説明

新規化合物

本発明は、以下の化学式(I)を有する新規な甲状腺類似化合物(下記式において、R、R、R、R、及びZは、明細書に定義される通りである)、その製造方法、その化合物を含有する組成物、及びその化合物と組成物の治療用途に関する。さらに、化学式(I)の化合物は甲状腺受容体に対する結合親和性が非常に低いために甲状腺毒性効果を相当部分避けることができる。本発明はまた、肥満、脂質異常症、代謝症候群などの様々な疾患、及び代謝症候群に関する併存疾患を治療するための医薬の製造のための化学式(I)の化合物の使用に関するものでもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、以下の化学式(I)を有する新規な甲状腺(thyroid)類似化合物(下記式において、R、R、R、R、及びZは、以下に定義される通りである)、その製造方法、その化合物を含有する組成物、及びその化合物と組成物の治療用途に関する。さらに、化学式(I)の化合物は甲状腺受容体に対する結合親和性が非常に低いために甲状腺毒性効果を相当部分避けることができる。本発明はまた、肥満、脂質異常症、代謝症候群などの様々な疾患、及び代謝症候群に関する併存疾患を治療するための医薬の製造のための化学式(I)の化合物の用途に関するものでもある。
【化1】

【背景技術】
【0002】
肥満とは、体内にエネルギーが過度に蓄積された状態のことをいい、ヒトや他の哺乳動物の脂肪組織に保存された自然の予備エネルギーが特定の健康状態に関連する地点まで増加するか、又は、死亡率を高くする程度まで増加することをいう。肥満は、エネルギー消費とエネルギー摂取の不均衡によるものであり、肥満治療のための生理的アプローチは、エネルギー減少と脂肪の均衡を目標とする。実際に、ダイエットによる体重減量は、大多数の患者には効果的であるが、初期の減量状態を長期間維持する人は少数にすぎない。
【0003】
肥満は、全世界的に蔓延した状態であり、16億人以上の成人が過体重であり−このうち少なくとも4億人は慢性的肥満である−全世界的に慢性疾患及び障害の要因となっている(非特許文献1)。WHOは、また、2015年ごろには、約23億人の成人が過体重となり、このうち7億人以上が肥満になると推算している。2005年には、全世界的に5才以下の子供の少なくとも2千万人が過体重であった。肥満及び過体重は、II型糖尿病、心血管疾患、高血圧、脂質異常症、代謝症候群、脳卒中、及び特定タイプの癌をはじめとする深刻な慢性疾患の主な危険要因をもたらす。これにより、早死にするリスクから、全般的な生活の質を低下させる慢性疾患まで、様々な健康問題が起こっている。
【0004】
昔から肥満が深刻な健康問題と関連していたにもかかわらず、医学的な治療を必要とする特定標的という観点から肥満自体が疾病として認識されはじめたのは極めて最近のことである。その結果、新規な経路を標的とする、開発中の肥満治療は、バイオ薬学産業と医療機器産業の2分野において多くの注目を集めている(非特許文献2)。
【0005】
しかしながら、肥満治療に利用できる療法は、不適切な効能又は高い副作用率によりその価値が限られたものであると立証されているため、副作用が低いながらも高い効能を有するより向上したアプローチを必要とする。
【0006】
NPY受容体拮抗薬、β3作動薬などの様々な新規な治療的アプローチを用いた多くの化合物が開発初期段階にある。最近は、選択的な甲状腺受容体リガンドも肥満の治療用に調査されている。
【0007】
疫学的証拠によれば、変形した炭水化物及び脂質代謝、体脂肪とコレステロールの累積及びそれによるアテローム性動脈硬化症、高血圧などの心血管疾患の間に関係があるということは明らかである。動脈疾患の一種であるアテローム性動脈硬化症は、全世界的に死亡要因であるとみなされている。高脂血症は、アテローム性動脈硬化症に起因する心血管疾患を誘発する第一危険因子であると疫学的に明かに立証されている。近年、医療団体は、血中コレステロールの濃度の低下を改めて強調しており、特に、心血管疾患の予防のための必須段階として、低密度リポタンパク質コレステロールの濃度低下の重要性を強調している。現在、「正常」範囲の上限は、過去に認識されていた値よりはるかに低いことが知られている。その結果、最近は大部分の人々が特に非常に危険であると認識されている。このような独立したリスクとしては、耐糖能異常、左心室肥大、高血圧、及び性別が男性であることなどがある。心血管疾患は、糖尿病患者に多く、これは少なくとも部分的にはこの集団に複数の独立リスクが存在するためである。従って、一般集団及び特に糖尿病患者での脂質異常症の治療の成功は、臨床的に最も重要である。
【0008】
高血圧は、ヒト集団で様々な他の疾患に対する2次症状として発病する。しかしながら、病因が不明な多くの患者にも高血圧は発生する。このような「本質的な」高血圧は、肥満、糖尿病、及び高トリグリセリド血症などの疾病と関係ある場合が多いが、これらの疾病間の相関関係は十分に確立されていない。多くの患者は、他の疾病や障害の症状が全くないにもかかわらず高血圧の症状が現れる。高血圧は、心不全、腎不全、及び脳卒中(脳出血)などの様々な合併症を直接的に起こすこともある。さらに、高血圧は、アテローム性動脈硬化症と冠疾患(coronary disease)の発病の原因となることもある。高血圧は、単独で発生することはほとんどなく、インシュリン耐性、内蔵肥満、及び脂質異常症などの他の心血管リスクとともに発病することが多い。このような症状は、患者を弱くし、死亡に至ることもある。一般に、高血圧の長期的合併症を低下させるためには効果的な血圧管理が最も重要な治療介入であるとみなされているが、高血圧の治療ガイドラインには患者の治療結果を向上させるために統括的な心血管リスク管理概念が導入され始めた。
【0009】
代謝異常の集合である代謝症候群は、インシュリン耐性、脂質異常症、肥満、及び高血圧の組み合わせであり、心血管疾患(CVD)の罹患率と死亡率の増加を誘発する。一般集団では、代謝症候群がCVDリスクを1.65倍増加させる。代謝性疾患に罹患した場合、総死亡率及び心血管死亡率のリスクの増加が予想される(非特許文献3)。ある研究結果によれば、米国成人集団の20%以上が代謝症候群に罹患していると推定されている。(非特許文献4)。
【0010】
II型糖尿病において、肥満及び脂質異常症が多く現れ、II型糖尿病に罹患した人の約70%は高血圧症状も持つため、心血管疾患による死亡率がさらに高くなる。
【0011】
高脂血症、肥満、糖尿病、インシュリン耐性、高血糖症、耐糖能異常、及び高血圧のように葡萄糖及び脂質代謝に影響を及ぼす代謝性疾患は、心血管疾患及び早期罹患を含む慢性症状を起こす長期間健康問題を引き起こす。このような代謝性疾患と心血管疾患は互いに関連しあい、互いの症状を深刻化又は誘発することがあり、依然として不明瞭なフィードバックメカニズムを発生させる。
【0012】
従って、II型糖尿病の予防及び代謝性疾患に関連した全体的な心血管疾患のリスクを減少させるためには、多因子介入(multifactorial intervention)が必須である。(非特許文献5)さらに、総体的な心血管リスクの減少において、個別のリスクの減少より多因子介入がはるかに有利であることが立証された。現在、代謝症候群の様々な症状を同時に解決できる単一治療法は存在しない。
【0013】
甲状腺は、TSHによる刺激に反応してT4、T3、及びrT3を生成する。T4、T3、及びrT3は、甲状腺内で生成されるが、T4が定量的に主要な2次産物である。甲状腺内において、T3及びrT3の生成量は非常に少量であり、末梢生成量に比べて重要でないとみなされる。T4は、T3又はrT3に変換されるか、又は、共役化、脱アミノ化、又は脱カルボキシル化により除去される。甲状腺において生成されたT4の70%以上が末梢組織で実際に脱ヨード化してT3又はrT3を形成すると推定される。T3の一部は甲状腺で生成されるが、その80−85%は甲状腺外で、主に肝と腎臓でT4から変換されて生成される。T3又はrT3のさらなる分解によって数種の異なるジヨードサイロニン、すなわち:3,5−T2、3,3’−T2、及び3、5’−T2が生成される(非特許文献6)。全ての甲状腺ホルモンは、構造的に2つのリング、すなわち、素環(prime ring)と非素環(non−prime ring)に分けられ、そのSARは、それぞれ素環と非素環上(3’−、5’−、3−及び5−)における置換基の予測不可能な効果作用を示唆する(非特許文献7)。T3は、代謝的に最も活発な甲状腺ホルモンであると考えられる。様々な実験的証拠は、甲状腺ホルモンの主な効果がT3によって媒介されることを示唆している。甲状腺ホルモンは、体内の実質的な全ての細胞の代謝に影響を及ぼす。正常レベルでは、このホルモンは、体重、代謝率、体温、及び気分を維持し、血清低密度リポタンパク質(LDL)レベルに影響を及ぼす。従って、甲状腺機能低下症の場合は、体重増加、高密度LDLコレステロール、及びうつ病が発生する。甲状腺機能亢進症の場合は、このホルモンが体重低下、過剰代謝、血清LDLレベルの低下、心不整脈、心不全、筋肉弱化、閉経期女性の骨損失、及び不安症状をもたらす(特許文献1)。脳も甲状腺ホルモンの主な標的であり、主に成長期であるが、成獣にも主な標的となる。重症の新生児甲状腺機能低下症は、小脳、特に損傷した分化及び移動を示す顆粒細胞とプルキンエ細胞(Purkinje cells)における変形と関連がある。プルキンエ細胞は、形成不全(hypoplastic)であり、顆粒細胞は、外部の胚層から内部の顆粒層に適切に移動できない。
【0014】
興味深いことに、サイロキシン(“T4”)として知られる甲状腺ホルモンは、脱ヨード化酵素I、セレノタンパク質によりヒトの皮膚でサイロニン(“T3”)に変換されることが知られている。
【0015】
セレン欠乏症は、脱ヨード酵素I活性の低下によりT3レベルの減少をもたらし、このようなT3レベルの減少は、脱毛と強く関連している。T4を投与して発毛した報告があるが、これは、このような観察と一致する。さらに、T3及びT4は、例えば特許文献2及び特許文献3をはじめとする様々な特許公開文献で脱毛治療に関する主題として扱われてきた。
【0016】
甲状腺ホルモンの用途は、これまで甲状腺機能低下症の患者への代替療法のみに限定されていた。しかし、特に、高齢者に対する代替療法は、甲状腺ホルモンの特定の副作用により制限されている。甲状腺ホルモンのある効果は、副作用が最小限になるか、又はなくなると、非甲状腺疾患の治療に有用となる可能性もある。潜在的に有用なこのような特性としては、肥満治療のための体重減量、高脂血症治療のためのコレステロール減少、うつ病の緩和、及び骨粗鬆症における骨形成促進などがある(非特許文献8)。甲状腺機能亢進症は、低い総血清コレステロールと関連があり、これは、肝臓のLDL受容体発現を増加させてコレステロールの胆汁酸への代謝を促進させる甲状腺ホルモンと関連があることが明らかになった(非特許文献9)。甲状腺機能低下症は、高コレステロール血症と関連があり、甲状腺ホルモン代替療法は、総コレステロールを低下させることが知られている(非特許文献10;非特許文献9)。甲状腺ホルモンは、動物モデルにおいて、HDLコレステロールを増加させるとともに、HDLの主要アポリポタンパク質の1つであるapo A−Iの発現を増加させることにより、LDL対HDLの比率を向上させるという効果を有することが分かった(非特許文献11;非特許文献12;非特許文献13)。甲状腺ホルモンは、LDLとHDLコレステロールに及ぼすその効果により、アテローム性動脈硬化症及びその他の心血管系疾患のリスクを減少させることも可能である。さらに、甲状腺ホルモンは、アテローム性動脈硬化症に罹患した患者においてそのレベルが増加するリポタンパク質(a)を低下させることが立証された(非特許文献14;非特許文献15)。
【0017】
このような疾病を治療するために、甲状腺ホルモンを薬理学的に利用しようとした過去の試みは、甲状腺機能亢進及び特に心血管系毒性(甲状腺中毒症)(非特許文献8)により制限された。
【0018】
甲状腺ホルモンは、甲状腺受容体を介して効果を発揮する。核内には2つの主な甲状腺受容体サブタイプであるTRα及びTRβがある(ゲノム効果)。TRα1、TRβ1、及びTRβ2イソ型は、甲状腺ホルモンと結合してリガンド調節型転写因子として作用する。TRα2イソ型は、脳下垂体とCNSの他の部分に多く分布し、甲状腺ホルモンと結合することなく、様々な状況で転写抑制体として作用する。さらに、TRα1は、広範囲に分布する。前記文献によれば、心臓、特に心拍数及びリズムに及ぼす甲状腺ホルモンの多くの又は大部分の効果は、TRα1イソ型を介して媒介されると示唆されている。これに対して、肝及びその他の組織に及ぼすこのホルモンの大部分の作用は、この受容体のβ型を介してより多く媒介されることが知られている(非特許文献8)。
【0019】
甲状腺ホルモンは、潜在的に基礎代謝率と関連がある多くの代謝経路の向上を調節することが立証されている。一般に、主要候補メカニズムとしては、アデノシン三リン酸(ATP)合成から細胞代謝のアンカップリング、又はミトコンドリアから下流の代謝過程の効率の変化がある。従って、TRα受容体により媒介される、甲状腺毒性副作用がなく、代謝性疾患の治療に有用な甲状腺ホルモンベータ選択性及び/又は組織選択性ホルモンを合成しようとする試みが行われてきた。
【0020】
従って、特異的なTRβ選択的甲状腺リガンドを製造するために多くの研究者が甲状腺模倣体を合成しようとする試みをし、特許文献4、特許文献5、特許文献1、特許文献6、特許文献7、特許文献8、特許文献9、及び特許文献10には、様々な素環及び非素環の効果及びその置換基が研究及び開示されており、前記文献は、本発明にその内容全体が統合されている。
【0021】
最近、T3は、T4より生物学的にさらに活性的であることが明らかになり、現在は、甲状腺ホルモン受容体のうち最も優勢な活性化因子であるとみなされている(非特許文献7)。この10数年間、T3を除いた自然発生的なヨードサイロニンが生物学的効果を発揮するという証拠が蓄積されてきた。このうち、3,5−ジヨードサイロニンは、ミトコンドリア結合部位との直接的な相互反応により細胞酸化能力及び呼吸率に及ぼす迅速かつ短期間の影響力の原因であると考えられる。これまで累積されたこのような証拠によれば、T2の作用は、T3の作用を単に模倣するのではなく、甲状腺ホルモン受容体を介してT3により作動するメカニズムとは異なる独立したメカニズムにより特異的に作用すると結論することができる(非特許文献16;特許文献11)。
【0022】
増加しつつある証拠によれば、できる限り核受容体よりはミトコンドリア機構に関するメカニズムでエネルギー損失を促進することにより、3,5−ジヨードサイロニンが代謝非効率を誘発する可能性があると示唆されている。このようなT2の作用は、ミトコンドリア内への脂肪酸流入の増加と脂肪酸酸化により、甲状腺中毒状態に関連した臨床的症候群を誘発することなく、潜在的に脂肪症を減少させ、体重増加を鈍化させることができる(非特許文献16;非特許文献17)。臨床的観点から見ると、熱量/脂肪摂取を減少しなくても、高い脂肪酸酸化レベル、脂肪貯蔵率の減少、血清中の中性脂肪とコレステロールレベルの低下、脂肪肝の減少、体重増加の鈍化などを含むシナリオは、治りにくい肥満を治療する非常に有望な方法である(非特許文献16)。
【0023】
特許文献11には、肥満、脂肪肝、及び脂質異常症に主に使用するための治療的有効量の3,5T2組成物が開示されている。
【0024】
要約すると、甲状腺ホルモンとその他のヨードサイロニンは、共に又は個別に体内のあらゆる細胞の代謝に実質的に影響を及ぼす。これらのホルモンは、体重、代謝率、体温、及び気分の維持のような重要な生理的な役割を果たし、血清の低密度リポタンパク質(LDL)レベルなどにも影響を及ぼす。従って、甲状腺ホルモン(T4、T3)は、LDL受容体の上方調節とコレステロール代謝増進の両方による代謝率増加及びLDLコレステロール減少により体重減少を起こすことがある。しかしながら、甲状腺ホルモンは、肥満及び脂肪疾患などの疾患の治療に有用な程度であり、特に心臓促進に関して十分に広い治療濃度域を有しない。つい最近になって、心臓に有害な効果を誘発しなくても体重と血中コレステロールを低下させることができる、治療的に効果的な手段として、TRβ選択的作動薬を利用できるという研究結果が発表された。しかしながら、最近、TRβ選択的作動薬は肝細胞増殖を起こす増殖性反応だけでなく、膵臓の腺房細胞増殖も誘発することが明らかになった(非特許文献18)。また、T3は、その核効果とは独立して、動物において、投与量が少なくても食物消費を増加させると報告されたことがあり(非特許文献19)、T2によるエネルギー吸収増加も現れ(非特許文献20)、これにより、肥満治療効果が相殺される。
【0025】
特許文献12は、糖尿病及び関連疾患を治療するために有用なアニリノピラゾール化合物に関する。特許文献13には、HIVの治療に有用なピラゾール誘導体の所定の逆転写酵素阻害薬が開示されており、特許文献14には、レチノイドと類似した活性を有するクロマニル化合物及びチオクロマニル化合物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】国際公開第2007003419号パンフレット
【特許文献2】国際公開第00/72810号パンフレット
【特許文献3】国際公開第00/72811号パンフレット
【特許文献4】米国特許出願公開第20050085541号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第20040039028号明細書
【特許文献6】国際公開第2006128056号パンフレット
【特許文献7】国際公開第200709913号パンフレット
【特許文献8】米国特許出願公開第20010051645号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第20020049226号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第20030040535号明細書
【特許文献11】国際公開第200509433号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2007027842号パンフレット
【特許文献13】米国特許出願公開第2004110816号明細書
【特許文献14】国際公開第9716422号パンフレット
【非特許文献】
【0027】
【非特許文献1】WHO fact sheet、2006
【非特許文献2】Melnikova I.およびWages D Nature Reviews Drug Discovery、2006年、第5巻、369−370頁
【非特許文献3】Eberhard Ritz, Am.J Cardiol、2007年、第100巻[補遺]、53−60頁
【非特許文献4】Young−Woo Parkら Arch intern Med、2003年、第163巻、427−436頁
【非特許文献5】Richard Ceska、Diabetes and Vascular Disease Research、2007年、第4巻(補遺)、S2−S4頁
【非特許文献6】Kelly GS. Altern Med Rev、2000年、第5巻、第4号、306−333頁
【非特許文献7】Burgur’ 第6版、第3巻、564−565頁
【非特許文献8】Liu Yeら、JMC、2003年、第46巻、1580−88頁
【非特許文献9】Abrams JJら J.Lipid Res.、1981年、第22巻、323−38頁
【非特許文献10】Aviram M.ら CUn.Biochem.、1982年、第15巻、62−66頁
【非特許文献11】Ness GC.ら Biochemical Pharmacology、1998年、第56巻、121−129頁
【非特許文献12】Grover GJ.ら Endocrinology、2004年、第145巻、1656−1661頁
【非特許文献13】Grover GJ.ら Proc.Natl.Acad.Sci.USA、2003年、第100巻、10067−10072頁
【非特許文献14】Paul Webb. Expert Opin.Investig.Drugs、2004年、第13巻、第5号、489−500頁
【非特許文献15】de Bruinら J.CUn.Endo.Metab.、1993年、第76巻、121−126頁
【非特許文献16】A. Lombardi. Immun Endoc and Metab Agents in Med Chem、2006年、第6巻、255−65頁
【非特許文献17】Horst C., Biochem J.、1989年、第261巻、945−950頁
【非特許文献18】Amedeo columbano. Endocrinology、2006年、第147巻、第7号、3211−8頁
【非特許文献19】Wing May Kongら Endocrinology、2004年、第145巻、5252−5258頁
【非特許文献20】Horstら, J Endocrinology、1995年、第145巻、291−297頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
従って、甲状腺毒性及び食物摂取増加などの好ましくない効果を伴わずに、肥満、インシュリン耐性、糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、代謝症候群、及び変形した甲状腺機能による疾患などの代謝性疾患を治療するために有用な新規な甲状腺類似化合物が要求されている。
【0029】
これにより、本発明者らは、食物摂取増加や甲状腺中毒症などの好ましくない効果を大いに回避することができ、例えば:1)脂肪の蓄積過剰、ミトコンドリア機能変形に関する疾病又は障害、2)肥満、3)脂質異常症、アテローム性動脈硬化症のような血液又は組織の脂質レベルの不均衡による脂質障害、4)耐糖能異常、5)II型糖尿病、6)代替療法、7)うつ病、8)心血管疾患、及び9)皮膚疾患のように不適切な甲状腺ホルモン活性に関する疾病又は障害の治療または予防における用途が立証されると予想される新規な甲状腺類似化合物を発見した。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明の一実施形態は、以下の化学式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容可能な塩及びそれらの水和物、溶媒和物、アトロプ異性体、位置異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、多形体、及びプロドラッグに関する。
【化2】

式中、R及びRは、同一であるか異なり、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、CF、−O−(C−C)アルキル、−CO−(C−C)アルキル、COOH、−CONH−(C−C)アルキル、−CONH−アリール、−NH2、−CONH−R、−CONR、−C−Cアルキル−アリール、−(C−C)アルキル−R、−NH−(C−C)アルキル、−NHアリール、−NH−SO−(C−C)アルキル、−CH−NH−(C−C)アルキル、−CH−O−(C−C)アルキル、−C−Cアルキル−NR、R、Rから選択されるが、ここで、C−Cアルキル及びC−Cシクロアルキルは、(C−C)アルキル、ハロ、シアノ、−OH、オキソ、−COOH、−O−(C−C)アルキル、−O−ベンジル、−COO−(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、又は−CHNRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、−C(O)−(C−C)アルキル−COOH、−(C−C)アルキル−COOH、−C(O)−(C−C)アルキル−COO−アルキル、−C(O)−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル−NH−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)NR、−C(O)NH−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキルアリール、−C(O)−(C−C)アルキル−R、R、Rから選択されるが、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルは、ペルハロアルキル、オキソ、−C(O)OH、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)−O−(C−C)アルキル−R、−CONH2、−CONH(C−C)アルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−R、−CONR−CONHNH、−C(=NH)NH−(C−C)アルキル、−C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、−C(O)−R、−C(O)NHSO(C−C)アルキル、−C(O)NHSO−アリール、−C(O)NHOH、−C(O)NHSO−R、−C(O)NHNH−(C−C)アルキル、−C(O)NHNH−アリール、−CONH−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)NH−(C−C)アルキル−R、−CHNR、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−O−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−(C−C)アルキルアリール、−NHC(O)−R、−NH−C(O)NR、−NH−C(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル、−NH−SO−アリール、−NH−SO−R、ハロ、シアノ、−OH、−O−(C−C)アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C−C)アルキル−アリール、−SOH、−SONH−アリール、−SONH−R、又は−SONH−(C−C)アルキル、R又はRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、これが結合された窒素原子と共に飽和又は不飽和の(C−C)員環を形成するが、この環は、O、N又はSから選択された1−2つのヘテロ原子をさらに含んでもよく、オキソ、−COOH、ハロ、−OH、−O−(C−C)アルキル、又は−(C−C)アルキルから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、フェニル又はO、NもしくはSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む5−8員ヘテロアリールから選択されるが、前記ヘテロアリール又はフェニル環は、ハロゲン、−OH、−O−(C−C)アルキル、−ペルハロアルキル、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−SO(C−C)アルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−CONH(C−C)アルキル、ニトロ、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHSO(C−C)アルキル、−CONH、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
はO、N又はSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む3−6員複素環であり、前記複素環はオキソ、ハロゲン、−O−(C−C)アルキル、−OH、−CF、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−CONH、−SOアリール(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、その窒素原子を介して結合されたアミノ酸であり、
Z=O、CH又はNHであり、
は、P、Q又はTから選択され、
【化3】

は、−OH、−O−アルキル、−OSO3H、ハロゲン、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)NHR、−OC(O)−(C−C)アルキル、−O−ペルハロアルキル、−OC(O)O−(C−C)アルキル、−CONR、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−アリール、−NHSO−(C−C)アルキル、−NHSO−アリール、−NHCONR、又は、
【化4】

から選択され、
10は、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHSO2−(C−C)アルキル又は−NH−SO−アリールから選択され、
11は、−CO−(C−C)アルキル、−SO2−(C−C)アルキル又は−SO−アリールであり、
G’は、H、ハロゲン又は(C−C)アルキルから選択され、
G’’は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ハロゲン、ペルハロアルキル、CN、CHO、−(C−C)アルキルアリール、−(C−C)アルキル−O−(C−C)アルキル、−CH、−CHアリール、−CHNR、−COOH、−C(O)O(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−SONR、−SONH−(C−C)アルキル、−SONH−アリールから選択され、nは、1又は2でもよいが、RがQであると、RはR及びRではない。
【0031】
他の実施形態において、本発明は、前述した化合物とその薬学的に許容可能な塩に関する。
【0032】
さらに他の実施形態において、本発明は、以下の化学式(IA)の化合物をヒトを含む生きている哺乳動物に治療的有効量の化合物を投与することにより、肥満、インシュリン耐性、脂質異常症、代謝症候群、II型糖尿病、甲状腺機能低下症がある高齢の患者に対する代替療法、うつ病、心血管系疾患及び皮膚疾患から選択される不適切な甲状腺ホルモン活性に関する疾病状態を治療するための、化学式(IA)の化合物及びそれらの薬学的に許容可能な塩及びそれらの水和物、溶媒和物、アトロプ異性体、位置異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、多形体、及びプロドラッグの用途に関する。
【化5】

式中、R及びRは、同一であるか異なり、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、CF、−O−(C−C)アルキル、−CO−(C−C)アルキル、COOH、−CONH−(C−C)アルキル、−CONH−アリール、−NH2、−CONH−R、−CONR、−C−Cアルキル−アリール、−(C−C)アルキル−R、−NH−(C−C)アルキル、−NHアリール、−NH−SO−(C−C)アルキル、−CH−NH−(C−C)アルキル、−CH−O−(C−C)アルキル、−C−Cアルキル−NR、R、Rから選択されるが、ここで、C−Cアルキル及びC−Cシクロアルキルは、(C−C)アルキル、ハロ、シアノ、−OH、オキソ、−COOH、−O−(C−C)アルキル、−O−ベンジル、−COO−(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、又は−CHNRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、−C(O)−(C−C)アルキル−COOH、−(C−C)アルキル−COOH、−C(O)−(C−C)アルキル−COO−アルキル、−C(O)−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル−NH−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)NR、−C(O)NH−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキルアリール、−C(O)−(C−C)アルキル−R、R、Rから選択されるが、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルは、ペルハロアルキル、オキソ、−C(O)OH、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)−O−(C−C)アルキル−R、−CONH2、−CONH(C−C)アルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−R、−CONR−CONHNH、−C(=NH)NH−(C−C)アルキル、−C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、−C(O)−R、−C(O)NHSO(C−C)アルキル、−C(O)NHSO−アリール、−C(O)NHOH、−C(O)NHSO−R、−C(O)NHNH−(C−C)アルキル、−C(O)NHNH−アリール、−CONH−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)NH−(C−C)アルキル−R、−CHNR、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−O−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−(C−C)アルキルアリール、−NHC(O)−R、−NH−C(O)NR、−NH−C(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル、−NH−SO−アリール、−NH−SO−R、ハロ、シアノ、−OH、−O−(C−C)アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C−C)アルキル−アリール、−SOH、−SONH−アリール、−SONH−R、又は−SONH−(C−C)アルキル、R又はRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、これが結合された窒素原子と共に飽和又は不飽和の(C−C)員環を形成するが、この環は、O、N又はSから選択された1−2つのヘテロ原子をさらに含んでもよく、オキソ、−COOH、ハロ、−OH、−O−(C−C)アルキル、又は−(C−C)アルキルから選択された1つ以上の置換基により任意に置換されてもよく、
は、フェニル又はO、NもしくはSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む5−8員ヘテロアリールから選択されるが、ここで、前記ヘテロアリール又はフェニル環は、ハロゲン、−OH、−O−(C−C)アルキル、−ペルハロアルキル、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−SO(C−C)アルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−CONH(C−C)アルキル、ニトロ、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHSO(C−C)アルキル、−CONH、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、O、N又はSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む3−6員複素環であり、前記複素環は、オキソ、ハロゲン、−O−(C−C)アルキル、−OH、−CF、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−CONH、−SOアリール(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、その窒素原子を介して結合されたアミノ酸であり、
Z=O、CH又はNHであり、
は、P、Q又はTから選択され、
【化6】

は、−OH、−O−アルキル、−OSO3H、ハロゲン、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)NHR、−OC(O)−(C−C)アルキル、−O−ペルハロアルキル、−OC(O)O−(C−C)アルキル、−CONR、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−アリール、−NHSO−(C−C)アルキル、−NHSO−アリール、−NHCONR、又は
【化7】

から選択され、
10は、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHSO2−(C−C)アルキル又は−NH−SO−アリールから選択され、
11はH、(C−C)アルキル、−CO−(C−C)アルキル、−SO2−(C−C)アルキル又は−SO−アリールから選択され、
G’は、H、ハロゲン又は(C−C)アルキルから選択され、
G’’は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ハロゲン、ペルハロアルキル、CN、CHO、−(C−C)アルキルアリール、−(C−C)アルキル−O−(C−C)アルキル、−CH、−CHアリール、−CHNR、−COOH、−C(O)O(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−SONR、−SONH−(C−C)アルキル、−SONH−アリールから選択され、nは、1又は2である。
【0033】
他の実施形態において、本発明は、化学式(I)の化合物の製造に有用な合成中間体及びその中間体の製造方法を含む。
【0034】
本発明のさらに他の実施形態は、反応式1、2及び3に説明される化学式(I)の製造方法である。
【0035】
本発明のさらに他の実施形態は、化学式(I)の化合物を薬学的に許容可能なアジュバント、希釈剤又は担体と任意に混合して含有する薬学的組成物である。
【0036】
本発明のさらに他の実施形態は、哺乳動物に化学式(I)の化合物を投与することにより、肥満を治療する方法である。
【0037】
本発明のさらに他の実施形態は、哺乳動物に化学式(I)の化合物を投与することにより、インシュリン耐性の軽減及び/又はフランク糖尿病への進行を予防又は遅延させる方法に関する。
【0038】
本発明のさらに他の実施形態は、哺乳動物に化学式(I)の化合物を投与することにより、脂質異常症を予防及び治療する方法である。
【0039】
本発明のさらに他の実施形態は、哺乳動物に化学式(I)の化合物を投与することにより、代謝症候群を予防及び治療する方法である。
【0040】
本発明のさらに他の実施形態は、肥満治療のための医薬の製造における化学式(I)の化合物の使用である。
【0041】
本発明のさらに他の実施形態は、インシュリン耐性の軽減及び/又はフランク糖尿病への進行を予防又は遅延させるための医薬の製造における化学式(I)の化合物の使用である。
【0042】
本発明のさらに他の実施形態は、脂質異常症を予防又は治療するための医薬の製造における化学式(I)の化合物の使用である。
【0043】
本発明のさらに他の実施形態は、代謝症候群を予防又は治療するための医薬の製造における化学式(I)の化合物の使用である。
【0044】
さらに他の実施形態において、本発明は、甲状腺類似化合物の治療的有効量を投与することにより、食欲に大きな影響を及ぼすことなく不適切な甲状腺ホルモン活性に関する疾病状態を治療する方法を提供する。
【0045】
さらに他の実施形態において、本発明は、化学式(IA)の化合物の治療的有効量を投与することにより、食欲に大きな影響を及ぼすことなく不適切な甲状腺ホルモン活性に関する疾病状態を治療する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】OGTT(経口ブドウ糖負荷試験)において、テスト化合物Bの効果をグラフで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
(定義)
特定の例において異なる限定がない限り、本明細書の全般にわたって使用される用語の定義は次の通りである。
【0048】
本明細書において、「甲状腺類似化合物」という用語は、ジヨードサイロニンと構造的に類似した化合物であり、甲状腺ホルモンと類似した方式で作用するようであるが、甲状腺ホルモンの毒性効果は、有意に除去された化合物を示す。
【0049】
本明細書において、「甲状腺受容体リガンド」又は「甲状腺リガンド」という用語は、甲状腺受容体に結合できる化学物質を全て包括する。リガンドは、拮抗薬、作動薬、部分拮抗薬、又は部分作動薬として作用する。
【0050】
本明細書において「甲状腺受容体」という用語は、甲状腺ホルモンが投与されて細胞の核上にドッキング(dock)されてホルモンが活性化された転写因子として機能し、遺伝子発現調節により作用する分子を示す。THRsは、ホルモン欠乏時にDNAと結合し、一般に遺伝子の転写を抑制する。ホルモンとの結合は、受容体における配列変化と関連し、これにより転写が活性化する。
【0051】
本発明を説明する文脈(特に、下記請求の範囲の文脈上)において、冠詞「a」、「an」及び「the」、並びに同様の指示詞は、本明細書において異なる意味で表示される場合、又は、文脈上明確に矛盾する場合を除いて、単数形と複数形を全て包括する。
【0052】
本明細書において「化合物」という用語は、本明細書に開示された一般式により包括される全ての化合物を示す。本明細書に説明された化合物は、1つ以上の二重結合を含有してもよいため、二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)などの立体異性体として存在することができる。従って、本明細書に説明された化学構造式は、立体異性体的に純粋な形態(例えば、幾何学的に純粋な形態)と立体異性体の混合物をはじめとし、説明された化合物の可能な全ての立体異性体を包括する。化合物は、エノール形、ケト形、及びそれらの混合物を含む複数の互変異性形で存在することができる。従って、本明細書に開示された化学構造については、説明された化合物などの可能な全ての互変異性形を包括する。説明された化合物は、また、その1つ以上の原子が自然界で通常発見される原子量とは異なる原子量を有する、同位元素で表示された化合物も含む。本発明の化合物に混入できる同位元素の例としては、H、H、13C、14C、15N、18O、17Oがあるが、これらに限定されるものではない。化合物は、水和形態をはじめとして溶媒和形態だけでなく、非溶媒和形態でも存在する。一般に、化合物は、水和又は溶媒和することができる。特定の化合物は、多重結晶形又は非晶形で存在することができる。一般に、全ての物理的形態は、本発明において、想定された用途に対して同等で、本発明の範囲内に含まれる。
【0053】
「位置異性体(regioisomer)」という用語は、当業者にとって周知の用語であり、Organic Synthesis,Smith,M.,(McGraw Hill)のような教材に定義された意味を有するが、この教材の定義によれば、位置異性体は、「実験式は同じであるが、原子の結合位置が異なる(連結性が異なる)2つ以上の分子」である。
【0054】
本明細書において「アトロプ異性体(atropisomer)」という用語は、キラリティーの要素が分子面又は分子軸上に位置する立体異性体を示す。
【0055】
また、化合物の部分的な構造を示す場合、ダッシュ(「−」)又は「*」の表示は、その部分構造が分子の残りの部分に付けられる位置を示す。本発明の化合物の命名法は、MDL ISIS(登録商標)Draw Version 2.2に従う。
【0056】
「薬学的に許容可能な塩」としては、本発明に開示された親化合物を非毒性酸(non−toxic acid)又は塩基付加塩に変形させた誘導体が含まれ、さらにこのような化合物及びその塩の水和物をはじめとする薬学的に許容可能な溶媒和物が含まれる。薬学的に許容可能な塩の例としては、アミンのような塩基性残基の無機酸又は有機酸付加塩、カルボン酸のような酸性残基のアルカリ又は有機付加塩など、及び前述した塩を1種以上含む組み合わせがあるが、これらに限定されるものではない。薬学的に許容可能な塩は、無機酸又は有機酸から形成された親化合物の第4級アンモニウム塩及び非毒性塩を含む。例えば、非毒性酸塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸に由来する塩が含まれ、その他の許容可能な無機塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩と、カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩と、前述した塩を1種以上含む組み合わせとがある。薬学的に許容可能な有機塩としては、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、メシル酸、エシル酸、ベシル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、HOOC−−(CH−−COOH(nは0〜4である)などの有機酸から製造された塩と、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩と、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩と、前記塩の1種以上を含む組み合わせとがある。
【0057】
「アルキル」という用語は、単独で使用されても他の基と共に使用されても、表示された数の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を示すものであり、置換されなくてもよく、任意に置換されてもよい。アルキル又は他の基と関連して下付文字が使用される場合、その下付文字は、その基が含有できる炭素原子の数を示す。例えば、「C−Cアルキル」は、その構造に1〜6つの炭素を含有するアルキル基を示す。アルキルは直鎖又は分岐鎖である。
【0058】
「アルケニル」という用語は、単独で使用されても他の基と共に使用されても、表示された数の炭素原子を有する不飽和(=)脂肪族炭化水素基を示すものであり、置換されなくてもよく、任意に置換されてもよい。アルキル又はその他の基と関連して下付文字が使用される場合、その下付文字は、その基が含有できる炭素原子の数を示す。例えば、「C−Cアルケニル」は、その構造に3〜6つの炭素を含有するアルケニル基を示す。アルケニルは、直鎖又は分岐鎖である。
【0059】
「アルキニル」という用語は、単独で使用されても他の基と共に使用されても、表示された数の炭素原子を有する不飽和(≡)脂肪族炭化水素基を示すものであり、置換されるか、任意に置換されてもよい。アルキル又はその他の基と関連して下付文字が使用される場合、その下付文字は、その基が含有できる炭素原子の数を示す。例えば、「C−Cアルキニル」は、その構造に3〜6つの炭素を含有するアルキニル基を示す。アルキニルは、直鎖又は分岐鎖である。
【0060】
「シクロアルキル」は、表示された数の炭素原子を有する飽和脂肪族炭化水素基を示すものであり、置換されなくてもよく、任意に置換されてもよい。アルキル又は他の基と関連して下付文字が使用される場合、その下付文字は、その基が含有できる炭素原子の数を示す。例えば、「C−Cシクロアルキル」は、その構造に3〜6つの炭素を含有するシクロアルキル基を示す。
【0061】
「アリール」という用語は、例えば6〜10員の単環式又は二環式の環系の芳香族基であり、置換されなくてもよく、置換されてもよい。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチルなどがある。前記環が置換される場合、その置換基は、ハロゲン(例えば、F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、アルコキシ、ニトロ、カルボン酸、CF3、NHSO2アルキル、NHCOアルキル、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びアシルから選択される。
【0062】
本明細書において、「ヘテロアリール」という用語は、例えば5〜10員の単環式又は二環式の環系の芳香族基であり、少なくとも1つのヘテロ原子と少なくとも1つの炭素原子を含有する環である。ヘテロアリール基は、環の利用可能な窒素又は炭素原子で結合される。単環式ヘテロアリール基の例としては、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チエニル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。二環式のヘテロアリール基の例としては、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0063】
「アルコキシ」という用語は、酸素ブリッジを介して親分子部分に結合された前記定義されたアルキル基を示す。代表的なアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、tert−ペンチルオキシなどを含む。
【0064】
本明細書において、「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨード基を示す。
【0065】
本明細書において、全ての置換基(R、R…)及びそれらの付加的な置換基は、結果として安定した化合物を形成させるヘテロ原子又は炭素原子を介してメイン構造に結合することができる。
【0066】
本明細書において、「哺乳動物」という用語は、ヒト又は猿、霊長類、犬、猫、馬、牛などの動物を示す。
【0067】
本明細書において、「多形体」という用語は、化学式、塩タイプ、及び水和物/溶媒和物の形態は同一であるが、結晶学的特性は異なる化合物を示す。
【0068】
本明細書において、「水和物」という用語は、その分子に複数の水分子が結合されている化合物を示す。
【0069】
本明細書において、「溶媒和物」という用語は、その分子に複数の溶媒分子が結合された化合物を示す。
【0070】
本発明は、また、本発明の化合物のプロドラッグ、すなわち、生体内で第1化合物に変換される第2化合物も含む。
【0071】
生体内で消去できるエステルは、親分子のプロドラッグの一種である。カルボキシ基を含有する、生体内で加水分解可能な(又は、消去可能な)本発明化合物のエステルは、例えば、ヒト又は動物の体内で加水分解して親酸を生成する、薬学的に許容可能なエステルである。カルボキシに対する薬学的に許容可能な適切なエステルとしては、C−Cアルコキシメチルエステル、例えば、メトキシメチル、C−Cアルカノールオキシメチルエステル、例えば、ピバロイルオキシメチルと、フタリジルエステルと、C−Cシクロアルコキシカルボニルオキシ−C−Cアルキルエステル、例えば、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチルと、1,3−ジオキソラン−2−オニルメチルエステル、例えば5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オニルメチルと、C−Cアルコキシカルボニルアルコキシエチルエステル、例えば1−メトキシカルボニルオキシメチルとがあり、本発明の化合物中のカルボキシ基で形成される。
【0072】
本明細書の文脈において、「治療する」又は「治療」という用語は、明らかに反対の意味を特定しない限り、「予防」の意味も含む。本発明の文脈において、「治療する」又は「治療」という表現は、また、従来の疾患、急性疾患もしくは慢性疾患又は再発性疾患を和らげるために、本発明の化合物の治療的有効量を投与することも包括する。この定義はまた、再発性疾患の予防のための予防法及び慢性疾患の持続的治療法も包括する。
【0073】
「治療的有効量」という表現は、疾病治療のために患者に投与される化合物の量がその疾病を治療するのに十分に効果的な量であることを示す。「治療的有効量」は、化合物、投与方式、疾病の重症度、及び治療対象である患者の年齢、体重などによって変わる。
【0074】
「含有する」及び「含有している」という表現は「含む」及び「含んでいる」という意味であるが、これらに限定されるものではない。従って、他の成分、担体、及び添加剤も存在してよい。
【0075】
一実施形態において、本発明は、以下の化学式(I)の化合物を提供する。
【化8】

式中、R、R、R、Z、及びRは、前述した定義の通りである。
【0076】
本発明は、また、薬学的に許容可能な塩及びそれらの水和物、溶媒和物、アトロプ異性体、位置異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、多形体、及びプロドラッグも含む。
【0077】
本発明の好ましい一実施形態は、前記化学式(I)の化合物であり、ここで、R、R、R、及びZは、前記定義と通りであり、Rは、P又はTから選択される。
【0078】
(薬学的組成物)
本発明のさらに他の実施形態において、1つ以上の化学式(I)の化合物の治療的有効量を含有する薬学的組成物が提供される。まったく配合することなく直接に化学式(I)の化合物の治療的有効量を、個別に又は組み合わせて投与することができるが、実務上、本発明の化合物を薬学的に許容可能な賦形剤及び少なくとも1つの活性成分を含む薬学的剤形の形態として投与することが一般的である。これら剤形は、経口、局所、経皮、皮下、筋肉内、静脈内、鼻腔内、肺などをはじめとする多様な経路で投与することができる。
【0079】
経口用組成物は、固状又は液状剤形の形態でもよい。固状剤形としては丸薬、パウチ、小袋、又は、錠剤、多粒子ユニット、カプセル(軟質、及び硬質ゼラチン)などの不連続ユニットがある。液状剤形は、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、溶液、シロップなどの形態でもよい。経口用の組成物は、組成物製造のための当該技術分野で公知の方法で製造することができ、このような薬学的組成物は、活性成分にさらに希釈剤、崩壊剤、結合剤、可溶化剤、潤滑剤、流動促進剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、キレート剤、安定剤、香料、甘味料、色素などの賦形剤を含有してもよい。適切な賦形剤の複数の例としては、ラクトース、セルロース、及びそれらの誘導体、例えば微細結晶性セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、第二リン酸カルシウム、マンニトール、澱粉、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、多様なガム類、例えば、アカシア、トラガカント、キサンタン、アルギン酸塩及びそれらの誘導体、ソルビトール、ブドウ糖、キシリトール、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、鉱物性オイル、モノステアリン酸グリセリン、グリセリンベヘネート、グリコール酸澱粉ナトリウム、クロスポビドン、架橋カルボキシメチルセルロース、様々な乳化剤、例えば、ポリエチレングリコール、ソルビトール脂肪酸、エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピルブロックコポリマー、ポリエトキシレート脂肪酸モノエステル、ジエステル、及びそれらの混合物がある。
【0080】
注射用滅菌組成物は、注射用蒸留水、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコール、及びその他のグリコール、アルコール、天然植物性油、例えばごま油、ココナツオイル、ピーナッツ油、綿実油、又は合成脂肪賦形剤、オレイン酸エチルなどの賦形剤において活性成分を溶解又は懸濁することにより通常の製薬によって調剤することができる。緩衝液、抗酸化剤、防腐剤、錯化剤、例えばセルロース誘導体、ペプチド、ポリペプチド、及びシクロデキストリンなども必要に応じて混入することができる。剤形は、活性成分の即効型投与剤形でもよく、活性成分の持続放出性、活性成分の遅延放出性、又は活性成分の制御放出性を有するように実現されてもよい。
【0081】
治療効果を得るために要求される活性成分の量は、もちろん、特定化合物、投与経路、治療対象者、及び治療される特定疾病又は疾患によって変わる。本発明の化合物は、1日0.001〜1500mg/kg、好ましくは1日0.01〜1500mg/kg、より好ましくは1日0.1〜1500mg/kg、最も好ましくは1日0.1〜500mg/kgの投与量であり、経口又は非経口で投与することができる。ヒト成人の場合、投与量の範囲は、一般に1日5mg〜35gであり、好ましくは1日5mg〜2gである。錠剤又は不連続ユニットとして提供されるその他の剤形は、その剤形又は同一剤形を何度も投与すると、有効な量を簡便に含有することができ、例えば前記ユニットは5mg〜500mgを含有する。
【0082】
本発明の化合物は、薬剤中の唯一の活性成分として使用することもでき、1種以上の付加的な活性物質と併用することもできる。このような付加的な活性物質は、本発明によるさらなる化合物でもよく、又は、異なる治療剤、例えば抗肥満剤もしくは抗脂質異常症剤もしくはその他の薬学的活性物質でもよい。
【0083】
本発明の化合物は、脂質低下薬、抗アテローム性動脈硬化症剤、抗糖尿病剤、抗骨粗鬆症剤、抗肥満剤、抗不安剤、抗うつ剤、抗高血圧剤、強心配糖体、食欲抑制剤、成長促進剤、皮膚疾患治療剤、骨吸収抑制剤、及び甲状腺模倣剤から選択された1つ以上の適切な他の治療剤と併用することができる。
【0084】
本発明の化合物と組み合わせて使用可能な適切な脂質低下薬の例としては、MTP阻害剤、HMG CoA還元酵素阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、フィブリン酸誘導体、ACAT阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、回腸のNa+/胆汁酸共輸送体阻害剤、LDL受容体の上方調整剤、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤、胆汁酸抑制薬、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−アルファ作動薬、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−デルタ作動薬、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−ガンマ/デルタ二重作動薬、ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体(PPAR)−アルファ/デルタ二重作動薬及び/又はニコチン酸及びその誘導体、又はその薬学的に許容可能な塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0085】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した抗糖尿病剤の例としては、メトホルミン及びフェンホルミンのようなビグアニド、グリクラジド及びアルファグルコシダーゼ阻害剤のようなスルホニルウレア、チアゾリジンジオンのようなPPARγ作動薬、フィブリン酸誘導体のようなPPARα作動薬、アルファ−アミラーゼ阻害剤、脂肪酸酸化阻害剤、A2拮抗薬、PPARδ作動薬又は拮抗薬、PPARα/γ二重作動薬、P2阻害剤、ジペプチジルペプチダーゼIV(DP4)阻害剤、SGLT2阻害剤、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)及びその類似体、グルコキナーゼ活性剤、VPAC2受容体作動薬、PTP−1B(タンパク質チロシンフォスファターゼ−1B)阻害剤、11β−HSD1(11β−ヒドロキシ−ステロイドデヒドロゲナーゼ1)阻害剤、メグリチニド、グルココルチコイド(GR)拮抗薬、及びインシュリン、又はその薬学的に許容可能な塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した抗骨粗鬆症剤の例としては、アレンドロネート、リセドロネート、PTH、PTH断片、ラロキシフェン、カルシトニン、RANKリガンド拮抗薬、カルシウム感知受容体拮抗薬、TRAP阻害剤、選択的エストロゲン受容体調整剤(SERM)及びAP−1阻害剤又はその薬学的に許容可能な塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した抗肥満剤の例としては、5HT(セロトニン)輸送阻害剤、NE(ノルエピネフリン)輸送阻害剤、CB−1(カンナビノイド−1受容体)拮抗薬/逆作動薬、グレリン拮抗薬、H3(ヒスタミンH3)拮抗薬/逆作動薬、NPY1(神経ペプチドY Y1)拮抗薬、NPY2(神経ペプチドY Y2)作動薬、NPY5(神経ペプチドY Y5)拮抗薬、レプチン又はその誘導体、オピオイド拮抗薬、オレキシン拮抗薬、BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)作動薬、CCK−A(コレシストキニン−A)作動薬、CNTF(毛様体神経栄養因子)、CNTF誘導体、GHS(成長ホルモン分泌促進因子受容体)作動薬、5HT2c(セロトニン受容体2c)作動薬、Mc3r(メラノコルチン3受容体)作動薬、Mc4r(メラノコルチン4受容体)作動薬、モノアミン再吸収阻害剤、β3(ベータアドレナリン受容体3)作動薬、DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)阻害剤、DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)阻害剤、FAS(脂肪酸合成酵素)阻害剤、PDE(ホスホジエステラーゼ)阻害剤、甲状腺ホルモンβ作動薬、UCP−1(脱共役タンパク質1)、2、又は3活性剤、グルココルチコイド拮抗薬、SCD−1(ステアリルCoAデサチュラーゼ−1)阻害剤、リパーゼ阻害剤、脂肪酸輸送阻害剤、ジカルボキシラト輸送阻害剤、食欲抑制剤、例えばデキストロアンフェタミン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミンもしくはマジンドール、又はその薬学的に許容可能な塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0088】
本発明の化合物は、成長促進剤、例えばTRH、ジエチルスチルベストロール、テオフィリン、エンケファリン、Eシリーズのプロスタグランジン又はその薬学的に許容可能に塩と併用することができる。
【0089】
本発明の化合物は、また、成長ホルモン分泌促進剤、例えばGHRP−6、GHRP−1、GHRP−2、又は成長ホルモン放出因子及びその類似体、又は成長ホルモン及びその類似体、又はIGF−1及びIGF−2を含むソマトメジンと共に併用することができ、又はアルファ−アドレナリン作動薬、例えばクロニジン、又はセロトニン5−HT作動薬、例えばスマトリプタン、又はソマトスタチン又はその放出を抑制する薬剤、例えばフィゾスチグミン及びピリドスチグミンと共に組み合わせて使用することができる。本発明に開示された化合物は、また、副甲状腺ホルモン、PTH(1−34)又はビスフォスフォネート、例えばMK−217(アレンドロネート)と併用される。
【0090】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した抗不安剤の例としては、ジアゼパム、ロラゼパム、ブスピロン、オキサゼパム及びパモ酸ヒドロキシジンなどがある。
【0091】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した抗うつ剤の例としては、シタロプラム、フルオキセチン、ネファゾドン、セルトラリン、パロキセチンなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した抗高血圧剤の例としては、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、レニン阻害剤、ベータアドレナリン受容体遮断薬、アルファアドレナリン受容体遮断薬、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル活性剤、アルドステロンシンターゼ阻害剤、中性エンドペプチダーゼ(NEP)阻害剤、二重アンギオテンシン変換酵素/中性エンドペプチダーゼ(ACE/NEP)阻害剤、エンドセリン受容体拮抗薬、二重アンジオテンシン、及びエンドセリン受容体拮抗薬(DARA)、利尿薬又はその薬学的に許容可能な塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0093】
本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した強心配糖体としては、ジギタリス及びウアバインがある。
【0094】
発明の本発明の化合物と組み合わせて使用されるのに適した甲状腺模倣剤の例としては、KB−2115、MB07811又はその薬学的に許容可能な塩があるが、これらに限定されるものではない。
【0095】
前述したような皮膚疾患又は疾病を治療するために、本発明の化合物を単独で使用するか又は任意にトレチノインのようなレチノイド、又はビタミンD類似体と共に組み合わせて使用することができる。
【0096】
前述したその他の治療剤は、本発明の化合物と組み合わせて使用される場合、例えば、医師用卓上参考書(Physicians’Desk Reference:PDR)に示された量又は当業者により決定される異なる量で使用される。
【0097】
本発明の化合物が1つ以上の他の治療剤と組み合わせる形態で投与される場合、同時に、順に又は固定したユニット剤形として投与される。
【0098】
(略語)
TSH−甲状腺刺激ホルモン、サイロトロピンとしても知られている
T4−サイロキシン
T3−トリヨードサイロニン
T2−ジヨードサイロニン
rT3−逆T3
SAR−構造活性相関
NPY−神経ペプチドY
【0099】
(本発明の化合物の合成のための反応式)
以下、本発明のさらに他の実施形態により、本発明の化合物の合成のための反応式について説明する。
【化9】

式中、R、R、R、R、及びZは、前述した定義の通りであり、Yは、ハロ又はその他の離脱基である。
【0100】
特定の実施形態において、本発明の化学式(I)の化合物は、反応式1に示すように化学式(II)のピラゾール誘導体又は化学式(III)のジケト誘導体から得られる。
【0101】
テトラヒドロフランのような極性非プロトン性溶媒中において、金属水素化物又は金属炭酸塩から選択された塩基の存在下に、置換ハロゲン化アルキル又は適切な離脱基を含有するその他アルキル誘導体と化学式(II)の誘導体を反応させることにより化学式(I)の化合物を得る。
【0102】
同様に、化学式(III)のジケト誘導体は、アルコール溶媒中において、置換ヒドラジン誘導体と反応して化学式(I)の化合物を生成する。
【0103】
化学式(II)の化合物は、反応式1に示されたように、化学式(III)の化合物を文献上の公知の条件下でヒドラジン水和物で処理することにより得られる。化学式(III)の化合物は、テトラヒドロフランのような極性非プロトン性溶媒中において、金属水素化物又は金属炭酸塩のような塩基の存在下に、化学式(IV)の化合物を化学式(XII)、(XIV)、(XVI)、又は(XVII)の置換ヒドロキシインダン又は置換ヒドロキシインドールと反応させることにより製造される。化学式(IV)の化合物は、塩化トリメチルシリル及びジメチルスルホキシドなどの適切な試薬の存在下に、化学式(V)のジケト誘導体をアセトニトリルの適切な溶媒中に溶解させることにより化学式(V)のジケト誘導体から得ることができる。
【0104】
又は、化学式(III)の化合物は、化学式(V)の化合物をピペリジン−酢酸の存在下に化学式(XIII)のアルデヒド誘導体と反応させた後、水素雰囲気下で、Pd/BaSO4のような触媒の存在下に水素添加させることにより直接得られるか、又は金属水素化物又は金属炭酸塩の存在下に、化学式(XV)のクロロ誘導体と反応させることにより得られる。
【0105】
別法において、化学式(III)の化合物はまた、金属水素化物又は金属アルコキシドなどの塩基の存在下に化学式(VI)の化合物を適切な酸クロライド又はエチルエステルと反応させることにより化学式(VI)の化合物から製造することができる。化学式(VI)の化合物は、好ましくは、金属水素化物又は金属炭酸塩から選択された塩基の存在下に、化学式(VII)の化合物を化学式(XII)、(XIV)、(XVI)、又は(XVII)の適切なヒドロキシ又はアミノインダン又はインドール誘導体と反応させることにより化学式(VII)の化合物から得られる。化学式(VII)の化合物は、反応式1に示すように、メタノールなどの適切な溶媒中において化学式(VIII)のメチルケトンを臭素化して得られる。
【0106】
化学式(II)の化合物と化学式(I)の化合物は、化学式(IX)のケト誘導体から又は化学式(X)のシアノ誘導体から製造することができる。化学式(IX)の化合物をアルコール溶媒存在下に適切な置換又は非置換ヒドラジンと反応させることによりそれぞれ化学式(I)及び化学式(II)の化合物を得ることができる。化学式(IX)の化合物は、化学式(VI)の化合物をジメチルホルムアミドジエチルアセタールと反応させることにより得られる。別法において、化学式(X)の化合物を金属水素化物のような塩基の存在下に化学式(XV)の化合物と反応させた後、アルコール溶媒の存在下に、適切な置換又は非置換ヒドラジンで処理してそれぞれ化学式(I)及び化学式(II)の化合物を得ることができる。
【0107】
反応式1に示すように、化学式(X)のシアノ誘導体は、化学式(VII)の化合物をシアン化ナトリウムの存在下に、ジメチルホルムアミドのような有機溶媒に溶解させることにより化学式(VII)の化合物から得られる。反応式1に示すように得られた化学式(I)の化合物は、最終化合物であるか、又は、適切な官能基変換もしくは当該技術分野で公知の方法で化学式(I)に変換することができる。
【0108】
化学式(XII)、(XIII)、(XIV)及び(XV)の中間体は、以下の反応式2により得られる。
【化10】

【0109】
反応式2に示すように、中間体(XII)は、4−ヒドロキシインダン又は置換ジヒドロクマリンXIから得られる。特定実施形態において、化学式(XI)の置換ジヒドロクマリンをアルミニウムトリクロライドと共に加熱した後、インダノンのケト基をトリフルオロ酢酸中にトリエチルシランで還元させて化学式(XII)の化合物を得る。インダノンの還元は、US2005/0037925、WO9943647、及びUS2002/0040016に開示された方法で行うこともできる。別法において、4−ヒドロキシインダンをパラホルムアルデヒドと反応させてアルデヒド置換化合物が得られ、これは、NH2NH2−KOH−エチレングリコールや水素雰囲気下でのPd/Cなどの適切な試薬の存在下にメチル基に還元されるか、又はスルファミン酸及び亜塩素酸ナトリウムのような弱い酸化剤を用いてアルデヒドを酸化して酸に還元される。このように得られた酸基は、無機酸存在下に適切なアルコールとさらに反応させてエステルを得るか、又はカルボジイミドから選択されたカップリング試薬及び適切なアミンを用いてアミドを得る。また、化学式(XII)のアルデヒド基を用いて従来の方法でシアノ誘導体を得ることもある。他の別法においては、好ましくは、4−ヒドロキシインダンをテトラヒドロフラン又はジハロアルカン(G”=ハロゲン)などの溶媒中で触媒量のジイソプロピルアミンの存在下にN−ハロスクシンイミドと反応させるか、又は、塩化スルフリル(G”=クロロ)で処理することにより、化学式(XII)のハロゲン置換ヒドロキシインダン誘導体を製造することもある。
【0110】
化学式(XII)の化合物又は4−ヒドロキシインダン(G”=H)をトリフルオロ酢酸中においてヘキサミンで処理し、化学式(XIII)の化合物を得る。
【0111】
他の特定実施形態において、化学式(XIII)の化合物を塩基存在下にヨウ化メチルと反応させた後、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤存在下に還元させた後、このようにして得た中間体を四臭化炭素及びトリフェニルホスフィン又は塩化チオニルとそれぞれ反応させて、化学式(XV)の化合物を化学式(XIII)の化合物から得ることができる。別法において、化学式(XII)の化合物又は4−ヒドロキシインダンを酢酸存在下に硝酸で処理することにより、化学式(XIV)の化合物又は4−ヒドロキシインダンを化学式(XII)の化合物から得ることもできる。
【0112】
化学式(XVI)及び(XVII)の中間体は、以下に示すように反応式3により得られる。
【化11】

化学式(XVI)の中間体は、トリエチルシラン又はPd−Cを用いて、ジメトキシインダノンのケト基を還元させた後、三臭化ホウ素と反応させることにより、ジメトキシインダノンから得る。
【0113】
G”=メチルである化学式(XVII)の化合物の場合、7−メトキシ−インダン−4−オール(XVI)をパラホルムアルデヒドで処理した後、水素雰囲気下で、メタノールから選択された適切なアルコール溶媒の存在下に、中間体をPd/Cのような触媒還元剤により還元させることにより得る。別法において、G”=エステル又はアミドである化学式(XVII)の化合物の場合、化学式(XVI)の化合物をパラホルムアルデヒドと反応させ、前述した穏和な条件下でさらに酸化させることによりG”=酸に変換することができる。また、酸基を無機酸の存在下に適切なアルコールと反応させることによりエステルを得るか、又は、カルボジイミドから選択されたカップリング試薬と適切なアミンを用いることによりアミドを得ることもできる。G”=シアノである化学(XVII)の化合物は、シアノ置換インダノンを適切に選択するか、又は従来の方法でアミド誘導体をシアノに変換させることにより得ることができる。
【0114】
別法において、テトラヒドロフランから選択された溶媒内において触媒量のジイソプロピルアミンの存在下に、7−メトキシ−インダン−4−オール(XVI)をN−ハロスクシンイミドと反応させるか、又は、塩化スルフリル(G”=Cl)で処理することにより、化学式(XVII)のハロ置換化合物を得る。
【実施例】
【0115】
(製造実施例)
以下の非制限的な実施例を参照に本発明をより具体的に説明する。
【0116】
下記実施例は、化学式(I)の化合物の製造方法を説明するものであり、添付された請求の範囲に提示された本発明の範囲がこれらの実施例により限定されるものではない。
【0117】
実施例1:(化合物番号1)
3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
ステップ−I:4,7−ジメトキシインダンの製造
トリエチルシラン(105.7gm、0.909mole)中において、4,7−ジメトキシインダン−1−オン(35gm、0.182mole)の冷却及び攪拌された懸濁液に、トリフルオロ酢酸(350ml)を10〜15℃で添加した。室温で2時間続けて攪拌した後、水でクエンチした。酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、蒸発させて粗マス(crude mass)を得て、ヘキサン(22.5gm)中の5%酢酸エチルを用いて、これをカラムクロマトグラフィーで精製した。
収率:69.3%
H−NMR(400MHz,CDCl):δ6.67(2H,s),3.70(6H,s),2.74−2.78(4H,m),1.95−2.02(2H,m)。
【0118】
ステップ−II:7−メトキシインダン−4−オールの製造
塩化メチレン(400ml)中において、4,7−ジメトキシインダン(22.5gm、0.126mole)の透明な溶液に0℃で三臭化ホウ素(12.27ml、0.13mole)を添加した。0〜10℃で2時間攪拌した後、水(100ml)を添加した後、反応混合物を塩化メチレンで抽出した。塩化メチレン層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、蒸留して粗マスを得て、これをヘキサン(9.0gm)中の7%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。
収率:43.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.66(1H,s),6.493−6.558(2H,m)、3.66(3H,s),2.71−2.75(4H,m)、1.92−2.00(2H,m)。
【0119】
ステップ−III:4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾールの製造
テトラヒドロフラン20ml中の60%水素化ナトリウム(2.0gm、0.051moles)の懸濁液にテトラヒドロフラン(30ml)中の7−メトキシインダン−4−オール(7.0gm、0.042mole)の溶液を室温で添加した。1時間後、テトラヒドロフラン(20ml)中の3−クロロ 2,4−ペンタンジオン(9.0ml、0.075mole)の溶液を添加した後、臭化カリウム(3.0gm、0.025mole)を添加した。反応混合物を70℃で6時間攪拌した。水を添加してジエチルエーテルで抽出した。エーテル層を分離及び蒸留してオイルマスを得て、これをヘキサン中の2%酢酸エチルを用いてカラムにより部分精製して粗マス(2.7gm)を得た。得られた粗マスを10℃で20mlのエタノール中のヒドラジン水和物(1ml)と共に攪拌した。エタノールを蒸発乾燥させた。得られた残渣を水と酢酸エチル間に分配(partition)した。分離された酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、蒸留して目的生成物(2.0gm)を得た。
収率:18.1%(2ステップにおける収率)
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ2.12(1H,s),6.61(1H,d),6.29(1H,d),3.69(3H,s),2.88(2H,t)2.80(2H,t),2.00−2.07(5H,m),1.91(3H,s)。
【0120】
ステップ−IV:3−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸エチルエステルの製造
10mlのテトラヒドロフラン中の60%水素化ナトリウム(0.372gm、0.0093mole)の懸濁液に、10mlのテトラヒドロフラン中のステップ−IIIで得たピラゾール誘導体(2.0gm、0.00775mole)の溶液を室温で窒素雰囲気下で添加した。室温で1時間攪拌した後、10mlのテトラヒドロフラン中の3−クロロエチルプロピオネート(1.15gm、0.0084mole)の溶液をこの反応混合物に添加した。これを室温で4時間攪拌した。反応混合物を水に注いで、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸留した。得られた粗マスをヘキサン中の20%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーで精製して目的生成物(0.850gm)を得た。
収率:30.6%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.60(1H,d)、6.26(1H,d)、4.15(2H,t),4.05(2H,q),3.69(3H,s),2.88(2H,t),2.78−2.83(4H,m),1.99−2.08(5H,m),1.89(3H,s),1.16(3H,t)。
【0121】
ステップ−V:3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸の製造
15mlの塩化メチレン中のステップ−IVで得たエチルエステル誘導体(0.85gm、0.0023mole)の透明な溶液に、15mlの塩化メチレン中の三臭化ホウ素(1.0ml、0.0105mole)の溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、10ml水を添加した後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸留して固体生成物(230mg)を得た。
収率:30.6%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):):δ12.27(1H,bs)、8.77(1H,bs),6.42(1H,d),6.15(1H,d),4.10(2H,t),2.84(2H,t),2.71−2.78(4H,m),1.98−2.04(5H,m),1.88(3H,s)
質量:315(M−1)。
【0122】
実施例−2:(化合物番号7)
3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸及び3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
ステップ−I:2−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−1−チオフェン−2−イル−エタノンの製造
アセトン(20ml)中の4−ヒドロキシ−7−メトキシインダン(2.0gm,、0.0121mole)の透明な溶液に、炭酸カリウム(2.52gm、0.0182mole)を室温で添加し、1.5時間攪拌した。アセトン(10ml)中の2−ブロモ−1−チオフェン−2−イル−エタノン(3.75gm,0.0181mole)の溶液を0℃で添加して室温で8時間攪拌した。反応混合物を水(50ml)に注いで酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸発させて粗生成物を得て、移動相としてヘキサン中の2%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した溶離液を蒸発させて目的生成物(2.1gm)を粘性オイルとして得た。
収率:59.8%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.12(1H,dd),8.09(1H,dd),7.29−7.31(1H,m),6.63(2H,s),5.33(2H,s),3.70(3H,s),2.87(2H,t),2.78(2H,t),1.98−2.06(2H,m)。
【0123】
ステップ−II:3−ジメチルアミノ2−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−1−チオフェン−2−イル−プロぺノンの製造
実施例2のステップ−Iで得た化合物(2.0gm、0.0069mole)を室温で5mlのN,N−ジメチルホルムアミドジエチルアセタールに添加して90℃で2時間攪拌した。反応混合物を冷水(100ml)に注いで酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後、蒸発させて油状生成物(1.9gm)を得た。これを次のステップで使用した。
収率:79.5%
【0124】
ステップ−III:4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−1H−ピラゾール及び4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−1H−ピラゾールの製造
エタノール30ml中の実施例2のステップ−IIで得られた化合物(1.9gm、0.0055mole)の透明な溶液に、ヒドラジン水和物(0.5ml、0.0102mole)を添加して60℃で4時間攪拌した。エタノールを真空蒸発させて水を反応混合物に添加した。これを酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗生成物を得て、移動相としてヘキサン中の酢酸エチル (80:20)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した溶離液を真空下で蒸発させて目的生成物(1.0gm)を得た。
収率:58.13%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):メジャー異性体の場合、δ12.82(1H,s),7.67(1H,d),7.43(1H,d),7.24(1H,d),7.02−7.08(1H,m),6.65(1H,d),6.56(1H,d),3.70(3H,s),2.92(2H,t),2.82(2H,t)、2.03−2.10(2H,m)。
【0125】
ステップ−IV:3−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸エチルエステル及び3−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸エチルエステルの合成
この化合物を実施例1のステップ−IVで説明した方法と同様の方法で製造する。
収率:45.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):メジャー異性体の場合、δ7.64(1H,s),7.45(1H,dd),7.26(1H,dd),703−7.07(1H,m),6.67(1H,d),6.62(1H,d),4.30(2H,t),4.01−4.09(2H,m),3.72(3H,s),2.78−2.90(6H,m),2.04−2.07(2H,m),1.13(3H,t)。
【0126】
ステップ−V:3−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸及び3−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸の製造
メタノール(5.0ml)中のステップ−IVで得られた化合物(0.6gm、0.0014mole)の透明な溶液に水(25ml)中の水酸化ナトリウム(0.12gm、0.0029mole)溶液を添加して室温で2時間攪拌した。メタノールを真空下で完全に蒸留して残留する水層をエーテル(20ml)で洗浄し、希塩酸で酸性化した後、酢酸エチル(2×50ml)で抽出した。分離された酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して酸誘導体(440mg)を固体として得た。
収率:78.7%
H−NMR(400 MHz,DMSO−d):メジャー異性体の場合、δ12.42(1H,bs),7.64(1H,s),7.44(1H,d),7.26(1H,d),7.05(1H,dd),6.66(1H,d),6.62(1H,d),4.26(2H,t),3.72(3H,s),2.78−2.90(6H,m),2.01−2.06(2H,m)。
【0127】
ステップ−VI:3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸及び3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸の製造
塩化メチレン(20ml)中の実施例2のステップ−Vで得た化合物(0.44gm、0.00118mole)の透明な溶液に、0〜10℃で塩化メチレン(5ml)中の三臭化ホウ素(0.35ml、0.0037mole)の溶液を添加し、室温(25−28℃)で2時間攪拌した。水(10ml)を前記反応混合物に徐々に添加し、塩化メチレン(2×30ml)で抽出した。分離された塩化メチレン層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸留して目的生成物(200mg)を固体として得た。
収率:47.1%
H−NMR(400 MHz,DMSO−d):メジャー異性体の場合、δ12.41(1H,s),9.00(1H,s),7.55(1H,s),7.44(1H,d)、7.29(1H,d),7.04−7.06(1H,m),6.46−6.54(2H,m),4.24(2H,t)、2.73−2.84(6H,m),1.96−2.06(2H,m)
質量:369(M−1)。
【0128】
実施例−3:(化合物番号3)
7−[3,5−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−インダン−4−オール
ステップ−I:[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトニトリルの製造
この化合物を、エチル3−クロロプロピオネートの代わりにブロモアセトニトリルを使用して実施例−1のステップ−IVで説明した方法と同様の方法で製造した。
収率:96.7%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.63(1H,d),6.31(1H,d),5.35(2H,s),3.70(3H,s),2.89(2H,t),2.80(2H,t),2.10(3H,s),1.98−2.07(2H,m),1.93(3H,s)。
【0129】
ステップ−II:5−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−1H−テトラゾールの製造
ジメチルホルムアミド30ml中の[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトニトリル(3.0gm、0.0101mole)の攪拌溶液に、室温(27〜30℃)でアジ化ナトリウム(1.2gm、0.0185mole)及びトリエチルアミン塩酸塩(4.0gm、0.0303mole)を添加した。この反応混合物を90〜100℃で4時間攪拌した。反応混合物を冷却して希塩酸(100ml)に注いだ後、30分間攪拌した。分離された固体を濾過して酢酸エチル(100ml)に溶解させた。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して1.5gmの目的生成物を固体として得た。
収率:43.7%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.62(1H,d),6.32(1H,d),5.57(2H,s),3.70(3H,s),2.89(2H,t),2.80(2H,t),2.11(3H,s),2.03−2.09(2H,m),1.89(3H,s)
【0130】
ステップ−III:7−[3,5−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−インダン−4−オール
この化合物を実施例2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法で製造した。
収率:31.3%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.85(1H,s),6.44(1H,d),6.21(1H,d),5.55(2H,s),2.84(2H,t),2.76(2H,t),2.11(3H,s),2.00−2.06(2H,m),1.88(3H,s)
質量:325(M−1)。
【0131】
実施例−4:(化合物番号10)
5−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−1H−ピラゾール−3−オール
ステップ−I:4−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−3−オキソ−酪酸エチルエステルの製造
エチル3−クロロプロピオネートの代わりにアルキル化剤として4−クロロ−3−オキソ−酪酸エチルエステルを用いて実施例−1のステップ−IVで説明した方法と同様の方法でこの化合物を製造した。
収率:35.7%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.64(1H,d),6.33(1H,d),5.11(2H,s),4.11(2H,q),3.69−3.70(5H,m),2.87−2.92(2H,m),2.80(2H,t),2.02−2.07(2H,m),1.92(3H,s),1.90(3H,s),1.19(3H,t)。
【0132】
ステップ−II:5−[4−(7−メトキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−1H−ピラゾール−3−オールの製造
メタノール(20ml)中の実施例−4のステップ−Iのケトエステル(0.8gm、0.00207mole)の攪拌溶液に、0〜10℃でメタノール(5ml)中のヒドラジン水和物(0.11ml、0.00227mole)の溶液を添加した。この反応混合物を75〜80℃に加熱して12時間攪拌した。メタノールを真空下で蒸留して得られた固体を酢酸エチル(5ml)中で攪拌した。さらに、これを濾過し、吸引乾燥させて380mgの目的生成物を固体として得た。
収率:51.8%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.81(1H,bs),9.57(1H,bs),6.61(1H,d),6.28(1H,d),5.27(1H,bs),5.03(2H,bs),3.69(3H,s),2.88(2H,t)、2.80(2H,t),2.01−2.08(5H,m),1.90(3H,s)。
【0133】
ステップ−III:5−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−1H−ピラゾール−3−オールの製造
実施例−2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法でこの化合物を製造した。
収率:60.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.82(1H,bs),6.41(1H,d),6.15(1H,d),5.22(1H,s),5.01(2H,s),2.82(2H,t),2.74(2H,t),1.93−2.06(5H,m),1.84(3H,s)
質量:339(M−1)。
【0134】
実施例−5:(化合物番号19)
[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
ステップ−I:7−クロロメチル−4−メトキシ−5−メチル−インダンの製造
メタノール(200ml)中の7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−カルボキシアルデヒド(39gm、0.205mole)の攪拌された溶液に、10〜20℃で水素化ホウ素ナトリウム(9.5gm、0.225mole)を少しずつ分けて添加し、室温で2時間攪拌した。反応混合物を水(200ml)に注いで希塩酸でpH6に酸性化した。反応混合物を真空下で蒸留した後、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粘性オイル(38gm)を得た。塩化メチレン(160ml)中の粘性オイル(38.0gm)の透明な溶液に、10〜15℃で塩化チオニル(29.07ml、0.396mole)を添加して20〜25℃で2時間攪拌した。この反応混合物を水(200ml)に注いだ。分離された有機層を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥、真空蒸留した後、粗生成物を固体として得た。粗固体をヘキサン中に溶解させ、濾過した後、濾液を蒸留して目的化合物(36.0gm)を固体として得た。
収率:83.5%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.95(1H,s),4.66(2H,s),3.70(3H,s),2.85−2.98(4H,m),2.15(3H,s),1.99−2.05(2H,m)。
【0135】
ステップ−II:3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−1H−ピラゾールの製造
ジメチルホルムアミド(50ml)中の3,5−ヘプタンジオン(8.7ml、0.0642mole)及び炭酸カリウム(15.0gm、0.1086mole)の攪拌懸濁液に、ジメチルホルムアミド(25ml)中の7−クロロメチル−4−メトキシ−5−メチル−インダン(15.0gm、0.0714mole)の溶液を徐々に添加し、40〜45℃で2.5〜3時間攪拌した。この反応混合物に、水(500ml)を添加した後、希塩酸で酸性化して酢酸エチル(2×500ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して20gmのジケト誘導体を粘性オイルとして得た。イソプロピルアルコール(80ml)中の前記得られた粘性オイルの透明な溶液に、イソプロピルアルコール(20ml)中の99%ヒドラジン水和物(3.3ml、0.066mole)溶液を15〜20℃で徐々に添加した。この反応混合物を80〜85℃で1時間加熱攪拌した。酢酸(7.5ml)を添加してさらに11〜12時間続けて加熱した。イソプロピルアルコールを蒸留して残渣を水性重炭酸ナトリウム(200ml)と酢酸エチル(2×200ml)間に分配した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して固体を得た。得られた固体をヘキサン(50ml)中で攪拌して濾過し、真空下で乾燥させ、9.3gmの目的とするピラゾールを得た。
収率:43.7%
H−NMR(400 MHz,DMSO−d):12.02(1H,s),6.46(1H,s),3.64(3H,s),3.51(2H,s),2.84−2.88(2H,m),2.75(2H,t),2.36−2.40(4H,m),2.06(3H,s),1.96−2.04(2H,m),1.00−1.04(6H,m)。
【0136】
ステップ−III:[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステルの製造
ジメチルホルムアミド(50ml)中の実施例−5のステップ−IIで得たピラゾール誘導体(9.0gm、0.0302mole)及びエチルブロモアセテート(6.7ml、0.0604mole)の攪拌溶液に、炭酸セシウム(14.7gm、0.0453mole)を添加して室温(25〜30℃)で16時間攪拌した。反応混合物を水(400ml)に注いだ。分離された固体を濾過して水(50ml)でよく洗浄した後、吸引乾燥させた。固体ケーキを酢酸エチル(200ml)に溶解させて水で洗浄した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸留して粗固体を得た。この粗固体をヘキサン(50ml)中で2時間攪拌し、濾過した後、ヘキサン(10ml)で洗浄し、真空乾燥させて目的生成物を灰白色固体(9.0gm)として得た。
収率:77.6%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.47(1H,s),4.90(2H,s),4.12(2H,q),3.64(3H,s),3.54(2H,s),2.85−2.89(2H,m),2.73−2.77(2H,m)、2.44(2H,q),2.30(2H,q),2.06(3H,s),1.96−2.04(2H,m),1.19(3H,t),1.00(3H,t),0.89(3H,t)。
【0137】
ステップ−IV:[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸の製造
テトラヒドロフラン(40ml)及びメタノール(20ml)中のステップ−IIIの[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステル(9.0gm、0.0234mole)の攪拌溶液に、水(75ml)中の水酸化ナトリウム(1.87gm、0.0468mole)溶液を20〜30℃で添加し、1.5〜2時間攪拌した。この反応混合物を水(50ml)に注いで酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。残留水層を希塩酸で酸性化した。分離された固体を濾過し、水(50ml)で洗浄した後、60〜65℃で真空下で乾燥させて目的生成物を灰白色固体(6.3gm)として得た。
収率:75.5%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.80−13.00(1H,bs),6.48(1H,s),4.79(2H,s),3.64(3H,s),3.54(2H,s),2.85−2.89(2H,m),2.74−2.78(2H,m),2.44(2H,q),2.30(2H,q),2.06(3H,s),1.96−2.04(2H,m),1.00(3H,t),0.90(3H,t)。
【0138】
ステップ−V:[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸の製造
塩化メチレン(100ml)中、[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸(6.0gm、0.0168mole)の攪拌懸濁液に、塩化メチレン(20ml)中の三臭化ホウ素(4.2ml、0.0442mole)の溶液を0〜5℃で添加し、20〜30℃で2〜3時間攪拌した。水(250ml)を反応混合物に添加して1時間攪拌した。分離された固体を真空下で濾過して水で洗浄した。得られた固体を酢酸エチル(2.0リットル)に溶解させて水(1リットル)で洗浄した。酢酸エチルを真空下で蒸留して得られた固体をジエチルエーテル(50ml)でさらに攪拌した後、濾過して55〜60℃で真空下で乾燥させて、4.5gmの目的生成物を得た。
収率:78.3%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.14(1H,s),6.39(1H,s),4.77(2H,s),3.48(2H,DMSO−d6に存在する水のピークと併合),2.68−2.77(4H,m),2.43(2H,q),2.30(2H,q),1.94−2.01(5H,m),1.00(3H,t),0.90(3H,t)
H−NMR(400MHz,CDOD):δ6.66(1H,s),4.83(2H,s),3.59(2H,s),2.75−2.83(4H,m),2.51(2H,q),2.42(2H,q),1.91−2.07(5H,m),1.05(3H,t),0.97(3H,t)
質量:341(M−1)。
【0139】
実施例−6:(化合物番号33)
3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−N−イソプロピル−プロピオンアミド
ステップ−I:3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸の製造
実施例−5のステップ−IVで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:54.0%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.29(1H,bs)、6.49(1H,s)、4.10(2H,t)、3.64(3H,s)、3.48(2H,s)、2.86(2H,t)、2.68−2.75(4H,m)、2.10(3H,s)、2.08(3H,s)、1.96−2.03(2H,m)、1.92(3H,s)。
【0140】
ステップ−II:N−イソプロピル−3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオンアミドの製造
テトラヒドロフラン(20ml)中の3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸(1.0gm、0.00292mole)の溶液に、カルボニルジイミダゾール(0.62gm、0.0038mole)を20〜30℃で添加した。この反応混合物を70〜75℃で加熱攪拌した。テトラヒドロフラン(5ml)中のイソプロピルアミン(0.3ml、0.00367mole)溶液を20〜30℃で添加した。この反応混合物を70℃でさらに4時間攪拌した。この反応混合物を冷却して水(50ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗生成物を得て、これをヘキサン(20ml)中で攪拌した後に濾過して、810mgの目的生成物を固体として得た。
収率:72.8%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ7.77(1H,d)、6.49(1H,s)、4.10(2H,t)、3.77(1H,m)、3.64(3H,s)、3.47(2H,s)、2.86(2H,t)、2.73(2H,t)、2.49(2H,DMSO−d6ピークと併合)、2.08(6H,s)、1.95−2.03(2H,m)、1.92(3H,s)、0.98(6H,d)。
【0141】
ステップ−III:3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−N−イソプロピルプロピオンアミドの製造
実施例−2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:51.9%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.11(1H,s)、7.76(1H,d)、6.40(1H,s)、4.08(2H,t)、3.76−3.81(1H,m)、3.42(2H,s)、2.75(2H,t)、2.69(2H,t)、2.51(2H,DMSO−d6ピークと併合)、2.07(3H,s)、2.02(3H,s)、1.90−1.99(5H,m)、0.98(6H,d)
質量:370(M+1)。
【0142】
実施例−7:(化合物番号42)
5−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イルメチル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
ステップ−I:[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸ヒドラジドの製造
[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸エチルエステル(3.3gm、0.0085mole)及び99%ヒドラジン水和物(33ml)の攪拌懸濁液を60〜65℃で3時間加熱した。反応混合物を水(200ml)に注いで1時間攪拌した後に濾過した。得られた固体をメタノール(10ml)中で攪拌し、濾過及び乾燥させて、2.9gmの目的生成物を固体として得た。
収率:91.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.23(1H,s)、6.51(1H,s)、4.58(2H,s)、4.29−4.30(2H,d)、3.64(3H,s)、3.52(2H,s)、2.87(2H,t)、2.76(2H,t)、2.47(2H,DMSO−d6ピークと併合)、2.30(2H,q)、2.07(3H,s)、1.97−2.04(2H,m)、1.00(3H,t)、0.90(3H,t)
【0143】
ステップ−II:5−[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イルメチル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オンの製造
1,4−ジオキサン(70ml)中の[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸ヒドラジド(1.5gm、0.0041mole)の攪拌溶液に、カルボニルジイミダゾール(2.0gm、0.0121mole)を20〜30℃で添加した。反応混合物を90〜95℃で8時間攪拌した。この反応混合物を冷却して水(200ml)に注ぎ、2時間攪拌した後、分離された固体を濾過した。この固体をジエチルエーテル(25ml)でさらに攪拌した後に濾過、乾燥させて、900mgの目的生成物を固体として得た。
収率:56.2%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.28(1H,bs)、6.45(1H,s)、5.20(2H,s)、3.64(3H,s)、3.54(2H,s)、2.87(2H,t)、2.74(2H,t)、2.54(2H,q)、2.31(2H,q)、2.06(3H,s)、1.98−2.01(2H,m)、1.00(3H,t)、0.92(3H,t)。
【0144】
ステップ−III:5−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イルメチル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オンの製造
実施例−2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:70.7%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.41(1H,s)、8.14(1H,s)、6.37(1H,s)、5.20(2H,s)、3.49(2H,s)、2.69−2.77(4H,m)、2.53(2H,DMSO−d6ピークと併合)、2.31(2H,q)、1.91−2.01(5H,m)、0.99(3H,t)、0.92(3H,t)
質量:383(M+1)。
【0145】
実施例−8:(化合物番号45)
6−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−2−メチル−3H−ピリミジン−4−オン
ステップ−I:4−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−3−オキソ−酪酸エチルエステルの製造
アルキル化剤として、エチル3−クロロプロピオネートの代わりに、4−クロロ−3−オキソ−酪酸エチルエステルを使用して、実施例−1のステップ−IVで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:47.1%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):,6.53(1H,s)、5.07(2H,s)、4.4.08(2H,q)、3.64(3H,s)、3.63(2H,s)、3.51(2H,s)、2.86(2H,t)、2.74(2H,t)、2.09(3H,s)、1.97−2.05(5H,m)、1.92(3H,s)、1.18(3H,t)
【0146】
ステップ−II:6−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−2−メチル−3H−ピリミジン−4−オンの製造
エタノール(60ml)中の4−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−3−オキソ−酪酸エチルエステル(1.0gm、0.0025mole)の溶液に、アセトアミジン塩酸塩(0.71gm、0.0075mole)を添加した。ここにナトリウムエトキシド(0.51gm、0.0075mole)を5〜10℃で添加し、70〜75℃で2時間攪拌した。エタノールを真空下で蒸留し、残渣を酢酸エチル(100ml)と水(100ml)間に分配した。さらに水層を酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層の結合された容量を20mlに減少させた後に濾過して、800mgの目的生成物を得た。
収率:81.3%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.42(1H,bs)、6.50(1H,s)、5.16(1H,s)、4.97(2H,s)、3.64(3H,s)、3.55(2H,s)、2.87(2H,t)、2.74(2H,t)、2.27(3H,s)、2.09(3H,s)、2.05(3H,s)、1.98−2.02(2H,m)、1.95(3H,s)。
【0147】
ステップ−III:6−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−2−メチル−3H−ピリミジン−4−オンの製造
実施例−2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:58.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ12.41(1H,s)、8.12(1H,s)、6.42(1H,s)、5.13(1H,s)、4.95(2H,s)、3.49(2H,s)、2.67−2.77(4H,m)、2.26(3H,s)、2.03(6H,s)、1.94−1.99(5H,m)
質量:379(M+1)。
【0148】
実施例−9:(化合物番号46)
3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オール
ステップ−I:[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトニトリルの製造
N−アルキル化剤として、エチル3−クロロプロピオネートの代わりに、ブロモアセトニトリルを使用して、実施例−1のステップ−IVで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:52.8%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.51(1H,s)、5.31(2H,s)、3.64(3H,s)、3.52(2H,s)、2.87(2H,t)、2.73(2H,t)、2.15(3H,s)、2.09(3H,s)、1.92−2.03(5H,m)。
【0149】
ステップ−II:N−ヒドロキシ−2−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトアミジンの製造
メタノール(50ml)中の[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトニトリル(2.0gm、0.00647mole)の攪拌溶液に、水(20ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(2.29gm、0.033mole)及び炭酸カリウム(4.37gm、0.0317mole)の懸濁液を添加した。この反応混合物を70℃で30−36時間攪拌して冷却した後に濾過した。得られた固体を水(10ml)で洗浄し、最後にヘキサンで洗浄した後に真空乾燥させて、1.8gmの目的生成物を得た。
収率:81.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ9.20(1H,bs)、6.52(1H,s)、5.24(2H,s)、4.51(2H,s)、3.64(3H,s)、3.49(2H,s)、2.86(2H,t)、2.74(2H,t)、2.09(6H,s)、1.98−2.05(2H,m)、1.94(3H,s)。
【0150】
ステップ−III:3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オールの製造
ピリジン(50ml)中のN−ヒドロキシ−2−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトアミジン(2.4gm、0.00701mole)の溶液に、クロロギ酸エチル(1.5ml、0.0157mole)を0〜5℃で添加した。反応混合物を15分間攪拌し、ピリジンを真空下で蒸留した。得られた残渣に、水とテトラヒドロフラン(1:1)の混合物(40ml)及び1M水酸化ナトリウム溶液(10ml)を添加し、75℃で1時間攪拌した後、25〜28℃で24時間攪拌した。この反応混合物に、2M塩酸(200ml)を添加し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸留して2.0gmの固体を得た。得られた固体をテトラヒドロフラン(5ml)と1M水酸化ナトリウム(50ml)の混合物に添加し、24時間還流させた。この反応混合物を冷却して2N塩酸(100ml)を添加した。分離された固体を濾過し、水(20ml)で洗浄した後、酢酸エチル(100ml)に溶解した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空下で蒸留して、880mgの目的生成物を固体として得た。
収率:34.10%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ6.52(1H,s)、5.14(2H,s)、3.64(3H,s)、3.51(2H,s)、2.86(2H,t)、2.74(2H,t)、2.13(3H,s)、2.08(3H,s)、1.95−2.03(2H,m)、1.94(3H,s)。
【0151】
ステップ−IV:3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オールの製造
実施例−2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:79.5%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.15(1H,s)、6.44(1H,s)、5.14(2H,s)、3.46(2H,s)、2.68−2.77(4H,m)、2.13(3H,s)、2.03(3H,s)、1.87−1.99(5H,m)
質量:353(M−1)。
【0152】
実施例−10:(化合物番号66)
プロパン−2−スルホン酸{3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオニル}−アミド
テトラヒドロフラン(2ml)中の60%水素化ナトリウム(76mg、0.0019mole)の懸濁液に、テトラヒドロフラン(5ml)中の3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオンアミド(500mg、0.00146mole)の溶液を室温で添加し、20分間攪拌した。テトラヒドロフラン(3ml)中のイソプロピルスルホニルクロリド(0.18ml、0.0016mole)溶液を0〜5℃で添加し、15〜25℃で3時間攪拌した。テトラヒドロフランを真空下で蒸留し、希塩酸(20ml)を反応混合物に添加した後、酢酸エチル(50ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗生成物を得て、移動相として酢酸エチルを用いて、これをカラムクロマトグラフィーで精製した。画分(fraction)を蒸留して、80mgの目的生成物を固体として得た。
収率:12.2%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ11.50(1H,bs)、6.49(1H,s)、4.12(2H,t)、3.64(3H,s)、3.51−3.55(1H,m)、3.47(2H,s)、2.80−2.88(4H,m)、2.73(2H,t)、2.09(3H,s)、2.08(3H,s)、1.96−2.03(2H,m)、1.91(3H,s)、1.20(6H,d)
質量:446(M−1)。
【0153】
実施例−11:(化合物番号12)
7−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−5−メチル−インダン−4−オール
ステップ−I:3−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ペンタン−2,4−ジオンの製造
トルエン(80ml)中の7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒド(8.0gm、0.042mole)及びアセチルアセトン(4.63gm、0.046mole)の溶液に、ピペリジン(0.5ml)及び酢酸(0.5ml)を添加した。ディーン・スターク装置を用いて反応混合物を3Å分子篩で24時間還流させた。トルエンを真空下で蒸留して粗生成物を得て、これをヘキサン中の5%酢酸エチルを用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を蒸留して3.0gmの縮合生成物を得て、これをメタノール(60ml)に溶解した後、25〜30℃で水素気体を用いて、40−50psi(約276〜約345kPa)で、硫酸バリウム(350mg)上の5%w/wパラジウムを用いて水素添加を行った。反応混合物をハイフロー層(hyflow bed)で濾過して真空蒸留して、2.9gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:25.1%
質量:274(M−1)。
【0154】
ステップ−II:2−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−エタノールの製造
エタノール(15ml)中の3−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ペンタン−2,4−ジオン(1.0gm、0.0036mole)の攪拌溶液に、エタノール(5ml)中の2−ヒドラジノ−エタノール(0.33gm、0.0043mole)溶液を25〜30℃で添加し、反応混合物を70℃で1時間加熱した。酢酸(2ml)を添加した。反応混合物を70℃でさらに3時間攪拌した。エタノールを真空下で蒸留して残渣を得て、これを酢酸エチル(50ml)と水(25ml)間に分配した。酢酸エチルを真空下で蒸留して粗生成物を得た。この粗生成物をジエチルエーテル(10ml)中で攪拌した後に固化した。固体を真空下で濾過して乾燥させて、700mgの目的化合物を固体として得た。
収率:61.4%
質量:315(M+1)。
【0155】
ステップ−III:7−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−5−メチル−インダン−4−オールの製造
実施例−2のステップ−VIで説明した方法と同様の方法で表題化合物を製造した。
収率:45.4%
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ8.11(1H,s)、6.43(1H,s)、4.80(1H,t)、3.95(2H,t)、3.63(2H,q)、3.43(2H,s)、2.69−2.77(4H,m)、2.08(3H,s)、2.03(3H,s)、1.92−1.99(5H,m)
質量:301(M+1)。
【0156】
以下、表−1に示す化合物の製造に使用された中間体の製造方法を説明する。
【0157】
(中間体の製造)
1:7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
方法−1
ステップ−I:8−メチルクマリンの製造
無水酢酸(45gm、0.44mole)中の2−ヒドロキシ−3−メチルベンズアルデヒド(30gm、0.220mole)及び無水酢酸ナトリウム(45gm、0.55mole)の懸濁液を175〜180℃で6時間加熱した。この反応混合物を冷却し、水(150ml)及びヘキサン(60ml)を添加した。1時間攪拌して濾過した。得られた固体をジエチルエーテル(30ml)と共に攪拌した。最後に、懸濁液を濾過して乾燥させて、19gmの目的生成物を得た。
収率:85%
NMR(400mhz,CDCl):δ7.69(1H,d)、7.35−7.37(1H,m)、7.30−7.32(1H,m)、7.16(1H,t)、6.39(1H,d)、2.44(3H,s)。
【0158】
ステップ−II:8−メチルジヒドロクマリンの製造
酢酸エチル(160ml)中の8−メチルクマリン(16.2gm)の溶液に、10%w/wパラジウム−チャコール(1.62gm)を添加した。水素気体を用いて、240−250psi(約1.65〜約1.72MPa)で、オートクレーブ中において55〜60℃で5時間水素添加を行った。反応混合物をハイフロー層で濾過して真空下で蒸留して、14.5gmの表題化合物を白色固体として得た。
収率:90%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ7.10−7.14(2H,m)、7.01(1H,t)、2.93−2.97(2H,m)、2.73−2.76(2H,m)、2.21(3H,s)。
【0159】
ステップ−III:4−ヒドロキシ−5−メチル−インダン−1−オンの製造
8−メチルジヒドロクマリン(20gm、0.123mole)と三塩化アルミニウム(49.3gm、0.370mole)の混合物を175〜180℃で2時間攪拌した。この反応混合物に水(250ml)を徐々に添加して1時間攪拌した。さらに、これを濾過して得られた固体をメタノール(60ml)中で攪拌した。最後に、懸濁液を濾過して得られた固体を真空乾燥させて、13.5gmの目的生成物を固体として得た。
収率:67.5%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.22(1H,s)、7.15(1H,d)、7.04(1H,d)、2.96(2H,t)、2.59(2H,t)、2.24(3H,s)。
【0160】
ステップ−IV:5−メチル−インダン−4−オールの製造
メタノール(80ml)中の4−ヒドロキシ−5−メチル−インダン−1−オン(8gm)の懸濁液に、10%w/wPd−Cを添加した。水素気体を用いて、200−250psi(約1.38〜約1.72MPa)で、オートクレーブ中において55〜60℃で5時間水素添加を行った。反応混合物をハイフロー層で濾過して濾液を真空下で蒸留して、6.0gmの目的生成物を白色固体として得た。
収率:82.2%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ8.36(1H,s)、6.82(1H,d)、6.58(1H,d)、2.73−2.79(4H,m)、2.10(3H,s)、1.92−1.99(2H,m)。
【0161】
ステップ−V:7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
30mlのトリフルオロ酢酸中の5−メチル−インダン−4−オール(6gm、0.0405mole)の透明な溶液に、ヘキサミン(5.7gm、0.0405mole)を25〜28℃で添加した。反応混合物を加熱して85〜90℃で6時間攪拌した。冷却された反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液に注ぎ、酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗生成物を得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(10:90)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を蒸留して、5.4gmの目的生成物を固体として得た。
収率:76%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.87(1H,s)、9.63(1H,bs)、7.44(1H,s)、3.14(2H,t)、2.79(2H,t)、2.18(3H,s)、1.99−2.08(2H,m)。
【0162】
ステップ−VI:7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ジメチルホルムアミド中の6−メチル−7−ヒドロキシ−インダン−4−カルバルデヒド(5gm、0.0284mole)及び炭酸カリウム(4.7gm、0.0340mole)の攪拌懸濁液に、ヨウ化メチル(2.2ml、0.0312mole)を0℃で添加した。反応混合物を25〜30℃で4時間攪拌した後、水(200ml)を添加して酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸発させて粗マスを得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(10:90)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を真空下で蒸留して、4.8gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:88.9%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.97(1H,s)、7.50(1H,s)、3.84(3H,s)、3.14(2H,t)、2.96(2H,t)、2.22(3H,s)、2.01−2.08(2H,m)
質量:191(M+1)。
【0163】
方法−2
ステップ−I:4−ヒドロキシ−インダン−5−カルバルデヒドの製造
テトラヒドロフラン(200ml)中の塩化マグネシウム(71.0gm、0.745mole)及びパラホルムアルデヒド(33.6gm、1.12mole)の攪拌懸濁液に、室温でトリエチルアミン(104ml、0.745mole)を添加して30分間攪拌した。この反応混合物にテトラヒドロフラン(100ml)中のインダン−4−オール(50gm、0.373)の溶液を室温で添加し、70〜75℃に6時間加熱した。この反応混合物に2N塩酸(600ml)を添加し、酢酸エチル(2×500ml)で抽出した。酢酸エチル層を水(300ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、さらにこれを真空下で蒸留して、粘性オイル(52.0gm)を得たが、これは保管中に固体となった。
収率:86.0%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ10.76(1H,s)、10.04(1H,s)、7.55(1H,d)、6.95(1H,d)、2.91(2H,t)、2.83(2H,t)、2.02−2.09(2H,m)。
【0164】
ステップ−II:5−メチル−インダン−4−オールの製造
メタノール(80ml)中の4−ヒドロキシ−インダン−5−カルバルデヒド(5gm)の溶液に、10%wt/wtパラジウム−チャコール(500mg)を添加した。水素気体を用いて、240−250psi(約1.65〜約1.72MPa)で、オートクレーブ中において55〜60℃で8時間水素添加を行った。反応混合物をハイフロー層で濾過して真空蒸留して、4.0gmの表題化合物を固体として得た。
収率:88.0%。
【0165】
ステップ−III:7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
【0166】
ステップ−IV:7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
【0167】
2:7−メトキシ−6−(4−メチル−ベンジル)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:4−メトキシ−インダン−5−カルバルデヒドの製造
ジメチルホルムアミド(200ml)中の4−ヒドロキシ−インダン−5−カルバルデヒド(52.0gm、0.320mole)及び炭酸カリウム(57.2gm、0.414mole)の攪拌懸濁液に、60mlのジメチルホルムアミド中のヨウ化メチル(22ml、0.351mole)の溶液を0〜5℃で添加した。この反応混合物を25〜28℃で4時間攪拌した後に水(200ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×500ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空蒸留して粗生成物を得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(3:97)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を真空下で蒸留して、30gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:53.0%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ10.26(1H,s)、7.54(1H,d)、7.12(1H,d)、3.92(3H,s)、3.01(2H,t)、2.91(2H,t)、2.03−2.10(2H,m)。
【0168】
ステップ−II:4−メトキシ−5−(4−メチル−ベンジル)−インダンの製造
60mlのジエチルエーテル中の削り屑状マグネシウム(Magnesium turning)(1.36gm、0.056mole)の攪拌懸濁液に、20mlのジエチルエーテル中の4−ブロモトルエン(8.7ml、0.071mole)を窒素雰囲気下、30〜40℃で添加した。さらに、これを30〜40℃で45分間攪拌した。この反応混合物に20mlのジエチルエーテル中の4−メトキシ−インダン−5−カルバルデヒド(5.0gm、0.0284mole)の溶液を室温で添加した。室温で1時間攪拌した後、希塩酸を添加し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して、8.0gmの粗アルコールを得て、これをトリエチルシラン(40.0ml、0.250mole)と共に取り、トリフルオロ酢酸(80ml)を0〜5℃で添加した。70℃で5時間攪拌した後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸留して粗マスを得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(3:97)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を蒸留して、5.6gmの純粋な生成物を粘性オイルとして得た。
収率:78.2%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ7.05−7.07(4H,s)、6.90(1H,d)、6.87(1H,d)、3.82(2H,s)、3.62(3H,s)、2.88(2H,t)、2.79(2H,t)、2.23(3H,s)、1.95−2.01(2H,m)。
【0169】
ステップ−III:7−メトキシ−6−(4−メチル−ベンジル)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:21%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.97(1H,s)、7.49(1H,s)、7.07(4H,s)、3.89(2H,s)、3.78(3H,s)、3.16(2H,t)、2.97(2H,t)、2.24(3H,s)、2.02−2.09(2H,m)
質量:281(M+1)。
【0170】
3.7−メトキシ−3,6−ジメチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:4−メトキシ−5−メチル−インダン−1−オンの合成
ジメチルホルムアミド(250ml)中の4−ヒドロキシ−5−メチル−インダン−1−オン(50.0gm、0.308mole)及び炭酸カリウム(127.0gm、0.928mole)の懸濁液に、硫酸ジメチル(90ml、0.928mole)を0℃で添加した。反応混合物を60〜65℃で16時間加熱攪拌した。この反応混合物を水(1リットル)に注ぎ、酢酸エチル(3×250ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して10.0gmの粗生成物を得て、移動相としてヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を真空蒸留して、45.0gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:82.5%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ7.30(1H,d)、7.27(1H,d)、3.84(3H,s)、3.12(2H,t)、2.60−2.63(2H,m)、2.31(3H,s)。
【0171】
ステップ−II:4−メトキシ−1,5−ジメチル−インダンの合成
窒素雰囲気下、30〜35℃で、ジエチルエーテル(40ml)中の削り屑状マグネシウム(2.72gm、0.113mole)の懸濁液に、ジエチルエーテル(10ml)中のヨウ化メチル(13.7ml、0.219mole)の溶液を徐々に添加した。この反応混合物を室温で1時間攪拌した後、ジエチルエーテル(30ml)中の4−メトキシ−5−メチル−インダン−1−オン(10.0gm、0.0568mole)溶液を0℃で添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌した後、希塩酸(50ml)を添加した。これを酢酸エチル(3×50ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空蒸留して10.0gmの粗アルコールを得た。得られたアルコールをトリエチルシラン(41.3ml、0.258mole)と共に取り、トリフルオロ酢酸(100ml)を0℃で添加した。反応混合物を65〜70℃で4時間攪拌し、重炭酸ナトリウム飽和溶液に注いだ。これを酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗マスを得て、移動相としてヘキサンを用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を真空下で蒸留して、5.0gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:50%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ6.96(1H,d)、6.81(1H,d)、3.69(3H,s)、3.04−3.10(1H,m)、2.87−2.94(1H,m)、2.73−2.81(1H,m)、2.21−2.28(1H,m)、2.15(3H,s)、1.46−1.55(1H,m)、1.20(3H,d)。
【0172】
ステップ−III:7−メトキシ−3,6−ジメチル−インダン−4−カルバルデヒドの合成
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:43.1%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.98(1H,s)、7.52(1H,s)、3.86(3H,s)、3.76−3.79(1H,m)、2.89−3.08(2H,m)、2.12−2.21(4H,m)、1.79−1.84(1H,m)、1.12(3H,d)。
【0173】
4:7−メトキシ−6−メチル−2−(4−ニトロ−フェノキシ)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:2−ブロモ−4−メトキシ−5−メチル−インダン−1−オンの合成
酢酸(65ml)及び臭化水素酸(1ml)中の4−メトキシ−5−メチル−インダン−1−オン(5.0gm、0.0284mole)の攪拌溶液に、5mlの酢酸中の臭素(1.47ml、0.0284mole)溶液を10〜20℃で添加した。この反応混合物を20〜25℃で1時間攪拌した。次に、これを重炭酸ナトリウム飽和溶液に注ぎ、ジエチルエーテル(3×100ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空蒸留して粗生成物を得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(5:95)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を蒸留して、3.2gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:44.2%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ7.44(1H,d)、7.38(1H,d)、5.00−5.03(1H,m)、3.89−3.97(1H,m)、3.84(3H,s)、3.31−3.36(1H,DMSO−dに存在する水ピークと併合)、2.33(3H,s)。
【0174】
ステップ−II:4−メトキシ−5−メチル−2−(4−ニトロ−フェノキシ)−インダン−1−オンの合成
ジメチルホルムアミド(15ml)中の2−ブロモ−4−メトキシ−5−メチル−インダン−1−オン(2.0gm、0.0078mole)の攪拌溶液に、4−ニトロフェノールのナトリウム塩(1.27gm、0.0078mole)を10〜15℃で添加した。25〜28℃で2時間攪拌した後、反応混合物を水(50ml)に注いだ。分離された固体を濾過し、ヘキサンで洗浄した後に真空乾燥させて、1.8gmの目的生成物を固体として得た。
収率:73.4%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ8.26(2H,d)、7.30−7.43(4H,m)、5.58(1H,dd)、3.89−3.95(1H,m)、3.85(3H,s)、3.10−3.15(1H,m)、2.34(3H,s)。
【0175】
ステップ−III:4−メトキシ−5−メチル−2−(4−ニトロ−フェノキシ)−インダンの合成
4−メトキシ−5−メチル−2−(4−ニトロ−フェノキシ)−インダン−1−オン(1.8gm、0.0057mole)及びトリエチルシラン(9.0ml、0.0564mole)の混合物に、トリフルオロ酢酸(18ml)を20〜25℃で添加した。この反応混合物を60〜65℃に3時間加熱した後、重炭酸ナトリウム飽和溶液に注いだ。これを酢酸エチル(2×100ml)で抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させて真空蒸留して粗生成物を得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(2:98)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を真空蒸留して、1.2gmの目的生成物を固体として得た。
収率:69.7%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ8.22(2H,d)、7.18(2H,d)、7.02(1H,d)、6.91(1H,d)、5.40−5.43(1H,m)、3.71(3H,s)、3.38−3.51(2H,m)、2.99−3.10(2H,m)、2.18(3H,s)。
【0176】
ステップ−IV:7−メトキシ−6−メチル−2−(4−ニトロ−フェノキシ)−インダン−4−カルバルデヒドの合成
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:93.1%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.95(1H,s)、8.19(2H,d)、7.61(1H,s)、7.19(2H,d)、5.47−5.50(1H,m)、3.88(3H,s)、3.55−3.70(2H,m)、3.42−3.46(1H,m)、3.17−3.21(1H,m)、2.25(3H,s)
質量:328(M+1)。
【0177】
5:7−メトキシ−2,2,6−トリメチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:4−メトキシ−2,2,5−トリメチル−インダン−1−オンの製造
30mlのテトラヒドロフラン中の60%水素化ナトリウム(2.72gm、0.068mole)の懸濁液に、テトラヒドロフラン(30ml)中の4−メトキシ−5−メチル−インダン−1−オン(10.0gm、0.0568mole)の溶液を0〜5℃で添加し、これにヨウ化メチル(9.09ml、0.146mole)を0℃で添加した。この反応混合物を2時間攪拌した後に水(100ml)を添加し、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸発させて粗マスを得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(3:97)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を真空蒸留して、3.0gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:25.88%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ7.31(1H,d)、7.29(1H,d)、3.83(3H,s)、3.03(2H,s)、2.30(3H,s)、1.14(6H,s)。
【0178】
ステップ−II:4−メトキシ−2,2,5−トリメチル−インダンの製造
中間体4の製造におけるステップ−IIIで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:92.3%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ6.99(1H,d)、6.79(1H,d)、3.68(3H,s)、2.70(2H,s)、2.62(2H,s)、2.14(3H,s)、1.10(6H,s)。
【0179】
ステップ−III:7−メトキシ−2,2,6−トリメチル−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:50.8%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.95(1H,s)、7.51(1H,s)、3.83(3H,s)、2.98(2H,s)、2.80(2H,s)、2.21(3H,s)、1.12(6H,s)。
【0180】
6:7−メトキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:4−メトキシ−インダン−5−カルボン酸の製造
ジクロロメタン(100ml)中の4−メトキシ−インダン−5−カルバルデヒド(11.5gm、0.065mole)の透明な溶液に、スルファミン酸(19.0gm、0.196mole)を25〜28℃で添加した。水(50ml)中の亜塩素酸ナトリウム(15.28gm、0.169mole)溶液を5〜10℃で添加した。反応混合物を25〜28℃で5時間攪拌した。最後に、反応混合物を水(200ml)に注ぎ、ジクロロメタン(2×200ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して、12.0gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:96.0%
質量:191(M−1)。
【0181】
ステップ−II:(4−メトキシ−インダン−5−イル)−ピロリジン−1−イル−メタノンの製造
テトラヒドロフラン(60ml)中の4−メトキシ−インダン−5−カルボン酸(12.0gm、0.0625mole)の透明な溶液に、カルボニルジイミダゾール(13.24gm、0.0812mole)を25〜28℃で添加した。反応混合物を65〜70℃に加熱して2時間攪拌した後、この反応混合物にテトラヒドロフラン(20ml)中のピロリジン(5.74ml、0.0687mole)溶液を10〜15℃で添加した。反応混合物を水(200ml)に注ぎ、酢酸エチル(2×100ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留した後、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(20:80)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を真空蒸留して、6.0gmの目的生成物を粘性オイルとして得た。
収率:39.2%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ6.98(2H,s)、3.74(3H,s)、3.44(2H,t)、3.13(2H,t)、2.85−2.94(4H,m)、2.01−2.06(2H,m)、1.75−1.88(4H,m)。
【0182】
ステップ−III:7−メトキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:71.7%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ10.0(1H,s)、7.60(1H,s)、3.88(3H,s)、3.46−3.49(2H,m)、3.16−3.24(4H,m)、2.97(2H,t)、2.05−2.13(2H,m)、1.80−1.92(4H,m)
質量:298(M+1)。
【0183】
7:7−メトキシ−6−(4−メトキシ−フェニル)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:6−ブロモ−7−メトキシ−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ジクロロメタン(100ml)中の4−ヒドロキシ−インダン(10.0gm、0.0746mole)及びジイソプロピルアミン(1ml)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(13.28gm、0.0746mole)を5〜15℃で徐々に添加した。この反応混合物を20時間攪拌した。ジクロロメタンを蒸留し、残渣を水(100ml)とジエチルエーテル(200ml)間に分配した。ジエチルエーテルを真空下で蒸留して粗固体(14.4gm)を得た。この固体をトリフルオロ酢酸(100ml)に溶解し、25〜28℃でヘキサミン(8.4gm、0.06mole)を添加した。さらに、反応混合物を85〜90℃に4時間加熱した。この反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和溶液に注ぎ、酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗マスを得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(3:97)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を蒸留して、7.34gmのアルデヒドを得た。最後に、ジメチルホルムアミド(30ml)中の得られたアルデヒド(7.34gm、0.0304mole)の溶液に、炭酸カリウム(6.3gm、0.0463mole)を添加して1時間攪拌した。0〜5℃で反応混合物にヨウ化メチル(2.9ml、0.0463mole)を添加し、20〜25℃で4時間攪拌した。次に、水(100ml)を添加し、ジエチルエーテル(3×100ml)で抽出した。ジエチルエーテルを硫酸ナトリウムで乾燥させて蒸留して粗生成物を得て、酢酸エチル:ヘキサン(2:98)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を真空蒸留して、1.06gmの表題化合物を固体として得た。
収率:5.5%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.97(1H,s)、7.91(1H,s)、3.91(3H,s)、3.16(2H,t)、3.03(2H,t)、2.04−2.12(2H,m)。
【0184】
ステップ−II:7−メトキシ−6−(4−メトキシ−フェニル)−インダン−4−カルバルデヒドの製造
トルエン(5ml)及び水(5ml)中の6−ブロモ−7−メトキシ−インダン−4−カルバルデヒド(0.2gm、0.00078mole)、4−メトキシフェニルボロン酸(0.122gm、0.0008mole)、及び炭酸カリウム(0.27gm、0.0019mole)の懸濁液に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2mg)を添加し、85〜90℃に加熱して6時間攪拌した。トルエンを留去して得られた残渣をジエチルエーテル(50ml)に溶解した。これを水(20ml)で洗浄して真空下でエーテルを蒸留して粗マスを得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(1:99)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。画分を蒸留して、50mgの目的生成物を固体として得た。
収率:22.7%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ10.05(1H,s)、7.65(1H,s)、7.45(2H,d)、7.01(2H,d)、3.80(3H,s)、3.61(3H,s)、3.22(2H,t)、2.99(2H,t)、2.07−2.15(2H,m)
質量:283(M+1)。
【0185】
8:6−クロロ−7−メトキシ−インダン−4−カルバルデヒドの製造
ステップ−I:5−クロロ−インダン−4−オールの製造
ジクロロメタン(140ml)中のインダン−4−オール(40.0gm、0.297mole)及びジイソプロピルアミン(4.29ml、0.029mole)の透明な溶液に、ジクロロメタン(20ml)中の塩化スルフリル(21.76ml、0.267mole)溶液を0〜5℃で添加した。反応混合物を20〜25℃で15時間攪拌し、水(200ml)に注いだ。これを酢酸エチル(2×200ml)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で蒸留して粗固体を得て、移動相として酢酸エチル:ヘキサン(2:98)を用いてカラムクロマトグラフィーで精製した。収集した画分を蒸留して、5.7gmの目的生成物を固体として得た。
収率:11.4%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.28(1H,s)、7.08(1H,d)、6.80(1H,d)、2.79−2.83(4H,m)、1.97−2.04(2H,m)。
【0186】
ステップ−II:6−クロロ−7−ヒドロキシ−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−Vで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:81.2%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ9.85(1H,s)、7.67(1H,s)、3.14(2H,t)、2.81(2H,t)、1.99−2.04(2H,m)。
【0187】
ステップ−III:6−クロロ−7−メトキシ−インダン−4−カルバルデヒドの製造
中間体1の製造における方法−1のステップ−VIで説明した工程と同様の工程で表題化合物を製造した。
収率:55.7%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ10.04(1H,s)、7.84(1H,s)、3.98(3H,s)、3.24(2H,t)、3.08(2H,t)、2.11−2.19(2H,m)
質量:211(M+1)。
【0188】
9:7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−オールの製造
メタノール(20ml)中の7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−カルバルデヒド(1.0gm、0.0060mole)の攪拌溶液に、硫酸(0.6ml)を室温で添加した。この反応混合物に30%過酸化水素(1.6ml)を添加し、0℃で1時間攪拌した。真空下でメタノールを蒸留し、残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、さらに酢酸エチル層を水で洗浄した後に蒸発させて粗生成物を得て、これをヘキサンを用いて粉砕して、600mgの表題化合物を固体として得た。
収率:56%
NMR(400mhz,DMSO−d):δ8.78(1H,s)、6.37(1H,s)、3.58(3H,s)、2.81(2H,t)、2.69(2H,t)、2.09(3H,s)、1.95−1.98(2H,m)
質量:177(M−1)。
【0189】
前述の反応式に言及された工程で下記化合物を製造した。
【0190】
【表1】














【0191】
下記化合物も前述の工程で製造することができる。
【0192】
(86) 3−[4−(1H−インドール−5−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(87) [4−(1H−インドール−5−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(88) 2−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(89) 1−{2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸
(90) [3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−ピロリジン−1−イルメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(91) 3−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−ピロリジン−1−イルメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(92) 3−[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メトキシメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(93) {3,5−ジエチル−4−[7−ヒドロキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−イルメチル]−ピラゾール−1−イル}−酢酸
(94) [3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メトキシメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(95) 3−{3,5−ジエチル−4−[7−ヒドロキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−イルメチル]−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(96) N−(4−クロロ−フェニル)−2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−アセトアミド。
【0193】
(生物学的活性)
代謝的に活性な甲状腺類似化合物が食欲にほとんど又は全く影響を及ぼさないだけでなく、甲状腺受容体に対する親和力も低いという考察によれば、甲状腺類似化合物は、肥満、脂質異常症、アテローム性動脈硬化症、インシュリン耐性、代謝性症候群などの様々な代謝性疾患の治療にさらに効果的なものである。そこで、O2消費(代謝効果)、LDLコレステロール、葡萄糖レベル、インシュリンレベル、及び食物消費(食欲促進剤)に及ぼす本発明化合物の影響を試験し、TRα1及びTRβ1に対するインビトロTRE(甲状腺受容体要素)レポーターアッセイにより、甲状腺ホルモン受容体の転写活性も評価した。
【0194】
甲状腺ホルモン受容体(THR):THRα1及びTHRβ1の転写活性に及ぼす化合物の効果
分析手順:
COS7細胞をpGAL4(ベータガラクトシダーゼ)/甲状腺α1又はpGAL4/甲状腺β1及びpLucPurで一時的にトランスフェクションした。トランスフェクション効率を正規化するために、前記細胞をpLacZNormで共トランスフェクションした。次に、前記トランスフェクションされた細胞を濃度の異なる本発明の化合物と賦形剤を用いて24時間処理した。
【0195】
細胞を溶解(lysed)させ、全ての試料に対してルシフェラーゼ活性をモニタした。結果を賦形剤対照群と比較してフォールド活性化として示した。
【0196】
結果:COS7細胞における甲状腺(α1/β1)トランス活性化
【0197】
【表2】

【0198】
実験条件下で本発明の化合物は、T3及びT2に比べて、有意にさらに低いTHR(α1)又はTHR(β1)の転写活性化を示す。
【0199】
生体内分析
実験−1
酸素消費、食物消費、及び心臓重量に及ぼす化合物の効果
方法論:
8〜12週間高脂肪食(45%kcal脂肪)を与えたC57BL6マウス(14〜18週齢)を研究に使用した。マウスを1週間個別のハウジングに入れておいた。次いで、マウスをオキシマックス(oxymax)ケージに入れ、48時間環境に順応させた。開放回路間接熱量計(Oxymax, Columbus Instruments, USA)を用いて、各マウスにおける酸素消費量及び二酸化炭素発生量の基礎記録を行った(Ling fuら, Endocrinology(2004);145(6);2591−3)。体重と基礎酸素消費量に基づいて、マウスをランダムに次の2つの群に分けた。
I)賦形剤処理群
II)試験化合物処理群
【0200】
マウスを7〜15日にわたって賦形剤と試験化合物で腹腔に処理した。8日目に、薬物処理30分後に各マウスに対して酸素消費量を測定し、賦形剤に対する%変化値を算出した。
【0201】
実験期間中、毎日食物消費量をモニタした。実験の最後に動物を犠牲にして心臓重量を記録した。
結果:
【0202】
【表3】

【0203】
酸素消費量の変化の場合:*=<5%増加、**=>5%増加
食物消費量の変化の場合:+=5〜10%増加、++=10〜20%増加、
+++=>20%増加
心臓重量の変化の場合:+=10〜15%増加、++=15〜20%増加、
+++=>20%増加
【0204】
本発明の試験化合物は、食物消費量に有意な影響を及ぼさず、O2消費量を増加させた。
【0205】
実験−2:
体重、LDLコレステロール、OGTT、空腹時の血糖レベル、及び空腹時のインシュリンレベルに及ぼす化合物の効果:
方法論:
雄性C57BL6マウスに高脂肪食を与えた(Research Diet, New Brunswick, NJ)。マウスを12時間明/暗周期で温度が制御される施設(22±2℃)で1ケージ当たり3頭ずつ飼育した。薬物治療を開始する前に、マウスに高脂肪食(45%kcal)を8〜12週間与えた。
【0206】
DIO(食餌誘導性肥満)マウスをケージからランダムに選択し、体重と年齢に基づいて各群15頭の3群に編成した。
【0207】
I群 賦形剤(10ml/kg)
II群 投与量1
III群 投与量2
基礎パラメータをモニタする前に、約2週間全てのマウスに賦形剤(0.02Mリン酸水素二ナトリウム、10ml/kg i.p.、b.i.d)を投与することにより、治療に順応させた。次いで、マウスを化学式(I)の試験化合物A又はBで6〜12週間異なる投与量で治療した。治療化合物は腹腔b.i.dで投与した。体重、体脂肪、LDLコレステロール、OGTT、空腹時の血糖レベル、及び空腹時のインシュリンレベルの変化に対する6〜12週間の治療効果をモニタした。
【0208】
インシュリン耐性指数、すなわちHOMA−IRを下記式により算出した。
【0209】
HOMA_IR点数=
空腹時の血清インシュリン(μU/ml)×空腹時の血清葡萄糖(mmol/l)/22.5
結果:
【0210】
【表4】

【0211】
結論:
試験化合物AとBを用いた6〜12週間の治療は、賦形剤と比較して、体重、体脂肪、LDLコレステロール、空腹時の血中葡萄糖レベル、インシュリンを有意に減少させ、インシュリン耐性を改善することが明らかになった。また、図1は試験化合物が実験動物において耐糖能を改善したことを示す。
【0212】
全体的に、本発明の化合物は、脂質異常症、インシュリン耐性、II型糖尿病、肥満、代謝性症候群などの様々な代謝性疾患に有用であるものと結論付けられる。
【0213】
参考文献:
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Ling fuら, Endocrinology (2004);145(6):2591−3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容可能な塩及びそれらの水和物、溶媒和物、アトロプ異性体、位置異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、多形体、及びプロドラッグ
【化1】

(式中、R及びRは、同一であるか異なり、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、CF、−O−(C−C)アルキル、−CO−(C−C)アルキル、COOH、−CONH−(C−C)アルキル、−CONH−アリール、−NH2、−CONH−R、−CONR、−C−Cアルキル−アリール、−(C−C)アルキル−R、−NH−(C−C)アルキル、−NHアリール、−NH−SO−(C−C)アルキル、−CH−NH−(C−C)アルキル、−CH−O−(C−C)アルキル、−C−Cアルキル−NR、R、Rから選択されるが、ここで、C−Cアルキル及びC−Cシクロアルキルは、(C−C)アルキル、ハロ、シアノ、−OH、オキソ、−COOH、−O−(C−C)アルキル、−O−ベンジル、−COO−(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、又は−CHNRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、−C(O)−(C−C)アルキル−COOH、−(C−C)アルキル−COOH、−C(O)−(C−C)アルキル−COO−アルキル、−C(O)−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル−NH−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)NR、−C(O)NH−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキルアリール、−C(O)−(C−C)アルキル−R、R、Rから選択されるが、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルは、ペルハロアルキル、オキソ、−C(O)OH、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)−O−(C−C)アルキル−R、−CONH2、−CONH(C−C)アルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−R、−CONR−CONHNH、−C(=NH)NH−(C−C)アルキル、−C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、−C(O)−R、−C(O)NHSO(C−C)アルキル、−C(O)NHSO−アリール、−C(O)NHOH、−C(O)NHSO−R、−C(O)NHNH−(C−C)アルキル、−C(O)NHNH−アリール、−CONH−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)NH−(C−C)アルキル−R、−CHNR、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−O−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−(C−C)アルキルアリール、−NHC(O)−R、−NH−C(O)NR、−NH−C(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル、−NH−SO−アリール、−NH−SO−R、ハロ、シアノ、−OH、−O−(C−C)アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C−C)アルキル−アリール、−SOH、−SONH−アリール、−SONH−R、又は−SONH−(C−C)アルキル、R又はRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、これが結合された窒素原子と共に飽和又は不飽和の(C−C)員環を形成するが、この環は、O、N又はSから選択された1−2つのヘテロ原子をさらに含んでもよく、オキソ、−COOH、ハロ、−OH、−O−(C−C)アルキル、又は−(C−C)アルキルから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、フェニル又はO、NもしくはSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む5−8員ヘテロアリールから選択されるが、前記ヘテロアリール又はフェニル環は、ハロゲン、−OH、−O−(C−C)アルキル、−ペルハロアルキル、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−SO(C−C)アルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−CONH(C−C)アルキル、ニトロ、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHSO(C−C)アルキル、−CONH、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、O、N又はSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む3〜6員複素環であり、前記複素環はオキソ、ハロゲン、−O−(C−C)アルキル、−OH、−CF、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−CONH、−SOアリール(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、その窒素原子を介して結合されたアミノ酸であり、
Z=O、CH又はNHであり、
は、P、Q又はTから選択され、
【化2】

は、−OH、−O−アルキル、−OSO3H、ハロゲン、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)NHR、−OC(O)−(C−C)アルキル、−O−ペルハロアルキル、−OC(O)O−(C−C)アルキル、−CONR、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−アリール、−NHSO−(C−C)アルキル、−NHSO−アリール、−NHCONR、又は、
【化3】

から選択され、
10は、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHSO2−(C−C)アルキル又は−NH−SO−アリールから選択され、
11は、−CO−(C−C)アルキル、−SO2−(C−C)アルキル又は−SO−アリールであり、
G’は、H、ハロゲン又は(C−C)アルキルから選択され、
G’’は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ハロゲン、ペルハロアルキル、CN、CHO、−(C−C)アルキルアリール、−(C−C)アルキル−O−(C−C)アルキル、−CH、−CHアリール、−CHNR、−COOH、−C(O)O(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−SONR、−SONH−(C−C)アルキル、−SONH−アリールから選択され、nは、1又は2でもよいが、RがQであると、RはR及びRではない)。
【請求項2】
は、P又はTから選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の群から選択される化合物:
(1) 3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(2) 3−[4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(3) 7−[3,5−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−インダン−4−オール
(4) : 7−{3,5−ジメチル−1−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチル]−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−インダン−4−オール
(5) {2−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセチルアミノ}−酢酸
(6) : 2−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−N−(1H−テトラゾール−5−イル)−アセトアミド
(7) 3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸及び3−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(8) 7−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−3−チオフェン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−インダン−4−オール及び7−[1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−5−チオフェン−2−イル−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−インダン−4−オール
(9) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(10) 5−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−1H−ピラゾール−3−オール
(11) 2−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(12) 7−[1−(2−ヒドロキシ−エチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−5−メチル−インダン−4−オール
(13) [4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(14) 3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(15) 7−[3,5−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−5−メチル−インダン−4−オール
(16) 7−[3,5−ジイソプロピル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−5−メチル−インダン−4−オール
(17) 3−[3,5−ジシクロプロピル−4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(18) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジイソプロピル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(19) [3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(20) 3−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(21) 7−[3,5−ジエチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルメチル]−5−メチル−インダン−4−オール
(22) [3,5−ジシクロプロピル−4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(23) 3−[3,5−ジエチル−4−(1H−インドール−5−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(24) 2−[4−(1H−インドール−5−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−エタノール
(25) [4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(26) 3−[4−(6−クロロ−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジエチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(27) [4−(6−クロロ−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジエチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(28) 3−{4−[7−ヒドロキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(29) 3−[4−(6−クロロ−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(30) 1−{2−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸
(31) 7−[3,5−ジメチル−1−(1H−テトラゾール−5−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イルオキシ]−5−メチル−インダン−4−オール
(32) [4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジイソプロピル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(33) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−N−イソプロピル−プロピオンアミド
(34) [4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(35) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(36) 4−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酪酸
(37) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−N−(1H−テトラゾール−5−イル)−プロピオンアミド
(38) 5−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
(39) 7−{3,5−ジメチル−1−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)−エチル]−1H−ピラゾール−4−イルメチル}−5−メチル−インダン−4−オール
(40) {2−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセチルアミノ}−酢酸
(41) 5−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−1H−ピラゾール−3−オール
(42) 5−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イルメチル]−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
(43) 5−{2−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−エチル}−3H−[1,3,4]オキサジアゾール−2−オン
(44) {2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−アセチルアミノ}−酢酸
(45) 6−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−2−メチル−3H−ピリミジン−4−オン
(46) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オール
(47) 7−(1−ベンジル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イルメチル)−5−メチル−インダン−4−オール
(48) 3−{4−[7−ヒドロキシ−6−(4−メチル−ベンジル)−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(49) 2−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(50) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−イソプロピル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(51) {4−[7−ヒドロキシ−6−(4−メチル−ベンジル)−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−酢酸
(52) 3−{4−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(53) {4−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−酢酸
(54) 4−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酪酸のナトリウム塩
(55) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸のマグネシウム塩
(56) 3−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸のナトリウム塩
(57) 3−{3,5−ジエチル−4−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル]−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(58) 3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−3−オキソ−プロピオン酸エチルエステル
(59) [3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸ヒドラジド
(60) N−ヒドロキシ−2−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−アセトアミジン
(61) [4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−オキソ−酢酸エチルエステル
(62) [4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−モルホリン−4−イル−メタノン
(63) 1−(4−クロロ−フェニル)−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール
(64) 2−(4−メタンスルホニル−フェニル)−1−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−エタノン
(65) 4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−カルボン酸エチルエステル
(66) プロパン−2−スルホン酸{3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオニル}−アミド
(67) 3−[5−エトキシ−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3−メチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸又は3−[3−エトキシ−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−5−メチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(68) [4−(7−ヒドロキシ−3,6−ジメチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(69) 2−[4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イルメチル]−ペンタン二酸
(70) [4−(7−メトキシ−2,2,6−トリメチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(71) N−{2−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−エチル}−アセトアミド
(72) N−{2−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−エチル}−メタンスルホンアミド
(73) 4−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン
(74) {3,5−ジエチル−4−[6−(4−フルオロ−ベンジル)−7−ヒドロキシ−インダン−4−イルメチル]−ピラゾール−1−イル}−酢酸
(75) 3−{4−[7−メトキシ−6−(4−メトキシ−フェニル)−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(76) 2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド
(77) 3−[4−(7−エトキシカルボニルオキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸メチルエステル
(78) [3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸のナトリウム塩
(79) 3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3−メチル−5−リフルオロメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸及び3−[4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−5−メチル−3−リフルオロメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(80) [4−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イルメチル)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(81) [4−(7−クロロ−インダン−4−イルオキシ)−3−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−酢酸及び[4−(7−クロロ−インダン−4−イルオキシ)−5−チオフェン−2−イル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(82) {4−[7−メトキシ−6−メチル−2−(4−ニトロ−フェノキシ)−インダン−4−イルメチル]−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル}−酢酸
(83) [5−アミノ−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−3−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸及び[3−アミノ−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−5−(4−メトキシ−フェニル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(84) 2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−N−(1H−テトラゾール−5−イル)−アセトアミド
(85) 1−カルボキシメチル−5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸及び2−カルボキシメチル−5−(5−クロロ−チオフェン−2−イル)−4−(7−メトキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−2H−ピラゾール−3−カルボン酸
(86) 3−[4−(1H−インドール−5−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(87) [4−(1H−インドール−5−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(88) 2−[4−(7−ヒドロキシ−インダン−4−イルオキシ)−3,5−ジメチル−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(89) 1−{2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−アセチル}−ピロリジン−2−カルボン酸
(90) [3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−ピロリジン−1−イルメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(91) 3−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−ピロリジン−1−イルメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(92) 3−[3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メトキシメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−プロピオン酸
(93) {3,5−ジエチル−4−[7−ヒドロキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−イルメチル]−ピラゾール−1−イル}−酢酸
(94) [3,5−ジエチル−4−(7−メトキシ−6−メトキシメチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−酢酸
(95) 3−{3,5−ジエチル−4−[7−ヒドロキシ−6−(ピロリジン−1−カルボニル)−インダン−4−イルメチル]−ピラゾール−1−イル}−プロピオン酸
(96) N−(4−クロロ−フェニル)−2−[3,5−ジエチル−4−(7−ヒドロキシ−6−メチル−インダン−4−イルメチル)−ピラゾール−1−イル]−アセトアミド。
【請求項4】
請求項1又は3に記載の少なくとも1つの化合物の治療的有効量と任意に薬学的に許容可能な塩、希釈剤又は担体を含有する薬学的組成物。
【請求項5】
ヒトを含む生きている哺乳動物において、肥満治療用の薬剤の製造における請求項1又は3に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項6】
ヒトを含む生きている哺乳動物において、インシュリン耐性の軽減及び/又はフランク糖尿病への進行を予防又は遅延させるための薬剤の製造における請求項1又は3に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項7】
ヒトを含む生きている哺乳動物において、脂質異常症の予防及び治療のための薬剤の製造における請求項1又は3に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項8】
ヒトを含む生きている哺乳動物において、代謝性症候群の予防及び治療のための薬剤の製造における請求項1又は3に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項9】
ヒトを含む生きている哺乳動物において、不適切な甲状腺ホルモン活性に関連する疾病又は障害の予防及び治療のための薬剤の製造における請求項1又は3に記載の少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項10】
前記疾病又は障害は、1)脂肪の蓄積過剰、ミトコンドリア機能変形に関連する疾病又は障害に連関した症状、2)血液又は組織脂質レベルの不均衡による脂質障害、3)耐糖能異常、4)II型糖尿病、5)甲状腺機能低下症がある高齢患者における代替療法、6)うつ病、7)心血管疾患、及び8)皮膚疾患から選択される請求項9に記載の使用。
【請求項11】
ヒトを含む生きている哺乳動物に請求項1又は3に記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む生きている哺乳動物における肥満の治療方法。
【請求項12】
ヒトを含む生きている哺乳動物に請求項1又は3に記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む生きている哺乳動物において、インシュリン耐性の軽減及び/又はフランク糖尿病への進行を予防又は遅延させるための方法。
【請求項13】
ヒトを含む生きている哺乳動物に請求項1又は3に記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む生きている哺乳動物における脂質異常症を予防及び治療する方法。
【請求項14】
ヒトを含む生きている哺乳動物に請求項1又は3に記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む生きている哺乳動物における代謝性症候群を予防及び治療する方法。
【請求項15】
ヒトを含む生きている哺乳動物に請求項1又は3に記載の化合物の治療的有効量を投与することを含む、ヒトを含む生きている哺乳動物における不適切な甲状腺ホルモン活性に関連する疾病又は障害を予防及び治療する方法。
【請求項16】
前記疾病又は障害は、1)脂肪の蓄積過剰、ミトコンドリア機能変形に関連する疾病又は障害に連関した症状、2)血液又は組織脂質レベルの不均衡による脂質障害、3)耐糖能異常、4)II型糖尿病、5)甲状腺機能低下症がある高齢患者における代替療法、6)うつ病、7)心血管疾患、及び8)皮膚疾患から選択される請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ヒトを含む生きている哺乳動物に治療的有効量の化合物を投与することにより、肥満、インシュリン耐性、脂質異常症、代謝症候群、II型糖尿病、甲状腺機能低下症がある高齢の患者に対する代替療法、うつ病、心血管系疾患及び皮膚疾患から選択される不適切な甲状腺ホルモン活性に関する疾病状態を治療するための、化学式(IA)の化合物及びそれらの薬学的に許容可能な塩及びそれらの水和物、溶媒和物、アトロプ異性体、位置異性体、鏡像異性体、ジアステレオマー、互変異性体、多形体、及びプロドラッグの使用
【化4】

(式中、、R及びRは、同一であるか異なり、独立して、H、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、ハロ、CN、CF、−O−(C−C)アルキル、−CO−(C−C)アルキル、COOH、−CONH−(C−C)アルキル、−CONH−アリール、−NH2、−CONH−R、−CONR、−C−Cアルキル−アリール、−(C−C)アルキル−R、−NH−(C−C)アルキル、−NHアリール、−NH−SO−(C−C)アルキル、−CH−NH−(C−C)アルキル、−CH−O−(C−C)アルキル、−C−Cアルキル−NR、R、Rから選択されるが、ここで、C−Cアルキル及びC−Cシクロアルキルは、(C−C)アルキル、ハロ、シアノ、−OH、オキソ、−COOH、−O−(C−C)アルキル、−O−ベンジル、−COO−(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−CONH−アリール、−CONH−ヘテロアリール、又は−CHNRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニル、−C(O)−(C−C)アルキル−COOH、−(C−C)アルキル−COOH、−C(O)−(C−C)アルキル−COO−アルキル、−C(O)−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキル−NH−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)NR、−C(O)NH−(C−C)アルキル、−C(O)−(C−C)アルキルアリール、−C(O)−(C−C)アルキル−R、R、Rから選択されるが、ここで、前記(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルケニル、(C−C)アルキニルは、ペルハロアルキル、オキソ、−C(O)OH、−C(O)−O−(C−C)アルキル、−C(O)−O−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)−O−(C−C)アルキル−R、−CONH2、−CONH(C−C)アルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−R、−CONR−CONHNH、−C(=NH)NH−(C−C)アルキル、−C(=NH)NH、C(=NH)NHOH、−C(O)−R、−C(O)NHSO(C−C)アルキル、−C(O)NHSO−アリール、−C(O)NHOH、−C(O)NHSO−R、−C(O)NHNH−(C−C)アルキル、−C(O)NHNH−アリール、−CONH−(C−C)アルキル−アリール、−C(O)NH−(C−C)アルキル−R、−CHNR、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−O−(C−C)アルキル、−NH−C(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHC(O)−(C−C)アルキルアリール、−NHC(O)−R、−NH−C(O)NR、−NH−C(O)NH−アリール、−NHC(O)NH−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル、−NH−SO−アリール、−NH−SO−R、ハロ、シアノ、−OH、−O−(C−C)アルキル、−O−アリール、−O−ヘテロアリール、−O−(C−C)アルキル−アリール、−SOH、−SONH−アリール、−SONH−R、又は−SONH−(C−C)アルキル、R又はRから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、これが結合された窒素原子と共に飽和又は不飽和の(C−C)員環を形成するが、この環は、O、N又はSから選択された1−2つのヘテロ原子をさらに含んでもよく、オキソ、−COOH、ハロ、−OH、−O−(C−C)アルキル、又は−(C−C)アルキルから選択された1つ以上の置換基により任意に置換されてもよく、
は、フェニル又はO、NもしくはSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む5−8員ヘテロアリールから選択されるが、ここで、前記ヘテロアリール又はフェニル環は、ハロゲン、−OH、−O−(C−C)アルキル、−ペルハロアルキル、−(C−C)アルキル、−(C−C)シクロアルキル、−SO(C−C)アルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−CONH(C−C)アルキル、ニトロ、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−NHSO(C−C)アルキル、−CONH、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよい。
は、O、N又はSから選択されたヘテロ原子を1−4つ含む3−6員複素環であり、前記複素環は、オキソ、ハロゲン、−O−(C−C)アルキル、−OH、−CF、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、シアノ、−COOH、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)O−CH−アリール、−C(O)O−アリール、−NH、−NH−(C−C)アルキル、−NHC(O)−(C−C)アルキル、−NHC(O)−アリール、−CONH、−SOアリール(C−C)アルキル、−SO−(C−C)アルキル、−NHSO(C−C)アルキル又は−CORから選択された少なくとも1つの置換基により任意に置換されてもよく、
は、その窒素原子を介して結合されたアミノ酸であり、
Z=O、CH又はNHであり、
は、P、Q又はTから選択され、
【化5】

は、−OH、−O−アルキル、−OSO3H、ハロゲン、−C(O)O−(C−C)アルキル、−C(O)NHR、−OC(O)−(C−C)アルキル、−O−ペルハロアルキル、−OC(O)O−(C−C)アルキル、−CONR、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−−(C−C)アルキル、−NHC(O)−O−アリール、−NHSO−(C−C)アルキル、−NHSO−アリール、−NHCONR、又は
【化6】

から選択され、
10は、H、ハロゲン、(C−C)アルキル、アルコキシ、アリールオキシ、−NHCO−(C−C)アルキル、−NHSO2−(C−C)アルキル又は−NH−SO−アリールから選択され、
11は、H、(C−C)アルキル、−CO−(C−C)アルキル、−SO2−(C−C)アルキル又は−SO−アリールから選択され、
G’は、H、ハロゲン又は(C−C)アルキルから選択され、
G’’は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、ハロゲン、ペルハロアルキル、CN、CHO、−(C−C)アルキルアリール、−(C−C)アルキル−O−(C−C)アルキル、−CH、−CHアリール、−CHNR、−COOH、−C(O)O(C−C)アルキル、−CONH−(C−C)アルキル、−CONR、−SONR、−SONH−(C−C)アルキル、−SONH−アリールから選択され、nは、1又は2である)。
【請求項18】
(i)適切な溶媒中、適切な塩基存在下に、以下の化学式(II)の化合物
【化7】

を化学式
−Y
(式中、Yは離脱基、好ましくはハロゲンである)の化合物と反応させる段階、
又は
(ii)以下の化学式(III)もしくは(IX)の化合物
【化8】

をヒドラジン水和物もしくは以下の化学式を有する適切に置換されたヒドラジンと反応させる段階、
NH NH
又は、
(iii)適切な溶媒中、適切な塩基の存在下に、以下の化学式(XIII)の化合物
【化9】

を以下の化学式(V)の化合物
【化10】

と反応させた後、適切な還元剤に還元させる段階、又は、
(iv)適切な溶媒中、適切な塩基の存在下に、以下の化学式(XV)の化合物
【化11】

(式中、Yは離脱基、好ましくはハロゲンである)
を以下の化学式(V)の化合物
【化12】

と反応させる段階、又は、
(v)塩基の存在下に、以下の化学式(IV)の化合物
【化13】

をROHもしくはRNH
と反応させる段階
を含む(式中、R、R、R、及びRは、請求項1における定義と同様である)、請求項1に記載の化合物の製造方法。
【請求項19】
本発明の明細書に添付された実施例に関して説明された、化学式(I)の化合物、その製造方法及び医薬。

【図1】
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【公表番号】特表2010−529108(P2010−529108A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510961(P2010−510961)
【出願日】平成20年6月2日(2008.6.2)
【国際出願番号】PCT/IN2008/000345
【国際公開番号】WO2008/149379
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(510003117)トレント ファーマシューティカルズ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】