説明

毛髪はり・こし改善剤および毛髪用化粧料

【課題】生化学・分子生物学レベルでの活性評価に基づく新規な毛髪はり・こし改善剤の提供を課題とする。
【解決手段】下記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤の提供。






(一般式(1)〜(3)中、A,R1〜R7、Xは明細書に定義の通りである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪のはり・こしを改善する薬剤および該薬剤を含有する毛髪用化粧料に関し、より詳しくは、毛髪・毛包の細胞を賦活化することにより、更に詳しくは、毛髪関連遺伝子の発現を上昇することにより、毛髪のはり・こしを改善する薬剤および該薬剤を含有する毛髪用化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪に関する悩みとしては、薄毛、抜け毛といった毛根、毛包の健康状態に関わるものと、硬い、柔らかい、はり・こしがない、枝毛、くせ毛、パサツクといった毛髪の物性に関わるものとがある。また、毛髪の物性に関わる悩みであっても、外的要素に起因するダメージ、例えばパーマ剤やブリーチ剤処理、紫外光暴露、大気汚染物質暴露、コーミング摩擦など、毛髪に対する直接的なダメージによるものと、毛幹形成における内的要素が関与する場合とが考えられる。後者の場合におけるヘアケアでは、毛髪の質の改善を図るだけでなく、毛根、毛包自体の健康状態を良好にする手当てが必要とされる。従って、一口に毛質の状態が良くないといっても、そのケア方法はその原因により様々である。
【0003】
毛髪自体はその表面を覆うキューティクル(毛小皮)、その内部にあって毛髪の大部分を占める毛皮質及び中心部の毛髄質から構成される。毛髪の硬さやはり・こし感にはキューティルが大きく寄与していることが明らかにされている(曽我部敦他、J.Soc.Cosmet.Chem.Japan,Vol.36,No.3(2002)pp.207−216「毛髪物性に関する研究1−毛髪の短径・長径測定と曲げ応力評価法」)。キューティクルは酸性ヘアケラチンHa1、Ha2、塩基性ケラチンHb1、Hb2などの繊維タンパク質や修飾酵素、例えばトランスグルタミナーゼ、ペプチジルアルギニンディミナーゼ、さらには顆粒成分トリコヒアリンS100など、様々な成分から構成されることまでは知られている。しかしながら、これら各成分と毛質、例えば毛髪のはりやこしとの関係については十分に解明されていない。毛質を左右するメカニズムが生化学・分子生物学レベルにおいて十分に解明されれば、既存の毛質改善剤に比べ一層顕著な効果を奏するものの提供が可能となり得る。
【0004】
毛髪にはり・こしを付与するとされる従来の毛髪用化粧料としては、例えば、特開平11−302129号(特許文献1)に記載されているような、反応性官能基が結合したシリル基を有する共重合体を配合した毛髪処理用組成物であって、毛髪上で加水分解によってシロキサン結合Si−O−Siを形成し、これにより共重合体分子間を架橋せしめることにより、毛髪にハリとコシを付与するものがある。しかしながら、これらの従来の毛髪用化粧料は、毛髪の表面にコーティングされるものであって、毛髪に浸透し又は毛包に吸収されて毛髪・毛包の細胞を賦活化することにより毛髪のはり・こしを改善するものではない。
【0005】
他方、タウリンを有効成分とする細胞賦活剤が特開2002−97116号(特許文献2)に、N−メチルタウリンを有効成分とする細胞賦活剤および毛髪はり・こし改善剤が国際公開WO2002/034253号公報(特許文献3)にそれぞれ記載されている。これらの薬剤の作用効果として、細胞増殖の活性化による、毛髪細胞コントロール、毛髪成長期延長、毛髪細胞増殖の活性化、毛髪はり・こし改善が記載されているが、ここでの毛髪はり・こし改善効果は、依然として、毛髪の物性試験(ねじりトルク)により評価されている。従って、生化学・分子生物学レベルでの活性評価に基づく新規な毛髪はり・こし改善剤が求められている。
【0006】
【特許文献1】特開平11−302129号公報
【特許文献2】特開2002−97116号公報
【特許文献3】WO2002/034253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生化学・分子生物学レベルでの活性評価に基づく新規な毛髪はり・こし改善剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、毛髪のはり・こし(その尺度となる硬さ、より詳しくはヤング率)と毛髪関連遺伝子の発現との相関関係を調べたところ、ヘアケラチン遺伝子、特にヘアケラチンHa2遺伝子、ヘアケラチンHb2遺伝子及び/又はケラチン関連タンパク質KAP5.1〜5の各遺伝子の発現が亢進するほど、より好ましくはヘアケラチンHa2遺伝子、KAP5.1遺伝子、KAP5.2遺伝子又はKAP5.4遺伝子の発現が亢進するほど、毛髪のヤング率が高くなる、即ち毛髪にはり、こし感がでることを見出して、「ヘアケラチン遺伝子を指標とした毛質評価方法」についての特許出願を行っている(特願2004−164596号)。
【0009】
本発明者は、今般、各種の薬剤が毛髪関連遺伝子の発現に及ぼす効果を評価するためのアッセイ系を新たに構築し、このアッセイ系を用いて、種々の化合物が毛髪関連遺伝子の発現に及ぼす効果について鋭意検討したところ、特定の複素環化合物に毛髪関連遺伝子の発現を上昇する効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、下記一般式(1)で示される2−アミノオキサゾリン誘導体または2−アミノチアゾリン誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤に関する。
【化1】

(一般式(1)中、Aは酸素原子またはイオウ原子、R1は水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜8のアルキル基、直鎖または分岐の炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、または炭素数6〜14のアリール基、R2は水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜8のアルキル基、直鎖または分岐の炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜8のアルキルカルボニル基、または炭素数7〜10のアリールカルボニル基をそれぞれ表す。また、上記のアラルキル基、アリール基、アリールカルボニル基のアリール部分は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、および水酸基でそれぞれ置換されていてもよい。)
【0011】
また、本発明は、下記一般式(2)で示される2−アミノチアジアゾール誘導体およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤に関する。
【化2】

(一般式(2)中、R1およびR2は一般式(1)と同様であり、R3は水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルキル基、またはメルカプト基を示す。)
【0012】
また、本発明は、下記一般式(3)で示されるベンゾチアゾール誘導体およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤に関する。
【化3】

(一般式(3)中、Xは−NR12(R1およびR2は一般式(1)と同様である)または−S−(CH2n−Y(YはCOOHまたはSO2OHを表し、nは1〜3である)を表し、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【0013】
本発明はまた、上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪用化粧料に関する。
【0014】
本発明はまた、上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を含んでなる毛髪用化粧料を毛髪または頭皮に適用することを含んでなる毛髪はり・こし改善方法に関する。
【0015】
本発明はまた、上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を水相又は油相に添加して毛髪用化粧料を製造することを特徴とする毛髪用化粧料の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の毛髪はり・こし改善剤および毛髪用化粧料の有効成分である上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩は、毛髪または頭皮に使用されることにより、毛髪に浸透し又は毛包に吸収されて、細胞内でケラチン関連タンパク質KAP5の発現を亢進し、毛髪のはり・こしを改善し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、毛髪・毛包の細胞を賦活化することにより、より詳しくは毛髪関連遺伝子の発現を上昇させることにより、毛髪のはり・こしを改善する薬剤および毛髪用化粧料に関するものであり、生化学・分子生物学レベルでの活性評価に基づく、より詳しくはケラチン関連タンパク質KAP5遺伝子の発現調節効果のアッセイに基づく新規な毛髪はり・こし改善剤および毛髪用化粧料を提供するものである。
【0018】
本発明者は、既に出願した特願2004−164596号「ヘアケラチン遺伝子を指標とした毛質評価方法」において、毛髪の硬さと毛髪から抽出される各種遺伝子との相関性を調べるため、毛髪の硬さの指標であるヤング率を測定し、その測定結果と各種遺伝子のRT−PCRにより測定した発現量との関係をSpearmanの順位相関係数を用い、統計学的に分析した(Zar, J.H.J.Amer.Stat.Assoc.67:578〜580, 1970「Significance testing of the Spearman rank correlation cofficient」)。その結果、毛髪のヤング率は、ヘアケラチンHa2、KAP5.1、KAP5.2、KAP5.4遺伝子の発現量が多いと統計学的に有意に高まることを見出した。また、ヘアケラチンHb2遺伝子の発現量が多い場合も、統計学的に有意ではないが、毛髪のヤング率が高まることを見出した。一方で、毛皮質のその他の構成タンパク質、例えばヘアケラチンHa1については、毛髪の硬さとの間で相関性はなかった。従って、毛皮質と比較して、キューティクル構成タンパク質や関連遺伝子が毛髪の硬さに関与する割合が高いことが示唆された。
【0019】
ヘアケラチンHa2遺伝子(NCBI GenBANK Source 「X90761」)はケラチン遺伝子ファミリーの一構成員である酸性タンパク質をコードする。ヘアケラチンHa2はI型ヘケラチンであり、II型ケラチンとヘテロ二量化して毛髪や爪などを構成する。I型ヘケラチンは染色体第17q12-q21領域に位置する。
【0020】
ヘアケラチンHb2遺伝子(NCBI GenBANK Source 「Y19207」)はケラチン遺伝子ファミリーの一構成員である塩基性タンパク質をコードする。ヘアケラチンHb2はII型ヘケラチンであり、I型ケラチンとヘテロ二量化して毛髪や爪などを構成する。II型ヘケラチンは染色体第12q13領域に位置する。
【0021】
ヒトケラチン関連タンパク質(KAP)5ファミリーに属するKAP5.1〜5遺伝子(配列番号1〜5)(Homo sapiens genomic DNA, chromosome 11 clone:RP11-684B2, complete sequences. ACCESSION:AP000867)は塩基配列のみ既知のヒトESTであり、機能に関する報告はされていない。KAP5.1〜5遺伝子の発現の亢進と毛髪の硬さとの関係は不明であった。特に何らかの理論に拘束されるわけではないが、例えばKAP5.2遺伝子によりコードされる推定タンパク質はシステインリッチであり(約35.5%)、また低分子アミノ酸であるグリシンとセリンを豊富に含む(それぞれ18.8%及び24.2%)アミノ酸186個からなるため、α−ヘリックスなどの二次構造を形成せず、ケラチン繊維の間に容易に入り込むことができ、また多数セリン残基のOH基による多数の水素結合の形成も考えられるため、毛髪の機械的強度に大きく寄与している可能性がある。他のKAP5遺伝子も同様にシステイン、グリシン、セリンを豊富に含み、発現生成物はKAP5.2と同様の構造を有し、毛髪の機械的強度に大きく寄与すると考えられる。下記の表1にKAP5.1〜5遺伝子推定コードタンパク質の一部アミノ酸組成を示す。
【0022】
【表1】

【0023】
KAP5.1〜5.5遺伝子(配列番号1〜5)はヒトケラチン関連タンパク質KAP5ファミリーに属する、互いに相同性の比較的高い遺伝子群である。各遺伝子によりコードされる推定タンパク質のアミノ酸配列同士の相同性の高さは、図4及び下記の表2から明らかである。
【0024】
【表2】

【0025】
本発明者は、毛髪の硬さ(ヤング率)との相関性が認められたヘアケラチンHa2、Hb2遺伝子、ヒトケラチン関連タンパク質KAP5.1、KAP5.2、KAP5.4遺伝子のうち、特にKAP5.1遺伝子について、この毛髪関連遺伝子の発現に各種薬剤が及ぼす効果を評価するためのレポーターアッセイ系を新たに構築した。このアッセイ系を用いて、種々の化合物がKAP5.1遺伝子の発現に及ぼす効果について鋭意検討した。その結果、上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩にKAP5.1遺伝子の発現を上昇する効果があることを見出した。
【0026】
先に記載のとおり、KAP5.1〜5.5遺伝子(配列番号1〜5)はヒトケラチン関連タンパク質KAP5ファミリーに属する、互いに相同性の比較的高い遺伝子群である。また、図3から分かるように、KAP5.1遺伝子のプロモーター領域の配列と他のKAP5.2−5.5遺伝子のプロモーター領域の配列とは互いに非常に近似しており、その制御機構は同等である可能性が高い。従って、KAP5.1遺伝子の発現を亢進する薬剤は他のKAP5遺伝子の発現も亢進している可能性が非常に高いと考えられる。
【0027】
さらに、先に記載のとおり、KAP5.1遺伝子の発現量が多いほど毛髪のヤング率が統計学的に有意に高まることから、KAP5.1遺伝子の発現を上昇する薬剤は毛髪の硬さを向上し、毛髪のはり・こしを改善する。
【0028】
本発明の上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物は公知の化合物で、東京化成工業(株)、Aldrich社等から容易に入手することができる。また、公知の方法により容易に合成することができる。
【0029】
本発明の上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物の具体的な物質名を例示すれば、2−アミノオキサゾリン、2−アミノオキサゾリン塩酸塩、2−アミノチアゾリン、2−アミノチアゾリン塩酸塩、2−アセトアミドオキサゾリン、2−アセトアミドチアゾリン、2−アミノチアジアゾール、2−アミノ−5−メチルチアジアゾール、2−アミノ−5−メルカプトチアジアゾール、2−アセトアミド−5−メチルチアジアゾール、2−アミノ−4−メチルベンゾチアゾール、2−アミノ−5,6−ジメチルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メチルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−エチルベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−アミノ−6−エトキシベンゾチアゾール、2−アセトアミドベンゾチアゾール、2−アセトアミド−6−エトキシベンゾチアゾール、(2−ベンゾチアゾイルチオ)酢酸、3−(2−ベンゾチアゾイルチオ)プロピオン酸、3−(2−ベンゾチアゾイルチオ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩等が挙げられる。
【0030】
「薬学的に許容される塩」とは、薬剤化合物とほぼ同等の生物活性を保持し、かつ毒性でない塩をいう。このような塩の例としては、特に限定されないが、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸等のような無機酸と共に形成される付加塩、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、アスコルビン酸、安息香酸等のような有機酸と共に形成される付加塩等が挙げられる。
【0031】
本発明の上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩を含む毛髪はり・こし改善剤及び毛髪用化粧料の剤形は、特に限定されず、毛髪のはり・こしを改善するために通常使用される形態のいずれでもよい。例えば、液状、乳液状、乳化クリーム状、クリーム状、ジェル状、ワックス状、霧状、泡状、エアゾール等が挙げられる。本発明の毛髪はり・こし改善剤及び毛髪用化粧料は、例えば、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアクリーム、ムース、トリートメント、育毛剤、シャンプー、リンス、クリーム、乳液、パック等の製品として応用できる。
【0032】
本発明の上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩の配合量は、毛髪化粧料の剤形にもよるが、毛髪化粧料の全量中、一般には0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
【0033】
本発明の毛髪はり・こし改善剤および毛髪化粧料は、本発明の効果を損なわない範囲内で、化粧品、医薬部外品、医薬品の一般配合成分を、必要に応じて配合して常法により調製することができる。一般配合成分は、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水、等である。
【0034】
具体的に配合可能な成分の例は次の通りである。毛髪はり・こし改善剤および毛髪化粧料は、必要に応じ、下記成分の一種または二種以上を配合して、目的とする剤形に応じて常法により製造される。
ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ナイロンパウダー等の粉末類。二酸化チタン、酸化亜鉛、合成マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、窒化ホウ素等の無機顔料。赤色226号、赤色228号、青色404号等の有機顔料。ツバキ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ヒマシ油等の油脂。ホホバ油、ミツロウ、カンデリラロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ。流動パラフィン、スクワラン、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油。ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸。セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール。ミリスチン酸イソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル油。メチルポリシロキサン等のシリコーン油。高級脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、N−アシルサルコシネート、POE−アルキルエーテル硫酸塩等のアニオン界面活性剤。塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム等のカチオン界面活性剤。アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤。ポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体等の非イオン界面活性剤。ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ヒアルロン酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム等の保湿剤。クインスシードガム、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシビニルポリマー等の水溶性高分子。ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ニトロセルロース、高分子シリコーン等の皮膜剤。PABA系、桂皮酸系、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ジベンゾイルメタン系等の紫外線吸収剤。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のナトリウム塩等の金属イオン封鎖剤。4,5−ジモルホリノピリダジノン等の光安定化剤。エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール。1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、ジエチレングリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール。三炭糖、四炭糖、五炭糖、六炭糖、デオキシ糖、アミノ糖、ウロン酸等の単糖。トレハロース等のオリゴ糖。セルロース、コンドロイチン硫酸等の多糖。グリシン、セリン、リシン、シスチン、システイン、メチオニン、グルタミン酸、プロリン等のアミノ酸及びその誘導体。モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン。乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム等のpH調製剤。ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンE、ビオチン、ニコチン酸アミド等のビタミン及びその誘導体。ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル、ヒポタウリン、チオタウリン等の酸化防止剤。パラオキシ安息香酸エステル類、フェノキシエタノール等の防腐剤。各種の液化石油ガス(LPG)、窒素ガス、炭酸ガス等の噴射剤。グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛等の消炎剤。トラネキサム酸等のプロテアーゼ阻害剤。ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等の賦活剤。センブリエキス、γ−オリザノール、セファランチン、ビタミンE及びその誘導体、ニコチン酸ベンジルエステル、アデノシン、ミノキシジル等の血行促進剤。カプサイシン、トウガラシチンキ、ショウキョウチンキ、カンタリスチンキ、ノワル酸ワニリルアミド等の局所刺激剤。エストラジオール、エチニルエストラジオール等の抗男性ホルモン作用剤。パントテン酸およびその誘導体。アラントイン、感光素301等の毛包賦活剤。サリチル酸、イオウ、レゾルシン、硫化セレン等の角質剥離・溶解剤。ビタミンB6及びその誘導体等の抗脂漏剤。塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、カンファー、メントール等の鎮痒剤。オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等の各種抽出物。
【0035】
以下、具体例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれにより限定されるものではない。
【実施例】
【0036】
例1
KAP5.1レポータープラスミドの構築
毛髪の硬さ(ヤング率)と相関性が認められたKAP5.1について、PCR法により転写調節領域を増幅した後、レポータープラスミドの構築を行った。
【0037】
A.DNA断片のPCR増幅
KAP5.1遺伝子とKAP5.2遺伝子を含む約15kbのDNA断片を、5’末端に制限酵素NotIおよびMluIの認識サイトを付加したNM−F1プライマー(配列番号6)とR2プライマー(配列番号7)を用いて、市販のヒトゲノムDNA(Promegaより入手)を鋳型としてPCR法により増幅した(図1−A)。
【0038】
なお、PCR反応の条件は下記の表に示す通りである。
【0039】
【表3】

【0040】
NM−F1プライマー(配列番号6)とR2プライマー(配列番号7)は下記の表に示す通りである。なお、表に示す番号はHomo sapiens genomic DNA, chromosome 11 clone:RP11-684B2, complete sequences. ACCESSION:AP000867.5の配列番号の位置を表示する。
【0041】
【表4】

【0042】
B.DNA断片のベクターへのクローニング
増幅したDNA断片を制限酵素MluIとNheIで二重消化して、アガロースゲル電気泳動により分離してから約4.9kbのDNA断片を回収した。このDNA断片を、ホタルルシフェラーゼ(firefly luciferase)をコードする遺伝子を有するレポーターベクターpGL−3basic(Promegaより入手)のMluIとNheIサイトの間にクローニングした(図1−B)。サブクローニング[ステップ1:SacI/NcoI断片(154bp,図2)をpGL−3basicにサブクローニング。ステップ2:得られたプラスミドにSacI断片(約4.0kbp,図2)を挿入]により、KAP5.1の5’上流領域(配列番号8)を含むレポータープラスミドpGL−3−KAP5.1を構築した(図2)。
【0043】
例2
KAP5.1レポーターアッセイ
不死化外毛根鞘細胞(IORS)(特開2000−89より入手)を75cm2 フラスコに80万細胞播種し、37℃・5%CO2 の条件下で6日間培養する。培地はKeratinocyte−SFM培地(Gibco)を用いる。
1日目:プラスミドDNA導入(一過性)。培養したIORS細胞を、Effectene Transfection Reagent(QIAGEN)のマニュアルに従って、上記の構築したレポータープラスミドpGL3−KAP5.1(firefly luciferase)と、市販の内部標準プラスミドpRL−TK(renilla luciferase)で、Dualに形質転換した。
2日目:形質転換した細胞を24ウェルのマルチウェルプレートに1ウェル当たり10〜16万細胞となるように播き直し、37℃・5%CO2 の条件下で一晩培養する。
3日目:各ウェルの培地を、各種薬剤を溶解させた基礎培地と交換し、37℃・5%CO2 の条件下で一晩培養する。
4日目:アッセイ。デュアル−ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系(Dual−Luciferase Reporter Assay System)(Promega)を用い、該製造者のマニュアルに従って各ウェルごとのルシフェラーゼ活性を測定する。ルミノメーターはAutoLumat LB953(BERTHOLD)を用いる。
【0044】
ネガティブコントロールとして、薬剤を含有しないことを除いて同じ条件のアッセイを行った(K−SFM(−))。アッセイ結果を表5に示した。遺伝子発現を亢進する効果は亢進率(ネガティブコントロールを100とした時の比)として表した。
【0045】
【表5】

【0046】
表5に示したように本発明の上記一般式(1)〜(3)で示される複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩はKAP5.1の遺伝子発現を亢進する効果が認められた。
【0047】
本例ではKAP5.1についてのみアッセイ結果を示したが、先に述べたように、KAP5.1遺伝子のプロモーター領域の配列と他のKAP5.2−5.5遺伝子のプロモーター領域の配列が互いに非常に近似しており(図3)、その制御機構は同等である可能性が高いことから、KAP5.1の発現を亢進する薬剤は他のKAP5遺伝子の発現も亢進し、はり、こし感を改善している可能性が非常に高い。
【0048】
例3
毛髪用化粧料の調製
本発明の毛髪用化粧料の処方例を以下に示す。なお、配合量は質量%である。ワックスの硬度は(株)アイテクノエンジニアリング製カードメーター・マックスME−415で測定した(径:5.6mm;速度:7sec/インチ;荷重:200g;温度:37℃)。粘度は芝浦システム株式会社製単一円筒型回転粘度計1287温度30℃で測定した。尚、ジェル、トリートメント等の高粘度のものはVS−H1型(ローターNo.6/10rpm)、ミスト、ヘアリキッド、ムース、ヘアトニック、育毛剤等の低粘度のものはVS−A1型(ローターNo.1/60rpm)を使用した。
【0049】
例3.1 ワックス
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するワックスを調製した。乳化ワックス状、硬度20。このワックスは使用感もよく、はり、こし感の向上がみられた。
2−アミノオキサゾリン塩酸塩 0.1
流動パラフィン 10
マイクロクリスタリンワックス 10
ジメチルポリシロキサン 4
ステアリルアルコール 4
プロピレングリコール 10
カルナウバロウ 3
イソステアリン酸 0.5
ステアリン酸 4.5
テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 3
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸 2
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3
トリエタノールアミン 1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
ポリアクリル酸ナトリウム 適量
精製水 残余
香料 適量。
【0050】
例3.2 ミスト
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するミストを調製した。霧状(エアゾール)、粘度5。このミストは使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アミノチアゾリン塩酸塩 1
アクリル樹脂アルカノールアミン液 12
ラウリン酸ジエタノールアミド 0.5
エタノール 57
ポリオキシエチレンオレイルエーテル 0.5
精製水 残余
【0051】
例3.3 ジェル
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するジェルを調製した。透明固形状(ジェル)、粘度30000。このジェルは使用感もよく、はり、こし感の向上が見られた。
2−アセトアミドチアゾリン 1
ベヘニルアルコール 1
グリセリン 5
1,3−ブチレングリコール 5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油コハク酸(50E.O.) 40
水酸化カリウム 1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
精製水 残余
香料 適量。
【0052】
例3.4 ヘアリキッド
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するヘアリキッドを調製した。透明固形状、粘度8。このヘアリキッドは使用感もよく、はり、こし感の向上がみられた。
2−アミノ−5−メチルチアジアゾール 3
エタノール 55
プロピレングリコール 5
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ペンタエリスリトールエーテル(5EO) 25
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.5
色素 適量
精製水 残余
香料 適量。
【0053】
例3.5 トリートメント
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するトリートメントを調製した。乳化クリーム状、粘度25000。このトリートメントは使用感もよく、はり、こし感の向上がみられた。
2−アミノ−5−メルカプトチアジアゾール 0.5
流動パラフィン 10
ワセリン 3
ジメチルポリシロキサン 2
プロピレングリコール 10
ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル 2
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 2
水酸化カリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.3
精製水 残余
香料 適量。
【0054】
例3.6 ムース
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するムースを調製した。原液/噴射剤90/10。泡状(エアゾール)、粘度5。このムースは使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
原液:
2−アミノ−6−エトキシベンゾチアゾール 0.5
揮発性イソパラフィン 0.5
エタノール 10
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンデシルエーテル 0.5
ビワ葉エキス 0.1
ユカフォーマーSM 10
精製水 残余。
噴射剤:
LPG
【0055】
例3.7 ヘアトニック
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するヘアトニックを調製した。透明液状、粘度12。このヘアトニックは使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール 3
エタノール 60
ジプロピレングリコール 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
乳酸 適量
乳酸ナトリウム液 適量
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
L−メントール 0.2
色素 適量
精製水 残余
香料 適量。
【0056】
例3.8 ヘアトニック
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するヘアトニックを調製した。透明液状、粘度9。このヘアトニックは使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アセトアミドベンゾチアゾール 2
エタノール 60
ジプロピレングリコール 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
乳酸 適量
乳酸ナトリウム液 適量
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
L−メントール 0.2
色素 適量
精製水 残余
香料 適量。
【0057】
例3.9 ヘアトニック
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するヘアトニックを調製した。透明液状、粘度7。このヘアトニックは使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アセトアミド−6−エトキシベンゾチアゾール 1
2−アミノチアゾリン塩酸塩 1
エタノール 60
ジプロピレングリコール 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
乳酸 適量
乳酸ナトリウム液 適量
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
L−メントール 0.2
色素 適量
精製水 残余
香料 適量。
【0058】
例3.10 ヘアトニック
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有するヘアトニックを調製した。透明液状、粘度10。このヘアトニックは使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
(2−ベンゾチアゾイルチオ)酢酸 1
エタノール 60
ジプロピレングリコール 2
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
乳酸 適量
乳酸ナトリウム液 適量
グリチルリチン酸モノアンモニウム 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
L−メントール 0.2
色素 適量
精製水 残余
香料 適量。
【0059】
例3.11 育毛剤
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有する育毛剤を調製した。透明液状、粘度7。この育毛剤は使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アセトアミド−5−メチルチアジアゾール 3
エタノール 80
イソステアリルアルコール 2
1,3−ブチレングリコール 3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
DL−リンゴ酸 適量
β−グリチルレチン酸 0.2
パントテニルエチルエーテル 0.1
ニコチン酸ベンジル 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.5
デシルテトラデシルジメチルアミンオキシド液(20%) 5
L−メントール 1
【0060】
例3.12 育毛剤
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有する育毛剤を調製した。透明液状、粘度7。この育毛剤は使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アミノオキサゾリン塩酸塩 2
エタノール 80
イソステアリルアルコール 2
1,3−ブチレングリコール 3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
DL−リンゴ酸 適量
β−グリチルレチン酸 0.2
パントテニルエチルエーテル 0.1
ニコチン酸ベンジル 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.5
デシルテトラデシルジメチルアミンオキシド液(20%) 5
L−メントール 1
【0061】
例3.13 育毛剤
以下の処方に従い、常法により本発明の薬剤を含有する育毛剤を調製した。透明液状、粘度7。この育毛剤は使用感も良く、はり、こし感の向上がみられた。
2−アセトアミド−6−エトキシベンゾチアゾール 2
エタノール 80
イソステアリルアルコール 2
1,3−ブチレングリコール 3
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1
ラウリル硫酸ナトリウム 0.3
DL−リンゴ酸 適量
β−グリチルレチン酸 0.2
パントテニルエチルエーテル 0.1
ニコチン酸ベンジル 0.1
ニコチン酸アミド 0.1
酢酸DL−α−トコフェロール 0.5
デシルテトラデシルジメチルアミンオキシド液(20%) 5
L−メントール 1
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の毛髪はり・こし改善剤および毛髪用化粧料は、毛髪または頭皮に使用されることにより、毛髪に浸透し又は毛包に吸収されて、毛髪のはり・こしを改善し得るものであり、美容方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】KAP5.1レポータープラスミドの構築および構成を示す概略図である。図1−AはKAP5.1遺伝子とKAP5.2遺伝子を含むDNA断片のPCR増幅を示す図であり、図1−Bは増幅したDNA断片のレポータープラスミドベクターpGL−3basicへのクローニングを示す図である。
【図2】図1に続くKAP5.1レポータープラスミドの構築図であり、サブクローニングによるKAP5.1遺伝子翻訳領域(開始コドン以降)の削除を示す図である。
【図3】KAP5遺伝子群の発現調節を示す図である。
【図4】ヒトKAP5.1〜5.1遺伝子の推定コードタンパク質のアミノ酸配列比較を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で示される2−アミノオキサゾリン誘導体または2−アミノチアゾリン誘導体およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤。
【化1】

(一般式(1)中、Aは酸素原子またはイオウ原子、R1は水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜8のアルキル基、直鎖または分岐の炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、または炭素数6〜14のアリール基、R2は水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜8のアルキル基、直鎖または分岐の炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基、炭素数2〜8のアルキルカルボニル基、または炭素数7〜10のアリールカルボニル基をそれぞれ表す。また、上記のアラルキル基、アリール基、アリールカルボニル基のアリール部分は、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3のアルコキシ基、および水酸基でそれぞれ置換されていてもよい。)
【請求項2】
下記一般式(2)で示される2−アミノチアジアゾール誘導体およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤。
【化2】

(一般式(2)中、R1およびR2は一般式(1)と同様であり、R3は水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルキル基、またはメルカプト基を示す。)
【請求項3】
下記一般式(3)で示されるベンゾチアゾール誘導体およびその薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪はり・こし改善剤。
【化3】

(一般式(3)中、Xは−NR12(R1およびR2は一般式(1)と同様である)または−S−(CH2n−Y(YはCOOHまたはSO2OHを表し、nは1〜3である)を表し、R4、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルキル基、直鎖または分岐の炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。)
【請求項4】
請求項1〜3記載の各複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を有効成分とする毛髪用化粧料。
【請求項5】
請求項1〜3記載の各複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を毛髪または頭皮に適用することを含んでなる毛髪はり・こし改善方法。
【請求項6】
請求項1〜3記載の各複素環化合物およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選択される1種以上の化合物を水相又は油相に添加して毛髪用化粧料を製造することを特徴とする毛髪用化粧料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−254323(P2007−254323A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79139(P2006−79139)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】