説明

歩車間通信装置、携帯端末

【課題】歩行者が歩行しているのか自転車に乗車しているのかを判別し、車両と歩行者との異常接近が回避されるようそれぞれに適した支援を行う歩車間通信装置及び携帯端末を提供すること。
【解決手段】
携帯端末20の所持者13と車両11の運転者の少なくとも一方を、所持者13と車両11との異常接近が回避されるよう支援する歩車間通信装置100において、所持者13が自転車乗車状態か否かを判別する判別手段44と、所持者13が自転車乗車状態か否かに応じて、異なる態様で所持者13又は運転者を支援する支援手段40、26,27、35、36と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行者を検出して車両の乗員の円滑な運転を支援する歩車間通信装置及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
一般道のように歩行者と車両が近接した空間を移動する道路でも車両が円滑に移動できるよう歩行者の位置を検出して乗員を運転支援する交通安全システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、歩行者が携帯する携帯端末と通信して歩行者の位置を検出し、歩行者の位置とステアリング角度や速度から予測される車両の位置とを比較して、接近するおそれがある場合は警報音を吹鳴する交通安全システムが記載されている。また、歩行者等の移動体に貼付された無線タグを路側に敷設された複数のタグ読み取り装置で読み出し、歩行者等の移動方向と移動速度を検出する路側無線送受信装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2には、歩行者、自転車及び車いすを低速移動体に区分してそのIDコードを貼付することで、低速な移動体を検出し、低速移動体と車両のように高速移動体が接近する場合、低速移動体の近くの路側装置(表示装置)から歩行者等に注意喚起する交通安全支援装置が記載されている。
【特許文献1】特開平7−306995号公報
【特許文献2】特開2003−346297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、法令によっては自転車は車両と同じ車道を移動することが推奨されており、車両としては歩行者だけでなく自転車に乗車した歩行者の情報を必要とする場合が少なくない。自転車と歩行者では車両の乗員に提供すべき情報(例えば、自転車に乗車している場合は、左折時の自転車巻き込み注意、右折後の自転車との異常接近)が異なると考えられる。
【0004】
しかしながら、特許文献1には自転車と歩行者を判別してそれぞれに適した支援を提供する構成について記載されていない。また、特許文献2では、自転車と歩行者に異なるIDの無線タグを貼付しておくことが考えられるが、自転車に乗っている場合と手で押している(携行している)場合の判別がつかないので、これを判別して車両の乗員に適切な情報を提供できないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、歩行者が歩行しているのか自転車に乗車しているのかを判別し、車両と歩行者との異常接近が回避されるようそれぞれに適した支援を行う歩車間通信装置及び携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、携帯端末の所持者と車両の運転者の少なくとも一方を、所持者と車両との異常接近が回避されるよう支援する歩車間通信装置において、所持者が自転車乗車状態か否かを判別する判別手段と、所持者が自転車乗車状態か否かに応じて、異なる態様で所持者又は運転者を支援する支援手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、自転車乗車状態とそうでない場合による移動領域や移動速度の違いを考慮して、それぞれの状態に適した支援を所持者及び車両の運転者に提供することができる。
【0008】
また、本発明の一形態において、所持者が自転車乗車状態であると判別された場合、支援手段は、所持者又は運転者を支援するタイミングを、自転車乗車状態でないと判別された場合よりも早める、ことを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、自転車が歩行者よりも停止しにくいことを考慮して早期に支援することで異常接近を回避しやすくできる。
【0010】
また、本発明の一形態において、所持者が自転車乗車状態であると判別された場合、支援手段は、車両の右折時又は左折時に車両による所持者の巻き込みを回避するよう、運転者を支援し、又は、車両の右折時又は左折時に、車両により巻き込まれることを回避するよう所持者を支援する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、自転車が車道を走行する可能性があることも考慮して、巻き込みを回避するよう支援することができる。
【0012】
また、本発明の一形態において、判別手段は、所持者の移動速度、及び、所持者が移動している領域の斜度情報に基づき、所持者が自転車乗車状態か否かを判別する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、歩行者が携帯端末を操作しなくても、自動的に自転車に乗っているか否かを判断することができる。
【0014】
また、本発明の一形態において、判別手段は、所持者の移動速度、及び、携帯端末の上下振動の周期性に基づき、所持者が自転車乗車状態か否かを判別する、ことを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、上下新道という歩行者に特徴を検出して自転車に乗っているか否かを判断するので、移動速度のみで判断するよりも精度よく自転車に乗車しているかそうでないかを判断できる。
【発明の効果】
【0016】
歩行者が歩行しているのか自転車に乗車しているのかを判別し、車両と歩行者との異常接近が回避されるようそれぞれに適した支援を行う歩車間通信装置及び携帯端末を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は、歩行者13が自転車12に乗車しているか否かの判別の概要を説明する図である。以下では、歩行者13が自転車12に乗車して移動する状態を自転車乗車状態と、歩行者13が歩いて移動する状態を歩行状態とそれぞれ称す。また、自転車12に乗車した歩行者13を自転車運転者15という場合がある。なお、自転車12には原動機付き自転車が含まれる。
【0019】
車両11の歩車間通信装置100は所定距離内に存在する歩行者端末20と通信することができる。歩行者と、自転車に乗車した歩行者(以下、自転車運転者15という)とでは移動速度が違うので移動速度により、歩行者と自転車運転者15とを移動速度から判別することが考えられる。
【0020】
歩行者は例えば時速4〜5km/h、自転車は時速約40km/h未満で移動することが知られているので、移動速度により歩行者と自転車運転者15とを判別できる場合がある。しかしながら、極端に早い歩行者(実際に歩いている必要はないので例えばマラソンランナー、小走りの歩行者等)と、極端に遅い自転車は移動速度が同程度か逆転することもあるため、移動速度のみでは、歩行者か自転車運転者15かを判別することはできない。
【0021】
例えば、時速5km/h以下の移動速度の移動体を歩行者とする場合、時速5Km/h前後の速度で移動する歩行者は、歩行しているのか自転車に乗車しているのか判別結果が確定しない(判別結果がハンチングして定まらない)ことになる。
【0022】
そこで、本実施例では移動速度と振動情報に基づき歩行者端末20を携帯している歩行者13が、歩行状態か自転車乗車状態かを判別する。振動情報とは、歩行時に歩行者13の躰(特に腰以下の部分)に生じる上下の振動が、歩行していると推測してよい程度に周期的に検出されているか否かを判定するための情報である。歩行時の振動を利用したセンサに歩時計(万歩計(登録商標))があるが、このような振動情報から歩行者13に周期的な振動が生じていることが検出されていれば歩行者13が歩行状態であると推測できる。
【0023】
一方、電車に乗車している場合や路面の悪い道路を自動車や自転車12で走行している場合も振動情報が検出されうる。このため、本実施形態では移動速度と併せて歩行状態か否かを判別する。歩行者13であれば、統計的にその移動速度は、例えば4〜5km/h以下であると考えれる。
【0024】
以上から、本実施形態の歩車間通信装置100は、
a)移動速度が遅い(5km/h以下)
b)歩行者13に周期的な上下振動が生じている
の条件をいずれも満たす場合、歩行状態と判別する。
また、
c)移動速度が速い(5 〜 40 km/h)
d)歩行者13に周期的な上下振動が生じていない
の条件をいずれも満たす場合、自転車乗車状態と判別する。なお、移動速度の閾値は一例であって、国や地域等で可変に設定できる。
【0025】
図2は、歩行者端末20と歩車間通信装置100とを有する歩車間通信システム200の概略構成図を示す。歩行者端末20は、電力を供給するバッテリ21、位置を検出する位置検出機22、歩車間通信装置100と通信する通信装置24、フラッシュメモリなど不揮発性のメモリ25、振動を検出する振動検出機28、歩行状態か自転車状態かを歩車間通信装置100に通知するための切り替えスイッチ29、及び、全体を制御するCPU23を備える。
【0026】
位置検出機22は、歩行者端末20の位置を検出する。例えば、GPS(Global Positioning System)により緯度・経度・標高からなる位置情報を検出する。また、携帯電話の基地局の電波強度から位置を検出してもよい。
【0027】
この位置情報は歩行車13の移動速度を算出するために使用されるが、歩行者13の移動速度は位置情報以外の情報から算出してもよい。例えば、歩行者端末20の移動速度そのものを検出していてもよいし、歩車間通信装置100が例えばドップラー効果を利用して歩行者13の移動速度を検出してもよい。
【0028】
振動検出機28は、所定以上の加速度(例えば、0.4G)により駆動される可動部と、可動部の変位を検出する検出部と、検出部が可動部の変位を検出する毎に1つずつカウントアップするカウンタと、を有する。このような構成は、バネに連結した磁石と磁石の移動を検出する磁気センサ、又は、MEMS(micro electro mechanical systems)により実装される。振動検出機28は、振動が生じる度にカウンタをカウントアップする作業を繰り返す。なお、カウンタは最大カウント数まで到達するとゼロに戻るようになっている。本実施例ではこのカウンタが記憶するカウンタ値が振動情報となる。
【0029】
また、CPU23にはIDコードを記憶したメモリ25が接続されている。IDコードは例えば歩行者端末20のシリアル番号や製品番号など、重複することのない又は重複しにくい識別情報である。したがって、このIDコードにより各歩行者13を識別することができる。
【0030】
表示部26は、液晶や有機ELなどの表示手段であり、例えば、歩行者13に車両11の接近を知らせるメッセージを表示するために用いられる。また、スピーカ27から警報音や車両11の接近を知らせるメッセージが出力される。
【0031】
切り替えスイッチ29は、歩行者13が操作するスイッチで、「歩行状態」又は「自転車乗車状態」の2値状態のいずれかを選択できるようになっている。切り替えスイッチ29が「歩行状態」に操作された状態では、歩車間通信装置100からの問い合わせに対し歩行状態であることを示す情報を送信し、切り替えスイッチ29が「自転車乗車状態」に操作された状態では、歩車間通信装置100からの問い合わせに対し自転車乗車状態であることを示す情報を送信する。したがって、切り替えスイッチ29を備えていれば、歩車間通信装置100が歩行状態か自転車乗車状態かを判別しなくてもよい。
【0032】
歩行者端末20と歩車間通信装置100が通信する態様は、狭域通信して直接通信する態様と基地局を介して広域通信する態様とがある。また、狭域通信する場合は、歩行者端末20と歩車間通信装置100がいずれもマスターとなり得るアクセス手順で通信を開始し、所定のプロトコルにしたがいデータを送受信する態様と、歩車間通信装置100からのリクエストがある場合にのみ歩行者端末20が応答するRF-ID(例えば、無線タグ)の態様とがある。本実施形態の歩車間通信システム200は、狭域通信及び広域通信のいずれの場合でも実現可能であり、また、アクセス手順等に関わらず実現できる。例えば、ETC(Electronic Toll Collection System)による狭域通信(DSRC;Dedicated Short Range Communication)を利用してもよいし、車車間通信と同様に、1対1又は1対Nのアドホックネットワークを実現し、CSMA(Carrier Sense Multiple Access)をアクセス手順にして通信してもよい。また、Bluetooth、ZIGBEE、UWM(Ultra Wide Band)等の通信規格を用いてもよい。
【0033】
通信装置24は、歩車間通信装置100から送信される電波に低雑音信号増幅を施し、IF(中間周波数)またはベースバンド周波数に周波数変換する。そして、周波数変換後の電波をAD変換して得られたデジタルデータ(コマンドデータ)をプロトコル処理して歩行者情報の送信要求を受信しCPU23に送出する。
【0034】
CPU23は、歩行者情報の送信要求を受信すると、メモリ25からIDコードを読み出し、位置検出機22から位置情報を取得し、振動検出機28から振動情報(カウンタ値)を取得する。CPU23は、これらの歩行者情報を通信装置24に送出する。
【0035】
送信時、通信装置24は、歩行者情報にプロトコル処理を施した後、DA変換してアナログ信号に変換し、高周波への周波数変換と電力増幅を行い、アンテナから歩行者通信装置100に送信する。
【0036】
なお、図2のような歩行者端末20の構成は携帯電話に含まれるものであるため、歩行者端末20を携帯電話にて構成することが好適となる。携帯電話であれば、広域通信する機能も標準的に備える。また、歩行者端末20は、PHS(Personal Handyphone System)や、通信装置24を備えたPDA(Personal Data Assistance)、パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0037】
歩車間通信装置100は制御部34に制御され、制御部34は、通信装置31、GPS受信機32、地図DB33、ディスプレイ35及びスピーカ36と、CAN(controller area network)や専用線などを介して接続されている。通信装置31は所定のサイクル時間毎に歩行者情報の送信要求を送信し、歩行者端末20から送信された歩行者情報を受信する。歩行者情報の送信要求が到達する範囲は、例えば20〜100m程度であり、この範囲に存在する全ての歩行者端末20から歩行者情報を受信することができる。
【0038】
GPS受信機32は、GPS衛星から送信される電波の到達時間に基づき車両11の位置を検出する。この位置に車速センサが検出する走行距離をジャイロセンサが検出する方向に累積して、高精度に位置を推定してもよい。
【0039】
地図DB33は、位置情報に対応づけて、実際の道路に対応するリンク及びリンク同士の交点を表すノードを対応づけた道路地図情報を記憶する。リンク情報を記憶するテーブルには、リンク長、幅員、接続ノード、接続方向等が含まれるため、道路地図情報から道路網を形成することができる。また、地図DB33は、実施例2において坂路の斜度を検出するための標高情報を記憶している。
【0040】
ディスプレイ35は、液晶、有機EL及びヘッドアップディスプレイなどの表示手段であり、道路地図、各種の操作メニュー等を表示するために用いられる。また、スピーカ36は、目的地までの右左折の手前で操舵などの車両操作を促しユーザを目的地まで案内する音声メッセージを出力する。また、制御部34は自転車携行状態の歩行者13と自転車乗車状態の自転車運転者15を検出すると、それぞれの状態に適切な支援情報をディスプレイ35に表示し、また、スピーカ36から出力する。
【0041】
制御部34は、CPU、RAM、ROM、不揮発メモリ、ECU(electronic control unit)間通信部及び入出力インターフェイスを備えたコンピュータを実体とする。例えば、ナビゲーションシステムを制御するナビECUを実体とすることで、車載スペースを節約し車両重量を抑制できる。制御部34は、CPUがプログラムを実行するか又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現される、歩行者情報取得部41、速度算出部42、振動周期決定部43、歩行者状態判別部44、及び、支援手段40を有する。また、制御部34の不揮発メモリには、歩行者情報記憶部45が記憶されている。
【0042】
図3(a)は制御部34の機能ブロック図の一例を示す。歩行者情報取得部41は、歩行者端末20から受信した歩行者情報から、IDコード、位置情報、振動情報を時系列に歩行者情報記憶部45に記憶していく。図3(b)は歩行者情報記憶部45に記憶される歩行者情報の一例を示す。
【0043】
図3(b)では、IDコード毎に位置情報が時系列に記憶されている。速度算出部42は、歩行者情報記憶部45に記憶された位置情報を用いて歩行者13毎に移動速度を算出する。移動速度は、例えば{(直前の位置情報−最新の位置情報)/時間間隔}から算出される。速度算出部42は、位置情報を受信する度に移動速度を算出し、歩行者情報記憶部45に記憶していく。なお、所定時間、同じ歩行者13と通信できなくなった場合、歩行者13との距離が離れたとして、歩行者情報取得部41はその歩行者13の歩行者情報を消去して、不揮発メモリを開放する。
【0044】
また、振動周期決定部43は振動情報の増加速度に基づき振動の周期を決定する。例えば、1秒に1回振動情報が増加していれば、振動の周期は1である。歩行時の振動の周期は例えば1〜2であるので、振動情報の周期が1〜2程度の場合、周期性があると判定される。
【0045】
そして、歩行者状態判別部44は、上記の条件a)b)を共に満たす場合、歩行者13は歩行状態であると判別する。また、上記の条件c)d)を共に満たす場合、歩行者13は自転車乗車状態であると判別する。
【0046】
自転車乗車状態と判別された場合、自転車12は車道を走行する可能性があるので、支援手段40は、車両11の運転者に自転車12の左折巻き込みを中止喚起するなど、適切な支援が可能となる。また、自転車12は歩行者13よりも移動速度が速いので、支援手段40は、歩行状態であると判別した場合よりも遠方から支援を開始することができる。なお、歩行状態と判別された場合、歩行者13は原則的に車道に移動することがないので、運転者への支援を低減でき煩わしさを抱かせることを防止でき、また、ガードレール又は縁石のない歩道を移動する歩行者13が検出された場合には、運転者に知らせるなど適切な支援が可能となる。ガードレール又は縁石の有無は、レーダ装置や画像解析、地図情報から検出される。
【0047】
また、支援手段40は自転車運転者15を支援することができる。自転車運転者15と車両11との接近が検知されると、支援手段40は例えば車両11の接近を知らせる情報を歩行者端末20に送信する。歩行者端末20は、警報音を吹鳴したり、「後方から車両が接近しています」などのメッセージを表示部26に表示したり、スピーカ27から音声出力する。表示と音声出力はいずれか一方でもよい。歩行者端末20から自転車運転者15に警報音を吹鳴してもよい。
【0048】
また、車両11が右折又は左折する際には、歩行者端末20は「車両が右折(左折)します。巻き込まれないようご注意下さい」等のメッセージを表示部26に表示したり、スピーカ27から音声出力することができる。歩行者端末20から自転車運転者15に警報音を吹鳴してもよい。
【0049】
なお、図2、3では車両側、すなわち歩車間通信装置100が歩行状態か自転車乗車状態を判別したが、歩行者端末20においても同様に判別することができる。この場合、歩行者端末20が振動周期決定部43、速度算出部42、及び、歩行者状態判別部44を有すればよく、歩行者端末20は歩行者情報でなく歩行状態か自転車乗車状態かを示す2値情報を送信すればよいので通信データ量を抑制できる。
【0050】
〔歩車間通信装置100の動作手順〕
歩行者13が歩行状態か自転車乗車状態かを歩車間通信装置100が判別する手順を、図4のフローチャート図に基づき説明する。図4のフローチャート図は、例えば、所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。
【0051】
通信装置31は、所定のサイクル時間毎に歩行者情報の送信要求を送信しており、歩行者端末20が応答すると通信が確立する(S10)。これにより、通信装置31は歩行者情報を受信する。
【0052】
歩行者情報取得部41は、受信した歩行者情報をIDコード毎に、時系列に歩行者情報記憶部45に記憶する(S20)。そして、速度算出部42は移動速度を算出し、振動周期決定部43は振動情報から周期を決定する。
【0053】
歩行者状態判別部44は、移動速度が例えば5〔km/h〕以下かつ振動に歩行状態と見なせる周期性があるか否かを判定する(S30)。移動速度が例えば5〔km/h〕以下かつ振動の周期が1〜2程度である場合(S30のYes)、歩行者状態判別部44は、歩行者13は歩行状態であると判別する(S40)。歩行状態と判別したので、支援手段40は歩行状態と判別した場合の支援を開始する(S50)。
【0054】
移動速度が例えば5〔km/h〕以下でないか又は振動の周期が1〜2程度でない場合(S30のNo)、歩行者状態判別部44は移動速度が40〔km/h〕以下かつ振動の周期が1〜2程度でないか否かを判定する(S60)。移動速度が40〔km/h〕以下かつ振動の周期が1〜2程度でない場合(S60のYes)、歩行者状態判別部44は、歩行者13は自転車乗車状態であると判別する(S70)。自転車状態と判別したので、支援手段40は、歩行状態と判別した場合の支援を開始する(S50)。
【0055】
なお、ステップS60の判定が「No」になるのは、40km/hよりも速く移動している場合であるので、自動車や電車で移動している歩行者13の歩行者端末20が応答したとして処理を終了する。
【0056】
本実施例によれば、振動情報という歩行者13に特徴的に生じる情報を利用するので、歩行者13が歩行状態であるか自転車乗車状態であるかを精度よく検出できる。また、実施例3で説明するように、歩行状態か自転車乗車状態かに応じて、運転者及び歩行者13(自転車運転者15)に適切な支援を提供できる。
【実施例2】
【0057】
本実施例では、歩行者13が自転車12に乗車せずに押して移動する状態の自転車携行状態と、自転車乗車状態の歩行者13とを精度よく判別し、運転者及び歩行者13(自転車運転者15)に適切な支援を提供する歩車間通信装置100について説明する。
【0058】
図5は、歩行者13が自転車12に乗車しているか否かの判別の概要を説明する図である。図5では、車両11と自転車運転者15はほぼ同じ方向に移動している。自転車運転者15が坂道の入り口にさしかかると、歩行者13は自転車12から降車して自転車携行状態となる。この時、歩行者13の移動速度は一時的にゼロになるので、歩行者13の移動速度を監視することで歩行者13が自転車携行状態となったと判別できる。したがって支援手段40は、歩行者13を自転車携行状態と見なして、歩行状態と判別した場合の支援を提供することができる。
【0059】
また、歩行者13は坂道を登り切ると自転車12に乗車して自転車乗車状態となる。この時、歩行者13の速度は一時的にゼロになり、その後、自転車運転者15の移動速度は急速に増加する。したがって、この速度変化から自転車乗車状態になったと判別できる。支援手段40は、自転車乗車状態と判別した場合の支援を提供する。
【0060】
このように本実施例の歩車間通信装置100は、自転車12に乗車しうる歩行者13が自転車乗車状態か自転車携行状態かを精度よく判別し、各状態に応じて適切な態様で車両11の運転者及び歩行者13(自転車運転者15)を支援する。
【0061】
なお、歩車間通信システム200の概略構成図は、図2と同様であるので図は省略する。本実施例の歩行者端末20は、振動検出機28を有していなくてもよい。また、本実施例の歩車間通信装置100は、坂道を検出するため地図DB33に標高情報を記憶している。国土地理院が50〔m〕メッシュ毎の標高情報を公開しているので、この標高情報をノードの位置に内挿することで各ノードの標高を推定できる。ノード間の標高差をリンク長で除した値が斜度である。また、地図DB33に等高線情報が登録されている場合は、各リンクの始点ノードと終点ノードの位置を等高線情報に照らし合わせることで、坂路の有無及び坂路の斜度を算出できる。
【0062】
図6は、制御部34の機能ブロック図の一例を示す。なお、図6において図3(a)と同一部分には同一の符号を付しその説明は省略する。図6では、地図DB33から標高情報を読み出す斜度検出部46を有する。
【0063】
斜度検出部46は、歩行者13の位置情報に基づき地図DB33を参照して、歩行者13の移動する道路に坂路があるか否か、坂路がある場合は斜度を検出する。歩行者13が移動する道路は位置情報から明らかなので、地図DB33から対応するリンクが抽出される。斜度検出部46はリンクの始点ノードと終点ノードの標高をそれぞれ算出し、その標高差をリンク長で除して斜度を算出する。なお、地図DB33には坂路の開始位置及び終了位置が記憶されているか、坂路の開始位置及び終了位置はリンクの始点ノード又は終点ノードと一致するものとする。
【0064】
歩行者状態判別部44は、坂路の開始位置で自転車運転者15の移動速度が急速に減速した場合(ゼロになってもよい)、歩行者13が自転車乗車状態から自転車携行状態に移行したと判別する。また、坂路の終了位置で自転車携行状態の歩行者13の移動速度がほぼゼロになり、その後、急速に加速した場合、歩行者13が自転車携行状態から自転車乗車状態に移行したと判別する。
【0065】
なお、図6では車両側、すなわち歩車間通信装置100が歩行状態か自転車乗車状態かを判別したが、歩行者端末20においても同様に判別することができる。この場合、歩行者端末20が斜度検出部46、速度算出部42、及び、歩行者状態判別部44を有すればよく、歩行者端末20は歩行者情報でなく歩行状態か自転車乗車状態かを示す2値情報を送信すればよいので通信データ量を抑制できる。歩行者端末20は移動している道路の標高情報を例えばサーバから受信して、斜度を検出する。
【0066】
〔歩車間通信装置100の動作手順〕
歩行者13が自転車携行状態か自転車乗車状態かを歩車間通信装置100が判別する手順を、図7のフローチャート図、及び、図8の坂路を移動する歩行者13を示す図を用いて説明する。
【0067】
<Phase1>
例えば、坂路の開始位置の付近で自転車12から降車した歩行者13に、車両11が後方から接近する場合を想定する。歩車間通信装置100は、坂路の開始位置付近の歩行者13と通信を開始する(S210)。歩行者13の歩行者端末20は、歩車間通信装置100の歩行者情報の送信要求に応答して歩行者情報を歩車間通信装置100に送信する。なお、本実施例では振動情報を使用しないので、歩行者情報にはIDコード及び位置情報が含まれていればよい。
【0068】
歩車間通信装置100の歩行者情報取得部41はIDコードと位置情報を歩行者情報記憶部45に記憶する。歩行者端末20は送信要求に応答して次々と歩行者情報を送信するので、歩行者情報取得部41はIDコードと位置情報を時系列に記憶する。
【0069】
ついで、速度算出部42は、IDコードと位置情報を受信する度に歩行者13の移動速度を算出し、歩行者情報記憶部45に記憶する(S220)。また、この時、斜度検出部46は、位置情報に基づき歩行者13が坂路の開始位置の付近を移動していることを検出している。
【0070】
歩行者状態判別部44は、坂路の開始位置付近で、移動速度に基づき歩行者13が急速に減速したこと又は移動速度がゼロになったことから、歩行者13が自転車乗車状態になったと判別する。自転車携行状態であると判別すると、支援手段40は歩行状態と判別した場合の支援を提供する(S230)。
【0071】
歩行者13が検出された場合の支援として支援手段40は、例えば「自転車を携行した歩行者が前方を歩行しています」等のメッセージを、ディスプレイ35に表示したり、スピーカ36から音声出力する。表示と音声出力はいずれか一方でもよい。歩車間通信装置100は、歩行者端末20と比較して十分な処理能力を有することが多いので、ディスプレイ35に歩行者13を表す絵やアイコンを表示してもよい。
【0072】
また、支援手段40は、歩行者13に向けて車両11の情報を提供することができる。例えば、支援手段40が車両11の接近を知らせる情報を歩行者端末20に送信すると、歩行者端末20は、警報音を吹鳴したり、「後方から車両が接近しています」などのメッセージを表示部26に表示したり、スピーカ27からかかるメッセージを出力する。表示と音声出力はいずれか一方でもよい。
【0073】
<Phase1 → Phase2 の判別>
歩行者状態判別部44は、自転車携行状態の歩行者13の位置情報及び移動速度を監視して、位置情報に基づき歩行者13が坂路の終了位置付近を移動しており、かつ、歩行者13の移動速度がほぼゼロとなったか(歩行者13が停止したこと)否かを判定する(S240)。歩行者13が坂路の終了位置付近を移動しておらず、又は、歩行者13の移動速度がほぼゼロでない場合(S240のNo)、歩行者状態判別部44は歩行者13が自転車携行状態であると判別する(S280)。例えば、速度がゼロであっても、坂路の終了位置付近まで到達していない場合、歩行者13は坂路の途中で休んでいると考えられる。この場合、支援手段40は歩行者13が自転車携行状態としてそれまでの支援を継続する(S290)。
【0074】
歩行者13が坂路の終了位置付近を移動しており、かつ、歩行者13の移動速度がほぼゼロとなった場合(S240のYes)、歩行者状態判別部44は歩行者13の移動速度が急速に増大したか否か(加速度が所定以上か否か)を判定する(S250)。ステップS50の判定により、坂路の終了位置付近でいったん停止した歩行者13が、再度、自転車12を携行したか、自転車12に乗車したかを判別できる。
【0075】
移動速度が急速に増大しない場合(S250のNo)、歩行者状態判別部44は歩行者13が自転車携行状態であると判別する(S280)。なお、移動速度が急速に増大したか否かの基準は、最新の移動速度と、それよりも過去(例えば2〜3秒よりも以前)の数個の移動速度の平均との偏差が、例えば10km/h以上の場合である。また、坂路は登った後下っていることがあるので、坂路の終了位置から下り坂となっている場合、より急激に移動速度が増大する。したがって、坂路の終了位置から下り坂となっている場合、より確実に自転車乗車状態であると判別できる。
【0076】
<Phase2>
移動速度が急速に増大した場合(S250のYes)、歩行者状態判別部44は自転車携行状態から自転車乗車状態に移行したと判別する(S260)。これにより、支援手段40は、自転車乗車状態と判別した場合の支援を提供する(S270)。
【0077】
歩行者13が歩行している場合は車両11と歩行者13の速度差が大きいので、短時間で歩行者13を追い越すことができるのに対し、自転車12に乗車した自転車運転者15は移動速度が増すので、車両11と自転車運転者15が比較的長時間に渡り大きな距離を隔てずに移動する状況となる。したがって、自転車乗車状態であると判別することで、運転者及び自転車運転者15へ、支援のタイミングを早めたり自転車乗車状態に特有の支援が可能となる(実施例3)。
【0078】
本実施形態の歩行者通信装置100は、坂路の開始位置及び終了位置で移動速度が変化することに着目して、歩行者13が自転車携行状態であるか自転車乗車状態であるかを精度よく検出できる。また、歩行状態か自転車乗車状態かに応じて、運転者及び歩行者13(自転車運転者15)に適切な支援を提供できる。
【実施例3】
【0079】
歩行状態か自転車乗車状態かに応じた支援の具体例について説明する。なお、判別方法は実施例1又は2のいずれでもよい。
【0080】
図9(a)は、車両11と自転車運転者15との相対的な位置関係に応じて車両11の運転者又は歩行者13に提供する支援を模式的に示す図を、図10は歩行者13又は運転者を支援する手順を示すフローチャート図を、それぞれ示す。
【0081】
図9(a)に示すように歩行者13は自転車12に乗車し、歩車間通信装置100は歩行者13が自転車乗車状態であると判別している(S310)。この後、自転車運転者15は、やや車両11に遅れながら車両11と併走するが、自転車運転者15は歩道を移動する場合と車道を移動する場合がある。
【0082】
歩車間通信装置100は、歩行者情報記憶部45に記憶された歩行者13の位置情報から歩行者13が車道を移動しているか、歩道を移動しているかを判定する(S320)。車道を移動している場合(S320のYes)、歩車間通信装置100は車両11の運転者に注意喚起する(S330)。この注意喚起は車道を移動してる自転車運転者15の存在を車両11の運転者に通知するものであるので、例えば「後方を自転車が走行しています」等のメッセージを音声出力したり、ディスプレイ35に表示するものである。
【0083】
ついで、歩車間通信装置100は、歩行者情報記憶部45に記憶された歩行者13の位置情報及び車両11の位置情報から、歩行者13との相対距離を算出する(S340)。相対距離は2点間の距離として定まる。
【0084】
そして、歩車間通信装置100は、相対距離が所定値以下か否かを判定する(S350)。車両11と自転車運転者15とが異常接近しないよう、所定値は例えば20〜30〔m〕程度である。相対距離が所定値以下の場合(S350のYes)、歩車間通信装置100は車両11の運転者に注意喚起する(S360)。この注意喚起は車道を移動してる自転車運転者15と異常接近するおそれがあることを車両11の運転者に通知するものであるので、例えば「後方から自転車が接近しています。ご注意下さい。」等のメッセージを音声出力したり、ディスプレイ35に表示するものである。自転車運転者15は歩行者13よりも移動速度が速いので、警告するタイミング20〜30〔m〕は、歩車間通信装置100が歩行状態と判別した場合よりも早期になる。
【0085】
したがって、本実施形態の歩車間通信装置100は、歩行者13が自転車携行状態か自転車乗車状態かを精度よく判別して、自転車乗車状態であると判別した場合には、自転車運転者15が車道を移動する場合を考慮して、車両11の運転者に適切に注意喚起することができる。
【0086】
なお、自転車運転者15にも注意喚起することができる。この場合、自転車運転者15は歩行者端末20の表示部26を視認することは困難なので、スピーカ27から音声メッセージを出力することが好適となる。早期に警告を受けることで、歩行者よりも高速で移動している自転車運転者15が余裕を持って対応できることになる。
【0087】
続いて、図9(b)に示すように、歩道を移動する自転車運転者15A又は車道を移動する自転車運転者15B(区別しない場合、自転車運転者15という)を検出した場合であって、車両11が右左折する場合の支援について説明する。
【0088】
ステップS320に戻り、歩行者13が車道を移動していない場合(S320のNo)、歩車間通信装置100は車両11が右折又は左折するか否かを判定する(S370)。例えば、歩車間通信装置100は、ウィンカスイッチの操作情報、目的地まで誘導する経路から、車両11が右折又は左折するか否かを判定する。右折又は左折しない場合(S370のNo)、運転者及び自転車運転者15を支援することなく処理を終了する。
【0089】
車両11が右折又は左折する場合(S370のYes)、歩車間通信装置100は自転車運転者15の移動ベクトルから、右折又は左折時の自転車運転者15の位置を予測する(S380)。歩車間通信装置100は、地図DB33から進行方向の直前の交差点の位置を読み出し、車両11の車速と交差点までの距離から交差点を右折又は左折する時間を予測する。また、歩車間通信装置100は、歩行者情報記憶部45から自転車運転者15の位置情報と平均的な速度を読み出し、移動ベクトルを決定し、車両11が右折又は左折する時間の自転車運転者15の位置を予測する。
【0090】
そして、歩車間通信装置100は、右折又は左折時に、自転車運転者15と所定距離内に異常接近するか否かを判定する(S390)。車両11と自転車運転者15とが異常接近しない場合(S390のNo)、車両11は右折又は左折できるとしてよいので、処理を終了する。
【0091】
車両11と自転車運転者15とが異常接近する場合(S390のYes)、歩車間通信装置100は車両11の運転者に注意喚起する(S400)。ステップS300の注意喚起をする状況は、自転車運転者15が歩道を移動している場合と、車道を移動している場合とがある。歩道を移動している場合は例えば「右折時(左折時)に自転車と異常接近するおそれがあります」等のメッセージを音声出力したり、ディスプレイ35に表示する。また、車道を移動している場合、自転車運転者15を巻き込むおそれがあるので、例えば「左(右)後方の自転車の巻き込みに注意してください」等のメッセージを音声出力したり、ディスプレイ35に表示する。したがって、歩車間通信装置100は、自転車運転者15が歩道と車道のいずれを移動しているかにより、適切な注意喚起が可能となる。
【0092】
また、自転車運転者15に対し、支援手段40は「車両が右折(左折)してきます」等のメッセージを、スピーカ27から出力したり表示部26に表示する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態の歩車間通信装置100は、自転車携行状態の歩行者13と自転車乗車状態の歩行者13を精度よく判別して、それぞれの状況に適切な態様で、車両11の運転者及び歩行者13(自転車運転者15)が互いに異常接近しないように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】歩行者が自転車に乗車しているか否かの判別の概要を説明する図である(実施例1)。
【図2】歩行者端末と歩車間通信装置とを有する歩車間通信システムの概略構成図の一例を示す。
【図3】歩車間通信装置の機能ブロック図、歩行者情報の一例をそれぞれ示す図である。
【図4】歩行者が歩行状態か自転車乗車状態かを歩車間通信装置が判別する手順を示すフローチャート図である。
【図5】歩行者が自転車に乗車しているか否かの判別の概要を説明する図である(実施例2)。
【図6】歩車間通信装置の機能ブロック図の一例を示す図である。
【図7】歩車間通信装置が、歩行者が自転車携行状態か自転車乗車状態かを判別する手順を示すフローチャート図である。
【図8】坂路を移動する歩行者を示す図の一例である。
【図9】車両の運転者又は歩行者に低供する支援を模式的に示す図の一例である。
【図10】歩行者又は運転者を支援する手順を示すフローチャート図の一例である。
【符号の説明】
【0095】
11 車両
12 自転車
13 歩行者
15 自転車運転者
20 歩行者端末
24、31 通信装置
42 速度算出部
43 振動周期決定部
44 歩行者状態判別部
45 歩行者情報記憶部
46 斜度検出部
100 歩車間通信装置
200 歩車間通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の所持者と車両の運転者の少なくとも一方を、前記所持者と前記車両との異常接近が回避されるよう支援する歩車間通信装置において、
前記所持者が自転車乗車状態か否かを判別する判別手段と、
前記所持者が自転車乗車状態か否かに応じて、異なる態様で前記所持者又は前記運転者を支援する支援手段と、
を有することを特徴とする歩車間通信装置。
【請求項2】
前記所持者が自転車乗車状態であると判別された場合、前記支援手段は、前記所持者又は前記運転者を支援するタイミングを、自転車乗車状態でないと判別された場合よりも早める、
ことを特徴とする請求項1記載の歩車間通信装置。
【請求項3】
前記所持者が自転車乗車状態であると判別された場合、前記支援手段は、前記車両の右折時又は左折時に前記車両による前記所持者の巻き込みを回避するよう、前記運転者を支援し、又は、
前記車両の右折時又は左折時に、前記車両により巻き込まれることを回避するよう前記所持者を支援する、
ことを特徴とする請求項1記載の歩車間通信装置。
【請求項4】
前記判別手段は、
前記所持者の移動速度、及び、前記所持者が移動している領域の斜度情報に基づき、前記所持者が自転車乗車状態か否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の歩車間通信装置。
【請求項5】
前記判別手段は、
前記所持者の移動速度、及び、前記携帯端末の上下振動の周期性に基づき、前記所持者が自転車乗車状態か否かを判別する、
ことを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の歩車間通信装置。
【請求項6】
所持者に携帯された、車両と通信する携帯端末であって、
前記所持者が自転車乗車状態か否かを判別する判別手段と、
前記判別結果による判別結果を前記車両に送信する送信手段と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項7】
前記判別手段は、
前記所持者の移動速度、及び、前記所持者が移動している領域の斜度情報に基づき、前記所持者が自転車乗車状態か否かを判別する、
ことを特徴とする請求項6記載の携帯端末。
【請求項8】
前記判別手段は、
前記所持者の移動速度、及び、前記携帯端末の上下振動の周期性に基づき、前記所持者が自転車乗車状態か否かを判別する、
ことを特徴とする請求項6記載の携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−251758(P2009−251758A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96510(P2008−96510)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】