説明

流動体供給装置及び流動体供給方法

【課題】流動体が容器内で圧力を受けてから吐出されるまでに時間がかかる場合であっても流動体の吐出量が調整可能な流動体供給装置及び流動体供給方法を提供すること。
【解決手段】はんだの供給を停止させる旨の制御信号が出力されると、モータ122のドライバは、モータ122が先ほどと逆の方向に回転するようにモータ122を駆動する。駆動プーリ123も逆回転し、これに連動して上下駆動プーリ126及び回転駆動プーリ125も逆回転する。これにより、相対的にピストン106と容器とが先ほどと逆回転しながら、ピストン106が容器から抜ける方向へ移動する。これにより、流動体の吐出量が適切に調整可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に塗布されるはんだ等の流動体を供給する流動体供給装置及び流動体供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板のランド等にクリームはんだを塗布して、はんだパターンを形成するはんだ印刷機が知られている。このはんだ印刷機には、クリームはんだを供給するはんだ供給装置が組み込まれるが、例えば、はんだ供給装置として特許文献1に記載されているものがある(特許文献1の図2等参照)。
【0003】
特許文献1に記載のはんだ供給装置では、供給アッセンブリが用いられる。供給アッセンブリは、はんだが収容された供給容器と、供給容器を収納し固定させる供給容器と、供給容器の開口部に嵌挿されるピストンを含む吐出アダプタからなる。また、このはんだ供給装置には、供給容器を押圧するための駆動機構が設けられている。
【0004】
供給容器の開口部側が下を向くように、供給アッセンブリがはんだ供給装置に装着される。はんだ供給時には、上記の駆動機構により供給容器が押圧され、その供給容器に嵌挿されているピストンの方へ移動される。吐出アダプタは固定されており、従って供給容器が移動すると供給容器に固定された供給容器内に吐出アダプタが入り込むことになり、供給容器内のはんだに圧力がかかる。吐出アダプタには吐出口が設けられており、圧力を受けたはんだが、吐出口を介してプリント基板等に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−306102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のはんだ供給装置では、はんだがピストンにより圧力を受けてから、チューブからから吐出されるまでには時間がかかる。このため、はんだの吐出量を調整して供給するためには工夫が必要である。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、流動体が容器内で圧力を受けてから吐出されるまでに時間がかかる場合であっても流動体の吐出量が調整可能な流動体供給装置及び流動体供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る流動体供給装置は、ピストンと、ピストン支持部と、容器支持部と、駆動機構とを具備する。
前記ピストンは、貫通孔を有する。
前記ピストン支持部は、前記ピストンを支持する。
前記容器支持部は、前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させるために前記容器内に前記ピストンが挿入されるように、かつ、前記流動体の吐出量を調整するために前記容器から前記ピストンが相対的に抜ける方向へ移動するように、前記容器支持部及び前記ピストン支持部のうち少なくとも一方を駆動する。
【0009】
この流動体供給装置では、容器からピストンが抜ける方向へピストンが相対的に移動すると、容器内部の流動体が受ける圧力が小さくなる。従って、例えば流動体が吐出する途中でピストンを上記のように移動させ流動体の吐出を止めることで、流動体の吐出量を調整することができる。
例えば、次のような発明により、ピストンが移動する際の、ピストンの容器に対する抵抗は小さいので、簡単にピストンを上記のように移動させることができる。
【0010】
前記駆動機構は、前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させるために、前記容器と前記ピストンとが相対的に回転しながら前記容器内に前記ピストンが挿入されるように、前記容器支持部及び前記ピストン支持部のうち少なくとも一方を駆動することにより、次のような作用効果も得られる。すなわち、容器とピストンとが相対的に回転しながら、容器内にピストンが挿入されることにより、ピストンが挿入される際の、ピストンの容器に対する抵抗が小さくなる。従って、例えば出力が小さい小型のモータ等を備えた小型の駆動機構でも、確実にピストンを容器内に挿入することができ、確実に流動体を供給することができる。
【0011】
前記ピストンは、前記ピストンの端部に設けられ、前記ピストンが挿入される方向に向けて、外周の径が大きくなるテーパ状の外周面を有するシール部材を含んでもよい。
ピストンが挿入される際の、ピストンの容器に対する抵抗が小さいので、上記のようなシール部材をピストンの端部に設けることができる。このシール部材により、容器内の流動体を十分にかき出し吐出させることができる。
【0012】
前記流動体供給装置は、ノズルと、開閉機構とをさらに具備してもよい。
前記ノズルは、前記貫通孔と連通する内部流路を有する。
前記開閉機構は、前記内部流路を開閉することが可能である。
【0013】
この流動体供給装置では、ノズルの内部流路を介して流動体が吐出される。流動体が吐出される際に開閉機構により内部流路が閉じられることで、ノズルから流動体が分離しやすくなる。また、所期のタイミングでノズルの内部流路を閉じることで、流動体の供給量を調整することができる。
【0014】
前記ノズルは、前記流動体が吐出される方向に向けて、外周の径が小さくなるようなテーパ面を含む吐出端部を有してもよい。この場合、前記開閉機構は、前記吐出端部を押圧することで前記内部流路を閉じてもよい。
流動体が吐出される吐出端部が上記のテーパ面を有しているので、開閉機構により内部流路が閉じられる際に、ノズルから流動体が分離しやすくなる。
【0015】
前記開閉機構は、一対の開閉部材を含んでもよい。
前記一対の開閉部材は、前記ノズルを押圧する押圧端部と、前記押圧端部に形成された切り欠きとを有し、前記ノズルを挟み込むように押圧する。
【0016】
この流動体供給装置では、一対の開閉部材によりノズルが挟み込まれるように押圧され、ノズルの内部流路が閉じられる。一対の開閉部材の押圧端部には切り欠きが形成されており、内部流路が閉じられる際に、切り欠きの分だけノズルの変形が抑えられる。切り欠きの大きさは、内部流路が閉じられる範囲で適宜設定されてよい。
【0017】
本発明の一形態に係る流動体供給方法は、貫通孔を有するピストンと、前記ピストンを支持するピストン支持部と、流動体が収容された容器を支持することが可能な容器支持部と、前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させるために、前記容器内に前記ピストンが挿入されるように前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動することが可能な駆動機構とを備えた流動体供給装置を用い、予め設定された流動体の供給量に対応する前記ピストンの前記容器内への挿入距離である設定挿入距離より大きい挿入距離となるように、前記駆動機構により前記ピストンを相対的に前記容器内へ挿入させることで、前記流動体を吐出させる。
そして、前記流動体供給装置を用い、前記設定挿入距離に対応する供給量で前記流動体の吐出が停止されるように、前記吐出が停止される前に、前記駆動機構により前記容器から前記ピストンが相対的に抜ける方向に前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方が駆動される。
【0018】
本発明の他の形態に係る流動体供給方法は、貫通孔を有するピストンと、前記ピストンを支持するピストン支持部と、流動体が収容された容器を支持することが可能な容器支持部と、前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動して前記容器から前記流動体を吐出させる駆動機構とを備えた流動体供給装置を用い、前記容器内に前記ピストンが挿入されるように前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動することにより、前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させる。
そして、前記流動体の吐出が停止される前に、前記容器から前記ピストンが相対的に抜ける方向に前記容器支持部及び前記ピストン支持部のうち少なくとも一方が駆動される。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、流動体が容器内で圧力を受けてから吐出されるまでに時間がかかる場合であっても流動体の吐出量が適切に調整可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る流動体塗布装置の構成を示す模式的な図である。
【図2】図1に示す基板支持機構の構成を示す模式的な図である。
【図3】本実施形態の流動体供給装置及びスキージ機構を示す模式的な斜視図である。
【図4】図3に示す流動体供給装置及びスキージ機構の模式的な正面図である。
【図5】図3に示す流動体供給装置及びスキージ機構の模式的な側面図である。
【図6】図3に示す流動体供給装置及びスキージ機構の模式的な側面図である。
【図7】図3に示す流動体供給装置及びスキージ機構の模式的な上面図である。
【図8】本実施形態のピストンを示す模式的な断面図である。
【図9】ピストン支持部に固定されたピストンの、容器側の端部の反対側の端部を示した模式的な断面図である。
【図10】図9に示すノズル及び開閉部材を拡大して示した模式的な図である。
【図11】本実施形態のスキージを示す模式的な斜視図である。
【図12】図11に示すスキージを上方から見た模式的な上面図である。
【図13】本実施形態の流動体塗布装置の制御システムの構成を示すブロック図である。
【図14】図13に示すブロック図のうち、流動体供給装置及びスキージ機構の制御システム示したブロック図である。
【図15】本実施形態の流動体塗布装置の動作を示すフローチャートである。
【図16】容器内に挿入されたピストン及びシール部材を示す模式的な断面図である。
【図17】スキージによりはんだが塗布される際の、はんだの動きを模式的に示した上面図である。
【図18】本実施形態の流動体塗布装置の駆動機構の変形例を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
[流動体塗布装置の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る流動体塗布装置の構成を示す模式的な図である。流動体塗布装置150は、流動体としてはんだを、スクリーン1を介して基板2に供給するための装置である。流動体塗布装置150は、流動体供給装置100と、スキージ機構170と、スクリーン1を固定する固定機構10と、基板2を支持する基板支持機構20とを有する。
【0022】
固定機構10は、スクリーン1の端部3を保持する複数のクランプ11を有しており、このクランプ11によりスクリーン1は固定される。スクリーン1は、流動体供給装置100及びスキージ機構170の下側に、これらと対向するように固定される。またスクリーン1には図示しないパターン孔が形成されている。
【0023】
図2は、基板支持機構20の構成を示す模式的な図である。基板支持機構20は、ステージ機構21と、ステージ機構21を移動させるステージ移動機構22とを有する。ステージ機構21は、搬送ベルト23及び上下に移動可能な吸着ブロック機構24を有する。吸着ブロック機構24は、搬送ベルト23により搬送された基板2を支持し、搬送ベルト23よりも上方に基板2を移動させる。
【0024】
ステージ移動機構22は、ステージ機構21を基板2の表面方向(図2で示すX方向及びY方向)に移動させ、また、ステージ機構21を図2で示すZ方向を軸として回転させる移動部25を有する。また、ステージ移動機構22はエアシリンダ26を有し、このエアシリンダ26によりステージ機構21が上下方向(Z方向)に移動される。また、ステージ移動機構22は、移動部25の周囲に設けられた複数のストッパ27を有している。
【0025】
図1に示すように、流動体塗布装置150は、カメラ部4とクリーニング部5とを有している。カメラ部4及びクリーニング部5は、ガイドレール6に沿ってそれぞれ移動可能な構造となっている。カメラ部4は基板2の位置決めのために、基板2上に設けられた図示しないアライメントマークを認識する。クリーニング部5にはクリーニングペーパー7が装着されており、このクリーニングペーパー7により、スクリーン1の下面(基板2側の面)がクリーニングされる。
【0026】
[流動体供給装置の構成]
図3は、本実施形態の流動体供給装置100及びスキージ機構170を示す模式的な斜視図である。図4〜図7は、図3に示す流動体供給装置100及びスキージ機構170の、模式的な正面図(図4)、側面図(図5及び図6)及び上面図(図7)である。
【0027】
流動体供給装置100は、容器支持部104と、ピストン支持部102と、容器支持部104及びピストン支持部102を駆動する駆動機構103とを有する。
【0028】
容器支持部104は、特開2004−306102に記載された供給装置のように、容器(図16の容器30を参照)に収容されて市販されているはんだをその容器ごと保持することが可能に構成されている。具体的には、容器支持部104は、容器の底面(図では上部の面)及び側面を覆うような形状に形成されている。容器支持部104は、支持ブロック101の下部に配置され、支持ブロック101に対して回転可能に設けられている。
【0029】
容器及び容器支持部104は、一方に開口が設けられた構造を有している。容器支持部104の開口に設けられたリング状の固定部材105により、容器は固定されており、容器支持部104が回転することにより、容器が容器支持部104と一体的に回転する。容器支持部104は、容器の開口が下側(基板2が配置される側)に向くように、支持ブロック101に支持される。容器支持部104は、容器の形状に合わせて形成され、例えばアルミニウム、ステンレス、又は鉄等の金属からなる。
【0030】
ピストン支持部102は、支持ブロック101に下方から対向するピストン支持ブロック112上に固定される。ピストン支持部102には、容器内に挿入可能なピストン106が固定される。
【0031】
図8は、ピストン106を示す模式的な断面図である。ピストン106には、容器に嵌め込まれる方向(図8に示すZ方向)に、はんだの流路となる貫通孔106dが形成されている。貫通孔106dは、容器に嵌め込まれる端面109の略中心に位置するように形成される。
【0032】
ピストン106の、容器に嵌め込まれる端部106aには、端部106aを囲むようにシール部材107が設けられており、このシール部材107が容器の内部に嵌め込まれる。ピストン106の端部106aは、ピストン本体106bから取り外し可能となっており、ピストン本体106b内部のネジ用孔106cに設けられたネジ108によりネジ止めされる。シール部材107は、ピストン本体106b及び端部106aに挟まれて固定される。
【0033】
図8に示すようにシール部材107は、ピストン106が嵌め込まれる方向(Z方向)に向けて外周の径が大きくなるようなテーパ状の外周面110を有している。シール部材107としては、例えばウレタンやシリコン等の弾性を有するものが用いられる。ピストン106としては、例えばアルミニウム、ステンレス、又は鉄等の金属が用いられる。ピストン106及びシール部材107は、容器の形状に合わせて形成される。なお、シール部材107として、例えばOリングが用いられてもよい。また本実施形態では、ピストン106の端面109が平面状であるが、端面109が略中心に位置する貫通孔106dに向けて傾斜している凹状の形状であってもよい。
【0034】
図9は、ピストン支持部102に固定されたピストン106の、端部106aの反対側の端部を示した模式的な断面図である。端部106aの反対側の端部111は、管状の形状となっている。この管状の端部111の内部が上記貫通孔106dの一部となる。ピストン支持部102には、この端部111を通す図示しない通し孔が形成されている。
【0035】
端部111には、例えばシリコンゴム等からなるノズル113が装着されており、ノズル113の内部流路が貫通孔106dと連通している。ピストン106の貫通孔106d及びノズル113の内部流路を介して、容器内のはんだが外部に吐出される。
【0036】
図9に示すように、ピストン支持ブロック112の下側には、ノズル113を挟み込む開閉機構114が設けられている。開閉機構114は一対の開閉部材115a及び115bと、開閉部材115a及び115bに接続されたエアシリンダ120a及び120bとを有している。エアシリンダ120a及び120bにより開閉部材115a及び115bが閉じられ、図9(B)に示すようにノズル113が押圧される。これによりノズル113の内部流路が閉じられる。
【0037】
ノズル113からはんだが吐出される際に、上記のようにノズル113の内部流路が閉じられることで、吐出されたはんだがノズル113から分離しやすくなる。また、所期のタイミングでノズル113の内部流路を閉じることで、はんだの供給量を調整することができる。また例えば、はんだが吐出されない間は内部流路が閉じられた状態にしておくことで、空気が容器内に入り込むことを防止することができる。これにより、はんだが酸化してしまうことを防ぐことができる。また、容器内に異物が混入することも防ぐことができる。
【0038】
図10は、ノズル113及び開閉部材115a及び115bを拡大して示した模式的な図である。図10(A)に示すように、ノズル113の、はんだが吐出される吐出端部116(図10(A)で破線で囲った部分)は、はんだが吐出される方向(Z方向下向き)に向けて、外周の径が小さくなるようなテーパ面116aを有する。このテーパ面116aのすぐ上側の部分P(外周側面)が、開閉部材115a及び115bにより押圧されることで、さらにノズル113からはんだが分離しやすくなる。これは、テーパ面116aが設けられることにより、ノズル113とはんだとの接触面積が小さくなることが要因であると考えられる。
【0039】
図10(B)は、一対の開閉部材115a及び115bを下側から見た図であり、開閉部材115a及び115bの間にノズル113及び内部流路116bが図示されている。図10(B)に示すように、開閉部材115a及び115bの、ノズル113を押圧するそれぞれの押圧端部119a及び119bに切り欠き120a及び120bが形成されている。従って、ノズル113が開閉部材115a及び115bに押圧される際に(図9(B)参照)、切り欠き120a及び120bの分だけノズル113の変形が抑えられる。これにより、ノズル113の劣化、損傷を防止することができる。また、開閉部材115a及び115bにより何度も押圧されたノズル113が塑性変形してしまい、開閉部材115a及び115bが開いた状態でも内部流路116bが確保されないといったことを防止することができる。
【0040】
切り欠き120a及び120bの大きさは、ノズル113が押圧される際に、内部流路116bが閉じられる範囲で適宜設定されてよい。図10(B)では、切り欠き120a及び120bの形状は、矩形に形成されているが、これに限られず、円弧状、楕円の弧状に形成されていてもよい。
【0041】
また、図3〜図6に示すように、ピストン106の側面には表面が平面状となるような平面部106eが形成されている。この平面部106eに例えばレーザ等を照射し、その反射を検知することで、ピストン106が適正に配置されているかを確認することができる。また、平面部106eにより、ピストン106の持ち運びが容易となる。
【0042】
なお、図3〜図6では、ピストン106及びシール部材107を見やすくするために、ピストン106及びシール部材107が容器に嵌めこまれていない状態が図示されている。この状態から、容器支持部104及びピストン支持部102が駆動され、ピストン106が容器に嵌めこまれてもよい。あるいは、容器支持部104内に収容された容器内にピストン106が嵌めこまれ、その状態で容器支持部104及びピストン106が、支持ブロック101及びピストン支持部102にそれぞれ配置されてもよい。
【0043】
駆動機構103は、モータ122と、モータ122の回転軸に設けられた駆動プーリ123と、駆動プーリ123とベルト124を介して接続された2つの従動プーリを有する。2つの従動プーリは、回転駆動プーリ125及び上下駆動プーリ126からなる。モータ122は、支持板132の下部に配置されるように支持板132により支持されている。支持板132は、直接または間接的に支持ブロック101に固定されている。モータ122の図示しない駆動軸は、支持板132を貫通して駆動プーリ123に接続されている。
【0044】
図3〜図6に示すように、駆動プーリ123は支持板132上に配置される。回転駆動プーリ125及び上下駆動プーリ126は、支持ブロック101上に配置される。回転駆動プーリ125は、容器支持部104の上方に設けられ、回転駆動プーリ125の回転軸127が容器支持部104に接続されている。上下駆動プーリ126は、回転駆動プーリ125の後方側に配置され、上下駆動プーリ126の歯と回転駆動プーリ125の歯が噛み合っている。また、駆動プーリ123と回転駆動プーリ125との間に、ベルト124のたるみを防止するテンション部材128が設けられている。
【0045】
上下駆動プーリ126の回転軸として送りネジ129が装着されており、この送りネジ129の上端はフレーム130に固定されている。フレーム130下部には例えば2つのガイド軸131が鉛直方向に接続されている。この2本のガイド軸131には、取り付け部132を介して、駆動機構103、支持板132、支持ブロック101及び容器が一体的に上下に移動可能に取り付けられている。すなわち、上下駆動プーリ126が回転すると、フレーム130に対して、駆動機構103、支持板132、支持ブロック101及び容器が一体的に上下に移動する。これにより、駆動機構103、支持板132、支持ブロック101及び容器は、ピストン106に対して一体的に上下に移動することになる。送りネジ129としては、例えば台形ネジが用いられてもよいし、ボールネジが用いられてもよい。
【0046】
図3〜図7に示すように、本実施形態のスキージ機構170は、流動体供給装置100の下部に取り付けられ、図1に示すガイドレール28に沿って流動体供給装置100と一体的に移動可能となっている。流動体供給装置100及びスキージ機構170は、その背面側に設けられた接続部材121によりガイドレール28に接続される。
【0047】
スキージ機構170は、一対のスキージ171及び172を有しており、各スキージ171及び172には、エアシリンダ173及び174がそれぞれ接続されている。このエアシリンダ173及び174により、スキージ171及び172は、それぞれ上下に移動可能となっている。スキージ171及び172は同様な構成を有しているので、これらのうちスキージ171について説明する。
【0048】
図11は、スキージ171を示す模式的な斜視図である。スキージ171は、スキージ機構170に取り付けられる取り付け部175と、メインスキージ171aと、メインスキージ171aの両端に設けられた一対のサブスキージ171bとを有する。メインスキージ171aとサブスキージ171bは、ばね部材176を介して接続されており、メインスキージ171aに対してサブスキージ171bが上下に移動可能となっている。メインスキージ171aのスクリーン1に当接されるスキージ面177aは、スクリーン1に対して所定の角度傾斜している。また一対のサブスキージ171bの各スキージ面177bも、スクリーン1に対して所定の角度傾斜している。
【0049】
図12は、スキージ171を上方から見た模式的な上面図である。図12では、説明の便宜上、メインスキージ171a及びサブスキージ171bとして、上記したスキージ面177a及び177bを図示している。図12に示すように、一対のサブスキージ171bは、メインスキージ171aの延在方向に対して、所定の角度α傾いて設けられている。またサブスキージ171bの外側の端178bは、メインスキージ171aの両端178aよりも外側に位置する。そしてサブスキージ171bの内側の端179bは、メインスキージ171aの両端178aよりも内側に位置する。
【0050】
流動体供給装置100又はスキージ機構170には、スクリーンに供給されたはんだが塗布される際のローリング径を計測する、図示しないローリング径検知センサが設けられる。ローリング径検知センサは、例えばレーザ又は超音波をはんだに向けて照射し、はんだ表面から反射した光又は超音波を検出し、これによりローリングされているはんだ表面の曲率半径を検知する。ローリング検知センサは、はんだのローリング径が計測できる位置であればどこに設けられてもよい。例えば、ローリング径検知センサがスキージ171と一体的に設けられ、スキージ172により塗布されているはんだのローリング径が計測されてもよい。
【0051】
また流動体供給装置100又はスキージ機構170には、ローリングされているはんだの表面の温度を測定する、図示しないはんだ温度検知センサが設けられる。はんだ温度検知センサは、ローリングされているはんだ表面から放射される赤外線を検知することで、はんだ表面の温度を測定する。このようなはんだ温度検知センサとしては、例えば非接触式のサーミスタや、複数の熱電対からなる非接触式のサーモバイル等が用いられる。はんだ温度検知センサは、はんだ表面の温度を検知することができる位置であればどこに設けられてもよい。例えば、上記のローリング径検知センサと同じ位置に、はんだ温度検知センサが設けられてもよい。
【0052】
[流動体塗布装置の制御システム]
図13は、流動体塗布装置150の制御システムの構成を示すブロック図である。図14は、図13に示すブロック図のうち、流動体供給装置100及びスキージ機構170の制御システム示したブロック図である。
【0053】
図13及び図14に示すように、上記で説明したステージ機構21、ステージ移動機構22、カメラ部4、流動体供給装置100及びスキージ機構170は、コントローラ133によりその駆動が制御される。また本実施形態では、コントローラ133により、流動体塗布装置150が設置される室内の温度を調節する温度調節ユニット134も制御される。
【0054】
なお、図14には、温度調節ユニット134が有する温度調節器135が図示されており、この温度調節器135がコントローラ133により制御され、上記室内の温度が調節される。
【0055】
例えば、上記コントローラ133及び各部のドライバは、ハードウェアで実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの両方で実現されてもよい。ハードウェアは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、NIC(Network Interface Card)、WNIC(Wireless NIC)等を含む。ソフトウェアを構成する各種プログラムは、ROMやその他の記憶デバイスに格納される。コントローラ133は、流動体塗布装置150内に設けられていてもよいし、流動体塗布装置150とは別の機器内に設けられていてもよい。コントローラ133が別の機器内に設けられる場合、その別の機器から有線または無線により流動体塗布装置150に制御信号を出力するようにしてもよい。
【0056】
[流動体塗布装置の動作]
本実施形態の流動体塗布装置150の動作を説明する。まずスクリーン1上にはんだを供給する流動体供給装置100の動作を説明し、その後に流動体塗布装置150の全体動作を説明する。
【0057】
[流動体供給装置の動作]
コントローラ133から、図3〜図7に示すモータ122のドライバに、はんだを供給する旨の制御信号が出力され、モータ122が回転する。これにより駆動プーリ123が回転し、駆動プーリ123の回転に連動して上下駆動プーリ126も回転し、容器が下方へ移動される。これにより、ピストン106が相対的に容器内で上方へ移動する。駆動プーリ123の回転に連動して、回転駆動プーリ125も回転するので、下方へ移動される容器は、回転駆動プーリ125により回転されながら下方へ移動する。従ってピストン106は、相対的に容器内で回転しながら上方へ移動する。これにより、容器内のはんだが圧力を受け、ピストン106の貫通孔106dを介してはんだが供給される。はんだは、図2で示すスキージ機構170のスキージ171及び172の間に供給される。
【0058】
また、容器とピストン106とが相対的に回転しながら、容器内にピストン106が挿入されることにより、ピストン106の容器に対する抵抗が小さくなる。従って、モータ122として例えば出力が小さい小型のモータが用いられても、確実にピストン106を容器内に挿入することができる。これにより駆動機構103を小型にすることができ、かつ、確実にはんだを供給することができる。
【0059】
また本実施形態では、はんだを他の容器に移し替えることなく、容器をそのまま用いることができる。これにより、流動体を塗布する際の作業性が向上する。また、はんだを移し変える際に用いられるへら等に付着したはんだは廃棄されるが、そのようなはんだの廃棄がないので、はんだの廃棄量を低減させることができる。
【0060】
図16は、容器内に挿入されたピストン106及びシール部材107を示す模式的な断面図である。一般的に容器30の内部形状は、底に向かって開口面積が小さくなるような形状となっている。つまり、ピストン106が挿入されるにつれて、容器30の内部の径は徐々に小さくなる。
【0061】
ピストン106の端部106aに設けられたシール部材107は、テーパ状の外周面110を有している。この外周面110は弾性を有しているので、径が小さくなる容器30の内部形状に追従するように、外周面110が変形する。これにより、容器30内のはんだ31を十分にかき出し吐出させることができる。
【0062】
このようなシール部材107が設けられるとピストン106の容器30に対する抵抗は大きくなる場合がある。しかしながら、本実施形態の流動体供給装置100では、ピストン106の容器30に対する抵抗が小さいので、ピストン106の端部106aに上記のようなシール部材107を設けることができる。
【0063】
コントローラ133からモータ122のドライバに、はんだの供給を停止させる旨の制御信号が出力されると、モータ122のドライバは、モータ122が先ほどと逆の方向に回転するようにモータ122を駆動する。駆動プーリ123も逆回転し、これに連動して上下駆動プーリ126及び回転駆動プーリ125も逆回転する。これにより、相対的にピストン106と容器とが先ほどと逆回転しながら、ピストン106が容器から抜ける方向へ移動する。ピストン106が容器から抜ける方向へ移動すると、容器内のはんだが受ける圧力は小さくなる。
【0064】
はんだがピストン106により圧力を受けてから、ノズル113から吐出されるまでには時間がかかる。従って、例えばピストン106が挿入される距離を多めに設定し、所期の供給量ではんだの吐出が停止されるタイミングに合わせてモータ122を逆回転させる。これにより、はんだの吐出にかかる時間を短縮することができる。このように、モータ122を駆動しピストン106を上下に移動させることで、はんだの吐出量を調整することができる。上述のように、ピストン106が移動する際の、ピストン106の容器に対する抵抗は小さいので、簡単にピストン106を上記のように移動させることができる。
【0065】
また、コントローラ133が、はんだの供給を停止させる旨の制御信号を開閉機構114のドライバに出力すると、開閉機構114が駆動される。そうすると、所期のタイミングに合わせて、一対の開閉部材115a及び115b(図9参照)によりノズル113が挟み込まれ、ノズル113の内部流路が閉じられる。これにより、吐出されたはんだがノズル113から分離される。
【0066】
流動体塗布装置150の全体動作を説明する。図15は、流動体塗布装置150の動作を示すフローチャートである。ステージ移動機構22が駆動され、このステージ移動機構22により、ステージ機構21が図2に示すカメラ部4側に設けられた基板搬入部29の方へ移動される。ステージ機構21の搬送ベルト23が駆動され、これにより基板搬入部29から搬送ベルト23に基板2が搬入される。その後、ステージ移動機構22がステージ機構21を所定の位置まで移動させると共に、搬送ベルト23により基板2が吸着ブロック機構24の上方の位置に移動される(ステップ101)。
【0067】
吸着ブロック機構24が上昇し基板2が保持される。吸着ブロック機構24は図示しない真空ポンプに接続され、この真空ポンプが作動することで、基板2が吸着ブロック機構24に吸着保持される。基板2は、吸着ブロック機構24により搬送ベルト23よりも上方に持ち上げられる。この際、図示しない基板固定部により基板2が固定され、基板2が吸着ブロック機構24により押圧されることで、基板2のたわみや反りが矯正されてもよい。
【0068】
吸着ブロック機構24に保持された基板2の上方にカメラ部4が移動し、カメラ部4により基板2のアライメントマークが認識される(ステップ102)。このアライメントマークの位置情報がコントローラ133に送信され、この位置情報に基づいて、ステージ移動機構22がステージ機構21の位置を修正する。ステージ機構21の位置が修正されると、ステージ移動機構22のエアシリンダ26が作動し、ステージ機構21が上方へ移動される。ステージ移動機構22のストッパ27がステージ機構21に当接し、基板2がスクリーン1の下面に当接される位置で、ステージ機構21が停止する(ステップ103)。
【0069】
本実施形態では、基板2がスクリーン1の下面に当接するように、ステージ機構21が移動される。しかしながら、基板2がスクリーン1に対して間隔を開けて配置されるように、ステージ機構21が移動されてもよい。この場合、例えばスクリーン1の下面にニードルノズル等が設けられることで、部品が実装された基板にニードルノズルを介してはんだを供給することができる。
【0070】
コントローラ133によりエアシリンダ173及び174が駆動され、スキージ171及び172の一方が上方に移動され、他方はスクリーン1に当接される。そしてコントローラ133によりその駆動が制御されたスキージ機構170及び流動体供給装置100が一体となって移動される。これによりスクリーン1上にはんだが塗布され、基板2上に所定のはんだパターンが印刷される(ステップ104)。
【0071】
スキージ機構170が、図2で見て右側から左側へ移動する際には、スキージ172は上方に移動され、スキージ171がスクリーン1に当接される。そしてスキージ171によりはんだが塗布される。スキージ機構170が、図2でみて左側から右側へ移動する際には、スキージ171は上方へ移動され、スキージ172が下方へ移動されてスクリーン1に当接される。このスキージ172によりはんだが塗布される。
【0072】
図17は、スキージ171によりはんだが塗布される際の、はんだの動きを模式的に示した上面図である。図17に示す破線の矢印の方向へスキージ171が移動すると、はんだはその方向にローリングされながらメインスキージ171aによりスクリーン1上に移動される。この際、メインスキージ171aの両端178aの外側に、はんだがもれる場合がある(図17に示す実線の矢印)。しかしながら、メインスキージ171aの両端178aには一対のサブスキージ171bが設けられており、このサブスキージ171bにより、横漏れしたはんだがメインスキージ171aの背面側の中央に集められる。集められたはんだは、例えばスキージ機構170の移動方向が逆になった際に、スキージ171と逆のスキージ172により、スクリーン1上に塗布される。これにより、メインスキージ171aからもれたはんだを有効に再利用することができ、はんだの廃棄量を低減させることができる。
【0073】
また本実施形態では、流動体供給装置100の小型化を実現することができるので、上記のように流動体供給装置100とスキージ機構170とを一体的に移動させる移動機構を容易に実現することができる。流動体供給装置100とスキージ機構170とが一体的に移動することで、はんだが塗布される際に効率よくはんだを供給することができる。また、スキージ171及び172の間に、はんだを供給することができるので、スキージ機構170のストロークを大きくすることなく効率よくはんだが塗布される。
【0074】
本実施形態の流動体塗布装置150では、はんだが印刷される際に、温度調節ユニット134により、流動体塗布装置150が設置される室内の温度が調節される(ステップ105)。図14に示すように、はんだ温度検知センサ136がはんだの表面の温度を測定し、その温度情報がコントローラ133に送信される。コントローラ133は、受信した温度情報に基づいて、室内の温度が高いと判断した場合、温度調節器135に空冷指令を出し室内の温度を下げる(ステップ106)。室内の温度が正常と判断した場合には、室内の温度は調節されない。このようにはんだ表面の温度を監視し、ローリングされて上昇したはんだ表面の温度に応じて、室内の温度が調整される。これにより、より精密なはんだの温度制御が可能となる。
【0075】
また、はんだが印刷されている際に、ローリング径検知センサ137により、ローリング径が計測される(ステップ107)。そして、ローリング径が予め設定された基準を下回ったときに、その情報がローリング径情報としてコントローラ133に送信される。これにより、はんだが印刷される際の、はんだのローンリング径が監視される。ローリング径検知センサ137により、はんだが塗布されている間、常にはんだのローリング径が計測されてもよいし、所定のタイミングで計測されてもよい。
【0076】
基板2へのはんだ印刷が完了すると、まずステージ移動機構22によりステージ機構21が下方へ移動され、基板2がステージ機構21の搬送ベルト23上に配置される。基板2は搬送ベルト23により移動され、またステージ機構21もステージ移動機構22により、図2に示すクリーニング部5側に設けられた基板搬出部32の方へ移動される。搬送ベルト23から基板搬出部32に基板2が移動され、基板搬出部32により基板2が流動体塗布装置150の外部へ搬出される(ステップ108)。
【0077】
本実施形態では、ステップ108で基板2が搬出される際に、コントローラ133に送信されたローリン径情報に基づいてはんだの供給が行われる(ステップ109)。図14に示すように、ローリング径情報を受信したコントローラ133は、スクリーン1上のはんだの量が不足していると判断し、モータ122にはんだ供給指令を出しはんだを供給させる(ステップ110)。ローリング径検知センサ137からローリング径情報が送信されない場合は、スクリーン1上に必要な量のはんだがあると判断され、はんだは供給されない。
【0078】
このように、はんだのローリング径が監視され、スクリーン1上に必要な量のはんだが供給されることで、はんだのローリング径が一定になる。そうするとスクリーン1のパターン孔に充填されるはんだの量が安定しはんだの印刷品質が向上する。また本実施形態では、基板2にはんだが印刷されている途中ではなくて、基板2が排出される際にはんだが供給されるので作業時間を短縮することができる。
【0079】
図15に示すように、スクリーン1上のはんだの量が不足していると判断され、はんだが供給される際に、モータ122により、容器内のはんだの量が検知される(ステップ111)。容器内のはんだの量は、容器に対するピストン106の挿入量により定まるので、ピストン106の挿入量がはんだ量情報として検知される。ピストン106の挿入量は、例えばモータ122としてサーボモータが用いられ、モータ122のパルス数やエンコーダ値の情報により検知される。このはんだ量情報に基づいて、図14に示すように、モータ122からコントローラ133にケース交換信号が送信される。
【0080】
ステップ112に示すように、コントローラ133がケース交換信号を受信し、容器内のはんだ量が不足していると判断した場合は、例えばブザーやディスプレイ等の表示によりそのことが知らされる。これにより、基板2が搬送された後に、手作業により容器が交換される(ステップ113)。モータ122からケース交換信号が送信されない場合は、容器内に十分の量のはんだがあると判断され、ブザーやディスプレイ等の表示は行われない。
【0081】
なお、流動体塗布装置150を動作させるプログラム上では、ステップ101〜109が実行され、ステップ109でローリング径が不足と判断された後に、初めて流動体供給装置100によりはんだが供給される。
【0082】
本実施形態では、はんだの供給は駆動機構103により自動的に行われ、容器の交換は手動で行われる。従って流動体塗布装置150が停止するのは、主に容器が交換されるときであり、はんだが供給されるときには停止されない。これにより、流動体塗布装置150による作業時間が短縮される。また流動体塗布装置150の内部が外部にさらされるのも、主にケース交換のときなので、スクリーン1や基板2に異物が付着することを抑えることができる。
【0083】
本実施形態では、流動体としてはんだが用いられた。しかしながら、流動体としてフラックス、ACP(Anisotropic Conductive Paste)、NCP(Non-Conductive Paste)、又は銅等の導電性ペースト等が用いられてもよい。
【0084】
<変形例>
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0085】
例えば図18は、流動体塗布装置150の駆動機構103の変形例を示した斜視図である。この駆動機構103では、モータの回転軸に設けられた駆動プーリ123と回転駆動プーリ125の2つがベルト124により接続されている。回転駆動プーリ125は、第1のプーリ125aと第2のプーリ125bとを有しており、第1のプーリ125aと駆動プーリ123とがベルト124を介して接続されている。これにより、駆動プーリ123と回転駆動プーリ125とが連動して回転する。
【0086】
第1のプーリ125aと第2のプーリ125bは共通の回転軸127を有しており、回転軸127は容器支持部104に接続されている。第2のプーリ125bの歯と、上下駆動プーリ126の歯は噛み合っており、これにより、回転駆動プーリ125と上下駆動プーリ126とが連動して回転する。上下駆動プーリ126は、上記した送りネジ129を回転軸として回転する。
【0087】
このように、モータにより各プーリ123、125及び126が連動して回転するのであれば、各プーリ123、125及び126の構成は適宜設定されてよい。また駆動機構103として用いられるモータやプーリの数も限定されない。本実施形態では、1つのモータで各プーリ123、125及び126を回転させるので、駆動機構103の小型化に有利である。
【0088】
あるいは、駆動機構103として、このようなベルト駆動ではなく、複数のギアにより駆動される構成でもよい。
【0089】
上記で説明した実施形態では、容器支持部及び容器が回転する。しかしながら、支持ブロックに回転しないように容器支持部が固定され、ピストン支持部に支持されたピストンが回転してもよい。このような構成の流動体供給装置が用いられても、上記で説明した実施形態と同様の効果が得られる。
【0090】
また、流動体供給装置又はスキージ機構に、容器からのはんだの吐出を検知する吐出センサが設けられてもよい。例えば図4に示すスキージ171にレーザ出射部が設けられ、スキージ172にレーザ入射部が設けられる。そしてスキージ171及び172の間にレーザが照射されることで、はんだの吐出が検知される。
【0091】
例えば、購入した容器の中には空気が入っていることがある。その容器が初めて流動体供給装置に装着された場合、モータが回転しても、上記空気が排出されるだけで、はんだが吐出されない場合がある。従って、容器が初めて装着された際に、スクリーン上の所定の位置においてモータが回転し、吐出センサによりはんだの吐出が確認される。これにより、流動体供給装置が作動した際に、はんだが確実に供給される。
【0092】
上記で説明した流動体塗布装置150の変形例として、スキージブロックを備えるものも考えられる。上記の流動体供給装置100により、このスキージブロックにはんだが供給される。
【符号の説明】
【0093】
1…スクリーン
2…基板
30…容器
100…流動体供給装置
102…ピストン支持部
103…駆動機構
104…容器支持部
106…ピストン
106d…貫通孔
106a…ピストンの端部
107…シール部材
110…シール部材の外周面
113…ノズル
114…開閉機構
115a、115b…開閉部材
116…吐出端部
116a…テーパ面
116b…内部流路
119a、119b…押圧端部
122…モータ
123…駆動プーリ
124…ベルト
125…回転駆動プーリ
126…上下駆動プーリ
127…回転駆動プーリの回転軸
129…送りネジ
130…フレーム
150…流動体塗布装置
170…スキージ機構
171、172…スキージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通孔を有するピストンと、
前記ピストンを支持するピストン支持部と、
流動体が収容された容器を支持することが可能な容器支持部と、
前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させるために前記容器内に前記ピストンが挿入されるように、かつ、前記流動体の吐出量を調整するために前記容器から前記ピストンが相対的に抜ける方向へ移動するように、前記容器支持部及び前記ピストン支持部のうち少なくとも一方を駆動する駆動機構と
を具備する流動体供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流動体供給装置であって、
前記ピストンは、前記ピストンの端部に設けられ、前記ピストンが挿入される方向に向けて外周の径が大きくなるテーパ状の外周面を有するシール部材を含む流動体供給装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の流動体供給装置であって、
前記流動体がはんだである流動体供給装置。
【請求項4】
貫通孔を有するピストンと、前記ピストンを支持するピストン支持部と、流動体が収容された容器を支持することが可能な容器支持部と、前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させるために、前記容器内に前記ピストンが挿入されるように前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動することが可能な駆動機構とを備えた流動体供給装置を用い、予め設定された流動体の供給量に対応する前記ピストンの前記容器内への挿入距離である設定挿入距離より大きい挿入距離となるように、前記駆動機構により前記ピストンを相対的に前記容器内へ挿入させることで、前記流動体を吐出させ、
前記流動体供給装置を用い、前記設定挿入距離に対応する供給量で前記流動体の吐出が停止されるように、前記吐出が停止される前に、前記駆動機構により前記容器から前記ピストンが相対的に抜ける方向に、前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動する
流動体供給方法。
【請求項5】
貫通孔を有するピストンと、前記ピストンを支持するピストン支持部と、流動体が収容された容器を支持することが可能な容器支持部と、前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動して前記容器から前記流動体を吐出させる駆動機構とを備えた流動体供給装置を用い、前記容器内に前記ピストンが挿入されるように前記容器及び前記ピストンの少なくとも一方を駆動することにより、前記ピストンの前記貫通孔を介して前記容器から前記流動体を吐出させ、
前記流動体の吐出が停止される前に、前記容器から前記ピストンが相対的に抜ける方向に前記容器支持部及び前記ピストン支持部のうち少なくとも一方を駆動する
流動体供給方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載の流動体供給方法であって、
前記流動体がはんだである流動体供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−31301(P2011−31301A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75641(P2010−75641)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【分割の表示】特願2009−176216(P2009−176216)の分割
【原出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】