説明

検査回路及び電子回路

【課題】検査端子数を低減する
【解決手段】第1入力端子a1と第1Yドライバ110との間にはこれらを電気的に接続
する第1配線L1が設けられており、第2入力端子b1と第2Yドライバ120との間に
はこれらを電気的に接続する第2配線L2とが設けられている。選択回路210は、通常
時において第1配線L1と第2配線L2及び検査端子T1を電気的に分離し、検査時にお
いて第1配線L1、第2配線L2及び検査端子T1を電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査回路及び電子回路に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機EL発光装置などでは、液晶素子やOLED素子といった電気光学
素子とともに、これらの電気光学素子を駆動するための駆動回路が同一基板上に形成され
ることが多い。加えて、駆動回路が正常に動作するか否かを検査するため、検査回路を同
一基板に組み込むことがある。
特許文献1には、複数の走査線と複数のデータ線と、走査線とデータ線の交差に対応し
て設けられた複数の画素回路とが表示領域に形成され、表示領域の左右の辺に沿って走査
線駆動回路を2個配置し、2つの走査線駆動回路を用いて複数の走査線を駆動する表示装
置が開示されている。また、この表示装置では、2個の走査線駆動回路を各々検査するた
めに、独立した外部入力端子が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−65015号(図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では異なる走査線回路を検査するために、各々の走査線回路
に対応して検査用の入力端子を設けていた。このため、検査用の入力端子の数が多くなり
、検査プローブ作成時にピン数が多く必要となりコストが増大する。また、接触する端子
が多いほど、検査時にプローブが端子を擦ることで発生する金属屑の発生確率が高くなり
、表示装置の信頼性を低下させるという問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、検査用の入力端子の数を減らし
て、コストを削減すると共に信頼性を向上させることが可能な検査回路及び電子回路を提
供することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明に係る検査回路は、基板に形成された第1入力端
子から供給される第1入力信号に従って動作し前記基板に形成された第1回路、及び前記
基板に形成された第2入力端子から供給される第2入力信号に従って動作し前記基板に形
成された第2回路の動作を検査するものであって、前記基板に形成された検査端子及び制
御端子と、前記第1入力端子と前記第1回路とを接続する第1配線と、前記第2入力端子
と前記第2回路とを接続する第2配線と、前記基板に形成された選択回路とを備え、前記
検査端子は、前記第2配線と電気的に接続され、前記選択回路は、前記制御端子から供給
される制御信号に応じて、前記第2配線と前記第1配線とを電気的に接続するか分離する
かを制御することを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、検査時には、基板上に形成された選択回路は1個の検査端子と第1
配線及び第2配線とを電気的に接続するので、検査信号を第1回路と第2回路とに供給す
ることができ、検査を行うことができる。その一方、通常時には、選択回路は第1配線と
第2配線とを電気的に分離するので、第1回路と第2回路とを別々の信号で動作させるこ
とが可能となる。よって、この発明によれば、検査端子の数を減らして、コストを削減す
ると共に信頼性を向上させることができる。
【0007】
本発明に係る検査回路は、基板に形成された第1入力端子から供給される第1入力信号
に従って動作し前記基板に形成された第1回路、及び前記基板に形成された第2入力端子
から供給される第2入力信号に従って動作し前記基板に形成された第2回路の動作を検査
するものであって、前記基板に形成された検査端子及び制御端子と、前記第1入力端子と
前記第1回路とを接続する第1配線と、前記第2入力端子と前記第2回路とを接続する第
2配線と、前記基板に形成され、前記第1回路からの距離が前記第2回路からの距離より
も短い第1選択回路と、前記基板に形成され、前記第2回路からの距離が前記第1回路か
らの距離よりも短い第2選択回路と、前記第1選択回路と前記第2選択回路とを電気的に
接続する第3配線とを備え、前記検査端子は前記第2配線と電気的に接続され、前記第1
選択回路及び前記第2選択回路は、前記制御端子に供給される制御信号に応じてオン状態
又はオフ状態の一方になるように制御され、前記制御信号が第1の状態のとき、前記第1
選択回路は前記第1配線と前記第3配線とを電気的に接続し、且つ、前記第2選択回路は
前記第2配線と前記第3配線とを電気的に接続し、前記制御信号が第2の状態のとき、前
記第1選択回路は前記第1配線と前記第3配線とを電気的に開放し、且つ、前記第2選択
回路は前記第2配線と前記第3配線とを電気的に開放することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、第1選択回路と第2選択回路とは、第3配線によって電気的に接続
される。これは、1個の検査端子から供給される検査信号を、第1回路と第2回路に引き
回すために必要な配線である。しかしながら、第3配線が長くなる程、即ち、第1回路と
第2回路の距離長くなる程、そこに付随する寄生容量は大きくなる。この発明によれば、
通常時には、第1配線と第3配線とを電気的に分離し、且つ、第2配線と第3配線とを電
気的に分離することができる。このため、通常時には第3配線に付随する寄生容量を分離
することができるので、第1入力信号及び第2入力信号の駆動が容易になる。
【0009】
ここで、前記第1選択回路は、前記第1配線と前記第3配線との間に設けられた第1ス
イッチング素子と、一方の端子が前記第3配線と接続され、他方の端子に固定電位が供給
される第2スイッチング素子とを備え、前記第2選択回路は、前記第2配線と前記第3配
線との間に設けられた第3スイッチング素子と、一方の端子が前記第3配線と接続され、
他方の端子に固定電位が供給される第4スイッチング素子とを備え、前記第1スイッチン
グ素子及び前記第3スイッチング素子は、前記制御信号が前記第1の状態のときオン状態
となる一方、前記制御信号が前記第2の状態のときオフ状態となり、前記第2スイッチン
グ素子及び前記第4スイッチング素子は、前記制御信号が前記第1の状態のときオフ状態
となる一方、前記制御信号が前記第2の状態のときオン状態となることが好ましい。
この発明によれば、検査時において第2スイッチング素子及び第4スイッチング素子が
オン状態となるので、第3配線の寄生容量に蓄積された静電気を放電させることができる
。このため、静電破壊を防止することが可能となる。また、動作時に第3配線がハイイン
ピーダンス状態となってノイズを拾うこともない。
【0010】
上述した検査回路おいて、前記検査端子の面積は、前記第1入力端子の面積より大きく
、且つ、前記第2入力端子の面積より大きく、前記制御端子の面積は、前記第1入力端子
の面積より大きく、且つ、前記第2入力端子の面積より大きいことが好ましい。この発明
によれば、検査時に用いる検査端子の面積が第1入力端子よりも大きく、また、検査端子
の面積が第2入力端子よりも大きいので、検査端子にプローブを容易に接触させることが
可能となる。
【0011】
次に、本発明に係る電子回路は、検査回路と、第1回路と、第2回路とを備えたことを
特徴とする。この発明によれば、信頼性の高い電子回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る表示装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態の画素回路の構成を示す回路図である。
【図3】同実施形態の選択回路の一例を説明するための説明図である。
【図4】選択回路及び周辺回路の構成を示す説明図である。
【図5】通常時における信号の流れを説明するための回路図である。
【図6】検査時における信号の流れを説明するための回路図である。
【図7】第2実施形態に係る表示装置の構成を説明するためのブロック図である。
【図8】同実施形態の画素回路の構成を示す回路図である。
【図9】信号の流れを説明するための等価回路図である。
【図10】画素回路の他の例を示す回路図である。
【図11】画素回路の他の例を示す回路図である。
【図12】選択回路の他の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る実施の形態を説明する。図面においては
、各部の寸法の比率は実際のものとは適宜に異ならせてある。また、本発明は、以下に述
べる各実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を変形して得られる各種の変形例
や、各実施形態またはその変形例を応用して得られる形態をも技術的範囲に含みうる。な
お、各図において共通する部分には同一の符号が付されている。
【0014】
<1.第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置1Aの構成を示すブロック図である
。電気光学装置1Aは、基板20の上に表示領域Qを形成してある。表示領域Qには、複
数の走査線10と、複数の制御線11とがX方向に平行に形成される。そして、Y方向に
複数のデータ線12が形成される。走査線10とデータ線12の交差に対応して画素回路
40Aが設けられている。
また、基板20の端部には、第1入力端子a1及びa2、第2入力端子b1及びb2、
第1検査入力端子T1、第2検査入力端子T2、制御端子T3、第1検査出力端子a3、
及び第2検査出力端子b3が設けられている。このうち、第1入力端子a1及びa2、並
びに第2入力端子b1及びb2は通常時に用いられ、第1検査入力端子T1、第2検査入
力端子T2、制御端子T3、第1検査出力端子a3、及び第2検査出力端子b3は検査時
に用いられる。また、第1検査入力端子T1、第2検査入力端子T2、制御端子T3、第
1検査出力端子a3、及び第2検査出力端子b3の各々の面積は、第1入力端子a1及び
a2、並びに第2入力端子b1及びb2の面積よりも大きい。
【0015】
具体的には、第1入力端子a1には第1クロック信号CK1が供給され、第1入力端子
a2には第1開始パルスSP1が供給される。第1Yドライバ110は第1開始パルスS
P1を第1クロック信号CK1に同期して順次シフトして走査線10に供給する信号を生
成する。なお、図1では2本の走査線を代表して走査線10と表現しているが、図2に示
すように実際には、走査線10は第1走査線10A及び第2走査線10Bで構成されてお
り、第1走査線10Aには走査信号GWRTが供給され、第2走査線10Bには初期化信
号GPREが供給される。
【0016】
また、第2入力端子b1には第2クロック信号CK2が供給され、第2入力端子b2に
は第2開始パルスSP2が供給される。第2Yドライバ120は第2開始パルスSP2を
第2クロック信号CK2に同期して順次シフトして制御線10に供給する信号を生成する
。なお、図1では2本の制御線を代表して制御線11と表現しているが、図2に示すよう
に実際には、制御線11は第1制御線11A及び第2制御線11Bで構成されており、第
1制御線11Aには補償制御信号GINIが供給され、第2制御線11Bには発光制御信
号GELが供給される。
【0017】
図2に画素回路40Aの構成を示す。画素回路40Aは、駆動トランジスタTdrとそ
のドレインとOLED素子ELの陽極との間に設けられた発光制御トランジスタTelと
を備える。さらに、駆動トランジスタTdrのゲートは容量素子C3の一方の端子と接続
されている。容量素子C3の他方の端子とデータ線13との間にはトランジスタTr1が
設けられている。また、容量素子C3の両端と電源VDDとの間には、容量素子C1及び
容量素子C2が各々設けられている。くわえて、容量素子C3の両端にはトランジスタT
r2及びTr3が設けられており、トランジスタTr2及びTr3の間にトランジスタT
r4が設けられている。
【0018】
以上の構成において、初期化期間では、初期化信号GPRE及び補償制御信号GINI
がハイレベルとなり、トランジスタTr2、Tr3、及びTr4がオン状態となる。この
ため、第3容量素子C3に蓄積された電荷が放電され、それらの電位が初期化電位VST
に設定される。なお、初期化期間では、走査信号GWRT及び発光制御信号GELがロー
レベルとなり、トランジスタTr1及び発光制御トランジスタTelがオフ状態となる。
【0019】
補償期間では、初期化信号GPREがローレベルに遷移する一方、補償制御信号GIN
Iがハイレベルとなる。このため、トランジスタTr4がオフ状態へ遷移し、トランジス
タTr2及びTr3がオン状態を維持する。このとき、容量素子C3の一方の電極の電位
は初期化電位VSTに固定される。また、駆動トランジスタTdrがダイオード接続され
、ソースからドレインに電流が流れ込む。これによって、駆動トランジスタTdrのゲー
ト・ソース間電圧は閾値電圧Vthに漸近する。
【0020】
次に、データ書込期間では、走査信号GWRTがハイレベルとなりトランジスタTr1
がオン状態となる一方、トランジスタTr2〜 Tr4、及び発光制御トランジスタTe
lがオフ状態となる。この状態で、容量素子C3の一方の端子がデータ線14に電気的に
接続される。これによって、駆動トランジスタTdrのゲート電位がデータ線14を介し
て供給されるデータ電圧に応じてシフトする。
【0021】
次に、駆動期間では、トランジスタTr1がオフ状態となり、容量素子C3がデータ線
14 から電気的に分離される。また、トランジスタTr2〜 Tr4がオフ状態となる。
その一方で、発光制御信号GELがハイレベルになり、トランジスタTelがオン状態に
なり駆動トランジスタTdrからそのゲート電位に応じた大きさの駆動電流がOLED素
子ELに供給される。このようにして、表示装置1Aは動作する。
【0022】
次に、図1に示す選択回路210は、図3に示すように2個のスイッチング素子211
及び212を備える。スイッチング素子211及び212は、画素回路40Aと同様にT
FTで形成される。ここで、スイッチング素子211に着目すると、選択回路210及び
その周辺回路は図4に示すように接続されている。第1入力端子a1と第1Yドライバ1
10との間にはこれらを電気的に接続する第1配線L1が設けられており、第2入力端子
b1と第2Yドライバ120との間にはこれらを電気的に接続する第2配線L2とが設け
られている。
【0023】
次に、表示装置1Aの動作を通常時と検査時に分けて説明する。図5に通常時における
信号の流れを示す。通常時においては、ローレベルとなる制御信号が制御端子T3を介し
て選択回路210に供給される。このため、スイッチング素子211及び212はオフ状
態となり(図3参照)、第1配線L1と第2配線L2とは電気的に分離される。この状態
で第1入力端子a1から第1クロック信号CK1が入力され第1Yドライバ110に供給
される。また、第1入力端子a2から第1開始パルスSP1が入力され第1Yドライバ1
10に供給される。さらに、第2入力端子b1から第2クロック信号CK2が入力され第
2Yドライバ120に供給される。くわえて、第2入力端子b2から第2開始パルスSP
2が入力され第2Yドライバ120に供給される。
【0024】
図6に検査時における信号の流れを示す。検査時においては、検査プローブが第1検査
入力端子T1及び第2検査入力端子T2、制御端子T3、並びに第1検査出力端子a3及
び第2検査出力端子b3と接触する。そして、ハイレベルとなる制御信号が制御端子T3
を介して選択回路210に供給される。すると、スイッチング素子211及び212はオ
ン状態となる。この状態で第1検査入力端子T1から検査クロック信号CK3が入力され
、第2検査入力端子T2から検査開始パルスSP3が入力される。検査クロック信号CK
3及び検査開始パルスSP3は、第1Yドライバ110及び第2Yドライバ120に供給
される。第1Yドライバ110及び第2Yドライバ120は、シフトレジスタを備え、検
査開始パルスSP3を順次シフトして、エンドパルスEN1及びEN2を各々出力する。
仮に、シフトレジスタが故障していると、正しいエンドパルスEN1及びEN2を得るこ
とができない。そこで、本実施形態では第1検査出力端子a3を介してエンドパルスEN
1を監視し、第2検査出力端子b3を介してエンドパルスEN2を監視して、表示装置1
Aの検査を行う。
【0025】
このように本実施形態においては、検査時には、基板20上に形成された選択回路21
0は1個の検査端子と第1配線L1及び第1配線L2とを電気的に接続するので、検査信
号を第1Yドライバ110と第2Yドライバ120とに同時に供給して検査を行うことが
できる。その一方、通常時には、選択回路210は第1配線L1と第2配線L2とを電気
的に分離するので、第1Yドライバ110と第2Yドライバ120とを別々の信号で動作
させることが可能となる。よって、検査端子の数を減らして、コストを削減すると共に信
頼性を向上させることができる。
【0026】
<2.第2実施形態>
図7に、本発明の第2実施形態に係る表示装置2Aのブロック図を示す。第2実施形態
の表示装置2Aは、選択回路210の他に選択回路220を備える点を除いて、第1実施
形態の表示装置1Aと同様に構成されている。
図8に選択回路210及び220の回路図を示す。この図に示すように選択回路210
と選択回路220は同一の構成であり、それぞれ2回路を含んでいる。選択回路210は
、スイッチング素子213及び214からなる回路と、スイッチング素子215及び21
6からなる回路とを含む。これらのスイッチング素子213〜216のゲートにハイレベ
ルとなる制御信号が供給されると、スイッチング素子213及び215がオン状態となる
一方、スイッチング素子214及び216はオフ状態となる。一方、制御信号がローレベ
ルになると、スイッチング素子213及び215がオフ状態となる一方、スイッチング素
子214及び216はオン状態となる。そして、第1選択回路210と第2選択回路L4
とは第3配線L3及び第4配線L5によって電気的に接続されている。
【0027】
図9に選択回路210及び220の等価回路を示す。但し、この等価回路は1回路分で
あり、実際には同様の回路があと1回路ある。
同図(A)は通常時における等価回路である。この図において、符号Cは、第3配線L
3に付随する寄生容量を表している。通常時においてスイッチング素子214及び224
がオン状態となるから、寄生容量Cに静電気の電荷が蓄積されたとしても放電されるので
、表示装置2Aを静電破壊から保護することができる。また、第1配線L1と第3配線L
3とを電気的に分離でき、且つ第2配線L2と第3配線L3とを電気的に分離できるので
、寄生容量Cによる波形の鈍りを改善することができる。
【0028】
同図(B)は検査時における等価回路である。この図において、検査時においてスイッ
チング素子214及び224がオフ状態となるから第3配線L3を介して信号の伝送が可
能となる。また、第1配線L1、第2配線L2、及び第3配線L3とを電気的に接続して
1個の検査端子T1から取り込んだ信号を第1Yドライバ110及び第2Yドライバ12
0に分離して供給することができる。これにより、検査端子の数を減らして、コストを削
減すると共に信頼性を向上させることができる。
【0029】
<3.変形例>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に述べる変形が
可能である。
(1)上述した第1及び第2実施形態では、図2に示す画素回路40Aを採用したが、本
発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図10に示す画素回路40Bを採用して
もよい。この画素回路40Bにおいて走査線10には、第1Yドライバ110から信号W
SLが供給される一方、制御線11には第2Yドライバ120から信号DSLが供給され
る。画素回路40Bでは、信号WSLがハイレベル(アクティブ)の期間にトランジスタ
Tr1がオン状態となりデータ線12を介してデータ信号が保持容量C1に書き込まれる
。そして、信号DSLがハイレベルになると、駆動トランジスタTdrのゲート電位に応
じた電流がOLED素子ELに供給され、OLED素子ELが発光する。
【0030】
(2)上述した第1及び第2実施形態並びに変形例は、表示装置に係るものであったが、
本発明は、撮像装置にも適用可能である。この場合には、画素回路40Aの替わりに図1
1に示す画素回路40Cを採用すればよい。画素回路40Cは、増幅トランジスタ41、
選択トランジスタ42、初期化トランジスタ43、及びフォトダイオード44を備える。
この画素回路40Cにおいて走査線10には、第1Yドライバ110から信号GRSTが
供給される一方、制御線11には第2Yドライバ120から信号GSELが供給される。
初期化期間では信号GRSTがハイレベルとなり、トランジスタ43がオン状態となり
、増幅トランジスタ41のゲート電位が電源電位VDDに初期化される。これに続く露光
期間では、入射光の光量に応じた電流がフォトダイオードを流れ、駆動トランジスタ41
のゲート電位が変化する。そして、読出期間においては、信号GSELがハイレベルとな
り選択トランジスタ42がオン状態となる。これによって、データ線12に入射光の光量
に応じた電流が増幅トランジスタ41を介して流れる。
【0031】
(3)第2実施形態では、図8に示したように、選択回路210がスイッチング素子21
4を有するとともに選択回路220がスイッチング素子224を有する構成を例示した。
しかし、通常時に第3配線L3が定電位に設定されればよい(寄生容量Cが放電されれば
よい)から、図12に示すように、スイッチング素子214およびスイッチング素子22
4の一方を省略しても良い。同様に、選択回路210のスイッチング素子216および選
択回路220のスイッチング素子226の一方を省略しても良い。図12には、図8にお
けるスイッチング素子214とスイッチング素子216とを省略した構成を例示した。
【符号の説明】
【0032】
1A,1B……表示装置、10……走査線、11……制御線、12……データ線、20
……基板、110……第1Yドライバ、120……第2Yドライバ、210,220……
選択回路、40A,40B,40C……画素回路、L1……第1配線、L2……第2配線、
L3……第3配線、a1,a2……第1入力端子、b1,b2……第2入力端子、T1〜T
3……検査端子。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に形成された第1入力端子から供給される第1入力信号に従って動作し前記基板に
形成された第1回路、及び前記基板に形成された第2入力端子から供給される第2入力信
号に従って動作し前記基板に形成された第2回路の動作を検査する検査回路であって、
前記基板に形成された検査端子及び制御端子と、
前記第1入力端子と前記第1回路とを接続する第1配線と、
前記第2入力端子と前記第2回路とを接続する第2配線と、
前記基板に形成された選択回路とを備え、
前記検査端子は、前記第2配線と電気的に接続され、
前記選択回路は、前記制御端子から供給される制御信号に応じて、前記第2配線と前記
第1配線とを電気的に接続するか分離するかを制御する、
ことを特徴とする検査回路。
【請求項2】
基板に形成された第1入力端子から供給される第1入力信号に従って動作し前記基板に
形成された第1回路、及び前記基板に形成された第2入力端子から供給される第2入力信
号に従って動作し前記基板に形成された第2回路の動作を検査する検査回路であって、
前記基板に形成された検査端子及び制御端子と、
前記第1入力端子と前記第1回路とを接続する第1配線と、
前記第2入力端子と前記第2回路とを接続する第2配線と、
前記基板に形成され、前記第1回路からの距離が前記第2回路からの距離よりも短い第
1選択回路と、
前記基板に形成され、前記第2回路からの距離が前記第1回路からの距離よりも短い第
2選択回路と、
前記第1選択回路と前記第2選択回路とを電気的に接続する第3配線とを備え、
前記検査端子は前記第2配線と電気的に接続され、
前記第1選択回路及び前記第2選択回路は、前記制御端子に供給される制御信号に応じ
てオン状態又はオフ状態の一方になるように制御され、
前記制御信号が第1の状態のとき、前記第1選択回路は前記第1配線と前記第3配線と
を電気的に接続し、且つ、前記第2選択回路は前記第2配線と前記第3配線とを電気的に
接続し、
前記制御信号が第2の状態のとき、前記第1選択回路は前記第1配線と前記第3配線と
を電気的に開放し、且つ、前記第2選択回路は前記第2配線と前記第3配線とを電気的に
開放する、
ことを特徴とする検査回路。
【請求項3】
前記第1選択回路は、
前記第1配線と前記第3配線との間に設けられた第1スイッチング素子と、
一方の端子が前記第3配線と接続され、他方の端子に固定電位が供給される第2スイッ
チング素子とを備え、
前記第2選択回路は、
前記第2配線と前記第3配線との間に設けられた第3スイッチング素子と、
一方の端子が前記第3配線と接続され、他方の端子に固定電位が供給される第4スイッ
チング素子とを備え、
前記第1スイッチング素子及び前記第3スイッチング素子は、前記制御信号が前記第1
の状態のときオン状態となる一方、前記制御信号が前記第2の状態のときオフ状態となり

前記第2スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子は、前記制御信号が前記第1
の状態のときオフ状態となる一方、前記制御信号が前記第2の状態のときオン状態となる

ことを特徴とする検査回路。
【請求項4】
前記検査端子の面積は、前記第1入力端子の面積より大きく、且つ、前記第2入力端子
の面積より大きく、
前記制御端子の面積は、前記第1入力端子の面積より大きく、且つ、前記第2入力端子
の面積より大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の検査回路。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の検査回路と、
前記第1回路と、
前記第2回路とを、
備えたことを特徴とする電子回路。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−230526(P2010−230526A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−78891(P2009−78891)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】