検出器支持装置
【課題】種々のワークに対して検出器の検出方向をワンモーションで切換え、円筒外周面、内周面及び平面の測定を容易に行うことのできる検出器支持装置を提供すること。
【解決手段】検出器支持装置10を、ワークWに対して相対的に直線移動可能な保持台21に一端が固定され、他端に回転軸心RCを有する第1のアーム11と、回転軸心RCを中心に第1のアーム11に対して回転自在に設けられ、先端に検出器31を取り付ける第2のアーム12とで構成し、回転軸心RCを、移動軸HCに対して45°傾斜した平面上に設けるとともに、移動軸HCに対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ移動軸HCを含む平面への投影図において、移動軸HCに対して45°傾斜して設け、第2のアーム12に取り付けられた検出器31の軸心KCが回転軸心RCと交差するように構成した。
【解決手段】検出器支持装置10を、ワークWに対して相対的に直線移動可能な保持台21に一端が固定され、他端に回転軸心RCを有する第1のアーム11と、回転軸心RCを中心に第1のアーム11に対して回転自在に設けられ、先端に検出器31を取り付ける第2のアーム12とで構成し、回転軸心RCを、移動軸HCに対して45°傾斜した平面上に設けるとともに、移動軸HCに対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ移動軸HCを含む平面への投影図において、移動軸HCに対して45°傾斜して設け、第2のアーム12に取り付けられた検出器31の軸心KCが回転軸心RCと交差するように構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器支持装置に関するもので、特に真円度測定機などに用いられワークの微小変位を検出する検出器を支持する検出器支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒形状のワークはその軸心を中心に回転され、真円度や円筒度等が測定される。例えば図12に示すような鍔付のワークの場合は、ワークWを回転中心線WCの回りに回転させ、レバー式等の検出器31の接触子Pを円筒外周部に当接させて外周部の振れを検出し外周部の真円度を測定する。あるいは検出器31の接触子Pを孔の内周部に当接させて孔の真円度を測定し、また接触子Pを鍔部上面に当接させて鍔部の振れを検出する。
【0003】
この場合、例えば検出器31の姿勢を垂直に支持し検出方向を水平方向にした状態で円筒外周部の振れを検出し、次に検出器31の姿勢を水平に支持替えするとともに、検出方向を垂直方向に調整して鍔部の振れを検出する必要がある。
【0004】
このため、検出器31の検出方向切換えを容易に可能にすべく、種々の検出器支持装置が提案され、そのような検出器支持装置を備えた真円度測定機も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照。)。
【0005】
特許文献1に記載された検出器支持装置は、図13及び図14に示すようなものである。即ちL字状の支持アーム111の一端が水平垂直微調機構22を介して保持台に回転可能に取り付けられ、他端には検出器31が固定されている。検出器31を垂直に支持した状態(図13)から支持アーム111を90°回転させ、図14に示すように、検出器31の姿勢を水平方向に切換えるようになっている。
【0006】
この場合、支持アーム111を90°回転させて検出器31の姿勢を水平に切換えても、検出方向は水平方向のままであるので、検出方向を垂直方向に切換えるために、検出器31を検出器の軸心の回りに90°回転させる。
【0007】
また、特許文献2に記載された検出器支持装置は、図15に示すように、保持台21に固定された第1のアーム211に対して検出器31を支持した第2のアーム212が、垂直方向に対して1方向に45°傾斜した回転軸心RCを中心に180°回転するようになっている。
【0008】
この場合、検出器31が垂直姿勢で接触子Pの検出方向は図の矢印H方向(紙面に垂直方向であり、次に第2のアーム212を180°回転させて図の二点鎖線で示すように検出器31の姿勢を水平に切換えても、検出方向は図の矢印H方向のままであるので、検出方向を垂直方向(図の矢印Vの方向)に切換えるために、検出器31を検出器の軸心KCの回りに90°回転させる。
【0009】
また、特許文献3に記載された検出器支持装置は、図16に示すような構造になっている。即ち、保持台21に固定された第1のアーム311の他端には、垂直方向に対して保持台21の移動軸HC側に45°傾斜した回転軸心RCが設けられ、検出器31を支持した第2のアーム312が回転軸心RCの回りに回転可能に構成されている。
【0010】
図16(a)に示すように、水平姿勢で支持された検出器31のレバー31aが検出器本体に対して90°折り曲げられ、先端の接触子PでワークWの外周部の振れを検出する。第2のアーム312を180°回転させると図16(b)に示すように、ワークWの鍔部の上面の振れを検出することができる。この場合は検出器31を軸心KCの回りに回転させる必要がない。
【特許文献1】特開平11−063971号公報
【特許文献2】特開平07−091949号公報
【特許文献3】特開平06−300505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前述の特許文献1(特開平11−063971号公報)及び特許文献2(特開平07−091949号公報)に記載された検出器支持装置では、検出器31の検出方向を水平方向から垂直方向に切換える場合、検出器31を取り付けたアームを回転させるとともに、検出器31を検出器31の軸心回りに90°回転させなければならず、ワンモーションで切換えることができず煩雑であった。
【0012】
また、前述の特許文献1の検出器支持装置の場合、検出器31が垂直姿勢のときに接触子の位置が支持アーム111の下端よりも上にあるため、大径ワークの中央部の孔を測定する場合にワークの外周部が支持アーム111の下端と干渉するという問題があった。
【0013】
また、前述の特許文献3(特開平06−300505号公報)に記載された検出器支持装置では、ワンモーションで検出方向を水平方向から垂直方向に切換えることができるが、前述の特許文献1の検出器支持装置同様、懐が狭いので、大径ワークの中央部の孔を測定する場合に問題があった。また、検出方向を垂直方向とした時に、保持台21の移動軸HCと直交する方向から検出器31のレバー31aを付き出すことができず、種々の測定対象に対して対応幅が狭いという問題も有していた。
【0014】
前述の特許文献1及び特許文献3の検出器支持装置の場合に、検出器31の取付位置を下げるかあるいは軸方向に長いレバーを有する検出器31を用いることによって、接触子の位置を保持台よりも下方に下げることができるが、このようにすると、検出器31の姿勢切換え前後で接触子の位置が大きくずれ、そのために検出器支持装置を水平方向及び垂直方向に大きく移動させなければならない。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、種々のワークに対して検出器の検出方向をワンモーションで切換え、円筒外周面、内周面及び平面の測定を容易に行うことのできる検出器支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は前記目的を達成するために、検出器支持装置は、ワークに対して相対的に直線移動可能な保持台に一端が固定され、他端に回転軸心を有する第1のアームと、前記回転軸心を中心に前記第1のアームに対して回転自在に設けられ、先端に検出器を取り付ける第2のアームとを有し、前記回転軸心は、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ前記保持台の移動軸を含む平面への投影図において、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜して設けられ、前記第2のアームに取り付けられた検出器の軸心が前記回転軸心と交差するように構成されたことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記発明において、前記第2のアームを120°回転させることによって、前記検出器の検出方向が直交する方向に切り替わることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、検出器支持装置は、検出器を保持した第2のアームが、保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ保持台の移動軸を含む平面への投影図において、保持台の移動軸に対して45°傾斜して設けられた回転軸心の回りに回転可能に支持され、第2のアームに取り付けられた検出器の軸心が回転軸心と交差するように構成され、第2のアームを120°回転させるだけで検出器の検出方向が90°切換えられるので、検出器の検出方向をワンモーションで水平方向から垂直方向に切換えることができる。
【0019】
また本発明は、前記発明において、前記検出器による検出点が、前記保持台の移動軸から離間した位置になるように前記検出器が取り付けられることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、検出器の検出点が、保持台の移動軸から離間した位置になるので、大径ワークの孔の内周測定においてもワークと保持台とが干渉することがない。
【0021】
更に本発明は、前記発明において、前記検出器による検出点が前記回転軸心上の点と一致するように前記検出器を取り付けたときに、前記第2のアームを120°回転させて前記検出方向を直交する方向に切り替えても、前記検出点が移動しないことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、検出器の検出方向を切換えても検出点が移動しないので、切換え後に検出器支持装置を大きく移動調整する必要がない。
【0023】
また、本発明は前記発明において、前記第2のアームを前記回転軸心のまわりに回転駆動する駆動手段が設けられ、前記検出器の検出方向を自動切換えすることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、第2のアームが駆動手段によって自動回転され、検出器の検出方向が自動切換えされるので、測定の自動化が図れる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明の検出器支持装置によれば、検出器の検出方向を水平方向から垂直方向までワンモーションで容易に切換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下添付図面に従って本発明に係る検出器支持装置の好ましい実施の形態について詳説する。尚、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
【0027】
本発明に係る検出器支持装置は、円筒形状のワークの真円度や円筒度等を測定する真円度測定機等に好適に用いられるが、最初にこの真円度測定機についてその概要を説明する。
【0028】
図1は、真円度測定機の外観を表わす正面図である。真円度測定機20は、ベース26、ワークWを載置して回転中心線WCの回りに高精度で回転する回転テーブル25、ベース26上に立設されたコラム24、コラム24に沿って図のZ方向に上下移動する上下移動台23、上下移動台23に取り付けられ回転中心線WCに向かった移動軸HCに沿って図のX方向に水平移動する保持台21、及び図示しない管制部等からなっている。
【0029】
保持台21には、検出器支持装置10を介して検出器31が取り付けられている。検出器31は、差動変圧器を組込んだレバー式検出器等が用いられる。なお、検出器31はこれに限らず、デジタルスケールを用いたものや、光干渉式の検出器等が用いられてもよい。
【0030】
円筒形状のワークWの真円度を測定する場合は、図1に示すように、先ずワークWを回転テーブル25上に載置する。この時、ワークWの軸心と回転中心線WCとがほぼ一致するように載置位置を調整する。
【0031】
この載置位置の調整は、検出器支持装置10を介して検出器31を保持した保持台21を移動軸HCに沿ってワークW方向に移動させ、検出器31の接触子PをワークWの外周面に当接させ、回転テーブル25を回転させながら低倍率でワークWの振れを見て、振れが小さくなるように載置位置を調整する。この場合、ワークWの軸心と回転中心線WCとが完全一致しなくても、測定値を解析する段階で偏心補正ソフトを用いてデータを補正することができる。
【0032】
次に、測定倍率を高倍率に切換えて、ワークWの1回転分のデータを取り込む。このデータを管制部で解析し、ワークWの外周部の真円度を算出する。算出結果は管制部に設けられた表示部に表示するとともに、必要に応じ付属のプリンタ等で記録する。
【0033】
ワークWが前出の図12に示すような鍔付の場合、鍔の面の振れが測定される。この場合は、検出器31の姿勢を切換えて、検出方向を垂直方向に切換える。この検出器31の姿勢切換えは、検出器支持装置10で行う。
【0034】
図2、図3、及び図4は、本発明に係る検出器支持装置10の実施の形態を表わす斜視図で、図2は検出器31を垂直姿勢で支持した状態を表わし、図4は検出器31を水平姿勢に切換えた状態を表わしている。また、図3は検出器31の垂直姿勢と水平姿勢との中間姿勢の状態を表わしている。
【0035】
また、図5は検出器支持装置10の図2の状態を示す平面図で、図6は正面図、図7は左側面図である。更に図8は、図5におけるD矢視図で、図9は図8におけるF矢視図である。
【0036】
検出器支持装置10は、第1のアーム11、第2のアーム12、及び回転軸部材13等で構成されている。第1のアーム11は、図2及び図5等に示すように、長手方向の途中で45°曲折するとともに垂直面に対して45°ひねられた形状をしており、その一端が水平垂直微調機構22を介して保持台21に固定されている。
【0037】
保持台21は、図5に示すように、ワークWの回転中心線WCに向かった移動軸HCに沿って直線移動可能に設けられた測定装置の一部分である。また、水平垂直微調機構22は、つまみ22Aを回転させることによって水平方向の微動がなされ、つまみ22Bを回転させることによって垂直方向の微動がなされる。
【0038】
第1のアーム11の他端、即ち長手方向に45°曲折するとともに垂直面に対して45°ひねられた部分の端部の外側面11aには、外側面11aに垂直に孔11bが形成されている。
【0039】
外側面11aの孔11bには、回転軸部材13が強嵌合されている。回転軸部材13は、図8に示すように、上部に雄ネジ13bが形成され、中間部が回転案内部13aで、その下部に鍔を介して強嵌合部13cが形成されている。この回転軸部材13が強嵌合部13cで孔11bに強嵌合された状態で、回転軸部材13の軸心が回転軸心RCを形成するようになっている。
【0040】
第2のアーム12は、図3及び図8等に示すように、長手方向に鈍角に曲折された形状を有しており、基端側に孔12aが形成され、回転軸部材13の回転案内部13aと滑合されて、第1のアーム11に対して回転可能になっている。回転軸部材13の雄ネジ13bにはつまみ14が螺合され、第2のアーム12と回転軸部材13との間の回転力が調整可能になっている。また、つまみ14を締め込むことによってクランプすることもできるようになっている。また、図3及び図4に示すように、第2のアーム12にはカバー17が取り付けられている。
【0041】
第2のアーム12の他端側には図5に示すように、孔12bとそれに係絡するスリ割が形成されている。このスリ割の奥側は片方にのみ幅広になり、この片方を薄肉化してばね効果を持たせている。このスリ割に対して横方向にネジ孔が形成され、つまみ15を締め込むことにより孔12bで検出器31の保持部31aをクランプするようになっている。
【0042】
検出器支持装置10はこのように構成されているので、第2のアーム12の第1のアーム11に対する回転軸心RCは、図5、図6、及び図7に示すように、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ保持台21の移動軸HCを含む平面への投影図において、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜して設けられたしている。
【0043】
言い換えれば、回転軸心RCは、ワークWの回転中心線WCに対して45°傾斜するとともに、回転中心線WCと直交する面への投影図において、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜している。このため、図6において回転軸心RCは移動軸HCに対して45°傾斜し、図7において回転軸心RCは移動軸HCを含む面に対して45°傾斜している。
【0044】
また、第2のアーム12に検出器31を取り付けたときに、検出器31の軸心KCと第2のアーム12の回転軸心RCとが交差する。従って、図6において、回転軸心RCと移動軸HCとの公転から検出器31の軸心KCまでの距離Aは、移動軸HCから検出器31の軸心KCと回転軸心RCとの交点までの距離Bと等しい。また、図7において、移動軸HCを含む面と回転軸心RCとの交点から移動軸HCまでの距離Cは、前述の距離Aと等しい。
【0045】
検出器支持装置10はこのように構成され、第2のアーム12を第1のアーム11に対して120°回転させると、第2のアーム12に垂直姿勢で取り付けられた検出器31が図3及び図7に示すように、水平姿勢に変化し、検出方向も水平方向Hから垂直方向Vに切換えられる。また、0°と120°の間の中間で固定することもでき、この場合は検出方向も水平方向Hと垂直方向Vとの中間方向となる。
【0046】
また、図9に示すように、第1のアーム11には位置決めピン16A、16Bが設けられ、位置決めピン16A、16Bが第2のアーム12の側面に当接して第2のアーム12の回転角度を120°に規制している。
【0047】
また、検出器の検出点を第2のアーム12の回転軸心RC上の1点と一致させた場合、第2のアーム12を回転させて検出器の検出方向を切換えても、検出点が移動しない。このため、検出方向を切換えたときに検出器を水平方向及び垂直方向に大きく移動させる必要がなく、測定時間を短縮することができる。
【0048】
更に、検出器の検出点が保持台21の移動軸HCより下方に位置しているため、大径ワークに形成された孔の内面測定において、ワークWが検出器支持装置10や保持台21等と干渉することがない。
【0049】
このように、本発明の検出器支持装置10によれば、検出器31の検出方向をワンモーションで切換えることができ、切換えによる検出点の移動がなく、検出点も保持台21より下方に設定でき、種々のワークWに対して内周面、外周面、及び平面の測定に容易に対応させることができる。
【0050】
次に、本実施の形態の変形例について図10、及び図11に基づいて説明する。図10は前出の図7に対応する左側面図で、図11は前出の図9に対応するF矢視図である。
【0051】
図10、図11に示すように、検出器支持装置10Aは前述した検出器支持装置10に対し、第1のアーム11の回転を自動回転可能にしたものである。
【0052】
先ず、回転軸部材13にウオームホイール43を取り付け、第2のアーム12に固定された駆動手段であるモータ41に取り付けられたウオーム42と噛み合わせ、モータ41の回転により第2のアーム12がウオームホイール43の回りに回転するようになっている。また、検出器31を第2のアーム12に対し回転可能に支持させ、モータによって検出器31が検出器31の軸心KCを中心に回転するように構成することもできる。
【0053】
なお、検出器支持装置10Aのその他の構成は検出器支持装置10と同じであり、説明は省略する。
【0054】
検出器支持装置10Aはこのように構成されているので、検出器31の検出方向を水平方向から垂直方向まで自動切換えすることができ、また検出器31が検出器31の軸心KCを中心に自動回転するように構成した場合は、同じ水平方向内又は同じ垂直方向内で夫々検出方向を自動で逆方向に切換えることができる。このため、ワークWの内周面、外周面、鍔部の上面、下面の各測定を自動で迅速に行うことができる。
【0055】
なお、前述した実施の形態において、本発明の検出器支持装置を用いた真円度測定機として、ワークWが回転中心線WCを中心に回転するワーク回転式真円度測定機20で説明したが、本発明の検出器支持装置10は、ワーク回転式真円度測定機20に限らず、ワークWが固定で検出器31が回転中心線WCの回りに回転する検出器回転式真円度測定機にも好適に用いることができ、また真円度測定機に限らずその他種々の測定装置にも効果的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】真円度測定機の外観を表わす正面図
【図2】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす斜視図1
【図3】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす斜視図2
【図4】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす斜視図3
【図5】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす平面図
【図6】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす正面図
【図7】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす左側面図
【図8】図5におけるD矢視図
【図9】図8におけるF矢視図
【図10】本発明の実施の形態の変形例を表わす左側面図
【図11】本発明の実施の形態の変形例を表わすF矢視図
【図12】円筒形状のワークの測定を説明する概念図
【図13】第1従来例を表わす斜視図1
【図14】第1従来例を表わす斜視図2
【図15】第2従来例を表わす左側面図
【図16】第3従来例を表わす正面図
【符号の説明】
【0057】
10…検出器支持装置、11…第1のアーム、12…第2のアーム、13…回転軸部材、14、15…つまみ、16A、16B…位置決めピン、21…保持台、31…検出器、KC…検出器の軸心、HC…移動軸、RC…回転軸心、W…ワーク、WC…回転中心線
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器支持装置に関するもので、特に真円度測定機などに用いられワークの微小変位を検出する検出器を支持する検出器支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
円筒形状のワークはその軸心を中心に回転され、真円度や円筒度等が測定される。例えば図12に示すような鍔付のワークの場合は、ワークWを回転中心線WCの回りに回転させ、レバー式等の検出器31の接触子Pを円筒外周部に当接させて外周部の振れを検出し外周部の真円度を測定する。あるいは検出器31の接触子Pを孔の内周部に当接させて孔の真円度を測定し、また接触子Pを鍔部上面に当接させて鍔部の振れを検出する。
【0003】
この場合、例えば検出器31の姿勢を垂直に支持し検出方向を水平方向にした状態で円筒外周部の振れを検出し、次に検出器31の姿勢を水平に支持替えするとともに、検出方向を垂直方向に調整して鍔部の振れを検出する必要がある。
【0004】
このため、検出器31の検出方向切換えを容易に可能にすべく、種々の検出器支持装置が提案され、そのような検出器支持装置を備えた真円度測定機も提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照。)。
【0005】
特許文献1に記載された検出器支持装置は、図13及び図14に示すようなものである。即ちL字状の支持アーム111の一端が水平垂直微調機構22を介して保持台に回転可能に取り付けられ、他端には検出器31が固定されている。検出器31を垂直に支持した状態(図13)から支持アーム111を90°回転させ、図14に示すように、検出器31の姿勢を水平方向に切換えるようになっている。
【0006】
この場合、支持アーム111を90°回転させて検出器31の姿勢を水平に切換えても、検出方向は水平方向のままであるので、検出方向を垂直方向に切換えるために、検出器31を検出器の軸心の回りに90°回転させる。
【0007】
また、特許文献2に記載された検出器支持装置は、図15に示すように、保持台21に固定された第1のアーム211に対して検出器31を支持した第2のアーム212が、垂直方向に対して1方向に45°傾斜した回転軸心RCを中心に180°回転するようになっている。
【0008】
この場合、検出器31が垂直姿勢で接触子Pの検出方向は図の矢印H方向(紙面に垂直方向であり、次に第2のアーム212を180°回転させて図の二点鎖線で示すように検出器31の姿勢を水平に切換えても、検出方向は図の矢印H方向のままであるので、検出方向を垂直方向(図の矢印Vの方向)に切換えるために、検出器31を検出器の軸心KCの回りに90°回転させる。
【0009】
また、特許文献3に記載された検出器支持装置は、図16に示すような構造になっている。即ち、保持台21に固定された第1のアーム311の他端には、垂直方向に対して保持台21の移動軸HC側に45°傾斜した回転軸心RCが設けられ、検出器31を支持した第2のアーム312が回転軸心RCの回りに回転可能に構成されている。
【0010】
図16(a)に示すように、水平姿勢で支持された検出器31のレバー31aが検出器本体に対して90°折り曲げられ、先端の接触子PでワークWの外周部の振れを検出する。第2のアーム312を180°回転させると図16(b)に示すように、ワークWの鍔部の上面の振れを検出することができる。この場合は検出器31を軸心KCの回りに回転させる必要がない。
【特許文献1】特開平11−063971号公報
【特許文献2】特開平07−091949号公報
【特許文献3】特開平06−300505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、前述の特許文献1(特開平11−063971号公報)及び特許文献2(特開平07−091949号公報)に記載された検出器支持装置では、検出器31の検出方向を水平方向から垂直方向に切換える場合、検出器31を取り付けたアームを回転させるとともに、検出器31を検出器31の軸心回りに90°回転させなければならず、ワンモーションで切換えることができず煩雑であった。
【0012】
また、前述の特許文献1の検出器支持装置の場合、検出器31が垂直姿勢のときに接触子の位置が支持アーム111の下端よりも上にあるため、大径ワークの中央部の孔を測定する場合にワークの外周部が支持アーム111の下端と干渉するという問題があった。
【0013】
また、前述の特許文献3(特開平06−300505号公報)に記載された検出器支持装置では、ワンモーションで検出方向を水平方向から垂直方向に切換えることができるが、前述の特許文献1の検出器支持装置同様、懐が狭いので、大径ワークの中央部の孔を測定する場合に問題があった。また、検出方向を垂直方向とした時に、保持台21の移動軸HCと直交する方向から検出器31のレバー31aを付き出すことができず、種々の測定対象に対して対応幅が狭いという問題も有していた。
【0014】
前述の特許文献1及び特許文献3の検出器支持装置の場合に、検出器31の取付位置を下げるかあるいは軸方向に長いレバーを有する検出器31を用いることによって、接触子の位置を保持台よりも下方に下げることができるが、このようにすると、検出器31の姿勢切換え前後で接触子の位置が大きくずれ、そのために検出器支持装置を水平方向及び垂直方向に大きく移動させなければならない。
【0015】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、種々のワークに対して検出器の検出方向をワンモーションで切換え、円筒外周面、内周面及び平面の測定を容易に行うことのできる検出器支持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は前記目的を達成するために、検出器支持装置は、ワークに対して相対的に直線移動可能な保持台に一端が固定され、他端に回転軸心を有する第1のアームと、前記回転軸心を中心に前記第1のアームに対して回転自在に設けられ、先端に検出器を取り付ける第2のアームとを有し、前記回転軸心は、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ前記保持台の移動軸を含む平面への投影図において、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜して設けられ、前記第2のアームに取り付けられた検出器の軸心が前記回転軸心と交差するように構成されたことを特徴とする。
【0017】
また本発明は、前記発明において、前記第2のアームを120°回転させることによって、前記検出器の検出方向が直交する方向に切り替わることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、検出器支持装置は、検出器を保持した第2のアームが、保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ保持台の移動軸を含む平面への投影図において、保持台の移動軸に対して45°傾斜して設けられた回転軸心の回りに回転可能に支持され、第2のアームに取り付けられた検出器の軸心が回転軸心と交差するように構成され、第2のアームを120°回転させるだけで検出器の検出方向が90°切換えられるので、検出器の検出方向をワンモーションで水平方向から垂直方向に切換えることができる。
【0019】
また本発明は、前記発明において、前記検出器による検出点が、前記保持台の移動軸から離間した位置になるように前記検出器が取り付けられることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、検出器の検出点が、保持台の移動軸から離間した位置になるので、大径ワークの孔の内周測定においてもワークと保持台とが干渉することがない。
【0021】
更に本発明は、前記発明において、前記検出器による検出点が前記回転軸心上の点と一致するように前記検出器を取り付けたときに、前記第2のアームを120°回転させて前記検出方向を直交する方向に切り替えても、前記検出点が移動しないことを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、検出器の検出方向を切換えても検出点が移動しないので、切換え後に検出器支持装置を大きく移動調整する必要がない。
【0023】
また、本発明は前記発明において、前記第2のアームを前記回転軸心のまわりに回転駆動する駆動手段が設けられ、前記検出器の検出方向を自動切換えすることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、第2のアームが駆動手段によって自動回転され、検出器の検出方向が自動切換えされるので、測定の自動化が図れる。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように本発明の検出器支持装置によれば、検出器の検出方向を水平方向から垂直方向までワンモーションで容易に切換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下添付図面に従って本発明に係る検出器支持装置の好ましい実施の形態について詳説する。尚、各図において同一部材には同一の番号または記号を付している。
【0027】
本発明に係る検出器支持装置は、円筒形状のワークの真円度や円筒度等を測定する真円度測定機等に好適に用いられるが、最初にこの真円度測定機についてその概要を説明する。
【0028】
図1は、真円度測定機の外観を表わす正面図である。真円度測定機20は、ベース26、ワークWを載置して回転中心線WCの回りに高精度で回転する回転テーブル25、ベース26上に立設されたコラム24、コラム24に沿って図のZ方向に上下移動する上下移動台23、上下移動台23に取り付けられ回転中心線WCに向かった移動軸HCに沿って図のX方向に水平移動する保持台21、及び図示しない管制部等からなっている。
【0029】
保持台21には、検出器支持装置10を介して検出器31が取り付けられている。検出器31は、差動変圧器を組込んだレバー式検出器等が用いられる。なお、検出器31はこれに限らず、デジタルスケールを用いたものや、光干渉式の検出器等が用いられてもよい。
【0030】
円筒形状のワークWの真円度を測定する場合は、図1に示すように、先ずワークWを回転テーブル25上に載置する。この時、ワークWの軸心と回転中心線WCとがほぼ一致するように載置位置を調整する。
【0031】
この載置位置の調整は、検出器支持装置10を介して検出器31を保持した保持台21を移動軸HCに沿ってワークW方向に移動させ、検出器31の接触子PをワークWの外周面に当接させ、回転テーブル25を回転させながら低倍率でワークWの振れを見て、振れが小さくなるように載置位置を調整する。この場合、ワークWの軸心と回転中心線WCとが完全一致しなくても、測定値を解析する段階で偏心補正ソフトを用いてデータを補正することができる。
【0032】
次に、測定倍率を高倍率に切換えて、ワークWの1回転分のデータを取り込む。このデータを管制部で解析し、ワークWの外周部の真円度を算出する。算出結果は管制部に設けられた表示部に表示するとともに、必要に応じ付属のプリンタ等で記録する。
【0033】
ワークWが前出の図12に示すような鍔付の場合、鍔の面の振れが測定される。この場合は、検出器31の姿勢を切換えて、検出方向を垂直方向に切換える。この検出器31の姿勢切換えは、検出器支持装置10で行う。
【0034】
図2、図3、及び図4は、本発明に係る検出器支持装置10の実施の形態を表わす斜視図で、図2は検出器31を垂直姿勢で支持した状態を表わし、図4は検出器31を水平姿勢に切換えた状態を表わしている。また、図3は検出器31の垂直姿勢と水平姿勢との中間姿勢の状態を表わしている。
【0035】
また、図5は検出器支持装置10の図2の状態を示す平面図で、図6は正面図、図7は左側面図である。更に図8は、図5におけるD矢視図で、図9は図8におけるF矢視図である。
【0036】
検出器支持装置10は、第1のアーム11、第2のアーム12、及び回転軸部材13等で構成されている。第1のアーム11は、図2及び図5等に示すように、長手方向の途中で45°曲折するとともに垂直面に対して45°ひねられた形状をしており、その一端が水平垂直微調機構22を介して保持台21に固定されている。
【0037】
保持台21は、図5に示すように、ワークWの回転中心線WCに向かった移動軸HCに沿って直線移動可能に設けられた測定装置の一部分である。また、水平垂直微調機構22は、つまみ22Aを回転させることによって水平方向の微動がなされ、つまみ22Bを回転させることによって垂直方向の微動がなされる。
【0038】
第1のアーム11の他端、即ち長手方向に45°曲折するとともに垂直面に対して45°ひねられた部分の端部の外側面11aには、外側面11aに垂直に孔11bが形成されている。
【0039】
外側面11aの孔11bには、回転軸部材13が強嵌合されている。回転軸部材13は、図8に示すように、上部に雄ネジ13bが形成され、中間部が回転案内部13aで、その下部に鍔を介して強嵌合部13cが形成されている。この回転軸部材13が強嵌合部13cで孔11bに強嵌合された状態で、回転軸部材13の軸心が回転軸心RCを形成するようになっている。
【0040】
第2のアーム12は、図3及び図8等に示すように、長手方向に鈍角に曲折された形状を有しており、基端側に孔12aが形成され、回転軸部材13の回転案内部13aと滑合されて、第1のアーム11に対して回転可能になっている。回転軸部材13の雄ネジ13bにはつまみ14が螺合され、第2のアーム12と回転軸部材13との間の回転力が調整可能になっている。また、つまみ14を締め込むことによってクランプすることもできるようになっている。また、図3及び図4に示すように、第2のアーム12にはカバー17が取り付けられている。
【0041】
第2のアーム12の他端側には図5に示すように、孔12bとそれに係絡するスリ割が形成されている。このスリ割の奥側は片方にのみ幅広になり、この片方を薄肉化してばね効果を持たせている。このスリ割に対して横方向にネジ孔が形成され、つまみ15を締め込むことにより孔12bで検出器31の保持部31aをクランプするようになっている。
【0042】
検出器支持装置10はこのように構成されているので、第2のアーム12の第1のアーム11に対する回転軸心RCは、図5、図6、及び図7に示すように、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ保持台21の移動軸HCを含む平面への投影図において、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜して設けられたしている。
【0043】
言い換えれば、回転軸心RCは、ワークWの回転中心線WCに対して45°傾斜するとともに、回転中心線WCと直交する面への投影図において、保持台21の移動軸HCに対して45°傾斜している。このため、図6において回転軸心RCは移動軸HCに対して45°傾斜し、図7において回転軸心RCは移動軸HCを含む面に対して45°傾斜している。
【0044】
また、第2のアーム12に検出器31を取り付けたときに、検出器31の軸心KCと第2のアーム12の回転軸心RCとが交差する。従って、図6において、回転軸心RCと移動軸HCとの公転から検出器31の軸心KCまでの距離Aは、移動軸HCから検出器31の軸心KCと回転軸心RCとの交点までの距離Bと等しい。また、図7において、移動軸HCを含む面と回転軸心RCとの交点から移動軸HCまでの距離Cは、前述の距離Aと等しい。
【0045】
検出器支持装置10はこのように構成され、第2のアーム12を第1のアーム11に対して120°回転させると、第2のアーム12に垂直姿勢で取り付けられた検出器31が図3及び図7に示すように、水平姿勢に変化し、検出方向も水平方向Hから垂直方向Vに切換えられる。また、0°と120°の間の中間で固定することもでき、この場合は検出方向も水平方向Hと垂直方向Vとの中間方向となる。
【0046】
また、図9に示すように、第1のアーム11には位置決めピン16A、16Bが設けられ、位置決めピン16A、16Bが第2のアーム12の側面に当接して第2のアーム12の回転角度を120°に規制している。
【0047】
また、検出器の検出点を第2のアーム12の回転軸心RC上の1点と一致させた場合、第2のアーム12を回転させて検出器の検出方向を切換えても、検出点が移動しない。このため、検出方向を切換えたときに検出器を水平方向及び垂直方向に大きく移動させる必要がなく、測定時間を短縮することができる。
【0048】
更に、検出器の検出点が保持台21の移動軸HCより下方に位置しているため、大径ワークに形成された孔の内面測定において、ワークWが検出器支持装置10や保持台21等と干渉することがない。
【0049】
このように、本発明の検出器支持装置10によれば、検出器31の検出方向をワンモーションで切換えることができ、切換えによる検出点の移動がなく、検出点も保持台21より下方に設定でき、種々のワークWに対して内周面、外周面、及び平面の測定に容易に対応させることができる。
【0050】
次に、本実施の形態の変形例について図10、及び図11に基づいて説明する。図10は前出の図7に対応する左側面図で、図11は前出の図9に対応するF矢視図である。
【0051】
図10、図11に示すように、検出器支持装置10Aは前述した検出器支持装置10に対し、第1のアーム11の回転を自動回転可能にしたものである。
【0052】
先ず、回転軸部材13にウオームホイール43を取り付け、第2のアーム12に固定された駆動手段であるモータ41に取り付けられたウオーム42と噛み合わせ、モータ41の回転により第2のアーム12がウオームホイール43の回りに回転するようになっている。また、検出器31を第2のアーム12に対し回転可能に支持させ、モータによって検出器31が検出器31の軸心KCを中心に回転するように構成することもできる。
【0053】
なお、検出器支持装置10Aのその他の構成は検出器支持装置10と同じであり、説明は省略する。
【0054】
検出器支持装置10Aはこのように構成されているので、検出器31の検出方向を水平方向から垂直方向まで自動切換えすることができ、また検出器31が検出器31の軸心KCを中心に自動回転するように構成した場合は、同じ水平方向内又は同じ垂直方向内で夫々検出方向を自動で逆方向に切換えることができる。このため、ワークWの内周面、外周面、鍔部の上面、下面の各測定を自動で迅速に行うことができる。
【0055】
なお、前述した実施の形態において、本発明の検出器支持装置を用いた真円度測定機として、ワークWが回転中心線WCを中心に回転するワーク回転式真円度測定機20で説明したが、本発明の検出器支持装置10は、ワーク回転式真円度測定機20に限らず、ワークWが固定で検出器31が回転中心線WCの回りに回転する検出器回転式真円度測定機にも好適に用いることができ、また真円度測定機に限らずその他種々の測定装置にも効果的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】真円度測定機の外観を表わす正面図
【図2】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす斜視図1
【図3】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす斜視図2
【図4】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす斜視図3
【図5】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす平面図
【図6】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす正面図
【図7】本発明に係る検出器支持装置の実施の形態を表わす左側面図
【図8】図5におけるD矢視図
【図9】図8におけるF矢視図
【図10】本発明の実施の形態の変形例を表わす左側面図
【図11】本発明の実施の形態の変形例を表わすF矢視図
【図12】円筒形状のワークの測定を説明する概念図
【図13】第1従来例を表わす斜視図1
【図14】第1従来例を表わす斜視図2
【図15】第2従来例を表わす左側面図
【図16】第3従来例を表わす正面図
【符号の説明】
【0057】
10…検出器支持装置、11…第1のアーム、12…第2のアーム、13…回転軸部材、14、15…つまみ、16A、16B…位置決めピン、21…保持台、31…検出器、KC…検出器の軸心、HC…移動軸、RC…回転軸心、W…ワーク、WC…回転中心線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対して相対的に直線移動可能な保持台に一端が固定され、他端に回転軸心を有する第1のアームと、
前記回転軸心を中心に前記第1のアームに対して回転自在に設けられ、先端に検出器を取り付ける第2のアームとを有し、
前記回転軸心は、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ前記保持台の移動軸を含む平面への投影図において、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜して設けられ、
前記第2のアームに取り付けられた検出器の軸心が前記回転軸心と交差するように構成されたことを特徴とする検出器支持装置。
【請求項2】
前記第2のアームを120°回転させることによって、前記検出器の検出方向が直交する方向に切り替わることを特徴とする請求項1に記載の検出器支持装置。
【請求項3】
前記検出器による検出点が、前記保持台の移動軸から離間した位置になるように前記検出器が取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検出器支持装置。
【請求項4】
前記検出器による検出点が前記回転軸心上の点と一致するように前記検出器を取り付けたときに、前記第2のアームを120°回転させて前記検出方向を直交する方向に切り替えても、前記検出点が移動しないことを特徴とする請求項2に記載の検出器支持装置。
【請求項5】
前記第2のアームを前記回転軸心のまわりに回転駆動する駆動手段が設けられ、前記検出器の検出方向を自動切換えすることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の検出器支持装置。
【請求項1】
ワークに対して相対的に直線移動可能な保持台に一端が固定され、他端に回転軸心を有する第1のアームと、
前記回転軸心を中心に前記第1のアームに対して回転自在に設けられ、先端に検出器を取り付ける第2のアームとを有し、
前記回転軸心は、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面上に設けられるとともに、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜した平面に対して45°傾斜した平面でかつ前記保持台の移動軸を含む平面への投影図において、前記保持台の移動軸に対して45°傾斜して設けられ、
前記第2のアームに取り付けられた検出器の軸心が前記回転軸心と交差するように構成されたことを特徴とする検出器支持装置。
【請求項2】
前記第2のアームを120°回転させることによって、前記検出器の検出方向が直交する方向に切り替わることを特徴とする請求項1に記載の検出器支持装置。
【請求項3】
前記検出器による検出点が、前記保持台の移動軸から離間した位置になるように前記検出器が取り付けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の検出器支持装置。
【請求項4】
前記検出器による検出点が前記回転軸心上の点と一致するように前記検出器を取り付けたときに、前記第2のアームを120°回転させて前記検出方向を直交する方向に切り替えても、前記検出点が移動しないことを特徴とする請求項2に記載の検出器支持装置。
【請求項5】
前記第2のアームを前記回転軸心のまわりに回転駆動する駆動手段が設けられ、前記検出器の検出方向を自動切換えすることを特徴とする請求項2又は請求項4に記載の検出器支持装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−145344(P2006−145344A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334691(P2004−334691)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成16年11月1日から11月8日 社団法人日本工作機械工業会、株式会社東京ビッグサイト共催の「JIMTOF2004(第22回 日本国際工作機械見本市)」に出品
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成16年11月1日から11月8日 社団法人日本工作機械工業会、株式会社東京ビッグサイト共催の「JIMTOF2004(第22回 日本国際工作機械見本市)」に出品
【出願人】(000151494)株式会社東京精密 (592)
【Fターム(参考)】
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