説明

新規な皮膚明色化剤、組成物及び方法

式(I)の化合物、その製造方法、式(I)の化合物を皮膚明色化剤として使用する化粧用組成物及び皮膚明色化方法:式(I)中のA及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、後者の3つは以下の式(A)を有しており、式(A)のRはC−C18の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素であり;Y及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、または、式(B)のCOR、CO、CONHRであり、式(B)のRはC−C18の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素であり;Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素であり;Nは0−2の整数である。
【化25】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−置換レゾルシノール誘導体化合物及び該化合物を含有する化粧用組成物、より具体的には1,3−ジチアンレゾルシノール誘導体を皮膚明色化剤(Skin lightening agent)として使用する化粧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの人々が皮膚の色素沈着の程度を気に懸けている。例えば、加齢斑や雀斑のある人々は、このような色素沈着斑が目立たないようになることを望んでいる。別の人々は、日光被曝によって生じた皮膚の黒ずみを少なくしたり、または、生来の皮膚の色を明るくしたりすることを望んでいる。この要望を満たすために、メラノサイト中の色素産生を抑制する製品の開発を目指して幾多の努力が続けられてきた。しかしながら、これまでに同定された物質は、効力が低いかまたは例えば毒性もしくは皮膚の炎症のような望ましくない副作用を生じたりする傾向が見られた。従って、総合的な効果が改善された新規な皮膚明色化剤に対する要望が絶えることなく存在している。
【0003】
レゾルシノール誘導体は皮膚及び毛髪に有益な美容効果を有している。ある種のレゾルシノール誘導体、特に、4−置換レゾルシノール誘導体は、皮膚明色化効果を与えるために化粧用組成物中に使用し得る。レゾルシノール誘導体は多くの刊行物、例えば、Huらの米国特許第6,132,740号;Collingtonらの国際特許出願WO00/56702;Bradleyらの欧州特許出願EP 1 134 207;Shinomiyaらの米国特許第5,880,314号;LaGrangeらの米国特許第5,468,472号;Hiroakiらの日本国特許出願JP11−255638 A2;Toriharaらの米国特許第4,959,393号;及び、日本国特許出願公開JP2001−010925及びJP2000−327557に記載されている。レゾルシノール誘導体は公知の化合物であり、種々の手段、例えば、飽和カルボン酸とレゾルシノールとを塩化亜鉛の存在下で縮合させ、得られた縮合物を亜鉛アマルガム/塩酸で還元する方法(Lilleら,Tr.Nauch−Issled,Inst.Slantsev 1969,No.18:127−134)、または、レゾルシノールと対応するアルキルアルコールとをアルミナ触媒の存在下、200−400℃の高温で反応させる方法(英国特許第1,581,428号)によって容易に得られる。しかしながらこれらの化合物のいくつかは皮膚に炎症性である。
【発明の開示】
【0004】
出願人らはここに、皮膚明色化効果を有している新規な1,3−ジチアンレゾルシノール化合物を発見した。これらの化合物の一般的な化学式及び構造については本文中でより詳細に後述する。1,3−ジチアンレゾルシノールは、皮膚に対して有効でありしかも炎症性はより少ないと考えられ、皮膚明色化のために使用されたことのない新規な化合物である。
【0005】
別の目的によれば、本発明は本発明の新規な化合物の新規な製造方法に関する。
【0006】
一般式Iの化合物、及び、該化合物を含む組成物は、潜在的に低減した炎症性と皮膚明色化効果を与える。本発明は、化粧品に許容されるビヒクルに加えて、約0.000001−約50%の一般式I:
【0007】
【化10】

の化合物を使用する化粧用組成物及び皮膚明色化方法を提供する。式中の、A及び/またはAの各々は独立に、Hまたは以下の式A:
【0008】
【化11】

を有しているCOR(アシル基)、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素であり、
及び/またはYの各々は独立に、H、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素、または、OZであり、ここにZはHまたは式B:
【0009】
【化12】

のCOR、CO、CONHRであり、RはC−C18の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素であり、
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素、好ましくは炭素であり、
Nは0−2の整数である。
【0010】
Nが0(ゼロ)のときXは無視することができ、従って、ジチアン構造は5員環であり、化合物は一般式II:
【0011】
【化13】

を有する。
【0012】
好ましい実施態様では、A及び/またはAの各々または双方がHを表し、Y及び/またはYの各々がHを表す。より好ましい実施態様では、Nがゼロである。A及びAの双方がHを表し、Y及びYの双方がHを表すとき、化合物は以下の式III:
【0013】
【化14】

を有する。
【0014】
別の目的によれば、本発明は、本発明の新規な化合物の新規な製造方法に関する。式I、II及びIIIの化合物は、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドとそれぞれ1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパンまたは1,4−ジメルカプトブタンとを、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、酸性樹脂及びそれらの混合物のような酸触媒の存在下で反応させることによって製造される。場合によっては、複数のヒドロキシ基を、当業界で公知の方法によって更に置換してもよい。例えば、一方または双方のヒドロキシ基を以下の酸のいずれかまたはそれらの組合せによってエステル化し得る:フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸(azaleic acid)、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸及びグリコール酸。
【0015】
本発明方法に使用し得る組成物に別の皮膚有益物質を含有させてもよい。有機及び無機の日光遮断剤も含有させ得る。
【0016】
本発明の組成物及び方法は有効な皮膚明色化特性を有しており、皮膚に対する炎症性が少なく、商品化に適した費用効果性を有している。
【0017】
本文中に使用した“化粧用組成物”という用語は、ヒトの皮膚に外用塗布するための組成物を意味する。
【0018】
本文中に使用した“皮膚”という用語は、顔、首、胸、背、腕、腋の下、手、脚及び頭皮の皮膚を包含する。
【0019】
実施例を除いて、または、明白な別段の断りがある場合を除いて、材料の量、反応の条件、材料の物理的特性及び/または使用を指示する本明細書中のすべての数値は“約”という用語で修飾されているとして理解されるべきである。別段の断りがない限り、すべての量は、組成物の重量基準の値である。
【0020】
濃度範囲は、特定の高濃度と特定の低濃度との組合せによって特定できることが理解されよう。
【0021】
疑念が生じないように、“含む”という用語が、必ずしもではないが、から成る、または、から構成されるという意味を包含することを明記しておく。言い換えると、すべての段階または選択肢は、余すところなく網羅的である必要はない。
【0022】
本発明は以下に示した一般式Iの化合物、該化合物を含む組成物、該化合物の製造方法、及び、皮膚明色化剤としてのそれらの使用に関する。本発明の化合物、組成物及び方法の特別な利点は、一般式Iの化合物が他の公知の皮膚明色化化合物よりも皮膚炎症性が小さいことである。本発明は、化粧品に許容されるビヒクルに加えて、約0.000001%−約50%の式I:
【0023】
【化15】

の化合物を使用する化粧用組成物及び皮膚明色化方法を提供する。式中の、A及び/またはAの各々は独立に、HまたはCOR、COR、CONHRであり、後者の3つは以下の式A:
【0024】
【化16】

を有しており、式中のRは、C−C18の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素であり、
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素、または、OZであり、ここにZはHまたは式B:
【0025】
【化17】

のCOR、CO、COHNRであり、RはC−C18の飽和または不飽和の直鎖状または分枝状の炭化水素であり、
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素、好ましくは炭素であり、
Nは0−2の整数である。
【0026】
Nが0(ゼロ)のときXは無視することができ、従って、ジチアン構造は5員環であり、化合物は一般式II:
【0027】
【化18】

を有する。
【0028】
好ましい実施態様では、A及び/またはAの各々または双方がHを表し、Y及び/またはYの各々がHを表す。より好ましい実施態様では、A及びAの双方がHを表し、Y及びYの双方がHを表し、その結果として化合物は以下の式III:
【0029】
【化19】

を有する。
【0030】
場合によっては一般式IIIの化合物中のヒドロキシ基(一方または双方のOH基の水素)を更に、当業界で公知の方法によって置換し得る。例えば、一方または双方のヒドロキシ基を以下の酸のいずれかまたはそれらの組合せによってエステル化し得る:フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸及びグリコール酸。
【実施例】
【0031】
合成プロセス
2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドのチオアセタール化
窒素雰囲気下、室温のテトラヒドロフラン(0.4−0.5M溶液)中の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.0当量)とp−トルエンスルホン酸一水和物(0.1当量)との溶液にアルキルジチオール(1.2当量)を添加する。硫酸マグネシウム(1.0重量当量)を加えて、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドが完全に消費されるまで反応をTLCによってモニターする。混合物を酢酸エチル:飽和炭酸水素ナトリウムに分配し、有機層を飽和塩化ナトリウムで洗浄し、減圧下で溶媒を除去する。粗物質をフラッシュクロマトグラフィーによって精製すると純粋な生成物が得られる。
【0032】
4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロヘキシ)]−1,3−ジヒドロキシベンゼンの合成
【0033】
【化20】

窒素雰囲気下、室温(約20℃−約25℃の室温)のテトラヒドロフラン(15ml)中の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g;7.24mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(140mg;0.72mmol)との溶液に1,3−プロパンジチオール(872μL;8.69mmol)を添加した。10分後、硫酸マグネシウム(1.0g)を加え、混合物を2時間撹拌した。この時点のTLC(1:1酢酸エチル:ヘキサン)は、生成物の明らかな形成(Rf=0.37)及び出発アルデビトの消滅(Rf=0.52)を示した。混合物を酢酸エチル:飽和炭酸水素ナトリウム(25ml:25ml)に注ぎ、有機層を飽和塩化ナトリウム(2×25ml)で洗浄し、減圧下で溶媒を除去すると白色固体が得られた。粗生成物をトルエン(3×30ml)で洗浄し、フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;1:1酢酸エチル:ヘキサン)によって精製すると、純粋生成物が白色固体として得られた(1.35g;収率95%)。
【0034】
4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロペンチ)]−1,3−ジヒドロキシベンゼンの合成
【0035】
【化21】

窒素雰囲気下、室温のテトラヒドロフラン(15ml)中の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1.0g;7.24mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(140mg;0.72mmol)との溶液に1,2−エタンジチオール(818μL;9.72mmol)を添加した。20分後、硫酸マグネシウム(1.0g)を加え、混合物を4時間撹拌した。この時点のTLC(1:1酢酸エチル:ヘキサン)は、生成物の明らかな形成(Rf=0.42)及び出発アルデビトの消滅(Rf=0.51)を示した。混合物を酢酸エチル:飽和炭酸水素ナトリウム(25ml:25ml)に注ぎ、有機層を飽和塩化ナトリウム(2×25ml)で洗浄し、減圧下で溶媒を除去すると黄色油が得られた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;1:1酢酸エチル:ヘキサン)によって精製すると、純粋生成物が微淡黄色油として得られた(1.40g;90%)。
【0036】
4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロヘプチ)]−1,3−ジヒドロキシベンゼンの合成
【0037】
【化22】

窒素雰囲気下、室温のテトラヒドロフラン(15ml)中の2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1g;7.24mmol)とp−トルエンスルホン酸一水和物(140mg;0.72mmol)との溶液に1,4−ブタンジチオール(1.02mL;8.69mmol)を添加した。10分後、硫酸マグネシウム(1g)を加え、混合物を2時間撹拌した。この時点のTLC(1:1酢酸エチル:ヘキサン)は、生成物の明らかな形成及び出発アルデビトの消滅を示した。混合物を酢酸エチル:飽和炭酸水素ナトリウム(25ml:25ml)に注ぎ、有機層を飽和塩化ナトリウム(2×25ml)で洗浄し、減圧下で溶媒を除去した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル;1:1酢酸エチル:ヘキサン)によって精製すると、純粋生成物が得られた(1.57g;90%)。
【0038】
組成物
一般式Iの化合物を化粧用組成物に配合し得る。本発明の組成物及び方法は有効な皮膚明色化特性を有しており、他の皮膚明色化有効物質よりも皮膚炎症性が小さく、比較的製造が容易で費用効果的である。
【0039】
組成物は一般に、約0.000001%−約50%の一般式I及び/またはIIの化合物を含有している。式IIの化合物が好ましい。本発明の化合物の量は化粧用組成物の全量の好ましくは約0.00001%−約10%、より好ましくは約0.001−約7%、最も好ましくは0.01%−約5%の範囲である。
【0040】
好ましい化粧用組成物は、本発明の方法に従ってヒトの皮膚に塗布するために適当な組成物であり、組成物は場合によっては一般式Iの化合物に追加して皮膚有益物質を含んでおり、また含んでいるのが好ましい。
【0041】
適当な追加の皮膚有益物質は、老化防止剤、しわ抑制剤、皮膚美白剤、ニキビ防止剤、及び、皮脂抑制剤、などである。これらの例としては、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、ヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、ビタミンC誘導体、ジオイック酸(例えば、マロン酸、セバシン酸)、レチノイド、及び、本発明の式Iの化合物以外のレゾルシノール誘導体が挙げられる。
【0042】
化粧品に許容されるビヒクルは、組成物中の皮膚有益成分の希釈剤、分散剤または担体として作用し、組成物が皮膚に塗布されたときに該皮膚有益成分の分配を促進する。
【0043】
ビヒクルは水性でも無水性でもよくまたはエマルジョンでもよい。好ましくは組成物が水性またはエマルジョン、特に油中水型または水中油型のエマルジョン、好ましくは水中油型のエマルジョンである。水が存在するとき、その量は典型的には5−99重量%、好ましくは20−70重量%、最適には40−70重量%の範囲であろう。
【0044】
水以外に、比較的揮発性の溶媒も本発明の組成物中の担体として使用し得る。一価のC−Cアルカノールが最も好ましい。これらの例はエチルアルコール、メチルアルコール及びイソプロピルアルコールである。一価アルカノールの量は、1−70重量%、好ましくは10−50重量%、最適には15−40重量%の範囲でよい。
【0045】
皮膚緩和性物質(emollient material)も化粧品に許容される担体として使用し得る。これらはシリコーン油及び合成エステルの形態であろう。皮膚緩和剤の量は、0.1−50重量%、好ましくは1−20重量%の範囲内の任意の値でよい。
【0046】
シリコーン油は揮発性品種及び不揮発性品種に分類し得る。本文中に使用した“揮発性”という用語は、周囲温度で測定可能な蒸気圧を有している物質を意味する。揮発性シリコーン油は好ましくは、3−9個、好ましくは4−5個のケイ素原子を有している環状または線状のポリジメチルシロキサンから選択される。線状の揮発性シリコーン材料は一般に25℃で約5センチストークス未満の粘度を有しており、環状材料は典型的には約10センチストークス未満の粘度を有している。皮膚緩和性物質として有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマーがある。本発明に有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンは例えば、25℃で約5−約25,000,000センチストークスの粘度を有しているポリジメチルシロキサンである。25℃で約10−約400センチストークスの粘度を有しているポリジメチルシロキサンも本発明の組成物に有用な好ましい不揮発性皮膚緩和剤に包含される。
【0047】
適当なエステル皮膚緩和剤を以下に挙げる:
(1)10−20個の炭素原子を有している脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル。具体例は、イソアラキジルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、オレイルミリステート、オレイルステアレート及びオレイルオレエート。
(2)エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステルのようなエーテル−エステル。
(3)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200−6000)モノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ−脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノ−ステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリ−オキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、及び、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが満足な多価アルコールエステルである。
(4)蜜蝋、鯨蝋、ミリスチルミリステート、ステアリルステアレート及びアラキジルベヘネートのようなワックスエステル。
(5)コレステロール脂肪酸エステルを具体例とするステロールエステル。
【0048】
10−30個の炭素原子を有している脂肪酸も化粧品に許容される担体として本発明の組成物に含有させ得る。この種類の代表は、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びエルカ酸である。
【0049】
多価アルコール型の保湿剤も化粧品に許容される担体として本発明の組成物に使用し得る。保湿剤は、皮膚緩和剤の効果を強化促進し、鱗屑の形成を抑制し、蓄積した鱗屑の除去を刺激し、皮膚の感触を改善する。典型的な多価アルコールとしては、グリセロール、ポリアルキレングリコール、より好ましくはアルキレンポリオール及びそれらの誘導体、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール及びそれらの混合物がある。最良結果を得るために好ましい保湿剤はプロピレングリコールまたはヒアルロン酸ナトリウムである。保湿剤の量は、組成物の0.5−30重量%、好ましくは1−15重量%の範囲内の任意の値でよい。
【0050】
また、増粘剤も化粧品に許容される担体の一部として本発明の組成物に使用し得る。典型的な増粘剤は、架橋アクリレート(例えば、Carbopol 982)、疎水的に改質されたアクリレート(例えば、Carbopol 1382)、セルロース系誘導体及び天然ガムである。有用なセルロース系誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に適した天然ガムは、グアーガム、キサンタンガム、スクレロチウム(sclerotium)、カラゲナン、ペクチン及びこれらのガムの組合せである。増粘剤の量は、0.0001−5重量%、通常は0.001−1重量%、最適には0.01−0.5重量%の範囲でよい。
【0051】
水、溶媒、シリコーン、エステル、脂肪酸、保湿剤及び/または増粘剤が集まって1−99.9重量%、好ましくは80−99重量%の量で化粧品に許容される担体を構成する。
【0052】
使用される乳化剤の平均親水−親油バランス(HLB)に大きく依存する油中水型エマルジョンまたは水中油型エマルジョンを形成するために油または油性物質が乳化剤と共に存在してもよい。
【0053】
本発明の化粧用組成物にはまた界面活性剤が存在し得る。界面活性剤の全濃度は典型的には組成物の0.1−40重量%、好ましくは1−20重量%、最適には1−5重量%の範囲であろう。界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び両性の界面活性剤から成るグループから選択され得る。
【0054】
特に好ましい非イオン性界面活性剤は、疎水性部分1モルあたり2−100モルのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドと縮合したC10−C20の脂肪アルコールまたは酸疎水性部分をもつ界面活性剤;2−20モルのアルキレンオキシドと縮合したC−C10のアルキルフェノール;エチレングリコールのモノ−及びジ−脂肪酸エステル;脂肪酸モノグリセリド;ソルビタン、モノ−及びジ−C−C20脂肪酸;ブロックコポリマー(エチレンオキシド/プロピレンオキシド);及び、ポリオキシエチレンソルビタン、並びに、それらの組合せである。アルキルポリグリコシド及び糖脂肪アミド(例えば、メチルグルコンアミド)も適当な非イオン性界面活性剤である。
【0055】
好ましいアニオン性界面活性剤としては、セッケン、アルキルエーテルスルフェート及びスルホネート、アルキルスルフェート及びスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキル及びジアルキルスルホスクシネート、C−C20アシルイセチオネート、アシルグルタメート、C−C20アルキルエーテルホスフェート及びそれらの組合せがある。
【0056】
増粘剤、カラミン、顔料、酸化防止剤及びキレート化剤、並びに、日光遮断剤例えば有機及び/または無機の日光遮断剤のような種々の別の任意成分を本発明の化粧用組成物に添加し得る。
【0057】
その他の補助微量成分も化粧用組成物に含有させ得る。これらの成分としては着色剤、乳白剤及び香料がある。これらの他の補助微量成分の量は組成物の0.001重量%から20重量%までの範囲内の任意の値でよい。
【0058】
日光遮断剤としては、金属酸化物を単独で使用してもよくまたは有機日光遮断剤と混用及び/または併用してもよい。有機日光遮断剤の非限定例を以下の表に示す。
【0059】
【表1】

【0060】
化粧用組成物中の有機日光遮断剤の量は好ましくは約0.1−約10重量%、より好ましくは約1−約5重量%の範囲である。
【0061】
有効性があり市場で入手容易であるという理由で好ましい有機日光遮断剤はパルソールMCX及びパルソール1789である。
【0062】
香料は、通常は嗅覚に快感を与える成分の混合物から成る芳香組成物である。テルペン及びテルペン誘導体はしばしば重要な芳香成分である。芳香性テルペン及び誘導体はBauer,K.,ら,Common Fragrance and Flavor Materials,VCH Publishers(1990)に記載されている。
【0063】
本発明の化粧用組成物に含有させるのが好ましいテルペン及び誘導体は、アクリル系テルペノイド、環状テルペノイド及びテルペノイドに構造的に類縁の脂環式化合物の3クラスに分類される。
【0064】
3つのクラスの各々に包含されるテルペン誘導体としては、アルコール、エーテル、アルデヒド、アセタール、酸、ケトン、エステル、及び、窒素またはイオウのようなヘテロ原子を含有しているテルペン化合物がある。
【0065】
本発明の化粧用組成物に含有させ得るテルペン及び誘導体の例を以下の表に示す:
【0066】
【表2】


【0067】
【表3】


【0068】
【表4】

【0069】
本発明の化粧用組成物中のテルペン及び誘導体の量は好ましくは約0.000001−約10重量%、より好ましくは約0.00001−約5重量%、最も好ましくは約0.0001−約2重量%の範囲である。
【0070】
本発明の方法は主として、ヒトの皮膚に局所適用するための身体手入れ製品として使用することを目的としている。
【0071】
使用の際には、少量、例えば1−5mlの組成物を適当な容器またはアプリケータから皮膚の露出領域に適用し、必要ならば次いで手または指または適当なデバイスを使用して皮膚に塗り拡げたり及び/または擦り込んだりする。
【0072】
本発明の方法に有用な化粧用組成物は、25℃で測定して4,000−10,000mPasの粘度を有しているローション、10,000−20,000mPasの粘度を有している流動性クリーム、または、20,000−100,000mPasまたはそれ以上の粘度を有しているクリームとして処方できる。組成物はその粘度及び所期の消費者用途に適合する適当な容器に包装できる。例えば、ローションまたは流動性クリームは、ビンまたはロールボールアプリケータまたは噴射剤推進エアロゾルデバイスまたは適当な指操作ポンプを備えた容器に包装できる。組成物がクリームである場合、非変形性びんまたはチューブのような搾り出し容器または蓋付きのつぼに簡便に収容できる。組成物が固体または半固体のスティックであるときは、手または機械で組成物を押し出すかまたは突き出す適当な容器に包装することができる。
【0073】
従って本発明はまた、本文中に定義した化粧品として許容される組成物を収容した閉鎖容器を提供する。
【0074】
以下の実施例は、本発明の最良実施態様を説明する本発明の原理の非限定実施例である。
【0075】
(実施例1)
1,3−ジチアンレゾルシノールの製造手順
式IIIの化合物を下記の方法で製造し、以下の実施例に亘り使用した:
【0076】
【化23】

式IIIの化合物によって示される最も好ましい実施態様では、Nがゼロであり、A及びAの双方がOHを表し、Y及びYの双方がHを表す。なぜならばこの化合物が最も費用効果的に製造できるからである。本文中で1,3−ジチアンレゾルシノールと呼ばれているこの最も好ましい実施態様は、以下に式IIIで表すように、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドと1,3−ジメルカプトエタンとの反応(双方の出発材料はYick−Vic Chemicals & Pharmaceuticals(HK) Ltd/ Hong Kongから入手可能)によって製造でき、酸触媒を触媒として用いる。適当な触媒の非限定例は、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、HSO(硫酸)、HCl(塩酸)及び酸性樹脂である。
【0077】
Dean−Stark装置、追加の漏斗及び凝縮器を備えた三つ口フラスコに2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(1当量)を充填する。これにトルエン(500ml)と触媒量のp−トルエンスルホン酸とを加えた。混合物を120℃に加熱した。トルエン(100ml)中の1当量の1,3−ジチオエタンを混合物に滴下した。混合物を還流下で12時間撹拌した。Rotavapで溶媒を除去し、期待した生成物を単離した。ジチアンの構造を質量分光法、NMR及びIRを使用して確認した。
【0078】
【化24】

【0079】
(実施例2)
本発明の範囲内の化粧用組成物を調製した。
【0080】
相Aの成分を撹拌しながら70−85℃に加熱することによって以下の表3に示す基剤配合物を調製した。別の容器で相Bの成分を撹拌しながら70−85℃に加熱した。次いで、双方の相を70−85℃に維持しながら相Aを相Bに加えた。混合物を70−85℃で少なくとも15分間撹拌し、次いで冷却した。
【0081】
基剤配合物を以下の表に示す。
【0082】
【表5】

【0083】
(実施例3)
本発明の範囲内の別の化粧用組成物を調製した。
【0084】
【表6】

【0085】
実施例3の組成物を以下の手順で調製した:
1.相Aを80℃に加熱する
2.別の容器で相Bを75℃に加熱する
3.AにBを加えて加熱をやめて30分間混合する
4.50℃で相Cを加えて10分間撹拌する。
【0086】
(実施例4−11)
本発明の方法に有用な別の一連の本発明の範囲内の組成物を調製し、以下の表に示す。
【0087】
【表7】

【0088】
(実施例12)
マッシュルームチロシナーゼアッセイ
マッシュルームチロシナーゼの阻害はメラミンの合成低下を表す指標であり、従って、皮膚明色化効果を示す。この実験は、本発明のレゾルシノール誘導体の効力を示す。
【0089】
96−ウェルプレートの各ウェルに、150マイクロリットルのリン酸塩バッファ(100mM,pH7.0)、10マイクロリットルのL−DOPA(L−3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、10mM)及び20マイクロリットルの皮膚明色化剤(対照となるエタノールに溶解)を加えた。最初に475nmでバックグラウンド吸光度を測定した後、20マイクロリットルのマッシュルームチロシナーゼ(Sigma T−7755; 6050単位/ml)を添加し、室温でインキュベートした。
【0090】
次の時点、即ち、0、2、4及び6.5分後に475nmの吸光度を読み取る。データを475nm吸光度対時間(分)としてプロットし、直線の勾配を計算する(Δ475nm吸光度/分)。以下の表では、データをIC50として表す。IC50は、非処理のエタノール対照反応に比べてチロシナーゼ合成を50%阻害するために必要な有効成分の濃度である。
【0091】
【表8】

【0092】
データは、本発明の化合物が4−エチルレゾルシノールと実質的に等しいかまたはそれよりもやや小さい有効性を有することを示す。双方の化合物が良好な皮膚明色化効果を有している。本発明の化合物の利点は製造が比較的容易でありまた費用効果的なことである。
【0093】
本文に例示し記載した本発明の特定形態は単なる代表例であることを理解されたい。開示した明らかな教示を逸脱しなければ、例示した実施態様に対して、本明細書に非限定的に示唆したものを含み、変化を加えることが可能である。従って、本発明の完全範囲は特許請求の範囲に基づいて決定されなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.約0.000001%−約50%の一般式I
【化1】

[式中、
及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、COR、CO、CONHRであり、RはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素であり;
Nは0−2の整数である]
の化合物と、
b.化粧品に許容される担体と、
を含む組成物を皮膚に塗布することを含む化粧的皮膚明色化方法。
【請求項2】
前記化合物が一般式II:
【化2】

を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が更に日光遮断剤を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物が式III:
【化3】

の化合物である請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物のヒドロキシ基が、フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸、グリコール酸及びそれらの混合物から選択される酸でエステル化されている請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が更に、芳香料を含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が更に、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、ヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、ビタミンC誘導体、ジオイック酸、レチノイド、レゾルシノール誘導体及びそれらの混合物から選択される皮膚有益物質を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
a.約0.000001%−約50%の一般式I:
【化4】

[式中、
及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、COR、CO、CONHRであり、RがC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素であり;
Nは0−2の整数である]
の化合物と、
b.化粧品に許容される担体と、
を含む化粧用組成物。
【請求項9】
前記化合物が一般式II:
【化5】

の化合物である請求項8に記載の化粧用組成物。
【請求項10】
前記化合物が式III:
【化6】

の化合物である請求項8または9に記載の化粧用組成物。
【請求項11】
前記化合物が前記組成物の約0.00001%−約10%を構成する請求項8から10のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項12】
更に、日光遮断剤を含む請求項8から11のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項13】
前記化合物のヒドロキシ基が、フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸、グリコール酸及びそれらの混合物から選択される酸でエステル化されている請求項8から12のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項14】
一般式I:
【化7】

[式中、
及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、COR、CO、CONHRであり、RがC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素であり;
Nは0−2の整数である]
の化合物。
【請求項15】
一般式II:
【化8】

を有する請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
式III:
【化9】

を有する請求項14または15に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物のヒドロキシ基が、フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸、グリコール酸及びそれらの混合物から選択される酸でエステル化されている請求項14から16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、酸性樹脂及びそれらの混合物から選択される酸触媒の存在下で、
(a)2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを、
(b)1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタンまたはそれらの混合物とそれぞれ反応させることを含む、
4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロペンチ)]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロヘキシ)]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロヘプチ)]−1,3−ジヒドロキシベンゼンまたはそれらの混合物の合成方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.約0.000001%−約50%の一般式I
【化1】

[式中、
及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、COR、CO、CONHRであり、RはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素であり;
Nは0−2の整数である]
の化合物と、
b.化粧品に許容される担体と、
を含む組成物を皮膚に塗布することを含む化粧的皮膚明色化方法。
【請求項2】
前記化合物が一般式II:
【化2】

を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が更に日光遮断剤を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記化合物が式III:
【化3】

の化合物である請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記化合物のヒドロキシ基が、フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸、グリコール酸及びそれらの混合物から選択される酸でエステル化されている請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記組成物が更に、芳香料を含む請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物が更に、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ酸、ヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、ビタミンC誘導体、ジオイック酸、レチノイド、レゾルシノール誘導体及びそれらの混合物から選択される皮膚有益物質を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
a.約0.000001%−約50%の一般式I:
【化4】

[式中、
及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、COR、CO、CONHRであり、RがC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
Xは炭素、窒素、イオウまたは酸素であり;
Nは0−2の整数である]
の化合物と、
b.化粧品に許容される担体と、
を含む化粧用組成物。
【請求項9】
前記化合物が一般式II:
【化5】

の化合物である請求項8に記載の化粧用組成物。
【請求項10】
前記化合物が式III:
【化6】

の化合物である請求項8または9に記載の化粧用組成物。
【請求項11】
前記化合物が前記組成物の約0.00001%−約10%を構成する請求項8から10のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項12】
更に、日光遮断剤を含む請求項8から11のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項13】
前記化合物のヒドロキシ基が、フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸、グリコール酸及びそれらの混合物から選択される酸でエステル化されている請求項8から12のいずれか一項に記載の化粧用組成物。
【請求項14】
一般式II:
【化7】

[式中、
及び/またはAの各々は独立にH、COR、COR、CONHRであり、ここにRはC−C18の飽和または不飽和の炭化水素であり;
及び/またはYの各々は独立にH、C−C18の飽和もしくは不飽和の炭化水素またはOZであり、ここにZはH、COR、CO、CONHRであり、RがC−C18の飽和または不飽和の炭化水素である]
の化合物。
【請求項15】
式III:
【化8】

を有する請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物のヒドロキシ基が、フェルラ酸、バニリン酸、セバシン酸、アザレイン酸、安息香酸、カフェイン酸、クマル酸、サリチル酸、システイン、シスチン、乳酸、グリコール酸及びそれらの混合物から選択される酸でエステル化されている請求項14または15に記載の化合物。
【請求項17】
メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、酸性樹脂及びそれらの混合物から選択される酸触媒の存在下で、
(a)2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒドを、
(b)1,2−ジメルカプトエタン、1,3−ジメルカプトプロパン、1,4−ジメルカプトブタンまたはそれらの混合物とそれぞれ反応させることを含む、
4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロペンチル)]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロヘキシル)]−1,3−ジヒドロキシベンゼン、4−[2′−(1′,3′−ジチアシクロヘプチル)]−1,3−ジヒドロキシベンゼンまたはそれらの混合物の合成方法。

【公表番号】特表2006−512333(P2006−512333A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−557991(P2004−557991)
【出願日】平成15年11月26日(2003.11.26)
【国際出願番号】PCT/EP2003/013704
【国際公開番号】WO2004/052316
【国際公開日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(590003065)ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシヤープ (494)
【Fターム(参考)】