操作機能選択装置および操作機能選択方法
【課題】複数の操作機能から所望の操作機能を抽出する従来の方法では、使用者にとって手順が煩雑であり、コード系列により抽出する方法では手順は単純化されるものの、使用者がコード系列を正しく記憶していなければならない。本発明は、この問題を解決し、容易で且つ迅速な操作機能抽出が可能な操作機能選択装置の提供を目的とした。
【解決手段】複数の操作機能の中から所望の操作機能を選択抽出する際に使用される選択肢の流れを、少数選択肢によるグループ毎の階層に分類し、かつ、各操作機能に対応したコード系列も併用可能とし、かつ、使用者がコード系列を忘れた場合、これを想起するための補助手段として表示されている各操作機能の近辺に、当該操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で、いわゆるサブリミナル効果を利用して表示する構成とした。
【解決手段】複数の操作機能の中から所望の操作機能を選択抽出する際に使用される選択肢の流れを、少数選択肢によるグループ毎の階層に分類し、かつ、各操作機能に対応したコード系列も併用可能とし、かつ、使用者がコード系列を忘れた場合、これを想起するための補助手段として表示されている各操作機能の近辺に、当該操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で、いわゆるサブリミナル効果を利用して表示する構成とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器を運転席等車内の特定の場所において、ディスプレイ画面を見ながら所望の操作機能に順次絞り込むための操作機能選択装置に係る。
【背景技術】
【0002】
複数の車載機器の制御を車内の特定の場所で集中的に行い、所望の操作機能に順次絞り込む操作を行うために階層化メニュが良く用いられる。この階層化メニュは、一度に提示される選択肢の項目の数が限定されるため、初心者にとって操作がわかりやすい反面、慣れた使用者にとっては、複数回の選択肢の視認及び操作の繰り返しが煩わしいという問題がある。
【0003】
この問題を解決する方策として、例えば下記「特許文献1」に記載のように、携帯電話等において、各階層における選択肢に数字をコードとして割り当て、所望の操作機能を選択するための一連の選択を、10キーによるコード系列の入力により可能とする「ダイレクト・キー入力」という手法が用いられている。これは、所望の操作機能に対応するコード系列を記憶していれば、選択操作毎にメニュ画面を確認せずとも、コード系列の連続入力により操作が完了するため、操作時間が短縮されるというメリットがあるが、そのためには、一方では、使用者がこのコード系列を正しく記憶していなければならない。
【0004】
【特許文献1】特許第3235577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コード系列の記憶を正しく継続的に保持することは容易ではなく、一旦コード系列を記憶したとしても、時間の経過と共に、コード系列を忘れてしまい、結局、選択肢を毎回確認しながらの入力方法に戻ってしまうという問題があった。
このような問題は、特に車載機器に対する動作の選択および制御のための入力装置のように、操作の高速性が要求されるシステムでは重要となって来る。本発明では、一旦記憶したコード系列の忘却を防止し、コード系列の使用により操作入力を高速で行うことを可能にし、結果として、操作性を向上させる装置および方法の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明においては、複数の機器のそれぞれが有する操作機能の中から所望の操作機能を選択抽出する際に、操作機能を順次辿り所望の操作機能に到達する方法と、各操作機能に対応したコード系列を使用者は記憶しておき、その記憶に従って所望の機能に到達する方法との両者併用を可能とした。さらに、使用者がコード系列の数字あるいは記号等を忘却する可能性も考慮し、使用者が当該操作機能に対してコード系列を忘却したか否かを判定する手段と、忘却した場合連想的に想起するのを手助けするために、表示されている各操作機能の近辺に、当該操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で、いわゆるサブリミナル効果を利用して表示する構成とした。なお、ここで閾下知覚とは、使用者が表示画面を知覚することが出来る最小限界以下の時間長を意味するもので、1回当り極めて短い提示時間を意味している。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、コード入力識別手段とコード入力忘却推定手段とにより、過去にコード入力が行われており、現在、忘却していると推定される操作機能に対応するコード系列を、メニュの第1階層において、閾下知覚の範囲で表示手段に表示する装置としている。このため、使用者が所望の操作機能に対応するコード入力の経験があり、かつ所望の操作を行うコードを忘却しているとしても、操作を開始する際、後述のサブリミナル効果により、当該コード系列を想起しやすくなる。これにより、コード系列が想起された場合は、コード入力による素早い操作入力が可能となる。
一方で、使用者が所望の操作機能に対応するコード入力を確実に記憶している場合や、過去にコード入力を行ったことがなく、選択肢を毎回確認しながら操作を実施しようとしている場合は、表示されるコード系列は、不要の表示となるが、閾下知覚の範囲で表示されているため、煩わしさを感じさせることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図9は、本発明の第1の実施形態を示す図である。本実施の形態では、車両に搭載されるナビゲーション機能及び電話、電報と電気通信サービスを含む各種情報通信を行うテレマティクス機能を有する情報端末を例として、入力手段としてのステアリングホイール上に設置されたプッシュ式のファンクションスイッチ402により、出力手段としてのセンターディスプレイ407上に提示される表形式の階層化メニュを操作することにより、所望の操作機能を選択する形式をとり、更に、各メニュ階層における選択肢にコードが割り振られ、使用者が操作機能に対応するこれらコードの系列を頼りに入力することが可能となっている入力装置において、使用者が一旦記憶したコード系列を忘れにくくする方法について説明する。
【0009】
入力装置の構成を図1に、装置の外観を図2に示す。入力手段401は、階層化メニュを選択するためのファンクションスイッチ402と、図2に示す一つ上の階層に戻るBACKスイッチ503および階層化メニュを起動し、最上位の操作メニュを呼び出す
MENUスイッチ502を含む階層操作スイッチ403とから構成されている。これらのスイッチは、図2に示すように、ステアリングホイール505上に配置される。ファンクションスイッチ402は、4つのキーから成り、その下に、MENUスイッチ502、表示画面を1駒戻すBACKスイッチ503を配置する。これらのスイッチは、何れもプッシュ式スイッチであり、押下動作によるスイッチの導通により、信号が階層化メニュ制御演算部405に出力される。
【0010】
階層化メニュ制御手段である階層化メニュ制御演算部405は、操作機能を選択するための階層化メニュの木構造(図5参照;ツリー構造)を内部に保持し、入力手段401の各スイッチから入力される信号により、提示する操作メニュを順次選択して切り替え、出力手段であるセンターディスプレイ407に操作メニュ画面映像を出力すると共に、最終的な操作機能が選択された際には、該当する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部406に出力する。
【0011】
また、階層化メニュ制御演算部405は、内部に、使用者がコード系列を頼りに入力したか否かを判定するコード入力識別演算処理と、過去にコード入力が行われ、現在、忘却しているか否かを推定するコード入力忘却推定演算処理とを含み、メニュの第1階層が表示される場合に、センターディスプレイ407に、忘却したと推定された系列を閾下知覚の範囲で表示するよう重畳画面映像を出力する機能も有する。各処理の具体的な方法については、後述する。
【0012】
機能処理演算部406は、階層化メニュ制御演算部405から入力される指示信号に基づき、該当する機能の処理(具体的には、ナビゲーションのルート探索、メールの送受信等)を実施し、結果をセンターディスプレイ407に出力する。
【0013】
階層化メニュ制御演算部405と機能処理演算部406は、具体的には、入出力回路、記憶装置、演算装置、映像発生装置を備えた制御装置404の構成要素であり、各々はソフトウェアとして制御装置404に実装されている。
【0014】
制御装置404は、車両のインストルメントパネルの収納スペースに設置されている。出力手段であるセンターディスプレイ407は、図2のように、車両のインストルメントパネル中央504に設置されている。入力装置としては、入力手段401と、階層化メニュ制御演算部405と、センターディスプレイ407で構成されるが(図1の実線で囲まれたブロック)、システムとしては、機能処理演算部406を含めた構成となる。
【0015】
次に、入力手段401の外観の詳細、及び階層化メニュ制御演算部405が出力する操作メニュ画面の選択肢の表記について説明する。操作メニュ画面は、図3に示すように、選択肢を表形式に配置した画面とし、各選択肢には、各々異なるコードを付加する。コードは、図3aに示すように数字(1,2,3,4)、図3bに示すように文字(A,B,C,D)、図3cに示すように記号(○、×、△、□)等、何れの表示方法を使用しても良い。
【0016】
一方、入力手段401は、図4に示すように、操作メニュ画面(図3)に表示される選択肢と一対一に対応するキーを有するファンクションスイッチ402と、MENUスイッチ502、BACKスイッチ503から成り、ファンクションスイッチ402の各キーには、操作メニュ画面に表示されているコードと同等の表示を行う。図4の(a)〜(c)は、図3の(a)〜(c)に各々対応している。
【0017】
次に、実際の操作の流れと、操作メニュ画面(図3)の遷移について説明する。ここでは、操作メニュ画面の選択肢及びファンクションスイッチ501に付加されるコードは、数字とした例(図3a、図4a)で説明する。階層化メニュ制御演算部405は、例えば、図5に示すような木構造の階層化メニュの遷移ロジックを内部に保持している。まず、MENUスイッチ502が押下されると、第1階層の操作メニュとして4つの選択肢をセンタディスプレイ407に出力する(図6a)。
【0018】
仮に、使用者が、ナビゲーション機能を使って、自宅を目的地に設定しようとしている場合、使用者は、第1階層の4つの選択肢から、「ナビゲーション」を選択するため、対応するファンクションスイッチ402の左上のキー(1)を押下する。これにより、階層化メニュ制御演算部405は、第2階層の操作メニュをセンタディスプレイ407に出力する(図6b)。このとき、操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層で選択された選択肢のコード「1」901と、選択肢の名称「ナビゲーション」902とを表示する。次に、使用者は、第2階層の4つの選択肢から、「行き先設定」を選択するため、対応するファンクションスイッチ502の右上のキー「2」を押下すると、階層化メニュ制御演算部405は第3階層の操作メニュをセンタディスプレイ407に出力する(図6c)。このとき、操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層、第2階層で選択された選択肢のコードの列「12」903と、選択肢の名称の列「ナビゲーション>行き先設定」904を表示する。次に、使用者は、第3階層の4つの選択肢から、「自宅」を選択するため、対応するファンクションスイッチの左上のキー「1」を押下すると、階層化メニュ制御演算部405は、最終的な機能が選択されたことを示す確認画面をセンタディスプレイ407に出力し(図6d)、自宅を目的地に設定する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部406に出力する。このとき、確認画面には、一連の選択履歴として、第1階層、第2階層、第3階層で選択された選択肢の列「121」905を表示する。
【0019】
次に、階層化メニュ制御演算部405に含まれている、コード入力識別演算処理の内容について、図7のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS1001において、ファンクションスイッチ402からの選択操作の有無を判定し、選択操作があった場合は、ステップS1002においてこの選択操作の操作回数の計数を行う。
【0020】
次に、ステップS1003において、選択操作が行われたメニュ階層に応じて、処理を分岐する。メニュ階層が第1階層の場合は、ステップS1004において、前記操作回数を0にリセットした上で、操作時間計測のタイマーを起動する。メニュ階層が最終階層、すなわち、最終的な操作機能が選択された場合は、ステップS1005において、タイマーを停止し、ステップS1006において、「操作時間(タイマー時間)/操作回数」により、1回操作当たりの平均操作時間を算出し、この平均操作時間が所定の閾値(T)以下の場合はコード入力、すなわち、使用者が記憶したコード系列を頼りに入力したと判定する(ステップS1007)。閾値Tの値は、1画面に表示される選択肢数に応じて変化する。本実施の形態のような4択ファンクションスイッチに対して、メニュ画面を確認しながら入力する場合には1階層当たり約1sec以上の操作時間がかかり、コード入力の場合には約0.5sec未満の操作時間となるため、T=0.7sec程度に設定しておけば、確実に、コード入力が行われたか否かを識別することが可能となる。4択ファンクションスイッチ以外の場合も、実験またはモデル検討により、閾値Tの値を容易に設定することが可能である。
【0021】
上記のように、コード入力識別手段として、一連の選択操作における総操作時間が、選択操作の回数に応じた所定の時間以内であるか否かで、使用者がコード入力を行ったか否かを識別することにより、多機能スイッチのように、選択肢を毎回確認しながら行う通常の操作入力と、コード入力とが同一の操作手段で実施される構成においても、コード入力か否かの判別が可能となり、使用者が本入力装置使用経験の有無を問わず使い勝手の良い入力装置を実現することが出来る。
【0022】
次に、階層化メニュ制御演算部405に含まれているコード入力忘却推定演算処理の内容について、図8のフローチャートに従って説明する。コード入力忘却推定演算処理は、ファンクションスイッチ402による選択操作が行われた際に起動される処理(図8a)と、処理の合間にバックグラウンドで処理される処理(図8b)の2系統のフローから構成される。
【0023】
まず、図8(a)の処理では、ファンクションスイッチ402による選択操作が行われた際、ステップS1101aにおいて、前記階層化メニュ制御演算部405におけるコード入力識別演算処理で、コード入力が行われたか否かによって処理を分岐し、コード入力が行われた場合は、ステップS1102aにおいて、該コード入力の累積回数、該コード入力が行われた日時を最終入力日時として各々メモリ領域に記録する。コード入力が行われなかった場合は、ステップS1103aにおいて、上記の選択操作において選択されたコード系列と、メモリ領域の記録とを照合し、過去にコード入力が行われた記録がある場合には、使用者は該コード系列を忘却したと判定する(ステップS1104a)。
【0024】
上記のように、コード入力忘却推定手段として、実際の操作においてコード入力が行われたか否かによって、コード入力を忘却しているか否かを判断するため、確実に使用者が当該コードを忘却したのか否かを判断することが可能となり、使用者の入力処理の効率化を図ることが出来る。
【0025】
一方、図8(b)の処理は、階層化メニュ制御演算部405の処理負荷が軽い時に、図8(a)の処理の合間にバックグラウンドで処理がされ、メモリ領域に記録されている全てのコード系列について、現在日時と最終入力日時の差分から経過時間を計算し、経過時間が所定の閾値Dを越えているか否かを判定し(ステップS1101b)、閾値Dを越えている場合には、該コード系列を忘却したと判定する(ステップS1102b)。この処理はメモリ領域内の記録に対して現在日時の移行と共に継続的に繰り返し実行される。
【0026】
以上の構成によれば、コード入力忘却推定手段として、最後にコード入力が行われてからの経過時間によってコード入力を忘却しているか否かを判断するため、コード入力の忘却を実際の操作の前に予測することが可能となり、使用者の入力処理をより効率的に実効可能となる。
【0027】
次に、忘却していると推定されたコードの表示方法について説明する。
忘却していると推定されたコードは、MENUスイッチ502が押下され、第1階層の選択肢がセンターディスプレイ407に表示(図6a)された際に、図9に示すように、各選択肢(1〜4)の近傍に、対応する忘却していると推定されたコード(第1階層が一致するコード系列)を閾下知覚の範囲で表示する。具体的には、5〜10msec程度の表示持続時間で断続的に、メニュ画面に重畳して表示する(図9で太字表示の3桁数字)。この構成によれば、メニュ画面の第1階層における選択肢の近傍に、その選択肢に含まれる操作機能の中で、忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列が表示されるため、使用者がメニュ画面を視認した際に、所望の選択肢に関連するコード系列が視野の中心に入りやすくなり、忘却したと推定されたコードの想起を容易にし、以後の処理を迅速に行うことが出来るようになる。
また、忘却していると推定されたコードに対して第1階層で同じ複数のコード系列が存在する場合は、メモリに記憶されている各々のコード入力回数から、最も入力回数が多いコード系列のみを先述の方法で表示する。この構成によれば、メニュ画面の第1階層における選択肢に対して同一の複数の忘却していると推定されたコード系列が存在する場合は、過去の累積操作回数の最も多いコード系列のみを表示するため、確率的に、所望の操作機能に対応するコード系列に一致する可能性が高く、実用的である上に、後述の活性化拡散効果により、表示していない他の忘却していると推定されたコードをも連想的に想起できる可能性があり、以後の処理を迅速に行うことが出来るようになる。
【0028】
以上の構成及び動作により、使用者が過去にコード入力を行ったにも拘わらず、該コード系列を忘れてしまっている場合でも、メニュ操作を開始する第1階層において、忘れてしまったと考えられるコード系列が閾下知覚の範囲で表示されるため、サブリミナル効果により、該コード系列を想起しやすくなる。特に、所望の選択肢の近傍に、対応する忘却したと推定されたが表示されるため、一層想起されやすくなる。また、コード系列が、想起したいコード系列と異なる場合でも、活性化拡散の効果により、正しいコードが想起されることも期待される。更に、所望の操作機能に対応するコード系列を記憶していない場合や、明確に記憶している場合は、忘却したと推定されたの表示が不要となるが、閾下知覚の範囲で表示されるため、意識に上ることはなく、煩わしさを感じさせることがない。以上より、使用者が一旦コード入力を記憶すれば、コードを忘れにくくなり、高速な操作入力が可能なコード入力を行う機会が増え、操作性が向上する。特に、車両用入力装置では、安心感の向上につながる。
【0029】
なお、上記サブリミナル効果および活性化拡散の効果については以下のように説明することが出来る。
サブリミナル効果は、観察者の意識に上らない刺激が、観察者の認知、判断に影響を及ぼす効果であり、記憶を想起しやすくする効果も実験的に確かめられている。例えば、Pentland(2002)によれば、被験者に、人の顔写真と名前を一対で記憶させた後、顔写真から名前を想起させる課題を行った。ここで、想起させる際に、閾下知覚の範囲で名前を表示したところ、表示しない場合に比べて、正しく想起できる被験者が有意差をもって増えたと報告している。
【0030】
更に、注目すべきは、想起過程で閾下知覚の範囲で表示する名前を、正解とは異なる他の顔写真の名前で表示した際においても、正しく想起できる被験者が増えたということである。これは、Collins & Loftus,(1975)によって提唱された活性化拡散モデルにより説明できる。活性化拡散モデルは、まず人の記憶構造を図16に示すようなネットワーク構造で記述し、意味の近いものは空間的に近くに、遠いものは遠くに配置しておく。ここで、サブリミナル効果により、或るノードに記載された項目に対応する記憶が活性化されると、活性化は、リンクを伝わって意味的に近い概念ノードへと広がっていく。従って、先述の顔写真の例では、同時期に記憶した複数の名前が、ネットワーク構造における近い位置に記憶されていると考えられ、正解とは異なる名前が表示されても、近隣の記憶が活性化され、正解の名前が想起しやすくなったと考えられる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図10〜図15は、本発明による第2の実施の形態を示す図である。本第2の実施の形態では、第1の実施の形態同様、車両に搭載されるナビゲーション機能及びテレマティクス機能を有する情報端末を例としている。すなわち、第1の入力手段としてはインストルメントパネル上に設置された回転式のスイッチ(以下、ロータリスイッチ1302と記載)を用い、出力手段としてのセンターディスプレイ1308上に提示されるリスト形式の階層化メニュを操作し、所望の操作機能を選択する形式を基本としている。第2の入力手段としての10キーボードよるコード入力も可能であり、更には、第2の表示手段としてヘッドアップディスプレイ(HUD)を備えた入力装置において、使用者が一旦記憶したコード系列を忘れにくくする方法について説明する。
【0032】
入力装置の構成を図10に、装置の外観を図11に示す。図10において、第1の入力手段1301は、リスト形式の階層化メニュを選択するためのロータリスイッチ1302および、一つ上の階層に戻るBACKスイッチ1403と、階層化メニュを起動し、最上位の操作メニュを呼び出すMENUスイッチ1402とから成る階層操作スイッチ1303で構成されている。これらのスイッチは、図11の通り、インストルメントパネル上に配置される(ロータリスイッチ1302、MENUスイッチ1402、BACKスイッチ1403)。これらのスイッチの拡大図は、図12の通り(図12a;平面図、図12b;鳥瞰図)であり、ロータリスイッチ1302の下に、プッシュ式のMENUスイッチ1402及びBACKスイッチ1403を配置する。ロータリスイッチ1302は、図12(b)に示す矢印方向に動作し、表示しているリストの上下およびカーソル移動操作となる左右の回転動作、並びにカーソルが当たっている選択肢の決定操作となる押し込み動作から成る。回転動作には、クリック感が付与され、1クリックにつき、カーソルが1つ移動するようになっている。
【0033】
第2の入力手段である10キーボード1304は、図12(a)に示すように、MENUスイッチ1402およびBACKスイッチ1403の下に設置され、各キーを押下することで数字が入力される。第1の入力手段1301、第2の入力手段1304とも、スイッチの導通による信号が階層化メニュ制御演算部1306に出力される。
【0034】
制御装置1305と、その構成要素である階層化メニュ制御演算部1306、機能処理演算部1307、表示手段であるセンタディスプレイ1308については、第1の実施の形態と基本的に同様の構成及び機能である。但し、階層化メニュ制御演算部1306に含まれるコード入力識別演算処理と、忘却していると推定されたコード系列を閾下知覚の範囲で表示するための処理は、処理内容が変更となる。変更部分については、後述する。
更に第2の表示手段であるHUD1309は、忘却していると推定されたコードを閾下知覚の範囲で表示するために使用される。HUD1309の表示面1405は、図11に示すように、フロント・ガラスの運手席前方に設置されている。
上記構成によれば、車両用入力装置において、ヘッドアップディスプレイに忘却したと推定されたコード系列が表示されるため、運転中のメニュ操作を前方注視の状態で実行できるため、車載記制御を容易に且つ安全に行うことが出来、使用者安心感を向上させることができる。
入力装置としては、図10の実線で囲まれたブロック部分で示すように、第1の入力手段1301と、第2の入力手段1304と、階層化メニュ制御演算部1306と、センターディスプレイ1308
、HUD1309とで構成されるが、システムとしては、機能処理演算部1307を含めた構成となる。
【0035】
次に、階層化メニュ制御演算部1306が出力する操作メニュ画面の選択肢の表記について説明する。操作メニュ画面は、図13に示すように、選択肢をリスト形式に配置した画面とする。この画面において、ロータリスイッチの左右回転によりカーソル(選択肢周囲部分の強調表示)1601が移動し、ロータリスイッチを押し込むことで、カーソル1601が当たっている選択肢が決定される。各選択肢には、各々異なるコード(図13においては数字1〜4)を付加する。コードは、本来、数字、文字あるいはと記号の何れとしてもよいが、本実施の形態では第2の入力手段が10キーボードであることに対応して、数字によるコードを付加している。
【0036】
次に、第1の入力手段1301による実際の操作の流れと、操作メニュ画面の遷移について説明する。階層化メニュ制御演算部1306は、第1の実施の形態同様、図5に示したような木構造(ツリー構造)の階層化メニュの遷移ロジックを内部に保持しているとする。
【0037】
まず、MENUスイッチ1502が押下されると、第1階層の操作メニュとして図13(a)に示す4つの選択肢がセンタディスプレ1308に出力される。仮に、使用者が、ナビゲーション機能を使って、自宅を目的地に設定しようとしている場合、使用者は、第1階層の4つの選択肢から、「2 ナビゲーション」を選択するため、ロータリィスイッチ1302を押下する。この操作により、階層化メニュ制御演算部1306は、第2階層の操作メニュ(本例では「ナビゲーション」)をセンタディスプレイ1308に出力する。このとき、図13(b)に示すように操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層で選択された選択肢のコード「1」1602と、選択肢の名称「ナビゲーション」1603とを表示する。
【0038】
次に、使用者は、第2階層の4つの選択肢から、「行き先設定」を選択するため、ロータリスイッチ1302を右方に回転する。この操作により、階層化メニュ制御演算部1306は、図13(c)に示すようにカーソル1601を一つ下に移動させた画面をセンタディスプレイ1308に出力する。さらに、使用者が、ロータリスイッチ1302を押し込むと、階層化メニュ制御演算部1306は、図13(d)に示す第3階層の操作メニュをセンタディスプレイ1308に出力する。このとき、操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層、第2階層で選択された選択肢のコードの列「12」1604と、選択肢の名称の列「ナビゲーション>行き先設定」1605を表示する。
【0039】
次に、使用者は、第3階層の4つの選択肢から、「自宅」を選択するため、ロータリスイッチ1302を押し込む。この操作により、階層化メニュ制御演算部1306は、図13(e)に示す最終的な機能が選択されたことを示す確認画面をセンタディスプレイ1308に出力し、自宅を目的地に設定する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部1307に出力する。このとき、図13(e)に示す確認画面には、一連の選択履歴として、第1階層、第2階層、第3階層で選択された選択肢の列「121」1606を表示する。
【0040】
次に、第2の入力手段による操作の流れと、操作メニュ画面について説明する。
第1の入力手段同様、MENUスイッチ1402を押下すると、図13(a)に示す第1階層の操作メニュが出力される。この状態で、10キーボード1304から、コード列となる数字列を連続入力する。例えば「121」と入力すると、階層化メニュ制御演算部1306は、「121」のコード列に対応する機能(ここでは、自宅を目的地に設定する)が選択されたことを示す確認画面(図13(e)参照)に示すをセンタディスプレイ1308に出力し、「自宅」を目的地に設定する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部1307に出力する。
【0041】
次に、階層化メニュ制御演算部1306に含まれている、コード入力識別演算処理の内容について、図14のフロー図に従って説明する。
まず、ステップS1701において、階層化メニュにおける選択操作の有無を判定し、選択操作があった場合は、ステップS1702において、第2の入力手段である10キーボード1304からの入力であったか否かを判定し、10キーボード1304からの入力であった場合は、コード入力が行われたと判定する(ステップS1703)。以上の構成により、コード入力専用の第2の操作入力手段を備え、この第2の操作入力の有無によって、選択操作としてコード入力が行われた否かを判別するため、以後の処理を効率的に実行することが出来るようになる。
【0042】
階層化メニュ制御演算部1306に含まれている、コード入力忘却推定演算処理の内容については、第1の実施の形態と同様である。
次に、忘却したと推定されたコードの表示方法について説明する。
忘却したと推定されたコードは、MENUスイッチ1402が押下され、第1階層の選択肢がセンターディスプレイ1308に表示された際に、図15(a)のように、各選択肢(1 ナビゲーション、2 インフォメーション、3 コミュニケーション、4 オーディオ)の近傍に、対応する忘却したと推定されたコード(第1階層が一致するコード系列;例えば124、233、341、442等)を閾下知覚の範囲で表示する。具体的には、5〜10msec程度の表示持続時間で断続的に、メニュ画面に重畳して表示する。また、忘却したと推定されたコードにおいて第1階層が同じ複数のコード系列が存在する場合は、メモリに記憶されている各々のコード入力回数から、最も入力回数が多いコード系列のみを前記の方法で表示する。更に、第2の表示手段であるHUD1309上にも、図15(b)のように、センターディスプレイ1308の第1階層の選択肢リストに対応する並びで忘却したと推定されたコード(第1階層が一致するコード系列)を閾下知覚の範囲で表示する。具体的には、5〜10msec程度の表示持続時間で断続的に表示する。
【0043】
以上の構成、及び動作により、基本的には第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、HUD1309上にも、忘却したと推定されたコードが表示されるため、走行中のメニュ操作において、運転者が前方とセンターディスプレイを交互に視認する状態でも、忘却したと推定されたコードの表示が視野に入りやすくなり、所望の操作機能に対応するコード系列をより想起しやすくなり、高速なコード入力が可能となり、結果として操作性の向上、使用者の安心感の向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施の形態における入力装置の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態における入力装置の外観図。
【図3】第1の実施の形態における操作メニュ画面例を示す選択肢配置図。
【図4】第1の実施の形態における操作端末スイッチの例を示す配置図。
【図5】第1、第2の実施の形態における階層化メニュの例を示す木構造図。
【図6】第1の実施の形態における操作メニュ画面の遷移図。
【図7】第1の実施の形態におけるコード入力識別演算処理の処理フロー図。
【図8】第1、第2の実施の形態におけるコード入力忘却推定演算処理の処理フロー図で、(a)はファンクションスイッチによる選択操作が行われた場合、(b)はバックグランドで処理を行う場合の処理フロー図。
【図9】第1の実施の形態における忘却したと推定されたコードの表示方法を示す画面構成図。
【図10】第2の実施の形態における入力装置の構成を示すブロック図。
【図11】第2の実施の形態における入力装置の外観図。
【図12】第2の実施の形態における入力装置の拡大外観図で、(a)は各選択スイッチの平面配置図、(b)はロータリスイッチ部の鳥瞰図。
【図13】第2の実施の形態における操作メニュ画面の遷移図。
【図14】第2の実施の形態におけるコード入力識別演算処理の処理フロー図。
【図15】第2の実施の形態における忘却したと推定されたコードの表示方法を示す画面構成図。
【図16】記憶の活性化拡散モデルの記憶構造図。
【符号の説明】
【0045】
401:入力手段
402:ファンクションスイッチ
403、1303:階層操作スイッチ
404、1305:制御装置
405、1306:階層化メニュ制御演算部
406、1307:機能処理演算部
407、1308:センターディスプレイ
502、1402:MENUスイッチ
503、1403:BACKスイッチ
504:ステアリングホイール
901、1602:選択肢のコード(第1階層)
902、1603:選択肢の名称(第1階層)
903、1604:選択肢のコード(第1および第2階層)
904、1605:選択肢の名称(第1および第2階層)
905、1606:選択肢のコード(第1、第2および第3階層)
1301:第1の入力手段
1302:ロータリスイッチ
1304:第2の入力手段(10キーボード)
1305:制御装置
1309:ヘッドアップディスプレイ(HUD)
1405:HUD表示面
1601:カーソル
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載機器を運転席等車内の特定の場所において、ディスプレイ画面を見ながら所望の操作機能に順次絞り込むための操作機能選択装置に係る。
【背景技術】
【0002】
複数の車載機器の制御を車内の特定の場所で集中的に行い、所望の操作機能に順次絞り込む操作を行うために階層化メニュが良く用いられる。この階層化メニュは、一度に提示される選択肢の項目の数が限定されるため、初心者にとって操作がわかりやすい反面、慣れた使用者にとっては、複数回の選択肢の視認及び操作の繰り返しが煩わしいという問題がある。
【0003】
この問題を解決する方策として、例えば下記「特許文献1」に記載のように、携帯電話等において、各階層における選択肢に数字をコードとして割り当て、所望の操作機能を選択するための一連の選択を、10キーによるコード系列の入力により可能とする「ダイレクト・キー入力」という手法が用いられている。これは、所望の操作機能に対応するコード系列を記憶していれば、選択操作毎にメニュ画面を確認せずとも、コード系列の連続入力により操作が完了するため、操作時間が短縮されるというメリットがあるが、そのためには、一方では、使用者がこのコード系列を正しく記憶していなければならない。
【0004】
【特許文献1】特許第3235577号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、コード系列の記憶を正しく継続的に保持することは容易ではなく、一旦コード系列を記憶したとしても、時間の経過と共に、コード系列を忘れてしまい、結局、選択肢を毎回確認しながらの入力方法に戻ってしまうという問題があった。
このような問題は、特に車載機器に対する動作の選択および制御のための入力装置のように、操作の高速性が要求されるシステムでは重要となって来る。本発明では、一旦記憶したコード系列の忘却を防止し、コード系列の使用により操作入力を高速で行うことを可能にし、結果として、操作性を向上させる装置および方法の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明においては、複数の機器のそれぞれが有する操作機能の中から所望の操作機能を選択抽出する際に、操作機能を順次辿り所望の操作機能に到達する方法と、各操作機能に対応したコード系列を使用者は記憶しておき、その記憶に従って所望の機能に到達する方法との両者併用を可能とした。さらに、使用者がコード系列の数字あるいは記号等を忘却する可能性も考慮し、使用者が当該操作機能に対してコード系列を忘却したか否かを判定する手段と、忘却した場合連想的に想起するのを手助けするために、表示されている各操作機能の近辺に、当該操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で、いわゆるサブリミナル効果を利用して表示する構成とした。なお、ここで閾下知覚とは、使用者が表示画面を知覚することが出来る最小限界以下の時間長を意味するもので、1回当り極めて短い提示時間を意味している。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、コード入力識別手段とコード入力忘却推定手段とにより、過去にコード入力が行われており、現在、忘却していると推定される操作機能に対応するコード系列を、メニュの第1階層において、閾下知覚の範囲で表示手段に表示する装置としている。このため、使用者が所望の操作機能に対応するコード入力の経験があり、かつ所望の操作を行うコードを忘却しているとしても、操作を開始する際、後述のサブリミナル効果により、当該コード系列を想起しやすくなる。これにより、コード系列が想起された場合は、コード入力による素早い操作入力が可能となる。
一方で、使用者が所望の操作機能に対応するコード入力を確実に記憶している場合や、過去にコード入力を行ったことがなく、選択肢を毎回確認しながら操作を実施しようとしている場合は、表示されるコード系列は、不要の表示となるが、閾下知覚の範囲で表示されているため、煩わしさを感じさせることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図9は、本発明の第1の実施形態を示す図である。本実施の形態では、車両に搭載されるナビゲーション機能及び電話、電報と電気通信サービスを含む各種情報通信を行うテレマティクス機能を有する情報端末を例として、入力手段としてのステアリングホイール上に設置されたプッシュ式のファンクションスイッチ402により、出力手段としてのセンターディスプレイ407上に提示される表形式の階層化メニュを操作することにより、所望の操作機能を選択する形式をとり、更に、各メニュ階層における選択肢にコードが割り振られ、使用者が操作機能に対応するこれらコードの系列を頼りに入力することが可能となっている入力装置において、使用者が一旦記憶したコード系列を忘れにくくする方法について説明する。
【0009】
入力装置の構成を図1に、装置の外観を図2に示す。入力手段401は、階層化メニュを選択するためのファンクションスイッチ402と、図2に示す一つ上の階層に戻るBACKスイッチ503および階層化メニュを起動し、最上位の操作メニュを呼び出す
MENUスイッチ502を含む階層操作スイッチ403とから構成されている。これらのスイッチは、図2に示すように、ステアリングホイール505上に配置される。ファンクションスイッチ402は、4つのキーから成り、その下に、MENUスイッチ502、表示画面を1駒戻すBACKスイッチ503を配置する。これらのスイッチは、何れもプッシュ式スイッチであり、押下動作によるスイッチの導通により、信号が階層化メニュ制御演算部405に出力される。
【0010】
階層化メニュ制御手段である階層化メニュ制御演算部405は、操作機能を選択するための階層化メニュの木構造(図5参照;ツリー構造)を内部に保持し、入力手段401の各スイッチから入力される信号により、提示する操作メニュを順次選択して切り替え、出力手段であるセンターディスプレイ407に操作メニュ画面映像を出力すると共に、最終的な操作機能が選択された際には、該当する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部406に出力する。
【0011】
また、階層化メニュ制御演算部405は、内部に、使用者がコード系列を頼りに入力したか否かを判定するコード入力識別演算処理と、過去にコード入力が行われ、現在、忘却しているか否かを推定するコード入力忘却推定演算処理とを含み、メニュの第1階層が表示される場合に、センターディスプレイ407に、忘却したと推定された系列を閾下知覚の範囲で表示するよう重畳画面映像を出力する機能も有する。各処理の具体的な方法については、後述する。
【0012】
機能処理演算部406は、階層化メニュ制御演算部405から入力される指示信号に基づき、該当する機能の処理(具体的には、ナビゲーションのルート探索、メールの送受信等)を実施し、結果をセンターディスプレイ407に出力する。
【0013】
階層化メニュ制御演算部405と機能処理演算部406は、具体的には、入出力回路、記憶装置、演算装置、映像発生装置を備えた制御装置404の構成要素であり、各々はソフトウェアとして制御装置404に実装されている。
【0014】
制御装置404は、車両のインストルメントパネルの収納スペースに設置されている。出力手段であるセンターディスプレイ407は、図2のように、車両のインストルメントパネル中央504に設置されている。入力装置としては、入力手段401と、階層化メニュ制御演算部405と、センターディスプレイ407で構成されるが(図1の実線で囲まれたブロック)、システムとしては、機能処理演算部406を含めた構成となる。
【0015】
次に、入力手段401の外観の詳細、及び階層化メニュ制御演算部405が出力する操作メニュ画面の選択肢の表記について説明する。操作メニュ画面は、図3に示すように、選択肢を表形式に配置した画面とし、各選択肢には、各々異なるコードを付加する。コードは、図3aに示すように数字(1,2,3,4)、図3bに示すように文字(A,B,C,D)、図3cに示すように記号(○、×、△、□)等、何れの表示方法を使用しても良い。
【0016】
一方、入力手段401は、図4に示すように、操作メニュ画面(図3)に表示される選択肢と一対一に対応するキーを有するファンクションスイッチ402と、MENUスイッチ502、BACKスイッチ503から成り、ファンクションスイッチ402の各キーには、操作メニュ画面に表示されているコードと同等の表示を行う。図4の(a)〜(c)は、図3の(a)〜(c)に各々対応している。
【0017】
次に、実際の操作の流れと、操作メニュ画面(図3)の遷移について説明する。ここでは、操作メニュ画面の選択肢及びファンクションスイッチ501に付加されるコードは、数字とした例(図3a、図4a)で説明する。階層化メニュ制御演算部405は、例えば、図5に示すような木構造の階層化メニュの遷移ロジックを内部に保持している。まず、MENUスイッチ502が押下されると、第1階層の操作メニュとして4つの選択肢をセンタディスプレイ407に出力する(図6a)。
【0018】
仮に、使用者が、ナビゲーション機能を使って、自宅を目的地に設定しようとしている場合、使用者は、第1階層の4つの選択肢から、「ナビゲーション」を選択するため、対応するファンクションスイッチ402の左上のキー(1)を押下する。これにより、階層化メニュ制御演算部405は、第2階層の操作メニュをセンタディスプレイ407に出力する(図6b)。このとき、操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層で選択された選択肢のコード「1」901と、選択肢の名称「ナビゲーション」902とを表示する。次に、使用者は、第2階層の4つの選択肢から、「行き先設定」を選択するため、対応するファンクションスイッチ502の右上のキー「2」を押下すると、階層化メニュ制御演算部405は第3階層の操作メニュをセンタディスプレイ407に出力する(図6c)。このとき、操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層、第2階層で選択された選択肢のコードの列「12」903と、選択肢の名称の列「ナビゲーション>行き先設定」904を表示する。次に、使用者は、第3階層の4つの選択肢から、「自宅」を選択するため、対応するファンクションスイッチの左上のキー「1」を押下すると、階層化メニュ制御演算部405は、最終的な機能が選択されたことを示す確認画面をセンタディスプレイ407に出力し(図6d)、自宅を目的地に設定する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部406に出力する。このとき、確認画面には、一連の選択履歴として、第1階層、第2階層、第3階層で選択された選択肢の列「121」905を表示する。
【0019】
次に、階層化メニュ制御演算部405に含まれている、コード入力識別演算処理の内容について、図7のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS1001において、ファンクションスイッチ402からの選択操作の有無を判定し、選択操作があった場合は、ステップS1002においてこの選択操作の操作回数の計数を行う。
【0020】
次に、ステップS1003において、選択操作が行われたメニュ階層に応じて、処理を分岐する。メニュ階層が第1階層の場合は、ステップS1004において、前記操作回数を0にリセットした上で、操作時間計測のタイマーを起動する。メニュ階層が最終階層、すなわち、最終的な操作機能が選択された場合は、ステップS1005において、タイマーを停止し、ステップS1006において、「操作時間(タイマー時間)/操作回数」により、1回操作当たりの平均操作時間を算出し、この平均操作時間が所定の閾値(T)以下の場合はコード入力、すなわち、使用者が記憶したコード系列を頼りに入力したと判定する(ステップS1007)。閾値Tの値は、1画面に表示される選択肢数に応じて変化する。本実施の形態のような4択ファンクションスイッチに対して、メニュ画面を確認しながら入力する場合には1階層当たり約1sec以上の操作時間がかかり、コード入力の場合には約0.5sec未満の操作時間となるため、T=0.7sec程度に設定しておけば、確実に、コード入力が行われたか否かを識別することが可能となる。4択ファンクションスイッチ以外の場合も、実験またはモデル検討により、閾値Tの値を容易に設定することが可能である。
【0021】
上記のように、コード入力識別手段として、一連の選択操作における総操作時間が、選択操作の回数に応じた所定の時間以内であるか否かで、使用者がコード入力を行ったか否かを識別することにより、多機能スイッチのように、選択肢を毎回確認しながら行う通常の操作入力と、コード入力とが同一の操作手段で実施される構成においても、コード入力か否かの判別が可能となり、使用者が本入力装置使用経験の有無を問わず使い勝手の良い入力装置を実現することが出来る。
【0022】
次に、階層化メニュ制御演算部405に含まれているコード入力忘却推定演算処理の内容について、図8のフローチャートに従って説明する。コード入力忘却推定演算処理は、ファンクションスイッチ402による選択操作が行われた際に起動される処理(図8a)と、処理の合間にバックグラウンドで処理される処理(図8b)の2系統のフローから構成される。
【0023】
まず、図8(a)の処理では、ファンクションスイッチ402による選択操作が行われた際、ステップS1101aにおいて、前記階層化メニュ制御演算部405におけるコード入力識別演算処理で、コード入力が行われたか否かによって処理を分岐し、コード入力が行われた場合は、ステップS1102aにおいて、該コード入力の累積回数、該コード入力が行われた日時を最終入力日時として各々メモリ領域に記録する。コード入力が行われなかった場合は、ステップS1103aにおいて、上記の選択操作において選択されたコード系列と、メモリ領域の記録とを照合し、過去にコード入力が行われた記録がある場合には、使用者は該コード系列を忘却したと判定する(ステップS1104a)。
【0024】
上記のように、コード入力忘却推定手段として、実際の操作においてコード入力が行われたか否かによって、コード入力を忘却しているか否かを判断するため、確実に使用者が当該コードを忘却したのか否かを判断することが可能となり、使用者の入力処理の効率化を図ることが出来る。
【0025】
一方、図8(b)の処理は、階層化メニュ制御演算部405の処理負荷が軽い時に、図8(a)の処理の合間にバックグラウンドで処理がされ、メモリ領域に記録されている全てのコード系列について、現在日時と最終入力日時の差分から経過時間を計算し、経過時間が所定の閾値Dを越えているか否かを判定し(ステップS1101b)、閾値Dを越えている場合には、該コード系列を忘却したと判定する(ステップS1102b)。この処理はメモリ領域内の記録に対して現在日時の移行と共に継続的に繰り返し実行される。
【0026】
以上の構成によれば、コード入力忘却推定手段として、最後にコード入力が行われてからの経過時間によってコード入力を忘却しているか否かを判断するため、コード入力の忘却を実際の操作の前に予測することが可能となり、使用者の入力処理をより効率的に実効可能となる。
【0027】
次に、忘却していると推定されたコードの表示方法について説明する。
忘却していると推定されたコードは、MENUスイッチ502が押下され、第1階層の選択肢がセンターディスプレイ407に表示(図6a)された際に、図9に示すように、各選択肢(1〜4)の近傍に、対応する忘却していると推定されたコード(第1階層が一致するコード系列)を閾下知覚の範囲で表示する。具体的には、5〜10msec程度の表示持続時間で断続的に、メニュ画面に重畳して表示する(図9で太字表示の3桁数字)。この構成によれば、メニュ画面の第1階層における選択肢の近傍に、その選択肢に含まれる操作機能の中で、忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列が表示されるため、使用者がメニュ画面を視認した際に、所望の選択肢に関連するコード系列が視野の中心に入りやすくなり、忘却したと推定されたコードの想起を容易にし、以後の処理を迅速に行うことが出来るようになる。
また、忘却していると推定されたコードに対して第1階層で同じ複数のコード系列が存在する場合は、メモリに記憶されている各々のコード入力回数から、最も入力回数が多いコード系列のみを先述の方法で表示する。この構成によれば、メニュ画面の第1階層における選択肢に対して同一の複数の忘却していると推定されたコード系列が存在する場合は、過去の累積操作回数の最も多いコード系列のみを表示するため、確率的に、所望の操作機能に対応するコード系列に一致する可能性が高く、実用的である上に、後述の活性化拡散効果により、表示していない他の忘却していると推定されたコードをも連想的に想起できる可能性があり、以後の処理を迅速に行うことが出来るようになる。
【0028】
以上の構成及び動作により、使用者が過去にコード入力を行ったにも拘わらず、該コード系列を忘れてしまっている場合でも、メニュ操作を開始する第1階層において、忘れてしまったと考えられるコード系列が閾下知覚の範囲で表示されるため、サブリミナル効果により、該コード系列を想起しやすくなる。特に、所望の選択肢の近傍に、対応する忘却したと推定されたが表示されるため、一層想起されやすくなる。また、コード系列が、想起したいコード系列と異なる場合でも、活性化拡散の効果により、正しいコードが想起されることも期待される。更に、所望の操作機能に対応するコード系列を記憶していない場合や、明確に記憶している場合は、忘却したと推定されたの表示が不要となるが、閾下知覚の範囲で表示されるため、意識に上ることはなく、煩わしさを感じさせることがない。以上より、使用者が一旦コード入力を記憶すれば、コードを忘れにくくなり、高速な操作入力が可能なコード入力を行う機会が増え、操作性が向上する。特に、車両用入力装置では、安心感の向上につながる。
【0029】
なお、上記サブリミナル効果および活性化拡散の効果については以下のように説明することが出来る。
サブリミナル効果は、観察者の意識に上らない刺激が、観察者の認知、判断に影響を及ぼす効果であり、記憶を想起しやすくする効果も実験的に確かめられている。例えば、Pentland(2002)によれば、被験者に、人の顔写真と名前を一対で記憶させた後、顔写真から名前を想起させる課題を行った。ここで、想起させる際に、閾下知覚の範囲で名前を表示したところ、表示しない場合に比べて、正しく想起できる被験者が有意差をもって増えたと報告している。
【0030】
更に、注目すべきは、想起過程で閾下知覚の範囲で表示する名前を、正解とは異なる他の顔写真の名前で表示した際においても、正しく想起できる被験者が増えたということである。これは、Collins & Loftus,(1975)によって提唱された活性化拡散モデルにより説明できる。活性化拡散モデルは、まず人の記憶構造を図16に示すようなネットワーク構造で記述し、意味の近いものは空間的に近くに、遠いものは遠くに配置しておく。ここで、サブリミナル効果により、或るノードに記載された項目に対応する記憶が活性化されると、活性化は、リンクを伝わって意味的に近い概念ノードへと広がっていく。従って、先述の顔写真の例では、同時期に記憶した複数の名前が、ネットワーク構造における近い位置に記憶されていると考えられ、正解とは異なる名前が表示されても、近隣の記憶が活性化され、正解の名前が想起しやすくなったと考えられる。
【0031】
(第2の実施の形態)
図10〜図15は、本発明による第2の実施の形態を示す図である。本第2の実施の形態では、第1の実施の形態同様、車両に搭載されるナビゲーション機能及びテレマティクス機能を有する情報端末を例としている。すなわち、第1の入力手段としてはインストルメントパネル上に設置された回転式のスイッチ(以下、ロータリスイッチ1302と記載)を用い、出力手段としてのセンターディスプレイ1308上に提示されるリスト形式の階層化メニュを操作し、所望の操作機能を選択する形式を基本としている。第2の入力手段としての10キーボードよるコード入力も可能であり、更には、第2の表示手段としてヘッドアップディスプレイ(HUD)を備えた入力装置において、使用者が一旦記憶したコード系列を忘れにくくする方法について説明する。
【0032】
入力装置の構成を図10に、装置の外観を図11に示す。図10において、第1の入力手段1301は、リスト形式の階層化メニュを選択するためのロータリスイッチ1302および、一つ上の階層に戻るBACKスイッチ1403と、階層化メニュを起動し、最上位の操作メニュを呼び出すMENUスイッチ1402とから成る階層操作スイッチ1303で構成されている。これらのスイッチは、図11の通り、インストルメントパネル上に配置される(ロータリスイッチ1302、MENUスイッチ1402、BACKスイッチ1403)。これらのスイッチの拡大図は、図12の通り(図12a;平面図、図12b;鳥瞰図)であり、ロータリスイッチ1302の下に、プッシュ式のMENUスイッチ1402及びBACKスイッチ1403を配置する。ロータリスイッチ1302は、図12(b)に示す矢印方向に動作し、表示しているリストの上下およびカーソル移動操作となる左右の回転動作、並びにカーソルが当たっている選択肢の決定操作となる押し込み動作から成る。回転動作には、クリック感が付与され、1クリックにつき、カーソルが1つ移動するようになっている。
【0033】
第2の入力手段である10キーボード1304は、図12(a)に示すように、MENUスイッチ1402およびBACKスイッチ1403の下に設置され、各キーを押下することで数字が入力される。第1の入力手段1301、第2の入力手段1304とも、スイッチの導通による信号が階層化メニュ制御演算部1306に出力される。
【0034】
制御装置1305と、その構成要素である階層化メニュ制御演算部1306、機能処理演算部1307、表示手段であるセンタディスプレイ1308については、第1の実施の形態と基本的に同様の構成及び機能である。但し、階層化メニュ制御演算部1306に含まれるコード入力識別演算処理と、忘却していると推定されたコード系列を閾下知覚の範囲で表示するための処理は、処理内容が変更となる。変更部分については、後述する。
更に第2の表示手段であるHUD1309は、忘却していると推定されたコードを閾下知覚の範囲で表示するために使用される。HUD1309の表示面1405は、図11に示すように、フロント・ガラスの運手席前方に設置されている。
上記構成によれば、車両用入力装置において、ヘッドアップディスプレイに忘却したと推定されたコード系列が表示されるため、運転中のメニュ操作を前方注視の状態で実行できるため、車載記制御を容易に且つ安全に行うことが出来、使用者安心感を向上させることができる。
入力装置としては、図10の実線で囲まれたブロック部分で示すように、第1の入力手段1301と、第2の入力手段1304と、階層化メニュ制御演算部1306と、センターディスプレイ1308
、HUD1309とで構成されるが、システムとしては、機能処理演算部1307を含めた構成となる。
【0035】
次に、階層化メニュ制御演算部1306が出力する操作メニュ画面の選択肢の表記について説明する。操作メニュ画面は、図13に示すように、選択肢をリスト形式に配置した画面とする。この画面において、ロータリスイッチの左右回転によりカーソル(選択肢周囲部分の強調表示)1601が移動し、ロータリスイッチを押し込むことで、カーソル1601が当たっている選択肢が決定される。各選択肢には、各々異なるコード(図13においては数字1〜4)を付加する。コードは、本来、数字、文字あるいはと記号の何れとしてもよいが、本実施の形態では第2の入力手段が10キーボードであることに対応して、数字によるコードを付加している。
【0036】
次に、第1の入力手段1301による実際の操作の流れと、操作メニュ画面の遷移について説明する。階層化メニュ制御演算部1306は、第1の実施の形態同様、図5に示したような木構造(ツリー構造)の階層化メニュの遷移ロジックを内部に保持しているとする。
【0037】
まず、MENUスイッチ1502が押下されると、第1階層の操作メニュとして図13(a)に示す4つの選択肢がセンタディスプレ1308に出力される。仮に、使用者が、ナビゲーション機能を使って、自宅を目的地に設定しようとしている場合、使用者は、第1階層の4つの選択肢から、「2 ナビゲーション」を選択するため、ロータリィスイッチ1302を押下する。この操作により、階層化メニュ制御演算部1306は、第2階層の操作メニュ(本例では「ナビゲーション」)をセンタディスプレイ1308に出力する。このとき、図13(b)に示すように操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層で選択された選択肢のコード「1」1602と、選択肢の名称「ナビゲーション」1603とを表示する。
【0038】
次に、使用者は、第2階層の4つの選択肢から、「行き先設定」を選択するため、ロータリスイッチ1302を右方に回転する。この操作により、階層化メニュ制御演算部1306は、図13(c)に示すようにカーソル1601を一つ下に移動させた画面をセンタディスプレイ1308に出力する。さらに、使用者が、ロータリスイッチ1302を押し込むと、階層化メニュ制御演算部1306は、図13(d)に示す第3階層の操作メニュをセンタディスプレイ1308に出力する。このとき、操作メニュ画面には、画面上部に選択履歴として、第1階層、第2階層で選択された選択肢のコードの列「12」1604と、選択肢の名称の列「ナビゲーション>行き先設定」1605を表示する。
【0039】
次に、使用者は、第3階層の4つの選択肢から、「自宅」を選択するため、ロータリスイッチ1302を押し込む。この操作により、階層化メニュ制御演算部1306は、図13(e)に示す最終的な機能が選択されたことを示す確認画面をセンタディスプレイ1308に出力し、自宅を目的地に設定する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部1307に出力する。このとき、図13(e)に示す確認画面には、一連の選択履歴として、第1階層、第2階層、第3階層で選択された選択肢の列「121」1606を表示する。
【0040】
次に、第2の入力手段による操作の流れと、操作メニュ画面について説明する。
第1の入力手段同様、MENUスイッチ1402を押下すると、図13(a)に示す第1階層の操作メニュが出力される。この状態で、10キーボード1304から、コード列となる数字列を連続入力する。例えば「121」と入力すると、階層化メニュ制御演算部1306は、「121」のコード列に対応する機能(ここでは、自宅を目的地に設定する)が選択されたことを示す確認画面(図13(e)参照)に示すをセンタディスプレイ1308に出力し、「自宅」を目的地に設定する機能を起動するための指示信号を機能処理演算部1307に出力する。
【0041】
次に、階層化メニュ制御演算部1306に含まれている、コード入力識別演算処理の内容について、図14のフロー図に従って説明する。
まず、ステップS1701において、階層化メニュにおける選択操作の有無を判定し、選択操作があった場合は、ステップS1702において、第2の入力手段である10キーボード1304からの入力であったか否かを判定し、10キーボード1304からの入力であった場合は、コード入力が行われたと判定する(ステップS1703)。以上の構成により、コード入力専用の第2の操作入力手段を備え、この第2の操作入力の有無によって、選択操作としてコード入力が行われた否かを判別するため、以後の処理を効率的に実行することが出来るようになる。
【0042】
階層化メニュ制御演算部1306に含まれている、コード入力忘却推定演算処理の内容については、第1の実施の形態と同様である。
次に、忘却したと推定されたコードの表示方法について説明する。
忘却したと推定されたコードは、MENUスイッチ1402が押下され、第1階層の選択肢がセンターディスプレイ1308に表示された際に、図15(a)のように、各選択肢(1 ナビゲーション、2 インフォメーション、3 コミュニケーション、4 オーディオ)の近傍に、対応する忘却したと推定されたコード(第1階層が一致するコード系列;例えば124、233、341、442等)を閾下知覚の範囲で表示する。具体的には、5〜10msec程度の表示持続時間で断続的に、メニュ画面に重畳して表示する。また、忘却したと推定されたコードにおいて第1階層が同じ複数のコード系列が存在する場合は、メモリに記憶されている各々のコード入力回数から、最も入力回数が多いコード系列のみを前記の方法で表示する。更に、第2の表示手段であるHUD1309上にも、図15(b)のように、センターディスプレイ1308の第1階層の選択肢リストに対応する並びで忘却したと推定されたコード(第1階層が一致するコード系列)を閾下知覚の範囲で表示する。具体的には、5〜10msec程度の表示持続時間で断続的に表示する。
【0043】
以上の構成、及び動作により、基本的には第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、HUD1309上にも、忘却したと推定されたコードが表示されるため、走行中のメニュ操作において、運転者が前方とセンターディスプレイを交互に視認する状態でも、忘却したと推定されたコードの表示が視野に入りやすくなり、所望の操作機能に対応するコード系列をより想起しやすくなり、高速なコード入力が可能となり、結果として操作性の向上、使用者の安心感の向上につながる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】第1の実施の形態における入力装置の構成を示すブロック図。
【図2】第1の実施の形態における入力装置の外観図。
【図3】第1の実施の形態における操作メニュ画面例を示す選択肢配置図。
【図4】第1の実施の形態における操作端末スイッチの例を示す配置図。
【図5】第1、第2の実施の形態における階層化メニュの例を示す木構造図。
【図6】第1の実施の形態における操作メニュ画面の遷移図。
【図7】第1の実施の形態におけるコード入力識別演算処理の処理フロー図。
【図8】第1、第2の実施の形態におけるコード入力忘却推定演算処理の処理フロー図で、(a)はファンクションスイッチによる選択操作が行われた場合、(b)はバックグランドで処理を行う場合の処理フロー図。
【図9】第1の実施の形態における忘却したと推定されたコードの表示方法を示す画面構成図。
【図10】第2の実施の形態における入力装置の構成を示すブロック図。
【図11】第2の実施の形態における入力装置の外観図。
【図12】第2の実施の形態における入力装置の拡大外観図で、(a)は各選択スイッチの平面配置図、(b)はロータリスイッチ部の鳥瞰図。
【図13】第2の実施の形態における操作メニュ画面の遷移図。
【図14】第2の実施の形態におけるコード入力識別演算処理の処理フロー図。
【図15】第2の実施の形態における忘却したと推定されたコードの表示方法を示す画面構成図。
【図16】記憶の活性化拡散モデルの記憶構造図。
【符号の説明】
【0045】
401:入力手段
402:ファンクションスイッチ
403、1303:階層操作スイッチ
404、1305:制御装置
405、1306:階層化メニュ制御演算部
406、1307:機能処理演算部
407、1308:センターディスプレイ
502、1402:MENUスイッチ
503、1403:BACKスイッチ
504:ステアリングホイール
901、1602:選択肢のコード(第1階層)
902、1603:選択肢の名称(第1階層)
903、1604:選択肢のコード(第1および第2階層)
904、1605:選択肢の名称(第1および第2階層)
905、1606:選択肢のコード(第1、第2および第3階層)
1301:第1の入力手段
1302:ロータリスイッチ
1304:第2の入力手段(10キーボード)
1305:制御装置
1309:ヘッドアップディスプレイ(HUD)
1405:HUD表示面
1601:カーソル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作機能を有し、該複数の操作機能の中から使用者が所望の操作機能を選択するに際し、該所望の操作機能を前記複数の操作機能の中から抽出するための選択肢の流れを階層化し、各々少数の選択肢のグループで構成された階層に分類し、該各階層の中で前記所望の操作機能に至る選択肢の選択操作を前記各階層において順次実行することにより前記所望の操作機能に到達する操作機能選択装置において、
使用者の各階層における選択操作に応じて、順次下位階層の選択肢を提示して、最終的に前記所望の操作機能を提示する階層化メニュを生成する階層化メニュ制御手段と、
前記階層化メニュの各階層における選択肢を表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段に表示される選択肢を選択するための第1の操作手段とから構成され、
前記第1の表示手段に同時に表示される選択肢毎に、異なる数字、異なる文字あるいは異なる記号、の何れかの組合せからなる識別子であるコードを付加して表示する機能を有し、
前記使用者が、自分が記憶している前記コードに従って前記階層化メニュにおける選択肢の選択操作を行ったか否かを判定するコード入力識別手段と、
過去に前記コード入力を行ったことがある操作機能のうち、現在、前記使用者が前記コード入力を忘却している可能性を推定するコード入力忘却推定手段とを備え、
前記階層化メニュのうち第1階層において、過去に前記コード入力が行われ、現在、前記コード入力忘却推定手段により忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で前記表示手段に表示することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作機能選択装置において、
前記コード入力識別手段は、前記第1階層における選択操作が行われてから、最終階層における選択操作が行われるまでの総操作時間を計測し、かつ該操作時間の総計を前記選択操作の全回数で除した1回操作当りの平均操作時間を算出し、該平均操作時間が予め定められた時間以内であれば、前記使用者が記憶した前記コードに従って前記階層化メニュに提示されている前記操作機能の選択が行われたものと判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項3】
請求項1に記載の操作機能選択装置において、
前記操作手段として、前記コードの入力専用である第2の操作手段を備え、
前記コード入力識別手段は、前記第2の操作手段により一連の選択操作が行われた場合に、前記使用者が記憶した前記コードに従って前記階層化メニュの操作を行ったと判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求3の何れかに記載の操作機能選択装置において、
前記コード入力忘却推定手段は、前記コード入力識別手段においてコード入力が行われ、これにより選択された操作機能と、当該選択された操作機能に対するコード入力が行われた日時とを記憶し、最後に前記操作機能の選択が行われた日時と現在日時との間の経過時間が、所定の時間以上経過している場合には、前記使用者が前記操作機能に対する前記コードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の操作機能選択装置において、
前記コード入力忘却推定手段は、過去にコード入力が行われた操作機能が、再度、選択操作され、かつ前記コード入力識別手段においてコード入力が行われなかったと判定された場合、前記使用者が当該選択された操作機能に対するコードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求5の何れかに記載の操作機能選択装置において、
過去にコード入力が行われ、現在、前記コード入力推定手段において忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列は、前記第1の表示手段で表示されている第1階層で選択された該コード系列に対応する各選択肢の近傍に表示されることを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項7】
請求項6に記載の操作機能選択装置において、
過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると前記コード入力忘却推定手段で推定された操作機能に対応するコード系列に対し、
第1階層で選択される選択肢が同一であるコード系列が複数存在する場合は、過去に操作された回数が最も多いコード系列のみを閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の操作機能選択装置において、
前記入力装置は車両に搭載され、
前記第2の表示手段としてヘッドアップディスプレイを備え、
前記階層化メニュの第1階層が前記第1の表示手段に表示されている間、前記第2の表示手段であるヘッドアップディスプレイに、過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると推定される操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項9】
複数の操作機能を有し、該複数の操作機能の中から使用者が所望の操作機能を選択するに際し、該所望の操作機能を前記複数の操作機能の中から抽出するための選択肢の流れを階層化し、各々少数の選択肢のグループで構成された階層に分類し、該各階層の中で前記所望の操作機能に至る選択肢の選択操作を前記各階層において順次実行することにより前記所望の操作機能に到達する操作機能選択方法において、
使用者の各階層における選択操作に応じて、順次下位階層の選択肢を提示して、最終的に前記所望の操作機能を提示する階層化メニュを生成し、
前記階層化メニュの各階層における選択肢を表示し、
前記表示された選択肢の中から所望の選択肢を選択し、
前記表示された選択肢と同時に、該選択肢毎に、異なる数字、異なる文字あるいは異なる記号、の何れかの組合せからなる識別子であるコードを付加し、
前記使用者が記憶している前記コードに従って前記階層化メニュにおける選択肢の選択操作を行ったか否かを識別し、
過去に前記コード入力を行ったことがある操作機能のうち、現在、前記使用者が前記コード入力を忘却している可能性を推定し、
前記階層化メニュのうち第1階層において、過去に前記コード入力が行われ、現在、前記コードが忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で表示することにより、前記使用者に前記コードを認識させることを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項10】
請求項9に記載の操作機能選択方法において、
前記第1階層における選択操作が行われてから、最終階層における選択操作が行われるまでの総操作時間を計測し、かつ該操作時間の総計が、前記選択操作の全回数に応じて予め定められた時間以内であれば、前記使用者が記憶した前記コードに従って前記階層化メニュに提示されている前記操作機能の選択が行われたものと判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項11】
請求項9に記載の操作機能選択方法において、
前記コードに従って前記階層化メニュに提示されている前記操作機能の選択が行われたものと判断するに際し、コード入力専用手段を介して前記コードの入力が行われた場合に、前記使用者が記憶した前記コードに従って階層化メニュの操作を行ったと判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求11の何れかに記載の操作機能選択方法において、
前記コード入力により選択された操作機能と、当該選択された操作機能に対するコード入力が行われた日時とを記憶し、最後に前記操作機能の選択が行われた日時と現在日時との間の経過時間が、所定の時間以上経過している場合には、前記使用者が前記操作機能に対する前記コードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12の何れかに記載の操作機能選択方法において、
過去にコード入力が行われた操作機能が、再度、選択操作され、かつコード入力が行われなかったと判定された場合、前記使用者が当該選択された操作機能に対するコードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項14】
請求項9乃至請求13の何れかに記載の操作機能選択方法において、
過去にコード入力が行われ、現在、前記コードを忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列は、前記表示されている第1階層で選択された該コード系列に対応する各選択肢の近傍に表示されることを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項15】
請求項14に記載の操作機能選択装置において、
過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列に対し、
第1階層で選択される選択肢が同一であるコード系列が複数存在する場合は、過去に操作された回数が最も多いコード系列のみを閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項16】
請求項9乃至請求項15に記載の操作機能選択方法において、
前記選択操作処理は車両内において実行され、
前記階層化メニュの第1階層が前記第1の表示手段に表示されている間、ヘッドアップディスプレイに、過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると推定される操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項1】
複数の操作機能を有し、該複数の操作機能の中から使用者が所望の操作機能を選択するに際し、該所望の操作機能を前記複数の操作機能の中から抽出するための選択肢の流れを階層化し、各々少数の選択肢のグループで構成された階層に分類し、該各階層の中で前記所望の操作機能に至る選択肢の選択操作を前記各階層において順次実行することにより前記所望の操作機能に到達する操作機能選択装置において、
使用者の各階層における選択操作に応じて、順次下位階層の選択肢を提示して、最終的に前記所望の操作機能を提示する階層化メニュを生成する階層化メニュ制御手段と、
前記階層化メニュの各階層における選択肢を表示する第1の表示手段と、
前記第1の表示手段に表示される選択肢を選択するための第1の操作手段とから構成され、
前記第1の表示手段に同時に表示される選択肢毎に、異なる数字、異なる文字あるいは異なる記号、の何れかの組合せからなる識別子であるコードを付加して表示する機能を有し、
前記使用者が、自分が記憶している前記コードに従って前記階層化メニュにおける選択肢の選択操作を行ったか否かを判定するコード入力識別手段と、
過去に前記コード入力を行ったことがある操作機能のうち、現在、前記使用者が前記コード入力を忘却している可能性を推定するコード入力忘却推定手段とを備え、
前記階層化メニュのうち第1階層において、過去に前記コード入力が行われ、現在、前記コード入力忘却推定手段により忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で前記表示手段に表示することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項2】
請求項1に記載の操作機能選択装置において、
前記コード入力識別手段は、前記第1階層における選択操作が行われてから、最終階層における選択操作が行われるまでの総操作時間を計測し、かつ該操作時間の総計を前記選択操作の全回数で除した1回操作当りの平均操作時間を算出し、該平均操作時間が予め定められた時間以内であれば、前記使用者が記憶した前記コードに従って前記階層化メニュに提示されている前記操作機能の選択が行われたものと判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項3】
請求項1に記載の操作機能選択装置において、
前記操作手段として、前記コードの入力専用である第2の操作手段を備え、
前記コード入力識別手段は、前記第2の操作手段により一連の選択操作が行われた場合に、前記使用者が記憶した前記コードに従って前記階層化メニュの操作を行ったと判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求3の何れかに記載の操作機能選択装置において、
前記コード入力忘却推定手段は、前記コード入力識別手段においてコード入力が行われ、これにより選択された操作機能と、当該選択された操作機能に対するコード入力が行われた日時とを記憶し、最後に前記操作機能の選択が行われた日時と現在日時との間の経過時間が、所定の時間以上経過している場合には、前記使用者が前記操作機能に対する前記コードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の操作機能選択装置において、
前記コード入力忘却推定手段は、過去にコード入力が行われた操作機能が、再度、選択操作され、かつ前記コード入力識別手段においてコード入力が行われなかったと判定された場合、前記使用者が当該選択された操作機能に対するコードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求5の何れかに記載の操作機能選択装置において、
過去にコード入力が行われ、現在、前記コード入力推定手段において忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列は、前記第1の表示手段で表示されている第1階層で選択された該コード系列に対応する各選択肢の近傍に表示されることを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項7】
請求項6に記載の操作機能選択装置において、
過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると前記コード入力忘却推定手段で推定された操作機能に対応するコード系列に対し、
第1階層で選択される選択肢が同一であるコード系列が複数存在する場合は、過去に操作された回数が最も多いコード系列のみを閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の操作機能選択装置において、
前記入力装置は車両に搭載され、
前記第2の表示手段としてヘッドアップディスプレイを備え、
前記階層化メニュの第1階層が前記第1の表示手段に表示されている間、前記第2の表示手段であるヘッドアップディスプレイに、過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると推定される操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択装置。
【請求項9】
複数の操作機能を有し、該複数の操作機能の中から使用者が所望の操作機能を選択するに際し、該所望の操作機能を前記複数の操作機能の中から抽出するための選択肢の流れを階層化し、各々少数の選択肢のグループで構成された階層に分類し、該各階層の中で前記所望の操作機能に至る選択肢の選択操作を前記各階層において順次実行することにより前記所望の操作機能に到達する操作機能選択方法において、
使用者の各階層における選択操作に応じて、順次下位階層の選択肢を提示して、最終的に前記所望の操作機能を提示する階層化メニュを生成し、
前記階層化メニュの各階層における選択肢を表示し、
前記表示された選択肢の中から所望の選択肢を選択し、
前記表示された選択肢と同時に、該選択肢毎に、異なる数字、異なる文字あるいは異なる記号、の何れかの組合せからなる識別子であるコードを付加し、
前記使用者が記憶している前記コードに従って前記階層化メニュにおける選択肢の選択操作を行ったか否かを識別し、
過去に前記コード入力を行ったことがある操作機能のうち、現在、前記使用者が前記コード入力を忘却している可能性を推定し、
前記階層化メニュのうち第1階層において、過去に前記コード入力が行われ、現在、前記コードが忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で表示することにより、前記使用者に前記コードを認識させることを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項10】
請求項9に記載の操作機能選択方法において、
前記第1階層における選択操作が行われてから、最終階層における選択操作が行われるまでの総操作時間を計測し、かつ該操作時間の総計が、前記選択操作の全回数に応じて予め定められた時間以内であれば、前記使用者が記憶した前記コードに従って前記階層化メニュに提示されている前記操作機能の選択が行われたものと判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項11】
請求項9に記載の操作機能選択方法において、
前記コードに従って前記階層化メニュに提示されている前記操作機能の選択が行われたものと判断するに際し、コード入力専用手段を介して前記コードの入力が行われた場合に、前記使用者が記憶した前記コードに従って階層化メニュの操作を行ったと判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求11の何れかに記載の操作機能選択方法において、
前記コード入力により選択された操作機能と、当該選択された操作機能に対するコード入力が行われた日時とを記憶し、最後に前記操作機能の選択が行われた日時と現在日時との間の経過時間が、所定の時間以上経過している場合には、前記使用者が前記操作機能に対する前記コードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12の何れかに記載の操作機能選択方法において、
過去にコード入力が行われた操作機能が、再度、選択操作され、かつコード入力が行われなかったと判定された場合、前記使用者が当該選択された操作機能に対するコードを忘却していると判断することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項14】
請求項9乃至請求13の何れかに記載の操作機能選択方法において、
過去にコード入力が行われ、現在、前記コードを忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列は、前記表示されている第1階層で選択された該コード系列に対応する各選択肢の近傍に表示されることを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項15】
請求項14に記載の操作機能選択装置において、
過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると推定された操作機能に対応するコード系列に対し、
第1階層で選択される選択肢が同一であるコード系列が複数存在する場合は、過去に操作された回数が最も多いコード系列のみを閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択方法。
【請求項16】
請求項9乃至請求項15に記載の操作機能選択方法において、
前記選択操作処理は車両内において実行され、
前記階層化メニュの第1階層が前記第1の表示手段に表示されている間、ヘッドアップディスプレイに、過去にコード入力が行われ、現在、忘却していると推定される操作機能に対応するコード系列を閾下知覚の範囲で表示することを特徴とする操作機能選択方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−18387(P2006−18387A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193161(P2004−193161)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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