説明

新規化合物、その調製および使用

一般式(I)の化合物、該化合物の薬学的組成物としての使用、該化合物を含有する薬学的組成物、該化合物および組成物を用いた治療方法。本発明の化合物は、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)、特にPPARδサブタイプによって媒介される症状の治療および/または予防に有用である可能性がある。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、薬学的組成物としての該化合物の使用、該化合物を含有する薬学的組成物、並びに該化合物および組成物を用いた治療方法に関する。更に詳細に言えば、本発明の化合物は、ペルオキシソーム増殖因子活性化型受容体(Peroxisome Proliferator-Activated Receptors(PPAR))、特にPPARδサブタイプによって媒介される症状の治療および/または予防に利用することができる。
【発明の背景】
【0002】
冠動脈疾患(CAD)は、II型糖尿病および代謝性症候群の患者(即ち、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高トリグリセリド血症および/または肥満の「致死カルテット」に入る患者)における主要な死因である。
【0003】
血中脂質低下性フィブレート類(hypolipidaemic fibrates)および高糖尿病性チアゾリジンジオン類は、別々に穏やかなトリグリセリド低下活性を示すが、それらは、II型糖尿病または代謝性症候群の患者に屡々見られる異常脂血症のための単独療法として選択されるためには十分に強力でなく、また有効でもない。チアゾリジンジオン類はまた、II型糖尿病の動物モデルおよびヒトの循環グルコースレベルを強力に低下させる。しかし、フィブレート類の化合物は、血糖症に対して有益な効果をもたない。これら化合物の分子的作用に関する研究により、チアゾリジンジオン類およびフィブレート類は、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)ファミリーの異なる転写因子を活性化することにより、それらの作用を働かせて、特定の酵素およびアポリポタンパク質(両者共に血漿トリグリセリド含量の調節における主役である)の増大または減少した発現を生じることが示されている。一方において、フィブレート類は、主に肝臓において作用するPPARαアクチベータである。他方において、チアゾリジンジオン類は、主に脂肪組織に対して作用するPPARγの高親和性リガンドである。
【0004】
脂肪組織は、脊椎動物における脂質ホメオスタシスおよびエネルギーバランス維持において中心的な役割を果たす。脂肪組織は、栄養が豊富な時期にはエネルギーをトリグリセリドの形態で保存し、栄養欠乏時にはそれを遊離脂肪酸の形態で放出する。白色脂肪組織の発生は、寿命の全体を通しての連続的な分化プロセスの結果である。多くの証拠が、この細胞分化の開始および調節におけるPPARγ活性化の中心的役割を指摘している。脂肪細胞の分化の際に、幾つかの高度に専門化されたタンパク質が誘導され、その殆どは脂質の蓄積および代謝に関与している。PPARγの活性化からグルコース代謝の変化(最も顕著には、筋肉におけるインスリン抵抗性)に至る正確なリンクは、未だ解明されていない。可能なリンクは、PPARγの活性化が、脂肪組織においてリポタンパク質リパーゼ(LPL)、脂肪酸輸送タンパク質(FATP)およびアシルCoAシンターゼ(ACS)を誘導するが、筋肉組織では誘導しないように、遊離脂肪酸を経由するものである。次いで、これは血漿中の遊離脂肪酸の濃度を劇的に低下させ、細胞レベルでの基質競合に起因して、代謝速度の高い骨格筋および他の組織は最終的に脂肪酸酸化からグルコース酸化に切替わり、結果としてインスリン抵抗性が減少する。
【0005】
PPARγは、脂肪酸のβ酸化の刺激に関与する。齧歯類においては、脂肪酸代謝に関与する遺伝子発現におけるPPARαに媒介された変化が、主に肝臓および腎臓に限定されたペルオキシソーム増殖、多面性細胞応答の基礎をなしており、これらは齧歯類における肝臓癌形成を導く可能性がある。ペルオキシソーム増殖の現象は人間には見られない。齧歯類のペルオキシソーム増殖におけるその役割に加えて、PPARαは、齧歯類およびヒトにおけるHDLコレステロールの制御にも関与している。この効果は、少なくとも部分的には、主要なHDLアポリポタンパク質(アポA-IおよびアポA-II)のPPARαに媒介された転写調節に基づいている。また、フィブレート類および脂肪酸の血中トリグリセリド低下作用もPPARαを含んでおり、次の通り要約することができる:(I)リポタンパク質リパーゼおよびアポC-IIIレベルの変化に起因した、脂質分解および残留粒子クリアランスの増大、(II)脂肪酸結合性タンパク質およびアシルCoAシンターゼの誘導による、細胞の脂肪酸取込みおよびその後のアシルCoA誘導体への変換の刺激、(III)脂肪酸β酸化経路の誘導、(IV)脂肪酸およびトリグリセリド合成における減少、最後に(V)VLDL産生における減少。従って、トリグリセリドに富む粒子の異化の増大、並びにVLDL粒子の分泌低下が、フィブレート類の血中脂質低下効果に寄与する機構を構成する。
【0006】
当初、PPARδの活性化は、グルコースもしくはトリグリセリドレベルの調節に関与しないと報告された(Berger et al., j. Biol. Chem. , 1999, Vol 274, pp. 6718-6725)。その後、PPARδの活性化はdb/dbマウスにおけるHDLコレステロールのレベル増大を導くことが示された(Leibowitz et al. FEBS letters 2000, 473, 333-336)。更に、PPARδアゴニストは、インスリン抵抗性の中年の肥満アカゲザルに投与したときに、血清HDLコレステロールにおける投与量依存性の劇的上昇を生じる一方、低密度LDL、空腹時トリグリセリドおよび空腹時インスリンのレベルを低下させた(Oliver et al. PNAS 2001, 98, 5306-5311)。この同じ論文によって、PPARδの活性化が、逆コレステロール輸送体ATP結合性カセットA1を増大させ、またアポタンパク質A1特異的コレステロール流出を誘導したことが示された。筋肉での脂肪酸酸化におけるPPARδの関与は、PPARαノックアウトマウスにおいて更に実証された。Muoio et al.(J. Biol. Chem. 2002, 277, 26089-26097)は、骨格筋における高レベルのPPARδが、PPARαの欠乏を補償できることを示した。これらの所見を総合すると、PPARδの活性化は、心血管系疾患、並びにアテローム硬化症、高トリグリセリド血漿および混合型異常脂血症を含む症状の治療および予防に有用であることが示唆される(WO 01/00603)。
【0007】
高血糖症、高脂血症および高コレステロール血症の治療に有用であるとして、多くのPPARδ化合物が報告されている(WO 02/59098, WO 01/603, WO 01/25181, WO 02/14291, WO 01/79197, WO 99/4815, WO 97/28149, WO 98/27974, WO 97/28115, WO 97/27857, WO 97/28137, WO 97/27847)。
【0008】
単一アプローチとしてのグルコースの低下は、II型糖尿病および代謝性症候群に関連した大血管合併症を克服しない。従って、II型糖尿病および代謝性症候群の新規な治療は、これら症候群に付随する顕性の高トリグリセリド血症を低下させること、並びに高血糖症を緩和することの両方を目的としなければならない。
【0009】
これは、PPARα、PPARγおよびPPARδの種々の程度の活性化を示す化合物の探索によって、II型糖尿病、異常脂血症、シンドロームX(代謝性照応群、即ち、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性、高トリグリセリド血症および/または肥満を含む)、心血管系疾患(アテローム硬化症)および高コレステロール血症の治療において大きな潜在能力をもった、効果的なトリグリセリドおよび/またはコレステロールおよび/またはグルコース低下薬の発見が導かれるであろうことを示している。
【0010】
WO 97/48674には、抗感染剤としての、種々の抗菌性ジアリール類が記載されている。この発明は次式の化合物を含むものである。
【化2】

【0011】
ここでのLは、N、CHおよびCからなる群からなる群から選択され;G、Eは、なかでもフェニル、置換フェニル(置換基はハロゲン、アルキルまたはアルコキシである)、フェニルC1-4-アルキル、置換フェニルC1-4-アルキル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-チエニルおよび3-チエニルから独立して選択されてよく;Jは、CHまたはOであってよく;Xは、O、S、NRおよびC(O)NR殻なる群から選択されてよく;Arは、アリールまたは置換アリール(置換基はハロゲン、アルキルまたはアルコキシである)であってよく);Wは、OまたはSであってよく;Aは、なかでもNRR、アミジノ、COOH、CHRCOOH、CH=CHR、CH=C(COOH)2殻なる群から選択されてよく;m、nは、独立に0〜6であってよく;q、pは、独立に0または1であってよい。
【定義】
【0012】
以下の説明および本明細書の全体を通して記載される構造式において、次の用語は指示された意味を有する。
【0013】
ここで用いる「C1-6-アルキル」の用語は、単独または組合せにおいて、指定された数の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素鎖を表す。代表的な例には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
ここで用いる「C1-6-アルキルカルボニル」の用語は、カルボニル基を介して結合された、指定された数の炭素原子を有する、上記で定義した「C1-6-アルキル」アルキル基を表す。代表的な例には、メチルカルボニル、エチルカルボニル、n-プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、tert-ブチルカルボニル、n-ペンチルカルボニル、イソペンチルカルボニル、ネオペンチルカルボニル、tert-ペンチルカルボニル、n-ヘキシルカルボニル、イソヘキシルカルボニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
ここで用いる「C1-6-アルキルスルホニル」の用語は、スルホニル基を介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n-プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、n-ブチルスルホニル、イソブチルスルホニル、sec-ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル、n-ペンチルスルホニル、イソペンチルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、tert-ペンチルスルホニル、n-ヘキシルスルホニル、イソヘキシルスルホニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
ここで用いる「C1-6-アルキルスルホニルオキシ」の用語は、スルホニルオキシ基を介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ、n-プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、n-ブチルスルホニルオキシ、イソブチルスルホニルオキシ、sec-ブチルスルホニルオキシ、tert-ブチルスルホニルオキシ、n-ペンチルスルホニルオキシ、イソペンチルスルホニルオキシ、ネオペンチルスルホニルオキシ、tert-ペンチルスルホニルオキシ、n-ヘキシルスルホニルオキシ、イソヘキシルスルホニルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0017】
ここで用いる「C1-6-アルキルアミド」の用語は、アミノ基を介して結合されたアシル基を意味する。代表的な例には、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ブチリルアミノ、イソブチリルアミノ、ピバロイルアミノ、バレリルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0018】
ここで用いる「C3-6-シクロアルキル」の用語は、単独または組合せにおいて、指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。代表的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0019】
ここで用いる「C2-6-アルケニル」の用語は、2〜指定された数の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する、オレフィン的不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を表す。代表的な例には、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、アリール、イソ-プロペニル、1,3-ブタンジエニル、1-ブテニル、ヘキセニル、ペンテニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
ここで用いる「C2-6-アルキニル」の用語は、2〜指定された数の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する、不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を表す。代表的な例には、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
ここで用いる「C4-6-アルケンイニル(alkenynyl)」の用語は、4〜指定された数の炭素原子、並びに少なくとも1つの二重結合および少なくとも1つの三重結合の両方を有する、不飽和の直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基を表す。代表的な例には、1-ペンテン-4-イニル、3-ペンテン-1-イニル、1,3-ヘキサジエン-5-イニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
ここで用いる「C1-6-アルコキシ」の用語は、単独または組合せにおいて、エーテル酸素からその自由原子価結合を有するエーテル酸素を介して結合された、直鎖もしくは分岐鎖の構造を意味する。線型アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等である。分岐したアルコキシの例は、イソプロポキシ, sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、イソペンチルオキシ、イソヘキシルオキシ等である。
【0023】
ここで用いる「C3-6-シクロアルコキシ」の用語は、単独または組合せにおいて、エーテル酸素を介して結合された、エーテル酸素からその自由原子化結合を有する指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。シクロアルコキシ基の例は、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等である。
【0024】
ここで用いる「C1-6-アルキルチオ」の用語は、単独または組合せにおいて、硫黄原子からその自由原子化結合を有する2価の硫黄原子を介して結合され、且つ1〜6の炭素原子を有する、上記で定義された「C1-6-アルキル」基を含んでなる直鎖もしくは分岐鎖の1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0025】
ここで用いる「C3-6-シクロアルキルチオ」の用語は、単独または組合せにおいて、硫黄原子からその自由原子価結合を有する2価の硫黄原子を介して結合された、指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。シクロアルキルチオ基の例は、シクロプロピルチオ、シクロブチルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ等である。
【0026】
ここで用いる「C1-6-アルキルアミノ」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素原子からその遊離原子価結合を有するアミノを介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる直鎖もしくは分岐鎖の1価の置換基を意味する。代表的な例には、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ブチルアミノ、ペンチルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0027】
ここで用いる「C1-6-アルキルアミノカルボニル」の用語は、カルボニル基を介して結合されたC1-6-モノアルキルアミノ基を含んでなる1価の置換基、例えば、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、n-プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、sec-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル、tert-ブチルアミノカルボニル、n-ペンチルアミノカルボニル、2-メチルブチルアミノカルボニル、3-メチルブチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニル、4-メチルペンチルアミノカルボニル、ネオペンチルアミノカルボニル、n-ヘキシルアミノカルボニル、および2-2-ジメチルプロピルアミノカルボニル等を意味する。
【0028】
ここで用いる「C3-6-シクロアルキルアミノ」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素原子からその自由原子価結合を有するアミノを介して結合された、指定された数の炭素原子を有する飽和の単環式炭化水素基を表す。代表的な例には、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0029】
ここで用いる「C1-6-アルコキシC1-6-アルキル」の用語は、単独または組合せにおいて、上記で定義した「C1-6-アルコキシ」基が結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を意味する。代表的な例には、メトキシメチル、エトキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0030】
ここで用いる「アリール」の用語は、単環式芳香族炭化水素基または二環系もしくは三環系の縮環芳香族炭化水素基を意味する。代表的な例には、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、アズレニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
ここで用いる「アリーレン」の用語は、2価の、単環式芳香族炭化水素基または二環系もしくは三環系の縮環芳香族炭化水素基を意味する。代表的な例には、フェニレン、ナフチレン等が含まれるが、これらに限定されない。
【0032】
ここで用いる「アリールカルボニル」の用語は、カルボニル基を介して結合された、上記で定義したアリール基を意味する。代表的な例には、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、アントラセニルカルボニル、フェナントレニルカルボニル、アズレニルカルボニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0033】
ここで用いる「アリールスルホニル」の用語は、スルホニルアルキル基を介して結合された、上記で定義したアリール基を意味する。代表的な例には、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニル、アントラセニルスルホニル、フェナントレニルスルホニル、アズレニルスルホニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
ここで用いる「アリールスルホニルオキシ」の用語は、スルホニルオキシ基を介して結合された、上記で定義した「アリール」基を意味する。代表的な例には、フェニルスルホニルオキシ、ナフチルスルホニルオキシ、アントラセニルスルホニルオキシ、フェナントレニルスルホニルオキシ、アズレニルスルホニルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0035】
ここで用いる「アリールアミド」の用語は、アミノ基を介して結合されたアリールカルボニル基を意味する。代表的な例は、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、アントラセニルカルボニルアミノ、フェナントレニルカルボニルアミノ、アズレニルカルボニルアミノ等であるが、これらに限定されない。
【0036】
ここで用いる「ハロゲン」の用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0037】
ここで用いる「パーハロメチル」の用語は、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチル、またはトリヨードメチルヲ意味する。
【0038】
ここで用いる「パーハロメトキシ」の用語は、トリフルオロメトキシ、トリクロロメトキシ、トリブロモメトキシ、またはトリヨードメトキシを意味する。
【0039】
ここで用いる「C1-6-ジアルキルアミノ」の用語は、二つの水素原子が、指定された数の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭化水素で独立に置換された、アミノ基を意味する。代表的な例には、ジメチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、N-(n-ブチル)-N-メチルアミノ、ジ(n-ペンチル)アミノ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0040】
ここで用いる「アシル」の用語は、カルボニル基を介して結合された、上記で定義した「C1-6-アルキル」基を含んでなる1価の置換基を意味する。代表的な例には、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
ここで用いる「ヘテロアリール」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む、5〜7員の単環式芳香族系または8〜10員の二環式芳香族系を含んでなる1価の置換基、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、プテリジニル、およびプリニル等を意味する。
【0042】
ここで用いる「ヘテロアリーレン」の用語は、単独または組合せにおいて、窒素、酸素および硫黄から選択される1以上のヘテロ原子を含む、5〜7員の単環式芳香族系または8〜10員の二環式芳香族系を含んでなる2価の置換基、例えば、フリレン、チエニレン、ピロリレン、イミダゾリレン、ピラゾリレン、トリアゾリレン、ピラジニレン、ピリミジニレン、ピリダジニレン、イソチアゾリレン、イソオキサゾリレン、オキサゾリレン、オキサジアゾリレン、チアジアゾリレン、キノリレン、イソキノリレン、キナゾリニレン、キノキサリニレン、インドリレン、ベンゾイミダゾリレン、ベンゾフラニレン、プテリジニレンおよびプリニレン等を意味する。
【0043】
ここで用いる「ヘテロアリールオキシ」の用語は、単独または組合せにおいて、酸素原子からその自由原子価結合を有する酸素原子に結合された、ここで定義したヘテロアリール、例えば、ピロリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピラゾリルオキシ、トリアゾリルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリミジニルオキシ、ピリダジニルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、オキサゾリルオキシ、オキサジアゾリルオキシ、チアジアゾリルオキシ、キノリニルオキシ、イソキノリニルオキシ、キナゾリニルオキシ、キノキサリニルオキシ、インドリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、ベンゾフラニルオキシ、プテリジニルオキシおよびプリニルオキシ等を意味する。
【0044】
ここで用いる「アラルキル」の用語は、芳香族炭化水素で置換された1〜6の炭素原子を含む直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭素鎖を意味する。代表的な例には、ベンジル、フェネチル、3-フェニルプロピル、1-ナフチルメチル、2-(1-ナフチル)エチル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0045】
ここで用いる「アリールオキシ」の用語は、フェノキシ、1-ナフチルオキシ、2-ナフチルオキシ等を意味する。
【0046】
ここで用いる「アラルコキシ」の用語は、芳香族炭化水素で置換されたC1-6-アルコキシ基、例えば、ベンジルオキシ、フェネトキシ、3-フェニルプロポキシ、1-ナフチルメトキシ、2-(1-ナフチル)エトキシ等を意味する。
【0047】
ここで用いる「ヘテロアラルキル」の用語は、ヘテロアリール基で置換された1〜6の炭素を含む直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭素鎖、例えば、(2-フリル)メチル、(3-フリル)メチル、(2-チエニル)メチル、(3-チエニル)メチル、(2-ピリジル)メチル、1-メチル-1-(2-ピリミジル)エチル等を意味する。
【0048】
ここで用いる「ヘテロアラルコキシ」の用語は、酸素原子からその遊離原子価結合を有する酸素原子に結合された、ここで定義したヘテロアリールアルキルを意味する。代表的な例には、(2-フリル)メチルオキシ、(3-フリル)メチルオキシ、(2-チエニル)メチルオキシ、(3-チエニル)メチルオキシ、(2-ピリジル)メチルオキシ、1-メチル-1-(2-ピリミジル)エチルオキシ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0049】
ここで用いる「アリールチオ」の用語は、単独または組合せにおいて、硫黄原子からその遊離原子価結合を有する2価の硫黄原子を介して結合されたアリール基を意味し、該アリール基は任意に、C1-6-アルキル、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1-6-アルコキシでモノ置換もしくは多置換される。代表的な例には、フェニルチオ、(4-メチルフェニル)-チオ、(2-クロロフェニル)チオ等が含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
上記で定義した一定の用語は、1つの構造式において2回以上出てくることもあり、このような場合には、各用語は他から独立して定義されるべきものである。
【0051】
ここで用いる「任意に置換され」の用語は、問題の基が、特定された1以上の置換基で置換され、または置換されないことを意味する。問題の基が2以上の置換基で置換されるとき、これらの置換基は同じであっても異なっていてもよい。
【発明の説明】
【0052】
本発明は、下記一般式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体に関する:
【化3】

【0053】
ここで、
X1は、アリールもしくはヘテロアリールであり、その各々が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;
X2は、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり、その各々が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、C1-6-アルキルチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;
X3は、アリールもしくはヘテロアリールであり、その各々が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;
Arは、アリーレンであり、これは下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシもしくはシアノ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオもしくはC3-6-シクロアルキルチオ;
Y1は、OもしくはSであり;
Y2は、OもしくはSであり;
Zは、-(CH2)n-(ここでのnは、1、2もしくは3である)であり;
R1は、水素、ハロゲン、または下記から選択される置換基であり、
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオもしくはC3-6-シクロアルキルチオ;
R2は、水素、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C4-6-アルケンイニルまたはアリールである。
【0054】
1つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、アリール、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルもしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【0055】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルもしくはアリール。
【0056】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のハロゲンで任意に置換されたアリール、フェニルまたはパーハロメチルである式(I)の化合物に関する。
【0057】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1がアリールである式(I)の化合物に関する。
【0058】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、アリール、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、もしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【0059】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルもしくはアリール。
【0060】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0061】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のフェニルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0062】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のパーハロメチルで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0063】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1がフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0064】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、アリール、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、もしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【0065】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキルもしくはアリール。
【0066】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が1以上のハロゲンで任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0067】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のC1-6-アルキルまたはパーハロメチルで任意に置換された式(I)の化合物に関する。
【0068】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1がヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0069】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のハロゲンで任意に置換されたフリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである式(I)の化合物に関する。
【0070】
もう1つの実施形態において、本発明は、X1が、1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである式(I)の化合物に関する。
【0071】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリーレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルもしくはC1-6-アルコキシ。
【0072】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が、1以上のハロゲンで任意に置換されたアリーレンである式(I)の化合物に関する。
【0073】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が、1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたアリーレンである式(I)の化合物に関する。
【0074】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2がアリーレンである式(I)の化合物に関する。
【0075】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ。
【0076】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0077】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0078】
もう1つの実施形態において、本発明はX2がフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0079】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたヘテロアリーレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルもしくはC1-6-アルコキシ。
【0080】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2が1以上のハロゲンで任意に置換されたヘテロアリーレンである式(I)の化合物に関する。
【0081】
もう1つの実施形態において、本発明はX2がヘテロアリーレンである式(I)の化合物に関する。
【0082】
もう1つの実施形態において、本発明は、X2がベンゾフラニレンである式(I)の化合物に関する。
【0083】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルもしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【0084】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル。
【0085】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3がアリールである式(I)の化合物に関する。
【0086】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が下記から選択された置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルもしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【0087】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が下記から選択された置換基で任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル。
【0088】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0089】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3がフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0090】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が下記から選択された置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルもしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【0091】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が下記から選択された置換基で任意に置換されたヘテロアリールである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル。
【0092】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が1以上のハロゲンで任意に置換されヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0093】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0094】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3がヘテロアリールである式(I)の化合物に関する。
【0095】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が1以上のハロゲンで任意に置換されたフリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである式(I)の化合物に関する。
【0096】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3が1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである化合物。
【0097】
もう1つの実施形態において、本発明は、X3がフリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである式(I)の化合物に関する。
【0098】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン、ヒドロキシもしくはシアノ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、もしくはC3-6-シクロアルキルチオ。
【0099】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、アリール、C1-6-アルコキシ、アリールオキシ、もしくはアラルコキシ。
【0100】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0101】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが1以上のハロゲンで任意に置換された1以上のC1-6-アルキルで任意に置換されたフェニレンである、式(I)の化合物に関する。
【0102】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが1以上のハロゲンで任意に置換された1以上のC1-6-アルコキシで任意に置換されたフェニレンである、式(I)の化合物に関する。
【0103】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが1以上のハロゲンで任意に置換された1以上のアリールで任意に置換されたフェニレンである、式(I)の化合物に関する。
【0104】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arがメチルで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0105】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arがメトキシで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0106】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arが1以上のフェニルで任意に置換されたフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0107】
もう1つの実施形態において、本発明は、Arがメフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0108】
もう1つの実施形態において、本発明は、Y1がSである式(I)の化合物に関する。
【0109】
もう1つの実施形態において、本発明は、Y1がOである式(I)の化合物に関する。
【0110】
もう1つの実施形態において、本発明は、Y2がOである式(I)の化合物に関する。
【0111】
もう1つの実施形態において、本発明は、Y2がSである式(I)の化合物に関する。
【0112】
もう1つの実施形態において、本発明は、nが1である式(I)の化合物に関する。
【0113】
もう1つの実施形態において、本発明は、R1が水素または下記から選択される置換基である式(I)の化合物に関する:
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されるC1-6-アルキル、アラルキル、C1-6-アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ。
【0114】
もう1つの実施形態において、本発明は、R1が水素または下記から選択される置換基である式(I)の化合物に関する:
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されるC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ。
【0115】
もう1つの実施形態において、本発明は、R1が水素である式(I)の化合物に関する。
【0116】
もう1つの実施形態において、本発明は、R1がメトキシまたはエトキシである式(I)の化合物に関する。
【0117】
もう1つの実施形態において、本発明は、R2が水素である式(I)の化合物に関する。
【0118】
もう1つの実施形態において、本発明は、R2がメチルまたはエチルである式(I)の化合物に関する。
【0119】
もう1つの実施形態において、本発明は、アルキルがメチルまたはエチルである式(I)の化合物に関する。
【0120】
もう1つの実施形態において、本発明は、アルケニルがビニルまたは1-プロペニルである式(I)の化合物に関する。
【0121】
もう1つの実施形態において、本発明は、アルキニルが1-プロピニルである式(I)の化合物に関する。
【0122】
もう1つの実施形態において、本発明は、アルケンイニルが1-ペンテン-4-インである式(I)の化合物に関する。
【0123】
もう1つの実施形態において、本発明は、アルコキシがメトキシ、エトキシ、イソプロポキシまたはシクロプロポキシである式(I)の化合物に関する。
【0124】
もう1つの実施形態において、本発明は、アリールがフェニルである式(I)の化合物に関する。
【0125】
もう1つの実施形態において、本発明は、アリーレンがフェニレンである式(I)の化合物に関する。
【0126】
もう1つの実施形態において、本発明は、ハロゲンが臭素、フッ素または塩素である式(I)の化合物に関する。
【0127】
もう1つの実施形態において、本発明は、パーハロメチルがトリフルオロメチルである式(I)の化合物に関する。
【0128】
もう1つの実施形態において、本発明は、パーハロメトキシがトリフルオロメトキシである式(I)の化合物に関する。
【0129】
もう1つの実施形態において、本発明は、ヘテロアリールがフリルまたはチエニルである式(I)の化合物に関する。
【0130】
もう1つの実施形態において、本発明は、アラルキルがベンジルである式(I)の化合物に関する。
【0131】
もう1つの実施形態において、本発明は、アリールオキシがフェノキシである式(I)の化合物に関する。
【0132】
もう1つの実施形態において、本発明は、アラルコキシがベンジルオキシである式(I)の化合物に関する。
【0133】
もう1つの実施形態において、本発明は、置換基R1およびX3がトランス配置である式(I)の化合物に関する。
【0134】
もう1つの実施形態において、本発明は、置換基R1およびX3がシス配置である式(I)の化合物に関する。
【0135】
もう1つの実施形態において、本発明は、PPARδアゴニストである式(I)の化合物に関する。
【0136】
もう1つの実施形態において、本発明は、選択的PPARδアゴニストである式(I)の化合物に関する。
【0137】
本発明の特定の化合物の例は下記の通りである:
(E/Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;または
それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体。
【0138】
本発明の特定の化合物の他の例は下記の通りである:
{4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-[1,1';4',1'']ターフェニル-4''-イル-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸、
(E/Z)-[2-メチル-4-[3-[5-(5-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[b]フラン-2-イル]-3-(チオフェン-2-イル)アリールスルファニル]フェノキシ]酢酸、
(E/Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-(フラン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸、
(E/Z)-[4-[3-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸、
[4-[(3-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ]-酢酸、
(E/Z)-[4-[3-(4-ビフェニリル)-3-(5-メチルチオフェン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸、または
それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体である化合物。
【0139】
本発明の特定の化合物の他の例は下記の通りである:
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;または
それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体。
【0140】
本発明はまた、本発明の化合物の薬学的に許容可能な塩を包含する。このような塩には、薬学的に許容可能な酸付加塩、薬学的に許容可能な塩基付加塩、薬学的に許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が含まれる。酸付加塩には、無機酸および有機酸の塩が含まれる。適切な無機酸の代表的な例には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、および硝酸等が含まれる。適切な有機酸の代表的な例には、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、蓚酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸(pamoic acid)、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サルフェート、ナイトレート、ホスフェート、パークロレート、ボレート、アセテート、ベンゾエート、ヒドロキシナフトエート、グリセロホスフェート、ケトグルタレート等が含まれる。薬学的に許容可能な無機または有機の酸付加塩の更なる例には、本明細書の一部として援用するJ. Pharm. Sci., 1977, 66, 2に列記された薬学的に許容可能な塩が含まれる。金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、カルシウム塩等が含まれる。アミンおよび有機アミンの例には、アンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、テトラメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メグルミン、エチレンジアミン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N-ベンジルフェニルエチルアミン、N-メチル-D-グルカミン、グアニジンなどが含まれる。陽イオン性アミノ酸の例には、リジン、アルギニン、ヒスチジン等が含まれる。
【0141】
薬学的に許容可能な塩は、式(I)の化合物と、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、水素化ナトリウム、カリウムt-ブトキシド、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等のような1〜4当量の塩基とを、エーテル、THF、メタノール、t-ブタノール、ジオキサン、イソプロパノール、エタノール等のような溶媒中で反応させることによって調製される。溶媒の混合物を使用してもよい。また、リジン、アルギニン、ジエタノールアミン、コリン、グアニジン、およびそれらの誘導体等のような有機塩基を使用してもよい。或いは、適用可能な場合には、酸付加塩は、酢酸エチル、エーテル、アルコールアセトン、THF、ジオキサン等のような溶媒中において、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、サリチル酸、ヒドロキシナフトエ酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、コハク酸、安息香酸、ベンゼンスルホン酸、酒石酸等で処理することによって調製される。また、溶媒の混合物を使用してもよい。
【0142】
本発明の一部を形成する化合物の立体異性体は、可能なときには何時でも、それらの単一のエナンチオマー形態の反応体をプロセスにおいて使用することにより、または単一のエナンチオマー形態の試薬または触媒の存在下で反応を行うことにより、または慣用的な方法により立体異性体の混合物を分割することによって調製すればよい。幾つかの好ましい方法には、微生物的分割、酵素的分割、並びに適用可能な場合は何時でも、マンデル酸、カンファー酸、酒石酸および乳酸等のキラル酸、またはブルシン、(R)-もしくは(S)-フェニルエチルアミン、キナアルカロイドおよびそれらの誘導体などのキラル塩基を用いて形成されたジアステレオマー塩を分割することが含まれる。通常使用される方法は、Jaques et alの「Enantiomers、Racemates and Resolution」(Wiley Interscience, 1981)に従う。更に詳細に言えば、式(I)の化合物は、キラルなアミン、アミノ酸、アミノ酸から誘導されるアミノアルコールで処理することによって、ジアステレオマーアミドの1:1混合物に変換されてよい。酸をアミン変換するためには、慣用的な反応条件を用いればよい。このジアステレオマーは、分別結晶化またはクロマトグラフィーによって分離することができ、また、式(I)の化合物の立体異性体は、純粋なジアステレオマーアミドを加水分解することによって調製することができる。
【0143】
本発明の一部を形成する一般式(I)の化合物の種々の多型体は、異なる条件下で式(I)の化合物を結晶化することにより調製することができる。例えば、再結晶化のために通常用いられる種々の溶媒またはそれらの混合物;異なる温度での結晶化;結晶化の際の非常に速い冷却から非常に遅い冷却に亘る種々の冷却モードを使用する。また、多型体は、化合物を加熱または溶融させた後に、徐冷却または急冷却することによっても得ることができる。多型体の存在は、固体プローブNMRスペクトル、IRスペクトル、走査型示差熱分析、粉末X線回折または他の技術によって決定することができる。
【0144】
本発明はまた、本発明の化合物のプロドラッグをも包含するものであり、これは投与したとき、活性な薬理学的物質になる前に、代謝プロセスによって化学的変換を受けるものである。一般に、このようなプロドラッグは、必要な式(I)の化合物へとインビボで容易に変換可能な本発明の化合物の官能基誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための慣用的な方法は、例えば、「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」、H. Bundgaard, Elsevier, 1985に記載されている。
【0145】
本発明はまた、本発明の化合物の活性代謝物をも包含する。
【0146】
本発明はまた、1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤と共に、活性成分として、少なくとも一つの式(I)の化合物、またはその何れかの光学異性体、幾何異性体、互変異性体もしくはそれらの混合物、或いはその薬学的に許容可能な塩を含有する薬学的組成物に関する。
【0147】
本発明は更に、上記で述べた症状のように、核内受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(Peroxisome Proliferator-Activated Receptors;PPAR)に媒介される症状を治療および/または予防するための薬学的組成物を製造するための、一般式(I)の化合物、またはその互変異性体、その立体異性体、その多型体、その薬学的に許容可能な塩、またはその薬学的に許容可能な溶媒和物の使用に関する。
【0148】
もう一つの側面において、本発明は、I型糖尿病またはII型糖尿病を治療および/または予防する方法に関する。
【0149】
更なる側面において、本発明は、I型糖尿病またはII型糖尿病を治療および/または予防するための薬学的組成物を製造するための、一般式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
【0150】
更なる側面において、本発明の化合物は、IGTの治療および/または予防のために有用である。
【0151】
更なる側面において、本発明の化合物は、II型糖尿病の治療および/または予防のために有用である。
【0152】
更なる側面において、本発明の化合物は、IGTからII型糖尿病への進行を遅延または防止するために有用である。
【0153】
更なる側面において、本発明の化合物は、非インスリン要求性のII型糖尿病からインスリン要求性のII型糖尿病への進行を遅延または防止するために有用である。
【0154】
もう一つの側面において、本発明の化合物は、血中のグルコースおよびトリグリセリドのレベルを低下させ、従って、糖尿病および/または肥満のような病気および障害を治療および/または予防するために有用である。
【0155】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物は、インスリン抵抗性(II型糖尿病)、グルコース寛容減損、異常脂血症、並びに高血圧、肥満、インスリン抵抗性、高血糖、アテローム硬化症、高脂血症、冠動脈疾患、心筋虚血および他の心血管系障害のようなシンドロームXに関連した障害を治療および/または予防するために有用である。
【0156】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物は、ランゲルハンス島のβ細胞のような哺乳類細胞におけるアポトーシスの減少に有効である。
【0157】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物は、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症を含む一定の腎疾患の治療のために有用である。
【0158】
更にもう一つの側面において、本発明の化合物はまた、痴呆症における認識機能の改善、糖尿病合併症、乾癬、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の治療、並びに骨喪失(たとえば骨粗鬆症)の予防ために有用である。
【0159】
更にもう一つの側面において、本発明はまた、投与後にアテローム硬化症のバイオマーカー(限定されるものではないがc反応性タンパク質(CRP)、TNFαおよびIL-6)を低下させる、本発明の使用に関する。
【0160】
本発明の化合物はまた、例えば、抗肥満剤、抗糖尿病薬、血圧降下剤、糖尿病に由来しまたはこれに付随する合併症の治療剤および/または予防剤、並びに肥満に由来しまたはこれに付随する合併症および疾患の治療剤および/または予防剤のような、1以上の更なる薬理学的活性物質と組合せて投与してもよい。
【0161】
従って、本発明の更なる側面において、本発明の化合物は一以上の抗肥満剤または食欲調節剤と組合せて投与してもよい。
【0162】
このような薬剤は、CART(コカインアンフェタミンに調節される転写物)アゴニスト、NPY(ニューロペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オーレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラニン細胞凝縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤、混合型セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出性化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出性ホルモン)アゴニスト、UCP 2もしくは3(結合解離タンパク質2もしくは3)モジュレータ、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)モジュレータ、およびTRβアゴニストからなる群から選択される。
【0163】
本発明の一つの実施形態において、前記抗肥満剤はレプチンである。
【0164】
もう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はデキシアンフェタミンまたはアンフェタミンである。
【0165】
もう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はフェンフルラミンまたはデキシフェンフルラミンである。
【0166】
更にもう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はシブトラミンである。
【0167】
更にもう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はオルリスタットである。
【0168】
もう一つの実施形態において、前記抗肥満剤はマジンドールまたはフェンテルミンである。
【0169】
適切な抗糖尿病薬には、インスリン、本明細書の一部として本願に援用するノボノルディスクA/SのWO 98/08871に開示されたGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)誘導体、並びに経口的に活性な血糖低下剤が含まれる。
【0170】
経口的に活性な血糖低下剤は、好ましくは、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、ノボノルディスクA/Sおよびアグーロンファーマシューテカルズ社(Agouron Pharmaceuticals, Inc.)のWO 99/01423に開示されたようなグルカゴンアンタゴニスト、GLP-1アゴニスト、本明細書の一部として本願に援用するノボノルディスクA/SのWO 97/26265およびWO 99/03861に開示されたカリウムチャンネル開放剤、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素の阻害剤、グルコース取込み調節剤、HMG CoA阻害剤(スタチン類)等の抗高脂血症剤および抗脂血症剤のような脂質代謝を修飾する化合物、食物摂取を低下させる化合物、RXRアゴニスト、並びにβ細胞のATP依存性カリウムチャンネルに対して作用するアゴニストおよび薬剤を含むものである。
【0171】
本発明の一実施形態において、本発明の化合物はインスリンと組合せて投与される。
【0172】
更なる実施形態において、本発明の化合物は、スルホニル尿素、例えばトルブタミド、グリベンクカミド、グリピジド、またはグリカジドと組合せて投与される。
【0173】
もう一つの実施形態において、本発明の化合物は、ビグアニド(例えばメトホルミン)と組合せて投与される。
【0174】
更にもう一つの実施形態において、本発明の化合物は、メグリチニド(例えばレパグリニドまたはセナグリニド)と組合せて投与される。
【0175】
更なる実施形態において、本発明の化合物は、αグルコシダーゼ阻害剤(例えばミグリトールまたはアカルボース)と組合せて投与される。
【0176】
もう一つの実施形態において、本発明の化合物は、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジドまたはレパグリニドと組合せて投与される。
【0177】
更に、本発明の化合物は、ナテグリニドと組合せて投与されてもよい。
【0178】
更にもう一つの実施形態において、本発明の化合物は、抗高脂血症剤または抗脂血症剤、例えばコレスチラミン(cholestyramine)、コレスチポール(colestipol)、クロフィブレート(clofibrate)、ジェムフィブロジル(gemfibrozil)、フェノフィブレート(fenofibrate)、ベンザフィブレート(benzafibrate)、テサグリタザル(tesaglitazar)、EML-4156、LY-518674、LY-519818、MK-767、アトルバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン(lovastatin)、プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、セリバスタチン(cerivastatin)、アシピポックス(acipimox)、エゼチミベ(ezetimibe)、プロブコール(probucol)、デキストロチロキシン(dextrothyroxine)、またはニコチン酸と組合せて投与される。
【0179】
更にもう一つの実施形態において、本発明の化合物は、チアゾリジンジオン、例えば、トログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、またはロシグリタゾンと組合せて投与される。
【0180】
更なる実施形態において、本発明の化合物は、上記で述べた化合物の1以上と組合せて、例えば、スルホニル尿素およびメトホルミン、スルホニル尿素およびアカルボース、レパグリニドおよびメトホルミン、インスリンおよびスルホニル尿素、インスリンおよびメトホルミン、インスリンおよびロバスタチン等と組合せて投与される。
【0181】
更に、本発明の化合物は、1以上の降圧剤と組合せて投与されてもよい。降圧剤の例は、アルプレノロール(alprenolol)、アテノロール(atenolol)、チモロール(timolol)、ピンドロール(pindolol)、プロプラノロール(propranolol)およびメトプロロール(metoprolol)等のβブロッカー;ベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル(captopril)、エナラプリル(enalapril)、フォシノプリル(fosinopril)、リシノプリル(lisinopril)、キナラプリル(quinapril)およびラミプリル(ramipril)等のACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤;ニフェジピン(nifedipine)、フェロジピン(felodipine)、ニカルジピン(nicardipine)、イスラジピン(isradipine)、ニモジピン(nimodipine)、ジルチアゼム(diltiazem)およびベラパミル(verapamil)等のカルシウムチャンネルブロッカー;およびドキサゾシン(doxazosin)、ウラピジル(urapidil)、プラゾシン(prazosin)およびテラゾシン(terazosin)等のαブロッカーである。更に、Remingtonの「The Science and Practice of Pharmacy」(19th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995)を参照することができる。
【0182】
本発明による化合物と、上記で述べた1以上の化合物、および任意に1以上の更なる薬理学的活性物質との適切な組合せは、本発明の範囲内にあるものとみなされることが理解されるべきである。
【0183】
本発明はまた、上記の新規化合物、その誘導体、その類似体、その互変異性体、その立体異性体、その多型体、その薬学的に許容可能な塩、または薬学的に許容可能な溶媒和物を調製する方法にも関する。
【0184】
<薬学的組成物>
本発明の化合物は、単独で、または薬学的に許容可能なキャリアもしくは賦形剤と組合せて、単回投与または多数回投与で投与すればよい。本発明による薬学的組成物は、薬学的に許容可能なキャリアまたは希釈剤、並びに他の既知のアジュバントおよび賦形剤を用いて、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、19th Edition、Gennaro,Ed.、Mack Publishing Co.、Easton、PA、1995に開示されたような従来の技術に従って処方すればよい。この組成物は慣用的な形態、例えばカプセル、錠剤、エアロゾル、溶液、懸濁液または局所的塗布剤の形態であってよい。
【0185】
典型的な組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤(キャリアもしくは希釈剤であってよい)と会合された、またはキャリアで希釈された、或いはカプセル、サシェー、紙もしくは他の容器形態のキャリア中に封入された、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な酸付加塩を含んでいる。当該組成物の製造においては、薬学的組成物の調製のための従来の技術を使用すればよい。例えば、通常、活性化合物はキャリアと混合され、またはキャリアで希釈され、或いはアンプル、カプセル、サシェー、紙もしくは他の容器の形態のキャリア中に封入されるであろう。キャリアが希釈剤として働くとき、それは担体、賦形剤、または活性化合物のための媒質として作用する固体、半固体、または液体材料であってよい。活性化合物は、顆粒状の固体容器、例えばサシェーに吸着されてもよい。適切なキャリアの幾つかの例は、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエトキシ化ひまし油、ピーナッツ油、オリーブ油、ゼラチン、乳糖、白土、蔗糖、シクロデキストリン、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸、もしくはセルロースの低級アルキルエーテル、珪酸、脂肪酸、脂肪酸アミン、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン、ヒドロキシメチルセルロース、並びにポリビニルピロリドンである。同様に、キャリアまたは希釈剤には、単独の、またはワックスと混合されたモノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような、当該技術において知られた何れかの持続放出材料が含まれてよい。当該処方剤はまた、湿潤剤、乳化剤もしくは懸濁剤、保存剤、甘味剤、香料を含んでいてもよい。本発明の処方剤は、当該技術において周知の方法を用いることにより、患者に投与した後に迅速な、持続的な、または遅延した活性成分の放出を提供するように処方してもよい。
【0186】
当該薬学的組成物は滅菌することができ、また所望であれば、活性化合物と有害な反応をしない補助剤、乳化剤、浸透圧に影響する塩、バッファーおよび/または着色物質などを混合してもよい。
【0187】
投与経路は、経口、経鼻、肺、経皮的、または非経腸的経路のような、活性化合物を適切または望ましい作用部位へと効果的に輸送する何れのルートであってもよく、例えば直腸、デポー、皮下、静脈内、尿道内、筋肉内、鼻内、点眼溶液または軟膏であり、経口経路が好ましい。
【0188】
経口投与のために固体キャリアが使用されるときは、この製剤は錠剤化してもよく、粉末もしくはペレットの形態で硬質ゼラチンカプセル中に配置してもよく、またはトローチもしくはロゼンジの形態であってもよい。液体キャリアが使用されるとき、当該製剤はシロップ、エマルジョン、軟質ゼラチンカプセル、または水性もしくは非水性の液体懸濁液もしくは溶液のような滅菌注射液の形態であってもよい。
【0189】
経鼻投与については、当該製剤は、液体キャリア(特にエアロゾル適用のための水性キャリア)中に溶解または懸濁された、式(I)の化合物を含むことができる。このキャリアは、可溶化剤(例えばポリエチレングリコール)、表面活性剤、例えばレシチン(ホスファチジルコリン)もしくはシクロデキストリンのような吸収増強剤、またはパラベンのような保存剤などの添加剤を含んでいてもよい。
【0190】
非経腸的適用のためには、注射可能な溶液または懸濁液、好ましくは活性成分をポリヒドロキシ化ひまし油中に溶解した水性溶液が特に好ましい。
【0191】
経口適用については、タルクおよび/または炭水化物のキャリアもしくはバインダなどを有する錠剤、ドラジェー、またはカプセルが特に好ましい。錠剤、ドラジェーまたはカプセルのための好ましいキャリアには、乳糖、コーンスターチ、および/またはポテトスターチが含まれる。シロップまたはエリキシールは、甘味添加された担体を使用できる場合に使用することができる。
【0192】
従来の錠剤化技術によって調製できる典型的な錠剤は、下記のものを含有する:
<コア>:
活性化合物(遊離化合物またはその塩として) 5 mg
コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil) 1.5 mg
微結晶セルロース(Avicel) 70 mg
修飾セルロースガム(Ac-Di-Sol) 7.5 mg
ステアリン酸マグネシウム Ad.
<コーティング>:
HPMC 約9 mg
Mywacett 9-40 T 約0.9 mg
フィルムコーティングのための可塑剤として使用された
アシル化モノグリセリド
所望であれば、本発明の薬学的組成物は、上記で述べたような更なる薬理学的活性物質と共に、式(I)の化合物を含有してもよい。
【0193】
本発明の化合物は、血糖の調節に関する疾患の治療、予防、排除、緩和、または寛解を必要としている哺乳類、特にヒトに対して投与することができる。
【0194】
このような哺乳類には、例えば家庭用ペットのような家畜、および野生動物のような非家畜の何れの動物も含まれる。
【0195】
本発明の化合物は、広範な投与量範囲に亘って有効である。典型的な経口投与量は、1回以上の投与、例えば1〜3回の投与で投与される1日当り約0.001〜約100mg/kg体重、好ましくは1日当り約0.01〜約50mg/kg体重、より好ましくは1日当り約0.05〜約10mg/kg体重である。正確な投与量は、投与の頻度および形式、治療すべき患者の性別、年齢、体重および一般症状、治療される症状の性質および重篤度、並びに治療すべき併発疾患および当業者に明らかな他の因子に依存するであろう。
【0196】
当該処方剤は、当業者に知られた方法によって、単位投与量形態で提供されるのが便利である。1日当り1回以上、例えば1日1〜3回の経口投与のための典型的な単位投与量形態は、0.05〜約1000mg、好ましくは約0.1〜約500mg、より好ましくは0.5mg〜約200mgを含有することができる。
【0197】
ここに記載された新規な何れの特徴または特徴の組合せも、本発明に不可欠のものとみなされる。
【実施例】
【0198】
以下の例及び一般手順は、本明細書および合成スキームにおいて特定される中間体化合物および最終生成物について言及している。本発明化合物の製造を、以下の例を用いて詳細に説明する。場合によっては、本発明の開示の範疇に含まれる各化合物に対して、記載されたような反応を適用できないことがあり得る。そのような化合物は、当業者により容易に認識されるであろう。それらの場合、反応は当業者に知られた慣用的変更、すなわち、干渉するアルキル基の適切な保護、他の慣用的試薬への変更、または反応条件のルーチンの改変により、首尾良く行うことができる。或いは、ここで開示される他の反応や、そうでなければ従来の反応が、対応する本発明化合物の調製に適用可能であろう。全ての調製方法において、全ての出発物質は公知であるか、公知の出発物質から容易に調製され得る。化合物の構造は核磁気共鳴(NMR)により確認された。NMRシフト(δ)は、100万分の1(ppm)で示される。Mpは融点であり「℃」で示される。
【0199】
例で用いられる略語は次の意味を有する:
THF: テトラヒドロフラン
DMSO: ジメチルスルホキシド
CDCl3: 重水素化クロロホルム
DMF: N,N-ジメチルホルムアミド
min: 分
h : 時間。
【0200】
<一般手順(A)>
ステップA: 次式(II)の化合物
【化4】

【0201】
(ここでのX2及びX3は上記で定義したとおりであり、Hlgは臭素またはヨウ素
である)
を、水酸化ナトリウム、EtONa等の塩基の存在下で、ウィッティッヒ様プロセスにより、例えば(EtO)2PO(CHR1)COOR6(ここでのR6はアルキル基であり、R1は上記で定義したとおりである)と反応させて、次式(III)の化合物
【化5】

【0202】
(ここでのX2, X3, R1及びR6は上記で定義したとおりであり、Hlgは臭素
またはヨウ素である)
を得る。
【0203】
ステップB: 式(III)の化合物(ここでのX2, X3, R1及びR6は上記で定義したとおりであり、Hlgは臭素またはヨウ素である)を、水素化ジイソブチルアルミニウム等の適切な試薬を用いて還元して、次式(IV)の化合物
【化6】

【0204】
(ここでのX2, X3及びR1は上記で定義したとおりであり、Hlgは臭素または
ヨウ素である)
を得る。
【0205】
ステップC: 式(IV)の化合物を(ここでのX2, X3及びR1は上記で定義したとおりであり、Hlgは臭素またはヨウ素である;但しX2またはX3が水素で置換され、該反応基を保護しなければならない場合を除く)、トリフェニルホスフィン/アゾジカルボン酸ジエチル等を使用して、Mitsunobu条件のもとで、次式(V)の化合物
【化7】

【0206】
(ここでのY1, Ar, Y2, Z及びR2は上記で定義したとおりである;
但しR2は水素ではない)
と反応させ、次式(VI)の化合物
【化8】

【0207】
(ここでの X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2 は上記で定義したとおりで
あり(但しR2は水素でないものを除く)、Hlgは臭素またはヨウ素である)
を得る。
【0208】
ステップD: 式(VI)の化合物(ここでの X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりでありであり、Hlgは臭素またはヨウ素である)を、Pd2(dba)3/Pd(P(t-Bu)3)2/KF/THFのような適切なカップリング条件下で、ボロン酸またはトリブチルチン誘導体と反応させ、式(I)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2 は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)を得る。
【0209】
<一般手順(B)>
ステップA: 式(I)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)を化学的または酵素的に鹸化することにより、式(I)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2 は上記で定義したとおりである;但しR2は水素)を得る。
【0210】
<一般手順(C)>
ステップA: 式(VI)の化合物(ここでのX2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではなく、Hlgは臭素またはヨウ素である)を化学的または酵素的に鹸化することにより、式(VI)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素であり、Hlgは臭素またはヨウ素である)を得る。
【0211】
ステップB: 式(VI)の化合物(ここでの X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素であり、Hlgは臭素またはヨウ素である)を、Pd2(dba)3/Pd(P(t-Bu)3)2/KF/THFのような適切なカップリング条件下で、X1のボロン酸誘導体と反応させ、式(I)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素)を得る。
【0212】
<一般手順(D)>
ステップA: 式(VII)の化合物
【化9】

【0213】
(ここでのX1, X2及びX3は上記で定義したとおりである)
を、水酸化ナトリウム、EtONa等の塩基の存在下で、ウィッティッヒ様プロセスにより、例えば(EtO)2PO(CHR1)COOR6(ここでのR6はアルキルアルキル基であり、R1は上記で定義したとおりである)と反応させ、次式(VIII)の化合物
【化10】

【0214】
(ここでのX1, X2, X3, R1及びR6は上記で定義したとおりである)
を得る。
【0215】
ステップB: 式(VIII)の化合物(ここでのX1, X2, X3, R1及びR6は上記で定義したとおりである)を、水素化ジイソブチルアルミニウム等の適切な試薬と反応させ、式(IX)の化合物
【化11】

【0216】
(ここでのX1, X2, X3及びR1 は定義したとおりである)
を得る。
【0217】
ステップC: 式(IX)の化合物(ここでのX1, X2, X3及びR1は上記で定義したとおりである;但しX1, X2 またはX3 がヒドロキシで置換されるときに該反応基を保護しなければならない場合を除く)を、式(V)の化合物(ここでのY1, Ar, Y2, Z及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)と、トリフェニルホスフィン/カルボン酸ジエチルアゾジカルボキシ等の試薬を使用して、Mitsunobu条件のもとで反応させ、化合物(I)(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)を得る。
【0218】
<一般手順(E)>
ステップA: 上記の式(IX)の化合物(ここでのX1, X2, X3及びR1は上記で定義したとおりである)における-OH 反応基を、p-トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ハロゲン(例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Alkohole III, 6/1b, Thieme-Verlag 1984, 4th Ed., pp. 927-939;Comprehensive Organigc Transformations. A guide to functional alkyl group preparations, VCH Publishers 1989, 1st Ed., pp. 353-363 and J. Org. Chem. ,Vol. 36(20), 3044-3045, 1971に従う方法による)、トリフレート等のような適切な脱離基(L)に変換して、次式(X)の化合物を得る:
【化12】

【0219】
(ここでのX1, X2, X3, R1及びLは上記で定義したとおりである)。
【0220】
ステップB: 式(X)の化合物(ここでのLはp-トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ハロゲン、トリフレート等のような遊離アルキル基であり、X1, X2 , X3及びR1は上記で定義したとおりである)を、式(V)の化合物(ここでのY1, Ar, Y2, Z及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)と反応させ、式(I)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)を得る。
【0221】
<一般手順(F)>
ステップA: 次式(XI)の化合物
【化13】

【0222】
(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)
を、四臭化炭素及びトリフェニルホスフィンと反応させ、次式(XII)の化合物
【化14】

【0223】
(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)
を得る。
【0224】
ステップB: 式(XII)の化合物を(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)、BuLiのような強塩基の存在下でパラホルムアルデヒドと反応させ、次式(XIII)の化合物
【化15】

【0225】
(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)
を得る。
【0226】
ステップC: 式(XIII)の化合物(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)を、メトキシドナトリウムのような塩基の存在下でLiAlHを用いて還元し、続いてカルボン酸ジメチル及びヨウ素及び用いた処理を経て次式(XIV)の化合物
【化16】

【0227】
(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)
を得る。
【0228】
ステップD: 化合物式(XIV)におけるヒドロキシル官能基を、一般手順Bのもとで記載したように脱離基(L)に転換し、次式(XV)の化合物
【化17】

【0229】
(ここでのX1, X2及びLは上記で定義したとおりである)
を得る。
【0230】
ステップE: 式(XV)の化合物(ここでのLは、p-トルエンスルホネート、メタンスルホネート、ハロゲン、トリフレート等のような脱離基であり、X1及びX2は上記で定義したとおりである)を式(V)の化合物(ここでのY1, Ar, Y2, Z及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)と反応させ、次式(XVI)の化合物
【化18】

【0231】
(ここでのX1, X2, Y1, Y2, Ar, Z及びR2は上記で定義したとおりである;
但しR2は水素ではない。)
を得る。
【0232】
ステップF: 式(XVI)の化合物(ここでのX1, X2, Y1, Y2, Ar, Z及びR2は上記で定義したとおりである;但しR2は水素ではない)を、X2-トリブチルチンの存在下で、Pd2(dba)3、及びトリ(t-ブチル)ホスフィンのようなパラジウム触媒を用いて反応させ、式(I)の化合物(ここでのX1, X2, X3, Y1, Y2, Ar, Z, R1及びR2は上記で定義したとおりである;但しR1は水素であり、R2は水素ではない)を得る。
【0233】
<一般手順(G)>
ステップA: 式X1-X2-ハロゲンの化合物(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)を、Pd2(dba)3のようなパラジウム触媒、及び銅(I)の存在下で、プロパギルアルコールを用いてHeck様条件下で反応させ、式(XIII)の化合物(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)を得る。
【0234】
<一般手順(H)>
ステップA: 式(XIV)(ここでのX1及びX2は上記で定義したとおりである)の化合物を、Pd2(dba)3のようなパラジウム触媒、及びトリ(t-ブチル)ホスフィンの存在下で、X3-トリブチルチンと反応させ、次式(XVII)の化合物
【化19】

【0235】
(ここでのX, X2及びX3は上記で定義したとおりである)
を得る。
【0236】
上記方法の組合せや、類似する方法を用い、本発明の範疇において様々な化合物を作製し得る。
【0237】
本発明は以下の例においてさらに例示される。ここでは本発明に従う化合物の調製を説明する。しかし、これらの例は、どのような如何なる意味でも本発明の範疇を制限することを意図しない。
【0238】
例1 (E/Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸
【化20】

【0239】
<一般手順A>
ステップA: 乾燥トルエン(300mL)中のNaH(3.53g,88.2mmol)の溶液に、トルエン(100mL)中のホスホノ酢酸トリエチル(13.2g,58.8mmol)の溶液を0℃で滴下添加した。該反応混合物を30min撹拌した後、THF(100mL)中の4,4-ジブロモベンゾフェノン(10.0g,29.4mmol)の溶液を添加した。該反応混合物を48h撹拌した。エタノール(10mL)及び水(300mL)を添加し、混合物を酢酸エチル-メタノールを用いて抽出した(2%, 2×150mL)。合体させた有機相を塩水で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(溶出剤:エーテル)により精製して3,3-bis-(4-ブロモフェニル)-アクリル酸エチルをガム状物で得た。ヘキサンからの結晶化により白色の結晶を8.77g(73%)収量で得た。
【0240】
1H NMR(CDCl3, 300MHz);δ1.20(3H, t), 4.05(2H, q), 6.35(1H, s), 7.0-7.1(4H, m), 7.40-7.52(4H, m)。
【0241】
ステップB: 3,3-bis-(4-ブロモフェニル)-アクリル酸エチル(8.75g,21.3mmol)を乾燥THF(35mL)中に溶解させた。DIBAL-H(トルエン中に1.5M,43mL,64.0mmol)を−15℃で添加し、反応混合物を30min撹拌した。水中の塩化アンモニウムの溶液を添加し、混合物をを酢酸エチル用いて抽出した(3×50mL)。合体させた有機相を塩水で洗浄し、MgSO4を用いて乾燥させ、濾過し、蒸発させて3,3-bis-(4-ブロモフェニル)-プロ-2-エン-1-オールを6.0g(76%)収量で得た。
【0242】
1H NMR(CDCl3, 300MHz);δ1.15(1H, br s), 4.16-4.20(2H, dd), 6.25(1H, t), 7.0-7.1(4H, m), 7.40-7.52(4H, m)。
【0243】
ステップC: 3,3-Bis-(4-ブロモフェニル)-プロ-2-エン-1-オール(2.98g,8.1mmol)及びトリブチルホスフィン(2.4g,12.1mmol)を乾燥THF(150mL)中に溶解させ、窒素雰囲気下で0℃にまで冷却した。1,1'-(アゾジカルボニル)ジピペリジン(ADDP)(3.1g,12.1mmol)を添加し、反応混合物を5min撹拌した。(4-メルカプト-2-メチル-フェノキシ)-酢酸メチルエステル(2.06g,9.7mmol)をゆっくりと添加し(5min)、撹拌を2h0℃で続けた。水(100mL)を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出した(2×150mL)。合体させた有機相をMgSO4を用いて乾燥させ、濾過し、蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(溶出剤:ジクロロメタン)により精製し4.0g(88%)の{4-[3,3-bis-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステルを得た。
【0244】
1H NMR(CDCl3, 300MHz);δ2.20(3H, s), 3.44(2H, d), 3.78(3H, s), 4.64(2H, s), 6.11(1H, t), 6.55(1H, d), 6.73(2H, d), 6.98(2H, d), 7.10(2H, bs), 7.38(2H, d), 7.43(2H, d)。
【0245】
<一般手順C>
ステップA: エタノール(20mL)及び1M NaOH(2.0mL, 2.0mmol)中の{4-[3,3-bis-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸メチルエステル(530mg, 0.94mmol)の溶液を室温で2h撹拌した。該反応混合物に水(20mL)及び1N HCl(3.0mL)を添加した。水相をジクロロメタンで抽出し(2×50mL)、合体させた有機相をMgSO4で乾燥させ、濾過し、蒸発させて482mg(93%)の{4-[3,3-bis-(4-ブロモフェニル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸を得た。
【0246】
1H NMR(CDCl3, 300MHz);δ2.20(3H, s), 3.45(2H, d), 4.68(2H, s), 6.10(1H, t), 6.58(1H, d), 6.75(2H, d), 6.98(2H, d), 7.10-7.13(2H, m), 7.38(2H, d), 7.43(2H, d)。
【0247】
ステップB: {4-[3,3-bis-(4-ブロモフェニル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸(97mg, 0.177mmol)、フェニルボロン酸(47mg, 389mmol)、KF(34mg, 0.584mmol)、Pd2(dba)3(10mg, 0.011mmol)及びPd(P(t-Bu)3)2(11mg, 0.021mmol)の混合物から空気を抜き(evacuated for)、窒素下にて維持した。THF(2mL)を添加し、反応混合物を室温で4h撹拌した。NH4Cl飽和水溶液(5mL)を添加し、混合物を塩化メチレンを用いて抽出した(2×20mL)。合体させた有機相を乾燥させ、塩化メチレン:THF(8:3)を溶出剤として用いるカラムクロマトグラフィ上で精製した。分離した生成物を、アセトニトリル:水(4:6)から純粋なアセトニトリルへ増大する溶出剤を用いるHPLC上でさらに精製した。標題化合物をE/Z混合物として4mg収量で分離した。
【0248】
1H NMR(CDCl3, 400MHz);δ7.60-6.75(m, 15H);6.47(d, J=7Hz, 1H);6.16(t, J=7Hz, 0.7H);6.07(t, J=7Hz, 0.3H);4.37(s, 2H);3.53(d, J=7Hz, 0.6H);3.45(d, J=7Hz, 1.4H);2.07(s, 3H)。
【0249】
例2 (E/Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸。
【化21】

【0250】
<一般手順C>
ステップB: {4-[3,3-bis-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸(上述のとおり)(231mg, 0.421mmol)、3-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(203mg, 1.07mmol)、KF(81mg, 1.39mmol)、Pd2(dba)3(23mg, 0.025mmol)及びPd(P(t-Bu)3)2(26mg, 0.051mmol)の混合物から空気を抜き、窒素下にて維持した。THF(5mL)を添加し、反応混合物を50℃で一晩撹拌した。NH4Cl飽和水溶液(5mL)を添加し、混合物を塩化メチレンで抽出した(2×20mL)。合体させた有機相を乾燥させ、蒸発させた。分離した生成物をさらに、アセトニトリル:水(4:6)から純粋なアセトニトリルへ増大する溶出剤を用いるHPLC上で精製した。標題化合物をE/Z混合物として95mg(37%)収量で分離した。
【0251】
1H NMR(CDCl3, 400MHz);δ7.87-7.00(m, 13H), 6.84(d, J=8Hz, 1H), 6.60(d, J=8Hz, 1H), 6.21(t, J=6Hz, 0.3H), 6.14(t, J=6Hz, 0.6H), 4.66(s, 2H), 3.55(d, J=7Hz, 1.4H), 3.51(d, J=7Hz, 0.6H), 2.21(s, 1H), 2.19(s, 2H)。
【0252】
例3 {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-[1,1';4',1'']テルフェニル-4''-イル-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸
【化22】

【0253】
<一般手順C>
ステップB: {4-[3,3-bis-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸(例1)(225mg, 0.410mmol)、4-ビフェニルボロン酸(163mg, 0.82mmol)、KF(79mg, 1.35mmol)、Pd2(dba)3(23mg, 0.025mmol)及びPd(P(t-Bu)3)2(25mg, 0.049mmol)の混合物から空気を抜き、窒素下にて維持した。THF(6mL)を添加し、反応混合物を70℃で一晩撹拌した。NH4Cl飽和水溶液(5mL)を添加し、混合物を塩化メチレンを用いて抽出した(2×20mL)。合体させた有機相を乾燥させ、蒸発させた。分離した生成物を、塩化メチレン:THF(40:1)を溶出剤として用いるカラムクロマトグラフィ上でさらに精製した。分離した生成物をさらに、アセトニトリル:水(7:3)から純粋なアセトニトリルへ増加する溶出剤を用いるHPLC上で精製した。標題化合物をE/Z混合物で分離した,40mg(16%)収量。
【0254】
1H NMR(CDCl3, 400MHz);δ7.70-6.97(m, xxH), 6.83(d, 1H), 6.57(d, 1H), 6.20(t, 1/3H), 6.12(t, 2/3H), 4.64(s, 2/3H), 4.63(s, 4/3H), 3.57(d, 4/3), 3.47(d, 2/3H), 2.18(s, 2/3H), 2.17(s, 4/3H)。
【0255】
例4(一般手順(A)) (E/Z)-[2-メチル-4-[3-[5-(5-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[b]フラン-2-イル]-3-(チオフェン-2-イル)アリールスルファニル]フェノキシ]酢酸
【化23】

【0256】
炭酸カリウム(12.0g,0.087mol)に続き2-ブロモ-1-(チオフェン-2-イル)エタノン(7.0g,0.034mol;J.Med.Chem. 30, 1497(1987)に記載のとおりに調製)を、アセトン(150mL)中の5-ブロモサリチルアルデヒド(6.9g,0.034mol)の撹拌した溶液に添加した。混合物を初めに周囲温度で30min撹拌し、次いで1h還流させた。固体の塊を濾過除去し、高温のアセトンを用いて洗浄し(2×50mL)、濾液を真空下で蒸発させた。残渣(11.3g)をエタノール(15mL)から結晶化させ、(5-ブロモベンゾ[b]フラン-2-イル)-(チオフェン-2-イル)メタノンを得た。収量:8.0g(77%)。M.p. 84-86℃。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 3:1) 0.70。
【0257】
ステップA: 窒素雰囲気中において、テトラヒドロフラン/ヘプタン/エチルベンゼン中のリチウムジイソプロピルアミドの2M溶液(33mL, 66.0mmol)を、氷-水で冷却したテトラヒドロフラン(180mL)中のホスホノ酢酸トリエチル(12mL, 60.0mmol)の溶液に滴下添加した。混合物を周囲温度で30min撹拌し、テトラヒドロフラン(92mL)中の上記メタノン(9.2g,30.0mmol)の溶液を滴下添加し、混合物全体を周囲温度で39h撹拌した。混合物をジクロロメタンで希釈し(150mL)、水(150mL)を用いて洗浄し、水相をジクロロメタン(100mL)で抽出した。合体させた有機相を水(200mL)、塩水(200mL)を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で蒸発させた。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 9:1)により精製し、(E/Z)-3-(5-ブロモベンゾ[b]フラン-2-イル)-3-(チオフェン-2-イル)アクリル酸エチルエステルを黄色の油状物で得た。収量:8.0g(71%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 9:1)0.30。
【0258】
ステップB: 窒素雰囲気中において、乾燥エーテル(39mL)中の無水塩化アルミニウム(1.03g,7.71mmol)の溶液を、乾燥エーテル(74mL)中の水素化リチウムアルミニウム(0.88g,23.1mmol)の懸濁物に−15℃で滴下添加した。混合物を30min撹拌し、反応温度を0℃にした。懸濁物を再び−15℃で冷却し、乾燥エーテル(39mL)中の上記エステル(2.90g,7.71mmol)の溶液を滴下添加し、得られた混合物を1h冷却しながら撹拌した。この低温の混合物に水(0.6mL)、水酸化ナトリウムの10%水溶液(0.6mL)及び水(1.8mL)を滴下添加し;分離した沈殿物を濾過除去し、エーテル(70mL)を用いて洗浄した。合体させたエーテル相を水(2×50mL)、塩水(2×50mL)を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、真空下で蒸発させた。得られた粗成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 4:1)により精製し、(E/Z)-3-(5-ブロモベンゾ[b]フラン-2-イル)-3-(チオフェン-2-イル)プロプ-2-エン-1-オールを白色の結晶状固体で得た。収量:1.61g(62%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 4:1) 0.30。
【0259】
主要異性体の1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):7.71(dd, J=1.8及び0.7Hz, 1H);7.43(dd, J=8.8及び1.9Hz, 1H);7.37(dm, J=8.8Hz, 1H);7.29(dd, J=5.1及び1.2Hz, 1H);7.10(m, 1H);7.03(m, 1H);6.76(s, 1H);6.35(t, J=6.6Hz, 1H);4.60(d, J=6.6Hz, 2H)。
【0260】
「一般手順E,ステップA−B」と同様の手順
窒素雰囲気中において、テトラブロモメタン(1.48g,4.46mmol)を、乾燥塩化メチレン(40mL)中の上記ヒドロキシ誘導体(1.00g,2.98mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.25g,4.77mmol)の氷冷した溶液に添加した。該反応混合物を2h周囲温度で撹拌し、短経路のシリカゲルを通して素早く濾過し、濾液を真空下で蒸発させた。窒素雰囲気中において、テトラヒドロフラン(38mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.94mL, 5.40mmol)及び、テトラヒドロフラン(2mL)中の(4-メルカプト-2-メチルフェノキシ)酢酸エチル(1.27g,5.61mmol)の溶液を残渣に添加した。該反応混合物を一晩撹拌し、濾過し、沈殿した固体をテトラヒドロフラン(10mL)で洗浄し、回収した有機溶液を真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルMerck 60, ヘキサン/酢酸エチル 15:1)により精製し、(E/Z)-[4-[3-(5-ブロモベンゾ[b]フラン-2-イル)-3-(チオフェン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸 エチルエステルを得た。収量:1.4g(87%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 4:1) 0.50。
【0261】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):7.60-6.27(m, ~9H);6.73及び6.22(t, J=8.3Hz, 1H);6.59及び6.46(d, J=8.3Hz, 1H);4.60及び4.53(s, 2H);4.24及び4.12(q, J=7.2Hz, 2H);3.86及び3.62(d, J=8.3Hz, 2H);2.21及び2.08(s, 3H);1.28及び1.27(t, J=7.2Hz, 3H)。
【0262】
<一般手順A>
ステップD: 乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(15mL)中の(E/Z)-[4-[3-(5-ブロモベンゾ[b]フラン-2-イル)-3-(チオフェン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸 エチルエステル(330mg, 0.607mmol)及びトリブチル-(5-メチルチオフェン-2-イル)チン(250mg, 0.644mmol, J. Med. Chem. 44, 3355(2001)に従い69%収率で調製)の溶液に、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体(19.5mg, 0.019mmol)を添加した。痕跡量の水分及び酸素を除去し、シクロヘキサン(0.4mL, 0.080mmol)中のトリ(tert.ブチル)ホスフィンの溶液0.20Mを窒素雰囲気下で添加し、混合物全体を50℃で3h撹拌した。混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(40mL)、塩水(40mL)、フッ化カリウムの10%水溶液(40mL)及び塩水(50mL)を用いて洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させることにより得た油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 16:1)により精製し、(E/Z)-[2-メチル-4-[3-[5-(5-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[b]フラン-2-イル]-3-(チオフェン-2-イル)アリールスルファニル]フェノキシ]酢酸 エチルエステルを黄色の油状物で得た。収量:256mg(75%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 16:1) 0.30。
【0263】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):7.68-6.30(m, ~11H);6.21(t, J=8.3Hz, 1H);6.59及び6.47(d, J=8.3Hz, 1H);4.60及び4.52(s, 2H);4.23及び4.12(q, J=7.2Hz, 2H);3.91及び3.63(d, J=8.2Hz, 2H);2.51及び2.49(s, 3H);2.22及び2.09(s, 3H);1.26及び1.25(t, J=7.2Hz, 3H)。
【0264】
<一般手順B>
ステップA: テトラヒドロフラン/メタノール/水(5:1:1, 7mL)中の上記エステル(144mg, 0.257mmol)の氷水で冷却した溶液に、水酸化リチウム一水和物(16mg, 0.381mmol)を添加した。得られた溶液を70 min冷却下で撹拌し、続いて酒石酸の希釈溶液(5mL)を添加し、続いてエーテル(20mL)を添加した。相を分離し、水相をエーテル(10mL)で抽出し、合体させたエーテル相を水(3×10mL)及び塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムをで乾燥させた。有機溶液を蒸発して得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, クロロホルム/メタノール 99:1-98:2)により精製し、標題化合物を得た。収量:25mg(18%)。M.p. ---(泡状物)。RF(SiO2, 塩化メチレン/メタノール 85:15) 0.25。
【0265】
L-リシン(6mg, 0.041mmol)を、乾燥メタノール(3mL)中の上記酸(25mg, 0.047mmol)の溶液に添加した。この混合物を2h撹拌し、真空下で蒸発させ、残渣を、無水エーテルを用いて2回粉砕し、標題の酸のL-リシネートを得た。収量:20mg(63%)。M.p. 142-161℃(非晶質)。
【0266】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):7.81-6.21(m, ~13H);4.38及び4.34(s, 2H);3.88及び3.68(d, ~2H);3.16(m, ~1H);2.75(m, 2H);2.47及び2.45(d, ~3H);2.10及び1.96(s, 3H);1.70-1.25(m, ~6H)。
【0267】
例5(一般手順(F)) (E/Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-(フラン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化24】

【0268】
ステップA: テトラブロモメタン(21.8g,166mmol)を、乾燥塩化メチレン(100mL)中のビフェニル-4-カルバルデヒド(10.0g,54.9mmol)及びトリフェニルホスフィン(35.5g,131.8mmol)の冷却した溶液に添加した。反応混合物を3h周囲温度で撹拌し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(50mL)を添加した。有機層を水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、続いて真空下で蒸発させた。粗成物を2回メタノールから再結晶化させ、1,1-ジブロモ-2-(4-ビフェニリル)エテンを白色の固体で得た。収量:14.9g(80%)。RF(SiO2, ヘキサン) 0.80。
【0269】
ステップB: 上記ブロモ誘導体(3.0g,8.9mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(100mL)中に溶解させ、不活性雰囲気下で−78℃にまで冷却した。この溶液にn-ブチルリチウム(12mL, 22mmol)の2M 溶液を滴下添加し、反応混合物を2h 冷却下で撹拌した。この混合物に、微細に粉末化されたパラホルムアルデヒド(0.7g,22mmol)を添加し、反応温度を周囲温度にまでゆっくりと上昇させながら、−60℃で3h撹拌した。塩水(50mL)を添加し、反応混合物をエーテルで抽出した(4×50mL)。回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルMerck 60, ヘキサン/酢酸エチル 1:0〜3:1)により精製し、3-(4-ビフェニリル)-プロプ-2-イン-1-オールを得た。収量:4.1g(74%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 4:1) 0.45。
【0270】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):7.63-7.30(m, 9H);4.52(s, 2H)。
【0271】
ステップC: 乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の上記アルキン(1.0g,4.8mmol)の溶液を、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中の水素化リチウムアルミニウム(380mg, 10mmol)及びメトキシドナトリウム(10mg, 250mmol, 5%)の氷冷した溶液に不活性雰囲気下で滴下添加した。該反応混合物を3h撹拌し、乾燥テトラヒドロフラン(10mL)中のジメチルカーボネート(900mg, 10mmol)の溶液を0℃で滴下添加し、反応混合物をさらに2h撹拌した。テトラヒドロフラン(10mL)中のヨウ素(2.5g,10mmol)の溶液を添加し、得られた混合物を冷蔵庫で一晩静置した。メタノール(5mL)を添加し、反応混合物を0.5h撹拌した。チオ硫酸ナトリウムの飽和水溶液(25mL)及び塩水(100mL)を添加し、不均質な混合物をエーテルで抽出した(4×100mL)。回収した有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、続いて真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルMerck 60, ヘキサン/塩化メチレン 9:1〜塩化メチレン/メタノール 3:1)により精製し、(Z)-3-(4-ビフェニリル)-3-ヨードプロプ-2-エン-1-オールを得た。収量:1.3g(80%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 4:1) 0.50。
【0272】
ステップD〜E: 乾燥塩化メチレン(20mL)中のテトラブロメタン(1.0g,3.0mmol)の溶液を、乾燥塩化メチレン(50mL)中の上記ヒドロキシ誘導体(0.6g,2.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.8g,3.0mmol)の氷冷した溶液に滴下添加した。該反応混合物を2h周囲温度で撹拌し、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(250mg, 2mmol)及び水滴を添加し、溶液をさらに0.5h撹拌し、真空下で蒸発させた。窒素雰囲気中において、テトラヒドロフラン(25mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(390mL, 3.0mmol)及び(4-メルカプト-2-メチルフェノキシ)酢酸エチル(560mg, 2.5mmol)を残渣に添加した。該反応混合物を一晩撹拌し、短経路のシリカゲルを通して濾過し、濾液を真空下で蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルMerck 60, ヘキサン/エチル酢酸塩 1:0〜9:1)により精製し、(Z)-[4-[3-(4-ビフェニリル)-3-ヨードプロプ-2-エニルスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。収量:0.5g(50%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 4:1)0.50。
【0273】
ステップF: 乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(8mL)中の(Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヨードアリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(424mg, 0.779mmol)及びトリブチル-(フラン-2-イル)錫(283mg, 0.792mmol, Morimoto et al.:J.Med.Chem. 44, 3355(2001)に従い78%収率で調製)の溶液に、Pd2(dba)3.CHCl3(23.8mg, 0.023mmol)を添加した。痕跡量の水分及び酸素を除去し、シクロヘキサン(0.46mL, 0.092mmol)中のトリ(tert.ブチル)ホスフィンの溶液0.20Mを窒素雰囲気下で添加し、混合物全体を室温で15min及びさらに3h 60℃で撹拌した。暗色の溶液をフッ化カリウムの10%水溶液(15mL)中に注ぎ、続いて酢酸エチル(50mL)を添加した。相を分離させ、水相を酢酸エチルを用いて洗浄し(2×15mL)、回収した有機相を塩水(2×20mL)、10%溶液フッ化カリウム(2×10mL)、水(2×10mL)及び塩水(2×10mL)を用いて洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 10:1+0.1%のトリエチルアミン)により精製し、330mgの粗製の(Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-(フラン -2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。粗成物収量:330mg(88%)。RF=0.25(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 10:1)。
【0274】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):7.61-7.15(m, 12H);6.59(d, J=8.3Hz, 1H);6.40(dd, J=3.4及び1.9Hz, 1H);6.19(d, J=3.4Hz, 1H);5.88(t, J=7.9Hz, 1H);4.58(s, 2H);4.23(q, J=7.2Hz, 2H);3.96(d, J=8.0Hz, 2H);2.21(s, 3H);1.26(t, J=7.2Hz, 3H)。
【0275】
<一般手順B>
ステップA: テトラヒドロフラン/メタノール(1:3, 8mL)の混合物中の上記エステルの溶液(330mg, 0.681mmol)に、蒸留水(0.5mL)中の一水化水酸化リチウム(42mg, 1.00mmol)の溶液を添加した。得られた溶液を30分撹拌し、続いて真空下で蒸発させた。残渣を水(30mL)で希釈し、酢酸(60mg, 1.00mmol)を用いて中和し、エーテルを用いて抽出した(3×25mL)。回収した有機相を水(15mL)及び塩水(2×15mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, クロロホルム+3-15%のメタノール)により精製し、(E/Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-(フラン -2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸のおよそ等モルの双方の異性体の混合物161mgを得た。収量:161mg(52%)。M.p.:---(油状物)。RF=0.30(SiO2, クロロホルム/メタノール 85:15)。
【0276】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):7.74-7.07(m, 12H);6.75(d, 1H);6.57及び6.46(dd, 1H);6.35及び5.92(d, 1H);6.28及び5.93(t, 1H);4.62及び4.59(s, 2H);3.93及び3.53(d, 2H);2.14及び2.11(s, 3H)。
【0277】
上記の酸(155mg, 0.339mmol)を最小量の乾燥塩化メチレン(約1mL)中に溶解させ、形成された溶液を無水メタノール(8mL)で希釈し、L-リシン(47mg, 0.321mmol)を添加した。該反応混合物を室温で3h撹拌し、真空下で蒸発させ、残渣を無水エーテルで粉砕し(2×8mL)、140mgの標題の酸のL-リシネートを得た。収量:140mg(68%)。M.p.:135-150℃(非晶質)。
【0278】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):7.73-6.63(m, 13H);6.55及び6.43(dd, 1H);6.33及び5.90(d, 1H);6.25及び5.91(t, 1H);4.26及び4.24(s, 2H);3.88及び3.49(d, 2H);3.25(m, 1H);2.71(m, 2H);2.10及び2.08(s, 3H);1.79-1.27(m, 6H)。
【0279】
例6(一般手順(F))
(E/Z)-[4-[3-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化25】

【0280】
ステップF: 乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の、(Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヨードアリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(307.4mg, 0.565mmol;例5,ステップD〜E)及び(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-トリブチルチン(242.4mg, 0.573mmol;Morimoto et al.:J.Med.Chem. 44, 3355(2001)に従い71%収率で調製)の溶液に、Pd2(dba)3.CHCl3(17.9mg, 0.0173mmol)を添加した。痕跡量の水分及び酸素を除去し、シクロヘキサン(0.367mL, 0.073mmol)中のトリ(tert.ブチル)ホスフィン0.20M溶液を窒素雰囲気下で添加し、混合物全体を86℃で6h撹拌した。暗色の溶液を、フッ化カリウムの10%水溶液(20mL)中に注ぎ、続いて酢酸エチル(30mL)を添加した。相を分離させ、水相を酢酸エチルで洗浄し(2×15mL)、回収した有機相を塩水(10mL)、10%溶液フッ化カリウム(20mL)、水(20mL)、塩水(20mL)を用いて洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 9:1)により精製し、224mgの粗製の(Z)-[4-[3-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。収量:224mg(71%)。RF=0.30(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 9:1)。
【0281】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):6.61-7.60(m, 16H);6.59(d, 1H);6.28(t, 1H);4.61(s, 2H);4.24(q, 2H);3.75(d, 2H);2.19(s, 3H);1.26(t, 3H)。
【0282】
<一般手順B>
ステップA: テトラヒドロフラン/エタノール(1:1, 16.8mL)の混合物中の上記エステル(222mg, 0.403mmol)の溶液に、一水化水酸化リチウム溶液0.968M(0.52mL, 0.503mmol)を添加した。得られた溶液を2h撹拌し、続いて真空下で蒸発させた。残渣を水(10mL)で希釈し、1M 塩酸を用いてpH 2〜3の酸性にし、エーテル(40+15mL)を用いて抽出した。回収した有機相を水(25mL)、塩水(30mL)を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, クロロホルム+3〜15%のメタノール)により精製し、(E/Z)-[4-[3-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸の両方の異性体の混合物87.5mgを得た。収量:87.5mg(42%)。RF=0.10(SiO2, クロロホルム+15% メタノール)。
【0283】
上記酸(87.5mg, 0.167mmol)を最小量の乾燥塩化メチレン(約2mL)中に溶解させ、形成された溶液を無水メタノール(5mL)で希釈し、L-リシン(23.5mg, 0.161mmol)を添加した。該反応混合物を室温で4.5h撹拌し、真空下で蒸発させ、残渣を無水エーテルで粉砕し(2×5mL)、50.6mgの標題のL-リシネートを得た。収量:50.6mg(45%)。M.p.:125-145℃(非晶質)。
【0284】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):8.00-6.63(m, 17H);6.31(t, 1H);4.22+4.21(s, 2H);3.74+3.51(d, 2H);3.18(bt, 1H);2.71(bt, 2H);2.10+2.08(s, 3H);1.80-1.30(m, 6H)。
【0285】
例7(一般手順(F)) [4-[(3-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ]-酢酸
【化26】

【0286】
ステップF: 乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(9mL)中の(Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヨードアリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(419mg, 0.770mmol;例5,ステップD〜E)及び(ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-トリブチルチン(335mg, 0.792mmol, Morimoto et al.:J.Med.Chem. 44, 3355(2001)に従い調製)の溶液に、Pd2(dba)3.CHCl3(23.1mg, 0.023mmol)を添加した。痕跡量の水分及び酸素を除去し、シクロヘキサン(0.39mL, 0.098mmol)中のトリ(tert.ブチル)ホスフィンの0.20M溶液を窒素雰囲気下で添加し、混合物全体を50℃で10h撹拌し、次いで一晩静置した。暗色の溶液をフッ化カリウムの10%水溶液(30mL)中に注ぎ、続いて酢酸エチル(40mL)を添加した。相を分離し、水相を酢酸エチル(2×15mL)で洗浄し、回収した有機相を塩水(10mL)、フッ化カリウム10%溶液(20mL)、水(20mL)、塩水(20mL)を用いて洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 93:7)により精製した。収量 190mg(45%)の粗製の(Z)-[4-[(3-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。RF=0.35(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 9:1)。
【0287】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):6.61-7.60(m, 16H);6.59(d, 1H);6.28(t, 1H);4.61(s, 2H);4.24(q, 2H);3.75(d, 2H);2.19(s, 3H);1.26(t, 3H)。
【0288】
<一般手順B>
ステップA: テトラヒドロフラン/エタノールの混合物(1:1, 16mL)中の上記エステル(190mg, 0.345mmol)の溶液に、水(0.15mL)中の水酸化リチウム一水和物(17.7mg, 0.422mmol)の溶液を添加した。得られた溶液を2h撹拌し、続いて真空下で蒸発させた。残渣を水(10mL)で希釈し、1M 塩酸を用いてpH 2〜3の酸性にし、エーテルを用いて抽出した(30+15mL)。回収した有機相を水(2×15mL)、塩水(30mL)を用いて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥させた。蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, トルエン/メタノール/酢酸 100:5:1)により精製し、(E/Z)-4-[(3-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ]-酢酸の両方の異性体の混合物66mgを得た。収量:87.5mg(49%)。RF=0.10(SiO2, クロロホルム+15%メタノール)。
【0289】
上記の酸(66mg, 0.126mmol)をメタノール(5mL)中に溶解させ、L-リシン(18.4mg, 0.126mmol)を添加した。該反応混合物を室温で1h撹拌し、真空下で蒸発させ、残渣を無水エーテルを用いて粉砕し(3×5mL)、67mg(78%)の標題の酸のL-リシネートを得た。M.p.:140-155℃(非晶質)。
【0290】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):7.98-6.82(m, 〜17);6.12(t, 1H);4.32(s, 〜2H);3.90(m, 〜2H);3.20(t, 1H);2.73(m, 〜2H);2.16(s, 〜3H);1.78-1.30(m, 〜6H)。
【0291】
例8(一般手順(F)) (E/Z)-[4-[3-(4-ビフェニリル)-3-(5-メチルチオフェン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸
【化27】

【0292】
ステップF: 乾燥N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の(Z)-[4-[3-(4-ビフェニリル)-3-ヨードアリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチル(240mg, 0.441mmol;例5,ステップD〜E)及びトリブチル-(5-メチルチオフェン-2-イル)チン(180mg, 0.461mmol, Morimoto et al.:J.Med.Chem. 44, 3355(2001)に従い86%収率で調製)の溶液に、tris(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムクロロホルム錯体 (13.5mg, 0.013mmol)を添加した。痕跡量の水分及び酸素を除去し、シクロヘキサン(0.2mL, 0.050mmol)中のトリ(tert-ブチル)ホスフィンの0.25M溶液を窒素雰囲気下で添加し、混合物全体を50℃で3h撹拌した。暗色の溶液を酢酸エチル(30mL)で希釈し、塩水(2×10mL)、水(2×10mL)、フッ化カリウムの10%溶液(2×10mL)、ピロ硫酸ナトリウムの10%溶液(10mL)、0.1M 塩酸(2×10mL)、水(10mL)、炭酸水素ナトリウムの10%溶液(2×10mL)、塩水(10mL)を用いて洗浄した。有機溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させて油状物を得た。粗成物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, ヘキサン/酢酸エチル 8:1)により精製し、(Z)-[4-[3-(4-ビフェニリル)-3-(5-メチルチオフェン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸エチルを得た。収量:190mg(84%)。RF(SiO2, ヘキサン/酢酸エチル 8:1) 0.30。
【0293】
1H NMRスペクトル(250MHz, CDCl3):7.60-7.10(m, 11H);6.63(m, 3H);6.06(t, J =7.8Hz, 1H);4.60(s, 2H);4.23(q, J=7.1Hz, 2H);3.77(d, J=7.8Hz, 2H);2.48(s, 3H);2.23(s, 3H);1.26(t, J=7.1Hz, 3H)。
【0294】
<一般手順B>
ステップA: テトラヒドロフラン/エタノール(1:1, 6mL)の混合物中の上記エステル(260mg, 0.505mmol)の溶液に、蒸留水(0.4mL)中の水酸化リチウム一水和物(26mg, 0.620mmol)の溶液を添加した。得られた溶液を2h撹拌し、続いて真空下で蒸発させた。残渣を水(30mL)を用いて希釈し、1M 塩酸を用いてpH 3にまで酸性にし、エーテルで抽出した(3×20mL)。回収した有機相を水(20mL)、炭酸カリウムの10%溶液(3×20mL)を用いて洗浄した。アルカリン溶液を回収し、1M 塩酸を用いてpH 3 にまで酸性にし、エーテルで再び抽出した(3×20mL)。回収した有機溶液を水(20mL)、塩水(2×20mL)を用いて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。蒸発により得られた油状物をカラムクロマトグラフィ(シリカゲルFluka 60, クロロホルム/メタノール 10:1)により精製し、標題化合物を、両方の異性体の約等モルの混合物で得た。収量:140mg(60%)。M.p. ---(泡状物)。RF(SiO2, 塩化メチレン/メタノール 9:1)0.25。
【0295】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):7.74-6.44(m, 14H);6.09及び6.06(t, 1H);4.71及び4.69(s, 2H);4.13及び3.76(d, 2H);2.46及び2.41(s, 3H);2.16及び2.12(s, 3H)。
【0296】
L-リシン(42mg, 0.287mmol)を、乾燥メタノール及びエーテルの混合物(2:1, 6mL)中の上記酸(140mg, 0.288mmol)の溶液に添加した。形成された懸濁物を蒸発させ、残渣を乾燥メタノール及びアセトンの混合物(3:1, 4mL)中に再び溶解させた。形成された溶液を2h撹拌し、真空下で蒸発させ、残渣を無水エーテルで繰り返し粉砕し、標題の酸のL-リシネートを得た。収量:170mg(93%)。M.p.:129〜138℃(非晶質)。
【0297】
1H NMRスペクトル(250MHz, DMSO-d6):7.75-6.45(m, 14H);6.08及び6.04(t, 1H);4.28(bs, 2H);3.72及び3.42(d, 2H);3.23(bs, 1H);2.74(bs, 2H);2.46及び2.41(s, 3H);2.14及び2.10(s, 3H);1.70-1.35(m, 6H)。
【0298】
<薬理学的方法>
インビトロでの、PPARアルファ、PPARガンマおよびPPARデルタの活性化作用:
PPARの一時的なトランス活性化アッセイは、それぞれキメラ試験タンパク質およびレポータタンパク質をコードする二つのプラスミドを、ヒトHEK293細胞の中に一時的にトランスフェクトすることに基づいている。該キメラ試験タンパク質は、酵母GAL4転写因子由来のDNA結合ドメインを、ヒトPPARタンパク質のリガンド結合ドメインに融合させたものである。PPAR-LBDは、リガンド結合ポケットに加えて、天然の活性化ドメイン(活性化機能2=AF2)をも含んでおり、該融合タンパク質がPPARリガンド依存性の転写因子として機能することを可能にする。GAL4 DBDは、Gal4エンハンサ(HEK293細胞には存在しないもの)にのみ結合するように、該キメラタンパク質に指令するであろう。当該レポータプラスミドは、蛍ルシフェラーゼタンパク質の発現を駆動するGal4エンハンサーを含んでいた。トランスフェクションの後、HEK293細胞はGAL4-DBD-PPAR-LBD 融合タンパク質を発現させた。次いで、該融合タンパク質はGal4エンハンサに結合してルシフェラーゼの発現を制御し、またリガンドの不存在下では何もしないであろう。PPARリガンドを細胞に加えると、PPARタンパク質の活性化に対応する量でルシフェラーゼタンパク質が産生されるであろう。ルシフェラーゼタンパク質の量は、適切な基質を添加した後の発光によって測定される。
【0299】
細胞培養およびトランスフェクション:
HEK293細胞を、DMEM+10% FCSの中で増殖させた。トランスフェクション時に50〜80%の集密度を与えるように、トランスフェクションの前日に、細胞を96-ウエルのプレートに播種した。0.64 μg pM1α/γLBD、0.1 μg pCMVβGal、0.08 μg pGL2(Gal4)5および 0.02 μg pADVANTAGEを含んだ合計 0.8 μgのDNAを、FuGeneトランスフェクション試薬を使用し、また製造業者(Roche)のインストラクションに従って、ウエル毎にトランスフェクションした。48時間に亘って細胞にタンパク質を発現させ、続いて化合物を添加した。
【0300】
プラスミド:それぞれヒト肝臓、脂肪組織および胎盤に由来するmRNAの逆転写により合成されたcDNAを使用して、PCR増幅を行うことにより、ヒトPPARα、γおよびδが得られた。増幅されたcDNAをpCR2.1の中にクローニングし、配列決定した。各PPARアイソフォームのリガンド結合ドメイン(LBD)をPCRによって作製し(PPARα: aa 167〜C末端;PPARγ: aa 165〜C末端;PPARδ: aa 128〜C末端)、この断片を、ベクターpM1(Sadowski et al. (1992)、Gene 118、137)の中にインフレームでサブクローニングすることにより、酵母転写因子GAL4のDNA結合ドメイン(DBD)に融合させて、プラスミドpM1αLBD、pM1γLBDおよびpM1δを作製した。配列決定によって融合を確認した。レポータは、GAL4認識配列の5リピートをコードするオリゴヌクレオチド(5×CGGAGTACTGTCCTCCG(AG))(Webster et al. (1988)、Nucleic Acids Res. 16、8192)を ベクターpGL2プロモータ(Promega社)の中に挿入し、プラスミドpGL2(GAL4)5を作製することによって構築された。pCMVβGalはClontech社から購入し、またpADVANTAGEはPromega社から購入した。
【0301】
インビトロのトランス活性化アッセイ:
化合物: 全ての化合物をDMSO中に溶解し、細胞に添加するときに1:1000に希釈した。化合物は、0.001〜300μMの濃度で四回試験された。細胞を化合物で24時間処理し、続いてルシフェラーゼアッセイを行った。各化合物は、少なくと二つの別々の実験で試験した。
【0302】
ルシフェラーゼアッセイ: 試験化合物を含む媒質を吸引し、1mM Mg++およびCa++ を含む100 μl PBSを各ウエルに添加した。このルシフェラーゼアッセイは、LucLiteキットを使用し、製造業者(Packard Instruments)のインストラクションに従って行った。発光は、パッカード(Packard)社のLumiカウンタ上でカウントすることにより定量した。βガラクトシダーゼ活性を測定するために、各トランスフェクション溶解物から、25 μlの上清を新たなマイクロプレートに移した。β-ガラクトシダーゼアッセイはPromega社のキットを使用して行い、Labsystems Ascent Multiscanリーダで読取った。このβ-ガラクトシダーゼのデータを使用して、ルシフェラーゼのデータを正規化した(トランスフェクション効率、細胞増殖など)。
【0303】
<統計的方法>
化合物の活性は、未処理のサンプルに比較した誘導倍数として計算される。各化合物にの効果(最大活性)は、PPARαについてはWy14,643、PPARγについてはロシグリタゾン(Rosiglitazone)、およびPPARδについてはカルバサイクリン(Carbacyclin)と比較したときの相対的活性として与えられる。そのEC50は、観察された最大活性の50%を与える濃度である。EC50値は、GraphPad PRISM 3.02(GraphPadソフトウエア、San Diego、Ca)を使用した非線型回帰により計算された。その結果を、平均±SDとして表した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体:
【化1】

ここで、
X1は、アリールもしくはヘテロアリールであり、その各々が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;
X2は、アリーレンもしくはヘテロアリーレンであり、その各々が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、C1-6-アルキルチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;
X3は、アリールもしくはヘテロアリールであり、その各々が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノもしくはカルボキシ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオ、C3-6-シクロアルキルチオ、C1-6-アルキルカルボニル、アリールカルボニル、C1-6-アルキルスルホニル、アリールスルホニル、C1-6-アルキルスルホニルオキシ、アリールスルホニルオキシ、C1-6-アルキルアミド、アリールアミド、C1-6-アルキルアミノカルボニル、C1-6-アルキルアミノ、C1-6-ジアルキルアミノもしくはC3-6-シクロアルキルアミノ;
Arは、アリーレンであり、これは下記から選択される1以上の置換基で任意に置換され、
・ハロゲン、ヒドロキシもしくはシアノ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオもしくはC3-6-シクロアルキルチオ;
Y1は、OもしくはSであり;
Y2は、OもしくはSであり;
Zは、-(CH2)n-(ここでのnは、1、2もしくは3である)であり;
R1は、水素、ハロゲン、または下記から選択される置換基であり、
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオもしくはC3-6-シクロアルキルチオ;
R2は、水素、C1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C4-6-アルケンイニルまたはアリールである。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物において、X1が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、アリール、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルもしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【請求項3】
請求項2に記載の化合物において、X1が、フェニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、または下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたベンゾフラニルである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキル、アリール、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルもしくはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【請求項4】
請求項3に記載の化合物において、X1が、ハロゲン、C1-6-アルキル、アリールまたはパーハロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物。
【請求項5】
請求項4に記載の化合物において、X1が、フェニルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物。
【請求項6】
X1がフェニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
請求項3に記載の化合物において、X1が、ハロゲン、C1-6-アルキル、アリールまたはパーハロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたフリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである化合物。
【請求項8】
請求項7の化合物において、X1が、ハロゲン、C1-6-アルキル、フェニルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたフリルである化合物。
【請求項9】
請求項7の化合物において、X1が、ハロゲン、C1-6-アルキル、フェニルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたチエニルである化合物。
【請求項10】
請求項7の化合物において、X1が、ハロゲン、C1-6-アルキル、フェニルまたトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたベンゾチエニルである化合物。
【請求項11】
請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物において、X2が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリーレンまたはヘテロアリーレンである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキルもしくはC1-6-アルコキシ。
【請求項12】
請求項11に記載の化合物において、X2が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換された、C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ。
【請求項13】
請求項12に記載の化合物において、X2が、1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニレンである化合物。
【請求項14】
X2がフェニレンである、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
請求項11に記載の化合物において、X2が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたベンゾフラニレンである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ。
【請求項16】
求項15に記載の化合物において、X2が、C1-6-アルキルで任意に置換されたベンゾフラニレンである化合物。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物において、X3が、下記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたアリールまたはヘテロアリールである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルまたはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【請求項18】
請求項17に記載の化合物において、X3が、記から選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニルまたはC1-6-アルキルスルホニルオキシ。
【請求項19】
請求項18の化合物において、X3が、1以上のハロゲンで任意に置換されたフェニルである化合物。
【請求項20】
請求項18の化合物において、X3が、C1-6-アルキルまたはパーハロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたフェニルである化合物。
【請求項21】
請求項18の化合物において、X3がフェニルである化合物。
【請求項22】
請求項18の化合物において、X3が、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはパーハロメチルフリルから選択された1以上の置換基で任意に置換された、チエニル、ベンゾチエニルまたはベンゾフラニルである化合物。
【請求項23】
請求項22の化合物において、X3が、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換された、フリルである化合物。
【請求項24】
請求項22の化合物において、X3が、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換された、チエニルである化合物。
【請求項25】
請求項22の化合物において、X3が、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたベンゾチエニルである化合物。。
【請求項26】
請求項22の化合物において、X3が、ハロゲン、C1-6-アルキルまたはトリフルオロメチルから選択された1以上の置換基で任意に置換されたベンゾフラニルである化合物。
【請求項27】
請求項1〜26の何れか1項に記載の化合物において、Arが、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである化合物:
・ハロゲン、ヒドロキシ or シアノ;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C3-6-シクロアルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、C1-6-アルコキシ、C3-6-シクロアルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、C1-6-アルキルチオ、アリールチオまたはC3-6-シクロアルキルチオ。
【請求項28】
請求項27に記載の化合物において、Arが、下記から選択される1以上の置換基で任意に置換されたフェニレンである化合物:
・ハロゲン;または
・各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、アリールオキシまたはアラルコキシ。
【請求項29】
請求項28に記載の化合物において、Arが、メチルで任意に置換されたフェニレンである化合物。
【請求項30】
請求項29に記載の化合物において、Arがフェニレンである化合物。
【請求項31】
請求項1〜30の何れか1項に記載の化合物において、Y1がSである化合物。
【請求項32】
請求項1〜31の何れか1項に記載の化合物において、Y2がOである化合物。
【請求項33】
請求項1〜32の何れか1項に記載の化合物において、nが1である化合物。
【請求項34】
請求項1〜33の何れか1項に記載の化合物において、R1が、水素、または各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキル、アラルキル、C1-6-アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシから選択される置換基である化合物。
【請求項35】
請求項34に記載の化合物において、R1が水素、または各々が1以上のハロゲンで任意に置換されたC1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシから選択された置換基である化合物。
【請求項36】
求項35に記載の化合物において、R1が水素である化合物。
【請求項37】
請求項1〜36の何れか1項に記載の化合物において、R2が水素である化合物。
【請求項38】
請求項1〜37の何れか1項に記載の化合物において、R2がメチルまたはエチルである化合物。
【請求項39】
請求項1〜38の何れか1項に記載の化合物であって:
(E/Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体である化合物。
【請求項40】
請求項1〜38の何れか1項に記載の化合物であって:
{4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-[1,1';4',1'']ターフェニル-4''-イル-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z)-[2-メチル-4-[3-[5-(5-メチルチオフェン-2-イル)ベンゾ[b]フラン-2-イル]-3-(チオフェン-2-イル)アリールスルファニル]フェノキシ]酢酸;
(E/Z)-[4-[3-(ビフェニル-4-イル)-3-(フラン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
(E/Z)-[4-[3-(ベンゾ[b]チオフェン-3-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
[4-[(3-ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-3-(ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ]-酢酸;
(E/Z)-[4-[3-(4-ビフェニリル)-3-(5-メチルチオフェン-2-イル)アリールスルファニル]-2-メチルフェノキシ]酢酸;
それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体である化合物。
【請求項41】
請求項1〜38の何れか1項に記載の化合物であって:
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(2-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-フルオロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-クロロ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ブロモ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-ヨード-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメトキシ-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-メチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-ビフェニル-4-イル-3-(4-トリフルオロメチル-フェニル)-アリールスルファニル]-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-フルオロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-クロロ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(2'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E/Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-トリフルオロメチル-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-クロロ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(3'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(E) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
(Z) {4-[3-(4-ブロモ-フェニル)-3-(4'-メトキシ-ビフェニル-4-イル)-アリールスルファニル]-2-メチル-フェノキシ}-酢酸;
それらの薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能な溶媒和物、何れかの互変異性体、立体異性体、ラセミ混合物を含む立体異性体の混合物、または多型体である化合物。
【請求項42】
PPARdアゴニストである、請求項1〜41の何れか1項に記載の化合物。
【請求項43】
選択的PPARdアゴニストである、請求項42に記載の化合物。
【請求項44】
薬学的組成物としての、請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項45】
1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、活性成分として、請求項1〜43の何れか1項に記載の少なくとも1つの化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項46】
請求項45に記載の薬学的組成物であって、1日当たり約0.05 mg〜約1000 mg、好ましくは約0.1〜約500 mg、特に好ましくは約0.5 mg〜約200 mgの請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物を含有する単位投与量形態の化合物。
【請求項47】
核受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)によって媒介される症状を治療および/または予防するための薬学的組成物であって、1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項48】
I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性または肥満を治療および/または予防するための薬学的組成物であって、1以上の薬学的に許容可能なキャリアまたは賦形剤と共に、請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物を含有する薬学的組成物。
【請求項49】
経口、経鼻、経皮、肺、または非経腸的投与ための、請求項45〜48の何れか1項に記載の化合物。
【請求項50】
核受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)によって媒介される症状を治療および/または予防するための薬学的組成物を調製するための、請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項51】
I型糖尿病、II型糖尿病、異常脂血症、シンドロームX(代謝性症候群、即ち、グルコース寛容減損、インスリンテ構成、高トリグリセリド血症および/または肥満)、心血管系疾患(アテローム硬化症を含む)および高コレステロール血症を治療および/または予防するための薬学的組成物を調製するための、請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物の使用。
【請求項52】
核受容体、特にペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)によって媒介される症状を治療および/または予防するための方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物またはこれを含有する薬学的組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項53】
I型糖尿病、II型糖尿病、グルコース寛容減損、インスリン抵抗性または肥満を治療および/または予防するための方法であって、それを必要としている患者に対して、有効量の請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物またはこれを含有する薬学的組成物を投与することを含んでなる方法。
【請求項54】
請求項52または53の方法において、請求項1〜43の何れか1項に記載の化合物の有効量が、1日当たり約0.05 mg〜約1000mg、好ましくは約0.1〜約500 mg、特に好ましくは約0.5 mg〜約200 mgである方法。

【公表番号】特表2006−503881(P2006−503881A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545734(P2004−545734)
【出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【国際出願番号】PCT/DK2003/000723
【国際公開番号】WO2004/037775
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(391032071)ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (148)
【氏名又は名称原語表記】NOVO NORDISK AKTIE SELSXAB
【Fターム(参考)】