説明

有機物蒸着装置及び蒸着方法

【課題】チャンバ内で第1基板に対する基板の移送及びアライン工程の実行と同時に、第2基板に対する蒸着工程を行えるようにすることで、基板の移送及びアライン工程時に消耗する有機物質材料の損失を減らして材料効率を最大化し、工程のタックタイムを最小化できる有機物蒸着装置及び蒸着方法を提供する。
【解決手段】有機物蒸着装置は、内部が第1基板蒸着領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバと、前記第1又は第2基板蒸着領域内のから第1方向に移動して第1基板又は第2基板上に有機物粒子を噴射させる有機物蒸着源と、前記有機物蒸着源がそれぞれ第1又は第2基板蒸着領域に位置するように前記有機物蒸着源を第2方向に回転移動させる第2移動手段とを含んで構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機物蒸着装置に関し、特に、同一のチャンバ内で第1基板に対する基板の移送及びアライン工程の実行と同時に、第2基板に対する蒸着工程を行える有機物蒸着装置及び蒸着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光表示装置は自発光型表示装置であって、視野角が広く、コントラストに優れているだけでなく、応答速度が速いという長所を有していることから、次世代の表示装置として注目されている。
【0003】
有機電界発光表示装置に備えられる有機電界発光素子は、互いに対向する第1、2電極(アノード、カソード電極)及び前記電極の間に形成された中間層で構成され、前記中間層には多様な層が備えられることができるが、これは、例えばホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層又は電子注入層などが挙げられる。
【0004】
有機電界発光素子の場合、このような中間層は有機物で形成された有機薄膜である。
【0005】
前記のような構成を有する有機電界発光素子を製造するにおいて、基板上に形成される前記ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層又は電子注入層などの有機薄膜又は電極は蒸着装置を用いた蒸着(deposition)の方法により形成され得る。
【0006】
前記蒸着方法は、一般に、真空チャンバ内に基板を装着した後、蒸着される物質を入れた加熱容器を加熱してその内部の蒸着される物質を蒸発又は昇華させることにより実現される。即ち、形成しようとするパターンの開口部を有するシャドウマスク(shadow mask)を基板の前に整列し、前記基板に有機物質を蒸発又は昇華させて前記基板上に有機薄膜などを蒸着するようになる。
【0007】
このような蒸着工程が行われるためにはチャンバ内に基板が移送される工程、前記基板上にシャドウマスクを正確に位置させるアライン工程などが先ず行われなければならないところ、従来の蒸着装置及び蒸着方法による場合、前記基板の移送及びマスクのアライン時には蒸着工程を進めることが不可能であった。即ち、前記基板の移送及びマスクのアライン工程と蒸着工程が分離されて行われることによって、タックタイムが増加するという短所がある。
【0008】
また、従来の蒸着装置及び蒸着方法によれば、前記基板の移送及びマスクのアラインが行われている途中にも前記有機物質は蒸着源を通じて持続的に蒸発又は昇華されていなければならないので、有機物質材料が損失してしまうという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、チャンバ内で第1基板に対する基板の移送及びアライン工程の実行と同時に、第2基板に対する蒸着工程を行えるようにすることで、基板の移送及びアライン工程時に消耗する有機物質材料の損失を減らして材料効率を最大化し、工程のタックタイムを最小化できる有機物蒸着装置及び蒸着方法を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、各基板に対する蒸着を実行するために蒸着源が移動する方向と、他の基板を蒸着するために蒸着源が移動する方向とを互いに異なるように実現することにより、チャンバの大きさを最適化して空間活用を最大化することで、従来の有機物蒸着システムと比較して同一の空間内で更に多くの工程チャンバを備える有機物蒸着システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の実施形態に係る有機物蒸着装置は、内部が第1基板蒸着領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバと、前記第1又は第2基板蒸着領域内で移動して第1基板又は第2基板上に有機物粒子を噴射させる有機物蒸着源と、前記有機物蒸着源がそれぞれ第1又は第2基板蒸着領域に位置するように前記有機物蒸着源を第1方向に回転移動させる第1移動手段とを含む。
【0012】
また、前記有機物蒸着源を前記第1又は第2基板蒸着領域内でそれぞれ第2方向に往復移動させる第2移動手段を更に含む。
【0013】
更に、前記第1基板蒸着領域に位置して外部から移送された第1基板をアラインする第1基板アライン部と、前記第2基板蒸着領域に位置して外部から移送された第2基板をアラインする第2基板アライン部とを更に含む。
【0014】
また、前記第1基板蒸着領域及び第2基板蒸着領域は、前記第1方向と交差する第2方向に隣接して配列され、前記有機物蒸着源は線形蒸着源で実現される。
【0015】
更に、前記チャンバの本体は、前記第1移動手段に隣接した第1面の長さが前記第1面に対応する第2面の長さよりも長い多角形の筒状で実現され、前記チャンバ本体の第2面は基板の移送及び搬送が行われる面である。
【0016】
また、本発明の実施形態に係る有機物蒸着方法は、第1基板がチャンバ内の第1基板蒸着領域に移送され、前記移送された第1基板に対するアライン工程が行われる段階と、前記第1基板に対するアラインが完了した後に、前記第1基板蒸着領域内で蒸着源が移動して第1基板の蒸着工程が行われる段階と、前記第1基板の蒸着工程が行われると同時に、第2基板が前記チャンバ内の第2基板蒸着領域に移送され、前記移送された第2基板に対するアライン工程が行われる段階と、前記第1基板に対する蒸着及び第2基板に対するアラインが完了した後に、前記蒸着源が第1方向に回転移動して第2基板蒸着領域に位置する段階と、前記第2基板蒸着領域内で前記蒸着源が移動して第2基板の蒸着工程が行われる段階とを含む。
【0017】
更に、前記第2基板に対する蒸着工程が行われると同時に、他の第1基板がチャンバ内の第1基板蒸着領域に移送され、アライン工程が行われる段階を更に含む。
【0018】
また、本発明の他の実施形態に係る有機物蒸着装置は、内部が第1基板蒸着領域、待機領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバと、前記第1基板蒸着領域に位置して外部から移送された第1基板をアラインする第1基板アライン部と、前記第2基板蒸着領域に位置して外部から移送された第2基板をアラインする第2基板アライン部と、前記第1基板又は第2基板上に有機物粒子を噴射させるための少なくとも1つの有機物蒸着源と、前記有機物蒸着源を第1方向に移動させる移送手段とを含んで構成される。
【0019】
更に、前記有機物蒸着源を収納する蒸着源収納部を更に含み、前記蒸着源収納部の上部外側壁には角度制限板が形成されている。
【0020】
また、前記第1基板蒸着領域、待機領域及び第2基板蒸着領域は、前記第1方向に一列に配列される。
【0021】
更に、本発明の他の実施形態に係る有機物蒸着方法は、第1基板又は第2基板がチャンバ内に移送された後、アライン工程が完了する前に有機物蒸着源が前記チャンバの待機領域上に位置する段階と、前記第1基板に対するアライン工程が完了した後、前記チャンバの待機領域上に位置する有機物蒸着源が、前記第1基板が位置する第1基板蒸着領域に移動して第1基板に対する蒸着が行われる段階と、前記第1基板に対する蒸着工程が完了した後、前記有機物蒸着源が再びチャンバの待機領域に移動される段階と、前記第2基板に対するアライン工程が完了した後、前記チャンバの待機領域上に位置する有機物蒸着源が、前記第2基板が位置する第2基板蒸着領域に移動して第2基板に対する蒸着が行われる段階とを含む。
【0022】
また、前記第1基板に対する蒸着工程を行うと同時に、前記第2基板に対するアライン工程が行われる段階、又は、前記第2基板に対する蒸着工程を行うと同時に、前記第1基板に対するアライン工程が行われる段階を更に含む。
【0023】
更に、前記蒸着が完了した第1基板又は第2基板は外部に搬送され、他の第1基板又は第2基板がチャンバ内に移送される段階が更に含まれる。
【0024】
また、本発明の実施形態に係る有機物蒸着システムは、複数の有機物蒸着装置と、前記複数の有機物蒸着装置を共通して連結するトランスファチャンバと、前記トランスファチャンバを通じて前記有機物蒸着装置の内部に投入される基板のローディング及び/又はアンローディングを行うロードラックチャンバとを含み、前記複数の有機物蒸着装置は、少なくとも2つの基板に対する蒸着を行い、前記少なくとも2つの基板のうちいずれか一方の基板に対する蒸着を行うと同時に、残りの基板の移送及びアラインを行う第1有機物蒸着装置を含む。
【0025】
更に、前記複数の有機物蒸着装置は、1つの基板に対して移送、アライン及び蒸着工程を順次行う第2有機物蒸着装置を含む。
【発明の効果】
【0026】
このような本発明によれば、同一の工程チャンバ内で第1基板に対する基板の移送及びアライン工程の実行と同時に、第2基板に対する蒸着工程を行えるようにすることで、基板の移送及びアライン工程時に消耗する有機物質材料の損失を減らして材料効率を最大化し、工程のタックタイムを最小化するという効果を奏する。
【0027】
また、工程チャンバ内で1つの蒸着源を用いて2つの基板に対する蒸着工程の実行が可能であり、これにより、蒸着ラインの最適化が可能であるという長所がある。
【0028】
更に、工程チャンバの大きさを最適化して空間活用を最大化することで、従来に比べて同一の空間内で更に多くの工程チャンバを備えることができ、複数の基板に対する蒸着工程を並行して進めることにより、生産性を最大化できるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2A】本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図2B】本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図2C】本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図2D】本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図4A】本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図4B】本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図4C】本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図4D】本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る有機物蒸着装置が備えられた有機物蒸着システムを概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施形態を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0031】
図1を参照すれば、本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着装置は、内部が第1基板蒸着領域、待機領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバ100と、前記第1基板蒸着領域に位置して外部から移送された第1基板110をアラインする第1基板アライン部200と、前記第2基板蒸着領域に位置して外部から移送された第2基板110’をアラインする第2基板アライン部210と、前記第1基板110又は第2基板110’上に有機物粒子を噴射させるための少なくとも1つの有機物蒸着源300と、前記有機物蒸着源300を収納する蒸着源収納部400と、前記蒸着源収納部を第1方向(一例として水平方向)に移動させる移動手段500とを含んで構成される。
【0032】
このとき、前記第1基板蒸着領域、待機領域及び第2基板蒸着領域は図示するように、第1方向に一列に配列されている。
【0033】
ここで、前記チャンバ100は図示していない真空ポンプによって内部が真空状態を維持するようになっている。
【0034】
また、図1に示す実施形態の場合、前記蒸着源収納部400には2つの有機物蒸着源300が収納されており、前記蒸着源収納部400の上部外側壁には角度制限板410が形成されており、これを通じて前記有機物蒸着源300から噴射される有機物の放射方向を制限する。
【0035】
更に、前記移動手段500は前記蒸着源収納部400を第1方向(水平方向)に移動させる役割を果たすものであって、最初に前記蒸着源収納部400がチャンバ100の待機領域に位置するように制御した後、前記第1基板アライン部200により第1基板110のアラインが完了すれば、前記蒸着源収納部400を第1基板蒸着領域に移動させて前記第1基板110の蒸着工程を行うようにする。
【0036】
その後、第2基板アライン部210により第2基板110’のアラインが完了すれば、前記蒸着源収納部400を第2基板蒸着領域に移動させて第2基板110’の蒸着工程を行うようにする。
【0037】
即ち、第1基板110に対する蒸着工程が行われる間に第2基板110’は移送及びアライン工程が行われ、逆に、第2基板110’に対する蒸着工程が行われる間に第1基板110の移送及びアライン工程が行われるので、工程のタックタイムを大幅に短縮でき、従来に比べて基板の移送及びアライン工程時に消耗する有機物質材料の損失を減らして材料効率を最大化できるようになる。
【0038】
このような移動手段500は真空に維持されるチャンバ100内で使用が可能なように工程条件に応じて有機物蒸着源300の移動速度を調節できるように実現されることが好ましく、これはボールスクリュ(図示せず)及び前記ボールスクリュを回転させるモータ(図示せず)を備え、前記蒸着源収納部400の案内のためのガイド(図示せず)が含まれて構成されることができる。但し、これは1つの実施形態に過ぎず、他の実施形態としてリニアモータ(図示せず)を用いて定速で駆動するように実現することもできる。
【0039】
また、第1、2基板110、110’の前面、即ち、有機物蒸着源300と基板との間には蒸着される有機物の形状を決定するシャドウマスク120が設置される。
【0040】
従って、有機物蒸着源300で蒸発した有機物はシャドウマスク120を経ながら、基板110、110’上に蒸着されて所定形状の有機膜が基板上に形成される。
【0041】
一方、有機物蒸着源300はチャンバ200内部の基板110、110’上に蒸着しようとする有機物を収容し、収容された有機物を加熱して蒸発させた後、これを基板上に噴射して基板上に有機膜が形成されるようにする機能をし、前記有機物蒸着源300は線形蒸着源又は点形蒸着源で実現されることができる。
【0042】
但し、前記点形蒸着源の場合、大面積に有機物を蒸着し難く、大面積の蒸着のためには複数の点形蒸着源を配置しなければならないが、この場合、多数の点形蒸着源の制御が難しいという短所がある。従って、本発明の実施形態では前記有機物蒸着源300が線形蒸着源で実現されることが好ましい。
【0043】
図2A〜図2Dは、本発明の第1実施形態に係る有機物蒸着方法を示す図であって、これは図1に示す有機物蒸着装置による蒸着方法を説明する。
【0044】
まず、図2Aに示すように、第1基板110又は第2基板110’がチャンバ100内に移送された後、まだアライン工程が完了する前には前記有機物蒸着源300を収納した蒸着源収納部400はチャンバ100の中央部分である待機領域上に位置する。
【0045】
前記待機領域上に位置しても前記有機物蒸着源300では持続的に有機物が噴射されているが、蒸着源収納部400の上部外側壁に備えられた角度制限板410により前記有機物蒸着源300から噴射される有機物が、アライン工程が完了していない第1基板110又は第2基板110’には蒸着されない。
【0046】
即ち、本発明の実施形態では前記蒸着源収納部400の上部外側壁に角度制限板410を備えることで、従来の蒸着装置に備えられていた遮断膜を除去できるようになる。
【0047】
ここで、前記遮断膜は従来の蒸着装置内に備えられるものであって、基板のアライン工程が行われるとき、基板上に有機物が蒸着されるのを防止するために基板と蒸着源との間に形成されるものである。
【0048】
その後、第1基板110が第1基板アライン部200によりアラインが完了すれば、図2Bに示すように、チャンバ100の待機領域上に位置していた蒸着源収納部400は移動手段500により第1基板110が位置する第1基板蒸着領域に移動するようになり、これにより、前記第1基板蒸着領域内で蒸着工程を行う。
【0049】
但し、本発明の実施形態の場合、前記第1基板110に対する蒸着工程を行う途中に第2基板110’が移送され、前記移送された第2基板110’は前記第2基板アライン部210によりアライン工程が行われる。
【0050】
このとき、前記基板がチャンバ100内に移送されることは、クラスタタイプの蒸着システムにおいて、前記チャンバ100と連結されたトランスファチャンバ(図示せず)内に備えられるロボットアーム(図示せず)により実現され、前記トランスファチャンバ及びロボットアームは図5の蒸着システムに示されている。
【0051】
即ち、第1基板110に対する蒸着工程が行われると共に、第2基板110’に対する移送及びアライン工程が行われる。
【0052】
次に、前記第1基板110に対する蒸着工程が完了すれば、前記蒸着源収納部400は移動手段500により、図2Cに示すように、再びチャンバ100の待機領域に移動され、蒸着が完了した第1基板110は外部に搬送され、他の第1基板がチャンバ内に移送される。
【0053】
このとき、前記基板の搬送は前述したトランスファチャンバ(図示せず)内に備えられたロボットアーム(図示せず)により実現される。
【0054】
その後、第2基板110’に対するアラインが完了すれば、図2Dに示すように、チャンバ100の待機領域上に位置していた蒸着源収納部400は移動手段500により第2基板110’が位置する第2基板蒸着領域に移動するようになり、これにより、前記第2基板蒸着領域内で蒸着工程を行う。
【0055】
但し、本発明の実施形態の場合、前記第2基板110’に対する蒸着工程を行うと同時に、チャンバ100内に新たに移送された第1基板110に対しては前記第1基板アライン部200によりアライン工程が行われる。
【0056】
その後、前記第2基板110’に対する蒸着工程が完了すれば、前記蒸着源収納部400は移動手段500により、図2Aに示すように、再びチャンバ100の待機領域に移動され、蒸着が完了した第2基板110’は外部に搬送され、他の第2基板がチャンバ内に移送される。
【0057】
このような本発明の実施形態に係る蒸着方法によれば、同一のチャンバ内で第1基板110に対する基板の移送及びアライン工程の実行と同時に、第2基板110’に対する蒸着工程を行えるようにすることで、基板の移送及びアライン工程時に消耗する有機物質材料の損失を減らして材料効率を最大化し、工程のタックタイムを最小化できるようになる。
【0058】
但し、図1及び図2の実施形態の場合、チャンバ100内で各基板に対する蒸着を実行するために蒸着源300が第1又は第2基板蒸着領域内で移動する方向と、他の基板を蒸着するために前記蒸着源300が前記第1基板蒸着領域から第2基板蒸着領域(又は第2基板蒸着領域から第1基板蒸着領域)に移動する方向が同一であるため、空間的に前記チャンバ100の幅、即ち、蒸着が進む方向(第1方向)に非常に大きくならなければならないという問題がある。
【0059】
即ち、第1基板110に対する蒸着が完了した後、第2基板110’を蒸着するために蒸着源300が移動する場合、前記蒸着の実行方向と同一に第1方向(水平方向)に移動されるため、第1基板110及び第2基板110’に対する蒸着を行うためには既存のチャンバに比べて第1方向(水平方向)に約2倍以上大きくならなければならない。
【0060】
従って、本発明の他の実施形態では各基板に対する蒸着を実行するために蒸着源が移動する方向と、他の基板を蒸着するために蒸着源が移動する方向とを互いに異なるように実現してチャンバの大きさを最適化することで、前記のような問題を解決しようとする。
【0061】
図3は、本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着装置の構成を概略的に示す断面図である。
【0062】
但し、図1に示す第1実施形態と比較してシャドウマスク及び蒸着源などは同一のものを用いるので、これについての詳細な説明は省略し、便宜上、同一の構成要素については同一の図面符号を付す。
【0063】
図3を参照すれば、本発明の第2実施形態に係る有機物蒸着装置は、内部が第1基板蒸着領域A及び第2基板蒸着領域Bに区分されるチャンバ100と、前記第1基板蒸着領域に位置して外部から移送された第1基板110をアラインする第1基板アライン部200と、前記第2基板蒸着領域に位置して外部から移送された第2基板110’をアラインする第2基板アライン部210と、前記第1基板110又は第2基板110’上に有機物粒子を噴射させるための少なくとも1つの有機物蒸着源300と、前記有機物蒸着源300を収納する蒸着源収納部400と、前記有機物蒸着源300がそれぞれ第1又は第2基板蒸着領域に位置するように前記有機物蒸着源を第1方向に回転移動させる第1移動手段510と、前記蒸着源収納部400を前記第1又は第2基板蒸着領域内でそれぞれ第2方向に移動させる第2移動手段520とを含んで構成される。
【0064】
ここで、前記チャンバ100は図示されていない真空ポンプによって内部が真空状態を維持するようになっている。
【0065】
また、前記チャンバ100内に基板を移送及び搬送することは、クラスタタイプの蒸着システムにおいて、前記チャンバ100と連結されたトランスファチャンバ(図示せず)内に備えられるロボットアーム(図示せず)により実現され、前記トランスファチャンバ及びロボットアームは図5の蒸着システムに示されている。
【0066】
このとき、前記第1基板蒸着領域A及び第2基板蒸着領域Bは、図示するように、第2方向に隣接して平行に配列されており、各蒸着領域A、Bに行われる基板の蒸着は前記蒸着源300が収納された蒸着源収納部400が第2移動手段520により第2方向に往復運動されることで行われる。
【0067】
また、第1基板蒸着領域Aで第1基板110の蒸着が完了すれば、前記蒸着源収納部400は第1移動手段510により第1方向に回転移動して第2基板蒸着領域Bに位置するようになり、その後、第2移動手段520により第2方向に往復運動して第2基板110’の蒸着を行う。
【0068】
同様に、第2基板蒸着領域Bで第2基板110’の蒸着が完了すれば、前記蒸着源収納部400は第1移動手段510により第1方向に回転移動して第1基板蒸着領域Aに位置するようになり、その後、第2移動手段520により第2方向に往復運動して新しく引き込まれた第1基板110の蒸着を行う。
【0069】
前記第1及び第2移動手段510、520は真空に維持されるチャンバ100内で使用が可能なように工程条件に応じて有機物蒸着源300の移動速度を調節できるように実現されることが好ましく、これは各基板と結束される結束部512、522と、ボールスクリュ(図示せず)及び前記ボールスクリュを回転させるモータ(図示せず)を備え、前記蒸着源収納部400の案内のためのガイド(図示せず)が含まれて構成されることができる。但し、これは1つの実施形態に過ぎず、他の実施形態としてリニアモータ(図示せず)を用いて定速で駆動するように実現することもできる。
【0070】
図1、2を通じて説明した実施形態の場合、チャンバ内で各基板に対する蒸着を実行するために蒸着源が移動する方向と、他の基板を蒸着するために蒸着源が移動する方向が同一であるため、空間的にチャンバの幅が、蒸着が進む方向に既存のチャンバに比べて約2倍以上大きくならなければならないという短所があるが、図3に示す実施形態の場合、各基板に対する蒸着を実行するために蒸着源が移動する方向(第2方向)と、他の基板を蒸着するために蒸着源300が移動する方向(第1方向)とを互いに異なるように実現することで、チャンバ100の空間を大きく拡大する必要なく同一のチャンバ内で第1基板110に対する基板の移送及びアライン工程の実行と同時に、第2基板110’に対する蒸着工程を行うことができる。
【0071】
但し、そのために、図3に示す実施形態では前記チャンバ100の本体が図示するように、第1移動手段510が第1方向に回転運動できるように第1面102の長さL1が前記第1面102に対応する第2面104の長さL2よりも長い多角形の筒状で実現され、これにより、前記チャンバ100の幅が拡大するのを最小化する。
【0072】
図3の実施形態では前記チャンバ100の本体が四角形の筒状で示されているが、これは1つの実施形態であって、前記第1面102が折り曲げられて五角形の筒状で実現されることもできる。
【0073】
このとき、前記第1面102は前記第1移動手段510に隣接した面であり、前記第2面104は第1面102と向かい合う側であって、基板の移送及び搬送が行われる面である。但し、前記第2面104には前記基板の移送及び搬送が実行され得るように開口部(図示せず)が備えられている。
【0074】
以下、図4A〜図4Dを参照して図3に示す有機物蒸着装置による蒸着方法を更に具体的に説明する。
【0075】
図4Aを参照すれば、まず、第1基板110が前記チャンバ100本体の第2面104に備えられた開口部(図示せず)を通じてチャンバ100内に移送され、第1基板アライン部200によりアライン工程が行われ、その後、第1基板110に対するアラインが完了すれば、蒸着源収納部400は前記第1基板蒸着領域Aに位置する第2移動手段520により第1基板蒸着領域A内で第2方向に往復移動することで、第1基板110の蒸着工程が行われる。
【0076】
また、前記第1基板110に対する蒸着工程が行われる途中に、第2基板110’は前記第2面104に備えられた開口部(図示せず)を通じてチャンバ100内に移送され、図4Bに示すように、第2基板アライン部210によりアライン工程が行われる。
【0077】
このとき、前記第1基板アライン部200及び第2基板アライン部210はそれぞれ第1基板蒸着領域A及び第2基板蒸着領域Bに位置するものであって、具体的な構成は前述した図1に示す通りであるので、詳細な説明は省略する。
【0078】
即ち、本発明の実施形態では第1基板110の蒸着が行われると同時に、同一のチャンバ100内で第2基板110’に対する移送及びアライン工程が行われる。
【0079】
次に、前記第1基板110に対する蒸着及び第2基板110’に対するアラインが完了すれば、図4Cに示すように、前記蒸着源収納部400は第1移動手段510により第1方向に回転移動して第2基板蒸着領域Bに位置するようになる。
【0080】
但し、これと同時に蒸着が完了した第1基板110は外部に搬送され、他の第1基板110がチャンバ100内に移送される。
【0081】
本発明の実施形態は、このように前記第1移動手段510により有機物蒸着源300が実装された蒸着源収納部400が前記第1基板蒸着領域Aから第2基板蒸着領域Bに回転移動することで、チャンバの幅を図1、2に示す実施形態に比べて画期的に減らすことができる。
【0082】
即ち、図示するように、本発明の実施形態の場合、前記チャンバ100は第2移動手段が回転運動できるように、第1面102の長さL1が第2面104の長さL2よりも長い多角形筒状の本体で実現されることで、空間活用を最大化する。
【0083】
前記蒸着源収納部400が第2基板蒸着領域Bに位置した後は、図4Dに示すように、第2基板蒸着領域Bに位置する第2移動手段520により第2基板蒸着領域B内で第2方向に往復移動することで、第2基板110’の蒸着工程が行われる。
【0084】
また、前記第2基板110’に対する蒸着工程が行われると同時に、チャンバ100内に移送された他の第1基板110は第1基板蒸着領域Aに位置する第1基板アライン部200によりアライン工程が行われる。
【0085】
即ち、本発明の実施形態では第2基板110’の蒸着が行われると同時に、同一のチャンバ内で第1基板110に対する移送及びアライン工程が行われる。
【0086】
その後、前記第2基板110’に対する蒸着工程が完了すれば、図4A〜図4Dの工程が循環して繰り返されて各基板に対する蒸着又はアラインを行う。
【0087】
図5は、本発明の実施形態に係る有機物蒸着装置が備えられた有機物蒸着システムの一実施形態を示すブロック図である。
【0088】
但し、図5に示す有機物蒸着システムは図3に示す有機物蒸着装置が工程チャンバで備えられるものをその例とし、図3の実施形態による場合、チャンバの本体が第1面が第2面よりも長い多角形の筒状で実現されて空間活用を最大化することにより、従来の有機物蒸着システムと比較して同一の空間内で更に多くの工程チャンバを備えることができることを特徴とする。
【0089】
図5を参照すれば、本発明の実施形態に係る有機物蒸着システム10は、有機物蒸着工程を行う有機物蒸着装置としての複数の工程チャンバ100と、前記複数の工程チャンバを共通して連結するトランスファチャンバ20と、前記トランスファチャンバを通じて前記工程チャンバの内部に投入される基板110、110'、110”のローディング及び/又はアンローディングを行うロードラックチャンバ30、32が含まれているクラスタタイプ(Cluster Type)で構成される。
【0090】
また、前記トランスファチャンバ20の一側には前記工程チャンバ100での蒸着工程時に用いられるシャドウマスクが備えられたシャドウマスクユニット40が更に備えられることができる。
【0091】
前記工程チャンバ100は有機物蒸着装置であって、有機物の蒸着工程が行われる場所であり、少なくとも2つの基板に対する蒸着工程を行う工程チャンバ100a、100bと、1つの基板に対する蒸着工程を行う工程を行う工程チャンバ100c、100dで構成される。
【0092】
即ち、図5の実施形態の場合、第1及び第2工程チャンバ100a、100bは2つの基板に対する蒸着工程を行うものであって、1つの基板に対して蒸着工程が行われ、残りの基板に対しては前記蒸着工程が行われると同時に、移送及びアライン工程が行われるように実現される。
【0093】
このとき、前記第1、2工程チャンバ100a、100bは、図3及び図4を通じて説明した有機物蒸着装置の第2実施形態で実現される。
【0094】
また、第3及び第4工程チャンバ100c、100dは、それぞれ1つの基板に対するアライン及び蒸着工程を順次行う。
【0095】
即ち、本発明の実施形態に係るクラスタタイプの蒸着システムは、前記第1、2工程チャンバ100a、100bが、第1、2面が長さの異なる多角形の筒状で実現されて占める面積を既存に比べて大幅に減らすことができることにより、前記第3、4工程チャンバ100c、100dが更に備えられ、既存の有機物蒸着システムに比べて蒸着収率を大幅に改善できるという長所がある。
【0096】
このようなそれぞれの工程チャンバ100はそれぞれ別途の有機物材料を基板上に蒸着してもよく、同一の有機物材料を基板上に蒸着してもよい。
【0097】
一例として、図5に示す実施形態では第1工程チャンバ100a及び第3工程チャンバ100cで第1有機物材料を蒸着し、第2工程チャンバ100b及び第4工程チャンバ100dで第2有機物材料を蒸着する。
【0098】
これにより、第1工程チャンバ100aを通じて第1有機物蒸着が完了した基板は第2工程チャンバ100bに移送されて第2有機物が更に蒸着され、これと同様に、第3工程チャンバ100cを通じて第1有機物蒸着が完了した基板は第4工程チャンバ100dに移送されて第2有機物が更に蒸着される。
【0099】
また、前記トランスファチャンバ20はそれぞれの側壁領域を通じて前述した工程チャンバ100、ロードラックチャンバ30、32及びシャドウマスクユニット40と連結される。このとき、前記各側壁領域には基板の出入りのための貫通部24が設けられている。
【0100】
即ち、前記トランスファチャンバ20は基板の移送のための移送空間を有する本体22と、前記本体内に設けられた一対のロボットアーム26、26’が含まれて構成され、これはロードラックチャンバ30に設けられている基板を工程チャンバ100に移送したり、工程チャンバ100を通じて蒸着が行われた基板を他の工程チャンバ100又はロードラックチャンバ32に移送及び搬送させる役割を果たす。このとき、前記ロードラックチャンバは、前述したように、工程チャンバの内部に投入される基板110、110'、110”のローディング及び/又はアンローディングを行う役割を果たす。
【0101】
また、本発明の実施形態の場合、前記トランスファチャンバの本体22内に設けられたロボットアーム26、26’が少なくとも2つ備えられ、これを通じて少なくとも2つの基板に対する蒸着工程を同時に行う工程チャンバ100に対して第1基板に対する蒸着工程が行われる途中に、第2基板を前記工程チャンバ100に移送させることができるようになる。
【0102】
前記構成を有する本発明の実施形態に係る有機物蒸着システムの動作を簡略に説明すれば、以下の通りである。
【0103】
まず、複数の基板が外部の搬送装置(図示せず)から第1ロードラックチャンバ30に移送されれば、第1ロードラックチャンバ30では前記移送された基板をローディングする。
【0104】
前記基板のローディングが完了すれば、第1ロードラックチャンバ30のドア(図示せず)を閉鎖して前記第1ロードラックチャンバ30を真空状態にし、その後、トランスファチャンバ20の第1ロボットアーム26を用いて前記基板のうち第1基板110がトランスファチャンバを通じて第1工程チャンバ100aに移送される。
【0105】
但し、前記第1工程チャンバ100a及び第2工程チャンバ100bにおける工程は図3、4を通じて説明した有機物蒸着装置の蒸着工程と同一であり、これを簡略に説明すれば、以下の通りである。
【0106】
第1工程チャンバ100aに移送された前記第1基板110は第1工程チャンバ100a内でアラインされ、アラインが完了すれば、前記第1基板110に対する蒸着工程が行われる。即ち、第1基板110上に第1有機物が蒸着される。
【0107】
また、前記第1基板110が第1工程チャンバ100aに引き込まれると共に、第1ロードラックチャンバ30内にローディングされた複数の基板のうち第2基板110’が第2ロボットアーム26’により移送されて、第1基板110に対する蒸着工程が行われる途中に、前記第1工程チャンバ100aに移送される。
【0108】
即ち、前記第1工程チャンバ100aを通じて第1基板110に対する蒸着工程が実行されれば、これと同時に前記第1工程チャンバ100aでは第2基板110’に対する移送及びアラインも共に行われ、その後、アラインが完了すれば、第2基板110’に対する蒸着工程が行われる。
【0109】
また、前記第2基板110’に対するアライン工程が行われる途中に蒸着が完了した前記第1基板110は第1ロボットアーム26’により第2工程チャンバ100bに移送される。これにより、前記第1基板110は第2工程チャンバ100b内でアラインされ、アラインが完了すれば、前記第1基板110に対する追加の蒸着工程が行われる。即ち、第1基板110上に第2有機物が蒸着される。
【0110】
また、前記第1基板110が第2工程チャンバ100bに引き込まれた後、第1工程チャンバ100a内で蒸着が完了した第2基板110’は続いて第2ロボットアーム26’により移送されて、第1基板110に対する蒸着工程が行われる途中に、前記第2工程チャンバ100bに引き込まれる。
【0111】
即ち、前記第2工程チャンバ100bを通じて第1基板110に対する蒸着工程が行われると共に、前記第2工程チャンバ100bでは第2基板110’に対する移送及びアラインも行われる。
【0112】
これにより、第1基板110及び第2基板110’に対する第1、2有機物に対する蒸着工程が完了すれば、連続的に、第1基板110及び第2基板110’がそれぞれロボットアームにより第2ロードラックチャンバ32に移送されてアンローディングされる。
【0113】
その後、第1又は第2ロボットアーム26、26’は第1ロードラックチャンバ30にローディングされた基板のうち第3基板110”を、トランスファチャンバ20を通じて第3工程チャンバ100cに移送し、その後、前記第3基板110”は第3工程チャンバ100c内でアラインされ、アラインが完了すれば、前記第3基板110”に対する蒸着工程が行われる。即ち、第3基板110”上に第1有機物が蒸着される。
【0114】
また、第3基板110”に対する蒸着工程が完了すれば、前記ロボットアームは前記第3基板110”を第4工程チャンバ100dに移送し、これにより、前記第3基板110”は第4工程チャンバ100d内でアラインされ、アラインが完了すれば、前記第3基板110”に対する追加の蒸着工程が行われる。即ち、第3基板110”上に第2有機物が蒸着される。
【0115】
その後、第3基板110”に対する第1、2有機物に対する蒸着工程が完了すれば、第3基板110”がそれぞれロボットアームにより第2ロードラックチャンバ32に移送されてアンローディングされる。
【0116】
このとき、前記第3基板110”に対する蒸着工程、即ち、第3及び第4蒸着チャンバ100c、100dで行われる蒸着工程は前記第1基板110及び第2基板110’に対する蒸着工程と同時に実現されることもできる。
【0117】
結果として、本発明の実施形態に係る有機物蒸着システム10によれば、3枚の基板に対する蒸着工程を並行して進行することで、各工程チャンバにおける待ち時間を除去して生産性を増大又は最大化できるという長所がある。
【0118】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であるのはもちろんであり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0119】
100 チャンバ
110 第1基板
200 アライン部
110’ 第2基板
210 アライン部
300 有機物蒸着源
400 蒸着源収納部
500 移動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が第1基板蒸着領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバと、
前記第1又は第2基板蒸着領域内で移動して第1基板又は第2基板上に有機物粒子を噴射させる有機物蒸着源と、
前記有機物蒸着源がそれぞれ第1又は第2基板蒸着領域に位置するように前記有機物蒸着源を第1方向に回転移動させる第1移動手段と、を含むことを特徴とする有機物蒸着装置。
【請求項2】
前記有機物蒸着源を前記第1又は第2基板蒸着領域内でそれぞれ第2方向に往復移動させる第2移動手段を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の有機物蒸着装置。
【請求項3】
前記第1基板蒸着領域に位置して外部から移送された第1基板をアラインする第1基板アライン部と、
前記第2基板蒸着領域に位置して外部から移送された第2基板をアラインする第2基板アライン部と、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の有機物蒸着装置。
【請求項4】
前記第1基板蒸着領域及び第2基板蒸着領域は、前記第1方向と交差する第2方向に隣接して配列されることを特徴とする請求項1に記載の有機物蒸着装置。
【請求項5】
前記有機物蒸着源は、線形蒸着源で実現されることを特徴とする請求項1に記載の有機物蒸着装置。
【請求項6】
前記チャンバの本体は、前記第1移動手段に隣接した第1面の長さが前記第1面に対応する第2面の長さよりも長い多角形の筒状で実現されることを特徴とする請求項1に記載の有機物蒸着装置。
【請求項7】
前記チャンバ本体の第2面は、基板の移送及び搬送が行われる面であることを特徴とする請求項6に記載の有機物蒸着装置。
【請求項8】
第1基板がチャンバ内の第1基板蒸着領域に移送され、前記移送された第1基板に対するアライン工程が行われる段階と、
前記第1基板に対するアラインが完了した後に、前記第1基板蒸着領域内で蒸着源が移動して第1基板の蒸着工程が行われる段階と、
前記第1基板の蒸着工程が行われると同時に、第2基板が前記チャンバ内の第2基板蒸着領域に移送され、前記移送された第2基板に対するアライン工程が行われる段階と、
前記第1基板に対する蒸着及び第2基板に対するアラインが完了した後に、前記蒸着源が第1方向に回転移動して第2基板蒸着領域に位置する段階と、
前記第2基板蒸着領域内で前記蒸着源が移動して第2基板の蒸着工程が行われる段階と、
が含まれることを特徴とする有機物蒸着方法。
【請求項9】
前記第2基板に対する蒸着工程が行われると同時に、他の第1基板がチャンバ内の第1基板蒸着領域に移送され、アライン工程が行われる段階を更に含むことを特徴とする請求項8に記載の有機物蒸着方法。
【請求項10】
内部が第1基板蒸着領域、待機領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバと、
前記第1基板蒸着領域に位置して外部から移送された第1基板をアラインする第1基板アライン部と、
前記第2基板蒸着領域に位置して外部から移送された第2基板をアラインする第2基板アライン部と、
前記第1基板又は第2基板上に有機物粒子を噴射させるための少なくとも1つの有機物蒸着源と、
前記有機物蒸着源を第1方向に移動させる移送手段と、
を含んで構成されることを特徴とする有機物蒸着装置。
【請求項11】
前記有機物蒸着源を収納する蒸着源収納部を更に含み、前記蒸着源収納部の上部外側壁には角度制限板が形成されていることを特徴とする請求項10に記載の有機物蒸着装置。
【請求項12】
前記第1基板蒸着領域、待機領域及び第2基板蒸着領域は、前記第1方向に一列に配列されることを特徴とする請求項10に記載の有機物蒸着装置。
【請求項13】
第1基板又は第2基板がチャンバ内に移送された後、アライン工程が完了する前に有機物蒸着源が前記チャンバの待機領域上に位置する段階と、
前記第1基板に対するアライン工程が完了した後、前記チャンバの待機領域上に位置する有機物蒸着源が、前記第1基板が位置する第1基板蒸着領域に移動して第1基板に対する蒸着が行われる段階と、
前記第1基板に対する蒸着工程が完了した後、前記有機物蒸着源が再びチャンバの待機領域に移動される段階と、
前記第2基板に対するアライン工程が完了した後、前記チャンバの待機領域上に位置する有機物蒸着源が、前記第2基板が位置する第2基板蒸着領域に移動して第2基板に対する蒸着が行われる段階と、
を含むことを特徴とする有機物蒸着方法。
【請求項14】
前記第1基板に対する蒸着工程を行うと同時に、前記第2基板に対するアライン工程が行われる段階、又は、前記第2基板に対する蒸着工程を行うと同時に、前記第1基板に対するアライン工程が行われる段階を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の有機物蒸着方法。
【請求項15】
前記蒸着が完了した第1基板又は第2基板は外部に搬送され、他の第1基板又は第2基板がチャンバ内に移送される段階を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の有機物蒸着方法。
【請求項16】
複数の有機物蒸着装置と、
前記複数の有機物蒸着装置を共通して連結するトランスファチャンバと、
前記トランスファチャンバを通じて前記有機物蒸着装置の内部に投入される基板のローディング及び/又はアンローディングを行うロードラックチャンバと、含み、
前記複数の有機物蒸着装置は、少なくとも2つの基板に対する蒸着を行い、前記少なくとも2つの基板のうちいずれか一方の基板に対する蒸着を行うと同時に、残りの基板の移送及びアラインを行う第1有機物蒸着装置を含むことを特徴とする有機物蒸着システム。
【請求項17】
前記複数の有機物蒸着装置は、1つの基板に対して移送、アライン及び蒸着工程を順次行う第2有機物蒸着装置を含むことを特徴とする請求項16に記載の有機物蒸着システム。
【請求項18】
前記第1有機物蒸着装置は、
内部が第1基板蒸着領域及び第2基板蒸着領域に区分されるチャンバと、
前記第1又は第2基板蒸着領域内で移動して第1基板又は第2基板上に有機物粒子を噴射させる有機物蒸着源と、
前記有機物蒸着源がそれぞれ第1又は第2基板蒸着領域に位置するように前記有機物蒸着源を第1方向に回転移動させる第1移動手段と、
を含むことを特徴とする請求項16に記載の有機物蒸着システム。
【請求項19】
前記チャンバの本体は、前記第1移動手段に隣接した第1面の長さが前記第1面に対向する第2面の長さよりも長い多角形の筒状で実現されることを特徴とする請求項18に記載の有機物蒸着システム。
【請求項20】
前記チャンバ本体の第2面は、基板の移送及び搬送が行われる面であることを特徴とする請求項19に記載の有機物蒸着システム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−68980(P2011−68980A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−94073(P2010−94073)
【出願日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】