説明

木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁およびその構築方法

【課題】木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁およびその構築方法を提供すること。
【解決手段】木造構造物における土台または下部梁と上部梁と左右の柱との間に、壁厚方向の後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板2が垂直面上に並列して積み重ねるように配置されると共に土台または梁14と柱9に係合されて前部壁面材6が設けられ、前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板3が垂直面上に並列して積み重ねるように配置されると共に土台または梁と柱に係合されて後部壁面材7が設けられ、前部壁面材6と後部壁面材7は、前部壁面材6の後面側の係合用凹部4が、後部壁面材7の前面側の係合用突部5に係合し、前部壁面材7の後面側の係合用突部5が後部壁面材7の前面係合用凹部4に係合して、楔装置19により前部壁面材6後部壁面材7とが一体化されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木造建築物に適用される木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁およびその構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上下の梁間に間隔をおいて柱を建て込み、上下の各梁と左右の各柱に囲まれた部分に、1枚の広幅パネルまたは多数の角材を並列して集合した広幅パネルを建て込むことが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−46335号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来の場合は、壁に広幅のパネルとしているので、幅広で重量も重くなり、搬送設置に複数の人員が必要になるともに広幅パネルであるために一人での作業性が容易でないという問題があった。
本発明は、前記の課題を有利に解消した木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁およびその構築方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記の課題を有利に解決するために、第1発明の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁では、木造構造物における土台または下部梁と上部梁と左右の柱との間に、
少なくとも壁厚方向の後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板が垂直面上に並列して積み重ねるように配置されると共に土台または梁と柱に係合されて前部壁面材が設けられ、
少なくとも前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板が垂直面上に並列して積み重ねるように配置されると共に土台または梁と柱に係合されて後部壁面材が設けられ、
さらに、前部壁面材と後部壁面材とは、前部壁面材の後面側の係合用凹部が、後部壁面材の前面側の係合用突部に係合し、前部壁面材の後面側の係合用突部が後部壁面材の前面係合用凹部に係合して、楔装置により前部壁面材と後部壁面材とが一体化されていることを特徴とする。
また、第2発明では、第1発明の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁において、前記の前部壁面材を構成する各木製小幅厚板の前面側に、部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とが交互に設けられ、後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に設けた木製化粧用小幅厚板における係合用凹部と係合用突部とが前部壁面材の前面側の係合用突部と係合用凹部に係合されて、一体化されていることを特徴とする。
また、第3発明では、第1発明または第2発明の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁において、前記の後部壁面材を構成する各木製小幅厚板の後面側に、部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とが交互に設けられ、前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に設けた外装用木製小幅厚板における係合用凹部と係合用突部とが、後部壁面材の後面側の係合用突部と係合用凹部に係合されて、一体化されていることを特徴とする。
また第4発明の耐火・耐震壁の構築方法においては、土台または梁とこれに間隔をおいて立設される柱に設けられた溝に、少なくとも壁厚方向の後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板をその端部を嵌合するようにして、垂直面上に並列して積み重ねるように配置すると共に土台または梁と柱に係合させて前部壁面材を設け、前記土台または梁とこれに間隔をおいて立設される柱に設けられた溝に、少なくとも壁厚方向の前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板の端部を嵌合すると共に、前部壁面材を構成する小幅厚板の後面側の係合用凹部に、後部壁面材を構成する小幅厚板の前面側の係合用突部が係合するようにして、前部壁面材の後面側に後部壁面材の前面側を係合させて、前部壁面材と後部壁面材とを一体化し、次いで、柱および一体化された前部壁面材および後部壁面材に支持させるように上部梁を設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によると、耐震壁を構成する部材として鋼材に比べて柔軟性がありかつ板厚の厚い多数の木製小幅厚板を使用したので、圧縮力または引張力あるいはせん断力を負担する耐震壁用の部材として強度が大きく、また、大型で広幅の木製パネルを使用する場合に比べて、安価な間伐材等を有効に利用することができ、また、板厚も厚いので耐火性も確保することができ、耐火性および耐震性のある安価な耐火耐震壁とることができる。
また、柱と梁の間に配置された前面壁面材と後面壁面材とが一体化されているので、地震動時において、水平力が入力された場合、前面壁面材および後面壁面材が共同して抵抗して、柱または梁に圧縮力または引張力あるいはせん断力等の応力を伝達させることができる効果が得られる。
また、本発明の小幅厚板は、間伐材を有効に活用することができるので、安価な小幅厚板を間伐材から製作することができる。
また、本発明の耐火・耐震壁の構築方法によると、土台または梁と柱とに設けた溝に、端部が係合するように前部壁面材あるいは後部壁面材を積み重ね配置すると共に、前部壁面材および後部壁面材の各小幅厚板の係合用凹部と係合用突部を係合させて一体化するので、安価な小幅厚板を使用して、柱の間に容易に耐震壁を構築することができる。また、小幅厚板を使用するので、耐火壁とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次に、本発明を図示の実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0007】
図1〜図3には、本発明の第1実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁1が示されている。また図4には、本発明において使用される木製小幅厚板2が示されている。前記のような小幅厚板2が、正面視で直角2等辺三角形、あるいは正面視で左右対称な台形、さらには、正面視で点対称な菱形に切断されて使用される。なお、図示を省略するが、このように切断されて使用する場合には、小幅厚板2に設けられる後記の係合用突部あるいは係合用凹部は、小幅厚板2を積み重ねた場合にその上下方向で連続するように、また位相が合致するように、小幅厚板2の端部が切断されたものが使用される。
本発明においては、木製柱、木製梁、木製板材であるので、以下では単に、主として、柱、梁、板で記載する。また、本発明において使用する小幅厚板2としては、板厚が25〜60mm以上、このましくは、前後の複数の小幅厚板2相互を一体化した壁パネル状の板厚で、その板厚が耐火性を確保するために少なくとも60mmであり、小幅厚板2の幅寸法が100mm〜300mmに加工(製品化)された厚板部材が使用される。
【0008】
先ず、図4を参照しながら、本発明において使用される前部側の小幅厚板2および後部側の小幅厚板3について説明すると、これらの小幅厚板は、予め工場等においてプレカットされた細幅パネル状のものであり、前部側および後部側の各小幅厚板2,3は、その部材長手方向に係合用凹部4と係合用突部5とを交互に連続して設けた木製小幅厚板である。この実施形態では、便宜上、前部側の小幅厚板2と後部側の小幅厚板3と、符号を分けて使用しているが、前部側の小幅厚板2を180°反転配置して、後部側の小幅厚板3と使用しているため、前部側である部分に配置されている小幅厚板2は、同レベルにおいて180°反転配置して、後部側の小幅厚板3として使用されている。したがって、図4(a)および図4(b)に示す部材は、同じ部材である。また、後記の実施形態において使用する図4(c)に示す部材も、前後の小幅厚板で同じ部材が使用され、係合用突部5および係合用凹部4の傾斜方向は、正面視で前面側および後面側で同じ方向の部材が使用される。なお、図示を省略するが、係合用突部5および係合用凹部4の傾斜方向は、図4(d)では、左下方向に下がるように傾斜しているが、右下方向に下がるように傾斜してもよい。
【0009】
前記の木製小幅厚板は、その片面に係合用凹部4または係合用突部5を連続して形成する場合には、前部側壁面材あるいは後部側壁面材を組み立てる部材として配置されて使用される形態により、同じ部材であっても180°反転配置しているため、前記の係合用突部5または係合用凹部4を設ける側が、第1実施形態では前後面(表裏)で異なる。
【0010】
すなわち、室内側に位置する前部側壁面材6(図1、図3参照)を組み立てる部材として使用する場合の前部側の小幅厚板2では、その後面側に、部材長手方向に係合用凹部4と係合用突部5が交互に連続して設けられ、前記の係合用凹部4と係合用突部5は、小幅厚板2の幅一杯に形成される。
また、前部側壁面材6を組み立てる部材として使用する小幅厚板2の前面側は、この形態では、他の部材を設けないため、平坦面とされている。
また、室外側に位置する後部側壁面材7(図1、図3参照)を組み立てる部材として小幅厚板3を使用する場合では、その前面側に、部材長手方向に係合用凹部4と係合用突部5が交互に連続して設けられ、前記の係合用凹部4と係合用突部5は、小幅厚板3の幅一杯に形成される。
また、後部側壁面材7を組み立てる部材として使用する小幅厚板2の後面側(室外側)は、この形態では、他の部材を設けないため、平坦面とされている。
前記の係合用突部5および係合用凹部4は、部材長手方向に交差する45°方向に傾斜した方向に連続するように設けられている。
前記のような、前部側の小幅厚板2と後部側の小幅厚板3は、組み立て時において、便宜上、上部梁8を上方に浮かした状態の図2で説明すると、上部梁8が柱9の胴付き部10に架設されないで状態(好ましくは、上部梁8の縦孔11内に柱9のほぞ12が係合して胴付き部10に載置されないで状態で、上部梁8下面側の溝13の深さ以上に浮かされた状態)において、土台または下部梁14(および上部梁8)と2つの柱9の間の開口部内に、土台または下部梁14に対して45°に傾斜した状態で配置されるため、所定長さにされた小幅厚板2の部材長手方向の両端部は、45°に傾斜した状態で切断され、そして配置される箇所により、例えば、下隅部または上隅部に配置される部材では、正面視で直角2等辺三角形に、中間部下側に配置される部材では正面視で左右対称な台形に、中間部上側に配置される部材では、正面視で点対称な菱形の形態に製作される。
【0011】
前記の係合用突部5および係合用凹部4の断面形態について説明すると、係合用凹部4と係合用突部5との境界壁18と反対側の片側壁15aの下部に係止溝15を部材幅方向(傾斜しているので部材長手方向および部材幅方向)に連続して形成してあり、また、前記の係止溝15に接続するように係止突条15bを部材幅方向(傾斜しているので部材長手方向および部材幅方向)に連続して形成している。
前部側の小幅厚板2の係合用突部5の部材長手方向の長さ寸法は、係合用凹部4の部材長手方向の長さ寸法よりも小さくされて、前部側の小幅厚板2および後部側の小幅厚板3のうちの一方の部材における係合用突部5が、他方の部材における係合用凹部4に挿入配置可能にされて、若干スライドさせて係止可能にされている。
【0012】
前記のような、前部側の小幅厚板2と後部側の小幅厚板3とを使用して、耐火・耐震壁1を構築する場合について図2および図1を参照して説明する。
【0013】
図2に示すように、木製土台または木製下部梁14の上面および木製上部梁8の下面には、その幅方向の中間部に長手方向に連続する溝13が設けられ、また、木製土台または木製下部梁14あるいは木製上部梁8には、その長手方向に間隔をおいて、角形の凹部等の縦孔または貫通孔1が設けられている。
【0014】
上下両端部に断面角形状のほぞ12,12を有する柱9が間隔をおいて立設配置され、各柱の前記下部ほぞ12が土台または下部梁14の貫通孔11に嵌合されると共に、梁14の前後の各角形横孔16と柱9のほぞ12に設けた角形横孔16とに渡って、断面角形の込栓21が圧入固定されて、土台または下部梁14に柱9が立設固定され、土台または下部梁14と間隔をおいた一対の柱9および一対の柱9の上端部の胴付き部から上部梁8を浮かした状態のフレーム構造が構築される。
前記の上部梁8を下位に位置する柱9の胴付き部10から浮かす高さ寸法は、上部梁8下面側に設ける溝13の深さ寸法よりも多くしておく必要がある。
このようにすることにより、前後の壁面材を構成するための小幅厚板を下から順に積み重ねるように配置することができる。
【0015】
前記のように、上部梁8が浮かされた状態で、前部側の小幅厚板2が、図2の右下隅部から順に、正面視で直角2等辺三角形の小幅厚板2が土台または下部梁14および柱9に釘止め24され、その正面視で直角2等辺三角形状の小幅厚板2における右上から左下方向の45°に傾斜している傾斜上面に、正面視左右対称な台形状の小幅厚板2が土台または下部梁14および柱9に釘止め24された状態で順次複数積み重ねられる。
前記のように、前部壁面材6の対角方向の下部側では、各小幅厚板2は柱9と土台または梁14に釘止め24されて積み重ねられるため、これらにより、全体として正面L形のフレーム構造となり、上部梁8にその軸方向の水平力が作用した場合に、小幅厚板2に引張力または圧縮力が作用した場合、土台または梁あるいは柱9に水平力等の力を伝達可能にされている。
【0016】
最上部の左右対称な正面視台形の小幅厚板2の傾斜上面に、ほぼ耐震壁の対角方向中央に位置し、正面視で左右両端部が点対称で菱形の小幅厚板2が積み重ねられ、前記の正面視で菱形の小幅厚板2を境にして、前記下部側の小幅厚板2と対称な正面視で台形の小幅厚板2が順次積み重ねられる。
【0017】
そして、最後に、左上隅部に、正面視で直角2等辺三角形状の小幅厚板2が積み重ねられて、前部壁面材6が構成されている。
【0018】
なお、上部側の小幅厚板2は、柱または梁に固定されないで、柱9または梁8,14あるいは土台14に設けられた溝13に係止されるように配置されている。
前記のように、前部壁面材の対角方向の上部側では、各小幅厚板2は柱9と土台または梁14に釘止め24されないで積み重ねられるため、これらにより、上部梁8にその軸方向の水平力が作用した場合に、小幅厚板2に圧縮力が作用した場合、土台または梁あるいは柱9に伝達可能にされている。
【0019】
前記のように前部壁面材6が構成されているため、各小幅厚板2の後面側では、係合用突部5および係合用凹部4は、上下方向(鉛直方向)に直線状に連続するようになっている。
【0020】
また、前記の前部壁面材6の後面に、前記の各傾斜上面と直交する方向に、左下隅から、直角2等辺三角状の小幅厚板3が配置されると共に、前部側の小幅厚板2における後面側の係合用突部5または係合用凹部4と、後部側の小幅厚板3における係合用凹部4または係合用突部5と係合され、適宜境界壁18間に図11に示すような適宜長さの拡開用楔装置19が圧入されて、柱9または土台または下部梁14に圧着された状態で釘止め24される。
【0021】
なお、木材であるため、釘止め24された後に、楔装置19を圧入することも可能である。なお、前記の土台または下部梁14には、楔装置19の下端部を嵌合配置する溝が設けられている。前記の楔装置19を介して、前後の壁面材間の応力の伝達が可能になっている。
ここで、前記の楔装置19の構造について簡単に説明すると、図11(a)に示すように、部材長手方向の片面に楔装置19は、一対の棒状楔19a,19bによって構成され、角棒状楔体19a,19bの片面が平坦面19cであり、反対面に勾配をもつ多数の傾斜面19dを直列に備えており、直列に隣り合う各傾斜面19dは、境界段差部19eを介して連続し、前記の境界段差部19eは棒状楔体19a,19bの片面の平坦面19cに対して垂直な面またはこれに近い傾斜面とされている。一対の棒状楔19a,19bでは前記の多数の傾斜面19dの長手方向寸法を比較的短くして等しくしてある。そして一対の棒状楔19a,19bの多数の傾斜面19d,19dを密接して重ねて構成され、前記の境界面18間に挿入し、図11(b)に示すように、棒状楔19a,19bを相互移動すると、傾斜面19d,19d同士の摺動によって棒状楔19a,19bが左右方向に変位し、境界面18相互を離反させるように作用し、各小幅厚板2,3の端部を柱9の溝13底部に圧着させる。
なお、楔装置19は、多数の連続する傾斜面19dの長手方向寸法を比較的短く構成してあるから、長いものであっても比較的短い相互移動によって確実な楔作用が得られる。
なお、楔装置19は、適宜の長さに切断して使用することもできる。また、本発明では、前記の楔装置19は、平面矩形状であり、上部梁8に設けられる縦貫通孔11aから挿入可能な寸法に設定される。
なお、図1,2等では、傾斜面19dを省略して縦線1本で表現している。
【0022】
以下前記と同様、左上から右下方向の45°に傾斜している傾斜上面に、左右対称な正面台形状の小幅厚板3が配置されて拡開用楔装置19が圧入された上、柱9または土台または下部梁14に釘止め24された状態で順次複数積み重ねられ、その最上部の傾斜上面に、ほぼ耐震壁の対角方向中央に位置し左右両端部が点対称で正面菱形形状の小幅厚板3が積み重ねられ、柱9または土台または下部梁14に釘止め24される。
前記のように、後部壁面材の対角方向の下部側では、各小幅厚板3は柱9と土台または梁14に釘止め24されて積み重ねられるため、これらにより、全体として正面逆L形のフレーム構造となり、地震時において上部梁8にその軸方向の水平力が作用した場合に、小幅厚板3に引張力または圧縮力が作用した場合、土台または梁あるいは柱9に水平力等の力を伝達可能にされている。
また、前記の正面菱形形状の小幅厚板3を境にして、前記下部側の小幅厚板3と対称な正面台形状の小幅厚板3が、係合用突部5および係合用凹部4が係合された状態で順次積み重ねられる。
【0023】
そして最後に、右上隅部に、正面視で直角2等辺三角形状の小幅厚板3が積み重ねられて、後部壁面材7が構成されている。なお、対角方向を境にして上部側の小幅厚板2は、柱または梁に固定されないで、柱9または梁8,14に設けられた溝13に係止されるように配置され、拡開用楔装置19の圧入により、柱9または土台または梁14に係合した耐火・耐震壁1が構成される。
前記のように、後部壁面材の対角方向の上部側では、各小幅厚板3は柱9と土台または梁14に釘止め24されないで積み重ねられるため、これらにより、上部梁8にその軸方向の水平力が作用した場合に、小幅厚板2に圧縮力が作用した場合、土台または梁あるいは柱9に伝達可能にされている。
すなわち、地震時において、前部壁面材の下部の小幅厚板2に圧縮力(図1において、上部梁8の左から右方向に水平力が作用した場合)が作用している状態では、後部壁面材7の下部の小幅厚板3では引張力に抵抗する構造であり、前部壁面材の上部では圧縮力に抵抗する構造であり、後部壁面材の上部では、圧縮力に抵抗する構造になっている。
【0024】
前記のように組立てた後、図2に示すように、上部梁8が降下配置されて、上部梁8下面側の溝13に、前部壁面材6および後部壁面材7の上端部が嵌合され、また、上部梁8の各角形貫通横孔16に、各柱9の上部角形ほぞ12が嵌合され、上部梁8の前後の角形横孔16と柱9の上部角形ほぞ12に設けた角形横孔16とに渡って、断面角形の込栓21が圧入固定されて、前記各柱9と上部梁8とは固定されている。
【0025】
また、上部梁8には、上部梁8を貫通する縦貫通孔11aからなる太径の錐孔22が設けられている。前記の太径化の錐孔22は、前後の壁面材6,7を左右方向に圧着している拡開用楔装置19の配置位置に対向して設けられていると共に、前記の拡開用楔装置19を挿通配置可能な大きさとされている。
前記のように、前記前後の壁面材6,7を左右方向に圧着している拡開用楔装置19の配置位置に向かって、前後の壁面材6,7の上部に前記太径の錐22から錐により前記太径の錐孔22と同径の孔23が穿設され、その孔に渡って、太径の込栓21aが圧入されて、前後の壁面材6,7と上部梁8とは横方向に一体化され、上部梁8から前後の壁面材6,7にせん断力の伝達が可能にされている。また、前部壁面材6および後部壁面材7および楔装置19による耐火・耐震壁1は、柱9と上部梁8と土台または下部梁14の溝13に係合して、前後方向(壁面に垂直な方向)の移動が拘束される。
【0026】
前記のように、土台または下部梁14と、一対の各柱9と、上部梁8に係合して前後の壁面材6,7が一体化された耐火・耐震壁1が構成されている。
【0027】
前記の場合、下部側に位置する前後の壁面材6,7を構成する小幅厚板2、3は、図10(a)(b)に示すように、ねじ釘等による釘止め24を省略し、拡開用楔装置19のみを使用して、前後の小幅厚板2相互の一体化および前後の壁面材6,7の一体化を図るようにしてもよい。
【0028】
なお、図10に示す形態では、前記のように、前部壁面材および後部壁面材を構成している個々の小幅厚板2,3は、釘止めされていないので、上部梁8にその軸方向の水平力が作用した場合、前部壁面材側の小幅厚板2が引張力を負担しない場合には、後部壁面材3で圧縮力を負担して抵抗するようになり、また、後部壁面材側の小幅厚板3が引張力を負担しない場合には、前部壁面材の小幅厚板2が圧縮力に抵抗する構造になっている。
【0029】
図5には、本発明の第2実施形態の耐火・耐震壁1が示されている。この形態では、図6に示すように、前部の小幅厚板2の後面に、部材長手方向に直角に、係合用突部5および係合用凹部4が交互に部材長手方向に連続して設けられている形態の前後の小幅厚板2,3を組み込むようにして耐火・耐震壁1を構築した形態である。
【0030】
前記の係合用突部5および係合用凹部4が部材長手方向に直角に設けられている以外は、前記実施形態の場合と同様であるので、同様な部分には同様な符号を付して説明を省略する。
【0031】
このような形態では、前後の小幅厚板2,3は、横向き(水平状態で)に配置されると、係合用突部5および係合用凹部4は上下方向(鉛直方向)に一直線上に配置され、また、後部側の各小幅厚板2における前面側の係合用凹部4が、前部側の各小幅厚板2における後面側の係合用突部5に係合され、楔装置19により一体化されて耐火・耐震壁1が構成されている。
【0032】
図8〜図9は本発明の第3実施形態の耐火・耐震壁1を示すものであって、この形態では、図4(c)(d)に、係合用突部5および係合用凹部4を有する小幅厚板2の平面パターンおよび側面パターンを示すように、前部側の小幅厚板2の後面における部材長手方向に係合用突部5および係合用凹部4とを交互に連続して設けている構成は、前記実施形態と同様である。
【0033】
さらにこの形態では、前部側の小幅厚板2の前面に、部材長手方向に渡って係合用凹部4と係合用突部5とを交互に連続して設けた形態で、係合用突部5および係合用凹部4は、部材幅方向に連続して設けられている。
【0034】
前記の前部側の小幅厚板2における前面および後面における係合用突部5および係合用凹部4の傾斜方向は、正面視で同じ方向に傾斜し、部材長手方向に対する傾斜角は45°である。
【0035】
また、後部側の小幅厚板3の前面側における係合用突部5および係合用凹部4は前記の実施形態と同様で、さらに、後部側の小幅厚板3の後面側には、部材長手方向に係合用凹部4と係合用突部5とが交互に設けられている。前記後部側の小幅厚板3の前面および後面の係合用凹部4および係合用突部5の傾斜方向は正面視で同じ方向で、例えば、部材長手方向に対して45°に傾斜されている。
【0036】
前記の前部側の小幅厚板2の後面と、後部側の小幅厚板3の前面とを係合させ、拡開用楔装置19を用いて柱9あるいは土台または下部梁14に圧着する点は、前記実施形態と同様であると共に、下部側に位置する小幅厚板2を、土台または柱9に釘止め24して、前部壁面材6および後部壁面材7を一体化して耐火・耐震壁1を構成する点も同様である。
【0037】
そして、この形態では、多数の前部側の小幅厚板2により構成される前部壁面材6における上下方向に連続した係合用凹部4と係合用突部5に、図6に示すような小幅厚板を前部化粧用小幅厚板2aとして用い、下から順に積み重ねて横方向にスライドさせて、化粧用小幅厚板2a後面の係合用突部5を、前部側の小幅厚板2前面の係合用凹部4に係合させる。
【0038】
次いで、図11に示すような拡開用楔装置19が、前部壁面材6と各前部の化粧用小幅厚板2の境界壁18間に配置されて、一方の棒状楔19a(19b)が押し込められて、化粧用小幅厚板2aと前部壁面材6とが結合一体化される。前記の多数の化粧用小幅厚板2aにより化粧用壁面材が構成されている。なお、適宜柱9または上部梁8あるいは土台または下部梁14における溝13と前部壁面材6および後部壁面材7の端部との隙間に木製ガタ防止用材26が圧入固定される。
【0039】
さらに、図9(b)に示すように、前部化粧用小幅厚板2aの各端部と前部壁面材6と、柱9との間隙には、木製間隙閉塞材25が圧入固定されるか、または接着材により化粧用小幅厚板2aまたは柱9あるいは、前部壁面材6に固定されている。
【0040】
また、多数の後部側の小幅厚板3により構成される後部壁面材7における上下方向に連続した係合用凹部4と係合用突部5には、前記と同様に、図6に示すような外装用小幅厚板2の係合用凹部4および係合用突部5とが、後部壁面材7後面の係合用突部5および係合用凹部4に係合された上、前記と同様に、図11に示すような拡開用楔装置19が境界壁18間に配置されて、楔装置19における一方の棒状楔19a(19b)が押し込められて、外装用小幅厚板2と後部壁面材7とが結合一体化される。前記の多数の外装用小幅厚板2bにより外装壁面材が構成されている。
【0041】
さらに後部の外装用小幅厚板2の各端部と後部壁面材7と、柱9との間隙には、木製間隙閉塞材25が圧入固定されるか、または接着材により外装用小幅厚板または柱9あるいは、後部壁面材7に固定されている。この形態では、化粧用小幅厚板2aによる化粧用壁面材6aおよび外装用小幅厚板2bによる外装用壁面材7bおよび楔装置19により耐火・耐震壁1が構成されている。
なお、前記実施形態では、前部壁面材6および後部壁面材7あるいは化粧用壁面材6aおよび外装用壁面材7aにより鉛直荷重を負担することも可能である。
【0042】
図1に示す第1実施形態および図10に示す形態の概略施工手順は、以下の(1)〜(14)のようになる。
(1)前後の壁面材あるいは仕上げ用あるいは外装用の小幅厚板2,3からなるパネルの端部を係合させるための差込係止溝13を設けた土台または下部梁14あるいは上部梁8あるいは柱9を設置する。
(2)上部梁8は、パネル差込溝13の深さ以上、柱9上端部から浮かした状態で適宜仮保持した状態で配置し、小幅厚板2,3の端部を係止可能にする。
(3)前部側または後部側の壁面材の内の一方の下部(対角線を境界とした下段側)を構成するために、無垢木材または合成パネルからなる小幅厚板2、3を、土台または下部梁14いっぱいになるまで積み重ねる。必要に応じ、土台または下部梁14あるいは柱9に釘止めする。
(4)前部側または後部側の壁面材の内の他方の下部(対角線を境界とした下段側)を構成するために、無垢木材または合成パネルからなる小幅厚板2、3を、土台または下部梁14いっぱいになるまで積み重ねる。必要に応じ、土台または下部梁14あるいは柱9に釘止め24する。
(5)前部および後部の壁面材6,7における境界壁18間に楔装置19を打ち込み、前後の壁面材の下部の一体化を図る。また、土台と下部柱と柱の下端部とのほぞとに渡って、込栓を打ち込んで、一体化する。
(6)前部側または後部側の壁面材の内の一方の上部(対角線を境界とした上段側)を構成するために、無垢木材または合成パネルからなる小幅厚板2(3)を、いっぱいになるまで積み重ねる。
(7)前部側または後部側の壁面材の内の他方の上部(対角線を境界とした上段側)を構成するために、無垢木材または合成パネルからなる小幅厚板3(2)を、いっぱいになるまで積み重ねる。
(8)前後の壁面材における上部(対角線を境界とした上段側)の小幅厚板を柱9に必要に応じ釘止めする。
(9)上部梁8を柱9上端部の胴付き部10に落とし込む。
(10)上部梁8と柱上端部に渡って、込栓21を打ち込み一体化させる。
(11)上部梁8における直列に間隔をおいて設けた大径縦貫通孔11より、前後の壁面材6,7の境界壁18間に、小幅厚板2結合用の楔装置19を挿入して打ち込んで、上部の各前後の壁面材6,7相互の一体化を図ると共に、錐もみ可能にする。
(12)上部梁8の大径縦貫通孔11から、大径縦貫通孔11と同径のキリで、上部梁8下面から下方に6mm程度の深さに渡って、前記楔装置19の上部を削りとるように、各前後の壁面材6,7(各小幅厚板)を浅孔23あける。
(13)上部梁8の大径縦貫通孔11から大径込栓21を前記浅孔23下端まで打ち込んで、上部梁8と一体化されている前後の壁面材6,7の上部を結合一体化する。
なお、図5に示す形態では、前記(3)(4)(6)(7)の工程を一度に行って、小幅厚板2,3を順次下から順に積み上げるようにすればよい。
また、図9に示す形態では、前記の(9)の工程の前に、化粧用小幅厚板2aによる化粧用壁面材6aおよび外装用小幅厚板2bによる外装用壁面材7bを構築するようにし、化粧用小幅厚板2aによる化粧用壁面材6aおよび外装用小幅厚板2bによる外装用壁面材7bの上に上部梁8を載置するようにすればよい。
【0043】
本発明を実施する場合、前部壁面材6と化粧用小幅厚板2との係合一体化および後部壁面材7と外装用小幅厚板2との係合一体化のための、係合用突部および係合用凹部の傾斜方向は、前記実施形態の場合と逆方向に傾斜する係合用突部または係合用凹部4を設けた形態の小幅厚板としてもよい。
【0044】
また、前部側の小幅厚板2の後面に設ける係合用突部または係合用凹部の傾斜方向、および後部側の小幅厚板の前面に設ける係合用突部または係合用凹部に設ける傾斜方向としては、前記実施形態の傾斜方向に直角な反対方向に傾斜する係合用凹部および係合用としてもよい。
【0045】
前記各実施形態を実施する場合、図7に示すように、木製支柱9の外側に、柱外装用小幅厚板2を配置し、後部壁面材7と、柱外装用小幅厚板2との間を、木製間隙閉塞材25により閉塞するようにしてもよい。この場合、図示を省略するが、柱外装用小幅厚板2および木製間隙閉塞材25を柱9に釘止めあるいは接着剤あるいはこれらを併用して適宜固定すればよい。このように、柱9の室外側が柱外装用小幅厚板2および木製間隙閉塞材25により被覆されていると、耐火性能を向上させることができる。
なお、前記の木製間隙閉塞材25としては、小幅厚板と同等の板厚寸法を有する部材とするとよい。
【0046】
なお、本発明において使用される小幅厚板2,3、柱9、上部梁8または土台または下部梁14、楔装置19、込栓21および間隙閉塞材25としては、堅木を用いることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁を示す正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁を組み立てている途中の状態を示す正面図である。
【図3】(a)は図1のA−A線断面図、(b)図1のB−B線断面図である。
【図4】本発明において使用する木製小幅厚板のパターンを示すものであって、(a)(b)は片面に係合用凹部および係合用突部を交互に連続して設けた小幅厚板(パネル)の平面図、(c)は前後の両面に係合用凹部および係合用突部を交互に連続して設けた小幅厚板(パネル)の平面図、(d)は(b)および(c)における正面図である。
【図5】(a)は本発明の第2実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁を示す正面図、(b)は(a)の縦断側面図である。
【図6】第2実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁に用いられる小幅厚板(パネル)のパターンを示すものであって、(a)(b)は平面図、(c)は正面図である。
【図7】柱の室外側に木製耐火被覆を設ける形態を示す横断平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁を示す正面図である。
【図9】(a)は図8のC−C線断面図、(d)は図8のD−D線断面図である。
【図10】(a)は本発明の第4実施形態の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁を示す正面図、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図11】本発明において用いられる楔装置の一形態を示すものであって、(a)は楔装置が縮小している状態を示す側面図、(b)は楔装置が拡大している状態を示す側面図、(c)は(a)の平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 耐震・耐火壁
2 小幅厚板(前面側)
3 小幅厚板(後面側)
4 係合用凹部
5 係合用突部
6 前部側壁面材
7 後部側壁面材
8 上部梁
9 柱
10 胴付き部
11 縦孔または縦貫通孔
11a 縦貫通孔
12 ほぞ
13 上部梁の下面側の溝(または土台または下部梁の上面側の溝)
14 土台または下部梁
15 係止溝
15a 片側壁
15b 係止突条
16 角形横孔
17 前部壁面材
18 境界壁
19 楔装置
19a 棒状楔
19b 棒状楔
19c 平坦面
19d 傾斜面
19e 境界段差部
20 後部壁面材
21 込栓
22 錐孔
23 孔
24 釘止め
25 間隙閉塞材
26 木製ガタ防止用材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木造構造物における土台または下部梁と上部梁と左右の柱との間に、
少なくとも壁厚方向の後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板が垂直面上に並列して積み重ねるように配置されると共に土台または梁と柱に係合されて前部壁面材が設けられ、
少なくとも前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板が垂直面上に並列して積み重ねるように配置されると共に土台または梁と柱に係合されて後部壁面材が設けられ、
さらに、前部壁面材と後部壁面材とは、前部壁面材の後面側の係合用凹部が、後部壁面材の前面側の係合用突部に係合し、前部壁面材の後面側の係合用突部が後部壁面材の前面係合用凹部に係合して、楔装置により前部壁面材と後部壁面材とが一体化されていることを特徴とする木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁。
【請求項2】
前記の前部壁面材を構成する各木製小幅厚板の前面側に、部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とが交互に設けられ、後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に設けた木製化粧用小幅厚板における係合用凹部と係合用突部とが前部壁面材の前面側の係合用突部と係合用凹部に係合されて、一体化されていることを特徴とする請求項1に記載の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁。
【請求項3】
前記の後部壁面材を構成する各木製小幅厚板の後面側に、部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とが交互に設けられ、前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に設けた外装用木製小幅厚板における係合用凹部と係合用突部とが、後部壁面材の後面側の係合用突部と係合用凹部に係合されて、一体化されていることを特徴とする請求項1または2に記載の木製小幅厚板を備えた耐火・耐震壁。
【請求項4】
土台または梁とこれに間隔をおいて立設される柱に設けられた溝に、少なくとも壁厚方向の後面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板をその端部を嵌合するようにして、垂直面上に並列して積み重ねるように配置すると共に土台または梁と柱に係合させて前部壁面材を設け、前記土台または梁とこれに間隔をおいて立設される柱に設けられた溝に、少なくとも壁厚方向の前面側に部材長手方向に係合用凹部と係合用突部とを交互に連続して設けた多数の木製小幅厚板の端部を嵌合すると共に、
前部壁面材を構成する小幅厚板の後面側の係合用凹部に、後部壁面材を構成する小幅厚板の前面側の係合用突部が係合するようにして、前部壁面材の後面側に後部壁面材の前面側を係合させて、前部壁面材と後部壁面材とを一体化し、次いで、柱および一体化された前部壁面材および後部壁面材に支持させるように上部梁を設置することを特徴とする耐火・耐震壁の構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−144338(P2009−144338A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−319728(P2007−319728)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【出願人】(390013192)株式会社高橋信吉建築研究所 (7)
【Fターム(参考)】