説明

汚染物質制御デバイス用の多層装着マット

耐高温性の無機繊維と、任意選択で有機バインダと、任意選択で膨張性材料とを含む、排気ガス処理デバイス用の多層装着マット。複数の装着マットプライは、装着マットのx−y平面に配向された無機繊維の大部分を含有する。排気ガス処理デバイスハウジングと、ハウジング内に弾性的に装着された脆弱な触媒支持構造と、ハウジングと脆弱な触媒支持構造との間の隙間に設けられた多層装着マットとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自動車排気系で使用される触媒コンバータおよびディーゼル微粒子トラップのような排気ガス処理デバイスで使用するためのマットが提供される。このマットは、排気ガス処理デバイスの外側ハウジング内に脆弱構造を装着するための装着マットとして、あるいは排気ガス処理デバイスのエンドコーンにおける断熱材として使用することができる。また、触媒コンバータまたはディーゼル微粒子トラップのような排気ガスの処理のためのデバイスも提供される。このデバイスは、装着マットによって、ハウジング内に装着された脆弱構造を含むことができ、装着マットは、ハウジングと脆弱構造との間の隙間に設けられているか、あるいはエンドコーンセクションにおける断熱材として、そのマットを含んでもよい。
【背景技術】
【0002】
排気ガス処理デバイスは、エンジンからの排出物による大気汚染を低減するために、自動車で使用される。広く使用される排気ガス処理デバイスの例として、触媒コンバータ、ディーゼル微粒子トラップ、および他の汚染物質制御デバイスが挙げられる。
【発明の概要】
【0003】
自動車エンジンの排気ガスを処理するための触媒コンバータは、ハウジングと、一酸化炭素および炭化水素の酸化ならびに窒素酸化物の還元をもたらすために使用される触媒を支持するための脆弱な触媒支持構造と、ハウジング内に脆弱な触媒支持構造を弾性的に支持するために、脆弱な触媒支持構造の外側表面とハウジングの内側表面との間に設けられた装着マットとを含む。
【0004】
別のタイプの排気ガス処理デバイスは、選択的な触媒還元ユニットであり、選択的な触媒還元ユニットの活性部分は、化学還元および排気流中の望ましくない生成物の除去を促進するために、触媒でコーティングされた脆弱な基質を含む。
【0005】
別のタイプの排気ガス処理デバイスは、NOxトラップであり、NOxトラップの活性部分は、アルカリ物質またアルカリ土類物質を含む脆弱な触媒担体を含む。トラップは、「吸着」プロセスと「再生」プロセスとが循環する循環様式で動作する。吸着中には、基質は、NOx種を吸入し、ニトレート種として、触媒基質の表面上にNOx種を捕捉する。再生中には、NOxトラップに還元物質が導入され、基質からニトレート種を取り除き、還元して窒素にする。
【0006】
ディーゼルエンジンによって生成された汚染物質を制御するためのディーゼル微粒子トラップは、一般に、ハウジングと、ディーゼルエンジンの排出物から微粒子を収集するための脆弱な微粒子フィルタまたはトラップと、ハウジング内に脆弱なフィルタまたはトラップ構造を弾性的に保持するために、フィルタまたはトラップの外側表面とハウジングの内側表面との間に設けられる装着マットとを含む。
【0007】
脆弱構造は、一般に、アルミニウム酸化物、二酸化ケイ素、マグネシウム酸化物、ジルコニア、コージライト、炭化ケイ素などのような金属の、または脆いセラミック材料の脆弱な材料から製造されるモノリス構造を含む。これらの材料は、複数のガスフローチャネルをもつ骨組みタイプの構造を提供する。これらのモノリス構造は、非常に脆弱なので、しばしば、小さな衝撃荷重または応力であっても、それらを破損または破砕するのに十分であることがある。上記の熱性の機械的衝撃および他の応力から脆弱構造を保護するために、あるいは断熱性または気密性を提供するために、脆弱構造とハウジングとの間の隙間内に、装着マットが配置される。
【0008】
採用される装着マット材料は、脆弱構造の製造業者または排気ガス処理デバイスの製造業者によって規定される多くの設計および物理的要件のうちのいずれも満たすことができなければならない。たとえば、装着マット材料は、排気ガス処理デバイスが、幅広い温度変動を経験し、それにより、脆弱構造に関して金属ハウジングの大幅な拡張または収縮が生じ、次いで、一定の時間にわたって、装着マットの大幅な圧縮および解放サイクルが生じるときであっても、脆弱構造上で効果的な残留保持圧力を励起することができなければならならない。
【0009】
排気ガス処理デバイスで使用されるセラミック基質および金属基質は、無機繊維ベースの装着マットをもつ金属ハウジング内に装着することが最も多い。この装着マット材料は、無機繊維のみを含有することができる。しかしながら、装着マット材料は、他のタイプの繊維,有機バインダ、無機フィルタ、および/または膨張性材料を含有してもよい。
【0010】
装着マットは、基質を定位置に効果的に保持するために、広範囲の動作温度にわたって機能しなければならない。基質は、振動に起因して、基質に作用する軸方向力にさらされる。また、装着マットは、金属ハウジングが、基質自体よりも大きく、またはそれよりも小さく拡張するという事実を補償する。様々な排気ガス処理デバイスは、約20℃〜約1200℃の温度範囲の周囲温度にわたって動作する。したがって、装着マットは、広い温度範囲にわたって、ロバストな保持圧力性能を提供しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】サブジェクト装着マットを含む例示的な排気ガス処理デバイスの部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
排気ガス処理デバイス用途で使用するための多層装着マットが提供される。装着マットは、耐熱性無機繊維と、任意選択で、犠牲として焼失するように適合されるのが一般的な有機質バインダとを含む複数のプライを含み、装着マットプライのうちの少なくとも1つまたは複数は、装着マットのx−y平面に配向された無機繊維の大半または大部分を含む。ある特定の実施形態によれば、少なくとも1つの装着マットプライは、任意選択で膨張性材料を含んでもよい。
【0013】
また、排気ガスを処理するためのデバイスも提供される。このデバイスは、外側金属ハウジングと、装着マットによってハウジング内に装着される少なくとも1つの脆弱構造とを含み、この装着マットは、ハウジングの内側表面と脆弱構造の外側表面との間に設けられる。用語「脆弱構造」は、金属またはセラミックのモノリスなどの構造、あるいは脆弱または本質的に脆弱であってもよく、本明細書に記載されるような装着マットによる恩恵を受けることになるような構造物を意味し、そのような構造を含むものである。
【0014】
触媒コンバータ触媒構造は、一般に、ハウジング内に耐熱性材料によって装着された、1つまたは複数の多孔質の管状構造またはハニカム様構造を含む。各構造は、排気ガス処理デバイスのタイプに応じて、約6.5平方センチメートル(1平方インチ)あたり約200個〜約900個またはそれよりも多くのチャネルまたはセルを含むことができる。ディーゼル微粒子トラップは、特定のトラップ内のチャネルまたはセルがそれぞれ、一端で閉じている点で、触媒コンバータ構造とは異なる。高温焼失プロセスによって再生されるまで、多孔質構造中の排気ガスから、微粒子が収集される。装着マットの自動車以外の適用例として、化学産業の排出(排気)スタック用の触媒コンバータを含むことができる。
【0015】
図1では、排気ガスを処理するためのデバイスの1つの例示的な形態を、参照符号10で示す。装着マットは、図1に示されたデバイスで使用するように限定されるものではなく、したがって、その形状は、例示的な実施形態として示されているにすぎないことを理解されたい。実際には、装着マットを使用して、ディーゼル触媒構造、ディーゼル微粒子トラップなどのような、排気ガスを処理するのに好適な任意の脆弱構造を装着または支持することができる。
【0016】
ある特定の例示的な実施形態によれば、触媒コンバータ10は、フランジ16によって一緒に保持された2片の金属、たとえば、耐高温性スチールで形成されたハウジング12を含むことができる。代替的には、ハウジングは、あらかじめ形成されたキャニスタを含むことができ、そのキャニスタに、装着マットを巻き付けた脆弱構造が挿入される。ハウジング12は、一端に入口14を、また、対向する端部に出口(図示せず)を含む。入口14および出口は、外側端部に好適に形成され、それにより、入口14および出口を、内燃機関の排気系中の導管に固定することができる。デバイス10は、装着マット20によって、ハウジング12内に支持および拘束される、脆弱なセラミックのモノリス18のような脆弱構造を含んでいる。モノリス18は、一端にある入口から対向する端部にある出口まで軸方向に延びる複数の気体通過通路を含む。モノリス18は、任意の知られる様式および構造で、任意の好適な耐火性金属またはセラミック材料から構築することができる。モノリスは、典型的には、断面構造が楕円または円形であるが、他の形状が可能である。
【0017】
モノリスは、一定の距離または一定の隙間だけ、ハウジングの内側表面から離隔しており、その距離または隙間は、利用されるデバイス、たとえば、触媒コンバータ、ディーゼル触媒構造、またはディーゼル微粒子トラップのタイプおよび設計にしたがって変えることができる。この隙間を装着マット20で埋めて、セラミックのモノリス18に弾性的な支持が提供される。弾性的な装着マット20は、外部環境に対する断熱と、脆弱構造に対する機械的支持の両方を提供し、それにより、広範囲の排気ガス処理デバイスの動作温度にわたって、機械的衝撃から脆弱構造が保護される。
【0018】
一般に、装着マットは、耐熱性無機繊維を含む複数のプライを含み、任意選択で、犠牲として焼失するように適合された有機質バインダを含むことができ、少なくとも1つのプライ、または複数の装着マットプライは、装着マットのx−y平面に配向された無機繊維の大半を含む。装着マット20は、広い温度範囲にわたって、排気ガス処理デバイス10のハウジング12内に脆弱な触媒支持構造を弾性的に保持するのに十分な保持圧力を提供することができる。
【0019】
典型的には、ウェットレイドされた膨張性マットまたは非膨張性マットは、ロトフォーマーのような製紙デバイス上で、単一の層として製造される。マットが、別々に製造された複数のプライまたは層で作製される場合、装着マットの性能および保持力が大幅に改善されることが分かった。たとえば、単層の基礎質量が1000g/m2の装着マットの性能は、それぞれの基礎質量が100g/m2の層を10枚の製造し、それらを組み合わせて、基礎質量が1000g/m2(gsm)の多プライ装着マットを作成することによって改善することができる。
【0020】
ウェットレイドされたマットの基礎質量および厚み分布は、典型的には、ドライレイドされたマットよりも均一である。ウェットレイドシステムでは、希釈レベルが高く、化学物質が分散していることを利用して、均一なシートを製造することができる。しかしながら、装着マットが、所与の基礎質量の単一の厚い層として製造されるときには、繊維の大部分は、シートの所望のx−y平面以外の方向に配向され、あるいは置かれる。この現象により、装着マットの耐荷重能力が低減される結果となる。複数の薄層シートを製造し、それらを組み合わせてターゲットとなる基礎質量および厚みを達成することによって、繊維の大部分を強制的にx−y平面中に置き、装着マット製品の性能全体を高めることができる。
【0021】
繊維が装着マットの内側で置かれる配向は、マットの性能に影響を及ぼす。性能または保持圧力を最大にするためには、すべての繊維が、装着マットのx−y平面に配向されることが理想的である。すべてのまたはほとんどの繊維をx−y平面中に配置することによって、マットは、理論的には、ちょうど1繊維厚さでなければならず、それにより、確実に、マット構造(の厚み)を貫通して垂直に交差する繊維が全くないようになる。装着マットがより厚く、より重くなると、より多くの繊維が、x−y平面以外の方向に配向されるようになる。x−y平面以外の配向のこれらの繊維は、理論的には、いかなる荷重にも耐えられず、したがって、保持圧力には寄与しない。典型的な非膨張性装着マットは、約1200gsm以上である。その質量でのマットの厚みは、8mm以上であり、多くの繊維が装着マットのx−y平面以外の方向に配向されている。
【0022】
ある厚みおよび/またはあるの重さの装着マットのx−y平面に配向された繊維の大半を達成するためのプロセスは、個別の薄いプライまたは層を製造することと、複数の層を組み合わせて、所望の基礎質量および/または厚みの装着マットを製造することとを含む。このようにすると、繊維の大部分は、x−y平面または方向に配向されることになり、垂直に配向された質量にまったく耐えられない繊維のパーセンテージを減らすことによって、耐荷重面積がより大きくなる。得られた装着マットは、同じ基礎質量および/または厚みの単層装着マットよりも引張応力が高くなり、性能がはるかに高くなる。
【0023】
ある実施形態では、個別の膨張性または非膨張性の繊維プライまたは層は、それぞれ、厚みが約3mm、基礎質量が1メートル平方あたり約30〜約50グラム(gsm)となり得る。個別のプライが重ねられ、または積層され、約10以上の層のスタックを、限定ではなく例として(後述の)ニードリングすることによって処理した後、得られた多層マットは、厚みが約10mmとなり、基礎質量が1500gsmとなり得る。
【0024】
対象の装着マットで利用される耐高温性の無機繊維は、装着マット形成プロセスに耐え、排気ガス処理デバイスの動作温度に耐え、その動作温度における、排気ガス処理デバイスのハウジング内に脆弱構造を保持するための保持圧力性能を最小限にすることができる。限定することなく、装着マットおよび排気ガス処理デバイスを準備するために使用することができる好適な無機繊維には、高アルミナ多結晶繊維、ムライト繊維、アルミノシリケート繊維またはカオリン繊維のような耐火性セラミック繊維、アルミナジルコニアシリカ繊維、Sガラス繊維またはS2ガラス繊維のようなアルミナマグネシアシリカ繊維、せん断浸出ガラス高シリカ繊維、限定的ではなく、カルシアマグネシアシリカ繊維およびマグネシアシリカ繊維のような生体溶解性のアルカリ土類シリケート繊維を含む生体溶解性無機繊維、あるいはそれらの組合せが含まれる。
【0025】
ある特定の実施形態によれば、装着マットを準備するために使用される耐高温性の無機繊維は、アルミナを含むセラミック繊維が含まれる。限定することなく、好適なセラミック繊維には、アルミナ繊維、ムライト繊維、アルミノシリケート繊維、アルミナジルコニアシリカ繊維、および同様の繊維が含まれる。高アルミナ多結晶繊維は、約72〜約100質量パーセントのアルミナと約0〜約28質量パーセントのシリカとからなる繊維化生成物を含むことができる。好適なアルミノシリケートセラミック繊維は、Unifrax I LLC(米国ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)からFIBERFRAXという登録商標で市販されている。FIBERFRAX(登録商標)セラミック繊維は、約45〜約75質量パーセントのアルミナと、約25〜約55質量パーセントのシリカとを含む溶融物の繊維化生成物を含む。FIBERFRAX(登録商標)繊維は、最高約1540℃の動作温度および最高約1870℃の融点を示す。FIBERFRAX(登録商標)繊維で、耐高温性のシートおよび紙を容易に形成することができる。
【0026】
ある実施形態では、アルミノシリケート繊維のような耐火性セラミック繊維(RCF)は、約40質量パーセント〜約60質量パーセントのAl23と、約60質量パーセント〜約40質量パーセントのSiO2とを含むことができ、いくつかの実施形態では、約47〜約53質量パーセントのアルミナと、約47〜53質量パーセントのシリカとを含むことができる。RCF繊維は、成分材料の溶融物から吹き付ける、または紡ぐことができる繊維化生成物である。
【0027】
アルミナジルコニアシリカ繊維は、アルミナとシリカとジルコニアとからなる繊維化生成物を含み、ある特定の実施形態では、約29〜約31質量パーセントのアルミナ、約53〜約55質量パーセントのシリカ、および約15〜約17質量パーセントのジルコニアの量で含む。
【0028】
アルミナ/シリカ/マグネシアガラス繊維は、典型的には、約64質量パーセント〜約66質量パーセントのSiO2と、約24質量パーセント〜約25質量パーセントのAl23と、約9質量パーセント〜約11質量パーセントのMgOとを含む。
【0029】
ある実施形態では、装着マットは、高シリカ含有量を有する、溶融形成されたアモルファスで耐高温性の浸出ガラス繊維を含む。用語「高シリカ含有量」とは、繊維に含有されたシリカが、繊維中の任意の他の組成成分よりも多いことを意味する。実際には、浸出後のこれらの繊維のシリカ含有量は、典型的には、結晶質の石英由来の繊維または純粋なシリカ繊維を除けば、Sガラス繊維を含む、シリカを含有する任意の他のガラス繊維よりも多い。一実施形態では、装着マットには、膨張性材料、ゾルゲル由来のガラスシリカ繊維、および/または裏打ち層もしくは強化層がないことが理解されよう。
【0030】
一般には、浸出ガラス繊維のシリカ含有量は、少なくとも67質量パーセントである。ある実施形態では、浸出ガラス繊維は、少なくとも90質量パーセントのシリカを含有し、これらのうちのいくつかでは、約90質量パーセント〜99質量パーセント未満のシリカを含有する。これらの浸出ガラス繊維の平均繊維径は、少なくとも約3.5ミクロン以下であることがあり、少なくとも約5ミクロン以下であることが多い。平均的には、ガラス繊維の直径は、典型的には、約9ミクロンであり、最大で約14ミクロンである。
【0031】
シリカ含有量が高く、触媒コンバータまたは他の知られる排気ガス処理デバイス用の装着マットを製造する際に使用するのに好適な浸出ガラス繊維の例として、ドイツのBelChem Fiber Materials GmbHからBELCOTEXという商標で入手可能な浸出ガラス繊維、米国カリフォルニア州ガーディーナのHitco Carbon Composites,Inc.からREFRASILという登録商標で入手可能な浸出ガラス繊維、およびベラルーシ共和国のPolotsk−SteklovoloknoからPS−23(R)という品名で入手可能な浸出ガラス繊維が挙げられる。
【0032】
BELCOTEX繊維は、標準的なタイプのステープル繊維のプリヤーンである。これらの繊維の平均繊度は、約550テックスであり、一般には、アルミナによって改質されたケイ酸から作製される。BELCOTEX繊維はアモルファスであり、一般には、約94.5パーセントのシリカと、約4.5パーセントのアルミナと、0.5パーセント未満の酸化ナトリウムと、0.5パーセント未満の他の構成成分とを含有する。これらの繊維の平均繊維径は約9ミクロンであり、融点は1500℃〜1550℃の範囲である。これらの繊維は、最高1100℃の温度に対して耐熱性であり、典型的には、ショットフリーかつバインダフリーである。
【0033】
REFRASIL繊維は、BELCOTEX繊維と同様に、1000℃〜1100℃の温度範囲の適用に関する断熱材を提供するための、シリカ含有量が高いアモルファスな浸出ガラス繊維である。これらの繊維の直径は、約6〜約13ミクロンであり、融点は約1700℃である。浸出後、繊維のシリカ含有量は、典型的には、約95質量パーセントとなる。アルミナは、約4質量パーセントの量で、他の成分は、1パーセント以下の量で存在し得る。
【0034】
Polotsk−SteklovoloknoのPS−23(R)繊維は、シリカ含有量が高く、少なくとも約1000℃に対する耐性を必要とする適用例に関する断熱材に好適なアモルファスなガラス繊維である。これらの繊維の繊維長は、約5〜約20mmの範囲であり、繊維径は約9ミクロンである。これらの繊維の融点は、REFRASIL繊維と同様に、約1700℃である。
【0035】
使用することができる好適な耐高温性の生体溶解性無機繊維には、限定することなく、カルシアマグネシアシリケート繊維またはマグネシアシリケート繊維のようなアルカリ土類シリケート繊維、カルシアアルミネート繊維、ポタジアカルシアアルミネート繊維、ポタジアアルミナシリケート繊維、あるいはソディアアルミナシリケート繊維が含まれる。
【0036】
用語「生体溶解性」無機繊維とは、溶解可能である、あるいは他の場合には生理学的媒体中で、または模擬肺体液、生理食塩水、緩衝生理食塩水などのような模擬生理学的媒体中で分解可能である無機繊維を指す。繊維の溶解度は、模擬生理学的媒体における繊維の溶解度を経時的に測定することによって評価することができる。また、生体溶解度は、試験動物に繊維を直接移植した効果を観察することによって、あるいは、繊維に曝露された動物またはヒト、すなわち、生体残留性を検査することによって推定することができる。
【0037】
生理学的媒体における繊維の生体溶解度(すなわち、非耐久性)を測定するための方法は、Unifrax I LLCに譲渡された米国特許第5,874,375号に開示されており、その内容は本明細書に参照として組み込まれる。他の方法は、無機繊維の生体溶解度を評価するのに好適である。ある実施形態によれば、生体溶解性繊維は、37℃の模擬肺液のフロー(0.3ml/分)に0.1gサンプルとして曝露されたときに、少なくとも30ng/cm2/時の溶解度を示す。他の実施形態によれば、生体溶解性無機繊維は、37度の模擬肺液のフロー(3ml/分)に0.1gのサンプルとして曝露されたときに、少なくとも50ng/cm2/時の溶解度、または少なくとも100ng/cm2/時、または少なくとも1000ng/cm2/時の溶解度を示すことがある。
【0038】
繊維の生体溶解度を推定するための別の手法は、繊維の構成成分に基づく。たとえば、ドイツでは、成分指標(KI値)に基づいて、吸入性の無機酸化物繊維を分類している。KI値は、アルカリとアルカリ土類酸化物との質量パーセントの和及び、無機酸化物繊維中の酸化アルミニウムの質量パーセントの2倍の差引きによって計算される。生体溶解性である無機繊維のKI値は、典型的には、約40以上である。
【0039】
限定することなく、排気ガス処理デバイス用の装着マットを準備するために使用することができる生体溶解性アルカリ土類シリケート繊維の好適な例として、米国特許第6,953,757号、米国特許第6,030,910号、米国特許第6,025,288号、米国特許第5,874,375号、米国特許第5,585,312号、米国特許第5,332,699号、米国特許第5,714,421号、米国特許第7,259,118号、米国特許第7,153,796号、米国特許第6,861,381号、米国特許第5,955,389号、米国特許第5,928,075号、米国特許第5,821,183号、および米国特許第5,811,360号に開示される繊維が挙げられ、当該特許は、参照として本明細書に組み込まれる。
【0040】
ある実施形態によれば、生体溶解性アルカリ土類シリケート繊維は、マグネシウム酸化物およびシリカ酸化物の混合物からなる繊維化生成物を含むことができる。これらの繊維は、一般に、マグネシウムシリケート繊維と呼ばれる。マグネシウムシリケート繊維は、一般に、約60〜約90質量パーセントのシリカと、0〜約35質量パーセント(0質量パーセントは含まず)のマグネシアと、5質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。ある実施形態によれば、アルカリ土類シリケート繊維は、約65〜約86質量パーセントのシリカと、約14〜約35質量パーセントのマグネシアと、5質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。他の実施形態によれば、アルカリ土類シリケート繊維は、約70〜約86質量パーセントのシリカと、約14〜約30質量パーセントのマグネシアと、5質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。好適なマグネシウムシリケート繊維は、Unifrax I LLC(米国ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)からISOFRAXという登録商標で市販されている。市販されているISOFRAX(登録商標)繊維は、一般に、約70〜約80質量パーセントのシリカと、約18〜約27質量パーセントのマグネシアと、4質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。
【0041】
ある実施形態によれば、生体溶解性アルカリ土類シリケート繊維は、カルシウム酸化物と、マグネシウム酸化物と、シリカ酸化物との混合物からなる繊維化生成物を含むことができる。これらの繊維は、一般に、カルシアマグネシアシリカ繊維と呼ばれる。ある実施形態によれば、カルシアマグネシアシリケート繊維は、約45〜約90質量パーセントのシリカと、0〜約45質量パーセント(0質量パーセントは含まず)のカルシアと、0〜約35質量パーセント(0質量パーセントは含まず)のマグネシアと、10質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。ある実施形態では、生体溶解性カルシアマグネシアシリカ繊維は、約15%〜約35%のCaOと、約2.5%〜約20%のMgOと、約60%〜約70%のSiO2を含む。
【0042】
有用なカルシアマグネシアシリケート繊維は、Unifrax I LLC(米国ニューヨーク州ナイアガラフォールズ)からINSULFRAXという登録商標で市販されている。INSULFRAX(登録商標)繊維は、一般に、約61〜約67質量パーセントのシリカと、約27〜約33質量パーセントのカルシアと、約2〜約7質量パーセントのマグネシアとからなる繊維化生成物を含む。他の好適なカルシアマグネシアシリケート繊維は、Thermal Ceramics(米国ジョージア州オーガスタ)からSUPERWOOL 607、SUPERWOOL 607 MAXおよびSUPERWOOL HTという商品名で市販されている。SUPERWOOL(登録商標)607繊維は、約60〜約70質量パーセントのシリカと、約25〜約35質量パーセントのカルシアと、約4〜約7質量パーセントのマグネシアと、痕跡量のアルミナとを含む。SUPERWOOL(登録商標)607 MAX繊維は、約60〜約70質量パーセントのシリカと、約16〜約22質量パーセントのカルシアと、約12〜約19質量パーセントのマグネシアと、痕跡量のアルミナとを含む。SUPERWOOL(登録商標)HT繊維は、約74質量パーセントのシリカと、約24質量パーセントのカルシアと、痕跡量のマグネシア、アルミナおよび酸化鉄とを含む。
【0043】
ある実施形態によれば、生体溶解性アルカリ土類シリケート繊維は、カルシウム酸化物とアルミニウム酸化物との混合物からなる繊維化生成物を含むことができる。ある実施形態によれば、少なくとも90質量パーセントのカルシアアルミネート繊維は、約50〜約80質量パーセントのカルシアと、約20質量パーセント〜50質量パーセント以下のアルミナと、10質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。他の実施形態によれば、少なくとも90質量パーセントのカルシアアルミネート繊維は、約50〜約80質量パーセントのアルミナと、約20から50質量パーセント(20質量パーセントは含まず)のカルシアと、10質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。
【0044】
ある実施形態によれば、生体溶解性アルカリ土類シリケート繊維は、カリウム酸化物とカルシウム酸化物とアルミニウム酸化物との混合物からなる繊維化生成物を含むことができる。ある実施形態によれば、ポタジアカルシアアルミネート繊維は、約10〜約50質量パーセントのカルシアと、約50〜約90質量パーセントのアルミナと、0〜約10質量パーセント(0質量パーセントは含まず)のポタジアと、10質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含む。
【0045】
生体溶解性繊維は、典型的には、溶解形成することができるアモルファスな無機繊維またはガラス繊維であり、化学的純度が高い(約98%超の)繊維であり、平均直径が、約1μm〜約10μmの範囲であり、ある実施形態では、約2μm〜約4μmの範囲であり得る。特に必要とされるものではないが、繊維は、当分野でよく知られるように加工することができる。
【0046】
任意選択で、装着マットに組み込むことができる膨張性材料として、限定することなく、拡張していないバーミキュライト、イオン交換されたバーミキュライト、加熱処理されたバーミキュライト、拡張可能なグラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤四ケイ酸フッ素雲母、アルカリ金属シリケート、またはそれらの混合物を含むことができる。膨張性材料は、装着マット中に、最終的なマットの約10質量%〜約60質量%の量で存在し得る。装着マットは、2つ以上のタイプの膨張性材料の混合物を含むことができる。膨張性材料は、米国特許第5,384,188号に記載されるように、約9:1〜約1:2のバーミキュライト:グラファイトの相対量で、拡張していないバーミキュライトと拡張可能なグラファイトとの混合物を含むことができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、装着マットは、耐高温性の無機繊維の実質的に非拡張性の多層シートと、任意選択で、バインダとを含むことができる。「実質的に非拡張」とは、膨張性シートまたは紙の場合に予測されるように、熱を加えたときに、シートが容易には拡張しないことを意味する。もちろん、シートは、拡張熱係数に基づいて、いくらか拡張する。しかしながら、膨張特性に基づいて生じる拡張と比較すると、拡張量は、わずかである。このタイプの装着マットには、実質的に、膨張性材料がなくてもよいことが理解されよう。
【0048】
装着マットは、1つまたは複数の有機バインダを含む。バインダ粉末のような固体、液体、溶液、分散物、ラテックス、乳化物、または同様の形態として、有機バインダを提供することができる。有機バインダは、硬化後に、設置された装着マットから焼失させることができる可撓性材料である熱可塑性または熱硬化性バインダを含むことができる。好適な有機バインダの例として、限定するものではないが、アクリルラテックス、(メタ)アクリルラテックス、スチレンとブタジエンとのコポリマー、ビニルピリジン、アクリルニトリル、アクリルニトリルとスチレンとのコポリマー、ビニルクロライド、ポリウレタン、ビニルアセテートとエチレンとのコポリマー、ポリアミドなどが挙げられる。他の樹脂は、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、およびポリビニルエステルのような、低温で可撓性の熱硬化性樹脂を含む。
【0049】
有機バインダは、装着マットの総質量に基づいて、装着マット中に、0〜約20質量パーセント(0質量パーセントは含まず)の量で、ある実施形態では、約0.5〜約15質量パーセントの量で、他の実施形態では、約1〜約10質量パーセントの量で、いくつかの実施形態では、約2〜約8質量パーセントの量で含まれ得る。
【0050】
装着マットは、樹脂バインダまたは液体バインダの代わりに、またはそれに加えて、高分子バインダ繊維を含むことができる。これらの高分子バインダ繊維は、耐熱性無機繊維を1つに結合させる際に役立つように、装着マットの総質量に基づいて、0〜約20質量パーセント(0質量パーセントは含まず)の、ある実施形態では、約1〜約15質量パーセントの、他の実施形態では、約2〜約10質量パーセントの範囲の量で使用することができる。バインダ繊維の好適な例として、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、エチルビニルアセテート繊維、ナイロン繊維、およびそれらの組合せが挙げられる。
【0051】
典型的には、有機バインダは、繊維を1つに結合するために最初に採用される犠牲バインダである。「犠牲」とは、装着マットの温度が動作温度へと上昇するにつれて、有機バインダが、装着マットから最終的に焼失することを意味し、金属ハウジング内に脆弱構造を支持するための装着マットの成分として、無機繊維と、任意選択で膨張性材料とが残る。
【0052】
バインダのための溶媒は、水、またはアセトンのような好適な有機溶媒を含むことができる。(使用される場合)溶媒におけるバインダの溶液強度は、所望のバインダ荷重およびバインダシステムの加工性(粘性、固体含量など)に基づいて、従来の方法によって求めることができる。
【0053】
ある実施形態では、多層装着マットは、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロイド状ジルコニア、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。装着マットの総質量に基づいて、約0.1質量パーセント〜約10質量パーセントの量で、コロイド状無機酸化物を装着マットに加えることができる。
【0054】
シート様の材料を形成するための当分野で知られる任意の方法で、装着マット材料を製造することができる。たとえば、ハンドレイドまたはマシンレイドのいずれかの従来の製紙プロセスを使用して、シート材料を準備することができる。シート材料を作製するために、ハンドシートモールド、長網抄紙機、またはロトフォーマー抄紙機を使用することができる。
【0055】
たとえば、製紙プロセスを使用して、無機繊維と、有機バインダと、任意選択で膨張性材料とを一緒に混合して、混合物またはスラリーを形成することができる。繊維成分は、約0.25%〜約5%の粘稠度または固体含量(99.75〜95部の水に対して0.25〜5部の固体)で混合することができる。構成成分のスラリーは、生成を促進するために、水で希釈することができ、凝集剤および排液保持助剤と、任意選択で、他の添加物とをスラリーに加えることによって凝集させることができる。凝集された混合物またはスラリーを、製紙機械上に置き、それらで繊維を含有する紙のプライまたはシートを形成する。次いで、複数の湿潤したプライまたはシートのスタックを、空気乾燥またはオーブン乾燥などによって乾燥させる。採用される標準的な製紙技法のより詳細な説明については、米国特許第3,458,329号を参照されたい。この特許の開示は、その開示が本明細書に参照として組み込まれる。
【0056】
代替的には、スラリーを真空キャスティングすることによって、プライまたはシートを形成することができる。この方法によれば、構成成分のスラリーは、先に置かれたウェブ上にウェットレイドされる。スラリーから水分の大部分を引き出すために、ウェブを真空にし、それにより、湿潤したプライまたはシートが形成される。次いで、複数の湿潤したプライまたはシートのスタックを、典型的にはオーブン中で乾燥させる。プライまたはシートのスタックは、乾燥前または乾燥後に、ローラのセットを通過させて、スタックを圧縮することができる。
【0057】
主題の装着マットを作製するためのプロセスの一実施形態では、耐高温性繊維と、任意選択で有機バインダと、任意選択で膨張性材料とを含むプライまたは層は、ロトフォーマー上にウェットレイドされ、依然として湿潤している紙またはシートの複数のプライまたは層は、積層され、乾燥オーブンを通って供給される前に、「ニードル処理器」を通して処理される。このプロセスは、シートを乾燥させる前に、水性製紙溶液またはスラリーで依然として湿潤させておきながら、繊維の一部分を撚合および交絡させるように、繊維をニードルパンチングすることを含んでもよい。したがって、得られた装着マットは、同様の厚みまたは密度をもつ従来技術の装着マットと比較して、強度が増している。
【0058】
(通常は、繊維化ステップの直後に行われる)典型的な繊維ニードリング動作では、繊維の破損を防ぎ、繊維の移動および交絡をしやすくするために、潤滑液(通常は、油、または他の潤滑性の有機物質)が使用される。このプロセスの一実施形態では、湿潤形成する製紙プロセスからの水を使用して、ニードリングのプロセスを補助することができる。代替的には、ニードリングプロセスの前に、ウェットレイドされたシートを乾燥させてもよい。
【0059】
ニードリングとは、繊維の一部分を、紙またはシート内の配向から移動させ、紙またはシートの向かい合った表面間の距離をいくらか延長させる任意の動作を意味する。ニードリング装置は、典型的には、繊維のウェブが置かれる、または移動する水平表面と、下向きに延びたニードルのアレイを担持するニードルボードと含む。ニードルボードは、ニードルを往復運動させてウェブに出し入れし、ウェブの繊維のうち一部を、ウェブの表面と実質的に交差する平面に再配向する。ニードルは、ウェブを通して、繊維を1方向から押すことができ、あるいは、たとえば、ニードル上の羽根を使用することによって、ウェブの頂部から繊維を押すことも、ウェブの底部から繊維を引くこともできる。典型的には、羽根付きニードルにより、繊維紙またはシートを完全に、または部分的に貫通させることによって、繊維のわずかな部分が物理的に交絡する。
【0060】
それに加えて、またはそれに代えて、繊維を撚合または交絡させるために、水交絡する方法を使用してもよい。水交絡プロセスでは、ワイヤスクリーンまたは有孔ドラムのような有孔表面上に繊維を支持した状態で、少量で高強度の水のジェットを、緩んだ繊維の層またはシートに衝突させる。液体ジェットにより、比較的短く、端部が緩んでいる繊維を再配置させ、繊維の少なくともいくつかの部分を互いに、物理的に交絡させ、巻き付け、および/または撚合させる。
【0061】
依然として湿潤している紙または真空キャストマットのニードリングまたは水交絡の後、マットは、任意選択で、プレス加工することができ、オーブン中で、たとえば、限定ではなく約80℃〜約700℃で乾燥させる。
【0062】
ウェットニードリングステップにより、脆い繊維であっても、大幅に破損させることなく織ることができるようになる。ウェットニードリングは、さらに、有機バインダが完全に焼失した後でも、車両の初期動作中などに高強度を実現し、その結果、マットは、自動車排気系が経験する振動状態下であっても耐久性が維持されることになる。
【0063】
装着マットプライは、ある適用例で容易に使用するためには、密度が低すぎることがあることを留意されたい。したがって、装着マットプライは、薄いプライを積層することと、より高密度を実現するために、当分野で知られる任意の様式で処理することとを含むさらなる高密度化を受けることができる。上述のような高密度化の1つのそのような様式は、繊維をニードルパンチして、繊維の一部分を撚合および交絡させることである。それに加えて、またはそれに代えて、本明細書で詳細に上述したように、水交絡する方法を使用してもよい。別の代替方法は、プレスローラを通して繊維を圧延することによって、繊維をプレス加工してマット形態にすることである。マルチプライマットの高密度化のこれらの方法のいずれか、あるいはこれらの方法の組合せは、正確で所望される形態の装着マットを得るために容易に使用することができる。
【0064】
上述の技法のうちのどれを採用するにかかわらず、複合物をダイスタンプなどによって切断し、再現可能な公差の厳密な形状およびサイズの装着マットを形成することができる。装着マット20は、ニードリングなどによって高密度化すると、好適な取扱い特性を示し、これは、取扱いが容易で、多くの他の繊維ブランケットまたはマットのように、人の手で砕くことができるほど脆くはないことを意味する。装着マット20は、ひび割れすることなく、脆弱構造18または同様の脆弱構造のまわりに、容易かつ柔軟に嵌合させ、または巻き付け、次いで、触媒コンバータハウジング12内に配置することができる。一般には、装着マットが巻き付けられた脆弱構造をハウジング中に挿入することができ、あるいは、装着マットが巻き付けられた脆弱構造のまわりに、ハウジングを構築または製造することができる。
【0065】
以下の例は、装着マットおよび排気ガス処理デバイスをさらに示すことのみを目的として記載される。示された例は、装着マット、装着マットが組み込まれた排気ガス処理デバイス、あるいは装着マットまたは排気ガス処理デバイスを任意の様式で作製する方法を限定するものとして解釈するべきではない。
【0066】
比較例1
ハンドシートモールドを使用して、装着マットの1600gsm単層を製造した。主に、RCFと少量の有機バインダとからマットを作製した。ハンドシートを乾燥させ、次いで、9mmのターゲット厚さまでプレス加工した。ターゲット厚さにすることにより、マットの密度は、約180kg/m3になった。
【0067】
実施例2
ハンドシートモールドを使用して、それぞれが160gsmの10枚の装着マットを製造した。主に、RCFと少量の有機バインダ繊維とから各シートを作製した。10枚のハンドシートを乾燥させ、一緒にプレス加工して、比較例1のターゲット厚の1600gsm多層マットを形成した。ターゲット厚さにより、多層マットの密度は、約180kg/m3になった。
【0068】
実施例3
ロトフォーマーを使用して、725gsmシートを2枚製造した。主に、RCFと少量の追加の耐高温性の無機繊維とからシートを作製した。次いで、2枚のシートを組み合わせ、ニードルパンチングを使用して高密度化した。ニードルパンチング後、多層マットを焼成し、8.5mmのターゲット厚さまで機械的に圧延した。ターゲット厚さにすることにより、マットの密度は、172kg/m3になった。
【0069】
実施例4
ロトフォーマーを使用して、350gsmシートを4枚製造した。主に、RCFと少量の追加の耐高温性の無機繊維とからシートを作製した。次いで、4枚のシートを組み合わせ、ニードルパンチングを使用して高密度化した。ニードルパンチング後、多層マットを焼成し、実施例3のターゲット厚さまで機械的に圧延した。ターゲット厚さにより、多層マットの密度は、172kg/m3となった。
【0070】
実施例5
ロトフォーマーを使用して、175gsmシートを8枚製造した。主に、RCFと少量の追加の耐高温性の無機繊維とからシートを作製した。次いで、8枚のシートを組み合わせ、ニードルパンチングを使用して高密度化した。ニードルパンチング後、多層マットを焼成し、実施例3のターゲット厚さまで機械的に圧延した。ターゲット厚さにより、多層マットの密度は、172kg/m3になった。
【0071】
試験
1000サイクル試験を使用して、上記例に記載したように製造された様々なサンプルの性能を試験した。900℃の高温面温度および550℃の冷温面温度において実施される標準的な1000サイクル隙間拡張試験の1000機械的サイクルにわたって試験を行った。隙間拡張は、8%で維持され、試験マットの隙間のバルク密度は0.3g/cm3であった。
【0072】
用語「サイクル」とは、モノリス(すなわち、脆弱構造)とハウジングとの間の隙間が、特定の距離にわたって、所定の速さで開閉することを意味する。現実的な状況をシミュレートするために、ハウジングと所与の直径の脆弱構造との間の隙間の拡張は、たとえば、約900℃の温度における従来のハウジングの熱拡張係数を計算することによって求めることができる。次いで、試験の基準を満たし、1000サイクル後にターゲットとなる最小保持力を実現する最終マット基礎質量が選択される。当業者であれば、これらのパラメータを採用して、不必要な実験を行うことなく、この1000サイクル試験を行うことができることが理解されよう。すなわち、上記のセットパラメータにより、当業者は、マットの特徴または隙間のサイズにかかわらず、マットの効果的な保持圧力について同様の比較を行うことができるようになる。
【0073】
以下の表1に、1000サイクル後の各例の最小保持圧力を報告する。

表1
比較例1 (単層) 13.6kPa
実施例2 (10層) 17.8kPa
実施例3 (2層) 28kPa
実施例4 (4層) 36kPa
実施例5 (8層) 40kPa
【0074】
実施例2の多層マットは、マットのx−y平面に配向された繊維の割合が増大しており、比較例1の単層装着マット全体で、保持圧力が30%増大することが立証された。マットのx−y平面に配向された繊維の割合が増大したマットプライの数が増えると、対応する単一のプライマットのターゲット厚さを維持しながらも、実施例3〜5の多層マットの保持圧力が20〜30%増大することが立証された。
【0075】
これらのマットは、触媒コンバータおよびディーゼル微粒子トラップ産業に有利である。装着マットは、ダイカットすることができ、可撓性形態の、取扱いを容易にする薄いプロファイルの弾性支持体として動作可能であり、それにより、所望の場合に、ひび割れすることなく、触媒支持構造全体に巻き付けることができるようになる。代替的には、装着マットは、触媒支持構造の少なくとも一部分の外周または周囲全体のまわりに一体的に巻き付けてもよい。また、装着マットは、部分的に巻き付けられ、所望される場合には、ガスバイパスを防止するために、いくつかの従来のコンバータデバイスで現在使用されるようなエンドシールを含んでもよい。
【0076】
また、上述された装着マットは、とりわけ、自動二輪車および他の小型エンジン機械用の従来の自動車触媒コンバータおよび自動車プレコンバータだけでなく、高温スペーサ、ガスケット、さらに次世代の自動車基部の触媒コンバータシステムのような様々な適用例で有用である。一般には、上述された装着マットは、室温において保持圧力を励起するために、より重要な点では、熱循環を含めて、上昇した温度において保持圧力を保持する能力を提供するために、マットまたはガスケットを必要とする任意の適用例で使用することができる。
【0077】
上述された主題の装着マット材料は、排気ガス処理デバイスにおけるエンドコーン断熱材として使用することができる。ある実施形態によれば、排気ガス処理デバイス用のエンドコーンが提供される。本エンドコーンは、一般に、外側金属コーンと、内側金属コーンと、外側金属コーンと内側金属コーンとの間の隙間または空間内に設けられたエンドコーン断熱材とを備える。
【0078】
他の実施形態によれば、このエンドコーンは、外側金属コーンと、外側金属コーンの内側表面に隣接して配置されたコーン断熱材の少なくとも1つの層とを含むことができる。これらの実施形態によれば、このエンドコーンアセンブリには、内側金属コーンがない。そうではなく、本コーン断熱材は、デバイスを通過する高温ガスに対して耐性がある自己支持型コーン構造を提供するために、既知の方法で剛性化される。
【0079】
少なくとも1つのエンドコーンを含む排気ガス処理デバイスが提供される。本排気ガス処理デバイスは、ハウジングと、ハウジング内の配置された脆弱構造と、ハウジングに排気パイプを取り付けるために、入口エンドコーンアセンブリと、出口エンドコーンアセンブリとを備えることができ、各エンドコーンアセンブリは、内側エンドコーンハウジングと、外側エンドコーンハウジングと、エンドコーン断熱材とを含む。主題の多層装着マットは、エンドコーン断熱材として設けることができ、排気ガス処理デバイスの2重壁エンドコーンアセンブリの内側コーンハウジングと外側コーンハウジングとの間に配置することができる。
【0080】
また、上述された装着マットは、保護的に装着しなければならない脆弱なハニカムタイプ構造を含むものを含んで、排気または排出スタック内に配置された、化学産業で採用される触媒コンバータで使用することができる。
【0081】
本発明の主題の第1の実施形態は、耐高温性の無機繊維と、任意選択で有機バインダと、任意選択で膨張性材料とを備える排気ガス処理デバイス用の多層装着マットを含み、このマットは、繊維シートの複数のプライから形成され、少なくとも1枚の繊維シート中の繊維の大部分は、少なくとも1枚の繊維シートのx−y平面内に配向される。
【0082】
第1の実施形態の多層装着マットは、繊維シートの複数のプライ中の繊維の大部分が、繊維シートの複数のプライのx−y平面内に配向されることをさらに含むことができる。
【0083】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかまたは両方の多層装着マットは、繊維シートがウェットレイドされることをさらに含むことができる。
【0084】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットは、ウェットニードリング、ドライニードリング、水交絡、またはプレス加工のうちの少なくとも1つによって、繊維のわずかな部分を多層装着マット内で物理的に交絡させることをさらに含むことができる。
【0085】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットは、無機繊維が、高アルミナ多結晶繊維、耐火性セラミック繊維、ムライト繊維、アルミナジルコニアシリカ繊維、アルミナマグネシアシリカ繊維、ガラス繊維、耐高温性の生体溶解性繊維、浸出ガラスシリカ繊維、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つであることをさらに含むことができる。高アルミナ多結晶繊維は、約72〜約100質量パーセントのアルミナと、約0〜約28質量パーセントのシリカとからなる繊維化生成物を含むことができる。耐火性セラミック繊維は、約45〜約75質量パーセントのアルミナと、約25〜約55質量パーセントのシリカとからなる繊維化生成物を含むアルミノシリケート繊維を含むことができる。生体溶解性繊維は、約65〜約86質量パーセントのシリカと、約14〜約35質量パーセントのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含むマグネシアシリカ繊維を含むことができる。生体溶解性繊維は、約45〜約90質量パーセントのシリカと、0〜約45質量パーセント(0質量パーセントは含まず)のカルシアと、0〜約35質量パーセント(0質量パーセントは含まず)のマグネシアとからなる繊維化生成物を含むカルシアマグネシアシリカ繊維を含むことができる。
【0086】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットは、膨張性材料が、拡張していないバーミキュライト、イオン交換されたバーミキュライト、加熱処理されたバーミキュライト、拡張可能なグラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤四ケイ酸フッ素雲母、アルカリ金属シリケート、またはそれらの混合物のうち少なくとも1つであることをさらに含むことができる。膨張性材料は、拡張していないバーミキュライトを含むことができる。
【0087】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットは、有機バインダが、アクリルラテックス、(メタ)アクリルラテックス、スチレンとブタジエンとのコポリマー、ビニルピリジン、アクリルニトリル、アクリルニトリルとスチレンとのコポリマー、ビニルクロライド、ポリウレタン、ビニルアセテートとエチレンとのコポリマー、ポリアミド、シリコーン、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、およびポリビニルエステル、ならびにそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含むことをさらに含むことができる。
【0088】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットは、有機バインダが、ポリビニルアルコール繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、エチルビニルアセテート繊維、ナイロン繊維、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含むことをさらに含むことができる。
【0089】
上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットは、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロイド状ジルコニア、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0090】
本発明の主題の第2の実施形態は、上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットを製造するためのプロセスを含み、耐高温性繊維、任意選択で有機バインダ、および任意選択で膨張性材料を備える湿潤した紙またはシートを準備することと、湿潤した紙またはシートの複数のプライを一緒に積層することと、乾燥前に、湿潤した紙またはシートプライのスタック内のプライ間で、繊維の一部分を撚合または交絡させることとを含む。
【0091】
第2の実施形態の方法は、前記撚合または交絡させることが、湿潤した紙またはシートプライのスタックをニードルパンチングすること、または水交絡することのうちの少なくとも1つを含むことをさらに含むことができる。
【0092】
本発明の主題の第3の実施形態は、ハウジングと、ハウジング内に弾性的に装着された脆弱構造と、ハウジングと脆弱構造との間の隙間に設けられる装着マットとを備える排気ガス処理デバイスを含み、装着マットは、上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットである。
【0093】
第3の実施形態の排気ガス処理デバイスは、このデバイスが、触媒コンバータまたはディーゼル微粒子トラップであることをさらに含むことができる。
【0094】
本発明の主題の第4の実施形態は、外側金属コーンと、内側金属コーンと、前記外側金属エンドコーンと内側金属エンドコーンの間に設けられたコーン断熱材とを備える排気ガス処理デバイス用のエンドコーンを含み、前記コーン断熱材は、上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットを含む。
【0095】
本発明の主題の第5の実施形態は、外側金属コーンと、上述された第1の実施形態または後続の実施形態のうちのいずれかの多層装着マットを備える自己支持型コーン断熱材とを備える排気ガス処理デバイス用のエンドコーンを含み、このコーン断熱材は、前記外側金属エンドコーンの内側表面に隣接して設けられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐高温性の無機繊維と、
任意選択で有機バインダと、
任意選択で膨張性材料と
を備える排気ガス処理デバイス用の多層装着マットであって、
前記マットが、繊維シートの複数のプライから形成され、
少なくとも1つの繊維シート中の繊維の大部分が、前記少なくとも1つの繊維シートのx−y平面内に配向される、
多層装着マット。
【請求項2】
繊維シートの前記プライのうちの複数中の繊維の大部分が、繊維シートの前記プライのうちの前記複数のx−y平面内に配向される、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項3】
前記繊維シートがウェットレイドされる、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項4】
前記繊維のわずかな部分が、ウェットニードリング、ドライトニードリング、水交絡、またはプレス加工のうちの少なくとも1つによって、前記多層装着マット内で物理的に交絡される、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項5】
前記無機繊維が、高アルミナ多結晶繊維、耐火性セラミック繊維、ムライト繊維、アルミナジルコニアシリカ繊維、アルミナマグネシアシリカ繊維、ガラス繊維、耐高温性の生体溶解性繊維、浸出ガラスシリカ繊維、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項6】
前記高アルミナ多結晶繊維が、約72〜約100質量パーセントのアルミナと、約0〜約28質量パーセントのシリカとからなる繊維化生成物を含む、請求項5に記載の多層装着マット。
【請求項7】
前記耐火性セラミック繊維が、約45〜約75質量パーセントのアルミナと、約25〜約55質量パーセントのシリカとからなる繊維化生成物を含むアルミノシリケート繊維を含む、請求項5に記載の多層装着マット。
【請求項8】
前記生体溶解性繊維が、約65〜約86質量パーセントのシリカと、約14〜約35質量パーセントのマグネシアと、約5質量パーセント以下の不純物とからなる繊維化生成物を含むマグネシアシリカ繊維を含む、請求項5に記載の多層装着マット。
【請求項9】
前記生体溶解性繊維が、約45〜約90質量パーセントのシリカと、0〜約45質量パーセント(0質量%は含まず)のカルシアと、0〜約35質量パーセント(0質量%は含まず)のマグネシアとからなる繊維化生成物を含むカルシアマグネシアシリカ繊維を含む、請求項5に記載の多層装着マット。
【請求項10】
前記膨張性材料が、拡張していないバーミキュライト、イオン交換されたバーミキュライト、加熱処理されたバーミキュライト、拡張可能なグラファイト、ハイドロバイオタイト、水膨潤四ケイ酸フッ素雲母、アルカリ金属シリケート、またはそれらの混合物のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項11】
前記膨張性材料が、拡張していないバーミキュライトを含む、請求項10に記載の多層装着マット。
【請求項12】
前記有機バインダが、アクリルラテックス、(メタ)アクリルラテックス、スチレンとブタジエンとのコポリマー、ビニルピリジン、アクリルニトリル、アクリルニトリルとスチレンとのコポリマー、ビニルクロライド、ポリウレタン、ビニルアセテートとエチレンとのコポリマー、ポリアミド、シリコーン、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、およびポリビニルエステル、ならびにそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項13】
前記有機バインダが、ポリビニルアルコール繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、エチルビニルアセテート繊維、ナイロン繊維、およびそれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項14】
コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロイド状ジルコニア、またはそれらの組合せのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1に記載の多層装着マット。
【請求項15】
耐高温性繊維、任意選択で有機バインダ、および任意選択で膨張性材料を含む湿潤した紙またはシートを準備することと、前記湿潤した紙またはシートの複数のプライを一緒に積層することと、乾燥前に、湿潤した紙またはシートプライの前記スタック内のプライ間で、前記繊維の一部分を撚合または交絡させることとを含む、請求項1〜14のいずれかに記載の多層装着マットを製造するための方法。
【請求項16】
前記撚合または交絡させることが、湿潤した紙またはシートプライの前記スタックをニードルパンチングすること、または水交絡することのうちの少なくとも1つを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
ハウジングと、
前記ハウジング内に弾性的に装着された脆弱構造と、
前記ハウジングと前記脆弱構造との間の隙間に設けられる装着マットと
を含む排気ガス処理デバイスであって、
前記装着マットが、請求項1〜14のうちのいずれか1つに規定される、
排気ガス処理デバイス。
【請求項18】
前記デバイスが、触媒コンバータまたはディーゼル微粒子トラップである、請求項17に記載の排気ガス処理デバイス。
【請求項19】
外側金属コーンと、
内側金属コーンと、
前記外側金属エンドコーンと前記内側金属エンドコーンとの間に設けられたコーン断熱材であって、請求項1〜14のうちのいずれかに記載の前記多層装着マットを含む、コーン断熱材と、
を備える、排気ガス処理デバイス用のエンドコーン。
【請求項20】
外側金属コーンと、
請求項1〜14のうちのいずれかに記載の前記多層装着マットを備える自己支持型コーン断熱材と
を備える排気ガス処理デバイス用のエンドコーンであって、
前記コーン断熱材が、前記外側金属コーンの内側表面に隣接して設けられる、
排気ガス処理デバイス用のエンドコーン。

【図1】
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【公表番号】特表2013−514495(P2013−514495A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544754(P2012−544754)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【国際出願番号】PCT/US2010/060493
【国際公開番号】WO2011/084475
【国際公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(500421462)ユニフラックス ワン リミテッド ライアビリティ カンパニー (19)
【Fターム(参考)】