説明

水道水のための電子制御可能な混合装置

本発明は、夫々スピンドルを介して操作可能であり、かつ、直列に配置されている、混合弁と流量制御弁とを備えている水道水のための混合装置であって、水の質量流と温度とを測定するためのセンサ(21,22)が配置されており、センサ(21,22)は開ループ・閉ループ制御装置に接続されており、開ループ・閉ループ制御装置を介して水の質量流の流量及び温度が調節可能であり、混合弁(5)を介して供給される水の質量流の温度を測定する温度センサ(22)が流量制御弁(4)に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載の水道水のための電子制御可能な混合装置に関する。
【0002】
特に調理場及び浴室に水を供給する場合、特定の水温及び特定の水圧に調節できるようにしたい、という要求は繰り返し起きる。温度を調節するために、サーモエレメントを介して冷水流及び温水流の混合比率を調節する、サーモミキサを使用することが公知になっている。サーモエレメントは、このエレメントの熱膨張に起因して、水流に影響を与えるように配置されている。サーモエレメントの相対位置は調節ボタンを介して変更することができ、これにより所望の水温に調節可能である。水圧の調節は下流側に接続されている流量制御弁を介して行われ、この流量制御弁によって、温度調整弁の混合水流の流入量は調節可能である。この調節は通常、回転又は傾動装置を介して行われる。しかし水の貫流により励起される振動又は調整レバーにかかる重力といった機械的な作用により、固有の動的な調節が頻繁にもたらされる。この調節は実際に接している温度若しくは実際に接している水圧の変更を結果としてもたらし、非規則的な時間の間隔をおいて、パラメータの後調整を必要とすることになる。
【0003】
上述の先行技術を背景として、水の温度及び体積流を快適にかつ確実に調節することができるようにしたい、という要望が増えている。そこで本発明を使用する。本発明の目的は、水圧及び水温の快適な調整を可能にする、水道水のための混合装置を提供することである。本発明によれば、上述の目的は請求項1の特徴により達成される。
【0004】
本発明は、水の質量流及び水温の快適な調節を可能にする水道水のための混合装置を提供する。このために電子的な開ループ・閉ループ制御装置が設けられている。この開ループ・閉ループ制御装置は、接している水の質量流及び水温を測定するためのセンサに接続されていて、かつ、センサ夫々の目下の測定値に基づく所定の水の質量流の温度及び流量を保証する。本構成においてはマルチポート弁に、混合弁を介して供給される水の質量流の温度を測定するための温度センサが配置されている。これにより使用されている温度に近い温度測定がもたらされるので、後続の管路経路を通じての温度変化は回避されている。有利には、温度センサはマルチポート弁の流入部に配置されている。
【0005】
本発明の改良形においては、流量制御弁はマルチポート弁として構成されている。これにより付加的に複数の流出口のうちの1つへの水の質量流の分配が可能になり、このことは、例えば浴槽流入部とシャワー流入部への供給の切換えのために浴室装備に必要である。
【0006】
本発明の構成において、供給したい流出口への分配も水の質量流の流量もスピンドルを介して調節可能であるようにマルチポート弁は構成されている。これにより弁の簡単な制御性が可能になる。
【0007】
本発明の別の構成において、混合弁の閉鎖状態では混合弁が接続されている供給管路の質量流の混合が防がれているように混合弁は構成されている。これにより、供給管路の質量流が他の供給管路へ逆流することは、接している種々異なる圧力値に基づいて防がれている。この目的のために設けられる一般的な逆流防止体は不要である。
【0008】
本発明のさらに別の構成において、混合弁及び流量制御弁は、水の質量流を測定するための流量センサが配置されている管路を介して互いに接続されている。これにより混合弁から供給される水の質量流の継続的な測定が可能になっている。
【0009】
本発明のさらに別の構成において、マルチポート弁のスピンドルに温度センサが配置されている。これにより水の質量流内におけるセンサの最適な位置決めが達成される。
【0010】
本発明のさらに別の構成において、混合弁は駆動装置に接合されており、この駆動装置を介して混合弁は操作可能であり、また、駆動装置は開ループ・閉ループ制御装置に接続されている。これにより直接的な制御が、開ループ・閉ループ制御装置を介して可能になっている。有利にはマルチポート弁も同様に、マルチポート弁を操作可能でありかつ開ループ・閉ループ制御装置に接続されている駆動装置に接合されている。
【0011】
本発明のさらに別の構成において少なくとも1つの駆動装置は、歯列を介して混合弁若しくは流量制御弁のスピンドルに接合されている軸を駆動する電気モータを有している。これにより開ループ・閉ループ制御装置を介しての弁の正確な調節が可能になっている。
【0012】
有利には混合弁も流量制御弁もヘッド部分を有している。このヘッド部分はヘッド部分内において半径方向に案内されたスピンドルによって中央を貫通されていて、ヘッド部分の側方に少なくとも1つの窓が設けられており、ヘッド部分のスピンドルとは反対の側は、2つの貫通開口を備えた通過ディスクを収容する。この構成において流量制御弁における水流の貫流方向は、混合弁における貫流方向とは反対である。これにより供給管路及び流出管路を平行に配置することが可能になっている。さらにこれによりほぼ同一の弁の上側部分を使用することができるので、製造コスト及び保管コストは減じられている。
【0013】
本発明の別の構成及び改良形は従属請求項に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】混合装置の部分断面図である。
【図2】図1の混合装置の平面図である。
【図3】図1の混合装置の流出側のケーシング部分を示す図であり、a)は断面図であり、b)はa)の一部分の「X」を詳細に示す図であり、c)はa)の一部分の「Y」を詳細に示す図であり、d)は上方から見た図であり、e)はd)の線「A−B」に沿った断面図であり、f)はe)の「Z」の平面図である。
【図4】図1のケーシング部分の短い接続部品を示す図であり、a)は部分断面図であり、b)は平面図である。
【図5】図1の流出側のケーシング部分の長い接続部品を示す図であり、a)は部分断面図であり、b)は平面図である。
【図6】図1の装置の混合弁の上側部分の断面図である。
【図7】図6の混合弁の上側部分の制御ディスクを示す図であり、a)は下方から見た図であり、b)は軸線方向の断面図であり、c)は平面図である。
【図8】図6の混合弁の上側部分の挿入ディスクを示す図であり、a)は平面図であり、b)はa)の線B−Bに沿った断面図であり、c)はa)の線C−Cに沿った断面図であり、d)は下方から見た図である。
【図9】図1のマルチポート弁の上側部分の断面図である。
【図10】図9のマルチポート弁の上側部分の挿入ディスクを示す図であり、a)は平面図であり、b)はa)の線B−Bに沿った断面図であり、c)はa)の線C−Cに沿った断面図であり、d)は下方から見た図である。
【0015】
本発明の実施の形態を図示し、以下に詳細に説明する。
【0016】
実施の形態として選択された混合装置1はレール11を有しており、このレール11に2つのケーシング部分12が相並んで配置されている。これらのケーシング部分12は管路13を介して互いに接続されている。この管路13内には流量センサ21が配置されている。一方の供給側のケーシング部分12は混合弁の上側部分3を収容し、2つの接続部品121,122を備えている。他方の流出側のケーシング部分12はマルチポート弁の上側部分4を収容し、同様に2つの接続部品121,122を備えている。さらに混合弁の上側部分3若しくはマルチポート弁の上側部分4を操作する2つの電気モータ5,6が配置されている。
【0017】
本実施の形態においてレール11は方形の金属薄板として形成されている。この金属薄板は長手方向側面に沿って直角に曲げられている。レール11には2つのケーシング部分12を固定するための複数の孔111が設けられている。本実施の形態において4つの孔111は夫々均等に離間されて、孔111の中間に設けられた円形の開口112を取り囲むように配置されている。この円形の開口112は弁の上側部分3,4が貫通するために働く。レール11の両端部において、縦長の切抜き113が上述の両端部に夫々設けられている。切抜き113は電気モータ5,6の軸51,61が貫通するために働き、またレール11に沿った電気モータ5,6の調整可能な固定のために、4つの縦長孔114が夫々、切抜き113の側方に配置されている。さらにレール11の曲げられた領域に、装置1を固定するための孔115が設けられている。
【0018】
両ケーシング部分12は同一に形成されており、本実施の形態においては、ほぼ円筒状の黄銅中空体として形成されている。レール11とは反対側のケーシング部分12の下面には、2つのねじ山付き孔120がケーシング12に設けられていて、上述のねじ山付き孔120内に接続部品121,122がねじ込まれている。レール11寄りのケーシング部分12の上面には、1つの孔123が弁の上側部分3,4を収容するための弁座としてケーシング部分12に設けられている。孔123の底部に、ねじ山付き孔120に通じている2つの貫流孔124が直径上で向かい合って設けられている。さらに弁座として働く孔123の底部の上述の孔124の間に、止まり孔125が配置されている。
【0019】
弁座として働く孔123に通じる孔126がケーシング部分12の側方に設けられている。管路13に対するストッパとして働く突部1261が孔126に成形されている。管路13にはケーシング部分12に対するシールのためのOリング131が設けられている。
【0020】
接続部品121,122は一種の管部材として形成されており、ケーシング部分12と供給管路若しくは流出管路との接続のために働く。接続部品121は短い接続部品として形成されており、雄ねじ山1211を有している。この雄ねじ山1211はねじ山付き孔120の雌ねじ山に対応する。本実施の形態において、雄ねじ山1211は1/2インチねじ山として構成されている。
【0021】
雄ねじ山1211のレール11寄りの端部には、Oリング1213を収容するための溝1212が接続部品121の外周に亘って設けられている。溝1212の領域における接続部品121の内部には突部1214が成形されており、この突部1214の全周に亘って等間隔に6つの刻み目1215が設けられている。
【0022】
接続部品121と比べて長く形成された接続部品122は同様に雄ねじ山1221を有している。この雄ねじ山1221はケーシング12のねじ山付き孔120の雌ねじ山に対応しており、Oリング1223を収容するための溝1222が雄ねじ山1221に接続している。いわば内側に、互いに均等に離間された6つの刻み目1225が設けられている突部1224が配置されている。雄ねじ山1221に円筒状の区分1226が接続している。この円筒状の区分1226は第2の雄ねじ山1227に移行する。本実施の形態において、2つの雄ねじ山1221,1227は1/2インチねじ山として構成されている。
【0023】
本実施の形態として選択された混合弁の上側部分3はヘッド部分31を有しており、このヘッド部分31は、ヘッド部分31において半径方向に案内されているスピンドル32によって中央を貫通されている。スピンドル32と制御ディスク33は形状接続式に接合されていて、ヘッド部分31内において半径方向に案内されている。スピンドル32とは相対する制御ディスク33の側において、挿入ディスク34がヘッド部分31に設けられている。孔123により形成されたケーシング部分12の弁座と接触する接続ディスク35が、挿入ディスク34に接続している。
【0024】
ヘッド部分31は、開放した2つの端面を有する対称的な中空体から成っている。ヘッド部分31のケーシング部分12寄りの側に、ヘッド部分31はスリーブ状の部分310を有している。このスリーブ状の部分310には2つの貫通窓311が設けられている。
【0025】
ケーシング部分12内への挿入後に、ヘッド部分31の鍔312が、弁座として働く孔123の底部に載置される。スリーブ状の部分310において鍔312の領域の内部に、アンダカット313が配置されている。
【0026】
スピンドル32は実質的に中実に構成されている。スピンドル32はヘッド部分31の端面とは反対側において、外側を外側多角体321として構成されている。これに続いてスピンドル32の外側には円筒面322が設けられている。この円筒面322によってスピンドル32はヘッド部分31において半径方向に案内されている。円筒面322と外側多角体321との間には切込み323が設けられていて、この切込み323内に保持リングの形式の軸固定部326がばね弾性的に挿入されている。軸固定部326は、所定の量を越えてスピンドル32がヘッド部分31へ進入することを防ぐ。さらに円筒面322に、Oリング325を収容する2つの環状溝324が設けられている。外側多角体321とは反対のスピンドル32の側にディスク部327が成形されている。このディスク部327は、ケーシング部分12寄りの側に連行体3271を有する。
【0027】
制御ディスク33は実質的に円形ディスクとして形成されている。この円形ディスクから扇形区分331が切り抜かれている。本実施の形態において扇形区分331は、約90°の角度を有している。制御ディスク33のスピンドル32寄りの側において、制御ディスク3は、直径上において向かい合って配置されている2つの円弧状の突部332を有している。リング状の突部332は組み込まれた状態において、スピンドル32の連行体3271を包囲している。これらの突部332には切欠き333が形成されている。この切欠き333内に連行体3271が嵌り込む(図7c参照)。
【0028】
挿入ディスク34を図8に示す。挿入ディスク34は挿入ディスク34の周面に、直径上において向かい合っている2つのノーズ341を有している。これらのノーズ341によってディスク34は、ヘッド部分31のスリーブ状の部分310に設けられている切欠きに嵌り込む。したがって挿入ディスク34はヘッド部分31に相対回動不能に配置されている。挿入ディスクは隣り合って配置されている2つの扇形区分342を有している。これらの扇形区分342は制御ディスク33の扇形区分331に対応する。扇形区分342の外側を全周に亘って延びるようにしてかつノーズ341の領域に、挿入ディスク34の制御ディスク33とは反対の下面にウェブ状の輪郭343が成形されている。
【0029】
本実施の形態において接続ディスク35はプラスチックから製造されている。接続ディスク35は同様に直径上において向かい合っている2つのノーズを周面に有している。これらのノーズによって接続ディスク35はヘッド部分31のスリーブ状の部分310に設けられている切欠き内に係合する。したがって接続ディスク35は相対回動不能にヘッド部分31に配置されている。接続ディスク35は相並んで配置されている2つの貫通開口351を有している。これらの貫通開口351は挿入ディスク34の2つの扇形区分342と重畳して位置決め可能であり、2つの貫通開口351内には夫々、孔123により形成されているケーシング部分12の弁座に対してシールするためのリップシール352が配置されている。さらに接続ディスク35は挿入ディスク34とは反対の下面に円筒状のピン353を有している。この円筒状のピン353はケーシング部分12の止まり孔125に対応し、ケーシング部分12における混合弁の上側部分3の位置決めのために働く。
【0030】
マルチポート弁の上側部分4は、混合弁の上側部分3とほぼ同一に構成されている。マルチポート弁の上側部分4は同一のヘッド部分41を有しており、このヘッド部分41はヘッド部分41において半径方向に案内されているスピンドル42によって中央を貫通されている。スピンドル42には、混合弁の上側部分3から供給される水の温度を連続的に測定するサーモセンサ22が付加的に配置されている(図9参照)。スピンドル42に同様に制御ディスク43が形状接続式に接合されており、ヘッド部分41において半径方向に案内されている。また挿入ディスク44はヘッド部分41に設けられており、挿入ディスク44に接続ディスク45が接続している。この接続ディスク45は孔123により形成されているケーシング部分12の弁座と接触している。マルチポート弁4は混合弁3とは、異なって使用される挿入ディスク44及び接続ディスク45の点でのみ異なる。
【0031】
マルチポート弁の上側部分4の挿入ディスク44を図10に示す。この挿入ディスク44は、混合弁の上側部分3の挿入ディスク34とは異なり、直径上において向かい合って配置されている2つの円形の貫通開口442を有している。これらの貫通開口442の外側を周方向に延在するように、かつ、接続ディスク45寄りの挿入ディスク44の下面において、側方に成形されているノーズ441の領域にウェブ状の輪郭443が成形されている。
【0032】
接続ディスク45は、混合弁の上側部分3の接続ディスク35とは異なり、直径上で向かい合って配置されている2つの円形の貫通開口451を有している。これらの貫通開口451は挿入ディスク44の貫通開口442と整合している。貫通開口442には内周に亘って延びている、リップシール452を収容するウェブ(図示せず)が夫々成形されている。リップシール452は、挿入されている支持リング453を介して貫通開口451に保持されている。組み付けられた状態においてリップシール452のリップは、挿入ディスク44及び弁座として働くケーシング部分12の孔123の底部に対して密に接触している。さらに挿入ディスク44に相対する接続ディスク45の下面は、円筒状のピン454を有している。この円筒状のピン454はケーシング部分12の止まり孔125に対応し、ケーシング部分12におけるマルチポート弁の上側部分4の位置決めのために働く。
【0033】
ケーシング部分12は、レール11の孔111を通って案内されているねじ(図示せず)によりレール11に固定されていて、各ケーシング部分12に収納されている弁の上側部分3,4は、ヘッド部分31,41によってレール11の開口112を通って突出している。ケーシング部分12はケーシング部分12の突部1261に、端部において夫々接触している管路13を介して互いに接合されている。管路13とは相対しているケーシング部分12の側において、電気モータ5,6が各ケーシング部分12に夫々配置されている。この電気モータ5,6は、レール11の縦長孔114を通って案内されているねじ(図示せず)によりレール11に接合されており、各モータ5,6のモータ軸51,61はレール11の切抜き113を抜けて突出している。縦長孔114を介してモータ5,6は切抜き113の長手方向軸線に沿って調節可能である。モータ5,6に相対するレール11の側に、モータ5,6の軸51,61が歯付きディスク52,62に接合されている。これらの歯付きディスク52,62は、弁の上側部分3,4のスピンドル32,42の外側多角体にも接合されている歯付きディスク36,46に係合している。これによりモータ5,6の軸51,52の回転は反対に、弁の上側部分3,4のスピンドル32,42に伝達される。これによりスピンドル32,42は操作可能である。
【0034】
開ループ・閉ループ制御装置(図示せず)は入力側において流量センサ21及び温度センサ22に接続されている。さらに入力側において入力ユニット(図示せず)が配置されている。この入力ユニットを介して、使用者側から、水温、水の質量流及び流出口(浴槽/シャワー)に関する規定が調節可能である。出力側において、開ループ・閉ループ制御装置(図示せず)はモータ5,6に電子的に接続されている。
【0035】
組み付けられた状態において、混合装置は供給側において接続部品121を介して冷水流入部に接続されており、かつ接続部品122を介して温水流入部に接続されている。流出側のケーシング部分は接続部品121を介して浴槽の水栓に接続されており、かつ接続部品122を介してシャワーヘッドの流入部に接続されている。所望の水温、水量及び所望の流出口を設定した後に、つまり水栓及び浴槽又はシャワーヘッドを選択した後、センサ21,22を介して伝送される測定値が、選択された基準データと一致しているように、モータ5,6を介して弁の上側部分3,4は調節される。本実施の形態において、混合弁の上側部分3を介して所望の水温が調節される。所望の水温は、マルチポート弁の上側部分4の流入部においてセンサ22を介して継続的に測定される。マルチポート弁の上側部分4を介して、混合弁の上側部分3によって提供される水の質量流の浴槽又はシャワーへの分配が行われる一方で、マルチポート弁の上側部分4を介して制御ディスク43の扇形区分431と挿入ディスク44の貫通開口442若しくはこの貫通開口442に対応する接続ディスク45の貫通開口451との重なりを調節することにより、水の質量流を変更することができる。夫々達成された水の質量流は流量センサ21を介して開ループ・閉ループ制御装置(図示せず)に伝送される。この開ループ・閉ループ制御装置は設定された基準値に対してずれが生じた場合に、モータ6を介してマルチポート弁の上側部分4の後調整を行う。いわば予め設定された温度目標値に対して、温度センサ22によって測定された実際値との間にずれが生じた場合に、モータ5を介して混合弁の上側部分3の後調整は行われる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々スピンドルを介して操作可能であり、かつ、直列に接続されて配置されている、混合弁と流量制御弁とを備えている、水道水のための混合装置において、
水の質量流と温度とを測定するためのセンサ(21,22)が配置されており、該センサ(21,22)は開ループ・閉ループ制御装置に接続されており、該開ループ・閉ループ制御装置を介して水の質量流の流量及び温度が調節可能であり、前記混合弁(5)を介して供給される水の質量流の温度を測定する温度センサ(22)が前記流量制御弁(4)に配置されていることを特徴とする、水道水のための混合装置。
【請求項2】
前記流量制御弁はマルチポート弁(4)として構成されていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
【請求項3】
供給したい流出口の割当て及び水の質量流の流量も前記スピンドル(42)を介して調節可能であるように、前記マルチポート弁(4)は形成されていることを特徴とする、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記混合弁の閉鎖状態において、前記混合弁が接続されている流入管路の質量流の混合が防がれているように、前記混合弁は構成されていることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項記載の装置。
【請求項5】
前記混合弁(3)及び前記流量制御弁(4)は、水の質量流を測定するための流量センサ(21)が配置されている管路(13)を介して互いに接続されていることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項記載の装置。
【請求項6】
前記温度センサ(22)は前記流量制御弁(4)の流入部に配置されていることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項記載の装置。
【請求項7】
前記温度センサ(22)は前記流量制御弁(4)のスピンドル(42)に配置されていることを特徴とする、請求項6記載の装置。
【請求項8】
前記混合弁(3)は、該混合弁(3)を操作可能でありかつ前記開ループ・閉ループ制御装置に接続されている駆動装置(5)に接続されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項記載の装置。
【請求項9】
前記流量制御弁(4)は、該流量制御弁(4)を操作可能でありかつ前記開ループ・閉ループ制御装置に接続されている駆動装置(6)に接続されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項記載の装置。
【請求項10】
少なくとも1つの駆動装置(5,6)は電気モータを有しており、該電気モータは、歯列(52,62)を介して前記混合弁(3)若しくは前記流量制御弁(4)のスピンドル(32,42)に接続されている軸(51,61)を駆動することを特徴とする、請求項8又は9記載の装置。
【請求項11】
前記混合弁(3)及び前記流量制御弁(4)はヘッド部分(31,41)を有しており、該ヘッド部分(31,41)は該ヘッド部分(31,41)において半径方向に案内されているスピンドル(32,42)によって中央を貫通されており、前記ヘッド部分(31,41)の側方に少なくとも1つの窓(311)が設けられており、前記スピンドル(32,42)とは反対側の前記ヘッド部分(31,41)の面は、2つの貫通開口(351,451)を備えた挿入ディスク(34,44)を収容し、前記流量制御弁(4)における水の質量流の貫流方向は、前記混合弁(3)における貫流方向とは反対であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図4a)】
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【図4b)】
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【図5a)】
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【図5b)】
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【図6】
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【図7a)】
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【図7b)】
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【図7c)】
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【図8a)】
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【図8b)】
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【図8c)】
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【図8d)】
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【図9】
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【図10a)】
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【図10b)】
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【図10c)】
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【図10d)】
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【公表番号】特表2012−515309(P2012−515309A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545624(P2011−545624)
【出願日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【国際出願番号】PCT/DE2009/001826
【国際公開番号】WO2010/081457
【国際公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(511174513)フリュース ドレーテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (2)
【氏名又は名称原語表記】Fluehs Drehtechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Loesenbacher Landstr. 2, D−58515 Luedenscheid, Germany
【Fターム(参考)】