90から与えられるコマンドには、以下のようなものがある。不揮発性メモリ402にデータを書き込む「WRITE_CMD」、不揮発性メモリ402からデータを読み出す「READ_CMD」、不揮発性メモリ402の書き込み可能セクタ数を要求する「AVAILABLE_SECTOR_CMD」等。
【0084】
コントローラ401は、受信したコマンド、処理データに応じて、不揮発性メモリ402に対して処理を行う。また、コントローラ401は、不揮発性メモリ402を論理空間と物理空間として管理しており、両者の対応を示すテーブルを、図示しない内部メモリに記憶している。そして、コントローラ401は、カードコントローラ90より受信する論理空間アドレスを不揮発性メモリ402の物理空間アドレスに変換して、読み書き動作等を行う。
【0085】
記憶媒体200が書き込み制限記憶媒体である場合、記憶媒体200に対して一度しか書き込みが行えない。そのため、記憶媒体200の内部データを変更した場合は、変更後のデータが新規に作成される。この時、コントローラ401は、不揮発性メモリ402の物理空間に、変更したデータを新規に書き込み、論理空間と、新規に書き込んだデータが存在する物理空間との対応付けを更新する。これにより、カードコントローラ90は、編集後のデータについても編集前のデータと同じ論理アドレスを指定すればよく、データの物理空間を意識する必要がない。
【0086】
例えば、コントローラ401が、コマンド「WRITE_CMD」、処理データ『0x20(不揮発性メモリ402の論理空間アドレス)、0xAA(書き込みデータ)』を受信したとする。この場合、コントローラ401は、論理空間アドレス『0x20』をまず不揮発性メモリ402の物理空間アドレス(『0x40』とする)に変換する。そして、コントローラ401は、不揮発性メモリ402の物理空間アドレス『0x40』に対してデータ『0xAA』を書き込み、データ線404を介してコントローラ90へ書き込み処理の成否を返す。また、コントローラ401はコマンド「AVAILABLE_SECTOR_CMD」を受信すると、不揮発性メモリ402内の書き込み可能なセクタ数を、データ線404を介してコントローラ90へ返す。
【0087】
なお、不揮発性メモリ402はフラッシュROM等の半導体記憶装置に限らず、ハードディスクのような磁気記録装置であってもよいし、CD−R又はDVD等の光学記録装置であっても良い。
【0088】
●(書換え制限記憶媒体の書き込み可能セクタ数の算出処理)
続いて、図7及び図8を参照して、書換え制限記憶媒体の書き込み可能セクタ数の算出方法の一例を説明する。
図7は、デジタルカメラ100の起動時の処理を説明するフローチャートである。本実施形態では、電源オン時には撮影モードであるものとする。
【0089】
まず、ユーザによるカメラの電源オン操作によりシステム制御部50の動作が開始される(S801)。システム制御部50は、記憶媒体着脱検知部98により記憶媒体200が着脱されているかを判断する(S802)。システム制御部50は、記憶媒体200が装着されていないと判断した場合(S802において「NO」)、記憶媒体200が装着されていない旨のメッセージを画像表示部28に表示し、ユーザに警告する(S812)。
【0090】
図8(a)に、記憶媒体200が装着されていない場合のメッセージ表示例を示す。ここでは、「カードがありません」というメッセージ502に加え、画面右下の撮影可能枚数504として「0」が表示されている。なお、メッセージ表示以外にも、警告音や合成音声等による警告であっても良い。記憶媒体200が装着されていない場合、システム制御部50はシャッタースイッチSW1 62及びSW2 64がONとなっても、撮影処理を許可しない(S811)。
【0091】
一方、システム制御部50が、記憶媒体200が装着されていると判断した場合(S802において「YES」)、記憶媒体200を含む各部への電源供給を行う。また、システム制御部50が、ズーム制御部44によりレンズ部10を所定の位置に動作させる等ハードウェアの初期化を行うことにより撮影準備を行う(S803)。
【0092】
そして、システム制御部50は、記憶媒体200のマスタブートレコードやブートセクタを解析することにより、FATのサイズやクラスタサイズ、セクタサイズ等、記憶媒体200のファイルシステムの情報を取得し、不揮発性メモリ56に記憶する(S804)。さらに、システム制御部50は、記憶媒体200のFAT情報を読み出し、書き込み可能なクラスタの先頭位置を取得し、不揮発性メモリ56に記憶する(S805)。
【0093】
また、システム制御部50は、コマンド「AVAILABLE_SECTOR_CMD」を、カードコントローラ90から送信させ、記憶媒体200のコントローラ401から、不揮発性メモリ402の書き込み可能なセクタ数を取得する(S806)。システム制御部50は、書き込み可能なセクタ数も不揮発性メモリ56に記憶する。
【0094】
システム制御部50は、S806で取得した書き込み可能なセクタ数を元に、撮影可能枚数を計算する(S807)。なお、撮影可能枚数の計算処理の詳細は、図10に基づいて後述する。計算結果は不揮発性メモリ56に記憶する。
【0095】
S808でシステム制御部50は、S807において算出した撮影可能枚数が1以上であるか、即ち、撮影可能な状態か判断する。もし、撮影可能枚数が1以上であれば(S808において「YES」)、システム制御部50は、図8(c)に示すように、画像表示部28を電子ビューファインダとして機能させるとともに、算出した撮影可能枚数504を表示する(S809)。
【0096】
また、システム制御部50は、記憶媒体200に既に管理情報が記録されている場合、その管理情報を内部メモリに読み込み、その後撮影が行なわれた場合には、内部メモリに読み込んだ管理情報を更新する。なお、使用中の記憶媒体からの管理情報の読み込みは、S804の処理時など、他のタイミングで行なっても良い。
【0097】
一方、算出した撮影可能枚数が0、即ち撮影不可な状態と判断される場合(S808において「NO」)、システム制御部50は記憶媒体200に空き容量が無い旨の警告を行なう(S810)。
【0098】
図8(b)に、記憶媒体200の空き容量がない場合のメッセージ表示例を示す。ここでは、「空き容量がありません」というメッセージ503に加え、画面右下の撮影可能枚数504として「0」が表示されている。なお、メッセージ表示以外にも、警告音や合成音声等による警告であっても良い。記憶媒体200の空き容量が無く、撮影可能枚数が0である場合、システム制御部50はシャッタースイッチSW1 62及びSW2 64がONとなっても、撮影処理を許可しない(S811)。
【0099】
なお、図7におけるS803以降の処理は、撮像装置が起動時以外に記憶媒体を検出した場合にも実行することができる。例えば、撮像装置が起動している状態において、記憶媒体200を抜いて、他の記憶媒体へと交換する必要が生じる。このとき、システム制御部50は、記憶媒体着脱検知部98により記憶媒体200が装着されているかを判断し、記憶媒体200が装着されていると判断した場合、S803以降の処理を行なう。
【0100】
ただし、この場合、ハードウェアの初期化は、カードコントローラ90やインタフェース91等のカード機能に関連する部分のみ行えばよい。記憶媒体200の装着検知は、装着される記憶媒体の種別に応じ、電気的な方法であっても機械的な方法であってもよい。また、記憶媒体やその装着部(カードスロット等)を保護するために設けられた蓋の開閉等に基づいて間接的に装着を検知してもよい。
【0101】
続いて、図9に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るデジタルカメラ100による撮影処理を説明する。図9において、図7と同様の処理を行なうステップには同じ参照番号を付した。
【0102】
まず、システム制御部50は、起動時処理と同様に、撮影可能枚数に基づいて撮影可能な状態か判断する(S808)。もし、撮影可能枚数が1以上であれば(S808において「YES」)、システム制御部50は画像表示部28を電子ビューファインダとして機能させるとともに、算出した撮影可能枚数を表示する(S809)。
【0103】
そして、システム制御部50は、ユーザの撮影開始指示待ち状態となる(S1003)。ここでは、システム制御部50は、シャッターボタンが全押しされ、シャッタースイッチSW2 64がONになると、撮影処理開始指示が入力されたと判断する。
【0104】
撮影処理開始指示に応答して、システム制御部50は、撮影処理と、書換え制限記憶媒体に対する書き込み処理を行う(S1004)。なお、S1004における処理は、図5におけるS605〜S611において説明した通りである。
【0105】
そして、システム制御部50は、記憶媒体200から書き込み可能可能セクタ数を取得し(S806)、撮影可能枚数を計算する(S807)。システム制御部50は、S807で計算した撮影可能枚数を元に次回の撮影が可能か判断する(S808)。
【0106】
次に、図10に示すフローチャートを参照して、本実施形態に係るデジタルカメラ100による撮影可能枚数の計算処理について説明する。
まず、システム制御部50は、S806で取得した書き込み可能なセクタ数を、不揮発性メモリ56から読み出す(S1101)。そして、システム制御部50は、予めユーザが設定した、撮影画像のサイズ(画素数)や圧縮モード(品質)を不揮発性メモリ56から取得し(S1102)、設定された条件に対応する標準画像データサイズを計算する(S1103)。ここで、標準画像データサイズの計算方法はどのような方法であっても良い。例えば、予め用意した式に画像サイズと圧縮モードを当てはめて算出しても良い。また、画像サイズと圧縮モードを入力とし、標準画像データサイズを出力とする2次元テーブルを予め用意し、このテーブルを参照して標準画像データサイズを取得しても良い。なお、データサイズは使用するセクタ数として求める。
【0107】
通常撮像装置で用いられる圧縮符号化方式であるJPEG方式では、同じ符号化パラメータを用いても、元画像の特性に応じて圧縮後のデータサイズが変動する。そのため、書き込み可能枚数の算出に用いる標準画像データサイズは、圧縮率が低めとなった画像も記録できるよう、大きめの値とする。
【0108】
システム制御部50は、不揮発性メモリ56から読み出した書き込み可能セクタ数を、標準画像データサイズ(セクタ単位)と所定の管理情報データサイズ(セクタ単位)を足したもので割ることによって、撮影可能枚数を計算する(S1104)。本実施形態では、所定の管理情報サイズを、2つのFATと1つのディレクトリエントリのセクタを更新する場合に最小限必要である3セクタとするが、確実に書き込み可能にするためにより大きいセクタ数でも良い。なお、ここでは、1枚撮影する毎に管理情報が記録されるという、もっとも効率の悪い状態を想定して撮影可能枚数を算出している。
【0109】
以上説明したように、本実施形態によれば、書き換え回数に制限のある書換え制限記憶媒体を用いる場合、少ない容量の内蔵メモリで、管理情報の書き込み回数を抑制することができ、記憶容量の効率的な利用が可能となる。また、書換え制限記憶媒体における空き容量についても、精度良く算出することが可能となる。
【0110】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置における撮影モード処理について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。本実施形態に係る撮像装置の構成は、第1の実施形態で説明したデジタルカメラ100と共通であってよいため、説明を省略する。また、図11において、第1の実施形態における撮影モード処理(図5)と同じ処理を行なうステップには、同じ参照符号を付し、やはり説明を省略する。
【0111】
本実施形態における撮影モード処理は、S1305からS1308の処理が第1の実施形態と異なるため、異なる処理のみを以下で説明する。
システム制御部50は、撮影開始指示の入力を検出すると(S604,「YES」)、撮影可能枚数が所定の枚数より小さいかを判断する(S1305)。ここで、所定の枚数とは、例えば2枚である。予測値である標準画像データサイズ及び予定管理情報データサイズと、それぞれの実データサイズには差が生じる。その結果、記録媒体200の空き容量が少なくなって来ると、実際に書き込みできる枚数が、予測値に基づく撮影可能枚数より少なくなる可能性が出てくる。そのため、予測値に基づく撮影可能枚数がある程度少なくなった時点で正確な管理情報データサイズを把握することで、書き込みができなくなる事態を抑制することができる。
【0112】
もし、システム制御部50が、撮影可能枚数が所定の枚数よりも少ないと判断した場合(ステップS1305において「YES」)、システム制御部50は、書き換え制限記憶媒体の管理情報を検索する。そして、後で書き込む必要のある管理情報のサイズを正確に算出し、それを予定管理情報サイズに設定する(S1306)。
一方、システム制御部50が、撮影可能枚数が所定の枚数よりも多いと判断した場合(S1305において「NO」)は、S1306の処理を行なわない。
【0113】
S1307で、システム制御部50は、撮影処理で生成された画像データサイズ[セクタ]と、予定管理情報データサイズ[セクタ]との和(書き込みデータサイズ[セクタ])が、書き込み可能セクタ数よりも大きいかどうか判断する。
【0114】
書き込みデータサイズ[セクタ]が書き込み可能セクタ数よりも大きいと判断される場合、システム制御部50は、画像データサイズを小さくするため、圧縮処理を行なう(S1308)。そして、再度S1307で判断を行なう。圧縮処理は、書き込みデータサイズ[セクタ]が書き込み可能セクタ数以下になるまで繰り返し行なう。
【0115】
書き込みデータサイズ[セクタ]が書き込み可能セクタ数以下であれば、システム制御部50は、S605における画像データの書き込み処理以降の処理を行なう。これにより、管理情報の書き込みが行なわれることを確実にできる。
【0116】
(他の実施形態)
上述の実施形態では、書換え制限記憶媒体として、一度のみ書き込み可能な記憶媒体を使用する場合について説明した。しかし、書換え可能な回数が決まっている記憶媒体であれば、書換えができなくなった状態において本発明を同様に適用することが可能である。
【0117】
また、上述の実施形態では、記憶媒体に追記するデータとして、画像データの管理情報を例にして説明した。しかし、書換え制限記憶媒体に対して追記する任意のデータ(追記型データ)について、上述した記録制御を適用することが可能である。すなわち、追記型データについては、内部メモリに一時記憶し、内容が確定してから書換え制限記憶媒体に書き込む。この際も、書換え制限記憶媒体の記録単位に等しいサイズ毎に記録を行なうことで、さらに効率的な記憶容量の利用が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
【図2】FATシステムを用いた記憶装置の領域構成の概要を示す図である。
【図3】書換え制限記憶媒体に対してFATファイルシステムを適用した場合のファイル保存手順の概要を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態における書換え制限記憶媒体の管理情報更新方法の概要を模式的に示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における書換え制限記憶媒体の管理情報更新方法について説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における、記憶媒体200とデジタルカメラ100との通信に係る構成を抜き出して示したブロック図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100の起動時の処理を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100での画面表示例を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100による撮影処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100による撮影可能枚数の計算処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る撮像装置における撮影モード処理について説明するフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影モードを含む複数の動作モードを有する撮像装置であって、
記憶媒体を着脱可能な装着手段と、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、
書換え可能な内蔵記憶手段と、
前記判別手段により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、前記撮影モードにおける撮影処理で生成される画像データについては前記記憶媒体に書き込むとともに、前記画像データの管理情報については前記内蔵記憶手段に一時保管し、前記撮影モードが終了する際に前記記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮影モードが、動作モードの変更時もしくは電源オフ時に終了することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
記憶媒体を着脱可能な装着手段と、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、
書換え可能な内蔵記憶手段と、
前記判別手段により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、撮影処理で生成される画像データについては前記記憶媒体に書き込むとともに、前記画像データの管理情報については前記内蔵記憶手段に一時保管し、前記管理情報が予め定めたデータサイズに達する毎に前記記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
記憶媒体を着脱可能な装着手段と、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、
書換え可能な内蔵記憶手段と、
前記判別手段により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、前記記憶媒体に追記するデータを前記内蔵記憶手段に一時保管し、前記追記するデータが予め定めたデータサイズに達する毎に前記記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御手段とを有することを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記予め定めたデータサイズが、前記記憶媒体の最小書き込み単位のサイズに等しいことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の撮像装置。
【請求項6】
前記予め定めた所定のサイズが、前記内蔵記憶手段に確保したバッファサイズに等しいことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の撮像装置。
【請求項7】
撮影モードを含む複数の動作モードを有し、記憶媒体を着脱可能な装着手段及び書換え可能な内蔵記憶手段を備える撮像装置の制御方法であって、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別工程と、
前記判別工程により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、前記撮影モードにおける撮影処理で生成される画像データについては前記記憶媒体に書き込むとともに、前記画像データの管理情報については前記内蔵記憶手段に一時保管し、前記撮影モードが終了する際に前記記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御工程とを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項8】
撮影モードを含む複数の動作モードを有し、記憶媒体を着脱可能な装着手段及び書換え可能な内蔵記憶手段を備える撮像装置の制御方法であって、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別工程と、
前記判別工程により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合は、前記記憶媒体に追記するデータを前記内蔵記憶手段に一時保管し、前記追記するデータが予め定めたデータサイズに達する毎に前記記憶媒体に書き込むように制御する書き込み制御工程とを有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項9】
記憶媒体を着脱可能な装着手段と、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別手段と、
前記記憶媒体の空き容量を算出する空き容量算出手段と、
前記空き容量算出手段が算出した空き容量で撮影可能な枚数を算出する撮影可能枚数算出手段とを有し、
前記撮影可能枚数算出手段が、
前記判別手段により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合、前記空き容量算出手段が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズ及び予め定められた管理情報データサイズとから前記撮影可能枚数を算出し、
前記判別手段により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体でないと判断された場合、前記空き容量算出手段が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズとから前記撮影可能枚数を算出することを特徴とする撮像装置。
【請求項10】
撮影処理で生成された画像データが前記記憶媒体で使用する容量を算出する第1の容量算出手段と、
前記画像データの管理情報が前記記憶媒体で使用する容量を算出する第2の容量算出手段とをさらに有し、
前記空き容量算出手段が、前記記憶媒体から取得した情報から前記空き容量の初期値を算出し、その後、前記第1及び第2の容量算出手段が算出した容量によって前記空き容量を更新することを特徴とする撮像装置。
【請求項11】
前記空き容量算出手段、前記第1及び第2の容量算出手段が、前記記憶媒体の最小書き込み単位で容量を算出することを特徴とする請求項10記載の撮像装置。
【請求項12】
前記空き容量算出手段が、前記撮像装置の起動時、前記記憶媒体の検出時のうち、少なくとも前記撮像装置の起動時に前記空き容量を算出することを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項13】
記憶媒体を着脱可能な装着手段を備えた撮像装置の制御方法であって、
前記装着手段に装着された記憶媒体が、書換え制限記憶媒体であるか判別する判別工程と、
前記記憶媒体の空き容量を算出する空き容量算出工程と、
前記空き容量算出工程が算出した空き容量で撮影可能な枚数を算出する撮影可能枚数算出工程とを有し、
前記撮影可能枚数算出工程が、
前記判別工程により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体であると判断された場合、前記空き容量算出工程が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズ及び予め定められた管理情報データサイズとから前記撮影可能枚数を算出し、
前記判別工程により前記記憶媒体が書換え制限記憶媒体でないと判断された場合、前記空き容量算出工程が算出した空き容量と、予め定められた画像データサイズとから前記撮影可能枚数を算出することを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−66894(P2008−66894A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−240795(P2006−240795)
【出願日】平成18年9月5日(2006.9.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】