説明

活性酸素消去剤、並びに該活性酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料

【課題】新規な活性酸素消去剤、活性酸素消去効果に優れた活性酸素消去用皮膚外用剤を提供する。
【解決手段】ビャクダン抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤、該消去剤を含有する、活性酸素消去用皮膚外用剤、及び化粧料であり、水性溶媒により抽出されたビャクダン抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤。皮膚に対する安全性が高く、皮膚外用剤の有効成分等として有用な、活性酸素消去剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性酸素消去剤に関する。より詳細には、有効成分として、水溶性溶媒によって抽出されたビャクダン抽出物を用いた活性酸素消去剤、並びに該活性酸素消去剤を用いた皮膚外用剤及び化粧料に関する。なお、本発明において、化粧料とは、薬用化粧料(医薬部外品)を含む概念である。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚の老化や、柔軟性、弾力性の低下、しわの増大、乾燥して滑らかさのない荒れ肌などの皮膚トラブルの原因としてさまざまな要因が考えられており、それらトラブルに対して様々なアプローチ法が研究されている。これらの皮膚トラブルが現れる原因物質の一つとして、大気中の酸素が紫外線や酵素等の影響を受けて生成するいわゆる活性酸素が考えられている。この活性酸素は、日常生活において、呼吸によって体内に入る酸素によっても、さらには喫煙、ストレスなどでも発生すると言われている。
【0003】
活性酸素には、ラジカルと非ラジカルとがある。一般的に、「ラジカル」には、フリーラジカルと呼ばれるスーパーオキシドやヒドロキシラジカルと、「非ラジカル」である一重項酸素や過酸化水素がある。この活性酸素は必要以上に体内外に存在すると、正常な細胞の細胞膜、DNA等に作用し、破壊することが知られている。また脂質を酸化して、過酸化脂質を生成することも知られている。これにより、アトピー症状の悪化、白内障、痛風、心筋梗塞、発ガンなど様々な疾病をも誘発する。生体に対しては、コラーゲン線維の架橋、ヒアルロン酸の断片化、DNA螺旋の部分開裂、連鎖的ラジカルの発生による組織の損傷等の悪影響を及ぼし、その結果として、皮膚のしわや弾力消失、脱毛といった生体の老化を促進するといわれている。
【0004】
したがって、活性酸素の生成を抑制することは、皮膚の老化を改善あるいは予防する点で皮膚にとって、あるいは生体内の組織等を正常に保つためにも、非常に重要なことである。そのため、従来、生体内に発生した活性酸素を消去する作用のある物質の探索が広く行われてきた。
【0005】
これまでにも、活性酸素消去能を有する物質を各種天然物から抽出し、化粧料や飲食品に配合して、皮膚の老化を防止しようとする試みがなされてきた。特許文献1では、ヒトリシズカ抽出物を有効成分とするラジカル消去剤が提案されている。これ以外にも特許文献2のように、ライチ種子抽出物に一重項酸素消去能があり、皮膚外用剤に配合すること等が提案されている。皮膚外用剤や化粧料等に配合される有効成分は、安全性も重要であることから、種々の植物抽出物が注目され、皮膚外用剤及び化粧料の有効成分として提案されている。
【0006】
ビャクダンの心材は古くから香木として使われ、またその精油成分は香料として化粧料に使用されている。さらにビャクダン中の精油成分を含有する香粧品は、鎮静、催眠効果を有するという報告がされている。
【0007】
具体的には、ビャクダン抽出物は、種々の機能が備えられた組成物などに広く利用されている。特許文献3では、ビャクダンを含む植物抽出物を化粧料または浴用剤、洗剤組成物に含有させることにより、皮膚又は毛髪の乾燥を防ぐことができる組成物が提案されている。同様に、特許文献4では、ビャクダン抽出物よりなる抑制剤を、化粧料全量に対して0.01〜10重量%配合する体毛除去処理に刺激を伴わない発毛抑制剤、及びこれを含有する化粧料が提案されている。
【0008】
しかしながら、ビャクダンに含まれる精油成分以外の成分については、あまり報告がない。特許文献5に示されるように、ビャクダン水抽出物に白色作用があり、化粧料に応用することができる点が報告されているが、活性酸素を消去する効果については記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−88072号公報
【特許文献2】特開2006−225342号公報
【特許文献3】特開2001−39823号公報
【特許文献4】特開平6−217535号公報
【特許文献5】特開平6−48931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、皮膚に対する安全性が高く、皮膚外用剤の有効成分等として有用な、活性酸素消去剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、活性酸素を消去することができる有効物質の探求を行った結果、ビャクダン水抽出物に着目し、ビャクダン水抽出物が活性酸素消去効果を有することを具体的に確認することに成功し、本発明を完成させるに至った。
【0012】
即ち、本発明では、まず、水溶性溶媒により抽出されたビャクダン抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤を提供する。
本発明に係る活性酸素除去剤に用いることができる前記ビャクダンの種類又は部位は特に限定されないが、本発明においては、ビャクダン科ビャクダン属ビャクダン(Santalaceae Santalum album Linne)を用いることができる。
【0013】
本発明に係る活性酸素除去剤は、薬理学的に許容され得る添加剤を添加した皮膚外用剤や化粧料に好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、皮膚に対する安全性が高く、皮膚外用剤の有効成分等として有用な、活性酸素消去剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0016】
本発明に係る活性酸素除去剤に用いることができるビャクダン抽出物としては、水性溶媒によって抽出されたビャクダン抽出物を用いることを特徴とする。本発明におけるビャクダン抽出物とはビャクダンの水性溶媒による抽出物であり、通常、芳香成分等として用いられる精油成分とは異なるものである。
【0017】
また、本発明に使用するビャクダンは、ビャクダン科ビャクダン属ビャクダン(Santalaceae Santalum album Linne)の水抽出物を有効成分とするものである。本発明に用いられるビャクダン水抽出物は、抽出部位についての制限はなく、ビャクダンの根、茎、葉、花序、果実、種子等いずれの部分の抽出物であってもよい。又、本発明の活性酸素消去剤には、ビャクダンの2箇所以上から得られた抽出物を混合してもよく、あるいは2箇所以上の部分から異なる溶媒により抽出された抽出物を二種以上混合して用いてもよい。
【0018】
この水抽出物は芳香成分である精油をほとんど全く含まないもので、化粧料に対する好ましい配合量は、固形分として0.0001質量%以上1.0質量%以下である。また、抽出温度も、特に限定されるものではなく、冷水抽出、常温抽出、微温抽出、加温抽出、加熱抽出することができる。
【0019】
具体的には、ビャクダンは、そのままの状態で溶媒中に浸漬してもよいし、練りつぶしたり、粉砕したものを溶媒中に浸漬してエキスを抽出してもよい。抽出時には、攪拌を行ってもよい。抽出は、ビャクダンを低温ないし加温下で溶媒中に所定の時間浸漬することによって実施できる。抽出溶媒としては、水性溶媒を用いることとする。水性溶媒とは、水のほか、エタノール、イソプロピルアルコールなどの低級アルコール類、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類等、水と相溶性の高いものをいい、単独あるいは2種以上混合したものを用いることができる。その中でも水が好ましく、また、酸やアルカリによってpHを調整したものも用いることができる。
【0020】
前記ビャクダン抽出物は、そのまま活性酸素消去剤、皮膚外用剤又は化粧料に配合してもよいし、適宜の期間そのまま放置し、熟成させた後に用いることもできる。必要ならば、効果に影響のない範囲で、さらにろ過やイオン交換樹脂等による脱臭、脱色等の精製処理を施した後に用いることもできる。又、液体クロマトグラフィー等の分離手段を用いて、活性の高い画分のみを用いることもできる。
【0021】
前記ビャクダン抽出物の好ましい調製方法の例としては、ビャクダン心材に水性溶媒を加え、加温抽出を行った後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮し乾燥させた後、水に溶解し、不溶物をろ過してビャクダン抽出液とすることができる。
【0022】
前記ビャクダン抽出物は、抽出液として、スプレードライ等により乾燥させて粉末状として、又は使用目的に合わせて乾燥固形分もしくは粉末を適切な溶媒と混合して用いることができる。即ち、液状、ペースト状、ゲル状等のいずれの形態で、活性酸素消去剤、皮膚外用剤又は化粧料の有効成分として用いてもよい。
【0023】
<活性酸素除去剤>
本発明の活性酸素消去剤の有効成分であるビャクダン水抽出物は、活性酸素であれば全ての活性酸素を消去する機能を備えるが、特に、酸素ラジカル及び一重項酸素に対して優れた消去能を有し、酸素ラジカル消去剤及び一重項酸素消去剤として特に有用である。
【0024】
ここで、酸素ラジカルは、紫外線又は化学物質等の刺激によって皮膚組織内に生じ、その結果、酸化が進行して、しわなどが生じる原因となることが知られている。そのため、本発明に係る活性酸素消去剤を用いて、酸素ラジカルを消去することにより、皮膚の潤いや弾力の低下、乾燥のよる肌荒れを防止することができる。
【0025】
一方で、一重項酸素は、タンパク質に架橋を形成し、タンパク質を重合させるという反応正を示す。また、一重項酸素は、紫外線の照射により健康な皮膚表面に発生し、さまざまな皮膚のトラブルの原因となる皮脂の過酸化を引き起こすことも明らかとなっている。そのため、本発明に係る活性酸素消去剤を用いて、一重項酸素を消去することにより、皮膚の弾力繊維や膠原繊維と呼ばれる組織の退化を防止することができる。
【0026】
本発明の活性酸素消去剤を有効成分として含有する組成物は、医薬品、医薬部外品、化粧料、食品等の種々の目的に利用することができる。
【0027】
また、本発明に係る活性酸素消去剤は、その有効成分が天然由来成分であるため、多剤との併用を注意する必要性が低い。そのため、既存のあらゆる薬剤や薬効成分を1種または2種以上自由に選択して、合剤とすることもできる。例えば、抗酸化剤、抗炎症剤、細胞賦活剤、紫外線防止剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、鎮痛剤、ステロイド剤、抗真菌剤、鎮咳剤、抗ヒスタミン剤、ビタミン剤、抗腫瘍剤など、あらゆる薬剤を配合することができる。
【0028】
これらの薬剤や薬効成分中、代表的なものについて、具体的に以下例示する。なお、ここでは、「誘導体」とは形成可能なエステルや塩を含む概念である。また、同一成分が複数の薬効を有する場合があるため、その場合には、複数の薬剤や薬効成分に同一名を記載している。植物の場合、かっこ内に別名の生薬名等を併せて記載した。
【0029】
抗酸化剤の一例としては、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、カロチノイド、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ルチン及びその誘導体、グルタチオン及びその誘導体、スーパーオキサイドディスムターゼ、マンニトール、ケイケットウ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、サンザシ抽出物、シャクヤク抽出物、スーパーオキサイドディスムターゼ、イチョウ抽出物、コガネバナ(オウゴン)抽出物、マイカイカ(マイカイ、ハマナス)抽出物、トルメンチラ抽出物、ブドウ抽出物、ヤシャジツ(ヤシャ)抽出物、ユキノシタ抽出物、ローズマリー(マンネンロウ)抽出物、茶抽出物(烏龍茶、紅茶、緑茶等)などが挙げられる。
【0030】
抗炎症剤の一例としては、グリチルリチン酸及びその誘導体、グリチルレチン酸及びその誘導体、イオウ及びその誘導体、アロエ抽出物、アシタバ抽出物、イラクサ抽出物、インチンコウ(カワラヨモギ)抽出物、ウコン抽出物、キハダ(オウバク)抽出物、オトギリソウ抽出物、カミツレ抽出物、コンフリー(ヒレハリソウ)抽出物、スイカズラ(キンギンカ)抽出物、クレソン抽出物、サルビア(セージ)抽出物、ワレモコウ(ジユ)抽出物、シソ抽出物、シラカバ抽出物、ニワトコ抽出物、ガマ(ホオウ)抽出物、ムクロジ抽出物、ユーカリ抽出物、ヨモギ抽出物、レンゲソウ抽出物、クマザサ抽出物、酸化亜鉛などが挙げられる。
【0031】
細胞賦活剤の一例としては、ビタミンA及びその誘導体、アスパラガス抽出物、ダイズ抽出物、ナツメ(タイソウ)抽出物、ニンニク抽出物、ニンジン抽出物、ブナノキ抽出物、ローヤルゼリー、本発明以外の酵母抽出物、微生物醗酵代謝産物、霊芝抽出物などが挙げられる。
【0032】
紫外線防止剤の一例としては、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン及びその誘導体、酸化チタン、微粒子酸化チタン、酸化亜鉛及び微粒子酸化亜鉛などが挙げられる。酸化チタン、酸化亜鉛などの無機粉体は、微粒子のものを用いるとより高い効果が発揮される。
【0033】
保湿剤の一例としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、タンパク質又はそれらの誘導体もしくは加水分解物並びにそれらの塩(コラーゲン、エラスチン等)、ヒアルロン酸及びその塩、アミノ酸及びそれらの誘導体、糖類、D−パンテノール及びその誘導体、糖脂質、リン脂質、セラミド、尿素、ムチン、アーモンド抽出物、アボカド抽出物、アルテア抽出物、温泉水、アロエ抽出物、ウスベニアオイ抽出物、オノニス抽出物、カラスムギ抽出物、グラブリジン、グラブレン、リクイリチン、イソリクイリチン及びこれらを含有するカンゾウ抽出物、クインスシード抽出物、クララ(クジン)抽出物、クチナシ抽出物、グレープフルーツ抽出物、クレソン抽出物、ゲンチアナ抽出物、ゲンノショウコ抽出物、ゴボウ抽出物、コムギ抽出物、サイシン抽出物、サボテン抽出物、サボンソウ抽出物、サンザシ抽出物、ジオウ抽出物、シモツケ抽出物、ショウガ抽出物、ゼニアオイ(ウスベニタチアオイ)抽出物、クワ(ソウハクヒ)抽出物、タチジャコウソウ(タイム)抽出物、冬虫夏草抽出物、ドクダミ抽出物、ハッカ抽出物、ハトムギ抽出物、ハマメリス抽出物、バラ抽出物、ヒノキ抽出物、フキタンポポ抽出物、ブドウ抽出物、プルーン抽出物、ヘチマ抽出物、ボダイジュ抽出物、ホップ抽出物、マツ抽出物、マルメロ抽出物、マロニエ抽出物、メリッサ抽出物、ヤグルマソウ抽出物、ユリ抽出物、ライム抽出物、ラベンダー抽出物、リンゴ抽出物、コメ及びコメヌカ抽出物、ブラックカラント抽出物、イブキトラノオ抽出物、ノイバラ(エイジツ)抽出物、エゾウコギ抽出物、海藻抽出物などが挙げられる。
また、皮膚表面のシーリングによる保湿(エモリエント)剤の一例としては、ホホバ油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、杏仁油、パーシック油、サフラワー油、ヒマワリ油、アボガド油、メドゥホーム油、ツバキ油、アーモンド油、エゴマ油、ゴマ油、ボラージ(ルリジサ)油、カカオ脂、シア脂などが挙げられる。
【0034】
血行促進剤の一例としては、ユズ抽出物、アルニカ抽出物、トウガラシチンキ、ショウブ抽出物、γ―オリザノールなどが挙げられる。
【0035】
<皮膚外用剤>
次に、本発明の皮膚外用剤について詳細に説明する。
活性酸素は、常に酸素に接触し、紫外線に暴露されている皮膚表面上に多く存在するので、本発明の活性酸素消去剤を含有する組成物は、皮膚外用剤としてより有用である。本発明の皮膚外用剤は、本発明の活性酸素消去剤(酸素ラジカル消去剤及び一重項酸素消去剤を含む)であって、ビャクダン抽出物を有効成分として含有する皮膚外用剤である。
【0036】
活性酸素消去剤のうち、酸素ラジカル消去剤は、皮膚に対する安全性が良好であるので、皮膚外用剤中に配合され、皮膚組織内に生じる酸素ラジカルを消去するのに用いられるのが好ましい。本酸素ラジカル消去剤を含有する皮膚外用剤は、該酸素ラジカル消去剤によってもたらされる優れた酸素ラジカル消去能により、皮膚に対して優れた酸素ラジカル消去効果を奏する。
また、活性酸素消去剤のうち、一重項酸素消去剤は、皮膚に対する安全性が良好であるので、皮膚外用剤中に配合され、皮膚組織内に生じる一重項を消去するのに用いられるのが好ましい。本一重項酸素消去剤を含有する皮膚外用剤は、該一重項酸素消去剤によってもたらされる優れた一重項酸素消去能により、皮膚のトラブルや老化などに対して優れた一重項消去効果を奏する。
【0037】
本発明の活性酸素消去剤を単独で、又は1種以上の公知の外用医薬用添加剤又は皮膚外用添加剤とともに常法に従って配合することによって、皮膚用外用剤を調製することができる。本発明に係る皮膚外用剤において、ビャクダン抽出物としての配合量は特に限定されず、目的に応じて自由に設定することが可能である。
ここで、本発明の活性酸素消去剤の配合量は、外用剤の剤形、使用目的等の他、活性酸素消去剤の活性酸素消去能によっても異なるが、一般的には、最終組成物中にビャクダンの抽出物が好ましくは、固形分として0.0001質量%以上1.0質量%以下含有されることが好ましい。この範囲内であれば、ビャクダン抽出物を安定的に配合することができ、かつ高い活性酸素消去効果を発揮することができる。また、抽出液を使用する場合は、溶質であるビャクダン抽出物の含有量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度は何ら限定されるものではない。
【0038】
一方で、本発明の活性酸素消去剤は単独で皮膚外用剤として用いることができ、又は1種又は2種以上の添加剤と混合することによって皮膚外用剤を調製することもできる。必要に応じて添加される添加剤としては、皮膚用化粧料や外用医薬品の製剤に一般的に用いられる、水(精製水、温泉水、深層水等)、アルコール、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、アルコール類、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、本発明の一重項酸素消去剤以外の活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、ビタミン類等が挙げられる。皮膚外用剤の調製は、常法に従って行うことができ、前記添加剤の配合量も本発明の効果を損なわない範囲で、常法に従って決定することができる。
【0039】
前記皮膚外用剤の形態については限定されず、分散液、軟膏、エアゾール、貼付剤、パップ剤、リニメント剤等の外用医薬品の形態のいずれであってもよい。
【0040】
本発明に係る皮膚外用剤には、薬理学的に許容される添加剤を1種または2種以上自由に選択して含有させることができる。例えば、基剤、界面活性剤、保存剤、乳化剤、着色剤、矯臭剤、香料、安定化剤、防腐剤、酸化防止剤、潤沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、油剤、増粘剤、キレート剤、酵素、pH調整剤などの、医薬製剤の分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
【0041】
以上説明した本発明に係る皮膚外用剤は、その有効成分が天然由来成分であるため、種々の疾患を罹患した患者に対しても安心して投与できる可能性も高い。また、長期間、連続的に投与しても副作用を心配する必要性も少ない。
【0042】
<化粧料>
次に、本発明の化粧料について詳細に説明する。
本発明に係る活性酸素消去剤は、その優れた活性酸素消去効果を利用して、化粧料に好適に用いることができる。本発明に係る化粧料には、ビャクダン抽出物が含有されているため、化粧料として生体内に取り込まれることにより、生体内の活性酸素消去作用を促し、例えば、しみ改善、しわ改善、肌荒れ改善、肌弾力改善、キメ改善、などに効果が期待できる。
【0043】
また、活性酸素の消去によって抑制される反応は、皮膚の老化、皮膚の損傷の一因となる反応であるので、その様な反応を抑制できる本発明の活性酸素消去剤及びこれを有効成分として含有する組成物は、皮膚の老化防止、美肌を目的とする化粧料として特に有用である。
【0044】
本発明に係る化粧料は、活性酸素消去剤(酸素ラジカル消去剤及び一重項酸素消去剤を含む)であって、ビャクダン抽出物を有効成分として含有する化粧料である。
【0045】
活性酸素消去剤のうち、酸素ラジカル消去剤は、皮膚に対する安全性が良好であるので、化粧料中に配合され、皮膚組織内に生じる酸素ラジカルを消去するのに用いられるのが好ましい。本酸素ラジカル消去剤を含有する化粧料は、該酸素ラジカル消去剤によってもたらされる優れた酸素ラジカル消去能により、皮膚に対して優れた酸素ラジカル消去効果を奏する。
また、活性酸素消去剤のうち、本一重項酸素消去剤は、皮膚に対する安全性が良好であるので、化粧料中に配合され、皮膚組織内に生じる一重項を消去するのに用いられるのが好ましい。本一重項酸素消去剤を含有する化粧料は、該一重項酸素消去剤によってもたらされる優れた一重項酸素消去能により、皮膚のトラブルや老化などに対して優れた一重項消去効果を奏する。
【0046】
本発明に係る化粧料は、あらゆる形態の化粧料に適用することができる。例えば、ローション、乳液、クリーム、美容液などのスキンケア化粧料、ファンデーション、コンシーラー、化粧下地、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナーなどのメイクアップ化粧料、日焼け止め化粧料などに適用することができる。
【0047】
本発明に係る化粧料には、本発明に係る活性酸素消去剤に加え、通常化粧料に用いることができる成分を、1種または2種以上自由に選択して配合することが可能である。例えば、基材、保存剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、紫外線吸収剤、香料、防腐防黴剤、体質顔料、着色顔料、アルコール、多価アルコール、水、油剤、増粘剤、粉体、キレート剤、酵素、pH調整剤などの、化粧料分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
【0048】
また、本発明に係る活性酸素消去剤は、その有効成分が天然由来成分であるため、他の有効成分との併用を注意する必要性が低い。そのため、本発明に係る化粧料組成物には、本発明に係る活性酸素消去剤に加え、他の有効成分を必要に応じて自由に配合することができる。
【0049】
本発明に係る化粧料において、ビャクダン抽出物の配合量は特に限定されず、目的に応じて自由に設定することが可能であるが、固形分として0.0001質量%以上1.0質量%以下含有させることが好ましい。この範囲内であれば、ビャクダン抽出物を安定的に配合することができ、かつ高い活性酸素消去効果を発揮することができる。
【0050】
以上説明した本発明に係る化粧料は、その有効成分が天然由来成分であるため、安全性が高く、長期間、連続的な使用が可能である。
【実施例】
【0051】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。本実施例ではビャクダン水抽出物を抽出する場合に心材を用いたが、心材を用いることは一例であって、ビャクダンの抽出部位は特に限定されるものではない。
【0052】
[例1:ビャクダン精製水抽出物の製造例]
ビャクダンの心材100gに、精製水を1.50L加え、加熱抽出をした後、ろ過し、得られたろ液中の溶媒を減圧濃縮し乾燥させた後、水1Lに溶解し、不溶物をフィルターろ過してビャクダン抽出物を得た。得られたビャクダン抽出物は、乾燥固形成分として1質量%になるように調整した。
【0053】
[例2:DPPHラジカル消去作用の評価]
以下に本発明に係るビャクダン水抽出物の活性酸素消去作用を示すために、DPPHラジカルを用いた実験を行った。本実施例では、活性酸素としてDPPHラジカルを用いた実験を行っているが、DPPHラジカルを用いることは一例であって、消去される活性酸素の種類は特に限定されるものではない。
試験管に、150μmol/LのDPPH(ジフェニル−p−ピクリルヒドラジル)エタノール溶液3mLと、被験試料溶液(ビャクダン水抽出液及びカミツレ抽出物)3mLとを加え、それぞれ密栓した後、振り混ぜ30分間放置した。放置後、波長520nmにおける吸光度を測定した。同様の方法で空試験を行い補正した。
DPPHに対するラジカル消去作用の計算方法は以下のとおりである。
DPPH消去率(%)={C−(St−Sb)}/C×100
St :被験試料溶液の波長520nmにおける吸光度
Sb :被験試料溶液ブランクの波長520nmにおける吸光度
C :コントロール溶液の波長520nmにおける吸光度
【0054】
ビャクダン水抽出物は前述のビャクダン精製水抽出物の製造例によって抽出されたものを用いた。また、比較例として既にDPPH消去作用があることが知られているカミツレ抽出物についても同様の試験を行った。なお用いたカミツレ抽出物は、カミツレの全草10gに、70vol%含水エチルアルコール(エチルアルコールの割合が70vol%)100mLを加え、室温にて3日間抽出を行った後、ろ過し、溶媒を留去して乾固し、固形分として得られたカミツレの70vol%含水エチルアルコール抽出物(収量0.72g)である。なお、被験試料としては、カミツレの70vol%含水エチルアルコール抽出物の水溶液を用いた。
ビャクダン水抽出物は30μg/mL、100μg/mL、300μg/mLの濃度の全てにおいて表2に示すようなDPPHラジカル消去能が認められた。一方で、カミツレ抽出物は、200μg/mL以下の濃度では消去能が認められなかったので、下記表1中には、カミツレ抽出物の濃度300μg/mLの被験試料についての結果を示した。
下記表1に、算出した各試料のDPPHラジカル消去率、及び各試料のDPPHラジカル消去率50%発揮する濃度(IC50(μg/mL))を示した。
【0055】
【表1】

【0056】
[例3:一重項酸素消去定数の測定]
以下に本発明に係るビャクダン水抽出物の活性酸素消去作用を示すために、一重項酸素を用いた実験を行った。本実施例では、活性酸素として一重項酸素を用いた実験を行っているが、一重項酸素を用いることは一例であって、消去される活性酸素の種類は特に限定されるものではない。
例1で調製したビャクダン水抽出物及びバクガ根エキスの一重項酸素消去率を以下の様にして測定した。まず、一重項酸素を恣意的に発生させ、一重項酸素の遷移に伴う発光が観測される系に、上記ビャクダン水抽出物及びバクガ根エキスを表2に記載の濃度でそれぞれ添加し、その発光強度(I)と、溶媒のみを添加した時の発光強度(I0)を測定する。その測定値を用いて、下記式から一重項酸素消去率(E)は算出した。
E=(I0−I)/I0×100)
また、3回の測定結果の平均値を消去率とした。
なお、比較として用いたバクガ根エキスは、バクガ根100gに水10Lを加え、室温にて抽出し、その後、抽出液をろ過して得られたろ液である。
【0057】
【表2】

【0058】
この結果より、ビャクダンの水抽出物は、優れた一重項酸素消去能を示すことが実証された。
【0059】
<活性酸素消去剤を含有する皮膚外用剤の調整とその効果の検討>
本例4及び5では、ビャクダン抽出物を含有する皮膚外用剤の調整とその効果を検討した。
【0060】
以下の表3〜4に示す組成の例4〜5に係る皮膚外用剤の調製およびその効果の検討を行った。なお、ビャクダン水抽出物としては、前記実験1と同様の方法で抽出したものを用いた。
【0061】
[例4:軟膏1の調製]
以下の製法により、軟膏1を調製した。
(製法)
A.下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保った。
B.下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保った。
C.AをBに徐々に加えた。
D.Cを冷却しながら下記(7)の残部で溶解した下記(8)、(9)を加え、軟膏を得た。以下、軟膏1への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0062】
【表3】

*1:タマ生化学社製
*2:例1で製造したもの
*3:和光純薬工業社製
【0063】
[例5:軟膏2の調整]
以下の製法により、軟膏2を調整した。
(製法)
A.下記成分(5)、(6)及び(7)の一部を加熱混合し、75℃に保った。
B.下記成分(1)〜(4)を加熱混合し、75℃に保った。
C.AをBに徐々に加えた。
D.Cをしながら下記(7)の残部で溶解した下記(8)、(9)を加え、軟膏を得た。以下、軟膏2への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0064】
【表4】

*1:例1で製造したもの
*2:常磐植物化学研究所社製
*3:味の素社製
【0065】
例4、例5で調整した軟膏は伸び広がりと肌へのなじみがよく、皮膚細胞組織の酸化を防止し、健康的な肌を維持する軟膏であった。
【0066】
<活性酸素消去剤を含有する化粧料の調整とその効果の検討>
本例6から14では、ビャクダン抽出物を含有する化粧料の調整とその効果を検討した。
【0067】
以下の表5から13に示す組成の例6から14に係る化粧料の調製およびその効果の検討を行った。なお、ビャクダン水抽出物としては、前記例1と同様の方法で抽出したものを用いた。
【0068】
[例6:クレンジングクリーム]
以下の製法により、クレンジングクリームを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.成分(10)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.BにAを加え乳化した。
D.Cを冷却後、成分(15)〜(18)を加え混合し、クレンジングクリームを得た。
得られたクレンジングクリームは軽やかな伸び広がりでメイクの汚れ落ちもよく、皮膚
細胞組織の酸化を防止し、健康的な肌を維持するクレンジングクリームであった。以下、化粧料への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0069】
【表5】

*1:例1で製造したもの
*2:丸善製薬社製
*3:丸善製薬社製
*4:信越化学工業社製 KF−96A−100CS
【0070】
[例7:洗顔料]
以下の製法により、洗顔料を調整した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(7)を加熱溶解した。
B.下記成分(8)〜(11)を加熱溶解した。
C.AにBを加え混合する。
D.Cを冷却後、下記成分(12)〜(16)を加え混合し、洗顔料を得た。
得られたクレンジングクリーム及び洗顔料、はキメ細やかな豊かな泡立ちとさっぱりと
した使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化を防止し、健康的な肌を維持する洗顔料で
あった。以下、洗顔料への配合量を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0071】
【表6】

*1:例1で製造した抽出物を含有量1%となるように50vol%含水1,3−ブチレングリコールに溶解したもの
*2:香栄興業社製
*3:丸善製薬社製
【0072】
[例8:化粧水1]
以下の製法により、化粧水1を調整した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(8)を混合溶解した。
B.下記成分(9)〜(14)を混合溶解した。
C.BにAを加え乳化し、化粧水を得た。
得られた化粧水1はすっきりとした軽やかな使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化
を防止し、皮膚をみずみずしく保ち、皮膚を滑らかにする化粧水であった。以下、化粧水1への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0073】
【表7】

*1:例1で製造したもの
*2:味の素社製
*3:協和醗酵社製
【0074】
[ 例9 : 化粧水2]
以下の製法により、化粧水2を調整した。
A.下記成分(3)、(4)及び(8)〜(10)を混合溶解した。
B.Aと、下記成分(1)、(2)、(5)〜(7)及び(11)を混合溶解した溶液とを混合して均一にし、化粧水を得た。
以下、化粧水2への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0075】
【表8】

*1:例1で製造したもの
【0076】
[ 例10 : 乳液]
以下の製法により、乳液を調整した。
A.下記成分(8)〜(9)を成分(12)に添加し膨潤後、成分(10)を加えて混合し加熱して7 0 ℃ に維持し水相を調製した。
B.下記成分(1)〜(6)を7 0 ℃ に加熱混合し、これを前記水相に添加して、乳化した。
C.この乳化物を室温まで冷却し、下記成分(7)、(11)及び(13)を添加し、均一に混合して乳液を得た。
以下、乳液への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0077】
【表9】

*1:例1で製造したもの
【0078】
調製した化粧水及び乳液は、いずれも変色・変臭および沈殿物などがなく、安定であり、皮膚に適用可能であった。
【0079】
[例11:クリーム]
以下の製法により、クリームを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.成分(14)〜(18)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.AにBを加え乳化し、更に成分(19)を加え混合した。
D.Cを冷却し、成分(20)〜(25)を加え混合し、クリームを得た。
得られたクリームは滑らかでコクのある使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化を防
止し、皮膚に高いエモリエント感を付与し、皮膚を柔軟にするクリームであった。以下、クリームへの配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0080】
【表10】

*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2:和光純薬工業社製
*3:例1で製造したもの
*4:紀文フードケミファ社製
*5:丸善製薬社製
*6:丸善製薬社製
【0081】
[例12:美容液]
以下の製法により、美容液を調整した。
(製法)
A.下記成分(1)〜(9)を混合溶解した。
B.下記成分(10)〜(21)を混合溶解した。
C.BにAを加え混合し、美容液を得た。
得られた美容液はまろやかでマイルドな使用感を有しており、皮膚細胞組織の酸化を防
止し、皮膚に高い保湿感とエモリエント感を付与し、皮膚をみずみずしく柔軟にする美容
液であった。以下、美容液への配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0082】
【表11】

*1:ロシュ社製
*2:エーザイ社製
*3:味の素社製
*4:例1で製造したもの
*5:丸善製薬社製
*6:丸善製薬社製
【0083】
[例13:マッサージクリーム]
以下の製法により、マッサージクリームを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(9)を加熱溶解し、70℃に保った。
B.成分(10)〜(13)を加熱溶解し、70℃に保った。
C.BにAを加え乳化した。
D.Cを冷却後、成分(14)〜(17)を加え混合し、マッサージクリームを得た。
得られたマッサージクリームはコクがある滑らかな使用感を有しており、マッサージ効
果が高く、皮膚細胞組織の酸化を防止し、皮膚に潤いとはり感を付与し、皮膚を滑らかに
するマッサージクリームであった。以下、マッサージクリームへの配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0084】
【表12】

*1:コスモール168AR(日清オイリオグループ社製)
*2:例1で製造したもの
*3:丸善製薬社製
*4:丸善製薬社製
【0085】
[例14:リキッドファンデーション]
以下の製法により、リキッドファンデーションを調整した。
(製法)
A.成分(1)〜(7)を加熱溶解した。
B.Aに成分(8)〜(11)を加え、均一に混合し、70℃に保った。
C.成分(12)〜(14)を加熱溶解し、70℃に保った。
D.CにBを加えて乳化した。
E.Dを冷却後、成分(15)〜(18)を加え混合し、リキッドファンデーションを得
た。
得られたリキッドファンデーションは軽やかな伸び広がりのある使用感を有しており、
皮膚細胞組織の酸化を防止し、均一で美しい仕上がりとなるリキッドファンデーションで
あった。以下、リキッドファンデーションへの配合例を示すが、これらの処方に限るものではない。
【0086】
【表13】

*1:例1で製造したもの
*2:丸善製薬社製
*3:丸善製薬社製
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明のラジカル消去剤は、皮膚外用剤、食料品等の有効成分として利用することがで
きる。特に、化粧料等の皮膚外用剤に有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水性溶媒によって抽出されたビャクダン科ビャクダン属ビャクダン(Santalaceae Santalum album Linne)の抽出物を有効成分とする活性酸素消去剤。
【請求項2】
前記活性酸素が、酸素ラジカルである請求項1記載の活性酸素消去剤。
【請求項3】
前記活性酸素が、一重項酸素である請求項1記載の活性酸素消去剤。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の活性酸素消去剤と、薬理学的に許容され得る添加剤と、を含有する皮膚外用剤。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載の活性酸素消去剤を含有する化粧料。


【公開番号】特開2010−208967(P2010−208967A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−54844(P2009−54844)
【出願日】平成21年3月9日(2009.3.9)
【出願人】(000145862)株式会社コーセー (734)
【Fターム(参考)】