説明

断熱材を有する熱成形金型および関連方法

【課題】装飾が重なり合う領域では、装飾の厚さが2倍になり、装飾および/または食品用鉢上の装飾の2つの厚さの間に不完全な結合が通常観察される。これを解決する為の金型と方法を提供する。
【解決手段】装飾を有する食品用鉢を熱成形するための金型および関連方法に関し、前記金型(1)はプレートの形をしていて、その厚さ内に鉢を熱成形するための少なくとも1つのセル(2)が形成され、前記金型は、前記金型の熱浸透率より小さい熱浸透率を有するエレメント(3)を備え、前記エレメント(3)は前記セルの周壁(21)の少なくとも一部の上に配置され、前記一部は前記装飾の重なり合う領域に接触していることが意図される点を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱成形金型の分野に関する。
【0002】
本発明は、より正確には、食品産業においてプラスチック製の鉢を製造しかつ鉢の周囲に装飾を溶着するために使用される熱成形金型に関する。
【背景技術】
【0003】
これらの金型は、概して、内部に鉢を熱成形するためのセルが形成されるプレートの形をしている。これらの鉢は、例えばヨーグルト用の鉢であり、鉢上へ熱結合される装飾は、ほとんどの場合熱接着紙で製造される。
【0004】
プラスチック製の鉢を熱成形によって製造するためには、金型内部の周壁に装飾が配置され、次に、プラスチックが予め加熱されたプレートの形で金型内へ導入され、続いてブローイングにより金型の壁へと押しつけられる。
【0005】
鉢を形成するように意図されるプラスチックの温度は、金型の温度より高い。したがって、プラスチックは金型に接触した時点で冷却されて固化する。すなわち、これが熱成形動作である。
【0006】
熱成形の間、金型内へ導入されるプラスチックから金型へ伝達される熱は、装飾をプラスチック製の鉢上へ熱結合させるために利用される。
【0007】
したがって、金型は、ブローイングにより金型内に圧入されるプラスチック材料が固化して食品用の鉢が形成されるほど十分に冷たいものでなければならない。同時に、金型は、鉢上へ確実に装飾を熱結合させるに足る熱さをも保つものでなければならない。
【0008】
したがって、食品用鉢の熱成形および鉢上への装飾の熱結合の双方を可能にする金型の温度を維持するために、現行の金型は温度を調整するための流体循環溝を設けている。
【0009】
具体的には、金型が熱すぎれば、プラスチック製鉢の形成は不十分なものになる。さらに、金型が冷たすぎれば、装飾の熱結合が、特に装飾同士が重なり合う領域で不十分な結果となる場合がある。
【0010】
これは、装飾が金型のセルの外周を上回る長さを有し、よって金型内に配置されると、装飾同士が重なる領域を有することに起因する。
【0011】
熱成形を可能にする条件を維持するための温度調整を達成することは、さほど困難ではない。この場合の目的は、金型内へ導入される熱をプラスチック材料によって除去することにある。そうでなければ、熱成形動作の間に、良好な鉢成形条件を保証し得ない危険性を伴って金型内に熱が蓄積することになる。
【0012】
この目的に沿って、既存の金型は、冷却流体を運搬するための溝を設けている。
【0013】
同時に、これらの溝によって達成される温度調整は、食品用鉢上の装飾の効率的な熱結合も可能にしなければならない。
【0014】
この設計は、実質上鉢の全外周に亘って満足のいく装飾の熱結合を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、装飾が重なり合う領域では事情が異なる。これは、重なり合う領域では、装飾の厚さが2倍になり、かつ、装飾および/または食品用鉢上の装飾の2つの厚さの間に不完全な結合が通常観察されることに起因する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明の目的は、重なり合う領域において、装飾の2つの厚さの間、および/または装飾と食品用鉢との間の結合の不完全性を低減することを可能にする金型を提供することにある。
【0017】
この目的のために、本発明は、装飾を有する食品用鉢を熱成形するための金型を提供する。この金型はプレートの形をしていて、その厚さ内には鉢を熱成形するための少なくとも1つのセルが形成される。前記金型の特徴は、金型の熱浸透率より小さい熱浸透率を有するエレメントを備え、前記エレメントはセルの周壁の少なくとも一部上に配置されて前記壁の高さに沿って延び、前記一部は装飾の重なり合う領域に接触していることが意図される点にある。
【0018】
また、この金型は他にも、下記の特徴のうちの少なくとも1つを個々に、または組合せによって有する。
−前記金型は、前記エレメントを挿入するための区画を備える。
−前記区画は、金型の上面へ向かって開く。
−前記区画は、セルの周壁の高さ全体に亘って延びる。
−前記エレメントは、金型の周壁に当てて配置されるシートである。
−前記エレメントは、下記の材料、すなわち、セラミック、熱的に安定したプラスチック材料、フェルト、フッ素ポリマー樹脂、マイクロビーズを含むエポキシ樹脂、シンタクチック樹脂、ポリアリルエーテルケトン樹脂(PEEK)またはポリオキシメチレンのうちの1つで製造されるように選択される。
−前記エレメントは、取外し可能である。
−前記金型は複数のセルを備え、各セルは選択された熱浸透率であるエレメントを少なくとも1つ有する。
−前記金型は、鉢を熱成形するためのしきい値温度Tthreshold以下に保つよう、金型を冷却するための手段を備える。
【0019】
この目的を達成するために、装飾を有する食品用鉢を熱成形する方法も提供されていて、前記方法は、下記のステップ、すなわち、
−予め加熱されたプラスチック材料をセルに導入するステップと、
−ブローイングによってプラスチック材料をセルの壁に押し当てるステップと、
を含み、これらのステップより前に、装飾の重なり合う領域が前記エレメントに接触した状態になるよう、予め製造された装飾を前記発明による金型のセル内に配置することに存するステップを含むことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】複数の食品用鉢成形セルを有する従来の金型を表す。
【図2】本発明による金型を、各々図2(a)、図2(b)および図2(c)に示す3つの別々の図で表している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付の図面を参照して行う以下の説明を読めば、本発明はより良く理解され、かつ本発明の他の目的、優位点および特徴はより容易に明らかとなるであろう。
【0022】
図1は、既知の金型10を表している。
【0023】
この金型10は、例えばアルミニウムである金属材料を使用して製造される。金型10は、各々が食品用の鉢を形成するように意図される複数のセル11を備える。
【0024】
また、金型10は、その入口Eおよびその出口Sによって表される冷却手段も備える。この冷却手段は、金型10の厚さ内に配置されかつセル内を一定の温度に維持するために冷却流体を搬送する溝を有する。
【0025】
この温度は、金型内に導入される熱いプラスチックが冷却されて食品用鉢の形成を可能にするに足る低温であるように、しかも、食品用鉢へ装飾を結合するに足る高温でもあるように選択される。
【0026】
変わって図2は、本発明による金型1を3つの異なる図、すなわち、平面図である図2(a)、図2(a)に示す金型の幅方向の断面A−Aに沿った図2(b)、および図2(a)に示す金型の長さ方向の部分断面B−Bに沿った図2(c)で表している。
【0027】
この金型1は、各々が食品用の鉢を形成するように意図される複数のセル2を備える。本事例では、各々4つのセルよりなる2列が設けられている。当然ながら、他の配列が設けられる可能性もあり、または、1つのセルのみを有する金型も考えることができる。具体的には、これは、その全体的外観が図1に示す金型に一致する可能性もある。
【0028】
金型1はプレート形であり、その厚さ内に、鉢を熱成形するためのセル2が形成されている。
【0029】
金型のセル2のうちの少なくとも1つには、エレメント3も設けられる。エレメント3の熱浸透率は、金型1の熱浸透率より低く、かつ鉢を形成するように意図される材料の熱浸透率より高い。
【0030】
エレメント3の一方の面31は、セル2の周壁21に一致する。
【0031】
物質の熱浸透率Eは、下記の関係式によって定義される。
【0032】


【0033】
但し、
ρは、物質の密度(kg m−3)であり、
cは、物質の比熱容量(J kg−1−1)であり、
λは、物質の熱伝導率(W m−1−1)である。
【0034】
温度Tにおいて熱浸透率Eである金型1が、セル2内で鉢を形成するように意図される材料と急激に接触状態にされ、前記材料が温度T(T>T)でありかつ熱浸透率Eを有していれば、金型1とプラスチック材料との界面における平衡温度Teqは、関係式、


【0035】
によって近似的に定義されてもよい。この関係式(R2)は事実上、接触抵抗のない平坦な接触面に関しては正確である。
【0036】
しかしながら、関係式(R2)に至る動作原理は、目下の事例に適用されてもよい。
【0037】
鉢を熱成形する作業を実行するためには、この平衡温度Teqはしきい値温度Tthresholdより低温でなければならない。
【0038】
金型1は本来金属であり、故に、高い熱浸透率を有する。例えば、鋼の熱浸透率は約14,000(単位SI)である。逆に、鉢を形成するように意図される材料(この材料は例えばプラスチックである)の熱浸透率Eは金属のそれに比べてかなり低く、概して約30分の1である。
【0039】
金型の温度は、例えば約30℃であって、食品用鉢を熱成形するための温度Tthresholdより低い。さらに、予め加熱されるプラスチックの温度Tは120℃から150℃までの範囲内であり、好適には約135℃である。
【0040】
結果的に、食品用鉢を形成するように意図される材料が金型1に接触するに至る時点で、平衡温度Teqは金型の温度Tに極めて近い。
【0041】
金型1は、その入口Eおよびその出口Sで表される冷却手段を備え、前記冷却手段は、連続する熱成形動作の間にプラスチック材料により導入される熱の除去を促進し、かつこれを現行の金型内に存在するダクトによって行うために、金型の塊体内に配置される溝を有する。
【0042】
変形例として、金型を冷却するためのダクトを持たない金型1を考えることも可能である。この場合、連続する熱成形動作の間に金型の温度が過剰に上昇することを防止するために、金型1は、周囲媒体との大きい接触面積を有するようなサイズにされてもよい。また、金型の使用中に金型表面に強制気流を生成するための手段を使用することも可能である。
【0043】
食品用の鉢上へ、具体的には、装飾の厚さが2倍になる装飾の重なり合う領域へ装飾を熱結合するのに十分な温度を維持するための特定の溝の網を設けない限りにおいては、本発明による金型の設計は比較的単純である。
【0044】
実際には、本発明の範囲において、この機能は、その熱浸透率E’が金型1の熱浸透率Eより小さい、すなわち、E’<E(R3)であるエレメント3によって実行される。また、エレメント3を形成する材料も同様に、プラスチック材料の熱浸透率Eを超える熱浸透率E’を有するように準備されてもよい。
【0045】
マシンが熱成形/熱結合動作を実行すべく始動されるとき、金型1の金属部分の温度Tと、エレメント3の温度T’とは同じであり、すなわち、T=T’である。
【0046】
関係式R2を適用すると、関係式R3により、関係式T’eq>Teqが得られる。但し、T’eqはプラスチック材料とエレメント3との界面における平衡温度である。
【0047】
したがって、ブローイングにより金型のセル内へ導入されてプレスされるプラスチック材料は、金型と接触状態になる際に異なる温度に曝されることは理解されるであろう。
【0048】
より正確には、エレメント3を形成するために選択される材料の機能として、鉢を形成するように意図されるプラスチック材料とエレメント3との界面における平衡温度T’eqを、それを超えると鉢上への装飾の熱結合が高品質を有するしきい値温度T’thresholdより高い値に、熱成形の間、保つことができる。
【0049】
また、エレメント3の熱浸透率E’は、金型内に形成されるプラスチック材料の熱浸透率Eより高くなるように準備されてもよい。
【0050】
したがって、金型のセル内に形成されるプラスチック材料は2つのタイプの材料、すなわち、一方で金型の「伝導」部分と称される場合もある金型1の金属部分、他方で金型の「断熱」部分と称される場合もあるエレメント3と接触することは理解されるであろう。
【0051】
エレメント3は、装飾の重なり合う領域を覆うための最小の幅を有する。従来技術では、装飾を結合する際の問題は、この装飾が二重の厚さになる領域において発生する。
【0052】
しかしながら、エレメント3は、金型のセルの周壁のより大きい部分を覆うためにこの最小の幅を超えて延びてもよい。しかしながら、この場合は、エレメント3を形成する材料が鉢の効率的な熱成形の維持を許容するように配慮することが必要になる。
【0053】
また、エレメント3は、食品容器製造に関連する要件および規格に適合していなければならない。
【0054】
上述の基準を満たす材料は、例えば、セラミック、熱的に安定しているプラスチック材料、フェルト、フッ素ポリマー樹脂、マイクロビーズで充填されたエポキシ樹脂、シンタクチック樹脂、ポリアリルエーテルケトン樹脂(PEEK)またはポリオキシメチレン(POM)で製造される。この場合のマイクロビーズは例えばガラス製またはポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))製であってもよい。
【0055】
金型塊体内の流体の循環に伴って引き起こされる金型の冷却は、これにより、金型1の金属部分およびエレメント3の温度を連続する食品用鉢の熱成形/熱結合動作の間にほぼ類似するかつほぼ一定の値に保つことを可能にする類のものであってもよい。
【0056】
さらに、任意選択ではあるが、エレメント3を形成するための材料は高い体積熱容量ρcおよび低い熱伝導率λを有するように準備されてもよく、よって、熱成形動作の間、金型のセル内での流体循環に伴って引き起こされる冷却にも関わらず、エレメント3の温度T’は上昇する。
【0057】
このような事例においては、エレメント3の温度T’が金型の金属部分の温度Tとは異なる点は理解されるであろう。これは、このような材料が熱を保つ高い能力を有することに起因する。
【0058】
その結果、これは、値T’ thresholdに関するより広い安全マージンを与えながら、各熱成形動作において平衡温度T’eqの上昇を促進する。
【0059】
エレメント3は、その機能を実行するために複数の形式で設けられてもよい。
【0060】
本明細書では、以下、非限定的な例として、幾つかの例示的実施形態について説明する。
【0061】
例えば図2は、本発明の好適な一実施形態を表していて、インサート3は金型の壁内に収容されて設けられている。
【0062】
この目的のために、金型1は、前記エレメント3を挿入するための区画4を有する。この区画4は、セル2の周壁21へ向かって開く。したがって、インサートはセル2の周壁21へ向かって開く面を有し、故に、この面31はセル2の周壁21に一致することができる。
【0063】
区画4は、所望される用途に応じて複数の形式で設けられてもよい。
【0064】
例えば、鉢上へ熱結合されるように意図される装飾が鉢の高さに等しい高さを有していれば、区画4は、セル2の周壁21の高さ全体に亘って延びてもよい。この場合、区画4も同じく金型の上面へ向かって開く。図2には、このような区画4が表されている。
【0065】
変形例として、鉢上へ熱結合されるように意図される装飾が厳密には鉢の高さより低い高さを有していれば、区画4は、厳密にはセル2の周壁21の高さより低い高さに亘って延びてもよい。
【0066】
エレメント3が、装飾の高さに応じて可変高さを有してもよいことは理解されるであろう。
【0067】
エレメント3は、装飾の重なり合う領域を、この重なり合う領域の高さ部分のみに亘って覆ってもよい。効果的には、エレメント3の高さは、この装飾の高さ全体において装飾が重なり合う領域を覆うための最小値を有する。
【0068】
エレメント3は、区画の高さに等しい、または厳密にはそれより少ない高さを有してもよい。効果的には、図2に表されているように、エレメント3の高さは区画4のそれに一致する。
【0069】
別の実施形態では、エレメント3は、金型の周壁21に当てて配置されるシートの形式で考えられてもよい。
【0070】
また、シート3は、装飾の重なり合う領域を覆うための最小の幅も有する。しかしながら、金型のセルの周壁のより大きい部分を覆うために、シート3はこの最小の幅を超えて延びてもよい。しかしながら、この場合は、シート3を形成する材料が鉢の効率的な熱成形の維持を許容するように配慮することが必要である。
【0071】
さらに、シート3は、装飾の高さに応じて可変高さを有してもよい。したがって、シート3は、装飾の重なり合う領域を、この重なり合う領域の高さの一部のみに亘って覆ってもよい。ある効果的な事例では、シート3の高さは、装飾の重なり合う領域をこの装飾の高さ全体に亘って覆うための最小値を有する。
【0072】
この実施形態によれば、区画を金型の壁内に設ける必要はない。
【0073】
シート3は、セルのサイズに対して小さい厚さを有し、よってこれは、セル2の周壁21と一体化することができ、かつセル2により熱成形され得る鉢のサイズに影響しない。
【0074】
エレメント3は、予想されるそのタイプに関わらず、取外し可能であってもよい。これには、同じ金型1を維持しながらエレメント3を交換できるという優位点がある。
【0075】
装飾の重なり合う領域の形状の観点から、予想される実施形態に関わらず、エレメント3がセル2の周壁21の高さに沿って延びることは理解されるであろう。例えば、第1の実施形態に関する図2を参照することができる。実際に、装飾の重なり合う領域の高さは、概してその幅より大きい。
【0076】
したがって、本発明は、熱成形、および特に装飾の重なり合う領域における高品質な装飾の熱結合の双方を実行するために、金型1を形成する金属の「伝導」品質に対する所定の材料の「断熱」品質によって利益を享受する。
【0077】
これにより、前記金型は、その構造、その製造およびその用途が大幅に単純化される。
【0078】
よって、本発明による金型は、装飾を有する食品用鉢の熱成形方法を実行することを可能にし、前記方法は、
−装飾の重なり合う領域がエレメント3に接触して配置されるように、予め製造された装飾を先に定義された金型1のセル2内に配置するステップと、
−予め加熱されたプラスチック材料を前記セル内へ導入するステップと、
−前記プラスチック材料をブローイングによって前記セルの壁に押し当てるステップと、を含む。
【0079】
装飾の事前製造は、金型のセル内へ挿入することができるよう前記セルより僅かに小さい直径を有する実質的に円筒形状にするために装飾を丸めることを可能にするデバイス(図示せず)において実行される。先に述べたように、装飾はセルの外周を上回る長さを有するが、これは、装飾同士に重なり合う領域が存在する理由を説明するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾を有する食品用鉢を熱成形するための金型(1)であって、前記金型はプレートの形をしていて、その厚さ内に鉢を熱成形するための少なくとも1つのセル(2)が形成され、前記金型は、前記金型の熱浸透率より小さい熱浸透率を有するエレメント(3)を備え、前記エレメント(3)は前記セルの周壁(21)の少なくとも一部の上に配置されて前記壁(21)の高さに沿って延び、前記一部は前記装飾の重なり合う領域に接触していることが意図されることを特徴とする金型。
【請求項2】
前記エレメントを挿入するための区画(4)が設けられる、請求項1に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項3】
前記区画(4)は、前記金型の上面(10)へ向かって開く、請求項2に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項4】
前記区画(4)は、前記セルの前記周壁(21)の高さ全体に亘って延びる、請求項2または3に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項5】
前記エレメント(3)は、前記金型の前記周壁(21)に当てて配置されるシートである、請求項1に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項6】
前記エレメント(3)は、セラミック、熱的に安定したプラスチック材料、フェルト、フッ素ポリマー樹脂、マイクロビーズを含むエポキシ樹脂、シンタクチック樹脂、ポリアリルエーテルケトン樹脂またはポリオキシメチレンのうちの1つの材料で製造されるように選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項7】
前記前記エレメント(3)は、取外し可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項8】
複数のセル(2)が設けられ、各セルは選択された熱浸透率である少なくとも1つのエレメント(3)を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項9】
前記鉢を熱成形するためのしきい値温度(Tthreshold)以下に保つよう、前記金型を冷却するための手段が設けられる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の食品用鉢を熱成形するための金型。
【請求項10】
装飾を有する食品用鉢を熱成形する方法であって、
−予め加熱されたプラスチック材料をセルに導入するステップと、
−前記プラスチック材料をブローイングによって前記セルの壁に押し当てるステップと、を含み、
これらのステップより前に、前記装飾の重なり合う領域が前記エレメント(3)に接触した状態になるよう、請求項1〜9のいずれか1項に記載の金型(1)のセル(2)内に予め製造された装飾を配置するステップを含むことを特徴とする方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−221707(P2010−221707A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−56998(P2010−56998)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(509330127)
【氏名又は名称原語表記】A.R.C.I.L
【住所又は居所原語表記】1 rue de la Boulaye 95650 Puiseux Pontoise France
【Fターム(参考)】