説明

気体噴出処理装置

【課題】被処理物に対して熱風を噴出させる気体噴出処理装置において、省エネルギーを図る。
【解決手段】ハウジング10と、通気性を有しハウジング10内において被処理物Wを搬送するコンベア20と、コンベア20の上方/下方に位置する上側チャンバ30a/下側チャンバ30bに設けられ各チャンバ30a/30bの内部の気体を下方/上方に噴出する複数の上側ノズル40a/下側ノズル40bとを有する。コンベア20は、上流側/下流側の幅方向壁部11aに形成された往路用入口部12A/往路用出口部12Bを通ってハウジング10の内部に流入/外部に流出する。各チャンバ30a/30bのうちの各幅方向壁部11aの側の部分に形成された上側ノズル40a/下側ノズル40bの気体噴出方向は、下方/上方に向かうにつれて当該各幅方向壁部11aから離隔するように、下方/上方から傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、建材や食品等の被処理物W(ワークともいう)に対して気体(高温又は常温の空気等)を噴出して、乾燥,加熱,冷却等の処理を行う装置に関するものである。
【0002】
この種の装置としては、従来より、次の構造のものがある。その一例が特許文献1に記載されている。
図6にその一部を示すように、一般的に、従来の装置は、ハウジング510,コンベア520,上側チャンバ530a,下側チャンバ530bを有している。
ハウジング510は、ほぼ閉じた空間を形成している。
コンベア520は、通気性を有するものであり、エンドレス状をしている(上側の往路部521aと下側の復路部521bを形成する)。
コンベア520は、ハウジング510の外部に位置する一対の支持部(図示なし)によって支持されている。
ハウジング510の上流側の壁部には入口部(往路用入口部)及び復路用出口部(いずれも図示なし)が形成されており、ハウジング510の下流側の壁部には出口部(往路用出口部512B)及び復路用入口部514Bが形成されている。
コンベア520の往路部521aは入口部(往路用入口部)を通ってハウジング510の内部に流入し、出口部(往路用出口部512B)を通ってハウジング510の外部に流出する。復路部521bは、復路用入口部514Bを通ってハウジング510の内部に流入し、復路用出口部を通ってハウジング510の外部に流出する。
【0003】
上側チャンバ530aは、ハウジング510内において、コンベア520(往路部521a)の上側に位置している。下側チャンバ530bは、ハウジング510内において、コンベア520(往路部521a)の下側に位置している。
上側チャンバ530aには、下方に向けて熱風(気体)を噴出する多数のノズル(上側ノズル540a)が設けられている。下側チャンバ530bには、上方に向けて熱風(気体)を噴出する多数のノズル(下側ノズル540b)が設けられている。
【0004】
そして、コンベア520が循環することによって、コンベア520(往路部521a)に載置された被処理物Wは、ハウジング510内を移動しつつ、上側チャンバ530aの各上側ノズル540aから噴出される熱風、及び、下側チャンバ530bの各下側ノズル540bから噴出される熱風を受け、乾燥,加熱等の処理が行われる。
【0005】
そして、従来のこの種の装置においては、一般的に、上側チャンバ530aに設けられた上側ノズル540aの気体噴出方向は下方(鉛直下方)であり、下側チャンバ530bの設けられた下側ノズル540bの気体噴出方向は上方(鉛直上方)である。
【0006】
ところで、被処理物Wが通気性を有するものの場合は、上側ノズル540aから噴出され下方に向かって流れる熱風は、被処理物Wを通過して、さらに下方に向かって流れる。同様に、下側ノズル540bから噴出され上方に向かって流れる熱風は、被処理物Wを通過して、さらに上方に向かって流れる。
【0007】
しかしながら、被処理物Wが通気性を有さないものの場合は、次のようになる。上側ノズル540aから噴出され下方に向かって流れる熱風は、被処理物Wに到達した後に、被処理物Wによって反射して各方向に流れたり、被処理物Wの上面に沿って各方向に流れたりする。同様に、下側ノズル540bから噴出され上方に向かって流れる熱風は、被処理物Wに到達した後に、被処理物Wによって反射して各方向に流れたり、被処理物Wの下面に沿って各方向に流れたりする。
【0008】
このため、ハウジング510の入口部(往路用入口部)及び出口部(往路用出口部512B)の近傍においては、上側ノズル540a/下側ノズル540bから噴出された熱風が被処理物Wに到達した後に、その熱風の一部は、入口部(往路用入口部)及び出口部(往路用出口部512B)を通ってハウジング510の外部に流出してしまう。
これによって、ハウジング510内から熱エネルギーが流出することとなり、省エネルギーに反することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−146401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、被処理物に対して気体を噴出させる気体噴出処理装置において、その気体が外部に流出することを防止(低減)することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題を解決するために、請求項1に係る発明は、気体を噴出することによって被処理物に対する処理を行う気体噴出処理装置であって、ハウジングと、前記ハウジングの上流側の壁部に形成された入口部を通って当該ハウジングの内部に流入し、前記ハウジングの下流側の壁部に形成された出口部を通って当該ハウジングの外部に流出し、少なくとも前記ハウジング内において前記被処理物を搬送するコンベアと、前記ハウジング内において前記コンベアの上方に設けられた上側チャンバと、前記上側チャンバに設けられ、当該上側チャンバの内部の気体を下方に向かう成分を有する気体噴出方向に噴出する複数の筒状の上側ノズルとを有し、前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分に形成された前記上側ノズルの気体噴出方向は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜している、気体噴出処理装置である。
【0012】
「前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の近傍」とは、その壁部に対して接近・離隔する方向に沿って複数の上側チャンバが存在する場合には、そのうちその壁部に最も近い上側チャンバのうちの当該壁部の側の縁部の近傍のことをいう。このことは、他の請求項に係る発明においても同様である。
【0013】
この発明の気体噴出処理装置では、コンベアによって被処理物がハウジング内を搬送されつつ、上側チャンバの複数の上側ノズルから噴出される気体によって、その被処理物に対して処理が行われる。
【0014】
その際、ハウジングの入口部及び/又は出口部の形成された壁部の近傍においては、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明の気体噴出処理装置では、上側チャンバのうちの当該壁部の側の部分に設けられた上側ノズルの気体噴出方向は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜している。このため、その上側ノズルから噴出された気体は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように流れて被処理物に到達し、その被処理物が通気性を有さないものの場合には、その気体は、その後、当該壁部から離隔する成分を有する方向に流れる。
このため、その上側ノズルから噴出されて被処理物に到達した気体は、ハウジングの入口部及び/又は出口部から流出することが防止(又は低減)される。そして、その気体が高温のもの(熱風)の場合には、ハウジングから熱エネルギーが流出することが防止され、省エネルギーが図られる。
【0015】
請求項2に係る発明は、気体を噴出することによって被処理物に対する処理を行う気体噴出処理装置であって、ハウジングと、通気性を有し、前記ハウジングの上流側の壁部に形成された入口部を通って当該ハウジングの内部に流入し、前記ハウジングの下流側の壁部に形成された出口部を通って当該ハウジングの外部に流出し、少なくとも前記ハウジング内において前記被処理物を搬送するコンベアと、前記ハウジング内において前記コンベアの上方に設けられた上側チャンバと、前記上側チャンバに対応して前記コンベアの下方に設けられた下側チャンバと、前記上側チャンバに設けられ、当該上側チャンバの内部の気体を下方に向かう成分を有する気体噴出方向に噴出する複数の筒状の上側ノズルと前記下側チャンバに設けられ、当該下側チャンバの内部の気体を上方に向かう成分を有する気体噴出方向に噴出する複数の筒状の下側ノズルとを有し、前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分に形成された前記上側ノズルの気体噴出方向は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜しており、前記下側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分に形成された前記下側ノズルの気体噴出方向は、上方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、上方から傾斜している、気体噴出処理装置である。
【0016】
「前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分」とは、その壁部に対して接近・離隔する方向に沿って複数の上側チャンバが存在する場合には、そのうちその壁部に最も近い上側チャンバのうちの当該壁部の側の部分のことをいう。
同様に、「前記下側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分」とは、その壁部に対して接近・離隔する方向に沿って複数の下側チャンバが存在する場合には、そのうちその壁部に最も近い下側チャンバのうちの当該壁部の側の部分のことをいう。
このことは、他の請求項に係る発明においても同様である。
【0017】
この発明の気体噴出処理装置では、コンベアによって被処理物がハウジング内を搬送されつつ、上側チャンバの複数の上側ノズルから噴出される気体、及び、下側チャンバの複数の下側ノズルから噴出される気体によって、その被処理物に対して処理が行われる。
【0018】
その際、ハウジングの入口部及び/又は出口部の形成された壁部の近傍においては、次の作用効果が得られる。
すなわち、この発明の気体噴出処理装置では、上側/下側チャンバのうちの当該壁部の側の部分に設けられた上側/下側ノズルの気体噴出方向は、下方/上方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方/上方から傾斜している。このため、その上側/下側ノズルから噴出された気体は、下方/上方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように流れて被処理物に到達し、その被処理物が通気性を有さないものの場合には、その気体は、その後、当該壁部から離隔する成分を有する方向に流れる。
このため、その上側/下側ノズルから噴出されて被処理物に到達した気体は、ハウジングの入口部及び/又は出口部から流出することが防止(又は低減)される。そして、その気体が高温のもの(熱風)の場合には、ハウジングから熱エネルギーが流出することが防止され、省エネルギーが図られる。
【0019】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に係る発明の気体噴出処理装置であって、前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分には、当該チャンバの内部空間とは隔絶された状態で当該上側チャンバを貫通する上側貫通流路が形成されている、気体噴出処理装置である。
【0020】
この発明の気体噴出処理装置では、請求項1又は請求項2に係る発明の気体噴出処理装置の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、上側ノズルから噴出されて被処理物に到達した気体のうち、被処理物によって反射して上方成分を有する方向に流れるものの一部は、上側チャンバに形成された上側貫通流路を通って、ハウジング内のうちの上側チャンバよりも上側の空間に流れる。
このため、上側ノズルから噴出されて被処理物に到達した気体について、その分、ハウジングの入口部及び/又は出口部から流出することが防止(又は低減)される。そして、その気体が高温のもの(熱風)の場合には、ハウジングから熱エネルギーが流出することが防止され、省エネルギーが図られる。
【0021】
また、請求項2に係る発明に従属する発明の気体噴出処理装置の場合は、上述の内容に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、下側ノズルから噴出された気体のうち、被処理物(通気性を有する場合)を通過して、又は、コンベアのうち被処理物の存在しない部位を通過して、コンベアより上の空間を上方成分を有する方向に流れるものの一部は、上側チャンバに形成された貫通流路を通って、ハウジング内のうちの上側チャンバよりも上側の空間に流れる。
このため、下側ノズルから噴出された気体についても、その分、ハウジングの入口部及び/又は出口部から流出することが防止(又は低減)される。そして、その気体が高温のもの(熱風)の場合には、ハウジングから熱エネルギーが流出することが防止され、省エネルギーが図られる。
【0022】
請求項4に係る発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明の気体噴出処理装置であって、前記上側チャンバの下面のうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分は、当該壁部に向かうにつれて徐々に下方に向かうように水平面から傾斜しており、前記上側ノズルは、前記上側チャンバの下面に対して垂直に延びるように設けられている、気体噴出処理装置である。
【0023】
この発明の気体噴出処理装置では、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明の気体噴出処理装置の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、上側ノズルは上側チャンバの下面に対して垂直に延びるように設けられているために、その上側ノズルを上側チャンバの下面に対して容易に設けることができる。
そして、上側チャンバの下面のうちのハウジングの入口部及び/又は出口部の形成された壁部の側の部分は、当該壁部に向かうにつれて徐々に下方に向かうように水平面から傾斜しているために、その上側チャンバの下面のうちの当該部分に設けられた上側ノズルの気体噴出方向は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜することとなる。
このため、請求項1〜請求項3のいずれかに係る発明の気体噴出処理装置を容易に製造することが可能となる。
【0024】
請求項5に係る発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに係る発明の気体噴出処理装置であって、前記下側チャンバの上面のうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分は、当該壁部に向かうにつれて徐々に上方に向かうように水平面から傾斜しており、前記下側ノズルは、前記下側チャンバの上面に対して垂直に延びるように設けられている、気体噴出処理装置である。
【0025】
この発明の気体噴出処理装置では、請求項2〜請求項4のいずれかに係る発明の気体噴出処理装置の作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
すなわち、下側ノズルは下側チャンバの下面に対して垂直に延びるように設けられているために、その下側ノズルを下側チャンバの下面に対して容易に設けることができる。
そして、下側チャンバの下面のうちのハウジングの入口部及び/又は出口部の形成された壁部の側の部分は、当該壁部に向かうにつれて徐々に上方に向かうように水平面から傾斜しているために、その下側チャンバの上面のうちの当該部分に設けられた下側ノズルの気体噴出方向は、上方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜することとなる。
このため、請求項2〜請求項4のいずれかに係る発明の気体噴出処理装置を容易に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施例1の熱風噴出乾燥装置の縦断面図である。被処理物の進行方向に延びる仮想鉛直面で切断した際の縦断面図(一部はその端面)である。その一部はさらに仮想的に破断され、その破断端面が示されている。
【図2】本発明の実施例1の熱風噴出乾燥装置の縦断面図である。被処理物の進行方向と垂直に延びる仮想鉛直面で切断した際の縦断面図である。その一部はさらに仮想的に破断され、その破断端面が示されている。
【図3】本発明の実施例1の熱風噴出乾燥装置の要部の縦断面図である。図1の部分拡大図である。
【図4】本発明の実施例2の熱風噴出乾燥装置の要部の縦断面図である。
【図5】本発明の実施例3の熱風噴出乾燥装置の要部の縦断面図である。
【図6】従来の熱風噴出乾燥装置の要部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
[実施例1]
次に、本発明の実施例1の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)について、図1〜図3に基づいて説明する。
【0028】
図1及び図2に示すように、この熱風噴出乾燥装置は、ハウジング10,コンベア20,上側チャンバ30a,下側チャンバ30b等を有している。
そして、この熱風噴出乾燥装置は、熱風によって、板材や食品(いずれも乾燥処理前のもの)等の被処理物Wを乾燥(処理)させるものである。
【0029】
ハウジング10は、直方体状をしている。
すなわち、ハウジング10は、前後に一対の幅方向壁部11a,左右に一対の長さ方向壁部11b,底板部11c,上板部11dを有しており、その内側に、ほぼ閉じた空間を形成している。各幅方向壁部11aはハウジング10の幅方向に延び、各長さ方向壁部11bはハウジング10の長さ方向(コンベア20の進行方向)に延びている。
【0030】
図1に示すように、コンベア20は、エンドレス状をなし、ハウジング10の長さ方向に延びている。コンベア20は、ハウジング10の外部に位置する一対の支持部16によって支持されている。各支持部16はスプロケットを主材とするとともに、そのうちの一方には駆動用モータ(図示省略)が設けられている。
コンベア20は、進行方向とは垂直の水平方向(ハウジング10の幅方向)に延びる多数のパイプが隙間を隔てて進行方向(ハウジング10の長さ方向)に連ねられて形成されている。このため、コンベア20を横断(貫通)して空気(気体)が流通可能である。
エンドレス状のコンベア20のうちの上側部分が往路部21aであり、下側部分が復路部21bである。
なお、図面中、コンベア20,支持部16等については模式的に簡略に示されている。
【0031】
ハウジング10の上流側の幅方向壁部11aには往路用入口部12A(入口部)及び復路用出口部14Aが形成されており、ハウジング10の下流側の幅方向壁部11aには往路用出口部12B(出口部)及び復路用入口部14Bが形成されている。
コンベア20の往路部21aは、往路用入口部12Aを通ってハウジング10の内部に流入し、往路用出口部12Bを通ってハウジング10の外部に流出する。復路部21bは、復路用入口部14Bを通ってハウジング10の内部に流入し、復路用出口部14Aを通ってハウジング10の外部に流出する。
【0032】
こうして、図1及び図3に示すように、コンベア20の往路部21aに被処理物Wが載置された状態でコンベア20が循環することによって、コンベア20(その往路部21a)によって被処理物Wが移動される。
すなわち、図1に示すように、被処理物Wは、往路用入口部12Aを通ってハウジング10内に入り、ハウジング10内を移動し、往路用出口部12Bを通ってハウジング10から出る。
【0033】
図1及び図2に示すように、上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bは、ハウジング10内に配設されている。上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bは、上下に対状をなし、ハウジング10の長さ方向(被処理物Wの進行方向)に沿って複数組設けられている。
【0034】
ハウジング10には、各組の上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bに対応して、バーナ50及びダクト60が設けられている。
ここで、ハウジング10のうち上側チャンバ30aよりも上側の空間を上部空間18ということとする。
ダクト60の上流端の開口部61及びバーナ50(その吹き出し口の先端部)は、いずれも、上部空間18に位置している。
【0035】
図2に示すように、ダクト60は、途中で2股に分岐し、その各下流端部は上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bに接続されている。
図1及び図2に示すように、ダクト60の内部(例えば、開口部61の近傍)には、ファン62が設けられている。
このため、バーナ50によって高温にされた空気が、ファン62によって開口部61を通ってダクト60内に流入し、ダクト60内を流れ、上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bに流入する。
【0036】
各上側チャンバ30aは、コンベア20の往路部21aの上方に位置している。各下側チャンバ30bは、コンベア20の往路部21aの下方であってコンベア20の復路部21bの上方に位置している。
図1〜図3に示すように、各上側チャンバ30aは、ほぼ直方体状の容器状をしており、その水平な下面31aには、多数のノズル(上側ノズル40a)が設けられている。各上側ノズル40aは、まっすぐな円筒状をしている。上側チャンバ30a内の高温の空気(熱風)は、上側ノズル40aから噴射される。
同様に、各下側チャンバ30bは、ほぼ直方体状の容器状をしており、その水平な上面31bには、多数のノズル(下側ノズル40b)が設けられている。各下側ノズル40bも、まっすぐな円筒状をしている。下側チャンバ30b内の高温の空気(熱風)は、下側ノズル40bから噴射される。
【0037】
そして、図1及び図3に示すように、この熱風噴出乾燥装置では、各上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bのうち、一対の幅方向壁部11aの側の縁部において、次のようにされている(図3においては、下流側の幅方向壁部11aの側の縁部のみが示されているが、上流側の幅方向壁部11aの側の縁部においても同様である)。
なお、前述したように上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bは対状をなしハウジング10の長さ方向に沿って複数組設けられているため、上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bの上流側の幅方向壁部11aの側の縁部とは、複数組の上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bのうち、最も上流側の組の上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bの上流側の幅方向壁部11aの側の縁部のことをいう。同様に、上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bの下流側の幅方向壁部11aの側の縁部とは、複数組の上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bのうち、最も下流側の組の上側チャンバ30a及び下側チャンバ30bの下流側の幅方向壁部11aの側の縁部のことをいう。
【0038】
上側チャンバ30aに設けられている多数の上側ノズル40aのうち、上側チャンバ30aのうちの上流側・下流側の各幅方向壁部11aの側の部分に設けられた上側ノズル40aは、下方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように、下方(鉛直下方)から傾斜して延びている。
この上側ノズル40aのことを上側内側傾斜ノズル40axということとする。上側内側傾斜ノズル40axは、多数の上側ノズル40aのうち、各幅方向壁部11aの側の数列(2〜4列)の上側ノズル40aである。
すなわち、上側内側傾斜ノズル40axの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように下方(鉛直下方)から傾斜している。別の見方をすると、上側内側傾斜ノズル40axの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)に向かうにつれてハウジング10の内側方向に向かうように、下方(鉛直下方)から傾斜している、ともいえる。
一方、それ以外の部分の上側ノズル40aは、下方(鉛直下方)に向かって延びている。この上側ノズル40aのことを上側通常ノズル40anということとする。すなわち、上側通常ノズル40anの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)である。
【0039】
同様に、下側チャンバ30bに設けられている多数の下側ノズル40bのうち、下側チャンバ30bのうちの各幅方向壁部11aの側の部分に設けられた下側ノズル40bは、上方(鉛直上方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように、上方(鉛直上方)から傾斜して延びている。
この下側ノズル40bのことを下側内側傾斜ノズル40bxということとする。下側内側傾斜ノズル40bxは、多数の下側ノズル40bのうち、各幅方向壁部11aの側の数列(2〜4列)の下側ノズル40bである。
すなわち、下側内側傾斜ノズル40bxの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように、上方(鉛直上方)から傾斜している。別の見方をすると、下側内側傾斜ノズル40bxの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)に向かうにつれてハウジング10の内側方向に向かうように、上方(鉛直上方)から傾斜している、ともいえる。
一方、それ以外の部分の下側ノズル40bは、上方(鉛直上方)に向かって延びている。この下側ノズル40bのことを下側通常ノズル40bnということとする。すなわち、下側通常ノズル40bnの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)である。
【0040】
また、上側チャンバ30aのうちの各幅方向壁部11aの側の部分には、複数の上側貫通流路35aが設けられている。上側貫通流路35aは、上側チャンバ30aの内部空間とは隔絶された状態で、上側チャンバ30aを貫通する流路である。すなわち、上側貫通流路35aは、上側チャンバ30aと下側チャンバ30bとの間の空間と、上部空間18(上側チャンバ30aよりの上側の空間)とを連通している。
【0041】
次に、この熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)の作用効果について説明する。
図1に示すように、コンベア20の往路部21aに、乾燥処理前の状態の板材等、通気性を有さない被処理物Wが載置される。そして、コンベア20が循環することによって、被処理物Wがハウジング10内を往路用入口部12A(入口部)から往路用出口部12B(出口部)まで移動する。
一方、ハウジング10内においては、上側チャンバ30aの上側ノズル40aから下方(鉛直下方)又は斜め下方に熱風が噴出され、下側チャンバ30bの下側ノズル40bから上方(鉛直上方)又は斜め上方に熱風が噴出される。
このため、ハウジング10内を移動する被処理物Wは、その上方(斜め上方を含む)及び下方(斜め下方を含む)の両方から熱風を受け、乾燥する。
【0042】
その際、図3等に基づいて前述したように、この熱風噴出乾燥装置では、上側通常ノズル40anから下方(鉛直下方)に熱風が噴出され、下側通常ノズル40bnから上方(鉛直上方)に熱風が噴出される。
このため、図3に示すように、被処理物Wが通気性を有さないため、上側通常ノズル40an/下側通常ノズル40bnから噴出された熱風は、被処理物Wに到達した後に、被処理物Wによって反射して各方向に(ワークの形状にもよるが原則的には均等に各方向に)流れたり、被処理物Wの上面/下面に沿って各方向に(同じく原則的には均等に各方向に)に流れたりしようとする。
【0043】
一方、同じく図3等に基づいて前述したように、上側内側傾斜ノズル40axからは、下方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように、下方(鉛直下方)から傾斜する方向に熱風が噴出される。
このため、上側内側傾斜ノズル40axから噴出された熱風は、被処理物Wに到達した後には、被処理物Wによって反射して幅方向壁部11aから離隔する成分を有する方向に流れたり、被処理物Wの上面に沿って幅方向壁部11aから離隔する方向に流れたりする。
すなわち、上側内側傾斜ノズル40axから噴出された熱風は、被処理物Wに到達する前においても、被処理物Wに到達した後においても、幅方向壁部11aから離隔する成分を有する方向に流れる。
【0044】
同様に、下側内側傾斜ノズル40bxからは、上方(鉛直上方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように、上方(鉛直上方)から傾斜する方向に熱風が噴出される。
このため、下側内側傾斜ノズル40bxから噴出された熱風は、被処理物Wに到達した後には、被処理物Wによって反射して幅方向壁部11aから離隔する成分を有する方向に流れたり、被処理物Wの上面に沿って幅方向壁部11aから離隔する方向に流れたりする。
すなわち、下側内側傾斜ノズル40bxから噴出された熱風は、被処理物Wに到達する前においても、被処理物Wに到達した後においても、幅方向壁部11aから離隔する成分を有する方向に流れる。
【0045】
このため、幅方向壁部11aの近傍においては、上側内側傾斜ノズル40ax,下側内側傾斜ノズル40bxから噴出され幅方向壁部11aから離隔する成分を有する方向に流れる(被処理物Wに対する到達の前後を問わない)熱風によって、上側通常ノズル40an,下側通常ノズル40bnから噴出され被処理物Wに到達した後に幅方向壁部11aに接近する成分を有する方向に流れようとする熱風は相殺され、熱風は、全体として、幅方向壁部11aから離隔する成分を有する方向に流れる。
このため、その上側ノズル40a(上側内側傾斜ノズル40ax,上側通常ノズル40an),下側ノズル40b(下側内側傾斜ノズル40bx,下側通常ノズル40bn)から噴出された熱風が、その後においてハウジング10の往路用入口部12A(入口部)(図3においては図示なし),往路用出口部12B(出口部)から流出することが防止又は低減される。
【0046】
また、同じく図3に示すように、被処理物Wの上側のうちの幅方向壁部11aの近傍においては、上側ノズル40a(上側内側傾斜ノズル40ax,上側通常ノズル40an)から噴出され被処理物Wに到達した後に被処理物Wによって反射して上方成分を有する方向に流れる熱風のうちの一部は、上側貫通流路35aを通って上部空間18に流れる(戻る)。
このため、上側ノズル40a(上側内側傾斜ノズル40ax,上側通常ノズル40an)から噴出され被処理物Wに到達した熱風のうち、その分は、ハウジング10の往路用入口部12A(入口部)(図3においては図示なし),往路用出口部12B(出口部)から流出することがない。
このことによっても、上側ノズル40a(上側内側傾斜ノズル40ax,上側通常ノズル40an)から噴出されて被処理物Wに到達した熱風がハウジング10の往路用入口部12A(入口部)(図3においては図示なし),往路用出口部12B(出口部)から流出することが防止又は低減される。
【0047】
また、下側ノズル40b(下側内側傾斜ノズル40bx,下側通常ノズル40bn)から噴出された熱風のうち、コンベア20(往路部21a)のうち被処理物Wの存在しない部位を通過して、コンベア20(往路部21a)より上の空間を上方成分を有する方向に流れるものの一部は、上側貫通流路35aを通って上部空間18に流れる(戻る)。
このため、下側ノズル40b(下側内側傾斜ノズル40bx,下側通常ノズル40bn)から噴出された熱風についても、その分、ハウジング10の往路用入口部12A(入口部)(図3においては図示なし),往路用出口部12B(出口部)から流出することが防止又は低減される。
【0048】
以上のようにして、この熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)では、ハウジング10の往路用入口部12A(入口部)及び往路用出口部12B(出口部)を通って熱風がハウジング10の外部に流出することが防止又は低減され、省エネルギーが図られるのである。
【0049】
[実施例2]
次に、本発明の実施例2の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)について、実施例1との相違点を中心に、図4に基づいて説明する。実施例2のうち、実施例1と共通又は対応する要素については、同一又は対応する(下2桁が同一)の符号を付して、説明を適宜省略する。このことは以下同様である。
【0050】
各上側チャンバ30aの水平な下面31aには、多数のノズル(上側ノズル140a)が設けられている。各上側ノズル140a(その基端部)は、上側チャンバ30aの水平な下面31aに対して垂直に設けられている。
同様に、各下側チャンバ30bの水平な上面31bには、多数のノズル(下側ノズル140b)が設けられている。各下側ノズル140b(その基端部)は、下側チャンバ30bの水平な上面31bに対して垂直に設けられている。
【0051】
多数の上側ノズル140aのうち、上側通常ノズル140anはまっすぐな円筒状をしており、上側通常ノズル140anの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)である。
一方、上側内側傾斜ノズル140axは、円筒状をなすとともに、その中途部分において折り曲げられている。このため、上側内側傾斜ノズル140axの基端部の側の略半部は、下方(鉛直下方)に向かっており、先端部の側の略半部は、下方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように下方(鉛直下方)から傾斜している。
このため、上側内側傾斜ノズル140axの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように下方(鉛直下方)から傾斜している。
【0052】
同様に、多数の下側ノズル140bのうち、下側通常ノズル140bnはまっすぐな円筒状をしており、下側通常ノズル140bnの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)である。
一方、下側内側傾斜ノズル140bxは、円筒状をなすとともに、その中途部分において折り曲げられている。このため、下側内側傾斜ノズル140bxの基端部の側の略半部は、上方(鉛直上方)に向かっており、先端部の側の略半部は、上方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように上方(鉛直上方)から傾斜している。
このため、下側内側傾斜ノズル140bxの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように上方(鉛直上方)から傾斜している。
【0053】
この実施例2の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)でも、実施例1の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)と同様の作用効果が得られる。
そして、この実施例2の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)では、上側内側傾斜ノズル140ax/下側内側傾斜ノズル140bxを含んで、すべての上側ノズル140a/下側ノズル140bが、その基端部において上側チャンバ30aの下面31a/下側チャンバ30bの上面31bに対して垂直に設けられているために、その取付作業が実施例1の場合よりも容易である。
【0054】
[実施例3]
次に、本発明の実施例3の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)について、実施例1との相違点を中心に、図5に基づいて説明する。
【0055】
この熱風噴出乾燥装置では、各上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bのうち、一対の幅方向壁部11aの側の縁部において、次のようにされている(図5においては、下流側の幅方向壁部11aの側の縁部のみが示されているが、上流側の幅方向壁部11aの側の縁部においても同様である)。
なお、前述したように上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bは対状をなしハウジング10の長さ方向に沿って複数組設けられているため、上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bの上流側の幅方向壁部11aの側の縁部とは、複数組の上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bのうち、最も上流側の組の上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bの上流側の幅方向壁部11aの側の縁部のことをいう。同様に、上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bの下流側の幅方向壁部11aの側の縁部とは、複数組の上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bのうち、最も下流側の組の上側チャンバ230a及び下側チャンバ230bの下流側の幅方向壁部11aの側の縁部のことをいう。
【0056】
上側チャンバ230aの下面231aは、基本的には水平である。しかしながら、上側チャンバ230aの下面231aのうち上流側・下流側の各幅方向壁部11a側の部分は、各幅方向壁部11aに向かうにつれて徐々に下方に向かうように、水平面から傾斜している。
上側チャンバ230aの下面231aのうち、その傾斜した部分のことを傾斜下面231axということとする。一方、上側チャンバ230aの下面231aのうち、それ以外の水平な部分のことを通常水平下面231anということとする。
【0057】
上側チャンバ230aの下面231aに多数の上側ノズル240aが設けられている。
多数の上側ノズル240aのうち、通常水平下面231anに設けられている上側ノズル240aのことを上側通常ノズル240anということとする。一方、傾斜下面231axに設けられている上側ノズル240aのことを上側内側傾斜ノズル240axということとする。
【0058】
各上側ノズル240aは、まっすぐな円筒状をしている。そして、各上側ノズル240aは、その基端部において、上側チャンバ230aの下面231aに対して垂直に設けられている。
このため、上側通常ノズル240anの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)である。
一方、上側内側傾斜ノズル240axの気体噴出方向は、下方(鉛直下方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように下方(鉛直下方)から傾斜している。
【0059】
上側内側傾斜ノズル240axは、各幅方向壁部11a側に近いものほど短くされている。また、上側通常ノズル240anは、上側内側傾斜ノズル240axよりも長くされてる。こうして、すべての上側ノズル240aの先端部(下端部)は、ほぼ同一高さに位置している。
【0060】
同様に、下側チャンバ230bの上面231bは、基本的には水平である。しかしながら、上側チャンバ230aの下面231aのうち上流側・下流側の各幅方向壁部11a側の部分は、各幅方向壁部11aに向かうにつれて徐々に上方に向かうように、水平面から傾斜している。
下側チャンバ230bの上面231bのうち、その傾斜した部分のことを傾斜上面231bxということとする。一方、下側チャンバ230bの上面231bのうち、それ以外の水平な部分のことを通常水平上面231bnということとする。
【0061】
下側チャンバ230bの上面231bに多数の下側ノズル240bが設けられている。
多数の下側ノズル240bのうち、通常水平上面231bnに設けられている下側ノズル240bのことを下側通常ノズル240bnということとする。一方、傾斜上面231bxに設けられている下側ノズル240bのことを下側内側傾斜ノズル240bxということとする。
【0062】
各下側ノズル240bは、まっすぐな円筒状をしている。そして、各下側ノズル240bは、その基端部において、上側チャンバ230aの下面231aに対して垂直に設けられている。
このため、下側通常ノズル240bnの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)である。
一方、下側内側傾斜ノズル240bxの気体噴出方向は、上方(鉛直上方)に向かうにつれて幅方向壁部11aから離隔するように上方(鉛直上方)から傾斜している。
【0063】
下側内側傾斜ノズル240bxは、各幅方向壁部11a側に近いものほど短くされている。また、下側通常ノズル240bnは、下側内側傾斜ノズル240bxよりも長くされてる。こうして、すべての下側ノズル240bの先端部(上端部)は、ほぼ同一高さに位置している。
【0064】
この実施例3の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)でも、実施例1の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)と同様の作用効果が得られる。
そして、この実施例3の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)では、上側内側傾斜ノズル240ax/下側内側傾斜ノズル240bxを含んで、すべての上側ノズル240a/下側ノズル240bが、その基端部において上側チャンバ230aの下面231a/下側チャンバ230bの上面231bに対して垂直に設けられているために、その取付作業が実施例1の場合よりも容易である。
また、この実施例3の熱風噴出乾燥装置(気体噴出処理装置)では、上側内側傾斜ノズル240ax/下側内側傾斜ノズル240bxを含んで、すべての上側ノズル240a/下側ノズル240bがまっすぐであるため、その製造が実施例2の場合よりも容易である。
【0065】
なお、上記のものはあくまで本発明の一実施例にすぎず、当業者の知識に基づいて種々の変更を加えた態様で本発明を実施できることはもちろんである。
【0066】
例えば、上側ノズル40a,140a,240a/下側ノズル40b,140b,240bのうち、幅方向壁部11aに最も近い列(1列)のみが、上側内側傾斜ノズル40ax,140ax,240ax/下側内側傾斜ノズル40bx,140bx,240bxとされてもよい。
また、上側チャンバ30a,230aに上側貫通流路35aは必ずしも設けられなくてもよい。
また、下側チャンバ30b,230bは設けられず、上側チャンバ30a,230aのみが設けられていてもよい。
【0067】
また、コンベア(20)は、上述のものに限らず、複数(多数)の孔を有し通気性を有する板(網状のものを含む)や、通気性を有さない板が、進行方向に複数(多数)連ねられた態様のものでもよい。
その場合、各支持部(16)は、コンベア(20)が往路部(21a)と復路部(21b)との間を切り変わる際に、上記の板が上下に反転しない構造とされてもよい。その場合は、被処理物Wがコンベア(20)の復路部(21b)上に位置する際にも乾燥処理がされるようにされてもよい。
【符号の説明】
【0068】
10 ハウジング
20 コンベア
30a,230a 上側チャンバ
30b,230b 下側チャンバ
31a,231a 下面
231an 通常水平下面
231ax 傾斜下面
31b,231b 上面
231bn 通常水平上面
231bx 傾斜上面
40a,140a,240a 上側ノズル
40an,140an,240an 上側通常ノズル
40ax,140ax,240ax 上側内側傾斜ノズル
40b,140b,240b 下側ノズル
40bn,140bn,240bn 下側通常ノズル
40bx,140bx,240bx 下側内側傾斜ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を噴出することによって被処理物に対する処理を行う気体噴出処理装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジングの上流側の壁部に形成された入口部を通って当該ハウジングの内部に流入し、前記ハウジングの下流側の壁部に形成された出口部を通って当該ハウジングの外部に流出し、少なくとも前記ハウジング内において前記被処理物を搬送するコンベアと、
前記ハウジング内において前記コンベアの上方に設けられた上側チャンバと、
前記上側チャンバに設けられ、当該上側チャンバの内部の気体を下方に向かう成分を有する気体噴出方向に噴出する複数の筒状の上側ノズルと
を有し、
前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分に形成された前記上側ノズルの気体噴出方向は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜している、
気体噴出処理装置。
【請求項2】
気体を噴出することによって被処理物に対する処理を行う気体噴出処理装置であって、
ハウジングと、
通気性を有し、前記ハウジングの上流側の壁部に形成された入口部を通って当該ハウジングの内部に流入し、前記ハウジングの下流側の壁部に形成された出口部を通って当該ハウジングの外部に流出し、少なくとも前記ハウジング内において前記被処理物を搬送するコンベアと、
前記ハウジング内において前記コンベアの上方に設けられた上側チャンバと、
前記上側チャンバに対応して前記コンベアの下方に設けられた下側チャンバと、
前記上側チャンバに設けられ、当該上側チャンバの内部の気体を下方に向かう成分を有する気体噴出方向に噴出する複数の筒状の上側ノズルと
前記下側チャンバに設けられ、当該下側チャンバの内部の気体を上方に向かう成分を有する気体噴出方向に噴出する複数の筒状の下側ノズルと
を有し、
前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分に形成された前記上側ノズルの気体噴出方向は、下方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、下方から傾斜しており、
前記下側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分に形成された前記下側ノズルの気体噴出方向は、上方に向かうにつれて当該壁部から離隔するように、上方から傾斜している、
気体噴出処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の気体噴出処理装置であって、
前記上側チャンバのうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分には、当該チャンバの内部空間とは隔絶された状態で当該上側チャンバを貫通する上側貫通流路が形成されている、
気体噴出処理装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれかに記載の気体噴出処理装置であって、
前記上側チャンバの下面のうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分は、当該壁部に向かうにつれて徐々に下方に向かうように水平面から傾斜しており、
前記上側ノズルは、前記上側チャンバの下面に対して垂直に延びるように設けられている、
気体噴出処理装置。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかに記載の気体噴出処理装置であって、
前記下側チャンバの上面のうちの前記ハウジングの前記入口部及び/又は前記出口部の形成された前記壁部の側の部分は、当該壁部に向かうにつれて徐々に上方に向かうように水平面から傾斜しており、
前記下側ノズルは、前記下側チャンバの上面に対して垂直に延びるように設けられている、
気体噴出処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−112541(P2012−112541A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259511(P2010−259511)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(390013631)株式会社荒川製作所 (4)
【Fターム(参考)】