説明

流体ポンプアッセンブリ

【課題】小型で摩耗のしにくい斜板ポンプを提供する。
【解決手段】カム18と往復部材の間に、望ましくはカムと往復部材の斜面18c、26a、28aの形態をしている、インターフェース手段26a、18cを更に備えており、同手段は、往復運動部材26、28を、(i)ボア内で第1の軸方向に並進させて(ii)ボア内で第2の回転方向に回転するように、駆動する働きをする。流体ポンプアッセンブリの或る随意的な特徴は、ポンプハウジング12、30が、カム18のためのベアリングであって、使用時にベアリング22が撓んでカムとベアリング22の間の潤滑容積を広げられるようにする脆弱領域が設けられたベアリング22を画定していることである。往復運動部材は、ポンプ室33、34内の流体を加圧するようポンピングプランジャと協働するタペット26、28の形態を取ってもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体ポンプアッセンブリに関し、具体的には、但し排他的にではなく、燃料用のポンプアッセンブリに関する。本ポンプアッセンブリは、コモンレール型燃料噴射システムで高圧燃料を圧縮点火(ディーゼル)内燃機関へ供給するのに使用されるのが適している。特に、本発明は、エンジン駆動カムが往復ポンプ運動を駆動部材に伝える型式のポンプアッセンブリに利用できる。
【背景技術】
【0002】
1つの既知のコモンレールの燃料ポンプに、エンジン駆動カムの周りの等角度に間隔を置いた場所に3つのポンピングプランジャを配したラジアルポンプ設計があり、その様なポンプは、例えば、国際特許WO2004/104409号に記載されている。このポンプでは、各プランジャは、主ポンプハウジングに取り付けられたポンプヘッド内に設けられているプランジャボア内に取り付けられている。使用時、カムが駆動されると、プランジャはそれらのボア内で位相が周期的に変わる様式で往復運動させられる。プランジャが往復運動すると、各プランジャは、関係付けられたプランジャボアの一端に画定されているポンプ室内に燃料の昇圧を生じさせる。ポンプ室内で加圧された燃料は、共通の高圧供給ラインへ送出され、そこから、コモンレール又は他のアキュミュレータ容積部に供給されて、コモンレールの燃料システムの下流噴射器へ送られることになる。燃料ポンプは、低圧に置かれた燃料を取り込むための吸込弁と、加圧された燃料を追い出すための吐出弁と、を有している。
【0003】
このポンプアッセンブリでは、カムは、カムの駆動軸と同軸に伸びるカムライダを担持している。カムライダには、プランジャ毎に1つずつ、複数の平坦な面(「平面」)が設けられている。タペットの形態をした中間駆動部材は、カムライダの平面と協働し、且つプランジャに連結されているので、カムが回転し、タペットが駆動されると、駆動力がプランジャに伝わる。
【0004】
ラジアルポンプ設計の燃料ポンプは、どうしても、比較的大きい容積を占めるので、エンジンに利用する場合には不都合が生じる場合もある。更に、タペットは、使用時にタペットが往復運動する際に受ける横荷重のせいで摩耗し易いため、潤滑が不適切であれば、カムライダと協働するタペット面がひどく損傷を被る恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際特許WO2004/104409号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、燃料噴射システム内で燃料をポンピングするのに使用した場合の上記問題を軽減する流体ポンプアッセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、被駆動カムと、使用時に被駆動カムが駆動されると、ポンプハウジング内に設けられているボア内で往復運動してポンプ室内に流体の昇圧を生じさせる往復運動部材と、を備えた流体ポンプアッセンブリが提供されている。流体ポンプアッセンブリは、カムと往復運動部材の間に、カムが駆動されると、往復運動部材を、(i)ボア内で第1の軸方向に並進させ(ii)ボア内で第2の回転方向に回転させる、インターフェース又はインターフェース手段を、更に含んでいる。往復運動部材は、ボア内で自身の軸周りに回転するのが望ましい。
【0008】
1つの実施形態では、往復運動部材は、一般にはタペットの形態をしている中間駆動部材であって、ポンピングプランジャが中間駆動部材によって駆動されると、燃料の昇圧を生じさせるようにポンピングプランジャと協働することができる。
【0009】
別の実施形態では、往復運動部材は、カムと直接インターフェースしているポンピングプランジャである。
本発明は、特に、燃料ポンプアッセンブリが燃料を噴射に適した比較的高い圧力まで加圧する内燃機関用の燃料噴射システムに利用することができる。その様な燃料ポンプアッセンブリは、コモンレール型燃料噴射システムでの使用に特に適している。しかしながら、本発明は、エンジン用の燃料ポンプ以外にも広い範囲に利用することができ、他のどの様な型式の流体の場合もポンプとして使用することができる。
【0010】
或る好適な実施形態では、インターフェース手段は、往復運動部材の斜面とカムの対応する斜面とを含んでおり、それらは、カムが回転する際、往復運動部材の軸方向及び回転方向の運動を生じさせるように協働する。往復運動部材がそのボア内で自身の軸周りに回転する際、部分同士の間で相対速度が一定であれば、潤滑が支援され、摩擦による摩耗の効果を低減することができる。
【0011】
往復運動部材は、カムと実質的に同じ角速度で回転するのが望ましい。
流体ポンプアッセンブリは、ポンプハウジングの軸方向に向いている内側面によって画定される、カムのためのアキシャルベアリングを備えているのが望ましい。更に、流体ポンプアッセンブリは、追加的又は代替的に、ポンプハウジングの半径方向に向いている内側面によって画定される、カムのためのラジアルベアリングを備えていてもよい。
【0012】
カムには、使用時にラジアルベアリングの輪郭に変形する低摩擦性被覆、例えば軟質のリン酸塩又はPTFE被覆、が設けられていてもよい。カムの被覆の輪郭をラジアルベアリングの輪郭と一致させることによって、流体力学的な膜の助成にとって良好な条件がもたらされる。
【0013】
アキシャルベアリングには、潤滑流体を受け入れるための容積を提供するため、少なくとも1つの陥凹部が設けられていてもよい。従って、陥凹部は、回転するカムとアキシャルベアリングの間の潤滑を支援するためにアキシャルベアリングへ潤滑流体を供給するものである。
【0014】
更に、アキシャルベアリングは、カムの荷重支承面を画定する非陥凹区域を含んでいてもよい。
特に好適な或る実施形態では、アキシャルベアリングには、使用時にアキシャルベアリングが撓んで、それによりアキシャルベアリングとカムの相対する面の間の潤滑流体用の容積を広げられるように、望ましくはベアリングの陥凹部によって画定される脆弱領域が設けられている。この様にアキシャルベアリングが撓むことによって、カムとアキシャルベアリングの間には大きな隙間が開き、部分同士の間への潤滑流体の引き込みが推進される。
【0015】
別の好適な実施形態では、アキシャルベアリングには、更に、アキシャルベアリングとカムの相対する面の間へ引き込まれる潤滑剤の引込縁を画定する切欠区分が設けられている。
【0016】
流体ポンプアッセンブリは、少なくとも2つの中間駆動部材(例えば、タペット)と、少なくとも2つのポンピングプランジャを備えていてもよく、中間駆動部材のそれぞれはプランジャの各々と協働し、且つ中間駆動部材全てに共通のカムとも協働するようになっている。1つの実施形態では、例えば、流体ポンプアッセンブリは、3つの中間駆動部材と3つのポンピングプランジャを含んでおり、関係付けられている駆動部材とポンピングプランジャの各対は、ポンプ中心軸の周りに等角度に間隔を置いた場所に配置されている。往復運動部材が、カムと直接インターフェースしているポンピングプランジャである或る実施形態では、ポンピングプランジャは、ポンプ中心軸の周りに等角度に間隔を置いた場所に配置されている。
【0017】
1つの実施形態では、ポンプ室は、ポンプハウジング内に画定されており、ポンプハウジング内に取り付けられているプレートによって閉鎖されている。代わりに、ポンプ室は、全体が、ポンプハウジング内に画定されていてもよい。
【0018】
エンジンを駆動軸につなぐ駆動機構の性質に依っては、駆動軸の出力端をカムの後方に伸ばし、ポンプハウジングにより画定されているベアリングに対して、駆動軸の入力端に加えられる横荷重に対抗するように働き掛けるようにしてもよい。その様な配置構造は、入力駆動機構の性質のせいで横荷重が駆動軸に伝わってしまうベルト、チェーン、又は歯車伝動機構での利用に特に適している。
【0019】
本発明の第2の態様によれば、被駆動カムと、使用時に被駆動カムが駆動されると、ポンプハウジング内に設けられているボア内で往復運動して、ポンプ室内に流体の昇圧を生じさせる往復運動部材と、を備えた流体ポンプアッセンブリが提供されている。往復運動部材は、カムが回転すると駆動力が往復運動部材に伝わるようにカムの対応する斜面と協働する斜面を含んでいる。
【0020】
本発明の第2の態様では、往復運動部材は、望ましくは、ボア内で軸方向及び回転方向の両方に駆動される。
本発明の第3の態様によれば、流体ポンプアッセンブリは、被駆動カムと、使用時に被駆動カムが駆動されると、ポンプハウジング内に設けられているボア内で往復運動して、ポンプ室内に流体の昇圧を生じさせる往復運動部材と、を備えている。ポンプハウジングは、カムのためのベアリングを画定し、同ベアリングには、使用時にベアリングが撓んで、それによりカムとベアリングの間の潤滑流体用の容積を広げられるように、望ましくはポンプハウジングの陥凹部によって画定される脆弱領域が設けられている。脆弱領域が設けられているのは、ポンプハウジングによって画定されるアキシャルベアリングであるのが望ましい。その様な配置構成によって、回転するカムとアキシャルベアリングの間の潤滑に前述の利点がもたらされる。
【0021】
以上及び独立請求項に述べられている本発明の第1の態様の好適な特徴及び/又は随意的な特徴は、単独にか又は適切に組み合わせて、本発明の第2又は第3の態様にも包含することができるものと理解頂きたい。
【0022】
これより、本発明を、単に一例として、添付図面の参照範囲内で説明してゆく。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】2つのポンピングプランジャを有する、本発明の第1の実施形態の燃料ポンプアッセンブリの断面図である。
【図2】戻りばねのばね座を説明するための、図1の燃料ポンプアッセンブリの一部の断面図である。
【図3a】図1の燃料ポンプアッセンブリのカムとポンプハウジングの断面図である。
【図3b】図3aのポンプハウジングにより画定されているアキシャルベアリングの端面図である。
【図4a】外側面の脆弱区域を説明するための、図3aのポンプハウジングの断面図である。
【図4b】図4aのポンプハウジングの内側面の端面図である。
【図5】2つのポンピングプランジャを有する本発明の第2の実施形態の燃料ポンプアッセンブリの断面図である。
【図6】2つのポンピングプランジャを有する本発明の第3の実施形態の燃料ポンプアッセンブリの断面図である。
【図7】単一のポンピングプランジャを有する本発明の第4の実施形態の燃料ポンプアッセンブリの断面図である。
【図8】3つのポンピングプランジャに対し3つの中間駆動部材を有している、本発明の第4の実施形態の燃料ポンプアッセンブリの一部の斜視図である。
【図9】先の実施形態の中間駆動部材が取り払われた、本発明の第5の実施形態の燃料ポンプアッセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1に示す様に、本発明の燃料ポンプアッセンブリ10の第1の実施形態は、ポンプハウジングを含んでおり、同ポンプハウジングは、駆動軸16(一部のみを図示)を受け入れるための中央ボアが設けられた第1ハウジング部分12を有している。第1ハウジング部分は、ポンプハウジングの前プレート12aと、後方に向かう円筒形本体12bと、を含んでいる。駆動軸16の後端は、使用時に駆動軸16と共に回転するカム18を担持している。通常、駆動軸の前端又は入力端は、当業者にはよく知られている様に、エンジンによってオルダム継手を介して駆動される。
【0025】
カム18は、楔形状をしており、従って薄肉端部18aと厚肉端部18bを有し、その前面側に斜面状の接触面18cを有している。カム18の後面は平面状をしていて、ポンプハウジング12の軸方向に向いている内側面に対して働き掛け、従って、カムが回転する際のカム18のためのアキシャルベアリング22の役目を果たす。カムの厚肉端部18b側の外側面は、第1ハウジング部分12の半径方向に向いている内側面に対して働き掛け、従って、カムが回転する際のカム18のためのラジアルベアリング24の役目を果たす。
【0026】
ポンプアッセンブリは、カム18の対応する斜面18cと接触させる斜面26a、28aをそれぞれに有する、タペット26、28の形態をした第1及び第2の往復運動部材を含んでいる。それぞれのタペット26、28は、第1ハウジング部分12に取り付けられた第2ハウジング部分30に設けられている関係付けられたタペットボア内に受け入れられていて、それぞれに相手のタペット26、28と軸方向に整列している関係付けられたポンピングプランジャ32、34に連結されている。タペット26、28は、従って、カム18とその関係付けられているプランジャ32、34との間の中間駆動部材を形成している。
【0027】
各ポンピングプランジャ32、34は、第2ハウジング部分30に設けられている関係付けられたプランジャボア内に受け入れられている。ポンピングプランジャ32、34のタペット26、28から遠い方の端部は、下に更に詳しく説明する様に、使用時、プランジャのポンピングストローク中に加圧される燃料を受け入れるポンプ室33、35の内側面を画定している。
【0028】
更に図2(第1タペット26のみ図示)に示す様に、各タペット26は、斜面状の接触面26aを画定している基部26bと円筒形の上側本体26cとを有する、略U字形の断面のバケツ型タペットの形態を取っている。タペットは、タペット26の内部容積内の、基部26bの斜面状接触面26aとは反対の側に、関係付けられたプランジャ32との接触面を画定している突出部26dを含んでいる。プランジャ戻りばね37のばね座アッセンブリは、円筒形上側本体26c内に画定されているタペット26の内部容積内に受け入れられている。下に更に詳しく説明する様に、戻りばね37は、戻り荷重をプランジャ30とタペット26に提供してプランジャの戻りストロークを起こす働きをする。
【0029】
ばね座アッセンブリは、2つの部分を有している。第1部分36は、山高帽構造であり、プランジャ32の基部に位置しており、プランジャ32は、第1部分36の中央ボアを貫いて伸張している。第1部分36は、戻りばね37の一端との当接面を画定しており、戻りばね37のばね座アッセンブリ36、38から遠い方の他端は、第2ハウジング部分30の内側面41に当接している。ばね座アッセンブリの第2部分38は、プランジャ32の基部端側と押し込み嵌合を形成する環状片であり、アッセンブリの第1部分36を所定位置に保持する働きをする。
【0030】
代わりの実施形態(図示せず)では、戻りばね37は、プランジャ32、34を取り囲むのではなく、ポンプ室33、35内に設置される更に小さい構成要素であってもよい。
再度図1を見ると、ポンプ室33、35は、ポンプアッセンブリ10の後端がプレート39により閉鎖されている。閉鎖プレート39には、比較的低圧の燃料がポンプ室33、35の中へ運ばれ、加圧された燃料がポンプ室33、35からポンプ吐出口(図示せず)へ運ばれるようにする複数の穿孔部が設けられている。吸込用穿孔部は、ポンプ室33、35のそれぞれに設けられており、各吸込用穿孔部は、加圧に先立ち、比較的低圧の燃料を通して関係付けられたポンプ室33、35に入れる、それぞれのばね付勢式吸込弁40、42を有している。吐出用穿孔部は、ポンプ室33、35それぞれに設けられており、各吐出用穿孔部は、ポンプ室33、55内の圧力レベルが所定値に達すると、加圧された燃料を通してポンプアッセンブリの共通吐出口へ送出する、それぞれのばね付勢式吐出弁44、46を有している。共通吐出口は、燃料噴射システムのコモンレール又はアキュムレータ容積部に繋がっており、そこから、燃料は、エンジンの燃料噴射器へ送出される。
【0031】
これより、燃料ポンプアッセンブリの動作を更に詳しく説明する。
第1タペット26とその関係付けられたプランジャ32を考察してみると、使用時に、駆動軸16が回転すると、カム18の回転する斜面18cとタペット26の斜面26aの協働によって、タペット26にはそのタペットボア内で軸方向に往復運動が引き起こされ、而して、プランジャ32も、そのプランジャボア内で往復運動させられる。プランジャ32は、駆動されるとポンピングストロークを実行し、同ストローク中に関係付けられたポンプ室33、35内の燃料が噴射に適した高いレベルにまで加圧されると、続いて関係付けられた戻りばね37によって戻りストロークが起こる。
【0032】
戻りストロークの開始時に、吐出弁44は、そのばね力によって閉じられる。プランジャ32が、そのボアから外方向に動き、ポンプ室33の容積が拡大すると、ポンプ室33は、供給ポンプ(例えば、移送ポンプ)から開いている吸込弁40を通って入ってくる比較的低圧の燃料で満たされる。カム18が回転を続け、プランジャ32がその戻りストロークを完了すると、カムとタペットの斜面18c、26a同士の協働によって、タペット、ひいてはプランジャが、それらのボア内で内方向に動かされ、ポンプ室33が縮小する。ポンプ室33の容積が減少し始めると間もなく、ポンプ室33内の燃料の圧力が上昇し始め、吸込弁40に働く燃料圧による力で吸込弁が閉じられる。プランジャ32がそのポンプストロークを続行すると、ポンプ室33内の圧力は上昇し続け、ついにポンプ室33内の圧力が吐出弁44を閉じる力に打ち勝つほどになった時、弁が推し開かれ、加圧燃料をポンプ吐出口を通して送り出せるようになる。
【0033】
カム18の回転する斜面18cがタペット26の対応する斜面26aと作用し合う結果、タペットは、そのボア内で軸方向に動くように駆動され、それによりプランジャの軸方向の運動を生じさせる。重要なことであるが、カム18の回転する斜面18cとタペット26の対応する斜面26aが協働するということは、タペットがそのボア内で、カム18が駆動軸16によって駆動されるのと同じ角速度で回転するように駆動されることをも意味する。従って、カムとタペットがインターフェースすると、その結果、タペットは連続的に自身の軸周りに回転するよう巧妙に駆動されることになる。
【0034】
2部構成によるばね座アッセンブリの性質により、タペット26が回転すると、その回転に従ってプランジャ32もプランジャボア内で回転する。ばね座アッセンブリは、戻りばね37とばね座アッセンブリの第1部分36の間の摩擦力が、ばね座アッセンブリの第2部分38と第1部分36の間の摩擦力を上回るように構成されている。従って、タペット26が回転すると、プランジャ32は同様に回転することができるのに対し、ばね座アッセンブリの第1部分36と戻りばね37は静止したままである。こうして、戻りばね37の端部と第2ハウジング部分30の内側面41の間の相対運動が防止され、望ましくない摩耗が回避されるようにする一方、プランジャ32には回転が許容される。ばね座アッセンブリの第1部分36と戻りばね37の間の望ましくない相対運動も回避される。
【0035】
第2タペット28と第2プランジャ34は、第1タペット26/プランジャ32と同様に位相が変化する運動をするように駆動され、ポンプ室33、35は両方とも、各吐出弁44、46を通してコモンレールに加圧燃料を充填する。
【0036】
各タペットとそのタペットボアの間のクリアランスが潤滑流体用の容積を提供するので、回転するタペットとそのボアとの相対運動により、部分間の潤滑が促され、摩耗を低減することができる。
【0037】
図3(a)に示されている様に、ポンプ室33内の加圧燃料によってカム18に加えられる戻り荷重は、カム18に対しカム面18cの斜角に垂直な方向に働く。カム18の厚肉端部18bは、第1ハウジング部分12の半径方向に向いている内側面を支承し、従って、カム18が回転する際のカムのラジアルベアリング24の役目を果たす。カムの後面18d(即ち、斜面18cとは反対側の面)は、ポンプハウジング12の軸方向に向いている内側面を支承し、従って、カム18が回転する際のカムのアキシャルベアリング22の役目を果たす。
【0038】
図3(b)は、カム18の半径方向に向いている面に塗布されている被覆を示している。アキシャル及びラジアルベアリング22、24を支承するカム18の表面には、軟質の潤滑性被覆、例えばリン酸塩はPTFEの被覆が設けられているのが望ましい。破線は、使用時のカム18の被覆25の輪郭を示している。被覆25は軟質であるので、カム18が回転すると、被覆はベアリング面24の輪郭に沿うように変形して、流体力学的な膜の助成に良好な条件をもたらす。軟質のリン酸塩被覆は、タペットの斜面26aと協働するカム18の斜面18cにも塗布されている。
【0039】
図4(a)と図4(b)を見ると、アキシャルベアリング22は前面と後面が、部分12と18の間の潤滑を支援するよう修正されている。第1に、図4(b)に示されている様に、アキシャルベアリング22は、第1及び第2の陥凹区分48a、48bによって隔てられた第1及び第2の隆起区分46a、46b又はパッドを含んでいる。隆起区分46a、46bは、タペットの戻り荷重を吸収するようそれぞれのタペット26、28と軸方向に整列して配置されている。陥凹部48a、48bは、カムが回転する際にカム18とベアリング22の間の潤滑を支援する潤滑流体用の拡大された容積を画定している。
【0040】
更に、図4(a)で分かるように、第1ハウジング部分12の、アキシャルベアリング22に相対する面12cには、第1ハウジング部分12の脆弱領域を画定する別の陥凹部50が設けられている。ポンプが駆動され、カム18にタペットの荷重が掛かかりアキシャルベアリング22に押し付けられると、ポンプハウジング12の脆弱領域のおかげで、ハウジングの一部分が撓んで、アキシャルベアリング22とカム18の相対する面18dの間に、楔形をした隙間(図示せず)が開くようになっている。これが潤滑流体用の引込縁となって、流体を部分12と18の間に引き込めるようにし、カム18が回転する際にそれらの間に流体力学的なベアリングが作り出されるようになっている。
【0041】
アキシャルベアリング22には、ポンプハウジング12の撓みにより提供される引込縁に加えて、カムが回転する際の潤滑流体の部分12と18の間への引き込みを更に促す面取り部、丸み、又は斜面(図示せず)を引込縁に設けてもよい。
【0042】
図1では、オルダム継手がエンジンと駆動軸16の間に設けられているが、駆動軸16に掛かる横荷重は極僅かである。しかしながら、エンジンと駆動軸16の間に、ベルト、チェーン、又は歯車伝動機構が使用されている場合は、駆動軸には多大な横荷重が掛かり、望ましくない傾け及び並進させる力がカム18に掛かってしまう事態を引き起こす。従って、ベルト、チェーン又は歯車伝動機構に利用する場合、図1に示されているものとは異なるベアリング配置構造を提供することによって、これらの横荷重に対抗し、カム18の望ましくない並進及び/又は傾けを防止することが必要である。
【0043】
図5は、エンジンと駆動軸16の間のベルト、チェーン、又は歯車伝動機構の連結(図示せず)に適切な本発明の或る実施形態を示している。図1から図4に示されているものと類似の部分は、同様の符号で示されている。この実施形態では、駆動軸16の後又は出力端は、更に後方にポンプアッセンブリ10の奥へとカム18の斜面状の接触面18cを越えて伸び、第2ハウジング部分30に設けられている中央ボア内に受け入れられている。駆動軸16の最後端では、この中央ボアの内側面が、駆動軸16の前端に働く、傾け力に対抗するラジアルベアリング52を画定し、これによりカム18が回転する際のカムの望ましくない傾けを防止する。更に、カム18の薄肉端部18aには、軸方向に伸張するフランジ54が設けられており、その外側面は、ポンプハウジング12の半径方向に向いている内側面56に押し当てられている。ポンプハウジング12の半径方向に向いている内側面56を支承している軸方向に伸張するフランジ54は、駆動軸16の前端に働く並進力に対抗し、カム18が回転する際のカムの望ましくない並進を防止する。図5のベアリング配置構造52、54、56は、従って、駆動軸16の前端の横荷重に起因する、カム18の望ましくない傾け及び並進運動を防止する。
【0044】
図5のポンプアッセンブリは、駆動軸16を更に後方にポンプハウジング12、30の奥へとカム18を超えて伸ばして後方ベアリング52を画定する必要があり、またそのためにタペット26と28の間の分離距離をより広く取る必要があることから、図1のものより幅が広くなっているものと理解頂きたい。幅は、カム18にフランジ54を設けたことにも起因して広くなっている。
【0045】
図5の実施形態では、図1の実施形態と同様に、ポンプハウジングの半径方向に向いている内側面は、カム18の広幅端部18bのためのベアリング面24を提供し、ポンプハウジング12の軸方向に向いている内側面22は、カム18の前面のためのベアリング面を画定している。
【0046】
ベルト、チェーン、又は歯車伝動機構と共に使用するのに適したもう1つの代わりのベアリング配置構造が図6に示されている。図5と同様に、駆動軸16は、第2ハウジング部分30の更に奥へとカム18を越えて伸び、駆動軸16の前端の横荷重によってカム18に加えられる、傾けさせる力に対抗するラジアルベアリング52が駆動軸16の後端に画定されるようにしている。しかしながら、この場合、カム18の薄肉端部18aのフランジは取り払われ、代わりに、カム18は、この領域18a’の厚みを増した作りになっている(即ち、駆動軸の軸に沿ったカムのその最も肉薄の端部の長さが増している)。カム18の薄肉端部18a’は、従って、図5の場合より厚さが太くなっており、駆動軸16の前端の横荷重によってカム18に働く並進力に対抗するよう第1ハウジング部分12の半径方向に向いている内側面56を支承する。この配置構造は、領域18a’のカム18の厚さが太くなったことによって、軸方向の長さが図5の実施形態の場合より長いポンプアッセンブリになっているが、図5の実施形態のフランジ54が取り払われているために幅は小さいポンプアッセンブリである。
【0047】
これもベルト、チェーン、又は歯車伝動機構と共に使用するのに適切なもう1つの代わりの実施形態が、図7に示されている。ここで、駆動軸16は後方にカム18を越えて伸びてはおらず、代わりに、カムの広幅端部18bに、第2ハウジング部分30の半径方向に伸張する軸方向に向いている面60と係合する半径方向に伸張するフランジ58が設けられている。第2ハウジング部分30の半径方向に伸張している面60によって提供されるベアリングは、駆動軸16の入力端の横荷重によってカム18に働く傾け及び並進させる力の両方に対抗する。
【0048】
図7のポンプハウジングは、やはり2部構造であるが、アキシャルベアリング22を画定する第1ハウジング部分12は、先の実施形態よりずっと小さい構成要素であり、第2ハウジング部分30をポンプアッセンブリ10の前端に向けて更に伸ばしてベアリング面60を画定している。半径方向に伸張しているフランジ58はベアリング面60を支承し、駆動軸の入力端に掛かる横荷重に対抗する。従って、ベアリング面60は、図1、図5、及び図6のベアリング面52、56に取って替っている。
【0049】
図7の実施形態と、それ以前に説明されている実施形態のもう1つの相違点は、図7には、ポンピングプランジャ32が1つしかなく、斜面状のカム18と協働する関係付けられたタペット26を1つしか持たないということである。実際には、ポンプアッセンブリは、送出要件に応じて任意の数のプランジャ/タペットを含むことができる。例えば図8に示されている様に、ポンプアッセンブリは、3つのプランジャ(図示せず)を含んでいてもよく、プランジャそれぞれは、共通の斜面カム18と協働する関係付けられたタペット126、226、326を有している。3タペット型アッセンブリでは、タペット126、226、326、及びそれらの関係付けられたプランジャは、駆動軸軸と整列するポンプアッセンブリの中心軸の周りの等角度に間隔を置いた場所に配置されている。
【0050】
ベアリングのもう1つの配置構造(図示せず)には、図7の実施形態のフランジ58を取り払うことと、カムの前面の平坦部分18e(即ち、斜面状でない部分)と第2ハウジング部分30の相対する面の間にベアリングを作り出すことが関わっている。この実施形態では、ポンプアッセンブリは、駆動軸16の入力端の横荷重に対抗するため、互いに反対方向に向いた2つのアキシャルベアリング(22と18e)を有している。
【0051】
図9に示されているもう1つの例では、先の実施形態のタペット26、26、126、226、326は、全て取り払われ、カム18の斜面18cが、往復運動するプランジャ32、34の対応する斜面32a、34aに直接働きかけるようになっている。別の配置構造では、単一のプランジャ又は3つ以上のプランジャは、斜面カム18と直接インターフェースするように設けてもよく、この場合も同様に、中間駆動部材の必要が無くなる。
【0052】
特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲から逸脱すること無く、本発明の別の実施形態を構想することもできる。例えば、図1、図5、図6、図7、及び図9の後閉鎖プレート39を、第2ハウジング部分30の中まで伸びてプランジャシーリング長さとポンプ室33、35を画定している領域を含んだハウジング部分(図示せず)に替えてもよい。このやり方では、主要ポンプハウジング30には、ポンプ室33、35内の高圧燃料に対応するために必要な材料強度を持たせる必要が無くなり、閉鎖プレート39だけを高強度の高価な材料で製作すれば済むようになる。カムとタペットの間には、例えば、追加の堅さを提供するために、中間部分を設けることも考えられる。
【符号の説明】
【0053】
10 燃料ポンプアッセンブリ
12 ポンプハウジング
12a ポンプハウジングの前プレート
12b ポンプハウジングの円筒形本体
16 駆動軸
18 カム
18a カムの薄肉端部
18b カムの厚肉端部
18c カムの斜面状の接触面
18d カムの後面
22 カムのアキシャルベアリング
24 カムのラジアルベアリング
25 カムの被覆
26、28 タペット
26a タペットの斜面状の接触面
26b タペットの基部
26c タペットの円筒形の上側本体
26d タペットの突出部
30 第2ハウジング部分
32、34 ポンピングプランジャ
33、35 ポンプ室
36、38 ばね座アッセンブリ
37 プランジャ戻りばね
39 後閉鎖プレート
40、42 吸込弁
41 第2ハウジング部分の内側面
44、46 吐出弁
46a、46b 隆起区分
48a、48b 陥凹部区分
52 ラジアルベアリング、後方ベアリング
54、58 フランジ
56 ポンプハウジングの半径方向に向いている内側面
60 第2ハウジング部分の半径方向に伸張する軸方向に向いている面
126、226、326 タペット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプアッセンブリにおいて、
被駆動カム(18)と、
使用時に、前記カム(18)が駆動されると、ポンプハウジング(12、30)内に設けられているボア内で往復運動して、ポンプ室(33、35)内に流体の昇圧を生じさせる往復運動部材(26、28;126、226、326;32、34)と、
前記カム(18)と前記往復運動部材の間にあって、前記カムが駆動されると、前記往復運動部材を、(i)前記ボア内で第1の軸方向に並進させ(ii)前記ボア内で第2の回転方向に回転させる、インターフェース手段(26a、28a;32a、34a;18c)と、を備えた流体ポンプアッセンブリ。
【請求項2】
前記往復運動部材(26、28;126、226、326;32、34)は、前記ボア内で自身の軸周りに回転させられる、請求項1に記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項3】
前記往復運動部材は、ポンピングプランジャ(32、34)と協働できる中間駆動部材(26、28;126、226、326)であり、前記ポンピングプランジャ(32、34)が前記中間駆動部材(26、28)によって駆動されると、前記ポンプ室(33、35)内に流体の昇圧が生じるようになっている、請求項1又は2に記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項4】
前記往復運動部材は、前記カム(18)と直接インターフェースするポンピングプランジャ(32、34)である、請求項1又は2に記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項5】
前記往復運動部材(26、28;126、226、326;32、34)は、前記カム(18)と実質的に同じ角速度で回転する、請求項1から4の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項6】
前記インターフェース手段(26a、18c)は、前記カムが回転すると、軸方向及び回転方向の運動を前記往復運動部材(26、28)へ伝えるように協働する、前記往復運動部材(26、28)の斜面と前記カムの対応する斜面(18c)と、を含んでいる、請求項1から5の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項7】
(i)前記ポンプハウジング(12)の軸方向に向いている内側面によって画定されている、前記カムのためのアキシャルベアリング(22)、及び/又は、(ii)前記ポンプハウジング(12)の半径方向に向いている内側面によって画定されている、カムのためのラジアルベアリング(24)を更に備えている、請求項1から6の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項8】
前記カムの表面に塗布され、使用時に、前記ラジアルベアリング(24)の輪郭に変形する被覆(25)を更に備えている、請求項7に記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項9】
前記アキシャルベアリング(22)には、潤滑流体を受け入れるための容積を提供する少なくとも1つの陥凹部(48a、48b)が設けられている、請求項7又は8に記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項10】
前記アキシャルベアリング(22)は、前記カム(18)のための荷重ベアリング面を画定する非陥凹区域(46a、46b)を含んでいる、請求項7から9の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項11】
前記アキシャルベアリング(22)には、使用時に前記アキシャルベアリング(22)が撓んで、それにより前記カムが回転する際の前記アキシャルベアリング(22)と前記カム(18)の間への潤滑流体の引き込みを推進できるようにする脆弱領域(50)が設けられている、請求項7から10の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項12】
前記脆弱領域は、前記アキシャルベアリングの陥凹部(50)によって画定されている、請求項11に記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項13】
前記アキシャルベアリング(22)には、前記カムが回転する際に前記アキシャルベアリング(22)と前記カム(18)の間に引き込まれる潤滑剤用の引込縁を画定する切欠区分が設けられている、請求項7から12の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項14】
前記ポンプ室が前記ポンプハウジング(30)内に画定され、前記ポンプハウジング(30)に取り付けられているプレート(39)によって閉鎖されているか、又は、前記ポンプ室全体が前記ポンプハウジング(30)内に画定されているか、の何れかである、請求項1から13の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項15】
前記駆動軸(16)の出力端は、前記カム(18)の後方に伸びて、前記ポンプハウジング(30)により画定されるベアリング(52)に対して、前記駆動軸(16)の入力端に加えられる横荷重に対抗するように働き掛ける、請求項1から14の何れかに記載の流体ポンプアッセンブリ。
【請求項16】
流体ポンプアッセンブリにおいて、
被駆動カム(18)と、
使用時に、前記カム(18)が駆動されると、ポンプハウジング(12、30)内に設けられているボア内で往復運動して、ポンプ室(33、35)内に流体の昇圧を生じさせる往復運動部材(26、28;126、226、326;32、34)と、を備えており、
前記往復運動部材(26、28)は、前記カムが回転すると、前記カムの対応する斜面(18c)と協働して、駆動力を前記往復運動部材(26、28)に伝える斜面(26a)を含んでいる、流体ポンプアッセンブリ。
【請求項17】
流体ポンプアッセンブリにおいて、
被駆動カム(18)と、
使用時に、前記カム(18)が駆動されると、ポンプハウジング(12、30)内に設けられているボア内で往復運動して、ポンプ室(33、35)内に流体の昇圧を生じさせる往復運動部材(26、28;126、226、326;32、34)と、を備えており、
前記ポンプハウジング(12、30)は、前記カム(18)のベアリング(22)であって、使用時に前記ベアリング(22)が撓んで、それにより前記カムと前記ベアリング(22)の間の潤滑容積を広げられるようにする脆弱領域(50)が設けられているベアリング(22)、を画定している、流体ポンプアッセンブリ。
【請求項18】
前記脆弱領域は、前記ポンプハウジング(12)の陥凹部(50)によって画定されている、請求項17に記載の流体ポンプアッセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−133402(P2010−133402A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−257148(P2009−257148)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)
【Fターム(参考)】