説明

機構デバイスの製造方法及び機構デバイス

【課題】上部磁性体部と下部磁性体部とがオーバラップし、高い磁気吸引力を発生させて動作することが可能な機構デバイスの製造方法及びその製造方法で製造された機構デバイスを提供する。
【解決手段】素子形成ガラス基材11上の下地電極膜12内に磁性層21を埋没形成するための凹部を形成し、その凹部内に磁性層21を形成する。そして、磁性層21が埋没形成された下部電極用下地電極膜12の表面全体を覆うように導電層22を形成して下部電極20を形成する。これにより、下部電極20の上面がほぼ段差のない平面状となり、下部電極20上に膜を積層していくことで形成される上部電極30の梁部31bは、段差のない平面状に形成される。このため、梁部31b上に形成される上部電極30の磁性層32aを下部電極20の磁性層21上方に形成でき、磁性層32aと磁性層21とが所定のオーバラップを持つ構造を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロマシン技術を用いて製造される機構デバイスの製造方法及び機構デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の機構デバイスとして、例えば、片持ち梁構造を有し、磁気駆動により動作する機構デバイスがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の機構デバイスは、同文献の図1に示されているように、基板と、下部電極と、上部電極とから構成されている。上部電極は片持ち梁構造を成し、梁の先端部分には上部磁性層が形成されている。また、下部電極には下部磁性層が形成されている。そして、この機構デバイスを動作させるのに十分な磁力が付加されると、磁性材料で構成された上部磁性層と下部磁性層とに磁力が作用して両者が互いに引き寄せられ、これにより上部電極の片持ち梁の先端が下部電極に接触する。そして、前記磁力が除去されると、上部電極の片持ち梁自身の弾性によって非接触に戻るように動作し、スイッチ素子として機能するものである。
【0003】
かかる構成の機構バイスは、同文献の図6及び図7に示されているように、基板上に下部電極用銅箔を形成した後、磁性層としてのニッケル層を形成し、さらにそのニッケル層の表面全体を導電層で覆うことにより下部電極を形成し、その後、犠牲層と片持ち梁構造部とを形成し、片持ち梁構造部の片持ち梁の先端部分にニッケル層及び導電層を形成して上部磁性体部を形成した後、犠牲層を取り除き、所望の機構デバイスを形成するようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−311699公報(図1,図6,図7参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この種の磁気駆動の機構デバイスは、上部磁性層と下部磁性層との間に磁気吸引力を発生させて駆動する機構上、上部磁性層と下部磁性層との間を接近して構成することが好ましく、このため、特許文献1の図1に示されているように、上部磁性層と下部磁性層とがオーバラップしている構造が望ましい。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されている製造方法では、以下の理由から実際には図1に示すようにオーバラップした構造には形成されない。すなわち、上記従来の素子形成プロセスの図6(b)では、犠牲層において、下部磁性層の上方に位置する部分の厚みが、下部磁性層以外の部分の厚みより薄く形成され、犠牲層の上面が段差のない平面に形成されているように図示されているが、下部磁性層以外の部分の厚みと同様の厚さに形成される。したがって、犠牲層の上面の下部磁性層に対応する部分には、下部磁性層の厚みに相当する段差が形成される。このような段差があると、犠牲層の上に積層される片持ち梁構造部にも犠牲層の形状が転写され、片持ち梁構造部の片持ち梁の先端部分、すなわち、下部磁性層とオーバラップする部分に段差が形成されることになる。
【0007】
このような段差は、片持ち梁部の構造として好ましくないことから、実際には、片持ち梁部に段差が形成されないように、下部電極の上方に位置する部分には片持ち梁部は形成されず、上部磁性層と下部磁性層とはオーバラップしない構造となっている。このため、磁気吸引力を十分作用させることができず、スイッチ素子に必要となる接点抵抗、高感度、動作領域といった特性が低下する問題があった。
【0008】
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、上部磁性層と下部磁性層とがオーバラップし、高い磁気吸引力を発生させて動作することが可能な機構デバイスの製造方法及びその製造方法で製造された機構デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る機構デバイスの製造方法は、絶縁基板と、絶縁基板上に形成され、下部磁性層を有する下部電極と、絶縁基板上にその基部が形成されるとともに、梁部の先端が下部電極と離間して対向するように形成された片持ち梁構造部を備え、梁部上に上部磁性層を有する上部電極とを備えた機構デバイスの製造方法であって、絶縁基板の表面に形成された下地電極膜上にレジストを塗布する工程と、フォトリソグラフィによりレジストに開口パターンを形成する工程と、絶縁基板表面の下地電極膜において開口パターンにより露呈された部分をエッチングにより除去して少なくとも下部電極用下地電極膜および上部電極用下地電極膜を有する配線パターンを形成する工程と、下部電極用下地電極膜内に下部磁性層を埋没形成するための凹部を形成する工程と、凹部内に下部磁性層を形成する工程と、上部電極用下地電極膜の表面全体を覆うように耐エッチング層を形成して素子電極を形成するとともに、下部磁性層が埋没形成された下部電極用下地電極膜の表面全体を覆うように導電層を形成して下部電極を形成する工程と、絶縁基板及び下部電極上に犠牲層を形成する工程と、上部電極用下地電極膜上に片持ち梁構造部の基部が位置し、犠牲層の下部電極に対応する部分の上面に片持ち梁構造部の梁部の一部が位置するように片持ち梁構造部となる構造層を形成する工程と、構造層において下部電極の下部磁性層とオーバラップする位置に、上部磁性層を有する上部磁性体部を形成する工程と、犠牲層をエッチングにより除去する工程とを有するものである。
【0010】
また、本発明に係る機構デバイスは、マイクロマシン技術を用いて形成された片持ち梁構造のデバイス素子を有する2枚の基板が、デバイス素子の形成面が対向するように向かい合わせて接合され、デバイス素子は、基板上に底面が接触する基部および基部に支持された梁部を有する片持ち梁構造部と、片持ち梁構造部の梁部上に形成された磁性体部とを有し、2枚の基板は、片持ち梁構造部の梁部同士が一定の間隔を持って相対向し、且つ磁性体部分同士がオーバラップするように接合されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、下地金属膜の磁性層形成部分を薄膜化した上で、その部分に磁性層を形成するようにしたため、下地金属膜内に磁性層が埋設した構造となり、下部電極の上面をほぼ段差のない平面状とすることができる。このため、その上に膜を積層していくことで形成される上部電極の梁部を段差のない平面状に形成することができる。したがって、梁部上に形成される磁性層を下部電極の磁性層の上方に形成できるため、上部電極の磁性層と下部電極の磁性層とを、所定のオーバラップを持たせた形状とすることができる。よって、磁気吸引力の高い機構デバイスを構成することができ、スイッチ素子に必要となる接点抵抗、高感度、動作領域といった特性の改善を図ることができる。
【0012】
また、本発明によれば、各デバイス素子の磁性体部分同士がオーバラップした構造としたため、磁気吸引力の高い機構デバイスを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の機構デバイスパッケージの断面図、図2は、図1の機構デバイスパッケージの接続配線状態を示す図、図3は、機構デバイスの概略斜視図である。本発明はマイクロマシン機構デバイスの素子構造に関するものであるが、ここでは、具体的にスイッチ素子としての機構デバイスを例に説明する。
【0014】
図1において、機構デバイスパッケージ1は、機構デバイス10と、機構デバイス10を保護する保護用ガラス基材70とから構成され、両者が一体的に接合されてパッケージ化されている。
【0015】
機構デバイス10は、2個のスルーホール50を有する素子形成ガラス基材11と、この素子形成ガラス基材11の一方の面上に形成された下部電極20と、前記一方の面上に形成された上部電極30とを備えており、素子形成ガラス基材11の他方の面には、パッケージ1の電気信号の取り出しのための外部接続電極40が2箇所に形成されている。2つの外部接続電極40のうちの一方は、スルーホール50を介して上部電極30の素子電極60と接合され、他方は、スルーホール50を介して下部電極20と電気的に接続されている。
【0016】
素子形成ガラス基材11は、ガラスで構成された絶縁基板で構成されており、素子形成ガラス基材11上には、不要な部分が除去されて配線パターン化された下地金属膜12が形成されている。そして、その配線パターン上に下部電極20、上部電極30が電気的に接続されている。
【0017】
下部電極20は、例えばニッケルで構成される磁性層21の表面全体を導電層22で覆った構成を有している。磁性層21および導電層22はそれぞれ以下に詳述する半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)および電解メッキ法を用いて形成されており、導電層22は金(接点材料)で構成されている。ここで、金は、腐食に強いことから、金で磁性層21を覆うことにより磁性層21の酸化を防止でき、また、導電層22自身の酸化も防止できて、接触抵抗の上昇が防止されて初期の導電性を維持でき、接点性能の安定化を図ることが可能となっている。また、この導電層22を構成する材料には、本発明の機構デバイス10の製造時の最終工程(後述する)におけるウェットエッチングの際に、磁性層21が浸食されないように保護する役割も必要とされていることから、その面からも、最終工程のウェットエッチングで用いるエッチング液(ここでは塩化第二鉄)に対して耐エッチング性を有する金が用いられている。
【0018】
上部電極30は、フォトリソグラフィ法および電解メッキ法を用いてそれぞれ形成された片持ち梁構造部31と、磁性体部32とを有している。片持ち梁構造部31は、素子電極60上にその底面が接触する基部31aと、該基部31aに支持された梁部31bとで構成され、耐エッチング性を有する導電性材料(接点材料)で構成される。本例では、金を用いて形成するようにしている。ここで、接点材料として金を用いることにより、上述したように接点性能安定化を図ることが可能となる。また、金は硬度が低く柔軟性のある材料であることから、片持ち梁構造部31を金で構成することにより、以下に詳述するが、梁部31bを磁力によって下部電極20側に引き寄せる際に、微少な磁力でも動作させることができ、よって、高感度のスイッチ機構を構成することが可能となる。
【0019】
磁性体部32は、例えばニッケルで構成された磁性層32aの表面全体を耐エッチング層32bで覆った構成となっている。この磁性層32aおよび耐エッチング層32bはそれぞれフォトリソグラフィ法および電解メッキ法を用いて形成されており、該耐エッチング層32bは金で構成されている。耐エッチング層32bに金を用いることにより、上述したように磁性層32aの酸化を防止でき、また、機構デバイス10の製造時の最終工程(後述する)におけるウェットエッチングに際し、磁性層32aがエッチングされないように保護することができる。
【0020】
このように構成された上部電極30は、磁性層32a部分が、下部電極20の磁性層21部分とオーバラップ(図1の符号1a部分)するように素子形成ガラス基材11上に形成されており、この構成により、上部電極30と下部電極20との間に磁気吸引力を十分作用させることが可能となっている。
【0021】
このように構成された機構デバイスパッケージ1は、素子形成ガラス基材11に形成された外部接続電極40が、プリント基板100上の配線パターン101に接合手段(図示せず)により電気的に接続されている。また、プリント基板100には、図2に示すように、回路構成要素102が電気的に接続されている。
【0022】
次に、機構デバイス10の動作について説明する。機構デバイス10の動作は、基本的には従来技術と同様であり、機構デバイス10に対して図2の矢印方向に磁界をかけると、この磁界の作用によって、上部電極30の磁性層32a及び下部電極20の磁性層21が磁化することとなる。この時、例えば、上部電極30の磁性層32aの先端(図示右端)がS極に、下部電極20の磁性層21の先端(図示左端)がN極となる様に磁界を加えると、両磁性体間に磁気吸引力が働き、片持ち梁構造部31の梁部31bが下部電極20に引き寄せられ、梁部31bと下部電極20が接触することとなる。この結果、機構デバイス10が電気的に導通する。そして、2つの外部接続電極40に電圧が印可されている場合には、この2つの外部接続電極40間に電流が流れる。
【0023】
ここで、本例の機構デバイス10は、上部電極30の磁性層32aと下部電極20の磁性層21とがオーバラップした構造であるため、両磁性層32a,21間に効率良く磁気吸引力が作用し、感度の高い機構デバイス10となっている。
【0024】
次に、磁界を除去すると、上部電極30側の磁性層32a及び下部電極20の磁性層21の磁化がなくなるので、両磁性層32a,21間に作用していた磁気吸引力もなくなる。この結果、上部電極30の梁部31bが自身の復元力により元の位置に戻り、機構デバイス10が電気的に絶縁され、2つの外部接続電極40間に電流が流れなくなる。
以上の様に、磁界によって機構デバイス10がオン、オフ動作する。
【0025】
ここで、本発明は、上部電極30の磁性層32aと、下部電極20の磁性層21とがオーバラップする構造としたことに特徴を有するもので、以下、この構造の機構デバイスの製造方法について説明する。なお、本発明は、マイクロマシン技術を用いて製造されており、マイクロマシン技術には、IC、LSIなどの製作で用いられる半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)および電解メッキ法を使用する。以下、その製造方法について詳細に説明する。
【0026】
図4〜図8は、それぞれ本発明の実施の形態1の機構デバイスの製造方法の模式説明図である。以下、各図を順に説明する。なお、図4〜図7において、図の左側は図3のA−A断面(素子電極部断面)のプロセスフローを示し、図の右側は図3のB−B断面(梁部断面)のプロセスフローを示している。以下では、図の右側に示す梁部断面のプロセスフローを中心に説明し、必要に応じて左側の素子電極部断面のフローについても説明する。
【0027】
図4(A)は、素子形成ガラス基材11の一方の面全体に下地金属膜12が形成され、その上に、レジスト81が塗布された状態を示している。素子形成ガラス基材11には、スルーホール50が2箇所に形成されている。そして、スルーホール50の表面と外部接続電極40の形成部分には、スパッタリング、蒸着、あるいは無電界めっきといった手段により下地膜が形成され、その後、電界めっきにより厚膜化することで電気的に導通がとられ、スルーホール配線51と外部接続電極40とが形成されている。なお、下地金属膜12は、スルーホール配線51を介して外部接続電極40と電気的に接続されている。
【0028】
そして、このレジスト81に、フォトリソグラフィを利用して下部電極20、素子電極60を形成するための開口パターン81aを形成する(図4(A))。そして、この開口パターン81aをマスクとしてウェットエッチング(例えば塩化第二鉄)を行い、下地金属膜12から余分な部分を除去し、配線パターン(下部電極20及び素子電極60となる部分のパターン)を形成する(図4(B))。
【0029】
そして、レジスト81を除去した後、再度、素子形成ガラス基材11の表面全体にレジスト82を塗布し、フォトリソグラフィを利用して、レジスト82に下部電極20の磁性層21を形成するための開口パターン82aを形成する(図4(C))。次に、開口パターン82aをマスクとしてウェットエッチングを行い、下地金属膜12から、下部電極20の磁性体形成部分を所定の厚みを残して除去する(図4(D))。
【0030】
次に、開口パターン82a部分から露出した下地金属膜12上に電解メッキ装置により例えばニッケルを積層して磁性層21を形成する(図4(E))。ここでは、磁性層21の表面の高さ位置が、その磁性層21の周囲の下地金属膜12の高さ位置を超えないように形成される。その後、レジスト82を除去する(図4(F))。
【0031】
そして、下部電極20と素子電極60を形成するためのレジストパターン83をフォトリソグラフィを利用して形成する(図5(G))。そして、素子形成ガラス基材11においてレジストパターン83で覆われずに露出した部分の表面に電界メッキ装置により例えば金をメッキして導電層22を形成する。この導電層22により、下部電極20形成部分の下地金属膜12及び磁性層21が被覆され、下部電極20が形成される。また、同時に、素子電極60となる下地金属膜12部分が金メッキされ、素子電極60が形成される(図5(H))。ここで、本実施の形態では、下部電極20を形成するに際し、下地金属膜12上にそのまま磁性層21を形成するのではなく、下地金属膜12を薄膜化した上で磁性層21を形成するようにしたため、下地金属膜12内に磁性層21が埋没形成され、下部電極20の上面をほぼ段差のない平面に形成することができる。
【0032】
そして、レジスト83を除去し(図5(I))、再度、素子形成ガラス基材11の表面全体にレジスト84を塗布し、フォトリソグラフィを利用して、レジスト84に犠牲層85形成用の開口パターン84aを形成する(図5(J))。
【0033】
この開口パターン84aから露出した部分に、電解メッキ装置により例えばニッケルを積層して犠牲層85を形成する(図5(K))。ここで、犠牲層85の形成面の一部には導電層22が形成されているため、犠牲層85の表面(上面)には、導電層22の厚み分の段差が形成されるが、この段差は無視できる程度のものであり、犠牲層85の上面はほぼ段差のない平面状に形成される。
【0034】
そして、レジスト84を除去し(図5(L))、再度、素子形成ガラス基材11の表面全体にレジスト86を塗布し、レジスト86に片持ち梁構造部31(図1参照)の形成用の開口パターン86aを形成する(図6(M))。そして、この開口パターン86a部分に電解メッキ装置により金を積層して素子形成ガラス基材11および犠牲層85上に片持ち梁構造部31を形成する(図6(N))。ここで、本例では、犠牲層85の上面をほぼ段差のない平面状に形成されるため、片持ち梁構造部31の梁部231bも平面状に形成することができる。その後、レジスト86を除去する(図6(O))。
【0035】
そして、下部電極20、犠牲層85および片持ち梁構造部31が形成された素子形成ガラス基材11の表面全体にレジスト87を塗布し、レジスト87に、上部電極30(図1参照)の磁性層32a形成用の開口パターン87aを形成する(図6(P))。この開口パターン87aは、少なくとも一部が下部電極20の磁性層21とオーバラップするように形成される。そして、この開口パターン87a部分に電解メッキ装置により例えばニッケルを積層して磁性層32aを形成する(図6(Q))。これにより、磁性層32aと磁性層21とがオーバラップする構造を得ることができる。その後、レジスト87を除去する(図7(R))。
【0036】
次に、下部電極20、犠牲層85、片持ち梁構造部31および磁性層32aを含む素子形成ガラス基材11の表面全体にレジスト88を塗布し、レジスト88に、磁性層32aの保護膜としての耐エッチング層32b形成用の開口パターン88aを形成する(フォトリソグラフィ工程)(図7(S))。そして、この開口パターン88aから露出した部分に電解メッキ装置により金を積層して耐エッチング層32bを形成し、磁性層32aの表面全体を金でメッキした構成の磁性体部32を形成する(図7(T))。そして、レジスト88を除去する(図7(U))。
【0037】
そして、最終工程として塩化第二鉄をエッチング液として用いてウェットエッチングを行う。これにより、犠牲層85と、その下面に形成された下地金属膜12部分とが選択的に除去される(図7(V))。すなわち、耐エッチング性を有する材料で形成された部分(片持ち梁構造部31)及び同材料で覆われて形成された部分(素子電極60、磁性体部32、下部電極20)を除いて選択的にエッチング除去される。その結果、機構デバイス10が完成する。
【0038】
以上のようにして、素子形成ガラス基材11全面に機構デバイス10を複数個同時に形成でき、素子形成基板が作成される。
【0039】
次に、素子形成基板から機構デバイスパッケージを製造する工程について説明する。図8は、パッケージ形成のプロセスを示す図である。なお、図8には、素子形成基板全体ではなく一部を示している。
図8において、70は、機構デバイス10を保護するための保護用ガラス基材で、機構デバイス10を収容するザグリ部71を有している。機構デバイスパッケージ1を製造する際には、この保護用ガラス基材70の素子形成ガラス基材11との接合面に接着剤などの接合手段90を塗布し、ザグリ部71が素子形成ガラス基材11上の機構デバイス10と相対するように素子形成ガラス基材11に向かい合わせ、所定の処理を行って保護用ガラス基材70と素子形成ガラス基材11とを接合固定する。その後、スクライブライン13で切断する。これにより、個々に分離されて 機構デバイスパッケージ1が完成する。
【0040】
このように、本実施の形態1の製造方法によれば、上記従来のように下地金属膜12の上に磁性層21を形成するのではなく、下地金属膜12の磁性層21形成部分を薄膜化した上で、その部分に磁性層21を形成するようにしたため、下地金属膜12内に磁性層21を埋設した構造となり、下部電極20の上面をほぼ段差のない平面状とすることができる。このため、その上に膜を積層していくことで形成される上部電極30の梁部31bを段差のない平面状に形成することができる。したがって、梁部31b上に形成される磁性層32aを下部電極20の磁性層21上方に形成できるため、前記磁性層32aと磁性層21とを、所定のオーバラップを持たせた形状とすることができる。よって、磁気吸引力の高い機構デバイス10を構成することができ、スイッチ素子に必要となる接点抵抗、高感度、動作領域といった特性の改善を図ることができる。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2は、片持ち梁構造を有する機構デバイスの他の構成例を示すものである。
図9は、本発明の実施の形態2の機構デバイスパッケージの接続配線状態を示す図、図10は、図9の機構デバイスを構成するデバイス素子の概略斜視図である。本発明はマイクロマシン機構デバイスの素子構造に関するものであるが、ここでは、具体的にスイッチ素子としての機構デバイスを例に説明する。
【0042】
実施の形態2の機構デバイス200は、片持ち梁構造を有する2個のデバイス素子201を相対向させて接合することにより構成されたものである。各デバイス素子201のそれぞれは、2個のスルーホール250を有する素子形成ガラス基材211と、この素子形成ガラス基材211の一方の面上に形成された片持ち梁構造部231と、片持ち梁構造部231に形成された磁性体部232と、接続用電極233とを有している。素子形成ガラス基材211の他方の面には、機構デバイス200の電気信号の取り出しのための外部接続電極240が2箇所に形成されている。2つの外部接続電極240のうちの一方は、一方のスルーホール250を介して素子電極260と電気的に接続されている。また、他方の外部接続電極240は、他方のスルーホール250を介して接続用電極233と電気的に接続されている。
【0043】
片持ち梁構造部231は、素子電極260上にその底面が接触する基部231aと、該基部231aに支持された梁部231bとで構成され、耐エッチング性を有する導電性材料である金(接点材料)で構成されている。本例では、金を用いて形成するようにしている。ここで、接点材料として金を用いることにより、接点性能安定化を図ることが可能となる。また、金は硬度が低く柔軟性のある材料であることから、片持ち梁構造部231を金で構成することにより、以下に詳述するが、梁部231bを磁力によって、もう一方のデバイス素子201側に引き寄せる際に、微少な磁力でも動作させることができ、よって、高感度のスイッチ機構を構成することが可能となる。
【0044】
磁性体部232は、例えばニッケルで構成された磁性体232aの表面全体を耐エッチング層232bで覆った構成となっている。この磁性体232aおよび耐エッチング層232bはそれぞれフォトリソグラフィ法および電解メッキ法を用いて形成されており、耐エッチング層232bは金で構成されている。耐エッチング層232bに金を用いることにより、上述したように磁性体232aの酸化を防止でき、また、機構デバイス200の製造時の最終工程(後述する)におけるウェットエッチングに際し、磁性体232aがエッチングされないように保護することができる。
【0045】
接続用電極233は、例えばニッケルで構成された磁性体233aを金属メッキ(本例では金メッキ)層233bで覆った構成の構造層を積層することにより形成されている。接続用電極233の表面は、もう一方のデバイス素子201との接合面となるもので、その接合面の高さ位置は、磁性体部232の高さ位置と略同じに形成されている。
【0046】
図9の機構デバイス200は、上記のように構成された2個のデバイス素子201を、片持ち梁構造部231同士が対向するように向かい合わせ、且つ磁性体232a同士が所定量オーバラップ(図9の符号200a部分)するようにして接着剤などの接合手段290で接合したものである。以下では、説明の便宜上、図示上側のデバイス素子201を上部デバイス素子201a、図示下側のデバイス素子201を下部デバイス素子201bという。
【0047】
このように構成された機構デバイス200は、図9に示すように、下部デバイス素子201bの外部接続電極240が、プリント基板100上の配線パターン101に接合手段により電気的に接続されている。また、プリント基板100には、回路構成要素102が電気的に接続されている。
【0048】
次に、機構デバイスの動作について説明する。
機構デバイス200に対して図9の矢印方向に磁界をかけると、この磁界の作用によって、上部デバイス素子201aの磁性体232a及び下部デバイス素子201bの磁性体232aが磁化することとなる。この時、例えば、上部デバイス素子201aの磁性体232aの先端(図示左端)がS極に、下部デバイス素子201bの磁性体232aの先端(図示右端)がN極となる様に磁界を加えると、両磁性体232a間に磁気吸引力が働き、上部デバイス素子201aの梁部231bと下部デバイス素子201bの梁部231bとが互いに引き寄せられて接触する。この結果、機構デバイス200が電気的に導通する。2つの外部接続電極240に電圧が印可されている場合、この2つの外部接続電極240間に電流が流れる。
【0049】
ここで、本例の機構デバイス200は、上部デバイス素子201a側の磁性体232aと下部デバイス素子201b側の磁性体232aとがオーバラップしているため、両磁性体232a間に効率良く磁気吸引力を得ることができる。したがって、感度の高い機構デバイス200を構成することができ、スイッチ素子に必要となる接点抵抗、高感度、動作領域といった特性の改善を図ることができる。
【0050】
次に、磁界を除去すると、上部デバイス素子201aの磁性体232aと下部デバイス素子201bの磁性体232aの磁化がなくなるので、両磁性体232a間に作用していた磁気吸引力もなくなる。この結果、上部デバイス素子201aの梁部231bが自身の復元力により元の位置に戻り、機構デバイス200が電気的に絶縁され、2つの外部接続電極240間に電流が流れなくなる。
以上の様に、磁界によって機構デバイス200はオン、オフ動作する。
【0051】
ここで、本発明は、上部デバイス素子201aの磁性体232aと下部デバイス素子201bの磁性体232aとをオーバラップした構造とすることにより、磁気吸引力の高い機構デバイス200を得るもので、以下、このような機構デバイスを構成するデバイス素子の製造方法について説明する。なお、本発明は、マイクロマシン技術を用いて製造されており、マイクロマシン技術には、IC、LSIなどの製作で用いられる半導体プロセス(フォトリソグラフィ法)および電解メッキ法を使用する。
【0052】
図11〜図15は、それぞれ本発明の実施の形態2の機構デバイスの製造方法の模式説明図である。以下、各図を順に説明する。なお、図11〜図15において、図11の左側は図10のA−A断面(素子電極部断面)のプロセスフローを示し、図の右側は図1のB−B断面(梁部断面)のプロセスフローを示している。以下では、図の右側に示す梁部断面のプロセスフローを中心に説明し、必要に応じて適宜図の左側の素子電極部断面のフローについても説明する。
【0053】
図11(A)は、素子形成ガラス基材211の一方の面全体に、下地金属膜212が形成され、その上に、レジスト281が塗布された状態を示している。素子形成ガラス基材211には、スルーホール250が2箇所に形成されている。そして、スルーホール250の表面と外部接続電極240の形成部分には、スパッタリング、蒸着、あるいは無電界めっきといった手段により下地膜が形成され、その後、電界めっきにより厚膜化することで電気的に導通がとられ、スルーホール配線251と外部接続電極240とが形成されている。なお、下地金属膜212は、スルーホール配線251を介して外部接続電極240と電気的に接続されている。
【0054】
そして、このレジスト281に、フォトリソグラフィを利用し、素子電極60を形成するための開口パターン281aを形成する(図11(A))。そして、この開口パターン81aをマスクとしてウェットエッチング(例えば塩化第二鉄)を行い、下地金属膜212から余分な部分を除去し、配線パターン(下部電極20及び素子電極60となる部分のパターン)を形成する(図11(B))。そして、レジスト281を除去する(図11(C))。
【0055】
次に、素子電極260を形成するためのレジストパターン282をフォトリソグラフィを利用して形成する(図11(D))。そして、素子形成ガラス基材211においてレジストパターン282で覆われずに露出した部分の表面に、電界メッキ装置により例えば金をメッキして導電層222を形成する。この導電層222により、下地金属膜212が被覆され、素子電極260が形成される(図11(E))。そして、レジスト282を除去する(図11(F))。
【0056】
そして、再度、素子形成ガラス基材211の表面全体にレジスト283を塗布し、フォトリソグラフィを利用して、犠牲層形成用の開口パターン283a及び接続用電極233形成用の開口パターン283bを形成する(図12(G))。
【0057】
そして、開口パターン283a及び283bから露出した部分に、電解メッキ装置により例えばニッケルを積層して犠牲層285と接続用電極233の磁性体233a部分とを形成し(図12(H))、その後、レジスト283を除去する(図12(I))。そして、再度、素子形成ガラス基材211の表面全体にレジスト284を塗布し、フォトリソグラフィを利用して、片持ち梁構造部231(図9参照)を形成するための開口パターン284aおよび接続用電極233の金メッキ層233b形成用の開口パターン284bを形成する。そして、この開口パターン284a,284bで開口された部分に電解メッキ装置により金を積層して片持ち梁構造部231を形成するとともに、接続用電極233の金メッキ層233b部分を形成する(図13(K))。そして、レジスト284を除去する(図13(L))。
【0058】
次に、素子形成ガラス基材211の表面全体にレジスト286を塗布し、レジスト286に上部デバイス素子201aの磁性体232a形成用の開口パターン286aと、接続用電極233の磁性体233a形成用の開口パターン286bとを形成する(図13(M))。そして、この開口パターン286a,286b部分に電解メッキ装置により例えばニッケルを積層して磁性体232aと接続用電極233の磁性体233aとを形成する(図13(N))。その後、レジスト286を除去する(図14(O))。
【0059】
そして、再度、素子形成ガラス基材211の表面全体にレジスト287を塗布し、レジスト287に、磁性体232aの保護膜としての耐エッチング層232b形成用の開口パターン287aと、接続用電極233の金メッキ層233b部分形成用の開口パターン287bとを形成する(図14(P))。そして、この開口パターン287a,287bから露出した部分に電解メッキ装置により金を積層して磁性体232aの表面に耐エッチング層232bを形成して磁性体部232を形成するとともに、接続用電極233の金メッキ層233bを形成する(図14(Q))。そして、レジスト287を除去する(図14(R))。
【0060】
そして、最終工程として塩化第二鉄をエッチング液として用いてウェットエッチングを行うことにより、犠牲層285と、その下面に形成された下地金属膜212部分とが選択的に除去される。その結果、デバイス素子201が完成する(図15(S))。そして、接続用電極233の表面に例えば接着剤などの接合手段290を塗布する(図15(T))。このように、接合手段290を塗布したデバイス素子201を2つ用意し、各片持ち梁構造部231同士が対向するように向かい合わせ、且つ磁性体232a同士を所定量オーバラップさせ(図15(U))、その状態で接着剤などの接合手段290で接合することにより、図9に示す機構デバイス200が完成する。その後のパッケージ化は実施の形態1と同様の手段、手法により実施できる。
【0061】
このように、本実施の形態2によれば、各デバイス素子201の磁性体232aがオーバラップした構造としたため、磁気吸引力の高い機構デバイス200を形成することができる。また、接合手段290の厚みによって、接点間のギャップ(上部デバイス素子201aの磁性体部232と下部デバイス素子201bの磁性体部232部との間の距離)を簡単に調整することができる。
【0062】
本発明において、使用する基板はガラス基板に限定されず、素子の材質もこれを限定するものではなく、本発明の目的である、磁性体をオーバラップさせて、磁気吸引力の低減を抑える構造、形態、構成であれば適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施の形態1の機構デバイスパッケージの断面図である。
【図2】図1の機構デバイスパッケージの接続配線状態を示す図である。
【図3】図1の機構デバイスの概略斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1の機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図5】図4に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図6】図5に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図7】図6に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図8】パッケージ形成のプロセスを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態2の機構デバイスパッケージの接続配線状態を示す図である。
【図10】図9の機構デバイスを構成するデバイス素子の概略斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態2の機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図12】図11に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図13】図12に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図14】図13に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【図15】図14に続く機構デバイスの製造方法の模式説明図である。
【符号の説明】
【0064】
1 機構デバイスパッケージ
10 機構デバイス
11 素子形成ガラス基材
12 下地金属膜
20 下部電極
21 磁性層
22 導電層
30 上部電極
31 片持ち梁構造部
31a 基部
31b 梁部
32 磁性体部
32a 磁性体
32b 耐エッチング層
40 外部接続電極
50 スルーホール
60 素子電極
85 犠牲層
90 接合手段
200 機構デバイス
201 デバイス素子
211 素子形成ガラス基材
212 下地金属膜
222 導電層
231 片持ち梁構造部
231a 基部
231b 梁部
232 磁性体部
232a 磁性体
232b 耐エッチング層
240 外部接続電極
250 スルーホール
260 素子電極
270 接合手段
285 犠牲層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、該絶縁基板上に形成され、下部磁性層を有する下部電極と、前記絶縁基板上にその基部が形成されるとともに、梁部の先端が下部電極と離間して対向するように形成された片持ち梁構造部を備え、前記梁部上に上部磁性層を有する上部電極とを備えた機構デバイスの製造方法であって、
前記絶縁基板の表面に形成された下地電極膜上にレジストを塗布する工程と、
フォトリソグラフィにより前記レジストに開口パターンを形成する工程と、
前記絶縁基板表面の下地電極膜において前記開口パターンにより露呈された部分をエッチングにより除去して少なくとも下部電極用下地電極膜および上部電極用下地電極膜を有する配線パターンを形成する工程と、
前記下部電極用下地電極膜内に前記下部磁性層を埋没形成するための凹部を形成する工程と、
前記凹部内に前記下部磁性層を形成する工程と、
前記上部電極用下地電極膜の表面全体を覆うように耐エッチング層を形成して素子電極を形成するとともに、前記下部磁性層が埋没形成された下部電極用下地電極膜の表面全体を覆うように導電層を形成して前記下部電極を形成する工程と、
前記絶縁基板及び前記下部電極上に犠牲層を形成する工程と、
前記上部電極用下地電極膜上に前記片持ち梁構造部の基部が位置し、前記犠牲層の前記下部電極に対応する部分の上面に前記片持ち梁構造部の梁部の一部が位置するように前記片持ち梁構造部となる構造層を形成する工程と、
前記構造層において前記下部電極の前記下部磁性層とオーバラップする位置に、前記上部磁性層を有する上部磁性体部を形成する工程と、
前記犠牲層をエッチングにより除去する工程とを有することを特徴とする機構デバイスの製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の機構デバイスの製造方法で製造されたことを特徴とする機構デバイス。
【請求項3】
前記絶縁基板の前記上部電極及び前記下部電極の形成面と反対側の面には、少なくとも2つの外部接続電極が形成されており、一方の外部接続電極は前記絶縁基板に形成された第1のスルーホールを介して前記上部電極と電気的に接続され、他方の外部接続電極は前記絶縁基板に形成された第2のスルーホールを介して前記下部電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項2記載の機構デバイス。
【請求項4】
マイクロマシン技術を用いて形成された片持ち梁構造のデバイス素子を有する2枚の基板が、前記デバイス素子の形成面が対向するように向かい合わせて接合されており、
前記デバイス素子が、前記基板上に底面が接触する基部および該基部に支持された梁部を有する片持ち梁構造部と、該片持ち梁構造部の前記梁部上に形成された磁性体部とを有し、前記2枚の基板は、前記片持ち梁構造部の前記梁部同士が一定の間隔を持って相対向し、且つ前記磁性体部分同士がオーバラップするように接合されていることを特徴とする機構デバイス。
【請求項5】
前記2枚の基板は接合手段によって接合されており、該接合手段の厚みによって前記梁部同士が相対向する前記一定の間隔が調整されていることを特徴とする請求項4記載の機構デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−300335(P2008−300335A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148514(P2007−148514)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(501252238)株式会社沖センサデバイス (17)
【Fターム(参考)】