説明

流体製品の熱交換器構造

【課題】熱媒体による温度上昇に伴う膨張収縮を有効に吸収することができると共に高サニタリー性を確保し、容易に分解することができ、内部の点検及び内部の洗浄が可能な熱交換器を提供する。
【解決手段】外側管10と、上記外側管10よりも小径に形成され、外側管10内に軸方向に沿って配置された内側管11とを備え、上記内側管11と外側管10との間には高粘性流体が流通すると共に上記内側管11内には上記高粘性流体を熱交換しうる熱媒体が流通し、上記外側管10の周面部には、上記外側管10と上記内側管11との間を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部12が設けられた流体製品の熱交換器構造において、上記内側管11は、軸方向における伸縮を吸収しうると共に外気を密閉しうる接合部材26を介して上記外側管10の軸方向端部に着脱可能に固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体製品の熱交換器構造に係り、特に、殺菌等の処理が施された高粘性流体製品を熱交換する流体製品の熱交換器構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、流体製品製造プラントにおいては、殺菌処理が施された流体製品を熱交換する場合には、管内に流体製品を流通させて熱交換する熱交換器が使用されている。
【0003】
特に、上記流体製品が、固形物を含む高粘性製品である場合には、管の外周面部に、管内を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部が軸方向に沿って設けられ、上記管内に流体製品を流通させると共に上記熱媒体流通部内に熱媒体を流通させ、管内の流体製品を熱交換するように構成された熱交換器が使用されている。
【0004】
しかしながら、流体製品が高粘性である場合には、流体製品内部での対流が起こりにくいことから、流通する流体製品の中で上記熱媒体流通部の近傍を通過する部位のみが熱交換され、熱媒体流通部から離間した部位は熱交換されないまま流通し、液体製品全体として熱交換効率が低い場合がある、という不具合が存していた。
【0005】
従って、従来より、例えば、図5に示すように、上記管(外側管)64内に、熱媒体が内部を流通する内側管65を軸方向に沿って配設させて、上記内側管65と外側管64との間の空隙69に流体製品を流通させると共に、外側管64の外周部に設けられた熱媒体の流通部70内及び内側管65内に熱媒体を流通させ、流体製品を内方及び外方から熱交換するように構成された、直管からなる三重管により形成された熱交換器66が使用されている。
【0006】
このような従来の三重管からなる熱交換器66は、内側管65は端部においてOリング67を介して外側管64に対して軸方向に摺動可能に接合固定され、内側管65内の流体製品と外側管64内の熱媒体との間の温度差による外側管64および内側管65の軸方向における熱膨張及び収縮を吸収するように構成されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このように構成された三重管からなる熱交換器にあっては、熱膨張により内側管65の端部68が外側管64の外方へ突出した場合には、内側管65が外気に触れることから、外気中の雑菌が付着する懼れがあり、その後、収縮して流体製品に接触する場合には、流体製品に雑菌が混入する惧れもあり、殺菌された流体製品の熱交換には使用できず、使用可能な範囲が限定されてしまう、という不具合が存していた。
【0008】
一方、このような不具合を解消するために、直管ではなくU字状管を使用した熱交換器も使用されていた。このようなU字状管を使用した熱交換器にあっては、軸方向及び径方向の熱膨張及び熱収縮を端部のU字状部を利用することにより有効に吸収することができる。
しかしながら、従来のU字状管からなる熱交換器は分解することができず、点検作業及び内部洗浄作業を行うことができない、という不具合が存していた。
【0009】
そこで、本願発明の課題は、熱媒体による温度上昇に伴う膨張収縮を有効に吸収することができると共に高サニタリー性を確保し、容易に分解することができ、内部の点検及び内部の洗浄が可能な熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような課題を解決するため請求項1記載の発明にあっては、外側管と、上記外側管よりも小径に形成され、外側管内に軸方向に沿って配置された内側管とを備え、上記内側管と外側管との間には高粘性流体が流通すると共に上記内側管内には上記高粘性流体を熱交換しうる熱媒体が流通し、上記外側管の周面部には、上記外側管と上記内側管との間を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部が設けられた流体製品の熱交換器構造において、上記内側管は、軸方向における伸縮を吸収しうると共に外気を密閉しうる接合部材を介して上記外側管の軸方向端部に着脱可能に固定されていることを特徴とする。
【0011】
従って、請求項1記載の発明にあっては、上記内側管は、軸方向における伸縮を吸収しうる接合部材を介して上記外側管の軸方向端部に着脱可能に固定されていることから、上記接合部材は、内側管及び外側管の軸方向における熱媒体の影響による内側管及び外側管の熱膨張又は熱収縮を吸収すると共に、上記接合部材は外気に対して流体製品を密閉している。
また、上記内側管は上記外側管に対して着脱可能に固定されていることから、内側管を外側管から取り外すことができる。
【0012】
請求項2記載の発明にあっては、上記内側管の端部には軸方向に開口する熱媒体流入口部が形成され、上記熱媒体流入口部の上記熱媒体流入口近傍には上記内側管外方へ突出する内側管フランジ部が設けられ、上記内側管は、上記外側管の端部に設けられた外側管フランジ部に上記内側管フランジ部を接合することにより外側管に固定されていることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は上記外側管フランジ部の軸方向外方において上記外側管フランジ部に接合固定されることを特徴とする。従って、請求項3記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は外側管フランジ部の外方から接合固定又は取り外される。
【0014】
請求項4記載の発明にあっては、上記内側管は、管本体部と、上記管本体部の端部に着脱可能に接合される流入管部とを備え、上記内側管フランジ部は上記流入管部に形成されていることを特徴とする。
従って、請求項4記載の発明にあっては、上記流入管部のみを、管本体部から分離して取り外すことができる。
【0015】
請求項5記載の発明にあっては、上記接合部材はダイヤフラム材からなり、上記内側管フランジ部と上記外側管フランジ部との間にはダイヤフラム材が介在していることを特徴とする。従って、請求項5記載の発明にあっては、上記ダイヤフラム材により外側管の内部と外部とを隔離することができると共に、内側管と外側管との間における熱膨張又は収縮は、上記ダイヤフラム材により吸収される。
【0016】
請求項6記載の発明にあっては、上記管本体部の端部には接合フランジ部が形成され、上記ダイヤフラム材の径方向内方端部は上記接合フランジ部に固定されると共に、上記ダイヤフラム材の径方向外方端部は上記外側管フランジ部及び上記内側管フランジ部に挟持されていることを特徴とする。
【0017】
請求項7記載の発明にあっては、上記外側管の上記軸方向端部には上記流体製品流入口部が開設され、上記内側管のフランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管のフランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記管本体部に形成されたフランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることを特徴とする。
【0018】
請求項8記載の発明にあっては、外側管と、上記外側管よりも小径に形成され、外側管内に軸方向に沿って配置された内側管とを備え、上記内側管と外側管との間には高粘性流体が流通すると共に上記内側管内には上記高粘性流体を熱交換しうる熱媒体が流通し、上記外側管の周面部には、上記外側管と上記内側管との間を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部が設けられた流体製品の熱交換器構造において、上記外側管及び内側管は全体U字状に形成され、端部に上記熱媒体流入口部及び流体製品流入口部を有する一対の直管部と、上記一対の直管部の反熱媒体流入口端部に着脱可能に接合固定されたU字状管部とを有し、上記U字状管部は上記直管部の軸方向端部に着脱可能に固定されていることを特徴とする。
【0019】
従って、請求項8記載の発明にあっては、上記外側管及び内側管は全体U字状に形成され、端部に上記熱媒体流入口部及び流体製品流入口部を有する一対の直管部と、上記一対の直管部の反熱媒体流入口端部に着脱可能に接合固定されたU字状管部とを有していることから、外側管及び内側管に発生する熱膨張又は収縮は、上記U字状部により吸収され、かつ、上記U字状管部を管本体部から取り外すことができる。
【0020】
請求項9記載の発明にあっては、上記内側管の端部には軸方向に開口する熱媒体流入口部が形成され、上記熱媒体流入口部の上記熱媒体流入口近傍には上記内側管外方へ突出する内側管フランジ部が設けられ、上記内側管は、上記外側管の端部に設けられた外側管フランジ部に上記内側管フランジ部を接合することにより外側管に固定されていることを特徴とする。
【0021】
請求項10記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は上記外側管フランジ部の軸方向外方において上記外側管フランジ部に接合固定されることを特徴とする。
【0022】
請求項11記載の発明にあっては、上記内側管は、管本体部と、上記管本体部の端部に接合される流入管部とを備え、上記内側管フランジ部は上記流入管部に形成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項12記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は上記流入管部の流入口部よりも内側管の管本体部寄りに設けられ、上記流入管部の反流入口部方向へ突出する突部を有すると共に、上記管本体部の端部には接合フランジ部が形成され、上記接合フランジ部は上記突部の内方部位において上記内側管フランジ部に固定されると共に、上記外側管フランジ部は上記突部の外方部位において上記内側管フランジ部に固定されていることを特徴とする。
【0024】
請求項13記載の発明にあっては、上記突部は、上記管本体部に形成されたフランジ部及び上記外側管フランジ部の厚さ寸法よりも小さい幅寸法に形成され、上記突部と上記フランジ部及び外側管フランジ部との間にはシール部材が配設されていることを特徴とする。
【0025】
請求項14記載の発明にあっては、上記外側管の上記軸方向端部には上記流体製品流入口部が開設され、上記内側管のフランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管のフランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記管本体部に形成されたフランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることを特徴とする。
【0026】
請求項15記載の発明にあっては、上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には、所定間隔で複数のディンプルが形成されていることを特徴とする。
請求項15記載の発明にあっては、内側管又は外側管の流体製品との接触周面部のいずれか又は双方が、いわゆるディンプル管により構成されている。
【0027】
請求項16記載の発明にあっては、上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には所定間隔で螺旋状溝部が形成されていることを特徴とする。
従って、請求項16記載の発明にあっては、内側管又は外側管の周面部のいずれか又は双方が、いわゆるコルゲート管により構成されている。
【0028】
請求項17記載の発明にあっては、固形物を含む高粘性の殺菌後の液体食品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
請求項1及び2記載の発明にあっては、上記内側管は、軸方向における伸縮を吸収しうる接合部材を介して上記外側管の軸方向端部に着脱可能に固定されていることから、上記接合部材は、内側管及び外側管の軸方向における熱媒体の影響による内側管及び外側管の熱膨張又は熱収縮を有効に吸収することができるため、従来のようなOリングを介して内側管を外側管に軸方向に沿って端部が外側管外方へ突出する形で摺動可能に接合する必要がないことから、熱膨張又は熱収縮があった場合に、内側管が外側管端部から伸出して外気に触れ、大気中の雑菌が付着することにより、殺菌された流体製品の熱交換には使用できず、使用可能な範囲が限定されてしまう、という不具合を回避することができる。
【0030】
また、内側管は外側管に対して着脱可能に固定されていることから、内側管を外側管から取り外して、容易に管内部を点検したり、又は管内部を洗浄することができる。さらに、上記接合部材は外気に対して流体製品を密閉しうることから、高いサニタリー性を確保することができる。
【0031】
請求項3記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は上記外側管フランジ部の軸方向外方において上記外側管フランジ部に接合固定されていることから、外側管を設置した後に内側管を外側管内に挿入して外側管の外側管フランジ部の軸方向外方へ内側管フランジを接合固定することができるため、容易に着脱することが可能となる。
【0032】
請求項4記載の発明にあっては、上記内側管は、管本体部と、上記管本体部の端部に接合される流入管部とを備え、上記内側管フランジ部は上記流入管部に形成されていることから、分解点検時や、洗浄時においても、内側管全体を取り外す必要はなく、流入管部のみを取り外せばよいことから、分解点検作業や洗浄作業が容易に行うことができる。
【0033】
請求項5及び6記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部と上記外側管フランジ部との間にはダイヤフラム材が介在していることから、確実に外側管の内部と外部とを隔離することができ、高いサニタリー性を確保した状態で殺菌された高粘性流体製品の熱交換を行うことができる。
また、ダイヤフラム材は容易に洗浄することができることから、上記のように高いサニタリー性を確保しつつかつ、洗浄性に優れた熱交換器構造を提供することができる。
【0034】
請求項7記載の発明にあっては、上記外側管の上記軸方向端部には上記流体製品流入口部が開設されていることから、流体製品は熱媒体が流通する内側管端部から流入することにより、内側管の軸方向全域に亘って熱媒体と満遍なく接触することから、流体製品は効率よく熱交換される。
また、上記内側管フランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管フランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記管本体部に形成された上記接合フランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることから、内側管及び外側管を組み立てる場合に、各フランジ部の接合作業が行いやすく、容易に組み立てができる熱交換器構造を提供することができる。
【0035】
請求項8及び9記載の発明にあっては、上記外側管及び内側管は全体U字状に形成され、端部に上記熱媒体流入口部及び流体製品流入口部を有する一対の直管部と、上記一対の直管部の反熱媒体流入口端部に着脱可能に接合固定されたU字状管部とを有し、上記内側管は上記外側管の軸方向端部に着脱可能に固定されていることを特徴とすることから、内側管及び外側管の軸方向における熱媒体の影響による内側管及び外側管の熱膨張又は熱収縮を有効に吸収することができる。
【0036】
また、従来の熱交換器構造のように、流体製品に接触する部位が外方へ延出する事態はなく、外気からは密閉されることから高サニタリー性を確保することができ、殺菌後の高粘性の流体製品が流通するラインにおいても使用ができることから、使用範囲が限定されことがない。
また、内側管は外側管に対して着脱可能に固定されていることから、内側管を外側管から取り外して、容易に管内部を点検できると共に、容易に管内部を洗浄することができる。
【0037】
請求項10記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は上記外側管フランジ部の軸方向外方において上記外側管フランジ部に接合固定されることから、外側管を設置した後に内側管を外側管内に挿入して外側管の外側管フランジ部の軸方向外方へ内側管フランジを接合固定することができるため、容易に着脱することが可能となる。
【0038】
請求項11記載の発明にあっては、上記内側管は、管本体部と、上記管本体部の端部に接合される流入管部とを備え、上記内側管フランジ部は上記流入管部に形成されていることから、分解点検時や、洗浄時においても、内側管全体を取り外す必要はなく、流入管部のみを取り外せばよいことから、分解点検作業や洗浄作業が容易に行うことができる。
【0039】
請求項12記載の発明にあっては、上記内側管フランジ部は上記流入管部の流入口部よりも内側管の管本体部寄りに設けられ、上記流入管部の反流入口部方向へ突出する突部を有し、上記管本体部に形成されたフランジ部は上記突部の内方部位において上記内側管フランジ部に固定されると共に、上記外側管フランジ部は上記突部の外方部位において上記内側管フランジ部に固定されていることから、内側管及び外側管を接合する場合に、内側管フランジ及び外側管フランジを容易に位置決めをすることができ、接合作業の容易な熱交換器構造を提供することができる。
【0040】
請求項13記載の発明にあっては、上記突部は、上記管本体部に形成されたフランジ部及び上記外側管フランジ部の厚さ寸法よりも小さい幅寸法に形成され、上記突部と上記フランジ部及び外側管フランジ部との間にはシール部材が配設されていることから、外側管内を流通する流体製品のシールを確実に行うことができる。
【0041】
請求項14記載の発明にあっては、上記外側管の上記軸方向端部には上記流体製品流入口部が開設され、上記内側管のフランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管フランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記管本体部に形成されたフランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることから、流体製品は熱媒体が流通する内側管端部から流入することにより、内側管の軸方向全域に亘って熱媒体と満遍なく接触することから、流体製品は効率よく熱交換される。
【0042】
また、上記内側管フランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管フランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記管本体部に形成された上記接合フランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることから、内側管及び外側管を組み立てる場合に、各フランジ部の接合作業が行いやすく、容易に組み立てができる熱交換器構造を提供することができる。
【0043】
請求項15記載の発明にあっては、上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には、所定間隔で複数のディンプルが形成されていることから、通常の直管を使用する場合よりも、流体製品又は熱媒体が上記ディンプルに当接することにより流体製品又は熱媒体が攪拌されると共に、流体製品と熱媒体との接触面積が拡大することから伝熱係数が向上し、より熱交換効率の高い熱交換器構造を提供することができる。
【0044】
また、請求項16記載の発明にあっては、上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には、所定間隔で螺旋状溝部が形成されていることから、通常の直管を使用する場合よりも、流体製品又は熱媒体が上記螺旋状溝部に当接することにより流体製品又は熱媒体が攪拌されると共に、流体製品と熱媒体との接触面積が拡大することから伝熱係数が向上し、より熱交換効率の高い熱交換器構造を提供することができる。
【0045】
請求項17記載の発明にあっては、上記流体製品は殺菌後の液体食品であることから、殺菌後の液体食品を高サニタリー性を保持した状態で、効果的に熱交換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係る熱交換器構造の第一の実施の形態を示す軸方向断面図であって、内側管フランジと外側管フランジとの間にダイヤフラムを介して接合する場合を示す図である。
【図2】本発明に係る熱交換器構造の第一の実施の形態を示す軸方向断面部分拡大図である。
【図3】本発明に係る熱交換器構造の第二の実施の形態を示す軸方向断面図であって、全体U字状に形成されている場合を示す図である。
【図4】本発明に係る熱交換器構造の第二の実施の形態を示す軸方向断面部分拡大図であって、ダイヤフラム材を用いることなく内側管を外側管に接合固定している場合を示す図である。
【図5】従来の熱交換器構造の一例を示す軸方向断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づき本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る熱交換機40は、外側管10と、上記外側管10よりも小径に形成され、外側管10内に軸方向に沿って配置された内側管11とを備えている。
【0048】
本実施の形態にあっては、上記外側管10及び内側管11はいずれも、管周面部に多数の凹部が形成されたディンプル管や、螺旋状の溝部が形成されたコルゲート管ではなく、管周面部が平滑な、いわゆる直管であると共に、第二実施の形態とは異なり、夫々、ストレートに形成された直管により構成されている。
【0049】
上記内側管11と外側管10との間には高粘性流体が流通し、上記内側管11内には上記高粘性流体を熱交換しうる熱媒体が流通し、上記外側管10の周面部には、上記外側管10と上記内側管11との間を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部12が設けられている。
【0050】
内側管11の軸方向一端部には、熱媒体流入口部14が開設されていると共に他端部には熱媒体流出口部35が開設されている。また、外側管10の軸方向の一端部には流体製品流出口部28が軸方向に対して略直交するように設けられていると共に、外側管10の軸方向他端部には、流体製品流入口部38が、上記流体製品流出口部28とは径方向反対の方向へ突設されている。
【0051】
また、上記熱媒体流通部12は外側管本体部29の外方にさらに膨出して形成され、上記外側管本体部29から所定の間隔寸法分の空隙を有する管部30により形成されている。上記管部30の一端部には、上記流体製品流出口部28に隣接するように、上記外側管10の軸方向に対して直交するように熱媒体流入口部31が形成されている。また、上記外側管10の他端部においては、上記熱媒体流通部12に熱媒体流出口部37が、上記熱媒体流入口部28の径方向における反対方向に延設されている。
【0052】
図2に示すように、上記外側管10の上記軸方向一端部には外側管フランジ部17が形成されており、外側管フランジ部17は外側管の軸方向に対して略直角に外方へ延設されて形成されている。上記外側管フランジ部17の内方側端部にはOリング部32が形成され、Oリング33が配設されている。
そして、本実施の形態にあっては、上記内側管11は、軸方向における伸縮を吸収しうる接合部材としてのダイヤフラム材13を介して上記外側管10の軸方向端部に着脱可能に固定されている。
【0053】
上記内側管11の端部には軸方向に開口する熱媒体流入口部14が形成され、上記熱媒体流入口部14の上記熱媒体流入口15近傍には上記内側管外方へ突出する内側管フランジ部16が設けられ、上記内側管11は、上記外側管10の端部に設けられた外側管フランジ部17に上記内側管フランジ部16を接合することにより外側管10に固定されている。
上記内側管11は、上記外側管10内全域に亘り軸方向に沿って配設されている管本体部18と、上記管本体部18の端部に着脱可能に接合される流入管部19とを備え、上記内側管フランジ部16は上記流入管部19に形成されている。
【0054】
上記管本体部18の端部には所定の幅寸法に接合フランジ部20が形成され、上記接合フランジ部20の開口部側にはOリング部27が形成され、Oリング部27にはOリング28が配設されている。
上記管本体部18は上記外側管10と略同一の長さ寸法を有しており、図1及び図2に示すように、管本体部18が外側管10内に軸方向に沿って配置された場合には、内側管11を形成する管本体部18の接合フランジ部20と外側管10の外側管フランジ部17とは軸方向において同一の位置に配置されるように構成されている。
【0055】
上記流入管部19は、上記管本体部18の内径と同一の外径を有し、上記管本体部18の端部内に摺動可能に挿入配置される小径部21と、上記小径部21の外方に形成された大径部22と、上記小径部21と大径部22との間に形成されたテーパ部23とを備えている。
上記小径部21の端部にはOリング部24が形成され、Oリング42を介して上記管本体部18の内周面部に、軸方向に摺動可能に圧接している。
上記内側管フランジ部16は上記テーパ部23に設けられ、基端部から、上記接合フランジ部20の幅寸法よりも大きい幅寸法で外方へ延設された延設部25と、上記延設部25の端部から管本体部18方向へ直角に折曲され略L字状に形成された接合部26とにより構成されている。
【0056】
上記管本体部18の端部に流入管部19が挿入配置された場合には、内側管フランジ部16は上記外側管フランジ部17に対向して配置されると共に、径方向においては、内側管フランジ部16と外側管フランジ部17の外端部は同じ位置に配置される幅寸法に形成されている。
【0057】
そして、本実施の形態にあっては、上記内側管11は、軸方向における伸縮を吸収しうる接合部材としてのダイヤフラム材13を介して上記外側管10の軸方向端部に着脱可能に固定されている。
上記ダイヤフラム材13は全体リング状に形成されて内側管11と外側管10との間に配設されており、フッ素樹脂製又は金属製である。その結果、上記内側管11と外側管10との間に流入する液体製品に直接に接触することになるが強度的にも問題はない。
【0058】
ダイヤフラム材13は、上記接合フランジ部20及び外側管フランジ部17と、上記内側管フランジ部16との間に介装されており、上記接合フランジ部20は上記ダイヤフラム材13の径方向内方端部にボルト44を介して着脱自在に固定されると共に、上記外側管フランジ部17及び上記内側管フランジ部16は内側管フランジ部16の外方からボルト45を介して着脱自在に固定されている。
【0059】
この場合、上記ダイヤフラム材13の径方向外端部は、上記内側管フランジ部16の接合部26の内側端部に形成された段部46に配設され、外側管フランジ部17との間に狭持されるようにして固定されている。
なお、図1に示すように、熱交換器40の他端部においては、上記液体製品流出口部38と熱媒体流出口部37との間にはクランプ接合部43が設けられ、上記クランプ接合部43から外方に形成された流出側端部39を熱交換器本体41から分離しうるように着脱自在に取り付けられている。また、上記クランプ接合部43の内方にはOリング部36が設けられている。
【0060】
(作用)
以下、本実施の形態に係る熱交換器40の作用について説明する。
図1及び図2に示すように、固形物を含む高粘性の殺菌後の液体食品は上記流体製品流出口部38から上記外側管10と内側管11との間の空隙34内へ流入する。一方、熱媒体は、熱媒体流入口部14から内側管11内へ流入し、内側管11内を流出口部35方向へ流通すると共に、同時に、他の熱媒体流入口部31からも流入し、熱媒体流通部12内を熱媒体流出口部37方向へ流通する。
【0061】
従って、上記液体食品は、内方から内側管11内の熱媒体により熱交換されると共に、外方から熱媒体流通部12内の熱媒体によっても熱交換されることから、固形物を含む高粘性の液体食品であっても、上記空隙34内において効率よく熱交換される。
【0062】
また、上記熱媒体により内側管11又は外側管10が軸方向に熱膨張又は収縮する場合には、内側管11はダイヤフラム材13を介して外側管10に固定されていることから、例えば、内側管11が熱膨張又は収縮する場合、上記のように、内側管フランジ部16の延設部25は接合フランジ部20よりも大きい幅寸法に形成されていると共に、上記延設部25の端部から管本体部18方向へ直角に折曲され略L字状に形成された接合部26とにより構成されていることから、接合フランジ部20と上記延設部25及び接合部26との間には空隙36が形成されており、上記空隙36内を、上記接合フランジ部20は、ダイヤフラム材13が屈曲されつつ、上記延設部25に接近又は離間する。
【0063】
また、外側管10が熱膨張又は収縮する場合にも、同様に、ダイヤフラム材13が折れ曲がりつつ軸方向に沿って内側管11に対して上記同様に相対的に移動する。
その結果、上記ダイヤフラム材13により、内側管11及び外側管10の熱膨張又は収縮を有効に吸収することができる。
【0064】
さらに、熱交換器40の内部を点検又は洗浄する場合には、先ず、内側管フランジ部16を外側管フランジ部17に固定しているボルト45を緩め、流入管部19を軸方向に取り外す。
その後、ボルト44を緩め、ダイヤフラム材13を除去することにより、内側管11と外側管10との間の空隙34を外方へ露出することができるため、適宜、点検又は内部の洗浄作業を行うことができる。
【0065】
点検作業又は洗浄作業が終了した場合には、上記の手順とは反対の手順により、容易かつ迅速にダイヤフラム材13をボルト44を介して接合フランジ部20に固定することができると共に、流入管部19を管本体部18の端部に挿入配置させてボルト45を介して外側方フランジ17に固定して熱交換作業を行うことができる。
【0066】
(第二実施の形態)
次に、本発明に係る熱交換器構造の第二の実施の形態を説明する。
図3及び図4に示すように、本実施の形態に係る熱交換器50は、前記実施の形態に係る熱交換器40とは異なり、全体U字状に形成されており、内側管51と外側管52との間にはダイヤフラム材は配設されていない。この相違点以外の基本的な構成は前記実施の形態に係る熱交換器40と同一の構成である。従って、同一構成の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
即ち、外側管51及び内側管52は全体U字状に折曲して形成され、端部に熱媒体流出口部35を有する一対の直管部53,53と、上記一対の直管部53,53の反熱媒体流入口端部にクランプ接合部43を介して、上記直管部53,53に対して着脱可能に接合固定されたU字状管部54とを有している。
また、上記クランプ接合部43の内方にはOリング部36が設けられている。
【0068】
また、前記実施の形態とは異なり、内側管フランジ部55は、ダイヤフラム材を介することなく直接に、外側管フランジ部56及び接合フランジ部57にボルト58,59を介して着脱可能に固定されている。
即ち、上記内側管フランジ部55は、前記実施の形態における場合よりも、流入管部19において軸方向後端部寄りの位置、即ち、管本体部18寄りに設けられ、上記流入管部19の反流入口部方向へ突出する突部60を有している。
【0069】
上記接合フランジ部57は上記突部60の内方部位において上記内側管フランジ部55に固定されると共に、上記外側管フランジ部56は上記突部60の外方部位において上記内側管フランジ部55に固定されている。
上記突部60は、上記接合フランジ部57及び上記外側管フランジ部56の厚さ寸法よりも小さい幅寸法に形成され、上記突部60と上記接合フランジ部57及び外側管フランジ部56との間にはシール部材61が配設されている。本実施の形態においては、上記シール部材は硬質ゴム製であって、フッ素樹脂コーティングが施されている。
【0070】
また、図4に示すように、上記内側管フランジ部55は内方部においてボルト58により接合フランジ部57に着脱可能に固定されていると共に、外方部においてボルト59により外方フランジ部56に着脱可能に固定されている。
【0071】
(作用)
以下、第二実施の形態に係る熱交換器50の作用について説明する。なお、前記実施の形態と同一の作用については説明を省略する。
本実施の形態に係る熱交換器50において、熱媒体により内側管52又は外側管51が熱膨張又は収縮した場合には、上記U字状管部54により熱膨張又は収縮を吸収することができる。
【0072】
そして、熱交換器50内部の点検又は洗浄を行う際には、上記ボルト58を緩めて内側管フランジ部55と上記接合フランジ部57との間の固定を解除しすると共に、上記ボルト59を緩めることにより内側管フランジ部55と外側管フランジ部56との間の固定を解除する。
【0073】
その後、流入管部19を管本体部18から抜き出すことにより内側管11と外側管10との間の空隙34を露出することができるため、適宜、点検又は内部の洗浄作業を行うことができる。
なお、上記各形態にあっては、内方管11及び外方管10の周面部は平滑に形成された場合を例に説明したが、上記各実施の形態には限定されず、上記内側管10の周面部、外側管11の流体製品との接触周面部又は外側管11の周面部には、所定間隔で複数のディンプルが形成された、いわゆる「ディンプル管」が使用されていてもよい。
【0074】
さらに、上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には所定間隔で螺旋状溝部が形成されたいわゆる「コルゲート管」が使用されていてもよい。
このように、ディンプル管又はコルゲート管が使用された場合には、内側管11及び外側管10の周面部が平滑な場合に比して、液体食品及び熱媒体がディンプル又は溝部内に入り込み、熱交換できる機会が増加することから、より高効率な熱交換を行うことができる熱交換器を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、広く、流体製品の熱交換に使用される熱交換器構造に広く適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
10 外側管
11 内側管
12 熱媒体流通部
13 ダイヤフラム部
14 熱媒体流入口部
15 熱媒体流入口
16 内側管フランジ部
17 外側管フランジ部
18 管本体部
19 流入管部
20 接合フランジ部
21 小径部
22 大径部
23 テーパ部
24 Oリング
25 延設部
26 接合部
27 Oリング
28 流体製品流出口部
29 外側管本体部
30 管部
31 熱媒体流入口部
32 Oリング部
33 Oリング
34 空隙
35 熱媒体流出口部
37 熱媒体流出口部
38 流体製品流入口部
39 流出側端部
40 熱交換器
41 熱交換器本体
42 Oリング
43 クランプ接合部
44 ボルト
45 ボルト
46 段部
50 熱交換器
51 外側管
52 内側管
53 直管部
54 U字状管部
55 内側管フランジ部
56 外側管フランジ部
57 接合フランジ部
58 ボルト
59 ボルト
60 突部
61 シール部材
64 外側管
65 内側管
66 熱交換器
67 Oリング
68 端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側管と、上記外側管よりも小径に形成され、外側管内に軸方向に沿って配置された内側管とを備え、上記内側管と外側管との間には高粘性流体が流通すると共に上記内側管内には上記高粘性流体を熱交換しうる熱媒体が流通し、上記外側管の周面部には、上記外側管と上記内側管との間を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部が設けられた流体製品の熱交換器構造において、
上記内側管は、軸方向における伸縮を吸収しうると共に外気を密閉しうる接合部材を介して上記外側管の軸方向端部に着脱可能に固定されていることを特徴とする流体製品の熱交換器構造。
【請求項2】
上記内側管の端部には軸方向に開口する熱媒体流入口部が形成され、上記熱媒体流入口部の上記熱媒体流入口近傍には上記内側管外方へ突出する内側管フランジ部が設けられ、上記内側管は、上記外側管の端部に設けられた外側管フランジ部に上記内側管フランジ部を接合することにより外側管に固定されていることを特徴とする請求項1記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項3】
上記内側管フランジ部は上記外側管フランジ部の軸方向外方において上記外側管フランジ部に接合固定されることを特徴とする請求項2記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項4】
上記内側管は、管本体部と、上記管本体部の端部に着脱可能に接合される流入管部とを備え、上記内側管フランジ部は上記流入管部に形成されていることを特徴とする請求項3記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項5】
上記接合部材はダイヤフラム材からなり、上記内側管フランジ部と上記外側管フランジ部との間にはダイヤフラム材が介在していることを特徴とする請求項4記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項6】
上記管本体部の端部には接合フランジ部が形成され、上記ダイヤフラム材の径方向内方端部は上記接合フランジ部に固定されると共に、上記ダイヤフラム材の径方向外方端部は上記外側管フランジ部及び上記内側管フランジ部に挟持されていることを特徴とする請求項5記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項7】
上記外側管の上記軸方向端部には上記流体製品流入口部が開設され、上記内側管フランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管フランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記管本体部に形成された上記接合フランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることを特徴とする請求項6記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項8】
外側管と、上記外側管よりも小径に形成され、外側管内に軸方向に沿って配置された内側管とを備え、上記内側管と外側管との間には高粘性流体が流通すると共に上記内側管内には上記高粘性流体を熱交換しうる熱媒体が流通し、上記外側管の周面部には、上記外側管と上記内側管との間を流通する高粘性流体製品を熱交換しうる熱媒体が流通する熱媒体流通部が設けられた流体製品の熱交換器構造において、
上記外側管及び内側管は全体U字状に形成され、端部に上記熱媒体流入口部及び流体製品流出口部を有する一対の直管部と、上記一対の直管部の反熱媒体流入口端部に着脱可能に接合固定されたU字状管部とを有し、上記U字状管部は上記直管部の軸方向端部に着脱可能に固定されていることを特徴とする流体製品の熱交換器構造。
【請求項9】
上記内側管の端部には軸方向に開口する熱媒体流入口部が形成され、上記熱媒体流入口部の上記熱媒体流入口近傍には上記内側管外方へ突出する内側管フランジ部が設けられ、上記内側管は、上記外側管の端部に設けられた外側管フランジ部に上記内側管フランジ部を接合することにより外側管に固定されていることを特徴とする請求項8記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項10】
上記内側管フランジ部は上記外側管フランジ部の軸方向外方において上記外側管フランジ部に接合固定されることを特徴とする請求項9記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項11】
上記内側管は、管本体部と、上記管本体部の端部に接合される流入管部とを備え、上記内側管フランジ部は上記流入管部に形成されていることを特徴とする請求項10記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項12】
上記内側管フランジ部は上記流入管部の流入口部よりも内側管の管本体部寄りに設けられ、上記流入管部の反流入口部方向へ突出する突部を有すると共に、上記管本体部の端部には接合フランジ部が形成され、
上記接合フランジ部は上記突部の内方部位において上記内側管フランジ部に固定されると共に、上記外側管フランジ部は上記突部の外方部位において上記内側管フランジ部に固定されていることを特徴とする請求項11記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項13】
上記突部は、上記接合フランジ部及び上記外側管フランジ部の厚さ寸法よりも小さい幅寸法に形成され、上記突部と上記接合フランジ部及び外側管フランジ部との間にはシール部材が配設されていることを特徴とする請求項12記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項14】
上記外側管の上記軸方向端部には上記流体製品流入口部が開設され、上記内側フランジ部は上記内側管の軸方向に対して直交して設けられ、上記外側管フランジ部は外側管の軸方向に対して直交して設けられると共に、上記接合フランジ部は管本体部の軸方向に対して直交して設けられていることを特徴とする請求項13記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項15】
上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には、所定間隔で複数のディンプルが形成されていることを特徴とする請求項1又は8記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項16】
上記内側管周面部又は外側管の流体製品との接触周面部には所定間隔で螺旋状溝部が形成されていることを特徴とする請求項1又は8記載の流体製品の熱交換器構造。
【請求項17】
上記流体製品は固形物を含む高粘性の殺菌後の液体食品であることを特徴とする請求項1記載の流体製品の熱交換器構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−261604(P2010−261604A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−110432(P2009−110432)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(000157946)岩井機械工業株式会社 (37)
【Fターム(参考)】