説明

映像センサ及びその製造方法

【課題】3次元の立体カラー映像を支援する映像センサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】映像センサ及びその製造方法は、基板上にカラーピクセル及び距離ピクセルを形成し、距離ピクセル上に可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させる第1フィルタを形成し、カラーピクセル上に可視光帯域の波長の光を透過させる第2フィルタを形成する。また、第1及び第2フィルタの上部面と離隔されながら該第1及び第2フィルタと対向するように配置され、少なくとも可視光帯域及び近赤外線帯域の波長の光を透過させ、近赤外線帯域の臨界長波長より短い波長の光を透過させる遮断フィルタを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像センサ及びその製造方法に関し、より詳細には、同一のチップ内で映像情報と距離情報を提供する立体カラー用の映像センサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にCMOSイメージセンサは2次元のカラー映像情報を提供する。一方、3次元距離センサの場合には3次元の立体情報、即ち距離情報を提供する。3次元距離センサは光源に近赤外線を使うため、距離情報及び白黒映像情報だけを提供し、カラー映像情報は提供することができない。
【0003】
このような理由で、同一のチップ内でカラー映像情報及び距離情報を同時に提供する立体カラー映像センサが要求されている。立体カラー映像センサを実現するためには、立体カラー映像センサのカラーピクセルセンサ部位と距離ピクセルセンサ部位にそれぞれ入射する光の波長が変わらなければならい。即ち、立体カラー映像センサを実現するために、カラーピクセルセンサ部位には可視光線だけが入射し、距離ピクセルセンサ部位には近赤外線だけが入射するようにしなければならない。しかし、同一のチップ内で領域別に異なる波長の光を入射させることは容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願公開第2000−0019252号
【特許文献2】韓国特許出願公開2002−0017853号明細書
【特許文献3】国際特許出願公開第2000−0043814号
【特許文献4】特開2008−058427号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、立体カラー用の映像センサを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、この映像センサの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による映像センサは、基板上に形成されたカラーピクセル及び距離ピクセルが備わる。前記距離ピクセル上には、少なくとも可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させる第1フィルタが備わる。前記カラーピクセル上には、前記可視光帯域の波長の光を選択的に透過させる第2フィルタが備わる。また、前記第1及び第2フィルタ上部面と離隔されながら該第1及び第2フィルタと対向するように配置され、少なくとも可視光帯域及び近赤外線帯域の波長の光を透過させ、該近赤外線帯域の臨界長波長より短い波長の光を透過させる遮断フィルタが備わる。
【0008】
本発明の一実施形態で、前記基板上に位置するカラーピクセル及び距離ピクセルと、第1フィルタ及び第2フィルタは、一つのイメージセンサチップで具現される。
【0009】
本発明の一実施形態で、前記イメージセンサチップと離隔されてレンズモジュールが更に備わる。
【0010】
本発明の一実施形態で、前記遮断フィルタは400〜900nmの波長だけを選択的に透過させ、前記第1フィルタは800nm以上の波長を選択的に透過させる。
【0011】
本発明の一実施形態で、前記遮断フィルタは400〜700nm及び800〜900の波長だけを選択的に透過させ、前記第1フィルタは700nm以上の波長を選択的に透過させる。
【0012】
本発明の一実施形態で、前記遮断フィルタはシリコン酸化物とチタニウム酸化物が反復積層された構造を有する。
【0013】
本発明の一実施形態で、前記第1フィルタは、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、黄色顔料のうちの少なくとも2つの顔料が混合されたフォトレジストからなる。
【0014】
本発明の一実施形態で、前記第1フィルタは、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、カラー顔料及びカラー染料のうちの少なくとも一つを混合した物質からなることができる。
【0015】
上記目的を達成するためになされた本発明の一特徴による映像センサ製造方法は、基板上にカラーピクセル及び距離ピクセルを形成する段階と、前記距離ピクセル上に、可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させる第1フィルタを形成する段階と、前記カラーピクセル上に、前記可視光帯域の波長の光を透過させる第2フィルタを形成する段階と、前記第1及び第2フィルタ上部面と離隔されながら該第1及び第2フィルタと対向するように配置され、少なくとも可視光帯域及び近赤外線帯域の波長の光を透過させ、該近赤外線帯域の臨界長波長より短い波長の光を透過させる遮断フィルタを形成する段階と、を有する。
【0016】
本発明の一実施形態で、前記第1フィルタを形成する段階は、前記基板上に、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、黄色顔料からなる群より選択された少なくとも2つの顔料を混合した顔料混合物が含まれたフォトレジストをコーティングしてフィルタ膜を形成する段階と、前記コーティングされたフィルタ膜を写真工程によってパターニングする段階と、を含む。
【0017】
本発明の一実施形態で、前記第1フィルタを形成する段階は、前記基板上に、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、黄色顔料からなる群より選択された少なくとも2つの顔料と、赤色染料、緑色染料、青色染料のうちの少なくとも1つの染料とを混合したフォトレジストをコーティングしてフィルタ膜を形成する段階と、前記コーティングされたフィルタ膜を写真工程によってパターニングする段階と、を含む。
【0018】
本発明の一実施形態で、前記第1フィルタを形成する段階は、前記基板上に、可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させるフィルタ膜を形成する段階と、前記フィルタ膜上にエッチングマスクパターンを形成する段階と、前記エッチングマスクパターンを用いて前記フィルタ膜をエッチングする段階と、を含む。
【0019】
前記フィルタ膜は、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、カラー顔料及びカラー染料のうちの少なくとも一つを混合した物質を用いて形成することができる。
【0020】
本発明の一実施形態で、前記第1フィルタを形成する段階は、前記基板上に、可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させるフィルタ膜を形成する段階と、前記フィルタ膜上部面に、インプリント用モールドパターンを接触させながら圧力を加えてフィルタ膜パターンを形成する段階と、前記フィルタ膜パターンから前記インプリント用モールドパターンを分離させる段階と、前記フィルタ膜パターンの間の残留物(residues)を除去する段階と、を含む。
【0021】
前記フィルタ膜は、インプリンティングレジンに、カラー顔料及びカラー染料のうちの少なくとも一つを混合した物質を用いて形成することができる。
【0022】
本発明の一実施形態で、前記遮断フィルタは異なる屈折率を有する無機物を繰り返して蒸着させて形成することができる。
【0023】
前記遮断フィルタはシリコン酸化物とチタニウム酸化物を反復積層させて形成することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明による立体カラー用の映像センサは3次元のカラー映像を提供し、この立体カラー用の映像センサは簡単な工程を通じて製造することができる。立体カラー映像センサはカメラのような映像デジタル機器に適用することによって実感できる映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態1による立体カラー映像センサの概略的な構成図である。
【図2】図1に示した立体カラー映像センサの断面図である。
【図3】図1に示した立体カラー映像センサに含まれるフィルタの透過特性を示す図である。
【図4】図1に示した立体カラー映像センサに含まれるイメージセンサにおけるフィルタ配置図である。
【図5】図2に示した立体カラー映像センサ映像を製造するための方法を示した断面図である。
【図6】図2に示した立体カラー映像センサ映像を製造するための方法を示した断面図である。
【図7】図2に示した立体カラー映像センサ映像を製造するための方法を示した断面図である。
【図8】図2に示した立体カラー映像センサ映像を製造するための方法を示した断面図である。
【図9】図2に示した立体カラー映像センサ映像を製造するための方法を示した断面図である。
【図10】サンプル1の第1フィルタの分光特性を示す図である。
【図11】サンプル2の遮断フィルタの分光特性を示す図である。
【図12】本発明の実施形態2による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【図13】図12に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図14】図12に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図15】サンプル3の第1フィルタの分光特性を示す図である。
【図16】本発明の実施形態3による立体カラー映像センサを示した断面図である。
【図17】図16に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図18】図16に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図19】図16に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図20】本発明の実施形態4による立体カラー映像センサを示した断面図である。
【図21】図20に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図22】図20に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図23】図20に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図24】図20に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図25】図20に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示した断面図である。
【図26】本発明の実施形態5による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【図27】本発明の実施形態5による立体カラー映像センサに含まれるフィルタの透過特性を示す図である。
【図28】サンプル6の遮断フィルタの分光特性を示す図である。
【図29】本発明の実施形態6による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【図30】本発明の実施形態6による立体カラー映像センサに含まれるフィルタの透過特性を示す図である。
【図31】映像情報と距離情報を同時に提供する立体カラー映像イメージセンサが含まれた携帯電話の外形図である。
【図32】映像情報と距離情報を同時に提供する立体カラー映像イメージセンサを有するシステムのブロックダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本明細書で説明する各図面において、構造物のサイズは本発明の明確性を期するために実際より拡大して示している。
【0027】
本明細書で、第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するために使用することができるが、これらの構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的に使用することができる。
【0028】
本明細書で使用する用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用するものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、「含む」又は「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものなどの存在、又は付加の可能性を、予め排除しないことと理解すべきである。
【0029】
本明細書において、各階(膜)、領域、電極、パターン、又は構造物が対象物、基板、各階(膜)、領域、電極、又はパターンの「上に」、「上部に」、又は「下部」に形成されると言及する場合には、各階(膜)、領域、電極、パターン、又は構造物が直接、基板、各階(膜)、領域、又はパターン上に形成されたり、下に位置することを意味したり、他の層(膜)、他の領域、他の電極、他のパターン、又は他の構造物が対象物や基板上に追加的に形成されたりする。
【0030】
本明細書で開示する本発明の実施形態に対して、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明の実施形態を説明するための目的で例示するものであり、本発明の実施形態は、多様な形態で実施可能であって、本明細書で説明する実施形態に限定されるものではない。
【0031】
即ち、本発明は、多様な変更を加えることができ、種々な形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示して本明細書に詳細に説明したものである。これは本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物、或いは代替物を含むものと理解すべきである。
【0032】
以下、本発明の立体カラー映像センサ及びその製造方法を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施形態1>
【0033】
図1は、本発明の実施形態1による立体カラー映像センサの概略的な構成図であり、図2は、図1に示した立体カラー映像センサの断面図である。図3は、図1に示した立体カラー映像センサに含まれるフィルタの透過特性を示す図であり、図4は、図1に示した立体カラー映像センサに含まれるイメージセンサにおけるフィルタ配置図である。
【0034】
図1及び2を参照すると、立体カラー映像センサ100は、カラーピクセルセンサ110及び距離ピクセルセンサ120を含み、カラーピクセルセンサ110及び距離ピクセルセンサ120上にそれぞれ異なるフィルタ(130、140a)が形成されているイメージセンサ160を含む。また、イメージセンサ160に含まれているフィルタ(130、140a)と対向しながらイメージセンサ160と離隔されて形成される遮断フィルタ150を含む。
【0035】
先ず、イメージセンサ160に関して詳細に説明する。
【0036】
イメージセンサ160はセンサ領域を含む基板102上に形成される。センサ領域内にはカラーピクセルセンサ領域及び距離ピクセルセンサ領域が混在していて、カラーピクセルセンサ領域と隣接して距離ピクセルセンサ領域が配置される。また、図示していないが、基板102にはセンサ領域と別途の位置にロジック回路が備わるロジック領域を含むことができる。
【0037】
本実施形態によると、カラーピクセルセンサ領域の基板102にはカラーピクセルセンサ110が備わる。カラーピクセルセンサ110は可視光信号が入力されて電気信号に変換する役割をする。
【0038】
本実施形態によるカラーピクセルセンサ110は、可視光が印加されて光電荷を生成する第1フォトダイオード104、第1フォトダイオード104で生成された電荷をフローティング拡散領域(floating diffusion region)に運送するトランスファートランジスタ、フローティング拡散領域に保存されている電荷を周期的にリセット(reset)するリセットトランジスタ、ソースフォロアバッファー増幅器(source follower buffer amplifier)の役割をしてフローティング拡散領域に充電された電荷に伴う信号をバッファリング(buffering)するドライブトランジスタ、そして、ピクセルを選択するためのスイッチの役割をする選択トランジスタを含む。即ち、カラーピクセルセンサ領域の基板102には、第1フォトダイオード104、トランスファートランジスタ、リセットトランジスタ、ドライブトランジスタ、選択トランジスタが備わり、各トランジスタを接続させる配線108及び各トランジスタを覆う層間絶縁膜106が備わる。
【0039】
また、距離ピクセルセンサ領域の基板102には距離ピクセルセンサ120が備わる。距離ピクセルセンサ120は近赤外線帯域の光を入力して電気信号に変換する役割をする。近赤外線帯域の光は800〜900nmの光である。距離ピクセルセンサの光源で使用するのに最も適した近赤外線光は830〜870nmの光である。
【0040】
本実施形態による距離ピクセルセンサ120は、近赤外線光が印加されて光電荷を生成する第2フォトダイオード122、第2フォトダイオード122で生成された電荷を運送し、電荷を増幅するトランジスタを含む。また、トランジスタを接続する配線及び各トランジスタを覆う層間絶縁膜106が備わる。
【0041】
カラーピクセルセンサ領域及び距離ピクセルセンサ領域に形成された層間絶縁膜106の上部面は平坦であることが望ましい。しかし、図示していないが、層間絶縁膜106の上部面はカラーピクセルセンサ領域及び距離ピクセルセンサ領域で相互に段差を有することもある。また、第1及び第2フォトダイオード104、122に入射する光を増大させるために、フォトダイオードと対向する部位の層間絶縁膜106は高い光透過度を有することが望ましい。
【0042】
距離ピクセルセンサ120上には少なくとも可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させる第1フィルタ140aが備わる。可視光帯域の波長は400〜700nmの波長である。従って、第1フィルタ140aは700nm以上の波長の光を透過させる。第1フィルタ140aは距離ピクセルセンサ120に形成された層間絶縁膜106の上部面に配置することができる。
【0043】
具体的に、第1フィルタ140aはそれぞれの距離ピクセルセンサ120上に配置された長波長透過パターンからなる。長波長透過パターンはイメージセンサに適用できる程度の薄い厚さを有することが望ましく、800〜1200nmの厚さを有することが望ましい。
【0044】
本実施形態で、長波長透過パターンは、青色、緑色、赤色、紫色、及び黄色顔料のうちの少なくとも2つのカラーの顔料が混合されたフォトレジスト物質からなる。第1フィルタ140aは長波長透過パターンに含まれるカラー顔料の種類及びカラー顔料の混合程度によって選択透過率が調節される。長波長透過パターンに含まれるフォトレジストの造成は後述する。
【0045】
また、カラーピクセルセンサ110上には可視光帯域の光を選択的に透過させる第2フィルタ130が備わる。即ち、第2フィルタ130は400〜700nmの波長を有する可視光帯域の光を透過させる。また、第2フィルタはカラーピクセルセンサ110に含まれる層間絶縁膜106の上部面に配置することができる。
【0046】
具体的に、第2フィルタ130は、それぞれのカラーピクセルセンサ110上に配置され、カラー映像を提供するためのカラーフィルタである。第2フィルタ130は、赤色パターン130a、緑色パターン130b、及び青色パターン130cからなる。
【0047】
図4に示した通り、第1及び第2フィルタ140a、130はイメージセンサ160のアクティブピクセルセンサ領域内に相互に混在しながら配置される。また、第1フィルタ140aは第2フィルタ130と相互に隣接して配置される。図4に示した第1及び第2フィルタ140a、130の配列はイメージセンサ160全体に反復的に配置することができる。
【0048】
第2フィルタ130上にはマイクロレンズ142が備わる。マイクロレンズ142は外部から入射する光を集光してイメージセンサ内に透過させる役割をする。
【0049】
このように、立体カラー映像センサはイメージ素子及びフィルタ構造を含む。また、本実施形態の立体映像センサに含まれるイメージ素子はカラー映像を支援するためのカラーピクセルセンサ110と、距離を示す距離ピクセルセンサ120が一つのアクティブピクセル領域に具現される。
【0050】
イメージセンサ160と離隔されながらイメージセンサ160と対向するように配置される遮断フィルタ150が備わる。遮断フィルタ150は、カラーピクセルセンサ110には可視光帯域の光が入射され、距離ピクセルセンサ120には近赤外線帯域の光が入射されるようにするために、外部光中で特定波長の光を遮断する役割をする。本実施形態で、遮断フィルタ150は、可視光帯域の臨界短波長よりは長く、近赤外線帯域の臨界長波長よりは短い波長の光を透過させる。即ち、遮断フィルタは400〜900nmの光を透過させる。
【0051】
遮断フィルタ150は異なる屈折率を有する膜が相互に反復積層された構造を有する。一例として、遮断フィルタ150はシリコン酸化物層150a及びチタニウム酸化物層150bが反復積層された構造を有する。遮断フィルタ150はシリコン酸化物層150a及びチタニウム酸化物層150bのそれぞれの厚さによって選択透過率が調節される。従って、遮断フィルタ150はユーザーの望む特定波長だけを透過させることができる。
【0052】
遮断フィルタ150と対向して遮断フィルタ150上には、図1に示した通り、イメージセンサで光を集光するためのレンズを含むレンズモジュール170が備わる。遮断フィルタ150及びレンズモジュール170はそれぞれの据置フレーム190によって据置されてイメージセンサ160と離隔されて配置される。
【0053】
上述した通り、本実施形態では、カラーピクセルセンサ110と距離ピクセルセンサ120上にそれぞれ異なる構成を有するフィルタ構造が配置される。以下では、図3を参照して、各ピクセルセンサに入射する光の波長を説明する。
【0054】
距離ピクセルセンサ120の上部面と対向して、長波長透過フィルタで提供される第1フィルタ140a、及び第1フィルタ140aと離隔されて配置される遮断フィルタ150で構成された第1フィルタ構造が配置される。従って、図3に示した通り、遮断フィルタ150を通じて400〜900nmの波長を有する光が透過し、透過した光は、更に第1フィルタ140aを通じて700〜900nmの波長を有する近赤外線帯域の光だけが透過する。従って、近赤外線帯域の光が距離ピクセルセンサに入射する。
【0055】
図3で、151aは遮断フィルタの透過特性であり、141aは第1フィルタの透過特性であり、131aは第2フィルタの透過特性である。
【0056】
一方、カラーピクセルセンサ110の上部面と対向して、カラーフィルタで提供される第2フィルタ130、及び第2フィルタ130と離隔されて配置される遮断フィルタ150で構成された第2フィルタ構造が配置される。
【0057】
従って、図3に示した通り、遮断フィルタ150を通じて400〜900nmの波長を有する光が透過し、透過した光は更に第2フィルタ130を通じて400〜700nmの波長を有する可視光帯域の光だけが透過する。従って、可視光帯域の光がカラーピクセルセンサ110に入射する。
【0058】
このように、上述したフィルタ構造を使うことによって、非常に隣接する各領域別に異なる波長の光を入射させることができる。また、フィルタ構造を使うことによって、カラーピクセルセンサ及び距離ピクセルセンサが混在して3次元のカラー映像を示す単一チップ構造の立体カラー映像センサを実現することができる。
【0059】
図5〜図9は、図2に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示す断面図である。
【0060】
先ず、立体カラー映像センサに含まれるイメージセンサを形成する。
【0061】
図5を参照すると、アクティブピクセルセンサ領域を含む基板102が用意される。アクティブピクセルセンサ領域内にはカラーピクセルセンサ領域及び距離ピクセルセンサ領域が混在していて、カラーピクセルセンサ領域と隣接して距離ピクセルセンサ領域が配置される。
【0062】
カラーピクセルセンサ領域の基板102にカラーピクセルセンサ110を形成する。
【0063】
具体的に、カラーピクセルセンサ領域の基板102に不純物をドーピングして第1フォトダイオード104を形成する。基板にトランスファートランジスタ、リセットトランジスタ、ソースフォロアバッファー増幅器(source follower buffer amplifier)の役割をするドライブトランジスタ、そして、選択トランジスタをそれぞれ形成する。
【0064】
第1フォトダイオード104、トランスファートランジスタ、リセットトランジスタ、ドライブトランジスタ、選択トランジスタを覆う層間絶縁膜106を形成し、層間絶縁膜106内に、各トランジスタと電気的に接続される配線108を形成する。
【0065】
一方、距離ピクセルセンサ領域の基板102には距離ピクセルセンサ120を形成する。具体的に、基板102に近赤外線光が印加されて光電荷を生成する第2フォトダイオード122を形成する。第2フォトダイオード122で生成された電荷を運送し、電荷を増幅するトランジスタを形成する。また、トランジスタを覆う層間絶縁膜106を形成する。層間絶縁膜106内に各トランジスタと電気的に接続される配線108を形成する。
【0066】
図示していないが、基板102のロジック領域にはロジック回路を形成する。
【0067】
工程を遂行して、カラーピクセルセンサ領域の基板102にはカラーピクセルセンサ110を形成し、距離ピクセルセンサ領域の基板102には距離ピクセルセンサ120を形成する。カラーピクセルセンサ110及び距離ピクセルセンサ120は相互に隣り合って配置される。
【0068】
図6を参照すると、層間絶縁膜106の上部表面に第1フィルタを形成するための第1フォトレジスト膜180をコーティングする。第1フィルタは少なくとも可視光帯域よりは長い波長の光を透過させる長波長フィルタである。従って、第1フォトレジスト膜は可視光帯域よりは長い波長の光を選択的に透過させる特性を有さなければならない。また、第1フォトレジスト膜は800〜1200nmの厚さを有することが望ましい。
【0069】
第1フォトレジスト膜180は、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、添加剤、及び溶剤を含み、これに加えて赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、黄色顔料のうちの少なくとも2つの顔料を混合した顔料混合物を含む。添加剤は、架橋剤、密着促進剤、分散剤、界面活性剤などを含む。第1フォトレジスト膜180内に含まれる顔料は有機顔料であることが望ましい。
【0070】
具体的に、第1フォトレジスト膜は、バインダー樹脂1〜10%、光重合性化合物1〜10%、光重合開始剤1〜10%、顔料混合物3〜20%、添加剤0.1〜5%、及び溶剤45〜80%を含む。
【0071】
バインダー樹脂は溶剤に溶解することができ、光又は熱の作用に対する反応性を有し、下記着色剤に対する結着樹脂の機能をしてアルカリ性現像液に溶解可能なアクリル系共重合体として、共重合体を形成する単量体の単位の中で疎水性基を有する単量体を含むと、その種類を特別に制限せずに使うことができる。
【0072】
光重合性化合物は、光及び下記に記載する光重合開始剤の作用で重合できる化合物として、単官能性単量体、2官能性単量体、その他の多官能性単量体などが挙げられる。
【0073】
光重合開始剤はアセトフェノン系化合物を含有することが望ましい。アセトフェノン系化合物はそれぞれ単独、又は2種以上を組み合わせて使うことができる。また、他の種類の光重合開始剤を組み合わせて使うこともできる。他の種類の光重合開始剤では、光を照射することによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、増減剤などが挙げられる。
【0074】
溶剤はその種類が特別に制限されず、着色感光性樹脂組成物分野で使われる各種有機溶剤を使うことができる。
【0075】
顔料混合物に含まれる各有機顔料は、必要によって酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体などを利用した表面処理、重合体化合物などによる顔料表面のグラフト処理、硫酸微粒化法(refinement)などによる微粒化処理、又は、不純物を除去するための有機溶媒及び水などによる洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法などによる除去処理などで処理することができる。
【0076】
顔料混合物が含まれた第1フォトレジスト膜は800nm以上の波長の光透過度が80%以上で高い。また、第1フォトレジスト膜は可視光帯域光透過度が20%程度で低い。
【0077】
一方、第1フォトレジスト膜に含まれた顔料のカラー、及び顔料の混合比率及び顔料混合物の量などによって光の透過特性が多少変わる。従って、顔料混合物の造成を調節することによって、第1フォトレジスト膜の透過特性を微細調節することができる。
【0078】
一例として、第1フォトレジスト膜180は、赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料を1:1:1で混合した顔料混合物を含むことができる。他の例として、赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料の混合比が異なるようにすることもできる。また他の例として、第1フォトレジスト膜180には、赤色顔料及び緑色顔料を1:1で混合した顔料混合物を含むことができる。
【0079】
図7を参照すると、距離ピクセルセンサと対向する部位にだけ第1フォトレジスト膜180が残るように露光及び現象工程を遂行する。これで、距離ピクセルセンサと対向する部位に長波長透過パターンを形成し、これによって第1フィルタ140aを形成する。この後、キュアリング工程を遂行して第1フィルタ140aを硬化させる。第1フィルタ140aを成す長波長透過パターンは800〜1200nmの厚さを有することが望ましい。
【0080】
図8を参照すると、カラーピクセルセンサ上に位置する層間絶縁膜106の上部表面に第2フィルタ130を形成する。第2フィルタは、赤色パターン130a、緑色パターン130b、及び青色パターン130cを含むカラーフィルタである。
【0081】
第2フィルタ130を形成するために、赤色の顔料を含む第2フォトレジスト膜を層間絶縁膜106上にコーティングする。カラーピクセルセンサと対向して、赤色波長領域の光が透過する部位に第2フォトレジスト膜が残るように写真工程を遂行する。これで、赤色波長領域の光を選択的に透過させる赤色パターン130aを形成する。
【0082】
また、緑色の顔料を含む第3フォトレジスト膜を層間絶縁膜106上にコーティングする。カラーピクセルセンサと対向し、緑色波長領域の光が透過する部位に第3フォトレジスト膜が残るように写真工程を遂行する。これで、緑色波長領域の光を選択的に透過させる緑色パターン130bを形成する。
【0083】
また、青色の顔料を含む第4フォトレジスト膜を層間絶縁膜106上にコーティングする。第4フォトレジスト膜には青色の染料を一部含むこともできる。カラーピクセルセンサと対向し、青色波長領域の光が透過する部位に第4フォトレジスト膜が残るように写真工程を遂行する。これで、青色波長領域の光を選択的に透過させる青色パターン130cを形成する。
【0084】
これで、赤色パターン130a、緑色パターン130b、及び青色パターン130cを含む第2フィルタ130を完成する。赤色パターン130a、緑色パターン130b、及び青色パターン130cを形成する順序はそれぞれ変更することがある。
【0085】
また、第1及び第2フィルタ140a、130を形成する順序が変わってもよい。即ち、第2フィルタ130を先に形成した後、第1フィルタ140aを形成することもできる。
【0086】
図9を参照すると、第2フィルタ130上にマイクロレンズ142を形成する。マイクロレンズ142はフォトレジスト物質からなることができる。具体的に、第1及び第2フィルタ140a、130上にフォトレジスト膜をコーティングして露光及び現象工程を通じて第2フィルタ130上にレンズパターンを形成する。この後、レンズパターンを約200°C程度の温度で熱処理してリフローすることによって突出した形状を有するマイクロレンズ142を形成する。
【0087】
上記工程を遂行することによって、カラーピクセルセンサ及び距離ピクセルセンサを含むイメージセンサ160を完成する。
【0088】
再び、図2を参照すると、イメージセンサ160と別に遮断フィルタ150を形成する。遮断フィルタ150は400〜900nmの波長を有する光が透過する。遮断フィルタ150は異なる屈折率を有する物質層を異なる厚さで反復積層することで形成することができる。一例として、シリコン酸化物層150aとチタニウム酸化物層150bを異なる厚さで反復積層することで形成することができる。
【0089】
このように、遮断フィルタ150に含まれる各物質の屈折率、吸光計数、及び厚さの差などを調節することによって、所望する帯域波長の光を選択的に透過させる遮断フィルタを形成することができる。一例として、スペクトラムシミュレーション(simulation)システムを使い、遮断フィルタ150に含まれる各階層の厚さなどを決めることができる。
【0090】
この後、イメージセンサ160の第1及び第2フィルタ140a、130と対向するように遮断フィルタ150を据置する。また、遮断フィルタ150と対向してレンズモジュール(図1参照)170を据置する。遮断フィルタ150及びレンズモジュール170は据置フレーム(図1参照)190によって据置される。
【0091】
上記工程を通じて、立体カラー映像センサを完成する。
【0092】
以下では、実施形態1の立体カラー映像センサに含まれる各フィルタの分光特性に関して実験したことについて記述する。特に、遮断フィルタ及び第1フィルタの分光特性に関して実験したことについて記述する。
【0093】
≪サンプル1≫
【0094】
実施形態1で説明した方法で、立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタ用として使用されるサンプル1のフォトレジスト膜を製造した。
【0095】
具体的に、テスト用ガラス基板を用意した。赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料が1:1:1で混合された顔料混合物を含むフォトレジストを製造した。フォトレジストは富士社600シリーズの赤色、緑色、及び青色カラーフィルタ用フォトレジストをそれぞれ5gずつ入れて30分間攪拌することによって製造した。製造されたフォトレジストをコーティングし、ベイキングすることによって990nmの厚さを有するフォトレジスト膜を完成した。
【0096】
≪分光特性測定≫
【0097】
図10は、サンプル1のフォトレジスト膜の分光特性を示す図である。
【0098】
図10を参照すると、サンプル1のフォトレジスト膜は850nm以上の波長の光透過度が90%以上で高かった。フォトレジスト膜は700nm以下の波長の光透過度の平均が16%程度で示された。また、700nmの波長での光透過度が28%で示された。従って、サンプル1のフォトレジスト膜は実施形態1による立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタで使うのに非常に適していることがわかる。
【0099】
≪サンプル2≫
【0100】
実施形態1で説明した方法で、立体カラー映像センサに含まれる遮断フィルタを製造した。遮断フィルタはシリコン酸化物層とチタニウム酸化物層を反復蒸着して形成した。反復されるシリコン酸化物層及びチタニウム酸化物層の各階層の蒸着の厚さは表1に記載している。遮断フィルタは約1930nmの厚さを有する。
【0101】
【表1】

【0102】
≪分光特性測定≫
【0103】
図11は、サンプル2の遮断フィルタの分光特性を示す図である。
【0104】
図11に示した通り、サンプル2の遮断フィルタは400〜850nmの波長を有する光を90%以上透過させた。また、900nm以上の波長を有する光を10%以下で透過させた。このように、サンプル2の遮断フィルタは可視光線の光の臨界短波長よりは長く、近赤外線の臨界長波長よりは短い波長の光を選択的に透過させた。従って、サンプル2の遮断フィルタは本発明の実施形態1の立体カラー映像センサに含まれる遮断フィルタで使うのに非常に適しているということがわかる。
【0105】
<実施形態2>
【0106】
図12は、本発明の実施形態2による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【0107】
図12に示した通り、実施形態2の立体カラー映像センサは、遮断フィルタ150、第1及び第2フィルタ140b、130の配置及び構成が実施形態1と同一である。また、各フィルタの光透過特性も実施形態1と同一である。但し、第1フィルタ140bを構成する長波長透過パターンの物質だけが実施形態1と差がある。
【0108】
本実施形態で、第1フィルタ140bを成す長波長透過パターンは、青色、緑色、赤色、紫色、黄色顔料のうちの少なくとも2つのカラーの顔料、及び青色、緑色、及び赤色染料のうちの少なくとも1つのカラーの染料が混合されたフォトレジスト物質からなる。長波長透過パターンに含まれるフォトレジスト物質の具体的な例は後述する。
【0109】
長波長透過パターンに、少なくとも2つのカラーの顔料だけではなく、少なくとも1つのカラーの染料が含まれることによって、可視光帯域の波長の透過率はより減少し、850nm以上の帯域の波長の透過率はより増加する。特に、700nmでの波長透過率が減少する。
【0110】
図13及び図14は、図12に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示す断面図である。
【0111】
以下で説明する立体カラー映像センサ製造方法は、第1フィルタを形成する方法を除いては実施形態1の製造方法と同一である。従って、第1フィルタを形成する方法についてだけ説明する。
【0112】
図5を参照して説明した通りの工程を遂行して、カラーピクセルセンサ領域の基板にカラーピクセルセンサ110を形成し、距離ピクセルセンサ領域の基板に距離ピクセルセンサ120を形成する。カラーピクセルセンサ110及び距離ピクセルセンサ120は相互に隣り合って配置される。
【0113】
次に、図13を参照すると、層間絶縁膜106の上部表面に第1フィルタを形成するための第1フォトレジスト膜180aをコーティングする。第1フォトレジスト膜は800〜1200nmの厚さを有することが望ましい。
【0114】
第1フォトレジスト膜180は、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤、添加剤、及び溶剤を含み、これに加えて赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料、黄色顔料のうちの少なくとも2つの顔料を混合した顔料混合物と、赤色染料、緑色染料、及び青色染料のうちの少なくとも1つの染料が含まれる。添加剤は、架橋剤、密着促進剤、分散剤、系面活性剤などを含む。
【0115】
具体的に、第1フォトレジスト膜は、バインダー樹脂1〜10重量%、光重合性化合物1〜10重量%、光重合開始剤1〜10重量%、顔料混合物及び染料3〜20重量%、添加剤0.1〜5重量%、及び溶剤45〜80重量%を含む。
【0116】
染料には、分散染料(Disperse dye)、アゾメタル系染料(Azo metal dye)、フタロシアニン染料(Phthalocyanine dye)などを使うことができる。
【0117】
しかし、赤色染料として分散染料を使う場合、後続する露光の際に染料が光分解されて光透過特性が変化することがある。反面、赤色染料としてアゾメタル系染料を使う場合、後続する露光工程を遂行しても光透過特性の変化が殆どない。そのため、赤色染料にはアゾメタル系染料を使うことが望ましい。
【0118】
また、露光後の光透過特性の変化を減少させるために、青色染料にはフタロシアニン染料を使うことが望ましい。
【0119】
顔料混合物及び染料が含まれた第1フォトレジスト膜は800nm以上の波長の光透過度が80%以上で高い。また、第1フォトレジスト膜は可視光帯域の光透過度が10%程度で低い。しかも、第1フォトレジスト膜は優秀なパターニング特性を有する。具体的に、第1フォトレジスト膜は後続の露光工程によって20μm以内の線間幅を有する微細パターンを形成することができる。
【0120】
一方、第1フォトレジスト膜に含まれた顔料のカラー、及び顔料の混合比率及び顔料混合水の量と、染料のカラー、及び染料の混合比率及び染料混合物の量などによって光の透過特性が多少変わる。従って、顔料混合物の造成を調節することによって、第1フォトレジスト膜の透過特性を微細調節することができる.
【0121】
一例として、第1フォトレジスト膜180aは、赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料を1:1:1で混合した顔料混合物を含み、赤色染料及び青色染料を1:1で混合した染料混合物を含むことができる。これとは違い、第1フォトレジスト膜は、赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料のうちの2つの顔料が混合した顔料混合物を含み、顔料混合物に含まれていなかったカラーの染料混合物を含むこともできる。
【0122】
図14を参照すると、距離ピクセルセンサ120と対向する部位にだけ第1フォトレジスト膜180aが残るように露光及び現象工程を遂行する。これで、距離ピクセルセンサ120と対向する部位に第1フィルタ140bを形成する。この後、キュアリング工程を遂行して第1フィルタ140bを硬化させる。
【0123】
続いて、実施形態1の図8、9、及び図2を参照して説明した通りの工程を遂行することによって、第2フィルタ130を含むイメージセンサ160を形成する。また、イメージセンサ160と対向して遮断フィルタ150及びレンズモジュールを配置する。
【0124】
これで、図12に示した立体カラー映像センサを完成する。
【0125】
以下では、実施形態2の立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタの分光特性に関して実験したことについて記述する。
【0126】
≪サンプル3≫
【0127】
実施形態2で説明した方法で、立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタ用として使用されるサンプル3のフォトレジスト膜を製造した。
【0128】
具体的に、テスト用ガラス基板を用意した。赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料が1:1:1で混合された顔料混合物と、青色及び赤色染料が1:1で混合された染料混合物を含むフォトレジストを製造した。フォトレジストは、富士社600シリーズの赤色、緑色、及び青色カラーフィルタ用フォトレジストをそれぞれ5g、アゾメタル系赤色染料のsolvent red160 0.3g、フタロシアニン系青色染料のCopper Phthalocyanine Tetrasulfonic Acid Tetrasodium Salt、開始剤1g、2mLの溶媒に溶けている0.08gの接着剤を入れて30分間攪拌することによって製造した。製造されたフォトレジストをコーティングし、ベイキングすることによって1112nmの厚さを有するフォトレジスト膜を完成した。
【0129】
≪分光特性測定≫
【0130】
図15は、サンプル3のフォトレジスト膜の分光特性を示す図である。
【0131】
図15を参照すると、サンプル3のフォトレジスト膜は850nm以上の波長の光透過度が91%以上で高かった。フォトレジスト膜は700nm以下の波長の光透過度の平均が6.4%程度で示された。また、700nmの波長での光透過度が21.8%で示された。従って、サンプル3のフォトレジスト膜は実施形態2による立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタで使うのに非常に適しているということがわかる。
【0132】
≪サンプル4≫
【0133】
立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタ用として使用されるサンプル4のフォトレジスト膜を製造した。
【0134】
サンプル4のフォトレジスト膜はサンプル3のフォトレジスト膜と同じ方法で製造した。但し、サンプル4のフォトレジスト膜は816nmで多少薄い厚さを有する。
【0135】
≪分光特性測定≫
【0136】
サンプル4のフォトレジスト膜の分光特性を測定した結果、850nm以上の波長の光透過度が91%以上で高かった。第1フォトレジスト膜は700nm以下の波長の光透過度の平均が13.4%程度で示された。また、700nmの波長での光透過度が31.4%で示された。従って、サンプル3の第1フォトレジスト膜は実施形態2による立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタで使うのに非常に適しているということがわかる。
【0137】
<実施形態3>
【0138】
図16は、本発明の実施形態3による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【0139】
図16に示した通り、実施形態3の立体カラー映像センサは、遮断フィルタ150、第1及び第2フィルタ140c、130の配置及び構成が実施形態1と同一である。また、各フィルタの光透過特性も実施形態1と同一である。但し、第1フィルタ140cを構成する長波長透過パターンの物質だけが実施形態1と差がある。
【0140】
本実施形態で、第1フィルタ140cを成す長波長透過パターンは、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、カラー染料及びカラー顔料のうちの少なくとも一つを混合した物質からなることができる。
【0141】
一例として、第1フィルタ140cを成す長波長透過パターンは、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、青色、緑色、及び赤色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合した物質からなることができる。
【0142】
これとは他の例として、第1フィルタ140cを成す長波長透過パターンは、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、青色、緑色、赤色、黄色及び紫色顔料のうちの少なくとも2つの顔料を混合した物質からなることができる。
【0143】
これとは他の例として、第1フィルタ140cを成す長波長透過パターンは、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、青色、緑色、及び赤色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合し、青色、緑色、赤色、黄色、及び紫色顔料のうちの少なくとも一つの顔料を更に混合した物質からなることができる。
【0144】
図17〜図19は、図16に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示す断面図である。
【0145】
以下で説明する立体カラー映像センサ製造方法は、第1フィルタを形成する方法を除いては実施形態1で説明した方法と同一である。従って、第1フィルタを形成する方法についてだけ説明する。
【0146】
図5を参照して説明した通りの工程を遂行して、カラーピクセルセンサ領域の基板にカラーピクセルセンサ110を形成し、距離ピクセルセンサ領域の基板に距離ピクセルセンサ120を形成する。カラーピクセルセンサ110及び距離ピクセルセンサ120は相互に隣り合って配置される。
【0147】
次に、図17を参照すると、層間絶縁膜106の上部表面に第1フィルタを形成するためのフィルタ膜182を形成する。フィルタ膜182は、コーティング又はテーピング方式で形成することができる。フィルタ膜182で使われる物質の例としては、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0148】
フィルタ膜182で使われる物質にはカラー染料及びカラー顔料のうちの少なくとも一つが混合される。
【0149】
一例として、フィルタ膜182には、赤色染料、緑色染料、及び青色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合した染料混合物が含まれる。
【0150】
染料には、分散染料(Disperse dye)、アゾメタル系染料(Azo metal dye)、フタロシアニン系染料(Phthalocyanine dye)などを使うことができる。
【0151】
これとは他の例として、フィルタ膜に、赤色染料、緑色染料、及び青色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合した染料混合物が含まれて、これに加えて赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料のうちの少なくとも1つの顔料を含むこともできる。
【0152】
これとは他の例として、フィルタ膜182には、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料のうちの少なくとも2つの顔料を混合した顔料混合物を含むこともできる。
【0153】
具体的に、フィルタ膜182は、赤色染料、緑色染料、及び青色染料を1:1:1で混合した染料混合物を含むことができる。染料混合物が含まれたフィルタ膜182は800nm以上の波長の光透過度が80%以上で高い。また、染料混合物が含まれたフィルタ膜182は可視光帯域の光透過度が10%程度で非常に低い。
【0154】
染料混合物の混合比、染料混合水の量、顔料混合物の混合比、顔料混合水の量を調節することによって、フィルタ膜182の透過特性を調節することができる。
【0155】
図18を参照すると、フィルタ膜182上にエッチングマスクパターン184を形成する。エッチングマスクパターン184は写真工程によって形成されたフォトレジストパターンからなることができる。エッチングマスクパターン184は距離ピクセルセンサと対向する部位を覆う形状を有する。エッチングマスクパターン184を形成するための写真工程はフォトレジストコーティング、露光、現象、及びキュアリング工程を含む。
【0156】
図19を参照すると、エッチングマスクパターン184によって露出した部位のフィルタ膜182をエッチングする。これで、距離ピクセルセンサと対向する部位に第1フィルタ140cを形成する。この後、エッチングマスクパターン184を除去する。
【0157】
続いて、実施形態1の図8、9、及び図2を参照して説明した通りの工程を遂行することによって、第2フィルタ130を含むイメージセンサ160を形成する。また、イメージセンサ160と対向して遮断フィルタ150及びレンズモジュールを配置する。これで、図16に示した立体カラー映像センサを完成する。
【0158】
以下では、実施形態3の立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタの分光特性に関して実験したことについて記述する。
【0159】
≪サンプル5≫
【0160】
実施形態3で説明した方法で、立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタ用として使用されるサンプル5のフィルタ膜を製造した。
【0161】
具体的に、テスト用ガラス基板を用意した。PMMA(Polymethyl methacrylate)高分子に分散赤色染料のDR13を5g、分散黄色染料のDY7を12g、青色染料40gを混合してフィルタ用物質を製造した。製造されたフィルタ用物質をコーティングし、ベイキングすることによって1000nmの厚さを有するサンプル5のフィルタ膜を完成した。
【0162】
≪分光特性測定≫
【0163】
サンプル5のフィルタ膜は850nm以上の波長の光透過度が88.5%以上で高かった。フィルタ膜は700nm以下の波長の光透過度の平均が0.62%で非常に低かった。また、700nmの波長で光透過度が3.52%で示された。従って、サンプル5のフィルタ膜は実施形態3による立体カラー映像センサに含まれる第1フィルタで使うのに非常に適しているということがわかる。
【0164】
<実施形態4>
【0165】
図20は、本発明の実施形態4による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【0166】
図20に示した通り、実施形態4の立体カラー映像センサは、遮断フィルタ150、第1及び第2フィルタ140d、130の配置及び構成が実施形態1と同一である。また、各フィルタの光透過特性も実施形態1と同一である。但し、第1フィルタ140dを構成する長波長透過パターンの物質だけが実施形態1と差がある。
【0167】
本実施形態で、第1フィルタ140dを成す長波長透過パターンは、インプリンティングレジンに、カラー染料及びカラー顔料のうちの少なくとも一つを混合した物質からなることができる。
【0168】
一例として、第1フィルタ140dを成す長波長透過パターンは、インプリンティングレジンに、青色、緑色、及び赤色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合した物質からなることができる。
【0169】
これとは他の例として、第1フィルタ140dを成す長波長透過パターンは、インプリンティングレジンに、青色、緑色、及び赤色顔料のうちの少なくとも2つの顔料を混合した物質からなることができる。
【0170】
これとは他の例として、第1フィルタ140dを成す長波長透過パターンは、インプリンティングレジンに、青色、緑色、及び赤色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合し、青色、緑色、及び赤色顔料のうちの少なくとも一つの顔料を更に混合した物質からなることができる。
【0171】
図21〜図25は、図20に示した立体カラー映像センサを製造するための方法を示す断面図である。
【0172】
以下で説明する立体カラー映像センサ製造方法は、第1フィルタを形成する方法を除いては実施形態1で説明した方法と同一である。従って、第1フィルタを形成する方法についてだけ説明する。
【0173】
図5を参照して説明した工程と同じ工程を遂行して、カラーピクセルセンサ領域の基板にカラーピクセルセンサ110を形成し、距離ピクセルセンサ領域の基板に距離ピクセルセンサ120を形成する。カラーピクセルセンサ110及び距離ピクセルセンサ120は相互に隣り合って配置される。
【0174】
次に、図21を参照すると、層間絶縁膜106の上部表面に第1フィルタを形成するためのフィルタ膜186を形成する。フィルタ膜186は、コーティング又はテーピング方式で形成することができる。フィルタ膜186はインプリンティングレジンからなる。
【0175】
フィルタ膜186で使われるインプリンティングレジンには、カラー染料及びカラー顔料のうちの少なくとも一つを混合することができる。
【0176】
一例として、インプリンティングレジンには、赤色染料、緑色染料、及び青色染料のうちの少なくとも2つの染料を混合した染料混合物が含まれる。また、選択的に、インプリンティングレジンには、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料のうちの少なくとも1つの顔料を含むこともできる。
【0177】
これとは他の例として、インプリンティングレジンには、赤色顔料、緑色顔料、及び青色顔料、黄色顔料、紫色顔料のうちの少なくとも2つの顔料を混合した顔料混合物が含まれる。
【0178】
具体的に、フィルタ膜186は、赤色染料及び青色染料が1:1で混合された染料混合物を含むことができる。この場合、染料混合物が含まれたフィルタ膜は800nm以上の波長の光透過度が80%以上で高い。また、染料混合物が含まれたフィルタ膜は可視光帯域の光透過度が10%程度で非常に低い。
【0179】
染料混合物の混合比、染料混合水の量、顔料混合物の混合比、顔料混合水の量を調節することによって、フィルタ膜186の透過特性を調節することができる。
【0180】
図22を参照すると、フィルタ膜186上にインプリント用モールドパターン188を配置する。インプリント用モールドパターン188は、距離ピクセルセンサ領域に対向する部位にホーム187が生成されている形状を有する。
【0181】
図23を参照すると、フィルタ膜186とインプリント用モールドパターン188を接触させながら圧力を加える。インプリント用モールドパターン188とフィルタ膜186が接触すると、インプリント用モールドパターン188のホーム187の内部にフィルタ膜186が残り、残りの部位のフィルタ膜186は圧力によって側傍に押されて殆ど除去される。
【0182】
図24を参照すると、フィルタ膜186とインプリント用モールドパターン188を分離させる。インプリント用モールドパターン188を分離させると、インプリント用モールドパターン188のホーム187と接触した部位にはフィルタ膜パターン186aが形成される。また、フィルタ膜パターン186aの間の部位にはフィルタ膜が殆ど除去された状態になり、わずかな残余フィルタ膜Rだけが残る。
【0183】
図25を参照すると、フィルタ膜パターン188aの間に残っている残余フィルタ膜Rを除去して第1フィルタ140dを形成する。残余フィルタ膜Rの除去はエッシング工程を通じて遂行できる。
【0184】
続いて、実施形態1の図8、9、及び図2を参照して説明した通りの工程を遂行することによって、第2フィルタ130を含むイメージセンサ160を形成する。また、イメージセンサ160と対向して遮断フィルタ150及びレンズモジュールを配置する。これで、図20に示した立体カラー映像センサを完成する。
【0185】
<実施形態5>
【0186】
図26は、本発明の実施形態5による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【0187】
図26に示した通り、実施形態5の立体カラー映像センサは、遮断フィルタ152、第1及び第2フィルタ140e、130の配置及び構成が実施形態1と同一である。しかし、遮断フィルタ152及び第1フィルタ140eの光透過特性が実施形態1と差がある。
【0188】
また、実施形態5による立体カラー映像センサの遮断フィルタ152及び第1フィルタ140eは、実施形態1〜4の遮断フィルタ及び第1フィルタを構成する物質とそれぞれ同じ物質からなることができる。しかし、遮断フィルタ152及び第1フィルタ140eに含まれる各物質が含まれる程度及び薄膜厚さにおいて差がある。
【0189】
図27は、本発明の実施形態5による立体カラー映像センサに含まれるフィルタの透過特性を示す図である。
【0190】
図27で、151bは遮断フィルタの透過特性であり、141bは第1フィルタの透過特性であり、131bは第2フィルタの透過特性である。図27に示した通り、遮断フィルタは可視光帯域の波長及び近赤外線帯域の波長の光だけを透過させる。即ち、遮断フィルタは400〜700nm及び800〜900nmの光を透過させる。
【0191】
図26及び図27を参照すると、第1フィルタ140eは近赤外線帯域の臨界短波長以上の光を透過させる。第1フィルタ140eは700nm以上の波長を有する光を透過させる。
【0192】
また、第2フィルタ130は可視光帯域の光を透過させる。即ち、第2フィルタ130は400〜700nmの波長を有する光を透過させる。
【0193】
この場合、遮断フィルタ152及び第1フィルタ140eを通過する光は800〜900nmの波長を有する。近赤外線波長帯域の光は、距離ピクセルセンサに入射することによって、距離ピクセルセンサの光源として使われる。
【0194】
また、遮断フィルタ152及び第2フィルタ130を通過する光は400〜700nmの波長を有する。可視光帯域の光は、カラーピクセルセンサ110に入射して、カラーピクセルセンサ110の光源として使われる。
【0195】
図26に示した立体カラー映像センサは、実施形態1〜4の立体映像センサを形成する方法のうちのいずれか一つの方法で形成することができる。
【0196】
但し、第1フィルタ140eが図27に示した通りの透過特性を有するように、混合されるカラー染料又はカラー顔料の量を調節しなければならない。また、遮断フィルタ152が図27に示した通りの透過特性を有するように、シリコン酸化膜層152a及びチタニウム酸化膜層152bの各厚さ及び積層される膜の個数を調節しなければならない。
【0197】
以下では、実施形態5の立体カラー映像センサに含まれる遮断フィルタの分光特性に関して実験したことについて記述する。
【0198】
≪サンプル6≫
【0199】
実施形態5で説明した方法で、立体カラー映像センサに含まれるサンプル6の遮断フィルタを製造した。遮断フィルタはシリコン酸化物層とチタニウム酸化物層を反復蒸着して形成した。反復されるシリコン酸化物層及びチタニウム酸化物層の各階層の蒸着の厚さは表2に記載している。サンプル6の遮断フィルタは約2993nmの厚さを有する。
【0200】
≪分光特性測定≫
【0201】
図28は、サンプル6の遮断フィルタの分光特性を示す図である。
【0202】
図28に示した通り、サンプル6の遮断フィルタは400〜700nmの波長を有する光と820〜880nmの波長を有する光を90%以上透過させた。また、700〜800nmの波長及び900nm以上の波長を有する光を殆ど透過させなかった。
【0203】
従って、実施形態5の立体カラー映像センサに含まれる遮断フィルタとしてサンプル6の遮断フィルタを使うことができる。
【0204】
【表2】


【0205】
<実施形態6>
【0206】
図29は、本発明の実施形態6による立体カラー映像センサを示す断面図である。
【0207】
図29に示した通り、実施形態6の立体カラー映像センサは、遮断フィルタ154、第1及び第2フィルタ140f、130の配置及び構成が実施形態1と同一である。しかし、遮断フィルタ154及び第1フィルタ140fの光透過特性が実施形態1と差がある。
【0208】
また、実施形態6による立体カラー映像センサの遮断フィルタ154及び第1フィルタ140fは、実施形態1〜4の遮断フィルタ及び第1フィルタを構成する物質とそれぞれ同じ物質からなることができる。しかし、遮断フィルタ154及び第1フィルタ140fに含まれる各物質が含まれる程度及び薄膜の厚さで差がある。
【0209】
図30は、本発明の実施形態6による立体カラー映像センサに含まれるフィルタの透過特性を示す図である。
【0210】
図30で、151cは遮断フィルタの透過特性であり、141cは第1フィルタの透過特性であり、131cは第2フィルタの透過特性である。
【0211】
図示した通り、遮断フィルタ154は、可視光の第1帯域の波長と第1帯域の波長より長いながら近赤外線帯域の臨界長波長よりは短い波長を有し、近赤外線帯域を全部含む帯域の第2帯域の波長の光を透過させる。即ち、遮断フィルタ154は400〜700nm及び720〜900nmの波長の光を透過させる。
【0212】
第1フィルタ140fは近赤外線帯域の臨界短波長以上の光を透過させる。即ち、第1フィルタ140fは800nm以上の波長を有する光を透過させる。
【0213】
また、第2フィルタ130は可視光帯域の光を透過させる。即ち、第2フィルタ130は400〜700nmの波長を有する光を透過させる。
【0214】
この場合、遮断フィルタ154及び第1フィルタ140fを通過した光は800〜900nmの波長を有する。近赤外線波長帯域の光は距離ピクセルセンサ120に入射することによって、距離ピクセルセンサ120の光源として使われる。
【0215】
また、遮断フィルタ154及び第2フィルタ130を通過した光は400〜700nmの波長を有する。可視光帯域の光は、カラーピクセルセンサ110に入射し、カラーピクセルセンサ110の光源として使われる。
【0216】
図29に示した立体カラー映像センサは、実施形態1〜4の立体映像センサを形成する方法のうちのいずれか一つの方法で形成することができる。
【0217】
但し、第1フィルタ140fが図30に示した通りの透過特性を有するように、混合するカラー染料又はカラー顔料の量を調節しなければならない。また、遮断フィルタ154が図30に示した通りの透過特性を有するように、シリコン酸化膜層154a及びチタニウム酸化膜層154bの各厚さ及び積層される膜の個数を調節しなければならない。
【0218】
図31は、映像情報と距離情報を同時に提供する立体カラー映像イメージセンサが含まれた携帯電話の外形図である。
【0219】
携帯電話600は、一般的な構成や機能は通常的に使うものと同じであるが、カメラレンズモジュール610に遮断フィルタが備わり、遮断フィルタと対向して、映像情報と距離情報を同時に提供するイメージセンサ620が内蔵されている。従って、映像情報と距離情報が同時にモニター630に表示される。携帯電話600を利用すると3次元のカラー映像を収得することができる。
【0220】
図32は、映像情報と距離情報を同時に提供する立体カラー映像イメージセンサを有するシステムのブロックダイアグラムである。
【0221】
図32を参照すると、システムは映像情報と距離情報を同時に提供する立体映像イメージセンサ760を装着してサービスを提供する。一例として、システムはコンピュータシステム、カメラシステム、スキャナ、ナビゲーションシステムなどを含むことができる。システムは立体映像イメージセンサを通じて3次元のカラー映像を支援する。
【0222】
コンピュータシステムと同じプロセッサ基盤システム700は、バス750を通じて入出力(I/O)素子770とコミュニケーションができるマイクロプロセッサなどと同じ中央処理装置(CPU)710を含む。バス750を通じてフロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)720及び/又はCD ROMドライブ730、及びポート740、RAM780と中央処理装置は互いに接続されてデータをやりとりし、映像情報と距離情報を同時に提供する立体映像イメージセンサ760からデータを出力して映像イメージ距離データを再生する。
【0223】
ポート740は、ビデオカード、サウンドカード、メモリカード、USB素子などを接続したり、また他のシステムとデータを通信できたりするポートであってもよい。
【0224】
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0225】
上述した通り、本発明の立体カラー映像センサに含まれるフィルタ構造を通じて、隣接した各領域別に異なる波長の光がそれぞれ入射するようにすることができる。従って、本発明は、フィルタ構造物、カメラモジュールと同じ映像素子などに多様に応用することができる。
【符号の説明】
【0226】
100 立体カラー映像センサ
102 基板
104 第1フォトダイオード
106 層間絶縁膜
108 配線
110 カラーピクセルセンサ
120 距離ピクセルセンサ
122 第2フォトダイオード
130 第2フィルタ
130a 赤色パターン
130b 緑色パターン
130c 青色パターン
131a、131b、131c 第2フィルタの透過特性
140a、140b、140c、140d、140e 第1フィルタ
141a、141b、141c 第1フィルタの透過特性
142 マイクロレンズ
150、152、154 遮断フィルタ
150a、152a、154a シリコン酸化物層
150b、152b、154b チタニウム酸化物層
151a、151b、151c 遮断フィルタの透過特性
160、620 イメージセンサ
170 レンズモジュール
180、180a 第1フォトレジスト膜
182、186 フィルタ膜
184 エッチングマスクパターン
186a フィルタ膜パターン
187 ホーム
188 インプリント用モールドパターン
190 据置フレーム
600 携帯電話
610 カメラレンズモジュール
630 モニター
700 プロセッサ基盤システム
710 中央処理装置(CPU)
720 フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)
730 CD ROMドライブ
740 ポート
750 バス
760 立体映像(映像情報・距離情報)イメージセンサ
770 入出力(I/O)素子
780 RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にカラーピクセル及び距離ピクセルを形成する段階と、
前記距離ピクセル上に、可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させる第1フィルタを形成する段階と、
前記カラーピクセル上に、前記可視光帯域の波長の光を選択的に透過させる第2フィルタを形成する段階と、
前記第1及び第2フィルタ上部面と離隔されながら該第1及び第2フィルタと対向するように配置され、少なくとも可視光帯域及び近赤外線帯域の波長の光を透過させ、該近赤外線帯域の臨界長波長より短い波長の光を透過させる遮断フィルタを形成する段階と、を有することを特徴とする映像センサ製造方法。
【請求項2】
前記第1フィルタを形成する段階は、
前記基板上に、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料からなる群より選択された少なくとも2つの顔料を混合した顔料混合物が含まれたフォトレジストをコーティングしてフィルタ膜を形成する段階と、
前記コーティングされたフィルタ膜を写真工程によってパターニングする段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像センサ製造方法。
【請求項3】
前記第1フィルタを形成する段階は、
前記基板上に、赤色顔料、緑色顔料、青色顔料、黄色顔料、紫色顔料からなる群より選択された少なくとも2つの顔料と、赤色染料、緑色染料、青色染料のうちの少なくとも1つの染料とを含むフォトレジストをコーティングしてフィルタ膜を形成する段階と、
前記コーティングされたフィルタ膜を写真工程によってパターニングする段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像センサ製造方法。
【請求項4】
前記第1フィルタを形成する段階は、
前記基板上に、可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させるフィルタ膜を形成する段階と、
前記フィルタ膜上にエッチングマスクパターンを形成する段階と、
前記エッチングマスクパターンを用いて前記フィルタ膜をエッチングする段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像センサ製造方法。
【請求項5】
前記フィルタ膜は、スピンオングラス、アクリル樹脂、ポリマー樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群より選択された少なくとも一つの物質に、カラー顔料及びカラー染料のうちの少なくとも一つを混合した物質を用いて形成することを特徴とする請求項4に記載の映像センサ製造方法。
【請求項6】
前記第1フィルタを形成する段階は、
前記基板上に、可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させるフィルタ膜を形成する段階と、
前記フィルタ膜上部面に、インプリント用モールドパターンを接触させながら圧力を加えてフィルタ膜パターンを形成する段階と、
前記フィルタ膜パターンから前記インプリント用モールドパターンを分離させる段階と、
前記フィルタ膜パターンの間の残留物(residues)を除去する段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像センサ製造方法。
【請求項7】
前記フィルタ膜は、インプリンティングレジンに、カラー顔料及びカラー染料のうちの少なくとも一つを混合した物質を用いて形成することを特徴とする請求項6に記載の映像センサ製造方法。
【請求項8】
前記遮断フィルタを形成する段階は、
異なる屈折率を有する無機物を繰り返して蒸着させる工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の映像センサ製造方法。
【請求項9】
基板上に形成されたカラーピクセル及び距離ピクセルと、
前記距離ピクセル上に形成され、少なくとも可視光帯域の臨界長波長より長い波長の光を選択的に透過させる第1フィルタと、
前記カラーピクセル上に形成され、前記可視光帯域の波長の光を透過させる第2フィルタと、
前記第1及び第2フィルタ上部面と離隔されながら該第1及び第2フィルタと対向するように配置され、少なくとも可視光帯域及び近赤外線帯域の波長の光を透過させ、該近赤外線帯域の臨界長波長より短い波長の光を透過させる遮断フィルタと、を備えることを特徴とする映像センサ。
【請求項10】
前記カラーピクセル及び距離ピクセルと、第1フィルタ及び第2フィルタは、一つのイメージセンサチップで具現されることを特徴とする請求項9に記載の映像センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2011−101006(P2011−101006A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−242353(P2010−242353)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】