説明

本人認証情報記録媒体、本人確認用セキュリティーカード、および本人確認用セキュリティーカード記録再生方法

【課題】唯一のホログラムテープを付与した本人認証情報記録媒体を提供する。
【解決手段】バーコードの形式で乱数を直線状に表現した細長い平面画像310を作成し、これに基づいてバーコードの形式の乱数のホログラム原画42を作成する。ホログラム原画42をドラム100の表面に巻き付け、干渉縞に対応する微小凹凸をドラム100の表面に形成したドラム状ホログラム原板10Dを作成する。長尺の素材シート20Sの表面においてドラム状ホログラム原板10Dを回転させることにより、ドラム状ホログラム原板10Dの表面の微小凹凸ホログラム原画110を素材シート20Sに繰り返して転写し、裁断して微小凹凸ホログラム原画110が転写されたホログラムテープTを構成する。このホログラムテープT、本人認証情報pを付与し、本人認証情報pおよび本人に属する個人情報の両者を暗号化して内蔵するICに記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、本人認証情報記録媒体、本人確認用セキュリティーカード、および本人確認用セキュリティーカード記録再生方法に関し、特に、本人認証情報および本人の個人情報を電子的に記憶するICを有し、本人認証情報を表面に有すると共にホログラムテープを表面に付与してこれを情報記録媒体の固有符号情報とする本人認証情報記録媒体、本人確認用セキュリティーカード、および本人確認用セキュリティーカード記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図14に基づいて従来例を説明する。図14は役所内に設置されている各種装置を示している。
【0003】
図14において、10はコンピュータより成る登録端末を示す。11は登録端末10に接続するキーボードである。12はディジタルカメラを示し、13はスキャナーを示す。Peは本人を示し、pは本人Peの本人認証情報(この例では、顔写真イメージ)を示す。20はコンピュータより成る発行端末を示す。21はカード発行機を示す。Cは発行端末20およびカード発行機21により発行されたIDカード、パスポートその他の本人認証情報記録媒体である。以下、本人認証情報記録媒体はIDカードであるものとして説明する。90はサーバー、91はケーブル、92はルーターを示す。登録端末10は、ケーブル91およびルーター92を含むLAN設備を介してサーバー90に接続すると共に発行端末20に接続している。
【0004】
ここで、先ず、本人認証情報である本人の顔写真イメージpおよび本人に属する個人情報を登録端末10に登録する。必要な本人の顔写真イメージpは、写真ph0を用い、スキャナー13を介して登録端末10に読み込まれるか、或いはディジタルカメラ12で登録端末10に直接に取り込まれる。ID番号、住所、氏名、性別、生年月日、本籍、職業の如き個人情報は、顔写真イメージpとは別に、登録端末10に接続するキーボード11を介して手動によりサーバー90に登録する。以上の通り、本人認証情報である本人の顔写真イメージpおよび本人に属する個人情報は、すべて、メモリデータとしてデータベース化される。メモリデータは、全て、暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して記憶されている。
【0005】
ここで、IDカードCを発行する場合、発行端末20は、発行しようとしているIDカードCの対象情報をサーバー90のデータベースから読み出して、LAN設備を介して入力する。発行端末20に入力されたIDカードCの対象情報は、カード発行機21に送り込まれ、ここにおいてIDカードCに内蔵される記憶媒体である磁性媒体或いはICに書き込まれる。この書き込みは、暗号エンコード化アルゴリズムにより実施される。IDカードCには、IDカードCの対象情報が全て書き込まれると共に、カード両面に本人認証情報である本人の顔写真イメージ、および本人に属するメモリデータの内の基本データのみが印刷される。基本データとしては、一例として、メモリデータの内の、住所、氏名、性別、生年月日、本籍、職業が選択される。この場合、ID番号は、IDカードCの表面の規定される位置に形成される磁気ストライプに記録される。なお、IDカードCのメモリデータは、暗号化して記憶されているので、IDカードCが第三者に拾われてもメモリ内容が読まれる恐れはない。
【0006】
ところで、IDカードC、パスポートの如き本人認証情報記録媒体は、本人を認証する上において重要な意味を持つ磁気ストライプの記録内容を改竄し、或いは偽造される危険に絶えず曝されている。磁気ストライプの記録内容の改竄或いは偽造は、本人に属するメモリデータの改竄にもつながる。そこで、磁気ストライプの代わりに、ホログラム或いは回折格子の如き光学素子をIDカードCの表面に形成し、これらをホログラム或いは回折格子の読み取り装置を具備して認識する構成を採用して、この改竄、偽造される恐れを緩和することが行われている(特許文献1〜6参照)。
【0007】
図15を参照するに、次いで、オンラインで、本人確認および各種の証明書の発行をするには、これを実施する役所にコンピュータより成る受付端末30を準備し、これをLAN接続する。そして、受付端末30にカード読み取り装置40を接続する。更に、レーザプリンタ50をLAN接続する。
【0008】
ここで、発行されたIDカードCを持参し、これをカード読み取り装置40に適用してID番号を読み込む操作をする。そして、IDカードCを受付端末30に適用して内部に記憶されている本人の顔写真イメージpの情報および本人に属するメモリデータを読み込む操作をする。読み込まれたID番号と読み込まれた顔写真イメージpの情報および本人に属するメモリデータに基づいて、受付端末30には顔写真イメージpの情報および本人に属するメモリデータが表示される。ここに表示された顔写真イメージpとIDカードCの表面に印刷されるイメージ或いは本人の風貌とが一致した場合、IDカードCを持参した者は本人であると認証される。
【0009】
また、従来、身分証明書として使用されるID(identification)カードには、磁気的に情報を記録するものや、IC(integrated circuit)に情報を記録するものがある。また、ID番号と顔画像をIDカードCに記憶させるものがある(特許文献7参照)。
【特許文献1】特開平8−106562号公報
【特許文献2】特開平9−27018号公報
【特許文献3】特開平9−54851号公報
【特許文献4】特開平10−143621号公報
【特許文献5】特開2002−32002号公報
【特許文献6】特開2000−231613号公報
【特許文献7】特開2003−1982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
IDカードC、パスポートの如き本人認証情報記録媒体の表面にホログラムテープを形成し、このホログラムテープをホログラム読み取り装置により認識する構成を採用することにより、本人認証情報記録媒体の改竄、偽造される恐れは緩和する。
【0011】
しかし、これにより本人認証情報記録媒体の改竄、偽造の恐れが完全に払拭される訳ではない。例えば、図15におけるエンコーダ/デコーダを構成する受付端末30およびカード読み取り装置40の一式を入手することができれば、これを利用して当該本人認証情報記録媒体を改竄すると共に、本人に属するメモリデータをも改竄することができる。
【0012】
一方、磁気的に情報が記録されるIDカードCの場合、簡単に情報を読み出すことができ、改竄も容易であるという問題があった。
【0013】
また、ICチップ等に情報が電気的に記憶されるIDカードCの場合でも、比較的簡単に情報を読み出すことができるという問題があった。
【0014】
このような事情に鑑み、この発明は、他に1枚たりとも同一ホログラム情報を有するホログラムテープの存在は在り得ないホログラムテープを本人認証情報記録媒体に付与して媒体の固有符号情報とすると共に、本人認証情報を付与し、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶する構成を採用して、上述の問題を解消した本人認証情報記録媒体を提供するものである。また、簡単に情報を読み出すことができないようにし、改竄を困難にすることができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
まず、請求項1に係る本人認証情報記録媒体の発明は、本人認証情報記録媒体において、バーコードの形式で乱数を直線状に表現した細長い平面画像を作成し、作成された平面画像に基づいてバーコードの形式の乱数のホログラム原画を作成し、ホログラム原画をドラムの表面に巻き付け、エッチング技術を適用して干渉縞に対応する微小凹凸をドラムの表面に形成したドラム状ホログラム原板を作成し、長尺の素材シートの表面においてドラム状ホログラム原板を回転させることにより、ドラム状ホログラム原板の表面の微小凹凸ホログラム原画を素材シートに繰り返して転写し、この素材シートを特定の長さに裁断して微小凹凸ホログラム原画が転写されたホログラムテープを構成し、本人認証情報記録媒体表面にこのホログラムテープを媒体の固有符号情報として付与すると共に本人認証情報を付与し、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶したことを特徴とする。
また、請求項2に係る本人認証情報記録媒体の発明は、表面に付与される本人認証情報は本人の顔写真イメージであることを特徴とする。
また、請求項3に係る本人認証情報記録媒体の発明は、暗号コード化アルゴリズムはデータ圧縮アルゴリズムより成ることを特徴とする。
また、請求項4に係る本人確認用セキュリティーカードの発明は、第1のデータが格納されたホログラムが記録された記録領域と、前記記録領域に記録されたホログラムに格納された第1のデータに基づいて第2のデータを符号化した第3のデータが記憶される記憶手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項5に係る本人確認用セキュリティーカードの発明は、前記記録領域に記録されたホログラムにギャラクシーコードを追加したことを特徴とする。
また、請求項6に係る本人確認用セキュリティーカードの発明は、前記記録領域はホログラム記録部であることを特徴とする。
また、請求項7に係る本人確認用セキュリティーカードの発明は、前記記憶手段はICチップであることを特徴とする。
また、請求項8に係る本人確認用セキュリティーカードの発明は、前記第1のデータはアルゴリズムデータであることを特徴とする。
また、請求項9に係る本人確認用セキュリティーカードの発明は、前記第2のデータはイメージデータであることを特徴とする。
また、請求項10に係る本人確認用セキュリティーカード記録再生方法の発明は、所定の本人確認用セキュリティーカードの記録領域に記録されたホログラムに格納されている第1のデータを読み取る第1の読み取りステップと、前記本人確認用セキュリティーカードに記憶されている、前記第1のデータに基づいて第2のデータが符号化された第3のデータを読み取る第2の読み取りステップと、前記第1の読み取りステップにおいて読み取られた前記第1のデータに基づいて、前記第2の読み取りステップにおいて読み取られた前記第3のデータを前記第2のデータに復号する復号ステップと、前記第2のデータを出力する出力ステップとを備えることを特徴とする。
また、請求項11に係る本人確認用セキュリティーカード記録再生方法の発明は、前記第1の読み取りステップにおいては、前記本人確認用セキュリティーカードの前記記録領域に対して所定の第1の方向から光を照射し、前記光の反射光を所定の第2の方向において受光し、受光した前記反射光に基づいて前記第1のデータを読み取ることを特徴とする。
また、請求項12に係る本人確認用セキュリティーカード記録再生方法の発明は、前記第2のデータは所定の画像に対応するイメージデータであり、前記画像を撮像する撮像ステップと、前記画像に対応する前記イメージデータを記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにおいて記憶された前記イメージデータを前記第1のデータに基づいて符号化する符号化ステップと、前記符号化ステップにおいて符号化された前記イメージデータを前記本人確認用セキュリティーカードに記録する記録ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、他に1枚たりとも同一ホログラム情報を有するホログラムテープの存在は在り得ないホログラムテープを本人認証情報記録媒体に付与して媒体の固有符号情報とすると共に、本人認証情報を付与し、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶する構成を採用したことにより、媒体の固有符号情報を示すホログラムテープの変造、改竄はなし得ない。そして、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶することにより、本人認証情報記録媒体に付与される本人認証情報を変造、改竄したところで、ICに記憶される真正な本人認証情報を参照することにより、本人認証はなされない。
【0017】
また、受付端末およびカード読み取り装置の一式を入手し、これを利用して当該本人認証情報記録媒体に記憶される本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を変造、改竄することも考えられるが、その本人認証情報記録媒体には実際には何らの利用価値もない。
【0018】
ところで、この発明において使用されるホログラムテープ、ホログラムテープを本人認証情報記録媒体に付与すること、写真イメージの如き本人認証情報を本人認証情報記録媒体に付与すること、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶すること、自体は何れも公報に記載される技術ではある。しかし、本人認証情報記録媒体に他に1枚たりとも同一ホログラム情報を有するホログラムテープの存在は在り得ないホログラムテープを付与すること、本人認証情報を本人認証情報記録媒体に付与すること、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶すること、を併せ持つことにより、本人認証情報記録媒体をその変造、改竄をなし得ないものとした。
【0019】
また、記録領域に記録されたホログラムにギャラクシーコードを追加することにより、人間による判定を不要とし、99%以上の高い読み取り成功率を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
<第1の実施形態>
発明を実施するための最良の形態を図1に基づいて説明する。図1は図14および図15を簡略化して概念的に示した図に相当する。
【0021】
図1において、60はコード化/デコード化装置を示す。コード化/デコード化装置60には、登録端末10およびカード読み取り装置40が接続されている。
【0022】
ここで、IDカードCの表面には、図2に示すように、ホログラムテープTが貼り付けられている。このホログラムテープTとして、特に、下記の製造工程を経て構成されたホログラムテープTを使用する。図3に基づいて説明するに、先ず、バーコードの形式で乱数を直線状に表現した細長い平面画像310を作成し、作成された平面画像310に基づいてバーコードの形式の乱数のホログラム原画42を作成し、ホログラム原画42をドラム100の表面に巻き付け、エッチング技術を適用して干渉縞に対応する微小凹凸をドラム100の表面に形成したドラム状ホログラム原板10Dを作成し、長尺の素材シート20Sの表面においてドラム状ホログラム原板10Dを回転させることにより、ドラム状ホログラム原板10Dの表面の微小凹凸ホログラム原画110を素材シート20Sに繰り返して転写し、微小凹凸ホログラム原画110が転写された素材シート20SをIDカードCの長さに対応する必要な長さに裁断して、ホログラムテープTを製造する。
【0023】
製造されたホログラムテープTを図2に基づいて説明する。図2.aは以上の製造工程を経て製造された微小凹凸ホログラム原画110が転写された素材シート20SおよびIDカードCの長さに対応する必要な長さに裁断して形成されたホログラムテープTを示し、図2.bはホログラムテープTをIDカードCの表面に貼り付けたところを示す図である。
【0024】
1 ないしDn は、それぞれ、ホログラムテープTに製造時に形成されたデータを示す。L1 ないしLn は、それぞれ、ホログラムテープTに製造時に形成されたデータ間の間隔を示す。データD1 ないしD10は、形成された微小凹凸ホログラム原画110が転写された素材シート20Sの極く一部を示す。間隔L1 ないしL10も、形成された微小凹凸ホログラム原画110が転写された素材シート20Sの極く一部を示す。形成される各データDの幅と各間隔Lの長さは、干渉縞に対応する微小凹凸をドラム100の表面に形成したドラム状ホログラム原板10Dを設計作成した時に、一意的に決定している。ここで、ホログラムテープTの間隔Ln ないしL5 の間のデータDと間隔Lの全体、および間隔L5 ないしL10の間のデータDと間隔Lの全体が、それぞれ当該ホログラムテープの固有のホログラム情報を形成している。
【0025】
図2.a(イ)の素材シート20Sは、たまたま、間隔Ln 、L5 、およびL10において裁断され、図2.a(ロ)に示される等しい長さの2枚のホログラムテープTが形成された。そして、データD1 ないしD10同士の幅は互いに等しくなく、データ間の間隔L1 ないしL10同士の長さも互いに等しくない。上述した通り、ホログラムテープTは、形成されるデータDの値である各幅と間隔Lの各長さに依りそのホログラム情報を規定されるところから、図2.a(ロ)に示されるホログラムテープTの示すホログラム情報は両者等しくない。ここで、裁断形成されたホログラムテープTは、他に1枚たりとも同一ホログラム情報を有するホログラムテープの存在は在り得ない。
【0026】
図2.bはこのホログラムテープTを貼着したIDカードCを示す。コード化/デコード化装置60には、固有の暗号コード化アルゴリズムおよび暗号デコード化アルゴリズムが具備されている(暗号コード化アルゴリズム:データ圧縮アルゴリズム。暗号デコード化アルゴリズム:データ伸張アルゴリズム)。IDカードCを発行するに際して、図2.a(ロ)に示されるホログラムテープTを貼着したIDカードCを準備する。ホログラムテープTを貼着したことで、当該IDカードCにはID番号に相当するカード固有符号情報が付与されたことになる。本人認証情報である本人の顔写真イメージpをスキャナー13を介して、或いはディジタルカメラ12でコード化/デコード化装置60に入力すると共に、住所、氏名、性別、生年月日、本籍、職業の如き個人情報をコード化/デコード化装置60に入力し、これら両者を固有の暗号コード化アルゴリズムにより圧縮暗号化する。一方において、ホログラムテープTを貼着した当該IDカードCをカード読み取り装置40に適用し、ホログラムテープTの示すカード固有符号情報を読み取る。
【0027】
コード化/デコード化装置60に入力して固有の暗号コード化アルゴリズムにより圧縮暗号化された本人の顔写真イメージpおよび個人情報は、ホログラムテープTの示すカード固有符号情報が読み取られたことを条件として、カード固有符号情報と共にホログラムテープTを貼着したIDカードCに内蔵するICに圧縮記憶される。
【0028】
図4に基づいてカード読み取り装置40の動作を説明する。
【0029】
カード読み取り装置40は、付与されたホログラムテープTをその長さ方向の中心線に沿ってレーザ光源401からレーザ光を照射する。このホログラムテープTのホログラムは3次元構造を有している。レーザ光源401から放射されるレーザ光がIDカードC上に付与されるホログラムテープTの長さ方向の中心線mに沿って走査し、レーザ光がそこで鏡面反射して第2のセンサ#2に入射した場合、これはホログラムデータDが存在しないデータ間の間隔Lをレーザ光が照射していることを意味する。レーザ光が第2のセンサ#2に入射している時間間隔を測定してデータD間の間隔Lを検出する。ホログラムデータが存在するデータDをレーザ光源401のレーザ光が照射している場合、レーザ光は3次元構造のホログラムデータにより所定の反射角で反射せしめられて第1のセンサ#1に入射し、データDが検出される。なお、ホログラムデータが存在するデータDのところで素材シート20Sの裁断が行われた場合は、この半端なデータDは、それぞれ、隣接する間隔Lに加えられて間隔の一部として取り扱われる。
【0030】
ここで、図1に基づいてIDカードCの取り扱い操作を要約する。IDカードCは無接触式であるものとする。
【0031】
IDカードCに対するデータの書き込み操作については、ホログラムテープTを貼着したIDカードCをカード読み取り装置40に適用してホログラムテープTの示すカード固有符号情報を読み取る読み取り操作a、および、各種入力データをコード化/デコード化装置60に対して入力する入力操作bで、IDカードCに対するデータの書き込み操作cが実行される。
【0032】
IDカードCに対する読み出し操作については、IDカードCをカード読み取り装置40に適用してホログラムテープTの示すカード固有符号情報を読み取る読み取り操作a、および、IDカードCをコード化/デコード化装置60に対して無接触で読み込む読み込み操作dで、各種データを登録端末10に出力データを表示する表示操作eを実行する。ここで、bの入力データとeの出力データはほぼ等しくなる。
【0033】
<第2の実施形態>
次に、他の実施の形態について説明する。図5は、本発明を応用した記録装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施の形態は、本人確認用セキュリティーカード600上のホログラムに格納されたアルゴリズムデータ(第1のデータ)を読み出し、このアルゴリズムデータに従って所定のデータを符号化し、本人確認用セキュリティーカード600に記録するものである。
【0034】
図5に示すように、記録装置510は、所定の画像を撮像し、ディジタルのイメージデータ(第2のデータ)に変換して出力する撮像装置501と、撮像装置501によって撮像された画像に対応するイメージデータを記憶するメモリ502と、メモリ502に記憶されたイメージデータを、本人確認用セキュリティーカード600のホログラム記録部601(図6)のホログラムに格納されたアルゴリズムデータに基づいて符号化する符号化部503と、符号化部503によって符号化されたイメージデータを本人確認用セキュリティーカード600のICチップ602(図6)に記録する記録部504と、本人確認用セキュリティーカード600のホログラム記録部601のホログラムに格納されたアルゴリズムデータを読み出すディテクタ505とから構成されている。
【0035】
図6は、本人確認用セキュリティーカード600の構成例を示している。上記アルゴリズムデータは、ホログラム記録部601のホログラムに格納されている。ホログラム記録部601のホログラムに格納されたアルゴリズムデータは、このホログラム記録部601のホログラムに所定の第1の方向から所定の光を照射し、その反射光を所定の第2の方向においてディテクタ505によって受光し、受光した光の強度に対応する電気信号に変換することによって読み取ることができる。
【0036】
また、ホログラム記録部601に光を照射する発光部(図示せず)の光軸と、その光の反射光を受光するディテクタ505の光軸とのなす角度θは、所定の角度とされる。また、本人確認用セキュリティーカード600は、ICチップ602を備えており、符号化された上記イメージデータや各種データを電気的に記録することが可能となっている。
【0037】
図7は、本発明を応用した読み取り装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。同図に示すように、読み取り装置520は、本人確認用セキュリティーカード600のホログラム記録部601に所定の光を照射する発光部(図示せず)と、その光の反射光を受光し、受光した光の強度に対応する電気信号をディジタルのデータに変換して出力することにより、ホログラムに格納されたアルゴリズムデータを読み取るディテクタ521と、本人確認用セキュリティーカード600のICチップ602に電気的に記録されたデータを読み出すデータ読み出し部522と、データ読み出し部522によって読み出されたデータに対して、ディテクタ521により読み取られたアルゴリズムデータに基づいて復号処理を施す復号部523と、復号部523によって復号されたデータを表示するモニタ524とから構成されている。
【0038】
ホログラム記録部601のホログラムには、本人確認用セキュリティーカード600毎にユニークなアルゴリズムデータが予め格納されており、このホログラムに格納されたアルゴリズムデータは、所定の第1の方向から光を照射し、その反射光を上記第1の方向と所定の角度をなす所定の第2の方向において受光することによってのみ読み取ることができるようになっている。
【0039】
次に、図8に示したフローチャートに基づき、本人確認用セキュリティーカード600のICチップ602に、この本人確認用セキュリティーカード600の所有者の顔のイメージデータを記録する手順について説明する。
【0040】
まず最初に、ステップS1において、撮像装置501により、本人確認用セキュリティーカード600の所有者の顔の画像が撮像される。次に、ステップS2において、顔の画像に対応する電気信号がディジタルのイメージデータに変換され、メモリ502に供給される。このイメージデータは、メモリ502によって記憶され、適宜符号化部503に供給される。
【0041】
次に、ステップS3において、本人確認用セキュリティーカード600のホログラム記録部601のホログラムに格納されているアルゴリズムデータがディテクタ505によって読み出される。読み出されたアルゴリズムデータは符号化部503に供給される。
【0042】
次に、ステップS4において、本人確認用セキュリティーカード600から読み出されたアルゴリズムデータに基づいて、メモリ502に記憶されている上記イメージデータが符号化され、記録部504に供給される。
【0043】
次に、ステップS5において、記録部504により、符号化部503から供給された符号化されたイメージデータが本人確認用セキュリティーカード600のICチップ602に記録される。
【0044】
次に、図9に示したフローチャートに基づき、本人確認用セキュリティーカード600のICチップ602に記録された本人の顔のイメージデータを再生し、モニタ524に表示する手順について説明する。
【0045】
まず最初に、ステップS11において、本人確認用セキュリティーカード600のホログラム記録部601のホログラムに格納されたアルゴリズムデータが、ディテクタ521によって読み出され、復号部523に供給される。次に、ステップS12において、本人確認用セキュリティーカード600のICチップ602に記録されたイメージデータがデータ読み出し部522によって読み出され、復号部523に供給される。
【0046】
次に、ステップS13において、復号部523により、ディテクタ521より供給されたアルゴリズムデータに基づいて、データ読み出し部522より供給されたイメージデータが復号される。次に、ステップS14において、復号されたイメージデータがモニタ524に供給され、表示される。
【0047】
モニタ524に表示された本人確認用セキュリティーカード600の所有者の顔のイメージと、実際の顔のイメージとを目視により比較することにより、本人確認用セキュリティーカード600を所持する所有者が、本人確認用セキュリティーカード600の本来の所有者本人であるか否かを認証することができる。ホログラムに格納されたアルゴリズムデータは、上述したように、読み取りが困難であるため、ICチップ602に記録されたイメージデータを表示したり、改竄したりすることは困難であり、本人確認用セキュリティーカード600の偽造や変造を抑制することができる。
【0048】
<第3の実施形態>
次に、さらに別の実施の形態について説明する。図10.aはクレジットカードの表面図であり、図10.bはクレジットカードの裏面図である。図11はホログラムに追加されたギャラクシーコードを示す模式図である。図10および図11に示すように、本実施の形態は、クレジットカード700のホログラム記録部703に記録されたホログラムにギャラクシーコード706を追加することにより、人間による判定を不要とし、99%以上の高い読み取り成功率を実現するものである。
【0049】
図10に示すように、クレジットカード700は、平板状の基板701と、基板701の表面に貼付された顔写真702と、基板701の表面に取り付けられたホログラム記録部703と、本人の住所、氏名、性別、生年月日など各種の情報が電気的に記憶されたRFIDチップ704と、基板701内にループ状に配設された内蔵アンテナ705とから構成されている。ホログラム記録部703にはホログラムが記録されており、このホログラムには、図11に示すように、ギャラクシーコードGが追加されている。ギャラクシーコードGとは、多数個のギャラクシー項目をランダムに配置したものであり、各クレジットカード700ごとにユニークなものとなる。
【0050】
このクレジットカード700を読み取るときには、図12に示すように、クレジットカード700をリーダ710に差し込む。すると、リーダ710は、ギャラクシーコードGのギャラクシー項目の微小パターンを正確に探知することにより、このクレジットカード700が正規のものであるか否かを判定する。この際、ギャラクシー項目ごとに約25000通りの組み合わせがあるため、ギャラクシー項目がn個あるとすると、大略25000n のギャラクシーパターンが存在することになる。したがって、2枚のクレジットカード700のギャラクシーコードGが完全に一致する確率は、25000-n程度となり、ギャラクシー項目の個数nがある程度大きければ、実質的にゼロと言える。その結果、クレジットカード700の不正な複製を見抜くことができる。しかも、このギャラクシーコードGによる方法だと、人間による判定が不要であるばかりか、99%以上の高い読み取り成功率を実現することができる。
【0051】
こうしてクレジットカード700が正規のものであると認識されると、RFIDチップ704に記憶された情報にアクセスする許可が得られるので、RFIDチップ704に記憶された各種の情報は、非接触型の自動認識技術、すなわちRFID(radio frequency identification)により、内蔵アンテナ705からリーダ710側へ無線伝送される。
【0052】
<その他の実施形態>
なお、上述した第3の実施形態においては、クレジットカード700に本発明を適用した場合について説明したが、図13に示すように、パスポート800に本発明を適用することもできる。
【0053】
図13に示すように、パスポート800は、冊子状の基紙801と、基紙801の内面に貼付された顔写真802と、基紙801の内面に取り付けられたホログラム記録部803と、本人の住所、氏名、性別、生年月日など各種の情報が電気的に記憶されたRFIDチップ804と、基紙801にループ状に刷り込まれた内蔵アンテナ805とから構成されている。ホログラム記録部803にはホログラムが記録されており、このホログラムには、図11に示すように、ギャラクシーコードGが追加されている。ギャラクシーコードGとは、多数個のギャラクシー項目をランダムに配置したものであり、各パスポート800ごとにユニークなものとなる。
【0054】
このパスポート800を読み取るときには、図13に示すように、パスポート800をリーダ810に差し込む。すると、リーダ810は、ギャラクシーコードGのギャラクシー項目の微小パターンを正確に探知することにより、このパスポート800が正規のものであるか否かを判定する。この際も、第3の実施形態で述べたのと同じ理由で、パスポート800の不正な複製を見抜くことができる。また、このギャラクシーコードGによる方法だと、人間による判定が不要であるばかりか、99%以上の高い読み取り成功率を実現することができる。
【0055】
こうしてパスポート800が正規のものであると認識されると、RFIDチップ804に記憶された情報にアクセスする許可が得られるので、RFIDチップ804に記憶された各種の情報は、非接触型の自動認識技術、すなわちRFID(radio frequency identification)により、内蔵アンテナ805からリーダ810側へ無線伝送される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態を説明する図である。
【図2.a】ホログラムテープを説明する図である。
【図2.b】IDカードを説明する図である。
【図3.a】ホログラムテープの製造工程を説明する斜視図である。
【図3.b】ホログラムテープの製造工程を説明する正面図である。
【図4】カード読み取り装置を説明する図である。
【図5】本発明の本人確認用セキュリティーカードにデータを記録する記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】ホログラムに格納されたアルゴリズムデータを読み出す方法を示す図である。
【図7】本発明の本人確認用セキュリティーカードに記録されたデータを読み取る読み取り装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】本人確認用セキュリティーカードにデータを記録する手順を示すフローチャートである。
【図9】本人確認用セキュリティーカードに記録されたデータを読み出して表示する手順を示すフローチャートである。
【図10.a】クレジットカードの表面図である。
【図10.b】クレジットカードの裏面図である。
【図11】ホログラム記録部の拡大詳細図である。
【図12】クレジットカードをリーダに差し込んだ状態を示す図である。
【図13】パスポートをリーダに差し込んだ状態を示す図である。
【図14】従来例を説明する図である。
【図15】他の従来例を説明する図である。
【符号の説明】
【0057】
10…登録端末
10D…ドラム状ホログラム原板
11…キーボード
12…ディジタルカメラ
13…スキャナー
20…発行端末
20S…素材シート
21…カード発行機
30…受付端末
40…カード読み取り装置
42…ホログラム原画
50…レーザプリンタ
60…コード化/デコード化装置
90…サーバー
91…ケーブル
92…ルーター
100…ドラム
110…微小凹凸ホログラム原画
310…平面画像
401…レーザ光源
a…読み取り操作
b…入力操作
c…書き込み操作
d…読み込み操作
e…表示操作
C…IDカード(本人認証情報記録媒体)
1 〜Dn …データ
1 〜Ln …間隔
m…中心線
p…顔写真イメージ(本人認証情報)
Pe…本人
T…ホログラムテープ
#1…第1のセンサ
#2…第2のセンサ
501…撮像装置
502…メモリ
503…符号化部
504…記録部
505、521…ディテクタ
510…記録装置
520…読み取り装置
522…データ読み出し部
523…復号部
524…モニタ
600…本人確認用セキュリティーカード
601…ホログラム記録部(記録領域)
602…ICチップ(記憶手段)
700…クレジットカード(本人確認用セキュリティーカード)
701…基板
702、802…顔写真
703、803…ホログラム記録部
704、804…RFIDチップ
705、805…内蔵アンテナ
800…パスポート(本人確認用セキュリティーカード)
801…基紙
G…ギャラクシーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人認証情報記録媒体において、
バーコードの形式で乱数を直線状に表現した細長い平面画像を作成し、作成された平面画像に基づいてバーコードの形式の乱数のホログラム原画を作成し、ホログラム原画をドラムの表面に巻き付け、エッチング技術を適用して干渉縞に対応する微小凹凸をドラムの表面に形成したドラム状ホログラム原板を作成し、長尺の素材シートの表面においてドラム状ホログラム原板を回転させることにより、ドラム状ホログラム原板の表面の微小凹凸ホログラム原画を素材シートに繰り返して転写し、この素材シートを特定の長さに裁断して微小凹凸ホログラム原画が転写されたホログラムテープを構成し、
本人認証情報記録媒体表面にこのホログラムテープを媒体の固有符号情報として付与すると共に本人認証情報を付与し、本人認証情報および本人に属する個人情報の両者を暗号コード化アルゴリズムにより暗号化して内蔵するICに記憶したことを特徴とする本人認証情報記録媒体。
【請求項2】
表面に付与される本人認証情報は本人の顔写真イメージであることを特徴とする請求項1に記載の本人認証情報記録媒体。
【請求項3】
暗号コード化アルゴリズムはデータ圧縮アルゴリズムより成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の本人認証情報記録媒体。
【請求項4】
第1のデータが格納されたホログラムが記録された記録領域と、
前記記録領域に記録されたホログラムに格納された第1のデータに基づいて第2のデータを符号化した第3のデータが記憶される記憶手段と
を備えることを特徴とする本人確認用セキュリティーカード。
【請求項5】
前記記録領域に記録されたホログラムにギャラクシーコードを追加したことを特徴とする請求項4に記載の本人確認用セキュリティーカード。
【請求項6】
前記記録領域はホログラム記録部であることを特徴とする請求項4又は5に記載の本人確認用セキュリティーカード。
【請求項7】
前記記憶手段はICチップであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の本人確認用セキュリティーカード。
【請求項8】
前記第1のデータはアルゴリズムデータであることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の本人確認用セキュリティーカード。
【請求項9】
前記第2のデータはイメージデータであることを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載の本人確認用セキュリティーカード。
【請求項10】
所定の本人確認用セキュリティーカードの記録領域に記録されたホログラムに格納されている第1のデータを読み取る第1の読み取りステップと、
前記本人確認用セキュリティーカードに記憶されている、前記第1のデータに基づいて第2のデータが符号化された第3のデータを読み取る第2の読み取りステップと、
前記第1の読み取りステップにおいて読み取られた前記第1のデータに基づいて、前記第2の読み取りステップにおいて読み取られた前記第3のデータを前記第2のデータに復号する復号ステップと、
前記第2のデータを出力する出力ステップと
を備えることを特徴とする本人確認用セキュリティーカード記録再生方法。
【請求項11】
前記第1の読み取りステップにおいては、前記本人確認用セキュリティーカードの前記記録領域に対して所定の第1の方向から光を照射し、前記光の反射光を所定の第2の方向において受光し、受光した前記反射光に基づいて前記第1のデータを読み取る
ことを特徴とする請求項10に記載の本人確認用セキュリティーカード記録再生方法。
【請求項12】
前記第2のデータは所定の画像に対応するイメージデータであり、
前記画像を撮像する撮像ステップと、
前記画像に対応する前記イメージデータを記憶する記憶ステップと、
前記記憶ステップにおいて記憶された前記イメージデータを前記第1のデータに基づいて符号化する符号化ステップと、
前記符号化ステップにおいて符号化された前記イメージデータを前記本人確認用セキュリティーカードに記録する記録ステップと
を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の本人確認用セキュリティーカード記録再生方法。

【図1】
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【図2.a】
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【図2.b】
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【図3.a】
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【図3.b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10.a】
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【図10.b】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【国際公開番号】WO2005/055131
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【発行日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−516029(P2005−516029)
【国際出願番号】PCT/JP2004/018295
【国際出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【出願人】(594163992)国際メディコム株式会社 (2)
【Fターム(参考)】