説明

機器制御システム

【課題】ユーザが視聴予約番組や録画予約番組を予め設定することが可能であり、視聴や録画等の制御を行うことが可能な、携帯情報端末を用いた機器制御システムを提供する。
【解決手段】機器制御システムは、携帯端末100とクレードル200とを備える。携帯端末100は、番組予約情報を設定する設定手段と、クレードル200への収容時に、設定手段で設定した番組予約情報をクレードル200に送信する送信手段とを有する。クレードル200が、携帯端末100から番組予約情報を受信する受信手段と、受信した番組予約情報及び制御対象機器情報を記憶する記憶手段と、記憶手段が記憶した番組予約情報及び制御対象機器情報に基づき、被制御機器に送信する制御信号を生成する制御信号生成手段と、現在時刻を計時する計時手段とを有する。機器制御システムは、番組予約情報の予約時刻に制御信号を被制御機器に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器制御システムに関し、より詳細には、テレビジョン受像機等の視聴機器やレコーダ等の録画機器を、携帯情報端末を用いて制御する機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョン受像機等の機器を、携帯情報端末を用いて制御する方法としては、例えば、EPG情報等の番組表情報を利用したものがある。例えば、特許文献1には、番組表情報を取得した携帯情報端末を用いて、録画機器に対して録画予約を行う機器制御システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に開示の機器制御システムは、携帯情報端末に、録画機器に対するリモートコントローラ(リモコン)として働く機能を持たせるものである。ユーザは、この携帯情報端末を用いて、番組表情報を掲載した携帯情報端末向けのWEBサービスなどを提供するサービスステーションにアクセスし、当該装置の画面に表示される番組選択画面を介して、録画予約を希望する番組を選択する。次いで、携帯情報端末を用い、録画開始/終了時刻情報を含む番組予約情報を取得し、備え付けられたリモコン機能により当該番組予約情報を録画装置に送信する。録画装置は、受信した番組予約情報に基づいて、録画予約を完了する。特許文献1の機器制御システムでは、このようにして、録画機器に対する録画予約制御を行っている。
【特許文献1】特開2001−309288号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の機器制御システムでは、ユーザが、移動時間中などの空いた時間に、録画しておきたい番組を予め設定することができないため、利便性が低い。上記システムの携帯情報端末に記憶媒体を持たせて、その記憶媒体に、外出中の空き時間などに、録画希望番組の設定(すなわち、番組予約情報を記憶)しておき、帰宅後、録画予約の際に改めて番組予約情報を記憶媒体から読み出し、リモコン信号に変換して録画予約すれば、時間を有効に使えるため、ユーザにとって利便性が高くなる。ただ、このように記憶媒体を用いる機器制御システムであっても、録画予約希望番組の設定後、その設定を行ったことをユーザが忘れてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、ユーザが視聴予約番組や録画予約番組を予め設定することが可能であり、視聴や録画等の制御を行うことが可能な、携帯情報端末を用いた機器制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の技術手段は、携帯情報端末と、該携帯情報端末が収容されるクレードルと、を備え、視聴機器及び/又は録画機器を含む機器を制御する機器制御システムであって、前記携帯情報端末が、番組予約情報を設定する設定手段と、前記クレードルに収容されているときに、前記設定手段で設定した前記番組予約情報を、前記クレードルに送信する送信手段と、を有し、前記クレードルが、前記携帯情報端末が送信する前記番組予約情報を受信する受信手段と、該受信手段が受信した前記番組予約情報、及び、制御対象機器情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶した番組予約情報及び前記制御対象機器情報に基づいて、被制御機器に送信する制御信号を生成する制御信号生成手段と、現在時刻を計時する計時手段と、を有し、前記番組予約情報の予約時刻に、前記制御信号を前記被制御機器に送信することを特徴としたものである。
【0007】
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記クレードルに、前記制御信号を受信すると共に出力する外部接続出力装置が接続され、該接続出力装置を介して、前記制御信号を前記被制御機器に送信することを特徴としたものである。
【0008】
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記クレードルが、前記携帯情報端末の当該クレードルに対する着脱を検出する着脱検出手段を有し、前記番組予約が視聴予約である場合に、前記番組予約情報の番組開始時刻の時に前記携帯情報端末が当該クレードルから脱抜状態のときは、当該番組の録画を開始する制御信号を生成し、前記被制御機器に送信することを特徴としたものである。
【0009】
第4の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記クレードルが、前記携帯情報端末の当該クレードルに対する着脱を検出する着脱検出手段を有し、前記番組予約が視聴予約である場合に、当該番組の視聴時間内に前記携帯情報端末が前記クレードルから脱抜されたことを検出したときは、当該番組の録画を開始する制御信号を生成し、前記被制御機器に送信することを特徴としたものである。
【0010】
第5の技術手段は、第3又は第4の技術手段において、前記クレードルが、前記携帯情報端末が当該クレードルに装着されたことを検出した場合に、再生又は追っかけ再生を開始する制御信号を生成し、前記被制御機器に送信することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、ユーザが携帯情報端末に視聴したい番組、録画しておきたい番組を予め設定しておき、その携帯情報端末をクレードルに装着することにより、設定された番組の情報をクレードルが自動的に取得し、取得した情報に基づき、予約視聴制御や予約録画制御を行うので、番組の視聴及び録画を忘れずに、また視聴機器や録画機器の操作を意識することなく制御することができる。また、制御対象となる視聴機器及び録画機器に新たな手段を追加する必要がないため、これら制御対象の改良コストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る機器制御システムについて図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る機器制御システムの構成例を示す概略図である。本発明の機器制御システムは、図示するように、携帯情報端末100と、赤外線(IR:Infrared)送信部201を具備したクレードル200と、外部接続赤外線(IR)送信装置300と、から構成されており、視聴機器400と録画機器500とを制御する。
【0013】
視聴機器400と録画機器500は、機器制御システムが制御する機器である被制御機器である。視聴機器400は、ユーザが番組を視聴するためのものであり、例えば、テレビジョン(TV)放送を受信し画面に表示するTV受像機から成り、表示パネル401を有する。また、録画機器500は、記録媒体に番組を録画するものであり、例えば、内蔵するハードディスクに番組を録画するHDDレコーダから成る。
【0014】
本機器制御システムの携帯情報端末100は、アンテナ101を介して無線でデータ通信をすることができるものであり、例えば、携帯電話端末から成り、情報を表示する表示パネル103と、情報を入力するための操作キー104を有する。ユーザは、例えば、この携帯情報端末(以下、携帯端末という)100を用いて、データ通信により番組表情報を受信し、受信した番組表情報を利用して、番組予約(録画予約や視聴予約)を行うことが可能である。ユーザが予約した番組の情報(番組予約情報)は、携帯端末100の記憶部に記憶される。
【0015】
クレードル200は、携帯端末100と接続して、携帯端末100の充電を行ったりするものであり、携帯端末100を収容することができる凹所を有する。
また、携帯端末100及びクレードル200のそれぞれには、両者間でデータ通信を行うためのデータ通信端子や、クレードル200から携帯端末100に電力供給を行うための充電端子等の端子102,202が設けられている。
【0016】
クレードル200は、収容した携帯端末100のデータ通信端子から、クレードル200のデータ通信端子を介して、番組予約情報等の情報を受信する。また、クレードル200は、表示パネル203と選択キー204や決定キー204を有することが好ましい。これらを用いて、視聴機器400や録画機器500の機器情報(メーカー名、機種名等)をユーザが設定できるようになっている。また、クレードル200は、IR送信部201を有しており、このIR送信部201を介し、視聴機器400や録画機器500に対して、これらの被制御機器を制御する制御信号である機器制御信号(以下、制御信号という)を赤外線送信する。
【0017】
外部接続IR送信装置300は、クレードル200で生成した制御信号を被制御機器に間接的に赤外線送信するためのもので、IR送信部301を有しており、好ましくは有線で、クレードル200と接続される。
【0018】
以上のような装置から構成される機器制御システムにおいて、携帯端末100は、クレードル200に装着されると、ユーザにより設定され自身の記憶部に記憶した番組予約情報を、端子102,202を介して、クレードル200に送信する。
クレードル200は、受信した番組予約情報を記憶し、記憶した番組予約情報と設定された機器情報等に基づき、予約時刻(例えば、予約視聴開始時刻)に、被制御機器である視聴機器400や録画機器500に対応する制御信号(例えば、電源ON信号)を、IR送信部201を介して被制御機器に送信する。なお、予約時刻とは、ユーザが視聴予約や録画予約を携帯端末100に設定することにより、その時刻になったときにクレードル200が所定の制御を行うように予約した時刻のことをいう。
また、クレードル200は、上記制御信号を適宜、外部接続IR送信装置300を介して送信することもできる。
【0019】
赤外線受信部402,501で制御信号を受信した視聴機器400や録画機器500は、その制御信号に基づいて動作し、視聴予約番組を表示パネル401に表示したり、録画予約番組を記録媒体(不図示)に録画したりなどする。
【0020】
続いて、図2及び図3を用いて、図1の機器制御システムの携帯端末100について説明する。図2は、図1における携帯端末100の内部構成を示すブロック図であり、図3は、携帯端末100が番組表情報を受信するときの様子を説明するための図である。
携帯端末100は、図2に示すように、無線でデータ通信を行うための無線通信部105と、ユーザからの操作を受け付けるキー入力部106と、情報を表示する表示部107と、受信したデータ等を記憶するためのメモリ部108と、時間情報を得るためのタイマ部109と、クレードル200とデータ通信を行うための通信I/F部(外部I/F)110と、各構成部を制御する制御部111と、を含んで構成される。
【0021】
なお、図示は省略しているが、携帯端末100は、上記各部の他に、バッテリや、バッテリの充電を行う充電制御部、クレードル200から電力供給を受ける充電端子等を有する。充電制御部は、バッテリの充電状況等に応じて、クレードル200から充電端子を介して供給された電力を、バッテリを充電する充電回路へ供給したり、その供給を停止したりする。
【0022】
本発明の機器制御システムでは、上述のように、視聴を希望する番組や録画を希望する番組を予め携帯端末100を用いてユーザが設定(選択)するが、その際、番組表情報(例えば、EPG情報)を利用することができる。
番組表情報を利用するために、携帯端末100は、番組表情報用のデータベースである番組データベース701を有するサーバ700に接続される。
より具体的には、例えば、サーバ700が繋がるネットワーク800に対して、無線データ通信を行う無線基地局600が繋がれており、この無線基地局600と、データ通信を行う携帯端末100の無線通信部105と、がアンテナ101を介して接続される。すなわち、携帯端末100は、無線基地局600及びネットワーク800を介してサーバ700とデータ通信を行うことができるようになっており、番組表情報(TV番組表情報)をサーバ700から取得する。
【0023】
実際に番組表情報を取得するためには、例えば、ユーザが携帯端末100において、まず、表示パネル103(図1参照)等からなる表示部107に表示されるメニューから、テンキーや各種機能キーを含む操作キー104(図1参照)で構成されるキー入力部106にて、予約する番組の選択を行うことができるコンテンツを選択入力する。ユーザから番組予約用コンテンツの選択入力があった携帯端末100では、制御部111より無線通信部105と無線基地局600とネットワーク800とを介して、サーバ700に接続し、番組表情報を取得する。
【0024】
取得した番組表情報を用いて、ユーザは、携帯端末100に、視聴を希望する番組や録画を希望する番組を予約する(すなわち番組予約情報を設定する)。そのために、例えば、まず、携帯端末100が、取得した番組表情報に基づいて、番組を選択するための番組選択画面(番組表画面)を表示部107で表示する。この表示された番組選択画面に対し、ユーザは、番組予約情報設定手段を構成するキー入力部106を用いて、所望の番組を選択入力し、予約種別(視聴予約か録画予約か)を入力することで、番組予約情報を設定する。そして、携帯端末100では、制御部111が、ユーザが設定した番組予約情報をメモリ部108に記録する。
この番組予約情報には、予約した番組の開始時刻(予約録画/視聴開始時刻)と終了時刻(予約録画/視聴終了時刻)の情報、放送局(チャンネル)情報、予約種別情報が含まれる。
【0025】
このような番組予約情報を記録する携帯端末100は、例えば、ユーザが帰宅した後などに、クレードル200に装着される。携帯端末100をクレードル200に装着すると、クレードル200が備える、当該クレードル200に対する携帯端末100の着脱を検知する着脱検知手段が、携帯端末100が装着されたことを検知する。そして、携帯端末100の装着を検知したクレードル200からの要求に応じて、携帯端末100は、端子102を構成するデータ通信端子からなる外部I/F110を介して、メモリ部108に記憶された番組予約情報を、クレードル200に送信する。
【0026】
次に、クレードル200について、図4を用いて説明する。
図4は、図1におけるクレードル200の内部構成を示すブロック図である。
クレードル200は、携帯端末100との接続部として機能する携帯端末接続I/F205と、充電を制御するための充電制御部206と、携帯端末100との通信を制御するための通信制御部207と、電力線から供給されるAC電力をDC電力に変換し携帯端末100に対して給電を行うための電源制御部208と、機器を制御する制御コードが各メーカー(の各機種)ごとに記載されている制御コードテーブルを有するコマンド管理部209と、ユーザからの操作を受け付けるキー入力部210と、情報を表示する表示部211と、各種情報を記憶するメモリ部212と、信号を無線出力する赤外線(IR)送信部213と、外部接続IR送信装置300と接続するための外部I/F214と、時間情報を得るためのタイマ部215と、各構成部を制御する制御部216と、を有し、制御部216は、被制御機器の制御信号を生成する制御信号生成手段216aを有する。
【0027】
充電制御部206と通信制御部207は、クレードル200に対する携帯端末100の着脱(接続/切断)を検知することができる。
充電制御部206は、携帯端末100がクレードル200に装着(接続)されたことを検知した場合、接続されている携帯端末100(の充電制御部)に対して、電源制御部208から供給されるDC電力を供給する。
【0028】
通信制御部207が接続を検知した場合、制御部216は、携帯端末接続I/F205を介して、携帯端末100に番組予約情報の送信を要求する。その際、携帯端末100に番組予約情報が設定されていれば、携帯端末100から番組予約情報を受信し、設定されていなければ、その旨の情報を受信する。制御部216は、番組予約情報を受信した際に、番組予約情報をメモリ部212に記録(格納)する。
【0029】
メモリ部212は、番組予約情報の他に、機器情報を記録することができる。この機器情報は、機器制御システムが制御対象とする機器の情報(視聴機器情報及び録画機器情報)であって、例えば、制御対象の機器のメーカー名の情報や、型番(機種)の情報等が含まれる。
【0030】
機器情報は、例えば、図1の表示パネル203から成る表示部211と、図1の選択キー204や決定キー204から成るキー入力部210とを使用して予め設定しておくことができる。選択キー204は、機器制御システムの制御対象の機器を選択するためのキーである。表示パネル203は、コマンド管理部209の制御コードテーブルから制御信号が生成可能な機器のリスト、及び/又は、選択キー204により選択された機器の機種名やメーカー名等を表示する。決定キー204は、選択キー204により選択された機器を、制御対象機器として登録(記録)するためのキーである。
例えば、制御部216がコマンド管理部209等を参照して表示部211に表示した機器のリストから、ユーザが、キー入力部210を用いて制御対象機器を選択することで、機器情報は選択されメモリ部212に記録される。
【0031】
なお、ユーザが携帯端末100の表示パネル103や操作キー104を用いて制御対象の機器を選択し、携帯端末100の記憶部に記憶し、携帯端末100がクレードル200に取り付けられたときに、クレードル200が、選択された制御対象の機器の機器情報を携帯端末100から取得しメモリ部212に記憶するようにしてもよい。
【0032】
クレードル200の制御部216は、タイマ部215を参照して、現在時刻が予約時間(予約視聴/録画開始時刻や予約視聴/録画終了時刻)になったか判定する。制御部216の制御信号生成手段216aは、現在時刻が予約時間になった場合、番組予約情報から得られる予約種別情報及び予約内容情報(放送局情報)並びに機器情報に基づいて、コマンド管理部209に記憶されている制御コードテーブルを参照して、被制御機器に適合する制御信号を生成する。
【0033】
制御コードテーブルは、コマンド管理部209に予め記憶されていてもよいし、携帯端末100から取得するようにしてもよい。また、携帯端末100から変更できるように構成されることが好ましい。
制御部216の制御信号生成手段216aで制御コードテーブル等に基づいて生成した制御信号は、クレードル200に具備されたIR送信部213又は外部I/F214へ送信される。
【0034】
IR送信部213に制御信号を送信する場合、IR送信部213は、被制御機器である視聴機器400(又は録画機器500)に対し、例えば、受信した制御信号を赤外線信号に変換し送信することにより、制御信号を無線出力する。
外部I/F214に制御信号を送信する場合というのは、外部接続IR送信装置300を介して制御信号を無線出力する場合であって、この場合、外部I/F214は、当該I/F214に接続される外部接続IR送信装置300の外部I/F303に制御信号を送信する。
【0035】
図5は、図1における外部接続IR送信装置300の構成図である。クレードル200に具備された外部I/F214に接続できる外部接続IR送信装置300は、外部I/F214との接続部としての外部I/F303と、IR信号送信部302と、を具備し、例えば、ケーブルを介して、クレードル200とつながっている。IR信号送信部302は、クレードル200の外部I/F214から、ケーブル等と外部I/F303とを介して制御信号を受信し、受信した制御信号を変換し、視聴機器400や録画機器500などの被制御機器に向けて送信する。
【0036】
このように、本発明に係る機器制御システムでは、被制御機器を制御する制御信号を、クレードル200と外部接続される外部接続IR送信装置300から無線出力することができる。クレードル200からの制御信号が、障害物等のために被制御機器に直接届かないような場合であっても、被制御機器が確実に制御信号を受信できるような位置に外部接続IR送信装置300を載置し、クレードル200と外部接続IR送信装置300とを接続し、IR信号送信部302から制御信号を無線出力することで、被制御機器に確実に制御信号を受信させることができる。つまり、外部接続IR送信装置300を設けることにより、クレードル200の設置場所の自由度を高めることができるのである。
【0037】
本機器制御システムでは、クレードル200から被制御機器への制御信号の直接送信と(外部接続IR送信装置300を介した)間接送信とを切り替えることができるように、制御部216からの制御信号をIR送信部213に送信するか外部I/F214に送信するかを、必要に応じて切り替えられることが望ましい。
【0038】
次に、予約録画/視聴開始時の処理について、図6を参照して説明する。
なお、ここでは、携帯端末100がクレードル200に装着されたことにより、携帯端末100のメモリ部108に設定された番組予約情報は、既にクレードル200に送信されているものとする。
【0039】
クレードル200の制御部216は、メモリ部212に記憶されている番組予約情報に含まれる予約視聴/録画開始時刻(予約制御開始時刻)の情報に基づき、タイマ部215を参照して、現在時刻が予約視聴/録画開始時刻と一致するかチェックする(ステップS1)。現在時刻が予約視聴/録画開始時刻と一致しない場合(NOの場合)、ステップS1に戻り処理を繰り返すが、一致した場合(YESの場合)、一致した予約視聴/録画開始時刻を含む番組予約情報に基づいて、予約種別(録画予約であるか視聴予約であるか)を判定する(ステップS2)。
【0040】
録画予約と判定した場合、クレードル200は録画制御を行う。被制御機器は録画機器であるので、制御部216の制御信号生成手段216aは、メモリ部212に記憶した機器情報から得られる当該被制御機器(録画機器500)の情報(メーカー名等)と、番組予約情報に含まれる放送局(チャンネル)情報と、に基づき、コマンド管理部209の制御コードテーブルを参照して、電源ON信号、録画開始信号及び放送局(チャンネル)選択信号であって当該被制御機器(録画機器500)に対応したものを制御信号として生成する(ステップS6)。また、ステップS6において、クレードル200は、生成した制御信号を外部I/F214や外部接続IR送信装置300を介して当該被制御機器(録画機器500)に無線出力する。そして、制御部216は、予約録画時間中である旨を示す予約録画制御中フラグを立て(ステップS7)、録画開始制御処理を終了する。
【0041】
一方、ステップS2において視聴予約と判定した場合は、まず、携帯端末100がクレードル200に装着されているか(装着状態か)、それともクレードルから脱抜されているか(脱抜状態か)を、クレードル200から携帯端末100が着脱されたことを検知する着脱検知手段を参照して判定する(ステップS3)。これは、視聴開始時に携帯端末100がクレードル200に装着されていない場合、ユーザが視聴機器400の周囲におらず、視聴機器400に予約番組を表示しても視聴できない可能性があるからである。したがって、上記の場合、視聴予約番組として設定された番組を、視聴機器500に表示する代わりに、視聴開始時から録画機器400で録画するようにしてもよい。
【0042】
ステップS3において携帯端末100が装着状態にあると判定された場合は、クレードル200は次のような視聴制御を行う。被制御機器は視聴機器であるので、制御部216の制御信号生成手段216aは、メモリ部212に記憶した機器情報から得られる当該被制御機器(視聴機器400)の情報と、番組予約情報に含まれる放送局(チャンネル)情報と、に基づき、コマンド管理部209の制御コードテーブルを参照して、電源ON信号及び放送局(チャンネル)選択信号であって当該被制御機器(視聴機器400)に対応したものを制御信号として生成する(ステップS4)。また、ステップS5において、クレードル200は、生成した制御信号を外部I/F214や外部接続IR送信装置300を介して当該被制御機器(視聴機器400)に無線出力する。そして、制御部216は、予約視聴時間中である旨を示す予約視聴制御中フラグを立て(ステップS5)、視聴開始制御処理を終了する。
【0043】
一方、ステップS3において携帯端末100が脱抜状態にあると判定された場合、クレードル200は次のような視聴予約番組代替録画制御を行う。まず、クレードル200の制御部216の制御信号生成手段216aは、上述の録画制御と同様にして、電源ON信号、録画開始信号及び放送局(チャンネル)選択信号であって当該被制御機器(録画機器500)に対応したものを制御信号として生成する(ステップS8)。また、ステップS4において、クレードル200は、生成した制御信号を外部I/F214や外部接続IR送信装置300を介して当該被制御機器(録画機器500)に無線出力する。そして、制御部216は、視聴予約番組代替録画である旨を示す視聴予約番組代替録画制御フラグを立て(ステップS9)、視聴予約番組代替録画開始制御処理を終了する。
なお、この視聴予約番組代替録画制御は、後述の電話応答録画制御のものと同様に、予約番組の途中から追っかけ再生することができる。
【0044】
次に、携帯端末100の利用状況に応じた機器制御について、説明する。
携帯端末100が携帯電話機であるとすると、予約視聴中にユーザが携帯端末100の通話着信に応答する場合、視聴機器に表示された視聴予約番組の重要な場面を見逃したりしてしまうことがある。この場合、通話着信に応答した時から視聴予約番組を録画しておけば、録画した視聴予約番組を後で再生することで、上記重要な場面を見逃さないようにすることができる。しかし、通話着信は突然あるものであり、早く応答しなければ着信が切れてしまうことなどから、視聴していた視聴予約番組の録画を開始してから通話着信に応答することは、ユーザにとって容易ではない。
【0045】
本発明の機器制御システムは、上記を踏まえ、クレードル200から携帯端末100が着脱されたことを検知する着脱検知手段を用い、予約視聴中に携帯端末100がクレードル200から脱抜されたと着脱検知手段で検知された時に、ユーザが通話を開始したものと推定し、視聴していた視聴予約番組をその時点から自動的に録画することができるように構成してもよい。以下、上記自動録画ができるように構成した本機器制御システムにおける自動録画処理について、図7を参照して説明する。
【0046】
クレードル200の制御部216は、クレードル200から端末100が脱抜されたことを示す脱抜情報を受信する(ステップS11)と、例えば、予約視聴制御中フラグが立っているか否かに基づいて、現在、予約視聴制御中であるかを判定する(ステップS12)。
予約視聴制御中でない場合(NOの場合)、そのまま処理を終了する。一方、予約視聴制御中と判定した場合(YESの場合)、脱抜検知時から視聴予約番組を録画機器500で録画するために、制御部216の制御信号生成手段216aは、コマンド管理部209の制御コードテーブルを参照するなどして、録画機器500に対応した電源ON信号等の制御信号を生成し、録画機器500に無線出力させる(ステップS13)。そして、制御部216は、後述の追っかけ再生などのために電話応答録画フラグを立てて(ステップS14)、電話応答録画開始制御処理を終了する。
【0047】
これにより、視聴予約番組を、携帯端末100がクレードル200から脱抜された時点から、自動的に録画できるようになる。
また、このとき、ユーザの通話の妨げにならないように、視聴機器400の電源OFF制御や消音制御等をしてもよい。
【0048】
なお、携帯端末100がクレードル200に装着されているときに通話着信があるとクレードルに報知する着信報知手段を携帯端末100に設けておき、クレードルが、この着信報知手段からの報知と、着脱検出手段の検出結果と、に基づいて、ユーザが通話着信に応答した時点から、視聴予約番組を自動的に録画するようにしてもよい。
【0049】
また、本機器制御システムでは、視聴予約番組代替録画又は電話応答録画の場合、携帯端末100がクレードル200に再び装着された時に、録画機器500に録画していた視聴予約番組を、その録画を開始した位置から自動的に追っかけ再生できるように構成してもよい。以下、上記自動再生ができるように構成した本機器制御システムにおける自動再生処理について、図8を参照して説明する。
なお、携帯端末100にはクレードル200に送信すべき番組予約情報の設定はないものとする。
【0050】
クレードル200の制御部216は、携帯端末100がクレードル200に装着されたことを示す装着情報を受信すると(ステップS21)、携帯端末100に番組予約情報の送信を要求するが、番組予約情報を受信しないので、電話応答録画フラグ又は視聴予約番組代替録画制御フラグが立っているか否かを判定する(ステップS22)。
【0051】
いづれかのフラグが立っていると判定された場合(YESの場合)、視聴予約番組が録画されているので、当該視聴予約番組の追っかけ再生を行うために、コマンド管理部209の制御コードテーブルを参照するなどして、追っかけ再生用の制御信号を生成し録画機器500へ無線出力させると共に、当該再生番組を録画できるように、電源ON信号やチャンネル選択信号等の制御信号を生成し、視聴機器400へ無線出力させる(ステップS23)。
このようにして、録画機器500に録画していた視聴予約番組を、携帯端末100がクレードル200に再び装着された時に、その録画を開始した位置から自動的に追っかけ再生できる。
【0052】
なお、本機器制御システムでは、クレードル200において、追っかけ再生を開始した場合に、その旨を示す追っかけ再生フラグを立てておくことが好ましい。これにより、制御部216は、予約番組視聴時間終了時に、追っかけ再生フラグの状況に応じて、視聴機器等の電源をOFFする制御信号を生成するか否かを判定でき、追っかけ再生中に視聴機器の電源をOFFしないようにすることができる。
【0053】
なお、上述の各処理を行った後、現在時刻が予約録画/視聴終了時となった時、クレードル200は、追っかけ再生制御を行っている場合は、クレードル200は何もしないが、視聴制御を行っていた場合、視聴機器電源OFF制御信号を生成し出力する。また、録画制御、視聴予約番組代替録画制御又は電話応答録画制御を行っていた場合は、録画機器電源OFF制御信号(及び録画停止制御信号)を生成し出力する。なお、これらのいずれの制御を行っていた場合でも、これらの制御を開始する時に立てたフラグは、この終了時に寝かしておく。
ただし、現在時刻が予約視聴終了時刻となった時に電話応答録画制御又は視聴予約番組代替録画制御を行っていた場合は、視聴予約番組録画終了後も設定を継続し、追っかけ再生終了後に解除する。
【0054】
以上のように、本発明の機器制御システムでは、被制御機器に新たな手段を追加することなく、ユーザが携帯端末に見たい番組、録画しておきたい番組を予め設定しておき、その携帯端末をクレードルに装着することにより、番組の視聴及び録画を忘れずに、また被制御機器の操作を意識することなく制御することができる。
また、例えば、予約による番組視聴中に携帯端末の通話着信に応答する場合、クレードルから携帯端末が脱抜されるので、脱抜結果に基づいて、視聴していた番組の録画処理を録画機器に自動的に開始させ、TV受像機の電源をOFFさせる。そして通話終了後に携帯端末をクレードルに戻すことにより、録画を開始した時点からの追っかけ再生を行う為、視聴機器や録画機器の制御を意識することなく番組の内容を見落とさずに視聴が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る機器制御システムの構成例を示す概略図である。
【図2】図1における携帯端末100の内部構成を示すブロック図である。
【図3】携帯端末100がTV番組表情報を受信するときの様子を説明するための図である。
【図4】図1におけるクレードル200の内部構成を示すブロック図である。
【図5】図1における外部接続赤外線送信装置300の構成図である。
【図6】予約録画/視聴開始時の処理について説明するためのフローチャートである。
【図7】電話応答録画開始時の処理について説明するためのフローチャートである。
【図8】追っかけ再生処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
100…携帯情報端末(携帯端末)、101…アンテナ、102…端子、103…表示パネル、104…操作キー、105…無線通信部、106…キー入力部、107…表示部、108…メモリ部、109…タイマ部、110…外部I/F、111…制御部、200…クレードル、201…赤外線送信部、202…端子、203…表示パネル、204…選択キー、204…決定キー、205…携帯端末接続I/F、206…充電制御部、207…通信制御部、208…電源制御部、209…コマンド管理部、210…キー入力部、211…表示部、212…メモリ部、213…赤外線送信部、214…外部I/F、215…タイマ部、216…制御部、216a…制御信号生成手段、300…外部接続赤外線送信装置、302…赤外線信号送信部、303…外部I/F、400…視聴機器、401…表示パネル、500…録画機器、600…無線基地局、700…サーバ、701…番組データベース、800…ネットワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯情報端末と、該携帯情報端末が収容されるクレードルと、を備え、視聴機器及び/又は録画機器を含む機器を制御する機器制御システムであって、
前記携帯情報端末は、番組予約情報を設定する設定手段と、前記クレードルに収容されているときに、前記設定手段で設定した前記番組予約情報を、前記クレードルに送信する送信手段と、を有し、
前記クレードルは、前記携帯情報端末が送信する前記番組予約情報を受信する受信手段と、該受信手段が受信した前記番組予約情報、及び、制御対象機器情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶した番組予約情報及び前記制御対象機器情報に基づいて、被制御機器に送信する制御信号を生成する制御信号生成手段と、現在時刻を計時する計時手段と、を有し、
前記番組予約情報の予約時刻に、前記制御信号を前記被制御機器に送信することを特徴とする機器制御システム。
【請求項2】
前記クレードルに、前記制御信号を受信すると共に出力する外部接続出力装置が接続され、該接続出力装置を介して、前記制御信号を前記被制御機器に送信することを特徴とする請求項1に記載の機器制御システム。
【請求項3】
前記クレードルは、前記携帯情報端末の当該クレードルに対する着脱を検出する着脱検出手段を有し、前記番組予約が視聴予約である場合に、前記番組予約情報の番組開始時刻の時に前記携帯情報端末が当該クレードルから脱抜状態のときは、当該番組の録画を開始する制御信号を生成し、前記被制御機器に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の機器制御システム。
【請求項4】
前記クレードルは、前記携帯情報端末の当該クレードルに対する着脱を検出する着脱検出手段を有し、前記番組予約が視聴予約である場合に、当該番組の視聴時間内に前記携帯情報端末が前記クレードルから脱抜されたことを検出したときは、当該番組の録画を開始する制御信号を生成し、前記被制御機器に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の機器制御システム。
【請求項5】
前記クレードルは、前記携帯情報端末が当該クレードルに装着されたことを検出した場合に、再生又は追っかけ再生を開始する制御信号を生成し、前記被制御機器に送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−17067(P2009−17067A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174719(P2007−174719)
【出願日】平成19年7月3日(2007.7.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】