説明

樹脂組成物及びそれを用いた半導体装置

【課題】成型時間、組成物粘度、成型性および接着性に優れた、ディスペスンサーで供給できる、室温で液状の半導体封止用の樹脂組成物の提供。
【解決手段】重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂、特定のフェノール樹脂または特定の酸無水物、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイトなどからなる触媒A、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールなどからなる触媒B、球状溶融シリカ粒子を必須成分とし、触媒Aと触媒Bとの配合重量比A/Bが9/1〜4/6である樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を封止するための樹脂組成物に関し、詳しくは耐プレッシャークッカーテスト、耐リフローに優れた液状樹脂組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体素子を衝撃や圧力などの機械的応力、異物、湿度、熱、紫外線などの外部環境から保護し、電気絶縁性を保持すると共に基板への実装を容易にする目的で、半導体素子は半導体封止用成形材料により封止されている。この封止は主にトランスファーモールド成形により行われているが、この方法では成形機のランナー部やカル部に樹脂が残りやすく、無駄な樹脂が消費されるため、非常に効率が悪い。また、高圧下で樹脂を流動させるため、樹脂中に含まれるシリカなどが成形機内側の金型表面を磨耗し、金属微粉末が半導体素子に混入する問題も生じる可能性がある。
【0003】
さらに樹脂の特性から見てみると、現在用いられているトランスファーモールド樹脂は作業性を良くするため室温で固形の高分子の化合物を使用してきた。このため、銅との接着を考えた時に、銅表面と作用する官能基の数が少なく、製品にプレッシャークッカーテスト(以下、PCTという)やリフローを行ったときに、その界面が剥離するという問題があった。これらは低分子の化合物を用いれば、作用する官能基が増えるため改善が予想されるが、一方で低分子の化合物から反応を進めていくため、反応の制御や急速硬化時に他の物性が悪くなるといった問題もある。
【0004】
例えば特許文献1には、液状フェノールノボラック型樹脂を用いた半導体封止用硬化剤が記載されている。この文献に記載された半導体封止用硬化剤は液状の半導体封止材に用いるのに有望なものであるが、急速に硬化させる時に発生する諸問題に対する対応策や、好ましい触媒などについての記載が不十分であり、そのまま実用に供するには改善の余地があった。このように従来は、耐PCTや耐リフローに優れた半導体素子封止用の液状封止樹脂については十分な特性を持つものが見出されていなかった。
【0005】
また特許文献2には酸無水物を用いた半導体封止樹脂が開示されている。この技術は液状の半導体封止材に用いるのに有望な樹脂であるが、半導体用途に必須な銅との接着力、特にPCT、リフロー後の銅接着力に関する対応策や、好ましい触媒などの記載が見あたらない。
【特許文献1】特開2000−169537号公報
【特許文献2】特開2000−7891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、室温で液状組成物として供給ができ、かつ、成型時のゲルタイム、粘度、硬度などの諸問題を解決し、且つ耐PCT、耐リフロー後においても、銅/樹脂界面の接着力にすぐれた樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による樹脂組成物の一実施態様は、
重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂から選択される樹脂成分aと、
式(1A)により示されるフェノール樹脂:
【化1】

(式中、m=0〜3であり、R〜RはHまたはアリル基であって、R〜Rのうち少なくとも一つはアリル基である)
および式(1B)により示される酸無水物:
【化2】

(式中、Lは、
【化3】

で表される2価の連結基であり、R16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19はそれぞれ独立にHまたは炭素数8以下の炭化水素基であってR16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19のうち少なくとも二つは炭化水素基である)
からなる群から選択される樹脂成分bと、
式(2A)、(2B)、または(2C)により示される触媒A:
【化4】

(式中、R21〜R24はHまたは炭化水素基であり、前記炭化水素基は水酸基またはシアノ基により置換されていてもよく、Zは、スルホン酸、カルボン酸、フェノール、およびフェノール樹脂からなる群から選択される化合物である)
と、
式(3A)、(3B)、または(3C)により表される触媒B:
と、
【化5】

(式中、R31〜R34はHまたは炭化水素であって、前記炭化水素基は水酸基またはシアノ基により置換されていてもよい)
球状溶融シリカ粒子と
を含んでなり、組成物中に含まれる触媒Aの重量と触媒Bの重量の割合A/Bが9/1〜4/6であることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明による半導体装置の一実施態様は、半導体素子が前記の樹脂組成物で封止されたものであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明による樹脂組成物は、室温で液状の半導体封止用樹脂組成物として用いることができる。すなわちディスペンサーで金型のキャビティに樹脂を供給することができるため、金型表面を磨耗することなく、カル部やランナー部に樹脂を残すことなく成型できて、成型コストを大幅に削減することができる。また、この樹脂組成物は、成型に要する時間、組成物の粘度、達成される硬度などにおいて優れており、且つ耐PCTに優れ、リフロー後においても、銅/樹脂界面の接着力にすぐれたものであり、生産効率および製品性能のいずれにおいても工業的価値の非常に大きいものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(樹脂成分a)
本発明の一実施態様において、樹脂組成物は、重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂から選択される樹脂成分aを含んでなる。重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂とは、一つ以上、好ましくは二つ以上のエポキシ基を含み、かつ構造中にビスフェノール構造を1〜3個含む樹脂をいう。このようなビスフェノール型エポキシ樹脂の具体的な例は式(4)に表される構造である。
【化6】

この式(4)において、繰り返し単位に包含されないビスフェノール構造が一つふくまれているため、重合度を表す数nの平均値が0〜2の範囲にあるとき、重合度が3以下であるという。またビスフェノール構造としては、ビスフェノールA型構造,ビスフェノールF型構造,ビスフェノールS型構造などが挙げられる。式(4)はこのうちビスフェノールA型構造の例を表すものである。これらの中で、本発明に関してはビスフェノールA型構造を有するエポキシ樹脂が、高い接着力が得られるので好ましい。
【0011】
(樹脂成分b)
本発明の一実施態様において、樹脂組成物は、特定のフェノール樹脂および特定の酸無水物からなる群から選ばれる樹脂成分bを含んでなる。
【0012】
まず、本発明において樹脂成分bとして用いることができるフェノール樹脂として、式(1A)により表されるものである。
【化7】

式中、m=0〜3であり、R〜RはHまたはアリル基であって、R〜Rのうち少なくとも一つはアリル基である。また各繰り返し単位ごとに異なったアリル基を有していてもよい。
【0013】
本発明において、式(1A)により示されるフェノール樹脂は、フェノールノボラック構造を有するものであり、R11〜R15のいずれかにアリル基が置換されたものである。置換基としてアリル基を有していないフェノール樹脂は本発明による樹脂組成物には適してない。これは、アリル基を有しているフェノール樹脂を用いると樹脂組成物の粘度上昇が抑制されて、ディスペンサーで供給することが容易になるからである。また、重合度は特に限定されず、従って重合度を表すmも限定されない。しかしながら、軟化点または融点が70℃以下になるように重合度を選択することが好ましい。
【0014】
このようなフェノール樹脂としては、例えば明和化成株式会社よりMEH−8000H、MEH−8005、MEH−8010、MEH−8015(それぞれ商品名)などが市販されており、容易に入手できる。
【0015】
また、本発明において用いることができる酸無水物として、式(1B)により表されるものが挙げられる。
【化8】

式中、Lは、
【化9】

で表される2価の連結基であり、R16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19はそれぞれ独立にHまたは炭素数8以下の炭化水素基であって、R16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19のうち少なくとも二つは炭化水素基である。ここで炭化水素基は炭素数10以下のアルキル基、アルケニル基、アリル基、アリール基などが挙げられ、不飽和炭素結合を有するものであっても、枝分かれした分子鎖を持ったものでも構わない。またナジック酸のようにR16とR19が橋かけしているものでも構わない。この中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、プロペニル基、イソプロペニル基などが好ましい。
【0016】
ここで、R16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19のうち、少なくとも二つが炭素数8以下の炭化水素基に置換されていることが必要である。炭化水素基の数が一つ以下のものは本発明の樹脂組成物には適していない。これは少なくとも二つのアルキル基を有する酸無水物を用いることによって樹脂組成物の粘度上昇が抑制され、ディスペンサーによる供給が容易になり、また対PCTが改良されて長期間のPCTに耐えられるようになるからである。
【0017】
このような酸無水物の例としては、メチルナジック酸無水物、ナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、水素化ナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸(例えば、3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物)などが挙げられる。
【0018】
これらの樹脂成分bは2種類以上を組み合わせて用いることもできる。
【0019】
(触媒A)
本発明の一実施態様において、樹脂組成物は特定の触媒Aを含んでなる。ここで言う触媒Aとは、式(2A)、(2B)、または(2C)により表されるものである。
【化10】

式中のR21〜R24はHまたは炭素数8以下の炭化水素基であり、この炭化水素基は水酸基、シアノ基により置換されていてもよい。また炭化水素基は、脂肪族であっても芳香族であってもよく、例えばフェニル基であってもよい。式中Zは、スルホン酸、カルボン酸、フェノール、およびフェノール樹脂からなる群から選択される化合物である。
【0020】
このような触媒Aの具体例としては、例えば、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(以下DBUという)のフェノール塩、DBUのオクチル酸塩、DBUのp−トルエンスルホン酸塩、DBUのギ酸塩、DBUのオルソフタル酸塩、DBUのフェノールノボラック樹脂塩、DBU誘導体のテトラフェニルボレート塩、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(以下DBN)のフェノールノボラック塩が挙げられる。これらの中でも、特に1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイトを用いると、接着強度が特に高くなるので好ましい。
【0021】
このような触媒Aは市販されており、例えば四国化成株式会社のC11ZCNS、2PZCNS−PWや、サンアプロ株式会社のU−CAT SA1、SA102、SA506、SA603、SA831、SA841、SA851、881、および5002(いずれも商品名)などが挙げられる。
【0022】
(触媒B)
本発明の一実施態様において、樹脂組成物は特定の触媒Bを含んでなる。ここで言う触媒Bとは、式(3A)、(3B)または(3C)により表されるものである。
【化11】

式中のR31〜R34はHまたは炭素数8以下の炭化水素基であり、この炭化水素基は水酸基、シアノ基により置換されていてもよい。また炭化水素基は、脂肪族であっても芳香族であってもよく、例えばフェニル基であってもよい。
【0023】
このような触媒Bの具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(以下、DBNという)が挙げられる。これらの中でも、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、または2−フェニルイミダゾールを用いると、樹脂組成物の粘度が下がり、ディスペンス供給が容易にできるので好ましい。
【0024】
このような触媒Bは市販されており、四国化成株式会社の2MZ、2MZ−P、C11Z、C17Z、1.2DMZ、2E4MZ、2PZ、2PZ−PW、2P4MZ、1B2MZ、1B2PZ、2MZ−CN、C11Z−CN、2E4MZ−CN、2PZ−CN、2PHZ−PW、および2P4MHZ−PW(いずれも商品名)、サンアプロ株式会社製のDBU、およびDBNが挙げられる。
【0025】
(触媒AおよびBの配合比及び配合量)
触媒AとBの配合比は、組成物中における重量比A/Bが9/1〜4/6であることが必要であり、9/1〜5/5であることが好ましい。触媒Aの量が少ないほうが、樹脂組成物を用いて金型内で半導体素子を封止した時、硬化が速いので生産効率が高くなり、また金型から離型する時に破損しにくいので好ましい。また触媒Bの量が少ないほうが、後述する混錬工程の時に粘度上昇が抑制され、最終的にディスペンス供給が容易な粘度を得ることが容易である。
【0026】
また、前記組成物中の触媒Aと触媒Bの合計量が、樹脂組成物の総重量に対して0.5〜2重量%であることが好ましく、1〜1.5重量%であることがより好ましい。触媒の合計量は、十分な耐PCT特性、速い硬化速度、および金型から離型する時の破損防止のために、0.5重量%以上であることが好ましい。一方、硬化速度が速すぎて樹脂硬化物そのものの強度が低下し、その結果接着強度が低下してしまうことを防ぐために、触媒の合計量は2重量%以下であることが好ましい。
【0027】
(球状溶融シリカ粒子)
本発明の一実施態様において、樹脂組成物は球状溶融シリカ粒子を含んでなる。この球状溶融シリカ粒子は、原料である珪石を高温の火炎中で溶融し、表面張力により球状化させることにより製造されるのが一般的である。本発明において用いられる球状溶融シリカ粒子は、球状シリカであれば特に問わない。また、球状溶融シリカ粒子は、一般に不定形粒子を含むことがあるが、主成分が球状シリカであれば、不定形粒子を含んでいても構わない。粒子径は特に限定されないが、一般に平均粒子径1〜50μmであり、最大粒子径10〜200μmのものを用いることが好ましい。また、樹脂組成物の取扱い性の観点から、最大粒子径が半導体素子を封止する際に用いるディスペンサーの先端内径の1/10以下であるものを用いることが好ましい。
【0028】
(その他の樹脂成分)
本発明の一実施態様において、樹脂組成物は、その他の樹脂成分を含んでなることができる。このようなその他の樹脂成分として、前記した樹脂成分bとして用いられる、式(1A)で表されるものとは別のフェノール樹脂を挙げることができる。このようなフェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、キシリレンノボラック樹脂、またはビフェニルノボラック樹脂が挙げられる。これらのフェノール樹脂の重合度は特に問わないが、ディスペンサーを用いて封止することが容易にできるという観点から、軟化点が70℃以下のものが好ましい。このようなフェノール樹脂とは、式(5A)、(5B)、または(5C)により表される構造を有するものが挙げられる。
【化12】

式中、p1、p2、およびp2は重合度を表す数である。
【0029】
(樹脂の混錬と配合)
樹脂成分a、樹脂成分b、触媒A、触媒B、および球状溶融シリカ粒子の混合には公知の任意の方法を用いることもできる。例えば三本ロール、ボールミル、らいかい機、ホモジナイザー、自公転式混合装置、万能混合機、押出し機、またはヘンシェルミキサー等を用いて成分を均一に混合する。混合順序は特に限定されないが、樹脂成分と球状溶融シリカ粒子とをあらかじめ混合した後、低温で触媒Aおよび触媒Bを混合すると、反応が進みにくく、低粘度の組成物を得ることができるので好ましい。
【0030】
本発明において各成分の配合割合は特に限定されないが、樹脂組成物の総重量に対して、樹脂成分aを10〜20重量%、樹脂成分bを4〜15重量%、触媒Aおよび触媒Bの合計を0.5〜2重量%、球状溶融シリカ粒子を残部、すなわち75〜85重量%となるように配合することが望ましい。
【0031】
なお、特に樹脂成分bとして式(1A)により表されるフェノール樹脂を用いる場合には、樹脂成分bを4〜12重量%用いることが好ましい。
【0032】
本発明による樹脂組成物のうち、式(1A)により表されるフェノール樹脂を用いる場合の最も好ましいもののひとつは、重合度3以下のビスフェノールA型エポキシ樹脂(樹脂成分a)を10〜15重量%、式(1A)により表されるフェノール樹脂(樹脂成分b)を5〜10重量%、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト(触媒A)を0.5〜1.5重量%、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(触媒B)を0.25〜0.8重量%、および球状溶融シリカ粒子を残部、すなわち75〜82重量%含んでなるものである。
【0033】
また、特に特に樹脂成分bとして式(1B)により表される酸無水物を用いる場合には、樹脂成分aを10〜15重量%、樹脂成分bを10〜15重量%用いることが好ましい。式(1A)により表されるものとは別のフェノール樹脂を混合する場合には、重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂を10〜15重量%、式1に構造を示す酸無水物を5〜12重量%、触媒Aおよび触媒Bの合計を0.5〜2重量%、球状溶融シリカ粒子を75〜85重量%、式(5A)〜(5C)のいずれかで表されるフェノール樹脂を3〜5重量%となるように配合することが好ましい。
【0034】
本発明による樹脂組成物のうち、式(1B)により表される酸無水物を用いる場合の最も好ましいもののひとつは、重合度2以下のビスフェノール型エポキシ樹脂を10〜15重量%、式(1B)により表される酸無水物を10〜15重量%、触媒Aおよび触媒Bの合計を0.5〜2重量%、球状溶融シリカ粒子を75〜85重量%含んでなるものである。
【0035】
本発明による樹脂組成物のうち、式(1B)により表される酸無水物を用いる場合のもう一つの最も好ましいものは、重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂を10〜15重量%、式(1B)により表される酸無水物を5〜12重量%、触媒Aおよび触媒Bの合計を0.5〜2重量%、球状溶融シリカ粒子を75〜85重量%、式(5A)〜(5C)のいずれかで表されるフェノール樹脂を3〜5重量%含んでなるものである。
【0036】
(銅との接着力測定方法)
本発明の樹脂組成物は、PCTやリフローの後においても、銅との接着力を保持できるという優れた特徴を有している。その接着力の評価は、JIS K 6850の引張せん断接着強さ試験法に基づき、25℃における接着強度を測定することにより行うことができる。
【0037】
PCT試験は、127℃の飽和水蒸気中で行い、試験時間を96時間とする。リフロー試験は、PCT試験で96時間水分を吸わせたものを、280℃のリフロー炉を30秒通すことにより行う。リフロー炉を30秒通した後に空冷し、再度リフロー炉を通す操作を繰り返し、合計3回通して試験完了とする。なお、これに代えて、アルミホイルに包み280℃のハンダ浴中に30秒浸漬することで、リフロー炉を通す操作を代替することもできる。
【0038】
接着力の評価は、JIS K 6850に準じておこなう。まず、所定の大きさに切断された無酸素銅を、超音波洗浄器を用いて5分間のアセトン洗浄に2回付す。洗浄後のサンプルを乾燥させた後、所定の範囲に樹脂組成物を塗布し、乾燥機中で硬化させる。本発明では、一次硬化を150℃または175℃で5〜30分ほど行った後、二次硬化を175℃で4時間〜10時間行って硬化させた。こうして得られたサンプルを、上記のPCT試験、リフロー試験に付し、得られたサンプルの強度を測定する。
【0039】
本発明の樹脂組成物により得られた樹脂硬化物は、PCTおよびリフロー後の接着強度が、それぞれ0.4MPa以上、好ましくは1.0MPa以上有することを特徴とする。
【0040】
(樹脂組成物で封止した半導体装置)
本発明による樹脂組成物は半導体素子の封止材料として好ましいものである。本発明による樹脂組成物は、特にディスペンサーを用いて容易に適用できるため、トランスファーモールド成形に比べて樹脂組成物のロスが少なく、効率的に半導体素子の封止ができる。封止の方法は、例えば、フレーム上に固定された半導体素子とそのフレームを金型内のキャビティにセットし、ディスペンサーを用いてこのキャビティ内に前記した樹脂組成物を充填し、加熱硬化させることにより行うことができ、封止された半導体装置を得ることができる。樹脂の硬化条件は特に限定されないが、好ましくは150℃または175℃のゲルタイムが60秒以内となるように樹脂組成物の成分の配合量を調整し、150℃〜175℃で1〜5分以内に硬化するものとすることが好ましい。
【0041】
諸例に基づき本発明を詳細に説明すると以下の通りである。なお、諸例に用いた試験材料は以下のものである。
【0042】
例に用いた材料
(1)樹脂成分a
エポキシa−1: 平均重合度0.18 (n=0 84%, n=1 14%, n=2 2% n>2 0%)のビスフェノールA型エポキシ樹脂(株式会社ADEKA製 EP4100E(商品名))
エポキシa−2: 平均重合度0.26(n=0 83%, n=1 8%, n=2 9% n>2 0%)のビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製807(商品名))
エポキシa−3: 平均重合度4.17(n=0 10.7%, n=1 13.3%, n=2 12.5%, n=3 10.8%, n=4 9.0%, n=5 7.4%, n=6 6.7%, n=7 3.9%, n≧8 25.7%,)のビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製1001(商品名))
(2)樹脂成分b
フェノールb−A1: アリル基を有する室温で液状のフェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製MEH−8000H(商品名))
フェノールb−A2: フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製H−1(商品名)、軟化点84℃)
酸無水物b−B1: 3,4−ジメチル−6−(2−メチル−1−プロペニル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物(ジャパンエポキシレジン株式会社製YH−306(商品名))
酸無水物b−B2: メチルナジック酸無水物(日本化薬株式会社製カヤハードMCD(商品名))
酸無水物b−B3: メチルテトラヒドロ無水フタル酸無水物(日本ゼオン株式会社製QH−200(商品名))
(3)触媒A
触媒A−1: 1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト(四国化成工業株式会社製C11Z−CNS(商品名))
触媒A−2: DBUのフェノールノボラック樹脂塩(サンアプロ株式会社製 U−CAT SA841(商品名))
触媒A−3: DBUのテトラフェニルボレート塩(サンアプロ株式会社製 U−CAT SA5002(商品名))
触媒A−4: DBUのp−トルエンスルホン酸塩(サンアプロ株式会社製 U−CAT SA506(商品名))
(4)触媒B
触媒B−1: 1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製 2E4MZ−CN(商品名))
触媒B−2: 2−フェニルイミダゾール(四国化成工業株式会社製 2PZ(商品名))
触媒B−3: 1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)
触媒B−4: 2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製 2PHZ−PW(商品名))
(5)球状溶融シリカ粒子
シリカ−1: 球状溶融シリカ粒子 平均粒子径14.5μm(株式会社マイクロン製S610P(商品名))
シリカB−2: 球状溶融シリカ粒子 平均粒子径7.4μm(株式会社龍森製MSS−7(商品名))
エポキシシラン: エポキシシラン(東レダウコーニング製 SH−6040(商品名))
(6)その他の樹脂成分
フェノール−1:キシリレンノボラック樹脂(三井化学株式会社製ミレックスXLC−4L(商品名)、軟化点63℃)
フェノール−2: ビフェニルノボラック樹脂(明和化成株式会社製 MEH−7851(商品名)、軟化点70℃)
【0043】
また、樹脂組成物の評価は下記の方法により行った。
【0044】
ディスペンサー供給の可否
樹脂組成物を40℃に加温し、先端内径2mmのニードルの先から樹脂が供給できるかどうかを目視により確認した。
【0045】
保存性の試験
樹脂組成物をシリンジに入れ40℃に加温し、3時間後に先端内径2mmのニードルの先から樹脂が供給できるかどうかを目視により確認した。
【0046】
PCT,リフロー後の銅接着力
175℃に加温した熱板上にあらかじめアセトン洗浄を行った無酸素銅の板を置き、樹脂組成物をJIS K 6850に定める大きさに塗布する。その後、同じ大きさの銅板をその上にのせ、5分間硬化させる。その後、150℃で4時間、175℃で4時間硬化させたものを初期サンプルとする。その後この接着試験片を、127℃のPCTに96時間投入し水を吸わせた後、アルミホイルに包み280℃のハンダ浴に30秒浸漬させ、取り出して空冷する。この浸漬を合計3回行ったものを室温に戻し、JIS K 6850に基づく方法で銅接着力を測定した。
【0047】
[実施例1]
(樹脂組成物の調整)
万能混合機(株式会社三英製作所製、2DMV−R)中に、エポキシ樹脂a−1 12.73重量%と、フェノールb−A1 3.14重量%と、シリカ−1と、エポキシシラン0.5重量%を投入し、真空引きしながら80℃で2時間混合した。その後60℃に温度を下げ、触媒A−1を1重量%、B−1を0.5重量%をフェノール3重量%中に溶解させたものを投入し、10分混合して樹脂組成物を得た。なお、シリカ−1の投入量は、その他の成分の投入量の総計から、組成物の残余の部分とした。ディスペンサー供給が可能で、保存性も良好であった。この樹脂の、PCT、リフロー後の銅接着強度は830kPaであった。
【0048】
[比較例1]
主成分がクレゾールノボラック型エポキシ樹脂と、フェノールノボラック樹脂と、球状シリカと、トリフェニルフォスフィンからなる市販されているトランスファーモールド成型用樹脂組成物について同様の方法でPCT、リフロー後の銅接着力を測定したところ2/3の試験片が剥離した。残りの試験片の接着強度の平均は130kPaであった。以上のことから、比較例1のトランスファモールド成型用樹脂組成物は、PCT,リフロー後にほとんど銅接着力を有しないことがわかった。また室温で固形であるため、ディスペンス供給できなかった。保存性については、40℃で粘度が測定できないため、測定不能であった。
【0049】
[比較例2]
主成分がビスフェノールA型エポキシ樹脂と、メチルテトラヒドロ無水フタル酸と、球状シリカと、2−エチル−4‐メチルイミダゾールからなる市販されている液状封止用樹脂組成物を同様の方法でPCT、リフロー後の銅接着力を測定したところリフロー後にすべての接着が剥がれてしまった。(接着強度0kPa)以上のことから比較例2の液状封止用樹脂組成物は、PCT,リフロー後に銅接着力を有しないことがわかった。またディスペンス供給は可能であり、保存性については粘度の上昇が見られたものの使用可能な範囲であった。
【0050】
[実施例2〜9および比較例3〜6]
触媒の種類または配合の割合、樹脂の配合の割合を表1に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様に樹脂組成物を作成し、PCT、リフロー後の銅接着力、成型の可否、ディスペンスの可否、および保存性を評価した。組成と試験結果は表1に示す通りであった。
【0051】
【表1】

【0052】
比較例3〜4については、銅接着試験片を作成時の175℃5分硬化時に、樹脂硬度(#935)が0であり成型できないことがわかった。比較例6は接着試験片の作成には問題なかったが、40℃で3時間保持した時に粘度が大きく上昇したため、保存性に問題があった。これらのPCT、リフロー後の銅接着力を測定したところ、実施例1〜8に比べ大きく劣っていた。
【0053】
これらの結果から、本発明の範囲内で触媒の種類を変えた場合、あるいはエポキシ樹脂とフェノール樹脂の割合を代えても本発明の効果が得られることがわかった。また触媒を併用せず単独で使用した場合、PCT、リフロー後の銅接着力が悪いだけでなく、成型できないことや、保存性が悪くなることがあることがわかった。
【0054】
[実施例10〜13]
触媒A−1とB−1の配合比を表2に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を作成し、PCT、リフロー後の銅接着力、成型の可否、ディスペンスの可否、および保存性を評価した。得られた結果は2に示すとおりであった。表2には、実施例1、比較例4および6の結果と共に得られた結果が示されている。
【0055】
【表2】

【0056】
これらの試験結果から、触媒A−1とB−1の配合比はA−1/B−1=9/1〜4/6までであることが必要であり、A−1の割合が多いと硬度が得られず成型できなくなり、B−1の割合が多いとPCT、リフロー後の接着強度が低下し、保存性も悪くなることがわかった。
【0057】
[実施例14〜16]
触媒A−1とB−1の合計量を表3に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を作成し、PCT、リフロー後の銅接着力、成型の可否、ディスペンスの可否、および保存性を評価した。得られた結果は表3に示すとおりであった。表3には実施例1の結果も併せて示されている。
【0058】
【表3】

【0059】
これらの試験結果から、樹脂組成物の総重量に対して、触媒の総量が0.5〜2重量%の領域においては、特にPCT、リフロー後に良好な銅接着力を持つことがわかった。
【0060】
[実施例17〜20および比較例7〜8]
樹脂成分aまたはbの種類、球状溶融シリカ粒子の配合量または種類を表4に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様に樹脂組成物を作成し、PCT、リフロー後の銅接着力、成型の可否、ディスペンスの可否、および保存性を評価した。得られた結果は表4に示す通りであった。。
【0061】

【0062】
実施例17〜20の結果より、エポキシ樹脂の種類やシリカの種類に関わらず、PCT、リフロー後の銅接着力が高い樹脂組成物が得られることがわかった。また比較例7および8には本発明の範囲外である一般的な分子量の大きいエポキシ樹脂やフェノール樹脂の例を示したが、いずれもPCT、リフロー後銅接着力は劣った。またこの二つは粘度が高く、ディスペンサーにより適用ができないことがわかった。
【0063】
[実施例21]
(樹脂組成物の調整)
万能混合機(株式会社三英製作所製、2DMV−R(商品名))中に、エポキシa−1 8.6重量%と、酸無水物b−B1 10.27重量%と、シリカ−1と、エポキシシラン0.5重量%を投入し、真空引きしながら80℃で2時間混合した。その後60℃に温度を下げ、触媒A−1を1重量%、B−1を0.5重量%を酸無水物3重量%中に溶解させたものを投入し、10分混合して樹脂組成物を得た。なお、シリカ−1の投入量は、その他の成分の投入量の総計から、組成物の残余の部分とした。ディスペンサー供給が可能で、保存性も良好であった。この樹脂の、PCT、リフロー後の銅接着強度は520kPaであった。
【0064】
[実施例22]
エポキシ樹脂をエポキシ樹脂a−2にしたこと以外は実施例21と同様に樹脂組成物を得た。ディスペンサー供給が可能で、保存性も良好であった。この樹脂の、PCT、リフロー後の銅接着強度は480kPaであった。
【0065】
[実施例23]
酸無水物を酸無水物b−B2にしたこと以外は実施例21と同様に樹脂組成物を得た。ディスペンサー供給が可能で、保存性も良好であった。この樹脂の、PCT、リフロー後の銅接着強度は550kPaであった。
【0066】
[比較例9]
酸無水物を酸無水物b−B3にしたこと以外は実施例21と同様に樹脂組成物を得た。ディスペンサー供給が可能で、保存性も良好であった。この樹脂の、PCT、リフロー後の銅接着強度は480kPaであった。しかし、この樹脂組成物を127℃のPCTに500時間投入したところ、加水分解に起因すると思われる重量減少が観察され、長期の信頼性に問題があることがわかった。
【0067】
[実施例24〜26]
酸無水物と併用してフェノールb−A2、フェノール−1、またはフェノール−2を用いたこと以外は実施例21と同様に樹脂組成物を得た。いずれもディスペンサー供給が可能で、保存性も良好であった。この樹脂の、PCT、リフロー後の銅接着強度はそれぞれ810、1020、1040kPaであった。実施例21〜26および比較例9において得られた結果は表5に示すとおりであった。
【0068】
【表5】

【0069】
以上のことから、本発明の組成物を使用した場合、PCT、リフロー後の銅接着力が強いだけでなく、成形性に優れ、ディスペンスで樹脂の供給が可能であり、かつ保存性の良い液体の樹脂組成物を得られることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合度3以下のビスフェノール型エポキシ樹脂から選択される樹脂成分aと、
式(1A)により表されるフェノール樹脂:
【化1】

(式中、m=0〜3であり、R〜RはHまたはアリル基であって、R〜Rのうち少なくとも一つはアリル基である)
および式(1B)により表される酸無水物:
【化2】

(式中、Lは、
【化3】

で表される2価の連結基であり、R16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19はそれぞれ独立にHまたは炭素数8以下の炭化水素基であって、R16、R17、R17’、R18、R18’、およびR19のうち少なくとも二つは炭化水素基である)
からなる群から選択される樹脂成分bと、
式(2A)、(2B)、または(2C)により表される触媒A:
【化4】

(式中、R21〜R24はHまたは炭化水素基であり、前記炭化水素基は水酸基またはシアノ基により置換されていてもよく、Zは、スルホン酸、カルボン酸、フェノール、およびフェノール樹脂からなる群から選択される化合物である)
と、
式(3A)、(3B)、または(3C)により表される触媒B:
と、
【化5】

(式中、R31〜R34はHまたは炭化水素であって、前記炭化水素基は水酸基またはシアノ基により置換されていてもよい)
球状溶融シリカ粒子と
を含んでなり、樹脂組成物中に含まれる触媒Aの重量と触媒Bの重量の割合A/Bが9/1〜4/6であることを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
前記エポキシ樹脂が、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記樹脂組成物中の触媒Aと触媒Bの合計量が、樹脂組成物の総重量に対して0.5〜2重量%である、請求項1または2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
前記触媒Aが、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイトである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記触媒Bが、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、または2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
前記樹脂組成物が、式(1A)により表されるものとは別のフェノール樹脂をさらに含んでなる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
前記式(1A)により表されるものとは別のフェノール樹脂の融点または軟化点が70℃以下である、請求項6に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
前記樹脂組成物と無酸素銅との間の接着強度が、127℃の飽和蒸気内にて96時間浸漬し、さらに280℃のリフロー炉に30秒×3回通した後に、0.4MPa以上ある、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
半導体素子を請求項1〜8に記載の樹脂組成物で封止してなる半導体装置。

【公開番号】特開2009−215484(P2009−215484A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−62320(P2008−62320)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】