説明

新規なポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物

本発明は、新規なポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物、その製造方法、用途、これらを含む機能的配合物、これらを製造するための前駆体、およびこの前駆体を含む反応性組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物、その製造方法、用途、これらを含む機能的配合物、これらを製造するための前駆体、およびこの前駆体を含む反応性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
第四級アンモニウム構造を含むシロキサンブロック共重合体が広く知られている。これらは、シロキサン/第四級アンモニウム単位を含むジブロック共重合体(DE3340708、EP282720、US6,240,929、US6,730,766)であってもよい。一方、シロキサン/第四級アンモニウムポリエーテルブロック単位を含むトリブロック共重合体が開発されている(WO02/10256、WO02/10257、WO02/10259、WO2004/090007、WO03/078504、WO2004/041912、WO2004/042136参照)。このトリブロック共重合体の主な利点は、その構造が柔軟で、かなり大幅に具体的な製品要求を満たせることにある。
【0003】
GB1128642には、ウレア基とウレタン基を含む第四級アンモニウム化合物が開示されている。末端にアミノ基を有するシロキサンまたは末端にヒドロキシ基を有するシロキサンとジイソシアネートとの反応によって、末端にイソシアネート基を有する中間体が生成し、これらの中間体は、次に、例えば第一級ないし第三級のジアミンまたはトリアミンと反応し、第三級アミノ基は四級化される。例えば、オリゴエチレングリコールが鎖延長剤として用いられてもよいが、この場合、イソシアネート基の消費により、直接に第四級アンモニウム基の数の低減が引き起こされる。そのため、この方案の欠陥は、柔軟性をもって大幅に具体的な製品要求を満たすことができないことにある。
【0004】
また、ウレタン基を含むシロキサン改質のジ第四級化合物を合成するための結合基として非対称置換カーボネートを用いることが提案されている(WO2005/058863)。
【0005】
また、シロキサン単位およびアミン塩単位を含んでいるポリウレタンブロック共重合体を合成する過程において、前記非対称置換カーボネート結合基が用いられている(C.Novi、A.Mourran、H.Keul、M.Moller、Macromol.Chem.Phys.2006、ページ207、273−286)。これらの具体的なブロック共重合体の欠陥は、アミン塩という形のpH高感度の電荷のみを有するため、持続性が低減されることにある。カーボネート結合基を用いた方法の一般的な欠陥は、離脱基であるフリーフェノールが現れること、またはフェノールを完全に回避して炭酸塩構造を対応する前駆体に結合し難いことである。
【0006】
また、カーボネート官能性シロキサンと第一級および第二級のアミノ基またはヒドロキシル基を含有する炭化水素を反応させて、ウレタン基を含有するシリコーンまたは対応するエステルに変換することは知られている。カーボネート官能性シロキサンは、オレフィン性不飽和カーボネートをSiH−シロキサンを用いてハイドロシリレーション処理することによって得られる(US5,672,338、US5,686,547)か、またはCO2をエポキシシランにおけるエポキシ基に導入することによって得られる(DE19505892参照)。これらの公開出願には、第四級アンモニウム単位を含む材料の合成について、記載がない。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、これを鑑みて、その構造が柔軟性をもって大幅に具体的な製品要求を満たし、供与体−受容体の相互作用(例えばウレタン基による)によって製品の実質的特性に影響を与える新規なポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を提供することを目的とする。また、本発明は、最終製品にフェノールが含まれていること、また、第四級ブロック共重合体を生成するための好適な前駆体に近接し難いという従来技術の前記欠点を解決することを目的とする。
【0008】
新規なポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、簡単、安全かつ特異的に生産され、また、注目に値する新規な性能を有する。
【0009】
本発明は、式(1)の中の構成単位を少なくとも1つ含む、新規なポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物、またはこれらの酸付加物および/または塩に関する。
【0010】
【化1】

式中、
Rは水素、アルキルまたは残基ST1に結合する結合基から選ばれ、残基ST1に結合する結合基であれば、環状構造となり、
1は水素、アルキルまたは残基ST1に結合する結合基から選ばれ、残基ST1に結合する結合基であれば、環状構造となり、
2は水素、アルキルまたは残基ST1に結合する結合基から選ばれ、R1が残基ST1に結合する結合基であれば、環状構造となり、
ST1は2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素数1000以下であり、かつ、
−O−、
−C(O)−、および、
ケイ素原子数2〜1000のポリオルガノシロキサン単位
から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、
ここで、ST1は式−O−C(O)−O−の基も、式−O−C(O)−NH−の基も含まず、
複数の残基ST1がある場合、これらは同じでも異なってもよく、
Yは、それぞれ独立に−O−、−S−、−NR6−から選ばれ、ここで、
6は水素、または直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素原子数40以下であり、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR3−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、R3は上記と同義であり、
6は、残基ST2に結合する結合基であり、環状構造を構成し、
ST2は、2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素原子数1000以下であり、かつ、
−O−、
−C(O)−、
−NH−、
−NR3−、
【化2】

ケイ素原子数2〜1000のポリオルガノシロキサン単位
から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、ここで、
3は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数40以下であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、この炭化水素残基は場合によって、アルコキシシリル基(例えば、トリアルコキシシリル基)のようなシリル基で置換されてもよく、
5は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素数100以下であり、且つ−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、この炭化水素残基は場合によって、アルコキシシリル基(例えば、トリアルコキシシリル基)のようなシリル基で置換されてもよく、または、窒素原子に結合する2つの残基R5は、この窒素原子を含んで5〜7員環を構成し、この環は場合によって、1つまたは2つの他のヘテロ原子を含んでもよく、または、R5はR6と共に2価のアルキレン残基を構成し、このアルキレン残基はYとST2を含む環状構造を形成する。
【0011】
複数の残基ST2が存在する場合、これらは同じでも異なってもよく、
ただし、残基ST1および/またはST2の少なくとも1つは、1つのポリオルガノシロキサン残基を含む。
【0012】
好ましくは、Yは−O−、−NR6−を示し、ここで、
好ましいR6は水素、または直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数20以下であり、かつ−O−、−C(O)−、−NR3−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、ここで、R3は下記と同義であり、および/または
6は、ST2に結合する結合基を形成し、環状構造が形成される。この過程において、R6と残基ST2は、残基R5を介して結合されることが好ましい。
【0013】
好ましいST1は2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数400以下であり、かつ、
−O−、
−C(O)−、および
ケイ素原子数2〜500のポリオルガノシロキサン単位
から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよい。
【0014】
好ましいST2は、2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素数400以下であり、かつ、
−O−、
−C(O)−、
−NH−、
−NR3−、
【化3】

ケイ素原子数2〜1000のポリオルガノシロキサン単位
から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、ここで、
3は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数20以下であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、
5は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数20以下であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、または、窒素原子に結合する2つの残基R5は、この窒素原子を含んで5〜7員環を構成し、この環は場合によって、1つまたは2つの他のヘテロ原子を含んでもよく、または、R5はR6と共に2価のアルキレン残基を構成し、このアルキレン残基はYとST2を含む環状構造を構成する。
【0015】
例えば、R5がR6と共に、YとST2を含む環状構造を構成する2価のアルキレン残基を構成することは、本発明に係る化合物を製造するために前駆化合物HY−ST3−NR52として例えばメチルピペラジンを用いる場合にあたる。この場合、Y=−NR6であり、R6とR5がアルキレン残基を構成する。以下は、これについて詳述する。
【0016】
酸付加物とは、塩酸、硫酸、リン酸、C1〜C22カルボン酸(酢酸など)のような無機または有機プロトン酸によって、本発明に係るアミノ含有化合物を必要に応じて一部中和して生じた化合物である。
【0017】
本発明に係る化合物の塩類は主に、正電荷を中和するためにアニオンが求められる第四級アンモニウム基の存在によって生じる。このようなアニオンとは、特に、例えばアセテート、ステアレート、オレエート、ウンデカノエート、ドデカノエートのようなカルボン酸塩アニオン、塩化物、臭化物、ヨウ化物のようなハロゲンアニオン、硫酸塩、ハイドロゲン硫酸塩、リン酸塩である。
【0018】
本発明に係る化合物において、プロトン化されたアンモニウム基(H−N+)と第四級アンモニウム基(NR4+)が同時に存在してもよい。
【0019】
本発明に係る化合物の1つの好ましい実施形態によれば、残基R、R1とR2の少なくとも1つは水素である。好ましくは、残基R、R1とR2がいずれも水素であり、これによって、式(1a)
【化4】

の化合物が得られる。
【0020】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、本発明に係る化合物は、線形構造を有する。線形構造とは、ポリマーにおける、式(1)の各単位からなる主鎖がほぼ直線となり、すなわち、分岐がない。これに関わらず、この線形ポリマーの主鎖において環状の構成単位を含んでもよい。
【0021】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、残基ST1とST2はいずれも2価の残基である。すなわち、本発明の化合物は線形化合物であり、R1とST1を含む環状構造が存在しない。
【0022】
本発明に係る化合物には、分岐されたポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物も含まれ、特に、そのポリマーの主鎖の分岐が残基ST1とST2の少なくとも1つを介してなされるものの場合には、残基が必ず2価以上である。
【0023】
具体的には、線形化合物は、下記式(6)および(7)の出発化合物から得られる。
【化5】

ST2−(Y−H)q (7)
式中、ST1、R、ST2とYは前記と同義であり、pとqはいずれも2である。具体的には、本発明に係る分岐化合物は、qおよび/またはp>2の前記した前駆化合物を利用することによって得られる。
【0024】
また、本発明の分岐化合物は、ポリマーの主鎖における反応基を後で反応または架橋させることによって得られてもよい。
【0025】
例えば、
【化6】

(ただし、p=2)と、ST2−(Y−H)q(例えば、式NH2CH2CH2N(CH3)CH2CH2NH2の化合物、式NH2CH2CH2CH2N(CH3)CH2CH2NH2NH2の化合物またはアミノエチルピペラジン)を反応させて、式(1b)または(1c)の化合物を得ることができる。
【0026】
【化7】

【化8】

式中、ST2における第三級アミノ基は例えば、ST4v(−Q)tのような多官能性第四級化剤によって反応または架橋されてもよい。
【0027】
なお、本発明に係る化合物は、本発明の水酸基でポリイソシアネート、ポリカルボン酸、または、その誘導体、例えば酸塩化物またはポリエポキシドのヒドロキシル基を用いて後で架橋を行うこともできる。
【0028】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、少なくとも1つのポリオルガノシロキサン残基を有し、このポリオルガノシロキサン残基は、式(2)を有することが好ましい。
【0029】
【化9】

式中、R4は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数20以下であり、および/または、R4はアルコキシル残基であり、そのアルキル部分は直鎖、環状または分岐の、飽和のアルキル基であり、このアルキル基は炭素原子数20以下であり、このアルキル基は、例えば、ポリアルキレンオキシアルコキシ基である場合に、1つまたは複数の酸素原子を含んでもよく、また
s=1〜999である。
【0030】
好ましくは、
4はC1〜C20で、好ましくはC1〜C9で、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、特に好ましくはメチル、フェニルであり、また
sは1〜999で、特に1〜99である。
【0031】
特に好ましくは、シロキサン単位(2)は下記の構造を有する。
【0032】
【化10】

sは前記と同義である。
【0033】
次の化合物は、例えば、R4の違い、すなわちアルコキシおよび/またはアルキルに対応した化合物ST2−(Y−H)qを構成する。
【0034】
【化11】

【0035】
本発明に係る化合物を、ヘアケア分野のような化粧品分野に特に好適に用いる実施形態において、s>199が好ましい。
【0036】
本発明に係る化合物を、特に織物における柔軟剤として用いる特に好ましい実施形態において、sは20〜200が好ましく、20〜120が特に好ましい。
【0037】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、式(2)の少なくとも2つのポリオルガノシロキサン残基を含むことが特に好ましい。
【0038】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、式(1)の構成単位を少なくとも2つ含むことが好ましく、式(1)の構成単位を少なくとも3つ含むことがさらに好ましい。
【0039】
しかし、本発明の化合物が式(1)の構成単位を1つのみ有する場合も、本発明の範囲内に含まれる。この化合物は「蝶形」化合物と称することもある。このような化合物の例としては、下記のものである。
【化12】

(1molの
【化13】

と2molのST2−(Y−H)2との反応で生じた化合物)
【0040】
より複雑な蝶形構造は、ST2−(Y−H)2
【化14】

との逐次反応の後、HY−ST3−NR52およびST4V(−Q)2と反応するように構成される。
【0041】
【化15】

【0042】
前記反応は、本発明の化合物の末端基を形成する可能性も示している。これらの末端基は、用いられる多官能性モノマーの非反応性末端基から得られるか、または、反応性単官能化合物、例えばアルコール、アミンなどのCH−酸化合物から得られ、また連鎖停止するための水、または酸が加えられる。
【0043】
本発明のポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物において、Y=−NR6−が好ましく、R6は前記と同義である。Y=−NH−が特に好ましい。
【0044】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、アミノ基、プロトン化されたアミノ基、第四級アンモニウム基および/またはポリエーテル基を有することが好ましく、第四級アンモニウム基および/またはポリエーテル基を有することが特に好ましい。これは、本発明の化合物に優れた直接性と十分な親水性を与えるためである。
【0045】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物において、ST1はST2と異なることが好ましい。
【0046】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物において、好ましい実施形態によれば、ST1および/またはST2は、ポリオルガノシロキサン含有残基、ポリエーテル含有残基、ポリオルガノシロキサンおよびポリエーテル含有残基、単環または多環の炭化水素基、非環式で場合によって酸素を含む炭化水素基、芳香族基を有し且つ場合によって酸素を含む炭化水素基からなる群から選ばれる。残基ST1および/またはST2のうちの少なくとも1つは、1つのポリアルキレンオキシ基を有することが好ましい。
【0047】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、ST1および/またはST2を含む前記ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、下記の式の構成単位を含む。
【化16】

式中、sは前記と同義であり、かつ、r=1〜12である。
【0048】
具体的には、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、式(6)の化合物の1つと式(7)の化合物の少なくとも1つとの反応によって製造される。
【化17】

式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、かつ、p≧2であり、好ましくはp=2である。
ST2−(Y−H)q (7)
式中、ST2およびYは前記と同義であり、かつ、q≧2であり、好ましくはq=2である。好ましくは、Y=NR6であり、R6は前記と同義であり、好ましくは水素である。
【0049】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、このポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、式(5)の少なくとも1つの残基ST2を有する。
−ST3−N+(R52−ST4−N+(R52−ST3− +2A- (5)
式中、R5は前記と同義であり、
ST3は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素基は炭素原子数2〜100であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−および/またはNR3−を含んでもよく、ここで、R3は前記と同義であり、
ST4は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素基は炭素原子数2〜200であり、この炭化水素残基は、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR3−、および/または、ケイ素原子数2〜500、好ましくは2〜200を含むポリオルガノシロキサン単位を含んでもよく、ここで、R3は前記と同義であり、かつ、
-は有機または無機のアニオンである。
【0050】
ST3とST4の炭化水素残基に用いられる置換基は、1つまたは複数を含み、好ましくは1つ〜3つであり、好ましくは、これらはヒドロキシ、フッ素または塩素のようなハロゲンおよびシアノからなる群から選ばれる。特にST4の場合には、ヒドロキシが特に好ましい。
【0051】
好ましい実施形態によれば、式(2)を用いることによって、本発明の四級化ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物に用いられる式(3)が得られる。
【化18】

式中、R、R1、R2、ST1、ST3、ST4、R6およびR5は前記と同義であり、A-は有機または無機アニオンである。
【0052】
ただし、残基ST1、ST3とST4のうちの少なくとも1つは、1つのポリオルガノシロキサン残基を有する。
【0053】
前記した本発明の化合物は、式(6)の化合物と式(8)の化合物および式(9)の化合物とを反応させる方法によって製造されることが好ましい。
【化19】

式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、かつ、p≧2であり、好ましくはp=2である。
HY−ST3−NR52 (8)
式中、ST3、YおよびR5は前記と同義である。
ST4V(−Q)t (9)
式中、Qは、アミノ基をアルキル化できる残基であり、ST4Vは四級化反応後にQから生じた分子部分とともに残基ST4を構成し、かつ、t≧2であり、好ましくはt=2である。
【0054】
好ましくはY=NR6であり、式中、R6は前記と同義であり、好ましくは水素である。
【0055】
ST3を導入するための反応物HY−ST3−NR52は、第一級ないし第三級または第二級ないし第三級のジアミノ構造を有するもの、例えば、N,N−ジメチルプロピレンジアミンである。また、N−メチルピペラジンを用いることも好ましいが、この場合上記と同様に処理した結果、YとST2を含む環状構造を形成し得る可能性がある。これで、例えば、HY−ST3−NR52(Y=NR6、ST3=−CH2−CH2−、R5=−CH3、R5とR6が−CH2−CH2−を構成する)としてN−メチルピペラジンを用いる場合に、式(3a)の化合物が形成される。
【化20】

【0056】
原則的に、第一級ないし第二級ジアミンを使用してST3を導入してもよい。その後、残りのアミン基に対して四級化処理を施して鎖状構造とする。第一級または第二級アミノ基を有するST3前駆体によって、ポリウレタンを構成する。
【0057】
その代わりに、HOCH2CH2N(CH32のような第三級アミノ官能性アルコールを用いてST3を導入してもよい。この場合、ポリカーボネート(炭酸エステル)が形成される。
【0058】
少なくとも2つの第三級アミン官能基を有する高官能性アミンによって、分岐したST3構造を形成することも本発明の範囲に入る。
【0059】
例を挙げると、
N,N,N',N'−テトラメチルジプロピレントリアミン(Jeffcat ZR50B Huntsman)、および
N,N,N',N'−テトラメチルジエチレントリアミンである。
【0060】
ST4を含む反応物ST4V(−Q)tは、多官能性、特に二官能性のアルキル化剤であり、これらは、エポキシ基、ハロカルボン酸エステル基、ハロゲンアルキル基を有することが好ましい。さらに好ましくは、炭化水素系エポキシド誘導体は、
−炭化水素ジエポキシド、例えば、ビニルシクロへキセンジエポキシド、
−エピクロロヒドリン、
−エポキシ末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシド系ポリエーテルおよびプロピレンオキシド系ポリエーテル、例えばグリシジル末端ポリエーテル
−エポキシ末端ポリエステル、
−エポキシ末端ポリカーボネートである。
【0061】
ハロゲン官能性炭化水素誘導体、好ましくは塩化物および臭化物は、
−場合によってポリオルガノシロキサン単位に中断される炭化水素ジハロゲン化物、
−ハロゲン末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシド系またはプロピレンオキシド系ポリエーテル、
−炭化水素ジオールおよびポリエーテルのハロカルボン酸エステル、好ましくはエチレンオキシド系ポリエーテル、プロピレンオキシド系エーテル、特に炭化水素ジオールおよびポリエーテルのクロロ酢酸エステル、クロロプロピオン酸エステル、クロロブタン酸エステルであることが好ましい。
【0062】
同様に、二官能性酸アルコキシレートを対応するグリシジル、ハロゲンまたはハロカルボン酸エステル誘導体に転化して本発明のように用いることも本発明の範囲に入る。例えば、これらはコハク酸から誘導される。これらの化合物の例には、
【化21】

が含まれる。
式中、Dは、脂肪族または芳香族の場合によって置換される炭化水素残基であり、その例としては、下記のものである。
【化22】

【0063】
既知方法(「Organikum、Organisch−chemisches Grundpraktikum」、1988年、第17版、ページ402−408、ドイツ科学出版社(ベルリン))によれば、ジオール成分と対応するハロカルボン酸無水物またはハロカルボン酸塩化物との反応によって、特に好ましいクロロ−カルボン酸エステルを合成する。
【0064】
他の実施形態によれば、炭化水素基ST4は、α,ω−ヒドロキシ官能性のプレポリマーから誘導される複合α,ω−エポキシ構造またはハロゲン末端構造である。
【0065】
これらのα,ω−ヒドロキシ官能性のプレポリマーは、
−ジオールとジイソシアネートの反応性生物、
−OH末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシド系ポリエーテル、プロピレンオキシド系ポリエーテルとジイソシアネートの反応生成物、
−OH末端ポリエステル、
−OH末端ポリカーボネート
であることが好ましい。
【0066】
1つの好ましい実施形態によれば、これらのα,ω−ヒドロキシ官能性のプレポリマーは、対応するα,ω−ハロカルボン酸エステル、特にクロロ酢酸エステル、クロロプロピオン酸エステル、クロロブタン酸エステルに転化される。
【0067】
本発明によれば、好ましくは下記のものを介してシロキサンブロックを導入する。
【0068】
−α,ω−エポキシ末端シロキサン、好ましくはα,ω−グリシジル末端シロキサン、エポキシシクロへキシル末端シロキサン、
−α,ω−ハロゲンアルキル末端シロキサン、好ましくはクロロプロピル末端シロキサン、クロロプロペニル末端シロキサン、
−α,ω−ハロカルボン酸エステル末端シロキサン、好ましくはクロロ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロブタン酸のエステル、
−α,ω−ハロカルボン酸エステル末端ポリエーテルシロキサン、好ましくはクロロ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロブタン酸のエステルである。
【0069】
ST4に導入されるα,ω−エポキシ末端シロキサンとα,ω−ハロゲンアルキル末端シロキサンの製造方法は、既に従来技術に記載されている(「Silicone、Chemie und Technologie」、1989年、85〜90、120ページ、Vulkan出版社(エッセン))。
【0070】
α,ω−ハロカルボン酸エステル末端シロキサンは、WO02/10256の実施例1を参照して調製することができる。この場合、SiH−シロキサンとオレフィン性不飽和またはアセチレン性不飽和のアルコールのハロカルボン酸エステルとを反応させる。
【0071】
α,ω−ハロカルボン酸エステル末端ポリエーテルシロキサンは、WO02/10257の実施例1を参照して調製することができる。この場合、SiH−シロキサンとオレフィン性不飽和またはアセチレン性不飽和のポリエーテルのハロカルボン酸エステルとを反応させる。その代わりに、ポリエーテルシロキサンとハロカルボン酸、その無水物またはその酸塩化物と反応させてもよい(US5,153,294、US5,166,297)。
【0072】
他の実施形態によれば、好ましくは対応するα,ω−ヒドロキシアルキルまたはα,ω−ヒドロキシポリエーテル末端シロキサンプレポリマーから得られるα,ω−エポキシ官能性のシロキサンプレポリマーまたはハロゲン官能性のシロキサンプレポリマーを介して、シロキサンブロックをST4へ導入する。
【0073】
これらのOH末端シロキサン含有プレポリマーは、好ましくは、
α,ω−ヒドロキシアルキル末端シロキサンとジイソシアネートとの反応、
α,ω−ポリエーテル末端シロキサンとジイソシアネートとの反応
によって製造されてから、エポキシ誘導体とハロゲン誘導体に転化することによって得られる。1つの好ましい実施形態は、例えば無水物および塩化物とエステル化することによって得られるα,ω−ハロカルボン酸官能性のシロキサンプレポリマーを示している。
【0074】
ある特有の実施形態によれば、ST4に用いられる炭化水素系プレポリマー、シロキサン系プレポリマーは、α,ω−エポキシ官能性の前駆体またはハロゲン官能性の前駆体と、ビス第二級アミンの化学量論的欠損部、例えば、ピペラジンやビス第二級アミノ官能性のシロキサンとの反応によって得られてもよい。例えば、
【化23】

【0075】
もう1つの特別な実施形態によれば、ST4に用いられる炭化水素系プレポリマー、シロキサン系プレポリマーは、α,ω−エポキシ官能性の前駆体と、例えばエタノールアミン、NH2CH2CH2CH2Si(CH32OSi(CH33またはNH2CH2CH2CH2Si[OCH(CH32]3などの第一級アミンの化学量論欠損部との反応によって得られてもよい。例えば、これによって、シロキサン、シラン、または反応性アルコキシシラン構造を特異的にST4に導入する可能性が得られる。例えば、
【化24】

【0076】
なお、高官能性炭化水素系物質またはシロキサン系物質を用いて残基ST4を形成することも本発明の範囲に入る。これらの材料は、前記のエポキシ官能基またはハロゲン官能基のうちの2つを超える基を含む。
【0077】
高官能性炭化水素系物質は、例えば、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトールのグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体、それらのエトキシレート/プロポキシレートである。同様に、高官能性酸アルコキシレートを対応するグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体に転化して本発明のように用いることも本発明の範囲に入る。例えば、トリメリット酸またはピロメリット酸から誘導されてもよい。
【0078】
例えば、アリルアルコール、ブテンジオールおよびアリルアルコールまたはブテンジオールのアルコキシレートを対応するSiH−シロキサンに付加することによって得られるヒドロキシ官能性の前駆体から得ることができる。高官能性のシロキサン系物質は、α,ω−および/または櫛形のエポキシ置換基またはハロゲン置換基、好ましくはハロカルボン酸エステル置換基を含む。その代わりに、例えば不飽和のエポキシまたはハロカルボン酸エステル官能性の前駆体を対応するSiH−シロキサンに付加してもよい。
【0079】
重要なことは、これらの高官能炭化水素系またはシロキサン系物質の官能価は2より大きいということである。
【0080】
なお、単官能炭化水素系またはシロキサン系物質を用いて残基ST4を形成することも本発明の範囲に入る。これらの材料は、前記のエポキシ官能基またはハロゲン官能基のうちの1つを含む。
【0081】
単官能炭化水素系物質は、例えば、エタノール、2−プロパノール、ドデカノール、オクタデカノールのようなアルカノール、アリルアルコール、ヘキセノール、オレイルアルコールのようなアルケノール、プロピノールのようなアルキノール、および特に前記単官能アルコールのエトキシレート/プロポキシレートのようなアルコキシレートのグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体である。また、脂肪酸アルコキシレートを対応するグリシジルまたはクロロ酢酸エステル誘導体に転化して本発明のように用いることも本発明の範囲に入る。
【0082】
例えば、エポキシまたはハロゲン、好ましくはハロカルボン酸エステル置換基を含む好適な単官能シロキサン系物質は、WO02/10256から公知である。これらは例えば、対応するSiH−シロキサンに付加される不飽和のエポキシまたはハロカルボン酸エステル官能性の前駆体から得られてもよい。
【0083】
エポキシ含有物質をST4の導入に使用する場合に、従来技術における公知の手段によって、化学量論量で酸を加える。アニオンA-とは、例えばハロゲン化物、特に塩化物の無機アニオン、および、カルボン酸塩(特に、C2〜C18カルボン酸塩)、アルキルポリエーテルカルボン酸塩、アルキル硫酸塩(特に、メト硫酸塩)、スルホン酸塩(特に、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、さらに特にトリルスルホン酸塩)の有機アニオンである。
【0084】
ST1の導入に用いられる分子は、多官能、特に二官能性のシクロカーボネート前駆体である。これらの前駆体は、炭化水素系またはシロキサン系の構造から誘導される。
【0085】
1つの好ましい実施形態によれば、炭化水素系またはシロキサン系シクロカーボネート前駆体は、対応するエポキシ官能性誘導体から誘導される。これらは、塩基触媒により、CO2をエポキシ環に挿入して対応するシクロカーボネートに転化してもよい(DE 195 05 892)。
【0086】
そのため、式(10)の前記化合物は、CO2と反応するためのエポキシ官能性誘導体として好適である。
Q−ST4V−Q (10)
【0087】
ST1の生成に用いられるシクロカーボネートを発生させるエポキシ誘導体は、
−炭化水素ジエポキシド、例えば、ビニルシクロへキセンジエポキシド、
−エポキシ末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシド系ポリエーテル、およびプロピレンオキシド系ポリエーテル、例えばグリシジル末端ポリエーテル、
−エポキシ末端ポリエステル、
−エポキシ末端ポリカーボネートであることが好ましい。
【0088】
なお、二官能性酸アルコキシレートを、例えばコハク酸から誘導される対応するグリシジル誘導体に転化して本発明のように用いることも本発明の範囲に入る。
【0089】
他の実施形態によれば、炭化水素基ST1は、複合α,ω−エポキシド−プレポリマーから誘導される構造である。
【0090】
同様に、これらのプレポリマーは、好ましくはα,ω−ヒドロキシ官能性のプレポリマーから由来し、例えば
−ジオールとジイソシアネートの反応性生物、
−OH末端ポリエーテル、好ましくはエチレンオキシド系ポリエーテル、プロピレンオキシド系ポリエーテルとジイソシアネートの反応生成物、
−OH末端ポリエステル、
−OH末端ポリカーボネート
から由来し、これらは、例えば、エピクロロヒドリンとの反応によってエポキシドに転化される。
【0091】
ST1の生成に用いられるシクロカーボネートを発生させるシロキサン系エポキシ誘導体は、
−その合成がST4前駆体を説明する時に既に述べられたα,ω−エポキシ末端シロキサン、好ましくはα,ω−グリシジル末端シロキサンおよびエポキシシクロへキシル末端シロキサンであることが好ましい。
【0092】
他の実施形態によれば、シロキサン系エポキシ前駆体は、α,ω−ヒドロキシポリエーテル末端シロキサンプレポリマーのα,ω−エポキシ誘導体であってもよい。
【0093】
他の好ましい実施形態によれば、対応するビス1,2−ジオール官能性の誘導体から炭化水素系またはシロキサン系シクロカーボネート前駆体を誘導する。これらは、ホスゲンとの反応、またはジメチルカーボネートのようなジアルキルカーボネートとの触媒エステル交換反応によって対応するシクロカーボネートに転化されてもよい。(DE19505892)
ST1の生成に用いられるシクロカーボネートを発生させるビス1,2−ジオール誘導体は、ジグリセロール、高級オリゴグリセロールまたはビスグリセロール末端エーテルまたはポリエーテル構造であることが好ましい。同様に、二官能性酸を対応するビス1,2−ジオール誘導体に転化することも本発明の範囲に入る。その例としては、コハク酸のようなジカルボン酸のビスグリセロールエステルである。
【0094】
ST1の生成に用いられるシクロカーボネートを発生させるシロキサン系ビス1,2−ジオール誘導体は、
−α,ω−1,2−ジオール末端シロキサン、好ましくはSiHシロキサンと、グリセロールモノアリルエーテルまたはトリメチロールプロパンモノアリルエーテルから合成されるものであることが好ましい。
【0095】
他の好ましい実施形態によれば、ST1を発生させるためのシロキサン系α,ω−シクロカーボネートは、対応するシロキサンから誘導される。これらは、オレフィン性不飽和またはアセチレン性不飽和のシクロカーボネートに付加することによって、直接にシクロカーボネート末端構造に転化されてもよい(US5,672,338、US5,686,547)。好ましいオレフィン性不飽和のシクロカーボネートの一例としては、グリセロールカーボネートアリルエーテルである。このグリセロールカーボネートアリルエーテルは、CO2−挿入によってアリルグリサイドエーテルから得られるか、またはホスゲンとの反応、またはジメチルカーボネートとのエステル交換反応によってグリセロールモノアリルエーテルから得られることが好ましい。
【0096】
他の好ましい実施形態によれば、ジカルボン酸エステル構造、好ましくは炭化水素系ジカルボン酸エステル構造から、ST1を発生させるためのシクロバーボネートを誘導する。そのため、例えば、対応するジカルボン酸または酸ハロゲン化物とグリセロールカーボネートとを直接にエステル化する。好適なジカルボン酸は、例えばコハク酸である。
【0097】
なお、高官能性炭化水素系またはシロキサン系物質を用いて残基ST4を形成することも本発明の範囲に入る。これらの材料は、前記シクロカーボネート官能基のうちの2つを超える基を含む。
【0098】
高官能性炭化水素系物質は、例えばグリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトールおよびそれらのエトキシレート/プロポキシレートのシクロカーボネート誘導体であり、それらは、グリシジル誘導体から誘導されることが好ましい。高官能性酸アルコキシレートを対応するグリシジル誘導体、それからシクロカーボネート誘導体に転化して本発明のように用いることも本発明の範囲に入る。例えば、これらはトリメリット酸またはピロメリット酸から誘導される。
【0099】
高官能性シクロカーボネートエステルは、このような高官能性酸、例えば、トリメリット酸やピロメリット酸から、例えばグリセロールカーボネートとの反応によって誘導される。
【0100】
好ましくは、SiH、エポキシ−または1,2−ジオール官能性の材料から、α,ω−および/または櫛形のシクロカーボネート置換基を有する好適な高官能性シロキサン系物質が誘導される。前述したように、これらの材料は、それぞれ適当な反応によって対応する高官能性シクロカーボネートに転化できる。
【0101】
重要なことは、これらの高官能性炭化水素系またはシロキサン系物質の官能価は2より大きいということである。
【0102】
なお、末端基として1つのシクロカーボネート官能基を有する部分的単官能性炭化水素系またはシロキサン系物質を用いて残基ST1を形成することも本発明の範囲に入る。
【0103】
単官能性炭化水素系物質は、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセロールカーボネート、アルカノール(例えば、エタノール、2−プロパノール、ドデカノールおよびオクタデカノール)、アルケノール(例えば、アリルアルコール、ヘキセノール、オレイルアルコール)、アルキノール(例えば、プロピノール)、およびアルコキシレート(特に、前記単官能アルコールのエトキシレート/プロポキシレート)のカーボネートエーテル誘導体である。脂肪酸アルコキシレートを対応するカーボネートエーテル誘導体に転化して本発明のように用いることも本発明の範囲に入る。
【0104】
また、酢酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸のような飽和および不飽和カルボン酸由来の単官能カーボネートエステル誘導体を用いることも本発明の範囲に入る。前記のように、これらは、酸ハロゲン化物と、例えばグリセロールカーボネートとの反応によって合成されることが好ましい。
【0105】
SiH、エポキシ、または1,2−ジオール−官能性の材料から、好適なシロキサン系の単官能シクロカーボネートが誘導される。前記のように、これらの材料は、それぞれ適当な反応によって対応する単官能シクロカーボネートに転化できる。
【0106】
実質的には、単官能および/または高官能性のST1およびST2またはST4前駆体を、分子量を制御するために使用し、また高官能性化合物の場合には、二官能性のST1およびST2またはST4前駆体による線形構造の特異的なズレを達成し、分子量と分岐度に特異的に影響するように使用する。さらに、単官能および/または高官能性のST1およびST2またはST4前駆体を用いて、内的割合ST1:ST2またはST4を特異的にシフトさせることができる。例えば、二官能性および三官能性のST2前駆体と単官能性および二官能性のST1前駆体とを組み合わせることによって、ST2またはST4のセグメントに対するST1のセグメントのモル過剰が引き起こされる。
【0107】
反応プロセス全体の結果によれば、具体的には、第四級アンモニウム化合物ST4V(−Q)tを用いる過程において、ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン・ポリアンモニウム化合物が得られ、それは、構成単位ST1および/またはST2のうちの少なくとも1つでシロキサン単位を有する。もちろん、ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン・ポリアミノ化合物を調製し、次に、ST4V(−Q)t(ただし、t≦1)のような単・多官能第四級化剤との第四級アンモニウム化反応を行って、第四級化アンモニウム化された窒素原子を導入することができる。
【0108】
具体的には、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、式(6)の化合物の1つと式(7)の化合物の少なくとも1つとの反応によっても製造される。
【化25】

式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、かつ、p≧2であり、
ST2−(Y−H)q (7)
式中、ST2およびYは前記と同義であり、かつ、q≧2である。
【0109】
この場合、Yは、好ましくはNR6であり、R6は前記と同義であり、さらに好ましくは水素である。
【0110】
特に好ましくは、式(4)の化合物を用いる。
【化26】

【0111】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を製造するための反応は、室温〜160℃、好ましくは室温〜140℃の範囲内で行うことが好ましい。反応時間は、数秒間〜数分間である。この場合、アミノ官能前駆体は、一般的には、ヒドロキシ官能前駆体よりも反応性を有する。
【0112】
反応時間、反応温度、および得られた転化率は、特に、HY−前駆体でのアミノ基の種類に依存する。一般的には、第二級アミノ基より、第一級アミノ基のほうが反応しやすい。
【0113】
また、反応時間、反応温度、および得られた転化率は、特に、ST2に対する四級化またはアルキル化の能力がある基Qの種類にも依存する。一般的には、例えばハロゲンアルキル基より、ハロカルボン酸エステル基のほうが反応しやすい。
【0114】
本発明によれば、溶媒を用いずまたは用いて反応プロセス全体またはそのそれぞれの部分的なステップを行う。好ましい溶媒は、例えば、メトキシプロピルアセテート、ブチルアセテート、トルエンなどの典型的なラッカー溶媒である。同様に、例えば、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノールのようなアルコール、高級エチレンオキシド誘導体、またはプロピレンオキシド誘導体といったプロトン溶媒において反応を行うことも有利であり得る。
【0115】
四級化試薬を用いて前記反応プロセス全体を行う結果によれば、アミノ基および/またはアンモニウム基を有するポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物が得られ、それは、構成要素ST1またはST2のうちの少なくとも1つにおいてポリシロキサン単位を有する。
【0116】
また、本発明は、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の用途、即ち、塗料、表面改質剤、エラストマー、熱硬化性樹脂、接着剤、金属やプラスチック表面用のプライマー、高分子添加剤、洗剤添加剤、レオロジー剤、化粧品、繊維改質剤の製造への適用に関する。
【0117】
毛髪に用いられる化粧品配合物において、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は特に、いわゆるコンディショナーの機能を果たし、特に、毛髪の柔らかさ、艶、弾性、梳きやすさなどの特性の改善に有利である。具体的には、本発明の化合物は、ポリアルファオレフィン、フッ化オイル、フッ化ワックス、フッ化弾性ゴム、炭素数10以上のカルボン酸エステル、カチオンポリマー、不溶性または可溶性のシリコン、ミネラル油、植物油、動物油およびこれらの混合物といった他の汎用されているコンディショナーと組み合わせて使用してもよく、これらは例えばWO99/009939に記載されている。
【0118】
本発明はさらに、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を、例えばガラス、セラミック、セラミックタイル、セメント、および例えば自動車本体、船体のような鋼質部材といった硬い表面に表面改質を行うためまたは薬剤または塗料の製造に適用することに関する。
【0119】
さらに、本発明は好適には、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を、シリコーンエラストマーを、鋼、アルミニウム、ガラス、例えば、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリテレフタレートのようなポリエステルなどのプラスチックといった他の下地と結合させるためのプライマーの製造に適用することに関する。
【0120】
本発明の他の好ましい実施形態において、本発明は、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートのような熱可塑性合成材料用の改質剤の製造に適用することに関する。
【0121】
本発明の他の好ましい実施形態において、本発明は、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を、低温耐衝撃性の改質剤の製造に適用することに関する。
【0122】
前記した「〜の製造に適用する」とは、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物が、特定の用途のためだけに利用される場合も含む。すなわち、例えば、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物そのものが、直接低温耐衝撃性の改質剤として使用され得ることを意味する。これらは、必要に応じて混合、複合、マスターバッチ製造によって予め適切に調製されてもよい。
【0123】
また、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、好適には接着材と封止材における成分として用いられ、すなわちケーブルクラッド層であるケーブルカバー、軟管、封止部材、キーボードパッド、および、ガスを選択的に通過させるための薄膜のような薄膜といった熱可塑性エラストマーの素材として用いられることが好ましい。また、本発明の共重合体のその他の用途は、塗料、例えば、汚れ防止塗料、粘着防止塗料、組織適合性塗料、難燃塗料、および生物適合性材料に用いられてもよい。
【0124】
本発明の化合物は、化粧品、ボディケア製品、塗料添加剤、洗剤における補助剤、泡防止剤配合物、および樹脂を改質またはアスファルト改質するための織物加工のコーティング剤に用いられてもよい。
【0125】
さらに、電子素子の包装材、隔離・遮蔽材、結露水が形成されるキャビティ(例えば、飛行機、船、自動車)の封止材、洗剤、クリーン剤や保守製品の添加剤、ボディケア製品の添加剤、木材、紙シートや板紙のコーティング材、離型剤、コンタクトレンズなどの医薬用の生物適合性材料、織物繊維および織物組織用のコーティング材、革および毛皮のような天然材料用のコーティング材、薄膜用の材料、および例えばフォトリソグラフィー、光学的データ保存または光学的データ伝送などの感光系用の材料を含む。
【0126】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、粘度調整剤、帯電防止剤、シリコーン弾性ゴム用の混合成分、洗浄の前、途中および後に織物繊維を加工する織物繊維柔軟剤、天然繊維および合成された繊維(例えば、毛髪、綿繊維、およびポリエステル繊維、ポリアミド繊維のような合成繊維)および混紡織物を改質する薬剤、織物仕上げ剤、および例えば洗剤、クリーン剤のような洗浄剤を含む配合物の製造に適用され、前記シリコーン弾性ゴム用の混合成分は、過酸化反応またはヒドロシリル化反応(白金触媒)によって架橋されてエラストマーを形成し、そこに、ガスや液体などの拡散を変化させるため、または、シリコーンエラストマーの膨潤挙動を変更するために表面改質を行わせるものである。
【0127】
さらに、本発明は、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む新規な洗剤配合物、化粧品配合物、繊維処理配合物に関する。
【0128】
これを鑑みて、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、固体または液体の洗剤配合物においては、例えば配合物全量の約0.1〜10重量%を占めてもよく、化粧品配合物、および織物処理剤のような繊維加工用の配合物においては、配合物全量の約0.1〜50重量%を占めてもよい。
【0129】
好ましくは、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、ガラス、セラミック、セラミックタイル、プラスチック表面、金属表面、特に船体や自動車本体などのラッカー面、硬い表面の処理および仕上げに用いることができる。さらに特に、自動的に自動車を洗う乾燥剤配合物においても、好ましくはシリコーンエラストマーを、鋼、アルミニウム、ガラス、エポキシ樹脂、ポリアミドのような他の下地と結合させるための接着剤またはプライマーとして、また、過酸化反応かつ白金触媒による架橋のもとでの炭化水素系ポリマーおよびシリコーン系エラストマーシステムのための改質剤、例えば、低温耐衝撃性改質剤、極性改質剤として用いられる。
【0130】
また、本発明の化合物は、繊維加工用の特定の薬剤、特にアニオン、非イオン、カチオンの界面活性剤を含む洗剤配合物において、とりわけ織物の形状である天然繊維および合成繊維、例えば、綿毛、羊毛、ポリエステル系の合成繊維やポリアミド系の合成繊維の加工に適用される。この場合、本発明の化合物は、直接に洗剤に配合でき、調薬された様式で個別に洗浄途中に配合され、または洗浄過程終了後に配合され、加工すべき下地の柔らかさ、弾性を改善し、許容可能な親水性を保持しながらしわの傾向を低減することができる。
【0131】
同様に、これらはまた、とりわけカチオン界面活性剤の下で繊維と織物の洗浄終了後に添加する別々の柔軟剤系の成分、織物しわを抑制または消去するアイロン助剤または薬剤として用いられる。
【0132】
また、繊維の仕上げ、特に織物の形状である綿毛、羊毛、ポリエステル系合成繊維およびポリアミド系合成繊維、紙および木材に対する初期仕上げおよび加工にも用いられる。
【0133】
また、上述したように、有利には毛髪および皮膚処理用の化粧品系にも用いられる。
【0134】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の特に好ましい適用分野としては、水性の溶液、混合物、エマルション、マイクロエマルションが好ましく、特に化粧品配合物のベース用途が好ましい。
【0135】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物は、純物質、溶液、混合物、エマルション、およびマイクロエマルションとして用いることができ、また、液体、クリームまたはペーストの形状で、異なる粘度を有する本発明の適切な化粧品配合物を製造するための供給原料としてもよい。
【0136】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の配合物を製造するための方法、例えば硬いまたは柔らかい下地を処理するための方法は、
a)本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む溶液、混合物またはエマルションの形状をした予備混合物を製造するステップと、
b)a)の予備混合物を用い、必要によって他の界面活性剤、補材および他の添加剤を加えて他種の混合物を製造するステップ、または
c)撹拌機、溶解機、混練機、ポンプ、混合螺旋、混合ノズル、低圧乳化装置、高圧乳化装置によって各成分を混合することにより、ステップa)とb)を組み合わせるステップと
を含む。
【0137】
本方法は、従来技術(Ullmann's Enzyklopadie)に開示された機器、装置、例えば上記のような適切な容器、装置または混合機であるあらゆる形状の撹拌機によって実現される。
【0138】
全ての成分を直接に混合してもよい。しかし、予備混合物を製造することが、より速くより良好な分布を実現できる事から好ましいと共に、一部には、種々の物質のグループは、多大な努力のみでは相互の混合や乳化、分散ができないことから不可欠である。予備混合物または中間混合物は、溶液、ペースト、クリームまたは他の形状のエマルションあるいは分散液として現れることが好ましい。特に好ましくは、化粧品配合物における平均粒子径10〜200nmのマイクロエマルションを製造して使用する。
【0139】
例えば、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む配合物は、異なる剤形、例えばヘアトリートメントとして製造されてもよい。本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む成分は、ヒトおよび動物の毛髪や皮膚のようなケラチン含有物質を処理するための化粧品配合物、アルコールまたはポリアルコール性の溶液、またはエマルションとして用いられることが好ましい。製造の間に用いられる原料、補助剤および混合方法によって、明るい、濁った、または白色の配合物である。
【0140】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む溶液および混合物を製造するために、アルコールまたはポリアルコール性溶液、それと水、油分を含有しかつ一般的なシリコーン、(とりわけポリジメチルシロキサン)との混合物、溶媒および/または油分含有物質および/またはシリコーンの二成分系および三成分系を採用することが好ましい。この場合、特に好ましい溶媒は、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールエーテル、ポリエチレングリコールおよびそのエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールエーテル、プロピレングリコールおよびそのエーテル、グリセリン、およびこれらの混合物である。特に好ましい油分含有物質は、ミネラルオイル製品や、植物油、動物油および合成由来のオリジンの油およびその混合物である。本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物と異なるシリコーンとしては、例えば、環状および線形のポリジメチルシロキサンおよびその混合物が特に好ましい。これらの混合物は、例えば、(INCIによる)シクロメチコーン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサン、25℃での粘度が0.65〜60000000mPa.sの範囲内にあるジメチコーン、および25℃での粘度が10〜60000000mPa.sの範囲内にあるジメチコノールである。
【0141】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む好ましい溶液および混合物は、下記の成分および全重量に対する重量%を含む。
【0142】
溶液または混合物:
0.1〜99.9% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
0.1〜99.9% 溶媒および/またはオイルおよび/またはシリコーン、および/または水
【0143】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物のエマルションの成分は、
エマルションを製造するために、一般的に、水と、非イオン、カチオン、両性界面活性剤および界面活性剤との混合物を採用する。また、エマルションは、例えば無機および有機酸、塩基、バッファー、塩、増粘剤、「キサンタンガム」のようなエマルション用の安定剤、防腐剤、泡安定剤、泡防止剤や、例えばアルコール(エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリコールエーテル、グリセリンおよびその混合物)などの溶媒といった補助剤を含んでもよい。
【0144】
エマルションに用いられる本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物そのものは、エマルションの製造過程において乳化剤として使用されてもよい。
【0145】
例えば、化粧品配合物の製造に好ましく用いられる好ましいエマルションは、下記の成分および全重量に対する重量%を含む。

10〜50% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物、
1〜35% 界面活性剤、
0〜10% 補助剤、
0〜20% 溶媒、
残量 水
【0146】
次に、化粧品配合物、織物および他の繊維状の下地に対する仕上げ剤、または硬い表面に対する塗料に用いられるマイクロエマルションについて記載する。
【0147】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の活性成分量が高いマイクロエマルションを調製することが特に好ましい。これは、この化合物が、透明な化粧品配合物を製造できることに加え、水性配合物において技術的処理(「コールドプロセス」)を行う際に単純であるという利点があるからである。前記溶液および混合物の形状でマイクロエマルションを製造する場合に、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物が用いられる可能性がある。このエマルションにおいて、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の好ましい活性成分量は、全量の5〜60重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。
【0148】
本発明を制限するものではないが、特に好ましいマイクロエマルションは、下記の成分および全量に対する重量%を有する。

20〜80% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
0〜35% 界面活性剤
0〜10% 補助剤
0〜20% 溶媒
残量 水
【0149】
本発明は、化粧品配合物において本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物から調製される溶液、混合物またはエマルションを適用することを他の課題とする。
【0150】
これらの化粧品配合物は、あらかじめ調製された溶液またはエマルションを用いて調製されてもよく、直接各成分から個々に調製されてもよい。
【0151】
化粧品配合物
化粧品配合物は例えば、
ツーインワン(2in1)シャンプー、「ボディシャンプー」、洗浄中および洗浄後または染髪後のヘアトリートメント、または、脱色、ストレートパーマまたはウェーブパーマの前にヘアトリートメントを行うためのコンディショナーといったいわゆる「洗い流す(rinse-off)」製品と、ヘアトニック、ケアクリーム、スタイリングクリーム、ヘアジェル、ヘアスタイリング製品、ヘアセット製品、ヘアスプレー、ポンプスプレー、ヘアマッサージ剤、ドライヘアスプレーのようないわゆる「洗い流さない(leave-in)」製品を含む。また、前記化粧品配合物は、達成された染色効果の洗髪に対する耐性によって、永久的、半永久的、一時的染髪剤に分けられる染髪剤をさらに含む。ここで毛髪という用語は、全てのケラチン含有繊維を含むが、特にヒトの毛髪を指す。染髪剤は、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物に加えて、従来のシリコーン、界面活性剤、補助剤および染料を含む。これらの成分はそれぞれ単独に、または他の成分と組み合わせて用いられ、また、配合物において、体積、梳きやすさ、およびつやを向上させ、またヒトおよび動物の毛髪のような染色されたケラチン含有下地の退色と脱色を低減させるという付加機能を示し、本発明のポリウレタン・ポリエステル・ポリシロキサン化合物を少なくとも1つ含む。
【0152】
化粧品配合物に関して記述される略語は、INCI(アメリカトイレ化粧品・香料工業協会)に説明されている。
【0153】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物以外に含まれるシリコーンは、例えば、
25℃での粘度が0.65〜200000000mPasである環状、線形および分岐のポリジメチルシロキサン、およびオクタオルガノシクロテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカオルガノシクロぺンタシロキサン、ドデカオルガノシクロヘキサシロキサンなどの混合物を含む。ここで、好ましい有機残基は、例えばGEバイエルシリコーンズ社(GE BayerSilicones)のSF1173、SF1202、SF1217、SF1204、SF1258などのメチル、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社(Momentive Performance Materials)のbaysilons M oil(M3〜M2000000)、SE30、SF1214、SF1236、SF1276、CF1251などのジメチコーン、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社のbaysilons adhesive ZWTR/OH、すなわち、SiOH末端ポリジメチルシロキサン 2〜20kPa.sなどのジメチコノール、ダウ・コーニング社(Dow Corning)のDC1501、DC1503である。
【0154】
前記ポリジメチルシロキサンを、非イオン、アニオンおよびカチオンエマルション、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社のSM2169、SM2785、SM555、SM2167、SM2112の形状で、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物のエマルションと組み合わせて使用すること、および/または、前記ポリジメチルシロキサンの混合物および溶液を、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物と組み合わせて使用することが特に好ましい。これは、今日までに公知であるアミノ官能シリコーンについての文献(WO99/44565、WO99/44567、WO99/49836、WO99/53889、WO97/12594、US6,028,031、EP0811371、WO98/18443、WO98/43599、US2002−0182161)に詳述しているように、これらの組み合わせによってヘアケア製品の特有属性を導き出すことができるからである。
【0155】
固体シリコーン、いわゆるMQ樹脂、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社のSR1000、およびその溶媒(例えば前記シリコーン、イソドデカン)脂肪族溶媒における溶液も、同様にここに適用される。
【0156】
例えばアルキル、アリール、アリールアルキル、フェニル、フルオロアルキルなどのオルガノ官能基シリコーン、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社の品番SF1632、SF1642、SF1555、Baysilones CF1301、Baysilones PK20、FF157、SF1188A、SF1288、SF1388などのポリエーテル改質のシリコーンも、同様にここに適用される。
【0157】
界面活性剤
化粧品の配合成分としての界面活性剤は、「Die kosmetischen Praparate」A.Domsch 化学工業出版社1992年第4版、「Kosmetikjahrbuch」1995 化学工業出版社1995年、「Tensidtaschenbuch」、H.Stache、carl hanser出版社1981年第2版に説明されている。
【0158】
アニオン界面活性剤
下記のアニオン界面活性剤は、配合物成分として好適であるが、ただ例示のものであり、制限的ではない。
すなわちアルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルカリル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アシルイソチオネート、アシルグルタメート、アルキルエーテルカルボン酸塩、メチルタウライド、タウライド、サルコサイド、スルホスクシネート、蛋白質/脂肪酸縮合体、アルキルリン酸塩およびアルキルエーテルリン酸塩などが挙げられる。ここで、自由酸およびそのアルカリメタル塩、マグネシウム、アンモニウムおよびモノ・ジ・トリエタノールアミン塩が使用できる。
【0159】
一般には、アルキル基とアシル基は炭素原子数8〜18であり、かつ、不飽和であってもよい。アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩は、1〜10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位、またはエチレンオキシドとプロピレンオキシド単位の組み合わせを含んでもよい。
【0160】
両性界面活性剤
下記の両性界面活性剤は、配合成分として好適であるが、ただ例示のものであり、制限的ではない。
すなわちアルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、スルホベタイン、アセテート、ジアセテート、イミダゾリン、プロピオネート、およびアルキルアミンオキシドなどが挙げられる。
【0161】
この場合、アルキル基とアシル基は、炭素原子数8〜19である。
【0162】
非イオン界面活性剤
下記の非イオン界面活性剤は、配合成分として好適であるが、ただ例示のものであり、制限的ではない。
すなわちアルキルエトキシレート、アリールエトキシレート、エトキシレートエステル、ポリグリコールアミド、ポリソルベート、グリセリン・脂肪酸エトキシレート、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、および例えばアルキルグリコシドのような糖界面活性剤などが挙げられる。
【0163】
カチオン界面活性剤
カチオン界面活性剤は、純粋なカチオン界面活性剤とカチオンポリマーに分けられる。
【0164】
純粋なカチオン界面活性剤
下記の非イオン系界面活性剤は、配合成分として好適であるが、ただ例示のものであって、制限的ではない。
すなわちモノアルキルクワット、ジアルキルクワット、トリアルキルクワット、テトラアルキルクワット、ベンジルアンモニウム塩、ピリジン塩、アルカノールアンモニウム塩、イミダゾリン塩、オキサゾリン塩、チアゾリン塩、アミンオキシドの塩、スルホニウム塩などが挙げられ、ここで、「クワット」という用語は、少なくとも1つの第四級アンモニウム基が存在することを意味する。
【0165】
カチオンポリマー
具体的には、「ツーインワン」シャンプーの場合に、純粋なカチオン界面活性剤に加えて、カチオン改質されたポリマーが使用され得る。US5,977,038およびWO01−41720A1には、このポリマーについて詳細に説明している。ここでは、カチオンポリアクリルアミド、カチオン蛋白質誘導体、ヒドロキシアルキルセルロースエーテル、およびカチオングア誘導体が好ましい。CTFA名がグアヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物であるカチオングア誘導体が特に好ましい。これらの類は、商品名:Cosmedia Guar C261(ヘンケル社(Henkel))、Diagum P5070(ジアモルト社(Diamalt))、およびJaguarC−typesおよびJaguar EXCEL(ロディア社(Rhodia))から入手できる。
【0166】
補助剤:
「Die kosmetischen Praparate」A.Domsch 化学工業出版社1992年第4版、「Kosmetikjahrbuch」1995 化学工業出版社1995年には、特に化粧品配合物成分に用いられる補材を述べている。
【0167】
下記の補助剤は、配合成分として好適であるが、ただ例示のものであり、制限的ではない。
すなわち無機・有機酸、塩基およびバッファー、塩、例えば、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのアルコール、グリコールエーテルとグリセリン、増粘剤、キタサンガムなどのエマルション用の安定剤、保湿剤、防腐剤、泡安定剤、泡防止剤、例えば、グリコールジステアレートおよびチタニウムジオキシドのような真珠光沢剤と遮光剤()、コラゲンヒドロリセート、ケラチンヒドロリセート、シルクヒドロリセート、ジンクピリチオンのようなアンチダンドラフ活性の化合物、サリチル酸、セレニウムジスルフィド、硫黄およびタール製剤、ポリマー乳化剤、ビタミン、染料、UVフィルター、ベントナイト、香油、芳香剤、スタイリングポリマー、モイスチャー、植物抽出物およびその他の天然または天然同等の材料などが挙げられる。
【0168】
ヒトおよび動物の毛髪のようなケラチン含有下地を保護・処理するために、化粧品配合物に油性および水溶性のUVフィルター(日焼け止め成分)またはUVフィルターまたはその組み合わせを添加することにより、染料の退色および染色されたケラチン含有下地の脱色や退色を大幅に回避し、ひいては完全に回避できることが知られている。
【0169】
染髪剤の成分:
「Die kosmetischen Praparate」A.Domsch 化学工業出版社1992年第4版には、染料および染髪剤の他の成分について説明している。「化粧品規制令(kosmetik Verordnung)」第3条および付記3−1997年「連邦法律公報」第1部第2412ページおよび「欧州共同体(EC)指令」76/68/EEC付記IVには、染料について説明している。
【0170】
以下、染髪剤を永久的、半永久的と一時的染髪剤に分ける。
【0171】
永久的染髪剤
10回以上の複数回の洗髪をしても洗い流されない永久的染髪は、洗髪剤の前駆体間の酸化条件下での過酸化水素による化学反応によって形成される。この場合、得られる染色効果は、対応する成分の混合物により決められる。
【0172】
前駆体は、酸化塩基(顕色剤)とカップリング成分(修飾剤)に分けられる。
【0173】
酸化塩基:
下記の酸化塩基は、配合成分として好適であるが、ただ例示のものであり、制限的ではない。
すなわちm−・p−フェニレンジアミン(ジアミノベンゼン)、そのN−置換誘導体および酸、o−フェニレンジアミンのN−置換誘導体、o−・m−・p−トルイレンジアミン(メチルジアミノベンゼン)、そのN−置換誘導体および酸、p−アミノジフェニルアミン、−塩酸塩および硫酸塩、o−・m−・p−アミノフェノールおよびその塩酸塩、2,4−ジアミノイソ硫酸塩(4−メトキシ−m−フェニレンジアミン硫酸塩)、o−クロロ−p−フェニレンジアミン硫酸塩、ピクラミン酸(2,4−ジニトロ−6−アミノフェノール)および2,4−ジニトロ−1−ナフトール−スルホン酸およびそのナトリウム塩などが挙げられる。
【0174】
カップリング成分:
下記のカップリング成分は、配合成分として好適であるが、ただ例示のものであり、制限的ではない。
すなわちヒドロキノン(1,4−ジヒドロキシベンゼン)、レゾルシン(1,3−ジヒドロキシベンゼン)、プロカテコール(1,2−ジヒドロキシベンゼン)、α−ナフトール(1−ヒドロキシナフタレン)、ピロガロール(1,2,3−トリヒドロキシベンゼン)および2,6−ジアミノピリジンなどが挙げられる。
【0175】
一般には、酸化塩基およびカップリング成分を界面活性剤とともに水中油型エマルションに添加するが、単純な溶液またはシャンプーは、配合物とも称される。配合物はさらに、例えば、前駆体を安定させるための硫酸ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム、アスコルビン酸またはチオグリコール酸などの酸化防止剤を含み、また、アンモニアなどのアルカリ性物質と合わせてpH値8〜12(好ましくは9〜11)に調整される。また、界面活性剤としての湿潤剤、重金属用の錯化剤、アンモニア臭を隠すための芳香剤、毛髪の触感の改善や毛髪の保護のためのコンディショナー、および例えば、エタノール、エチレングリコール、グリセリンやベンジルアルコールなどの溶媒がさらに添加される。
【0176】
一般には、永久的染髪剤は、2つの成分系として供され、前述のクリームまたはシャンプーなどの染色溶液および顕色剤溶液からなる。この顕色剤溶液は、6〜12%の過酸化水素を含み、また選択的に、染色成分を含む配合成分が加えられ得る。しかし、当該過酸化水素溶液を注意深く安定化させる必要がある。
【0177】
半永久的染髪剤:
半永久的染髪は、退色することなく6〜10回のシャンプーによる洗髪に耐えることができる。この場合、実質的にニトロ−、アゾ−およびアントラキノン洗髪剤の群に属するいわゆる直接染髪剤が用いられる。これらの染料は、微粒子が十分に毛髪に浸入できるほど小さい。一般的に用いられる配合物としては、溶液、クリーム、シャンプー、またはエーロゾルフォームが挙げられる。その成分は、永久的染髪の色成分を含む配合成分に類似する。
【0178】
一時的染髪剤:
着色(tint)とも称される一時的染髪は半永久的染髪剤と異なり、毛髪に浸入できないより大きい染料分子を含む。一時的洗髪剤は、退色することなく1〜6回の洗髪に耐えることができる。この場合一般には、アゾ染料、塩基性染料、アジン・チアジン誘導体が用いられる。前記半永久的および永久的染髪剤に関する記述が、ここでの配合物成分に適用される。「Die kosmetischen Praparate」A.Domsch 化学工業出版社1992年第4版には、染料と染髪剤の他の成分について説明している。「化粧品規制令(kosmetik Verordnung)」第3条および付記3−1997年「連邦法律公報」第1部第2412ページ、および「欧州共同体(EC)指令」76/68/EEC付記IVには、染料について説明している。
【0179】
化粧品配合物において本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を含む混合物を用いるために、本発明を制限するものではないが、各官能基活性化合物が、このカテゴリーの単一の化合物または複数の化合物の混合物として生じる下記の配合物がとりわけ好ましい。
【0180】
毛髪を保護および調整するための、本発明の典型的なシャンプー配合物は、本発明を制限するものではないが下記の成分および配合物全体に対する重量%を有する。

0.01〜10% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
2〜15% アニオン界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0〜15% 非イオン界面活性剤
0〜10% カチオン界面活性剤
0〜10% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜10% 補助剤
残量 水
【0181】
特定のシャンプー配合物は、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.1〜12% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
1〜35% ナトリウムまたはアンモニウムラウリルまたはラウレス硫酸塩(20〜30%)
1〜6% ココアミドプロピルベタイン(25〜35%)
0〜3% グアヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物
0〜5% ポリクオタニウム−10
0〜12% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0.01〜1% ジナトリウムEDTA
0.01〜1% フェノキシエチノール(および)メチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)エチルパラベン(および)プロピルパラベン
0〜1% 香料(芳香剤)
0〜1% 染料
0〜1% クエン酸
0〜2% ナトリウム塩化物
残量 水
【0182】
毛髪を保護および調整するための本発明による典型的なヘアケア剤およびヘアコンディショナーは、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.1〜15% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
0〜10% 両性界面活性剤
0.1〜15% 非イオン界面活性剤
0〜10% カチオン界面活性剤
0〜15% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜20% 補助剤
残量 水
【0183】
ヘアコンディショナーの特定の構成は、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.5〜15% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物(非イオン乳化剤を有する43.5%水中エマルションとする)
0〜15% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜10% セトリモニウム塩化物(25〜35%)
0〜3% グアヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物
1〜10% セテアリールアルコール
0〜10% グリセリン
0.01〜1% フェノキシエチノール(および)メチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)エチルパラベン(および)プロピルパラベン
0〜1% 香料(芳香剤)
0〜1% 染料
0〜1% クエン酸
残量 水
【0184】
毛髪を保護および調整するための本発明による典型的なヘアケア剤およびヘアトリートメントは、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.4〜20% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
0〜15% 非イオン界面活性剤
0〜10% カチオン界面活性剤
0〜20% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜20% 補助剤
残量 水
【0185】
特定のヘアケア・トリートメントは、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

1〜20% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物(非イオン乳化剤を有する43.5%水中エマルションとする)
0.5〜10% ステアリルアルコール(および)ステアレス−7(および)ステアレス−10
0〜20% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜10% セトリモニウム塩化物(25〜35%)
0〜3% グアヒドロキシプロピルトリモニウム塩化物
0〜5% ジメチコーン
0〜5% パラフィン油
1〜10% ステアリルアルコール
0〜10% グリセリン
0.01〜1% フェノキシエチノール(および)メチルパラベン(および)ブチルパラベン(および)エチルパラベン(および)プロピルパラベン
0〜1% 香料(芳香剤)
0〜1% 染料
0〜1% クエン酸
0〜2% ナトリウム塩化物
残量 水
【0186】
極めて特定のヘアケア・トリートメントは、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

2〜5% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物(非イオン乳化剤を有する43.5%水中エマルションとする)
0〜5% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜2% セトリモニウム塩化物(25〜35%)
0.5〜5% グリセリン
0.25〜2.5% プロピレングリコール
0.05〜0.2% 香料
0.1〜0.5% ポリソルベート20
残量 水
【0187】
一時的、半永久的または永久的染髪、毛髪の保護および調整のための、本発明の典型的な染料含有配合物は、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.1〜10% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
1〜10% 所望の髪色による髪染料前駆体または染料
0〜15% アニオン界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0〜10% 非イオン界面活性剤
0〜10% カチオン界面活性剤
0〜1% 亜硫酸ナトリウム
0〜5% バッファー
0〜10% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜10% 補助剤
残量 水
【0188】
永久的染髪用の本発明の特定のカラークリームは、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.1〜10% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物(非イオン乳化剤を有する20%水中エマルションとする)
1〜5% 所望の髪色による髪染料前駆体または染料
2〜15% アニオン界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0〜10% 非イオン界面活性剤
0〜10% カチオン界面活性剤
0.1〜1% 亜硫酸ナトリウム
0.1〜5% pH=8〜12のためのバッファー
0〜10% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜10% 補助剤
残量 水
【0189】
永久的染髪用の本発明の特定の染料溶液は、本発明を制限するものではないが下記の下列成分および重量%を有する。

0.1〜10% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物(非イオン乳化剤を有する20%水中エマルションとする)
1〜5% 所望の髪色による髪染料前駆体または染料
0.1〜1% 亜硫酸ナトリウム
5〜15% プロピレングリコール
5〜15% アンモニア(28%)
10〜30% オレイン酸
5〜15% イソプロパノール
10〜30% アルカノールアミド
0〜10% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
残量 水
【0190】
永久的染髪用の本発明の特定の顕色剤配合物は、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.1〜10% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物
10〜30% 過酸化水素(30%)
0〜15% アニオン界面活性剤
0〜10% 両性界面活性剤
0〜10% 非イオン界面活性剤
0〜10% カチオン界面活性剤
0〜5% pH=2〜6のためのバッファーまたは酸
0〜10% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
0〜10% 補助剤
残量 水
【0191】
永久的染髪用の、本発明の典型的な顕色剤クリームは、本発明を制限するものではないが下記の成分および重量%を有する。

0.1〜5% 本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物(非イオン乳化剤を有する20%水中エマルションとする)
10〜30% 過酸化水素(30%)
0〜5% シリコーンコンディショナー(製剤補助剤)
1〜10% セテアリルアルコール
0.5〜5% トリデセス−2カルボキシアミドMEA
0.5〜5% セテアレス−30
0.5〜5% グリセリン
0.05〜2% ペンタナトリウムペンテテート(ペンタナトリウムジエチルエントリアミン・パンタアセテート
0.05〜2% スズ酸ナトリウム
0.05〜2% テトラナトリウムピロリン酸塩
残量 水
【0192】
本発明の溶液または混合物が、化粧品配合物、例えば、染色された下地および染色されるべき下地を処理、調整、洗浄および/または保護するための配合物の製造に好適に適用することが分かる。
【0193】
すなわち、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を少なくとも1つ含む配合物は、繊維または平面物質を洗浄、保護および調整するために特に使用され、それらが染色される場合には染色の影響が大いに保持される。
【0194】
本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を少なくとも1つ含む配合物はまた、ケラチン含有下地の洗浄、保護、処理および調整に用いられてもよい。これは、これら配合物が羊毛の洗浄剤として、洗浄および/または体積増加および/または梳きやすさおよび/またはつや向上に適しており、および/または染色されたケラチン含有下地、または例えばヒトおよび動物の毛髪などの染色されるべきケラチン含有下地の退色と脱色の減少にも適しているからである。
【0195】
さらに、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を少なくとも1つ含む配合物は、特に、染髪プロセスの前、途中および/または後にケラチン含有繊維または毛髪の洗浄、保護および処理、洗浄および保護に用いられる。これは、このように配合された染髪剤は、柔らかさの向上、および/または湿った状態および乾いた状態でのコーミング力および/またはつや向上、および/または毛髪の体積増加、および/または着色された毛髪および染色された毛髪の退色と脱色の減少を同時に達成できるからである。
【0196】
柔軟剤配合物
剤形から見れば、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を、不透明な柔軟剤分散液または柔軟剤エマルション、および透明なマイクロエマルションまたは溶液に組み込んでもよい。
【0197】
このような不透明または透明な配合物に用いられる他の典型的な成分としては、下記のものがある。
−柔軟剤としての第四級アンモニウム化合物、好ましくはアルカノール酸エステル単位を含む第四級アンモニウム化合物、
−配合物の溶解性と透明性を改善するための有機溶媒、好ましくはエタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、へキシレングリコール、ジプロピレングリコールといった1価および多価のアルコール、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジアセテートといったグリコールおよびオリゴグリコールのエステルおよびエーテル、
−柔軟剤成分の可溶性を向上させるための長鎖炭化水素のジオール、および2,2,4−トリメチル−1,3−パンタンジオールといった高級アルコール、
−エマルションの安定およびマイクロエマルションの調製のための非イオン界面活性剤、好ましくは分岐するまたは分岐しないC8〜C40アルコールのアルコキシレートおよびアルキレンオキシドの脂肪酸エステル、
−香料、
−粘度調整剤、
−染料、
−防腐剤。
【0198】
記載された付加的な官能性成分および好ましい代表的成分は、例えばUS6,376,455から公知である。
【0199】
一方、本発明のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を、ランドリーフレッシュナーシステムにおいて固体キャリアに加え、その後きれいにすべきおよび/または柔軟化すべき織物と接触するように洗濯物乾燥機に入れる。キャリアを備えるランドリーフレッシュナーシステムおよびその官能性成分は、例えば、US4,824,582、US4,808,086、US4,756,850、US4,749,596、US3,686,025から公知である。
【0200】
このようなキャリアを備えるランドリーフレッシュナーシステムの典型的な成分は、
−コンディショナーとしての脂肪族アミンまたはアニオン界面活性剤を含むその合成物、
−柔軟剤としての第四級アンモニウム化合物、好ましくはアルカノール酸エステル単位を含む第四級アンモニウム化合物、
−非イオン柔軟剤、例えば、ソルビタンエステルまたは脂肪族アルコールアルコキシレートに由来するもの、
−「汚れ遊離剤」、例えばセルロースエーテル、グアガムまたはテレフタル酸ブロック共重合体に由来するもの
がある。
【0201】
このキャリア材料は、海綿状または多孔質のシート状の材料であり、ランドリーフレッシュナーの配合物を収容するのに十分な容量を有する。「織」材料と「不織」材料が用いられる。これらは、例えば羊毛、綿毛、サイザル、亜麻、セルロースエーテル、ポリビニル化合物、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルのような天然または合成のポリマーに由来する。
【0202】
また、本発明は、式(6)の少なくとも1つの化合物、式(7)の少なくとも1つの化合物、式(8)の少なくとも1つの化合物、および式(10)の少なくとも1つの化合物を含む、反応性組成物に関する。
【化27】

(式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、またp≧2である。)
ST2−(Y−H)q
(式中、ST2およびYは前記と同義であり、またq≧2である。
【0203】
ただし、残基ST1およびST2のうちの少なくとも1つは、1つのポリオルガノシロキサン残基を有する。
【0204】
この場合、好ましいYはNR6であり、式中、R6は前記と同義であり、特に好ましくは水素である。)
HY−ST3-NR52
(式中、ST3、YおよびR5は前記と同義である。)
Q−ST4V−Q (10)
(式中、Qは前記と同義である。
ただし、残基ST1、ST3および/またはST4のうちの少なくとも1つは、1つのポリオルガノシロキサン残基を有する。)
【0205】
この場合、R、R1、R2は水素であることが好ましく、YはNR6であることが好ましく、ここで、R6は前記と同義であり、特に好ましくは水素である。
【0206】
また、本発明は、前記反応性組成物を硬化処理することによって得られる複数の硬化組成物に関する。具体的には、反応性組成物の硬化処理は、繊維などの下地、プラスチック、金属などの硬い表面にコート層を製造するために行われる。この硬化処理は、室温(20℃)〜約250℃の温度で行える。前述したように、循環するジカーボネートの反応期間中または反応後に、ポリイソシアネートのような他の反応性架橋剤を用いてもよい。
【0207】
このようにして、熱弾性、ゴム弾性または熱成形のボディーや封止化合物を製造することも可能である。
【0208】
次に、下記の実施例によって本発明をさらに説明する。
【実施例】
【0209】
実施例1
カーボネート末端シロキサンの合成
【化28】

のような構造のエポキシ末端ポリエーテ400gとテトラブチルアンモニウム臭化物4gとを窒素下で混合し、130℃まで加熱する。19時間にわたって、200mbarの過圧でそれにCO2を導入する。その後、オイルポンプバキュームで、130℃で1時間加熱することにより、揮発性を取り除く。生成物は、
【化29】

のような構造のカーボネート326gである。
【0210】
実施例2
シロキサン系カーボネート由来のブロック共重合体の合成
窒素下で、実施例1のカーボネート末端シロキサン
【化30】

50g(12.47mmol)と、H2NCH2CH2CH2N(CH32 2.55g(29.9mmol)とを2−プロパノール66gにおいて還流温度まで10時間加熱する。1H−NMRによって決定されるカーボネート基の転化率は96%である。次に、バッチを還流温度までさらに3時間加熱する。
【0211】
その後、
【化31】

のような構造のクロロ酢酸エステル13.1g(12.47mmol)を滴下し、続いて混合物を還流温度までさらに10時間加熱する。これによって、透明な琥珀色の溶液が得られる。このポリマーは、下記の構成要素を含む。
【化32】

【0212】
実施例3
カーボネート末端炭化水素の合成
【化33】

のような構造の市販のエポキシ末端ポリエーテル200gと、テトラブチルアンモニウム臭化物2gとを窒素下で混合し、130℃まで加熱する。20時間にわたって、200mbarの過圧でCO2を導入する。その後、オイルポンプバキュームにおいて、130℃で1時間加熱することによって揮発性を取り除く。1H−NMR分光法により、形成されたポリエーテルカーボネート
【化34】

は、もはやエポキシド基を含んでいないということが確定される。生成物は203gである。
【0213】
実施例4
炭化水素系カーボネート由来のブロック共重合体の合成
窒素下で、実施例3のカーボネート末端ポリエーテル
【化35】

10g(16mmol)と、H2NCH2CH2CH2N(CH32 3.3g(32mmol)とをプロピレングリコールモノメチルエーテル59gに溶解させ、115〜120℃まで9時間加熱する。その後、WO02/10256の実施例1のように、CH≡CCH2OC(O)CH2Clと対応するα,ω−SiH末端シロキサンとの白金を触媒とするヒドロシリル化反応によって作製された、
【化36】

のような構造のクロロ酢酸エステル45.5g(16mmol)を滴下し、続いて混合物を120〜125℃までさらに10時間加熱する。これによって、透明かつ赤みを帯びた溶液が得られる。このポリマーは、下記の構成要素を含む。
【化37】

【0214】
実施例5
【化38】

のような構造の市販のエトキシ官能アミノシロキサン150g(390mmol NH2、2.6mmol NH2/g)、およびKOH0.5gを含むメタノール溶液1.5gを、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル180gに加える。混合物は120〜130℃まで加熱される。軽真空(380mmHg)を適用した後、低沸点化合物24.8gが留出される。それから、酢酸0.6gを加える。その後、バッチは135℃まで0.5時間加熱され、ここで、残基の揮発性を取り除くために380mmHgの軽真空が適用されている。
【0215】
これによって、アミン含有量が1.348mmolNH2/gであり、構造が、
【化39】

である生成物289gが得られる。
【0216】
実施例6
本発明のカーボネート末端ポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の合成
窒素下で、実施例5のように作製された
【化40】

のような構造のアルコキシ官能アミノシロキサン9.25g(12.47mmol NH2基、1.348mmol NH2/g)および実施例1のように作製され、プロピレングリコールモノメチルエーテル61gに溶解された
【化41】

のような構造のカーボネート末端シロキサン49.25g(24.94mmolシクロカーボネート基に対応する12.47mmol)が、120〜122℃まで13時間加熱される。これによって、次の式の化合物が得られる。
【化42】

ここで、インデックスmおよびnは出発材料のmおよびnに対応し、また、R4は、出発アミンにおけるアルコキシに対応する。
【0217】
実施例7
架橋できるアルコキシシリル基を有するブロック共重合体の合成
実施例6の化合物の溶液に、H2NCH2CH2CH2N(CH32 1.27g(12.47mmol)が加えられる。この混合物は120〜122℃に9時間保持される。最終的に、
【化43】

のような構造のクロロ酢酸エステル6.55g(6.235mmol)が加えられ、バッチは120〜125℃で9時間攪拌される。
【0218】
これによって、やや濁った淡黄色の粘着性溶液を得られる。ここで、ポリマーは、下記の構成単位を含む。

式中、
ブロック1はY−ST3−NR2、すなわち
【化44】

ブロック2はCar−ST1−Car、すなわち
【化45】

ブロック3はY−ST2−Y、すなわち
【化46】

ブロック4はY−ST3−NR2、すなわち
【化47】

ブロック5はQ−ST4−Q、すなわち
【化48】

である。
【0219】
実施例2、4、6および7のポリマーは、例えば0.5〜3%の量で、特にアニオンおよび/または非イオン界面活性剤に基づく粉末状および液状の洗濯剤に加えることができ、洗浄される繊維材料に対して柔軟効果を示す。
【0220】
実施例8
カーボネート末端シロキサンの合成
窒素下で、
【化49】

のような構造のエポキシ末端ポリエーテル400gと、テトラブチルアンモニウム臭化物4gとを混合し、130℃まで加熱する。34時間にわたって、200mbarの過圧でCO2が導入される。その後、オイルポンプバキュームにおいて130℃で揮発物を1時間加熱することによって揮発性が取り除かれる。生成物は、
【化50】

のような構造のカーボネート376gである。
【0221】
実施例9
カーボネート末端炭化水素の合成
窒素下で、
【化51】

のような構造の市販のエポキシ末端ポリエーテル200gと、テトラブチルアンモニウム臭化物2gとを混合し、130℃まで加熱する。20時間にわたって、200mbarの過圧でCO2を導入する。その後、オイルポンプバキュームに130℃で1時間加熱することによって揮発性が取り除かれる。1H−NMR分光法によって、形成されたポリエーテルカーボネート
【化52】

は、もはやエポキシド基を含んでいないということが確定される。生成物は203gである。
【0222】
実施例10
シロキサン系カーボネートおよび炭化水素系カーボネート由来のブロック共重合体の合成
窒素下で、実施例8のカーボネート末端シロキサン
【化53】

55.8g(8mmol)、実施例9のカーボネート末端炭化水素
【化54】

5g(8mmol)、およびH2NCH2CH2CH2N(CH3)CH2CH2CH2NH2 2.3g(16mmol)を、プロピレングリコールモノメチルエーテル63gに溶解させ、118℃まで12時間加熱する。その後、ClCH2C(O)OCH2CH3 1.96g(16mmol)およびプロピレングリコールモノメチルエーテル35gが滴下され、混合物は118℃で8時間保持される。これによって、やや濁った粘着性溶液が得られる。
【0223】
形成されたポリマーは、下記のモル比1:1の構成要素を含む。
【化55】

【化56】

【0224】
実施例10のポリマーは、好適には0.5〜3%の量で特にアニオンおよび/または非イオン界面活性剤に基づく粉末状および液状洗濯剤に加えることができ、洗濯される繊維材料に柔軟効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

(式中、
Rは水素、アルキルまたは残基ST1に結合する結合基から選ばれ、残基ST1に結合する結合基であれば、環状構造となり、
1は水素、アルキルまたは残基ST1に結合する結合基から選ばれ、残基ST1に結合する結合基であれば、環状構造となり、
2は水素、アルキルまたは残基ST1に結合する結合基から選ばれ、R1が残基ST1に結合する結合基であれば、環状構造となり、
ST1は2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素数1000以下であり、かつ、
−O−、
−C(O)−、および、
ケイ素原子数2〜1000のポリオルガノシロキサン単位
から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、
式中、ST1は式−O−C(O)−O−の基も、式−O−C(O)−NH−の基も含まず、
複数の残基ST1がある場合、これらは同じでも異なってもよく、
Yは、それぞれ独立に−O−、−S−、−NR6−から選ばれ、ここで、
6は水素、または直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素数40以下であり、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR3−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、R3は前記と同義であり、または
6は、残基ST2に結合する結合基であり、環状構造を構成し、
ST2は、2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素基であり、この炭化水素基は、炭素数1000以下であり、且つ、
−O−、
−C(O)−、
−NH−、
−NR3−、
【化2】

ケイ素原子数2〜1000のポリオルガノシロキサン単位
から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、式中、
3は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素数40以下であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、この炭化水素残基は場合によって、シリル基で置換されてもよく、
5は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は、炭素数100以下であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−から選ばれる1つまたは複数の基を含んでもよく、この炭化水素残基は場合によって、シリル基で置換されてもよく、または、窒素原子に結合する2つの残基R5は、この窒素原子を含んで5〜7員環を構成し、この環は場合によって、1つまたは2つの他のヘテロ原子を含んでもよく、または、R5はR6と共に2価のアルキレン残基を構成し、このアルキレン残基はYとST2を含む環状構造を形成し、
複数の残基ST2が存在する場合、これらは同じでも異なってもよく、
ただし、残基ST1および/またはST2のうちの少なくとも1つは、1つのポリオルガノシロキサン残基を有する。)
の構成単位を少なくとも1つ含むポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物、またはこれらの酸付加物および/または塩。
【請求項2】
残基R、R1およびR2のうちの少なくとも1つは水素である請求項1記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項3】
残基R、R1およびR2は水素である請求項2記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の線形ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項5】
ST1とST2は、それぞれ2価の残基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の分岐ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項7】
ポリマー鎖の分岐は、残基ST1またはST2のうちの少なくとも1つを介して行われる請求項6記載の分岐ポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項8】
式(2):
【化3】

(式中、
4は直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数20以下であり、および/または、R4はアルコキシ残基であり、そのアルキル部分は直鎖、環状または分岐の、飽和アルキル基であり、このアルキル基は炭素原子数20以下であり、このアルキル基は1つまたは複数の酸素原子を含んでもよく、かつ、
s=1〜999である。)
の少なくとも1つのポリオルガノシロキサン残基を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項9】
式(1)の構成要素の少なくとも2つを含む請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項10】
式(2)の少なくとも2つのポリオルガノシロキサン残基を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項11】
Y=−NR6−であり、式中、R6は前記と同義である請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項12】
Y=−NH−である請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項13】
アミノ基、プロトン化されたアミノ基、第四級アンモニウム基、および/またはポリエーテル基を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項14】
ST1≠ST2である
請求項1〜13のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項15】
ST1は、下記式:
【化4】

(式中、sは前記と同義であり、かつ
r=1〜12である。)
の構成要素を有する請求項1〜14のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項16】
ST2は、式(5):
−ST3−N+(R52−ST4−N+(R52−ST3− +2A- (5)
(式中、
5は前記と同義であり、
ST3は2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数2〜100であり、かつ−O−、−C(O)−、−NH−および/またはNR3−を含んでもよく、式中、R3は前記と同義であり、また
ST4は2価または多価の、直鎖、環状または分岐の、飽和、不飽和または芳香族の、置換または非置換の炭化水素残基であり、この炭化水素残基は炭素原子数2〜100であり、−O−、−C(O)−、−NH−、−NR3−および/またはケイ素原子数2〜500のポリオルガノシロキサン単位を含んでもよく、式中、R3は前記と同義であり、また
-は有機または無機のアニオンである。)
の残基を表す請求項1〜15のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項17】
下記式(3):
【化5】

(式中、
R、R1、R2、ST1、ST3、ST4、R6およびR5は前記と同義であり、また
-は有機または無機のアニオンであり、
ただし、残基ST1、ST3およびST4のうちの少なくとも1つはポリオルガノシロキサン残基を有する。)
の、請求項1〜16のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項18】
ST1および/またはST2は、ポリオルガノシロキサン含有残基、ポリエーテル含有残基、ポリオルガノシロキサンおよびポリエーテル含有残基、単環または複数環の炭化水素残基、非環式かつ場合によって酸素含有炭化水素基、および芳香族基を有し、場合によって酸素含有炭化水素残基からなる群から選ばれる請求項1〜17のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項19】
残基ST1および/またはST2は、ポリアルキレンオキシ基を有する請求項1〜18のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物。
【請求項20】
式(6):
【化6】

(式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、またp≧2である。)
の1つの化合物の反応と、式(7):
ST2−(Y−H)q(7)
(式中、ST2およびYは前記と同義であり、またq≧2である。)
の少なくとも1つの化合物との反応を含む請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を製造する方法。
【請求項21】
Y=NR6であり、式中、R6は前記と同義であり、好ましくは水素である請求項20記載の方法。
【請求項22】
式(6):
【化7】

(式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、且つp≧2である。)
の化合物と、式(8):
HY−ST3−NR52(8)
(式中、ST3、YおよびR5は前記と同義である。)
の化合物と、式(9):
ST4V(−Q)t(9)
(式中、Qはアミノ基をアルキル化できる残基であり、ST4Vは第四級化反応後でQから生じた成分とともに残基ST4を構成し、かつ、t≧2である。)
の化合物との反応を含む請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物を製造する方法。
【請求項23】
Y=NR6であり、式中、R6は前記と同義であり、好ましくは水素である請求項22記載の方法。
【請求項24】
Qは、エポキシ基およびハロゲンアルキル基から選ばれる請求項22または23記載の方法。
【請求項25】
塗料、表面改質剤、エラストマー、熱硬化性樹脂、接着剤、金属またはプラスチック表面用のプライマー、高分子添加剤、洗剤添加剤、レオロジー剤、化粧品、繊維改質剤の製造に適用される請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の使用。
【請求項26】
硬い表面、例えばガラス、セラミック、セラミックタイル、セメント、および自動車本体、船体などの鋼質部材に表面改質を行うための、塗料または薬剤の製造に適用される請求項25記載の使用。
【請求項27】
シリコーンエラストマーを、他の下地、例えば鋼、アルミニウム、ガラス、またエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリテレフタレートのようなポリエステルなどのプラスチックと結合させるための、プライマーの製造に適用される請求項25記載の使用。
【請求項28】
ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートなどの熱可塑性合成材料のための改質剤の製造に適用される請求項25記載の使用。
【請求項29】
前記改質剤は、低温耐衝撃性の改質剤である請求項28記載の使用。
【請求項30】
前記改質剤は、粘度調整剤、帯電防止剤、曇り止め剤、過酸化反応またはヒドロキシリル化反応(白金触媒)によって架橋されエラストマーを形成するシリコーン弾性ゴム用の混合成分、洗浄の前、途中および後に織物繊維を処理する織物繊維柔軟剤、毛髪、綿繊維、およびポリエステル繊維、ポリアミド繊維のような合成繊維などの天然繊維および合成繊維および混紡織物を改質する薬剤、織物仕上げ剤、および洗剤、クリーン剤のような洗浄剤を含む配合物のための柔軟剤から選択される請求項28記載の使用。
【請求項31】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の使用であって、
特に洗濯剤、織物処理剤、織物仕上げ剤における繊維用の柔軟剤として、
洗濯剤、織物処理剤、織物仕上げ剤における柔軟剤成分として、
高分子添加剤、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートといった熱可塑性合成材料用の改質剤として、
表面改質剤、例えば、ガラス、セラミック、セラミックタイル、セメント、および自動車本体、船体のような鋼質部材といった硬い表面に改質を行うための薬剤として、
接着剤として、
金属およびプラスチック表面用のプライマー、例えば、シリコーンエラストマーを、鋼、アルミニウム、ガラス、例えばエポキシ樹脂、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリテレフタレートのようなポリエステルなどのプラスチックといった他の下地と結合させるためのプライマーとして、
レオロジー剤として、
塗料、シーリング剤物またはエラストマーとして、
化粧品における例えば乳化剤、コンディショナー、固化剤、増粘剤として、
髪用の化粧品配合物における整髪剤(「コンディショナー」)として、
改質剤として、
低温耐衝撃性の改質剤として、
接着材および封止材における成分として、
エラストマー、例えばケーブルカバー、軟管、封止部材、キーボードマット、および、選択的なガス透過膜のような薄膜といった熱可塑性エラストマーを製造するための出発材料として、
塗料、例えば、汚れ防止塗料、粘着防止塗料、組織適合性塗料、難燃塗料として、また生物適合性材料用の塗料として、
化粧品、ボディケア製品、塗料添加剤、洗濯剤における補助剤、泡防止剤配合物、および樹脂を改質またはアスファルト改質するための織物加工配合物のコーティング剤として、
電子素子の包装材料として、
隔離または遮蔽材料として、
例えば、飛行機、船および自動車などの結露水が形成されるキャビティにおける封止材料として、
洗剤、クリーン剤またはケア製品の添加剤として、
ボディケア製品の添加剤として、
木材、紙材および厚紙のコーティング材料として、
離型剤として、
コンタクトレンズなどの医薬用の生物適合性材料として、
織物繊維または織物組織用のコーティング材料として、
革や毛皮のような天然織物用のコーティング材料として、
薄膜用の材料として、
例えばリソグラフィープロセス、光学データの保存または光学データの伝送などの感光系用の材料として、
粘度調整剤、帯電防止剤として、
過酸化反応またはヒドロシリル化反応(白金触媒)によって架橋されエラストマーを形成し、そこで、ガスおよび液体の拡散の変化、および/または、シリコーンエラストマーの膨潤挙動の変更などの表面改質を導くシリコーン弾性ゴム用の混合成分として、
織物繊維の柔軟剤として、
洗浄の前、途中および後に、アニオン、非イオンおよびカチオン界面活性剤に基づく配合物と共に織物繊維を処理する柔軟剤として、
例えば、毛髪、綿繊維、およびポリエステル繊維、ポリアミド繊維のような合成繊維などの天然繊維および合成繊維、および混紡織物を改質する薬剤として、
織物仕上げ剤において、および
洗濯剤、クリーン剤のような洗剤を含む配合物において
適用されるポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の使用。
【請求項32】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の使用であって、
配合物全量に対して約0.1〜10重量%を占める固体または液体の洗濯剤配合物において、
配合物全量に対して約0.1〜50重量%を占める化粧品配合物および織物処理剤などの繊維処理配合物において、
ガラス、セラミック、セラミックタイル、プラスチック表面、金属表面、特に船体または自動車本体のようなラッカー面などの硬い表面に処理および仕上げを行う配合物において、さらに特に、自動的に自動車を洗う乾燥剤配合物において、
好ましくはシリコーンエラストマーを、鋼、アルミニウム、ガラス、エポキシ樹脂、ポリアミドのような他の下地と結合させるための接着剤またはプライマーとして、
過酸化反応または白金触媒反応による架橋に基づく炭化水素系ポリマーおよびシリコーン系エラストマーシステムの改質剤、例えば、低温耐衝撃性改質剤、極性改質剤として、
とりわけ織物の形状である天然繊維および合成繊維、例えば、綿毛、羊毛、ポリエステル系の合成繊維やポリアミド系の合成繊維を処理する配合物において、
例えば、繊維処理用の薬剤、とりわけ洗濯剤成分の薬剤として、洗濯中において独立に添加される薬剤、または洗濯終了後に添加される薬剤のような、特にアニオン、非イオン、および/またはカチオン界面活性剤を含む洗濯剤配合物において、
とりわけ独立な軟化剤系の成分として、具体的に、カチオン界面活性剤のもとで、特に繊維と織物の洗濯終了後に添加される軟化剤系として、
織物しわを抑制または消去するためのアイロン助剤または薬剤として、
繊維仕上げの配合物、特に、例えば、とりわけ織物の形状である綿毛、羊毛、ポリエステル系の合成繊維やポリアミド系合成繊維、紙材および木材に対して初期仕上げおよび加工を行うための配合物において、
毛髪と皮膚処理用の化粧品系において、とりわけ、純物質、溶液、化合物、エマルション、マイクロエマルションとして、また、粘度が異なる液体、クリームまたはペーストの形状で、
毛髪と皮膚処理用の化粧品系において、具体的には、「ツーインワン」型シャンプー、「ボディシャンプー」、洗浄期間と洗髪後または染髪後にヘアトリートメントを行うため、または、脱色、ストレートパーマまたはウェーブパーマの前ヘアトリートメントを行うためのコンディショナーといったいわゆる「洗い流す」製品と、ヘアトニック、ケアクリーム、スタイリングクリーム、ヘアジェル、ヘアスタイリング製品、ヘアセット製品ヘアスプレー、ポンプスプレー、ヘアマッサージ剤、ドライヘアスプレーのようないわゆる「洗い流さない」製品と、特に永久的、半永久的、一時的染髪剤である染髪剤とにおいて、
柔軟剤配合物の成分として、
固体キャリアにあるランドリーフレッシュナーシステムの成分として
適用されるポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の使用。
【請求項33】
請求項1〜19のいずれか1項に記載のポリカーボネート・ポリオルガノシロキサン化合物および/またはポリウレタン・ポリオルガノシロキサン化合物の少なくとも1つを含む洗濯剤配合物、化粧品配合物または繊維処理用の配合物。
【請求項34】
式(6):
【化8】

(式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、かつp≧2である。)
の少なくとも1つの化合物と、式(7):
ST2−(Y−H)q(7)
(式中、ST2およびYは前記と同義であり、またq≧2であり、
ただし、残基ST1およびST2のうちの少なくとも1つは、ポリオルガノシロキサン残基を有する。)
の少なくとも1つの化合物とを含む反応性組成物。
【請求項35】
Y=NR6であり、ただし、R6は前記と同義であり、好ましくは水素である請求項32記載の反応性組成物。
【請求項36】
式(6):
【化9】

(式中、R、R1、R2およびST1は前記と同義であり、またp≧2である。)
の少なくとも1つの化合物と、式(8):
HY−ST3-NR52(8)
(式中、ST3、YおよびR5は前記と同義である。)
の少なくとも1つの化合物と、式(10):
Q−ST4V−Q(10)
(式中、Qは前記と同義であり、
ただし、残基ST1、ST3および/またはST4のうちの少なくとも1つは、ポリオルガノシロキサン残基を有する。)
の少なくとも1つの化合物とを含む反応性組成物。
【請求項37】
R、R1、R2はいずれも水素であり、Y=NR6であり、ただし、R6は前記と同義であり、好ましくは水素である請求項34記載の組成物。
【請求項38】
請求項32〜35のいずれか1項に記載の反応性組成物を硬化処理することによって得られる硬化組成物。
【請求項39】
コート層およびエラストマーから選ばれる請求項36記載の硬化組成物。

【公表番号】特表2011−517708(P2011−517708A)
【公表日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−550138(P2010−550138)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052594
【国際公開番号】WO2009/112418
【国際公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(509263478)モメンティブ パフォーマンス マテリアルズ ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】