説明

断熱パネル

【課題】断熱性に優れ、軽量、高強度で耐久性にも優れ、吸水や気温変動での強度低下、変形がなく、釘打ち等の加工性も良好で、建築用資材、構造用部材、保温保冷用資材、包装用資材などに利用可能な断熱パネルを提供する。
【解決手段】セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物を、密閉したセメント用成形型内に充填し、養生固化した多孔質成形体2からなる軽量セメントパネルであって、多孔質成形体2中に補強繊維及び泡を分散状態で含有するとともに、一側端面から他側端面に貫通して複数の平行な空洞部3が形成された断熱パネル1。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の壁材、床材、天井材、屋根材もしくはパーテーションなどの建築用資材や構造用資材として、また冷蔵庫、保冷車などの保温保冷機器用資材として、更にはパーテーションに組み込まれる断熱材などとして使用される断熱パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば建築資材用の断熱材としては、ポリスチレンフォーム(発泡スチロール)などの発泡合成樹脂系断熱材やグラスウールなどの無機質繊維系断熱材、更にはこれらを複合した断熱材など、多種多様のものが使用されている。
【0003】
例えば、硬質ポリウレタンフォームの板状発泡樹脂断熱材(特許文献1参照。)、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂で成形した発泡プラスチック断熱板に、廃プラスチック材料のリサイクル品を熱可塑性樹脂、発泡剤、ガラス繊維等を混練したものを押出成形機で成形した高密度押出発泡プラスチック合成木を、組込み一体化した複合断熱パネル(特許文献2参照。)、植物粉粒体、植物繊維体と合成樹脂とを含む発泡ボード材と段ボール材とを交互に積層させて形成した断熱材(特許文献3参照。)、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の硬質プラスチックフォーム、ガラス繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維、シリカ繊維等の無機繊維、乾式シリカ、湿式シリカ、パーライト等の無機粉体を、熱溶着層と金属箔と他のプラスチックフィルムとを積層してなる複合プラスチックラミネートフィルムや、金属箔の代わりに金属や無機物を蒸着したフィルムなどのガスバリア性フィルムによって密封した真空断熱材と発泡ポリスチレンとを接着した複合断熱材(特許文献4参照。)、木質材料とポルトランドセメントに、水と硬化剤を加えて板状に加圧成形した木質セメント板に、ABS樹脂等の合成樹脂や木材等を所定の大きさの角材状にした胴縁が固着され、該胴縁の裏面に発泡体である押出法ポリスチレンフォーム、その他、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等を発泡させてパネル状に成形した断熱材が固着されている複合セメント板(特許文献5参照。)などが提案されている。しかしながら、これらの断熱材では、主として発泡合成樹脂などの有機質材料が断熱性を担っていることから、難燃性、耐火性の面では難がある。
【0004】
また、無機系の難燃材としては、例えば、砕石を破砕して骨材を製造する際に生じる微粒子(石粉)、砕石を破砕研磨して摩砕骨材を製造する際に生じる微粒子(研磨廃粉)、廃コンクリートから再生骨材を製造する際に生じる微粒子、アジテータトラック(コンクリートミキサー車)のドラム内を洗浄する際に生じる微粒子(スラッジ)、石炭焼却灰、ゴミ焼却灰、石膏廃微粒子、鉱滓スラグの粉末、高炉スラグの粉末、火山灰、ゴミ溶融スラグの粉末、汚泥(ヘドロ)等、その他、産業廃棄物とされる廃微粒子と、セメントと、水を混合して、空気連行剤(エントレントエアー剤)を添加することにより気泡を含む状態に固化させるようにした断熱材、更にこの断熱材をコンクリート壁の片面に形成した断熱壁構造(特許文献6参照。)、水及び発泡剤を撹拌しながら、セメント、石炭灰、及び石膏を含む粉体組成物を加えて混練した後、混練した混合物を鋳込成型して養生し固化した断熱材、さらにこの断熱材と石膏ボードからなる不燃ボード(特許文献7参照。)、セメント、混和材(フライアッシュ)、吸水性を有する中空骨材(シラス、白土または軽石など火山性ガラス質堆積物を焼成発泡させたもの)もしくは吸水性を有しない中空骨材(ビーズ法ポリスチレンフォーム;発泡ポリスチレン)、補強材(ガラス繊維)、混和剤および水を混練し成形した断熱材(特許文献8参照。)などが提案されている。これらの無機質系断熱材は、燃えにくいという特長を有する一方で、それぞれ断熱性や強度に難点があるなど一長一短で、例えば補強のため金属板状に成形し、更に金属、合成樹脂、樹脂モルタルで補強仕上材層を積層するなどしている(特許文献8参照。)。更に、純度95質量%以上のマグネシアクリンカー粉末と、純度99質量%以上のアルミナ粉末と、アルミナセメントとを加えて混合し、気孔形成材を添加し、焼成した断熱材も知られている(特許文献9参照。)。この断熱材は高強度ではあるが、高純度のマグネシアクリンカー及びアルミナ粉末を使用することから原料が高価であるうえに、1500℃程度の高温による焼成が必要で、その用途が限定される。
【0005】
【特許文献1】特開2007−332203
【特許文献2】特開2001−140374
【特許文献3】特開2001−9943
【特許文献4】特開2008−8431
【特許文献5】特開2002−38625
【特許文献6】特開2004−83381
【特許文献7】特開2006−256890
【特許文献8】特開2007−290946
【特許文献9】特開2008−13430
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前述した従来の断熱材における問題点に鑑み、軽量で断熱性に優れ、しかも燃えにくい断熱パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る断熱パネルは、セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物を、密閉したセメント用成形型内に充填し、養生固化した多孔質成形体からなり、該多孔質成形体中に前記補強繊維及び泡を分散状態で含有する軽量セメントパネルであって、前記多孔質成形体に空洞部が形成されていることを特徴とする。前記空洞部は、パネルの側端面に開口していることが好ましい。
【0008】
前記空洞部が、複数に分割されて形成されていると、パネル全体の強度が均一にないことから好ましい。前記複数の空洞部は、パネルの一側端面から該側端面に相対する他側端面に向けて平行に形成されていることが、セメント用成形型の構造及び成形操作並びに空洞部の形成作業上好ましい。前記空洞部は、パネルの一側端面から該側端面に相対する他側端面に貫通させてもよい。
【0009】
また、上記のような本発明に係る断熱パネルは、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物を、密閉したセメント用成形型内に充填し、養生固化して得られた多数の空洞部を有する多孔質成形体からなる軽量セメントパネルをスライスしてパネル状にしたものであってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る断熱パネルは、多孔質成形体中に分散された補強繊維により補強され、また起泡剤により形成された多数の気泡を有する多孔質成形体からなる軽量パネルであって、しかも空洞が形成されていることから極めて断熱性に優れる。また、吸水や気温変動による強度低下や変形もなく、しかも釘打ち等の加工性も良好である。
【0011】
本発明に係る断熱パネルは、セメント混練物を目的とする大きさの板状に成形して製作してもよいが、大きなブロック状に成形した後、所望の厚さ、大きさの板状にスライスして製作すると、一つのセメント用成形型で多数のパネルの成形を一度に行うことができ、また養生、固化もまとめて行うことができるので、生産性が向上する。この場合、予め空洞部が形成されたブロック状に成形したうえでスライスしてもよいし、スライスしたパネルに切削加工などの後加工により空洞部を形成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示した実施の形態に基づき、本発明に係る断熱パネルの詳細を説明する。
図1は、本発明に係る断熱パネル1の一実施形態を示す斜視図であり、図2はその断面図である。図1、2に示す実施の形態の断熱パネル1は、例えば、補強繊維4と多数の気泡(図示せず)を分散状態で含有する多孔質成形体2からなる軽量セメントパネルであって、かつ内部に空洞部3が形成されている。多孔質成形体2は、例えば、セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物をセメント用成形型内に充填し、養生固化することで得られる。断熱パネル1に形成される空洞部3の形成方法に限定はないが、例えば、前記成形型内に装着される可動式成形駒により成形することができる。また、前記セメント用成形型内に、図3に示すような筒状部材5(合成樹脂製、紙製、金属製など)をインサートして、該筒状部材5を一体に成形して空洞部3を形成したものでもよい。更に、例えば、セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物をセメント用成形型内に充填し、養生固化して得られた軽量セメントパネルに、後から切削加工などにより空洞部3を形成してもよい。
【0013】
空洞部3の形状や大きさは、断熱パネル1の用途(例えば、壁材、床材、天井材、屋根材、その他の構造材など)によって異なる必要とされる強度、断熱性(熱伝導率)などにより適宜設定すればよい。図例の実施の形態では、空洞部3は断熱パネル1の一側端面2aから他側端面2bにかけて貫通した状態で形成されているが、中間部を挟んだ両側に分離して形成されていてもよい。図例の断熱パネル1では、パネルの長尺方向に沿って複数の空洞部3が平行に形成されているが、短尺方向に沿って形成されていてもよい。また、空洞部の断面形状についても特に限定はなく、図例のような円形の他、楕円形状あるいは四角形、五角形等の多角形状、その他の形状であってもよい。
【0014】
前記セメントは特に限定されず、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント等、各種セメントを使用できる。
【0015】
セメントと水との配合割合は、セメント100重量部に対して水が20〜100重量部、更には20〜50重量部の範囲が好ましい。水が多すぎると強度が低下する傾向にあり、水が少なすぎると成形時にセメント混練物の流動性が低下して成形性を阻害する傾向にある。
【0016】
前記補強繊維4としては、ポリビニルアルコール繊維(ビニロン)、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらの繊維のなかでも、ビニロン繊維は耐久性が高く、しかもセメントとの親和性に優れるので好ましい。補強繊維4の繊維長は特に限定されないが、短繊維であることが好ましい。補強繊維4の繊維長が短すぎると補強効果が不足する傾向がみられる。補強繊維4の繊維長が長い方が補強効果の点では有利であるが、その一方で、繊維長が長くなるほど分散性が低下し、成形体内で補強繊維4が偏在して、かえってパネル強度を低下させる場合もある。また、補強繊維4の太さにも特に限定はない。
【0017】
本発明に係る断熱パネル1は、セメント混練時にビニロン等の補強繊維4を均一に分散させるだけで、図2、3に示すような補強繊維4の絡み合いによる補強構造が得られる。従って、パネルの製造に際して、網状補強材等の補強材を埋設する場合の位置決め操作等の煩雑な作業も不要で、強度にバラツキのないパネルを容易に製造できる。
【0018】
補強繊維4の配合量にも特に限定はないが、通常、セメント100重量部に対して0.5〜5重量部でよい。補強繊維4の配合量が少ないと、補強効果も低く、パネル強度も低くなる。補強繊維4の配合量が多いほどパネル補強効果においては有利であるものの、補強繊維4の配合量が過剰であるとセメント混練物中での分散性が悪くなり、補強繊維4が偏在して、パネルの強度が不均一になり、かえってパネルの強度を低下させるおそれがある。
【0019】
本発明で使用する起泡剤は特に限定されず、セメント用、コンクリート用の起泡剤、例えば、タンパク質系、界面活性剤系、樹脂系等の公知の各種の起泡剤を使用できる。更に、前記起泡剤とともに、アルミニウム粉等の金属系発泡剤を使用することもできる。起泡剤の添加量や添加方法は特に限定されず、得られるパネルの比重が目標値となるように適宜調整すればよい。空洞部3を除いた軽量セメントパネル自体の比重は、好ましくは0.05〜2.0であり、より好ましくは0.1〜1.0の範囲である。比重が小さいほど気孔率が高くパネルは軽量かつ高断熱性となり、取り扱い性および断熱材としての性能面では有利である。しかし、気孔率が大きくに従いパネルの強度が低下する傾向にあり、比重が大きくなるほどパネルが重くなり、取り扱い性および断熱性は低下する傾向にある。
【0020】
前記セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡、その他の添加剤等からなる混練物の混練に際しては、従来公知のセメントミキサーやコンクリートミキサーなどを使用できる。たが、混練物中の起泡剤をプレフォームした泡(気泡)の状態や補強繊維にダメージを与えることなく、かつ全体を均一に混練することが重要である。混練時に起泡剤の泡(気泡)がダメージを受けると、成形後のパネルにおける気泡の大きさが不均一となり、パネル強度にバラツキが生じることがある。また、補強繊維がダメージを受けると折損して所期の補強効果が得られないおそれがある。
【0021】
上記のようなセメント、水、補強繊維および起泡剤をプレフォームした泡を混練し、セメント用成形型に充填して使用目的に応じた大きさの板状に成形するか、又はそれより大きなブロック状に成形した後、養生することで、気泡を含んだセメントミルクが、セメントと水との水和反応により硬化して、補強繊維と多数の気泡を分散状態で含有する軽量な多孔質成形体が得られる。ブロック状に成形した場合は、固化後、所定の厚さの板状にスライスして断熱パネル1である軽量セメントパネルが得られる。断熱パネル1の厚さは特に限定はなく、例えば2〜100mm程度である。
【0022】
断熱パネル1の具体的な製造法の一例を挙げると、セメントに水及び減水剤を混合し、これに補強繊維を加えて混練する。一方、起泡剤に空気を導入し、所定の倍率にプレフォームする。この起泡剤をプレフォームした泡を、前記混練物に加えて混練する。なお、混練の途中で混練物の比重を適宜測定し、目標値に近づけるよう、起泡剤をプレフォームした泡を更に追加して混練してもよい。このセメント混練物を、例えば、空洞部3を形成する成形駒を装着した金属製の耐圧成形型に充填し、例えば600mm(幅)×1800mm(長さ)で所定の厚さの板状に成形し、これを養生、固化させる。これにより、図1〜3に示すような、セメントが固化した多孔質成形体2からなり、成形体2中に分散した補強繊維4の絡み合いにより補強された軽量セメントであって、空洞部3が形成された断熱パネル1が得られる。また、図4に示すように、大きなブロック状の多孔質成形体2Aを成形し、養生固化した後、所望の厚さ、大きさの板状の軽量セメントパネルを切り出して断熱パネル1Aとしてもよい。なお、養生は、通常の養生でもよいし、蒸気養生でもよいし、両者を組み合わせてもよい。また、養生はセメント用成形型内で完了させるのではなく、セメント用成形型内で蒸気養生し、ある程度固化した段階、通常は数時間後、型から取り出して更に養生することで、セメント用成形型での成形サイクルが短くなり、生産性が向上する。
【0023】
更に、断熱パネル1には、図3に示すような表面補強層6が形成してあってもよい。表面補強層6としては、合成樹脂製やゴム製のシートやフィルムなどの表面補強シートを接着剤にて多孔質成形体2に接着し被覆してもよい。表面保護層6の材質には特に限定はないが、例えば、非発泡合成樹脂、紙、更には非発泡合成樹脂にて被覆された紙等により構成することができる。非発泡合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂の他、ABS、MMA等の合成樹脂が好ましいものとして挙げられる。更に、表面保護層6を構成する合成樹脂からなるフィルム、シート又はボードの表面をコロナ放電加工したり、それらの表面を酸で表面処理したりする等して、表面保護層6と多孔質成形体2の表面との接着性を高めるようにしてもよい。表面保護層6を構成する合成樹脂製のフィルム、シート又はボード、紙等は単層であってもよいし、多層であってもよい。このように、断熱パネル1の最外層に、非発泡合成樹脂や合成ゴムなどからなるフィルム、シート又はボードを接着したり、合成樹脂を塗布したりして表面保護層6を設けることで、パネル強度が増大するとともにパネル表面からの吸水を防止できる。表面保護層6は、図3に示すように多孔質成形体2の表裏両面に設けてもよいし、一方の表面のみを被覆するように設けてもよい。更に、断熱パネル1の側端面部にも設けることができる。
【0024】
また、表面補強層6の他の実施形態としては、多孔質成形体2の表面に、例えば発泡性ウレタン樹脂等の発泡性合成樹脂等を塗布して合成樹脂層にて被覆するとともに、この合成樹脂層中に繊維系補強シートを埋設状に設けて加圧成形などして多孔質成形体2の表面に補強シート及び合成樹脂層からなる表面保護層6を一体に形成すせる方法も挙げられる。前記繊維系補強シートとしては、ポリビニルアルコール繊維(ビニロン)、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維等のポリオレフィン系繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鋼繊維、ガラス繊維等などの繊維材からなる織布又は不織布であって、該繊維系補強シートの網目を通じて該繊維系補強シート両側にある合成樹脂層同士を補強シートとともに強固に一体化するように、比較的大きな貫通孔を多数有するメッシュ状の織布又は不織布を採用することが好ましい。
【0025】
上記のような本発明に係る断熱パネルは、軽量セメントパネルからなるので軽量で、かつ空洞部による高い断熱性能を有し、建築物の壁材、床材、天井材、パーテーションなどに組み込まれる断熱材等、建築分野や土木分野、その他、冷蔵庫、保冷車などの保温保冷機器用資材などのあらゆる分野ににおいて広く使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の断熱パネルの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す断熱パネルの断面図である。
【図3】本発明の断熱パネルの他の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明の断熱パネルを製造する方法の実施形態である、ブロック状の多孔質成形体から断熱パネルとなる軽量セメントパネルを切り出す様子を示す説明図である。
【符号の説明】
【0027】
1 断熱パネル 1A 断熱パネル
2 多孔質成形体(軽量セメントパネル)
2A 多孔質成形体
2a、2b 側端面
3 空洞部
4 補強繊維
5 筒状部材
6 表面補強層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメント、水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物を、密閉したセメント用成形型内に充填し、養生固化した多孔質成形体からなり、該多孔質成形体中に前記補強繊維及び泡を分散状態で含有する軽量セメントパネルであって、前記多孔質成形体に空洞部が形成されていることを特徴とする断熱パネル。
【請求項2】
前記空洞部が、パネルの側端面に開口している請求項1に記載の断熱パネル。
【請求項3】
複数の空洞部が形成されている請求項1または2に記載の断熱パネル。
【請求項4】
前記複数の空洞部が、パネルの一側端面から該側端面に相対する他側端面に向けて、平行に形成されている請求項3に記載の断熱パネル。
【請求項5】
前記空洞部が、パネルの一側端面から該側端面に相対する他側端面に貫通している請求項2〜4のいずれかに記載の断熱パネル。
【請求項6】
水、補強繊維及び起泡剤をプレフォームした泡を混練した混練物を、密閉したセメント用成形型内に充填し、養生固化して得られた多数の空洞部を有する多孔質成形体をスライスしてパネル状にした請求項1〜5のいずれかに記載の断熱パネル。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−156015(P2009−156015A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48201(P2008−48201)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(398062574)カナフレックスコーポレーション株式会社 (62)
【Fターム(参考)】