書き込み装置
【課題】光の照射により画像の書き込みが行われる表示媒体において、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮する。
【解決手段】追記装置3を点P1から点P2の位置に移動させると、点P2と点P1を結ぶ線の下方にある第1画素群は、表示媒体21のコレステリック液晶の配向状態を変化させ且つ安定させる時間の間、表示媒体21に対して光を出力する。また、追記装置3が移動する位置として点P21の位置を予測し、点P2と点P21を結ぶ線の下方にある第2画素群から、第1画素群が光を出力した時間より短い時間の間、光を出力する。次に追記装置3が点P21に移動すると第2画素群が光を出力するが、この光が到達する部分は、既に光が照射されていて反射率が低下しているため、コレステリック液晶の配向状態が変化するまでの時間が短く、使用者は、追記装置3の軌跡が表示されるまでの時間を短く感じる。
【解決手段】追記装置3を点P1から点P2の位置に移動させると、点P2と点P1を結ぶ線の下方にある第1画素群は、表示媒体21のコレステリック液晶の配向状態を変化させ且つ安定させる時間の間、表示媒体21に対して光を出力する。また、追記装置3が移動する位置として点P21の位置を予測し、点P2と点P21を結ぶ線の下方にある第2画素群から、第1画素群が光を出力した時間より短い時間の間、光を出力する。次に追記装置3が点P21に移動すると第2画素群が光を出力するが、この光が到達する部分は、既に光が照射されていて反射率が低下しているため、コレステリック液晶の配向状態が変化するまでの時間が短く、使用者は、追記装置3の軌跡が表示されるまでの時間を短く感じる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光書き込み型の電子ペーパに対してペンで画像を記録するシステムが開示されている。このシステムにおいては、電子ペーパの表面でペンを移動させると、ペンの移動した軌跡が記憶される。そして、この軌跡に応じて電子ペーパに光が照射され、電子ペーパに既に表示されている画像にペンの軌跡を示す画像が重ねられて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−241405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光の照射により画像の書き込みが行われる表示媒体において、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る書き込み装置は、光の照射及び印加される電圧に応じて表示が変化する表示媒体に対して電圧を印加する電圧印加手段と、前記表示媒体の表面で移動する操作子の位置を検知する検知手段と、前記表示媒体において表示を変化させる位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、少なくとも表示を変化させるのに要する予め定められた第1時間の間、該特定された位置へ光を照射し、前記操作子の移動後の予測位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、前記第1時間より短い第2時間の間、前記表示媒体において前記操作子の位置と前記予測位置との間にある領域に光を照射する光照射手段を有する。
【0006】
本発明の請求項2に記載の書き込み装置は、請求項1に記載の構成において、前記表示媒体は、光が照射された位置で外光の反射率が変化し、前記第2時間は、前記反射率を変化させる時間であって、変化した反射率を安定させるのに要する予め定められた時間より短い時間であることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に記載の書き込み装置は、請求項2に記載の構成において、前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて幅が広くなっていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に記載の書き込み装置は、請求項2または請求項3に記載の構成において、前記書き込み手段は、前記操作子の移動速度を特定し、特定した速度に応じて前記領域の面積を異ならせることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に記載の書き込み装置は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の構成において、前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて照射される光の光量を異ならせること特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、光の照射により画像の書き込みが行われる表示媒体の表示を変化させる際、表示媒体において操作子の移動軌跡に対応した位置にのみ光を照射する構成と比較して、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
請求項2に記載の発明によれば、光が第2時間だけ光が照射された部分は、表示を変化させないようにすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、操作子が予測位置とずれた位置に移動しても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
請求項4に記載の発明によれば、操作子の移動速度が速くても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明によれば、操作子が移動する可能性の高い位置ほど、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの装置を示した図。
【図2】追記装置3のハードウェア構成を示したブロック図。
【図3】表示媒体21の断面の模式図。
【図4】表示層に印加される電圧と表示層の反射率の関係を示した図。
【図5】感光層に照射された光のエネルギーと、表示層の反射率との関係を示した図。
【図6】導電層に印加した電圧と表示層の反射率との関係を示した図。
【図7】書き込み装置1の内部の模式図。
【図8】書き込み装置1のハードウェア構成を示したブロック図。
【図9】電圧印加部103が導電層に印加する電圧を示した図。
【図10】実施形態の動作を説明するための図。
【図11】実施形態の動作を説明するための図。
【図12】実施形態の動作を説明するための図。
【図13】実施形態の動作を説明するための図。
【図14】本発明の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置2、書き込み装置1および追記装置3の外観を示した図である。
【0013】
表示装置2は、照明器具の光や太陽光などの外光を反射して画像の表示を行う反射型の表示装置である。表示装置2は、矩形で板状の形状をしており、コレステリック液晶を有する表示層と、光に反応して電荷を発生する感光体を有する感光層、および表示層と感光層を挟んだ導電層が積層された表示媒体21を備えている。
表示装置2は、導電層にパルス状の電圧が印加されている状態で書き込み装置1よって光が照射されると、光が照射された位置にあるコレステリック液晶の配向状態が変化する。すると、光の照射に応じて表示層が外光を透過する部分と外光を反射する部分とに分かれて画像を表示する。
【0014】
ペンなどの筆記具と同様の形状をした追記装置3は、表示媒体21に手書きの画像の追記を行う際に使用される操作子であり、追記装置3の位置を書き込み装置1で検出するために、赤外線を出力する赤外線出力部33と、超音波を出力する超音波出力部34を備えている。
【0015】
書き込み装置1は、書き込み装置1の上に載せられた表示装置2に画像を書き込んで表示させる装置である。書き込み装置1は、表示装置2の導電層と電気的に接続される端子と、表示装置2の表示媒体21に光を照射する書き込み部を備えており、端子を介して表示装置2の導電層に電圧を印加しつつ表示装置2に対して光を照射し、表示装置2に画像を表示させる。
また、書き込み装置1は、追記装置3の位置を検出するため、追記装置3から出力される赤外線を検知するセンサ104bと、追記装置3から出力される超音波を検知するセンサ104a,104cを備えている。書き込み装置1は、これらのセンサから出力される信号を基にして追記装置3の位置を検知し、表示媒体21の表面において移動した追記装置3の位置を検知する。
【0016】
(追記装置3の構成)
図2は、追記装置3のハードウェア構成を示したブロック図である。
赤外線出力部33は、赤外線を出力する発光ダイオードを備えており、制御部31からの制御の下、赤外線を予め定められた周期で出力する。また、超音波出力部34は、超音波を出力する素子を備えており、制御部31からの制御の下、赤外線出力部33が出力する赤外線と同期して超音波を出力する。スイッチ35は、赤外線および超音波の出力/非出力を切り替えるためのスイッチであり、制御部31に接続されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポートおよび出力ポートなどを備えた、所謂マイクロコンピュータを有している。ROMには、各部を制御するための制御プログラムが記憶されており、CPUにより制御プログラムが実行されると、追記装置3の各部が制御され、スイッチ35にされた操作に応じて、赤外線および超音波の出力/非出力が制御される。
【0017】
(表示装置2の構成)
図3は、表示装置2が有する表示媒体21の断面を模式的に示した図である。表示媒体21は、基板層、導電層、表示層、着色層、感光層及びラミネート層を積層した構成となっており、各層の形状は矩形となっている。図3に示したように、基板層201Aが配置されている側が、使用者が画像を視認し、追記装置3が接触する側(表示面側)となっており、基板層201Cが配置されている側が、書き込み装置1から出力された光が照射される側(書き込み面側)となっている。
【0018】
基板層201A,201B,201Cは、画像を表示する部分の保護や形状の保持を行う層であり、基板層201Aと基板層201Cは表示装置2の表面に露出している。また、基板層201Bは、導電層202Bと導電層202Cとの間を絶縁する役割を果たしている。なお、本実施形態においては、各基板層は光を透過するポリエチレンテレフタレートで形成されているが、各基板層の素材は、ポリエチレンテレフタレートに限定されるものではなく、透明性及び絶縁性を有するのであれば他の素材であってもよい。
【0019】
導電層202A,202B,202C,202Dは、本実施形態においては酸化インジウムスズで形成されており、透明で光を透過し、且つ導電性を有する層である。なお、各導電層は、透明で光を透過して導電性を有するのであれば、その素材は酸化インジウムスズに限定されず、他の素材であってもよい。
導電層202Aは、基板層201Aの書き込み面側に接しており、導電層202Bは基板層201Bの表示面側に接している。また、導電層202Cは、基板層201Bの書き込み面側に接しており、導電層202Dは基板層201Cの表示面側に接している。
また、導電層202Aには端子203Aが接続され、導電層202Bには端子203Bが接続されており、導電層202Cには端子203Cが接続され、導電層202Dには端子203Dが接続されている。端子203A〜203Dは、書き込み装置1から電圧が印加される端子であり、表示装置2の表面に露出するように配置されている。
【0020】
導電層202Aの書き込み面側に接している表示層204B、表示層204Bの書き込み面側に接している表示層204G、および導電層202Cの書き込み面側に接している表示層204Rは、コレステリック液晶や光を透過する樹脂など複数の材料からなる層であり、樹脂の中にコレステリック液晶が分散した構成となっている。
コレステリック液晶は、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、電場によって配向が変化し、特定の波長の光を反射する状態又は光を透過する状態に変化する。なお、本実施形態においては、表示層204Bのコレステリック液晶は青の光(波長が400nm〜500nmの範囲内の光)を反射し、表示層204Gのコレステリック液晶は緑の光(波長が500nm〜600nmの範囲内の光)を反射し、表示層204Rのコレステリック液晶は赤の光(波長が600nm〜700nmの範囲内の光)を反射するように調整されているが、各表示層が反射する光は上述のものに限定されるものではない。表示層毎に各々異なる予め定められた波長帯の光を反射するように、コレステリック液晶の材料を選択してもよい。
また、各表示層に用いられている樹脂は、コレステリック液晶を保持し、液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が用いられている。また、各表示層に用いられている樹脂は、外力に耐える強度をもち、光に対して透過性を示す。
【0021】
導電層202Bの表示面側に接している感光層205Rと、導電層202Dの表示面側に接している感光層205BGは、光電効果が生じる層であり、本実施形態においては、電荷発生層2051,2053と電荷輸送層2052を有し、電荷発生層2051、電荷輸送層2052、電荷発生層2053の順で積層された構造となっている。
感光層は、光が照射されると、光が照射された部分の抵抗値が低下する。表示層と感光層を挟む導電層に印加される電圧は、表示層と感光層とに分圧されるが、感光層の抵抗値が低下すると分圧比が変化して表示層に掛かる電圧が増加する。
【0022】
電荷発生層2051と電荷発生層2053は、光を吸収して光キャリアを発生する層である。電荷発生層2051は、表示面側の導電層から被照射側の導電層の方向に流れる光キャリアの量を左右し、電荷発生層2053は、被照射側の導電層から表示面側の導電層の方向に流れる光キャリアの量を左右している。
電荷輸送層2052は、各電荷発生層で発生した光キャリアが注入され、導電層に印加される電圧により生じる電場の方向にドリフトする機能を有する層である。
本実施形態においては、感光層205Rの電荷発生層は、赤色の電荷発生物質(一例としてジブロモアントアントロン)を有しており、青〜緑色の光を吸収する。また、感光層205BGの電荷発生層は、青色と緑色の電荷発生物質(一例としてチタニルフタロシアニン)を有しており、赤色の光を吸収する。
【0023】
感光層205Rと表示層204Gの間と、感光層205BGと表示層204Rの間にあるラミネート層207は、表示層を着色層に貼りあわせる際に、凹凸の吸収および接着の役割を果たす目的で設けられる層である。ラミネート層207は、ガラス転移点の低い高分子材料からなるものであり、熱や圧力によって表示層と感光層とを密着・接着させることができる材料が選択される。また、少なくとも入射する光に対して透過性を有する。
ラミネート層207に用いられる材料としては、粘着性の高分子材料(例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂)を挙げることができる。
【0024】
これらの各層が積層された表示媒体21において、表示層にあるコレステリック液晶は、電圧が印加される前の初期状態がプレーナ相である場合には、印加される電圧の増加に伴ってプレーナ相、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順番に変化し、初期状態がフォーカルコニック相である場合には、印加される電圧の増加に伴ってフォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順番に変化する。
そして、フォーカルコニック相の状態で電圧が除去されると、コレステリック液晶はフォーカルコニック相の状態を保持し、ホメオトロピック相の状態で電圧が除去されると、コレステリック液晶はホメオトロピック相からプレーナ相に変化し、プレーナ相の状態を保持する。
【0025】
図4(a)と図4(b)は、導電層と感光層を介して表示層全体に印加される電圧と表示層における光の反射率との関係を示した図であり、図4(a)の曲線Rは、印加される電圧と表示層204Rにおける光の反射率との関係を示したものである。また、図4(b)の曲線Gは、印加される電圧と表示層204Gにおける光の反射率との関係を示したものであり、図4(b)の曲線Bは、印加される電圧と表示層204Bにおける光の反射率との関係を示したものである。
【0026】
表示層204Bにおいてプレーナ相またはフォーカルコニック相からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値をVb1、フォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値をVb2とすると、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVb2以上の場合、電圧除去後にコレステリック液晶はプレーナ相となって外光中の青の光を反射する。一方、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVb1とVb2の間の電圧である場合には、電圧除去後にコレステリック液晶はフォーカルコニック相となって外光が透過する。
【0027】
また、表示層204Gにおいてプレーナ相またはフォーカルコニック相からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値をVg1、フォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値をVg2とすると、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVg2以上の場合、電圧除去後にコレステリック液晶はプレーナ相となって外光中の緑の光を反射する。一方、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVg1とVg2の間の電圧である場合には、電圧除去後にコレステリック液晶はフォーカルコニック相となって外光が透過する。
【0028】
また、表示層204Rにおいてプレーナ相またはフォーカルコニック相からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値をVr1、フォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値をVr2とすると、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVr2以上の場合、電圧除去後にコレステリック液晶はプレーナ相となって外光中の赤色の光を反射する。一方、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVr1とVr2の間の電圧である場合には、電圧除去後にコレステリック液晶はフォーカルコニック相となって外光が透過する。
【0029】
このように、各表示層のコレステリック液晶は、印加される電圧がプレーナ相(またはフォーカルコニック相)からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値(第1閾値(Vr1,Vg1,Vb1):表示層の反射率が10%となる時の電圧)を超えると、フォーカルコニック相に変化し、印加される電圧の電圧値がフォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値(第2閾値(Vr2,Vg2,Vb2):表示層の反射率が90%となる時の電圧)を超えると、ホメオトロピック相に変化する。
【0030】
次に、図5は、導電層に電圧が印加されている時に感光層205Rに照射された光のエネルギー(露光エネルギー)と、表示層204Bの反射率との関係を示したグラフである。図5に示したように、表示層においては、感光層に照射した露光エネルギーが増えるにつれて表示層の反射率が低下する。換言すると、表示層のコレステリック液晶の配向状態をフォーカルコニック相へ変化させて外光が透過するようにするには、ある閾値以上の露光エネルギーを感光層へ供給する必要がある。なお、露光エネルギーは、感光層へ照射される光の光量と露光時間とによるため、コレステリック液晶の配向状態を変化させる露光エネルギーを感光層へ供給する場合、感光層へ照射する光の光量が一定であるとすると、感光層へ供給される露光エネルギーは光の照射時間による。
【0031】
図6は、感光層205Rに一定の光量の光が照射した時の導電層に印加した電圧と表示層204Bの反射率との関係を、光の照射時間毎に示したグラフである。
図6において、「■」で示した点を結んだグラフは、光の照射時間を10[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフであり、「○」で示したグラフは、光の照射時間を20[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフである。また、「×」で示したグラフは、光の照射時間を40[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフであり、「*」で示したグラフは、光の照射時間を60[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフである。また、「●」で示したグラフは、光の照射時間を100[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフであり、「◆」で示したグラフは、光の照射時間を200[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフである。
図6を見ると、感光層に照射される光の光量が一定で導電層に印加する電圧が同じであっても光の照射時間によって反射率が異なり、光の照射時間の増加に伴って反射率は低下している。つまり、光量が同じで導電層に印加される電圧が同じ電圧であっても、光の照射時間が短いと反射率が低下しないため、一定の光量で反射率を低下させるには、光量に応じて予め定められた時間以上の間、感光層に光を照射する必要がある。
【0032】
(書き込み装置1の構成)
図7は、書き込み装置1の内部の模式図、図8は、書き込み装置1のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0033】
書き込み部102は、光を表示媒体21に照射する機能を有し、制御部101によって制御され、表示媒体21の感光層205R,205BGへ光を照射する。この光は、感光層205Rや感光層205BGが吸収する光の波長域内にピーク強度を持ち、バンド幅の狭い光である。また、この光のスペクトルは、感光層205R,205BGが吸収する光の波長域のエネルギーが多く含まれるようなスペクトルである。
具体的には、書き込み部102は、赤、緑、青の三色で構成された画素を複数有する透過型の液晶パネルと、光源として機能するバックライトを備えた液晶ディスプレイ102Aを備えている。バックライトから出力された光は、液晶パネルを透過し、液晶パネルの上方に固定される表示装置2の書き込み面側に照射される。なお、液晶ディスプレイ102Aは、制御部101により制御されて光を出力する画素が制御される。
【0034】
なお、表示媒体21に光を照射する構成は、上述した構成に限定されるものではなく、光源としては、例えば冷陰極管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、EL(Electro Luminescence)のいずれかと導光板とを組み合せた光源がある。
また、面発光型のディスプレイ装置(たとえばCRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、EL、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display))などで表示媒体21に光を照射してもよい。
【0035】
電圧印加部103は、端子203Aに接続される端子と、端子203Bに接続される端子を備えており、これらの端子を用いて導電層202A及び導電層202Bへパルス状の電圧を印加する回路を備えている。また、電圧印加部103は、端子203Cに接続される端子と、端子203Dに接続される端子を備えており、これらの端子を用いて導電層202C及び導電層202Dへパルス状の電圧を印加する。
【0036】
センサ部104は、追記装置3が出力する赤外線を検知するセンサ104bと、追記装置3が出力する超音波を検知するセンサ104a,104cを備えている。センサ104bは、赤外線を検知すると赤外線を検知したことを示す信号を制御部101へ出力する。また、センサ104a,104cは、超音波を検知すると超音波を検知したことを示す信号を制御部101へ出力する。
【0037】
操作部106は、画像を表示する液晶ディスプレイ106Aと、透明で液晶ディスプレイ106Aの表面に配置されたタッチパネル106Bを備えている。液晶ディスプレイ106Aには、制御部101の制御の下、書き込み装置1を操作するための画面が表示される。また、タッチパネル106Bは、使用者が触れた位置を示す信号を制御部101へ出力する。
記憶部107は、不揮発性メモリを備えており、表示装置2の表面で移動した追記装置3の位置を示す位置データを記憶する。
【0038】
制御部101は、CPU、ROM、RAM、入力ポートおよび出力ポートなどを備えた、所謂マイクロコンピュータを有している。ROMには、各部を制御するための制御プログラムが記憶されており、CPUにより制御プログラムが実行されると、書き込み装置1の各部が制御される。また、制御プログラムが実行されると、追記装置3の位置を検知して検知した位置を示す位置データを記憶する機能が実現する。また、制御プログラムが実行されると、追記装置3を用いて手書きの画像を表示装置2に表示させる追記機能が実現する。
【0039】
(実施形態の動作)
次に、本実施形態において、追記装置3で手書きの画像を表示媒体21に表示させる際の動作について説明する。
まず、表示装置2が図1に示したように書き込み装置1に載せられ、電圧印加部103と端子203A〜203Dが電気的に接続される。
ここで、表示媒体21の画面を初期化する操作がタッチパネル106Bにおいて行われると、まず、制御部101は、電圧印加部103および書き込み部102を制御して表示層204B、表示層204Gおよび表示層204Rのコレステリック液晶の配向状態をプレーナ相にする。
具体的には、電圧印加部103は、図9に示した交流のパルス状の電圧(以下、パルス電圧という)を端子203Aと端子203Bに対して印加する。ここで、導電層から表示層204Bと表示層204Gに分圧される電圧は、Vg2以上の電圧になり、表示層204Bと表示層204Gの配向状態は、ホメオトロピック相になる。配向状態がホメオトロピック相になった後、導電層へのパルス電圧の印加が停止され、表示層204B,204Gの配向状態はプレーナ相になり、表示層204Bは外光中の青の波長の光を反射する状態となり、表示層204Gは、外光中の緑の波長の光を反射する状態となる。
また、電圧印加部103は、パルス電圧を端子203Cと端子203Dに対して印加する。ここで、表示層204Rに印加される電圧は、Vr2以上の電圧になり、表示層204Rの配向状態は、ホメオトロピック相になる。配向状態がホメオトロピック相になった後、パルス電圧の印加が停止され、表示層204Rの配向状態はプレーナ相になり、表示層204Rは、外光中の赤の波長の光を反射する状態となる。
【0040】
次に使用者がタッチパネル106Bを操作し、手書きの画像の書き込み開始を指示する操作を行うと、制御部101は、センサ部104から出力される信号の監視を開始する。また、制御部101は、電圧印加部103を制御し、パルス電圧を端子203A〜端子203Dに対して印加する。なお、端子203A,203Bから印加されるパルス電圧は、表示層204B,204Gに分圧されて印加される電圧をVb3にする電圧に設定され、端子203C,203Dから印加されるパルス電圧は、表示層204Rに印加される電圧をVr3にする電圧に設定される。
【0041】
次に、使用者が追記装置3を表示装置2の表面に位置させ、スイッチ35を操作すると、赤外線が赤外線出力部33から周期的に出力されると共に、超音波出力部34から超音波が周期的に追記装置3から出力される。この追記装置3から周期的に出力されている赤外線は、センサ104bで検知され、追記装置3から赤外線に同期して出力されている超音波は、センサ104a,104cで検知される。
【0042】
センサ104bが赤外線を検知すると、赤外線を検知したことを示す信号が制御部101へ出力される。また、センサ104a,104cが超音波を検知すると、超音波を検知したことを示す信号が制御部101へ出力される。制御部101は、各センサから出力された信号の時間差と、予め記憶しているセンサ104aとセンサ104bの間の距離とを用いて、数学の三角法を用いて追記装置3の位置を求め、求めた位置を示す位置データを生成する。つまり、各センサと制御部101は、表示媒体21の表面に位置する追記装置3の位置を検知する検知手段として機能する。なお、制御部101は、センサから信号が入力される度に追記装置3の位置を求め、位置を求める度に位置データを生成する。
【0043】
制御部101は、この位置データが表す位置を基にして液晶ディスプレイ102Aを制御する。なお、本実施形態において制御部101は、検知した追記装置3の位置と、この位置に対応して光を出力する液晶ディスプレイ102Aの画素の位置とを対応付けて予め記憶しており、検知した追記装置3の位置に対応する画素の位置を特定し、特定した画素から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。
【0044】
例えば、図10に示したように追記装置3が表示媒体21の表面に位置し、表示媒体21上の点P1の位置を示す位置データが制御部101により生成されると、制御部101は、この位置データを基にして、液晶ディスプレイ102Aにおいて点P1の下方にある画素G1を特定し、この画素G1から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。なお、画素G1は、本実施形態においては、コレステリック液晶の配向状態を変化させ、且つ配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間だけ光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
【0045】
液晶ディスプレイ102Aの画素G1から出力された光は、書き込み面側から表示媒体21に入射する。そして、画素G1から出力された光のうち、赤の波長の光は感光層205BGにおいて光電効果を生じさせる。すると、表示層204Rにおいて感光層205BGで光電効果が生じた領域の上方に位置する部分では、印加される電圧が増加してVr1とVr2の間の電圧になり、コレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相に移行して点P1の部分は赤の光を透過する状態となる。
また、画素から出力された光のうち、青緑の波長の光は感光層205Rにおいて光電効果を生じさせる。すると、表示層204Bと表示層204Gにおいて感光層205Rで光電効果が生じた領域の上方に位置する部分では、印加される電圧が増加してVg1とVb2の間の電圧になり、コレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相に移行し、表示層204Bの点P1の部分は青の光を透過し、表示層204Gの点P1の部分は緑の光を透過する状態となる。
つまり、点P1の部分においては、外光が反射せず透過するため、点P1の下方の部分は黒として使用者に視認される。
【0046】
次に、使用者が図11(a)に示したように追記装置3を点P1の位置から点P2の位置に移動させると、移動後の追記装置3の位置を示す位置データが生成される。制御部101は、この位置データを基にして、液晶ディスプレイ102Aにおいて点P2と点P1を結ぶ線の下方にある第1画素群を特定する。また、制御部101は、点P1の位置データと点P2の位置データに基づいて、追記装置3が移動する位置を予測する。
【0047】
図11(a)に示したように、表示媒体21の隅を座標の原点とし、点P1の座標が(x1,y1)であり、点P2の座標が(x2,y2)とした場合、制御部101は、座標(x1,y1)と座標(x2,y2)を通過する直線L1を算出する。
次に制御部101は、直線L1上で座標(x2,y2)から見て点P1と反対方向へ予め定められた距離にある点P21の座標(x21,y21)を、この後に追記装置3が移動する位置(予測位置)として算出し、座標(x2,y2)と座標(x21,y21)を結ぶ線の下方にある第2画素群を特定する。
【0048】
制御部101は、図12に示したように、この特定した第1画素群から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。ここで、第1画素群は、コレステリック液晶の配向状態を変化させて且つ配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間の間、光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
また、制御部101は、第2画素群から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。ここで、第2画素群は、コレステリック液晶の配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間より短い時間の間、光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
つまり、書き込み部102と制御部101は、表示媒体21へ光を照射する光照射手段として機能する。
【0049】
第1画素群から出力された光が表示媒体21に到達して表示層のコレステリック液晶の配向状態が変化すると、画素G1から光が出力された時と同様に、表示媒体21において第1画素群の上方に位置する部分は、黒として使用者に視認される。
一方、第2画素群から出力された光が表示媒体21に到達すると、表示媒体21において第2画素群の上方に位置する部分は、光が照射されたことにより、コレステリック液晶の配向状態が変化し始め、反射率が低下する。しかし、ここで第2画素群から出力される光は、配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間より短い時間しか照射されないため、第2画素群の上方に位置する部分は最終的にはフォーカルコニック相に移行せず、黒として使用者に視認されない。
【0050】
次に、図11(b)に示したように、追記装置3が点P21の位置に移動すると、制御部101は、点P21の位置を示す位置データを得る。制御部101は、この位置データを基にして、液晶ディスプレイ102Aにおいて点P21と点P2を結ぶ線の下方にある第1画素群を特定する。
また、制御部101は、点P2と点P21の位置に基づいて、追記装置3が移動する位置を予測する。ここで、図11(b)に示したように、点P2の座標が(x2,y2)であり、点P21の座標が(x21,y21)である場合、座標(x2,y2)と座標(x21,y21)を通過する直線L2を算出する。
次に制御部101は、直線L2上で座標(x21,y21)から見て点P2と反対方向へ予め定められた距離にある点P22の座標(x22,y22)を、この後に追記装置3が移動する位置として算出し、座標(x21,y21)と座標(x22,y22)を結ぶ線の下方にある第2画素群を特定する。
【0051】
制御部101は、図13に示したように、この特定した第1画素群から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。ここで、第1画素群は、コレステリック液晶の配向状態を変化させて且つ配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間の間、光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
なお、表示媒体21において第1画素群から出力された光が到達する部分は、追記装置3が点P1から点P2へ移動した時に、既に光が照射されていて反射率が低下している。
このため、第1画素群から光が照射されると、追記装置3の移動の予測位置まで光を照射しない構成と比較して、コレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相へ変化するまでの時間が短く、追記装置3の使用者は、追記装置3の軌跡が表示されるまでの時間を短く感じる。
【0052】
そして、使用者が追記装置3を表示媒体21から離し、タッチパネル106Bにおいて画像の書き込みの終了を指示する操作を行うと、液晶ディスプレイ102Aのバックライトが消灯される。この時点では、追記装置3が移動した軌跡の部分は、光が一定時間以上照射されてコレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相となっており、黒の線の画像として視認される。
【0053】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0054】
上述した実施形態においては、赤外線と超音波とを用いて追記装置3の位置を検知しているが、追記装置3の位置を検知する方法は、上述した実施形態の方法に限定されるものではない。
例えば、表示装置2の上方に表示媒体21と同じ面積または表示媒体21の面積より広い面積のタッチパネルが位置するように書き込み装置1を構成してもよい。そして、使用者は、タッチパネルの背後に表示装置2を位置させた後、追記装置3の先端をタッチパネルに接触させつつ移動させ、書き込み装置1は、タッチパネルで追記装置3が接触している位置を検知して液晶ディスプレイ102Aを制御してもよい。
また、表示媒体21の表示面側にタッチパネルを配置し、タッチパネルを書き込み装置1に載せた時に表示装置2と書き込み装置1が電気的に接続され、書き込み装置1は、タッチパネルから出力される信号で追記装置3の接触位置を検知して液晶ディスプレイ102Aを制御してもよい。
【0055】
上述した実施形態においては、追記装置3の先端に光源を設け、この光源から出力される光が表示媒体21に照射されるようにしてもよい。この構成によれば、液晶ディスプレイ102Aに加えて追記装置3からも光が照射されるため、液晶ディスプレイ102Aのみで光を照射する構成と比較して、より早く追記装置3の軌跡が表示される。
【0056】
上述した実施形態においては、書き込み装置1は、検知した追記装置3の位置のうち、2箇所の位置を用いて追記装置3の移動位置を予測しているが、追記装置3の移動位置を予測する方法は、この方法に限定されるものではない。
例えば、3箇所以上の位置を用いて追記装置3の移動位置を予測してもよい。なお、3箇所以上の位置を用いて追記装置3の移動位置を予測する場合、n次関数、スプライン曲線、ベジェ曲線などで追記装置3の移動経路を予測し、この予測した経路上の位置を追記装置3の移動位置としてもよい。
また、追記装置3の移動位置を予測する場合、追記装置3の位置を検出する周期と、追記装置の移動距離(例えば、検知した追記装置3の最新の位置と、最新の位置より一つ前の位置の間の距離)とから追記装置3の移動速度を算出し、この移動速度を用いて追記装置3の移動位置を予測してもよい。具体的には、予測した移動速度が速くなるにつれ、追記装置3の移動後の予測位置を検知した追記装置3の位置から離れた位置にしてもよい。この構成によれば、追記装置3の移動速度が速くても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0057】
上述した実施形態において、追記装置3の位置から追記装置3の移動後の予測位置まで光を照射する場合、図14(a)に示したように直線状の領域Rに光を照射するが、図14(b)に示したように、追記装置3の位置から離れるにつれて、光を照射する領域を広くしてもよい。また、この構成においては、光が照射される領域の形状を、図14(c)や図14(d)に示した形状としてもよい。なお、図14(a)〜図14(d)においては、領域Rの左端が、追記装置3の位置であり、領域Rの右端が追記装置3の移動後の予測位置としている。これらの構成によれば、追記装置3が予測位置とずれた位置に移動しても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
また、上述した実施形態においては、追記装置3の位置から離れるにつれて、照射する光の光量を小さくするようにしてもよい。この構成によれば、追記装置3が移動する可能性の高い位置ほど、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0058】
上述した実施形態においては、追記装置3の移動軌跡が表示媒体21に表示されるが、画像を表す画像データを通信回線を介してコンピュータ装置から書き込み装置1が取得し、取得した画像データの画像を表示媒体21に表示させてもよい。また、通信回線ではなく、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの記録媒体に記憶されたデータを読み取る装置を書き込み装置1に設け、記録媒体に記憶された画像データを読み出して画像データの画像を表示してもよい。また、これらの構成においては、表示された画像に対して上述した動作で追記装置3の移動軌跡を追記してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1・・・書き込み装置、2・・・表示装置、3・・・追記装置、101・・・制御部、102・・・書き込み部、102A・・・液晶ディスプレイ、103・・・電圧印加部、104・・・センサ部、106・・・操作部、106A・・・液晶ディスプレイ、106B・・・タッチパネル、107・・・記憶部、21・・・表示媒体、201A〜201C・・・基板層、202A〜202D・・・導電層、203A〜203D・・・端子、204B,204G,204R・・・表示層、205R,205BG・・・感光層、207・・・ラミネート層、31・・・制御部、33・・・赤外線出力部、34・・・超音波出力部、35・・・スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、書き込み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光書き込み型の電子ペーパに対してペンで画像を記録するシステムが開示されている。このシステムにおいては、電子ペーパの表面でペンを移動させると、ペンの移動した軌跡が記憶される。そして、この軌跡に応じて電子ペーパに光が照射され、電子ペーパに既に表示されている画像にペンの軌跡を示す画像が重ねられて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−241405号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、光の照射により画像の書き込みが行われる表示媒体において、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る書き込み装置は、光の照射及び印加される電圧に応じて表示が変化する表示媒体に対して電圧を印加する電圧印加手段と、前記表示媒体の表面で移動する操作子の位置を検知する検知手段と、前記表示媒体において表示を変化させる位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、少なくとも表示を変化させるのに要する予め定められた第1時間の間、該特定された位置へ光を照射し、前記操作子の移動後の予測位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、前記第1時間より短い第2時間の間、前記表示媒体において前記操作子の位置と前記予測位置との間にある領域に光を照射する光照射手段を有する。
【0006】
本発明の請求項2に記載の書き込み装置は、請求項1に記載の構成において、前記表示媒体は、光が照射された位置で外光の反射率が変化し、前記第2時間は、前記反射率を変化させる時間であって、変化した反射率を安定させるのに要する予め定められた時間より短い時間であることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3に記載の書き込み装置は、請求項2に記載の構成において、前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて幅が広くなっていることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4に記載の書き込み装置は、請求項2または請求項3に記載の構成において、前記書き込み手段は、前記操作子の移動速度を特定し、特定した速度に応じて前記領域の面積を異ならせることを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5に記載の書き込み装置は、請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の構成において、前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて照射される光の光量を異ならせること特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、光の照射により画像の書き込みが行われる表示媒体の表示を変化させる際、表示媒体において操作子の移動軌跡に対応した位置にのみ光を照射する構成と比較して、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
請求項2に記載の発明によれば、光が第2時間だけ光が照射された部分は、表示を変化させないようにすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、操作子が予測位置とずれた位置に移動しても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
請求項4に記載の発明によれば、操作子の移動速度が速くても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
請求項5に記載の発明によれば、操作子が移動する可能性の高い位置ほど、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係るシステムの装置を示した図。
【図2】追記装置3のハードウェア構成を示したブロック図。
【図3】表示媒体21の断面の模式図。
【図4】表示層に印加される電圧と表示層の反射率の関係を示した図。
【図5】感光層に照射された光のエネルギーと、表示層の反射率との関係を示した図。
【図6】導電層に印加した電圧と表示層の反射率との関係を示した図。
【図7】書き込み装置1の内部の模式図。
【図8】書き込み装置1のハードウェア構成を示したブロック図。
【図9】電圧印加部103が導電層に印加する電圧を示した図。
【図10】実施形態の動作を説明するための図。
【図11】実施形態の動作を説明するための図。
【図12】実施形態の動作を説明するための図。
【図13】実施形態の動作を説明するための図。
【図14】本発明の変形例を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態]
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置2、書き込み装置1および追記装置3の外観を示した図である。
【0013】
表示装置2は、照明器具の光や太陽光などの外光を反射して画像の表示を行う反射型の表示装置である。表示装置2は、矩形で板状の形状をしており、コレステリック液晶を有する表示層と、光に反応して電荷を発生する感光体を有する感光層、および表示層と感光層を挟んだ導電層が積層された表示媒体21を備えている。
表示装置2は、導電層にパルス状の電圧が印加されている状態で書き込み装置1よって光が照射されると、光が照射された位置にあるコレステリック液晶の配向状態が変化する。すると、光の照射に応じて表示層が外光を透過する部分と外光を反射する部分とに分かれて画像を表示する。
【0014】
ペンなどの筆記具と同様の形状をした追記装置3は、表示媒体21に手書きの画像の追記を行う際に使用される操作子であり、追記装置3の位置を書き込み装置1で検出するために、赤外線を出力する赤外線出力部33と、超音波を出力する超音波出力部34を備えている。
【0015】
書き込み装置1は、書き込み装置1の上に載せられた表示装置2に画像を書き込んで表示させる装置である。書き込み装置1は、表示装置2の導電層と電気的に接続される端子と、表示装置2の表示媒体21に光を照射する書き込み部を備えており、端子を介して表示装置2の導電層に電圧を印加しつつ表示装置2に対して光を照射し、表示装置2に画像を表示させる。
また、書き込み装置1は、追記装置3の位置を検出するため、追記装置3から出力される赤外線を検知するセンサ104bと、追記装置3から出力される超音波を検知するセンサ104a,104cを備えている。書き込み装置1は、これらのセンサから出力される信号を基にして追記装置3の位置を検知し、表示媒体21の表面において移動した追記装置3の位置を検知する。
【0016】
(追記装置3の構成)
図2は、追記装置3のハードウェア構成を示したブロック図である。
赤外線出力部33は、赤外線を出力する発光ダイオードを備えており、制御部31からの制御の下、赤外線を予め定められた周期で出力する。また、超音波出力部34は、超音波を出力する素子を備えており、制御部31からの制御の下、赤外線出力部33が出力する赤外線と同期して超音波を出力する。スイッチ35は、赤外線および超音波の出力/非出力を切り替えるためのスイッチであり、制御部31に接続されている。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入力ポートおよび出力ポートなどを備えた、所謂マイクロコンピュータを有している。ROMには、各部を制御するための制御プログラムが記憶されており、CPUにより制御プログラムが実行されると、追記装置3の各部が制御され、スイッチ35にされた操作に応じて、赤外線および超音波の出力/非出力が制御される。
【0017】
(表示装置2の構成)
図3は、表示装置2が有する表示媒体21の断面を模式的に示した図である。表示媒体21は、基板層、導電層、表示層、着色層、感光層及びラミネート層を積層した構成となっており、各層の形状は矩形となっている。図3に示したように、基板層201Aが配置されている側が、使用者が画像を視認し、追記装置3が接触する側(表示面側)となっており、基板層201Cが配置されている側が、書き込み装置1から出力された光が照射される側(書き込み面側)となっている。
【0018】
基板層201A,201B,201Cは、画像を表示する部分の保護や形状の保持を行う層であり、基板層201Aと基板層201Cは表示装置2の表面に露出している。また、基板層201Bは、導電層202Bと導電層202Cとの間を絶縁する役割を果たしている。なお、本実施形態においては、各基板層は光を透過するポリエチレンテレフタレートで形成されているが、各基板層の素材は、ポリエチレンテレフタレートに限定されるものではなく、透明性及び絶縁性を有するのであれば他の素材であってもよい。
【0019】
導電層202A,202B,202C,202Dは、本実施形態においては酸化インジウムスズで形成されており、透明で光を透過し、且つ導電性を有する層である。なお、各導電層は、透明で光を透過して導電性を有するのであれば、その素材は酸化インジウムスズに限定されず、他の素材であってもよい。
導電層202Aは、基板層201Aの書き込み面側に接しており、導電層202Bは基板層201Bの表示面側に接している。また、導電層202Cは、基板層201Bの書き込み面側に接しており、導電層202Dは基板層201Cの表示面側に接している。
また、導電層202Aには端子203Aが接続され、導電層202Bには端子203Bが接続されており、導電層202Cには端子203Cが接続され、導電層202Dには端子203Dが接続されている。端子203A〜203Dは、書き込み装置1から電圧が印加される端子であり、表示装置2の表面に露出するように配置されている。
【0020】
導電層202Aの書き込み面側に接している表示層204B、表示層204Bの書き込み面側に接している表示層204G、および導電層202Cの書き込み面側に接している表示層204Rは、コレステリック液晶や光を透過する樹脂など複数の材料からなる層であり、樹脂の中にコレステリック液晶が分散した構成となっている。
コレステリック液晶は、液晶分子がらせん状に捩れて配向しており、電場によって配向が変化し、特定の波長の光を反射する状態又は光を透過する状態に変化する。なお、本実施形態においては、表示層204Bのコレステリック液晶は青の光(波長が400nm〜500nmの範囲内の光)を反射し、表示層204Gのコレステリック液晶は緑の光(波長が500nm〜600nmの範囲内の光)を反射し、表示層204Rのコレステリック液晶は赤の光(波長が600nm〜700nmの範囲内の光)を反射するように調整されているが、各表示層が反射する光は上述のものに限定されるものではない。表示層毎に各々異なる予め定められた波長帯の光を反射するように、コレステリック液晶の材料を選択してもよい。
また、各表示層に用いられている樹脂は、コレステリック液晶を保持し、液晶の流動(画像の変化)を抑制する機能を有するものであり、液晶材料に溶解せず、また液晶と相溶しない液体を溶剤とする高分子材料が用いられている。また、各表示層に用いられている樹脂は、外力に耐える強度をもち、光に対して透過性を示す。
【0021】
導電層202Bの表示面側に接している感光層205Rと、導電層202Dの表示面側に接している感光層205BGは、光電効果が生じる層であり、本実施形態においては、電荷発生層2051,2053と電荷輸送層2052を有し、電荷発生層2051、電荷輸送層2052、電荷発生層2053の順で積層された構造となっている。
感光層は、光が照射されると、光が照射された部分の抵抗値が低下する。表示層と感光層を挟む導電層に印加される電圧は、表示層と感光層とに分圧されるが、感光層の抵抗値が低下すると分圧比が変化して表示層に掛かる電圧が増加する。
【0022】
電荷発生層2051と電荷発生層2053は、光を吸収して光キャリアを発生する層である。電荷発生層2051は、表示面側の導電層から被照射側の導電層の方向に流れる光キャリアの量を左右し、電荷発生層2053は、被照射側の導電層から表示面側の導電層の方向に流れる光キャリアの量を左右している。
電荷輸送層2052は、各電荷発生層で発生した光キャリアが注入され、導電層に印加される電圧により生じる電場の方向にドリフトする機能を有する層である。
本実施形態においては、感光層205Rの電荷発生層は、赤色の電荷発生物質(一例としてジブロモアントアントロン)を有しており、青〜緑色の光を吸収する。また、感光層205BGの電荷発生層は、青色と緑色の電荷発生物質(一例としてチタニルフタロシアニン)を有しており、赤色の光を吸収する。
【0023】
感光層205Rと表示層204Gの間と、感光層205BGと表示層204Rの間にあるラミネート層207は、表示層を着色層に貼りあわせる際に、凹凸の吸収および接着の役割を果たす目的で設けられる層である。ラミネート層207は、ガラス転移点の低い高分子材料からなるものであり、熱や圧力によって表示層と感光層とを密着・接着させることができる材料が選択される。また、少なくとも入射する光に対して透過性を有する。
ラミネート層207に用いられる材料としては、粘着性の高分子材料(例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂)を挙げることができる。
【0024】
これらの各層が積層された表示媒体21において、表示層にあるコレステリック液晶は、電圧が印加される前の初期状態がプレーナ相である場合には、印加される電圧の増加に伴ってプレーナ相、フォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順番に変化し、初期状態がフォーカルコニック相である場合には、印加される電圧の増加に伴ってフォーカルコニック相、ホメオトロピック相の順番に変化する。
そして、フォーカルコニック相の状態で電圧が除去されると、コレステリック液晶はフォーカルコニック相の状態を保持し、ホメオトロピック相の状態で電圧が除去されると、コレステリック液晶はホメオトロピック相からプレーナ相に変化し、プレーナ相の状態を保持する。
【0025】
図4(a)と図4(b)は、導電層と感光層を介して表示層全体に印加される電圧と表示層における光の反射率との関係を示した図であり、図4(a)の曲線Rは、印加される電圧と表示層204Rにおける光の反射率との関係を示したものである。また、図4(b)の曲線Gは、印加される電圧と表示層204Gにおける光の反射率との関係を示したものであり、図4(b)の曲線Bは、印加される電圧と表示層204Bにおける光の反射率との関係を示したものである。
【0026】
表示層204Bにおいてプレーナ相またはフォーカルコニック相からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値をVb1、フォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値をVb2とすると、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVb2以上の場合、電圧除去後にコレステリック液晶はプレーナ相となって外光中の青の光を反射する。一方、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVb1とVb2の間の電圧である場合には、電圧除去後にコレステリック液晶はフォーカルコニック相となって外光が透過する。
【0027】
また、表示層204Gにおいてプレーナ相またはフォーカルコニック相からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値をVg1、フォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値をVg2とすると、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVg2以上の場合、電圧除去後にコレステリック液晶はプレーナ相となって外光中の緑の光を反射する。一方、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVg1とVg2の間の電圧である場合には、電圧除去後にコレステリック液晶はフォーカルコニック相となって外光が透過する。
【0028】
また、表示層204Rにおいてプレーナ相またはフォーカルコニック相からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値をVr1、フォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値をVr2とすると、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVr2以上の場合、電圧除去後にコレステリック液晶はプレーナ相となって外光中の赤色の光を反射する。一方、電圧除去前に導電層と感光層とを介して印加されている電圧がVr1とVr2の間の電圧である場合には、電圧除去後にコレステリック液晶はフォーカルコニック相となって外光が透過する。
【0029】
このように、各表示層のコレステリック液晶は、印加される電圧がプレーナ相(またはフォーカルコニック相)からフォーカルコニック相へ変化する時の電圧の閾値(第1閾値(Vr1,Vg1,Vb1):表示層の反射率が10%となる時の電圧)を超えると、フォーカルコニック相に変化し、印加される電圧の電圧値がフォーカルコニック相からホメオトロピック相へ変化する時の電圧の閾値(第2閾値(Vr2,Vg2,Vb2):表示層の反射率が90%となる時の電圧)を超えると、ホメオトロピック相に変化する。
【0030】
次に、図5は、導電層に電圧が印加されている時に感光層205Rに照射された光のエネルギー(露光エネルギー)と、表示層204Bの反射率との関係を示したグラフである。図5に示したように、表示層においては、感光層に照射した露光エネルギーが増えるにつれて表示層の反射率が低下する。換言すると、表示層のコレステリック液晶の配向状態をフォーカルコニック相へ変化させて外光が透過するようにするには、ある閾値以上の露光エネルギーを感光層へ供給する必要がある。なお、露光エネルギーは、感光層へ照射される光の光量と露光時間とによるため、コレステリック液晶の配向状態を変化させる露光エネルギーを感光層へ供給する場合、感光層へ照射する光の光量が一定であるとすると、感光層へ供給される露光エネルギーは光の照射時間による。
【0031】
図6は、感光層205Rに一定の光量の光が照射した時の導電層に印加した電圧と表示層204Bの反射率との関係を、光の照射時間毎に示したグラフである。
図6において、「■」で示した点を結んだグラフは、光の照射時間を10[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフであり、「○」で示したグラフは、光の照射時間を20[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフである。また、「×」で示したグラフは、光の照射時間を40[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフであり、「*」で示したグラフは、光の照射時間を60[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフである。また、「●」で示したグラフは、光の照射時間を100[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフであり、「◆」で示したグラフは、光の照射時間を200[ms]として導電層に印加する電圧を変化させた時のグラフである。
図6を見ると、感光層に照射される光の光量が一定で導電層に印加する電圧が同じであっても光の照射時間によって反射率が異なり、光の照射時間の増加に伴って反射率は低下している。つまり、光量が同じで導電層に印加される電圧が同じ電圧であっても、光の照射時間が短いと反射率が低下しないため、一定の光量で反射率を低下させるには、光量に応じて予め定められた時間以上の間、感光層に光を照射する必要がある。
【0032】
(書き込み装置1の構成)
図7は、書き込み装置1の内部の模式図、図8は、書き込み装置1のハードウェア構成を示したブロック図である。
【0033】
書き込み部102は、光を表示媒体21に照射する機能を有し、制御部101によって制御され、表示媒体21の感光層205R,205BGへ光を照射する。この光は、感光層205Rや感光層205BGが吸収する光の波長域内にピーク強度を持ち、バンド幅の狭い光である。また、この光のスペクトルは、感光層205R,205BGが吸収する光の波長域のエネルギーが多く含まれるようなスペクトルである。
具体的には、書き込み部102は、赤、緑、青の三色で構成された画素を複数有する透過型の液晶パネルと、光源として機能するバックライトを備えた液晶ディスプレイ102Aを備えている。バックライトから出力された光は、液晶パネルを透過し、液晶パネルの上方に固定される表示装置2の書き込み面側に照射される。なお、液晶ディスプレイ102Aは、制御部101により制御されて光を出力する画素が制御される。
【0034】
なお、表示媒体21に光を照射する構成は、上述した構成に限定されるものではなく、光源としては、例えば冷陰極管、キセノンランプ、ハロゲンランプ、EL(Electro Luminescence)のいずれかと導光板とを組み合せた光源がある。
また、面発光型のディスプレイ装置(たとえばCRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)、EL、FED(Field Emission Display)、SED(Surface-conduction Electron-emitter Display))などで表示媒体21に光を照射してもよい。
【0035】
電圧印加部103は、端子203Aに接続される端子と、端子203Bに接続される端子を備えており、これらの端子を用いて導電層202A及び導電層202Bへパルス状の電圧を印加する回路を備えている。また、電圧印加部103は、端子203Cに接続される端子と、端子203Dに接続される端子を備えており、これらの端子を用いて導電層202C及び導電層202Dへパルス状の電圧を印加する。
【0036】
センサ部104は、追記装置3が出力する赤外線を検知するセンサ104bと、追記装置3が出力する超音波を検知するセンサ104a,104cを備えている。センサ104bは、赤外線を検知すると赤外線を検知したことを示す信号を制御部101へ出力する。また、センサ104a,104cは、超音波を検知すると超音波を検知したことを示す信号を制御部101へ出力する。
【0037】
操作部106は、画像を表示する液晶ディスプレイ106Aと、透明で液晶ディスプレイ106Aの表面に配置されたタッチパネル106Bを備えている。液晶ディスプレイ106Aには、制御部101の制御の下、書き込み装置1を操作するための画面が表示される。また、タッチパネル106Bは、使用者が触れた位置を示す信号を制御部101へ出力する。
記憶部107は、不揮発性メモリを備えており、表示装置2の表面で移動した追記装置3の位置を示す位置データを記憶する。
【0038】
制御部101は、CPU、ROM、RAM、入力ポートおよび出力ポートなどを備えた、所謂マイクロコンピュータを有している。ROMには、各部を制御するための制御プログラムが記憶されており、CPUにより制御プログラムが実行されると、書き込み装置1の各部が制御される。また、制御プログラムが実行されると、追記装置3の位置を検知して検知した位置を示す位置データを記憶する機能が実現する。また、制御プログラムが実行されると、追記装置3を用いて手書きの画像を表示装置2に表示させる追記機能が実現する。
【0039】
(実施形態の動作)
次に、本実施形態において、追記装置3で手書きの画像を表示媒体21に表示させる際の動作について説明する。
まず、表示装置2が図1に示したように書き込み装置1に載せられ、電圧印加部103と端子203A〜203Dが電気的に接続される。
ここで、表示媒体21の画面を初期化する操作がタッチパネル106Bにおいて行われると、まず、制御部101は、電圧印加部103および書き込み部102を制御して表示層204B、表示層204Gおよび表示層204Rのコレステリック液晶の配向状態をプレーナ相にする。
具体的には、電圧印加部103は、図9に示した交流のパルス状の電圧(以下、パルス電圧という)を端子203Aと端子203Bに対して印加する。ここで、導電層から表示層204Bと表示層204Gに分圧される電圧は、Vg2以上の電圧になり、表示層204Bと表示層204Gの配向状態は、ホメオトロピック相になる。配向状態がホメオトロピック相になった後、導電層へのパルス電圧の印加が停止され、表示層204B,204Gの配向状態はプレーナ相になり、表示層204Bは外光中の青の波長の光を反射する状態となり、表示層204Gは、外光中の緑の波長の光を反射する状態となる。
また、電圧印加部103は、パルス電圧を端子203Cと端子203Dに対して印加する。ここで、表示層204Rに印加される電圧は、Vr2以上の電圧になり、表示層204Rの配向状態は、ホメオトロピック相になる。配向状態がホメオトロピック相になった後、パルス電圧の印加が停止され、表示層204Rの配向状態はプレーナ相になり、表示層204Rは、外光中の赤の波長の光を反射する状態となる。
【0040】
次に使用者がタッチパネル106Bを操作し、手書きの画像の書き込み開始を指示する操作を行うと、制御部101は、センサ部104から出力される信号の監視を開始する。また、制御部101は、電圧印加部103を制御し、パルス電圧を端子203A〜端子203Dに対して印加する。なお、端子203A,203Bから印加されるパルス電圧は、表示層204B,204Gに分圧されて印加される電圧をVb3にする電圧に設定され、端子203C,203Dから印加されるパルス電圧は、表示層204Rに印加される電圧をVr3にする電圧に設定される。
【0041】
次に、使用者が追記装置3を表示装置2の表面に位置させ、スイッチ35を操作すると、赤外線が赤外線出力部33から周期的に出力されると共に、超音波出力部34から超音波が周期的に追記装置3から出力される。この追記装置3から周期的に出力されている赤外線は、センサ104bで検知され、追記装置3から赤外線に同期して出力されている超音波は、センサ104a,104cで検知される。
【0042】
センサ104bが赤外線を検知すると、赤外線を検知したことを示す信号が制御部101へ出力される。また、センサ104a,104cが超音波を検知すると、超音波を検知したことを示す信号が制御部101へ出力される。制御部101は、各センサから出力された信号の時間差と、予め記憶しているセンサ104aとセンサ104bの間の距離とを用いて、数学の三角法を用いて追記装置3の位置を求め、求めた位置を示す位置データを生成する。つまり、各センサと制御部101は、表示媒体21の表面に位置する追記装置3の位置を検知する検知手段として機能する。なお、制御部101は、センサから信号が入力される度に追記装置3の位置を求め、位置を求める度に位置データを生成する。
【0043】
制御部101は、この位置データが表す位置を基にして液晶ディスプレイ102Aを制御する。なお、本実施形態において制御部101は、検知した追記装置3の位置と、この位置に対応して光を出力する液晶ディスプレイ102Aの画素の位置とを対応付けて予め記憶しており、検知した追記装置3の位置に対応する画素の位置を特定し、特定した画素から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。
【0044】
例えば、図10に示したように追記装置3が表示媒体21の表面に位置し、表示媒体21上の点P1の位置を示す位置データが制御部101により生成されると、制御部101は、この位置データを基にして、液晶ディスプレイ102Aにおいて点P1の下方にある画素G1を特定し、この画素G1から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。なお、画素G1は、本実施形態においては、コレステリック液晶の配向状態を変化させ、且つ配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間だけ光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
【0045】
液晶ディスプレイ102Aの画素G1から出力された光は、書き込み面側から表示媒体21に入射する。そして、画素G1から出力された光のうち、赤の波長の光は感光層205BGにおいて光電効果を生じさせる。すると、表示層204Rにおいて感光層205BGで光電効果が生じた領域の上方に位置する部分では、印加される電圧が増加してVr1とVr2の間の電圧になり、コレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相に移行して点P1の部分は赤の光を透過する状態となる。
また、画素から出力された光のうち、青緑の波長の光は感光層205Rにおいて光電効果を生じさせる。すると、表示層204Bと表示層204Gにおいて感光層205Rで光電効果が生じた領域の上方に位置する部分では、印加される電圧が増加してVg1とVb2の間の電圧になり、コレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相に移行し、表示層204Bの点P1の部分は青の光を透過し、表示層204Gの点P1の部分は緑の光を透過する状態となる。
つまり、点P1の部分においては、外光が反射せず透過するため、点P1の下方の部分は黒として使用者に視認される。
【0046】
次に、使用者が図11(a)に示したように追記装置3を点P1の位置から点P2の位置に移動させると、移動後の追記装置3の位置を示す位置データが生成される。制御部101は、この位置データを基にして、液晶ディスプレイ102Aにおいて点P2と点P1を結ぶ線の下方にある第1画素群を特定する。また、制御部101は、点P1の位置データと点P2の位置データに基づいて、追記装置3が移動する位置を予測する。
【0047】
図11(a)に示したように、表示媒体21の隅を座標の原点とし、点P1の座標が(x1,y1)であり、点P2の座標が(x2,y2)とした場合、制御部101は、座標(x1,y1)と座標(x2,y2)を通過する直線L1を算出する。
次に制御部101は、直線L1上で座標(x2,y2)から見て点P1と反対方向へ予め定められた距離にある点P21の座標(x21,y21)を、この後に追記装置3が移動する位置(予測位置)として算出し、座標(x2,y2)と座標(x21,y21)を結ぶ線の下方にある第2画素群を特定する。
【0048】
制御部101は、図12に示したように、この特定した第1画素群から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。ここで、第1画素群は、コレステリック液晶の配向状態を変化させて且つ配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間の間、光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
また、制御部101は、第2画素群から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。ここで、第2画素群は、コレステリック液晶の配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間より短い時間の間、光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
つまり、書き込み部102と制御部101は、表示媒体21へ光を照射する光照射手段として機能する。
【0049】
第1画素群から出力された光が表示媒体21に到達して表示層のコレステリック液晶の配向状態が変化すると、画素G1から光が出力された時と同様に、表示媒体21において第1画素群の上方に位置する部分は、黒として使用者に視認される。
一方、第2画素群から出力された光が表示媒体21に到達すると、表示媒体21において第2画素群の上方に位置する部分は、光が照射されたことにより、コレステリック液晶の配向状態が変化し始め、反射率が低下する。しかし、ここで第2画素群から出力される光は、配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間より短い時間しか照射されないため、第2画素群の上方に位置する部分は最終的にはフォーカルコニック相に移行せず、黒として使用者に視認されない。
【0050】
次に、図11(b)に示したように、追記装置3が点P21の位置に移動すると、制御部101は、点P21の位置を示す位置データを得る。制御部101は、この位置データを基にして、液晶ディスプレイ102Aにおいて点P21と点P2を結ぶ線の下方にある第1画素群を特定する。
また、制御部101は、点P2と点P21の位置に基づいて、追記装置3が移動する位置を予測する。ここで、図11(b)に示したように、点P2の座標が(x2,y2)であり、点P21の座標が(x21,y21)である場合、座標(x2,y2)と座標(x21,y21)を通過する直線L2を算出する。
次に制御部101は、直線L2上で座標(x21,y21)から見て点P2と反対方向へ予め定められた距離にある点P22の座標(x22,y22)を、この後に追記装置3が移動する位置として算出し、座標(x21,y21)と座標(x22,y22)を結ぶ線の下方にある第2画素群を特定する。
【0051】
制御部101は、図13に示したように、この特定した第1画素群から光が出力されるように液晶ディスプレイ102Aを制御する。ここで、第1画素群は、コレステリック液晶の配向状態を変化させて且つ配向状態を安定させるのに必要な予め定められた時間の間、光を出力し、この時間が経過すると光の出力が停止されるように制御される。
なお、表示媒体21において第1画素群から出力された光が到達する部分は、追記装置3が点P1から点P2へ移動した時に、既に光が照射されていて反射率が低下している。
このため、第1画素群から光が照射されると、追記装置3の移動の予測位置まで光を照射しない構成と比較して、コレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相へ変化するまでの時間が短く、追記装置3の使用者は、追記装置3の軌跡が表示されるまでの時間を短く感じる。
【0052】
そして、使用者が追記装置3を表示媒体21から離し、タッチパネル106Bにおいて画像の書き込みの終了を指示する操作を行うと、液晶ディスプレイ102Aのバックライトが消灯される。この時点では、追記装置3が移動した軌跡の部分は、光が一定時間以上照射されてコレステリック液晶の配向状態がフォーカルコニック相となっており、黒の線の画像として視認される。
【0053】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば、上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。
【0054】
上述した実施形態においては、赤外線と超音波とを用いて追記装置3の位置を検知しているが、追記装置3の位置を検知する方法は、上述した実施形態の方法に限定されるものではない。
例えば、表示装置2の上方に表示媒体21と同じ面積または表示媒体21の面積より広い面積のタッチパネルが位置するように書き込み装置1を構成してもよい。そして、使用者は、タッチパネルの背後に表示装置2を位置させた後、追記装置3の先端をタッチパネルに接触させつつ移動させ、書き込み装置1は、タッチパネルで追記装置3が接触している位置を検知して液晶ディスプレイ102Aを制御してもよい。
また、表示媒体21の表示面側にタッチパネルを配置し、タッチパネルを書き込み装置1に載せた時に表示装置2と書き込み装置1が電気的に接続され、書き込み装置1は、タッチパネルから出力される信号で追記装置3の接触位置を検知して液晶ディスプレイ102Aを制御してもよい。
【0055】
上述した実施形態においては、追記装置3の先端に光源を設け、この光源から出力される光が表示媒体21に照射されるようにしてもよい。この構成によれば、液晶ディスプレイ102Aに加えて追記装置3からも光が照射されるため、液晶ディスプレイ102Aのみで光を照射する構成と比較して、より早く追記装置3の軌跡が表示される。
【0056】
上述した実施形態においては、書き込み装置1は、検知した追記装置3の位置のうち、2箇所の位置を用いて追記装置3の移動位置を予測しているが、追記装置3の移動位置を予測する方法は、この方法に限定されるものではない。
例えば、3箇所以上の位置を用いて追記装置3の移動位置を予測してもよい。なお、3箇所以上の位置を用いて追記装置3の移動位置を予測する場合、n次関数、スプライン曲線、ベジェ曲線などで追記装置3の移動経路を予測し、この予測した経路上の位置を追記装置3の移動位置としてもよい。
また、追記装置3の移動位置を予測する場合、追記装置3の位置を検出する周期と、追記装置の移動距離(例えば、検知した追記装置3の最新の位置と、最新の位置より一つ前の位置の間の距離)とから追記装置3の移動速度を算出し、この移動速度を用いて追記装置3の移動位置を予測してもよい。具体的には、予測した移動速度が速くなるにつれ、追記装置3の移動後の予測位置を検知した追記装置3の位置から離れた位置にしてもよい。この構成によれば、追記装置3の移動速度が速くても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0057】
上述した実施形態において、追記装置3の位置から追記装置3の移動後の予測位置まで光を照射する場合、図14(a)に示したように直線状の領域Rに光を照射するが、図14(b)に示したように、追記装置3の位置から離れるにつれて、光を照射する領域を広くしてもよい。また、この構成においては、光が照射される領域の形状を、図14(c)や図14(d)に示した形状としてもよい。なお、図14(a)〜図14(d)においては、領域Rの左端が、追記装置3の位置であり、領域Rの右端が追記装置3の移動後の予測位置としている。これらの構成によれば、追記装置3が予測位置とずれた位置に移動しても、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
また、上述した実施形態においては、追記装置3の位置から離れるにつれて、照射する光の光量を小さくするようにしてもよい。この構成によれば、追記装置3が移動する可能性の高い位置ほど、手書きの画像が表示されるまでの時間を短縮することができる。
【0058】
上述した実施形態においては、追記装置3の移動軌跡が表示媒体21に表示されるが、画像を表す画像データを通信回線を介してコンピュータ装置から書き込み装置1が取得し、取得した画像データの画像を表示媒体21に表示させてもよい。また、通信回線ではなく、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの記録媒体に記憶されたデータを読み取る装置を書き込み装置1に設け、記録媒体に記憶された画像データを読み出して画像データの画像を表示してもよい。また、これらの構成においては、表示された画像に対して上述した動作で追記装置3の移動軌跡を追記してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1・・・書き込み装置、2・・・表示装置、3・・・追記装置、101・・・制御部、102・・・書き込み部、102A・・・液晶ディスプレイ、103・・・電圧印加部、104・・・センサ部、106・・・操作部、106A・・・液晶ディスプレイ、106B・・・タッチパネル、107・・・記憶部、21・・・表示媒体、201A〜201C・・・基板層、202A〜202D・・・導電層、203A〜203D・・・端子、204B,204G,204R・・・表示層、205R,205BG・・・感光層、207・・・ラミネート層、31・・・制御部、33・・・赤外線出力部、34・・・超音波出力部、35・・・スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の照射及び印加される電圧に応じて表示が変化する表示媒体に対して電圧を印加する電圧印加手段と、
前記表示媒体の表面で移動する操作子の位置を検知する検知手段と、
前記表示媒体において表示を変化させる位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、少なくとも表示を変化させるのに要する予め定められた第1時間の間、該特定された位置へ光を照射し、前記操作子の移動後の予測位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、前記第1時間より短い第2時間の間、前記表示媒体において前記操作子の位置と前記予測位置との間にある領域に光を照射する光照射手段と、
を有する書き込み装置。
【請求項2】
前記表示媒体は、光が照射された位置で外光の反射率が変化し、
前記第2時間は、前記反射率を変化させる時間であって、変化した反射率を安定させるのに要する予め定められた時間より短い時間であること
を特徴とする請求項1に記載の書き込み装置。
【請求項3】
前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて幅が広くなっていることを特徴とする請求項2に記載の書き込み装置。
【請求項4】
前記書き込み手段は、前記操作子の移動速度を特定し、特定した速度に応じて前記領域の面積を異ならせることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の書き込み装置。
【請求項5】
前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて照射される光の光量を異ならせること特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の書き込み装置。
【請求項1】
光の照射及び印加される電圧に応じて表示が変化する表示媒体に対して電圧を印加する電圧印加手段と、
前記表示媒体の表面で移動する操作子の位置を検知する検知手段と、
前記表示媒体において表示を変化させる位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、少なくとも表示を変化させるのに要する予め定められた第1時間の間、該特定された位置へ光を照射し、前記操作子の移動後の予測位置を前記検知手段で検知された位置を用いて特定し、前記第1時間より短い第2時間の間、前記表示媒体において前記操作子の位置と前記予測位置との間にある領域に光を照射する光照射手段と、
を有する書き込み装置。
【請求項2】
前記表示媒体は、光が照射された位置で外光の反射率が変化し、
前記第2時間は、前記反射率を変化させる時間であって、変化した反射率を安定させるのに要する予め定められた時間より短い時間であること
を特徴とする請求項1に記載の書き込み装置。
【請求項3】
前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて幅が広くなっていることを特徴とする請求項2に記載の書き込み装置。
【請求項4】
前記書き込み手段は、前記操作子の移動速度を特定し、特定した速度に応じて前記領域の面積を異ならせることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の書き込み装置。
【請求項5】
前記第2時間の間に光が照射される領域は、前記操作子の位置から前記予測位置に向かうにつれて照射される光の光量を異ならせること特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の書き込み装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−7956(P2011−7956A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150197(P2009−150197)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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