説明

樹脂モールド装置

【課題】樹脂モールド後の成形品を検査して良品のみを加熱硬化させる一連の作業をコンパクトな装置構成で効率よく実現でき、ワークに反りが発生することなくしかも装置内への放熱を抑えた樹脂モールド装置を提供する。
【解決手段】樹脂モールド後のワークWをキュア炉43内に設けられたスリット43aにキャリアプレートKを挿入して保持させたまま当該キュア炉43を密閉してモールド樹脂を加熱硬化させる加熱硬化部Eをプレス部Cからワーク収納部Fに至るワーク搬送路の一部に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップがキャリアプレート上に保持されたワークを樹脂とともにプレス部に搬入して樹脂モールドが行われる樹脂モールド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワークを複数プレス部に対して供給して樹脂モールドする場合、各プレス部にはローダーによってワーク及び樹脂(タブレット樹脂、液状樹脂、粉末・顆粒状樹脂、或いはペースト状樹脂など)をプレス部に備えたモールド金型に搬入してクランプすることで樹脂モールドされる。このとき、複数プレス部において効率的に樹脂モールドを行なうためには、ローダーや減圧装置を各プレス部において兼用することによるコンパクト化のほかに、成形サイクルを最も遅いプレス部の樹脂モールド動作に合わせて行うことが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−83027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ワークを供給しプレス部に対して搬入搬出するだけでなく、成形品の良否判定を行なってから良品のみを加熱硬化させて冷却後のワークを収納する一連の装置をコンパクトに配置し、しかも工程間の連係をとって作業効率を高めたいというニーズがあった。
一般にモールド樹脂の架橋反応を進めて加熱硬化するためのキュア炉は、ワークをキュア炉に対して搬入搬出する際の放熱が他の工程や環境に与える影響が大きいため、樹脂モールド装置に組み込まれて設けることは行われていない。また、限られた台数のプレス部で樹脂モールドされた成形品を順次キュア炉に搬入搬出する作業を樹脂モールドとは別の装置で行うことは作業効率が悪く成形品が冷えて反りが発生するおそれがある。
また、複数プレス部を備え、異なる製品についてワークの供給から樹脂モールドを行なって良品のみを加熱硬化させて収納するまでの一連の作業を効率良く行う装置構成については何ら開示がない。また、これら各工程を行なう装置を単に寄せ集めても設置面積が大きくなり組立作業やメンテナンスに手間がかかるうえに制御動作が複雑になるおそれもある。
【0005】
本発明は上記従来技術の課題を解決し、樹脂モールド後の成形品を検査して良品のみを加熱硬化させる一連の作業をコンパクトな装置構成で効率よく実現でき、ワークに反りが発生することなくしかも装置内への放熱を抑えた樹脂モールド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するため、次の構成を備える。
半導体チップがキャリアプレート上に保持されたワークを樹脂とともにプレス部に搬入して樹脂モールドが行われる樹脂モールド装置であって、樹脂モールド後のワークをキュア炉内に設けられた複数の保持部に保持させたまま当該キュア炉を密閉してモールド樹脂を加熱硬化させる加熱硬化部を前記プレス部からワーク収納部に至るワーク搬送路の一部に備えていることを特徴とする。
【0007】
上記構成によれば、プレス部からワーク収納部に至るワーク搬送路の一部に加熱硬化部を組み込まれているので、樹脂モールド後の成形品を迅速にキュア炉に搬入してモールド樹脂を加熱硬化させることができる。よって、作業効率が向上し成形品が冷えて反りが発生するおそれもなくなる。
【0008】
また、ワーク搬送エリアに臨む搬入搬出側に複数の開口部を有する内扉が設けられた前記キュア炉が設けられており、前記内扉の内方には各開口部を常時遮断する開閉扉が個別に開閉可能に設けられ、前記開閉扉を個別に開放してキャリアプレートをスリットに挿入してワーク保持させたまま加熱硬化させ、加熱硬化が完了したワークは前記開閉扉を個別に開放して取り出されることを特徴とする。
【0009】
これにより、複数のワークの設置面積を取らずにコンパクトにキュア炉内に収納して加熱硬化させることができる。キュア炉に対して開閉扉を個別に開閉するだけでワークをキュア炉内に搬入搬出することができるので、炉内の温度の低下を防ぎ、かつ搬送エリア側への放熱を抑制することができる。
【0010】
また、ワーク搬送機構としてワークをロボットハンドに保持して各工程間を搬送する回転及び直線移動可能な多関節ロボットを備え、該多関節ロボットのロボットハンドにワークを保持したまま開閉扉を開閉してキュア炉内に進退動することでワークの搬入搬出動作が行われることを特徴とする。
【0011】
これにより、多関節ロボットのロボットハンドにワークを保持したまま開閉扉を開閉してキュア炉内に進退動することでワークの搬入搬出動作が行われるので、多関節ロボットの姿勢制御によりワークを保持したロボットハンドを位置合わせして異なる開閉扉を個別に開閉させて進退動することでワークの搬入搬出動作を迅速に行うことができる。
【0012】
また、前記多関節ロボットの移動範囲を囲んでワーク供給部、樹脂供給部、プレス部、ワーク検査部、加熱硬化部、冷却部、ワーク収納部及び制御部が各々配置され、前記ワーク検査部で樹脂モールド後の成形品の厚さ及び外観を検査して良品のみを加熱硬化部のキュア炉に搬入してモールド樹脂を加熱硬化させることを特徴とする。
【0013】
これにより、ワークや樹脂の供給から樹脂モールドを行なって成形品を検査して良品のみを加熱硬化させて収納するまでの一連の作業を効率よくしかも製品に応じた仕様で樹脂モールドすることができる。
【発明の効果】
【0014】
上記樹脂モールド装置を用いれば、ワークや樹脂のプレス部への供給から樹脂モールド後の成形品を検査して良品のみを加熱硬化させる一連の作業をコンパクトな装置構成で効率よく実現でき、ワークに反りが発生することなくしかも装置内への放熱を抑えた樹脂モールド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】樹脂モールド装置の全体構成例を示す平面レイアウト図である。
【図2】多関節ロボットの側面図及びロボットハンドの説明図である。
【図3】プレス部の圧縮成形動作を示す断面説明図である。
【図4】ワーク検査部の説明図である。
【図5】加熱硬化部のシャッター開閉動作を示す説明図である。
【図6】内扉を閉じた状態のキュア炉の正面図及び内扉を開放した状態のキュア炉の正面図である。
【図7】キュア炉に対するロボットハンドのワーク搬入動作の一例を示す状態図である。
【図8】ワーク搬送機構によるプレス部へのワーク供給動作のタイミングを示すタイミングチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る樹脂モールド装置の好適な実施の形態について添付図面と共に詳述する。以下の実施形態では、プレス装置の一例として圧縮成形装置を用い、下型を可動型とし上型を固定型として説明する。
【0017】
(樹脂モールド装置の全体構成)
図1は、本発明に係る樹脂モールド装置の一実施形態である平面レイアウト図である。本実施形態の樹脂モールド装置は、ワーク搬送機構Hに備えた多関節ロボットの移動範囲を囲んでワーク供給部A、樹脂供給部B、プレス部C、ワーク検査部D(冷却部)、加熱硬化部E及びワーク収納部Fのような各処理工程を行う処理部と、これらの処理部の動作を制御する制御部Gが配置されている。プレス部Cの近傍には情報読取り部Iが設けられている。また、樹脂供給部Bの近傍には、表示部J及び操作部Mが設けられている。このように多関節ロボットの移動範囲を囲んで各工程を配置したことにより、移動距離が短縮されて工程間で効率の良いワーク搬送が実現できる。特に樹脂モールド装置に加熱硬化部Eを組み込まれているので、樹脂モールド後の成形品を迅速にキュア炉に搬入して加熱硬化させることができる。以下各部の構成について具体的に説明する。
【0018】
図1において、ワークWは、半導体チップがキャリア上に保持されたものが用いられる。このワークWは、例えばE−WLP(Embedded Wafer Level Package)若しくはeWLB (embededd Wafer Lebel BGA)と呼ばれる樹脂封止方法に用いられるものである。具体的には、例えばウエハ搬送治具のような周辺装置を共用するため半導体ウエハと同じサイズとして、直径12インチ(約30cm)の丸型の金属製(SUS等)のキャリアプレートKに熱はく離性を有する粘着シート(粘着テープ)が貼着されており、該粘着シートに複数の半導体チップが行列状に粘着されたものが用いられる。各ワークWの縁部には、製品に関する情報が対応付けられた情報コード(QRコード、バーコード等)が付与されている。なお、キャリアプレートKは矩形状であってもよい。この場合、半導体チップを複数行の行列状配置する場合、半導体チップが配置できないエリアを小さくすることができ成形効率上好ましい。
【0019】
また、ワークWとしては、半導体チップがキャリアプレートK上に保持されたE−WLP(eWLB)用のワークWではなく、再配線層にボールマウントしたウエハを樹脂モールドするウエハレベルパッケージ(WLP)のワークWであってもよい。この場合、可能なときはウエハ自体に情報コードを付与してもよいし、マガジンの各スリット(収納位置)に対して個別に情報コードを付与してもよい。更に、ワークWは半導体チップが実装された樹脂基板やリードフレームであっても良い。
【0020】
(表示部L及び操作部M)
図1に示すように、表示部L及び操作部Mは一体的に配置されている。作業者は、表示部Lに表示された情報を確認しながら、必要に応じて操作部Mを操作して装置内部における各部(例えば多関節ロボット2)の動作を制御可能となっている。また、後述する各種情報の入力や変更を行なうことも可能となっている。なお、通信回線を用いることで装置から離れた位置に表示部と操作部を設けて遠隔操作する構成としてもよい。
【0021】
(ワーク搬送機構H)
図2(A)において、ワーク搬送機構Hは、ワークWをロボットハンド1に保持して各工程間を搬送する回転及び直線移動可能な多関節ロボット2を備えている。多関節ロボット2は、折りたたみ可能な垂直リンク2aによる上下動可能な垂直多関節ロボットと、水平リンク2bを水平面内で回転と移動が可能な水平多関節ロボットとの組み合わせにより構成されている。水平リンク2bの先端にはロボットハンド1が設けられている。2箇所の水平リンク2bとロボットハンド1は各々垂直軸2c,2d,2eを中心に回転可能に軸支されている。上記各リンクは、図示しないサーボモータに備えたエンコーダにより回転量が検出されてフィードバック制御が行われる。
【0022】
このように、多関節ロボット2を備えた構成を採用することにより、垂直リンク2aによって上下方向において任意の位置にロボットハンド1を移動させる動作と、水平リンク2bによって水平方向において任意の位置でロボットハンド1を移動させる動作とを並行して行うことができる。このため、多関節ロボット2の移動範囲を囲んで配置された各処理部の間でワークWを直線的に搬送することができ、各処理部へ搬送するのに要する時間を最短にすることができる。これにより、後述するようにワークWと液状樹脂をプレス部Cへ搬入して樹脂モールドするような次工程にワークWを迅速に搬送することができ、成形品質の向上に寄与することができる。
【0023】
また、図2(B)に示すように、ロボットハンド1は、先端が二又状に分かれることで、ワークWの中央を避けてワークWの外周付近を保持可能となっている。ロボットハンド1には、同図に示すように、先端と根元側の3箇所においてワークWの外周を吸着可能な吸着孔1aとこれに連通する吸引路1bが形成されている。ロボットハンド1は、キャリアプレートKを載置してその裏面を吸着保持するようになっている。尚、ロボットハンド1は、ワークWを吸着保持するほかに、爪で挟み込むように機械的にチャックする方式でも良い。また、ロボットハンド1は垂直軸2eを中心に回転する他に、水平軸を中心に回転することでワークWを反転可能な構成としても良い。
【0024】
また、図1において、水平多関節ロボット2のベース部3は、直動ガイドレール4に沿って往復移動可能に設けられている。例えば、ベース部3に設けられたナットにボールねじが連繋しており、図示しないサーボモータにより正逆回転駆動することにより、水平多関節ロボット2が直動ガイドレール4に沿って往復動するようになっている。
【0025】
(ワーク供給部A及びワーク収納部F)
図1において、多関節ロボット2が往復動する直動ガイドレール4の手前側には、ワーク供給部Aとワーク収納部Fが併設されている。具体的には、ワークW(被成形品)を収納した供給マガジン9と、ワークW(成形品)を収納可能な収納マガジン10が2列ずつ併設されている。尚、供給マガジン9と収納マガジン10とは構造が同様であるので、以下では供給マガジン9の構造を代表して説明するものとする。また、2列設けられた供給マガジン9は、同じ種類のワークWを収納する場合でも、異なる種類のワークWを収納する場合でもいずれでも良い。収納マガジン10についても同様である。また、供給マガジン9及び収納マガジン10を1列ずつ設ける構成としてもよく、或いはそれぞれを3列以上設ける構成としてもよい。
【0026】
(情報読取り部I)
図1において、情報読取り部Iには、コード情報読取り装置16とアライナ16aとが設けられており、供給マガジン9から搬送されたワークWを受け取ったアライナ16aを回転させることでワークWの情報コードをコード情報読取り装置16の直下に移動させる。この際に、ワークWは一定の方向に統一される。コード情報読取り装置16は、ワークWに付与された製品に関する情報コード(QRコード、バーコード等)を読み取る。この情報コードに対応して、記憶部47には、樹脂供給情報(樹脂種別、樹脂供給量、供給時間など)やモールド条件(プレス番号、プレス温度、プレス時間、成形厚など)、キュア情報(キュア温度、キュア時間など)、冷却情報(冷却時間)、などの成形条件が記憶されている。コード情報読取り装置16が読み取った情報コードに対応した成形条件情報に基づいて、搬送しているワークWに対して後述する各工程の処理を行う。多関節ロボット2は成形条件の読み取りが完了したワークWを樹脂供給部Bからワーク収納部Fに至る後の各処理工程へ順次搬送する。
【0027】
(樹脂供給部Bの構成)
図1において、ワーク供給部Aに隣接して樹脂供給部Bが設けられている。樹脂供給部Bには液状樹脂供給装置が設けられている。液状樹脂供給装置には、複数のシリンジ19を回転可能に保持したリボルバ式のシリンジ供給部17を挟んで両側に一対のディスペンスユニット18が設けられている。なお、樹脂供給部Bは、樹脂の冷却と除湿のために内部の温度と湿度を調節可能となっている。また、装置側面には扉が設けられており、作業者がシリンジを交換可能となっている。
【0028】
液状樹脂をワークWに吐出して供給する一対のディスペンスユニット18の間に交換用の複数のシリンジ19を保持したシリンジ供給部17が回転可能に設けられている。各ディスペンスユニット18はシリンジ供給部17を共用して交換用のシリンジ19を受け取って液材吐出位置に保持されたワークWに液状樹脂を所定量吐出して供給する。
【0029】
具体的には、シリンジ供給部17には回転角で60°ごとにシリンジ19が6か所に保持されている。また、一対のディスペンスユニット18は、シリンジ供給部17のシリンジ受け取り位置Lと液材供給位置Jとの間を移動可能であって、シリンジ受け取り位置とシリンジ供給部17の回転中心とを結ぶ角度が120°となるように配置されている。
【0030】
これにより、例えばロボットハンド1が同じ位置から液材吐出位置Jにワークを供給してディスペンスユニット18により液材を供給することができるので、液状樹脂供給装置をコンパクトに配置することができるうえに、シリンジ供給部17に回転角で60°ごとにシリンジ19を保持しておくことで、各ディスペンスユニット18においてシリンジ供給部17に保持されたシリンジを同時に交換することも可能になる。尚、上記実施形態は液状樹脂を供給する装置構成について説明したが、他の樹脂(タブレット樹脂、粉末・顆粒状樹脂、或いはペースト状樹脂、シート状樹脂など)の供給装置をワークの形態に応じて適宜選択可能である。また、粉末・顆粒状樹脂などの場合には、ロボットハンド1に樹脂搬送用の構成を設け、樹脂供給部B内では樹脂をワークW上に直接供給しない構成を採用してもよい。この場合、ロボットハンド1がワークW及び樹脂を各々プレス部Cに搬入し、当該プレス部C内で加熱溶融してからワークWに触れて樹脂モールドするので、成形品質の向上に寄与することができる。
【0031】
液状樹脂が吐出されたワークWは、ワーク載置部22よりロボットハンド1に吸着保持されてプレス部Cへ搬送される。この場合、例えば樹脂供給部Bからプレス部Cへの移動に要する時間が長くなった場合、供給した液状樹脂封が吸湿してしまったり、プレス部Cに搬入する前に加熱されてしまったりするなどの不具合が発生することがある。しかしながら、多関節ロボット2を用いてワークWを短時間で移動可能な構成にしたことにより、例えばエアシリンダ等により移動可能とした所定の搬送経路上を動作させる構成と比較して、短時間かつ均一な時間で移動することができる。
【0032】
(プレス部C)
次に図1及び図3を参照してプレス部Cの構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態では複数のプレス部Cが直動ガイドレール4より奥側に併設されている。一例としてプレス部Cを2台設けたが、1台であっても3台以上であっても良い。またプレス部Cは同じ製品を樹脂モールドするモールド金型を備えていても、異なる製品を樹脂モールドするモールド金型を備えていてもいずれでも良い。プレス部Cの搬送エリア11に臨む側には仕切り壁24が設けられており、該仕切り壁24には開口部(図示せず)が設けられている。開口部は開閉可能なシャッター25によって通常は閉塞されている。シャッター25は、シリンダ、ソレノイドなどの駆動源により開閉するように設けられる。
【0033】
また、プレス部Cにはプレス装置26から搬送エリア11にかけて往復動可能なローダー32が設けられている。また、シャッター25により手前側の搬送エリア11には、図示しないワーク載置部が設けられている。ワーク載置部には、ロボットハンド1に吸着保持された液状樹脂が塗布されたワークWが受け渡され、或いはプレス装置26からローダー32によって取出されたワークWが受け渡される。
【0034】
図1において、各プレス装置26には、フィルム供給装置35が設けられている。図3(A)に示すようにフィルム供給装置35は上型28のクランプ面を覆う長尺状のリリースフィルム36をリール間で繰り出し及び巻き取りを行う装置である。リリースフィルム36は上型面に公知の吸引機構により吸着保持されるようになっている。リリースフィルム36としては、モールド金型の加熱温度に耐えられる耐熱性を有するもので、金型面より容易に剥離するものであって、柔軟性、伸展性を有するフィルム材、例えば、PTFE、ETFE、PET、FEP、フッ素含浸ガラスクロス、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリジン等が好適に用いられる。尚、リリースフィルム36として、クランプ面を覆う程度の大きさの短冊状に切断されたものを用いる構成を採用してもよい。
【0035】
ワークWのプレス部Cへの搬入搬出動作及びプレス動作について説明する。図3(A)において、プレス装置26の上型28と下型30とは型開きした状態にあり、図1に示す仕切り壁24のシャッター25は開口部を閉塞した状態にある。ロボットハンド1に吸着保持されたワークWはワーク載置部(図示せず)に載置されて吸着が解除されて受け渡される。ロボットハンド1が退避すると、ローダー32がワーク載置部よりワークWをハンドにより掴みシャッター25が開放した状態で開口部よりプレス装置26内に進入して下型30にワークWをセットする。
【0036】
下型30にワークWがセットされた状態を図3(A)に示す。ワークWをセットしたローダー32はプレス装置26から開口部を経て搬送エリア11に戻るとシャッター25が閉じて(図1参照)、プレス装置26がワークWをクランプして圧縮成形が行われる。図3(B)に示すように、下型30が上昇して上型28との間でワークWがクランプされる。上型28のキャビティ28aを含むクランプ面にはリリースフィルム36が吸着保持されている。
【0037】
また、圧縮成形が終了すると、図3(C)に示すようにプレス装置26が型開きし、ワークWはリリースフィルム36が吸着された上型28より離型し、下型30に載置されたままの状態にある。シャッター25が開放されるとローダー32が搬送エリア11からプレス装置26内に進入して下型30に載置されたワークWを掴んで搬送エリア11へ取出してワーク載置部に受け渡す(図1参照)。
【0038】
(ワーク検査部D)
次にワーク検査部Dの構成について図1及び図4を参照して説明する。ベース部39には直動レール39aが設けられている。この直動レール39aには可動ステージ40がレール長手方向に往復動可能に設けられている。可動ステージ40は例えば公知の駆動機構、ナット部がボールねじに連繋し、該ボールねじをモータにより正逆回転駆動することにより直動レール39a上を往復動するようになっている。可動ステージ40は、加熱硬化後のワークWの冷却部を兼用している。
【0039】
可動ステージ40は直動レール39の一端側であるワーク受取位置に待機している。この可動ステージ40に、プレス部Cで圧縮成形されたワークWがロボットハンド1によって載置され吸着を解除されて受け渡される。受け渡し位置にある可動ステージ40のワーク搬送機構H側には、レーザー変位計41がワークWの上下一対で設けられており、ロボットハンド1によってワークWが可動ステージ40に載置される前に該レーザー変位計41によってレーザー光を照射してワークWの厚みが計測される。制御部Gは、測定した厚みを稼働情報として記憶部47に記憶する。この場合、ワークWの厚みからキャリアプレートKの厚みを差し引くことで成形品の厚みを算出可能である。
【0040】
また、可動ステージ40は、直動レール39の一端側より他端側に移動する。この直動レール39の他端側の上方には外観検査部42が設けられている。外観検査部42では、成形品を一括或いは分割して撮像して外観観察によって未充填、フローマークまたはフライングダイのような成形不良がないか否かが検査される。成形の良否と不良がある場合には不良の種類や撮像画像を稼働情報として記憶部47に記憶する。検査が終了すると、ワークWを載置した可動ステージ40が受け渡し位置へ戻って、ロボットハンド1に受け渡されて、加熱硬化部Eへ搬送される。
尚、異常(想定を上回る未充填など)が検出されたときには表示部Jにその旨を通知し、装置全体の動作を止めてメンテナンスすることで、不良品が連続生産されるのを防ぐことができる。
【0041】
(加熱硬化部E)
次に加熱硬化部Eの構成について図1,図5を参照して説明する。加熱硬化部Eにはキュア炉43が設けられており、検査後のワークWをロボットハンド1によりキュア炉43に収納してモールド樹脂を120℃から150℃程度で加熱硬化(ポストキュア)することで加熱硬化を完了させる。キュア炉43内には、対向配置されたスリット(保持部)43aが高さ方向に所定ピッチで形成されこのピッチでワークWが保持されるようになっている。ワークWをキュア炉43に収納するときには、いずれかに形成されたスリット43aに沿ってワークWを挿入して保持するようになっている(図5参照)。
【0042】
図1においてキュア炉43の搬送エリア11を囲む側には内扉44が設けられており、装置外面側には外扉45が開閉可能に設けられている。内扉44には2段分のスリット43a位置に対応して開口部44aが設けられている。内扉44の内方には開閉扉46が各開口部44aを常時遮断するように個別に開閉可能に設けられている。これにより、キュア炉43に対して開閉扉46を開閉するだけでワークをキュア炉内に搬入搬出することができるので、炉内の温度の低下を防ぎ、かつ搬送エリア11側への放熱を抑制することができる。
また、図5(A)及び図1に示すように、12段のスリット43aを平面視で2列備えることで、総数で24枚のワークWを並行してポストキュアすることが可能となっている。
【0043】
プレス部Cで樹脂モールドしてからポストキュアを開始するまでの時間が長くなった場合、樹脂モールド部分に反りが発生してしまうことがある。しかしながら、多関節ロボット2を用いて高さ方向にもワークWをスムーズに移動可能な構成にしたことにより、高さの異なる所望のスリット43aに対していずれも短時間で移動可能となっている。このように、搬送に要する時間が成形品質に影響のあるモールド装置では多関節ロボット2による搬送時間の短縮の効果は特に大きい。
【0044】
本実施例では、図5に示すように、一つの開閉扉46を開放すると2枚分のワークWをロボットハンド1によって上下2段のスリットに各々挿入して保持させることができる。このように開閉扉46を個別に開閉することで開閉面積を小さくしてワークWを収納取出しすることができるので、炉内の温度の低下を防ぎ、かつ搬送エリア11側への放熱を抑制することができる。
【0045】
ワーク検査部Dにおいて検査されたワークWはロボットハンド1に吸着保持されてキュア炉43へ搬送される。図5(A)に示すようにキュア炉43は開閉扉46が閉塞されて所定温度に加熱されている。例えば最上位置のスリット43aにワークWを挿入するときは、ロボットハンド1が内扉44に近づくと制御部Gが図示しない駆動機構を制御して図5(B)に示すように最上位置のスリット43aに対向する開閉扉46が開放し、ロボットハンド1が炉内に進入してワークWをスリット43aに沿って挿入する。そして、ロボットハンド1の吸着を解いてワークWをキュア炉43に受け渡してからロボットハンド1がキュア炉43から退避する。ロボットハンド1が内扉44より離れると開閉扉46を閉塞する。以上の動作が繰り返し行われる。ワークWをキュア炉43に収納してから所定時間経過すると、再度ロボットハンド1がキュア炉43内に進入して、ワークWを吸着保持したままキュア炉43より搬出し冷却部Nへ搬送するようになっている。
【0046】
(冷却部N)
図4に示すように冷却部Nは、ワーク検査部Dの上方における空間に、冷却用マガジン48が設けられている。冷却用マガジン48内の両側壁には、対向配置されたスリット48aが高さ方向に所定ピッチで形成されておりこのピッチでワークWを保持可能に構成されている。この場合、ロボットハンド1を任意の高さに移動可能な多関節ロボット2によって、所定のスリット48aに対してワークWを受渡し可能となっている。成形品の加熱硬化が完了したワークWはロボットハンド1により吸着保持されたまま冷却部Nのスリット48a(受け渡し位置)へ搬送されて吸着を解除されて受け渡される。この状態で所定時間放置することでワークWが自然冷却される。尚、冷却部は、ワーク検査部Dとは別個に設けることも可能であるが、ワーク検査部Dの空いているエリアを利用することで装置をコンパクトに構成することができる。
【0047】
(ワーク収納部F)
ワーク収納部Dの構成は前述したようにワーク供給部Aの構成と同様である。ロボットハンド1は、冷却部で冷却されたワークWを可動ステージ40より受け取って隣接する収納マガジン10へ搬送して収納する。
【0048】
(制御部G)
図1において、制御部Gは、CPU(中央演算処理装置)やROM、RAMなどの記憶部47を備え、前述した装置各部の動作を制御する。ROMには各種制御動作プログラムが記憶されているほかに、ワーク搬送対象候補リストや搬送順序情報やワークWに付されたコード情報が記憶されている。CPUは、ROMより必要な制御動作プログラムをRAMに読み出して実行させ、RAMを用いて入力情報を一次的に記憶させたり入力情報に応じた演算処理を行ったりして制御プログラムに基づいて各部にコマンドを出力する。
【0049】
制御部Gには、ワーク供給部Aの稼働情報(受け渡し済みの供給マガジンスリット番号)、コード情報読取り装置16の稼働情報(レシピ情報;樹脂条件、モールド条件、キュア条件、冷却条件)、樹脂供給部Bの情報(シリンジ番号;(樹脂の種類、樹脂の解凍時刻、収容総量)、使用料(供給毎/総量)、供給開始/完了時刻)、プレス部Cの稼働情報(金型温度曲線、クランプ圧力曲線、成形厚、フィルム使用量)、キュア炉43の稼働情報(炉内温度)、ワーク検査部Dの稼働情報(フライングダイ、成形厚)、ワーク収納部Fの情報(受取済みスリットの位置)などの情報が随時入力され、各部に必要なコマンドを出力する。制御部Gは、このような稼働情報や上述した成形条件などをワークWに紐付けして記憶する。これにより、成形後のワークWについての実際の製造条件等を確認することができる。例えば成形後のワークWのキャリアプレートKの情報コードを読取ることで、成形条件と稼働情報とを確認することができ、実際の成形品と関連する情報を容易に閲覧可能としたことにより、成形条件の最適化に利用可能となっている。
尚、制御部Gはワーク搬送機構Hを囲むように配置されているが、例えばコントローラのように有線若しくは無線により遠隔操作できるものであっても良い。
【0050】
制御部Gは、最も時間がかかる工程の繰り返しサイクルに合わせて多関節ロボット2によるワーク供給動作及びワーク取り出し動作のタイミングを制御している。ちなみに各工程の最小サイクルは、所要時間を装置数で除して算出される。本実施形態では、プレス装置26における樹脂モールド工程の最小サイクルが工程間で最大となるためこれに合わせてワークWの搬入搬出のタイミングが決められている。
【0051】
ここで、キュア炉43に対するワーク搬入搬出動作について図6及び図7を参照して説明する。
図6(A)に示すように、内扉44には開口部44aが縦方向に2列に配置され全部で12か所設けられている。各開口部は開閉扉46によって遮断されている。図6(B)に示すように、キュア炉43内には一つの開閉扉46を開放するとスリット43aが上下2段に設けられており、2枚分のワークWを保持することができるようになっている。上下一対のスリット43aの間隔は、ロボットハンド1が進退動できる間隔に設定されている。この実施形態の場合、全部のスリット43aにワークWを収納すると24枚分のワークWを加熱硬化(キュア)することができるようになっている。尚、スリット43aや開閉扉46の数は適宜増減することは可能である。また、一つの開閉扉46を開口したときに出し入れ可能なワークWの枚数は1枚でもよく、3枚以上でもよい。
【0052】
樹脂モールドされ、検査部Dで良品判定されたワークWはロボットハンド1に吸着保持されたままキュア炉43へ搬送される。
図7(A)において、ロボットハンド1は、ワークWを吸着保持したまま搬送エリア11から内扉44に接近する。開閉扉46は開口部44aを遮断したままであり、キュア炉43内の下段のスリット43aには未だにワークWが搬入されていないものとする。
【0053】
図7(B)において、ロボットハンド1が内扉44に近づくと制御部Gが図示しない駆動機構を制御して開閉扉46が起立姿勢から水平姿勢に回転することで開口部44aが開放され、ロボットハンド1はワークWを吸着保持したまま開口部44aを通過してキュア炉43内に進入する。このとき、ワークWは、空いている上段のスリット43aに載置される。尚、上段若しくは下段のスリット43aの位置合わせは、水平多関節ロボット2側で高さ位置を調整してキュア炉43内に進退動するようになっている。
【0054】
次いで、図7(C)に示すように、ロボットハンド1によるワークWの吸着を解除してロボットハンド1のみをキュア炉43から開口部44aを通過して搬送エリア11へ退避させる。
図7(D)に示すように、ロボットハンド1が開口部44aを通過して搬送エリア11に退避すると、制御部Gが図示しない駆動機構を制御して開閉扉46が水平姿勢から起立姿勢へ回転して開口部44aを遮断する。これにより、キュア炉43は密閉され、炉内の温度低下を防いで所定時間キュアが行われる。
【0055】
尚、キュアが完了したワークWをキュア炉43から取り出す場合には、逆の手順で行えばよい。即ち、搬送エリア11からロボットハンド1を内扉44に接近させ(図7(D))、開放扉46が回転して開口部44aを開放するとロボットハンド1が所定のスリット(例えば上段のスリット)43aの下方に進入する(図7(C)参照)。そして、ワークWをロボットハンド1に吸着保持したままキュア炉43から開口部44aを通過して搬出する(図7(B)参照)。ワークWが搬送エリア11に搬出されると、開閉扉46が回転して開口部44aを遮断する(図7(A)参照)。
【0056】
図8は4枚のワークW(1〜4)を一の供給マガジンから順次供給して一の収納マガジンに収納するまでの搬送手順を示すタイミングチャートの一例である。一対のディスペンスユニット18f,18g及び一対のプレス装置26a,26b用い(図1参照)、キュア炉43のスリット43aの数が24箇所あり、冷却部Nの冷却用マガジン48のスリット48aの数が4箇所である装置構成を想定している。この場合、それぞれの処理工程における処理サイクルは、個別の装置において要する処理時間を最大同時処理数(本実施例では装置数やスリット数)によって除した時間となる。このため、比較的長時間の処理時間を要する加熱硬化部Eは多くのスリット43aを設けることで同時に処理を行うことができる最大数を増やすことで、装置全体として処理がそこで滞らないような装置構成となっている。
【0057】
しかしながら、処理サイクルを一致させることはできないため、処理サイクルが最も長くなる処理を行う処理部に対するワークWの搬入タイミング及び搬出タイミングに基づいて、他の処理部に対するワークWの搬入タイミング及び搬出タイミングを決定している。図8においては、プレス装置26a,26bにおける処理サイクルが最も長くなっているため、ワーク供給部AからワークW3を搬出するタイミングを逆算して決めている。この場合、プレス装置26aにおけるワークW1とワークW3の樹脂モールドの間、同様にプレス装置26bにおけるワークW2とワークW4の樹脂モールドの間に無駄な時間が発生しないように各ワークW(1〜4)の供給のタイミングが決められている。具体的には、プレス装置26aのワークW1に対する樹脂モールドが完了して空き状態になったとき次のワークW3がプレス装置26aに搬入できるようにタイミングを逆算して決めている。
【0058】
また、ワーク番号1がプレス装置26aから検査へ搬送されると次のワーク番号3がディスペンスユニット18fからプレス装置26aに搬入され、ワーク番号1の検査が終了するとキュア炉43に搬入される。同様にワーク番号2がプレス装置26bからワーク検査部D(レーザー変位計41及び外観検査部42)へ搬送されると次のワーク番号4がディスペンスユニット18gからプレス装置26bに搬入され、ワーク番号2の検査が終了するとキュア炉43に搬入されるようになっている。このように、複数のワークWを各処理部で並行処理する場合に各処理部へのワークWの搬入搬出に要する待ち時間を最小とすることで、装置全体として効率的に処理を進めることが可能となっている。
【0059】
また、検査が完了したワークW1からワークW4に至るまで順次キュア炉43に搬入され、キュアが完了したワークW1よりワークW4に至るまで順次冷却されてワーク収納部Fへ収納される。キュア炉43におけるワークWのポストキュアに要する時間と前後の検査時間及び冷却時間とのバランスが取れるようにキュア炉43に収容するワークWの収容数が決められている。
【0060】
上記樹脂モールド装置を用いれば、ワークWや樹脂のプレス部への供給から樹脂モールド後の成形品を検査して良品のみを加熱硬化させる一連の作業をコンパクトな装置構成で効率よく実現でき、ワークWに反りが発生することなくしかも装置内への放熱を抑えた樹脂モールド装置を提供することができる。
【0061】
上述した樹脂モールド装置は、樹脂供給部Bにディスペンスユニット18をプレス部Cにプレス装置26を2台ずつ設けたが更に増やしてもよい。またワーク搬送機構Hに備えた多関節ロボットも1台に限らず複数台設けて、搬送エリアを分担させてワークの搬送を行うことも可能である。
また、プレス装置26は圧縮成形装置に限らずトランスファモールド装置であってもよく、減圧空間を形成してモールドを行っても良い。
【符号の説明】
【0062】
A ワーク供給部
B 樹脂供給部
C プレス部
D ワーク検査部
E 加熱硬化部
F ワーク収納部
G 制御部
H ワーク搬送機構
I 情報読取り部
K キャリアプレート
L 表示部
M 操作部
N 冷却部
W ワーク
1 ロボットハンド
2 水平多関節ロボット
3,39 ベース部
4 直動ガイドレール
5 液状樹脂
7 回動機構
8 保持アーム
9 供給マガジン
10 収納マガジン
11 搬送エリア
16 コード情報読取り装置
16a アライナ
17 シリンジ供給部
18,18f,18g ディスペンスユニット
19 シリンジ
21 捨て打ちカップ
22 ワーク載置部
22a 支持突起
23 重量計
24 仕切り壁
25 シャッター
26,26a,26b プレス装置
28 上型
28a キャビティ
29 下型プラテン
30 下型
32 ローダー
35 フィルム供給装置
36 リリースフィルム
39a 直動レール
40 可動ステージ
41 レーザー変位計
42 外観検査部
43 キュア炉
43a,48a スリット
44 内扉
45 外扉
46 開閉扉
47 記憶部
48 冷却用マガジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを樹脂とともにプレス部に搬入して樹脂モールドが行われる樹脂モールド装置であって、
樹脂モールド後のワークをキュア炉内に設けられた複数の保持部に保持させたまま当該キュア炉を密閉してモールド樹脂を加熱硬化させる加熱硬化部を前記プレス部からワーク収納部に至るワーク搬送路の一部に備えていることを特徴とする樹脂モールド装置。
【請求項2】
ワーク搬送エリアに臨む搬入搬出側に複数の開口部を有する内扉が設けられた前記キュア炉が設けられており、前記内扉の内方には各開口部を常時遮断する開閉扉が個別に開閉可能に設けられ、前記開閉扉を個別に開放してキャリアプレートをスリットに挿入してワーク保持させたまま加熱硬化させ、加熱硬化が完了したワークは前記開閉扉を個別に開放して取り出される請求項1記載の樹脂モールド装置。
【請求項3】
ワーク搬送機構としてワークをロボットハンドに保持して各工程間を搬送する回転及び直線移動可能な多関節ロボットを備え、該多関節ロボットのロボットハンドにワークを保持したまま開閉扉を開閉してキュア炉内に進退動することでワークの搬入搬出動作が行われる請求項1又は請求項2記載の樹脂モールド装置。
【請求項4】
前記多関節ロボットの移動範囲を囲んでワーク供給部、樹脂供給部、プレス部、ワーク検査部、加熱硬化部、冷却部、ワーク収納部及び制御部が各々配置され、前記ワーク検査部で樹脂モールド後の成形品の厚さ及び外観を検査して良品のみを加熱硬化部のキュア炉に搬入してモールド樹脂を加熱硬化させる請求項3記載の樹脂モールド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−126076(P2012−126076A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281470(P2010−281470)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000144821)アピックヤマダ株式会社 (194)
【Fターム(参考)】