説明

撮像装置

【課題】ダイナミックレンジを変化させることなく撮像感度制御を行う。
【解決手段】撮像装置に、線形特性と対数特性との異なる光電変換特性の撮像信号を個別にアナログ信号で出力可能に構成された撮像素子と、前記アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記デジタル信号のうち線形特性の撮像信号に対応するデジタル信号が入力され、線形特性での撮像に特有の固定パターンノイズを除去する線形特性用ノイズキャンセル手段と、前記デジタル信号のうち対数特性の撮像信号に対応するデジタル信号が入力され、対数特性での撮像に特有の固定パターンノイズを除去する対数特性用ノイズキャンセル手段と、
線形特性用ノイズキャンセル手段によってノイズが除去された撮像信号と対数特性用ノイズキャンセル手段によってノイズが除去された撮像信号とを合成して画像を生成する画像生成手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線形特性と対数特性との異なる光電変換特性を有する撮像センサを用いた撮像装置であって、特に、この撮像センサによる各特性の撮像信号に対する感度制御処理が可能な撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等の撮像装置においては、高画質化の要請に伴い、撮像センサが扱うことのできる被写体の輝度範囲、すなわちダイナミックレンジ(DR)を拡大させることが1つの大きなテーマとなっている。このDRの拡大化に関し、入射光量に対して電気信号が線形的に変換されて出力される線形特性と、入射光量に対して電気信号が対数的に変換されて出力される対数特性との異なる光電変換特性を有する撮像センサが知られている(この撮像センサのことを「リニアログセンサ」という)。この撮像センサによって、低輝度側では線形特性の撮像信号が、高輝度側では対数特性の撮像信号が出力される。ところで、一般的に、銀塩カメラでの撮影画像に対する各種補正処理の1つとして感度補正(ISO感度補正)がある。デジタルカメラにおいてこの感度補正を行う場合、例えば撮像の感度を上げる(感度アップする)に際して、線形特性の撮像信号に対しては乗算処理を、対数特性の撮像信号に対しては加算処理を行う(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−352804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、アナログ信号状態で感度アップしようとするとダイナミックレンジが変化してしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ダイナミックレンジを変化させることなく撮像感度制御(感度補正)を行うことが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る撮像装置は、線形特性と対数特性との異なる光電変換特性を有し、該各光電変換特性の撮像信号を個別にアナログ信号で出力可能に構成された撮像素子と、前記撮像素子から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、前記A/D変換手段により変換されたデジタル信号のうち、前記線形特性の撮像信号に対応するデジタル信号が入力され、入力されたデジタル信号における前記線形特性での撮像に特有の固定パターンノイズを除去する線形特性用ノイズキャンセル手段と、前記A/D変換手段により変換されたデジタル信号のうち、前記対数特性の撮像信号に対応するデジタル信号が入力され、入力されたデジタル信号における前記対数特性での撮像に特有の固定パターンノイズを除去する対数特性用ノイズキャンセル手段と、前記線形特性用ノイズキャンセル手段によって前記線形特性での撮像に特有の固定パターンノイズが除去された撮像信号と前記対数特性用ノイズキャンセル手段によって前記対数特性での撮像に特有の固定パターンノイズが除去された撮像信号とを合成して画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、上記構成において、前記各光電変換特性の撮像信号を増幅する増幅手段と、前記増幅手段における前記各光電変換特性の撮像信号に対する増幅率を前記光電変換特性毎に個別に制御する増幅率制御手段とを更に備えるようにしてもよい。
【0008】
上記構成によれば、撮像装置が、線形特性と対数特性との異なる光電変換特性を有し、該各光電変換特性の撮像信号を個別にアナログ信号で出力可能に構成された撮像素子と、各光電変換特性の撮像信号を増幅する増幅手段と、増幅手段における各光電変換特性の撮像信号に対する増幅率を光電変換特性毎に個別に制御する増幅率制御手段と、増幅手段により増幅された各光電変換特性の撮像信号を合成して画像を生成する画像生成手段とを備えたものとされ、増幅率制御手段によって算出された増幅率を用いて光電変換特性毎に増幅率制御が行われる。したがって、各光電変換特性の撮像信号の増幅率を個別に(互いに異なる値で)設定する、すなわち異なる光電変換特性の撮像信号それぞれに対して別々に(分離して)増幅処理することが可能となるため、例えば対数特性よりも感度が高い線形特性の撮像信号のみから得られる評価値に基づいて該線形特性の撮像信号の増幅率を制御する、つまり線形特性の撮像信号のみに対して増幅処理を行うといった増幅率制御が行えるようになり、当該増幅した光電変換特性(線形特性)の撮像信号とこれ以外の増幅していない対数特性の撮像信号とを画像生成手段により合成して画像を生成するようにすることで、ダイナミックレンジを変化させることなく撮像感度制御(感度補正)することが可能となる。
【0009】
また、上記構成において、前記増幅率制御手段は、前記線形特性の撮像信号に対する増幅率を該線形特性の撮像信号に基づいて算出し、該算出した増幅率を用いて、前記画像生成後に前記線形特性の撮像信号のみの増幅率を制御するようにしてもよい。
【0010】
これによれば、増幅率制御手段によって、線形特性の撮像信号に対する増幅率が該線形特性の撮像信号に基づいて算出され、該算出された増幅率を用いて、画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号のみの増幅率が制御されるので、この画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号すなわち例えば線形特性の撮像信号とこれ以外の増幅していない光電変換特性つまり対数特性の撮像信号とを合成して画像を生成するようにすることで、ダイナミックレンジを変化させることなく撮像感度制御することが可能となる。
【0011】
また、上記構成において、前記画像生成手段は、前記増幅率が制御された前記線形特性の撮像信号である第1撮像信号と、前記対数特性の撮像信号が前記増幅率制御手段によって算出した前記増幅率に応じてデータ変換されてなる第2撮像信号とから、所定信号レベル以下の前記第1撮像信号と該信号レベルより高いレベルの第2撮像信号とを選択し、該選択した第1及び第2撮像信号を合成して画像を生成することを特徴とする。
【0012】
これによれば、画像生成手段によって、増幅率制御された特性の第1撮像信号と、増幅率制御された特性以外の特性の撮像信号が前記算出した増幅率に応じてデータ変換されてなる第2撮像信号とから、所定信号レベル以下の第1撮像信号と該信号レベルより高いレベルの第2撮像信号とが選択され、該選択された第1及び第2撮像信号が合成されて画像が生成されるので、所定信号レベルを各光電変換特性の変曲点レベルとするなどして、ダイナミックレンジを変化させることなく各特性の撮像信号を合成して画像生成することを容易に行えるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の撮像装置によれば、ダイナミックレンジを変化させることなく撮像感度制御(感度補正)する(ダイナミックレンジを維持した状態で撮像信号の感度をアップさせる)ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの主に撮像処理に関する概略的なブロック構成図である。
【図2】上記デジタルカメラに用いられる撮像センサの光電変換特性の一例を示すグラフ図である。
【図3】上記撮像センサの回路構成の一例を示す図である。
【図4】上記デジタルカメラの撮像センサ及び画像処理部の一例を示す機能ブロック図である。
【図5】異なる光電変換特性が線形特性及び対数特性であるの場合の上記撮像センサの機能ブロック図である。
【図6】上記線形特性及び対数特性での露光及び撮像信号出力のタイミングを説明するための模式図である。
【図7】異なる光電変換特性が線形特性及び対数特性であるの場合の上記画像処理部の機能ブロック図である。
【図8】上記図7に示す画像処理部(選択部)における各特性の撮像信号に対する選択動作について説明するためのグラフ図である。
【図9】線形特性及び対数特性での露光時における変曲点レベルの位置について説明するためのグラフ図である。
【図10】第2の実施形態におけるデジタルカメラの撮像センサ及び画像処理部の一例を示す機能ブロック図である。
【図11】異なる光電変換特性が線形特性及び対数特性であるの場合の上記図10に示す撮像センサの機能ブロック図である。
【図12】第2の実施形態における上記線形特性及び対数特性での露光及び撮像信号出力のタイミングを説明するための模式図である。
【図13】異なる光電変換特性が線形特性及び対数特性であるの場合の上記図10に示す画像処理部の機能ブロック図である。
【図14】第1及び第2の実施形態の変形態様であって、光電変換特性が2つの異なる線形特性(第1線形特性/第2線形特性)からなる場合の上記画像処理部(選択部)における各特性の撮像信号に対する選択動作について説明するためのグラフ図である。
【図15】第1及び第2の実施形態の変形態様であって、光電変換特性が3つ以上の異なる線形特性からなる場合の上記画像処理部(選択部)における各特性の撮像信号に対する選択動作について説明するためのグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態1)
図1は、第1の実施形態に係る撮像装置の一例であるデジタルカメラの主に撮像処理に
関する概略的なブロック構成図を示している。デジタルカメラ1は、レンズ部2、撮像センサ3、A/D変換部4、画像処理部5及び制御部6を備えている。レンズ部2は、被写体光を撮像センサ3へ導くための光学レンズ系を構成するものである。レンズ部2には、透過光量を調節するための絞りやシャッタ(いずれも図示省略)を備えており、制御部6によってこれらの駆動制御がなされる。
【0016】
撮像センサ3は、レンズ部2により導かれた被写体光の光量に応じ、R、G、B各成分の画像信号に光電変換して出力するものである。本実施形態においては、撮像センサ3として、図2に示すような、センサ面照度(センサ入射輝度)が低い場合(暗時)に電気信号(光電変換により発生する出力電気信号)が線形的に変換されて出力される線形特性領域と、センサ面照度が高い場合(明時)に電気信号が対数的に変換(対数圧縮)されて出力される対数特性領域とからなる光電変換特性、換言すれば低輝度側が線形特性、高輝度側が対数特性の光電変換特性を有する対数変換型固体撮像素子が用いられる。この光電変換特性の線形特性と対数特性との切り替り点(変曲点;Vth)は、撮像センサ3の各画素回路に対する所定の制御信号により任意に制御可能とされている。
【0017】
撮像センサ3は、例えばフォトダイオード等の光電変換素子やP型(又はN型)のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、或いはFD(Floating Diffusion)等を画素回路内に備える複数の画素が、マトリクス(行列)状に配置さ
れたMOS型固体撮像素子であり、所謂X−YアドレスタイプのCMOSイメージセンサである。撮像センサ3は、この構成において、例えば上記MOSFETにおける転送トランジスタの転送ゲート電位やリセットトランジスタのリセットゲート電位等を変化させることで、FDから線形特性を有する画素信号(線形特性出力)、及び対数特性を有する画素信号(対数特性出力)を出力する。なお、これに限らず、VMISイメージセンサやCCDイメージセンサ等であってもよい。
【0018】
撮像センサ3は、具体的には例えば図3に示す回路構成を有している。すなわち、撮像センサ3は、画素部31、垂直走査回路32、第1水平走査回路33、第2水平走査回路34、第1読出し回路35及び第2読出し回路36を備えている。画素部31は、複数の画素311(ピクセル)を備え、被写体光像の光量に応じて上記線形特性及び対数特性の画像信号に光電変換して出力するものである。この画素部31は、ゲートに負荷電圧(信号VD)が印加されて所謂電子負荷として機能する負荷トランジスタQaを有した負荷回路312を備えている。
【0019】
垂直走査回路32は、画素部31の各画素311(全画素行)に対する垂直走査を行う垂直シフトレジスタであって、各行選択信号線313を順次走査する。第1水平走査回路33及び第2水平走査回路34はそれぞれ、各画素311に対する水平走査(列選択動作)を行う水平シフトレジスタであって、各垂直信号線314(列選択信号線;出力信号線)を順次走査する。ただし、第1水平走査回路33は各画素311からの線形特性出力に対する水平走査を行い、一方、第2水平走査回路34は各画素311からの対数特性出力(対数圧縮特性出力)に対する水平走査を行う。
【0020】
第1読出し回路35は、垂直走査回路32により走査された画素行の各画素311から垂直信号線314に導出された線形特性出力による画像信号を、第1水平走査回路33による水平走査に従って画素毎に順次読み出すための回路である。第2読出し回路36は、同様に垂直信号線314に導出された対数特性出力による画像信号を、第2水平走査回路34による水平走査に従って画素毎に順次読み出すための回路である。このように、本実施形態では、各画素311の光電変換特性における異なる特性毎の、すなわち線形特性出力及び対数特性出力それぞれに対応した専用(個別)の読出し回路を備えている。これら第1及び第2読出し回路35、36はそれぞれ、当該線形特性出力及び対数特性出力によ
る画像信号とノイズ信号とをサンプルホールド(サンプリング)する所謂サンプルホールド回路として機能する。
【0021】
すなわち、第1読出し回路35は、シグナルサンプルホールド用スイッチSa1及びシグナルサンプルホールド容量Ca1からなるシグナルサンプルホールド回路351と、ノイズサンプルホールド用スイッチSa2及びノイズサンプルホールド容量Ca2からなるノイズサンプルホールド回路352とを有する線形特性出力用のサンプルホールド回路353を備え、入力されたアナログ信号としてのシグナル(画像信号)及びノイズ(ノイズ信号)をサンプリング(標本化)し、この値を一時的に保持する。同様に、第2読出し回路36は、シグナルサンプルホールド用スイッチSb1及びシグナルサンプルホールド容量Cb1からなるシグナルサンプルホールド回路361と、ノイズサンプルホールド用スイッチSb2及びノイズサンプルホールド容量Cb2からなるノイズサンプルホールド回路362とを有する対数特性出力用のサンプルホールド回路363を備え、シグナル及びノイズをサンプルホールドする。
【0022】
また、第1及び第2読出し回路35、36はそれぞれ、アンプ354、364(アナログ増幅部;差動アンプ)を備えており、これら各アンプによって、各画素311の感度バラツキによるノイズ成分を除去するとともに、各画素311の信号をアナログの状態で増幅するつまりアナログゲインをかけて増幅する。アンプ354、364においてノイズ除去及びゲイン調整された線形特性及び対数特性の画像データ(画像信号)は、後段の処理部(A/D変換部4)に送信される。なお、サンプルホールド回路353(363)における1つのシグナルサンプルホールド回路351(361)及びノイズサンプルホールド回路352(362)からなる回路のことを垂直出力回路350(360)と表現する。
【0023】
A/D変換部4は、撮像センサ3内のアンプ354、364にて増幅されたアナログ値の画像信号(アナログ信号)をデジタル値の画像信号(デジタル信号)に変換するものである。画像処理部5は、A/D変換部4から入力された各特性の画像信号に対する各種画像処理(デジタル信号処理)を行うものである。主制御部6は、各制御プログラム等を記憶するROM、一時的にデータを格納するRAM、及び制御プログラム等をROMから読み出して実行する(中央演算処理装置:CPU)等からなり、デジタルカメラ1全体の動作制御を司るものである。主制御部6は、画像処理部5での画像信号から得られる画像の評価結果に基づいて、撮像センサ3の撮像動作を制御したり、その他の画像処理パラメータを制御する。
【0024】
ところで、本実施形態のデジタルカメラ1は、特性が異なる光電変換特性での撮像により得られた各特性の画像信号それぞれに対して個別の画像処理を行うことが可能に構成されている。図4は、この構成に関する、撮像センサ3及び画像処理部5における機能ブロック図である。同図に示すように撮像センサ3は、画素部31、画素部31に接続された第1増幅器371及び第2増幅器372、並びに第1増幅率制御部381及び第2増幅率制御部382を備えている。また、画像処理部5は、第1特性用画像処理部51、第2特性用画像処理部52、第1特性増幅率算出部53、第2特性増幅率算出部54及び合成部55を備えている。ここでは当該異なる光電変換特性が2種類であるとし、それぞれ第1特性、第2特性と表現する。
【0025】
第1増幅器371及び第2増幅器372はそれぞれ、画素部31による各特性の画像信号すなわち第1特性撮像信号及び第2特性撮像信号に対して所定のアナログゲインをかけて増幅した後、これら撮像信号を画像処理部5へ出力するものである。ただし、これら撮像信号は図略のA/D変換部4によりアナログ信号からデジタル信号に変換されたものが画像処理部5へ入力される。第1及び第2特性用画像処理部51、52はそれぞれ、第1及び第2特性撮像信号に対して個別の画像処理を行うものである。第1特性増幅率算出部
53は、第1特性用画像処理部51における処理パラメータ(評価値)に基づいて、第1特性用の増幅率(第1特性増幅率)を算出するものである。算出された第1特性増幅率は制御信号として第1増幅率制御部381に送信される。第2特性増幅率算出部54は、第2特性用画像処理部52における処理パラメータに基づいて、第2特性用の増幅率(第2特性増幅率)を算出するものである。同様に、この第2特性増幅率は制御信号として第2増幅率制御部382に送信される。また、撮像センサ3における第1及び第2増幅率制御部381、382はそれぞれ、画像処理部5からの上記第1及び第2特性増幅率の情報に基づいて、第1増幅器371及び第2増幅器372の増幅動作を制御するものである。また、合成部55は、第1及び第2特性用画像処理部51、52により各種画像処理が施された第1及び第2特性の各画像データに対する所定の合成処理を行うものである。合成処理後の合成画像は後段の処理部へ出力される。
【0026】
このように、撮像センサ3及び画像処理部5は、撮像センサ3から各特性の撮像信号(アナログ信号)を出力し、画像処理部5でこれら撮像信号(デジタル信号)を受けて所定の画像処理及び各特性画像の合成処理を行うとともに、各特性用の増幅率を算出してこの増幅率情報を撮像センサ3にフィードバックし、撮像センサ3において、この増幅率情報を基に各特性の撮像信号を増幅(アナログ増幅)するという、撮像信号のアナログ増幅に関する所謂ループ制御が可能な構成を備えている。
【0027】
第1の実施形態では、図4に示す構成を利用して、撮像センサ3により得られた線形特性及び対数特性の撮像信号を用いた感度制御(感度補正)処理を行う。これについて以下に詳述する。図5は、この感度制御に関し、図4に示す撮像センサ3を図3に示す実際の撮像センサ3の構成と対応させて示した撮像センサ3のブロック構成図である。この図5に示す撮像センサ3は、図3に示す上記画素部31、上記垂直走査回路32に相当する垂直走査部320、第1水平走査回路33及び第1読出し回路35(アンプ354は含まない)に相当する第1水平走査部330、第2水平走査回路34及び第2読出し回路36に相当する第2水平走査部340(アンプ364は含まない)、アンプ354及び364、並びに、図4に示す第1及び第2増幅率制御部381及び382を含むセンサ制御部380を備えている。
【0028】
本実施形態における撮像センサ3は、画素部31(全画素311)における画素行(水平1ライン)ごとに線形特性及び対数特性の露光を行い、これら特性での撮像信号を、各特性毎に異なる出力回路(読出し回路或いは出力端子(アンプ354、364))から出力する。撮像センサ3は、外部からすなわち画像処理部5或いは主制御部6からの制御信号(第1及び第2増幅率(増幅率制御信号)、タイミング信号等)に呼応して撮像動作を行い、各特性の撮像信号を出力する。画素部31での光電変換により得られた撮像信号は、垂直走査部320によって水平1ライン分の撮像信号(水平1ラインの画素行における各画素311の画素信号)が特性毎に第1水平走査部330又は第2水平走査部340に出力され、これら水平走査部にて保持される。第1及び第2水平走査部330、340に保持された各特性の撮像信号は画素毎にアンプ354、364にて増幅処理され、アンプ354からは、上記第1特性撮像信号に相当する線形特性撮像信号が、アンプ364からは、上記第2特性撮像信号に相当する対数特性撮像信号が出力される。なお、アンプ354、364それぞれの増幅率は、上記外部からの制御信号に基づいてセンサ制御部380により設定される。また、センサ制御部380は、上記外部からの制御信号に呼応して、アンプ354、364の増幅処理を制御するとともに、画素部31の光電変換動作、垂直走査部320の垂直走査動作、及び第1及び第2水平走査部330、340の水平走査動作を制御する。
【0029】
ここで、上記水平1ライン毎における各光電変換特性での露光及び撮像信号の出力(読み出し)についてのタイミングを図6に示す。例えば水平3ライン分について説明すると
、先ず、或る水平1ライン(ラインL1)において、線形特性での露光が開始され、所定露光時間が終了すると、この線形特性での露光により得られた撮像信号が第1水平走査部330へ出力されて保持される(t1〜t3;時刻t1からt3までの間の時間)。次に、対数特性での露光が開始され、所定露光時間が終了すると、この対数特性での露光により得られた撮像信号が第2水平走査部340へ出力されて保持される(t3〜t4)。その後、第1水平走査部330及び第2水平走査部340から、各特性の撮像信号がそれぞれ読み出される、すなわちアンプ354、364により所定の増幅率で増幅処理されて出力される(t4〜t6)。次の水平1ライン(ラインL2)、さらに次の水平1ライン(ラインL3)も同様に、露光及び読み出し制御が行われ、上記ラインL1の撮像信号出力に続いて順にラインL2、ラインL3の撮像信号が出力される(ラインL1の撮像信号出力時間t4〜t6に続いてライン2のt6〜t8、ライン3のt8〜t9と連続的に出力される)。このように、ライン毎の線形特性及び対数特性の露光、出力動作が、画素部31の全水平ライン(全画素行)に亘って行われる。
【0030】
図7は、上記図5に示す撮像センサ3と同様、図4に示す構成を利用して各特性の撮像信号を用いた感度制御(感度補正)処理を行う場合の、画像処理部5における主にこの感度制御に関する機能部についてのブロック構成図である。同図に示すように、画像処理部5は、線形特性用ノイズキャンセル部511、評価値算出部512、対数特性用ノイズキャンセル部521、特性変換部522、増幅率算出部541、選択部551及び比較部552を備えている。ただし、線形特性用ノイズキャンセル部511及び評価値算出部512は、図4の画像処理部5に示す第1特性用画像処理部51に相当し、増幅率算出部541は第1特性増幅率算出部53に相当し、対数特性用ノイズキャンセル部521及び特性変換部522は第2特性用画像処理部52に相当し、選択部551及び比較部552は合成部55に相当する。
【0031】
線形特性用ノイズキャンセル部511は、A/D変換部4によりデジタル信号に変換されて入力されてきた線形特性撮像信号における、つまり線形特性での撮像に特有の固定パターンノイズ(FPN;Fixed Pattern Noise)を除去(キャンセル)するものである。
この場合のFPNは、画素311にて発生する画素毎に異なる暗電流のばらつき(オフセットばらつき)である。
【0032】
評価値算出部512は、線形特性用ノイズキャンセル部511によりFPNが除去された線形特性撮像信号であって、撮像1画面(1フレーム)に亘っての全体の線形特性撮像信号(線形特性データ)から所定の評価値を算出するものである。ここでは評価値として線形特性データ全体の平均値を算出する。算出した評価値は増幅率算出部541に出力される。ただし、評価値については当該画面全体の平均値(加算平均)のみならず、例えば主被写体領域での平均値や最大、最小値、或いは、画素の空間的配置に基づいた加重平均値やヒストグラム等に基づいた画素値の分散等、種々の値が採用可能である。
【0033】
増幅率算出部541は、入力された評価値(平均値)に基づいて線形特性撮像信号用の増幅率(線形特性増幅率)を算出するものである。この線形特性増幅率は、当該評価値と基準評価値との比較処理(除算処理)によって算出される。この基準評価値は増幅率算出部541内に予め記憶されている。
【0034】
なお、本実施形態の撮像装置における撮像信号の増幅率は、線形特性撮像信号の増幅率と対数特性撮像信号の増幅率とを異なる値で設定することが可能であるが(図4参照)、特にここでの感度制御処理においては、線形特性撮像信号の増幅率が、同じ線形特性撮像信号から得られる評価値(平均値)に基づいて制御可変な構成となっている。すなわち線形特性撮像信号に対してのみ増幅率を算出する構成であるので、図7には、図4に示す第2特性増幅率算出部54に対応する増幅率算出部は図示していない。また、上記評価値に
ついては、画面(フレーム)全体での平均値のみならず、画素の空間的配置に基づいた加重平均値やヒストグラム等に基づいた画素値の分散等であってもよい。
【0035】
対数特性用ノイズキャンセル部521は、同様に、A/D変換部4によりデジタル信号に変換されて入力されてきた対数特性撮像信号における固定パターンノイズ(FPN;Fixed Pattern Noise)を除去(キャンセル)するものである。この場合のFPNは、画素
311にて発生する画素毎に異なる対数特性が開始される閾値のばらつきである。特性変換部522は、対数特性用ノイズキャンセル部521によりFPNが除去された対数特性撮像信号(線形特性データ)の特性を、該対数特性から線形特性に変換する、すなわち対数特性から線形特性へ変換するものである。この特性変換は、特性変換部522内に予め記憶しておいたLUT(Look Up Table)を用いて行う。このLUT(変換特性)は、線
形特性撮像信号の増幅率すなわち増幅率算出部541で算出された線形特性増幅率に応じて変更される(撮像センサ3においてこの線形特性増幅率を用いて増幅され出力された線形特性撮像信号に基づいて変更されるとも言える)。この場合例えば、特性変換部522内に、各線形特性増幅率に対応する各種LUTの情報が記憶されており、増幅率算出部541から与えられた線形増幅率の値に応じてこれら各種LUTから該当するLUTが選択される、という構成であってもよい。なお、この実施形態の場合、対数特性の撮像信号に対しては増幅処理(増幅率制御)を行わないが、このときアンプ364(図5)或いは第2増幅器372では増幅率が「1」の増幅を行っていると考えてもよい。この場合、例えば特性変換部522からアンプ364或いは第2増幅器372に対して当該増幅率が「1」となるような増幅率制御信号(対数特性増幅率)を送信する構成としてもよい。
【0036】
選択部551は、評価値算出部512から出力された線形特性撮像信号と、特性変換部522から出力された特性変換後の線形特性撮像信号とから、線形特性撮像信号のレベル(信号レベル)に応じて撮像信号を選択する(選択した撮像信号同士を合体させる、或いは線形特性画像データと対数特性画像データとを選択的に合成する)ものである。当該選択された撮像信号は後段の処理部へ出力される。比較部552は、例えば主制御部6により与えられた所定の変曲点レベルと、評価値算出部512から出力された線形特性撮像信号(後述のグラフの傾き;或いは評価値)とを比較し、この比較結果より得られた変曲点位置(後述の変曲点レベルと変曲点照度とで決まる座標位置)の情報を選択部551に与えるものである。この図8に示される変曲点レベルは、線形特性撮像信号及び対数特性撮像信号つまりセンサ出力の飽和レベル以下であればいずれのレベルであってもよい(後述の図14、図15についても同様)。
【0037】
このような構成を備えることにより、本実施形態のデジタルカメラ1における撮像信号の増幅率は、線形特性撮像信号の増幅率と対数特性撮像信号の増幅率とを互いに異なる値で制御(設定)することが可能であり、特に、線形特性撮像信号の増幅率に関しては、線形特性撮像信号のみから得られる評価値(平均値)に基づいて制御可能となっている。
【0038】
図8は、上記選択部551における選択処理について説明するためのグラフ図である。図8において、符号601で示す撮像信号(図8の原点から飽和レベルまでの範囲)は、増幅率算出部541により算出された或る線形特性増幅率を用いて撮像センサ3のアンプ354で増幅され、線形特性用ノイズキャンセル部511及び評価値算出部512を経て選択部551まで送信されてきた線形特性撮像信号(線形特性撮像信号601)である。一方、符号602で示す撮像信号(原点から飽和レベルまでの範囲)は、線形特性撮像信号601の場合の線形特性増幅率よりも増幅率が大きい線形特性増幅率を用いてアンプ354で増幅され、同じく線形特性用ノイズキャンセル部511及び評価値算出部512を経て選択部551まで送信されてきた線形特性撮像信号(線形特性撮像信号602)である。ところで、撮像センサ3のセンサ面照度に対する撮像信号レベル、すなわち被写体輝度の入力に対する出力度合いのことを、デジタルカメラ1の“感度”(ISO感度に相当
)とすると、上記増幅率(線形特性増幅率)が違うことから、線形特性撮像信号601は低感度時の線形特性撮像信号、線形特性撮像信号602は高感度時の線形特性撮像信号であると言える。なお、低感度時の線形特性増幅率を低感度増幅率、高感度時の線形特性増幅率を高感度増幅率と表現する。また、図中の飽和レベルとは、撮像センサ3(線形特性撮像信号)の出力が飽和するレベル(例えば撮像センサ3の出力レベルの最大値)である(撮像センサ3の飽和レベルであって画像処理の飽和レベルではない)。符号603で示す撮像信号は、撮像センサ3(アンプ364)から出力され、対数特性用ノイズキャンセル部521を経て、特性変換部522まで送信されてきた対数特性撮像信号(対数特性撮像信号603)を示している。
【0039】
また、図8に示す変曲点レベルは、上記比較部552に与えられるレベル(出力レベル情報)であり、飽和レベル以下のレベルとして与えられる。ただし、図9に示すように、線形特性での露光時には、この変曲点(変曲点レベル)がセンサ出力の飽和レベル以上となるように撮像センサ3の動作が制御される(これにより出力信号が全て線形特性となる)。また、対数特性での露光時には、この変曲点がセンサ出力の最低レベル以下となるように撮像センサ3の動作が制御される(これにより出力信号が全て対数特性となる)。
【0040】
対数特性撮像信号603は、特性変換部522において、線形特性増幅率(増幅率算出部541から与えられる)の大きさに応じた線形特性撮像信号(増幅率に応じたグラフ上の傾きを有する線形特性)に特性変換される。すなわち、対数特性撮像信号603が上記高感度増幅率に応じて特性変換されたものが線形特性撮像信号604(これを変換後線形特性撮像信号604という)、対数特性撮像信号603が上記低感度増幅率に応じて特性変換されたものが変換後線形特性撮像信号605である。
【0041】
選択部551は、撮像信号の出力レベルが変曲点レベル以下までは線形特性で撮像された撮像信号を選択し、変曲点レベルよりも高いレベル(出力値)は対数特性で撮像された撮像信号を選択する。すなわち、上記低感度時には、変曲点レベル以下で線形特性撮像信号601、変曲点レベルより高いレベルで変換後線形特性撮像信号605となるように選択する。換言すれば、低感度時には、変曲点レベル(低感度時変曲点照度)を境として、線形特性撮像信号601と、変換後線形特性撮像信号605における変曲点レベルからDRの最大値までの撮像信号6051とが選択される。同様に、高感度時には、線形特性撮像信号602と変換後線形特性撮像信号604とが選択される、すなわち、変曲点レベル(高感度時変曲点照度)を境として、線形特性撮像信号602と、変換後線形特性撮像信号604における変曲点レベルからDRの最大値までの撮像信号6041とが選択される。当該選択された各特性の撮像信号はこの選択部551で合成されて1つの画像として出力される(画像生成(画像合成)される)。ただし、撮像照度に関しての線形、対数特性の切り替わりレベルである上記変曲点照度は、線形特性撮像信号の増幅率によって異なり、高感度時(高増幅率時)は、低感度時(低増幅率時)よりも低い照度にて線形特性から対数特性に変化する。
【0042】
上記構成により、少なくとも低輝度側を撮像する光電変換特性(線形特性)の増幅率を、該低輝度側の光電変換特性の撮像信号のみから得た評価値を用いて算出し、この増幅率を用いて、画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号のみに対してすなわち例えばここでは低輝度側の光電変換特性の撮像信号に対してのみ増幅処理が行われる。この増幅した線形特性の撮像信号とこれ以外の増幅していない光電変換特性つまり対数特性の撮像信号とを上述のように選択部551で合成することで、撮像DRを変化させることなく撮像感度制御する(感度アップする)ことが可能となる。また、A/D変換部4の前段部における撮像センサ3において増幅させるので、つまりA/D変換部4で発生するノイズを含んでいないアナログ撮像信号に対する増幅処理(アナログ増幅)が可能であるので、SN比が高くなる(SN比が高い状態で、DRが維持された撮像感度制御が行える)。因みに、上記低輝度側の光電変換特性(線形特性)の撮像信号に対する増幅処理を行う(感度アップを行う)のは、画像(上記画像生成により得られる画像)における暗い画像部分すなわち低輝度の画像部分をより良く見せようとする(より階調性を高めようとする)ことによる。
【0043】
(実施形態2)
上記第1の実施形態は、各特性の画像信号それぞれに対する個別の画像処理を、図4に示す撮像センサ3及び画像処理部5の構成を用いて行うものであったが、第2の実施形態では、図10に示す撮像センサ3a及び画像処理部5aの構成を利用して行う。図4の場合は、第1及び第2特性撮像信号をそれぞれに対応する出力端子(第1増幅器371及び第2増幅器372)から個別に出力する構成であったが、図10の場合では第1及び第2特性撮像信号を時間的に異なるタイミングで同一の出力端子(増幅器373)から出力する構成を備えている。すなわち、撮像センサ3aにおいて、図4に示す第1及び第2増幅率制御部381、382の代わりに増幅率制御部383を、第1増幅器371及び第2増幅器372の代わりに増幅器373を備え、また、画像処理部5aにおいて切替部56を備えている。
【0044】
増幅器373は、画素部31から出力された第1特性撮像信号と第2特性撮像信号とに対して所定のアナログゲインをかけて増幅し、これら撮像信号を画像処理部5aへ出力する。画像処理部5aでは、この第1及び第2特性撮像信号を受けて第1及び第2特性用画像処理部51、52にて特性毎の画像処理を行い、この画像処理の結果を用いて合成部55により所定の合成処理を行うとともに、画像処理時の処理パラメータ(評価値)を用いて第1及び第2特性増幅率算出部53、54にて第1及び第2特性増幅率を算出する(これら処理は画像処理部5の場合と同様)。算出された第1及び第2特性増幅率の情報は切替部56へ送信される。切替部56は、第1特性増幅率の信号と第2特性増幅率の信号とを切り替えて増幅率制御部383へ送信する。増幅率制御部383では、送信された第1特性増幅率の情報に基づいて第1特性撮像信号に対する増幅動作を制御するとともに、第2特性増幅率の情報に基づいて第2特性撮像信号に対する増幅動作を制御する。
【0045】
本実施形態では、上記図10に示す構成を用いて、線形特性及び対数特性の撮像信号を用いた感度制御(感度補正)処理を行う。図11は、第1の実施形態における図5の構成に対する本実施形態の構成を示すものである。撮像センサ3aは、図5に示す撮像センサ3と比べて、メイン制御部380a、水平走査部330a及び増幅器373が異なる。メイン制御部380aは図10に示す増幅率制御部383を含む制御部である。水平走査部330aは、画素部31から線形特性及び対数特性の撮像信号を読み出すものである。撮像センサ3aは、1フレームごとに線形、対数特性の露光を行い、これら特性の撮像信号を上述したように同一の出力端子(増幅器373)から出力する(線形特性について1フレーム、対数特性について1フレームの合計2フレームに亘って露光を行い、これらの撮像信号を出力する)。画素部31での光電変換により得られた撮像信号は、垂直走査部320によって水平1ライン分の撮像信号(水平1ラインの画素行における各画素311の画素信号)が特性毎に水平走査部330aに出力されて保持される。当該水平走査部330aに保持された各特性の撮像信号は画素毎に増幅器373(アンプ)にて増幅処理されて出力される。ただし、この増幅器373の増幅率はフレーム毎に変化可能な構成となっている。なお、増幅器373の増幅率は上記外部からの制御信号に基づいてセンサ制御部380aにより設定される。また、センサ制御部380aは、外部からの制御信号に呼応して、増幅器373の増幅処理を制御するとともに、画素部31、垂直走査部320、及び水平走査部330aの各種動作を制御する。
【0046】
ここで、本実施形態における上記水平1ライン毎の各光電変換特性での露光及び撮像信号の出力(読み出し)についてのタイミングを図12に示す。例えば水平3ライン分につ
いて説明すると、先ず、或る水平1ライン(ラインL1)において、線形特性での露光が開始され、所定露光時間が終了すると、この線形特性での露光により得られた撮像信号(線形特性撮像信号)が水平走査部330aへ出力されて保持される(読み出される)(t11〜t12)。この水平走査部330aに保存されたラインL1の線形特性撮像信号は、増幅器373にて所定の増幅率にて増幅処理されて出力される(t12〜t13)。ラインL2、ラインL3も同様に、露光及び読み出し制御が行われ、上記ラインL1の線形特性撮像信号の出力に続いて順にラインL2、ラインL3の線形特性撮像信号が出力される(線形特性撮像信号の出力が、ラインL1のt12〜t13、ライン2のt13〜t14、ライン3のt14〜t16と連続的に出力される)。
【0047】
ラインL1〜L3における線形特性の露光が終了すると、次に、ライン1での対数特性での露光が開始され、線形特性の場合と同様、この露光により得られた対数特性撮像信号の水平走査部330aへの出力、保持が行われて(t15〜t16)、増幅器373にて所定の増幅率にて増幅処理されて出力される(t16〜t18)。ラインL2、ラインL3も同様に、露光及び読み出し制御が行われ、上記ラインL1の対数特性撮像信号の出力に続いて順にラインL2、ラインL3の対数特性撮像信号が出力される(対数特性撮像信号の出力が、ラインL1のt16〜t18、ライン2のt18〜t20、ライン3のt20〜t21と連続的に出力される)。このように、ライン毎の線形特性での露光、出力動作が、画素部31の全水平ライン(全画素行)に亘って行われる。
【0048】
図13は、図10に示す構成を利用して各特性の撮像信号を用いた感度制御(感度補正)処理を行う場合の、画像処理部5aにおける主にこの感度制御に関する機能部についてのブロック構成図である。画像処理部5aは画像処理部5と比べて主にメモリ513を備えていることが異なる。すなわち、画像処理部5aは、フレーム毎に線形特性撮像信号と対数特性撮像信号とが交互に入力されるため、当該フレーム毎に入力される各特性の撮像信号に応じて処理を変更する。線形特性撮像信号の入力時には、線形特性用ノイズキャンセル部511にてノイズ除去を行い、評価値算出部512及び増幅率算出部541にて評価値に基づいて線形特性増幅率を算出するとともに、この線形特性撮像信号をメモリ513に記憶する。対数特性撮像信号の入力時には、このメモリ513に記憶しておいた線形特性撮像信号を読み出し、読み出したこの線形特性撮像信号と、対数特性用ノイズキャンセル部521及び特性変換部522を経て送信されてきたノイズ除去及び特性変換がなされた対数特性撮像信号と、が選択部551に入力され、選択部551において、これら線形特性撮像信号及び対数特性撮像信号から、線形特性撮像信号のレベルに応じて撮像信号が選択される。なお、本実施形態における選択部551での選択処理は、第1の実施形態における選択部551の場合(上記図8で説明した選択方法)と同じである。
【0049】
本実施形態の場合も同様、上記構成を有するデジタルカメラ1における撮像信号の増幅率は、線形特性撮像信号の増幅率と対数特性撮像信号の増幅率とを互いに異なる値で制御(設定)することが可能であり、特に、線形特性撮像信号の増幅率に関しては、線形特性撮像信号のみから得られる評価値(平均値)に基づいて制御可能となっている。
【0050】
ところで、上記各実施形態では、低輝度側が線形特性、高輝度側が対数特性の光電変換特性を有するリニアログセンサ(撮像センサ3(3a))を用いたが、これに限らず、例えば低輝度側及び高輝度側共に線形特性である光電変換特性、つまりグラフ上の傾きが互いに異なる(露光時間等が異なる)第1線形特性及び第2線形特性からなる光電変換特性を有したセンサ(リニアリニアセンサ)を用いてもよい。ただし、第1及び第2線形特性はそれぞれ上記線形特性及び対数特性に相当し、第1線形特性の方が第2線形特性よりも傾きが大きいものとする。この場合、第2線形特性の方が第1の線形特性での撮像よりも
低感度(露光時間が短い)状態で撮影されている、すなわち、第1線形特性は「高感度(長時間露光)線形光電変換特性」、第2線形特性は「低感度(短時間露光)線形光電変換
特性」である。
【0051】
図14に示すように、上記第1線形特性に対応する撮像信号が第1線形特性撮像信号701及び第1線形特性撮像信号702であり、上記第2線形特性に対応する撮像信号が第2線形特性撮像信号703である。また、第2線形特性撮像信号703が低感度増幅率に応じて特性変換されたものが変換後線形特性撮像信号704、第2線形特性撮像信号703が高感度増幅率に応じて特性変換されたものが変換後線形特性撮像信号705である。
【0052】
この場合、図8と同様、低感度時には、変曲点レベル(低感度時変曲点照度)を境として、第1線形特性撮像信号701と、変換後線形特性撮像信号705における変曲点レベルからDRの最大値までの撮像信号7051とが選択される。同様に、高感度時には、変曲点レベル(高感度時変曲点照度)を境として、第1線形特性撮像信号702と、変換後線形特性撮像信号704における変曲点レベルからDRの最大値までの撮像信号7041とが選択される。選択された各撮像信号は選択部551で合成されて出力される。この場合も、少なくとも低輝度側を撮像する光電変換特性(第1線形特性)の増幅率を、該低輝度側の光電変換特性の撮像信号のみから得た評価値を用いて算出し、この増幅率を用いて、画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号のみに対してすなわち例えばここでは低輝度側の光電変換特性の撮像信号に対してのみ増幅処理を行えばよい。
【0053】
以上のように、本実施形態の撮像装置(デジタルカメラ1)によれば、撮像装置が、2つ以上の異なる光電変換特性を有し、該各光電変換特性の撮像信号を個別に出力可能に構成された撮像素子(撮像センサ3、3a)と、各光電変換特性の撮像信号を増幅する増幅手段(第1及び第2増幅器371、372、増幅器373、アンプ354、364)と、増幅手段の増幅率を制御する増幅率制御手段(第1及び第2特性用画像処理部51、52、第1及び第2特性増幅率算出部53、54)と、増幅手段により増幅された各光電変換特性の撮像信号を合成して画像を生成する画像生成手段(合成部55、選択部551及び比較部552)とを備えたものとされ、増幅率制御手段によって、各光電変換特性の撮像信号に対する増幅率が該各光電変換特性の撮像信号に基づいて算出され、該算出された増幅率を用いて光電変換特性毎に増幅率制御が行われる。したがって、各光電変換特性の撮像信号の増幅率を個別に(互いに異なる値で)設定する、すなわち異なる光電変換特性の撮像信号それぞれに対して別々に(分離して)増幅処理することが可能となるため、例えば対数特性よりも感度が高い線形特性の撮像信号のみから得られる評価値に基づいて該線形特性撮像信号の増幅率を制御する、つまり線形特性の撮像信号のみに対して増幅処理を行うといった増幅率制御が行えるようになり、当該増幅した光電変換特性(線形特性)の撮像信号とこれ以外の増幅していない光電変換特性の撮像信号とを画像生成手段により合成して画像を生成するようにすることで、DRを変化させることなく撮像感度制御(感度補正)することが可能となる。
【0054】
また、上記増幅率制御手段によって、2つ以上の異なる光電変換特性における少なくとも最も感度が高い光電変換特性の撮像信号の増幅率を用いて増幅率制御が行われるので、当該増幅した最高感度の光電変換特性の撮像信号とこれ以外の増幅していない光電変換特性の撮像信号とを合成して画像を生成するなどにより、DRを変化させることなく撮像感度制御を行うことが容易且つ確実に行えるようになる。
【0055】
また、上記撮像素子の異なる光電変換特性は線形特性及び対数特性であるので、上記最高感度の光電変換特性として線形特性の撮像信号を増幅し、一方の増幅していない対数特性の撮像信号と合成することなどにより、当該線形/対数特性を有する固体撮像素子(リニアログセンサ)を用いた場合において、DRを変化させることなく撮像感度制御を行うことができる。
【0056】
また、上記増幅率制御手段によって、線形特性の撮像信号に対する増幅率が該線形特性の撮像信号に基づいて算出され、該算出された増幅率を用いて、画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号のみの増幅率が制御されるので、この画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号すなわち例えば線形特性の撮像信号とこれ以外の増幅していない光電変換特性つまり対数特性の撮像信号とを合成して画像を生成するようにすることで、DRを変化させることなく撮像感度制御することが可能となる。
【0057】
また、上記撮像素子の異なる光電変換特性は互いに感度が異なる2つ以上の線形特性であるので、上記最高感度である線形特性の撮像信号を増幅し、その他の増幅していない線形特性の撮像信号と合成することなどにより、当該感度が異なる2つ以上の線形特性を有する固体撮像素子を用いた場合において、DRを変化させることなく撮像感度制御を行うことができる。
【0058】
また、上記増幅率制御手段によって、2つ以上の線形特性のうちの最も高い感度を有する高感度線形特性の撮像信号に対する増幅率が該高感度線形特性の撮像信号に基づいて算出され、該算出された増幅率を用いて、画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号のみの増幅率が制御されるので、当該増幅された画像生成後に最も低輝度の画像を表す撮像信号すなわち例えば高感度線形特性の撮像信号と、これ以外の増幅していない線形特性の撮像信号とを合成して画像を生成するようにすることで、DRを変化させることなく撮像感度制御することが可能となる。なお、異なる光電変換特性がいずれも線形特性であるので、例えば各特性の撮像信号を合成して画像を生成するに際して対数特性を線形特性に変換するといった処理が不要となり、ひいてはDRを変化させることなく撮像感度制御することが容易に行えるようになる。
【0059】
さらに、画像生成手段によって、増幅率制御された特性の第1撮像信号と、増幅率制御された特性以外の特性の撮像信号が前記算出した増幅率に応じてデータ変換されてなる第2撮像信号とから、所定信号レベル以下の第1撮像信号と該信号レベルより高いレベルの第2撮像信号とが選択され、該選択された第1及び第2撮像信号が合成されて画像が生成されるので、所定信号レベルを各光電変換特性の変曲点レベルとするなどして、DRを変化させることなく各特性の撮像信号を合成して画像生成することを容易に行えるようになる。なお、本発明は、以下の態様をとることができる。
【0060】
(A)上記各実施形態では、増幅(感度アップ)をアナログ処理(第1及び第2増幅器371、372或いは増幅器373)にて行っているが、デジタル処理(例えば画像処理部5内のデジタルデータによる処理)にて行ってもよい。この場合、SN比は、A/D変換部で発生するノイズを含まない撮像信号によるアナログ処理に比較して劣化する可能性があるものの、当該アナログ増幅するためのアナログ増幅器やこの増幅率を制御する増幅率制御部等を備える必要がなくなるため、構成の簡略化を図ることができる。
【0061】
(B)上記各実施形態では、2つの異なる光電変換特性(線形特性/対数特性、或いは第1線形特性/第2線形特性)であったが、3つ以上の異なる光電変換特性であってもよい。この場合、図15に示すように、例えば3種類の光電変換特性の撮像信号、つまり第1線形特性撮像信号801、第2線形特性撮像信号802及び第3線形特性撮像信号803に対する選択部55での選択動作を行ってもよい。具体的には、これら3つの撮像信号801〜803のうちの最も感度が高い撮像信号の感度を制御する(増幅率を変化させる)とともに、残り2つの撮像信号をこの感度制御した撮像信号の増幅率(グラフ上の傾き)と一致させるようにデータ変換(LUT変換;特性変換)し、これら撮像信号に対する選択動作を行う。
【0062】
第1線形特性撮像信号804は、上記3つのうちの最も感度の高い第1線形特性撮像信
号801の増幅率を変化させてさらに感度を高めたものである。変換後線形特性撮像信号806は、第2線形特性撮像信号802及び第3線形特性撮像信号803それぞれが第1線形特性撮像信号801の線形増幅率に応じて特性変換されてなる撮像信号である。また、変換後線形特性撮像信号805は、第2線形特性撮像信号802及び第3線形特性撮像信号803それぞれが、第1線形特性撮像信号804の線形増幅率に応じて特性変換されてなる撮像信号である。
【0063】
この場合も同様に、低感度時には、変曲点レベル(低感度時変曲点照度)を境として、第1線形特性撮像信号801と、変換後線形特性撮像信号806における変曲点レベルからDRの最大値までの撮像信号とが選択される。高感度時には、変曲点レベル(高感度時変曲点照度)を境として、第1線形特性撮像信号804と、変換後線形特性撮像信号805における変曲点レベルからDRの最大値までの撮像信号とが選択される。選択された各撮像信号は選択部551で合成されて出力される。なお、これを上記第1の実施形態に適用した場合、当該3つの光電変換特性に対応して水平走査部或いは増幅器が3つ必要となり、一方、第2の実施形態に適用した場合、3フレームに亘って異なる特性での露光及び撮像信号の出力が行われる構成が必要となる。また、異なる光電変換特性が4つ以上の場合も同様、最高感度の光電変換特性の撮像信号に対してのみ増幅率を変化させ、残りの光電変換特性はこの最高感度の光電変換特性の増幅率に応じてデータ変換し、これら撮像信号に対する選択動作を行うようにすればよい。
【0064】
(C)3つ以上の異なる光電変換特性、例えば上記変形態様(B)に示すように3種類の線形特性すなわち第1〜第3線形特性(図15参照)で撮像し、所定の増幅率算出部で算出した線形増幅率を用いて、画像生成後に最も高輝度の画像を表す撮像信号(最も感度が低い第3線形特性撮像信号)以外の撮像信号(低輝度側の2つの線形特性撮像信号;第3線形特性撮像信号よりも感度が高い第1線形特性撮像信号及び第2線形特性撮像信号)の増幅率を制御する構成であってもよい。ただし、この場合、線形増幅率は、第1線形特性撮像信号及び/又は第2線形特性撮像信号に基づいて算出される。また、この場合、第3線形特性撮像信号は、上記と同様、これら増幅率制御がなされる第1線形特性撮像信号及び第2線形特性撮像信号それぞれの増幅率と一致するようにデータ変換される。
【0065】
このように、上記増幅率制御手段によって、各光電変換特性の撮像信号に基づいて算出された各光電変換特性の撮像信号に対する増幅率を用いて、画像生成後に最も高輝度の画像を表す撮像信号以外の撮像信号の増幅率が制御されるので、当該増幅された画像生成後に最も高輝度の画像を表す撮像信号以外の撮像信号(低輝度側の撮像信号)と、これ以外の増幅されていない撮像信号(最も高輝度或いは最も低感度の撮像信号)とを合成して画像を生成するようにすることで、DRを変化させることなく撮像感度制御することが可能となる。
【0066】
(D)上記各実施形態では増幅器が撮像センサ3(3a)内に設けられているが、撮像センサ3の外部に設けられていてもよい。また、上記各実施形態ではA/D変換部4が撮像センサ3の外部に設けられているが、撮像センサ3内(例えば垂直出力回路350、360内)に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 デジタルカメラ(撮像装置)
3、3a 撮像センサ(撮像素子)
31 画素部
311 画素
32 垂直走査回路
33 第1水平走査回路
34 第2水平走査回路
35 第1読出し回路
36 第2読出し回路
330 第1水平走査部
340 第2水平走査部
330a 水平走査部
350、360 垂直出力回路
354、364 アンプ(増幅手段)
371 第1増幅器(増幅手段)
372 第2増幅器(増幅手段)
373 増幅器(増幅手段)
380、380a センサ制御部
383 増幅率制御部
4 A/D変換部
5、5a 画像処理部
51 第1特性用画像処理部(増幅率制御手段)
52 第2特性用画像処理部(増幅率制御手段)
53 第1特性増幅率算出部(増幅率制御手段)
54 第2特性増幅率算出部(増幅率制御手段)
55 合成部(画像生成手段)
512 評価値算出部(増幅率制御手段)
513 メモリ
522 特性変換部
541 増幅率算出部(増幅率制御手段)
551 選択部(画像生成手段)
552 比較部(画像生成手段)
6 主制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
線形特性と対数特性との異なる光電変換特性を有し、該各光電変換特性の撮像信号を個別にアナログ信号で出力可能に構成された撮像素子と、
前記撮像素子から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換手段により変換されたデジタル信号のうち、前記線形特性の撮像信号に対応するデジタル信号が入力され、入力されたデジタル信号における前記線形特性での撮像に特有の固定パターンノイズを除去する線形特性用ノイズキャンセル手段と、
前記A/D変換手段により変換されたデジタル信号のうち、前記対数特性の撮像信号に対応するデジタル信号が入力され、入力されたデジタル信号における前記対数特性での撮像に特有の固定パターンノイズを除去する対数特性用ノイズキャンセル手段と、
前記線形特性用ノイズキャンセル手段によって前記線形特性での撮像に特有の固定パターンノイズが除去された撮像信号と前記対数特性用ノイズキャンセル手段によって前記対数特性での撮像に特有の固定パターンノイズが除去された撮像信号とを合成して画像を生成する画像生成手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記各光電変換特性の撮像信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅手段における前記各光電変換特性の撮像信号に対する増幅率を前記光電変換特性毎に個別に制御する増幅率制御手段とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記増幅率制御手段は、
前記線形特性の撮像信号に対する増幅率を該線形特性の撮像信号に基づいて算出し、該算出した増幅率を用いて、前記画像生成後に前記線形特性の撮像信号のみの増幅率を制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記画像生成手段は、
前記増幅率が制御された前記線形特性の撮像信号である第1撮像信号と、前記対数特性の撮像信号が前記増幅率制御手段によって算出した前記増幅率に応じてデータ変換されてなる第2撮像信号とから、所定信号レベル以下の前記第1撮像信号と該信号レベルより高いレベルの第2撮像信号とを選択し、該選択した第1及び第2撮像信号を合成して画像を生成することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−235534(P2012−235534A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−184098(P2012−184098)
【出願日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【分割の表示】特願2007−106388(P2007−106388)の分割
【原出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】