映像式遊技機
【課題】 大入賞口への設定数を超えるおまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけた映像式遊技機を提供する。
【解決手段】 大入賞口、アウト口を有する盤面と球を画像表示して遊技を行う映像式遊技機において、画像上の遊技状態を制御する主制御装置6と画像表示制御を行う画像表示制御装置7を設ける。主制御装置6は球属性決定手段6eと大入賞口の開閉体の開閉信号生成手段6fを備える。球属性決定手段6eは、球毎の入球位置、生存時間を表す球属性を決定する。画像表示制御装置7は、球属性を受けて球ルートを求め、球を画像上に表示し、開閉信号生成手段6fの信号を受けて開閉体を開閉表示する。主制御装置6は入球位置が大入賞口であり、その生存時間に対し一定時間加えた時間になったか判定し、なったときは大入賞口への入球とし、入球個数が一定数になったときに開閉体を閉表示させる。
【解決手段】 大入賞口、アウト口を有する盤面と球を画像表示して遊技を行う映像式遊技機において、画像上の遊技状態を制御する主制御装置6と画像表示制御を行う画像表示制御装置7を設ける。主制御装置6は球属性決定手段6eと大入賞口の開閉体の開閉信号生成手段6fを備える。球属性決定手段6eは、球毎の入球位置、生存時間を表す球属性を決定する。画像表示制御装置7は、球属性を受けて球ルートを求め、球を画像上に表示し、開閉信号生成手段6fの信号を受けて開閉体を開閉表示する。主制御装置6は入球位置が大入賞口であり、その生存時間に対し一定時間加えた時間になったか判定し、なったときは大入賞口への入球とし、入球個数が一定数になったときに開閉体を閉表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旧来からの機械式の遊技機(実遊技機)と同様の発射操作部を備え、図柄表示部、可変入賞口を含む入賞口、アウト口、遊技釘等の盤面構成部材が実遊技機の遊技盤面形態を模して配置された遊技盤面、及びこの遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれ流下する遊技球等を画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機においては、実遊技機とは異なり、遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれた実体のある遊技球が重力によって落下して行くわけではない。
そこで遊技球が、遊技領域に打ち込まれ、どのような道筋で流下、移動して特定の入賞口に入球(入賞)し、あるいはアウト口に入球するかの球ルートは、人為的に、つまり制御手段により読み出されるデータとして設定されているのが一般的である。この場合、球ルートは予め多数種類設定されており、所定の条件に基づいてそれらの中から特定の球ルートが決定される。
ここで入球とは、遊技球が入賞口やアウト口に入ることを指すが、映像式遊技機においては、遊技球、入賞口及びアウト口は画像で表示されているので、具体的には、入賞口やアウト口位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が遊技盤面画像上から消滅することを指す。
【0003】
映像式遊技機では、画像表示器に表示された遊技盤面画像上に、上記のように決定された球ルートに沿って遊技球(以下、単に球とも記す。)を移動表示させ、遊技を行う。
例えば、後掲特許文献1に開示されたこの種の遊技機では、画像表示される遊技球の発射のタイミングで主制御手段側のランダムカウンタの値が読み出され、その読み出されたカウント値に応じて上記球ルートが決定され、画像表示制御手段側がその決定された球ルートに沿って遊技球を移動表示させている。
【0004】
ところでこのような映像式遊技機においても、遊技盤面上に始動入賞口、図柄表示部及び可変入賞口が配置表示されるものがある。後掲特許文献1にもその例が示されているが、この場合、遊技球が始動入賞口に入球すると図柄表示部の図柄の変動が開始され、所定時間後に停止したときの図柄によって可変入賞口の開閉体(可動体)が開放し、可変入賞口へはより多くの遊技球の入球、つまり入賞が可能となる。
【0005】
この遊技状態を大当たり状態(特別遊技状態)というが、この大当たり状態は、実遊技機の場合と同様に、遊技球が可変入賞口内の特定領域側に入賞すれば繰り返される。特定領域側に入賞しないまま、一定時間、例えば30秒経過するか、可変入賞口への入球個数が一定数、例えば10個に達すると、開閉体が閉じて大当たり状態が終了する。大当たり状態の繰返しは、開閉体が再び開放した後、一定時間経過したか、又は可変入賞口への入球個数が10個に達したかのうち、いずれか早い時期までに、上記特定領域側への遊技球の入賞があれば、例えば最大16回まで繰返し可能であることも、実遊技機の場合と同様である。
【特許文献1】特開平11−9766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術では次のような問題点があった。
実遊技機では、可変入賞口の開閉体が開放中であって、その大当たり状態(ラウンド)を終了させ、開閉体を閉動作させる10個目の遊技球が可変入賞口に入球寸前という状況において、その10個目の遊技球に接近して11個目の遊技球があり、この遊技球が10個目の遊技球の入球と略一緒に入球することがある。
これは、10個という設定数を超えた仕様外の入球であるが、実遊技機ではこのような10個を超える入球が生じることは少なくない。このような動作は、可変入賞口への入球を検出してから開閉体を閉じるまでのタイムラグに起因するが、遊技者にとっては所謂おまけ入賞となり、遊技意欲を増大させる。
【0007】
しかし上述した従来の映像式遊技機では、このような点についての配慮がされてなく、一定数、例えば10個までの遊技球が入球されるように構成されていた。このため、仕様外の入球とはいえ、おまけ入賞はなくなり、実遊技機とは異なった遊技感(遊技をしていて受ける印象)を与え、実遊技機に慣れた遊技者にとっては面白みを低下させる虞があった。
【0008】
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたものであり、可変入賞口への設定数を超える所謂おまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけることができ、実遊技機に慣れた遊技者にとっても面白みを低下させることのない映像式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、遊技球の入球により賞球が払い出される、開又は閉動作可能な可動体の開動作によって、より多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む複数の入賞口、及び遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、発射操作部の操作によりその操作量に応じた発射強度で発射され、前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、前記主制御手段は、前記発射操作部の操作により発射される遊技球である発射球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を、その遊技球発射時の前記発射強度に基づいて設定し、設定結果を球属性として決定する球属性決定手段と、予め定められた条件が充足されることにより、前記可動体を開動作させる開信号を生成し、前記可動体を閉動作させる閉信号を生成する可動体開閉信号生成手段と、前記球属性を含む信号を発射球毎に送信すると共に、前記開信号又は閉信号を送信する信号送信手段とを備え、前記球属性決定手段は、全ての発射球に対して前記可変入賞口を消滅位置としたときの生存時間を仮決定した後、その仮決定した生存時間経過時に前記可動体が開動作中か判定し、開動作中であると判定された発射球であって、前記可変入賞口が消滅位置と決定された発射球については、その球属性を、消滅位置が前記可変入賞口であり、生存時間が前記仮決定された生存時間であると決定し、この球属性決定手段により球属性として決定された消滅位置が前記可変入賞口であって、その生存時間に一定時間を加算した時間が経過した時を前記可変入賞口への入球と判断して、前記可変入賞口へ入球した遊技球の個数が一定値になったとき前記可動体の開動作を終了し、前記閉信号を前記信号送信手段より送信させ、前記画像表示制御手段は、前記信号送信手段からの信号を受信して各信号中の球属性に基づき、各遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、その球ルートに沿って各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、前記信号送信手段からの前記開信号又は閉信号を受信して前記遊技盤面画像上の前記可動体の開又は閉動作表示を行わせる可動体開閉表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、可変入賞口への設定数を超える所謂おまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけることができ、実遊技機に慣れた遊技者にとっても面白みを低下させることのない映像式遊技機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、それに先立ち、まず本発明の概要について図15〜図18を参照して述べる。
遊技盤面上に始動入賞口、図柄表示部及び可変入賞口である大入賞口が配置表示され、遊技状態が前述したような大当たり状態となる映像式遊技機がある。映像式遊技機における大当たり状態も、実遊技機の場合と同様に、遊技球が大入賞口内の特定領域側に入賞すれば繰り返される。
特定領域側に入賞しないまま一定時間、例えば30秒経過したか、又は大入賞口への入球個数が一定数、例えば10個に達したかのうち、いずれか早い時点で可動体(開閉体)が閉動作して大当たり状態が終了する。
【0012】
大当たり状態(ラウンド)の繰返しは、開閉体が再び開動作した後、一定時間経過したか、又は大入賞口への入球個数が10個に達したかのうち、いずれか早い時点までに、大入賞口の特定領域側への遊技球の入賞があれば、一定回数、例えば最大16回(16ラウンド)まで繰返し可能であることも、実遊技機の場合と同様である。
【0013】
図15に、このような映像式遊技機における遊技球の入賞/非入賞状態の様子を示す。図15は、説明の便宜上、大入賞口への入賞に係る発射球(発射操作部の操作により発射される遊技球)のみを図示している。すなわち、実際には他の入賞口やアウト口への発射球が存在するが、ここでは図示省略している。
【0014】
図15中の各用語の意味は次の通りである。
「発射時の入賞個数」は、主制御手段内での入賞決定後の既定入賞数カウント値を指す。
「球発射」は、遊技球(発射球)a〜h…の発射から大入賞口に到達するまでの時間経過を図式化して示したものである。
「大入賞口の状態」は、時間経過に対する大入賞口のの開閉状態を図式化して示したものである。
「入賞個数」は、画像表示上での遊技球が入賞した際のカウント数を指す。
以上の用語の意味は、後掲図16、図18及び図13においても同様である。
【0015】
前述したように実遊技機では、開閉体が開動作してから一定時間経過するまでに10個目の遊技球と11個目の遊技球とが略一緒に入賞し、1ラウンド中の総入賞数が10個を超えることも少なくない。
映像式遊技機において、このような場合、単純に、10個目の遊技球の大入賞口への到達時間(後述生存時間)を境に開閉体を閉動作させると、次のような動作となる。
すなわち主制御手段は、10個目の遊技球と略一緒に大入賞口へ到達する遊技球ではあっても、それは発射時点での入賞/非入賞(入賞するか否か)の決定時に11個目の遊技球であると認識している。したがって11個目の遊技球は、大入賞口への到達時には既に開閉体が閉動作されていることから、入賞とはならない。
このため、上記おまけ入賞はなくなり、実遊技機とは異なった遊技感を与え、実遊技機に慣れた遊技者にとっては面白みを低下させる要因となっていた。
【0016】
そこで、本発明者等は次のような検討を行った。
そもそも、遊技球がどの位置に来たときに入賞と確定するかが重要となる。入賞/非入賞は、発射時点で内部決定、つまり主制御手段において決定されている。
しかしおまけ入賞を考慮した場合、入賞/非入賞は、開閉体で開閉される部分、つまり大入賞口の遊技球入口部分を通過する前後の「ある位置」に遊技球が到達した時点で開閉体が開放しているか否かで判定し、この「ある位置」を遊技球の入賞/非入賞の判定分岐点として検討することが適切である。
【0017】
いま上記判定分岐点を、開閉体の、自由端縁ないし開放時に上面に向く上面部に遊技球が触れる直前の球位置(第1位置)に定めたとする。この場合、10個目の入賞となる遊技球が判定分岐点に到達した時点で入賞を確定して開閉体を閉動作させると、大入賞口内にその10個目の入賞となる遊技球が誘導される以前に開閉体が閉動作し、同遊技球が閉成している開閉体を透過して(突き抜けて)入賞する等、見た目に不自然さが生じる。
また、このような第1位置以降の位置、つまり大入賞口内の遊技球が誘導される位置(第2位置)に判定分岐点を定めると、開閉体が開動作する時には既に大入賞口内部に遊技球(入賞球)が存在するという事態が生じてしまい、見た目は更に不自然になる。
【0018】
判定分岐点を上記第1位置に定めた場合に生じる不自然さの対策としては、開閉体を閉動作する際に、画像表示上の遅れをもたせ、つまり入賞確定時点から一定時間後、例えば0.5秒後に開閉体を閉じる画像表示とし、遊技球が完全に大入賞口内に誘導された後に開閉体を閉動作させる方法が考えられる。
【0019】
しかしこの方法によると、10個目の遊技球と11個目の遊技球が短い時間間隔で大入賞口へ到達する場合に、10個目の遊技球は正常に入賞するが、11個目の遊技球は開閉体が開放しているのもかかわらず素通り、つまり開放中の開閉体を透過して(突き抜けて)落下してしまう。
図16は、このような遊技球の入賞/非入賞状態の様子を、図15と同様に示した図であり、この図における用語の意味や記号は図15と同様である。
【0020】
上記のような遊技球の素通りを回避するために、11個目の遊技球を開閉体に近づけないように球ルートを設定することも考えられるが、この方法では極めて不自然な球移動を呈しかねない。
【0021】
そこで本発明者等は、おまけ入賞を実現すべく次のような手法を案出するに至った。
すなわち、遊技球の入賞/非入賞の判定分岐点を、上記第1位置、つまり開閉体の、自由端縁ないし開放時に上面に向く上面部に、遊技球が触れる直前の球位置に定め、入賞が確定する位置(入賞確定位置)は、遊技球が上記判定分岐点を通過してから一定時間後、例えば0.5秒後とした。
【0022】
図17は、本手法における判定分岐点である第1位置及び上記入賞確定位置の説明図である。この図は、実遊技機に例えた場合の遊技盤面上における大入賞口及び開閉体部分の側断面を示しており、遊技球位置P1が第1位置、同P2が入賞確定位置を例示する。また、β1は遊技盤面、α1は大入賞口、α2は開閉体、α3は開閉体α2の自由端縁部分、α4は開閉体α2の上面部を示す。
【0023】
図18は、本手法における遊技球の入賞/非入賞状態の様子を、図15と同様に示した図であり、この図における用語の意味や記号は図15と同様である。
この図に示すように、本手法では、大入賞口等の可変入賞口への各入賞球について、入賞/非入賞の判定分岐点は、開閉体等の可動体の、自由端縁ないし開放時に上面に向く上面部に、遊技球が触れる直前の球位置に定められ、入賞が確定する位置(入賞確定位置)は、遊技球が上記判定分岐点を通過してから一定時間後、例えば0.5秒後とされている(図中、☆印部分参照)。
なお図18において、☆印部分は入賞個数5個目及び10個目についてのみ付してあるが、入賞個数1〜4個目及び6〜9個目についても同5個目及び10個目と同様である。
【0024】
本発明はこのような手法を適用し、所謂おまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけ、実遊技機に慣れた遊技者にとっても面白みを低下させない映像式遊技機を実現した。
【0025】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部を示す構成図、図2は図1中から主制御装置、画像表示制御装置及びカード制御装置部分を取り出して示すブロック図である。
これらの図において、映像式パチンコ機の遊技機枠1は、パチンコ遊技場内のいわゆる島と呼ばれる遊技機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。可動枠3の内側には、画像表示器5が、画面を前側に向けて取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等からなり、電気的に表示形態を変えられる画像を表示できる。可動枠3の裏面側には主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が取り付けられる。
【0026】
このうち主制御装置6は、画像表示制御装置7の制御を経て画像表示器5に遊技盤面画像(以下、盤面画像と略記する。)を表示させ、かつこの表示させた盤面画像における遊技状態の制御及び賞球制御等、パチンコ機全般の制御を司る装置である。
【0027】
ここで、上記盤面画像は、実遊技機の遊技盤面形態を模した画像である。すなわち、図1に例示するように、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センタ飾り42、図柄表示部43、一般入賞口44〜47、始動入賞口48、大入賞口(可変入賞口)49、大入賞口49の前面の開閉体(可動体)50、風車51、サイドランプ52、アウト口53、及び図示を省略した多数の遊技釘等の盤面構成部材等を表す画像からなる。
【0028】
上記主制御装置6は、図3に示すように、例えばCPU6a、RAM6b、ROM6c及び入出力インタフェース6dを備えて構成されている。また、ROM6cには、制御プログラム6c1、データ群6c2及び入賞率テーブル6c3が格納されている。
主制御装置6は、CPU6aがRAM6bを作業域として用いて制御プログラム6c1を実行し、ROM6c中のデータ群6c2及び入賞率テーブル6c3を適宜読み出しながら上述した制御を行う。
【0029】
上記入賞率テーブル6c3には、図1に示す各入賞口44〜49へ遊技球が入球する割合(以下、入賞口別の入球割合という。)が、その遊技球の発射強度に対応させて表わされている。遊技球の発射強度は、後述する発射操作部の操作量に対応づけられている。
【0030】
以下、図4に図1を併用して入賞率テーブル6c3について説明する。
図4は、入賞率テーブル6c3の一例を示す図である。この図において、消滅位置とは、遊技球の入球位置を指す。この例では、入球位置として入賞口のみが示されているので消滅位置は入賞口を指す。
図示するように入賞率テーブル6c3は、入賞口別の入球割合、つまり入賞率を遊技球の発射強度(値)に応じて表わしている。例えば、遊技球の発射強度が11〜20の範囲内では、図1に示す入賞口44,45が0.01%、入賞口46,47が0.00%、始動入賞口48が4.00%、大入賞口49が35.00%で入賞することを表わしている。アウト口53へは残余の率で入球する。
【0031】
この例では、上記発射強度に応じた入賞口別の入球割合が、上記11〜20の範囲の次は21〜30、その次は31〜40というように、発射強度の範囲10刻みで1111〜1120まで、各1組の入賞口別の入球割合が設定されている。大入賞口49の入賞率は、開閉体50が開動作していないときは0.00%であり、ここでの大入賞口49の入賞率はそのままアウト口53への入球率に加算される。
【0032】
開閉体50の開動作には、連続開放や、適宜の時間間隔をおいて開閉動作を繰り返す間欠開放等があり、その何れを適用してもよいが、本実施形態では連続開放が適用されており、以下これを開放と略記する。
なお、入賞率テーブル6c3を、入賞口別の入球割合を違えて複数用意し、そのうちの1つをランダムに選択するようにしてもよい。
【0033】
図3において、主制御装置6は、球属性決定手段6e、開閉体(可動体)開閉信号生成手段6f及びコマンド送信手段6gを備える。
ここで球属性決定手段6eは、入賞率テーブル6c3に表わされた入賞口別の入球割合に従い、後述する発射操作部の操作により発射される遊技球(発射球)の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定するように構成されている。
【0034】
また球属性決定手段6eは、発射球について、球属性として決定された消滅位置が大入賞口49であって、その生存時間に対し、一定時間を加算した時間に達したか判定し、加算した時間に達したと判定した場合には大入賞口49への入賞(入球)とし、入賞した遊技球が予め定められた個数に達したときに、開閉体開閉信号生成手段6fで生成された上記閉信号を信号送信手段6gより送信させるように構成されている。
この機能は、必ずしも球属性決定手段6eにもたせなければならない訳ではなく、主制御装置6中に備えればよい。
なお、上記一定時間はここでは0.5秒、また上記予め定められた個数はここでは10個に設定されている。
【0035】
開閉体開閉信号生成手段6fは、予め定められた条件が充足されることにより、開閉体50を開動作させる開信号を生成し、開閉体50の開動作後は大入賞口49への予め定められた個数、ここでは10個の遊技球の入賞(入球)、又は開閉体50の開動作後の予め定められた時間、ここでは30秒の経過により閉動作させる閉信号を生成する手段である。予め定められた条件とは、後述する複数の図柄が大当たり図柄で停止することや、大当たり状態が継続することを指す。
【0036】
コマンド送信手段6gは、球属性決定手段6eにより決定された球属性を含む遊技球発射コマンド(信号)CMを、発射球毎に送信すると共に、開閉体開閉信号生成手段6fで生成された開信号又は閉信号を送信する手段である。
【0037】
上記画像表示制御装置7は、主制御装置6の制御に基づき、つまり主制御装置6からの遊技球発射コマンドCM、その他、各種のコマンドを受信し、これらのコマンド等により画像表示器5に上記盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う装置である。
「表示させた盤面画像における表示制御を行う」とは、具体的には、画像表示器5を制御して、上記盤面画像自体の制御表示、例えば後述する複数の図柄の変動表示や図1に示す大入賞口49の開閉体50の動画像表示等をさせ、あるいは遊技球を上記盤面画像上に移動表示させること等をいう。
【0038】
画像表示制御装置7の制御によるこれらの表示は、主制御装置6の制御に基づいている。特に、画像表示制御装置7による盤面画像自体の制御表示は、主制御装置6による上記盤面画像における遊技状態の制御に基づいている。
【0039】
この画像表示制御装置7は、図5に示すように、例えばCPU7a、RAM7b、ROM7c、画像処理専用の演算処理ユニット(GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)7d、ビデオRAM7e、入力インタフェース7f及び出力インタフェース7gを備えて構成されている。
【0040】
上記ROM7cには、制御プログラム7c1と、遊技釘の位置・形状(大きさを含む。)を表す遊技釘データ7c2と、球属性別、ここでは遊技球消滅位置(発射強度を内包する)・生存時間別の球ルートテーブル7c3と、その他のデータ群7c4とが格納されている。
【0041】
データ群7c4には、遊技釘データ7c2と共に盤面画像を表示するためのガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、開閉体50、風車51、サイドランプ52及びアウト口53等の盤面構成部材の表示用データや、盤面背景データ等が含まれる。
上記表示用データは、表示対象である各盤面構成部材の位置、形状(大きさを含む。)を表すデータであり、これらのデータから、遊技球を球ルート(位置座標データ群)に沿って移動表示させて入賞口44〜49やアウト口53で消滅させることが可能となる。
【0042】
画像表示制御装置7は、CPU7aがRAM7bを作業域として用いて制御プログラム7c1を実行し、ROM7c中の遊技釘データ7c2及びデータ群7c4を適宜読み出し、またGPU7dを制御してビデオRAM7eに描画データを書き込ませる。これにより画像表示制御装置7は、上述したように画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う。
【0043】
本実施形態では、画像表示制御装置7は遊技球移動表示手段7hと開閉体(可動体)開閉表示手段7iとを備える。
この遊技球移動表示手段7hは、図3に示す主制御装置6のコマンド送信手段6gからの遊技球発射コマンドCMを受信して各遊技球発射コマンドCM中の球属性に基づき各遊技球の球ルートを取得し、その球ルートで各遊技球を上記盤面画像上に移動表示させるように構成されている。
【0044】
球ルートは、各遊技球が上記盤面画像上に表示(発射)されてから入賞口44〜49又はアウト口53(図1参照)で消滅、つまり入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなる。
なお、球ルートの終点である入賞口44〜49又はアウト口53での消滅は前記生存時間の満了時以降となることは勿論であり、上記位置座標データ群中の各位置座標データは経過時間対応で、ここでは単位時間毎に、表されている。
【0045】
なお、球ルートは遊技球中心位置のルートを指す。また映像式遊技機においては、遊技球、入賞口44〜49及びアウト口53は画像で表示されているので、入賞口44〜49やアウト口53の位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が盤面画像上から消滅することは、遊技球が入賞口44〜49やアウト口53に入球することを指す。
【0046】
開閉体開閉表示手段7iは、コマンド送信手段6gからの上記開信号又は閉信号を受信して遊技盤面画像上の開閉体50の開又は閉動作表示を行わせる手段である。
【0047】
説明を図1に戻すと、可動枠3には、その前面に前面飾り枠11がヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備え、この丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられた無色透明のガラス又は合成樹脂からなる画像表示器保護用パネル13で塞がれる。
丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、精算操作機構17、発射操作機構18、持ち球数表示器19等を備える。
【0048】
カード挿入口14は遊技者がプリベイドカード等の遊技媒体(以下、カードという。)22を挿入するスリット状の口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23、カード搬送機構24、情報読取器25及び情報書替器26が、前面飾り枠11の裏部等に取り付けられた状態で位置する。貸出操作機構15は、遊技者により操作される貸出操作部27と、この貸出操作部27によりON/OFF動作する貸出スイッチ28とを備える。
【0049】
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、この返却操作部29によりON/OFF動作する返却スイッチ30とを備える。精算操作機構17は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される精算操作部31と、この精算操作部31によりON/OFF動作する精算スイッチ32とを備える。
【0050】
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から回動操作される発射操作部(発射レバー)33と、この発射操作部33の操作により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、この発射停止操作部35によりON/OFF動作する発射停止スイッチ36とを備える。また発射操作機構18は、遊技者が発射操作部33に触れているか否かを検出するタッチセンサ(図示せず)を備える。
上記持ち球数表示器19は、数値表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11又は可動枠3に取り付けられる。
【0051】
以下、上述実施形態の基本的な動作について、主に図1、図3及び図5を参照しつつ説明する。
まず、主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が、遊技機枠1に設けられた電源装置(図示せず)から直流電源が供給され起動されると、主制御装置6の制御に基づき画像表示制御装置7が画像表示器5を制御して、この画像表示器5に盤面画像を表示させる。
この盤面画像は、上述したように各種の盤面構成部材39、42〜55、及び図示を省略した多数の遊技釘等を表す画像からなる。
【0052】
いま、遊技者が金額情報の書き込まれたカード22をカード挿入口14に挿入すると、カード検出器23がカード検出信号をカード制御装置8に出力し、カード搬送機構24を引込制御する。これにより、カード22が搬送され、情報読取器25がカード22の金額情報を読み取ってカード制御装置8に出力する。
【0053】
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、入力された投資金額に相当する投資金額情報が貸出信号として貸出スイッチ28からカード制御装置8に出力される。カード制御装置8は、貸出スイッチ28からの貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、カード22から読み取って記憶しておいた金額情報(カード読取金額情報)が上記投資金額情報以上であるか否かを判定する。
【0054】
次にカード制御装置8は、上記カード読取金額情報が投資金額情報以上である場合には投資金額情報をそのまま、投資金額情報未満である場合には上記カード読取金額情報を投資金額情報として、主制御装置6に出力する。主制御装置6は、カード制御装置8から出力された投資金額情報に応じた球数情報を持ち球数表示器19に出力し、この持ち球数表示器19が球数情報に相当する球数を数値表示する。
【0055】
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、カード22には500円の整数倍の金額情報が書き込まれている。そして、カード挿入口14に挿入されたカード22に、例えば1000円の金額情報が書き込まれている場合であって、遊技者が、貸出操作部27を1回操作した場合には500円に、2回操作した場合には1000円に、相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。カード22に500円の金額情報が書き込まれていて、遊技者が貸出操作部27を2回操作した場合には、2回の操作に拘わらず500円に相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。
なお、カード読取金額情報を度数情報としてカード制御装置8に接続された度数表示器(図示せず)に表示するようにしてもよい。
【0056】
持ち球数表示器19による球数表示と並行して、カード制御装置8は、上記カード読取金額情報から貸出としての球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、カード22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。
残額情報が「0」の場合、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。遊技者が返却操作部29を操作すると、カード制御装置8は、返却スイッチ30から返却信号を受けてカード搬送機構24を戻し制御する。
これらの戻し制御によって、カード搬送機構24はカード22を搬送してその一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を遊技機枠1から取り出し可能とする。
【0057】
持ち球数表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、図示しないタッチセンサがONすると共に、可変抵抗器34が発射操作部33の操作量に応じた可変抵抗値を主制御装置6に出力する。なお、発射停止操作部35は操作されてなく、発射停止スイッチ36はOFFしているものとする。
【0058】
主制御装置6は、発射操作部33の操作量がいわゆる遊びの範囲を超えているか否か、具体的には可変抵抗器34の可変抵抗値が一定値以上か否かによる発射可否の判定を行う。主制御装置6は、判定結果が発射可である場合には、1分間当たり例えば100個の割合で発射ON信号を生成すると共に、この発射ON信号毎に、その信号生成時の上記可変抵抗値、換言すれば発射操作部33の操作量を取得する。
【0059】
また主制御装置6は、画像表示器5に画像として描かれる遊技球が発射表示されてから遊技領域41をどのようなルートで流下、移動させるかについての基本的な情報となる球属性を上記発射ON信号毎、つまり発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に決定する。
【0060】
上記球属性は、主制御装置6に備わる球属性決定手段6eにより決定される。
すなわち球属性決定手段6eは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度を求め、この発射強度に基づき、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定する。
【0061】
図6に、遊技球の発射強度とこの発射強度に基づいて求められる生存時間との関係の一例を示す。ここでは、発射強度に基づいて求められる生存時間が一定の幅をもつ例が示されている。
遊技球の生存時間を、遊技球の発射強度に基づくものではあるが、直接的には上記消滅位置に応じて求めたものであってもよい。また、遊技球の発射強度を球属性に含めてもよく、この場合、発射強度は、遊技球が遊技領域41に打ち込まれて最初に衝突する盤面構成部材位置、つまり着弾位置の決定に利用される。
【0062】
上記発射強度は、遊技球の発射の強さを表す情報であり、上述したように遊技球の消滅位置及び生存時間を求める基本的な情報として用いられる。
遊技球の消滅位置は、入賞口44〜49に入賞(入球)するか、入賞するときはどの入賞口に入賞するか、又は入賞せずにアウト口53に入球するかを表す入球位置に係る球属性である。遊技球は入賞口44〜49への入賞、又はアウト口53への入球時にその表示が終了し、盤面画像上から消滅する。
遊技球の生存時間は、発射操作部33が操作され、遊技球が発射されてから消滅するまで、つまり盤面画像上に表示が開始されてから終了するまでの経過時間に係る球属性である。
【0063】
球属性決定手段6eにより決定された各球属性を含む遊技球発射コマンドCMはコマンド送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。
画像表示制御装置7は、コマンド送信手段6gからの遊技球発射コマンドCMを受信して同コマンドCM中の上記2つの球属性に基づき各遊技球の移動ルート、つまり球ルートを取得(選択又は生成)し、その球ルートで各遊技球を画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示させる。
【0064】
球ルートは、遊技球が発射(表示)されガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に打ち込まれた後、流下、移動しながら風車51や図示しない遊技釘等に当たって、入賞口44〜49の何れかに入賞し、又は非入賞となってアウト口53に入球するまでの道筋を表わす位置座標データ群からなる情報である。
【0065】
入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜48(図示例では開閉体50が閉じているので大入賞口49は含まない。)の何れかに入球することを表わす情報である。
非入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜49の何れにも入賞しないでアウト口53に入球することを表わす情報である。
なお、始動入賞口48への入球時、つまり入賞として始動入賞情報が決定された場合だけ、当たり/外れ情報が決定される。
【0066】
当たり/外れ情報は、主制御装置6において、入賞として始動入賞情報が決定されたタイミングで図示しない大当たり抽選用カウンタからカウント値を取得し、このカウント値を、同カウンタの全カウント値と大当たり/外れ値とを対応付けた抽選テーブルに照合(大当たり抽選)して決定される。
決定された当たり/外れ情報(抽選結果)はRAM6bに記憶される。これによりRAM6bに記憶される抽選結果は、大当たり又は外れの何れか1つである。
【0067】
主制御装置6は、上記発射ON信号毎に球数情報を減算し、この減算した球数情報を持ち球数表示器19に出力すると共に、上述したように各球属性を含む遊技球発射コマンドCMを上記発射ON信号毎に画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7で画像表示器5を制御させる。
この制御によって、画像表示器5は遊技球動画像(球ルートに沿って移動する遊技球画像)を表示する。
この遊技球動画像は、遊技球が1分間当たり100発の割合で盤面画像中の発射通路40から遊技領域41に打ち込まれ、この遊技領域41を流下、移動する動画像である。
【0068】
持ち球数表示器19は、主制御装置6からの減算した球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値となる。
そして、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が一般入賞口44〜47に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。
これにより、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0069】
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、図柄変動開始コマンド及び上記大当たり抽選で決定された当たり情報又は外れ情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する(盤面画像における表示制御を行う)。
この制御によって、画像表示器5は、図柄表示部43に複数の図柄の変動表示を開始し、所定時間後、主制御装置6から画像表示制御装置7に送信された上記大当たり抽選で決定された当たり情報又は外れ情報を反映するように、図柄表示部43における複数の図柄の変動表示を終了し、図柄を停止させる。
【0070】
この図柄停止によって、図柄表示部43に表示される図柄は、上記大当たり抽選で決定された情報が当たり情報である場合には例えば「333」、「777」のように同一の数値が一列に並んだ表示形態となり、上記大当たり抽選で決定された情報が外れ情報である場合には例えば「133」、「767」のように異なる数値が一列に並んだ表示形態となる。
【0071】
図柄表示部43における図柄の停止した表示形態が当たりの形態、つまり停止図柄が大当たり図柄である場合には、主制御装置6が開閉体50を開放するための開情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、これを受けた画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の動作画像を表示する。
【0072】
この大入賞口49の動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として垂直に閉じた状態から斜め前方に開く動画像である。このようにして開閉体50が開放すると、大入賞口49には、より多くの、つまり他の一般入賞口44〜47に比べて多くの遊技球の入賞が可能となる。
【0073】
開閉体50の開放中に、遊技領域41から遊技球が大入賞口49に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像から消滅すると、主制御装置6は、大入賞口49に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、大入賞口49への入賞時点の数値と大入賞口49に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0074】
遊技領域41から大入賞口49に入賞した遊技球は、大入賞口49の内部に設定された普通領域又はVゾーンと称される特定領域(共に図示せず)に入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開放開始からの経過時間をカウントアップすると共に、大入賞口49に入賞した遊技球の数をカウントアップする。
【0075】
上記カウントアップした経過時間が設定開放時間に達するか、又はカウントアップした大入賞口49への入賞個数が予め定められた例えば10個のような入賞個数に達するかの何れか一方の条件が充足すると、主制御装置6は開閉体50を閉じるための閉情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の動作画像を表示する。この大入賞口49の動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方から図1に示す垂直状態に閉じる動画像である。
【0076】
この開閉体50が開いてから閉じるまでの間、つまり開放中において、大入賞口49の特定領域に遊技球が入賞した場合、主制御装置6は、特定領域への入賞があったことをカウントアップ(+1)する。開閉体50の1回の開放(大当たり状態)中に特定領域への入賞数が複数個あっても、最初の+1カウントアップ以降はカウントアップされない(+1のままである)。
このカウントアップがあった場合、主制御装置6は、画像表示制御装置7による上記開閉体50の1回の開放が終了した後に、同開閉体50を再び開放するための開情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、上記画像表示器5を再び制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方に開く形態の動画像を表示する。
【0077】
この開閉体50が再び開放する大当たりの継続は、カウントアップした特定領域への入賞が例えば16回のような設定継続回数に達するまで行われる可能性がある。開閉体50の1回の開放中において特定領域への入賞が1回もなければ、その回で大当たり状態の継続が終了することから、開閉体50の開放が継続する回数は可能性にとどまる。
【0078】
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者が精算操作部31を操作する。これによって、精算スイッチ32が精算信号をカード制御装置8に出力し、カード制御装置8が精算信号を主制御装置6に出力する。
これにより主制御装置6は、持ち球数表示器19に表示されている球数に相当する球数情報をカード制御装置8に出力すると共に、持ち球数表示器19の数値を「0」となるように持ち球数表示器19を制御する。
カード制御装置8は、遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報に主制御装置6から入力された球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。
その後、カード制御装置8がカード搬送機構24を戻し制御し、金額情報の書き替えられたカード22がカード挿入口14から前側に吐き出される。
【0079】
以下、図7に図1、図3及び図5を併用して、上記遊技球の発射強度、球属性(遊技球の消滅位置、生存時間)、遊技球発射コマンドCM、及び球属性別の球ルートテーブル7c3の関係について説明する。
球属性のうち、遊技球の消滅位置は、主制御装置6の球属性決定手段6eにより遊技球の発射強度に基づいて決定される。ここでは、遊技球の消滅位置が、0から9999までの数値をエンドレスで繰り返しカウントする消滅位置決定用カウンタ(図示せず)を用い、このカウンタの上記発射ON信号生成時のカウント値と上記遊技球の発射強度に基づいて決定される。
【0080】
いま、球属性決定手段6eにおいて発射強度値505が取得され、消滅位置決定用カウンタの上記発射ON信号の生成時のカウント値が250であるとする。このような場合、球属性決定手段6eは、図4に示す入賞率テーブル6c3の発射強度501〜510の欄の入賞率を検索し、ここから遊技球の消滅位置を決定する。具体的には、この欄の各入賞口44〜49の入賞率を、入賞口44側から順に大入賞口49側に向けて各々10000倍した数値1、2、2、1、450…を順次加算して行く。すると、入賞口47の位置で合計値6が得られ、始動入賞口48の位置で合計値456が得られる。
消滅位置決定用カウンタのカウント値は250であり、この値は入賞口47の位置の合計値6を超え、始動入賞口48の位置の合計値456以下の範囲内にあるから、ここでは始動入賞口48がその遊技球の消滅位置と決定する。
【0081】
これにより、遊技球の発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c3に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置が決定されるが、遊技球の発射強度に基づき、かつ入賞率に従った方法であれば、上述方法以外の方法により遊技球の消滅位置を決定してもよい。
【0082】
球属性のうち、遊技球の生存時間は、図6にも示したように一定の幅をもつが、その幅内の特定の生存時間が上記遊技球の消滅位置に応じて決定される。図7に示すように、同一消滅位置の中にも更に異なる値の生存時間を複数種類設定してもよいが、この場合は、消滅位置決定用カウンタを用いた抽選によりランダムに決定された複数種類の中の1種類の消滅位置に応じた特定の生存時間が決定される。
【0083】
このように決定された球属性は、遊技球発射コマンドCMに含められて主制御装置6のコマンド送信手段6gから送信される。図7に示す例において、頭文字「CM」が付された4桁の数字は各々球属性を含む遊技球発射コマンドCMを表す。
【0084】
球属性別の球ルートテーブル7c3は、画像表示制御装置7のROM7cに格納されている。この球ルートテーブル7c3は、主制御装置6のコマンド送信手段6gから送信されてくる遊技球発射コマンドCM、換言すれば球属性と、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)が盤面画像上に表示する遊技球の移動経路、つまり球ルートとの対照表である。
【0085】
球ルートは、図7に示す例においては頭文字「RT」が付された4桁の数字で表されているが、具体的には遊技球が盤面画像上に表示されてから消滅するまでの単位時間毎、例えば1/60秒毎の位置座標データの集合(位置座標データ群)である。
【0086】
位置座標データは、例えば遊技盤面を含む画像表示器5の画像表示面(二次元平面)をX,Y平面とし、図1中の左右方向にX軸、上下方向にY軸をとり、同画像表示面の図1中の左下隅部を基準位置、つまりX=0,Y=0として表わす。
遊技盤面に直交する、遊技盤面の前面側(遊技者側)の方向にZ軸をとり、位置座標データをX,Y,Zの三次元座標で表わしてもよい。
なお図7は、球属性の一部を例示している。球属性別の球ルートテーブル7c3も一部を例示している。
【0087】
遊技者が、図1に示す発射操作部33をある操作量、例えば回転角度35°〜45°までの間の回転角度θxに操作した場合、主制御装置6は回転角度θxに応じた値を発射操作量として取得し、同装置6内の球属性決定手段6eはその発射操作量に応じて遊技球の発射強度Fxを求める。
そして、この球属性決定手段6eは、発射強度Fxに対応する遊技球消滅位置Pxを、上記入賞率テーブル6c3及び消滅位置決定用カウンタを用いて抽選により求め、続いて、この消滅位置Px(詳しくは発射強度Fx及び消滅位置Px)から、各消滅位置までの遊技球生存時間Txを求める。
【0088】
主制御装置6のコマンド送信手段6gは、球属性決定手段6eで決定された遊技球消滅位置Px及び生存時間Txからなる球属性を含む遊技球発射コマンドCMを画像表示制御装置7に送信する。
遊技球発射コマンドCMは発射される遊技球毎に画像表示制御装置7に送信されるが、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)はこの遊技球発射コマンドCMを受信する毎に、各遊技球発射コマンドCM中の球属性に応じた球ルートを遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3から読み出す。
【0089】
次に本実施形態において、図1に示す映像式遊技機の電源がオンされ、発射操作部33が操作されてから遊技球が盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅、つまり表示が終了するまでの一連の処理動作を図8〜図12のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
図8は図1、図3に示す主制御装置6における本実施形態全体の処理フローを示す。この図に示すように、主制御装置6は、主電源オン(ステップ101)されると、CPU6a、RAM6b等、装置各部を初期化する(ステップ102)。そして、生存球管理、遊技球発射、開閉体(可動体)状態管理及び図柄管理の各処理を行う(ステップ103〜106)。ステップ103〜106は主制御装置6の動作中、繰り返し実行される。
【0091】
ステップ103において、生存球とは、盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅するまでの遊技球、つまり、発射された後に未だ入賞口44〜49又はアウト口53の何れにも入球せずに盤面画像上を移動している球をいう。このステップ103における生存球管理処理については、その詳細を後述する。
ステップ105の開閉体状態管理においては、開閉体50の開閉動作を制御し、その制御状態の把握等を行う。
ステップ106の図柄管理においては、図柄表示部43における図柄の変動開始及び停止動作等を制御し、その制御状態の把握等を行う。
【0092】
図9は、図8中のステップ103における生存球管理処理の詳細を例示するフローチャートであり、以下、これを図1及び図3を併用して説明する。
生存球管理処理は、図8中のステップ104における発射処理中の球属性決定処理で決定された遊技球の球属性を生存球情報として引き継ぎ、その遊技球が消滅するまでを管理するルーチンである。生存球情報とは、生存時間タイマ、消滅位置、大当たり抽選情報等で、これらのデータを処理して入賞の確定や、予め定められた入賞個数、ここでは10個入賞での開閉体閉成処理を行う。
【0093】
まず、ステップ201において生存球の有無を判定し、有と判定された場合にはステップ202を実行し、無と判定された場合にはこの生存球管理処理を終了する。
ステップ202では、時間経過を認識するために、生存球情報内の生存時間タイマを更新する。ここで、ステップ201でYesと判定された場合において、生存球は複数存在する可能性があるので、順に処理するために最初の遊技球と指定された遊技球についてステップ202を実行する。
【0094】
ステップ203では、指定された遊技球の消滅位置が大入賞口49であるか否かを判定する。消滅位置が大入賞口49であると判定された場合には、生存時間タイマのタイマ値が生存時間に一定時間、例えば0.5秒を加算した時間に達したか否かを判定する(ステップ204)。
【0095】
ステップ204における判定がYesの場合にその大入賞口49への入賞(入球)が確定する。入賞が確定すると、入賞球カウントを更新(+1)し、その値が10個になった場合は、開閉体50を閉動作させ、大入賞口49を閉成状態にした後(ステップ205,206)、ステップ207において入球処理を行う。
開閉体50の閉動作は、開閉体開閉信号生成手段6fが閉信号を生成することにより行われる。すなわちこの閉信号は、コマンド送信手段6gにより画像表示制御装置7に送られ、開閉体開閉表示手段7iを作動させて盤面画像上の開閉体50の閉動作表示を行わせる。また、ステップ204における判定がNoの場合には、後述するステップ210を実行する。
【0096】
ステップ207は、ステップ205においてNoと判定された場合にも実行される。以上におけるステップ207の入球処理は大入賞口49についての入賞処理、主に賞球払出処理である。
【0097】
上記ステップ203において、指定された遊技球の消滅位置が大入賞口49でないと判定された場合には、ステップ208を実行する。
ステップ208では、生存時間タイマのタイマ値が生存時間になったか否かを判定し、Yesと判定された場合にはステップ207を実行、すなわち入球処理を行う。ここでは、指定された遊技球の消滅位置が入賞口44〜48の何れかであればその何れかの入賞口についての入賞処理、主に賞球払出処理である。指定された遊技球の消滅位置がアウト口53であれば入賞処理(賞球払出処理等)は行わないことは勿論である。
【0098】
入賞口44〜49及びアウト口53に入球し、消滅した遊技球についての情報は不要となるので廃棄する(ステップ209)。
ステップ210では、他の未処理の生存球の有無を判定し、あればその未処理の生存球を指定し、ステップ202に戻って同ステップ202、及びそれ以降、ステップ209までの処理を上述と同様に実行し、これを他の未処理の生存球がなくなるまで繰り返す。ステップ209で他の未処理の生存球がないと判定された場合にはこの生存球管理処理を終了し、図8中のステップ104に移行する。
【0099】
以上の処理フロー中のステップ204、ステップ206によれば、入賞時における遊技球と開閉体50の表示上の不自然さ(上記遊技球の素通り)を生じさせることが防止される。ステップ204において生存時間に加算される一定時間は、0.5秒に限定されず、実験等によって適宜の時間を選定すればよい。
【0100】
図10は、図8中のステップ104における遊技球の発射処理(遊技球1発毎の発射処理)の詳細を例示するフローチャートであり、以下、これを図1及び図3を併用して説明する。
【0101】
主制御装置は、以上述べた生存球管理処理に次いで、遊技球の発射処理を実行
する(図8中のステップ104参照)。
図10は、図8中のステップ104における遊技球の発射処理(遊技球1発毎の発射処理)の一例を示すフローチャートであり、以下、これを図1及び図3を併用して説明する。
【0102】
まずステップ301では、発射操作機構18が遊技球を発射できる状態になっているか否かを判定する。
すなわち、発射操作部33のタッチセンサ(図示せず)がON、発射停止スイッチがOFF、更に発射操作部33の操作量が遊びの範囲を超えているか否かを判定する。遊技者が実際に遊技球を発射するために発射操作部33を操作しているか否かを判定するためである。ステップ301の判定結果がNo(否定)であれば発射処理を終了し、Yes(肯定)であれば次ステップ302に進む。
【0103】
ステップ302では前回の発射から一定時間経過しているか否かを判定する。これは1分間に例えば100発を超えて発射されないようにするためで、一定時間とはここでは0.6秒である。ステップ302で一定時間経過していないと判定された場合には発射処理を終了する。つまり、主制御装置6は、遊技球の発射に関しては何の処理もしない。一定時間経過していると判定された場合には処理をステップ303に移す。
【0104】
ステップ303では、持ち球数があるか(持ち球数表示器19が表示する球数が1以上か)否かを判定し、判定結果がNoであれば空打ち音を図示しない音声制御装置で発生させるためのコマンドを同音声制御装置に送信する(ステップ304)。
【0105】
ステップ303における判定結果がYesであれば球属性決定手段6eにより球属性を決定する(ステップ305)。ここでは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度が求められ、この発射強度及び遊技球の消滅位置に基づいて生存時間が求められ、これら消滅位置及び生存時間が球属性とされる。
【0106】
球属性が決定されると、ステップ306に移行し、決定された球属性を含んだ遊技球発射コマンドCMを、コマンド送信手段6gから画像表示制御装置7に送信し、発射処理を終了する。
以上の処理は、発射球毎に行われる。
【0107】
次に、図11に図1、図3及び図4を併用して図10中のステップ305における球属性決定処理の具体例を説明する。
主制御装置6の球属性決定手段6eは、まず遊技球の発射時に、大入賞口49が開放中(開閉体50が開動作中)で遊技球がこの大入賞口49へ入賞可能であると仮定し、大入賞口49への入賞が選択された場合の遊技球の生存時間を仮決定する(ステップ401)。
【0108】
この仮決定は、遊技球の発射強度に応じて定められた同遊技球の消滅位置の各々について最短・最長生存時間が設定されたテーブル(図示せず)中の、消滅位置が大入賞口49である場合の上記最短・最長生存時間の範囲内から、発射される遊技球の発射強度に基づいて特定の値の生存時間を選択する抽選により行われる。
上記発射強度は、発射操作部33の操作量に応じて設定された高低一定幅の発射強度範囲内からランダムに選択される。
【0109】
ステップ402では、発射した時点から上記ステップ401で仮決定した生存時間後に大入賞口49(開閉体50)が開放中であるかを判定し、ステップ403,404でその結果を保存した後、ステップ405に処理を移す。
主制御装置6は、図8中のステップ103,105に示すように、生存球情報及び開閉体動作状態を管理しているので、仮決定した生存時間後の開閉体50の開閉動作状態は容易に判断できる。またこの時、生存球情報に、予め定められた入賞個数(10個入賞)の遊技球であって開閉体50を閉成させる遊技球を含む場合は、図9に示す生存球管理処理において、その遊技球の生存時間の一定時間(0.5秒)後に入賞を確定し、開閉体50を閉成するとしたので(図9中、ステップ203〜206参照)、その間に大入賞口49(開閉体50)に到達可能な遊技球は入賞球として判断する。
【0110】
ステップ405では、上記発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c4に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置(入球位置)、つまり特定の入賞口44〜49又はアウト口53を抽選により仮決定する。
ステップ406では、ステップ405において仮決定された消滅位置が大入賞口49(開閉体50)であるか否かを判定する。
この判定結果がYesであれば、ステップ407において、ステップ403,404で保存した大入賞口49への入賞の不可能/可能状態を参照し、大入賞口49が入賞(入球)可能状態にあるか否かを判定する。
そしてステップ407における判定結果がYesであればステップ408を実行、つまり遊技球の消滅位置を大入賞口49であると本決定(球属性として決定)し、ステップ407における判定結果がNoであればステップ409を実行、つまり遊技球の消滅位置をアウト口53であると本決定(球属性として決定)する。
【0111】
ステップ406において、ステップ405で仮決定された消滅位置が大入賞口49ではないと判定された場合には、ステップ410を実行する。ステップ410では、ステップ405で抽選され、仮決定された消滅位置、つまり特定の入賞口44〜48又はアウト口53をその遊技球の消滅位置であると本決定(球属性として決定)する。
【0112】
ステップ411では、ステップ408において消滅位置が大入賞口49であると本決定された遊技球につき、ステップ401で仮決定された生存時間を正規の生存時間として決定、つまり本決定する。
ステップ412では、ステップ409において消滅位置がアウト口53であると本決定され、あるいはステップ410において消滅位置が特定の入賞口44〜48又はアウト口53であると本決定された遊技球の生存時間について、本決定(球属性として決定)する。この本決定は、遊技球の発射強度に応じて定められた同遊技球の消滅位置の各々について最短・最長生存時間が設定されたテーブル(図示せず)から、発射される遊技球の発射強度に基づいて特定の値の生存時間を選択する抽選により行われる。
【0113】
主制御装置6は、ステップ411,412で各々本決定した球属性(消滅位置及び生存時間)をステップ413で生存球情報としてRAM6bに登録し、球属性決定処理を終了する。終了後、処理は図10中のステップ306に移行する。なお、登録(本決定)された球属性は、同図10中のステップ306において、球属性を含んだ遊技球発射コマンドCMとしてコマンド送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。またこの登録された球属性は、生存球情報として上記生存球管理処理(図8、図9参照)に用いられる。以上の処理フロー中のステップ402〜408によれば、上記おまけ入賞が実現される。
【0114】
図12は、図1に示す画像表示制御装置7による表示処理を説明するためのフローチャートである。以下、この図12に図1、図3、図5及び図7を併用して画像表示制御装置7による表示処理を説明する。
【0115】
まず、ステップ501において、画像表示制御装置7は、主制御装置6からの各種のコマンドを受信する。このコマンドには、図10中のステップ306で送信された、球属性を含む遊技球発射コマンドCMの他、図柄変動開始コマンド、当たり情報又は外れ情報や開閉体50を開又は閉動作させるための情報を内容とするコマンド等の演出表示制御用のコマンドがある。遊技球発射コマンドCMは、発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に画像表示制御装置7で受信され、その他の演出表示制御コマンドは、主制御装置6が制御する遊技状態に応じて送信された際に受信される。
【0116】
ステップ502では、遊技球移動表示手段7hは受信した遊技球発射コマンドCM中の球属性に基づいた球ルートを取得し、ここでは球ルートテーブル7c3(図7参照)から球ルートRTを選択し、その球ルートRTに応じた位置座標で遊技球を画像表示器5に表示させる。
具体的には、図5に示すCPU7aが上記球ルートテーブル7c3から選択した球ルートRTに基づき、次のフレーム更新時に移動する遊技球の位置座標データをGPU7dが読み出し、あるいは位置座標データを補間法により求める等、必要に応じて演算を行い、ビデオRAM7eに書き込む。
なお、球ルートRTについては、上述のように、球ルートテーブル7c3(図7参照)より選択して取得する方法を説明したが、本発明は、これに限らず、例えば遊技球の位置座標を補間法により求めて球ルートRTを生成し、取得する方法もある。
【0117】
ステップ503では、ステップ502における処理が終了したか否か、つまり今回のフレーム分の移動を行ったか否かを判定する。未終了の場合はステップ503の処理を繰り返し、終了していればステップ504を実行する。
盤面画像に複数個の遊技球が表示される場合には、上述した表示処理は同時並行して行われる。このような場合、ステップ503における判定は、上記複数個の遊技球の全ての位置についてステップ502における処理が終了したか否かの判定となり、終了していればステップ504を実行する。
【0118】
ステップ504では、盤面画像における大入賞口(役物)49の開閉体50の開閉動作や図柄変動等、特別遊技状態あるいは特別遊技状態を招来させ得る遊技状態への演出表示制御を行う。このステップ504の処理には、図9中のステップ206における開閉体50の閉動作(表示)を含む。
【0119】
ステップ505では、ステップ504で行った表示制御以外の、例えば盤面画像におけるサイドランプ52や、図示しないが前面飾り枠11の前面部に取り付けられた電飾等の点消灯制御(一般演出制御処理)を行う。
ステップ506では、ステップ502、504、505の処理(制御)結果を合成して画像表示器5に描画、つまり表示させる。
【0120】
ステップ501〜506は、一定周期で繰り返されるので、画像表示器5には、大入賞口49の開閉体50の開閉動作、図柄変動、サイドランプ52の点滅等の様々な演出表示がされる盤面画像上に遊技球(画像)が重ねて移動表示される。
【0121】
なお、上掲図15、図16及び図18では、遊技球は何れも発射された順で入賞する場合を示しているが、遊技球の生存時間は長短あり、したがって遅く発射された遊技球がそれ以前に発射された遊技球を追い越して入賞することがある(図13参照)。このような場合、何ら対処しないと入賞個数に数え間違いが生じてしまう。
【0122】
図14は、このような場合に対処した生存球情報を得るための球属性決定処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、図11中のステップ407及びステップ408相互間に、ステップ601及びステップ602を挿入した。
ステップ601では、先に発射した遊技球を追い越すか否か判定し、追い越すと判定されたときにはステップ602を実行し、追い越すと判定されなかったときにはステップ408に処理を移す。主制御装置6は、図8中のステップ103において生存球情報を管理しているので、ステップ601における判定は容易に行える。ステップ602では、入賞順番入れ替わり認識処理を行う。
【0123】
以上の処理によれば、図13に示すように、発射時に10番目の入賞個数となる発射球は、入賞個数8個目の遊技球(入賞球)として数えられ、入賞個数の数え間違いが防止される。
なお、図13は入賞個数の数え間違い防止に係る作用、効果を示すのみであり、本実施形態におけるおまけ入賞に関しては示されていないが、図14に示す処理フローによれば、図18に例示するおまけ入賞に係る作用、効果も得られる。
【0124】
なお上述実施形態では、可動体の開動作によってより多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を、大入賞口49に適用した場合について述べた。この場合の可動体は、大入賞口49の前面に設けられた開閉体50に相当し、大入賞口49は、この開閉体50が開く(開動作する)ことによってより多くの遊技球の入球が可能となる。
しかし、本発明においては上記可変入賞口として適用される入賞口は大入賞口49のみに限定されることはなく、例えば入球部分の左右両側に所謂電動チューリップが組み込まれた始動入賞口であってもよい。この場合は、電動チューリップ部分が可動体に相当し、この可動体の開動作によって始動入賞口へはより多くの遊技球の入球が可能となる。このような電動チューリップを付設した始動入賞口においては、通常1個の入球で電動チューリップが閉じるように設定されていれば、その1個目の遊技球とほぼ同時(1個目の遊技球入球後、微少時間内)に入球する2個目の遊技球が入賞可能となる。
【0125】
画像表示器5に表示される盤面画像は、図1に示す態様に限定されない。例えば、盤面画像にゲートを加え、このゲートを遊技球が通過することにより抽選が行われ、この抽選に当たれば始動入賞口に組み込まれた上記電動チューリップが開くというような盤面画像を表示するようにしてもよい。このような場合には、遊技球がゲートに通過するか否かを球属性に加えれば、遊技球がよりリアルに移動する球ルートを決定できる。
以上に述べた態様はおおよそ第1種パチンコ機を模したものであるが、本発明はこれ以外のパチンコ機、その他の弾球遊技機にも適用可能である。
【0126】
また図1においては、主制御装置6は、その制御対象として画像表示制御装置7のみを備えた場合について示したが、実際には、画像表示制御装置7の他、音声制御装置や、例えば前面飾り枠11に取り付けられた電飾(図示せず)等を制御するランプ制御装置も備える。つまり主制御装置6は、盤面画像の表示や、表示された盤面画像における遊技状態の制御のみならず、音声やランプによる演出制御も可能である。
【0127】
図1に示す主制御装置6が制御する遊技状態には、例えば大入賞口49の開閉体50が開動作して、より多くの賞球が獲得可能となる特別遊技状態、この特別遊技状態以外の遊技状態、つまり通常遊技状態、例えば遊技球が発射され、一般入賞口44〜47やアウト口53に入球する基本的な遊技状態がある。通常遊技状態ではあっても、図柄表示部43による図柄の変動表示をしている遊技状態のように上記特別遊技状態を招来させ得る遊技状態等がある。
主制御装置6は、このような遊技状態を、画像表示制御装置7による盤面画像における演出表示制御によって現出させ、同時に上記音声やランプによる演出制御も加えて遊技者を楽しませている。遊技状態の制御には、その状態の開始、継続、終了の各制御を含む。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部構成図である。
【図2】図1中の主制御装置、画像表示制御装置及びカード制御装置部分を取り出して示すブロック図である。
【図3】図2中の主制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3中の入賞率テーブルの一例を示す図である。
【図5】図2中の画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示すパチンコ機の球属性決定手段で球属性として決定される遊技球の発射強度と生存時間との関係を示す図である。
【図7】同上パチンコ機において球ルートを決定するための遊技球の発射強度、球属性、遊技球発射コマンド及び球属性別の球ルートテーブルの関係の一例を説明するための図である。
【図8】図1、図3に示す主制御装置における本実施形態全体の処理フローを示す。
【図9】図8中の生存球管理処理の詳細を例示するフローチャートである。
【図10】同じく遊技球の発射処理の詳細を例示するフローチャートである。
【図11】図10中の球属性決定処理の具体例を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1に示す画像表示制御装置による表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】他の実施形態を説明するための遊技球発射・入賞説明図である。
【図14】他の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の概略を説明するための遊技球発射・入賞説明図(その1)である。
【図16】本発明の概略を説明するための遊技球発射・入賞説明図(その2)である。
【図17】本発明の概略を説明するための側断面図である。
【図18】本発明の概略を説明するための遊技球発射・入賞説明図(その3)である。
【符号の説明】
【0129】
1:遊技機枠、5:画像表示器、6:主制御装置(主制御手段)、6e:球属性決定手段、6f:開閉体開閉信号生成手段(可動体開閉信号生成手段)、6g:コマンド送信手段(信号送信手段)、7:画像表示制御装置(画像表示制御手段)、7c3:球ルートテーブル、7h:遊技球移動表示手段、7i:開閉体開閉表示手段(可動体開閉表示手段)、33:発射操作部、44〜48:入賞口、49:大入賞口、50:大入賞口の前面の開閉体(可動体)、53:アウト口、CM:遊技球発射コマンド(信号)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、旧来からの機械式の遊技機(実遊技機)と同様の発射操作部を備え、図柄表示部、可変入賞口を含む入賞口、アウト口、遊技釘等の盤面構成部材が実遊技機の遊技盤面形態を模して配置された遊技盤面、及びこの遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれ流下する遊技球等を画像表示器に表示して仮想的に遊技を行う映像式遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機においては、実遊技機とは異なり、遊技盤面上の遊技領域に打ち込まれた実体のある遊技球が重力によって落下して行くわけではない。
そこで遊技球が、遊技領域に打ち込まれ、どのような道筋で流下、移動して特定の入賞口に入球(入賞)し、あるいはアウト口に入球するかの球ルートは、人為的に、つまり制御手段により読み出されるデータとして設定されているのが一般的である。この場合、球ルートは予め多数種類設定されており、所定の条件に基づいてそれらの中から特定の球ルートが決定される。
ここで入球とは、遊技球が入賞口やアウト口に入ることを指すが、映像式遊技機においては、遊技球、入賞口及びアウト口は画像で表示されているので、具体的には、入賞口やアウト口位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が遊技盤面画像上から消滅することを指す。
【0003】
映像式遊技機では、画像表示器に表示された遊技盤面画像上に、上記のように決定された球ルートに沿って遊技球(以下、単に球とも記す。)を移動表示させ、遊技を行う。
例えば、後掲特許文献1に開示されたこの種の遊技機では、画像表示される遊技球の発射のタイミングで主制御手段側のランダムカウンタの値が読み出され、その読み出されたカウント値に応じて上記球ルートが決定され、画像表示制御手段側がその決定された球ルートに沿って遊技球を移動表示させている。
【0004】
ところでこのような映像式遊技機においても、遊技盤面上に始動入賞口、図柄表示部及び可変入賞口が配置表示されるものがある。後掲特許文献1にもその例が示されているが、この場合、遊技球が始動入賞口に入球すると図柄表示部の図柄の変動が開始され、所定時間後に停止したときの図柄によって可変入賞口の開閉体(可動体)が開放し、可変入賞口へはより多くの遊技球の入球、つまり入賞が可能となる。
【0005】
この遊技状態を大当たり状態(特別遊技状態)というが、この大当たり状態は、実遊技機の場合と同様に、遊技球が可変入賞口内の特定領域側に入賞すれば繰り返される。特定領域側に入賞しないまま、一定時間、例えば30秒経過するか、可変入賞口への入球個数が一定数、例えば10個に達すると、開閉体が閉じて大当たり状態が終了する。大当たり状態の繰返しは、開閉体が再び開放した後、一定時間経過したか、又は可変入賞口への入球個数が10個に達したかのうち、いずれか早い時期までに、上記特定領域側への遊技球の入賞があれば、例えば最大16回まで繰返し可能であることも、実遊技機の場合と同様である。
【特許文献1】特開平11−9766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記従来技術では次のような問題点があった。
実遊技機では、可変入賞口の開閉体が開放中であって、その大当たり状態(ラウンド)を終了させ、開閉体を閉動作させる10個目の遊技球が可変入賞口に入球寸前という状況において、その10個目の遊技球に接近して11個目の遊技球があり、この遊技球が10個目の遊技球の入球と略一緒に入球することがある。
これは、10個という設定数を超えた仕様外の入球であるが、実遊技機ではこのような10個を超える入球が生じることは少なくない。このような動作は、可変入賞口への入球を検出してから開閉体を閉じるまでのタイムラグに起因するが、遊技者にとっては所謂おまけ入賞となり、遊技意欲を増大させる。
【0007】
しかし上述した従来の映像式遊技機では、このような点についての配慮がされてなく、一定数、例えば10個までの遊技球が入球されるように構成されていた。このため、仕様外の入球とはいえ、おまけ入賞はなくなり、実遊技機とは異なった遊技感(遊技をしていて受ける印象)を与え、実遊技機に慣れた遊技者にとっては面白みを低下させる虞があった。
【0008】
本発明は、上記のような実情に鑑みなされたものであり、可変入賞口への設定数を超える所謂おまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけることができ、実遊技機に慣れた遊技者にとっても面白みを低下させることのない映像式遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、遊技球の入球により賞球が払い出される、開又は閉動作可能な可動体の開動作によって、より多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む複数の入賞口、及び遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、発射操作部の操作によりその操作量に応じた発射強度で発射され、前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、前記主制御手段は、前記発射操作部の操作により発射される遊技球である発射球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を、その遊技球発射時の前記発射強度に基づいて設定し、設定結果を球属性として決定する球属性決定手段と、予め定められた条件が充足されることにより、前記可動体を開動作させる開信号を生成し、前記可動体を閉動作させる閉信号を生成する可動体開閉信号生成手段と、前記球属性を含む信号を発射球毎に送信すると共に、前記開信号又は閉信号を送信する信号送信手段とを備え、前記球属性決定手段は、全ての発射球に対して前記可変入賞口を消滅位置としたときの生存時間を仮決定した後、その仮決定した生存時間経過時に前記可動体が開動作中か判定し、開動作中であると判定された発射球であって、前記可変入賞口が消滅位置と決定された発射球については、その球属性を、消滅位置が前記可変入賞口であり、生存時間が前記仮決定された生存時間であると決定し、この球属性決定手段により球属性として決定された消滅位置が前記可変入賞口であって、その生存時間に一定時間を加算した時間が経過した時を前記可変入賞口への入球と判断して、前記可変入賞口へ入球した遊技球の個数が一定値になったとき前記可動体の開動作を終了し、前記閉信号を前記信号送信手段より送信させ、前記画像表示制御手段は、前記信号送信手段からの信号を受信して各信号中の球属性に基づき、各遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、その球ルートに沿って各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、前記信号送信手段からの前記開信号又は閉信号を受信して前記遊技盤面画像上の前記可動体の開又は閉動作表示を行わせる可動体開閉表示手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
特許請求の範囲の請求項1に記載の発明によれば、可変入賞口への設定数を超える所謂おまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけることができ、実遊技機に慣れた遊技者にとっても面白みを低下させることのない映像式遊技機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明するが、それに先立ち、まず本発明の概要について図15〜図18を参照して述べる。
遊技盤面上に始動入賞口、図柄表示部及び可変入賞口である大入賞口が配置表示され、遊技状態が前述したような大当たり状態となる映像式遊技機がある。映像式遊技機における大当たり状態も、実遊技機の場合と同様に、遊技球が大入賞口内の特定領域側に入賞すれば繰り返される。
特定領域側に入賞しないまま一定時間、例えば30秒経過したか、又は大入賞口への入球個数が一定数、例えば10個に達したかのうち、いずれか早い時点で可動体(開閉体)が閉動作して大当たり状態が終了する。
【0012】
大当たり状態(ラウンド)の繰返しは、開閉体が再び開動作した後、一定時間経過したか、又は大入賞口への入球個数が10個に達したかのうち、いずれか早い時点までに、大入賞口の特定領域側への遊技球の入賞があれば、一定回数、例えば最大16回(16ラウンド)まで繰返し可能であることも、実遊技機の場合と同様である。
【0013】
図15に、このような映像式遊技機における遊技球の入賞/非入賞状態の様子を示す。図15は、説明の便宜上、大入賞口への入賞に係る発射球(発射操作部の操作により発射される遊技球)のみを図示している。すなわち、実際には他の入賞口やアウト口への発射球が存在するが、ここでは図示省略している。
【0014】
図15中の各用語の意味は次の通りである。
「発射時の入賞個数」は、主制御手段内での入賞決定後の既定入賞数カウント値を指す。
「球発射」は、遊技球(発射球)a〜h…の発射から大入賞口に到達するまでの時間経過を図式化して示したものである。
「大入賞口の状態」は、時間経過に対する大入賞口のの開閉状態を図式化して示したものである。
「入賞個数」は、画像表示上での遊技球が入賞した際のカウント数を指す。
以上の用語の意味は、後掲図16、図18及び図13においても同様である。
【0015】
前述したように実遊技機では、開閉体が開動作してから一定時間経過するまでに10個目の遊技球と11個目の遊技球とが略一緒に入賞し、1ラウンド中の総入賞数が10個を超えることも少なくない。
映像式遊技機において、このような場合、単純に、10個目の遊技球の大入賞口への到達時間(後述生存時間)を境に開閉体を閉動作させると、次のような動作となる。
すなわち主制御手段は、10個目の遊技球と略一緒に大入賞口へ到達する遊技球ではあっても、それは発射時点での入賞/非入賞(入賞するか否か)の決定時に11個目の遊技球であると認識している。したがって11個目の遊技球は、大入賞口への到達時には既に開閉体が閉動作されていることから、入賞とはならない。
このため、上記おまけ入賞はなくなり、実遊技機とは異なった遊技感を与え、実遊技機に慣れた遊技者にとっては面白みを低下させる要因となっていた。
【0016】
そこで、本発明者等は次のような検討を行った。
そもそも、遊技球がどの位置に来たときに入賞と確定するかが重要となる。入賞/非入賞は、発射時点で内部決定、つまり主制御手段において決定されている。
しかしおまけ入賞を考慮した場合、入賞/非入賞は、開閉体で開閉される部分、つまり大入賞口の遊技球入口部分を通過する前後の「ある位置」に遊技球が到達した時点で開閉体が開放しているか否かで判定し、この「ある位置」を遊技球の入賞/非入賞の判定分岐点として検討することが適切である。
【0017】
いま上記判定分岐点を、開閉体の、自由端縁ないし開放時に上面に向く上面部に遊技球が触れる直前の球位置(第1位置)に定めたとする。この場合、10個目の入賞となる遊技球が判定分岐点に到達した時点で入賞を確定して開閉体を閉動作させると、大入賞口内にその10個目の入賞となる遊技球が誘導される以前に開閉体が閉動作し、同遊技球が閉成している開閉体を透過して(突き抜けて)入賞する等、見た目に不自然さが生じる。
また、このような第1位置以降の位置、つまり大入賞口内の遊技球が誘導される位置(第2位置)に判定分岐点を定めると、開閉体が開動作する時には既に大入賞口内部に遊技球(入賞球)が存在するという事態が生じてしまい、見た目は更に不自然になる。
【0018】
判定分岐点を上記第1位置に定めた場合に生じる不自然さの対策としては、開閉体を閉動作する際に、画像表示上の遅れをもたせ、つまり入賞確定時点から一定時間後、例えば0.5秒後に開閉体を閉じる画像表示とし、遊技球が完全に大入賞口内に誘導された後に開閉体を閉動作させる方法が考えられる。
【0019】
しかしこの方法によると、10個目の遊技球と11個目の遊技球が短い時間間隔で大入賞口へ到達する場合に、10個目の遊技球は正常に入賞するが、11個目の遊技球は開閉体が開放しているのもかかわらず素通り、つまり開放中の開閉体を透過して(突き抜けて)落下してしまう。
図16は、このような遊技球の入賞/非入賞状態の様子を、図15と同様に示した図であり、この図における用語の意味や記号は図15と同様である。
【0020】
上記のような遊技球の素通りを回避するために、11個目の遊技球を開閉体に近づけないように球ルートを設定することも考えられるが、この方法では極めて不自然な球移動を呈しかねない。
【0021】
そこで本発明者等は、おまけ入賞を実現すべく次のような手法を案出するに至った。
すなわち、遊技球の入賞/非入賞の判定分岐点を、上記第1位置、つまり開閉体の、自由端縁ないし開放時に上面に向く上面部に、遊技球が触れる直前の球位置に定め、入賞が確定する位置(入賞確定位置)は、遊技球が上記判定分岐点を通過してから一定時間後、例えば0.5秒後とした。
【0022】
図17は、本手法における判定分岐点である第1位置及び上記入賞確定位置の説明図である。この図は、実遊技機に例えた場合の遊技盤面上における大入賞口及び開閉体部分の側断面を示しており、遊技球位置P1が第1位置、同P2が入賞確定位置を例示する。また、β1は遊技盤面、α1は大入賞口、α2は開閉体、α3は開閉体α2の自由端縁部分、α4は開閉体α2の上面部を示す。
【0023】
図18は、本手法における遊技球の入賞/非入賞状態の様子を、図15と同様に示した図であり、この図における用語の意味や記号は図15と同様である。
この図に示すように、本手法では、大入賞口等の可変入賞口への各入賞球について、入賞/非入賞の判定分岐点は、開閉体等の可動体の、自由端縁ないし開放時に上面に向く上面部に、遊技球が触れる直前の球位置に定められ、入賞が確定する位置(入賞確定位置)は、遊技球が上記判定分岐点を通過してから一定時間後、例えば0.5秒後とされている(図中、☆印部分参照)。
なお図18において、☆印部分は入賞個数5個目及び10個目についてのみ付してあるが、入賞個数1〜4個目及び6〜9個目についても同5個目及び10個目と同様である。
【0024】
本発明はこのような手法を適用し、所謂おまけ入賞を可能として遊技感をより実遊技機に近づけ、実遊技機に慣れた遊技者にとっても面白みを低下させない映像式遊技機を実現した。
【0025】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1は本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部を示す構成図、図2は図1中から主制御装置、画像表示制御装置及びカード制御装置部分を取り出して示すブロック図である。
これらの図において、映像式パチンコ機の遊技機枠1は、パチンコ遊技場内のいわゆる島と呼ばれる遊技機設置設備に取り付けるための固定枠2を備える。固定枠2には、可動枠3が、左側に位置するヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。可動枠3の内側には、画像表示器5が、画面を前側に向けて取り付けられる。画像表示器5は、液晶表示器、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等からなり、電気的に表示形態を変えられる画像を表示できる。可動枠3の裏面側には主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が取り付けられる。
【0026】
このうち主制御装置6は、画像表示制御装置7の制御を経て画像表示器5に遊技盤面画像(以下、盤面画像と略記する。)を表示させ、かつこの表示させた盤面画像における遊技状態の制御及び賞球制御等、パチンコ機全般の制御を司る装置である。
【0027】
ここで、上記盤面画像は、実遊技機の遊技盤面形態を模した画像である。すなわち、図1に例示するように、ガイドレール39、発射通路40、遊技領域41、センタ飾り42、図柄表示部43、一般入賞口44〜47、始動入賞口48、大入賞口(可変入賞口)49、大入賞口49の前面の開閉体(可動体)50、風車51、サイドランプ52、アウト口53、及び図示を省略した多数の遊技釘等の盤面構成部材等を表す画像からなる。
【0028】
上記主制御装置6は、図3に示すように、例えばCPU6a、RAM6b、ROM6c及び入出力インタフェース6dを備えて構成されている。また、ROM6cには、制御プログラム6c1、データ群6c2及び入賞率テーブル6c3が格納されている。
主制御装置6は、CPU6aがRAM6bを作業域として用いて制御プログラム6c1を実行し、ROM6c中のデータ群6c2及び入賞率テーブル6c3を適宜読み出しながら上述した制御を行う。
【0029】
上記入賞率テーブル6c3には、図1に示す各入賞口44〜49へ遊技球が入球する割合(以下、入賞口別の入球割合という。)が、その遊技球の発射強度に対応させて表わされている。遊技球の発射強度は、後述する発射操作部の操作量に対応づけられている。
【0030】
以下、図4に図1を併用して入賞率テーブル6c3について説明する。
図4は、入賞率テーブル6c3の一例を示す図である。この図において、消滅位置とは、遊技球の入球位置を指す。この例では、入球位置として入賞口のみが示されているので消滅位置は入賞口を指す。
図示するように入賞率テーブル6c3は、入賞口別の入球割合、つまり入賞率を遊技球の発射強度(値)に応じて表わしている。例えば、遊技球の発射強度が11〜20の範囲内では、図1に示す入賞口44,45が0.01%、入賞口46,47が0.00%、始動入賞口48が4.00%、大入賞口49が35.00%で入賞することを表わしている。アウト口53へは残余の率で入球する。
【0031】
この例では、上記発射強度に応じた入賞口別の入球割合が、上記11〜20の範囲の次は21〜30、その次は31〜40というように、発射強度の範囲10刻みで1111〜1120まで、各1組の入賞口別の入球割合が設定されている。大入賞口49の入賞率は、開閉体50が開動作していないときは0.00%であり、ここでの大入賞口49の入賞率はそのままアウト口53への入球率に加算される。
【0032】
開閉体50の開動作には、連続開放や、適宜の時間間隔をおいて開閉動作を繰り返す間欠開放等があり、その何れを適用してもよいが、本実施形態では連続開放が適用されており、以下これを開放と略記する。
なお、入賞率テーブル6c3を、入賞口別の入球割合を違えて複数用意し、そのうちの1つをランダムに選択するようにしてもよい。
【0033】
図3において、主制御装置6は、球属性決定手段6e、開閉体(可動体)開閉信号生成手段6f及びコマンド送信手段6gを備える。
ここで球属性決定手段6eは、入賞率テーブル6c3に表わされた入賞口別の入球割合に従い、後述する発射操作部の操作により発射される遊技球(発射球)の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定するように構成されている。
【0034】
また球属性決定手段6eは、発射球について、球属性として決定された消滅位置が大入賞口49であって、その生存時間に対し、一定時間を加算した時間に達したか判定し、加算した時間に達したと判定した場合には大入賞口49への入賞(入球)とし、入賞した遊技球が予め定められた個数に達したときに、開閉体開閉信号生成手段6fで生成された上記閉信号を信号送信手段6gより送信させるように構成されている。
この機能は、必ずしも球属性決定手段6eにもたせなければならない訳ではなく、主制御装置6中に備えればよい。
なお、上記一定時間はここでは0.5秒、また上記予め定められた個数はここでは10個に設定されている。
【0035】
開閉体開閉信号生成手段6fは、予め定められた条件が充足されることにより、開閉体50を開動作させる開信号を生成し、開閉体50の開動作後は大入賞口49への予め定められた個数、ここでは10個の遊技球の入賞(入球)、又は開閉体50の開動作後の予め定められた時間、ここでは30秒の経過により閉動作させる閉信号を生成する手段である。予め定められた条件とは、後述する複数の図柄が大当たり図柄で停止することや、大当たり状態が継続することを指す。
【0036】
コマンド送信手段6gは、球属性決定手段6eにより決定された球属性を含む遊技球発射コマンド(信号)CMを、発射球毎に送信すると共に、開閉体開閉信号生成手段6fで生成された開信号又は閉信号を送信する手段である。
【0037】
上記画像表示制御装置7は、主制御装置6の制御に基づき、つまり主制御装置6からの遊技球発射コマンドCM、その他、各種のコマンドを受信し、これらのコマンド等により画像表示器5に上記盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う装置である。
「表示させた盤面画像における表示制御を行う」とは、具体的には、画像表示器5を制御して、上記盤面画像自体の制御表示、例えば後述する複数の図柄の変動表示や図1に示す大入賞口49の開閉体50の動画像表示等をさせ、あるいは遊技球を上記盤面画像上に移動表示させること等をいう。
【0038】
画像表示制御装置7の制御によるこれらの表示は、主制御装置6の制御に基づいている。特に、画像表示制御装置7による盤面画像自体の制御表示は、主制御装置6による上記盤面画像における遊技状態の制御に基づいている。
【0039】
この画像表示制御装置7は、図5に示すように、例えばCPU7a、RAM7b、ROM7c、画像処理専用の演算処理ユニット(GPU:グラフィックス・プロセッシング・ユニット)7d、ビデオRAM7e、入力インタフェース7f及び出力インタフェース7gを備えて構成されている。
【0040】
上記ROM7cには、制御プログラム7c1と、遊技釘の位置・形状(大きさを含む。)を表す遊技釘データ7c2と、球属性別、ここでは遊技球消滅位置(発射強度を内包する)・生存時間別の球ルートテーブル7c3と、その他のデータ群7c4とが格納されている。
【0041】
データ群7c4には、遊技釘データ7c2と共に盤面画像を表示するためのガイドレール39、センタ飾り42、図柄表示部43、各種入賞口44〜49、開閉体50、風車51、サイドランプ52及びアウト口53等の盤面構成部材の表示用データや、盤面背景データ等が含まれる。
上記表示用データは、表示対象である各盤面構成部材の位置、形状(大きさを含む。)を表すデータであり、これらのデータから、遊技球を球ルート(位置座標データ群)に沿って移動表示させて入賞口44〜49やアウト口53で消滅させることが可能となる。
【0042】
画像表示制御装置7は、CPU7aがRAM7bを作業域として用いて制御プログラム7c1を実行し、ROM7c中の遊技釘データ7c2及びデータ群7c4を適宜読み出し、またGPU7dを制御してビデオRAM7eに描画データを書き込ませる。これにより画像表示制御装置7は、上述したように画像表示器5に盤面画像を表示させ、かつ表示させた盤面画像における表示制御を行う。
【0043】
本実施形態では、画像表示制御装置7は遊技球移動表示手段7hと開閉体(可動体)開閉表示手段7iとを備える。
この遊技球移動表示手段7hは、図3に示す主制御装置6のコマンド送信手段6gからの遊技球発射コマンドCMを受信して各遊技球発射コマンドCM中の球属性に基づき各遊技球の球ルートを取得し、その球ルートで各遊技球を上記盤面画像上に移動表示させるように構成されている。
【0044】
球ルートは、各遊技球が上記盤面画像上に表示(発射)されてから入賞口44〜49又はアウト口53(図1参照)で消滅、つまり入球するまでの道筋を表す位置座標データ群からなる。
なお、球ルートの終点である入賞口44〜49又はアウト口53での消滅は前記生存時間の満了時以降となることは勿論であり、上記位置座標データ群中の各位置座標データは経過時間対応で、ここでは単位時間毎に、表されている。
【0045】
なお、球ルートは遊技球中心位置のルートを指す。また映像式遊技機においては、遊技球、入賞口44〜49及びアウト口53は画像で表示されているので、入賞口44〜49やアウト口53の位置、つまり球ルート終点で遊技球の表示が終了し、その遊技球が盤面画像上から消滅することは、遊技球が入賞口44〜49やアウト口53に入球することを指す。
【0046】
開閉体開閉表示手段7iは、コマンド送信手段6gからの上記開信号又は閉信号を受信して遊技盤面画像上の開閉体50の開又は閉動作表示を行わせる手段である。
【0047】
説明を図1に戻すと、可動枠3には、その前面に前面飾り枠11がヒンジ4によって片開き可能に取り付けられる。
前面飾り枠11は丸形開口部12を備え、この丸形開口部12は、前面飾り枠11の裏側に設けられた無色透明のガラス又は合成樹脂からなる画像表示器保護用パネル13で塞がれる。
丸形開口部12を囲む前面飾り枠11の前面部には、カード挿入口14、貸出操作機構15、返却操作機構16、精算操作機構17、発射操作機構18、持ち球数表示器19等を備える。
【0048】
カード挿入口14は遊技者がプリベイドカード等の遊技媒体(以下、カードという。)22を挿入するスリット状の口である。カード挿入口14の裏側には、カード検出器23、カード搬送機構24、情報読取器25及び情報書替器26が、前面飾り枠11の裏部等に取り付けられた状態で位置する。貸出操作機構15は、遊技者により操作される貸出操作部27と、この貸出操作部27によりON/OFF動作する貸出スイッチ28とを備える。
【0049】
返却操作機構16は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される返却操作部29と、この返却操作部29によりON/OFF動作する返却スイッチ30とを備える。精算操作機構17は、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される精算操作部31と、この精算操作部31によりON/OFF動作する精算スイッチ32とを備える。
【0050】
発射操作機構18は、遊技者により前面飾り枠11の前側から回動操作される発射操作部(発射レバー)33と、この発射操作部33の操作により動作する可変抵抗器34と、遊技者により前面飾り枠11の前側から操作される発射停止操作部35と、この発射停止操作部35によりON/OFF動作する発射停止スイッチ36とを備える。また発射操作機構18は、遊技者が発射操作部33に触れているか否かを検出するタッチセンサ(図示せず)を備える。
上記持ち球数表示器19は、数値表示面が前面飾り枠11の前側から見えるように、前面飾り枠11又は可動枠3に取り付けられる。
【0051】
以下、上述実施形態の基本的な動作について、主に図1、図3及び図5を参照しつつ説明する。
まず、主制御装置6、画像表示制御装置7及びカード制御装置8が、遊技機枠1に設けられた電源装置(図示せず)から直流電源が供給され起動されると、主制御装置6の制御に基づき画像表示制御装置7が画像表示器5を制御して、この画像表示器5に盤面画像を表示させる。
この盤面画像は、上述したように各種の盤面構成部材39、42〜55、及び図示を省略した多数の遊技釘等を表す画像からなる。
【0052】
いま、遊技者が金額情報の書き込まれたカード22をカード挿入口14に挿入すると、カード検出器23がカード検出信号をカード制御装置8に出力し、カード搬送機構24を引込制御する。これにより、カード22が搬送され、情報読取器25がカード22の金額情報を読み取ってカード制御装置8に出力する。
【0053】
その後、遊技者が貸出操作部27を操作して借り出す球数に相当する投資金額を入力すると、入力された投資金額に相当する投資金額情報が貸出信号として貸出スイッチ28からカード制御装置8に出力される。カード制御装置8は、貸出スイッチ28からの貸出信号に対応する投資金額情報を演算し、カード22から読み取って記憶しておいた金額情報(カード読取金額情報)が上記投資金額情報以上であるか否かを判定する。
【0054】
次にカード制御装置8は、上記カード読取金額情報が投資金額情報以上である場合には投資金額情報をそのまま、投資金額情報未満である場合には上記カード読取金額情報を投資金額情報として、主制御装置6に出力する。主制御装置6は、カード制御装置8から出力された投資金額情報に応じた球数情報を持ち球数表示器19に出力し、この持ち球数表示器19が球数情報に相当する球数を数値表示する。
【0055】
具体的には、貸出スイッチ28の1回の貸出信号が500円に相当するとした場合、カード22には500円の整数倍の金額情報が書き込まれている。そして、カード挿入口14に挿入されたカード22に、例えば1000円の金額情報が書き込まれている場合であって、遊技者が、貸出操作部27を1回操作した場合には500円に、2回操作した場合には1000円に、相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。カード22に500円の金額情報が書き込まれていて、遊技者が貸出操作部27を2回操作した場合には、2回の操作に拘わらず500円に相当する球数を持ち球数表示器19に表示する。
なお、カード読取金額情報を度数情報としてカード制御装置8に接続された度数表示器(図示せず)に表示するようにしてもよい。
【0056】
持ち球数表示器19による球数表示と並行して、カード制御装置8は、上記カード読取金額情報から貸出としての球数情報に対応する投資金額情報を減算して情報書替器26を制御し、カード22の金額情報を上記減算の結果の残額情報に書き替える。
残額情報が「0」の場合、カード制御装置8はカード搬送機構24を戻し制御する。遊技者が返却操作部29を操作すると、カード制御装置8は、返却スイッチ30から返却信号を受けてカード搬送機構24を戻し制御する。
これらの戻し制御によって、カード搬送機構24はカード22を搬送してその一部をカード挿入口14から突出させ、カード22を遊技機枠1から取り出し可能とする。
【0057】
持ち球数表示器19が球数を表示した状態において、遊技者が発射操作部33を操作すると、図示しないタッチセンサがONすると共に、可変抵抗器34が発射操作部33の操作量に応じた可変抵抗値を主制御装置6に出力する。なお、発射停止操作部35は操作されてなく、発射停止スイッチ36はOFFしているものとする。
【0058】
主制御装置6は、発射操作部33の操作量がいわゆる遊びの範囲を超えているか否か、具体的には可変抵抗器34の可変抵抗値が一定値以上か否かによる発射可否の判定を行う。主制御装置6は、判定結果が発射可である場合には、1分間当たり例えば100個の割合で発射ON信号を生成すると共に、この発射ON信号毎に、その信号生成時の上記可変抵抗値、換言すれば発射操作部33の操作量を取得する。
【0059】
また主制御装置6は、画像表示器5に画像として描かれる遊技球が発射表示されてから遊技領域41をどのようなルートで流下、移動させるかについての基本的な情報となる球属性を上記発射ON信号毎、つまり発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に決定する。
【0060】
上記球属性は、主制御装置6に備わる球属性決定手段6eにより決定される。
すなわち球属性決定手段6eは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度を求め、この発射強度に基づき、発射される遊技球の盤面画像上の消滅位置と、盤面画像上に表示されてから消滅するまでの遊技球の生存時間とを球属性として決定する。
【0061】
図6に、遊技球の発射強度とこの発射強度に基づいて求められる生存時間との関係の一例を示す。ここでは、発射強度に基づいて求められる生存時間が一定の幅をもつ例が示されている。
遊技球の生存時間を、遊技球の発射強度に基づくものではあるが、直接的には上記消滅位置に応じて求めたものであってもよい。また、遊技球の発射強度を球属性に含めてもよく、この場合、発射強度は、遊技球が遊技領域41に打ち込まれて最初に衝突する盤面構成部材位置、つまり着弾位置の決定に利用される。
【0062】
上記発射強度は、遊技球の発射の強さを表す情報であり、上述したように遊技球の消滅位置及び生存時間を求める基本的な情報として用いられる。
遊技球の消滅位置は、入賞口44〜49に入賞(入球)するか、入賞するときはどの入賞口に入賞するか、又は入賞せずにアウト口53に入球するかを表す入球位置に係る球属性である。遊技球は入賞口44〜49への入賞、又はアウト口53への入球時にその表示が終了し、盤面画像上から消滅する。
遊技球の生存時間は、発射操作部33が操作され、遊技球が発射されてから消滅するまで、つまり盤面画像上に表示が開始されてから終了するまでの経過時間に係る球属性である。
【0063】
球属性決定手段6eにより決定された各球属性を含む遊技球発射コマンドCMはコマンド送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。
画像表示制御装置7は、コマンド送信手段6gからの遊技球発射コマンドCMを受信して同コマンドCM中の上記2つの球属性に基づき各遊技球の移動ルート、つまり球ルートを取得(選択又は生成)し、その球ルートで各遊技球を画像表示器5に表示された盤面画像上に移動表示させる。
【0064】
球ルートは、遊技球が発射(表示)されガイドレール39に沿って遊技領域41の上部に打ち込まれた後、流下、移動しながら風車51や図示しない遊技釘等に当たって、入賞口44〜49の何れかに入賞し、又は非入賞となってアウト口53に入球するまでの道筋を表わす位置座標データ群からなる情報である。
【0065】
入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜48(図示例では開閉体50が閉じているので大入賞口49は含まない。)の何れかに入球することを表わす情報である。
非入賞は、画像表示器5に表示された盤面画像における遊技領域41を流下、移動する遊技球が入賞口44〜49の何れにも入賞しないでアウト口53に入球することを表わす情報である。
なお、始動入賞口48への入球時、つまり入賞として始動入賞情報が決定された場合だけ、当たり/外れ情報が決定される。
【0066】
当たり/外れ情報は、主制御装置6において、入賞として始動入賞情報が決定されたタイミングで図示しない大当たり抽選用カウンタからカウント値を取得し、このカウント値を、同カウンタの全カウント値と大当たり/外れ値とを対応付けた抽選テーブルに照合(大当たり抽選)して決定される。
決定された当たり/外れ情報(抽選結果)はRAM6bに記憶される。これによりRAM6bに記憶される抽選結果は、大当たり又は外れの何れか1つである。
【0067】
主制御装置6は、上記発射ON信号毎に球数情報を減算し、この減算した球数情報を持ち球数表示器19に出力すると共に、上述したように各球属性を含む遊技球発射コマンドCMを上記発射ON信号毎に画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7で画像表示器5を制御させる。
この制御によって、画像表示器5は遊技球動画像(球ルートに沿って移動する遊技球画像)を表示する。
この遊技球動画像は、遊技球が1分間当たり100発の割合で盤面画像中の発射通路40から遊技領域41に打ち込まれ、この遊技領域41を流下、移動する動画像である。
【0068】
持ち球数表示器19は、主制御装置6からの減算した球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値となる。
そして、遊技領域41に打ち込まれた遊技球が一般入賞口44〜47に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。
これにより、持ち球数表示器19で表示された数値は、遊技球が発射される毎に減算した数値と一般入賞口44〜47に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0069】
遊技領域41に打ち込まれた遊技球が始動入賞口48に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像中から消滅すると、主制御装置6は、図柄変動開始コマンド及び上記大当たり抽選で決定された当たり情報又は外れ情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する(盤面画像における表示制御を行う)。
この制御によって、画像表示器5は、図柄表示部43に複数の図柄の変動表示を開始し、所定時間後、主制御装置6から画像表示制御装置7に送信された上記大当たり抽選で決定された当たり情報又は外れ情報を反映するように、図柄表示部43における複数の図柄の変動表示を終了し、図柄を停止させる。
【0070】
この図柄停止によって、図柄表示部43に表示される図柄は、上記大当たり抽選で決定された情報が当たり情報である場合には例えば「333」、「777」のように同一の数値が一列に並んだ表示形態となり、上記大当たり抽選で決定された情報が外れ情報である場合には例えば「133」、「767」のように異なる数値が一列に並んだ表示形態となる。
【0071】
図柄表示部43における図柄の停止した表示形態が当たりの形態、つまり停止図柄が大当たり図柄である場合には、主制御装置6が開閉体50を開放するための開情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、これを受けた画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の動作画像を表示する。
【0072】
この大入賞口49の動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として垂直に閉じた状態から斜め前方に開く動画像である。このようにして開閉体50が開放すると、大入賞口49には、より多くの、つまり他の一般入賞口44〜47に比べて多くの遊技球の入賞が可能となる。
【0073】
開閉体50の開放中に、遊技領域41から遊技球が大入賞口49に入賞して画像表示器5に表示された盤面画像から消滅すると、主制御装置6は、大入賞口49に対応する定数の賞球数情報をその時点における球数情報に加算した加算球数情報を、持ち球数表示器19に出力し、持ち球数表示器19が加算球数情報に相当する球数を数値表示する。つまり、持ち球数表示器19で表示された数値は、大入賞口49への入賞時点の数値と大入賞口49に対応する定数の賞球数との加算された数値となる。
【0074】
遊技領域41から大入賞口49に入賞した遊技球は、大入賞口49の内部に設定された普通領域又はVゾーンと称される特定領域(共に図示せず)に入賞するようになっている。また、主制御装置6は、開閉体50の開放開始からの経過時間をカウントアップすると共に、大入賞口49に入賞した遊技球の数をカウントアップする。
【0075】
上記カウントアップした経過時間が設定開放時間に達するか、又はカウントアップした大入賞口49への入賞個数が予め定められた例えば10個のような入賞個数に達するかの何れか一方の条件が充足すると、主制御装置6は開閉体50を閉じるための閉情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、画像表示制御装置7が画像表示器5を制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の動作画像を表示する。この大入賞口49の動作画像は、大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方から図1に示す垂直状態に閉じる動画像である。
【0076】
この開閉体50が開いてから閉じるまでの間、つまり開放中において、大入賞口49の特定領域に遊技球が入賞した場合、主制御装置6は、特定領域への入賞があったことをカウントアップ(+1)する。開閉体50の1回の開放(大当たり状態)中に特定領域への入賞数が複数個あっても、最初の+1カウントアップ以降はカウントアップされない(+1のままである)。
このカウントアップがあった場合、主制御装置6は、画像表示制御装置7による上記開閉体50の1回の開放が終了した後に、同開閉体50を再び開放するための開情報を内容とするコマンドを画像表示制御装置7に送信し、上記画像表示器5を再び制御する。
この制御によって、画像表示器5は大入賞口49の開閉体50が下辺を支点として斜め前方に開く形態の動画像を表示する。
【0077】
この開閉体50が再び開放する大当たりの継続は、カウントアップした特定領域への入賞が例えば16回のような設定継続回数に達するまで行われる可能性がある。開閉体50の1回の開放中において特定領域への入賞が1回もなければ、その回で大当たり状態の継続が終了することから、開閉体50の開放が継続する回数は可能性にとどまる。
【0078】
遊技者が遊技を終了する場合、遊技者が精算操作部31を操作する。これによって、精算スイッチ32が精算信号をカード制御装置8に出力し、カード制御装置8が精算信号を主制御装置6に出力する。
これにより主制御装置6は、持ち球数表示器19に表示されている球数に相当する球数情報をカード制御装置8に出力すると共に、持ち球数表示器19の数値を「0」となるように持ち球数表示器19を制御する。
カード制御装置8は、遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報に主制御装置6から入力された球数情報に対応する金額情報を加算した後、情報書替器26を制御する。この制御によって、情報書替器26が遊技機枠1の内部に取り込まれているカード22の金額情報を上記加算した金額情報に書き替える。
その後、カード制御装置8がカード搬送機構24を戻し制御し、金額情報の書き替えられたカード22がカード挿入口14から前側に吐き出される。
【0079】
以下、図7に図1、図3及び図5を併用して、上記遊技球の発射強度、球属性(遊技球の消滅位置、生存時間)、遊技球発射コマンドCM、及び球属性別の球ルートテーブル7c3の関係について説明する。
球属性のうち、遊技球の消滅位置は、主制御装置6の球属性決定手段6eにより遊技球の発射強度に基づいて決定される。ここでは、遊技球の消滅位置が、0から9999までの数値をエンドレスで繰り返しカウントする消滅位置決定用カウンタ(図示せず)を用い、このカウンタの上記発射ON信号生成時のカウント値と上記遊技球の発射強度に基づいて決定される。
【0080】
いま、球属性決定手段6eにおいて発射強度値505が取得され、消滅位置決定用カウンタの上記発射ON信号の生成時のカウント値が250であるとする。このような場合、球属性決定手段6eは、図4に示す入賞率テーブル6c3の発射強度501〜510の欄の入賞率を検索し、ここから遊技球の消滅位置を決定する。具体的には、この欄の各入賞口44〜49の入賞率を、入賞口44側から順に大入賞口49側に向けて各々10000倍した数値1、2、2、1、450…を順次加算して行く。すると、入賞口47の位置で合計値6が得られ、始動入賞口48の位置で合計値456が得られる。
消滅位置決定用カウンタのカウント値は250であり、この値は入賞口47の位置の合計値6を超え、始動入賞口48の位置の合計値456以下の範囲内にあるから、ここでは始動入賞口48がその遊技球の消滅位置と決定する。
【0081】
これにより、遊技球の発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c3に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置が決定されるが、遊技球の発射強度に基づき、かつ入賞率に従った方法であれば、上述方法以外の方法により遊技球の消滅位置を決定してもよい。
【0082】
球属性のうち、遊技球の生存時間は、図6にも示したように一定の幅をもつが、その幅内の特定の生存時間が上記遊技球の消滅位置に応じて決定される。図7に示すように、同一消滅位置の中にも更に異なる値の生存時間を複数種類設定してもよいが、この場合は、消滅位置決定用カウンタを用いた抽選によりランダムに決定された複数種類の中の1種類の消滅位置に応じた特定の生存時間が決定される。
【0083】
このように決定された球属性は、遊技球発射コマンドCMに含められて主制御装置6のコマンド送信手段6gから送信される。図7に示す例において、頭文字「CM」が付された4桁の数字は各々球属性を含む遊技球発射コマンドCMを表す。
【0084】
球属性別の球ルートテーブル7c3は、画像表示制御装置7のROM7cに格納されている。この球ルートテーブル7c3は、主制御装置6のコマンド送信手段6gから送信されてくる遊技球発射コマンドCM、換言すれば球属性と、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)が盤面画像上に表示する遊技球の移動経路、つまり球ルートとの対照表である。
【0085】
球ルートは、図7に示す例においては頭文字「RT」が付された4桁の数字で表されているが、具体的には遊技球が盤面画像上に表示されてから消滅するまでの単位時間毎、例えば1/60秒毎の位置座標データの集合(位置座標データ群)である。
【0086】
位置座標データは、例えば遊技盤面を含む画像表示器5の画像表示面(二次元平面)をX,Y平面とし、図1中の左右方向にX軸、上下方向にY軸をとり、同画像表示面の図1中の左下隅部を基準位置、つまりX=0,Y=0として表わす。
遊技盤面に直交する、遊技盤面の前面側(遊技者側)の方向にZ軸をとり、位置座標データをX,Y,Zの三次元座標で表わしてもよい。
なお図7は、球属性の一部を例示している。球属性別の球ルートテーブル7c3も一部を例示している。
【0087】
遊技者が、図1に示す発射操作部33をある操作量、例えば回転角度35°〜45°までの間の回転角度θxに操作した場合、主制御装置6は回転角度θxに応じた値を発射操作量として取得し、同装置6内の球属性決定手段6eはその発射操作量に応じて遊技球の発射強度Fxを求める。
そして、この球属性決定手段6eは、発射強度Fxに対応する遊技球消滅位置Pxを、上記入賞率テーブル6c3及び消滅位置決定用カウンタを用いて抽選により求め、続いて、この消滅位置Px(詳しくは発射強度Fx及び消滅位置Px)から、各消滅位置までの遊技球生存時間Txを求める。
【0088】
主制御装置6のコマンド送信手段6gは、球属性決定手段6eで決定された遊技球消滅位置Px及び生存時間Txからなる球属性を含む遊技球発射コマンドCMを画像表示制御装置7に送信する。
遊技球発射コマンドCMは発射される遊技球毎に画像表示制御装置7に送信されるが、画像表示制御装置7(遊技球移動表示手段7h)はこの遊技球発射コマンドCMを受信する毎に、各遊技球発射コマンドCM中の球属性に応じた球ルートを遊技球消滅位置・生存時間別の球ルートテーブル7c3から読み出す。
【0089】
次に本実施形態において、図1に示す映像式遊技機の電源がオンされ、発射操作部33が操作されてから遊技球が盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅、つまり表示が終了するまでの一連の処理動作を図8〜図12のフローチャートを参照して説明する。
【0090】
図8は図1、図3に示す主制御装置6における本実施形態全体の処理フローを示す。この図に示すように、主制御装置6は、主電源オン(ステップ101)されると、CPU6a、RAM6b等、装置各部を初期化する(ステップ102)。そして、生存球管理、遊技球発射、開閉体(可動体)状態管理及び図柄管理の各処理を行う(ステップ103〜106)。ステップ103〜106は主制御装置6の動作中、繰り返し実行される。
【0091】
ステップ103において、生存球とは、盤面画像上に表示され、その後、盤面画像上から消滅するまでの遊技球、つまり、発射された後に未だ入賞口44〜49又はアウト口53の何れにも入球せずに盤面画像上を移動している球をいう。このステップ103における生存球管理処理については、その詳細を後述する。
ステップ105の開閉体状態管理においては、開閉体50の開閉動作を制御し、その制御状態の把握等を行う。
ステップ106の図柄管理においては、図柄表示部43における図柄の変動開始及び停止動作等を制御し、その制御状態の把握等を行う。
【0092】
図9は、図8中のステップ103における生存球管理処理の詳細を例示するフローチャートであり、以下、これを図1及び図3を併用して説明する。
生存球管理処理は、図8中のステップ104における発射処理中の球属性決定処理で決定された遊技球の球属性を生存球情報として引き継ぎ、その遊技球が消滅するまでを管理するルーチンである。生存球情報とは、生存時間タイマ、消滅位置、大当たり抽選情報等で、これらのデータを処理して入賞の確定や、予め定められた入賞個数、ここでは10個入賞での開閉体閉成処理を行う。
【0093】
まず、ステップ201において生存球の有無を判定し、有と判定された場合にはステップ202を実行し、無と判定された場合にはこの生存球管理処理を終了する。
ステップ202では、時間経過を認識するために、生存球情報内の生存時間タイマを更新する。ここで、ステップ201でYesと判定された場合において、生存球は複数存在する可能性があるので、順に処理するために最初の遊技球と指定された遊技球についてステップ202を実行する。
【0094】
ステップ203では、指定された遊技球の消滅位置が大入賞口49であるか否かを判定する。消滅位置が大入賞口49であると判定された場合には、生存時間タイマのタイマ値が生存時間に一定時間、例えば0.5秒を加算した時間に達したか否かを判定する(ステップ204)。
【0095】
ステップ204における判定がYesの場合にその大入賞口49への入賞(入球)が確定する。入賞が確定すると、入賞球カウントを更新(+1)し、その値が10個になった場合は、開閉体50を閉動作させ、大入賞口49を閉成状態にした後(ステップ205,206)、ステップ207において入球処理を行う。
開閉体50の閉動作は、開閉体開閉信号生成手段6fが閉信号を生成することにより行われる。すなわちこの閉信号は、コマンド送信手段6gにより画像表示制御装置7に送られ、開閉体開閉表示手段7iを作動させて盤面画像上の開閉体50の閉動作表示を行わせる。また、ステップ204における判定がNoの場合には、後述するステップ210を実行する。
【0096】
ステップ207は、ステップ205においてNoと判定された場合にも実行される。以上におけるステップ207の入球処理は大入賞口49についての入賞処理、主に賞球払出処理である。
【0097】
上記ステップ203において、指定された遊技球の消滅位置が大入賞口49でないと判定された場合には、ステップ208を実行する。
ステップ208では、生存時間タイマのタイマ値が生存時間になったか否かを判定し、Yesと判定された場合にはステップ207を実行、すなわち入球処理を行う。ここでは、指定された遊技球の消滅位置が入賞口44〜48の何れかであればその何れかの入賞口についての入賞処理、主に賞球払出処理である。指定された遊技球の消滅位置がアウト口53であれば入賞処理(賞球払出処理等)は行わないことは勿論である。
【0098】
入賞口44〜49及びアウト口53に入球し、消滅した遊技球についての情報は不要となるので廃棄する(ステップ209)。
ステップ210では、他の未処理の生存球の有無を判定し、あればその未処理の生存球を指定し、ステップ202に戻って同ステップ202、及びそれ以降、ステップ209までの処理を上述と同様に実行し、これを他の未処理の生存球がなくなるまで繰り返す。ステップ209で他の未処理の生存球がないと判定された場合にはこの生存球管理処理を終了し、図8中のステップ104に移行する。
【0099】
以上の処理フロー中のステップ204、ステップ206によれば、入賞時における遊技球と開閉体50の表示上の不自然さ(上記遊技球の素通り)を生じさせることが防止される。ステップ204において生存時間に加算される一定時間は、0.5秒に限定されず、実験等によって適宜の時間を選定すればよい。
【0100】
図10は、図8中のステップ104における遊技球の発射処理(遊技球1発毎の発射処理)の詳細を例示するフローチャートであり、以下、これを図1及び図3を併用して説明する。
【0101】
主制御装置は、以上述べた生存球管理処理に次いで、遊技球の発射処理を実行
する(図8中のステップ104参照)。
図10は、図8中のステップ104における遊技球の発射処理(遊技球1発毎の発射処理)の一例を示すフローチャートであり、以下、これを図1及び図3を併用して説明する。
【0102】
まずステップ301では、発射操作機構18が遊技球を発射できる状態になっているか否かを判定する。
すなわち、発射操作部33のタッチセンサ(図示せず)がON、発射停止スイッチがOFF、更に発射操作部33の操作量が遊びの範囲を超えているか否かを判定する。遊技者が実際に遊技球を発射するために発射操作部33を操作しているか否かを判定するためである。ステップ301の判定結果がNo(否定)であれば発射処理を終了し、Yes(肯定)であれば次ステップ302に進む。
【0103】
ステップ302では前回の発射から一定時間経過しているか否かを判定する。これは1分間に例えば100発を超えて発射されないようにするためで、一定時間とはここでは0.6秒である。ステップ302で一定時間経過していないと判定された場合には発射処理を終了する。つまり、主制御装置6は、遊技球の発射に関しては何の処理もしない。一定時間経過していると判定された場合には処理をステップ303に移す。
【0104】
ステップ303では、持ち球数があるか(持ち球数表示器19が表示する球数が1以上か)否かを判定し、判定結果がNoであれば空打ち音を図示しない音声制御装置で発生させるためのコマンドを同音声制御装置に送信する(ステップ304)。
【0105】
ステップ303における判定結果がYesであれば球属性決定手段6eにより球属性を決定する(ステップ305)。ここでは、発射操作部33の操作量に応じて遊技球の発射強度が求められ、この発射強度及び遊技球の消滅位置に基づいて生存時間が求められ、これら消滅位置及び生存時間が球属性とされる。
【0106】
球属性が決定されると、ステップ306に移行し、決定された球属性を含んだ遊技球発射コマンドCMを、コマンド送信手段6gから画像表示制御装置7に送信し、発射処理を終了する。
以上の処理は、発射球毎に行われる。
【0107】
次に、図11に図1、図3及び図4を併用して図10中のステップ305における球属性決定処理の具体例を説明する。
主制御装置6の球属性決定手段6eは、まず遊技球の発射時に、大入賞口49が開放中(開閉体50が開動作中)で遊技球がこの大入賞口49へ入賞可能であると仮定し、大入賞口49への入賞が選択された場合の遊技球の生存時間を仮決定する(ステップ401)。
【0108】
この仮決定は、遊技球の発射強度に応じて定められた同遊技球の消滅位置の各々について最短・最長生存時間が設定されたテーブル(図示せず)中の、消滅位置が大入賞口49である場合の上記最短・最長生存時間の範囲内から、発射される遊技球の発射強度に基づいて特定の値の生存時間を選択する抽選により行われる。
上記発射強度は、発射操作部33の操作量に応じて設定された高低一定幅の発射強度範囲内からランダムに選択される。
【0109】
ステップ402では、発射した時点から上記ステップ401で仮決定した生存時間後に大入賞口49(開閉体50)が開放中であるかを判定し、ステップ403,404でその結果を保存した後、ステップ405に処理を移す。
主制御装置6は、図8中のステップ103,105に示すように、生存球情報及び開閉体動作状態を管理しているので、仮決定した生存時間後の開閉体50の開閉動作状態は容易に判断できる。またこの時、生存球情報に、予め定められた入賞個数(10個入賞)の遊技球であって開閉体50を閉成させる遊技球を含む場合は、図9に示す生存球管理処理において、その遊技球の生存時間の一定時間(0.5秒)後に入賞を確定し、開閉体50を閉成するとしたので(図9中、ステップ203〜206参照)、その間に大入賞口49(開閉体50)に到達可能な遊技球は入賞球として判断する。
【0110】
ステップ405では、上記発射強度に基づき、また入賞率テーブル6c4に設定された入賞率に従って遊技球の消滅位置(入球位置)、つまり特定の入賞口44〜49又はアウト口53を抽選により仮決定する。
ステップ406では、ステップ405において仮決定された消滅位置が大入賞口49(開閉体50)であるか否かを判定する。
この判定結果がYesであれば、ステップ407において、ステップ403,404で保存した大入賞口49への入賞の不可能/可能状態を参照し、大入賞口49が入賞(入球)可能状態にあるか否かを判定する。
そしてステップ407における判定結果がYesであればステップ408を実行、つまり遊技球の消滅位置を大入賞口49であると本決定(球属性として決定)し、ステップ407における判定結果がNoであればステップ409を実行、つまり遊技球の消滅位置をアウト口53であると本決定(球属性として決定)する。
【0111】
ステップ406において、ステップ405で仮決定された消滅位置が大入賞口49ではないと判定された場合には、ステップ410を実行する。ステップ410では、ステップ405で抽選され、仮決定された消滅位置、つまり特定の入賞口44〜48又はアウト口53をその遊技球の消滅位置であると本決定(球属性として決定)する。
【0112】
ステップ411では、ステップ408において消滅位置が大入賞口49であると本決定された遊技球につき、ステップ401で仮決定された生存時間を正規の生存時間として決定、つまり本決定する。
ステップ412では、ステップ409において消滅位置がアウト口53であると本決定され、あるいはステップ410において消滅位置が特定の入賞口44〜48又はアウト口53であると本決定された遊技球の生存時間について、本決定(球属性として決定)する。この本決定は、遊技球の発射強度に応じて定められた同遊技球の消滅位置の各々について最短・最長生存時間が設定されたテーブル(図示せず)から、発射される遊技球の発射強度に基づいて特定の値の生存時間を選択する抽選により行われる。
【0113】
主制御装置6は、ステップ411,412で各々本決定した球属性(消滅位置及び生存時間)をステップ413で生存球情報としてRAM6bに登録し、球属性決定処理を終了する。終了後、処理は図10中のステップ306に移行する。なお、登録(本決定)された球属性は、同図10中のステップ306において、球属性を含んだ遊技球発射コマンドCMとしてコマンド送信手段6gから画像表示制御装置7に送信される。またこの登録された球属性は、生存球情報として上記生存球管理処理(図8、図9参照)に用いられる。以上の処理フロー中のステップ402〜408によれば、上記おまけ入賞が実現される。
【0114】
図12は、図1に示す画像表示制御装置7による表示処理を説明するためのフローチャートである。以下、この図12に図1、図3、図5及び図7を併用して画像表示制御装置7による表示処理を説明する。
【0115】
まず、ステップ501において、画像表示制御装置7は、主制御装置6からの各種のコマンドを受信する。このコマンドには、図10中のステップ306で送信された、球属性を含む遊技球発射コマンドCMの他、図柄変動開始コマンド、当たり情報又は外れ情報や開閉体50を開又は閉動作させるための情報を内容とするコマンド等の演出表示制御用のコマンドがある。遊技球発射コマンドCMは、発射球(発射操作部33の操作により発射される遊技球)毎に画像表示制御装置7で受信され、その他の演出表示制御コマンドは、主制御装置6が制御する遊技状態に応じて送信された際に受信される。
【0116】
ステップ502では、遊技球移動表示手段7hは受信した遊技球発射コマンドCM中の球属性に基づいた球ルートを取得し、ここでは球ルートテーブル7c3(図7参照)から球ルートRTを選択し、その球ルートRTに応じた位置座標で遊技球を画像表示器5に表示させる。
具体的には、図5に示すCPU7aが上記球ルートテーブル7c3から選択した球ルートRTに基づき、次のフレーム更新時に移動する遊技球の位置座標データをGPU7dが読み出し、あるいは位置座標データを補間法により求める等、必要に応じて演算を行い、ビデオRAM7eに書き込む。
なお、球ルートRTについては、上述のように、球ルートテーブル7c3(図7参照)より選択して取得する方法を説明したが、本発明は、これに限らず、例えば遊技球の位置座標を補間法により求めて球ルートRTを生成し、取得する方法もある。
【0117】
ステップ503では、ステップ502における処理が終了したか否か、つまり今回のフレーム分の移動を行ったか否かを判定する。未終了の場合はステップ503の処理を繰り返し、終了していればステップ504を実行する。
盤面画像に複数個の遊技球が表示される場合には、上述した表示処理は同時並行して行われる。このような場合、ステップ503における判定は、上記複数個の遊技球の全ての位置についてステップ502における処理が終了したか否かの判定となり、終了していればステップ504を実行する。
【0118】
ステップ504では、盤面画像における大入賞口(役物)49の開閉体50の開閉動作や図柄変動等、特別遊技状態あるいは特別遊技状態を招来させ得る遊技状態への演出表示制御を行う。このステップ504の処理には、図9中のステップ206における開閉体50の閉動作(表示)を含む。
【0119】
ステップ505では、ステップ504で行った表示制御以外の、例えば盤面画像におけるサイドランプ52や、図示しないが前面飾り枠11の前面部に取り付けられた電飾等の点消灯制御(一般演出制御処理)を行う。
ステップ506では、ステップ502、504、505の処理(制御)結果を合成して画像表示器5に描画、つまり表示させる。
【0120】
ステップ501〜506は、一定周期で繰り返されるので、画像表示器5には、大入賞口49の開閉体50の開閉動作、図柄変動、サイドランプ52の点滅等の様々な演出表示がされる盤面画像上に遊技球(画像)が重ねて移動表示される。
【0121】
なお、上掲図15、図16及び図18では、遊技球は何れも発射された順で入賞する場合を示しているが、遊技球の生存時間は長短あり、したがって遅く発射された遊技球がそれ以前に発射された遊技球を追い越して入賞することがある(図13参照)。このような場合、何ら対処しないと入賞個数に数え間違いが生じてしまう。
【0122】
図14は、このような場合に対処した生存球情報を得るための球属性決定処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、図11中のステップ407及びステップ408相互間に、ステップ601及びステップ602を挿入した。
ステップ601では、先に発射した遊技球を追い越すか否か判定し、追い越すと判定されたときにはステップ602を実行し、追い越すと判定されなかったときにはステップ408に処理を移す。主制御装置6は、図8中のステップ103において生存球情報を管理しているので、ステップ601における判定は容易に行える。ステップ602では、入賞順番入れ替わり認識処理を行う。
【0123】
以上の処理によれば、図13に示すように、発射時に10番目の入賞個数となる発射球は、入賞個数8個目の遊技球(入賞球)として数えられ、入賞個数の数え間違いが防止される。
なお、図13は入賞個数の数え間違い防止に係る作用、効果を示すのみであり、本実施形態におけるおまけ入賞に関しては示されていないが、図14に示す処理フローによれば、図18に例示するおまけ入賞に係る作用、効果も得られる。
【0124】
なお上述実施形態では、可動体の開動作によってより多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を、大入賞口49に適用した場合について述べた。この場合の可動体は、大入賞口49の前面に設けられた開閉体50に相当し、大入賞口49は、この開閉体50が開く(開動作する)ことによってより多くの遊技球の入球が可能となる。
しかし、本発明においては上記可変入賞口として適用される入賞口は大入賞口49のみに限定されることはなく、例えば入球部分の左右両側に所謂電動チューリップが組み込まれた始動入賞口であってもよい。この場合は、電動チューリップ部分が可動体に相当し、この可動体の開動作によって始動入賞口へはより多くの遊技球の入球が可能となる。このような電動チューリップを付設した始動入賞口においては、通常1個の入球で電動チューリップが閉じるように設定されていれば、その1個目の遊技球とほぼ同時(1個目の遊技球入球後、微少時間内)に入球する2個目の遊技球が入賞可能となる。
【0125】
画像表示器5に表示される盤面画像は、図1に示す態様に限定されない。例えば、盤面画像にゲートを加え、このゲートを遊技球が通過することにより抽選が行われ、この抽選に当たれば始動入賞口に組み込まれた上記電動チューリップが開くというような盤面画像を表示するようにしてもよい。このような場合には、遊技球がゲートに通過するか否かを球属性に加えれば、遊技球がよりリアルに移動する球ルートを決定できる。
以上に述べた態様はおおよそ第1種パチンコ機を模したものであるが、本発明はこれ以外のパチンコ機、その他の弾球遊技機にも適用可能である。
【0126】
また図1においては、主制御装置6は、その制御対象として画像表示制御装置7のみを備えた場合について示したが、実際には、画像表示制御装置7の他、音声制御装置や、例えば前面飾り枠11に取り付けられた電飾(図示せず)等を制御するランプ制御装置も備える。つまり主制御装置6は、盤面画像の表示や、表示された盤面画像における遊技状態の制御のみならず、音声やランプによる演出制御も可能である。
【0127】
図1に示す主制御装置6が制御する遊技状態には、例えば大入賞口49の開閉体50が開動作して、より多くの賞球が獲得可能となる特別遊技状態、この特別遊技状態以外の遊技状態、つまり通常遊技状態、例えば遊技球が発射され、一般入賞口44〜47やアウト口53に入球する基本的な遊技状態がある。通常遊技状態ではあっても、図柄表示部43による図柄の変動表示をしている遊技状態のように上記特別遊技状態を招来させ得る遊技状態等がある。
主制御装置6は、このような遊技状態を、画像表示制御装置7による盤面画像における演出表示制御によって現出させ、同時に上記音声やランプによる演出制御も加えて遊技者を楽しませている。遊技状態の制御には、その状態の開始、継続、終了の各制御を含む。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】本発明が適用された映像式パチンコ機の一実施形態の要部構成図である。
【図2】図1中の主制御装置、画像表示制御装置及びカード制御装置部分を取り出して示すブロック図である。
【図3】図2中の主制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図3中の入賞率テーブルの一例を示す図である。
【図5】図2中の画像表示制御装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】図1に示すパチンコ機の球属性決定手段で球属性として決定される遊技球の発射強度と生存時間との関係を示す図である。
【図7】同上パチンコ機において球ルートを決定するための遊技球の発射強度、球属性、遊技球発射コマンド及び球属性別の球ルートテーブルの関係の一例を説明するための図である。
【図8】図1、図3に示す主制御装置における本実施形態全体の処理フローを示す。
【図9】図8中の生存球管理処理の詳細を例示するフローチャートである。
【図10】同じく遊技球の発射処理の詳細を例示するフローチャートである。
【図11】図10中の球属性決定処理の具体例を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1に示す画像表示制御装置による表示処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】他の実施形態を説明するための遊技球発射・入賞説明図である。
【図14】他の実施形態を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の概略を説明するための遊技球発射・入賞説明図(その1)である。
【図16】本発明の概略を説明するための遊技球発射・入賞説明図(その2)である。
【図17】本発明の概略を説明するための側断面図である。
【図18】本発明の概略を説明するための遊技球発射・入賞説明図(その3)である。
【符号の説明】
【0129】
1:遊技機枠、5:画像表示器、6:主制御装置(主制御手段)、6e:球属性決定手段、6f:開閉体開閉信号生成手段(可動体開閉信号生成手段)、6g:コマンド送信手段(信号送信手段)、7:画像表示制御装置(画像表示制御手段)、7c3:球ルートテーブル、7h:遊技球移動表示手段、7i:開閉体開閉表示手段(可動体開閉表示手段)、33:発射操作部、44〜48:入賞口、49:大入賞口、50:大入賞口の前面の開閉体(可動体)、53:アウト口、CM:遊技球発射コマンド(信号)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の入球により賞球が払い出される、開又は閉動作可能な可動体の開動作によって、より多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む複数の入賞口、及び遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、
発射操作部の操作によりその操作量に応じた発射強度で発射され、前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、
遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、
前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、
この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
前記発射操作部の操作により発射される遊技球である発射球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を、その遊技球発射時の前記発射強度に基づいて設定し、設定結果を球属性として決定する球属性決定手段と、
予め定められた条件が充足されることにより、前記可動体を開動作させる開信号を生成し、前記可動体を閉動作させる閉信号を生成する可動体開閉信号生成手段と、
前記球属性を含む信号を発射球毎に送信すると共に、前記開信号又は閉信号を送信する信号送信手段とを備え、
前記球属性決定手段は、全ての発射球に対して前記可変入賞口を消滅位置としたときの生存時間を仮決定した後、その仮決定した生存時間経過時に前記可動体が開動作中か判定し、開動作中であると判定された発射球であって、前記可変入賞口が消滅位置と決定された発射球については、その球属性を、消滅位置が前記可変入賞口であり、生存時間が前記仮決定された生存時間であると決定し、
この球属性決定手段により球属性として決定された消滅位置が前記可変入賞口であって、その生存時間に一定時間を加算した時間が経過した時を前記可変入賞口への入球と判断して、前記可変入賞口へ入球した遊技球の個数が一定値になったとき前記可動体の開動作を終了し、前記閉信号を前記信号送信手段より送信させ、
前記画像表示制御手段は、
前記信号送信手段からの信号を受信して各信号中の球属性に基づき、各遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、その球ルートに沿って各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、
前記信号送信手段からの前記開信号又は閉信号を受信して前記遊技盤面画像上の前記可動体の開又は閉動作表示を行わせる可動体開閉表示手段とを備えることを特徴とする映像式遊技機。
【請求項1】
遊技球の入球により賞球が払い出される、開又は閉動作可能な可動体の開動作によって、より多くの遊技球の入球が可能となる可変入賞口を含む複数の入賞口、及び遊技球の入球による賞球の払い出しのないアウト口を含む盤面構成部材が配置された遊技盤面と、
発射操作部の操作によりその操作量に応じた発射強度で発射され、前記遊技盤面上を移動する遊技球とを、
遊技機枠に搭載された画像表示器に表示して遊技を行う映像式遊技機であって、
前記画像表示器に表示された遊技盤面画像における遊技状態を制御する主制御手段と、
この主制御手段の制御に基づき前記遊技盤面画像における表示制御を行う画像表示制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
前記発射操作部の操作により発射される遊技球である発射球の前記遊技盤面画像上の消滅位置、及び前記遊技盤面画像上に表示されてから消滅するまでの生存時間を、その遊技球発射時の前記発射強度に基づいて設定し、設定結果を球属性として決定する球属性決定手段と、
予め定められた条件が充足されることにより、前記可動体を開動作させる開信号を生成し、前記可動体を閉動作させる閉信号を生成する可動体開閉信号生成手段と、
前記球属性を含む信号を発射球毎に送信すると共に、前記開信号又は閉信号を送信する信号送信手段とを備え、
前記球属性決定手段は、全ての発射球に対して前記可変入賞口を消滅位置としたときの生存時間を仮決定した後、その仮決定した生存時間経過時に前記可動体が開動作中か判定し、開動作中であると判定された発射球であって、前記可変入賞口が消滅位置と決定された発射球については、その球属性を、消滅位置が前記可変入賞口であり、生存時間が前記仮決定された生存時間であると決定し、
この球属性決定手段により球属性として決定された消滅位置が前記可変入賞口であって、その生存時間に一定時間を加算した時間が経過した時を前記可変入賞口への入球と判断して、前記可変入賞口へ入球した遊技球の個数が一定値になったとき前記可動体の開動作を終了し、前記閉信号を前記信号送信手段より送信させ、
前記画像表示制御手段は、
前記信号送信手段からの信号を受信して各信号中の球属性に基づき、各遊技球が前記遊技盤面画像上に表示されてから前記入賞口又はアウト口で消滅するまでの道筋を表す球ルートを取得し、その球ルートに沿って各遊技球を前記遊技盤面画像上に移動表示させる遊技球移動表示手段と、
前記信号送信手段からの前記開信号又は閉信号を受信して前記遊技盤面画像上の前記可動体の開又は閉動作表示を行わせる可動体開閉表示手段とを備えることを特徴とする映像式遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
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【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−6704(P2006−6704A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189745(P2004−189745)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】
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