液体供給装置、及び、光学式バイオセンサー
【課題】液体供給部材の流路へのアクセス時における、流路部材の傾きを抑制する。
【解決手段】流路部材44の下面には、測定用流路43A、参照用流路43Bが構成されている。測定用供給口45Sは流路部材44の短手方向の中央線CLから外れた位置に形成され、参照用供給口45Rは測定用供給口45Sと中央線CLに対して対象の位置に形成されている。また、測定用排出口45Tも中央線CLから外れた位置に形成され、参照用排出口45Qも測定用排出口45Tと中央線CLに対して対象の位置に形成されている。アナライト溶液YAの供給時には、4本のピペットチップCPA〜CPDを同時に、測定用供給口45S、測定用供給口45S、参照用供給口45R、参照用排出口45Qへ各々挿入する。
【解決手段】流路部材44の下面には、測定用流路43A、参照用流路43Bが構成されている。測定用供給口45Sは流路部材44の短手方向の中央線CLから外れた位置に形成され、参照用供給口45Rは測定用供給口45Sと中央線CLに対して対象の位置に形成されている。また、測定用排出口45Tも中央線CLから外れた位置に形成され、参照用排出口45Qも測定用排出口45Tと中央線CLに対して対象の位置に形成されている。アナライト溶液YAの供給時には、4本のピペットチップCPA〜CPDを同時に、測定用供給口45S、測定用供給口45S、参照用供給口45R、参照用排出口45Qへ各々挿入する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を流路へ供給する液体供給装置、及び、この液体供給装置を備えた光学式バイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、固定されたリガンドを流路中に露出させ、流路にアナライトを供給してリガンドとアナライトとの相互作用を測定するバイオセンサーが知られている。例えば、特許文献1に記載のバイオセンサーでは、アナライトを供給するための配管を流路と接続し、ポンプを駆動させることによって当該流路へアナライト溶液を送液している。しかしながら、特許文献1に記載のアナライトの供給方法では、配管の取換えは行わないため、いわゆるコンタミネーションが生じやすいといった問題があった。
【0003】
そこで、随時交換可能なピペットチップを用いて流路へアナライトを供給する方法が考えられる。しかしながら、ピペットチップを用いる場合には、アナライトの供給時にピペットチップを流路の入り口へアクセスさせるため、アクセス時に力が加わって流路部材が動いてしまうということがある。特に、ピペットチップがアクセスする流路の入り口が、流路部材の中心部分から外れている場合には、流路部材が傾きやすい。
【特許文献1】特許第3294605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、液体供給部材の流路へのアクセス時における、流路部材の傾きを抑制可能な液体供給装置、及び、この液体供給装置を備えた光学式バイオセンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の液体供給装置は、上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成された流路部材の前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、を備えている。
【0006】
上記構成の液体供給装置では、液体供給部材が供給口へアクセスする際に、バランス保持部材が液体供給部材と同方向からバランス保持位置にアクセスする。ここで、供給口へのアクセスとは、液体供給部材から流路へ液体を供給するために供給口を構成する部分の流路部材と液体供給部材とが接触することをいい、供給口への液体供給部材の挿入などを含んでいる。また、バランス保持位置へのアクセスとは、バランス保持部材が流路部材のバランス保持位置に接触することをいい、当接、挿入などを含んでいる。
【0007】
バランス保持位置は、流路部材の短手方向の中心に対して供給口と逆側に配置されているので、液体供給部材が流路部材と接触することによる流路部材の短手方向の供給口側への傾きがバランス保持部材のバランス保持位置へのアクセスによりキャンセルされ、流路部材の傾きを抑制することができる。
【0008】
なお、本発明の液体供給装置のバランス保持位置は、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と対象の位置に配置されていることにより、バランスよくアクセス時における流路部材の傾きをキャンセルすることができる。
【0009】
また、本発明の液体供給装置は、前記供給口が複数形成されると共に、各々の前記供給口と連通する前記流路が複数構成され、1の前記供給口に対する前記バランス保持位置に他の前記供給口が配置されていること、を特徴とすることもできる。
【0010】
このように、流路部材の短手方向の中心に対して1の供給口と対象の位置に他の供給口が配置されていることにより、1の供給口に対して他の供給口がバランス保持位置となり、両方の供給口へ同時にアクセスすることにより、流路部材の短手方向の傾きを抑制することができる。
【0011】
また、本発明の液体供給装置は、前記液体供給部材が複数備えられ、1の前記液体供給部材に対して、他の前記液体供給部材が前記バランス保持部材となること、を特徴とすることもできる。
【0012】
このように、液体供給部材がバランス保持部材としての機能を兼ね備えさせることができる。
【0013】
また、本発明の液体供給装置は、前記1の液体供給部材と、前記他の液体供給部材とで、同時に対応する各々の前記流路へ液体の供給を行うこと、を特徴とすることもできる。
【0014】
このように、1の供給口と他の供給口への液体供給を同時に行うことにより、効率よく液体供給できると共に、流路部材の短手方向の傾きを抑制することができる。
【0015】
本発明の第2の態様の光学式バイオセンサーは、上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成され、流路内にリガンドが固定された流路部材と、前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、前記流路内のリガンドへ向かって光を入射させることにより、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定する測定手段と、を備えている。
【0016】
上記光学式バイオセンサーでは、測定手段により流路内に固定されたリガンドと、流路へ供給されるアナライトとの結合状態が測定される。測定は、流路内のリガンドへ向かって光を入射させることにより行われる。このような、光学式バイオセンサーとしては、屈折率計、吸光度計、旋光計等を用いたバイオセンサー、全反射減衰を利用したバイオセンサーなどがある。
【0017】
本発明によれば、液体供給部材が供給口へアクセスする際に、バランス保持部材が液体供給部材と同方向からバランス保持位置にアクセスし、バランス保持位置は、流路部材の短手方向の中心に対して供給口と逆側に配置されているので、液体供給部材が流路部材と接触することによる流路部材の短手方向の供給口側への傾きがバランス保持部材のバランス保持位置へのアクセスによりキャンセルされ、流路部材の傾きを抑制することができる。したがって、より正確な測定を行うことができる。
【0018】
なお、前記光学式バイオセンサーは、リガンドの固定される平坦面が形成された誘電体ブロックをさらに備え、前記誘電体ブロックの前記平坦面上にリガンドが固定されると共に前記流路部材が密着されて前記流路が構成され、前記測定手段は、前記平坦面の前記流路部材が配置されている側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定すること、を特徴とすることもできる。
【0019】
上記構成の全反射減衰を用いた光学式バイオセンサーに、本発明は好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記構成としたので、液体供給部材の流路へのアクセス時における、流路部材の傾きを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0022】
本発明バイオセンサー10は、金属膜の表面に発生する表面プラズモン共鳴を利用して、リガンドDとアナライトAとの相互作用を測定する、いわゆる表面プラズモンセンサーである。
【0023】
図1に示すように、バイオセンサー10は、トレイ保持部12、搬送部14、容器載置台16、液体吸排部20、光学測定部54、及び、制御部60を備えている。
【0024】
トレイ保持部12は、載置台12A、及び、ベルト12Bを含んで構成されている。載置台12Aは、矢印Y方向に架け渡されたベルト12Bに取り付けられており、ベルト12Bの回転により矢印Y方向に移動可能とされている。載置台12A上には、トレイTが載置される。トレイTには、センサースティック40が収納されている。センサースティック40は、リガンドDの固定されるチップであり、詳細については後述する。載置台12Aの下には、センサースティック40を後述するスティック保持部材14Cの位置まで押し上げる、押上機構12Dが配置されている。
【0025】
センサースティック40は、図2及び図3に示すように、誘電体ブロック42、流路部材44、保持部材46、接着部材48、及び、蒸発防止部材49、で構成されている。
【0026】
誘電体ブロック42は、光ビームに対して透明な透明樹脂等で構成されており、断面が台形の棒状とされたプリズム部42A、及び、プリズム部42Aの両端部にプリズム部42Aと一体的に形成された被保持部42Bを備えている。プリズム部42Aの互いに平行な2面の内の広い側の上面には、図4にも示すように金属膜50が形成されている。この金属膜50上に、バイオセンサー10で解析するリガンドDが固定される。誘電体ブロック42は、いわゆるプリズムとして機能し、バイオセンサー10での測定の際には、プリズム部42Aの対向する互いに平行でない2つの側面の内の一方から光ビームが入射され、他方から金属膜50との界面で全反射された光ビームが出射される。
【0027】
金属膜50の表面には、図4に示すように、リンカー層50Aが形成されている。リンカー層50Aは、リガンドDを金属膜50上に固定化するための層である。後述する測定用流路43Aに対応するリンカー層50A上には、リガンドDが固定されている。
【0028】
プリズム部42Aの両側面には、上側の端辺に沿って保持部材52と係合される係合凸部42Cが、下側の端辺に沿ってプリズム部42Aの上面と垂直な仮想面の延長上に構成される垂直凸部42Dが、各々7箇所に形成されている。また、誘電体ブロック42の下面の長手方向に沿った中央部には、係合溝42Eが形成されている。
【0029】
流路部材44は、誘電体ブロック42よりもわずかに狭幅の直方体状とされ、図3に示すように、誘電体ブロック42の金属膜50上に3個並べて配置され金属膜50と密着されている。各々の流路部材44の下面には、図6に示すように、略S字状と逆S字状の2本の流路溝44Aが形成されており、上面に形成された対応する供給口45A及び排出口45Bと連通されて、金属膜50との間に、測定用流路43A、参照用流路43Bが構成されている(以下、測定用流路43Aに対応する供給口を「測定用供給口45S」、排出口を「測定用排出口45T」、参照用流路43Bに対応する供給口を「参照用供給口45R」、排出口を「参照用排出口45Q」という)。測定用供給口45Sは、流路部材44の短手方向の中央線CLから外れた位置に形成され、参照用供給口45Rは、測定用供給口45Sと、中央線CLに対して対象の位置に形成されている。また、測定用排出口45Tも中央線CLから外れた位置に形成され、参照用排出口45Qも、測定用排出口45Tと、中央線CLに対して対象の位置に形成されている。
【0030】
流路部材44の側壁には、保持部材46の内側の図示しない凹部に圧入されて保持部材46との密着性を確保するための凸部44Bが形成されている。
【0031】
測定用流路43Aを構成する金属膜50の表面(以下「測定領域E1」という)には、リガンドDが固定され、参照用流路43Bを構成する金属膜50の表面(以下「参照領域E2」という)にはリガンドDは固定されない。測定領域E1からリガンドDとアナライトとの相互作用を示す信号を取得し、参照領域E2からは、センサースティック40の個体差や液体の温度変化など、外乱に起因するノイズをキャンセルする補正を行うための参照信号を取得する。
【0032】
保持部材46は、長尺とされ、上面板46A及び2枚の側面板46Bで構成されている。側面板46Bには、誘電体ブロック42の係合凸部42Cと係合される係合孔46Cが形成されている。保持部材46は、6個の流路部材44を間に挟んで係合孔46Cと係合凸部42Cとが係合されて、誘電体ブロック42に取り付けられる。これにより、流路部材44は、誘電体ブロック42に取り付けられる。上面板46Aには、流路部材44の供給口45A及び排出口45Bと対向する位置に、流路部材44に向けて狭くなるテーパー状のピペット挿入孔46Dが形成されている。また、隣り合うピペット挿入孔46Dとピペット挿入孔46Dとの間には、位置決め用のボス46Eが形成されている。
【0033】
保持部材46の上面には、蒸発防止部材49が接着部材48を介して接着されている。接着部材48のピペット挿入孔46Dと対向する位置にはピペット挿入用の孔48Dが形成され、ボス46Eと対向する位置には位置決め用の孔48Eが形成されている。また、蒸発防止部材49のピペット挿入孔46Dと対向する位置には十字状の切り込みであるスリット49Dが形成され、ボス46Eと対向する位置には位置決め用の孔49Eが形成されている。ボス46Eを孔48E及び49Eに挿通させて、蒸発防止部材49を保持部材52の上面に接着することにより、蒸発防止部材49のスリット49Dと流路部材44の供給口45A及び排出口45Bとが対向するように構成される。ピペットチップCPの非挿入時には、スリット49D部分が供給口45Aを覆い、測定用流路43A、参照用流路43Bに供給されている液体の蒸発が防止される。
【0034】
図1に示すように、バイオセンサー10の搬送部14は、上部ガイドレール14A、下部ガイドレール14B、及び、スティック保持部材14C、を含んで構成されている。上部ガイドレール14A及び下部ガイドレール14Bは、トレイ保持部12及び光学測定部54の上部で、矢印Y方向と直交する矢印X方向に水平に配置されている。上部ガイドレール14Aには、スティック保持部材14Cが取り付けられている。スティック保持部材14Cは、センサースティック40の両端部の被保持部42Bを保持可能とされていると共に、上部ガイドレール14Aに沿って移動可能とされている。スティック保持部材14Cに保持されたセンサースティック40の係合溝42Eと下部ガイドレール14Bとが係合され、スティック保持部材14Cが矢印X方向に移動することにより、センサースティック40が光学測定部54上の測定部56に搬送される。また、測定部56には、測定時にセンサースティック40を押さえる押さえ部材58が備えられている。押さえ部材58は、図示しない駆動機構によりZ方向に移動可能とされ、測定部56に配置されたセンサースティック40を上側から押圧する。
【0035】
容器載置台16には、アナライト溶液プレート17、回収液ストック容器18、バッファー液ストック容器19が載置されている。アナライト溶液プレート17は、マトリクス状に区画されており、各種のアナライト溶液をストック可能とされている。回収液ストック容器18は、回収容器18A〜18Eで構成されており、回収容器18A〜18Eには、後述するピペットチップCPを挿入可能な開口Kが形成されている。バッファー液ストック容器19は、複数のストック容器19A〜19Eで構成されており、回収容器と同様にピペットチップCPを挿入可能な開口Kが形成されている。
【0036】
液体吸排部20は、上部ガイドレール14A、及び、ガイドレール16Bよりも上方で、矢印Y方向に架け渡された横断レール22、及び、ヘッド24を含んで構成されている。横断レール22は、図示しない駆動機構により、矢印X方向移動可能とされている。また、ヘッド24は、横断レール22に取り付けられ、矢印Y方向に移動可能とされている。また、ヘッド24は、図示しない駆動機構により、鉛直方向(矢印Z方向)にも移動可能とされている。
【0037】
ヘッド24は、図7に示すように、4本のピペット部24A、24B、24C、24Dを備えている。各ピペット部24A〜24Dは、先端に小孔が形成された略円錐筒状をなしており、各々の間隔が測定用供給口45S、測定用排出口45T、参照用供給口45R、参照用排出口45Qの間隔に対応するように設けられている。ピペット部24A〜24Dの各々には、例えば、シリンジポンプが接続されており、各シリンジポンプの駆動に応じて液体の吸引と吐出とが制御される。また、ヘッド24には、各ピペット部24A〜24Dを独立に突出させるピペット突出機構(図示は省略)が組み込まれている。これにより、各ピペット部24A〜24Dは、Z方向の高さを個々に制御することができる。
【0038】
また、ピペット部24A〜24Dには、先端部にピペットチップCPが取り付けられている。ピペットチップCPは、図示しないピペットチップストッカーに多数ストックされており、必要に応じて交換可能とされている。
【0039】
なお、本実施形態においてはセンサースティック40からの液体排出もピペットチップCPにより行われるが、ピペットチップの代わりに、排出口45Bに吸引チューブを接続して、ポンプにより液体の排出を行ってもよい。
【0040】
光学測定部54は、図8に示すように、光源54A、第1光学系54B、第2光学系54C、受光部54D、信号処理部54E、を含んで構成されている。光源54Aからは、発散状態の光ビームLが出射される。光ビームLは、第1光学系54Bを介して、2本の光ビームL1、L2となり、測定部56に配置された誘電体ブロック42の測定領域E1と参照領域E2に入射される(図5参照)。測定領域E1及び参照領域E2において、光ビームL1、L2は、金属膜50と誘電体ブロック42との界面に対して種々の入射角成分を含み、かつ全反射角以上の角度で入射される。光ビームL1、L2は、誘電体ブロック42と金属膜50との界面で全反射される。全反射された光ビームL1、L2も、種々の反射角成分をもって反射される。この全反射された光ビームL1、L2は、第2光学系54Cを経て受光部54Dで受光されて、各々光電変換され、光検出信号が信号処理部54Eへ出力される。信号処理部54Eでは、入力された光検出信号に基づいて所定の処理が行なわれ、測定領域E1及び参照領域E2の全反射減衰角のデータ(以下「全反射減衰角データ」という)が求められる。この全反射減衰角データが制御部60へ出力される。
【0041】
制御部60は、バイオセンサー10の全体を制御する機能を有し、図8に示すように、光源54A、信号処理部54E、及び、バイオセンサー10の図示しない駆動系と接続されている。制御部60は、図9示すように、バスBを介して互いに接続される、CPU60A、ROM60B、RAM60C、メモリ60D、及び、インターフェースI/F60E、を有し、各種の情報を表示する表示部62、各種の指示、情報を入力するための入力部64と接続されている。
【0042】
メモリ60Dには、バイオセンサー10を制御するための各種プログラムや、各種データが記録されている。
【0043】
次に、バイオセンサー10での、測定について説明する。
【0044】
バイオセンサー10の載置台12Aには、リガンドDが固定化され、測定用流路43A5に保存液Cが充填されたセンサースティック40入りのトレイがセットされている。また、アナライト溶液プレート17、バッファー液ストック容器19には、所定のアナライト溶液、バッファー液、がセットされている。
【0045】
まず、押上機構12Dにより、1のセンサースティック40がスティック保持部材14Cの位置まで押し上げられ、スティック保持部材14Cにより保持される。そして、スティック保持部材14Cは、センサースティック40を保持したまま下部ガイドレール14Bに沿って移動して、センサースティック40を測定部56へ搬送する。測定部56へ搬送されたセンサースティック40は、所定の測定位置に位置決めされて押さえ部材58により、上部から押圧され固定される。
【0046】
入力部64から測定開始の指示が入力されると、制御部60では、図10に示す測定処理が実行される。
【0047】
まず、ステップS12で、光源54Aへ光ビームLの出射指示信号を出力する。これにより、光源54Aから光ビームLが出射される。出射された光ビームLは、第1光学系54Bで2本の光ビームL1、L2となり、測定領域E1、参照領域E2へ各々入射される。また、ステップS14で、受光部54D及び信号処理部54Eへ、作動指示信号を出力する。これにより、測定領域E1、参照領域E2で全反射され第2光学系54Cを経た光ビームL1、L2は、受光部54Dで受光され、受光された光は、測定領域E1、参照領域E2毎に光電変換されて光検出信号が信号処理部54Eへ出力される。信号処理部54Eでは、光検出信号に所定の処理が加えられ、全反射減衰角データが生成され、制御部60へ出力される。
【0048】
制御部60では、ステップS16で、所定時間経過したかどうかを判断し、所定時間の経過後、ステップS18で、入力された全反射減衰角データをメモリ60Dへ記憶する。そして、ステップS20で、測定領域E1からの光検出信号により得られる全反射減衰角データを、参照領域E2からの光検出信号により得られる全反射減衰角データで補正して、リガンドDとアナライト溶液YA中のアナライトAとの結合状態を示す結合状態データを生成する。そして、ステップS22で、結合状態データを表示部62へ出力する。これにより、所定時間毎の結合状態データがメモリ60Dへ記憶されると共に、表示部62へ表示される。この測定処理は、測定処理終了信号を受けるまで継続される。
【0049】
一方、入力部64からアナライト供給開始の指示が入力されると、液体吸排部20が駆動して、測定用供給口45S、及び、参照用供給口45Rへアナライト溶液YAが供給される。
【0050】
詳細を説明すると、まず、ヘッド24がアナライト溶液YAのセットされたアナライト溶液プレート17の上部に移動し、ピペット部24A、24Cが下側に長く、ピペット部24B、24Dが短くなるように段差がつけられる。そして、ヘッド24を下降させて、ピペット部24Aに取り付けられているピペットチップCPA、ピペット部24Cに取り付けられているピペットチップCPCの先端をアナライト溶液YAが貯留されたセルへ挿入し、ピペットチップCPA、CPC内にアナライト溶液YAを吸引する。
【0051】
次に、ヘッド24を上昇させて測定部56の上部に移動させ、ピペット部24A〜24Dが同じ高さになるように長さを調整する(図7(A)参照)。そして、ヘッド24を下降させて、ピペット部24A側のピペットチップCPAの先端を測定用供給口45Sへ挿入し、ピペット部24B側のピペットチップCPBの先端を測定用排出口45Tへ挿入し、ピペット部24C側のピペットチップCPCの先端を参照用供給口45Rへ挿入し、ピペット部24D側のピペットチップCPDの先端を参照用排出口45Qへ挿入する(図11参照)。このように、4本のピペットチップを同時に差し込むことにより、ピペットチップCPAにより流路部材44へ加えられる力がピペットチップCPCによりキャンセルされ、ピペットチップCPBにより流路部材44へ加えられる力がピペットチップCPDによりキャンセルされる。これは、ピペットチップCPAとピペットチップCPC、及び、ピペットチップCPBとピペットチップCPDとが、中心線CLを挟んで対象の位置にアクセスしているためである。
【0052】
したがって、ピペットチップCPAのみを測定用供給口45Sへアクセスさせたり、ピペットチップCPAとピペットチップCPC(測定用排出口45Tへ)をアクセスさせたりする場合と比較して、センサースティック40の傾きを抑制することができる。
【0053】
例えば、ピペットチップCPAとピペットチップCPCのみをアクセスさせた場合には、ノイズが50RUであったのに対し、4本のピペットチップCPA〜CPDを同時にアクセスさせた場合には、ノイズが1RU以下に減少するという効果が得られた。
【0054】
その後、ピペットチップCPAから測定用流路43Aへアナライト溶液YAを注入すると共に、ピペットチップCPBで測定用流路43Aから押し出される保存液を吸引し、ピペットチップCPCから参照用流路43Bへアナライト溶液YAを注入すると共に、ピペットチップCPBで測定用流路43Aから押し出される保存液を吸引する。これにより、測定用流路43AのリガンドDへアナライト溶液YAが供給されると共に、参照用流路43Bへもアナライト溶液YAが供給される。そして、リガンドDとアナライトAとが結合する場合には、表示部62に、例えば、図12に示すような反応曲線S1が出力されて、反応状態を測定することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、測定用流路43A及び参照用流路43Bへアナライト溶液YAを同時に注入したが、必ずしも同時に注入する必要はなく、ピペットチップの差し込みは同時に行って、一方の流路ずつアナライト溶液YAを供給してもよい。特に、同時に注入することにより、注入時間を短くすることができ、測定のハイスループットを実現することができる。
【0056】
また、本実施形態では、液体供給用のピペット部を4本設けたが、供給口用と排出口用の2本としてもよい。この場合には、図13に示すように、ピペット部25を挟んでセンサースティック40の短手方向両側に、ピペット部24がピペットチップCPA、CPBを装着した状態で供給口、排出口へアクセスする時と同じ長さのバランス保持部材27を設ける(バランス保持部材27は4本になる)。そして、図14(A)に示すように、測定用流路43Aへアナライト溶液YAを供給する際には、ピペットチップCPA、CPBを測定用供給口45S、測定用排出口45Tへ差し込み、中央線CLを挟んで対象位置にある2本のバランス保持部材27Aを参照用供給口45R、参照用排出口45Qへ差し込む。参照用流路43Bへアナライト溶液YAを供給する際には、ピペットチップCPA、CPBを参照用供給口45R、参照用排出口45Qへ差し込み、中央線CLを挟んで対象位置にある2本のバランス保持部材27Bを測定用供給口45S、測定用排出口45Tへ差し込む。このようにして、バランス保持部材27を用いることにより、センサースティック40の短手方向の傾きを抑制することもできる。
【0057】
また、本実施形態では、流路溝44Aは流路部材44の長尺方向に伸びる略S字状と逆S字状の2本とされた例について説明したが、流路溝44Aが、図15(A)に示すように、流路部材44の長尺方向に沿った直線状の2本の場合であっても、図15(B)に示すように、互いに流路部材44の外側に向かって開いたくの字と逆くの字形状の2本であっても、本発明はセンサースティック40の短手方向の傾きを抑制するために有効である。
【0058】
また、本実施形態では、バイオセンサーとして、表面プラズモンセンサーを一例として説明したが、バイオセンサーとしては、表面プラズモンセンサーに限定されるものではない。その他の例えば、屈折率計、吸光度計、旋光計等を用いた光学式バイオセンサー、表面プラズモンセンサー以外で全反射減衰を利用したバイオセンサーに、本発明は適用することができる。
【0059】
また、全反射減衰を利用する他のバイオセンサーとしては、漏洩モード検出器をあげることができる。漏洩モードセンサは、誘電体と、この上に順に層設されたクラッド層と光導波層とによって構成された薄膜とからなり、この薄膜の一方の面がセンサ面となり、他方の面が光入射面となる。光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させると、その一部が前記クラッド層を透過して前記光導波層に取り込まれる。そして、この光導波層において、導波モードが励起されると、前記光入射面における反射光が大きく減衰する。導波モードが励起される入射角は、表面プラズモン共鳴角と同様に、センサ面上の媒質の屈折率に応じて変化する。この反射光の減衰を検出することにより、前記センサ面上の反応を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態のバイオセンサーの全体斜視図である。
【図2】本実施形態のセンサースティックの斜視図である。
【図3】本実施形態のセンサースティックの分解斜視図である。
【図4】本実施形態のセンサースティックの測定用流路部分の断面図である。
【図5】本実施形態のセンサースティックの測定領域及び参照領域へ光ビームが入射している状態を示す図である。
【図6】本実施形態の流路部材を下側からみた平面図である。
【図7】本実施形態のピペット部の側面図である。
【図8】本実施形態のバイオセンサーの光学測定部付近の概略図である。
【図9】本実施形態の制御部とその周辺の概略ブロック図である。
【図10】本実施形態の測定処理のフローチャートである。
【図11】本実施形態のバイオセンサーでの測定時において、4本のピペットチップが同時に差し込まれた状態を示す図である。
【図12】本実施形態での測定結果の一例を示すグラフである。
【図13】本実施形態のアナライト供給回収処理のフローチャートである。
【図14】本実施形態のバイオセンサーの液体吸排部の変形例を示す図である。
【図15】本実施形態の測定用流路及び参照用流路の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10 バイオセンサー
20 液体吸排部
40 センサースティック
42A プリズム部
43B 参照用流路
43A 測定用流路
44 流路部材
45R 参照用供給口
45Q 参照用排出口
45S 測定用供給口
45T 測定用排出口
50 金属膜
52 保持部材
54 光学測定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を流路へ供給する液体供給装置、及び、この液体供給装置を備えた光学式バイオセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、固定されたリガンドを流路中に露出させ、流路にアナライトを供給してリガンドとアナライトとの相互作用を測定するバイオセンサーが知られている。例えば、特許文献1に記載のバイオセンサーでは、アナライトを供給するための配管を流路と接続し、ポンプを駆動させることによって当該流路へアナライト溶液を送液している。しかしながら、特許文献1に記載のアナライトの供給方法では、配管の取換えは行わないため、いわゆるコンタミネーションが生じやすいといった問題があった。
【0003】
そこで、随時交換可能なピペットチップを用いて流路へアナライトを供給する方法が考えられる。しかしながら、ピペットチップを用いる場合には、アナライトの供給時にピペットチップを流路の入り口へアクセスさせるため、アクセス時に力が加わって流路部材が動いてしまうということがある。特に、ピペットチップがアクセスする流路の入り口が、流路部材の中心部分から外れている場合には、流路部材が傾きやすい。
【特許文献1】特許第3294605号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事実を考慮してなされたものであり、液体供給部材の流路へのアクセス時における、流路部材の傾きを抑制可能な液体供給装置、及び、この液体供給装置を備えた光学式バイオセンサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様の液体供給装置は、上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成された流路部材の前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、を備えている。
【0006】
上記構成の液体供給装置では、液体供給部材が供給口へアクセスする際に、バランス保持部材が液体供給部材と同方向からバランス保持位置にアクセスする。ここで、供給口へのアクセスとは、液体供給部材から流路へ液体を供給するために供給口を構成する部分の流路部材と液体供給部材とが接触することをいい、供給口への液体供給部材の挿入などを含んでいる。また、バランス保持位置へのアクセスとは、バランス保持部材が流路部材のバランス保持位置に接触することをいい、当接、挿入などを含んでいる。
【0007】
バランス保持位置は、流路部材の短手方向の中心に対して供給口と逆側に配置されているので、液体供給部材が流路部材と接触することによる流路部材の短手方向の供給口側への傾きがバランス保持部材のバランス保持位置へのアクセスによりキャンセルされ、流路部材の傾きを抑制することができる。
【0008】
なお、本発明の液体供給装置のバランス保持位置は、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と対象の位置に配置されていることにより、バランスよくアクセス時における流路部材の傾きをキャンセルすることができる。
【0009】
また、本発明の液体供給装置は、前記供給口が複数形成されると共に、各々の前記供給口と連通する前記流路が複数構成され、1の前記供給口に対する前記バランス保持位置に他の前記供給口が配置されていること、を特徴とすることもできる。
【0010】
このように、流路部材の短手方向の中心に対して1の供給口と対象の位置に他の供給口が配置されていることにより、1の供給口に対して他の供給口がバランス保持位置となり、両方の供給口へ同時にアクセスすることにより、流路部材の短手方向の傾きを抑制することができる。
【0011】
また、本発明の液体供給装置は、前記液体供給部材が複数備えられ、1の前記液体供給部材に対して、他の前記液体供給部材が前記バランス保持部材となること、を特徴とすることもできる。
【0012】
このように、液体供給部材がバランス保持部材としての機能を兼ね備えさせることができる。
【0013】
また、本発明の液体供給装置は、前記1の液体供給部材と、前記他の液体供給部材とで、同時に対応する各々の前記流路へ液体の供給を行うこと、を特徴とすることもできる。
【0014】
このように、1の供給口と他の供給口への液体供給を同時に行うことにより、効率よく液体供給できると共に、流路部材の短手方向の傾きを抑制することができる。
【0015】
本発明の第2の態様の光学式バイオセンサーは、上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成され、流路内にリガンドが固定された流路部材と、前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、前記流路内のリガンドへ向かって光を入射させることにより、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定する測定手段と、を備えている。
【0016】
上記光学式バイオセンサーでは、測定手段により流路内に固定されたリガンドと、流路へ供給されるアナライトとの結合状態が測定される。測定は、流路内のリガンドへ向かって光を入射させることにより行われる。このような、光学式バイオセンサーとしては、屈折率計、吸光度計、旋光計等を用いたバイオセンサー、全反射減衰を利用したバイオセンサーなどがある。
【0017】
本発明によれば、液体供給部材が供給口へアクセスする際に、バランス保持部材が液体供給部材と同方向からバランス保持位置にアクセスし、バランス保持位置は、流路部材の短手方向の中心に対して供給口と逆側に配置されているので、液体供給部材が流路部材と接触することによる流路部材の短手方向の供給口側への傾きがバランス保持部材のバランス保持位置へのアクセスによりキャンセルされ、流路部材の傾きを抑制することができる。したがって、より正確な測定を行うことができる。
【0018】
なお、前記光学式バイオセンサーは、リガンドの固定される平坦面が形成された誘電体ブロックをさらに備え、前記誘電体ブロックの前記平坦面上にリガンドが固定されると共に前記流路部材が密着されて前記流路が構成され、前記測定手段は、前記平坦面の前記流路部材が配置されている側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定すること、を特徴とすることもできる。
【0019】
上記構成の全反射減衰を用いた光学式バイオセンサーに、本発明は好適に用いることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上記構成としたので、液体供給部材の流路へのアクセス時における、流路部材の傾きを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0022】
本発明バイオセンサー10は、金属膜の表面に発生する表面プラズモン共鳴を利用して、リガンドDとアナライトAとの相互作用を測定する、いわゆる表面プラズモンセンサーである。
【0023】
図1に示すように、バイオセンサー10は、トレイ保持部12、搬送部14、容器載置台16、液体吸排部20、光学測定部54、及び、制御部60を備えている。
【0024】
トレイ保持部12は、載置台12A、及び、ベルト12Bを含んで構成されている。載置台12Aは、矢印Y方向に架け渡されたベルト12Bに取り付けられており、ベルト12Bの回転により矢印Y方向に移動可能とされている。載置台12A上には、トレイTが載置される。トレイTには、センサースティック40が収納されている。センサースティック40は、リガンドDの固定されるチップであり、詳細については後述する。載置台12Aの下には、センサースティック40を後述するスティック保持部材14Cの位置まで押し上げる、押上機構12Dが配置されている。
【0025】
センサースティック40は、図2及び図3に示すように、誘電体ブロック42、流路部材44、保持部材46、接着部材48、及び、蒸発防止部材49、で構成されている。
【0026】
誘電体ブロック42は、光ビームに対して透明な透明樹脂等で構成されており、断面が台形の棒状とされたプリズム部42A、及び、プリズム部42Aの両端部にプリズム部42Aと一体的に形成された被保持部42Bを備えている。プリズム部42Aの互いに平行な2面の内の広い側の上面には、図4にも示すように金属膜50が形成されている。この金属膜50上に、バイオセンサー10で解析するリガンドDが固定される。誘電体ブロック42は、いわゆるプリズムとして機能し、バイオセンサー10での測定の際には、プリズム部42Aの対向する互いに平行でない2つの側面の内の一方から光ビームが入射され、他方から金属膜50との界面で全反射された光ビームが出射される。
【0027】
金属膜50の表面には、図4に示すように、リンカー層50Aが形成されている。リンカー層50Aは、リガンドDを金属膜50上に固定化するための層である。後述する測定用流路43Aに対応するリンカー層50A上には、リガンドDが固定されている。
【0028】
プリズム部42Aの両側面には、上側の端辺に沿って保持部材52と係合される係合凸部42Cが、下側の端辺に沿ってプリズム部42Aの上面と垂直な仮想面の延長上に構成される垂直凸部42Dが、各々7箇所に形成されている。また、誘電体ブロック42の下面の長手方向に沿った中央部には、係合溝42Eが形成されている。
【0029】
流路部材44は、誘電体ブロック42よりもわずかに狭幅の直方体状とされ、図3に示すように、誘電体ブロック42の金属膜50上に3個並べて配置され金属膜50と密着されている。各々の流路部材44の下面には、図6に示すように、略S字状と逆S字状の2本の流路溝44Aが形成されており、上面に形成された対応する供給口45A及び排出口45Bと連通されて、金属膜50との間に、測定用流路43A、参照用流路43Bが構成されている(以下、測定用流路43Aに対応する供給口を「測定用供給口45S」、排出口を「測定用排出口45T」、参照用流路43Bに対応する供給口を「参照用供給口45R」、排出口を「参照用排出口45Q」という)。測定用供給口45Sは、流路部材44の短手方向の中央線CLから外れた位置に形成され、参照用供給口45Rは、測定用供給口45Sと、中央線CLに対して対象の位置に形成されている。また、測定用排出口45Tも中央線CLから外れた位置に形成され、参照用排出口45Qも、測定用排出口45Tと、中央線CLに対して対象の位置に形成されている。
【0030】
流路部材44の側壁には、保持部材46の内側の図示しない凹部に圧入されて保持部材46との密着性を確保するための凸部44Bが形成されている。
【0031】
測定用流路43Aを構成する金属膜50の表面(以下「測定領域E1」という)には、リガンドDが固定され、参照用流路43Bを構成する金属膜50の表面(以下「参照領域E2」という)にはリガンドDは固定されない。測定領域E1からリガンドDとアナライトとの相互作用を示す信号を取得し、参照領域E2からは、センサースティック40の個体差や液体の温度変化など、外乱に起因するノイズをキャンセルする補正を行うための参照信号を取得する。
【0032】
保持部材46は、長尺とされ、上面板46A及び2枚の側面板46Bで構成されている。側面板46Bには、誘電体ブロック42の係合凸部42Cと係合される係合孔46Cが形成されている。保持部材46は、6個の流路部材44を間に挟んで係合孔46Cと係合凸部42Cとが係合されて、誘電体ブロック42に取り付けられる。これにより、流路部材44は、誘電体ブロック42に取り付けられる。上面板46Aには、流路部材44の供給口45A及び排出口45Bと対向する位置に、流路部材44に向けて狭くなるテーパー状のピペット挿入孔46Dが形成されている。また、隣り合うピペット挿入孔46Dとピペット挿入孔46Dとの間には、位置決め用のボス46Eが形成されている。
【0033】
保持部材46の上面には、蒸発防止部材49が接着部材48を介して接着されている。接着部材48のピペット挿入孔46Dと対向する位置にはピペット挿入用の孔48Dが形成され、ボス46Eと対向する位置には位置決め用の孔48Eが形成されている。また、蒸発防止部材49のピペット挿入孔46Dと対向する位置には十字状の切り込みであるスリット49Dが形成され、ボス46Eと対向する位置には位置決め用の孔49Eが形成されている。ボス46Eを孔48E及び49Eに挿通させて、蒸発防止部材49を保持部材52の上面に接着することにより、蒸発防止部材49のスリット49Dと流路部材44の供給口45A及び排出口45Bとが対向するように構成される。ピペットチップCPの非挿入時には、スリット49D部分が供給口45Aを覆い、測定用流路43A、参照用流路43Bに供給されている液体の蒸発が防止される。
【0034】
図1に示すように、バイオセンサー10の搬送部14は、上部ガイドレール14A、下部ガイドレール14B、及び、スティック保持部材14C、を含んで構成されている。上部ガイドレール14A及び下部ガイドレール14Bは、トレイ保持部12及び光学測定部54の上部で、矢印Y方向と直交する矢印X方向に水平に配置されている。上部ガイドレール14Aには、スティック保持部材14Cが取り付けられている。スティック保持部材14Cは、センサースティック40の両端部の被保持部42Bを保持可能とされていると共に、上部ガイドレール14Aに沿って移動可能とされている。スティック保持部材14Cに保持されたセンサースティック40の係合溝42Eと下部ガイドレール14Bとが係合され、スティック保持部材14Cが矢印X方向に移動することにより、センサースティック40が光学測定部54上の測定部56に搬送される。また、測定部56には、測定時にセンサースティック40を押さえる押さえ部材58が備えられている。押さえ部材58は、図示しない駆動機構によりZ方向に移動可能とされ、測定部56に配置されたセンサースティック40を上側から押圧する。
【0035】
容器載置台16には、アナライト溶液プレート17、回収液ストック容器18、バッファー液ストック容器19が載置されている。アナライト溶液プレート17は、マトリクス状に区画されており、各種のアナライト溶液をストック可能とされている。回収液ストック容器18は、回収容器18A〜18Eで構成されており、回収容器18A〜18Eには、後述するピペットチップCPを挿入可能な開口Kが形成されている。バッファー液ストック容器19は、複数のストック容器19A〜19Eで構成されており、回収容器と同様にピペットチップCPを挿入可能な開口Kが形成されている。
【0036】
液体吸排部20は、上部ガイドレール14A、及び、ガイドレール16Bよりも上方で、矢印Y方向に架け渡された横断レール22、及び、ヘッド24を含んで構成されている。横断レール22は、図示しない駆動機構により、矢印X方向移動可能とされている。また、ヘッド24は、横断レール22に取り付けられ、矢印Y方向に移動可能とされている。また、ヘッド24は、図示しない駆動機構により、鉛直方向(矢印Z方向)にも移動可能とされている。
【0037】
ヘッド24は、図7に示すように、4本のピペット部24A、24B、24C、24Dを備えている。各ピペット部24A〜24Dは、先端に小孔が形成された略円錐筒状をなしており、各々の間隔が測定用供給口45S、測定用排出口45T、参照用供給口45R、参照用排出口45Qの間隔に対応するように設けられている。ピペット部24A〜24Dの各々には、例えば、シリンジポンプが接続されており、各シリンジポンプの駆動に応じて液体の吸引と吐出とが制御される。また、ヘッド24には、各ピペット部24A〜24Dを独立に突出させるピペット突出機構(図示は省略)が組み込まれている。これにより、各ピペット部24A〜24Dは、Z方向の高さを個々に制御することができる。
【0038】
また、ピペット部24A〜24Dには、先端部にピペットチップCPが取り付けられている。ピペットチップCPは、図示しないピペットチップストッカーに多数ストックされており、必要に応じて交換可能とされている。
【0039】
なお、本実施形態においてはセンサースティック40からの液体排出もピペットチップCPにより行われるが、ピペットチップの代わりに、排出口45Bに吸引チューブを接続して、ポンプにより液体の排出を行ってもよい。
【0040】
光学測定部54は、図8に示すように、光源54A、第1光学系54B、第2光学系54C、受光部54D、信号処理部54E、を含んで構成されている。光源54Aからは、発散状態の光ビームLが出射される。光ビームLは、第1光学系54Bを介して、2本の光ビームL1、L2となり、測定部56に配置された誘電体ブロック42の測定領域E1と参照領域E2に入射される(図5参照)。測定領域E1及び参照領域E2において、光ビームL1、L2は、金属膜50と誘電体ブロック42との界面に対して種々の入射角成分を含み、かつ全反射角以上の角度で入射される。光ビームL1、L2は、誘電体ブロック42と金属膜50との界面で全反射される。全反射された光ビームL1、L2も、種々の反射角成分をもって反射される。この全反射された光ビームL1、L2は、第2光学系54Cを経て受光部54Dで受光されて、各々光電変換され、光検出信号が信号処理部54Eへ出力される。信号処理部54Eでは、入力された光検出信号に基づいて所定の処理が行なわれ、測定領域E1及び参照領域E2の全反射減衰角のデータ(以下「全反射減衰角データ」という)が求められる。この全反射減衰角データが制御部60へ出力される。
【0041】
制御部60は、バイオセンサー10の全体を制御する機能を有し、図8に示すように、光源54A、信号処理部54E、及び、バイオセンサー10の図示しない駆動系と接続されている。制御部60は、図9示すように、バスBを介して互いに接続される、CPU60A、ROM60B、RAM60C、メモリ60D、及び、インターフェースI/F60E、を有し、各種の情報を表示する表示部62、各種の指示、情報を入力するための入力部64と接続されている。
【0042】
メモリ60Dには、バイオセンサー10を制御するための各種プログラムや、各種データが記録されている。
【0043】
次に、バイオセンサー10での、測定について説明する。
【0044】
バイオセンサー10の載置台12Aには、リガンドDが固定化され、測定用流路43A5に保存液Cが充填されたセンサースティック40入りのトレイがセットされている。また、アナライト溶液プレート17、バッファー液ストック容器19には、所定のアナライト溶液、バッファー液、がセットされている。
【0045】
まず、押上機構12Dにより、1のセンサースティック40がスティック保持部材14Cの位置まで押し上げられ、スティック保持部材14Cにより保持される。そして、スティック保持部材14Cは、センサースティック40を保持したまま下部ガイドレール14Bに沿って移動して、センサースティック40を測定部56へ搬送する。測定部56へ搬送されたセンサースティック40は、所定の測定位置に位置決めされて押さえ部材58により、上部から押圧され固定される。
【0046】
入力部64から測定開始の指示が入力されると、制御部60では、図10に示す測定処理が実行される。
【0047】
まず、ステップS12で、光源54Aへ光ビームLの出射指示信号を出力する。これにより、光源54Aから光ビームLが出射される。出射された光ビームLは、第1光学系54Bで2本の光ビームL1、L2となり、測定領域E1、参照領域E2へ各々入射される。また、ステップS14で、受光部54D及び信号処理部54Eへ、作動指示信号を出力する。これにより、測定領域E1、参照領域E2で全反射され第2光学系54Cを経た光ビームL1、L2は、受光部54Dで受光され、受光された光は、測定領域E1、参照領域E2毎に光電変換されて光検出信号が信号処理部54Eへ出力される。信号処理部54Eでは、光検出信号に所定の処理が加えられ、全反射減衰角データが生成され、制御部60へ出力される。
【0048】
制御部60では、ステップS16で、所定時間経過したかどうかを判断し、所定時間の経過後、ステップS18で、入力された全反射減衰角データをメモリ60Dへ記憶する。そして、ステップS20で、測定領域E1からの光検出信号により得られる全反射減衰角データを、参照領域E2からの光検出信号により得られる全反射減衰角データで補正して、リガンドDとアナライト溶液YA中のアナライトAとの結合状態を示す結合状態データを生成する。そして、ステップS22で、結合状態データを表示部62へ出力する。これにより、所定時間毎の結合状態データがメモリ60Dへ記憶されると共に、表示部62へ表示される。この測定処理は、測定処理終了信号を受けるまで継続される。
【0049】
一方、入力部64からアナライト供給開始の指示が入力されると、液体吸排部20が駆動して、測定用供給口45S、及び、参照用供給口45Rへアナライト溶液YAが供給される。
【0050】
詳細を説明すると、まず、ヘッド24がアナライト溶液YAのセットされたアナライト溶液プレート17の上部に移動し、ピペット部24A、24Cが下側に長く、ピペット部24B、24Dが短くなるように段差がつけられる。そして、ヘッド24を下降させて、ピペット部24Aに取り付けられているピペットチップCPA、ピペット部24Cに取り付けられているピペットチップCPCの先端をアナライト溶液YAが貯留されたセルへ挿入し、ピペットチップCPA、CPC内にアナライト溶液YAを吸引する。
【0051】
次に、ヘッド24を上昇させて測定部56の上部に移動させ、ピペット部24A〜24Dが同じ高さになるように長さを調整する(図7(A)参照)。そして、ヘッド24を下降させて、ピペット部24A側のピペットチップCPAの先端を測定用供給口45Sへ挿入し、ピペット部24B側のピペットチップCPBの先端を測定用排出口45Tへ挿入し、ピペット部24C側のピペットチップCPCの先端を参照用供給口45Rへ挿入し、ピペット部24D側のピペットチップCPDの先端を参照用排出口45Qへ挿入する(図11参照)。このように、4本のピペットチップを同時に差し込むことにより、ピペットチップCPAにより流路部材44へ加えられる力がピペットチップCPCによりキャンセルされ、ピペットチップCPBにより流路部材44へ加えられる力がピペットチップCPDによりキャンセルされる。これは、ピペットチップCPAとピペットチップCPC、及び、ピペットチップCPBとピペットチップCPDとが、中心線CLを挟んで対象の位置にアクセスしているためである。
【0052】
したがって、ピペットチップCPAのみを測定用供給口45Sへアクセスさせたり、ピペットチップCPAとピペットチップCPC(測定用排出口45Tへ)をアクセスさせたりする場合と比較して、センサースティック40の傾きを抑制することができる。
【0053】
例えば、ピペットチップCPAとピペットチップCPCのみをアクセスさせた場合には、ノイズが50RUであったのに対し、4本のピペットチップCPA〜CPDを同時にアクセスさせた場合には、ノイズが1RU以下に減少するという効果が得られた。
【0054】
その後、ピペットチップCPAから測定用流路43Aへアナライト溶液YAを注入すると共に、ピペットチップCPBで測定用流路43Aから押し出される保存液を吸引し、ピペットチップCPCから参照用流路43Bへアナライト溶液YAを注入すると共に、ピペットチップCPBで測定用流路43Aから押し出される保存液を吸引する。これにより、測定用流路43AのリガンドDへアナライト溶液YAが供給されると共に、参照用流路43Bへもアナライト溶液YAが供給される。そして、リガンドDとアナライトAとが結合する場合には、表示部62に、例えば、図12に示すような反応曲線S1が出力されて、反応状態を測定することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、測定用流路43A及び参照用流路43Bへアナライト溶液YAを同時に注入したが、必ずしも同時に注入する必要はなく、ピペットチップの差し込みは同時に行って、一方の流路ずつアナライト溶液YAを供給してもよい。特に、同時に注入することにより、注入時間を短くすることができ、測定のハイスループットを実現することができる。
【0056】
また、本実施形態では、液体供給用のピペット部を4本設けたが、供給口用と排出口用の2本としてもよい。この場合には、図13に示すように、ピペット部25を挟んでセンサースティック40の短手方向両側に、ピペット部24がピペットチップCPA、CPBを装着した状態で供給口、排出口へアクセスする時と同じ長さのバランス保持部材27を設ける(バランス保持部材27は4本になる)。そして、図14(A)に示すように、測定用流路43Aへアナライト溶液YAを供給する際には、ピペットチップCPA、CPBを測定用供給口45S、測定用排出口45Tへ差し込み、中央線CLを挟んで対象位置にある2本のバランス保持部材27Aを参照用供給口45R、参照用排出口45Qへ差し込む。参照用流路43Bへアナライト溶液YAを供給する際には、ピペットチップCPA、CPBを参照用供給口45R、参照用排出口45Qへ差し込み、中央線CLを挟んで対象位置にある2本のバランス保持部材27Bを測定用供給口45S、測定用排出口45Tへ差し込む。このようにして、バランス保持部材27を用いることにより、センサースティック40の短手方向の傾きを抑制することもできる。
【0057】
また、本実施形態では、流路溝44Aは流路部材44の長尺方向に伸びる略S字状と逆S字状の2本とされた例について説明したが、流路溝44Aが、図15(A)に示すように、流路部材44の長尺方向に沿った直線状の2本の場合であっても、図15(B)に示すように、互いに流路部材44の外側に向かって開いたくの字と逆くの字形状の2本であっても、本発明はセンサースティック40の短手方向の傾きを抑制するために有効である。
【0058】
また、本実施形態では、バイオセンサーとして、表面プラズモンセンサーを一例として説明したが、バイオセンサーとしては、表面プラズモンセンサーに限定されるものではない。その他の例えば、屈折率計、吸光度計、旋光計等を用いた光学式バイオセンサー、表面プラズモンセンサー以外で全反射減衰を利用したバイオセンサーに、本発明は適用することができる。
【0059】
また、全反射減衰を利用する他のバイオセンサーとしては、漏洩モード検出器をあげることができる。漏洩モードセンサは、誘電体と、この上に順に層設されたクラッド層と光導波層とによって構成された薄膜とからなり、この薄膜の一方の面がセンサ面となり、他方の面が光入射面となる。光入射面に全反射条件を満たすように光を入射させると、その一部が前記クラッド層を透過して前記光導波層に取り込まれる。そして、この光導波層において、導波モードが励起されると、前記光入射面における反射光が大きく減衰する。導波モードが励起される入射角は、表面プラズモン共鳴角と同様に、センサ面上の媒質の屈折率に応じて変化する。この反射光の減衰を検出することにより、前記センサ面上の反応を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本実施形態のバイオセンサーの全体斜視図である。
【図2】本実施形態のセンサースティックの斜視図である。
【図3】本実施形態のセンサースティックの分解斜視図である。
【図4】本実施形態のセンサースティックの測定用流路部分の断面図である。
【図5】本実施形態のセンサースティックの測定領域及び参照領域へ光ビームが入射している状態を示す図である。
【図6】本実施形態の流路部材を下側からみた平面図である。
【図7】本実施形態のピペット部の側面図である。
【図8】本実施形態のバイオセンサーの光学測定部付近の概略図である。
【図9】本実施形態の制御部とその周辺の概略ブロック図である。
【図10】本実施形態の測定処理のフローチャートである。
【図11】本実施形態のバイオセンサーでの測定時において、4本のピペットチップが同時に差し込まれた状態を示す図である。
【図12】本実施形態での測定結果の一例を示すグラフである。
【図13】本実施形態のアナライト供給回収処理のフローチャートである。
【図14】本実施形態のバイオセンサーの液体吸排部の変形例を示す図である。
【図15】本実施形態の測定用流路及び参照用流路の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10 バイオセンサー
20 液体吸排部
40 センサースティック
42A プリズム部
43B 参照用流路
43A 測定用流路
44 流路部材
45R 参照用供給口
45Q 参照用排出口
45S 測定用供給口
45T 測定用排出口
50 金属膜
52 保持部材
54 光学測定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成された流路部材の前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、
前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、
を備えた液体供給装置。
【請求項2】
前記バランス保持位置が前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と対象の位置に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
【請求項3】
前記供給口が複数形成されると共に、各々の前記供給口と連通する前記流路が複数構成され、
1の前記供給口に対する前記バランス保持位置に他の前記供給口が配置されていること、を特徴とする請求項2に記載の液体供給装置。
【請求項4】
前記液体供給部材が複数備えられ、
1の前記液体供給部材に対して、他の前記液体供給部材が前記バランス保持部材となること、を特徴とする請求項3に記載の液体供給装置。
【請求項5】
前記1の液体供給部材と、前記他の液体供給部材とで、同時に対応する各々の前記流路へ液体の供給を行うこと、を特徴とする請求項4に記載の液体供給装置。
【請求項6】
上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成され、流路内にリガンドが固定された流路部材と、
前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、
前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、
前記流路内のリガンドへ向かって光を入射させることにより、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定する測定手段と、
を備えた光学式バイオセンサー。
【請求項7】
リガンドの固定される平坦面が形成された誘電体ブロックをさらに備え、
前記誘電体ブロックの前記平坦面上にリガンドが固定されると共に前記流路部材が密着されて前記流路が構成され、
前記測定手段は、前記平坦面の前記流路部材が配置されている側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定すること、
を特徴とする請求項6に記載の光学式バイオセンサー。
【請求項1】
上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成された流路部材の前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、
前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、
を備えた液体供給装置。
【請求項2】
前記バランス保持位置が前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と対象の位置に配置されていること、を特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
【請求項3】
前記供給口が複数形成されると共に、各々の前記供給口と連通する前記流路が複数構成され、
1の前記供給口に対する前記バランス保持位置に他の前記供給口が配置されていること、を特徴とする請求項2に記載の液体供給装置。
【請求項4】
前記液体供給部材が複数備えられ、
1の前記液体供給部材に対して、他の前記液体供給部材が前記バランス保持部材となること、を特徴とする請求項3に記載の液体供給装置。
【請求項5】
前記1の液体供給部材と、前記他の液体供給部材とで、同時に対応する各々の前記流路へ液体の供給を行うこと、を特徴とする請求項4に記載の液体供給装置。
【請求項6】
上面の短手方向の中心から外れた位置に形成された供給口と連通する流路が構成され、流路内にリガンドが固定された流路部材と、
前記供給口にアクセスして前記流路へ液体を供給する液体供給部材と、
前記液体供給部材が前記供給口へアクセスする際に、前記流路部材の短手方向の中心に対して前記供給口と逆側に配置されたバランス保持位置に、前記液体供給部材と同方向からアクセスするバランス保持部材と、
前記流路内のリガンドへ向かって光を入射させることにより、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定する測定手段と、
を備えた光学式バイオセンサー。
【請求項7】
リガンドの固定される平坦面が形成された誘電体ブロックをさらに備え、
前記誘電体ブロックの前記平坦面上にリガンドが固定されると共に前記流路部材が密着されて前記流路が構成され、
前記測定手段は、前記平坦面の前記流路部材が配置されている側と逆側の面へ光ビームを入射させることにより発生する全反射減衰を利用して、前記リガンドと前記流路へ供給されるアナライトとの結合状態を測定すること、
を特徴とする請求項6に記載の光学式バイオセンサー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−127535(P2007−127535A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320734(P2005−320734)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]