説明

数値制御データ作成装置

【課題】開先加工を含まないNC制御データをもとに、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できる数値制御データ作成装置を提供する。
【解決手段】数値制御データ作成装置100は、レーザ加工用の数値制御データが入力されるデータ入力部1と、数値制御データによる加工経路を表示する表示部3と、表示部3に表示された加工経路において、開先加工箇所を選択し、その開先加工箇所における開先条件を入力するための操作入力部4と、加工条件を記憶している記憶部5と、操作入力部4により選択された開先加工箇所の形状を認識する形状認識部12と、認識された開先加工箇所の形状および開先条件に対応する加工条件を記憶部5から選択し、その加工条件を用いて加工するように、数値制御データを変換するデータ変換部13とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機等を制御する数値制御データを作成する数値制御データ作成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CAD/CAM(Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing)システムにより、作図された加工物の図面をもとに、当該加工物を作製するための加工プログラムであるNC(Numerical Control:数値制御)制御データが作成されている。具体的には、まず、操作者がCADを用いて所望とする加工物の図面を作成する。そして、操作者は、このCADにより作成された図面データに加工条件等を付加して、当該加工物を作製するためのNC制御データをCAMによって作成している。このNC制御データをレーザ加工機に入力することで、レーザ加工機は、NC制御データに示された通りの加工を行う。例えば、鋼板を2次元加工することで、鋼板から板状の加工物を切り出すことができる。このように、CAD/CAMシステムにより、NC制御データを作成する技術は公知である。また、このような技術に関しては、様々な新規な技術が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
ここで、加工物に溶接を行う場合には、加工物を切り出すだけでなく、加工物に開先加工を施しておく必要がある。開先加工とは、加工物を溶接できるように、加工物の角の部分を斜めに削っておく加工をいう。開先加工についてもNC制御データを作成すれば、そのNC制御データをレーザ加工機に入力することで、開先加工を自動で行うことができる。また、加工物を切り出すためのNC制御データにあらかじめ開先加工についても含まれていることとしておけば、レーザ加工機は、加工物の切り出しおよび開先加工を含んだ加工を行う。したがって、開先加工についても合わせてNC制御データを作成することができるCAD/CAMシステムを用いることが好ましい。また、開先加工が含まれていないNC制御データをCAD/CAMシステムにより作成し、作成されたNC制御データに操作者が修正や追加を行って、開先加工を含むNC制御データを作成してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−351026号公報
【特許文献2】特開平05−261643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、開先加工を含むNC制御データを作成することができるCAD/CAMシステムを新たに導入することは、コストがかかる上、時間もかかるという問題があった。
【0006】
また、開先加工を含むNC制御データを作成することができないCAD/CAMシステムにより作成したNC制御データをもとに、操作者が開先加工を含むNC制御データを作成することは、加工条件等の導出が困難であり、煩わしく、作業時間もかかるという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みて為された発明であり、その目的は、開先加工を含まないNC制御データをもとに、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できる数値制御データ作成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、種々検討した結果、上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。すなわち、本発明の一態様に係る数値制御データ作成装置は、レーザ加工用の数値制御データが入力されるデータ入力部と、前記数値制御データによる加工経路を表示する表示部と、前記表示部に表示された前記加工経路において、開先加工箇所を選択し、該開先加工箇所における開先条件を入力するための操作入力部と、開先加工箇所の形状および開先条件に対応する加工条件を記憶している記憶部と、前記操作入力部により選択された前記開先加工箇所の形状を認識する形状認識部と、前記形状認識部により認識された前記開先加工箇所の形状および該開先加工箇所の前記開先条件に対応する加工条件を記憶部から選択し、前記開先加工箇所を前記開先条件および前記加工条件を用いて加工するように、前記数値制御データを変換するデータ変換部とを備えている。
【0009】
なお、開先条件とは、開先加工において設定する必要がある条件の内、操作者が設定する条件をいう。例えば、開先種類、開先範囲、開先パラメータ(ルート量、板厚、開先角度およびミゾ加工のオフセット量等)、コーナー設定、切り出し設定、切り逃げ設定およびルートカット設定等である。また、加工条件とは、開先加工における加工速度や、レーザの出力や、レーザのパルス周波数や、加工順序等、操作者が最適の値を算出することが困難である、開先加工における条件をいう。
【0010】
これにより、開先加工を含むNC制御データを作成できないCAD/CAMシステムによって、作成されたNC制御データをもとに、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できる。したがって、現状、使用しているCAD/CAMシステムが開先加工を含むNC制御データを作成できない場合であっても、CAD/CAMシステムを変更することなく、開先加工を含むNC制御データを容易に作成することができる。したがって、新たにCAD/CAMシステムを導入する必要がなく、低コストである上、手間もかからない。また、操作者にとっては算出が困難な加工条件については、自動で設定するので、操作者が、加工条件をテスト加工等により導き出す必要がなく、煩わしさがない。また、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できるので、開先加工についてもレーザ加工機を自動運転することができ、開先加工を無人化できる。また、開先条件等に応じて好ましい加工条件が設定されるので、さまざまな開先加工に適応できるNC制御データを作成することができる。
【0011】
また、上述の数値制御データ作成装置によれば、前記数値制御データによる加工経路において、前記形状認識部により認識された前記開先加工箇所と同一の形状を有する箇所を検出する同一形状検出部をさらに備え、前記データ変換部は、前記開先加工箇所と同一の形状を有する箇所についても、前記入力された前記開先条件および前記記憶部から選択された前記加工条件を用いて加工するように、前記数値制御データを変換することが好ましい。
【0012】
これにより、同一の工作物上に同一形状の開先加工箇所が複数存在する場合は、それらすべての開先加工箇所について開先条件等を入力する必要がなく、作業時間の短縮が図られる。
【0013】
また、上述の数値制御データ作成装置において、前記形状認識部により認識された、前記開先加工箇所の形状が円弧である場合は、前記加工条件には、加工速度が含まれていることが好ましい。なお、加工速度とは、レーザが工作物に照射され、加工がなされている状態における加工面におけるレーザの移動速度であり、切断速度である。
【0014】
このように、操作者にとっては算出が困難である、円弧の開先加工における好ましい加工速度については、あらかじめ記憶部に記憶された好ましい値を用いるので、加工速度は自動で設定されることになる。したがって、操作者にとっては、加工速度をテスト加工等により導き出す煩わしさがなく、作業時間の短縮化も図ることができる。
【0015】
また、上述の数値制御データ作成装置において、前記形状認識部により認識された、前記開先加工箇所の形状が、凹状の円弧である場合は、前記加工条件には、レーザの出力およびレーザのパルス周波数が含まれていることが好ましい。なお、凹状の円弧とは、加工物側に凸状となるよう形成された円弧をいう。
【0016】
このように、操作者にとっては算出が困難である、凹状の円弧の開先加工における好ましいレーザの出力およびレーザのパルス周波数については、あらかじめ記憶部に記憶された好ましい値を用いるので、レーザの出力およびレーザのパルス周波数は自動で設定されることになる。したがって、操作者にとっては、レーザの出力およびレーザのパルス周波数を、加工条件をテスト加工等により導き出す煩わしさがなく、作業時間の短縮化も図ることができる。
【0017】
また、上述の数値制御データ作成装置において、前記加工条件には、加工順序も含まれていることが好ましい。
【0018】
このように、好ましい加工順序については、あらかじめ記憶部に記憶された好ましいものを用いるので、加工順序は自動で設定されることになる。したがって、操作者にとっては、加工順序を考える煩わしさがなく、作業時間の短縮化も図ることができる。
【0019】
また、上述の数値制御データ作成装置において、前記操作入力部は、前記加工条件を入力することもでき、前記データ変換部は、前記操作入力部により選択された前記開先加工箇所を、前記操作入力部により入力された加工条件および前記操作入力部により入力された前記開先条件を用いて加工するように、前記数値制御データを変換することが好ましい。
【0020】
これにより、自動で加工条件が設定されるだけでなく、操作者が所望とする加工条件をNC制御データに組み込むことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、開先加工を含まないNC制御データをもとに、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できる数値制御データ作成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図2】開先加工の種類について説明する図であって、図2(A)はY開先について説明する図であり、図2(B)はV開先について説明する図である。
【図3】開先加工におけるレーザ加工機の動作について説明する図であって、図3(A)は工作物から加工物を切り出す動作を説明するための図であり、図3(B)は加工物を開先加工する動作を説明するための図である。
【図4】円弧の形状を示す平面図であって、図4(A)は外Rの鋼板を示す平面図であり、図4(B)は内Rの鋼板を示す平面図である。
【図5】本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の表示部における表示について説明する図である。
【図7】本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の表示部における、開先加工箇所を表示した状態について説明する図である。
【図8】本実施の形態に係る数値制御データ作成装置による変換前後のNC制御データを示す第1の図であって、図8(A)は変換前のNC制御データを示す図であり、図8(B)は変換後のNC制御データを示す図である。
【図9】本実施の形態に係る数値制御データ作成装置による変換前後のNC制御データを示す第2の図であって、図9(A)は変換前のNC制御データを示す図であり、図9(B)は変換後のNC制御データを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
【0024】
本実施の形態に係る数値制御データ作成装置は、NC装置を搭載したレーザ加工機に加工手順を指示するための加工プログラムであるNC制御データを作成する装置である。このNC制御データは、当該レーザ加工機に入力されるものであり、レーザ加工機の加工手順および加工方法等を指示するものである。レーザ加工機は高出力のレーザを照射することで工作物を切断する。したがって、レーザ加工機により工作物を切断することで加工物を得ることができる。
【0025】
本実施の形態に係る数値制御データ作成装置は、より具体的には、CAD/CAMシステムにより作成された、板状の材料から加工物を切り出す工程を含む2次元加工プログラムであるNC制御データをもとに、開先加工の工程を組み込み、新たなNC制御データを作成する装置である。なお、以下では、切り出す前の上記板状の材料を工作物といい、切り出された物を加工物という。
【0026】
図1は本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の電気的な構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施の形態に係る数値制御データ作成装置100は、データ入力部1と、制御部2と、表示部3と、操作入力部4と、記憶部5とを備えている。数値制御データ作成装置100は、例えばパーソナルコンピュータ(以下、パソコン)を用いることで実現できる。
【0027】
データ入力部1は外部から送られてくるNC制御データを受けるインターフェイスであって、例えば、USB端子である。また、制御部2は例えばパソコンのCPU(Central Processing Unit:中央処理装置)であり、演算処理や各部材の動作を制御する。また、操作入力部4は操作者が操作することで、数値制御データ作成装置100に指示を送るためのものであり、例えば、キーボードやマウスである。表示部3は画像を表示するものであり、例えばCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイおよびプラズマディスプレイ等である。表示部3は、データ入力部1を介して入力されたNC制御データにより指示されているレーザ加工機の動作において、工作物におけるレーザの経路(加工経路)を表示する。ここで、鋼板等の工作物をレーザにより切断することから、レーザの経路は切断箇所を指し、表示された経路を見ることで操作者は加工物の形状を理解することができる。したがって、表示部3には加工物の形状が表示されているともいえる。
【0028】
また、記憶部5は、例えば、ハードディスクおよびRAM(Random Access Memory)等である。そして、記憶部5は、演算処理および制御処理におけるデータを一時的に格納し、数値制御データ作成装置100の制御プログラムや加工条件等を記憶している。
【0029】
また、制御部2は機能的に、描画データ変換部11と、形状認識部12と、データ変換部13と、同一形状検出部14とを備えている。描画データ変換部11はデータ入力部1から入力されたNC制御データに基づいて、レーザの経路を描画して線で表示するよう表示部3に指示するための描画データを作成する。すなわち、NC制御データを描画データに変換する。形状認識部12は、NC制御データにより指示されたレーザの経路において、操作者により選択された開先加工を施す箇所、すなわち開先加工箇所の形状を認識する。データ変換部13は操作入力部4から入力されたNC制御データに修正や追加を行って、NC制御データを変換する。同一形状検出部14は、NC制御データによるレーザの経路において、形状認識部12により認識された加工物と同一の形状を有する加工物を検出する。
【0030】
ここで、開先加工について説明する。レーザ加工機は板状の工作物の加工面に対して、垂直方向にレーザを照射して切断することで、工作物から加工物を切り出し、作製する。したがって、切断面が加工面に対して垂直である加工物が作製される。なお、加工面とは工作物においてレーザが照射される面である。このような加工物をさらに溶接処理を施す場合には、溶接処理を施す箇所を断面形状において斜めに削る、つまり角を落とす必要がある。そして、このように、角を落とす加工を開先加工という。図2は開先加工の種類について説明する図であって、図2(A)はY開先について説明する図であり、図2(B)はV開先について説明する図である。図2(A)および図2(B)は、それぞれ開先加工を施した後の加工物6の断面形状を示す図である。図2(A)に示す開先加工は、加工物6において、その側面の一部を加工面に対して斜めに加工されている。図2(A)に示す開先加工は、Y開先とよばれるものである。Y開先とは、加工物6の側面の一部を残しながら側面を斜めに加工する開先加工である。Y開先において、残した側面部分の厚みをルート量といい、斜めの角度を開先角度という。なお、残した側面、すなわち加工物6に対して垂直である面をルート面という。また、図2(B)に示す開先加工は、加工物6の側面を加工面に対して斜めに加工するものであり、Y開先においてルート量を0とした場合に相当する。図2(B)に示す開先加工は、V開先とよばれるものである。なお、開先の種類は、Y開先およびV開先があり、それらそれぞれに表開先、裏開先がある。さらにその他にK開先、X開先等があるが、これらは、Y開先およびV開先を用いることで実現できる。
【0031】
図3は開先加工におけるレーザ加工機の動作について説明する図であって、図3(A)は工作物から加工物を切り出す動作を説明するための図であり、図3(B)は加工物を開先加工する動作を説明するための図である。図3(A)に示すように、レーザ加工機のヘッド8から板状の鋼板7の加工面7aに対して、垂直にレーザLを照射することで、鋼板7の照射箇所に孔が形成される。なお、この孔はピアスとよばれている。そして、レーザLが加工面7aに対して垂直である状態を維持したままヘッド8が移動することで、鋼板7におけるレーザLの照射箇所が移動し、鋼板7が切断されていく。
【0032】
所望の形状に切り出された鋼板7は、開先加工が施される。ここでは、Y開先を施すこととする。Y開先においては、ルート面の形状を整えるために、加工面7aに対して垂直に照射されたレーザLによって、再度、鋼板7の切断面を加工する。つまり、レーザLの照射箇所が切断箇所より鋼板7側に所定量(オフセット量)だけ移動して、切断面に沿ってレーザLの照射位置が移動する。これをミゾ加工という。このようにY開先においては、開先加工を施す箇所に関しては、切断した場合と同様にその切断面にレーザLを照射して切断面(ルート面)を整える。そして、図3(B)に示すように、ヘッド8を加工面に対して傾けて、鋼板7にレーザLを照射し、鋼板7aの角部分を切断する。このように、開先加工がなされる。
【0033】
なお、ヘッド8を傾けた状態の加工、つまり開先加工においては、開先加工箇所が直線である場合は、開先加工の前段階である切断加工時の速度から、変更した速度(直線部移動速度)でヘッド8を移動させればよいが、開先加工箇所が曲線、すなわち円弧を含む場合は円弧の大きさに応じて、さらに速度を変更することが好ましい。なお、開先加工は、ヘッド8を傾けて加工することで、切断面に対して7aに対して斜めの切断面を形成することになる。したがって、切断加工時に比べると切断面の面積が大きくなる可能性が高い。そのため、開先加工時のヘッド8の移動速度は、切断加工時に比べて遅くすることが好ましい。なお、開先加工時のヘッド8の移動速度は、開先加工時と切断加工時との切断面の大きさ等から好ましい値が決定される。これら好ましい値は、例えば記憶部5に記憶されていればよい。なお、開先加工時のヘッド8の移動速度は、切断加工時よりも遅くなる場合に限定されるわけではなく、それぞれの条件に応じて適宜好ましい値とすればよい。このように、ヘッド8の移動速度を好ましい値とすることで、より高性能の加工が行われる。
【0034】
図4は円弧の形状を示す平面図であって、図4(A)は外Rの鋼板を示す平面図であり、図4(B)は内Rの鋼板を示す平面図である。鋼板7に対して斜めにレーザLを照射する場合(開先加工)は、図4(A)および(B)に示すように、鋼板7の開先加工箇所21が円弧である場合と、開先加工箇所が直線である場合とでは、ヘッド8の移動速度等の加工条件を変更することが好ましい。図4(A)に示すように、鋼板7から外側に凸状に形成された円弧を開先加工箇所21とする場合(以下、外Rという)は、ヘッド8の移動速度(加工速度)を以下の式(1)により算出される値とすることが好ましい。
【0035】
移動速度=直線部移動速度×R/(R−α(t−r)tanθ)・・・(1)
式(1)において、直線部移動速度は、開先加工箇所が直線の場合のヘッド8の移動速度である。式(1)において、Rは円弧の半径であり、tは鋼板7の板厚であり、rはルート量であり、θは開先角度である。また、αは偏り係数であり、あらかじめ計測をすることにより求められる値である。
【0036】
また、図4(B)に示すように、鋼板7から内側に凸状に形成された円弧を開先加工箇所21とする場合(以下、内Rという)は、ヘッド8の移動速度を以下の式(2)により算出される値とすることが好ましい。また、このときの、レーザLの出力は式(3)に、レーザLのパルス周波数は式(4)により算出される値とすることが好ましい。
【0037】
移動速度=直線部移動速度×R/(R−α(t−r)tanθ)・・・(2)
出力=直線部出力×R/(R−α(t−r)tanθ)・・・・・・・(3)
周波数=直線部周波数×R/(R−α(t−r)tanθ)・・・・・(4)
式(2)において、直線部移動速度は、開先加工箇所が直線の場合のヘッド8の移動速度である。式(3)において、直線部出力は、開先加工箇所が直線の場合の出力である。また、式(4)において、直線部周波数は、開先加工箇所が直線の場合のパルス周波数である。直線部出力および直線部周波数は、開先加工時のヘッド8の移動速度等から好ましい値が決定される。これら好ましい値は、例えば記憶部5に記憶されていればよい。なお、切断加工時に比べて開先加工においてはヘッド8の移動速度を変更すること等により、直線部出力および直線部周波数は、切断加工時の出力および周波数と同じであってもよい。また、式(2)、式(3)および式(4)において、Rは円弧の半径であり、tは鋼板7の板厚であり、rはルート量であり、θは開先角度である。また、α、αおよびαはそれぞれ各式の偏り係数であり、あらかじめ計測をすることにより求められる値である。
【0038】
次に、本実施の形態に係る数値制御データ作成装置100の動作について図5を用いて説明する。図5は本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の動作を示すフローチャートである。まず、操作者はCADを用いて所望とする加工物の形状を示す図面を作成する。さらにこの図面データからCAMを用いて、所望とする加工物を作製するための加工プログラムであるNC制御データを作成する。なお、この際に、レーザ加工装置のヘッドの移動速度や、レーザの出力およびパルス周波数等の加工条件も入力することで、それらに応じたNC制御データが作成される。
【0039】
このNC制御データが、データ入力部1を介して数値制御データ作成装置100に入力される。なお、このNC制御データは、そのままレーザ加工機のNCに入力すれば、CADを用いて作成した図面に表された加工物を作製するようレーザ加工機は動作する。データ入力部1から入力されたNC制御データは、描画データ変換部11において、描画データに変換され、描画データに基づいて、表示部3はレーザの経路を表示する。ここで、表示部3の表示について説明する。図6は本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の表示部における表示について説明する図である。図6に示すように、表示部3には、座標と共にレーザの経路が表示される(S101)。レーザの経路は、図6において、N10で示される経路25、N20で示される経路26およびN30で示される経路27からなる。このNC制御データが入力された場合、レーザ加工機は以下に示すように加工を行う。
【0040】
まず、経路25に沿ってレーザが照射される。具体的には、経路25の図における右端から工作物にレーザが照射され、レーザは経路25間に沿って図において右から左へ移動させられる。経路25の左端までレーザが移動すると、レーザの照射が停止される。次に、経路26に沿ってレーザが照射される。具体的には、経路26の図において下方の端部から工作物にレーザが照射され、レーザは経路26間に沿って移動させられる。レーザが経路26の端部まで移動すると、レーザの照射が停止される。次に、経路27に沿ってレーザが照射される。具体的には、経路27の図において上方の端部から工作物にレーザが照射され、レーザは経路27間に沿って図において上から下に移動させられる。このようにして、経路25、経路26および経路27で囲まれた形状の加工物が作製される。
【0041】
しかし、このNC制御データには開先加工については含まれていない。そこで、操作者が表示部3に表示されている経路25、経路26および経路27を見ながら、例えばマウスにより表示部3に表示されたアイコンを操作して、開先加工を施す箇所を選択する。図7は本実施の形態に係る数値制御データ作成装置の表示部における、開先加工箇所を表示した状態について説明する図である。図7に示すように、表示部3には、経路25および経路26の一部が破線で表されている。図6に示された表示において、操作者は、マウスを用いて開先加工箇所を選択することで、図7に示すように、開先加工箇所が破線で示される。なお、破線等、線種を変えて開先加工箇所を表示する以外に、例えば色を変える等にしても良い。
【0042】
さらに、操作者は操作入力部4であるキーボードを用いて開先条件を入力していく。なお、開先条件の入力は、例えば対話形式としてもよい。すなわち、開先加工箇所を選択すると、開先条件を入力するように、表示部3の画面上にメッセージが表示され、そのメッセージにそって入力を行っていくと必要な開先条件をすべて入力できることとしても良い。
【0043】
ここで、開先条件としては、開先種類、開先範囲、開先パラメータ、コーナー設定、切り出し設定、切り逃げ設定およびルートカット設定等である。開先種類は、本実施の形態においては上述したように、Y開先およびV開先のみを対象としている。開先範囲は開先加工箇所であり表示部3の画面上ですでに選択している。開先パラメータは、例えば、ルート量、板厚、開先角度およびミゾ加工のオフセット量等の各パラメータである。また、コーナー設定は加工物のコーナー部分(平面視における角部分)の加工方法を設定することであり、加工方法には例えば、ループ、切り抜け、円弧といった設定がある。そして、これらコーナー設定をした場合はそれらに関する各パラメータについても設定をする。また、切り出し設定は、開先加工におけるレーザによる切断を開始する際の条件の設定である。そして、これら切り出し設定をした場合はそれに関する各パラメータに付いても設定をする。また、切り逃げ設定は、開先加工におけるレーザによる切断を終了する際の条件の設定である。そして、これら切り逃げ設定をした場合はそれに関する各パラメータに付いても設定をする。また、ルートカット設定パラメータは、直線形状から円弧形状あるいは円弧形状から直線形状等に開先加工を施す場合に、ルートカットを継続して行うか、あるいは途中でやめて再びルートカットを行うか等の設定を行うパラメータである。なお、これら入力された開先条件は、記憶部5により記憶されることとすればよい。
【0044】
そして、形状認識部12は選択された開先加工箇所の形状を認識する(S102)。具体的には、直線形状であるか否か、直線形状でない場合は外Rか内Rか、その場合の半径Rの値等を求めておく。なお、これらは、入力されたNC制御データに基づいて求めることができる。
【0045】
そして、データ変換部13は、入力された開先パラメータのうち、ルート量およびミゾ加工のオフセット量以外をNC制御データに追加する処理を行う(S103)。すなわち、データ変換部13はNC制御データに、開先パラメータを追加して書き換える処理をする。さらに、データ変換部13は入力されたルート量が0よりも大きいか否かについて判断する(S104)。ルート量が0であればY開先ではなく、V開先であると判断できる。なお開先種類も入力されている場合は、V開先であればルート量は0であるとすることとしておけばよい。ルート量が0よりも大きい場合は、データ変換部13はルート量およびミゾ加工のオフセット量をNC制御データに追加する処理を行う(S105)。すなわち、データ変換部13はNC制御データに、ルート量およびミゾ加工のオフセット量を追加して書き換える処理をする。
【0046】
ステップS104でルート量は0よりも大きくないと判断した場合、およびステップS105の後は、データ変換部13は開先加工箇所の形状が外Rまたは内Rか否かを判断する(S106)。データ変換部13が開先加工箇所の形状は外Rまたは内Rであると判断した場合は、さらに開先加工箇所の形状が内Rか否かを判断する(S107)。そして、データ変換部13が開先加工箇所の形状が内Rではない、すなわち外Rであると判断した場合は、記憶部5に記憶されている上記式(1)をNC制御データに追加する処理を行う(S108)。これにより、NC制御データに、加工速度を追加して書き換える処理が施される。なお、式(1)をNC制御データに追加せずに、制御部2において、式(1)を用いて加工速度を算出し、データ変換部13はその値をNC制御データに追加することとしてもよい。ステップS107において、データ変換部13が開先加工箇所の形状が内Rであると判断した場合は、記憶部5に記憶されている上記式(3)および式(4)をNC制御データに追加する処理を行う(S109)。これにより、NC制御データに、レーザの出力およびレーザのパルス周波数を追加して書き換える処理が施される。なお、式(3)および式(4)をNC制御データに追加せずに、制御部2において、式(3)および式(4)を用いてレーザの出力およびパルス周波数を算出し、データ変換部13はその値をNC制御データに追加することとしてもよい。そして、ステップS108へと進む。なお、ステップS109からステップS108へと進んだ場合は、データ変換部13は、記憶部5に記憶されている上記式(2)を式(1)の代わりに用いる。このように、あらかじめ記憶された、加工速度、レーザの出力およびレーザのパルス周波数等の加工条件を表す式を用いることにより、NC制御データにおいて、開先条件に応じて好ましい加工条件を適用させることが可能である。
【0047】
ステップS106で開先加工箇所の形状が外Rまたは内Rでないと判断した場合、およびステップS108の後は、データ変換部13はコーナー設定がなされたか否かを判断する(S110)。データ変換部13はコーナー設定がなされていると判断した場合は、コーナー設定を追加する処理を行う(S111)。すなわち、データ変換部13がNC制御データに、コーナー設定を追加して書き換える処理をする。ステップS110でコーナー設定がなされていないと判断した場合、およびステップS111の後は、データ変換部13は切り出し点、切り逃げ点および追加点の設定がそれぞれなされているか否かを判断する(S112)。
【0048】
データ変換部13は切り出し点、切り逃げ点および追加点の設定がそれぞれなされていると判断した場合は、切り出し点、切り逃げ点および追加点のそれぞれをNC制御データに追加する処理を行う(S113)。すなわち、データ変換部13はNC制御データに、切り出し点、切り逃げ点および追加点のそれぞれを追加して書き換える処理をする。以上の処理により、開先加工を含むNC制御データが作成されている。そして、ステップS112で切り出し点、切り逃げ点および追加点の設定がなされていないと判断した場合、およびステップS113の後は、開先加工を含むNC制御データに作成が完了したので、制御部2は作成された開先加工を含むNC制御データを、図示していない出力部から数値制御データ作成装置100の外部に出力する(S114)。出力された、開先加工を含むNC制御データをレーザ加工機に入力することでレーザ加工機は工作物から開先加工および加工物の切り出しを行う。
【0049】
なお、本実施形態の数値制御データ作成装置100において、作成されたNC制御データは、加工順序についても考慮して作成されている。例えば、開先加工を含む加工時間を、より短縮できるような加工順序とすれば好ましい。また、レーザ加工においては、工作物である鋼板の一部を治具等の固定具によりレーザ加工機のテーブルに固定した状態で、レーザにより鋼板を切断していく。この際に、例えば開先加工前に、加工物を鋼板から完全に切り出してしまうと、加工物がテーブルに固定されない状態となり、正確な開先加工を行うことができないという問題も生じる可能性がある。そこで、このような問題が生じないように、本実施形態の数値制御データ作成装置100においては、加工順序を考慮してNC制御データを作成することが好ましい。
【0050】
なお、上述において、データ変換部13は、NC制御データに各開先条件を追加して書き換える処理をするが、具体的には、記憶部5には各開先条件に関するNC制御データの一部があらかじめ記憶されており、そのNC制御データの一部に開先条件を入力して、NC制御データに追加記載することとすればよい。
【0051】
さらに、レーザ加工においては、1枚の鋼板から同一形状の加工物を複数枚切り出すことがある。そのような場合に、加工物ごとに開先加工箇所の選択等を行っていては、作業が長時間かかってしまう。そこで、本実施の形態に係る数値制御データ作成装置100においては、1つの加工物について開先加工箇所を選択し、開先条件を入力しておき、操作入力部4により同一形状の加工物については、同一の開先条件である旨の指示を行うと、同一形状検出部14は、入力されたNC制御データを用いて、同一の形状を有する経路を検出し、データ変換部13が、検出した箇所について開先条件を入力した加工物と同一の開先条件および加工条件等を追加するようNC制御データを変換する。つまり、加工物が旋回して配置されていても、形状が同一であれば同一加工物と認識して、すでに開先条件を入力した加工物と同一の開先条件および加工条件等を追加するようNC制御データを変換する。なお、同一の形状の加工物については、その加工プログラムは原点位置を変換し、回転させることで容易に変換することができる。これにより、作業の時間短縮が可能となる。
【0052】
また、例えば、加工条件には加工順序も含まれることとしても良い。本実施の形態に係る数値制御データ作成装置100は、レーザ加工機において効率よく加工がなされるように、好ましい加工順序を選択して、その加工順序となるようなNC制御データを作成することとしてもよい。また、上述のように、レーザ加工機において、加工順序によっては正確な加工をなし得ないという問題が生じる可能性があるが、このような問題が生じないように、好ましい加工順序を選択して、その加工順序となるようなNC制御データを作成することとしてもよい。このような場合は、例えば、記憶部5は好ましい加工工程の組み合わせ等の条件を記憶しておき、データ変換部13が開先加工を含むNC制御データを作成後、そのNC制御データの内容が、記憶した条件と同一の場合には、好ましい加工工程の組み合わせとなるようNC制御データを変換することとすればよい。
【0053】
また、変換されたNC制御データを操作者は表示部3に表示し、キーボード等を用いて、NC制御データを修正等することができることとすることが好ましい。このように、手動でもNC制御データに修正を施すことができるため、所望のNC制御データを作成することができる。また、加工条件についても、操作者が入力できることとし、数値制御データ作成装置が算出した値でない、所望の加工条件を含むNC制御データを作成できることとすればよい。
【0054】
次に、本実施の形態に係る数値制御データ作成装置100により、変換される前のNC制御データおよび変換された後のNC制御データを示す。図8は、本実施の形態に係る数値制御データ作成装置による変換前後のNC制御データを示す第1の図であって、図8(A)は変換前のNC制御データを示す図であり、図8(B)は変換後のNC制御データを示す図である。また、図9は、本実施の形態に係る数値制御データ作成装置による変換前後のNC制御データを示す第2の図であって、図9(A)は変換前のNC制御データを示す図であり、図9(B)は変換後のNC制御データを示す図である。図8(A)および図8(B)は開先加工箇所が直線形状であり、図9(A)および図9(B)は開先加工箇所が円弧を含む曲線形状である。
【0055】
図8(A)は、位置決め指令、ピアス実行および条件設定、切断指令、切断終了の指示等を与えるものである。図8(B)は、さらにミゾ加工指令、開先範囲の指定、開先加工指令、開先加工における切り逃げ指令等が追加されている。
【0056】
また図9(A)は、位置決め指令、ピアス実行および条件設定、切断指令、切断終了の指示等を与えるものである。図9(B)は、さらにミゾ加工指令、開先範囲の指定、加工速度の指定、開先加工指令等が追加されている。
【0057】
上述のように、本実施の形態に係る数値制御データ変換装置は、開先加工を含むNC制御データを作成できないCAD/CAMシステムによって、作成されたNC制御データをもとに、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できる。したがって、現状、使用しているCAD/CAMシステムが開先加工を含むNC制御データを作成できない場合であっても、CAD/CAMシステムを変更することなく、開先加工を含むNC制御データを容易に作成することができる。したがって、新たにCAD/CAMシステムを導入する必要がなく、低コストである上、手間もかからない。また、操作者にとっては算出が困難な加工条件については、自動で設定するので、操作者が加工条件を算出する必要がなく煩わしさがない。また、開先加工を含むNC制御データを容易に作成できるので、開先加工についてもレーザ加工機を自動運転することができ、開先加工を無人化できる。また、開先条件等に応じて好ましい加工条件が設定されるので、さまざまな開先加工に適応できるNC制御データを作成することができる。
【0058】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0059】
1 データ入力部
2 制御部
3 表示部
4 操作入力部
5 記憶部
6 加工物
7 鋼板
7a 加工面
8 ヘッド
11 描画データ変換部
12 形状認識部
13 データ変換部
14 同一形状検出部
21 開先加工箇所
25、26、27 経路
100 数値制御データ作成装置
L レーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ加工用の数値制御データが入力されるデータ入力部と、
前記数値制御データによる加工経路を表示する表示部と、
前記表示部に表示された前記加工経路において、開先加工箇所を選択し、該開先加工箇所における開先条件を入力するための操作入力部と、
開先加工箇所の形状および開先条件に対応する加工条件を記憶している記憶部と、
前記操作入力部により選択された前記開先加工箇所の形状を認識する形状認識部と、
前記形状認識部により認識された前記開先加工箇所の形状および該開先加工箇所の前記開先条件に対応する加工条件を記憶部から選択し、前記開先加工箇所を前記開先条件および前記加工条件を用いて加工するように、前記数値制御データを変換するデータ変換部とを備えた、数値制御データ作成装置。
【請求項2】
前記数値制御データによる加工経路において、前記形状認識部により認識された前記開先加工箇所と同一の形状を有する箇所を検出する同一形状検出部をさらに備え、
前記データ変換部は、前記開先加工箇所と同一の形状を有する箇所についても、前記入力された前記開先条件および前記記憶部から選択された前記加工条件を用いて加工するように、前記数値制御データを変換する、請求項1に記載の数値制御データ作成装置。
【請求項3】
前記形状認識部により認識された、前記開先加工箇所の形状が円弧である場合は、前記加工条件には、加工速度が含まれている、請求項1または請求項2に記載の数値制御データ作成装置。
【請求項4】
前記形状認識部により認識された、前記開先加工箇所の形状が、凹状の円弧である場合は、前記加工条件には、レーザの出力およびレーザのパルス周波数が含まれている、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の数値制御データ作成装置。
【請求項5】
前記加工条件には、加工順序も含まれている、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の数値制御データ作成装置。
【請求項6】
前記操作入力部は、前記加工条件を入力することもでき、
前記データ変換部は、前記操作入力部により選択された前記開先加工箇所を、前記操作入力部により入力された加工条件および前記操作入力部により入力された前記開先条件を用いて加工するように、前記数値制御データを変換する、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の数値制御データ作成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−262442(P2010−262442A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112139(P2009−112139)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(000191180)新日本工機株式会社 (51)
【Fターム(参考)】