説明

木造建築用アンカーパック、及びこれを用いた木造建築構造

【課題】木造建築の基礎工事においてアンカーボルトの配置が容易に、しかも正確に行えるとともに、コンクリートの打設時に狂いが生じたり隙間ができたりしないようにすることができ、ひいては高強度・高耐久の木造建築物を得られるようにすること。
【解決手段】基礎11内に埋設されるアンカーパック21であって、立てた状態で保持される棒状のアンカー材22,91と、該アンカー材22,91上に取付けられる取付け部材26,81と、該取付け部材26,81におけるアンカー材22,91を囲む位置に設けられて取付け部材26,81を支持する複数本の脚部材25,82とを有し、該脚部材25,82と取付け部材26,81との間に、上記アンカー材22,91を鉛直上向きの姿勢に調整する調整手段25,81d,82b,85,86が設けられた木造建築用アンカーパック21。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木造建築の基礎と建築構造に関し、より詳しくは、簡単に施工できる上に強度を向上することができるような木造建築に関する。
【背景技術】
【0002】
木造建築の基礎には、べた基礎や布基礎などの種類があるがいずれの基礎においても土台を固定するためのアンカーボルトや柱材を引き寄せるためのホールダウンアンカーが不可欠である。たとえば上記アンカーボルトは、耐力壁の両端の柱に近接した位置と、土台切れの箇所、土台の継手及び仕口の上木端部と、その他3メートル以内の適宜位置に設置されなければならない。
【0003】
アンカーボルトの設置は、基礎を形成するときの型枠に吊り下げるようにして固定し、コンクリートの打設を行い、所定長さをコンクリートに埋め込んでなされる。
【0004】
このアンカーボルトの設置がうまくできていないと、過去の大震災であったように土台が基礎からずれてしまうことになる。つまり、アンカーボルトの設置は大変重要な作業である。
【0005】
しかし、型枠等に固定する時にアンカーボルトの位置や高さを正確に決めなければならず、またその固定もしっかりとなされなければならない。このため、アンカーボルトの配置作業は時間が掛かる煩雑な作業であった。
【0006】
また、基礎天端は、コンクリートを打設したあとレベラーを用いてミリ単位で正確にレベル出しが行われる。この作業は、複数の人間によって打設後のコンクリートの上面に釘を打って釘の頭の高さを、たとえば「1mm上げ、下げ」というように高さを調整してからレベラーを流し込んで行われる面倒な作業である。
【0007】
木造建築において上記のような問題点を解決するものはなかった。
【0008】
一方、鉄骨建築の基礎では、アンカーボルトと共に基礎コンクリートに埋め込まれるアンカーボルト据付装置などが存在する(たとえば、下記特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)。
【0009】
これらは、アンカーボルトを立設した状態で捨てコンクリート上に固定されるもので、特許文献1に開示されたアンカーボルトの支持金具は、方形状をなす取付基板と、該取付基板の上方に長さ調節可能な支柱を介して設けられたアンカーボルト取付板とを有する支柱本体を備えるものであって、上記アンカーボルト取付板の四隅に、アンカーボルトを立てるように取付けた構成である。すなわち、4本のアンカーボルトを1本の支柱本体で支持するように構成したものである。
【0010】
このような構成の支持金具では、捨てコンクリートが水平で、さらにアンカーボルト取付板が水平でないと、アンカーボルトが鉛直方向に立たない問題点がある。
【0011】
また、アンカーボルト取付板は基礎中に埋設されるので、基礎天端のレベル出しは別途に行わなければならない。
【0012】
特許文献2に開示された据付装置は、上部形板と下部形板とこれらを連結する連結部材とからなる保持具に、アンカーボルトが立てられ、保持具自体は、捨てコンクリート上に固定されたアンカーフレームの上に固定される。このアンカーフレームは、捨てコンクリート上に突設された4本の支持部材と、これら支持部材の上端部に水平に掛け渡される2本の水平支持部材とからなるものである。基礎の施工によってアンカーボルトの上部以外はすべて基礎内に埋設される。
【0013】
この特許文献2の据付装置でも、基礎天端のレベル出しを別途に行わなければならないが、アンカーフレームが上記のように構成されているので、水平支持部材の上面のレベル出しと、アンカーボルトの上下方向での位置調整が可能であるという利点がある。
【0014】
しかし、水平支持部材は、2本で構成されているので、これらの水平を出すのは煩雑で、そのうえ、4箇所において定着板とナットで下部形板を挟持するようにしてアンカーボルトの位置調整を行うので、正確なレベル出しと位置調整は容易ではない。
【0015】
特許文献3に開示されたアンカーフレームも、捨てコンクリート上に固定されるものであって、アンカーボルトが一体化されている。基礎コンクリートは、アンカーフレームの上端を構成する天プレートの高さまで打設されるので、特許文献1や特許文献2の技術に比べて基礎天端のレベル出し作業が簡略化できる利点がある。しかし、上記特許文献2の装置とは異なり、4本のアンカーボルトはそれぞれ自立し、上端の天プレートで連結されている構成であるので、コンクリートの打設時の圧力でアンカーフレームが捩れたりするおそれがあって、アンカーボルトの設置位置、高さ、向き等にずれが生じることがある。
【0016】
また、特許文献2、特許文献3、いずれの装置においても装置下端部と捨てコンクリートの間に隙間が形成されているが、この隙間がコンクリートを密に詰め込むのには中途半端な大きさである。このため、充分に注意をして振動を加えながらコンクリートの打設を行わないと、基礎内に隙間ができてしまうことがある。
【0017】
特許文献4に開示されたアンカーボルト構造体は、4本のアンカーボルトをそれぞれ真っ直ぐに立てて、各アンカーボルトの上端高さも所定高さに保持できるようにしたもので、上軸と下軸とが同軸にねじ結合してなる4本のアンカーボルトと、これらアンカーボルトの上軸間に保持される方形枠状の定着板と、該定着板の上下両側に配置され上記上軸の長さ方向での位置を調整可能とする4組のナットと、各アンカーボルトの下端に形成された錐形部を受ける受け座とを有する構成である。受け座が正確な位置に位置することと、定着板が水平になることで、4本のアンカーボルトが鉛直に立ち、そのうえ、上軸と下軸とを相対回転させることでアンカーボルトの長さを所望とおりに決めることができる。
【0018】
しかし、このアンカーボルト構造体も、上記特許文献3と同様に、4本の館カー材を積極的に支える構成は存在しない。4本のアンカーボルトがそれぞれ自立し、定着板で連結された構成であるので、コンクリートの打設時の圧力で定着板が捩れたりすれば、その影響でアンカーボルトが傾いたりしてずれが生じることになる。
【0019】
【特許文献1】実公昭58−37304号公報
【特許文献2】実公平6−29233号公報
【特許文献3】特公平7−13416号公報
【特許文献4】特開11−336086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
そこで、この発明は、木造建築の基礎工事においてアンカーボルトの配置が容易に、しかも正確に行えるとともに、コンクリートの打設時に狂いが生じたり隙間ができたりしないようにすることができ、ひいては高強度・高耐久の木造建築物を得られるようにすることを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
そのための手段は、基礎内に埋設されるアンカーパックであって、立てた状態で保持される棒状のアンカー材と、該アンカー材上に取付けられる取付け部材と、該取付け部材におけるアンカー材を囲む位置に設けられて取付け部材を支持する複数本の脚部材とを有し、該脚部材と取付け部材との間に、上記アンカー材を鉛直上向きの姿勢に調整する調整手段が設けられた木造建築用アンカーパックである。上記調整手段は、たとえば脚部材の角度を変更する回動構造、または脚部材の取付け部材よりも下側の部分の長さを変更する上下動構造で構成できる。
【0022】
すなわち、基礎の形成に際しては、ベースコンクリートや捨てコンクリート上に墨出しした芯墨に合わせて、アンカー材が所定の位置に位置するように設置してから、調整手段でアンカー材の姿勢が鉛直上向きになるように調整する。
【0023】
アンカーボルには取付け部材が取付けられ、取付け部材はアンカー材を囲む位置にある複数本の脚部材で支持される。また、アンカー材の姿勢は、調整手段を用いて取付け部材を傾けたり、取付け部材の一部を上下動させたりすれば容易に調整できる。
【0024】
そいて、アンカーパックの設置後、所定位置までコンクリートの打設を行ってアンカーパックを埋設すれば基礎が完成する。
【0025】
コンクリートの打設中は複数本の脚部材に支持された取付け部材がアンカー材を支持しているので、強固に支持でき、アンカー材が傾いたりすることを阻止できる。このため、所望の位置、姿勢のアンカー材を有した基礎が形成できる。
【0026】
ここで、上記構成要素については、次のような構成態様を採用することができる。
【0027】
その態様の一つは、上記取付け部材の上面が、形成される基礎の天端と同一高さに位置するものである。
【0028】
この構成によれば、取付け部材の上面が基礎の天端を示すので、天端のレベル出しが自動的に行えることになる。つまり、アンカーパックの設置後、取付け部材の下側位置までコンリートの打設を行ってアンカーパックを埋設し、次いでレベラーの施工を行えば基礎が完成する。
【0029】
態様の他の一つは、上記脚部材がその長さを調節する長さ調節手段を有したものである。
【0030】
この構成によれば、脚部材の長さが調節できるので、アンカー材の姿勢を調整する調整手段が脚部材を回動する回動構造からなる場合に、その調整の幅を拡大し、また調整作業を容易にできる。また、取付け部材を天端のレベル出しに兼用する場合には、そのレベル出しがより精度良く行えるようにすることができる。
【0031】
態様の他の一つは、上記脚部材の下端を支持する支持板が設けられたものである。支持板は、各脚部材で共通のものであるも、各脚部材ごとに別々であるも、さらには脚部材に一体であるもよい。
【0032】
この構成によれば、アンカーパックの設置にあたって支持板をベースコンクリートや捨てコンクリートの上に固定すれば設置作業を容易にすることができる。また、支持板が各脚部材で共通の一体型のものであれば、アンカーパックの一体性を高めることができて、アンカー材のずれを抑制できる。また、この支持板と取付け部材とを平行に設ければ、ベースコンクリートや捨てコンクリートに対して設置するだけでアンカーボルトを真っ直ぐに立てることができる。
【0033】
態様の他の一つは、上記アンカー材の取付け部材よりも下の位置に、基礎内に配置される横筋を保持する横筋保持部が形成されたものである。
【0034】
この構成によれば、アンカーパックを設置した後、アンカー材の横筋保持部に横筋を保持してからコンクリートの打設を行う。アンカー材の横筋保持部に横筋が保持され一体化されているので、アンカー材の引き抜き強度を高めることができ、強度の高い基礎が形成できる。
【0035】
別の手段は、上記木造建築用アンカーパックが埋設された基礎上に軸組が形成された木造建築構造である。なお、この発明で軸組とは、通し柱、管柱、間柱、桁、梁、胴差し、土台、足固め、通し貫、差し鴨居、筋かい、落とし込み板、構造用合板などの部材で構成されるものである。
【0036】
すなわち、木造建築用アンカーパックは、上述のように容易に配置できて基礎の形成が簡易迅速に行えるとともに、強度も得られるので、この基礎の上に形成された軸組は基礎からずれたりすることはなく、しっかりと支えられる。
【0037】
さらに別の手段は、上記木造建築用アンカーパックが埋設された基礎上に軸組が形成されるとともに、上記木造建築用アンカーパックのアンカー材に対して軸組の柱材の下端部が連結された木造建築構造である。
【0038】
すなわち、木造建築用アンカーパックは、上述のように容易に配置できて基礎の形成が簡易迅速に行えるとともに、強度も得られるので、この基礎の上に形成された軸組は基礎からずれたりすることはなく、しっかりと支えられる。しかも、木造建築用アンカーパックのアンカー材に対して軸組の柱材の下端部が連結されているので、柱材を基礎に直結することができる。そのうえ柱材と直結したアンカー材は立ち上がり基礎内に埋設された取付け部材等によって保持され、ずれたり抜けたりすることはなく、基礎のその部分は圧縮にも引張りにも高い強度を有する。このため、従前のように下端部が曲げられたアンカーボルトで支持するよりも高強度・高耐久とすることができる。そして、柱材は上記のような高強度のアンカー材に直結されているので、柱材が土台からほぞ抜けを起すようなことを防止して、地震にも強い木造建築物を得ることができる。
【発明の効果】
【0039】
以上のように、この発明によれば、アンカー材の正確な配置が容易な木造建築用アンカーパックが得られる。しかも、アンカー材は取付け部材と脚部材とによって支持されるので、コンクリートの打設によって位置ずれを起したりすることはなく、精度も強度も高い基礎が得られる。また工事の簡単化や工期短縮を図ることもできる。
【0040】
そして、このような高強度の基礎が得られるため、軸組も安定して支持でき、地震にも強い高強度・高耐久の木造建築が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
この発明を実施するための一形態を、以下図面を用いて説明する。
図1は、木造建築の基礎と柱脚部分の構造を示す断面図であり、この図に示したように基礎11には、アンカーパック21が埋設され、このアンカーパック21に保持されるアンカーボルト22に軸組51の柱材52が直結されている。
【0042】
直結される柱材52は、通し柱52aであるのが好ましい(図2参照)。また、通し柱52aではなくとも通し柱のようにその上端部に横架材53の端部が結合され荷重を支持するのに重要な柱材52bであるもよい。
【0043】
すなわち、図2に例示した軸組51における上記のように直結される柱材52を建て込む位置に、上記アンカーパック21が設けられる。
【0044】
アンカーパック21は、図3にも示したように基礎11のベースコンクリート12上に接地され、立ち上がり基礎13内に埋設されるものである。図示例ではべた基礎を示したが、その他の形態の基礎であるもよい。
【0045】
図4はアンカーパック21の構造を示す分解斜視図であり、フレーム体23と1本の上記アンカーボルト22を有する。
【0046】
フレーム体23は、ベースコンクリート12の上面に接地する下プレート24と、該下プレート24から立設された4本の支柱25…と、これら支柱25…の上端部に対して下プレート24と平行に固定され、かつその上面が後で形成される立ち上がり基礎13の天端と同一高さに位置する上プレート26とからなる。
【0047】
下プレート24は方形板状で、中心部を除く内側に厚さ方向に貫通する2つの窓部27を有する。四隅部分には、ボルト28を螺合可能な螺子部を有した筒状の螺合部29が設けられ、ボルト28の螺合によってベースコンクリー12上での水平を出せるようにしている。
【0048】
また、下プレート24の各辺の中間に位置には目印としての切欠30が設けられ、下プレート24の中心位置をベースコンクリート12上で所定位置に接地しやすくしている。
【0049】
下プレート24の上面における中心位置には、図5に示したように、アンカーボルト22の下端を受けて保持する保持凹部31が形成されている。保持凹部31は筒状に形成されるとともに、その内周面にアンカーボルト22の下端部に形成された雄ねじ22aを螺合する雌ねじ31aが形成されている。
【0050】
また、下プレート24における適宜部位には、貫通孔32が設けられ、ベースコンクリート12に対して固定するための釘等の固定用部材33が取付け可能である。
【0051】
さらに、上面には、上記支柱25を取付けるための取付け部34が立設されており、支柱25の下端部が着脱可能に固定できる。図中35は、固定のためのねじである。支柱25が着脱可能、すなわちアンカーパック21が分解可能であるので、現場で組み立てるようにすれば現場搬入に際してのコストを抑えることができるとともに、搬送途中での破損を阻止できる。また、構成部材の単純化を図ることもできる。
【0052】
上記支柱25は、アングル材からなり、形成された立ち上がり基礎13の高さに対応する所定長さに形成され、上下両端部には、上記固定のためのねじ35を螺合するための雌ねじ36が形成されている。アングル材のほか、断面円形や角形等の中実あるいは中空の棒状体を使用することもできる。
【0053】
上記上プレート26は、下プレート24と略同一の形態に形成されている。しかし、上記螺合部29、貫通孔32、保持凹部31を有さず、上記保持凹部31と対向する位置に、アンカーボルト保持用の挿通孔37が形成されている。
【0054】
上記アンカーボルト22は、その下端部に、抜け止めに資する第1の上記雄ねじ22aを有するとともに、上記挿通孔37に対応する部分から上側に、抜け止めおよび柱材固定に資する第2の雄ねじ22bを有する。該第2の雄ねじ22bには、2個のナット38,39を保持し、アンカーボルト22のフレーム体23に対する固定時にこれらのナット38,39で上プレート26の挿通孔37周辺を上下にはさみ込んで、強固に一体化する。
【0055】
なお、上記フレーム体23は、金属で形成されるとよいが、この場合にはメッキを施したものであるとよく、また合成樹脂で形成されるもよい。
【0056】
また、フレーム体23にはフレーム体23の高さを調整または変更するアジャスタ構造を設けることもできる。
【0057】
図6は下プレート24と支柱25との間や、支柱25と上プレート26との間に設けられ得る微調整用のアジャスタ構造を示し、プレート24,26の取付け部34には長孔40が設けられている。
【0058】
図7は支柱25に設けられた高さ変更用のアジャスタ構造を示し、支柱25は上下に二分割され、一方の支柱担体25aに長孔41が形成されている。他方の支柱担体25bに保持したねじ部材42で、支柱担体25a,25b同士の重なり合う長さを固定することで長さ変更ができる。
【0059】
このように構成されたアンカーパック21は、フレーム体23にアンカーボルト22を上から差し込んで固定した後、次のように使用される。
すなわち、ベースコンクリート12の形成後に、立ち上がり基礎13を形成する部位のうちの所定箇所に設置される。設置は、ベースコンクリート12上に墨出し形成された芯墨に合わせて接地するとともに、下プレート24及び上プレート26が所定高さで水平になるように下プレート24の螺合部29に対するボルト28の螺合で調整し、その後、貫通孔32から固定用部材33をベースコンクリート12に対して打ち込んで固定を行うことで完了する。ベースコンリート12にホールインアンカーなどを固定して、このホールインアンカーに対してボルト28を螺合して固定することもできる。
【0060】
続いて、適宜配筋を行い、型枠を組んで、コンクリートの打設を行って立ち上がり基礎13を形成する。立ち上がり基礎13の天端13aは、レベラーを流し込んで精密に行うが、このときには、アンカーパック21の上プレート26の上面が天端13aのレベルを示すので、レベラーの流し込みは上プレート26の上面まで行えばよい。つまり、天端13a形成のためのレベル出しはアンカーパック21の設置時に自動的に行え、別途にレベル出しのための作業を行う必要がないので、施工が簡単である。このため、基礎工事の簡単化や後期の短縮化を実現できる。
【0061】
このようにして立ち上がり基礎13を形成した後は、アンカーボルト22に螺合したナットのうち、上プレート26の上側に位置するナット39を外して、軸組51の形成を行う。
【0062】
軸組51の形成に際して、上記アンカーパック21に保持されたアンカーボルト22に対する柱材52の建て込みに好適な柱脚金物61についてつぎに説明する。
【0063】
この柱脚金物61は、図8に示したようにアンカーパック21のアンカーボルト22に対して軸組51の柱材52を同一軸線上に連結するためのもので、1個の部材からなる。
【0064】
すなわち、図9に示したように、柱材52に対してその下端から挿入され固定される筒状の挿入部62と、該挿入部62の下端外周に形成され、柱材52の下端面を受ける鍔状の受け部63と、上記挿入部62の内周に形成され、アンカーボルト22の挿入を受け入れるバカ孔64aが形成された環状板部64とを有する。
【0065】
上記挿入部62には、柱材52に対して下から固定したのちボルトやドリフトピンを差し込むための貫通孔62aを有し、上端62bは開口している。
【0066】
上記受け部63と環状板部64は一体であり、平面視円形をなす。つまり、挿入部62の内径よりも小径の上記バカ孔64aを有した円形の板材を筒状の挿入部62の下端に固定して形成される。
【0067】
受け部63の外周縁部には、等間隔に4個の目印用の切欠63aが形成され、相対向する2個の切欠63aは上記貫通孔62aの向きと同一に設定される。
【0068】
この柱脚金物61には、位置調整用ナット65と固定用ナット66、それにこれらに重なる座金67,68が備えられる。位置調整用ナット65は、アンカーボルト22に螺合して柱脚金物61のアンカーボルト22上での上下(垂直)方向での位置を決めるためのもので、その上面側に上記座金67を備えている。この座金67は、アンカーボルト22が通る大きさの貫通孔を有する板状で、図10に示したように座金67が柱脚金物61の環状板部64の下面を受ける。
【0069】
また、固定用ナット66は、上記位置調整用ナット65と座金67で支持された柱脚金物61の環状板部64を締め付けるためのものである。この固定用ナット66の下に重ねられる座金68は、環状板部64に対して上から嵌合すべく挿入部62に収まる大きさの大径部68aと、該大径部68aの下に形成されバカ孔64aに収まる大きさの小径部68bからなる板状で、位置修正用の長孔68cが形成されている。上記小径部68bの厚さは、環状板部64の厚さよりも薄く設定される。
【0070】
すなわち、アンカーボルト22に柱材52を建て込む作業に先立って、位置調整用ナット65をアンカーボルト22に螺合し座金67をセットした上で柱脚金物61を乗せて、柱脚金物61の受け部63の上面が所定の高さに位置するように位置調整用ナット65を回転して調整する(図10の一点鎖線参照)。続いて、アンカーボルト22に対して上から座金68を通し固定用ナット66を螺合する。そして、図11に示したように切欠63aを利用して柱脚金物61の水平方向での位置を調整して固定用ナット66で締め付けを行う。
【0071】
つまり、立ち上がり基礎13の形成に先立ってレベル出しを行ったのと同様に、柱材52の建て込みに先立って柱材52の下端面のレベル出しと水平方向の位置調整と向きの調整が行える。換言すれば、基礎工事から建て方を通して少なくとも2回のレベル出しが容易に行え、特に上記柱脚金物61を用いたので、柱材52の建て込みに先立っての柱材52の位置調整が正確に、しかも容易に行える。
【0072】
柱脚金物61を固定すると、図12に示したような状態になるので、図8に示したように適宜の基礎パッキン69等を取付けてから柱材52を建て込む。続いて、土台54を固定するなど必要な作業を行う。図中70は、従来通りの取付けを行ったアンカーボルトである。
【0073】
なお、上記基礎パッキン69に代えて、土台54の固定後に適宜の充填材を充填してアンカーボルト等を隠蔽することもできる。
【0074】
アンカーパック21は、上述のとおりの構成であり、ベースコンクリート12上に墨出しした芯隅に切欠を合わせてアンカーパック21を配置するだけで、アンカーボルト22を所定の位置に配置できる。しかも、上プレート26は下プレート24と平行であるとともにその上面が立ち上がり基礎13の天端13aと同一高さに位置するので、下プレート24が水平になるように微調整しながら接地して固定すれば自動的に立ち上がり基礎13の天端13aのレベル出しが行えることになる。
【0075】
また、コンクリートの打設中、下プレート24と支柱25と上プレート26が、一つの枠体となって、アンカーボルト22を保持しているので、アンカーパック21が捩れたりして変形することはなく、配置時の状態でアンカーボルト22の設置ができる。そのうえ、下プレート24は基本的にベースコンクリート12上に接地するので、コンクリートを詰め込めない中途半端な隙間ができにくく、密実な立ち上がり基礎13を形成できる。
【0076】
しかも、アンカーボルト22の保持は、その下端部と上部との2ヶ所で行うとともに、ねじ固定されるので、水平方向で位置ずれしないうえに、引き抜きに対して強度が得られる。また、アンカーボルト22の下端は下プレート24で受けられ、上からの荷重も強力に支持できる。
【0077】
つまり、アンカーパック21は立ち上がり基礎13内でコンクリートと協働して、圧縮には勿論のこと引張りにも強い立ち上がり基礎を形成する。
【0078】
このようなアンカーパック21を埋設して構成された基礎11は、強度の高いものとなり、そのアンカーボルト22を用いて軸組51が構成される木造建築は、基礎11上の構造物(床組や軸組)が基礎11からずれたりすることはなく、しっかりと支えられる。
【0079】
しかも、柱材52は、上記のような柱脚金物61を用いて、アンカーボルト22と同一軸線上に連結されるので、柱材52を基礎11に直結することができて、ホールダウン金物を別途に設けずとも、柱材が土台からほぞ抜けを起すようなことを防止できる地震にも強い高強度・高耐久の木造建築物となる。
【0080】
さらに、柱材52を建て込むために上記のような柱脚金物61を用いれば、基礎工事で精度の高いレベル出しを行った上に、建て方でも正確なレベル出しと位置決めが容易に行えるので、柱材52の建て込み高さや位置を正確にすることができる。このため、歪のない精度の高い木造建築を得ることができ、強度や耐久性の向上に大きく貢献する。
【0081】
また、アンカーパック21は、フレーム体23にアンカーボルト22を差し込んで固定するという簡単な作業で使用することができる。そして、その構造は部品点数も少なく簡素であって、鉄骨建築用の基礎に比して幅も高さも小さい木造建築用の基礎に最適な、コンパクトで取り扱い容易なアンカーパック21である。
【0082】
その他の形態について図13から図29を用いて説明する。説明に当たって、上記構成と同一または同等の部位については同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0083】
図13は、2本のアンカーボルト22,22を保持したアンカーパック21の斜視図である。下プレート24と上プレート26は、2本のアンカーボルト22を保持するのに必要な長さの長方形板状に形成され、中央部に窓部27を有する。そして、長さ方向の両端部にアンカーボルト22,22を上記構成の場合と同様に保持している。
【0084】
このような構成のアンカーパック21でも、上記のように立ち上がり基礎13内に埋設すると図14に示したような状態になる。このアンカーパック21のアンカーボルト22に対しては、既存の柱脚金物71を使用して柱材52の建て込みと土台54の固定を行う。すなわち、柱脚金物71は正面視逆T字型に形成され、基礎11の上に乗せられる支持板部72の上面に柱材52の下端部に差し込まれる差込片73が立設されている。支持板部72にはアンカーボルト22を挿通するための挿通孔72aと、土台54を固定するためのボルト74を挿通するための挿通孔72bとが形成され、差込片73には、柱材52を固定するボルトを挿通するための挿通孔73aが形成されている。
【0085】
柱材52と土台54は、図15に示したように柱材52の下端面を柱脚金物71の支持板部72に接地させて固定するも、図16に示したように柱材52の下端面を土台54に接地させて固定するも、いずれでもよい。
【0086】
図17は、基礎11のL字型のコーナ部分に埋設するのに適したアンカーパック21の埋設状態の上部と、これに固定される柱脚金物71と、柱材52と、土台54を示した斜視図である。
【0087】
図18は、基礎11の十文字型の部分に埋設するのに適したアンカーパック21の埋設状態の上部と、これに固定される柱脚金物71を示した斜視図である。
【0088】
図19は、基礎11のT字型の部分に埋設するのに適したアンカーパック21の埋設状態の上部とこれに固定される柱脚金物71を示した斜視図である。
【0089】
図20は、基礎11のT字型の部分に埋設するのに適したアンカーパック21の埋設状態の上部とこれに固定される柱脚金物71を示した斜視図であり、図19で示した柱脚金物71とは異なって、柱材52のほかに土台54も積極的に一体化できるようにした柱脚金物を示している。なお、図中、支持板部72の下面に設けた支持板部72と同形の板状の部分は、ゴム等からなる緩衝または免震用の介装材75である。
【0090】
これらの各図に示したように、アンカーパック21は埋設される部分の形態や所望の作用・機能に応じて適宜の構成に形成され得る。
【0091】
図21と図22は、軽量コンパクトに形成されたアンカーパック21の例である。これは、前述の上プレート26からレベル出しの機能を分離して、アンカーボルト22の姿勢を真っ直ぐにする機能のみを有するように構成されている。
【0092】
すなわち、図21のアンカーパック21は、アンカーボルト22と、アンカーボルト22に取付けられる取付け部材81と、該取付け部材81におけるアンカーボルト22を囲む位置に設けられて取付け部材81を支持する3本の脚部材82…と、これら3本の脚部材82…の下端を支持する支持部材83とで構成され、別体のレベル出し部材84が備えられている。
【0093】
上記アンカーボルト22には、その長さ方向の全体にわたって雄ねじ22cが形成されている。
【0094】
上記取付け部材81は、板状をなす凹多角形状に形成され、アンカーボルト22を挿通する挿通孔81aを有した中心部81bから、相互間に適宜角度を有した状態で三方向に延びる枝部81c…が設けられた形状である。上記挿通孔81aの上下両側位置には、一組のナット38,39が配置され、アンカーボルト22上での位置を固定可能にしている。
【0095】
そして、各枝部81c…の遊端部には、脚部材82を取付けるための貫通孔81dと、目印としての切欠30が形成されている。
【0096】
上記脚部材82は、棒状で、上端側に、上記貫通孔81dに挿通可能な所定長さの雄ねじ部82aが形成されている。雄ねじ部82aにおける貫通孔81dの上下両側に対応する位置は、一組のナット85,86が保持され、取付け部材81の3箇所の遊端部がそれぞれ雄ねじ部82a上を上下動できるように構成されている。この雄ねじ部82aと貫通孔81dとナット85,86が、アンカーボルト22を鉛直上向きの姿勢に調整する調整手段である。
【0097】
また、脚部材82の下端部は、小径部82bを介して球面を有する嵌合部82cが形成されている。この嵌合部82cは、支持部材83に嵌合する部位である。
【0098】
支持部材83は、平面視で上記取付け部材81と同一の形状を有し、中心部83aには、アンカーボルト22の下端部を保持する筒状の保持凹部83bが形成されている。保持凹部83bには雌ねじ(図示せず)が形成される。また、各枝部83cの遊端部には、脚部材82の嵌合部82cを嵌合して脚部材82を角度変更可能に支持する被嵌合部83dが形成されている。
【0099】
上記レベル出し部材84は、たとえば周知の座金付きナットなどで構成される。すなわち、アンカーボルト22に螺合可能なナット部84aの上面に鍔状の張り出し部84bを有する。この張り出し部84bの上面が基礎の天端と同一の高さになるようにアンカーボルト22上で位置調整される。
【0100】
図22は、図21の構造のアンカーパック21を、2本のアンカーボルト22,22を保持するように構成した例を示す。取付け部材81と支持部材83の形状が異なる以外は図21の構造と同様であるので、詳しい説明を省略する。
【0101】
このように構成されたアンカーパック21は、前述したようにベースコンクリート12上に固定されてから、取付け部材81における各枝部81cの遊端部の高さを調整して、取付け部材81の中心部81bの水平を出してアンカーボルト22を真っ直ぐに立てた後、中心部81bの上下に配置したナット38,39で取付け部材81のアンカーボルト22上での位置を固定する。そして、レベル出し部材84をアンカーボルト22に取付けて、立ち上がり基礎13の天端13a位置を明示してからコンクリートの打設を行って基礎を形成する。
【0102】
図23、図24、図25、図26は、前述のような箱形や枠状ではなく、三脚状に構成されたアンカーパック21の例を示している。
【0103】
図23のアンカーパック21は、取付け部材81がレベル出し機能を有するものであり、アンカーボルト22上に取付けられる取付け部材81に3本の脚部材82…が回動自在に枢着されている。
【0104】
取付け部材81は、略円板状で、中心位置にアンカーボルトを通す筒状の挿通部81eが形成されている。そして、この挿通部81eの外周には、三方向に向かってリブ81fが形成され、これらのリブ81fに脚部材82の上端部82dが枢着される。
【0105】
上記脚部材82は、3本とも同一構造であるが、これらのうちの一本を他の2本の脚部材よりも短く設定して、一定幅の立ち上がり基礎13内に収まるようにしている。
【0106】
各脚部材82は、上側部分82eと下側部分82fとに2分割形成されており、これらは雄ねじ部82gと雌ねじ部82hとの相互の螺合で長さ変更可能に一体化されている。
【0107】
上記枢着部分である上端部82dがアンカーボルト22を鉛直上向きの姿勢にする調整手段である。また上記脚部材82の上側部分82eと下側部分82fの間のねじ部分82g,82hが脚部材82の長さを調節する長さ調節手段であるとともに、上記調整手段としての役割も果たす。
【0108】
各脚部材82の下端部は、略球形状の嵌合部82cを有し、それぞれ支持部材83で支持される。アンカーボルト22の下端部も支持部材83で支持される。
【0109】
各支持部材83は、下端に鍔部を有する円筒状に形成される。そして、脚部材82を支持する支持板83は、上記嵌合部82cを嵌合して角度調節可能に支持する嵌合凹部83dが形成され、アンカーボルト22を支持する支持部材83は、アンカーボルト22の下端を螺合する保持凹部83bが形成されている。
【0110】
このような構成のアンカーパック21では、アンカーボルト22の下端を支持する支持部材83の位置を所定位置に接地した後、脚部材82…の下端の支持部材83の位置を調整するとともに、各脚部材83…の長さを調整して、アンカーボルト22の垂直な姿勢を得る。そして、各脚部材82…を固定し、コンクリートの打設を行う。このように、脚部材82…を3本有する三脚構造であるので、アンカーボルト22を垂直に立てる作業が容易で、調整の範囲も広がる利点を有する。
【0111】
図24のアンカーパック21は、上記図23に示したアンカーパック21の取付け部材81からレベル出しの機能を分離した構造のアンカーパック21を示し、脚部材82が図23の脚部材82に比して短く形成されている。図中、脚部材82の長さを調節する長さ調節手段を省略したが、長さ調節手段を有するものであるもよい。
【0112】
図25のアンカーパック21は、図23のアンカーパック21のアンカーボルト22に代えて、別のアンカー材91を備えた例を示している。すなわち、アンカー材91の取付け部材81よりも下の位置に、立ち上がり基礎13内に配置される横筋13cを保持する複数の横筋保持部92…が形成されている。
【0113】
すなわち、アンカー材91は、上端部と下端部とにねじ部93,94を有し、上端部のねじ部93の下側部分に固定部材81が一体化されている。そして、この固定部材81との下端部のねじ部94との間は撚ったワイヤロープで構成される。ワイヤロープでの構成に当たり、横筋が配置される部分に対応する部位にループ部95を形成し、このループ部95内に横筋の挿入を確保し位置規制する略円板状の保持金具96を保持している。
【0114】
このような構成のアンカーパック21では、立ち上がり基礎13内でアンカー材91と横筋13cを一体化できるので、引き抜き強度の高い基礎が得られる。
図26のアンカーパック21は、図25のアンカーパック21のアンカー材91における上端部のねじ部93をワイヤロープで構成した例を示している。すなわち、アンカー材91は、下端部のねじ部94を除いて全てワイヤロープで形成され、取付け部材81より下には図25のアンカー材と同様に横筋保持部92が形成されるとともに、取付け部材81より上にも、同様形状の複数のループ部97…が形成されて、柱材52との連結に備えられている。ループ部97の内側には、中心に貫通孔を有した補助金具98が保持される。上記ループ部97…を有する部位が柱材52との連結を行う連結部91aであり、この連結部91aと取付け部材81との間が、直線状のワイヤロープからなる中間部91bである。
【0115】
図26のように構成されたアンカーパック21は、図27、図28に示したように使用される。すなわち、図27に示したように、アンカーパック21のアンカー材91における連結部91aを柱材52の下端から挿入し、各ループ部97の補助金具98の中心にボルト55等を通して、柱材52の固定を行う。上記中間部91b等がワイヤロープからなるので可撓性を有し変形可能であって、多少の位置ずれは吸収でき、施工が容易になる。
【0116】
図28は、上記アンカー材91をホールダウンアンカーとして使用する場合の例であり、土台54を通して上方へ突出する連結部91aを柱材52の側面に沿わせてボルト55で固定する。なお、このような使用をする場合には、ループ部97の補助金具98の貫通孔は、柱材52に側に位置するように中心からずらしておく。
【0117】
また、連結部91aを図25に示したようにねじ部93で構成するとともに、中間部91bを先の例の場合よりも長く形成すると、図29に示した如く既存のホールダウン金物99を用いてのホールダウンアンカーとして使用できる。
【0118】
この発明の構成と上記一形態の構成との対応において、
この発明のアンカー材は、上記一形態におけるアンカーボルト22とアンカー材91に対応し、
同様に、取付け部材は、上プレート26と取付け部材81に対応し、
脚部材は、支柱25と脚部材82に対応し、
調整手段は、支柱25と、貫通孔81d、雄ねじ部82a及びナット85,86、雄ねじ部82g及び雌ねじ部82hに対応し、
長さ調節手段は、長孔41及びねじ部材42、雄ねじ部82g及び雌ねじ部82hに対応し、
支持板は、下プレート24、支持部材83に対応するも、
この発明は上記構成のみに限定されることはなく、その他の様々な形態を採用し得る。
【0119】
たとえば、アンカーパック21のフレーム体23は分解・組み立て可能ではなく、一体に形成されるものであるもよい。
また、下プレート24と上プレート26の各辺に設ける切欠30は、上述の例では各プレート24,26の中心を示す位置に形成されたものを示したが、アンカーボルト22の位置を示す部位に形成されるものであるもよい。
【0120】
さらに、基礎に設置されるすべてのアンカーボルトをアンカーパック21に保持したアンカーボルト22で構成することもできる。
【0121】
また、支持部材83は脚部材82に一体に形成されるもよく、横筋保持部92は別部材を固定して形成することもできる。さらに、アンカーパック21の設置は捨てコンクリート上に行われるもよい。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】木造建築の下部構造を示す断面図。
【図2】木造建築の基礎と基礎上の軸組を示す斜視図。
【図3】アンカーパックの設置状態を示す断面図。
【図4】アンカーパックの分解斜視図。
【図5】アンカーパックの正面図。
【図6】アンカーパックの他の例を示す部分斜視図。
【図7】アンカーパックの他の例を示す部分断面図。
【図8】柱脚部分の断面図。
【図9】柱脚部分の分解斜視図。
【図10】柱脚金物とその使用状態を示す断面図。
【図11】柱脚金物の横断面図。
【図12】柱脚金物の固定状態を示す断面図。
【図13】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図14】図13に示したアンカーパックの使用状態を示す分解斜視図。
【図15】柱脚部の断面図。
【図16】柱脚部の断面図。
【図17】他の例に係るアンカーパックを用いた柱脚部の斜視図。
【図18】他の例に係るアンカーパックを用いた柱脚部の斜視図。
【図19】他の例に係るアンカーパックを用いた柱脚部の斜視図。
【図20】他の例に係るアンカーパックを用いた柱脚部の斜視図。
【図21】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図22】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図23】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図24】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図25】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図26】他の例に係るアンカーパックの斜視図。
【図27】図26に示したアンカーパックの使用例を示す断面図。
【図28】図26に示したアンカーパックの使用例を示す断面図。
【図29】他の例に係るアンカーパックの使用例を示す斜視図。
【符号の説明】
【0123】
11…基礎
13a…天端
13c…横筋
21…アンカーパック
22…アンカーボルト
24…下プレート
25…支柱
26…上プレート
51…軸組
52…柱材
81…取付け部材
81d…貫通孔
82…脚部材
82a…雄ねじ部
82g…雄ねじ部
82h…雌ねじ部
83…支持部材
85,86…ナット
91…アンカー材
92…横筋保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎内に埋設されるアンカーパックであって、
立てた状態で保持される棒状のアンカー材と、
該アンカー材上に取付けられる取付け部材と、
該取付け部材におけるアンカー材を囲む位置に設けられて取付け部材を支持する複数本の脚部材とを有し、
該脚部材と取付け部材との間に、上記アンカー材を鉛直上向きの姿勢に調整する調整手段が設けられた
木造建築用アンカーパック。
【請求項2】
前記取付け部材の上面が、形成される基礎の天端と同一高さに位置するものである
請求項1に記載の木造建築用アンカーパック。
【請求項3】
前記脚部材がその長さを調節する長さ調節手段を有した
請求項1または請求項2に記載の木造建築用アンカーパック。
【請求項4】
前記脚部材の下端を支持する支持板が設けられた
請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載の木造建築用アンカーパック。
【請求項5】
前記アンカー材の取付け部材よりも下の位置に、基礎内に配置される横筋を保持する横筋保持部が形成された
請求項1から請求項4のうちのいずれか一項に記載の木造建築用アンカーパック。
【請求項6】
前記請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の木造建築用アンカーパックが埋設された基礎上に、軸組が形成された
木造建築構造。
【請求項7】
前記請求項1から請求項5のうちのいずれか一項に記載の木造建築用アンカーパックが埋設された基礎上に、軸組が形成されるとともに、
上記木造建築用アンカーパックのアンカー材に対して軸組の柱材の下端部が連結された
木造建築構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2007−126956(P2007−126956A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−8527(P2006−8527)
【出願日】平成18年1月17日(2006.1.17)
【出願人】(591000757)株式会社アクト (20)
【Fターム(参考)】