説明

撮像装置

【課題】 TFT液晶、ELなどを外部表示装置に用いた場合、消費電力が大きく、またファインダ観察時はその漏光が邪魔になるため、表示が不要もしくは邪魔なときには消灯する必要がある。
【解決手段】 レリーズボタンの半押しの継続時間を測定する手段を備え、その継続時間によって表示手段の表示/非表示の状態制御を変更する。
表示装置が非表示の状態でレリーズボタンを半押しした際は、半押しの継続時間が所定時間より短い場合は表示手段を表示状態とし、所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示のままとする。
また、表示装置が表示されている状態でレリーズボタンを半押しした際は、半押しの継続時間が所定時間より短い場合は表示手段を表示状態のままとし、所定時間以上の場合は表示手段を非表示とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置を有する電子カメラなど撮像装置と、撮像装置の表示制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラに搭載されているバックライトを備えたTFT液晶表示装置や、自発光式の有機EL表示素子等の表示装置は、その表示に要する消費電力が大きく、また、ファインダを観察する際にはその表示装置からの漏光が目に入り邪魔になるため、表示が必要なときのみ表示し、表示が不必要なときや邪魔になるときは非表示に切り替える必要がある。
【0003】
そして、一般的には、ユーザによるスイッチ操作により表示装置の表示/非表示を切り替えるため、不必要な時にスイッチがONのままにされる場合があり、この場合には余分な電力を消費することになる。また、ファインダを観察する際にスイッチがONのままだと表示装置からの漏光が目に入り邪魔になる。
【0004】
このような問題に対して、接眼検知センサを設けてファインダへの接眼を検知して、カメラ背面のTFT液晶表示装置の表示/非表示を制御するカメラが提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、以下のようなカメラが提案されている。
【0006】
全体制御部が被写体の撮影や記憶画像の再生の準備がなされている操作準備状態を検出する。そして、全体制御部は、接眼検知センサによりファインダへのユーザーの瞳の近接が検知されないと背面LCDに画像表示を行うように制御する。また、全体制御部は、操作準備状態が検出されない際には、背面LCDに画像表示しないように制御する。
【0007】
上記構成により、ユーザーの意図に沿った画像表示を行いつつ、画像表示に起因する消費電力を低減を図るととともに、使い勝手の向上を図っている。
【特許文献1】特開2004−201104号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1において提案されている電子カメラの構成では、接眼検知センサ等の専用のセンサーが必要となり、カメラの大型化、コストアップを招く。
【0009】
また、カメラ背面のTFT液晶表示装置に表示されている表示を見ようと顔を近づけたり、TFT液晶表示装置に表示されているメニューを操作しようと操作部材に手をのばした際に、接眼検知センサが誤検知してTFT液晶表示装置の表示を非表示としてしまう等、ユーザの意図しない動作を招き使用感を損ねる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、表示手段と、第1ストロークでオンする第1のスイッチと、第2ストロークでオンする第2のスイッチからなる2段スイッチを有し、前記第1のスイッチのオンで撮影準備動作を行い、前記第2のスイッチのオンで撮影動作を行う撮像装置であって、前記第1のスイッチのオンの継続時間を計時する計時手段と、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間によって前記表示手段の表示/非表示の制御を変更する制御手段を備える。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置であって、前記表示手段が非表示状態のとき、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態のままとする制御手段を備える。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1乃至請求項2に記載の撮像装置であって、前記表示手段は撮像装置の露出制御値等の撮影に関わる設定値、制御値の情報を表示している第1の表示状態と、前記第1の表示状態で表示している情報と異なる情報を表示している第2の表示状態を有し、前記第1の表示状態のとき、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、前記表示手段が第2の表示状態のとき、前記第1のスイッチのオンが検知されると前記表示手段を非表示状態とする制御手段を備える。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3に記載の撮像装置であって、複数の撮影モードが設定可能な撮影モード設定手段を有し、前記複数の撮影モードは、使用者がパラメータを変更可能な第1の撮影モード群と、使用者がパラメータの変更が不可能あるいはパラメータの変更を制限された第2の撮影モード群とを含み前記撮影モード設定手段によって前記第1の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合と、前記撮影モード設定手段によって前記第2の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合とで、前記表示手段の表示/非表示の制御を変更する制御手段を備える。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の撮像装置であって、前記表示手段が非表示状態で、前記撮影モード設定手段によって前記第1の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態のままとし、前記表示手段が非表示状態で、前記撮影モード設定手段によって前記第2の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間に関わらず前記表示手段を非表示状態のままとする制御手段を備える。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、表示手段と、第1ストロークでオンする第1のスイッチと、第2ストロークでオンする第2のスイッチからなる2段スイッチを有し、前記第1のスイッチのオンで撮影準備動作を行い、前記第2のスイッチのオンで撮影動作を行う撮像装置であって、前記第1のスイッチのオンの継続時間を計時する計時手段と、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間によって前記表示手段の表示/非表示の制御を変更する制御手段を備えることにより、接眼検知センサ等の専用のセンサーや専用の操作部材を設けることなく、レリーズボタン114の操作のみでTFT液晶表示装置116の表示、非表示の制御が可能となる効果がある。
【0016】
また、請求項2の発明によれば、請求項1に記載の撮像装置であって、前記表示手段が非表示状態のとき、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態のままとする制御手段を備えることにより、レリーズボタン114を一瞬半押しして離すとTFT液晶表示装置116に撮影情報が表示され、レリーズボタン114を半押しし続けると、TFT液晶表示装置116は非表示とすることとなり、撮影者が特別な操作を意識することなく、通常の撮影で行うレリーズボタン114の操作で、必要なときに表示され、不要または邪魔になるときには非表示となるTFT液晶表示装置116の表示制御が可能となる効果がある。
【0017】
また、請求項3の発明によれば、TFT液晶表示装置116の表示状態に応じて、レリーズボタン114の操作で、それぞれの表示状態に即して必要なときに表示され、不要または邪魔になるときには非表示となるTFT液晶表示装置116の表示/非表示の制御が可能となる効果がある。
【0018】
また、請求項4乃至請求項5の発明によれば、設定された撮影モードに応じて、レリーズボタン114の操作で、撮影モードの仕様に即して、必要なときに表示され、不要または邪魔になるときには非表示となるTFT液晶表示装置116の表示/非表示の制御が可能となる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を一眼レフタイプデジタルカメラの実施例により詳しく説明する。
【0020】
図1、図2は、本発明の実施例である“一眼レフタイプデジタルカメラ”を示している。
【0021】
図1は、本発明の実施例による一眼レフタイプのデジタルカメラの構成を示す上面図、図2は同デジタルカメラの構成を示す背面図である。
【0022】
図1、図2において、100はカメラ本体、111はファインダー観察用の接眼窓である。112はAE(自動露出)ロックボタン、112は露出補正を行うための露出補正ボタン、113はAF(オートフォーカス)の測距点選択ボタンである。
【0023】
114は撮影操作をするためのレリーズボタンであり、第1ストロークでSW1(後述)がONし、第2ストロークでSW2(後述)がONする構成となっている。115はメイン電子ダイヤルで、1クリック回転操作することにより、位相のずれた2ビットの信号をマイクロコンピュータ1に送ることにより、回転方向と回転クリック数が検出される。
【0024】
この回転方向と回転クリック数を検出することで、他の操作釦と併用して、カメラに数値を入力したり、設定項目の選択をしたりすることが可能となる。
【0025】
尚、この情報設定方法は、特開昭58−63922号や特開昭60−103331号において公知であるので、詳しい説明は省略する。
【0026】
117は本デジタルカメラの全ての動作を禁止するメインスイッチである。
【0027】
121は撮影モードを設定するモードダイヤルである。このモードダイヤル121を回転させることにより、TV優先、AV優先、マニアル、プログラムなどの撮影者の意図する撮影モードに設定することができる。
【0028】
このモードダイヤル121によって選択できるモードには、全自動モード、スポーツモード、風景モード、夜景モード、クローズアップモード、ポートレートモードという撮影シーンにより選択する撮影モード(以下「基本撮影モード」と記す)と、プログラム、TV優先、AV優先、マニュアルというTV値とAV値の制御の方法を選択するモード(以下「応用撮影モード」と記す)がある。
【0029】
「基本撮影モード」では、モード毎のアルゴリズムにより測光データ、測距データ等に基づきAV値、TV値、ISO感度、ストロボ調光制御、AF駆動制御、ホワイトバランス等の制御が自動決定され、ユーザは露出補正、調光補正等の露出制御の補正、ホワイトバランス等の画像処理パラメータの操作は一切できない。
【0030】
「応用撮影モード」では、ユーザはホワイトバランス等の画像処理パラメータの設定や、露出補正、調光補正等の補正操作を行うことが可能である。
【0031】
モードダイヤル121によりTV優先がモードとして設定されている場合には、メイン電子ダイヤル115を回転させることにより撮影者の希望するTV値を設定することができる。
【0032】
また、モードダイヤル121によりAV優先がモードとして設定されている場合には、メイン電子ダイヤル115を回転させることにより撮影者の希望とするAV値を設定することができる。
【0033】
116はTFT液晶表示装置である。TFT液晶表示装置116の裏面には不図示のバックライト照明装置が配置されている。
【0034】
118はTFT液晶表示装置116にメニューを表示させるメニューボタンである。カメラの電源が入っている状態でメニューボタン118を押すとTFT液晶表示装置116にメニューが表示される。メニューの設定項目と設定値の選択は後述の4方向SW122、SETボタン123によって行う。
【0035】
図5は、本発明のデジタル一眼レフカメラのメニュー表示状態のTFT液晶表示装置の表示を示す図であり、メニューボタン118を押した際に表示されるTFT液晶表示装置116の表示の一例を示している。
【0036】
図5に示すとおり、カメラの電源が入っている状態でメニューボタン118を押すとTFT液晶表示装置116に記録画質や、日付/時刻、再生画像の表示形態などのさまざまな設定を行うメニュー画面が表示される。
【0037】
120はTFT液晶表示装置116に記録媒体20(後述)に記録された撮影画像を表示するための再生ボタンである。
【0038】
図6は、本発明のデジタル一眼レフカメラの撮影画像表示状態のTFT液晶表示装置の表示を示す図であり、再生ボタン120を押した際に表示されるTFT液晶表示装置116の表示の一例を示している。
【0039】
図6に示すとおり、カメラの電源が入っている状態で再生ボタン120を押すとTFT液晶表示装置116に記録媒体20に記録された撮影画像が表示される。表示する画像の選択は後述の4方向SW122によって行う。
【0040】
119はTFT液晶表示装置116に撮影情報を表示させるINFO.ボタンである。
【0041】
図4は、本発明のデジタル一眼レフカメラの撮影情報表示状態のTFT液晶表示装置の表示を示す図であり、INFO.ボタン119を押した際に表示されるTFT液晶表示装置116の表示の一例を示している。
【0042】
図4に示すとおり、カメラの電源が入っている状態でINFO.ボタン119を押すとTFT液晶表示装置116にAV値、TV値、ISO感度、露出補正量、調光補正量などの撮影情報が表示される。
【0043】
また、撮影モードが「応用撮影モード」のいずれかのモードに設定されているときは、この撮影情報はSW1114eの操作によっても表示することが可能である。このSW1114eで表示する操作については後に説明する。
【0044】
122はメニューの設定操作、表示画像の選択、スクロールなどを行う4方向SWである。
【0045】
123はメニュで選択した項目の確定操作を行うSETボタンである。
【0046】
メニューボタン118により、TFT液晶表示装置116にメニューが表示されている状態で、4方向SWを操作することにより設定を変更したい設定項目を選択する。希望の設定項目が選択された時、SETボタン123を押すと設定項目選択が完了する。設定項目を選択すると、その項目の設定値の選択肢がリスト表示されたり、設定値の数値のバーが表示される。この状態で4方向SWを操作して希望の選択肢や値を選択する。希望の選択肢や値が選択された時、SETボタン123を押すと設定値の設定が完了する。
【0047】
また、再生ボタン120により、TFT液晶表示装置116に画像が表示されている状態で、4方向SWを操作することにより表示したい画像を選択できる。
【0048】
撮影レンズ200は、カメラ本体100に対して、不図示の本体マウントを介して交換可能である。
【0049】
図3は、本発明のデジタル一眼レフカメラの電気回路を示すブロック図である。
【0050】
図3において、1はカメラ本体に内蔵された制御手段であるところのマイクロコンピュータである。
【0051】
マイクロコンピュータ1には、ミラー駆動回路11、焦点検出センサ12、シャッター駆動回路14、測光センサ15、映像信号処理回路10、 液晶表示駆動回路17、電源部22、およびレンズマウントの接点(不図示)を介して撮影レンズ200内のレンズマイコン204が接続されている。
【0052】
マイクロコンピュータ1は上記回路を統括的に制御する。また、マイクロコンピュータ1はSW1114e、SW2114f、メイン電子ダイヤル115、モードダイヤル121、その他SW類の入力を検知する機能を有している。
【0053】
200はカメラ本体にレンズマウントを介して着脱可能な撮影レンズである。
【0054】
204は撮影レンズ200内に備えられているレンズマイコンで、マイクロコンピュータ1との通信、レンズ内の各デバイスの統括制御を担っている。
【0055】
201は撮影レンズ200内に備えられているレンズ駆動回路で、レンズマイコン204の制御によって撮影レンズ200内のフォーカスレンズ位置を変化させることによりCMOS撮像装置7にピントを合わせる。203は撮影レンズ200内に備えられている絞り駆動回路で、レンズマイコン204の制御によって絞り202を変化させて光学的な絞り値を変化させる。
【0056】
3はメインミラーで撮影レンズ200により結像される被写体像を、ペンタダハプリズム2へ導くと共に、その一部を透過させ、後述するサブミラー4を通して焦点検出センサ12へ導く。メインミラー3はミラー駆動回路11により、ファインダーにて被写体像を観察可能な位置と撮影時に被写体光束の光路から待避する退避位置とを可動自在に構成されている。
【0057】
4はメインミラー3の一部を透過した被写体光を反射させて、焦点検出センサ12へ被写体像を導くためのサブミラーである。サブミラー4は、前記メインミラー3と連動し、前記メインミラー3がファインダーにて被写体像を観察可能な位置にあるときには、焦点検出センサ12へ被写体光を導く位置に、また、撮影時には被写体光束の光路から待避する退避位置に可動自在に構成されている。
【0058】
11はミラー駆動回路で、例えばDCモータとギヤトレインなどから構成され、マイクロコンピュータ1の制御によってメインミラー3やサブミラー4を駆動させる。
【0059】
2はペンタダハプリズムで、メインミラー3によって導かれた被写体像を正立正像に変換反射する光学部材である。
【0060】
撮影レンズ200を通過した被写体光束は、絞り202を通過して、メインミラー3で反射され、ペンタダハプリズム2に導かれる。
【0061】
撮影レンズ200を通過した被写体光束は、さらには測光センサ15へも導かれる。また、メインミラー3を透過した光束はサブミラー4で反射され、焦点検出センサ12の検出面上で再結像される。その光像は、電気的なイメージ信号に変換されて焦点検出センサ12内部の焦点検出回路13に供給される。
【0062】
焦点検出回路13はマイクロコンピュータ1の指示に従い、焦点検出センサ12の蓄積制御と読み出し制御を行って、画素情報をマイクロコンピュータ1へ出力する。
【0063】
マイクロコンピュータ1は焦点検出回路13からの被写体像のイメージ信号に基づいて、周知の位相差検出法による焦点検出演算を行い、撮影レンズ200による結像面とフィルム面等の予定結像面との差、すなわちデフォーカス量およびデフォーカス方向を求める。そして、マイクロコンピュータ1は算出したデフォーカス量およびデフォーカス方向に基づいて、レンズ駆動回路201を介して撮影レンズ200のフォーカスレンズ位置を変化させ合焦位置まで駆動する。
【0064】
5は機械シャッター装置で、ファインダー観察時には被写体光束を遮り、撮像時にはレリーズ信号に応じて被写体光束の光路から待避して露光を開始させる不図示の先羽根群と、ファインダー観察時には被写体光束の光路から待避しているとともに、撮像時には先羽根群の走行開始後所定のタイミングで被写体光束を遮光する不図示の後羽根群とを有するフォーカルプレーンシャッターである。機械シャッター装置5はマイクロコンピュータ1の指令を受けたシャッター駆動回路14によって制御される。
【0065】
7は撮影レンズ200により結像された被写体像を撮像して電気信号に変換するCMOS撮像装置である。8はCDS/AGC回路で、画像信号のノイズの低減などの基本的なアナログ処理、A/D変換する前のアナログ信号のゲイン調整処理を行う。9はA/D変換回路であり、アナログの各画素信号をデジタル信号に変換する。
【0066】
10は映像信号処理回路で、内部に画像データ処理部10a、画像表示処理部10b、メモリコントローラ10c、インターフェース処理部10d等を有し、ハードウエアによる画像処理全般を担当する。
【0067】
画像データ処理部10aはデジタル化されたCMOS撮像装置7の画像データに、レベル補正、ホワイトバランスの調整、ガンマー調整処理、その他フィルター処理、画像データに対するJPEGなどの圧縮処理等を行う。画像表示処理部10bは表示用の情報合成処理などを行う。
【0068】
この映像信号処理回路10からの表示用の画像データは、TFTモニタ駆動回路18を介してTFT液晶表示装置116に表示される。
【0069】
これらの機能は、マイクロコンピュータ1との通信により制御される。
【0070】
画像データは、一旦、バッファメモリ19に格納され、メモリコントローラ10cを介して映像信号処理回路10で順次処理される構成となっている。
【0071】
メモリコントローラ10cでは、映像信号処理回路10から入力された未処理のデジタル画像データをバッファメモリ19に格納し、処理済みのデジタル画像を記録媒体20に格納したり、逆にバッファメモリ19や記録媒体20から画像データを映像信号処理回路10に出力したりする。
【0072】
また、メモリコントローラ10cは、インターフェース処理部10dから送られてくる映像を記録媒体20に記憶することや、記録媒体20に記憶されている画像をインターフェース処理部10dから出力可能である。なお、記録媒体20は、カメラ本体に対して取り外しが可能である。
【0073】
114eはレリーズボタン114の第1ストロークによりオンするスイッチSW1である。114fは、レリーズボタン114の第2ストロークによりオンするスイッチSW2である。スイッチSW2がオンされるとレリーズ動作が開始される。
【0074】
測光センサ15は測光回路16を内蔵しており、測光センサ15からの出力を画面内の各エリアの輝度信号として、マイクロコンピュータ1に出力する。マイクロコンピュータ1は輝度信号を演算処理し、撮影の露出を算出する。
【0075】
17は液晶表示駆動回路で、マイクロコンピュータ1の表示内容命令に従って、ファインダー内液晶表示装置21を駆動する。
【0076】
22は電源部で、マイクロコンピュータ1の指示により、各IC(集積回路)や駆動系に必要な電源を供給する。
【0077】
図7、図8は本発明のデジタル一眼レフカメラのSW1操作後の動作を示すフローチャートである。
【0078】
以下、図7、図8に沿って本実施例のカメラの動作について説明する。
【0079】
メインスイッチ117カメラの電源が入っている状態で、SW1114e が押されると本フローチャートの処理が始まり、S1の処理へと進む。
【0080】
S1では、TFT液晶表示装置116が点灯中かどうかを判別する。TFT液晶表示装置116が点灯中であればS2の処理へ進み、点灯中でなければ図8のS21の処理へ進む。
【0081】
S2では、TFT液晶表示装置116の表示内容を判別する。TFT液晶表示装置116に撮影情報が表示されている状態であれば、S4の処理へ進み、メニューまたは撮影画像が表示されている状態であればS3の処理へ進む。
【0082】
S3では、TFT液晶表示装置116の表示を消灯し、S5の処理へ進む。
【0083】
S4では、タイマtsw1をリセットし、計時を開始し、S5の処理へ進む。
【0084】
S5では、測光、測距などの撮影準備動作処理を開始し、S6の処理へ進む。
【0085】
S6では、SW1114eがONしているか否か判別する。SW1114eがONしていると判別されればS7の処理へ、ONしていると判別されなければS14の処理へ進む。
【0086】
S7では、TFT液晶表示装置116が点灯中かどうかを判別する。TFT液晶表示装置116が点灯中であればS8の処理へ進み、点灯中でなければS10の処理へ進む。
【0087】
S8では、タイマtsw1の値を確認し、所定時間t1以上か否か判別する。ここで、t1はあらかじめ定められた所定の値で、本実施例では0.2秒に設定されている。tsw1の値がt1以上であれば、S9の処理へ進み、tsw1の値がt1未満であればS10の処理へ進む。
【0088】
S9では、TFT液晶表示装置116の表示を消灯し、S10の処理へ進む。
【0089】
S10では、SW2114fがONしているか否か判別する。SW2114fがONしていると判別されればS11の処理へ進み、ONしていると判別されなければS6の処理へ戻る。
【0090】
S11では、TFT液晶表示装置116が点灯中かどうかを判別する。TFT液晶表示装置116が点灯中であればS12の処理へ進み、点灯中でなければS13の処理へ進む。
【0091】
S12では、TFT液晶表示装置116の表示を消灯し、S13の処理へ進む。
【0092】
S13では、一連の露光処理を実行し、本フローチャートの処理を終了する。
【0093】
S14では、測光、測距等の露光準備処理を中止し、本フローチャートの処理を終了する。
【0094】
S21では、タイマtsw1をリセットし、計時を開始し、S22の処理へ進む。
【0095】
S22では、測光、測距などの撮影準備動作処理を開始し、S23の処理へ進む。
【0096】
S23では、SW1114eがONしているか否か判別する。SW1114eがONしていると判別されればS24の処理へ、ONしていると判別されなければS26の処理へ進む。
【0097】
S26では、測光、測距等の露光準備処理を中止し、S27の処理へ進む。
【0098】
S27では、撮影モードを確認し、「応用撮影モード」であればS28の処理へ進み、「応用撮影モード」でなければ本フローチャートの処理を終了する。
【0099】
S28では、タイマtsw1の値を確認し、所定時間t1未満か否か判別する。tsw1の値がt1未満であればS29の処理へ進み、tsw1の値がt1以上であれば本フローチャートの処理を終了する。
【0100】
S29では、TFT液晶表示装置116に撮影情報を表示し、本フローチャートの処理を終了する。
【0101】
以上説明した処理によれば、例えばカメラのメインスイッチ117がON、モードダイヤル121が「応用撮影モード」に設定され、TFT液晶表示装置116が点灯していない状態で、レリーズボタン114を一瞬半押しして離すとTFT液晶表示装置116にレリーズボタン114を半押しした時点の測光値に基づくAV値、TV値、露出補正量、調光補正量などの撮影情報が表示され、撮影者は撮影情報や設定値を確認することができる。
【0102】
また、例えばカメラのメインスイッチ117がON、モードダイヤル121が「基本撮影モード」に設定され、TFT液晶表示装置116が点灯していない状態では、レリーズボタン114の操作でTFT液晶表示装置116は点灯することは無いので、撮影者はさまざまな撮影情報や設定値を意識することなく、撮影に集中できる。また、レリーズボタン114の操作で不意にTFT液晶表示装置116が点灯して撮影者が戸惑うことが無い。
【0103】
また、カメラのメインスイッチ117がON、TFT液晶表示装置116が点灯していない状態で、レリーズボタン114を半押しし続けると、測光、測距などの撮影準備動作を行う。このときTFT液晶表示装置116は点灯しないので、撮影者がファインダをのぞいている状態でもTFT液晶表示装置116のバックライトが眩しくて邪魔になることはない。
【0104】
また、カメラのメインスイッチ117がONで、TFT液晶表示装置116に撮影情報が表示されている状態で、レリーズボタン114を一瞬半押しして離すとTFT液晶表示装置116にレリーズボタン114を半押しした時点の測光値に基づくAV値、TV値、露出補正量、調光補正量などの撮影情報が表示され、撮影者は最新の撮影情報や設定値を確認することができる。
【0105】
また、カメラのメインスイッチ117がONで、TFT液晶表示装置116に撮影情報が表示されている状態で、レリーズボタン114を半押しし続けると、測光、測距などの撮影準備動作を行うとともに、TFT液晶表示装置116を消灯する。そのため、撮影者がファインダをのぞいている状態でもTFT液晶表示装置116のバックライトが眩しくて邪魔になることはない。
【0106】
また、カメラのメインスイッチ117がONで、TFT液晶表示装置116に例えばメニュー表示などの撮影情報以外の情報が表示されている状態で、レリーズボタン114を半押しすると、測光、測距などの撮影準備動作を行うとともに、即座にTFT液晶表示装置116を消灯する。そのため、撮影者はメニュー操作等が中断され、カメラが撮影準備動作を開始したことを容易に認識でき、撮影者がファインダをのぞいている状態でもTFT液晶表示装置116のバックライトが眩しくて邪魔になることはない。
【0107】
本実施例においては表示装置としてTFT液晶表示装置を用いた例を示したが、他の方式の表示装置、例えば有機EL表示装置等を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明のデジタル一眼レフカメラの上面図
【図2】本発明のデジタル一眼レフカメラの背面図
【図3】本発明のデジタル一眼レフカメラの電気回路を示すブロック図
【図4】本発明のデジタル一眼レフカメラの撮影情報表示状態のTFT液晶表示装置の表示を示す図
【図5】本発明のデジタル一眼レフカメラのメニュー表示状態のTFT液晶表示装置の表示を示す図
【図6】本発明のデジタル一眼レフカメラの撮影画像表示状態のTFT液晶表示装置の表示を示す図
【図7】本発明のデジタル一眼レフカメラのSW1操作後の動作を示すフローチャート
【図8】本発明のデジタル一眼レフカメラのSW1操作後の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0109】
1 マイクロコンピュータ
2 ペンタダハプリズム
3 メインミラー
4 サブミラー
5 機械シャッター装置
6 レンズ接点
7 CMOS撮像装置
8 CDS/AGC回路
9 A/D変換回路
10 映像信号処理回路
10a 画像データ処理部
10b 画像表示処理部
10c メモリコントローラ
10d インターフェース処理部
11 ミラー駆動回路
12 焦点検出センサ
13 焦点検出回路
14 シャッター駆動回路
15 測光センサ
16 測光回路
17 液晶表示駆動回路
18 TFTモニタ駆動回路
19 バッファメモリ
20 記録媒体
21 ファインダー内液晶表示装置
22 電源部
23 コネクタ端子
100 カメラ本体
111 接眼窓
112 AEロックボタン
113 測距点選択ボタン
114 レリーズボタン
114e SW1
114f SW2
115 メイン電子ダイヤル
116 TFT液晶表示装置
117 メインスイッチ
118 メニューボタン
119 INFO.ボタン
120 再生ボタン
121 モードダイヤル
122 4方向SW
123 SETボタン
124 露出補正ボタン
200 撮影レンズ
201 レンズ駆動回路
202 絞り
203 絞り駆動回路
204 レンズマイコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
第1ストロークでオンする第1のスイッチと、第2ストロークでオンする第2のスイッチからなる2段スイッチを有し、前記第1のスイッチのオンで撮影準備動作を行い、前記第2のスイッチのオンで撮影動作を行う撮像装置であって、
前記第1のスイッチのオンの継続時間を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間によって前記表示手段の表示/非表示の制御を変更する制御手段を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記表示手段が非表示状態のとき、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態のままとする制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記表示手段は撮像装置の露出制御値の撮影に関わる設定値、制御値の情報を表示している第1の表示状態と、前記第1の表示状態で表示している情報と異なる情報を表示している第2の表示状態を有し、
前記第1の表示状態のとき、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、
前記表示手段が第2の表示状態のとき、前記第1のスイッチのオンが検知されると前記表示手段を非表示状態とする制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
複数の撮影モードが設定可能な撮影モード設定手段を有し、
前記複数の撮影モードは、
使用者がパラメータを変更可能な第1の撮影モード群と、
使用者がパラメータの変更が不可能あるいはパラメータの変更を制限された第2の撮影モード群とを含み
前記撮影モード設定手段によって前記第1の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合と、前記撮影モード設定手段によって前記第2の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合とで、
前記表示手段の表示/非表示の制御を変更する制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記表示手段が非表示状態で、前記撮影モード設定手段によって前記第1の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合、
前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間より短い場合は前記表示手段を表示状態とし、前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間が所定時間以上の場合は前記表示手段を非表示状態のままとし、
前記表示手段が非表示状態で、前記撮影モード設定手段によって前記第2の撮影モード群に属する撮影モードが設定されている場合、
前記計時手段によって計時された前記第1のスイッチのオンの継続時間に関わらず前記表示手段を非表示状態のままとする制御手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−202024(P2007−202024A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−20673(P2006−20673)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】