説明

撮像装置

【課題】複数の光路分割状態から撮影状態に移行する動作を行う撮像装置において、光路分割状態に応じて最適なフォーカス制御を行えるようにする。
【解決手段】撮像装置は、被写体像を光電変換する撮像素子106と、ファインダ光学系と、被写体からの光束を用いて焦点状態を検出する焦点検出ユニット121と、被写体からの光束の光路を切り換えるために用いられる光路切換ユニット111,122と、該光路切換ユニットを、被写体からの光束をファインダ光学系及び焦点検出ユニットに導く第1の状態、被写体からの光束を撮像素子及び焦点検出ユニットに導く第2の状態、及び被写体からの光束の撮像素子への光路外に位置する第3の状態に切り換える機構とを有する。そして、少なくとも第1及び第2の状態のそれぞれへの移行回数を積算して記憶する積算記憶手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被写体からの光束をファインダ光学系と焦点検出ユニットとに導く第1の状態と、該光束を撮像素子と焦点検出ユニットとに導く第2の状態と、光路外に退避する第3の状態との間で切り換えられる光路切換ユニットを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような光路切換ユニット(若しくは光路分割ユニット)を備えた撮像装置は、特許文献1にて開示されている。この撮像装置は、撮像レンズからの光束を用いた光学ファインダ(Optical View Finder:OVF)による被写体観察と電子ファインダ(Electronic View Finder:EVF)による被写体観察とが可能な一眼レフデジタルカメラである。
【0003】
そして、この撮像装置では、光学ファインダ及び電子ファインダのいずれを用いて被写体観察を行う場合(第1の状態及び第2の状態)でも、光路切換ユニットにより、撮像レンズからの光束を位相差検出方式による焦点検出を行う焦点検出ユニットに導く。これにより、高速なピント合わせを行うことができる。また、被写体からの光が光路切換ユニットを透過することによる光量低下や被写体像のピントずれを回避するために、高精細な静止画を撮像する場合には、光路切換ユニットを撮像光路外に退避させる(第3の状態)。光路切換ユニットには、例えばミラーが用いられる。
【0004】
また、一眼レフカメラにおいて、ミラー等の可動部品の積算作動回数を記憶し、その回数に応じて焦点検出結果を補正する技術が特許文献2に開示されている。ミラーの作動回数が増加すると、ミラー動作に関わる機構の変形や摩耗によりミラーの停止位置精度が悪化して焦点検出誤差が生じる。このため、ミラーの作動回数やレリーズ回数等に応じて予め記憶された補正量を読み出し、該補正量を用いて焦点検出結果を補正する。
【特許文献1】特開2004−264832号公報(段落番号0042〜0046、図1,3,5等)
【特許文献2】特開平9−54243号公報(段落番号0021〜0026、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の撮像装置のように、複数の光路分割状態(第1及び第2の状態)から撮影状態(第3の状態)に移行する場合、どの光路分割状態と撮影状態との間で移行動作が行われたかによって、作動部品や変形・磨耗が生じる箇所が異なる。しかも、一方の光路分割状態から撮影状態への移行回数が、他方の光路分割状態から撮影状態への移行回数と大きく異なる場合も考えられ、この場合には、変形や摩耗に光路分割状態による偏りが生ずる。さらに、これらの変形や磨耗の程度が、焦点検出結果に与える影響も光路分割状態によって異なる。
【0006】
このため、特許文献2にて開示されているような単純なミラーの作動回数又はこれに準ずる回数による補正だけでは、複数の光路分割状態から撮影状態に移行できる特許文献1の撮像装置において適正な焦点検出結果の補正を行うことができない。すなわち、フォーカス制御の精度が低下する。
【0007】
また、特許文献2では、作動回数に応じて焦点検出結果を一律に補正するため、部品の製造誤差や組み立て誤差などの各種要因による個体差に対応して適正な補正を行うことができない。
【0008】
本発明は、複数の光路分割状態から撮影状態に移行する動作を行う撮像装置において、光路分割状態に応じて最適なフォーカス制御等を行えるようにすることを目的の1つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての撮像装置は、被写体像を光電変換する撮像素子と、被写体像の観察を可能とするファインダ光学系と、被写体からの光束を用いて焦点状態を検出する焦点検出ユニットと、被写体からの光束の光路を切り換えるために用いられる光路切換ユニットと、該光路切換ユニットを、被写体からの光束をファインダ光学系及び焦点検出ユニットに導く第1の状態、被写体からの光束を撮像素子及び焦点検出ユニットに導く第2の状態、及び被写体からの光束の撮像素子への光路外に位置する第3の状態に切り換える機構とを有する。そして、本発明は、少なくとも第1及び第2の状態のそれぞれへの移行回数を積算して記憶する積算記憶手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、それぞれの状態(光路分割状態)への移行回数を状態ごとに積算して記憶することができる。このため、これら個々の積算移行回数に応じた撮像装置の制御を行うことが可能となる。例えば、光路分割状態ごとの部品の変形や摩耗の程度に応じた最適なフォーカス制御を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
【実施例1】
【0012】
図1から図7には、本発明の実施例1である撮像システムとしてのカメラシステムの構成を示している。
【0013】
まず図6には、本実施例のカメラシステムの概略構成を示している。本実施例のカメラシステムは、CCDセンサ又はCMOSセンサなどの撮像素子を用いた単板式のデジタルカラーカメラである。撮像素子を連続的又は単発的に駆動して動画像又は静止画像を取得できる。撮像素子は、いわゆるエリアセンサであり、受光した光を2次元方向に配列された画素毎に電気信号に変換し、受光量に応じた電荷を蓄積する。
【0014】
図6において、101は撮像装置としてのカメラ本体であり、この内部には以下に説明する部材が配置されている。
【0015】
102はレンズ装置としての交換レンズであり、その内部には撮影光学系としての結像光学系103が配置されている。交換レンズ102は、カメラ本体101に対して着脱可能であり、マウント機構を介してカメラ本体101に電気的及び機械的に接続される。
【0016】
カメラ本体101には、焦点距離の異なる複数の交換レンズが着脱可能であり、交換レンズを交換することによって様々な画角の画像を取得することができる。
【0017】
交換レンズ102は不図示の駆動機構を有している。この駆動機構は、結像光学系103の一部を構成するフォーカシングレンズを光軸L1の方向に移動させて焦点調節を行わせる。なお、フォーカシングレンズを柔軟性のある透明弾性部材や液体レンズで構成し、界面形状を変化させて屈折力を変えることにより焦点調節を行うこともできる。
【0018】
また、交換レンズ102内には、光通過口の開口面積を変化させて撮影光束の光量を調節する絞り(不図示)と、この絞りを駆動する駆動機構(不図示)とが配置されている。
【0019】
106は撮像パッケージ124内に収納された撮像素子である。結像光学系103から撮像素子106に至る光路中には、撮像素子106上に被写体像の必要以上に高い空間周波数成分が伝達されないように結像光学系103のカットオフ周波数を制限する光学ローパスフィルタ156が設けられている。また、結像光学系103には、不図示の赤外カットフィルタも設けられている。
【0020】
撮像素子106で捉えられた被写体像は、ディスプレイユニット(画像表示ユニット)107上に表示される。ディスプレイユニット107は、カメラ本体101の背面に取り付けられており、使用者がディスプレイユニット107に表示された画像を直接観察できるようになっている。ここで、ディスプレイユニット107を、有機EL空間変調素子や液晶空間変調素子、微粒子の電気泳動を利用した空間変調素子などで構成すれば、消費電力を小さくかつ薄型にすることができる。
【0021】
本実施例では、特に撮像素子106として、増幅型固体撮像素子の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのセンサ(CMOSセンサ)を用いている。CMOSセンサの特長の1つとして、エリアセンサ部のMOSトランジスタと撮像素子駆動回路、AD変換回路、画像処理回路といった周辺回路を同一工程で形成できることが挙げられる。これにより、マスク枚数、プロセス工程がCCDセンサと比較して大幅に削減できる。また、任意の画素へのランダムアクセスが可能といった特長も有し、ディスプレイ表示用に間引いた読み出しが容易であって、高い表示レートでリアルタイム表示が行える。
【0022】
撮像素子106は、上記特長を利用して、ディスプレイ画像の出力動作と高精細画像の出力動作とを行う。
【0023】
111は第1の光学部材としてのハーフミラーである。該ハーフミラー111は、結像光学系103からの光束の一部を反射して後述する光学ファインダに導き、他の光束を透過させる。これにより、結像光学系103からの光束が分割される。
【0024】
ハーフミラー111は、撮影光路内(光軸L1上)に斜めに位置したり、撮影光路から退避したりする可動ミラーである。
【0025】
105は、被写体像の予定結像面に配置されたフォーカシングスクリーンである。ペンタプリズム112は、ハーフミラー111からの光束を複数回反射し、倒立像を正立像に変換して接眼レンズ109に導く。
【0026】
接眼レンズ109は、フォーカシングスクリーン105上に形成された被写体像を観察するためのレンズであり、実際には後述するように3つのレンズ(図1の109−1、109−2、109−3)で構成されている。フォーカシングスクリーン105、ペンタプリズム112及び接眼レンズ109により、光学ファインダが構成される。
【0027】
ハーフミラー111の屈折率はおよそ1.5であり、厚さは0.5mm程度である。ハーフミラー111の背後(撮像素子106側)には、可動の第2の光学部材としてのサブミラー122が配置されている。ハーフミラー111を透過した光束のうち、光軸L1上又はその近傍の光束を焦点検出ユニット121に向けて反射させる。
【0028】
サブミラー122は、後述する回動軸125を中心に回動可能である。そして、サブミラー122は、後述する第2の光路状態及び第3の光路状態において、ハーフミラー111及びサブミラー122を保持する不図示のミラーボックスの下部に収納される。
【0029】
104は被写体に照明光を照射するポップアップ式の照明ユニットであり、使用時にはカメラ本体101から上方に突出し、不使用時にはカメラ本体101に対して収納される。
【0030】
113はフォーカルプレンシャッタ(以下、シャッタと称す)であり、それぞれ複数枚の遮光羽根で構成される先幕及び後幕を有する。このシャッタ113において、画像の取得時以外では、アパーチャを先幕又は後幕で覆うことで撮影光束を遮光する。また、画像取得時には、先幕及び後幕がスリットを形成しながら走行することで撮影光束を撮像素子106に到達させる。
【0031】
119はカメラを起動させるためのメインスイッチ(電源スイッチ)である。120は2段階の押圧操作が可能なレリーズボタンである。該レリーズボタン120が半押し操作されることによりカメラの撮影準備動作(焦点調節動作及び測光動作等)が開始され、全押し操作されることにより撮影動作が開始される。
【0032】
焦点検出ユニット121は、位相差検出方式によって結像光学系103の焦点状態を検出する。
【0033】
123はファインダモード切り換えスイッチであり、このスイッチ123の操作により、後述する光学ファインダモード(OVFモード)と電子ファインダモード(EVFモード)とを選択的に設定できる。OVFモードでは、光学ファインダを介して被写体像を観察することができる。また、EVFモードでは、ディスプレイユニット107を介して被写体像を観察することができる。
【0034】
180は光学ファインダ内情報表示ユニットであり、フォーカシングスクリーン105上に所定の情報(例えば、シャッタ速度、絞り値等の撮影条件の情報)を表示する。撮影者は、接眼レンズ109を覗くことで、被写体像とともに所定の情報を観察することができる。
【0035】
上述した構成において、ハーフミラー111及びサブミラー122により構成される光路切換ユニットは、第1、第2、及び第3光路状態をとることができる。
【0036】
第1の光路状態は、結像光学系103からの光束を光学ファインダ及び焦点検出ユニット121に導く状態である。第2の光路状態は、結像光学系103からの光束を撮像素子106及び焦点検出ユニット121に導く状態である。第3の光路状態は、結像光学系103からの光束をダイレクトに撮像素子106に受光させるための状態である。
【0037】
第1の光路状態では、ハーフミラー111及びサブミラー122が撮影光路上に斜めに配置される。結像光学系103からの光束の一部がハーフミラー111で反射することにより光学ファインダに導かれるとともに、ハーフミラー111を透過した光束がサブミラー122で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。これにより、第1の光路状態では、接眼レンズ109を介して被写体像を観察することができるとともに、焦点検出ユニット121において焦点検出を行うことができる。この光路状態に対応するファインダモードがOVFモードである。
【0038】
第2の光路状態では、ハーフミラー111が撮影光路上に斜めに配置される。結像光学系103からの光束の一部は、ハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれるとともに、ハーフミラー111を透過した光束は撮像素子106側に向かう。なお、サブミラー122は、撮影光路から退避した状態となっている。この第2光路状態においてシャッタ113が開状態となると、撮像素子106の出力に基づいて生成されたいわゆるスルー画像をディスプレイユニット107に表示させることができる。また、焦点検出ユニット121において焦点検出を行うこともできる。この光路状態に対応するファインダモードがEVFモードである。また、この光路状態において、記録用画像の取得動作である撮像(連続撮像や動画撮像)を行うこともできる。
【0039】
第3の光路状態では、ハーフミラー111及びサブミラー122が撮影光路上から退避する。この光路状態では、結像光学系103からの光束は、シャッタ113が開動作することで、直接、撮像素子106に到達する。これにより、撮像素子106の出力に基づいて撮像を行うことができる。この光路状態での撮像は、高精細な静止画像を取得することができるので、該静止画像を拡大して大型プリントを行う場合等に好適である。
【0040】
上述した第1〜第3の光路状態を高速で切り換えるために、サブミラー122に比べて大型のハーフミラー111は透明樹脂で構成され、軽量化が図られている。また、ハーフミラー111の裏面には複屈折性を持つ高分子薄膜が貼り付けられている。このため、第2の光路状態において、画像をディスプレイユニット107でモニタする場合や高速連続撮影を行う場合には、撮像素子106の全画素を用いて撮像しないことに対応して、さらに強いローパス効果を付与する。
【0041】
なお、ハーフミラー111の表面に、可視光の波長よりも小さなピッチを持つ微細な角錐状の周期構造を樹脂によって形成し、いわゆるフォトニック結晶として作用させることができる。これにより、空気と樹脂との屈折率差による光の表面反射を低減し、光の利用効率を高めることが可能である。このように構成すると、第2の光路状態において、ハーフミラー111の表裏面での光の多重反射によってゴーストが発生するのを防ぐことができる。
【0042】
電磁モータとギア列からなるミラー駆動機構(図7の145参照)は、ハーフミラー111及びサブミラー122の位置を変化させることにより、光路切換ユニット(光路分割ユニット)を、第1の光路状態から第3の光路状態の間で切り換える。
【0043】
第2の光路状態における撮像では、後述するようにハーフミラー111及びサブミラー122が所定位置に保持されたままであり、ミラー駆動機構を作動させる必要がない。このため、撮像素子106からの信号に対する画像処理を高速化させることで超高速連続撮影を行うことができる。また、ディスプレイユニット107に画像が表示されているときでも、焦点調節を行うことができる。
【0044】
図7には、本実施例のカメラシステムの電気的構成を示す。このカメラシステムは、撮像系、画像処理系、記録再生系及び制御系を有する。まず、被写体像の撮像、記録に関する説明を行う。なお、同図において、図6で説明した部材と同じ部材については同一符号を付す。
【0045】
撮像系は、結像光学系103及び撮像素子106を含み、画像処理系は、A/D変換器130、RGB画像処理回路131及びYC処理回路132を含む。また、記録再生系は、記録処理回路133及び再生処理回路134を含み、制御系は、カメラシステム制御回路135、操作検出回路136及び撮像素子駆動回路137を含む。
【0046】
138は外部のコンピュータ等に接続して、データの送受信を行うための規格化された接続端子である。上記の電気回路は、不図示の小型燃料電池によって駆動される。
【0047】
撮像系は、被写体からの光束を結像光学系103を介して撮像素子106の撮像面に結像させる光学処理系である。撮像系は、交換レンズ102内の不図示の絞り(光量調節ユニット)とシャッタ113における先幕及び後幕の走行とを調節して、適切な光量で撮像素子106を露光する。
【0048】
撮像素子106は、正方画素が長辺方向に3700個、短辺方向に2800個並べられ、合計約1000万個の画素数を有している。各画素には、R(赤色),G(緑色),B(青色)のカラーフィルタのいずれかが配置され、2つのGと1つずつのR,Bの4画素が1組となる、いわゆるベイヤー配列画素となっている。
【0049】
ベイヤー配列では、撮影者が画像を見たときに強く感じやすいGの画素をRやBの画素よりも多く配置することで、総合的な画像性能を上げている。一般に、この方式の撮像素子106を用いる画像処理では、輝度信号は主にGから生成し、色信号はR,G,Bから生成される。
【0050】
撮像素子106から読み出された信号は、A/D変換器130を介して画像処理系に供給される。A/D変換器130は、各画素からの信号をその振幅に応じて、例えば10ビットのデジタル信号に変換して出力する信号変換回路であり、以降の画像信号処理はデジタル処理にて実行される。
【0051】
画像処理系は、R,G,Bのデジタル信号から所望の形式の画像信号を生成する信号処理系であり、R,G,Bの色信号を輝度信号Y及び色差信号(R−Y),(B−Y)にて表されるYC信号などに変換する。
【0052】
RGB画像処理回路131は、A/D変換器130を介して撮像素子106から受けた3700×2800画素からの信号を処理する信号処理回路であり、ホワイトバランス回路、ガンマ補正回路及び補間演算による高解像度化を行う補間演算回路を有する。
【0053】
YC処理回路132は、輝度信号Y及び色差信号R−Y,B−Yを生成する信号処理回路である。この処理回路132は、高域輝度信号YHを生成する高域輝度信号発生回路、低域輝度信号YLを生成する低域輝度信号発生回路、及び色差信号R−Y,B−Yを生成する色差信号発生回路で構成されている。輝度信号Yは、高域輝度信号YHと低域輝度信号YLを合成することによって形成される。
【0054】
記録再生系は、不図示の記録媒体(半導体メモリや光ディスク等)への画像信号の出力と、ディスプレイユニット107への画像信号の出力とを行う処理系である。記録処理回路133は、記録媒体に対する画像信号の書き込み処理及び読み出し処理を行う。再生処理回路134は、記録媒体から読み出した画像信号を再生して、ディスプレイユニット107に出力する。
【0055】
また、記録処理回路133は、静止画像及び動画像を表すYC信号を所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式)にて圧縮するとともに、圧縮データを読み出した際に圧縮データを伸張する圧縮伸張回路を有する。圧縮伸張回路は、信号処理のためのフレームメモリなどを含み、このフレームメモリに画像処理系からのYC信号をフレーム毎に蓄積して、それぞれ複数のブロック毎に読み出して圧縮符号化する。圧縮符号化は、例えば、ブロック毎の画像信号を2次元直交変換、正規化及びハフマン符号化することにより行われる。
【0056】
再生処理回路134は、輝度信号Y及び色差信号R−Y,B−Yをマトリックス変換し、例えばRGB信号に変換する回路である。再生処理回路134によって変換された信号は、ディスプレイユニット107に出力され、可視画像が表示(再生)される。
【0057】
再生処理回路134及びディスプレイユニット107は、Bluetoothなどの無線通信回線を介して接続することができる。このように構成すれば、カメラで撮像した画像を離れたところからモニタすることができる。
【0058】
一方、制御系の一部である操作検出回路136は、レリーズボタン120やファインダモード切り換えスイッチ123等の操作を検出する。また、カメラシステム制御回路135は、操作検出回路136の検出信号に応じてハーフミラー111やサブミラー122を含むカメラ内の各部材の駆動を制御し、撮像の際のタイミング信号などを生成して出力する。
【0059】
撮像素子駆動回路137は、カメラシステム制御回路135の制御の下に撮像素子106を駆動する駆動信号を生成する。情報表示回路142は、光学ファインダ内情報表示ユニット180の駆動を制御する。
【0060】
制御系は、外部操作に応じて撮像系、画像処理系及び記録再生系における各回路の駆動を制御する。例えば、制御系は、レリーズボタン120が押圧操作されたことを検出して、撮像素子106の駆動、RGB画像処理回路131の動作、記録処理回路133の圧縮処理などを制御する。また、制御系は、ファインダ内情報表示回路142によって光学ファインダ内に表示される情報における各セグメントの状態を制御する。
【0061】
次に、焦点調節に関して説明する。カメラシステム制御回路135には、AF制御回路140及びレンズシステム制御回路141が接続されている。これらの制御回路は、カメラシステム制御回路135を中心にして各々の処理に必要とするデータを相互に通信する。
【0062】
AF制御回路140は、焦点検出ユニット121(図6参照)に含まれて撮影画面上の所定の位置に設けられた焦点検出領域に対応して設けられた焦点検出用受光素子(以下、焦点検出センサという)167からの出力信号を受けて焦点検出信号を生成する。そして、結像光学系103の焦点状態(デフォーカス量)を検出する。
【0063】
AF補正量記憶部150は、カメラの使用に伴う焦点検出結果の経時変化(後述する作動部品の積算作動回数)に対応する補正量のデータを予め記憶している。なお、AF補正量記憶部150に記憶されるデータは、補正量を算出するための算出式であってもよい。第1のカウンタ151及び第2のカウンタ152は、光路切換ユニット及びこれを駆動する機構を構成する部品の積算作動回数をカウントする。詳細は後述する。
【0064】
デフォーカス量が検出されると、AF制御回路140は、AF補正量記憶部150の補正量を検出デフォーカス量に加え、補正後デフォーカス量、すなわちフォーカス制御に用いられる情報を算出する。AF補正量記憶部150の補正量は、第1のカウンタ151及び第2のカウンタ152のカウント数を参照して決定される。補正量の決定方法については後述する。
【0065】
この補正後デフォーカス量を結像光学系103の一部の要素であるフォーカシングレンズの駆動量に変換する。そして、このフォーカシングレンズ駆動量情報を、カメラシステム制御回路135を介してレンズシステム制御回路141に送信する。
【0066】
AF制御回路140は、移動する被写体に対しては、レリーズボタン120が押圧操作されてから実際の撮像動作が開始されるまでのタイムラグを勘案して、適切なレンズ停止位置の予測結果に基づいてフォーカシングレンズの駆動量を指示する。また、カメラシステム制御回路135は、測光回路(不図示)での被写体輝度の測光結果により、被写体輝度が低くて十分な焦点検出精度が得られないと判定したときには、照明ユニット104を発光させて被写体を照明する。このとき、カメラ本体101に設けられた不図示の白色LEDや蛍光管によって被写体を照明してもよい。
【0067】
レンズシステム制御回路141は、カメラシステム制御回路135から送られたフォーカシングレンズ駆動量情報を受信すると、該駆動量情報に基づいてレンズ装置102内の不図示の駆動機構を介してフォーカシングレンズを光軸L1の方向に移動させる。
【0068】
AF制御回路140において被写体にピントが合ったことが検出されると、この検出情報はカメラシステム制御回路135に伝えられる。このとき、レリーズボタン120が押圧操作されていれば、上述したように撮像系、画像処理系やよび記録再生系によって撮像制御が行われる。
【0069】
絞りは、レンズシステム制御回路141からの指令に応じて像面側に向かう被写体からの光束の光量を調節する。なお、カメラシステム制御135とレンズシステム制御回路141は、交換レンズ102側のマウント部電気接点(通信ユニット)102a及びカメラ本体101側のマウント部電気接点101aを介して通信が行えるように構成されている。145は光路切換ユニットを構成するハーフミラー111とサブミラー122を駆動するミラー駆動機構である。
【0070】
図1から図5には、本実施例のカメラシステムのより具体的な構成を示している。なお、交換レンズ102についてはその一部の構成のみを示している。これらの図では、主にハーフミラー111及びサブミラー122の動作を時系列で示している。図1から図5において、図6及び図7で説明した部材と同じ部材については同一符号を付す。
【0071】
同図において、103aは結像光学系103を構成する複数のレンズのうち最も像面側に位置するレンズである。102bは交換レンズ102側のマウント機構、101bはカメラ本体101側のマウント機構である。
【0072】
164は焦点検出ユニット121における光束の取り込み窓となるコンデンサーレンズである。また、165は反射ミラー、166は再結像レンズ、167は前述した焦点検出センサ(受光素子)である。
【0073】
結像光学系103から射出して、第2の光路状態でのハーフミラー111又は第1の光路状態でのサブミラー122で反射した光束は、コンデンサーレンズ164に入射する。その後、該光束は反射ミラー165で偏向され、再結像レンズ166の作用によって焦点検出センサ167上に被写体の2次像を形成する。
【0074】
焦点検出用センサ167には、少なくとも2つの画素列が設けられている。該2つの画素列の出力信号波形の間には、焦点検出領域上に結像光学系103によって形成された被写体像の結像状態に応じて、相対的に横シフトした状態が観測される。前ピン、後ピンでは出力信号波形のシフト方向が逆になり、相関演算などの手法を用いてこの位相差(シフト量)を、シフト方向を含めて検出するのが位相差検出方式の原理である。
【0075】
109−1〜109−3は図6に示した接眼レンズ109を構成するレンズである。163は光学ファインダの光路に対して進退可能な遮光部材であるアイピースシャッタである。このアイピースシャッタ163は、接眼レンズ109から逆侵入した光が撮像素子106に到達することによる撮像への影響を回避するための部材である。
【0076】
図3を用いてミラー駆動機構145の構成について説明する。図3は、カメラが上述した第1の光路状態にあるときの図を示している。
【0077】
ハーフミラー111は、不図示のハーフミラー受け板に保持されている。このハーフミラー受け板には、ピン173,174が設けられており、ハーフミラー111及びピン173,174はハーフミラー受け板を介して一体となって移動可動である。
【0078】
170はハーフミラー駆動レバー、171はハーフミラー支持アームである。ハーフミラー駆動レバー170は、回動軸170aに対して回動可能に支持されており、ハーフミラー支持アーム171は、回動軸171aに対して回動可能に支持されている。
【0079】
ハーフミラー駆動レバー170は、不図示の動力伝達機構を介して駆動源に連結されており、駆動源からの駆動力を受けることにより回動軸170aを中心に回動することができる。また、ハーフミラー支持アーム171は、接続部171bを介してミラーボックスの対向する壁面側にある略同一形状の構造と接続されている。
【0080】
ハーフミラー支持アーム171の先端に設けられた貫通孔171cには、不図示のハーフミラー受け板に設けられたピン173が摺動可能に係合している。これにより、ハーフミラー111は、ハーフミラー受け板を介して貫通孔171cを中心に回動可能となっている。また、ハーフミラー受け板のうちピン173とピン174の中間位置には、不図示のトーションバネによって矢印A方向の付勢力が付与されている。
【0081】
図3に示す第1の光路状態においては、ミラーストッパ160,161が、撮影光路外であってハーフミラー111の移動軌跡内に進入した状態にある。この状態にあるとき、ハーフミラー111は、トーションバネによる矢印A方向の付勢力を受けることにより、ミラーストッパ160,161に当接して位置決めされる。これにより、ハーフミラー111は、撮影光路上に斜めに配置された状態となる。
【0082】
ここで、ピン173は、ハーフミラー駆動レバー170の第1カム面170bに当接しておらず、ピン174はハーフミラー駆動レバー170の第2カム面170cに当接していない。
【0083】
また、サブミラー122は回動軸125周りの回動が抑制された状態で、ハーフミラー111の背後に位置している。
【0084】
上述した第1の光路状態において、結像光学系103から射出した光束のうちハーフミラー111で反射した光束は光学ファインダに導かれる。また、ハーフミラー111を透過した光束は、ハーフミラー111の背後にあるサブミラー122で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。
【0085】
ミラーストッパ160,161がハーフミラー111の移動軌跡から退避したときは、不図示のトーションバネによる矢印A方向の付勢力により、ピン173はハーフミラー駆動レバー170の第1カム面170bに当接する。また、ピン174はハーフミラー駆動レバー170の第2カム面170cに当接する。このことは、ハーフミラー駆動レバー170が図3中の時計回り方向に回動したときも同様である。
【0086】
そして、ピン173,174はそれぞれ、ハーフミラー駆動レバー170の回動量に応じて、第1カム面170b及び第2カム面170cに沿って移動する。これにより、ハーフミラー111の姿勢が変化する。
【0087】
すなわち、ハーフミラー駆動レバー170の回動に連動してハーフミラー支持アーム171が回動する。そして、ハーフミラー駆動レバー170及びハーフミラー支持アーム171にピン173,174を介して連結しているハーフミラー受け板が回動し、これとともにハーフミラー111が回動する。
【0088】
図1から図5には、ハーフミラー111及びサブミラー122の動作を示す。図1は、第2の光路状態を示し、図2は、第1の光路状態から第2の光路状態への移行過程を示す。図4は、第1の光路状態から第3の光路状態への移行過程を示し、図5は第3の光路状態を示す。
【0089】
第1の光路状態(図3)にあるとき、ハーフミラー111及びサブミラー122は、上述したように結像光学系103から射出された被写体からの光束を、光学ファインダ及び焦点検出ユニット121に導くように作用する。
【0090】
また、第2の光路状態(図1)にあるときには、ハーフミラー111が結像光学系103から射出された光束を、撮像素子106及び焦点検出ユニット121に導くように作用する。さらに、第3の光路状態(図5)にあるときには、ハーフミラー111及びサブミラー122が撮影光路から退避する。
【0091】
次に、本実施例のカメラシステムにおける撮像シーケンスについて、図8を用いて説明する。図8のシーケンスは、主として、カメラシステム制御回路135及びAF制御回路140によって、それらの内部に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0092】
ステップS1では、メインスイッチ119が操作(ON)されるまで待機し、操作されることでステップS2に進む。ステップS2では、カメラ本体101内の各種電気回路に電流を供給(起動)する。
【0093】
ステップS3では、設定されているファインダモードを判別し、OVFモードに設定されている場合にはステップS4Aに進み、EVFモードに設定されている場合にはステップS4Bに進む。
【0094】
ステップS4Aでは、光学ファインダ内情報表示ユニット180を駆動することにより、光学ファインダ内に設けられた表示部に所定の情報を表示させる。このOVFモードでは、接眼レンズ109を介して上記所定の情報とともに被写体像を観察することができる。
【0095】
ステップS4Bでは、ディスプレイユニット107に画像や所定の情報を表示させる。このEVFモードでは、ディスプレイユニット107を介して上記所定の情報とともに被写体画像を観察することができる。
【0096】
ここで、操作検出回路136によりファインダモード切り換えスイッチ123が操作されたことを検出した場合には、ファインダモードを切り換える。例えば、OVFモードからEVFモードに切り換えられた場合には、撮像系及び画像処理系の駆動により、ディスプレイユニット107に被写体画像が表示される。
【0097】
ステップS5では、操作検出回路136の出力に基づいてレリーズボタン120が半押し操作されたことを検出するまで、すなわち、SW1がON状態になるまで待機し、SW1がON状態になることでステップS6に進む。
【0098】
ステップS6では、被写体輝度の測定(測光)が行われるとともに、焦点検出ユニット121において焦点検出動作が行われる。
【0099】
カメラシステム制御回路135は、測光結果に基づいて露出値(シャッタ速度及び絞り値)を算出する。また、フォーカス情報生成手段としてのAF制御回路140は、焦点検出センサ167からの2像に対応した信号の位相差を検出し、該位相差からデフォーカス量を算出する。その際に、後述する焦点検出結果の補正を行って、前述した「補正後デフォーカス量」を算出する。具体的には、位相差から求めたデフォーカス量に、後述する焦点検出結果の補正量を加算又は減算等する。こうして補正後デフォーカス量を算出した後、その補正後デフォーカス量に基づいて、フォーカシングレンズ駆動量を算出する。
【0100】
なお、デフォーカス量を補正するとは、新たなデフォーカス量(補正後デフォーカス量)を生成することにほかならず、この意味で、本実施例にいう補正するとは、新たに生成すると言い換えることができる。
【0101】
そして、AF制御回路140とレンズシステム制御回路141によるフォーカス制御により、結像光学系103のフォーカシングレンズを駆動する。また、レンズシステム制御回路141は、演算された絞り値に基づいて絞りを駆動し、光量を調節する。この後、合焦確認のために再度、焦点検出動作を行い、合焦していないと判別された場合には再度フォーカシングレンズ駆動量の演算と、フォーカシングレンズの駆動とを行ってもよい。
【0102】
ステップS7では、操作検出回路136の出力に基づいて、レリーズボタン120が全押し操作されているか否か、すなわちSW2がON状態となっているか否かを判別する。SW2がON状態になっていればステップS8に進み、OFF状態になっていればステップS5に戻る。
【0103】
ステップS8では、ミラー駆動機構を介してハーフミラー111及びサブミラー122を2度目のセンサ出力検出動作が可能な状態とする。つまり、EVFモードでは図3に示した第1の光路状態に、OVFモードでは図1に示した第2の光路状態に光路切換ユニットを切り換える。
【0104】
そして、ステップS9では、ハーフミラー111及びサブミラー122を第3の光路状態(図5)に切り換える。
【0105】
ステップS10では、先に演算されたシャッタ速度に基づいてシャッタ113を動作させる。
【0106】
ステップS11では、撮像素子106を露光し、電荷を蓄積させる。ここで、蓄積された電荷は、信号として読み出され、高精細画像として画像処理系により処理される。
【0107】
ステップS12では、撮像素子106の露光を終え、シャッタを閉じる。
【0108】
ステップS13では、OVFモードかEVFモードかに応じてハーフミラー111及びサブミラー122を第1又は第2の光路状態に復帰させる。
【0109】
ステップS14では、ファインダモードを判別することにより、現在の光路状態を判別する。OVFモードであればステップS15Aへ、EVFモードであればステップS15Bへ進む。
【0110】
ステップS15A,15Bでは、現在の光路状態に対応して積算動作回数をカウントする。ステップS15Aでは、OVFモードでのハーフミラー111及びサブミラー122の待機位置への積算作動回数(すなわち、撮影後の第1の状態への積算移行回数)をカウントする。また、ステップS15Bでは、EVFモードでのハーフミラー111及びサブミラー122の待機位置への積算作動回数(すなわち、撮影後の第2の状態への積算移行回数)をカウントする。
【0111】
より具体的には、ステップS15Aでは、図7に示した第1のカウンタ151に記憶されている積算作動回数NにN+1を代入し、ステップS15Bでは第2のカウンタ152に記憶されている積算作動回数MにM+1を代入する。これら、第1及び第2のカウンタ151,152に記憶されたカウント数に基づいて、次回のステップS6で焦点検出を行う際に、その結果に対して補正を施す。補正量の算出については後述する。
【0112】
なお、上述した撮像シーケンスは合焦精度を優先した撮像を行う場合のシーケンスであるが、本実施例では、レリーズタイムラグの短縮を優先した撮像を行うシーケンスを焦点調節モード選択スイッチ126(図7参照)により選択できる。
【0113】
また、本実施例のカメラは、撮像素子106を用いて取得した画像をディスプレイユニット107上でモニタしているとき(EVFモード)でも、焦点検出ユニット121において位相差検出方式による焦点検出を行うことができる。これにより、EVFモードにおいて、コントラスト検出方式(TV−AF方式)による焦点検出を行う場合に比べて、高速な焦点調節動作を行うことができる。
【0114】
次に、ファインダモードの切換動作について説明する。カメラ内の電気回路が動作している間は、各操作スイッチの状態が操作検出回路136を介して検出される。ファインダモード切り換えスイッチ123が操作されたことを検出すると、ファインダモード(OVFモード及びEVFモード)の切換動作が開始される(図8のステップS3)。
【0115】
図9は、このファインダモードの切換動作を説明するためのフローチャートである。図9のシーケンスは、主としてカメラシステム制御回路135によって、その内部に格納されたコンピュータプログラムに従って実行される。
【0116】
ステップS100において、現在のファインダモードが検知される。そして、ファインダモード切り換えスイッチ123がOVFモードからEVFモードに操作されたときには、ステップS101へ移行する。一方、ファインダモード切り換えスイッチ123がEVFモードからOVFモードに切り換えられたときにはステップS111へ移行する。
【0117】
まず、OVFモードからEVFモードへの切り換えについて説明する。OVFモードにおいては、ハーフミラー111及びサブミラー122からなる光路切換ユニットが第1の光路状態(図3)となっている。EVFモードでは、光学ファインダに被写体光を導かないため、まずステップS101において、アイピース駆動回路143及びアクチュエータ144によりアイピースシャッタ163を閉じ動作させる。すなわち、アイピースシャッタ163を、接眼レンズ109を構成するレンズ109−2とレンズ109−3と間におけるファインダ光路内に進入させる。
【0118】
これは、EVFモードが設定されているときに接眼レンズ109を介して被写体像が見えなくなるのを撮影者がカメラの故障と誤解しないようにするためである。また、光学ファインダからの逆入光が撮像素子106に入射することにより、ゴーストが発生するのを防ぐためである。
【0119】
ステップS102では、ファインダ内情報表示ユニット180を駆動して光学ファインダ内の情報表示を消灯状態とする。これは、ステップS101において、すでにアイピースシャッタ163を閉じ状態としているため、光学ファインダ内に情報表示を行っても撮影者はこの表示を見ることができないからである。これにより、電力消費を軽減して電池の消耗を抑えることができる。
【0120】
ステップS103では、ミラー駆動機構145を動作させることにより、ハーフミラー111を第2の光路状態(図1)に移行させるのに備えて、サブミラー122をミラーボックスの下部に退避させる(図1)。
【0121】
ステップS104では、ミラーストッパ160,161をハーフミラー111の移動軌跡上から退避させる。
【0122】
ミラーストッパ160,161が退避した後、ステップS105では、ミラー駆動機構145によりハーフミラー駆動レバー170を図3中の反時計回り方向に回動させる。これにより、ハーフミラー111は、不図示のトーションバネによる矢印A方向の付勢力を受けることで、図2に示す状態を経て第2の光路状態(図1)となる。
【0123】
ハーフミラー111が第2の光路状態にあるときには、結像光学系103からの光束のうち一部の光束がハーフミラー111で反射して焦点検出ユニット121に導かれる。また、残りの光束は、ハーフミラー111を透過して撮像素子106側に向かう。
【0124】
第2の光路状態では、ハーフミラー111が、トーションバネによる矢印A方向の付勢力を受けることにより、撮影光路外に配置されたミラーストッパ175,176に当接して位置決めされる。このとき、ピン173は、ハーフミラー駆動レバー170の第1カム面170bに当接しておらず、ピン174は、ハーフミラー駆動レバー170の第2カム面170cに当接していない。
【0125】
ステップS106では、OVFモードからEVFモードへ光路状態が移行するため、第2のカウンタ152に記憶されている積算作動回数MにM+1を代入する。これにより、上述した撮影後のハーフミラー111及びサブミラー122の第2の光路状態への積算作動回数とファインダモードを切り換えるための第2の光路状態への積算作動回数との和が第2のカウンタ152に記憶される。
【0126】
ハーフミラー111の反射面の位置は、第1の光路状態においてサブミラー122の反射面があった位置と略等しい。これにより、第1の光路状態においてサブミラー122により焦点検出ユニット121に導かれる反射光と、第2の光路状態においてハーフミラー111により焦点検出ユニット121に導かれる反射光とのずれが極力小さくなる。したがって、焦点検出領域の位置がほとんど変化しないようにすることができる。
【0127】
ここで、ハーフミラー111を透過した光が撮像素子106上で結像されることで形成される被写体像のピント位置が、被写体光がハーフミラー111を透過しない場合のピント位置に対して若干ずれる。このため、ステップS107では、ピント位置のずれを補正するために、ピント補正モードを起動する。
【0128】
第1の光路状態においては、カメラシステム制御回路135は、ハーフミラー111及びサブミラー122が撮影光路から退避したとき(第3の光路状態になったとき)に、被写体像が撮像素子106上にシャープに結像するようにフォーカシングレンズ駆動量を算出する。
【0129】
これに対して、第2の光路状態でピント補正モードがオン状態にあるときは、ハーフミラー111を透過して撮像素子106上に投影された被写体像がシャープに結像するようにフォーカシングレンズ駆動量を補正する。これにより、第2の光路状態でピント補正モードが設定されている場合、第2の光路状態におけるフォーカシングレンズの駆動位置は、フォーカシングレンズ駆動量を補正した分だけ、第3の光路状態における合焦位置に対してずれる。
【0130】
EVFモードが設定されている状態においてレリーズボタン120が全押し操作されて撮像動作がスタートし、第2の光路状態から第3の光路状態に切り換わるときには、これと同期してシャッタ113の先幕駆動機構をチャージする。すなわち、シャッタ113を閉じ状態とする。さらに、ピント補正モードにより被写体像のピント位置を補正した分だけフォーカシングレンズを第3の光路状態での合焦位置に駆動する。その後、シャッタ113を算出されたシャッタ速度で動作させて撮像素子106を露光する。
【0131】
このように構成することにより、第2の光路状態においてディスプレイユニット107に表示された画像に基づいてピントの状態を正確に確認した上で、第3の光路状態でピントの合った画像を撮像することができる。
【0132】
ステップS108では、シャッタ113の先幕を開いて撮像素子116に連続的に露光する状態とし、ディスプレイユニット107上に表示するためのスルー画像の取得を可能とする。
【0133】
ステップS109では、ディスプレイユニット107の電源を投入する。
【0134】
ステップS110では、スルー画像のディスプレイユニット107での表示を開始し、ステップS100にリターンする。
【0135】
次に、ステップS100におけるファインダモードの判別により、EVFモードからOVFモードへ切り換えるためにステップS111へ移行した場合について説明する。
【0136】
初期状態のEVFモードにおいては、ハーフミラー111とサブミラー122からなる光路の系は第2の光路状態(図1)にあり、上述したようにディスプレイユニット107でスルー画像表示が行われている。
【0137】
ステップS111では、ディスプレイユニット107の電源をオフにするとともに、撮像素子106によるスルー画像の取得を停止する。
【0138】
ステップS112では、シャッタ113の後幕を走行させてシャッタ113を閉じ状態とし、撮像に備えて先幕・後幕駆動機構をチャージする。
【0139】
ステップS113では、ハーフミラー111の移動を可能にするためにミラーストッパ160,161をハーフミラー111の移動軌跡から退避させる。
【0140】
ステップS114では、ハーフミラー駆動レバー170を図1中の時計回り方向に回動させて、ハーフミラー111及びサブミラー122を図2の状態→図3の状態→図4の状態→図5の状態(第3の光路状態)となるように移動させる。
【0141】
ハーフミラー駆動レバー170が時計回り方向に回動すると、ピン174は第2カム面170cに押し込まれて移動し、ピン173は第1カム面170bに押し込まれて移動する。これにより、ハーフミラー支持アーム171が回動軸171aを中心に時計回り方向に回動するとともに、ハーフミラー111がピン173を中心に時計回り方向に回動する。
【0142】
ステップS115では、ミラーストッパ160,161をハーフミラー111の移動軌跡内に挿入する。
【0143】
第3の光路状態までハーフミラー111を移動させてからミラーストッパ160,161を挿入するので、ミラーストッパ160,161の挿入に際してハーフミラー111と衝突することはない。このため、ハーフミラー111の位置を切り換える際(OVFモード及びEVFモード間の切り換えの際)の機構的信頼性を高くすることができる。
【0144】
なお、本実施例ではハーフミラー111を第3の光路状態まで移動させているが、ミラーストッパ160,161がハーフミラー111に衝突しなければよいため、ハーフミラー111を第3の光路状態に相当する位置の近くまで移動させてもよい。
【0145】
ステップS116では、ハーフミラー駆動レバー170を図5中の反時計回り方向に回動させる。これにより、ハーフミラー111を第3の光路状態(図5)から図4の状態を経て第1の光路状態(図3)に移動させる。このとき、ハーフミラー111は、ミラー駆動機構145内に設けられた不図示のバネの付勢力を受けてミラーストッパ160,161に当接した状態となる。
【0146】
ステップS117では、EVFモードからOVFモードへ光路状態が移行するため、第1のカウンタ151に記憶されている積算作動回数NにN+1を代入する。これにより、上述した撮影後のハーフミラー111及びサブミラー122の第1の光路状態への積算作動回数とファインダモードを切り換えるための第1の光路状態への積算作動回数との和が第1のカウンタ151に記憶される。
【0147】
ステップS118では、アイピースシャッタ163を開く。
【0148】
ステップS119では、操作検出回路136からの出力に基づいて、マニュアル(M)フォーカスモードに設定されているか否かを判別する。マニュアルフォーカスモードであればステップS107に移行し、マニュアルフォーカスモードではなくオートフォーカスモードであれば、ステップS120に進む。
【0149】
マニュアルフォーカスモードである場合には、焦点検出ユニット121を動作させる必要がなく、背景のぼけ具合の把握が光学ファインダよりも電子画像(スルー画像)を用いた方が正確にできる。このため、ディスプレイユニット107でのスルー画像表示を行うステップS107に移行する。
【0150】
ステップS120では、焦点検出ユニット121に被写体光を導くようにサブミラー122を所定の位置にセットする。すなわち、図5に示すようにミラーボックスの下部に収納されていたサブミラー122を、回動軸125を中心に回動させることにより、ハーフミラー111の背後に移動させる(図3)。
【0151】
ステップS121では、光学ファインダ内情報表示ユニット180を駆動して所定の情報をファインダ内に点灯表示する。そして、ステップS100にリターンする。
【0152】
本実施例によれば、カメラの使用上において、第1及び第2の光路状態に移行させる動作、すなわち撮影後の復帰動作及びファインダモード切り換えのための動作の積算回数を、それぞれの光路状態で個別に記憶することができる。これにより、後述する焦点検出結果の補正を、それぞれの光路状態に対応して行うことができる。
【0153】
次に、第1及び第2の光路状態での焦点検出結果を、カメラの経時変化を表す上記積算動作回数に応じて補正する方法について説明する。
【0154】
図10Aには、第1及び第2の光路状態への積算作動回数と焦点検出結果(焦点検出信号)の補正量との関係を示す。ここにいう積算作動回数とは、撮影後の各光路状態への積算作動回数(積算レリーズ回数)とファインダモード切り換えのための各光路状態への積算作動回数(積算ファインダモード切換回数)の和である。
【0155】
カメラの使用によって焦点検出結果の変化が起こる一因として、焦点検出ユニット121に導かれる光束の光路中に配置される光学部材の駆動に関わる部品の変形や磨耗による光路長変化がある。
【0156】
本実施例では、第1の光路状態に移行する際には、ハーフミラー111を停止及び位置決めするミラーストッパ160,161の磨耗等や、サブミラー122を停止及び位置決めするための不図示のストッパの磨耗等が発生する。また、第2の光路状態に移行する際には、ハーフミラー111を停止及び位置決めするミラーストッパ175,176の磨耗等が発生する。
【0157】
このように、移行する光路状態によって変形や磨耗する部品が異なる場合、移行後の光路状態での焦点検出結果の補正量も異ならせる必要がある。
【0158】
本実施例では、上述したように、第1及び第2の光路状態への積算作動回数をそれぞれ記憶することが可能である。このため、予め各光路状態への積算作動回数に対する焦点検出結果の補正量(又はその算出式)をAF補正量記憶部150に記憶しておくことで、光路状態に対応した焦点検出結果の補正を行うことができる。
【0159】
また、第1及び第2の光路状態のいずれに移行する際にも、回動軸170a,171aの磨耗が発生する。このように移行する光路状態に関わらずに磨耗する部品も存在する場合には、仮に一方の光路状態への移行を行わなかったとしても、他方の光路状態への積算作動回数が増えるに従って上記一方の光路状態での焦点検出結果のずれが大きくなる可能性がある。
【0160】
この問題に対しては、第1のカウンタ151のカウント数Nと第2のカウンタ152のカウント数Mとの和(N+M)に応じて、それぞれの光路状態での焦点検出結果の補正量を予め記憶しておくことにより、適正な焦点検出結果の補正を行うことができる。
【0161】
具体的には、まず第1のカウンタ151のカウント数Nと第2のカウンタ152のカウント数Mとの和(N+M)がある閾値以下であるか否かを判別する。閾値より少ない場合は、図10Aに示す各光路状態への積算作動回数に対する焦点検出結果の補正量のデータを用いて、各光路状態での焦点検出結果の補正量を算出する。一方、閾値より多い場合には、図10Bに示す各光路状態への積算作動回数に対する焦点検出結果の補正量のデータを用いて、各光路状態での焦点検出結果の補正量を算出する。
【0162】
なお、カウント数の和(N+M)と閾値との大小を判別するタイミングとしては、図8に示すフローチャートにおいては、ステップS3でのファインダモードの識別とともに行えばよい。
【0163】
また、本実施例では、第1及び第2のカウンタ151,152でカウントされる積算作動回数を、積算レリーズ回数と積算ファインダモード切換回数との和としている。しかし、一般的には、撮影動作(レリーズ動作)の回数が大半を占めると考えられるため、各カウンタでカウントされる積算作動回数を積算レリーズ回数のみとしてもよい。
【0164】
以上により、第1及び第2の光路状態間での使用頻度の偏りに関わらず、各光路状態に対応した焦点検出結果の補正を行うことができる。
【0165】
次に、本実施例の変形例として、光路状態による焦点検出結果のばらつきを校正する方法について説明する。
【0166】
図11A及び図11Bには、AF補正量記憶部150に予め記憶された、第1及び第2のカウンタ151,152でのカウント数(第1及び第2の光路状態のそれぞれへの積算作動回数)と焦点検出結果の補正量との関係を示している。予め記憶された積算作動回数と焦点検出結果の補正量との関係を太い実線で示し、特定のカメラ個体に対して適正な積算作動回数と焦点検出結果の補正量(以下、個体補正量という)との関係を細い破線で示している。これらの図では、3つのカメラ個体に対する積算作動回数と焦点検出結果の個体補正量との関係を示している。
【0167】
これらの図に示すように、積算作動回数が増えるにつれてカメラ個体間における焦点検出結果の個体補正量のばらつきが大きくなる。例えば、短期集中的に作動させた場合と、適度な間隔を経て作動させた場合とでは、積算作動回数が同じでも駆動機構を構成する部品の磨耗具合や疲労度が異なり、それに伴う焦点検出結果の補正量も異なる。そのため、予め記憶された積算作動回数と補正量との関係は、積算作動回数が増えるにつれて信頼性が低下する。
【0168】
つまり、本実施例のように、複数の光路状態で焦点検出を行う場合は、それぞれの光路状態への積算作動回数(第1及び第2のカウンタ151,152のカウント数N,M)の大小によって、補正量の信頼性の高さが異なる。
【0169】
同一被写体に対して焦点検出を行った場合、第1のカウンタ151のカウント数Nより第2のカウンタ152のカウント数Mの方が大きい場合には、第1の光路状態での焦点検出結果の方が信頼性が高い。本実施例において、複数の光路状態間の焦点検出結果のずれを小さくするように校正する場合、それぞれの光路状態への積算作動回数を記憶して、その大小を比較することによって各光路状態での焦点検出結果の校正の信頼性を高めることができる。
【0170】
図12には、ファインダモード切換動作中に、焦点検出結果の校正動作を行う場合のシーケンスを示す。このフローチャートにおいて、図9のフローチャートと同一の動作を行うステップには、図9と同じステップ番号を付している。
【0171】
ファインダモードを、OVFモードからEVFモードに切り換える場合、ステップS102とステップS103の間に、ステップS200を実行する。
【0172】
ステップS200では、第1の光路状態で一度焦点検出を行い、その結果を記憶する。そして、EVFモード(第2の光路状態)に切り換えられた後、例えばステップS107とステップS108との間に、ステップS201で、第2の光路状態での焦点検出を行い、その結果を記憶する。
【0173】
ファインダモードをEVFモードからOVFモードに切り換える場合は、ステップS112とステップS113の間に、ステップS210で第2の光路状態で一度焦点検出を行い、その結果を記憶する。そして、OVFモード(第1の光路状態)に切り換えられた後、例えばステップS120とステップS121との間に、ステップS211で、第1の光路状態での焦点検出を行い、その結果を記憶する。
【0174】
さらに、ステップS110又はS121の後、ステップS220で、各ファインダモードで行われた2回の焦点検出結果の差分値(又は該差分値から特定の演算により得られる値)を補正量として、AF補正量記憶部150に記憶する。
【0175】
続いて、ステップS221では、第1及び第2のカウンタ151,152のカウント数の大小を判別する。第1のカウンタ151のカウント数Nの方が大きければ、ステップS222Aにおいて、ステップS200又はS211で行われた第1の光路状態での焦点検出結果(第1の焦点検出結果)を上記補正量を用いて補正する。また、第2のカウンタ152のカウント数Mの方が大きければ、ステップS222Bにおいて、ステップS201又はS210で行われた第2の光路状態での焦点検出結果(第2の焦点検出結果)を上記補正量を用いて補正する。
【0176】
また、この変形例の説明では、焦点検出結果の補正がファインダモードの切り換えごとに行われるが、複数回のファインダモード切り換えの間は補正量を蓄積し、統計的な処理をした後、焦点検出結果を補正するようにしてもよい。また、焦点検出結果の補正は、ファインダモードの切換動作に応じて行われるだけでなく、焦点検出結果の校正モードを設け、該モードが設定されることで行われるようにしてもよい。
【0177】
以上説明したように、本実施例では、複数の光路状態において焦点検出が可能で、各光路状態から撮影状態に移行する撮像装置において、各光路状態への積算作動回数に応じて、予め積算作動回数に対応して記憶された補正量を用いて焦点検出結果を補正する。これにより、各光路状態への積算作動回数によって変化する焦点検出結果のずれを補正し、各光路状態でのフォーカス制御の精度を維持することができる。
【0178】
また、複数の光路状態の使用頻度や使用に伴う焦点検出結果の経験的な変化量に応じて、特定の光路状態の焦点検出結果に、他の光路状態での焦点検出結果を一致させるように補正することにより、撮像装置個体間での経時変化に伴う焦点検出結果の精度のばらつきを抑えることができる。
【0179】
なお、上記実施例では、焦点検出結果としてのデフォーカス量を補正する場合について説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、デフォーカス量に基づいて算出されるフォーカシングレンズ駆動量を補正することもできる。本発明における補正の対象は、デフォーカス量やフォーカシングレンズ駆動量を含むフォーカス制御に用いられる情報であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】本発明の実施例1であるカメラシステム(第2の光路状態)の構成を示す断面図。
【図2】実施例のカメラシステム(第2から第1の光路状態への移行中)の構成を示す断面図。
【図3】実施例のカメラシステム(第1の光路状態)の構成を示す断面図。
【図4】実施例のカメラシステム(第1から第3の光路状態への移行中)の構成を示す断面図。
【図5】実施例のカメラシステム(第3の光路状態)の構成を示す断面図。
【図6】実施例のカメラシステムの概略構成を示す模式図。
【図7】実施例のカメラシステムの電気的構成を示すブロック図。
【図8】実施例のカメラシステムにおける撮像シーケンスを示すフローチャート。
【図9】実施例のカメラシステムにおけるファインダモードの切換動作シーケンスを示すフローチャート。
【図10A】実施例のカメラシステムにおける第1及び第2の光路状態への積算移行回数と焦点検出結果の補正量との関係を示す図。
【図10B】実施例のカメラシステムにおける第1及び第2の光路状態への積算移行回数と焦点検出結果の補正量との関係を示す図。
【図11A】実施例のカメラシステムにおける第1及び第2の光路状態への積算移行回数と焦点検出結果の補正量の関係と、カメラ個体差による該関係とを示する図。
【図11B】実施例のカメラシステムにおける第1及び第2の光路状態への積算移行回数と焦点検出結果の補正量の関係と、カメラ個体差による該関係とを示する図。
【図12】実施例の変形例としてのカメラシステムにおけるファインダモードの切換動作シーケンスを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0181】
103 結像光学系
106 撮像素子
107 ディスプレイユニット
109 接眼レンズ
111 ハーフミラー
121 焦点検出ユニット
122 サブミラー
140 AF制御回路
150 AF補正量記憶部
167 焦点検出センサ(受光素子)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を光電変換する撮像素子と、
被写体像の観察を可能とするファインダ光学系と、
被写体からの光束を用いて焦点状態を検出する焦点検出ユニットと、
被写体からの光束を切り換えるために用いられる光路切換ユニットと、
該光路切換ユニットを、被写体からの光束を前記ファインダ光学系及び前記焦点検出ユニットに導く第1の状態、被写体からの光束を前記撮像素子及び前記焦点検出ユニットに導く第2の状態、及び被写体からの光束の前記撮像素子への光路外に位置する第3の状態に切り換える機構と、
前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数を記憶する積算記憶手段を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記積算記憶手段に記憶された前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数のうち少なくとも一方と前記焦点検出ユニットによる検出結果とに基づいて、フォーカス制御に用いる情報を生成するフォーカス情報生成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記フォーカス情報生成手段は、前記積算記憶手段に記憶された前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数の和と、前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数のうち一方と、前記焦点検出ユニットによる検出結果とに基づいて、前記フォーカス制御に用いる情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記フォーカス情報生成手段は、前記積算記憶手段に記憶された前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数の和に応じて前記フォーカス制御に用いる情報を生成するためのデータを選択し、
該選択されたデータにおける前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数のうち一方に対応する値と、前記焦点検出ユニットによる検出結果とに基づいて、前記フォーカス制御に用いる情報を生成することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記フォーカス情報生成手段は、前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数と、前記第1及び第2の状態のうち一方での前記焦点検出ユニットによる検出結果とを用いて、前記第1及び第2の状態のうち他方での前記焦点検出ユニットによる検出結果に基づくフォーカス制御に関する情報を生成することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
該撮像装置は、前記第1の状態での前記焦点検出ユニットによる第1の焦点検出動作と前記第2の状態での前記焦点検出ユニットによる第2の焦点検出動作とを行い、
前記フォーカス情報生成手段は、
前記第1及び第2の焦点検出動作による検出結果の差分値を求め、
前記第1及び第2の焦点検出動作のうち、前記第1及び第2の状態のそれぞれへの積算移行回数のうち少ない方の状態で行われた焦点検出動作による検出結果と前記差分値とに基づいて、前記フォーカス制御に関する情報を生成することを特徴とする請求項5に記載の撮像装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の撮像装置と、
該撮像装置に対して着脱が可能なレンズ装置とを有することを特徴とする撮像システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−102452(P2008−102452A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−286797(P2006−286797)
【出願日】平成18年10月20日(2006.10.20)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】