説明

新規フェニル置換ピペラジノ−ジヒドロチエノピリミジン

本発明は、式1の新規なジヒドロチエノピリミジン及び薬理学的に許容されるその塩(式(1)中、Xは、SO又はSO2であるが、好ましくはSOであり、R3は、オルト位若しくはメタ位で一置換されているフェニル環であるか、R3は、任意の位置で二置換されているフェニル環であるかのいずれかである)、並びにこのような化合物を含む医薬組成物に関する。このような新規なジヒドロチエノピリミジンは、呼吸器系若しくは消化器系の症状若しくは障害、関節、皮膚若しくは眼の炎症性障害、末梢神経系若しくは中枢神経系の障害又はがんの治療に適している。


1


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
【化1】

1
(式中、
Xは、SO又はSO2であり、
1は、H、C1-6アルキルであり、
2は、Hであるか、又はC1-10−アルキル及びC2-6アルケニルの中から選択される基であり、この基は、ハロゲン及びC1-3−フルオロアルキルから選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよいか、又はOR2.1、COOR2.1,CONR2.22.3、SR2.1,SO−R2.1、SO2−R2.1、C6-10−アリール、Het、Hetアリール、単環式若しくは二環式のC3-10−シクロアルキル、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、これらの基はさらに、OH、ハロゲン、OR2.1、オキソ、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、C1-6−アルカノール、C6-10−アリール、COOR2.1、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
2.1は、Hであるか、又はC1-6アルキル、C1-6−アルカノール、C1-3−ハロアルキル、単環式若しくは二環式のC3-10シクロアルキル、C6-10−アリール−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、Het−C1-6−アルキレン、C3-10−シクロアルキル−C1-6−アルキレン、単環式若しくは二環式のC6-10−アリール、Hetアリール及びHetの中から選択される基であり、この基は、OH、O−(C1-3−アルキル)、ハロゲン、C1-6−アルキル及びC6-10−アリールの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
2.2及びR2.3は、互いに独立してHを意味するか、又はC1-6アルキル、単環式若しくは二環式のC3-10−シクロアルキル、C6-10−アリール−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、単環式又は二環式のC6-10−アリール、Het、Hetアリール、CO−NH2、CO−NHCH3、CO−N(CH32、SO2−(C1−C2−アルキル)、CO−R2.1及びCOOR2.1の中から選択される基を意味し、
この基は、OH、ハロゲン、C1-6−アルキル、C6-10−アリール及びCOOR2.1の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
Hetは、3から11員の、単環式又は二環式の、飽和又は部分的に飽和した、縮環化されていてもよいか、又は架橋されていてもよい複素環基を意味し、この複素環基は、N、S又はOの中から互いに独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、
及び、
Hetアリールは、5から10員の、単環式又は二環式の、縮環化されていてもよいヘテロアリールであり、このヘテロアリールは、N、S又はOの中から互いに独立して選択される、1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、
及び、
シクロアルキルは、飽和又は部分的に飽和していてよく、
又は、
2は、単環式又は多環式C3-10シクロアルキルを意味し、このシクロアルキルは、C1-3−アルキル基を介して、単架橋又は多架橋されていてもよく、分枝又は非分枝のC1-6−アルカノール、C1-3−フルオロアルキル、C1-3−アルキレン−OR2.1、OR2.1、COOR2.1、SO2−NR2.22.3、Het、C6-10−アリール、C1-6−アルキル、C6-10−アリール−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、単環式又は二環式のC3-10シクロアルキル及びNR2.223の中から選択される基で置換されていてもよく、
この基は、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、C6-10−アリール及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、単環式又は多環式C6-10−アリールを意味し、このアリールは、OH、SH又はハロゲンで置換されていてもよいか、又はOR2.1、COOR2.1、NR2.22.3、CH2−NR2.22.3、C3-10−シクロアルキル、Het、C1-6−アルキル、C1-3−フルオロアルキル、C6-10−アリール−C1-6−アルキレン、Het−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、C6-10−アリール、SO2−CH3、SO2−CH2CH3及びSO2−NR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、C6-10−アリール及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、Het及びHetアリールの中から選択される基を意味し、この基は、ハロゲン、OH、オキソ、CF3、CHF2及びCH2Fの中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよいか、又は、基OR2.1、C1-3−アルキレン−OR2.1、SR2.1、SO−R21、SO2−R2.1、COOR2.1、COR2.1、C1-6−アルカノール、C3-10−シクロアルキル、C6-10−アリール、C1-6−アルキル、C6-10−アリール−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、Het、Hetアリール、C1-6−アルカノール並びにNR2.22.3から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、C6-10−アリール及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
NR12は、一緒になって、複素環式の4から7員環を意味し、この環は、架橋されていてもよく、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、OH、OR2.1、C1-3−アルキレン−OR.1、オキソ、ハロゲン、C1-6−アルキル、C6-10−アリール、COOR2.1、CH2−NR2.2−COOR2.1、CH2−NR2.2−CO−R2.1、CH2−NR2.2−CO−CH2−NR2.22.3、CH2−NR2.2−SO2−C1-3−アルキル、CH2−NR2.2−SO2−NR2.22.3、CH2−NR2.2−CO−NR2.22.3、CO−NR2.22.3、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
及び、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、オルト位又はメタ位で、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、CN、C1-6−アルキル、C1-3−フルオロアルキル、−C1-3−アルキレン−OR2.1、−C1-3−アルキレン−NR2.22.3、−NR2.22.3、−OR2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、−COOR2.1、−CO−NR2.22.3、−NR2.2-CO−R2.1、−C6-10−アリール、C6-10−アリール−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Het、−C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン及びHetアリールの中から選択される基で一置換されており、さらにこの基は、OH、ハロゲン、−C1-3−フルオロアルキル、オキソ、メチル及びフェニルの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、任意の所望の位置で、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、CN、C1-6−アルキル、C1-3−フルオロアルキル、−C1-3−アルキレン−OR2.1、−C1-3−アルキレン−NR2.22.3、−NR2.22.3、O−R2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、COOR2.1、CO−NR2.22.3、NR2.2-CO−R2.1、C6-10−アリール、C6-10−アリール−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Het、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン及びHetアリールの中からそれぞれ独立して選択される少なくとも2つの基で二置換されており、さらにこの基は、OH、ハロゲン、−C1-3−フルオロアルキル、オキソ、メチル及びフェニルの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい)。
【請求項2】
請求項1に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
Xは、SO又はSO2を意味し、
1は、Hを意味し、
2は、Hを意味するか、又はC1-10−アルキルを意味し、このアルキルは、ハロゲン及びC1-3−フルオロアルキルから選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、又は、OR2.1、COOR2.1、CONR2.22.3、SR2.1,SO−R2.1、SO2−R2.1、フェニル、Het、Hetアリール、単環式のC3-7−シクロアルキル、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3、の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、これらの基はさらに、OH、ハロゲン、OR2.1、オキソ、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、C1-6−アルカノール、フェニル、COOR2.1、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
Hetは、3から7員の、単環式の、飽和又は部分的に飽和した複素環基又は7から11員の、二環式の、飽和又は部分的に飽和した複素環基を意味し、この基は、N、S又はOの中から互いに独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、
及び
Hetアリールは、5から6員の、単環式の、芳香族ヘテロアリール又は7から11員の、二環式の、芳香族ヘテロアリールを意味し、それぞれの場合、N、S又はOの中から互いに独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含有し、
及び、
シクロアルキルは、飽和又は部分的に飽和していてもよく
2.1は、Hであるか、又はC1-6アルキル、C1-6−アルカノール、C1-3−ハロアルキル、単環式C3-7シクロアルキル、フェニル−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、Het−C1-6−アルキレン、C3-7−シクロアルキル−C1-6−アルキレン、フェニル、Hetアリール及びHetの中から選択される基であり、
この基は、OH、ハロゲン、C1-6−アルキル、O−(C1-3−アルキル)、及びフェニルの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
2.2及びR2.3は、互いに独立して、Hを意味するか、又はC1-6アルキル、単環式C3-7シクロアルキル、フェニル−C1-3−アルキレン、Hetアリール−C1-3−アルキレン、フェニル、Het、Hetアリール、CO−NH2、CO−NHCH3、CON(CH32、SO2−(C1−C2−アルキル)、CO−R2.1及びCOOR2.1の中から選択される基を意味し、
この基は、OH、ハロゲン、C1-6−アルキル、フェニル及びCOOR2.1の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、単環式C3-7シクロアルキルを意味し、このシクロアルキルは、分枝又は非分枝のC1-6−アルカノール、C1-3−フルオロアルキル、OR2.1、C1-3−アルキレン−OR2.1、COOR2.1、SO2−NR2.22.3、Het、フェニル、C1-6−アルキル、フェニル−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、単環式のC3-10シクロアルキル及びNR2.22.3の中から選択される基で置換されていてもよく、
この基は、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、フェニルを意味し、このフェニルは、OH、SH若しくはハロゲンで置換されていてもよいか、又はOR2.1、COOR2.1、NR2.22.3、CH2−NR2.22.3、C3-7−シクロアルキル、Het、C1-6−アルキル、C1-3−フルオロアルキル、フェニル−C1-6−アルキレン、Het−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、フェニル、SO2−CH3、SO2−CH2CH3及びSO2−NR2.22.3の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、Het及びHetアリールの中から選択される基を意味し、この基は、ハロゲン、OH、オキソ、CF3、CHF2及びCH2Fの中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよいか、又はOR2.1、C1-3−アルキレン−OR2.1、SR2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、COOR2.1、COR2.1、C1-6−アルカノール、C3-10−シクロアルキル、フェニル、C1-6−アルキル、フェニル−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、C5-6−ヘテロアリール、C1-6−アルカノール及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
及び、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、オルト位又はメタ位で、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、CN、C1-6−アルキル、C1-3−フルオロアルキル、C1-3−アルキレン−OR2.1、−C1-3−アルキレン−NR2.22.3、−NR2.22.3、O−R2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、COOR2.1、−CO−NR2.22.3及びNR2.2-CO−R2.1、C6-10−アリール、C6-10−アリール−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Het、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン並びにHetアリールの中から選択される基で一置換されており、さらにこの基は、OH、ハロゲン、−C1-3−フルオロアルキル、オキソ、メチル及びフェニルの中から選択される基で置換されていてもよく、
又は、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、任意の所望の位置で、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、CN、C1-6−アルキル、C1-3−フルオロアルキル、C1-3−アルキレン−OR2.1、−C1-3−アルキレン−NR2.22.3、−NR2.22.3、O−R2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、COOR2.1、CO−NR2.22.3及びNR2.2-CO−R2.1、C6-10−アリール、C6-10−アリール−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Het、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン並びにHetアリールの中からそれぞれ独立して選択される2つの基で二置換されており、この基はさらに、OH、ハロゲン、C1-3−フルオロアルキル、オキソ、メチル及びフェニルの中から選択される基で置換されていてもよい)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
Xは、SOであり、
1は、Hであり、
2は、Hであるか、又はC1-6−アルキルであり、このアルキルは、F、CF3、CHF2若しくはCH2Fから選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよいか、又はOR2.1、COOR2.1、CONR2.22.3、SR2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、フェニル、Het、Hetアリール、単環式C3-7−シクロアルキル、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、これらの基はさらに、OH、F、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、OR2.1、オキソ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、C1-2−アルカノール、フェニル、COOR2.1、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3、の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
2.1は、Hであるか、又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、単環式C3-7シクロアルキル、フェニル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、フェニル、Hetアリール及びHetの中から選択される基であり、
この基は、OH、ハロゲン、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、O−メチル、O−エチル、O−プロピル、O−イソプロピル及びフェニルの中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
2.2及びR2.3は、互いに独立して、Hを意味するか、又はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、単環式C3-7シクロアルキル、フェニル−C1-3−アルキレン、Hetアリール−C1-3−アルキレン、フェニル、Het、Hetアリール、CO−NH2、CO−NHCH3、CON(CH32、SO2−(C1−C2−アルキル)、CO−R2.1及びCOOR2.1の中から選択される基を意味し、この基は、OH、F、Cl、Br、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル及びCOOR2.1の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
Hetは、3から7員の、単環式の、飽和又は部分的に飽和した複素環基であり、この基は、N、S又はOの中から互いに独立して選択される、1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、
及び、
Hetアリールは、5−から6員の、単環式の、芳香族ヘテロアリールであり、このヘテロアリールは、N、S又はOの中から互いに独立して選択される1、2又は3個のヘテロ原子を含有し、
及び、
シクロアルキルは、飽和又は部分的に飽和していてもよく、
又は
2は、単環式C3-7シクロアルキルを意味し、このシクロアルキルは、分枝の又は非分枝のC1-2−アルカノール、C1-3−フルオロアルキル、C1-3−アルキレン−OR2.1、OR2.1、COOR2.1、SO2−NR2.22.3、Het、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、フェニル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン、単環式C3-7シクロアルキル及びNR2.22.3の中から選択される基で置換されていてもよく、
この基は、OH、OR2.1、オキソ、ハロゲン、CF3、CHF2、CH2F、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、フェニルを意味し、このフェニルは、OH、SH、F、Cl又はBrで置換されていてもよく、又はOR2.1、COOR2.1、NR2.22.3、CH2−NR2.22.3、C3-7−シクロアルキル、Het、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、CF3、CHF2、CH2F、フェニル−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン、フェニル、SO2−CH3、SO2−CH2CH3及びSO2−NR2.22.3、の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、F、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
又は、
2は、Het及びHetアリールの中から選択される基を意味し、この基は、F、Cl、Br、OH、オキソ、CF3、CHF2及びCH2Fの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよいか、又はOR2.1、C1-3−アルキレン−OR2.1、SR2.1,SO−R2.1、SO2−R2.1、COOR2.1、COR2.1、C1-2−アルカノール、C3-10−シクロアルキル、フェニル、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン、Het、Hetアリール、C1-2−アルカノール及びNR2.22.3の中から選択される1つ若しくは複数の基で置換されていてもよく、
これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、F、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
及び、R3は、請求項1又は2で定義された通りである)。
【請求項4】
請求項1から3までの1項に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
2は、式2による基である
【化2】

2
(式中、R5はOH又はNH2であり、
4は、C1-4−アルキル、Hetアリール及びフェニルの中から選択される基であり、
OH、F、Br、OR2.1、オキソ、メチル、エチル、C1-2−アルカノール、フェニル、COOR2.1、CH2−NR2.22.3及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい))。
【請求項5】
請求項4に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
2は、式2による基である
【化3】

2
(式中、R5はOH又はNH2であり、
4は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルである))。
【請求項6】
請求項1から3までの1項に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
2は、スピロ位置において、−CH2−OR2.1、分枝又は非分枝のC2-6−アルキレン−OR2.1、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、シクロプロピル、−CF3、CHF2、CH2F並びにC2-4−フルオロアルキルの中から選択される基で置換されていてもよい単環式の3、4、5、6又は7員のシクロアルキル環であり、
2.1は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチルの中から選択される))。
【請求項7】
請求項1から3までの1項に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
2は、フェニルであり、このフェニルは、1つ又は両方のメタ位において、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、F、Cl、Br、OH、OR2.1、COOR2.1、CF3、CHF2、CH2F、NH2、NH(CH3)及びN(CH32の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、この中で、
2.1は、H、メチル又はエチルであってよい)。
【請求項8】
請求項1から3までの1項に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
2は、それぞれの場合、N、O及びSの中から選択される1、2又は3個のヘテロ原子を有する、単環式の、飽和した3、4、5、6又は7員の複素環基の中から選択される基であり、この基は、フッ素、塩素、臭素、CF3、CHF2、CH2F、OH及びオキソの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよいか、又はOR2.1、C1-3−アルキレン−OR2.1、SR2.1,SO−R2.1、SO2−R2.1、COOR2.1、COR2.1、C1-6−アルカノール、C3-10−シクロアルキル、フェニル、C1-6−アルキル、フェニル−C1-6−アルキレン、Hetアリール−C1-6−アルキレン、Het、Hetアリール及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、これらの基はさらに、OH、OR2.1、オキソ、F、Cl、CF3、CHF2、CH2F、C1-6−アルキル、フェニル及びNR2.22.3の中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよく、
2.1、R2.2及びR2.3は、請求項1から3で定義された通りである)。
【請求項9】
請求項8に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、R2は、N、O及びSの中から選択されるヘテロ原子を有する、単環式の、飽和した6員の複素環基であり、この基は、F、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、OH、オキソ、NH2、NHCH3、N(CH32、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、メトキシ及びエトキシの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい)。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、R2は、ピペリジン又はテトラヒドロピランの中から選択される基を意味し、この基は、F、Cl、Br、OH、CF3、CHF2、CH2F、NH2、NHCH3、N(CH32、オキソ、メチル及びメトキシの中から選択される1つ又は複数の基で置換されていてもよい)。
【請求項11】
請求項1から3までの1項に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、オルト位又はメタ位で、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、CF3、CHF2、CH2F、C1-3−アルキレン−O−R2.1、−メチレン−NR2.22.3、−エチレン−NR2.22.3、NR2.22.3、O−R2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、COO−R2.1、−CO−NH2、CO−NHCH3、CO−N(CH32、NH−CO−R2.1、N(CH3)−CO−R2.1、フェニル、フェニル−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Het、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン並びにHetアリールの中から選択される基で一置換されており、この基はさらに、OH、F、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、オキソ、シクロプロピル、メチル及びフェニルの中から選択される基で置換されていてもよく、
及び、
2.1は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、Het、Hetアリール、C3-7−シクロアルキル、フェニル−メチレン、Het−メチレン、Hetアリール−メチレン、C3-7−シクロアルキル−メチレンを意味する)。
【請求項12】
請求項11に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、オルト位又はメタ位で、フッ素、塩素、ヒドロキシ、CN、メチル、CF3の中から選択される基で一置換されている)。
【請求項13】
請求項1から3までの1項に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、任意の所望の位置で、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシ、CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、CF3、CHF2、CH2F、C1-3−アルキレン−O−R2.1、−メチレン−NR2.22.3、−エチレン−NR2.22.3、NR2.22.3、O−R2.1、SO−R2.1、SO2−R2.1、COO−R2.1、−CO−NH2、CO−NHCH3、CO−N(CH32、NH−CO−R2.1、N(CH3)−CO−R2.1、フェニル、フェニル−C1-2−アルキレン、Het−C1-2−アルキレン、Het、C3-7−シクロアルキル、C3-7−シクロアルキル−C1-2−アルキレン、Hetアリール−C1-2−アルキレン及びHetアリールの中からそれぞれ独立して選択される2つの基で二置換されており、この基はさらに、OH、F、Cl、Br、CF3、CHF2、CH2F、オキソ、シクロプロピル、メチル及びフェニルの中から選択される基で置換されていてもよく、
及び、
2.1は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニル、C5-7複素環、C5-6−ヘテロアリール、C3-7−シクロアルキル、フェニル−メチレン、C5-7複素環−メチレン、C5-6−ヘテロアリール−メチレン、C3-7−シクロアルキル−メチレンである)。
【請求項14】
請求項13に記載の式1の化合物及び薬理学的に許容されるその塩
(式中、
3は、フェニルであり、
このフェニルは、任意の所望の位置で、フッ素、塩素、ヒドロキシ、CN、メチル、CF3の中からそれぞれ独立して選択される2つの基で二置換されている)。
【請求項15】
請求項1から3までの1項に記載の式Aの化合物及び薬理学的に許容されるその塩
【化4】

A
(式中、
1は、Hを意味し、
2は、以下を意味し、
【化5】

4'は、OCH3、CN、CH3、F又はClを意味する)。
【請求項16】
請求項1から3までの1項に記載の式Bの化合物及び薬理学的に許容されるその塩
【化6】

B
(式中、
1は、Hを意味し、
2は、以下を意味し、
【化7】

4'は、OH、OCH3、CH3、F又はCF3を意味する)。
【請求項17】
請求項1から3までの1項に記載の式Cの化合物及び薬理学的に許容されるその塩
【化8】

C
(式中、
1は、Hを意味し、
2は、以下を意味し、
【化9】

式Cの構造単位
【化10】

が、
【化11】

の中から選択される)。
【請求項18】
薬物としての、請求項1から17までの1項に記載の化合物。
【請求項19】
PDE4酵素を阻害することによって治療することができる疾患の治療のための薬物を調製するための、請求項1から17までの1項に記載の化合物の使用。
【請求項20】
呼吸器系又は消化器系の障害又は疾患、関節、皮膚又は眼の炎症性疾患、がん及び末梢神経系又は中枢神経系の疾患の治療のための薬物を調製するための、請求項1から17までの1項に記載の化合物の使用。
【請求項21】
気道の粘液産生の増加、炎症及び/又は閉塞性疾患に伴う呼吸器系又は肺疾患の予防及び治療のための薬物を調製するための、請求項1から17までの1項に記載の化合物の使用。
【請求項22】
COPD、慢性副鼻腔炎、喘息、クローン病、潰瘍性大腸炎などの炎症性及び閉塞性疾患の治療のための薬物を調製するための、請求項1から17までの1項に記載の化合物の使用。
【請求項23】
消化管の炎症性疾患の治療のための薬物を調製するための、請求項1から17までの1項に記載の化合物の使用。
【請求項24】
うつ病、双極性うつ病若しくは躁うつ病、急性及び慢性的不安状態、統合失調症、アルツハイマー疾患、パーキンソン病、急性及び慢性多発性硬化症又は急性及び慢性疼痛などの末梢神経系又は中枢神経系の疾患の予防及び治療のため、並びに脳卒中、低酸素症又は頭蓋脳外傷により引き起こされる脳の損傷の予防及び治療のための薬物を調製するための、請求項1から17までの1項に記載の化合物の使用。
【請求項25】
請求項1から17までの1項に記載の式1の化合物の1つ又は複数を含有することを特徴とする医薬製剤。
【請求項26】
1つ又は複数の、請求項1から17までの1項に記載の式1の化合物を、ベータ受容体刺激薬、副腎皮質ステロイド、他のPDE4阻害剤、EGFR阻害剤及びLTD4拮抗剤、CCR3阻害剤、iNOS阻害剤及びSYK阻害剤の中から選択される1つ又は複数の活性物質と組み合わせて含有することを特徴とする医薬製剤。

【公表番号】特表2011−500621(P2011−500621A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−529353(P2010−529353)
【出願日】平成20年10月13日(2008.10.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/063747
【国際公開番号】WO2009/053268
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】