説明

活性物質の生体内利用効率を高めるためのガラクトマンナン及び/又はグルコマンナン

本発明は、例えばヒトの成長ホルモンHGHなどの活性物質を人間又は動物の新陳代謝に導入するため、ガラクトマンナン、グルコマンナンなどの多糖類を使用することによって栄養素の生体利用効率を高める方法に関する。本発明の目的は、ガラクトマンナン及びグルコマンナンなどの多糖類がヒト成長ホルモンなどの活性物質を人間又は動物の新陳代謝に導入するのに適するように、それらの多糖類の製造面を改良することにある。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
米国特許第4,675,312号には、ガラクトマンナン粉末において粘度及び粘着性などの他の問題を回避することにより、摂取状態の改善を計ることを目的とした多糖類凝集体の製造が開示されている。
【0002】
この製造は異なった2つの物質によって実現される。すなわち、1つはガラクトマンナンであり、他の1つはそれから分離された凝集生成体である。
【0003】
凝集生成体の選択に関しては、この目的に利用できるものなら殆ど制限はない。これは、水供給体としてのみ定義付けされており、動物及び/又は植物に由来するものが使用できる。凝集生成体の顆粒全体に占める割合は5から40%である。そのような凝集生成体の例としては、馬鈴薯、ミルク及び果物がある。
【0004】
それに対して、米国特許第4,675,312号には、ガラクトマンナン及びそれに関連する凝集生成体から成る顆粒の製造が記述されている。
【0005】
この米国特許では、当該顆粒については、繊維質としての使用としか触れていない。完成した混合物は腸液と共に製品の膨潤に寄与する液体と一緒に摂取される。したがって、健康上の効用は、結果として加えられた繊維質の割合によって決められるものである。
【0006】
しかし、この公報は、活性物質の組み込みのためにどのようなものがこのような顆粒を使用するのかについて開示していない。特に、人間又は動物の体内への成長ホルモンHGHの導入については読み取ることができなかった。
【0007】
HGHは計188のアミノ酸から成っていて長鎖ペプチドの形態を取るが、それの人間又は動物の体内への摂取は困難を伴わずには行えなかった。
以 上より、本発明の目的は、米国特許第4,675,312号で特定されたガラクトマンナン及びグルコマンナンのような多糖類の製造をさらに改良して、例えば、ヒト成長ホルモンのような活性物質を人間又は動物の新陳代謝に貢献できるようにすることである。
【0008】
この目的を達成するために、本発明は請求項1に記載された技術的思想を特徴とするものである。
【0009】
人間及び動物が経口摂取する顆粒の使用について記述する。HGHなどの水溶性活性物質の新規な吸収運動が特許請求されている。水溶性活性物質を遅れて放出するという観点からは、水の顆粒への浸透遅延は利点となる。脂溶性活性物質が油性懸濁液に投入され、その結果吸収は摂取に依存しなくなる。
【0010】
本発明は、記載された顆粒の個々の組み合わせの可能性とそれらの人体に対する有効性を記載するものである。
【0011】
つまり、本発明は次の特徴を有する。すなわち、植物材料の使用と、多糖類のキャリアと、様々な領域(老化防止、競技スポーツ)への適用である。
【0012】
活性物質は個々に、又は、複合物として別々に植物性マトリックス(多糖類/グアル)に埋め込まれる。
【0013】
利点は、活性物質の血液内への遅滞気味の緩慢な放出、様々な活性物質間の望ましくない相互作用(拮抗作用)の排除及び小腸における吸収表面積の拡大である。
【0014】
単一の製品及び半製品としての複合物の生産によって、人間用及び動物用の個々の活性物質製品をもっとも簡単に、しかも完全に製造することが可能になる。
【0015】
個別の製品の簡易製造のための「ユニットシステム」と活力物質の植物性多糖類(例えばグアル)への特別な埋め込みとの組み合わせは、とりわけ本発明の核心部分として特許請求の対象である。
【0016】
次表では番号1として挙げた活性物質HGHの他に、HGHと共に人間又は動物の体内に導入されるともられる別の活性物質を幾つか列挙してある。物質1とその他の物質2から15の物質の任意の組み合わせはいずれも本発明の主要部分として特許請求されている。
【0017】
【表1】

【0018】
新陳代謝に重要な役割を担うことのできる物質を、以下では活性物質又は活力物質と称する。活性物質としては、表1のビタミン、ミネラル物質、微量元素、植物内包成分、アミノ酸、補酵素及びその他新陳代謝活性物質がその対象になり得る。しかし、本発明の場合、表1に列挙された活性物質にだけ限定されるわけではない。
【0019】
活性物質は水に溶けるが、ただし脂溶性活性物質の場合では水に懸濁する。この溶液又は懸濁液を精製された多糖類に緩やかに投入し混合する。生じたゲルは、温度又は酸素に対して一部敏感なところのある活性物質が破壊されることのないように、当該物質が傷つかないような方法で乾燥される。
【0020】
乾燥によって生じたケーキ状のものは粉砕して所定の粒度(好ましくは0.2から2mm)に篩い分けする。そのようにして得られた顆粒は残留湿分が約5乃至7%なので微生物に対して安定である。
【0021】
この顆粒は摂取時に膨潤し始め、組み込まれた活性物質は人間又は動物の消化系によって吸収されるべく緩やかに遊離する。そうしてゲルが形成される。多糖類マトリックスは高密度であるため、膨潤過程が腸組織内に入ってからでないと進行しないのは確実である。膨潤過程の間、マトリックスは水を連続的に吸収して弛緩する。この弛緩の進行と共に、埋め込まれた活性物質がマトリックスから拡散可能になり、したがって吸収も可能になる。このような状況下で、吸収に供される活性物質の量は生理的濃度を越えることはないが、カプセル又は旧来の摂取形態における活性物質の遊離ではこれが起こり得る。
【0022】
消化過程を通じての多糖類ゲルの連続的溶解が、組み込まれた活性物質の時間的ズレのある遅延放出を惹起する。この様な挙動により、ビタミン又はその他の活性物質の体内摂取の自然な割合との広範囲に亘る調和が得られる。果物、野菜、肉、穀物はコロイド系であるが、ガラクトマンナン又はグルコマンナンはハイドロコロイドである。
【0023】
組み込まれた活性物質の生体内利用効率はそれによって高められる。現状の技術水準に基づいてこれ迄実施されてきたカプセル、錠剤又は粉末の摂取では、活性物質の血中濃度が非生理的に急上昇し、そのためより急激に排泄されてしまい、時には全く吸収されない場合さえある。活性物質の遅延放出は、上記の埋め込みによって達成することができる。活性物質の多糖類への埋め込みによって達成し得る吸収運動は図1に図示されている。
【0024】
実施例1:
活性物質としての補酵素Q10を含む顆粒の製造:
62kgのグアル粉をミキサー内に用意し、次に18kgの補酵素Q10と18kgの抗酸化剤としてのDL−アルファ酢酸トコフェロールとからなる溶液を15kgのイソプロピルアルコールに添加する。これらを混合し、続いて水を加えて生成物の水分を最大限に上げる。水の添加により多糖類マトリックスは膨潤し始め、活性物質の補酵素Q10は多糖類鎖を通って浸透し固定化される。続く真空条件下での乾燥により、室温での残留湿分が5から7%になるまで生成物から湿分を取り除き、それにより生成物を安定化させる。乾燥によって生成されたケーキ状のものを砕き、篩い分けにより所望の粒径0.2から2mmに調整する。
【0025】
実施例2:
ビタミンCの顆粒製造:
10kgのアスコルビン酸を50リットルの水に溶かす。ミキサー内に30kgのグアル粉及び30kgのコンニャク粉を用意し、そこへアスコルビン酸溶液を加える。混合のあいだ、いずれの場合もさらに水を追加して含湿分を達成可能な最大限の水準に調整する。混合ペーストを冷凍、粉砕し、続いて凍結乾燥させる。乾燥によって生成されたケーキ状のものを砕き、篩い分けにより所望の粒径0.2から2mmに調整する。
【0026】
実施例3:
微量元素の顆粒製造:
10リットルの水に480gの硫酸銅を溶かした溶液、10リットルの水に3.2kgの硫酸亜鉛へプタ水化物を溶かした第2の溶液、並びに、5リットルの水に5gの亜セレン酸ナトリウムペンタ水化物を溶かした第3の溶液を調製する。ミキサーに22kgのグアル及び7kgの馬鈴薯澱粉を用意し混合する。その後個々の溶液を順番に加えて混和させる。水を加えて達成可能な最大限の湿分に調整する。続く熱空気流での乾燥により、残留湿分が5から7%になるまで生成物から湿分を取り除く。乾燥によって生成されたケーキ状のものを砕き、篩い分けにより所望の粒径0.2から2mmに調整する。
【0027】
上記より、次の特徴を本発明の本質部分として特許請求する。すなわち、組み込まれた活性物質の遅延効果と、製剤内にしろ胃腸管路にしろ、活性物質間での望ましくない相互作用の阻止と、担体物質(水溶性で非消化性の多糖類)の自然に近い放出特性と、それによる吸収特性の改善と、小腸において大きな吸収表面を構成することによる吸収特性の改善である。
【0028】
本発明の主題は、特許請求の範囲の個別の請求項の主題からだけでなく、個々の請求項の相互組み合わせからも導き出せる。
【0029】
要約に開示された情報と特徴を含め、ここに開示されたすべての情報と特徴、特に図面に描かれた立体的形態は、それらが単独の状態で、又は組み合わせたときに技術水準に比べ新規である限り、本発明に欠くことができないものとして記載されている。
【0030】
以下では本発明を、幾つかの実施の形態を示した図面を参照してより詳しく説明する。その場合、図面及びそれに対応する説明から、発明にとって欠くことのできない更なる発明の特徴や利点が明らかになる。
【0031】
図1は、異なった2つの活性物質メカニズムを通して、人間又は動物の体内における活性物質の放出状況を描いた比較を示している。
【0032】
縦軸は血中活性物質濃度を、横軸は時間を表わしている。
【0033】
曲線Yは、従来型活性物質について人間又は動物の体内への移行経過を示したものである。それより明らかなように、ほぼ放物線の経過を辿っている。すなわち、活性物質濃度は上昇局面の曲線分枝12では1時間後には既に頂点13に達して非常な急上昇を見せるが、下降局面の曲線分枝14領域では非常な急降下を見せる。
【0034】
これより、活性物質の生体内利用効率は短時間しか有効でないことが分かる。
さらに、急傾斜の曲線分枝12、14及びその間にある高い頂点13から、非生理的な高い活性物質濃度が(時には望ましくない状態で)現われることが明らかである。ここに示された本発明の当該曲線Xは平坦に延びた形態をしているが、それは多糖類に組み込まれた活性物質及びそれの人間又は動物の体内血液中への移行を表わしている。曲線分枝15の領域では活性物質の濃度は長い時間かけて上昇し、不明瞭な頂点16しか形成していないが、このことが望ましくないほど高い非生理的な過供給を懸念する必要のないことを証明している。曲線分枝17の領域における活性物質の減少にしても非常に僅かであり、図1のグラフから明らかなように、頂点16で比較的高い活性物質濃度が非常に長い時間維持される。
【0035】
以上の通り、曲線Yと曲線Xとの比較から、本発明の技術的対策により活性物質の高い血中濃度を長い時間に亘って維持できることが明らかである。
【0036】
このグラフは、活性物質の多糖類への埋め込みによる所望の吸収遅滞の達成可能性を図示している。このことは、人間及び/又は動物の新陳代謝における活性物質のより均一な供給及びより良好な利用を意味している。
【0037】
図2には多数の顆粒粒子2、3から成る一例としての顆粒1が例示されている。
【0038】
一つの顆粒粒子には、例えば、上記実施例2に記述されているようにアスコルビン酸が埋め込まれている。
別な顆粒粒子3には、例えば、図ではHGH複合物として描かれている成長ホルモンHGHが埋め込まれている。この組込メカニズムについては前記実施例3の説明で触れている。
【0039】
重要なのは、両顆粒粒子2、3が完全に機能分離していて混ざり合わないこと、あるいは望ましくない状態で相互作用を起こさないことである。
【0040】
活性物質(アスコルビン酸及び亜セレン酸塩)はそれぞれ異なった顆粒粒子2、3に組み込まれているので、胃腸管路におけるこれら活性物質間の望ましくない相互作用は阻止される。
【0041】
HGH複合物7の組込についての詳細を、図3乃至図5を参照してより詳しく説明する。
【0042】
顆粒粒子3の電子顕微鏡による拡大表示によれば、これは格子構造4を形成する多数の網状又は格子状の多糖類分子5から構成されているのが分かる。
【0043】
この格子構造4の間隙6内にはHGH複合物7が挿入され、配位結合により多糖類分子5の格子構造4に結び付いている。
【0044】
なお、多糖類分子5自体はそれぞれさらに図に描かれた、糸状構造を完全に包囲して遮断しているH2Oのシェルによって取り囲まれていることを付け加えておく。
【0045】
さらに拡大したのが図4であり、それより明らかなように、糸状の多糖類分子5には、多糖類分子5の構成成分でもあるOH基が付加されている。
【0046】
分子5間の間隙6には、前記の配位結合に基づいてHGH複合物7が含まれている。この場合、HGH複合物は多価で正荷電であるが、一方、OH基8は局部的な負の電荷を有している。
【0047】
このようにして、HGH複合物は上記の配位結合に基づいて、糸状の多糖類イオン間の間隙6内に保持される。
【0048】
それにより遅延放出が助成される。なぜならば、図4にあるように水が浸入してきた場合、図5に示すような反応運動が展開されるからである。
【0049】
そこでも、水のシェルで取り囲まれた多糖類分子5は間隙では水の分子を通して互に接合されているのが、さらにその間隙内にはやはりHGH複合物7が存在しているのが認められる。
【0050】
水又は組織間液が間隙6内に浸入すると、分子5間の結合が一部解消されて、それら分子は互いに二次元的に矢印方向10、11に移動する。
【0051】
このように、多糖類分子5間の結合が一部解消されて、HGH複合物7が周囲の液体に放出される。
【0052】
多糖類分子5間の間隙6ではなお一又はそれ以上の部分的な接着接合が存在している状態であるので、遅延された放出が実現される。さらに、個々の糸が、浸入してくる水又は組織間液によって層単位で剥がされ、したがって、また、格子構造も層単位で崩されて、その結果間隙6内に存在するHGH複合物7が遊離することからも、遅延された放出が実現される。
【0053】
以下では、上記の水化物シェル9が如何にして形成されるかについて補足説明する。
【0054】
乾燥粉では、ガラクトマンナン繊維が非常に緊密に絡みあっている。この網状組織に水を混入することで繊維が弛緩し、上記の水化物シェル9によって取り囲まれる。
【0055】
このように本発明の方法では、多糖類分子5が上記の水化物シェル(H2Oシェル9)で取り囲まれるように、その格子構造を構成することに成功している。
【0056】
この水化物シェルは、図5の反応運動を手掛かりに説明したように、個々の多糖類分子5間の中間結合を担っている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
各図はそれぞれ次の通りである:
【図1】多糖類に組み込まれた活性物質との比較で見た従来の製剤における活性物質の放出運動を示す比較図である。
【図2】個々の顆粒粒子から成る顆粒を示す略式拡大図である。
【図3】HGH複合物の組み込まれた状態の顆粒粒子を示す略式拡大図である。
【図4】図3をさらに拡大した略図である。
【図5】水の浸入時の分子構成における機能的運動を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 顆粒
2 顆粒粒子(アスコルビン酸)
3 顆粒粒子(亜セレン酸塩)
4 格子構造
5 多糖類分子
6 間隙
7 HGH複合物
8 OH基
9 H2Oシェル
10 矢印方向
11 矢印方向
12 曲線分枝
13 頂点
14 曲線分枝
15 曲線分枝
16 頂点
17 曲線分枝


【特許請求の範囲】
【請求項1】
栄養効果に対して有効な量の少なくとも1つの補給栄養素、および、十分な量のガラクトマンナン及び/又はグルコマンナンの摂取を含めて、健康増進を希求する被験者における活力物質についての栄養素の生体内利用効率を高めるための方法であって、水溶性又は水に懸濁した状態の脂溶性の活性物質を、個別に又は複合物の場合には別々にしてそれぞれを機能的に互いに分離させて、多糖類の植物性マトリックスに埋め込み、それによって、それより得られた顆粒が摂取時には膨潤し、埋め込まれた活性物質が人間または動物の消化系による吸収のために遅延して遊離されることを特徴とする方法。
【請求項2】
HGH(ソマトトロピンベース)がガラクトマンナン及び/又はグルコマンナンに埋め込まれていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記の栄養物質が、薬草エキス、水溶性ビタミン、脂溶性ビタミン、アミノ酸、脂肪酸、ミネラル、抗酸化剤およびホルモンから成るグループから選択された、少なくとも1つの物質を含んでいることを特徴とする請求項1及び/又は2に記載の方法。
【請求項4】
上記の薬草エキスが、アシュワガンダ、ボスウェリン、カプサイシン、クルクミン、アザミ(ミルクシスル)エキス、スケレティウムおよびアユルヴェーダ薬草エキスから成るグループから選択されたものであることを特徴とする前記請求項のうちのいずれか一項に記載の方法
【請求項5】
上記の水溶性ビタミンが、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、イノシトール、パントテン酸およびビタミンCから成るグループから選択されたものであることと、脂溶性ビタミンが、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEおよびビオチンから成るグループから選択されたものであることを特徴とする前記請求項のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
上記の水溶性ビタミンが、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、イノシトール、パントテン酸およびビタミンCから選択されたグループから選択されたものであることと、脂溶性ビタミンが、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEおよびビオチンから成るグループから選択されたものであることを特徴とする前記請求項のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
上記の抗酸化剤が、混合カロチノイド、補酵素Q10、リコピン、ルテイン、ゼアキサンチン、バイオフラボノイド、ゲルマニウム、セレン、亜鉛、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、アルファリポ酸、ぶどう種子ファイトサム、緑茶エキスおよび松樹皮エキスから成るグループから選択されたものであることを特徴とする前記請求項のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
上記のアミノ酸がN−アセチル−システイン、アセチル−L−カルニチン、L−アルギニンHCL、L−カルニチン、エンドールフェニルD−フェニルアラニン、GABA、L−グルタミン、L−グリシン、L−ヒスチジン、L−リシン、L−メチオニン、L−およびDL−フェニルアラニン、プロリン、タウリン、5−ヒドロキシ−トリプトファン、L−チロシンから成るグループから選択されたものであることを特徴とする前記請求項のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
上記のミネラルが、カルシウム、クロム、銅、ゲルマニウム、ヨード、鉄、マグネシウム、マンガン、カルシウム、セレン、シリコン、バナディウム、亜鉛から成るグループから選択されたものであることを特徴とする前記請求項のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
活性物質を個別に又はそれが複合物の場合には別々に、それぞれ機能分離させて植物性マトリックスに埋め込むことを特徴とする前記請求項1から9のうちの一項又は複数項に記載した活性物質の吸収のためのガラクトマンナン、グルコマンナンなどのような多糖類の使用。
【請求項11】
活性物質がビタミン、ミネラル、微量元素、植物内包物質、アミノ酸、補酵素およびその他の新陳代謝活性物質であることを特徴とする前記請求項10に記載の使用。
【請求項12】
活性物質を水に溶解させるか、若しくは、脂溶性活性物質の場合にはそれを水に懸濁化させ、
溶液または懸濁液を精製多糖類に緩やかに投入して混合し、
生じたゲルを非損傷的な方法によって乾燥し、
該乾燥によって生じたケーキ状のものを粉砕して、更に、それを篩い分けして所望の粒径(好ましくは0.2から2mm)にすることを特徴とする前記請求項10及び11のうちの一項に記載の使用。
【請求項13】
顆粒(1)が多数の顆粒粒子2、3を有していて、第1の顆粒粒子には第1の活性物質が、第2の顆粒粒子には第2の活性物質が埋め込まれていることを特徴とする前記請求項10から12のうちのいずれか一項に記載の多糖類。
【請求項14】
前記顆粒粒子(2、3)が機能分離していて、互に望ましくない状態での相互作用を起こさないことを特徴とする前記請求項13に記載の多糖類。
【請求項15】
前記顆粒粒子(2、3)が、格子構造(4)を形成する多数の網状または格子状の多糖類分子(5)を有していて、それによって、格子構造(4)の間隙(6)に活性物質(7)のイオンが配位結合により多糖類分子(5)の格子構造(4)内に埋め込まれていることを特徴とする前記請求項10から14のうちのいずれか一項に記載の多糖類。
【請求項16】
多糖類分子(5)が、糸状構造を完全に包み込んで遮断するH2Oシェルを有していることを特徴とする前記請求項10から15のうちのいずれか一項に記載の多糖類。
【請求項17】
糸状の多糖類分子(5)が付加されたOH基を有していること、および、分子(5)間の間隙(6)に活性物質(7)のイオンが配位結合によって結び付いていることを特徴とする前記請求項10から16のうちのいずれか一項に記載の多糖類。
【請求項18】
水又は組織間液が分子(5)の間隙(6)に浸入することによってこれら分子が二次元で相互移動(矢印10、11の方向)することを特徴とする前記請求項10から17のうちのいずれか一項に記載の多糖類。
【請求項19】
個々の糸が、浸入してくる水又は組織間液によって層単位で引き離され、それにより格子構造も層単位で崩されて、その結果間隙(6)内に存在する活性物質(7)のイオンが遊離することによって活性物質の遅延した放出がなされることを特徴とする前記請求項10から18のうちのいずれか一項に記載の多糖類。
【請求項20】
糸状の分子が水化物コート層(H2Oシェル9)によって取り囲まれていることを特徴とする前記請求項10から19のうちのいずれか一項に記載の多糖類。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−524690(P2007−524690A)
【公表日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−553523(P2006−553523)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【国際出願番号】PCT/EP2005/001546
【国際公開番号】WO2005/079857
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(506279540)ヴェーリ・インター・アーゲー (1)
【Fターム(参考)】