沿線目標物表示装置および沿線目標物表示プログラム
【課題】 目標物が誘導経路における進行方向に対して左右いずれに存在するのか、あるいは目標物や右折・左折のタイミングがどのような順序で到来するか等の情報を一目で把握することができ、横長の表示エリアを効率的に利用し、三次元地図において表示する場合でも目標物の詳細な情報を見易く表示することができる沿線目標物表示装置および沿線目標物表示プログラムを提供する。
【解決手段】 誘導経路Uに沿って存在する目標物情報を取得し、各目標物の左右関係および現在位置Pからの遠近関係を判別し、誘導経路Uの左側および右側に存在する目標物の識別マーク8をそれぞれ左側表示エリア52及び右側表示エリア51に表示し、かつ、各表示エリア内の識別マーク8を内側から外側へ現在位置Pからの近さ順で横方向に配列して表示する。目標物を通過したとき、対応する識別マーク8を表示エリアから消去し、他の識別マーク8を順次、内側へ移動させる。
【解決手段】 誘導経路Uに沿って存在する目標物情報を取得し、各目標物の左右関係および現在位置Pからの遠近関係を判別し、誘導経路Uの左側および右側に存在する目標物の識別マーク8をそれぞれ左側表示エリア52及び右側表示エリア51に表示し、かつ、各表示エリア内の識別マーク8を内側から外側へ現在位置Pからの近さ順で横方向に配列して表示する。目標物を通過したとき、対応する識別マーク8を表示エリアから消去し、他の識別マーク8を順次、内側へ移動させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション等においてガソリンスタンドや店舗等の所定の目標物の表示技術に関し、特に、現在位置から目的地に至る誘導経路に沿って存在する目標物の情報をユーザが一目で理解できるように表示する沿線目標物表示装置および沿線目標物表示プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最終目的地に到着するまでのドライブ中には、ガソリンスタンドでガソリンを補給したり、レストランで食事したり、コンビニエンスストアで買い物をしたりする等、ドライブの過程で適宜、立ち寄る必要が生じる場合が多い。このような場合、緊急性がどの程度なのか、所望の建物が誘導経路の左右いずれに建っているのか、好みの店舗か否か等に応じて適宜選択できるのが好ましい。例えば、所望のガソリンスタンドが誘導経路の右側と左側に建っている場合、数百メートルや数キロの遠近差であれば、左側のガソリンスタンドに立ち寄った方が自動車を入れやすいであろう。逆に数十キロ先までの間にガソリンスタンドが1つしか存在しないようであれば、誘導経路の右側に建っていたとしても立ち寄らざるを得ない緊急の場合もある。このようなドライブ途中に、ある店舗や施設等の目標物(以下、「目標物」という)に立ち寄る必要が生じた場合、現在位置からどのくらいの距離に存在しているのか、誘導経路の左右いずれに建っているのか等の情報がわかれば便利である。
【0003】
ところで、従来からコンビニエンスストア等の目標物をマークによって二次元地図上に明記する装置が存在する(特許文献1)。また、目標物の位置やそこまでの距離を表示する装置として、特開平10−30931号公報に記載の車載用ナビゲーション装置(特許文献2)や特開平9−264750号公報に記載のナビゲーション装置(特許文献3)が提案されている。これらの装置では、誘導経路上に存在する目標物の位置を検索し、近い順に縦方向に列記して現在位置からの距離を表示している。また、各目標物が誘導経路上の左右いずれにあるかを文字で表示し、あるいは表示位置を左右に分けて表示している。
【0004】
【特許文献1】特開2002−372427号公報
【特許文献2】特開平10−30931号公報
【特許文献3】特開平9−264750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明においては、目標物を示すマーク等を二次元地図上に表示するため、表示が小さく混み合ってしまい、誘導経路が複雑になるほど目標物が誘導経路の進行方向に対して左右いずれに存在するのか、順序はどうなのかが把握しにくいという問題がある。特に交差点では複雑になるため一見して把握するのは難しい。また、誘導経路に沿って表示するため、地図の更新に伴ってマーク表示も更新しなければならず、処理負担が大きくなる。さらに、鳥瞰図やドライバーの視点から描画した三次元地図では、表示範囲が比較的近距離に限定されるため、現在位置から遠くなるほど目標物の情報が見にくくなり表示するメリットが失われるという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2および特許文献3に記載された発明においては、目標物までの距離や順番、その位置が誘導経路の左右いずれにあるかが表示されてはいるが、ドライバーが運転しながらチラッと見て把握できるような表示ではない。通常、ドライバーは目標物までの正確な距離を理解する必要は少なく、感覚的に距離感が把握できればよいところ、前記各文献の発明では、目標物までの距離が数字によって表示されているため、ドライバーがチラッと見て距離感を理解できるものではない。
【0007】
また、前記特許文献2および特許文献3に係る発明では、目標物の順序を示す場合、縦方向の表示順によってのみ示されているため、縦方向のスペースが大きく取られてしまうという問題がある。このため、地図上に重ねて表示することはできず、地図表示とは別に表示画面を切り換えるか、地図の表示スペースを小さくして並べて表示せざるを得ない。換言すれば、縦方向のみで目標物の順序を示す場合、横長の表示画面では縦方向の表示エリアが狭いため、目標物の数を充分に表示するには縦方向エリアをフルに使用しなければならないので、地図情報を消すか縮小せざるを得ない。
【0008】
通常、ドライバーは経路上に存在する適当な目標物の通過順序を頭に入れておき、当該目標物の通過を確認しながら運転することで、道に間違いがないことや残りの距離をイメージし、安心して運転できることが多い。このため、目標物の通過順や距離を手軽に確認できればより便利である。しかし、上記各文献に係る発明では、画面切り換え等が必要であるため目標物を適宜チラっと見て確認しながら運転するというような使用には不向きであり、あらかじめ相当数の目標物の順番や距離を記憶しておかなければならない。このため、ドライバーの負担が軽減されず、便宜性・実用性に欠ける。
【0009】
本発明は、このような問題点の少なくとも一つを解決するためになされたものであって、目標物が誘導経路における進行方向に対して左右いずれに存在するのか、あるいは目標物や右折・左折のタイミングがどのような順序で到来するか等の情報を一目で把握することができるとともに、横長の表示エリアを効率的に利用し、三次元地図において表示する場合でも目標物の詳細な情報を見易く表示することができる沿線目標物表示装置および沿線目標物表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る沿線目標物表示装置の特徴は、記憶手段に記憶されている道路地図情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索し、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示する沿線目標物表示装置であって、前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得手段と、各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別手段と、各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別手段と、前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示手段と、表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新手段とを有する点にある。
【0011】
また、本発明において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークを、現在位置からの近さ順に前記画像表示手段における縦方向の位置をずらして表示することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークのうち、現在位置に近い所定数の目標物の識別マークについては、それより遠方にある目標物の識別マークより大きく表示することが好ましい。
【0013】
また、本発明において、前記目標物表示手段は、大きく表示される識別マークについては現在位置からの近さ順に応じて前記画像表示手段の縦方向に位置をずらして配置し、これらよりも遠方の小さく表示される識別マークは一列に並べて表示することが好ましい。
【0014】
さらに、本発明において、前記目標物表示手段は、誘導沿線上の目標物のうち、現在位置から所定の距離以内に存在する目標物あるいは前記画像表示手段に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ識別マークを表示することが好ましい。
【0015】
また、本発明において、前記記憶手段から右折指示や左折指示等の交通指示情報を取得する交通指示情報取得手段と、取得された交通指示情報を交通指示マークとして左側表示エリアおよび右側表示エリアの両方のエリアに、各目標物の識別マークと共に現在位置からの近さ順に表示する交通指示マーク表示手段とを有することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明において、前記目標物表示手段は、中央分離帯等の横断を妨げる障害物が存在する目標物の識別マークについて、他の目標物に比べて目立たなくする処理を施して表示することが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る沿線目標物表示プログラムの特徴は、コンピュータに、記憶手段に記憶されている道路情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索させ、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示させるプログラムであって、前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得ステップと、各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別ステップと、各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別ステップと、前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示ステップと、表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新ステップとをコンピュータに実行させる点にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各目標物を縦方向および横方向の配列を駆使して表示することにより目標物が誘導経路の左右いずれに存在するのか、あるいは目標物や右折・左折のタイミングがどのような順序で到来するか、さらに距離感等の情報を一目で把握することができる。また、横長の表示エリアを効率的に利用できるため、二次元地図だけでなく三次元地図とともに表示する場合でも目標物の詳細な情報を見易く表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る沿線目標物表示装置1の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の沿線目標物表示装置1を示すブロック図である。なお、本発明はカーナビゲーション装置を例に説明するが、ユーザが携行する携帯型ナビゲーション装置等、様々なナビゲーション装置に適用可能である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の沿線目標物表示装置1は、主として、現在位置Pを検出するための位置検出手段2と、目的地S等を入力するための入力手段3と、道路地図情報や各種のプログラムを記憶するための記憶手段4と、道路地図を表示するための画像表示手段5と、この画像表示手段5に表示する画像データを格納するための画像メモリ6と、これら各構成部を制御するとともに、各種の演算処理を行う演算処理手段7とから構成されている。
【0021】
各構成手段についてより詳細に説明すると、位置検出手段2は、車両の現在位置Pを検出するものであり、車両の走行速度を検出する車速センサや車両の進行方向を検出する方位センサ、あるいはGPS(Global Positioning System)衛星から受信した緯度・経度情報に基づいて現在位置Pを特定するGPSセンサ等により構成されている。入力手段3は、プッシュボタンや表示画面上のタッチセンサ等により構成されており、目的地S等の入力や表示設定の変更等に使用される。
【0022】
記憶手段4は、DVD(Digital Versatile Disc)やハードディスク等から構成されており、道路情報の他、ガソリンスタンドやレストラン、トイレ等の目標物に関する目標物情報や右折・左折指示等の交通指示情報を含む道路地図情報が記憶されている。また、本実施形態の表示処理を実行するための沿線目標物表示プログラムが格納されている。画像メモリ6は、RAM(Random Access Memory)等により構成されており、演算処理手段7により適宜加工処理された画像データを格納する。
【0023】
画像表示手段5は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成されており、画像メモリ6に格納された画像データに基づいて道路地図や目標物等を表示するものである。本実施形態では、図1に示すように、左右中央線Oに対して左右方向の2領域に分割するように、右側に右側表示エリア51と、左側に左側表示エリア52とを有している。そして、右側表示エリア51には、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uに沿って存在する目標物のうち、誘導経路Uの進行方向に対して右側に存在する目標物の識別マーク8を表示し、左側表示エリア52には、誘導経路Uの進行方向に対して左側に存在する目標物の識別マーク8を表示するようになっている。
【0024】
なお、本実施形態において、識別マーク8とは、文字や図形等から構成される目標物の種類を端的に示すマークであり、記憶手段4に記憶されている。また、後述するように、当該識別マーク8は目標物の種別の他、大きさや色等を使い分けることによって距離感等を伝える役割も果たす。また、本実施形態では、画像表示手段5を横方向に二等分割するようにエリアを設定しているが、方向やエリア面積、配分等は適宜変更可能である。
【0025】
また、本実施形態の画像表示手段5は、図2に示すように、下方から順に、三次元表示エリア53と、二次元固定縮尺表示エリア54と、二次元可変縮尺表示エリア55とから構成されている。そして、現在位置Pから目的地Sまでの全経路を現在位置Pからの適当な距離に応じて区分けし、各表示エリア内に表示するようになっている。各表示エリアの境界では、道路の末端が連続的に繋ぎ合わされており、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uが連続的に表示される。
【0026】
各表示エリアについて詳述すると、三次元表示エリア53は、現在位置Pから比較的近距離にある第1通過地点Qまでの経路情報を三次元地図で表示するエリアである。二次元固定縮尺表示エリア54は、前記第1通過地点Qから数km先の第2通過地点Rまでの経路情報を固定縮尺で描画した二次元地図で表示するエリアである。また、二次元可変縮尺表示エリア55は、前記第2通過地点Rから目的地Sまでの経路情報を可変縮尺で描画した二次元地図で表示するエリアである。そして、本実施形態では、二次元固定縮尺表示エリア54内に、識別マーク8を表示するようになっている。
【0027】
演算処理手段7は、CPU(Central Processing Unit)等により構成されており、記憶手段4に格納されている沿線目標物表示プログラムに基づいて各構成部を制御するとともに、各種のデータや設定情報を取得して画像データを適宜加工処理するものである。本実施形態の演算処理手段7は、図1に示すように、主として、経路探索部71と、目標物情報取得部72と、左右判別部73と、遠近判別部74と、目標物表示部75と、交通指示情報取得部76と、交通指示マーク表示部77と、表示更新部78と、道路地図描画部79とを有している。
【0028】
各構成部について、より詳細に説明すると、経路探索部71は、位置検出手段2から車の現在位置Pを取得するとともに、入力手段3により設定された目的地Sを取得し、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uを算出するものである。なお、ユーザによって目的地Sが設定されていない場合には、図示しない目的地予測部により目的地Sを予測し自動的に設定するようにしてもよい。この目的地予測部は、例えばドライバーの走行頻度が高いルートを記憶しておいたり、あるいは一般的な交通に関する統計から走行頻度の高いルートを記憶しておき、現在の走行ルートと照合することにより自動的に目的地Sを予測設定するようになっている。
【0029】
目標物情報取得部72は、記憶手段4から目標物に関する情報を取得するものである。ここで、本実施形態の道路地図情報は、ノードにより接続された複数のリンクに関するデータにより構成されている。したがって、目標物情報取得部72は、誘導経路Uを構成するリンクをたどり、各リンクの位置と目標物の位置とに基づいて、誘導経路Uに沿って存在する目標物を抽出し、当該目標物の情報を記憶手段4から取得するようになっている。なお、本実施形態において、目標物情報には、各目標物の種類と位置座標、隣接する道路の進行方向に対する左右位置情報、対応する識別マーク8の種類等の目標物の表示に必要な各種の情報が含まれている。
【0030】
左右判別部73は、各目標物が誘導経路Uの進行方向に対して左右いずれに存在するのかを判別するものである。具体的には、誘導経路Uに対する車両の進行方向を取得し、この進行方向と目標物情報とから進行方向に対する左右位置を判別するようになっている。本実施形態では、上述したように、目標物情報として、各道路における進行方向に対して各目標物が左右いずれに存在するのかという情報が予め記憶手段4に記憶されている。
【0031】
遠近判別部74は、各目標物および後述の交通指示情報について現在位置Pからの遠近関係を判別するものである。具体的には、目標物情報取得部72によって取得した各目標物情報および交通指示情報取得部76によって取得した右左折指示情報に基づき、現在位置Pから各目標物および各交通指示情報までの誘導経路Uに沿う走行距離が小さいものほど、近い目標物および交通指示情報として判別する。なお、前記走行距離を算出する際には、目標物の場合、各目標物の位置座標から誘導経路Uに垂線を下ろしたときの交点を取得し、現在位置Pから前記交点までの誘導経路Uに沿う距離を走行距離として算出する。交通指示情報の場合には、現在位置Pから交差点の中心までの誘導経路Uに沿う距離を走行距離として算出する。
【0032】
目標物表示部75は、例えば、図3に示す誘導経路U沿いに車両が走行する場合、図4に示すように、誘導経路Uの進行方向に対して左側に存在する目標物の識別マーク8を左側表示エリア52内に表示し、誘導経路Uの進行方向に対して右側に存在する目標物の識別マーク8を右側表示エリア51内に表示する。この際、各識別マーク8は、横方向に中央側(内側)から外側へ現在位置Pからの近さ順に配列される。具体的には、左右判別部73により判別された各目標物の左右位置情報を取得し、左側に位置する目標物の左側目標物リストおよび右側に位置する目標物の右側目標物リストを作成する。そして、これら各目標物リストに対して、遠近判別部74により遠近関係を判別し、現在位置Pから近い順に目標物を配列する。この配列に基づいて画像表示手段5の内側から外側へと対応する識別マーク8を表示させるようになっている。
【0033】
また、画像表示手段5には目的地Sまでに存在する全ての目標物を一度に表示することは無理な場合や、意味のないことが多い。そこで、本実施形態では、誘導経路Uの沿線に存在する目標物のうち、現在位置Pから所定の距離以内に存在する目標物、あるいは画像表示手段5に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ各目標物リストに追加するようになっている。これにより、各ドライバー地点でのより有用な情報のみを選択的に表示することができる。例えば、市街地のように目標物が密集した地域では、できるだけ多く識別マーク8を表示させられるし、郊外のように目標物が散在する地域では、現在位置Pから無用に遠方に存在する目標物は表示されず、現実的な距離範囲内における目標物のみを選択的に表示できる。なお、上記表示範囲距離および表示可能数は、ドライバーの必要に応じて適宜設定を変更できる。
【0034】
ここで画像表示手段5に表示される具体的な表示画面図を参照しながら説明する。図3に示すように誘導経路U沿いに目標物が存在しているものとする。つまり、前記誘導経路Uの進行方向に対して右側には、目標物A,C,F,G,H,K,M,Qが順に存在し、誘導経路Uの進行方向に対して左側には、目標物B,D,E,I,J,L,N,O,Pが順に存在している。したがって、点P1を現在位置Pとしたとき、画像表示手段5には、図4に示すような識別マーク8が表示される。このとき、画像表示手段5に表示可能な識別マーク数が限られるため、右側表示エリア51では目標物M,Qの識別マーク8が非表示となり、左側表示エリア52では目標物L,N,O,Pの識別マーク8が非表示となる。ただし、例えば、目標物の表示に有用な距離が図3中の交差点C2までとして表示範囲距離が設定されていれば、表示可能な数内であっても右側表示エリア51には目標物Kの識別マーク8は表示されないことになる。
【0035】
また、全ての識別マーク8を同じような表示の仕方にしても情報の重要度が一目で把握できない。そこで、図4に示すように、各識別マーク8を表示する際、現在位置Pからの走行距離が近い上位5つの目標物(A〜E)は、これらより遠い他の目標物よりも大きく表示される。このとき、上位5つの目標物は、左右位置に関係なく走行距離の大小だけで決定される。例えば、上位5つが全て右側に位置する目標物の場合、左側には大きい識別マーク8は表示されない。なお、大きい識別マーク8で表示する目標物の数は、5つに限定されるものではなく、妥当な数を選択して設定すればよい。また、現在位置Pからある一定の距離内にある目標物のみを大きくするようにしてもよい。さらに、現在位置Pからの距離に応じて適当な距離毎に区切り、同一距離領域内では識別マーク8の大きさを統一し、現在位置Pからの距離が遠いグループほど小さく表示するような表示方法を選択してもよい。要するに目標物の遠近情報を識別マーク8の表示方法から把握できるような工夫をしている。
【0036】
さらに、現在位置Pに近い距離にある目標物については、より詳細な位置関係がわかれば便利である。そこで、本実施形態では、現在位置Pから近距離にあって大きく表示する目標物の識別マーク8については、距離が近い順に縦方向に表示位置をずらして配置し、一方、遠距離にあって小さく表示する目標物の識別マーク8については、横方向に一列に並べて配置するようになっている。このとき、縦方向へのずらし量を大きくしてしまうと間延びして一見しただけでは読み取りにくくなるし、他の表示スペースが制限されてしまう。そこで、図4に示すように、縦方向へのずらし量は大きな識別マーク8の縦方向長さの約3分の1程度に設定している。なお、もちろんスペースに余裕がある等の適宜の事情により、表示する全ての識別マーク8を対象にして、現在位置Pから距離の近い順に縦方向の位置をずらすように表示処理してもよい。
【0037】
また、表示される目標物の中には、交通上の制限のために実際上、利用できないものも存在する。例えば、誘導経路Uの右側(対向車線側)に沿って存在する目標物には、中央分離帯等のように横断を妨げる障害物が存在する場合がある。そこで、本実施形態では、そのような識別マーク8を他の目標物の識別マーク8よりも目立たなくする処理が施される。具体的には、記憶手段4から道路地図情報を取得し、前記障害物の誘導経路Uにおける分布状況を求める。そして、その障害物の分布範囲内に存在する目標物の識別マーク8について、進行方向を加味した上で前記処理を施している。この目立たなくする処理としては、図4における目標物F,G,Hの識別マーク8のように、識別マーク8の枠線を点線にしたり、その他、半透過状態で表示させたり、色調を落としたり、色を変えたり、表示サイズを小さくしたり、全く表示させないようにしてもよい。
【0038】
つぎに、交通指示情報取得部76は、誘導経路Uにおける右折および左折のタイミング等を示すための交通指示情報を取得するものである。具体的には、経路探索部71から誘導経路Uとともに交差点情報を取得し、右折指示または左折指示が必要となる曲折地点を取得する。そして、現在位置Pから誘導経路Uに沿って存在する交差点において右折指示または左折指示が存在する曲折地点までの走行距離とその曲がる方向を交通指示情報として取得する。例えば、図3に示す誘導経路Uにおいては、現在位置Pからそれぞれ点C1,C2,C3までの走行距離と曲がる方向とが交通指示情報として取得される。
【0039】
交通指示マーク表示部77は、前記曲折地点を示す各交通指示マーク9を右側表示エリア51および左側表示エリア52の両方のエリアに表示させるものである。右折指示および左折指示は、単なる現在位置Pからの距離として把握するよりも、目標物との位置関係において把握できるのがドライバーにとって便利である。そこで、本実施形態では、前述したように、遠近判別部74によって現在位置Pから各目標物および各交通指示情報までの走行距離が対比されて遠近関係が決定され、これに基づいて交通指示マーク表示部77が各交通指示情報を目標物リストの所定位置に挿入する。すなわち、交通指示マーク表示部77が、目標物表示部75によって配列された左右の目標物リストを取得するとともに、交通指示情報取得部76から各曲折地点の交通指示情報を取得し、左右の目標物リストのそれぞれに対し、現在位置Pからの走行距離に対応させて曲折地点を挿入して交通指示マーク9の表示位置を設定する。これにより、1つの曲折地点に対応する交通指示マーク9は、右側表示エリア51および左側表示エリア52の両方のエリアに表示できる。
【0040】
このように両表示エリアに表示することによって、仮にドライバーが走行中に一方の表示エリアだけを見ていたとしても交通指示マーク9を見落とすことがない。なお、本実施形態における交通指示マーク9は把握の容易さから三角形の矢印を使って表現しているが、わかりやすい表示であれば他の表現を使用してもよい。
【0041】
表示更新部78は、車両が誘導経路U沿いの目標物あるいは曲折地点を通過したとき、この目標物の識別マーク8や曲折地点の交通指示マーク9を各表示エリアから消去し、当該表示エリア内の他の識別マーク8や交通指示マーク9を順次、内側へ移動させた表示に更新させる。具体的には、図示しない計時手段を用いて所定の時間間隔で位置検出手段2から現在位置Pを取得することで車両の移動を検出し、移動を検出した場合、移動後の現在位置Pから各目標物あるいは曲折地点までの誘導経路Uに沿った距離を遠近判別部74から取得する。そして、この距離が目標物または曲折地点を通過したとみなせる通過基準閾値よりも小さくなったとき、目標物表示部75や交通指示マーク表示部77に指示して前記目標物または前記曲折地点を目標物リストから削除させる。なお、本実施形態では、道路情報を三次元表示エリア53と二次元表示エリア54,55に分けて表示するところ、目標物等は主に現在位置Pから数キロ先までの中景エリアに相当する情報であるため、前記閾値として三次元表示エリア53を境界とし、このエリア内で表示される距離に入った目標物を削除対象とするようにしてもよい。
【0042】
一方、識別マーク8や交通指示マーク9が表示エリアから消去されると、当該表示エリアの一番外側が空きスペースとなる。このため、他の表示すべき目標物や曲折地点が存在する場合には、空きスペースに表示し得る限り、対応する識別マーク8あるいは交通指示マーク9を新たに表示させる。具体的には、目標物表示部75および交通指示マーク表示部77に指示し、目標物情報取得部72から新たな目標物情報を取得させたり、交通指示情報取得部76から新たな交通指示情報を取得させる。そして、これら目標物や交通指示情報を更新すべき目標物リストの最後尾に追加させるようになっている。ただし、表示範囲距離が設定されている場合には、例え空きスペースが形成されても、目標物が当該表示範囲距離内に存在しない限り、目標物リストには追加されない。これにより、現在位置Pからの距離が非常に遠い目標物については、例え表示するスペースに空きがあっても表示されない。
【0043】
また、車両が目標物等を通過しなくても、当初、表示範囲距離内に存在しないために表示されていなかった目標物や交通指示対象が、車両の走行に伴って表示範囲距離内に入る場合がある。この場合、表示更新部78が認識して目標物表示部75および交通指示マーク表示部77に追加表示を指示するようになっている。具体的には、目標物または交通指示情報が表示範囲距離内に含まれるようになった場合、表示更新部78がその旨の信号を目標物表示部75または交通指示マーク表示部77に対して出力する。この信号を受けて、目標物表示部75または交通指示マーク表示部77は、表示可能数の条件を比較して表示可能であれば目標物リストに当該目標物または交通指示情報を追加し、表示可能数が充足されている場合には目標物リストには追加しない。追加されない場合には、上述したように、車両がいずれかの目標物等を通過した際に更新対象となるか否かが判断される。
【0044】
道路地図描画部79は、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uに沿った道路地図を作成するものである。具体的には、図2に示すように、経路探索手段によって算出された誘導経路Uのうち、現在位置Pから所定距離先の第1通過地点Qまでの道路地図情報を記憶手段4から取得し三次元地図を生成する。また、誘導経路Uのうち、前記第1通過地点Qからさらに所定距離先の第2通過地点Rまでの道路地図情報を記憶手段4から取得し、固定縮尺により二次元地図を生成する。さらに、前記第2通過地点Rから目的地Sまでの誘導経路Uについては、道路地図情報を記憶手段4から取得し可変縮尺により二次元地図を生成する。
【0045】
つぎに、本実施形態の沿線目標物表示プログラムにより実行される沿線目標物表示装置1の作用について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
まず、ドライバーが本実施形態の沿線目標物表示装置1を利用する場合、演算処理手段7により記憶手段4に格納されている沿線目標物表示プログラムを起動する(ステップS1)。これにより、画像表示手段5に図示しないメニュー画面が表示されるので、ドライバーは入力手段3を用いて所望の目的地Sを入力する(ステップS2)。このとき、上述した表示範囲距離および表示可能数等の各種の設定を行うようにしてもよい。つづいて、演算処理手段7が、位置検出手段2によって検出された車両の現在位置Pを取得すると(ステップS3)、経路探索部71は、ステップS2で入力された目的地Sと、ステップS3で検出された現在位置Pとを取得し、この現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uを探索する(ステップS4)。
【0047】
つづいて、目標物情報取得部72が経路探索部71から誘導経路Uを取得し、この誘導経路Uに沿って存在する目標物の情報を記憶手段4から取得する(ステップS5)。この目標物情報に基づいて、左右判別部73は、各目標物が誘導経路Uの進行方向に対して左右いずれに存在するのかを判別する(ステップS6)。また、本実施形態では、誘導経路U上の曲折地点における右折指示や左折指示等の交通指示情報を表示するため、交通指示情報取得部76が経路探索部71から誘導経路Uを取得し、この誘導経路Uにおける曲折地点の位置を交通指示情報として取得する(ステップS7)。
【0048】
そして、遠近判別部74が、現在位置Pから各目標物および各交通指示情報までの誘導経路Uに沿う走行距離を算出し、各目標物および各交通指示情報の遠近関係を判別する(ステップS8)。この結果に基づき、目標物表示部75が、各目標物の左右関係および遠近関係を取得し、現在位置Pからの近さ順で左側目標物リストおよび右側目標物リストを作成する。また、このとき、交通指示マーク表示部77によって各目標物リストの対応する位置に交通指示情報が挿入される。これにより、左側目標物リストおよび右側目標物リストのそれぞれにおいて、各目標物および交通指示情報が現在位置Pからの近さ順で横方向に配列される(ステップS9)。
【0049】
なお、上記ステップS7は、交通指示マーク9を表示するときに行われる処理であり、識別マーク8のみを表示させて沿線目標物表示装置1を利用する場合、ステップS7の処理は実行されない。
【0050】
つづいて、演算処理手段7は、左側目標物リストおよび右側目標物リストを取得し、これら各リストに基づいて、予め設定された各種の条件に合致する各目標物の識別マーク8および各交通指示情報の交通指示マーク9を画像メモリ6に格納する(ステップS10)。すなわち、本実施形態では、画像表示手段5に表示可能な数の識別マーク8および交通指示マーク9を格納するようになっており、さらに表示範囲距離が設定されている場合には、その表示範囲距離以内に存在する目標物の識別マーク8および交通指示マーク9だけを抽出して格納する。
【0051】
また、図4に示すように、現在位置Pからの走行距離が近い上位5つの目標物については、大きい識別マーク8を取得し、それ以外の目標物については小さい識別マーク8を対応付ける。また、大きい識別マーク8と同じ距離範囲内に存在する交通指示情報については、大きい交通指示マーク9を取得し、それ以外の交通指示情報については、小さい交通指示マーク9を取得する。さらに、大きい識別マーク8および大きい交通指示マーク9については、その表示位置が現在位置Pから近い順に下方から上方へと位置がずらされて表示される。一方、小さい識別マーク8および小さい交通指示マーク9は、その表示位置が全て上方位置において横一列に並べられて表示される。また、横断を妨げる障害物が存在する目標物については、他の目標物の識別マーク8よりも目立たない識別マーク8を取得する。
【0052】
一方、道路地図描画部79は、現在位置Pから第1通過地点Qまでの誘導経路Uを三次元地図で描画し、第1通過地点Qから第2通過地点Rまでの誘導経路Uを固定縮尺の二次元地図で描画し、第2通過地点Rから目的地Sまでの誘導経路Uを可変縮尺の二次元地図で描画する。そして、これら各道路地図の経路末端が連続的に接続するように連結した道路地図データを生成した後、画像メモリ6に格納する(ステップS11)。このとき、ステップS10において画像メモリ6に格納された各種のマークは、主に現在位置Pから数キロ先までの情報であるから、位置づけとしては二次元固定縮尺表示エリア54に表示するのが現実の状況と合致し、ドライバーにとって把握しやすい。そこで、前記識別マーク8および交通指示マーク9を二次元固定縮尺表示エリア54に対応する道路地図データに重ね合わせて、これを画像データとして画像メモリ6に格納するようになっている。
【0053】
つぎに、画像表示手段5は、画像メモリ6に格納された画像データに基づいて、現在位置Pから目的地Sまでの道路地図を表示するとともに、二次元固定縮尺表示エリア54には、識別マーク8および交通指示マーク9を表示する(ステップS12)。これにより、右側表示エリア51には、誘導経路Uの進行方向に対して右側に存在する目標物の識別マーク8および交通指示マーク9が表示され、左側表示エリア52には、進行方向の左側に存在する目標物の識別マーク8および交通指示マーク9が表示される。この際、交通指示マーク9は、一目で目標物との見分けができるため、縦方向にずらされる幅が他の目標物の半分程度に設定されており、縦方向の表示エリアを効率的に使用している。
【0054】
本実施形態の沿線地図表示プログラムが実行されている間、表示更新部78は、所定時間間隔で位置検出手段から現在位置Pを取得し、車両が移動したか否かを判別している(ステップS13)。そして、車両が移動していないときは(ステップS13:NO)、ステップS12へと戻り、車両の移動が検出されるまで同じ道路地図および識別マーク8等を表示する。一方、車両が移動したことを判別すると(ステップS13:YES)、ステップS14へと進み、現在位置Pから各目標物および各曲折地点までの距離を通過基準閾値と比較し、車両が各目標物および各曲折地点を通過したか否かを判別する(ステップS14)。
【0055】
ステップS14において、車両がいずれの目標物および曲折地点も通過していないと判別されると(ステップS14:NO)、さらに、画面の表示可能数に空きがあり、かつ、それまで非表示であった目標物および曲折地点が車両の走行に伴って表示範囲距離内に入ったか否かが判別される(ステップS15)。その結果、表示可能数に空きが無い場合、あるいは、いずれの目標物および曲折地点も表示範囲距離内に入っていない場合(ステップS15:NO)、ステップS11へと戻り、新たな現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uに対応する道路地図が描画される。以降、上述したステップS12を経由して、識別マーク8等が道路地図に重ね合わせて表示される。これにより、画像表示手段5においては、車両の移動に合わせてリアルタイムで道路地図のみが更新される。
【0056】
一方、ステップS14において、車両がいずれかの目標物あるいは曲折地点を通過したと判別された場合(ステップS14:YES)、若しくは、表示可能数に空きがあり、かつ、非表示であった目標物や曲折地点が車両の走行に伴って表示範囲距離内に入ったと判別された場合(ステップS15:YES)、表示更新部78が、当該目標物の識別マーク8あるいは曲折地点の交通指示マーク9について、上述したような各種の表示更新処理を実行する(ステップS16)。その後、ステップS10へと戻り、上述した処理を繰り返すことにより、画像表示手段5では、車両の移動に合わせてリアルタイムで道路地図および識別マーク8等の双方が更新される。なお、画像表示手段5に表示される道路地図および識別マーク8等は、前記所定時間を短時間に設定するほど車両の移動に合わせて円滑に更新される。
【0057】
つぎに、目標物等の表示が更新される状態を模式図を使用して説明する。図3に示すような誘導経路Uにおいて車両が地点P1から地点P7へと移動する場合、画像表示手段5には図4および図6〜図11に示すような画像が表示される。通過段階ごとに説明すると、まず図4では、現在位置Pから近い順に、A,B,Cの目標物が現れ、その後に交差点を右折し、D,Eが順次現れることが一目で把握できる。このうち、右側にはAとCの目標物が存在し、左側にはB,D,Eの目標物が存在することもほぼ瞬間的に把握できる。そして、若干遠方には、左側に目標物I,Jが現れた後に左折することがわかる。また、右側には横断が困難な目標物F,G,Hが存在した後に左折地点となり、左折後Kが現れることが感覚的に把握できる。
【0058】
つづいて、車両が図3中の地点P2まで移動したとき、目標物Aを通過することになり、図6に示すような画面に更新される。つまり、目標物Aの識別マーク8が消去されて、その他の識別マーク8と交通指示マーク9が内側に移動されるとともに、右側表示エリア51の最後尾に新たな目標物Kの識別マーク8が表示される。また、5番目に近傍位置にある目標物Fの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更される。さらに、大きい識別マーク8(C,D,E,F)および大きい交通指示マーク9は縦方向も変更され、それぞれ一段ずつ下方にずらされる。
【0059】
つづいて、車両が図3中の地点P3まで移動したとき、目標物Bを通過することになり、図7に示すような画面に更新される。つまり、目標物Bの識別マーク8が消去されて、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動されるとともに、左側表示エリア52の最後尾に新たな目標物Lの識別マーク8および曲折地点C3の右折マークが表示される。また、大きい右折指示マークおよび大きい識別マーク8(D,E)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。一方、右側表示エリア51では、目標物Gの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更されるとともに、大きい識別マーク8(C,F,G)および大きい右折指示マークがそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。
【0060】
さらに、車両が図3中の地点P4まで移動したとき、目標物Cを通過することになり、図8に示すような画面に更新される。つまり、右側表示エリア51の目標物Cの識別マーク8が消去されて、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動され、右端に曲折地点C3の右折指示マークが新たに表示される。また、5番目に近い目標物Hの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更されるとともに、大きい右折指示マークおよび大きい識別マーク8(F,G,H)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。一方、左側表示エリア52では、大きい右折指示マークおよび大きい識別マーク8(D,E)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。これにより、ドライバーは右折がすぐ近くに迫っていることが把握でき、右折後すぐに目標物D,Eが左側に現れることが感覚的に把握できる。
【0061】
つづいて、車両が図3中の地点P5まで移動したとき、曲折地点C1を通過することになり、図9に示すような画面に更新される。つまり、左右双方の表示エリアにおいて、右折指示マークが消去されるとともに、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動される。そして、左側表示エリア52には、最後尾に新たな目標物Nの識別マーク8が表示される。一方、右側表示エリア51には、最後尾に新たな目標物Qの識別マーク8が表示されるる、なお、交通指示マーク9と目標物の識別マーク8とは段差の程度を変えているため、交通指示マーク9が消去されても、前記識別マーク8の縦方向の位置がずらされない。
【0062】
さらに、車両が図3中の地点P6まで移動したとき、目標物Dを通過することになり、図10に示すような画面に更新される。つまり、左側表示エリア52の目標物Dの識別マーク8が消去されるとともに、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動され、左端に新たな目標物Oの識別マーク8が表示される。また、5番目に近い目標物としてIの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更される。さらに、左右の表示エリアにおける大きい識別マーク8(E,I,F,G,H)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。
【0063】
最後に、車両が図3中の地点P7まで移動したとき、目標物Eを通過することになり、図11に示すような画面に更新される。つまり、左側表示エリア52の目標物Eの識別マーク8が消去されるとともに、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動され、左端に新たな目標物Pの識別マーク8が表示される。また、5番目に近い目標物Jの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更される。さらに、左右の表示エリアにおける大きい識別マーク8(I,J,F,G,H)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。これにより、横断できない目標物が続くが、その後はすぐに左側にIとJの目標物が現れることが容易に把握できる。そして、目標物Jを通過するとすぐに左折地点が訪れることも容易に理解できる。
【0064】
以上のような本実施形態の沿線目標物表示装置1および沿線目標物表示プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。すなわち、
1.現在位置Pから目標物および右左折の交通指示までの遠近関係を画像表示手段5の「縦方向」および「横方向」の両方向の配列順を使って表示するため、表示スペースを無駄なく有効に利用できる。また、これによりドライバーにとって極めて有用な「現在位置Pから数キロ先までの目標物情報等」を充分な数で、かつ、把握しやすい表示を実現できる。
2.誘導経路Uの左右に存在する目標物を表示する際、表示エリアを右側表示エリア51と左側表示エリア52とに明確に区別して表示するとともに、各表示エリア内では目標物を通過する度に各識別マーク8を順次、外側から中央の内側へ近づけるように表示を更新するため、ドライバーにとって最も見やすい位置に最接近している目標物を表示することになり、有用な情報を一目で確認することができる。
3.また、全ての目標物の識別マーク8を同じように表示したのでは、運転中にチラッと見ても漫然とした情報の集合として理解しにくい場合がある。そこで本実施形態では、運転中の情報としての重要度に応じて重みづけされた表示処理がなされている。例えば、現在位置Pにより近い目標物を他よりも大きく表示して接近している目標物の情報を優先的に把握できるようにしたり、さらに接近した目標物については左右の目標物の遠近差を縦方向に位置をずらすことで把握できるようにしたり、中央分離帯などの障害によって実際には右側に横断できない目標物を目立たなくする表示処理を行ったり、表示スペースの空きに関わりなく現在位置Pから所定距離以上離れた遠方の目標物を表示しないように処理されている。これにより、運転中に必要な情報を効率的にドライバーへ伝えることができるし、ドライバーは一見して視覚的、感覚的に情報を取得することができる。
4.また、目標物の識別マーク8だけでなく、左折指示や右折指示の交通指示マーク9を挿入して同時に表示することにより、目標物と右左折地点とを同時に関連づけて記憶することができ、右左折のタイミングなどを間違いにくくし、安心して運転することができる等の効果を奏する。
【0065】
なお、本発明に係る沿線目標物表示装置1および沿線目標物表示プログラムは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0066】
例えば、上述した実施形態では、画像表示手段5を三次元表示エリア53と、二次元固定縮尺表示エリア54と、二次元可変縮尺表示エリア55とから構成し、二次元固定縮尺表示エリア54内に識別マーク8および交通指示マーク9を表示させているが、これに限られるものではなく、通常の一般的な道路地図上に重ねて表示させてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、本発明に係る沿線目標物表示装置1をカーナビゲーション装置に適用した例について説明したが、これに限られるものではなく、携帯電話等の携帯端末に実装される歩行者用のナビゲーション装置に適用してもよい。
【0068】
さらに、画像表示手段5は液晶画面やプラズマ画面等の通常使用される画面の他、自動車のフロントガラスを利用して目標物を投影したり、有機エレクトロルミネッセンスを埋設して表示してもよく、表示対象を限定する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る沿線目標物表示装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の画像表示手段を示す模式図である。
【図3】本実施形態において、車両が実際に走行する経路を示す模式図である。
【図4】本実施形態において、現在位置が地点P1のときに表示される画像の一例を示す模式図である。
【図5】本実施形態の沿線目標物表示装置の動作を説明するフローチャート図である。
【図6】本実施形態において、現在位置が地点P2へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図7】本実施形態において、現在位置が地点P3へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図8】本実施形態において、現在位置が地点P4へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図9】本実施形態において、現在位置が地点P5へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図10】本実施形態において、現在位置が地点P6へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図11】本実施形態において、現在位置が地点P7へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【符号の説明】
【0070】
1 沿線目標物表示装置
2 位置検出手段
3 入力手段
4 記憶手段
5 画像表示手段
6 画像メモリ
7 演算処理手段
8 識別マーク
9 交通指示マーク
51 右側表示エリア
52 左側表示エリア
53 三次元表示エリア
54 二次元固定縮尺表示エリア
55 二次元可変縮尺表示エリア
71 経路探索部
72 目標物情報取得部
73 左右判別部
74 遠近判別部
75 目標物表示部
76 交通指示情報取得部
77 交通指示マーク表示部
78 表示更新部
79 道路地図描画部
O 左右中央線
P 現在位置
Q 第1通過地点
R 第2通過地点
S 目的地
U 誘導経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーナビゲーション等においてガソリンスタンドや店舗等の所定の目標物の表示技術に関し、特に、現在位置から目的地に至る誘導経路に沿って存在する目標物の情報をユーザが一目で理解できるように表示する沿線目標物表示装置および沿線目標物表示プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最終目的地に到着するまでのドライブ中には、ガソリンスタンドでガソリンを補給したり、レストランで食事したり、コンビニエンスストアで買い物をしたりする等、ドライブの過程で適宜、立ち寄る必要が生じる場合が多い。このような場合、緊急性がどの程度なのか、所望の建物が誘導経路の左右いずれに建っているのか、好みの店舗か否か等に応じて適宜選択できるのが好ましい。例えば、所望のガソリンスタンドが誘導経路の右側と左側に建っている場合、数百メートルや数キロの遠近差であれば、左側のガソリンスタンドに立ち寄った方が自動車を入れやすいであろう。逆に数十キロ先までの間にガソリンスタンドが1つしか存在しないようであれば、誘導経路の右側に建っていたとしても立ち寄らざるを得ない緊急の場合もある。このようなドライブ途中に、ある店舗や施設等の目標物(以下、「目標物」という)に立ち寄る必要が生じた場合、現在位置からどのくらいの距離に存在しているのか、誘導経路の左右いずれに建っているのか等の情報がわかれば便利である。
【0003】
ところで、従来からコンビニエンスストア等の目標物をマークによって二次元地図上に明記する装置が存在する(特許文献1)。また、目標物の位置やそこまでの距離を表示する装置として、特開平10−30931号公報に記載の車載用ナビゲーション装置(特許文献2)や特開平9−264750号公報に記載のナビゲーション装置(特許文献3)が提案されている。これらの装置では、誘導経路上に存在する目標物の位置を検索し、近い順に縦方向に列記して現在位置からの距離を表示している。また、各目標物が誘導経路上の左右いずれにあるかを文字で表示し、あるいは表示位置を左右に分けて表示している。
【0004】
【特許文献1】特開2002−372427号公報
【特許文献2】特開平10−30931号公報
【特許文献3】特開平9−264750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明においては、目標物を示すマーク等を二次元地図上に表示するため、表示が小さく混み合ってしまい、誘導経路が複雑になるほど目標物が誘導経路の進行方向に対して左右いずれに存在するのか、順序はどうなのかが把握しにくいという問題がある。特に交差点では複雑になるため一見して把握するのは難しい。また、誘導経路に沿って表示するため、地図の更新に伴ってマーク表示も更新しなければならず、処理負担が大きくなる。さらに、鳥瞰図やドライバーの視点から描画した三次元地図では、表示範囲が比較的近距離に限定されるため、現在位置から遠くなるほど目標物の情報が見にくくなり表示するメリットが失われるという問題がある。
【0006】
一方、特許文献2および特許文献3に記載された発明においては、目標物までの距離や順番、その位置が誘導経路の左右いずれにあるかが表示されてはいるが、ドライバーが運転しながらチラッと見て把握できるような表示ではない。通常、ドライバーは目標物までの正確な距離を理解する必要は少なく、感覚的に距離感が把握できればよいところ、前記各文献の発明では、目標物までの距離が数字によって表示されているため、ドライバーがチラッと見て距離感を理解できるものではない。
【0007】
また、前記特許文献2および特許文献3に係る発明では、目標物の順序を示す場合、縦方向の表示順によってのみ示されているため、縦方向のスペースが大きく取られてしまうという問題がある。このため、地図上に重ねて表示することはできず、地図表示とは別に表示画面を切り換えるか、地図の表示スペースを小さくして並べて表示せざるを得ない。換言すれば、縦方向のみで目標物の順序を示す場合、横長の表示画面では縦方向の表示エリアが狭いため、目標物の数を充分に表示するには縦方向エリアをフルに使用しなければならないので、地図情報を消すか縮小せざるを得ない。
【0008】
通常、ドライバーは経路上に存在する適当な目標物の通過順序を頭に入れておき、当該目標物の通過を確認しながら運転することで、道に間違いがないことや残りの距離をイメージし、安心して運転できることが多い。このため、目標物の通過順や距離を手軽に確認できればより便利である。しかし、上記各文献に係る発明では、画面切り換え等が必要であるため目標物を適宜チラっと見て確認しながら運転するというような使用には不向きであり、あらかじめ相当数の目標物の順番や距離を記憶しておかなければならない。このため、ドライバーの負担が軽減されず、便宜性・実用性に欠ける。
【0009】
本発明は、このような問題点の少なくとも一つを解決するためになされたものであって、目標物が誘導経路における進行方向に対して左右いずれに存在するのか、あるいは目標物や右折・左折のタイミングがどのような順序で到来するか等の情報を一目で把握することができるとともに、横長の表示エリアを効率的に利用し、三次元地図において表示する場合でも目標物の詳細な情報を見易く表示することができる沿線目標物表示装置および沿線目標物表示プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る沿線目標物表示装置の特徴は、記憶手段に記憶されている道路地図情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索し、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示する沿線目標物表示装置であって、前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得手段と、各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別手段と、各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別手段と、前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示手段と、表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新手段とを有する点にある。
【0011】
また、本発明において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークを、現在位置からの近さ順に前記画像表示手段における縦方向の位置をずらして表示することが好ましい。
【0012】
さらに、本発明において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークのうち、現在位置に近い所定数の目標物の識別マークについては、それより遠方にある目標物の識別マークより大きく表示することが好ましい。
【0013】
また、本発明において、前記目標物表示手段は、大きく表示される識別マークについては現在位置からの近さ順に応じて前記画像表示手段の縦方向に位置をずらして配置し、これらよりも遠方の小さく表示される識別マークは一列に並べて表示することが好ましい。
【0014】
さらに、本発明において、前記目標物表示手段は、誘導沿線上の目標物のうち、現在位置から所定の距離以内に存在する目標物あるいは前記画像表示手段に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ識別マークを表示することが好ましい。
【0015】
また、本発明において、前記記憶手段から右折指示や左折指示等の交通指示情報を取得する交通指示情報取得手段と、取得された交通指示情報を交通指示マークとして左側表示エリアおよび右側表示エリアの両方のエリアに、各目標物の識別マークと共に現在位置からの近さ順に表示する交通指示マーク表示手段とを有することが好ましい。
【0016】
さらに、本発明において、前記目標物表示手段は、中央分離帯等の横断を妨げる障害物が存在する目標物の識別マークについて、他の目標物に比べて目立たなくする処理を施して表示することが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る沿線目標物表示プログラムの特徴は、コンピュータに、記憶手段に記憶されている道路情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索させ、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示させるプログラムであって、前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得ステップと、各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別ステップと、各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別ステップと、前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示ステップと、表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新ステップとをコンピュータに実行させる点にある。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、各目標物を縦方向および横方向の配列を駆使して表示することにより目標物が誘導経路の左右いずれに存在するのか、あるいは目標物や右折・左折のタイミングがどのような順序で到来するか、さらに距離感等の情報を一目で把握することができる。また、横長の表示エリアを効率的に利用できるため、二次元地図だけでなく三次元地図とともに表示する場合でも目標物の詳細な情報を見易く表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る沿線目標物表示装置1の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本実施形態の沿線目標物表示装置1を示すブロック図である。なお、本発明はカーナビゲーション装置を例に説明するが、ユーザが携行する携帯型ナビゲーション装置等、様々なナビゲーション装置に適用可能である。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の沿線目標物表示装置1は、主として、現在位置Pを検出するための位置検出手段2と、目的地S等を入力するための入力手段3と、道路地図情報や各種のプログラムを記憶するための記憶手段4と、道路地図を表示するための画像表示手段5と、この画像表示手段5に表示する画像データを格納するための画像メモリ6と、これら各構成部を制御するとともに、各種の演算処理を行う演算処理手段7とから構成されている。
【0021】
各構成手段についてより詳細に説明すると、位置検出手段2は、車両の現在位置Pを検出するものであり、車両の走行速度を検出する車速センサや車両の進行方向を検出する方位センサ、あるいはGPS(Global Positioning System)衛星から受信した緯度・経度情報に基づいて現在位置Pを特定するGPSセンサ等により構成されている。入力手段3は、プッシュボタンや表示画面上のタッチセンサ等により構成されており、目的地S等の入力や表示設定の変更等に使用される。
【0022】
記憶手段4は、DVD(Digital Versatile Disc)やハードディスク等から構成されており、道路情報の他、ガソリンスタンドやレストラン、トイレ等の目標物に関する目標物情報や右折・左折指示等の交通指示情報を含む道路地図情報が記憶されている。また、本実施形態の表示処理を実行するための沿線目標物表示プログラムが格納されている。画像メモリ6は、RAM(Random Access Memory)等により構成されており、演算処理手段7により適宜加工処理された画像データを格納する。
【0023】
画像表示手段5は、LCD(Liquid Crystal Display)等から構成されており、画像メモリ6に格納された画像データに基づいて道路地図や目標物等を表示するものである。本実施形態では、図1に示すように、左右中央線Oに対して左右方向の2領域に分割するように、右側に右側表示エリア51と、左側に左側表示エリア52とを有している。そして、右側表示エリア51には、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uに沿って存在する目標物のうち、誘導経路Uの進行方向に対して右側に存在する目標物の識別マーク8を表示し、左側表示エリア52には、誘導経路Uの進行方向に対して左側に存在する目標物の識別マーク8を表示するようになっている。
【0024】
なお、本実施形態において、識別マーク8とは、文字や図形等から構成される目標物の種類を端的に示すマークであり、記憶手段4に記憶されている。また、後述するように、当該識別マーク8は目標物の種別の他、大きさや色等を使い分けることによって距離感等を伝える役割も果たす。また、本実施形態では、画像表示手段5を横方向に二等分割するようにエリアを設定しているが、方向やエリア面積、配分等は適宜変更可能である。
【0025】
また、本実施形態の画像表示手段5は、図2に示すように、下方から順に、三次元表示エリア53と、二次元固定縮尺表示エリア54と、二次元可変縮尺表示エリア55とから構成されている。そして、現在位置Pから目的地Sまでの全経路を現在位置Pからの適当な距離に応じて区分けし、各表示エリア内に表示するようになっている。各表示エリアの境界では、道路の末端が連続的に繋ぎ合わされており、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uが連続的に表示される。
【0026】
各表示エリアについて詳述すると、三次元表示エリア53は、現在位置Pから比較的近距離にある第1通過地点Qまでの経路情報を三次元地図で表示するエリアである。二次元固定縮尺表示エリア54は、前記第1通過地点Qから数km先の第2通過地点Rまでの経路情報を固定縮尺で描画した二次元地図で表示するエリアである。また、二次元可変縮尺表示エリア55は、前記第2通過地点Rから目的地Sまでの経路情報を可変縮尺で描画した二次元地図で表示するエリアである。そして、本実施形態では、二次元固定縮尺表示エリア54内に、識別マーク8を表示するようになっている。
【0027】
演算処理手段7は、CPU(Central Processing Unit)等により構成されており、記憶手段4に格納されている沿線目標物表示プログラムに基づいて各構成部を制御するとともに、各種のデータや設定情報を取得して画像データを適宜加工処理するものである。本実施形態の演算処理手段7は、図1に示すように、主として、経路探索部71と、目標物情報取得部72と、左右判別部73と、遠近判別部74と、目標物表示部75と、交通指示情報取得部76と、交通指示マーク表示部77と、表示更新部78と、道路地図描画部79とを有している。
【0028】
各構成部について、より詳細に説明すると、経路探索部71は、位置検出手段2から車の現在位置Pを取得するとともに、入力手段3により設定された目的地Sを取得し、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uを算出するものである。なお、ユーザによって目的地Sが設定されていない場合には、図示しない目的地予測部により目的地Sを予測し自動的に設定するようにしてもよい。この目的地予測部は、例えばドライバーの走行頻度が高いルートを記憶しておいたり、あるいは一般的な交通に関する統計から走行頻度の高いルートを記憶しておき、現在の走行ルートと照合することにより自動的に目的地Sを予測設定するようになっている。
【0029】
目標物情報取得部72は、記憶手段4から目標物に関する情報を取得するものである。ここで、本実施形態の道路地図情報は、ノードにより接続された複数のリンクに関するデータにより構成されている。したがって、目標物情報取得部72は、誘導経路Uを構成するリンクをたどり、各リンクの位置と目標物の位置とに基づいて、誘導経路Uに沿って存在する目標物を抽出し、当該目標物の情報を記憶手段4から取得するようになっている。なお、本実施形態において、目標物情報には、各目標物の種類と位置座標、隣接する道路の進行方向に対する左右位置情報、対応する識別マーク8の種類等の目標物の表示に必要な各種の情報が含まれている。
【0030】
左右判別部73は、各目標物が誘導経路Uの進行方向に対して左右いずれに存在するのかを判別するものである。具体的には、誘導経路Uに対する車両の進行方向を取得し、この進行方向と目標物情報とから進行方向に対する左右位置を判別するようになっている。本実施形態では、上述したように、目標物情報として、各道路における進行方向に対して各目標物が左右いずれに存在するのかという情報が予め記憶手段4に記憶されている。
【0031】
遠近判別部74は、各目標物および後述の交通指示情報について現在位置Pからの遠近関係を判別するものである。具体的には、目標物情報取得部72によって取得した各目標物情報および交通指示情報取得部76によって取得した右左折指示情報に基づき、現在位置Pから各目標物および各交通指示情報までの誘導経路Uに沿う走行距離が小さいものほど、近い目標物および交通指示情報として判別する。なお、前記走行距離を算出する際には、目標物の場合、各目標物の位置座標から誘導経路Uに垂線を下ろしたときの交点を取得し、現在位置Pから前記交点までの誘導経路Uに沿う距離を走行距離として算出する。交通指示情報の場合には、現在位置Pから交差点の中心までの誘導経路Uに沿う距離を走行距離として算出する。
【0032】
目標物表示部75は、例えば、図3に示す誘導経路U沿いに車両が走行する場合、図4に示すように、誘導経路Uの進行方向に対して左側に存在する目標物の識別マーク8を左側表示エリア52内に表示し、誘導経路Uの進行方向に対して右側に存在する目標物の識別マーク8を右側表示エリア51内に表示する。この際、各識別マーク8は、横方向に中央側(内側)から外側へ現在位置Pからの近さ順に配列される。具体的には、左右判別部73により判別された各目標物の左右位置情報を取得し、左側に位置する目標物の左側目標物リストおよび右側に位置する目標物の右側目標物リストを作成する。そして、これら各目標物リストに対して、遠近判別部74により遠近関係を判別し、現在位置Pから近い順に目標物を配列する。この配列に基づいて画像表示手段5の内側から外側へと対応する識別マーク8を表示させるようになっている。
【0033】
また、画像表示手段5には目的地Sまでに存在する全ての目標物を一度に表示することは無理な場合や、意味のないことが多い。そこで、本実施形態では、誘導経路Uの沿線に存在する目標物のうち、現在位置Pから所定の距離以内に存在する目標物、あるいは画像表示手段5に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ各目標物リストに追加するようになっている。これにより、各ドライバー地点でのより有用な情報のみを選択的に表示することができる。例えば、市街地のように目標物が密集した地域では、できるだけ多く識別マーク8を表示させられるし、郊外のように目標物が散在する地域では、現在位置Pから無用に遠方に存在する目標物は表示されず、現実的な距離範囲内における目標物のみを選択的に表示できる。なお、上記表示範囲距離および表示可能数は、ドライバーの必要に応じて適宜設定を変更できる。
【0034】
ここで画像表示手段5に表示される具体的な表示画面図を参照しながら説明する。図3に示すように誘導経路U沿いに目標物が存在しているものとする。つまり、前記誘導経路Uの進行方向に対して右側には、目標物A,C,F,G,H,K,M,Qが順に存在し、誘導経路Uの進行方向に対して左側には、目標物B,D,E,I,J,L,N,O,Pが順に存在している。したがって、点P1を現在位置Pとしたとき、画像表示手段5には、図4に示すような識別マーク8が表示される。このとき、画像表示手段5に表示可能な識別マーク数が限られるため、右側表示エリア51では目標物M,Qの識別マーク8が非表示となり、左側表示エリア52では目標物L,N,O,Pの識別マーク8が非表示となる。ただし、例えば、目標物の表示に有用な距離が図3中の交差点C2までとして表示範囲距離が設定されていれば、表示可能な数内であっても右側表示エリア51には目標物Kの識別マーク8は表示されないことになる。
【0035】
また、全ての識別マーク8を同じような表示の仕方にしても情報の重要度が一目で把握できない。そこで、図4に示すように、各識別マーク8を表示する際、現在位置Pからの走行距離が近い上位5つの目標物(A〜E)は、これらより遠い他の目標物よりも大きく表示される。このとき、上位5つの目標物は、左右位置に関係なく走行距離の大小だけで決定される。例えば、上位5つが全て右側に位置する目標物の場合、左側には大きい識別マーク8は表示されない。なお、大きい識別マーク8で表示する目標物の数は、5つに限定されるものではなく、妥当な数を選択して設定すればよい。また、現在位置Pからある一定の距離内にある目標物のみを大きくするようにしてもよい。さらに、現在位置Pからの距離に応じて適当な距離毎に区切り、同一距離領域内では識別マーク8の大きさを統一し、現在位置Pからの距離が遠いグループほど小さく表示するような表示方法を選択してもよい。要するに目標物の遠近情報を識別マーク8の表示方法から把握できるような工夫をしている。
【0036】
さらに、現在位置Pに近い距離にある目標物については、より詳細な位置関係がわかれば便利である。そこで、本実施形態では、現在位置Pから近距離にあって大きく表示する目標物の識別マーク8については、距離が近い順に縦方向に表示位置をずらして配置し、一方、遠距離にあって小さく表示する目標物の識別マーク8については、横方向に一列に並べて配置するようになっている。このとき、縦方向へのずらし量を大きくしてしまうと間延びして一見しただけでは読み取りにくくなるし、他の表示スペースが制限されてしまう。そこで、図4に示すように、縦方向へのずらし量は大きな識別マーク8の縦方向長さの約3分の1程度に設定している。なお、もちろんスペースに余裕がある等の適宜の事情により、表示する全ての識別マーク8を対象にして、現在位置Pから距離の近い順に縦方向の位置をずらすように表示処理してもよい。
【0037】
また、表示される目標物の中には、交通上の制限のために実際上、利用できないものも存在する。例えば、誘導経路Uの右側(対向車線側)に沿って存在する目標物には、中央分離帯等のように横断を妨げる障害物が存在する場合がある。そこで、本実施形態では、そのような識別マーク8を他の目標物の識別マーク8よりも目立たなくする処理が施される。具体的には、記憶手段4から道路地図情報を取得し、前記障害物の誘導経路Uにおける分布状況を求める。そして、その障害物の分布範囲内に存在する目標物の識別マーク8について、進行方向を加味した上で前記処理を施している。この目立たなくする処理としては、図4における目標物F,G,Hの識別マーク8のように、識別マーク8の枠線を点線にしたり、その他、半透過状態で表示させたり、色調を落としたり、色を変えたり、表示サイズを小さくしたり、全く表示させないようにしてもよい。
【0038】
つぎに、交通指示情報取得部76は、誘導経路Uにおける右折および左折のタイミング等を示すための交通指示情報を取得するものである。具体的には、経路探索部71から誘導経路Uとともに交差点情報を取得し、右折指示または左折指示が必要となる曲折地点を取得する。そして、現在位置Pから誘導経路Uに沿って存在する交差点において右折指示または左折指示が存在する曲折地点までの走行距離とその曲がる方向を交通指示情報として取得する。例えば、図3に示す誘導経路Uにおいては、現在位置Pからそれぞれ点C1,C2,C3までの走行距離と曲がる方向とが交通指示情報として取得される。
【0039】
交通指示マーク表示部77は、前記曲折地点を示す各交通指示マーク9を右側表示エリア51および左側表示エリア52の両方のエリアに表示させるものである。右折指示および左折指示は、単なる現在位置Pからの距離として把握するよりも、目標物との位置関係において把握できるのがドライバーにとって便利である。そこで、本実施形態では、前述したように、遠近判別部74によって現在位置Pから各目標物および各交通指示情報までの走行距離が対比されて遠近関係が決定され、これに基づいて交通指示マーク表示部77が各交通指示情報を目標物リストの所定位置に挿入する。すなわち、交通指示マーク表示部77が、目標物表示部75によって配列された左右の目標物リストを取得するとともに、交通指示情報取得部76から各曲折地点の交通指示情報を取得し、左右の目標物リストのそれぞれに対し、現在位置Pからの走行距離に対応させて曲折地点を挿入して交通指示マーク9の表示位置を設定する。これにより、1つの曲折地点に対応する交通指示マーク9は、右側表示エリア51および左側表示エリア52の両方のエリアに表示できる。
【0040】
このように両表示エリアに表示することによって、仮にドライバーが走行中に一方の表示エリアだけを見ていたとしても交通指示マーク9を見落とすことがない。なお、本実施形態における交通指示マーク9は把握の容易さから三角形の矢印を使って表現しているが、わかりやすい表示であれば他の表現を使用してもよい。
【0041】
表示更新部78は、車両が誘導経路U沿いの目標物あるいは曲折地点を通過したとき、この目標物の識別マーク8や曲折地点の交通指示マーク9を各表示エリアから消去し、当該表示エリア内の他の識別マーク8や交通指示マーク9を順次、内側へ移動させた表示に更新させる。具体的には、図示しない計時手段を用いて所定の時間間隔で位置検出手段2から現在位置Pを取得することで車両の移動を検出し、移動を検出した場合、移動後の現在位置Pから各目標物あるいは曲折地点までの誘導経路Uに沿った距離を遠近判別部74から取得する。そして、この距離が目標物または曲折地点を通過したとみなせる通過基準閾値よりも小さくなったとき、目標物表示部75や交通指示マーク表示部77に指示して前記目標物または前記曲折地点を目標物リストから削除させる。なお、本実施形態では、道路情報を三次元表示エリア53と二次元表示エリア54,55に分けて表示するところ、目標物等は主に現在位置Pから数キロ先までの中景エリアに相当する情報であるため、前記閾値として三次元表示エリア53を境界とし、このエリア内で表示される距離に入った目標物を削除対象とするようにしてもよい。
【0042】
一方、識別マーク8や交通指示マーク9が表示エリアから消去されると、当該表示エリアの一番外側が空きスペースとなる。このため、他の表示すべき目標物や曲折地点が存在する場合には、空きスペースに表示し得る限り、対応する識別マーク8あるいは交通指示マーク9を新たに表示させる。具体的には、目標物表示部75および交通指示マーク表示部77に指示し、目標物情報取得部72から新たな目標物情報を取得させたり、交通指示情報取得部76から新たな交通指示情報を取得させる。そして、これら目標物や交通指示情報を更新すべき目標物リストの最後尾に追加させるようになっている。ただし、表示範囲距離が設定されている場合には、例え空きスペースが形成されても、目標物が当該表示範囲距離内に存在しない限り、目標物リストには追加されない。これにより、現在位置Pからの距離が非常に遠い目標物については、例え表示するスペースに空きがあっても表示されない。
【0043】
また、車両が目標物等を通過しなくても、当初、表示範囲距離内に存在しないために表示されていなかった目標物や交通指示対象が、車両の走行に伴って表示範囲距離内に入る場合がある。この場合、表示更新部78が認識して目標物表示部75および交通指示マーク表示部77に追加表示を指示するようになっている。具体的には、目標物または交通指示情報が表示範囲距離内に含まれるようになった場合、表示更新部78がその旨の信号を目標物表示部75または交通指示マーク表示部77に対して出力する。この信号を受けて、目標物表示部75または交通指示マーク表示部77は、表示可能数の条件を比較して表示可能であれば目標物リストに当該目標物または交通指示情報を追加し、表示可能数が充足されている場合には目標物リストには追加しない。追加されない場合には、上述したように、車両がいずれかの目標物等を通過した際に更新対象となるか否かが判断される。
【0044】
道路地図描画部79は、現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uに沿った道路地図を作成するものである。具体的には、図2に示すように、経路探索手段によって算出された誘導経路Uのうち、現在位置Pから所定距離先の第1通過地点Qまでの道路地図情報を記憶手段4から取得し三次元地図を生成する。また、誘導経路Uのうち、前記第1通過地点Qからさらに所定距離先の第2通過地点Rまでの道路地図情報を記憶手段4から取得し、固定縮尺により二次元地図を生成する。さらに、前記第2通過地点Rから目的地Sまでの誘導経路Uについては、道路地図情報を記憶手段4から取得し可変縮尺により二次元地図を生成する。
【0045】
つぎに、本実施形態の沿線目標物表示プログラムにより実行される沿線目標物表示装置1の作用について、図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
【0046】
まず、ドライバーが本実施形態の沿線目標物表示装置1を利用する場合、演算処理手段7により記憶手段4に格納されている沿線目標物表示プログラムを起動する(ステップS1)。これにより、画像表示手段5に図示しないメニュー画面が表示されるので、ドライバーは入力手段3を用いて所望の目的地Sを入力する(ステップS2)。このとき、上述した表示範囲距離および表示可能数等の各種の設定を行うようにしてもよい。つづいて、演算処理手段7が、位置検出手段2によって検出された車両の現在位置Pを取得すると(ステップS3)、経路探索部71は、ステップS2で入力された目的地Sと、ステップS3で検出された現在位置Pとを取得し、この現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uを探索する(ステップS4)。
【0047】
つづいて、目標物情報取得部72が経路探索部71から誘導経路Uを取得し、この誘導経路Uに沿って存在する目標物の情報を記憶手段4から取得する(ステップS5)。この目標物情報に基づいて、左右判別部73は、各目標物が誘導経路Uの進行方向に対して左右いずれに存在するのかを判別する(ステップS6)。また、本実施形態では、誘導経路U上の曲折地点における右折指示や左折指示等の交通指示情報を表示するため、交通指示情報取得部76が経路探索部71から誘導経路Uを取得し、この誘導経路Uにおける曲折地点の位置を交通指示情報として取得する(ステップS7)。
【0048】
そして、遠近判別部74が、現在位置Pから各目標物および各交通指示情報までの誘導経路Uに沿う走行距離を算出し、各目標物および各交通指示情報の遠近関係を判別する(ステップS8)。この結果に基づき、目標物表示部75が、各目標物の左右関係および遠近関係を取得し、現在位置Pからの近さ順で左側目標物リストおよび右側目標物リストを作成する。また、このとき、交通指示マーク表示部77によって各目標物リストの対応する位置に交通指示情報が挿入される。これにより、左側目標物リストおよび右側目標物リストのそれぞれにおいて、各目標物および交通指示情報が現在位置Pからの近さ順で横方向に配列される(ステップS9)。
【0049】
なお、上記ステップS7は、交通指示マーク9を表示するときに行われる処理であり、識別マーク8のみを表示させて沿線目標物表示装置1を利用する場合、ステップS7の処理は実行されない。
【0050】
つづいて、演算処理手段7は、左側目標物リストおよび右側目標物リストを取得し、これら各リストに基づいて、予め設定された各種の条件に合致する各目標物の識別マーク8および各交通指示情報の交通指示マーク9を画像メモリ6に格納する(ステップS10)。すなわち、本実施形態では、画像表示手段5に表示可能な数の識別マーク8および交通指示マーク9を格納するようになっており、さらに表示範囲距離が設定されている場合には、その表示範囲距離以内に存在する目標物の識別マーク8および交通指示マーク9だけを抽出して格納する。
【0051】
また、図4に示すように、現在位置Pからの走行距離が近い上位5つの目標物については、大きい識別マーク8を取得し、それ以外の目標物については小さい識別マーク8を対応付ける。また、大きい識別マーク8と同じ距離範囲内に存在する交通指示情報については、大きい交通指示マーク9を取得し、それ以外の交通指示情報については、小さい交通指示マーク9を取得する。さらに、大きい識別マーク8および大きい交通指示マーク9については、その表示位置が現在位置Pから近い順に下方から上方へと位置がずらされて表示される。一方、小さい識別マーク8および小さい交通指示マーク9は、その表示位置が全て上方位置において横一列に並べられて表示される。また、横断を妨げる障害物が存在する目標物については、他の目標物の識別マーク8よりも目立たない識別マーク8を取得する。
【0052】
一方、道路地図描画部79は、現在位置Pから第1通過地点Qまでの誘導経路Uを三次元地図で描画し、第1通過地点Qから第2通過地点Rまでの誘導経路Uを固定縮尺の二次元地図で描画し、第2通過地点Rから目的地Sまでの誘導経路Uを可変縮尺の二次元地図で描画する。そして、これら各道路地図の経路末端が連続的に接続するように連結した道路地図データを生成した後、画像メモリ6に格納する(ステップS11)。このとき、ステップS10において画像メモリ6に格納された各種のマークは、主に現在位置Pから数キロ先までの情報であるから、位置づけとしては二次元固定縮尺表示エリア54に表示するのが現実の状況と合致し、ドライバーにとって把握しやすい。そこで、前記識別マーク8および交通指示マーク9を二次元固定縮尺表示エリア54に対応する道路地図データに重ね合わせて、これを画像データとして画像メモリ6に格納するようになっている。
【0053】
つぎに、画像表示手段5は、画像メモリ6に格納された画像データに基づいて、現在位置Pから目的地Sまでの道路地図を表示するとともに、二次元固定縮尺表示エリア54には、識別マーク8および交通指示マーク9を表示する(ステップS12)。これにより、右側表示エリア51には、誘導経路Uの進行方向に対して右側に存在する目標物の識別マーク8および交通指示マーク9が表示され、左側表示エリア52には、進行方向の左側に存在する目標物の識別マーク8および交通指示マーク9が表示される。この際、交通指示マーク9は、一目で目標物との見分けができるため、縦方向にずらされる幅が他の目標物の半分程度に設定されており、縦方向の表示エリアを効率的に使用している。
【0054】
本実施形態の沿線地図表示プログラムが実行されている間、表示更新部78は、所定時間間隔で位置検出手段から現在位置Pを取得し、車両が移動したか否かを判別している(ステップS13)。そして、車両が移動していないときは(ステップS13:NO)、ステップS12へと戻り、車両の移動が検出されるまで同じ道路地図および識別マーク8等を表示する。一方、車両が移動したことを判別すると(ステップS13:YES)、ステップS14へと進み、現在位置Pから各目標物および各曲折地点までの距離を通過基準閾値と比較し、車両が各目標物および各曲折地点を通過したか否かを判別する(ステップS14)。
【0055】
ステップS14において、車両がいずれの目標物および曲折地点も通過していないと判別されると(ステップS14:NO)、さらに、画面の表示可能数に空きがあり、かつ、それまで非表示であった目標物および曲折地点が車両の走行に伴って表示範囲距離内に入ったか否かが判別される(ステップS15)。その結果、表示可能数に空きが無い場合、あるいは、いずれの目標物および曲折地点も表示範囲距離内に入っていない場合(ステップS15:NO)、ステップS11へと戻り、新たな現在位置Pから目的地Sまでの誘導経路Uに対応する道路地図が描画される。以降、上述したステップS12を経由して、識別マーク8等が道路地図に重ね合わせて表示される。これにより、画像表示手段5においては、車両の移動に合わせてリアルタイムで道路地図のみが更新される。
【0056】
一方、ステップS14において、車両がいずれかの目標物あるいは曲折地点を通過したと判別された場合(ステップS14:YES)、若しくは、表示可能数に空きがあり、かつ、非表示であった目標物や曲折地点が車両の走行に伴って表示範囲距離内に入ったと判別された場合(ステップS15:YES)、表示更新部78が、当該目標物の識別マーク8あるいは曲折地点の交通指示マーク9について、上述したような各種の表示更新処理を実行する(ステップS16)。その後、ステップS10へと戻り、上述した処理を繰り返すことにより、画像表示手段5では、車両の移動に合わせてリアルタイムで道路地図および識別マーク8等の双方が更新される。なお、画像表示手段5に表示される道路地図および識別マーク8等は、前記所定時間を短時間に設定するほど車両の移動に合わせて円滑に更新される。
【0057】
つぎに、目標物等の表示が更新される状態を模式図を使用して説明する。図3に示すような誘導経路Uにおいて車両が地点P1から地点P7へと移動する場合、画像表示手段5には図4および図6〜図11に示すような画像が表示される。通過段階ごとに説明すると、まず図4では、現在位置Pから近い順に、A,B,Cの目標物が現れ、その後に交差点を右折し、D,Eが順次現れることが一目で把握できる。このうち、右側にはAとCの目標物が存在し、左側にはB,D,Eの目標物が存在することもほぼ瞬間的に把握できる。そして、若干遠方には、左側に目標物I,Jが現れた後に左折することがわかる。また、右側には横断が困難な目標物F,G,Hが存在した後に左折地点となり、左折後Kが現れることが感覚的に把握できる。
【0058】
つづいて、車両が図3中の地点P2まで移動したとき、目標物Aを通過することになり、図6に示すような画面に更新される。つまり、目標物Aの識別マーク8が消去されて、その他の識別マーク8と交通指示マーク9が内側に移動されるとともに、右側表示エリア51の最後尾に新たな目標物Kの識別マーク8が表示される。また、5番目に近傍位置にある目標物Fの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更される。さらに、大きい識別マーク8(C,D,E,F)および大きい交通指示マーク9は縦方向も変更され、それぞれ一段ずつ下方にずらされる。
【0059】
つづいて、車両が図3中の地点P3まで移動したとき、目標物Bを通過することになり、図7に示すような画面に更新される。つまり、目標物Bの識別マーク8が消去されて、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動されるとともに、左側表示エリア52の最後尾に新たな目標物Lの識別マーク8および曲折地点C3の右折マークが表示される。また、大きい右折指示マークおよび大きい識別マーク8(D,E)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。一方、右側表示エリア51では、目標物Gの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更されるとともに、大きい識別マーク8(C,F,G)および大きい右折指示マークがそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。
【0060】
さらに、車両が図3中の地点P4まで移動したとき、目標物Cを通過することになり、図8に示すような画面に更新される。つまり、右側表示エリア51の目標物Cの識別マーク8が消去されて、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動され、右端に曲折地点C3の右折指示マークが新たに表示される。また、5番目に近い目標物Hの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更されるとともに、大きい右折指示マークおよび大きい識別マーク8(F,G,H)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。一方、左側表示エリア52では、大きい右折指示マークおよび大きい識別マーク8(D,E)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。これにより、ドライバーは右折がすぐ近くに迫っていることが把握でき、右折後すぐに目標物D,Eが左側に現れることが感覚的に把握できる。
【0061】
つづいて、車両が図3中の地点P5まで移動したとき、曲折地点C1を通過することになり、図9に示すような画面に更新される。つまり、左右双方の表示エリアにおいて、右折指示マークが消去されるとともに、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動される。そして、左側表示エリア52には、最後尾に新たな目標物Nの識別マーク8が表示される。一方、右側表示エリア51には、最後尾に新たな目標物Qの識別マーク8が表示されるる、なお、交通指示マーク9と目標物の識別マーク8とは段差の程度を変えているため、交通指示マーク9が消去されても、前記識別マーク8の縦方向の位置がずらされない。
【0062】
さらに、車両が図3中の地点P6まで移動したとき、目標物Dを通過することになり、図10に示すような画面に更新される。つまり、左側表示エリア52の目標物Dの識別マーク8が消去されるとともに、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動され、左端に新たな目標物Oの識別マーク8が表示される。また、5番目に近い目標物としてIの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更される。さらに、左右の表示エリアにおける大きい識別マーク8(E,I,F,G,H)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。
【0063】
最後に、車両が図3中の地点P7まで移動したとき、目標物Eを通過することになり、図11に示すような画面に更新される。つまり、左側表示エリア52の目標物Eの識別マーク8が消去されるとともに、その他の識別マーク8および交通指示マーク9が内側に移動され、左端に新たな目標物Pの識別マーク8が表示される。また、5番目に近い目標物Jの識別マーク8が大きい識別マーク8に変更される。さらに、左右の表示エリアにおける大きい識別マーク8(I,J,F,G,H)がそれぞれ一段ずつ下方にずらされて表示される。これにより、横断できない目標物が続くが、その後はすぐに左側にIとJの目標物が現れることが容易に把握できる。そして、目標物Jを通過するとすぐに左折地点が訪れることも容易に理解できる。
【0064】
以上のような本実施形態の沿線目標物表示装置1および沿線目標物表示プログラムによれば、以下のような効果を奏することができる。すなわち、
1.現在位置Pから目標物および右左折の交通指示までの遠近関係を画像表示手段5の「縦方向」および「横方向」の両方向の配列順を使って表示するため、表示スペースを無駄なく有効に利用できる。また、これによりドライバーにとって極めて有用な「現在位置Pから数キロ先までの目標物情報等」を充分な数で、かつ、把握しやすい表示を実現できる。
2.誘導経路Uの左右に存在する目標物を表示する際、表示エリアを右側表示エリア51と左側表示エリア52とに明確に区別して表示するとともに、各表示エリア内では目標物を通過する度に各識別マーク8を順次、外側から中央の内側へ近づけるように表示を更新するため、ドライバーにとって最も見やすい位置に最接近している目標物を表示することになり、有用な情報を一目で確認することができる。
3.また、全ての目標物の識別マーク8を同じように表示したのでは、運転中にチラッと見ても漫然とした情報の集合として理解しにくい場合がある。そこで本実施形態では、運転中の情報としての重要度に応じて重みづけされた表示処理がなされている。例えば、現在位置Pにより近い目標物を他よりも大きく表示して接近している目標物の情報を優先的に把握できるようにしたり、さらに接近した目標物については左右の目標物の遠近差を縦方向に位置をずらすことで把握できるようにしたり、中央分離帯などの障害によって実際には右側に横断できない目標物を目立たなくする表示処理を行ったり、表示スペースの空きに関わりなく現在位置Pから所定距離以上離れた遠方の目標物を表示しないように処理されている。これにより、運転中に必要な情報を効率的にドライバーへ伝えることができるし、ドライバーは一見して視覚的、感覚的に情報を取得することができる。
4.また、目標物の識別マーク8だけでなく、左折指示や右折指示の交通指示マーク9を挿入して同時に表示することにより、目標物と右左折地点とを同時に関連づけて記憶することができ、右左折のタイミングなどを間違いにくくし、安心して運転することができる等の効果を奏する。
【0065】
なお、本発明に係る沿線目標物表示装置1および沿線目標物表示プログラムは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
【0066】
例えば、上述した実施形態では、画像表示手段5を三次元表示エリア53と、二次元固定縮尺表示エリア54と、二次元可変縮尺表示エリア55とから構成し、二次元固定縮尺表示エリア54内に識別マーク8および交通指示マーク9を表示させているが、これに限られるものではなく、通常の一般的な道路地図上に重ねて表示させてもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、本発明に係る沿線目標物表示装置1をカーナビゲーション装置に適用した例について説明したが、これに限られるものではなく、携帯電話等の携帯端末に実装される歩行者用のナビゲーション装置に適用してもよい。
【0068】
さらに、画像表示手段5は液晶画面やプラズマ画面等の通常使用される画面の他、自動車のフロントガラスを利用して目標物を投影したり、有機エレクトロルミネッセンスを埋設して表示してもよく、表示対象を限定する必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る沿線目標物表示装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の画像表示手段を示す模式図である。
【図3】本実施形態において、車両が実際に走行する経路を示す模式図である。
【図4】本実施形態において、現在位置が地点P1のときに表示される画像の一例を示す模式図である。
【図5】本実施形態の沿線目標物表示装置の動作を説明するフローチャート図である。
【図6】本実施形態において、現在位置が地点P2へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図7】本実施形態において、現在位置が地点P3へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図8】本実施形態において、現在位置が地点P4へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図9】本実施形態において、現在位置が地点P5へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図10】本実施形態において、現在位置が地点P6へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【図11】本実施形態において、現在位置が地点P7へ移動したときに表示される画像を示す模式図である。
【符号の説明】
【0070】
1 沿線目標物表示装置
2 位置検出手段
3 入力手段
4 記憶手段
5 画像表示手段
6 画像メモリ
7 演算処理手段
8 識別マーク
9 交通指示マーク
51 右側表示エリア
52 左側表示エリア
53 三次元表示エリア
54 二次元固定縮尺表示エリア
55 二次元可変縮尺表示エリア
71 経路探索部
72 目標物情報取得部
73 左右判別部
74 遠近判別部
75 目標物表示部
76 交通指示情報取得部
77 交通指示マーク表示部
78 表示更新部
79 道路地図描画部
O 左右中央線
P 現在位置
Q 第1通過地点
R 第2通過地点
S 目的地
U 誘導経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段に記憶されている道路地図情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索し、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示する沿線目標物表示装置であって、
前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得手段と、
各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別手段と、
各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別手段と、
前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示手段と、
表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新手段と
を有することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項2】
請求項1において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークを、現在位置からの近さ順に前記画像表示手段における縦方向の位置をずらして表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項3】
請求項1において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークのうち、現在位置に近い所定数の目標物の識別マークについては、それより遠方にある目標物の識別マークより大きく表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項4】
請求項3において、前記目標物表示手段は、大きく表示される識別マークについては現在位置からの近さ順に応じて前記画像表示手段の縦方向に位置をずらして配置し、これらよりも遠方の小さく表示される識別マークは一列に並べて表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項5】
請求項1において、前記目標物表示手段は、誘導沿線上の目標物のうち、現在位置から所定の距離以内に存在する目標物あるいは前記画像表示手段に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ識別マークを表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項6】
請求項1において、前記記憶手段から右折指示や左折指示等の交通指示情報を取得する交通指示情報取得手段と、
取得された交通指示情報を交通指示マークとして左側表示エリアおよび右側表示エリアの両方のエリアに、各目標物の識別マークと共に現在位置からの近さ順に表示する交通指示マーク表示手段とを有することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項7】
請求項1において、前記目標物表示手段は、中央分離帯等の横断を妨げる障害物が存在する目標物の識別マークについて、他の目標物に比べて目立たなくする処理を施して表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項8】
コンピュータに、記憶手段に記憶されている道路情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索させ、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示させるプログラムであって、
前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得ステップと、
各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別ステップと、
各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別ステップと、
前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示ステップと、
表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項9】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークを、現在位置からの近さ順に前記画像表示手段における縦方向の位置をずらして表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項10】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークのうち、現在位置に近い所定数の目標物の識別マークについては、それより遠方にある目標物の識別マークより大きく表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項11】
請求項10において、前記目標物表示ステップは、大きく表示される識別マークについては現在位置からの近さ順に応じて前記画像表示手段の縦方向に位置をずらして配置し、これらよりも遠方の小さく表示される識別マークは一列に並べて表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項12】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、誘導沿線上の目標物のうち、現在位置から所定の距離以内に存在する目標物あるいは前記画像表示手段に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ取得して識別マークを表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項13】
請求項8において、前記記憶手段から右折指示や左折指示等の交通指示情報を取得する交通指示情報取得ステップと、
取得された交通指示情報を交通指示マークとして左側表示エリアおよび右側表示エリアの両方のエリアに、各目標物の識別マークと共に現在位置からの近さ順に表示する交通指示マーク表示ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項14】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、中央分離帯等の横断を妨げる障害物が存在する目標物の識別マークについて、他の目標物に比べて目立たなくする処理を施して表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項1】
記憶手段に記憶されている道路地図情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索し、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示する沿線目標物表示装置であって、
前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得手段と、
各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別手段と、
各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別手段と、
前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示手段と、
表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新手段と
を有することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項2】
請求項1において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークを、現在位置からの近さ順に前記画像表示手段における縦方向の位置をずらして表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項3】
請求項1において、前記目標物表示手段は、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークのうち、現在位置に近い所定数の目標物の識別マークについては、それより遠方にある目標物の識別マークより大きく表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項4】
請求項3において、前記目標物表示手段は、大きく表示される識別マークについては現在位置からの近さ順に応じて前記画像表示手段の縦方向に位置をずらして配置し、これらよりも遠方の小さく表示される識別マークは一列に並べて表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項5】
請求項1において、前記目標物表示手段は、誘導沿線上の目標物のうち、現在位置から所定の距離以内に存在する目標物あるいは前記画像表示手段に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ識別マークを表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項6】
請求項1において、前記記憶手段から右折指示や左折指示等の交通指示情報を取得する交通指示情報取得手段と、
取得された交通指示情報を交通指示マークとして左側表示エリアおよび右側表示エリアの両方のエリアに、各目標物の識別マークと共に現在位置からの近さ順に表示する交通指示マーク表示手段とを有することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項7】
請求項1において、前記目標物表示手段は、中央分離帯等の横断を妨げる障害物が存在する目標物の識別マークについて、他の目標物に比べて目立たなくする処理を施して表示することを特徴とする沿線目標物表示装置。
【請求項8】
コンピュータに、記憶手段に記憶されている道路情報に基づいて現在位置から目的地までの誘導経路を検索させ、この誘導経路に沿って存在する目標物を画像表示手段に表示させるプログラムであって、
前記誘導経路に沿って存在する目標物情報を前記記憶手段から取得する目標物情報取得ステップと、
各目標物が前記誘導経路上の左右いずれに存在するのかを判別する左右判別ステップと、
各目標物について現在位置からの遠近関係を判別する遠近判別ステップと、
前記画像表示手段に左側表示エリアと右側表示エリアとを設定し、前記左側表示エリアには前記誘導経路の左側に存在する目標物の識別マークを表示するとともに、前記右側表示エリアには前記誘導経路の右側に存在する目標物の識別マークを表示し、かつ、各表示エリア内の各目標物の識別マークを内側から外側へ現在位置からの近さ順で横方向に配列して表示する目標物表示ステップと、
表示されている前記目標物を通過したとき、当該目標物の識別マークを前記表示エリアから消去するとともに、当該表示エリア内の他の識別マークを順次、内側へ移動させた表示に更新する表示更新ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項9】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークを、現在位置からの近さ順に前記画像表示手段における縦方向の位置をずらして表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項10】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、左側表示エリアおよび右側表示エリアに表示される各識別マークのうち、現在位置に近い所定数の目標物の識別マークについては、それより遠方にある目標物の識別マークより大きく表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項11】
請求項10において、前記目標物表示ステップは、大きく表示される識別マークについては現在位置からの近さ順に応じて前記画像表示手段の縦方向に位置をずらして配置し、これらよりも遠方の小さく表示される識別マークは一列に並べて表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項12】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、誘導沿線上の目標物のうち、現在位置から所定の距離以内に存在する目標物あるいは前記画像表示手段に表示可能な数の目標物のいずれか少ない方の目標物についてのみ取得して識別マークを表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項13】
請求項8において、前記記憶手段から右折指示や左折指示等の交通指示情報を取得する交通指示情報取得ステップと、
取得された交通指示情報を交通指示マークとして左側表示エリアおよび右側表示エリアの両方のエリアに、各目標物の識別マークと共に現在位置からの近さ順に表示する交通指示マーク表示ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【請求項14】
請求項8において、前記目標物表示ステップは、中央分離帯等の横断を妨げる障害物が存在する目標物の識別マークについて、他の目標物に比べて目立たなくする処理を施して表示することを特徴とする沿線目標物表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−242810(P2006−242810A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−60298(P2005−60298)
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(399063552)株式会社シーズ・ラボ (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月4日(2005.3.4)
【出願人】(399063552)株式会社シーズ・ラボ (5)
【Fターム(参考)】
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