説明

液体噴流放出チューブ

【課題】体腔内の挿入する可撓性チューブから液体ジェット流を体腔内壁に対し傾斜乃至直交しかつ広範囲にわたって噴出し、体腔内の付着物を確実にかつ容易に除去することができる液体噴流放出チューブを提供する。
【解決手段】チューブ7の先端を封止し、先端部近傍側部にチューブ7の軸線O−Oと交差する長尺な湾曲したスリット状の噴射開口部20を設け、液体ジェット流Jを側方噴射するようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体に向ってレーザー光を照射することにより誘起させたジェット流を広範囲に噴出する液体噴流放出チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、血栓症などの治療を行う手段として、レーザー光により液体ジェット流を発生させ、物理的に血栓などを破砕する方法が行われている。この治療法は、重篤な副作用がある血栓溶解剤を大量に投与する必要がなく、早期血液再開が可能なことから、血栓症の治療として大いに期待されている。特に、脳組織は、6時間以上虚血状態が続くと、それに伴う神経症状の回復は困難とされているが、発症後数時間で血流再開できると、極めて治療効昇の高いものとなる。
【0003】
下記特許文献1、2及び非特許文献1では、カテーテル内に挿入した光ファイバーに、レーザー発振器からのレーザーをパルス導光し、前記カテーテル内に充填された生理食塩水等を急激に加熟し、液体ジェット流を誘起し、この液体ジェット流の力により血栓等を破砕し除去する方法が記載されている。
【0004】
また、下記特許文献3では、カテーテルの外部でレーザー光の照射を行い、ここで誘起した液体ジェット流をカテーテルの内部に導くようにしたレーザー誘起液体噴流発生デバイスであり、カテーテルや使用者がレーザー光による光熱的影響を受けることなく、より強力なレーザー光照射ができ、しかも、長時間にわたる使用や円滑な操作を可能とするものが開示されている。
【0005】
このようなカテーテルを用いた血管内治療では、一般に、血管の内径に比べてかなり外径が小さいカテーテルを用いる。この場合、前述の特許文献1、2、3及び非特許文献1に開示されたものでは、液体ジェット流をカテーテルの先端から軸線に沿って吐出するものであるため、液体ジェット流の効果は、カテーテル前方若しくはその周辺に限定されることになる。
【0006】
このため、血栓のように血管を閉塞する閉塞物あるいはコレストロールのように血管内壁に付着している付着物(以下、このような閉塞物や付着物を総称して、単に「付着物」と称す)を除去する場合、カテーテルより大きな径の血管を塞ぐ血栓全体に液体ジェット流を作用させて血栓を完全に除去することや、広範囲にわたって付着している付着物を速やかに除去することは困難で、血管壁に付着物がこびりついて残存する虞もあり、治療成績は、術者のカテーテル操作の技量に大きく左右されることとなっている。
【特許文献1】特開2003−111766号公報(段落番号[0014][0015]、図1参照)
【特許文献2】特表2002−521084号公報(段落番号[0004][0010][0096]、図27E参照)
【特許文献3】特開2005−169094号公報(要約、段落番号[0019]、図1、図2参照)
【非特許文献1】日レ医誌第22巻第3号(2001)(第217頁参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、体腔内の挿入する可撓性チューブから液体ジェット流を体腔内壁に対し傾斜乃至直交するように広範囲にわたって噴出し、体腔内の付着物を確実にかつ速やかに除去することができる液体噴流放出チューブを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の液体噴流放出チューブは、チューブの先端を封止し、先端部近傍側部に前記チューブの軸線と交差する長尺な湾曲したスリット状の噴射開口部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、体腔内に挿入して使用される、先端が封止されたチューブの先端部近傍に、前記チューブの軸線と交差部分を有する湾曲したスリット状の噴射開口部を設け、前記液体ジェット流を体腔の内壁に向って噴出するようにしたので、細いチューブであっても、液体ジェット流を体腔内壁に対し傾斜乃至直交しかつ広範囲にわたって噴出し、体腔内壁の付着物を確実にかつ速やかに除去し、手技の迅速化と容易化を図り、治療効果を高めることができる。
【0010】
前記噴射開口部を、先端側若しくは基端側に向かって突出する三日月形状とすれば、噴射開口部の中央付近は最大の幅を有し、端部にいくほど幅は小さくなるので、液体ジェット流が所定の噴射力乃至破砕力を発揮する範囲が円弧状を呈することとなり、体腔内壁のように円弧状内壁を有する部分で使用する場合に、液体ジェット流の物理的破砕力を弱めることなく体腔内壁に確実に伝達させることができ、付着物に対する破砕範囲が拡大し、チューブを回転させる操作も最小限で済み、前述した噴射不能やチューブの破損などを確実に回避できる。
【0011】
前記チューブの先端に内部から外部への流通を阻止する逆止弁を設ければ、液体ジェット流を側方噴射させることができるのみでなく、例えば、チューブの先端から逆止弁を通ってガイドワイヤーをチューブ内に挿通させることができ、チューブをガイドワイヤーのガイド下で付着物近傍まで到達させることができる。
【0012】
前記液体ジェット流を伝達する主流路に、少なくとも1つのルーメン部を添設したチューブとすれば、例えば、ルーメン部にガイドワイヤーを挿入し、ガイドワイヤーのガイド下でチューブを付着物近傍まで到達させることができるのみでなく、複雑な体腔内径路でもガイドワイヤーに沿ってチューブを容易に移動させることもでき、手技の容易性が向上する。
【0013】
前記液体ジェット流を伝達する主流路と、当該主流路とは独立に併設された少なくとも1つの副流路とを有するチューブとすれば、主流路で液体ジェット流を噴射させつつ、副流路を利用して、例えば、ガイドワイヤーによるガイド、造影剤や薬液などの投与、破砕した付着物の吸引などを行うことができ、手技の容易性がさらに向上する。
【0014】
前記噴射開口部を、チューブ軸線と直交する方向の端部間の幅(a)がチューブの外径(D)の75%〜85%、チューブの軸線方向の最大開口幅(b)が0.1mm〜0.5mmという扁平なスリットを形成すれば、液体ジェット流の物理的破砕能力が高く、体腔内壁に対し広範囲にわたって液体ジェット流を噴出し、体腔内壁の付着物を迅速にかつ確実に除去でき、治療効果を高めることができる。
【0015】
前記噴射開口部を、外周縁から径方向への切込深さ(d)がチューブの外径(D)の15%〜20%となるように形成すれば、チューブの先端部近傍にスリット状の噴射開口部を設けても、液体ジェット流が噴射するときの反力によりチューブの先端部が押されて噴射開口部が開き、大きな噴射開口部となることなく、所望の噴射力を有する液体ジェット流を広範囲に噴射できる。
【0016】
前記噴射開口部を、周方向中点(M1)と端部間の中点(M2)とを通る直線と、前記チューブの軸線とのなす切込角度(θ)が10度〜20度若しくはその補角となるように形成すれば、液体ジェット流が噴射される方向が、体腔内壁に直交せず、軸線方向にも半径方向にもバランスした状態で、広範囲に噴射できる。
【0017】
前記噴射開口部を、チューブの先端から5cm以内に形成すれば、先端部を利用して付着物を破砕でき、液体ジェット流の反力による噴射開口部の開きを確実に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は本発明に係る第1実施形態の全体を示す概略断面図、図2はジェット流吐出部を示す拡大断面図、図3はチューブを示す拡大断面図、図4及び図5はチューブ先端部近傍に形成された噴射開口部の代表例を示すもので、(A)は平面図、(B)は(A)の断面図である。なお、本明細書において「基端側」とはレーザー発振源に近い側、「先端側」とは液体ジェット流を噴射する側を指称するものとする。
【0020】
本実施形態は、液体噴流放出チューブをレーザー誘起液体噴流デバイスに適用したものである。レーザー誘起液体噴流デバイスは、図1に示すように、概してレーザー発振器1と、レーザー発振器1からのレーザー光が導光される光ファイバー2と、光ファイバー2の基端部分を保持する保持部3と、レーザー発振器1と光ファイバー2とを連結するフェルール4と、レーザー発振器からのレーザー光を吸収する液体が充填され、この液体にレーザー光をパルス照射することによって生じた液体ジェット流を噴射するジェット流吐出部5と、ジェット流吐出部5に基端部がチューブ接続部6を介して連結され、先端部側から液体ジェット流を噴出する長尺で可撓性を有する細い液体噴流放出チューブ7(以下、「チューブ」と略称する)と、を有している。
【0021】
図1中において、「P」は、レーザー光を吸収する所定の液体を供給するシリンジポンプや輸液ポンプ等からなる液体供給ポンプ、「8」は、液体供給ポンプPから供給された液体をジェット流吐出部5などに導く送液管である。なお、レーザー発振器1、光ファイバー2及びフェルール4に関しては公知に属するため、説明は省略する。
【0022】
さらに詳述する。まず、ジェット流吐出部5は、図2に示すように、送液管8の先端に連結された外管10を有し、外管10内に隔壁部材11とジェット発生管部12が設けられ、ジェット発生管部12内には、光ファイバー2のレーザー照射部13が収容されている。
【0023】
外管10は、ポリカーボネイト等により構成され、隔壁部材11は、ポリウレタン等により構成されている。隔壁部材11の基端側は、仕切壁11aにより封止され、先端側は、開放され、外管10内にジグザグの流路が形成され、ジェット流が確実に先端側に向うようにしている。なお、仕切壁11aは、流路抵抗を軽減するために円錐状に形成されている。
【0024】
ジェット発生管部12は、ジェット流Jをチューブ7に向って噴射するもので、隔壁部材11の基端側からチューブ接続部6まで伸延され、内部に光ファイバー2が所定位置まで挿入されている。光ファイバー2は、隔壁部材11の円錐状仕切壁11aを貫通し、ジェット発生管部12の略中間部まで伸延されているのみで、ジェット発生管部12には固定されてない。
【0025】
ジェット発生管部12の内部から外部へのレーザー光の漏れを防止する手段は、本実施形態では、外管10の内部に形成された液体通過路自体(ジェット発生管部12、隔壁部材11、外管10など)と、この液体通過路を通過する液体Wとにより構成し、レーザー光による外部への光熱的影響を防止している。ジェット発生管部12の構成材料としては、レーザー光及びそれにより誘発される熱に対抗する材料であることが望ましい。例えば、レーザーの反射率が高い材料としては、金、白金、銀、銅、アルミニウム等及びその合金(例えば18金や白金イリジウム)等がある。耐熱性材料としては、チタン、タングステン、ニッケル等の高融点材料及びその合金(例えばステンレス、インコネル(商標名)やハステロイ(商標名))等や、レーザー透過性の高い、例えば、フッ素系樹脂や無水石英、ガラス、サファイアなどがある。このようなレーザー透過性材料を用いても、レーザーエネルギーが吸収され外部への光熱的影響が防止される。また、ジェット発生管部12を透過したレーザー光は、ジェット発生管部12の外側を流れる液体Wに吸収されるため、これによっても外部への光熱的影響が防止される。
【0026】
ジェット発生管部12は、レーザー光の照射により発生したジェット流Jがチューブ7の先端から実質的に損失することなく噴射できるように、高圧を受けても径方向に伸展しないものであることが好ましく、また、その先端は、チューブ接続部6の本体14の内面に接着剤などにより液密に固着され、ジェット流Jが円滑にチューブ7に導かれるようにすることが好ましい。
【0027】
チューブ接続部6は、外管10の先端部と回転部Rを介して連結される本体14と、ハブ16と、耐キンクプロテクタ17とを有している。回転部Rは、外管10の先端部と本体14とをOリングを用いて液密に凹凸嵌合させることにより構成している。このように外管10と本体14との間に回転部Rを設ければ、本体14を外管10に対し回転でき、光ファイバー2を回転させることなくチューブ7を回転させることができる。
【0028】
本体14とハブ16とは、スリーブ部材15により、いわばワンタッチ式に連結できる構成であり、ハブ16は、先端部に長尺な耐キンクプロテクタ17が密に嵌合され、これにより内部のチューブ7の折れ曲がりを防止しているが、ハブ16の内部で、ジェット発生管部6の先端部とチューブ7が連通状態となっている。
【0029】
チューブ7は、一般的に、カテーテルと称される外径が、例えば、略1mm〜3mm程度の極めて細くて長尺な管体であり、中空な部分を有している。チューブ7は、細く曲がりくねった血管であっても折れ曲がることなく容易に挿入できるように、全体的に柔軟でかつ強度も有している。例えば、その構成材料としては、1層のHDPE(High Density Polyethylene)あるいは2層のLLDPE(Linear Low Density Polyethylene)が使用される。ただし、これのみでなく、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂等の各種熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、ラテックスゴム等の各種ゴムも使用できる。
【0030】
特に、本実施形態では、図3に示すように、チューブ7の先端が封止され、先端部近傍の側面に液体ジェット流Jを噴出する噴射開口部20が設けられている。噴射開口部20(後述の20a,20b,20cの総称)は、チューブ7の外部と内腔とを連通するものであれば、どのようなものであってもよいが、血管内壁に付着したものを液体ジェット流Jにより除去するには、血管内壁の広範囲にに向うように、チューブ7の軸線と交差する部分を有する湾曲したスリット状のものが好ましい。そして、長尺な湾曲したスリット状の噴射開口部20は、一般的にチューブ7の軸線に対し略直角に交差している部分を有することがより好ましい。より詳しく述べれば、噴射開口部20は、チューブ7の軸線と交差する部分(又は交差する部分が弧を形成している場合はその弧の口縁における接線)が、チューブ7の軸線に対して略直角に交差する湾曲したスリット状のものがより好ましい。具体例としては、図4及び図5に示すものがある。
【0031】
図4に示す噴射開口部20aは、図4(A)に示すように、チューブ7の軸線O−Oと交差する大きな中央開口部分21と、開口部分21から基端側に向って傾斜(湾曲)しつつ円弧状に伸延する側部開口部分22とを有する長尺なスリットで、全体的には、チューブ7の先端側に向かって突出し、基端側の端部23が開いた、つまり離間している三日月形状のスリットである。噴射開口部20は、チューブ7の先端側に向って突出した部分が湾曲している。
【0032】
噴射開口部20aにおいて、チューブ7の軸線O−Oと直交する方向の端部23間の距離(噴射開口部20の両端部23間の距離であり、チューブ7の外周上の距離ではない、以下、「端部幅」と称す)は、図4(A)に示すように、「a」とする。また、噴射開口部20aは、図4(B)に示すように、チューブ7の外周縁頂部から斜め後方に向って傾斜するように切り込まれ、開口幅が端部23に向って次第に狭くなっているが、三日月形状の頂部におけるチューブの軸線方向での最大開口幅(中央開口部分21の幅)を「b」とする。なお、噴射開口部20aの形状によっては、開口幅bが異なることがあるが、いずれにしても開口幅bは、噴射開口部20aの軸線方向での最大幅である。
【0033】
噴射開口部20aにおいて切り込まれる切込深さは「d」とする。切込深さは、噴射開口部20aのチューブ外周上の点からチューブ中心軸に向けて降ろした垂線における、チューブ外周上の点と噴射開口部20aのチューブ外周上の点から最も離れた点をつないだ直線の距離であり、噴射開口部20aを側面から見たときの、チューブ7の内腔に達する噴射開口部20aの径方向の長さである。
【0034】
噴射開口部20aの傾斜状態は、周方向中点M1(中央開口部分21の周方向中点)と前記端部23間の中点M2とを通る直線Nと、前記チューブの軸線O−Oとのなす角度(以下、切込角度)により特定し、この切込角度を「θ」とする。したがって、噴射開口部20aの口縁部分は、図示のように傾斜面となっておる。すなわち、噴射開口部20aを側面から見たとき(図4Bのように見たとき)、噴射開口部20aは、チューブ7の外周の位置から端部23までを繋いだ直線状にはなく、噴射開口部20aは、前記直線からチューブ7の中心(軸線)に近い方向にやや突出するように傾斜(湾曲)している部分を有する。これにより液体ジェット流Jはある程度ガイドされ、口縁部分での流通抵抗が低減し、円滑に噴射されることになる。
【0035】
本実施形態の三日月形状は、これら端部幅a、最大開口幅b、切込深さd、切込角度θにより特定され、先端部の曲率半径の如何を問うものではない。
【0036】
図5に示す噴射開口部20bは、噴射開口部20aと同様、チューブ7の軸線O−Oと交差する長尺な三日月形状のスリットであるが、噴射開口部20aとは、三日月の突出する方向が相違し、基端側に向かって突出している。ただ、端部23に関しては、噴射開口部20aと相違し、円弧状に形成することが好ましい。液体ジェット流Jの流れ方向からして流出し易いようにするためである。
【0037】
なお、噴射開口部20bは、噴射開口部20aと略同様の構成であるため、図中に同一符号を使用し、説明は省略する。
【0038】
噴射開口部20の形成方法としては、特に制限されるものではないが、刃物、例えば剃刀を用いて拡大下で形成することが好ましい。
【0039】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0040】
光ファイバー2、保持部3、フェルール4、ジェット流吐出部5は予め組み立てられている。従って、フェルール4とレーザ発振器1とを接続すると共に、保持部3に液体供給ポンプPを接続するだけで組み付けは完了する。
【0041】
この状態で液体供給ポンプPより液体を供給すると、液体は保持部3→送液管12→隔壁部材11の外周→隔壁部材11の内部→ジェット発生管部12の順に流れる。ジェット発生管部12の先端から液体が流出した時点で満液状態となり、いわゆるプライミングが完了する。
【0042】
術者は、ガイドワイヤー(不図示)を生体内に挿入し、次いでガイドワイヤーに沿って基部側からYコネクター(不図示)を接続したガイディングカテーテル(不図示)を通し、ガイドワイヤーとガイディングカテーテルを更に生体内に進める。そしてガイドワイヤーの先端が血栓などの付着物Fの位置まで到達し、かつガイディングカテーテルがその手前まで到達したら、ガイドワイヤーを抜去し、ガイディングカテーテルをガイドとしてチューブ7を付着物F近傍に到達するまで血管内に挿入する。
【0043】
次にチューブ接続部6をハブ16に液密に接続することで、チューブ7とジェット発生管部12とを液密に接続(接触)し、液体供給ポンプPを作動させることによりチューブ7に液体を供給する。この状態でレーザー発振器1を動作させると、光ファイバー2の先端部よりレーザー光がパルス的に照射され、それが液体を急激に蒸発気化させる。このとき形成されるバブルによる体積膨張が加圧力となり、ジェット発生管部12内の、蒸発していない液体を急激に先端側へと押し出す。これにより液体ジェット流Jが生じる。
【0044】
本実施形態では、レーザー照射はチューブ7内部ではなくジェット発生管部12内で行なわれるため、レーザー照射により生じるバブルが及ぼす加圧力は、ジェット発生管部12へも作用する。しかしジェット発生管部12は充分な機械的強度を有するため変形等が生じることはなく、結果としてバブルによる加圧力は確実に液体へと作用する。
【0045】
レーザー照射により生じた液体ジェット流Jは、ジェット発生管部12内からチューブ7内へ伝播し、チューブ7先端側面に設けられた噴射開口部20から前方の付着物Fに向かって噴射される。この衝突と、場合によっては血栓溶解剤等の薬剤の補助によって付着物Fが破砕される。この破砕につき、図に基いて説明する。
【0046】
図6(A)は一般的なチューブによる血栓破砕状態を示す断面図、図6(B)は図6(A)のB−B線に沿う矢視図、図7(A)は本発明にかかるチューブによる血栓破砕状態を示す断面図、図7(B)は図7(A)のB−B線に沿う矢視図である。
【0047】
図6(A)に示すように、一般的にカテーテルと称されるチューブ7の外径は、血管Kの内径に比べてかなり小さい。血管内あるいは内壁の血栓などの付着物Fに液体ジェット流Jを噴出し破砕する場合、従来のチューブ7では、液体ジェット流Jがチューブ7の先端から直線的に噴射されるのみであることから、チューブ7の前方側所定範囲という狭い範囲に向かうのみで、その噴射力乃至破砕力Yも体腔内壁に平行な方向に作用するのみである。この結果、噴射力や破砕力が作用して付着物を破砕乃至除去できる範囲X1は、図中破線で示すように、チューブ7の先端前方のみという限局的なものとなる。広範囲の付着物Fを破砕しようとすれば、チューブ7を回転させる等の操作を行い液体ジェット流Jの向きを術者自身で調節しなければならない。ところが、細くて長尺なチューブを回転させると、チューブに捻りが生じることがあり、操作に支障をきたし、噴射不能という事態が生じる虞もある。
【0048】
この点、本発明では、図7(A)に示すように、チューブ7の先端部近傍に噴射開口部20を設けているので、いわば側方噴射、つまり体腔内壁に向って傾斜乃至直交する方向に液体ジェット流Jを噴射させることができ、その破砕範囲あるいは除去範囲X2は、図中破線で示すように、広範囲なものとなる。しかも、その噴射力乃至破砕力Yは体腔内壁に所定角度あるいは直角に作用するので、確実かつ速やかに付着物Fを破砕除去できる。
【0049】
また、チューブ7の先端を封止しているので、チューブ7自体を付着物F内に挿入して破壊することもでき、液体ジェット流Jが間歇的に噴射される場合であっても、目詰りによる噴射力の低下などを起こす虞が少ない。この結果、手技時間の短縮や治療効果の向上が期待できる。
【0050】
このようなチューブ7であっても、先端を湾曲させれば、内径の大きな血管などにおいて、血栓の除去が容易になり、操作性が向上し、治療効果のさらなる向上を図ることができる。
【0051】
付着物Fの破砕が確認されると、ガイディングカテーテルの基部に接続されたYコネクターのポートから付着物Fの破砕片を吸引し、体外に取り出す。以上の手順により、血管内での血液の再環流が開始される。
【0052】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態を示すチューブの要部拡大断面図である。なお、図8〜図10に関しては、前記実施形態と同様の部材は同一符号を使用し、説明を省略する。
【0053】
本実施形態は、図8に示すように、チューブ7の先端に、内部から外部への流通を阻止する逆止弁30を取り付けたものである。第1実施形態では、液体ジェット流Jを噴射開口部20から効果的に照射させるため、チューブ7の先端は封止しているが、本実施形態では、手技の利便性を考慮し、逆止弁30を通してチューブ7の先端側から内部にガイドワイヤーを挿通させることができる構造としている。このようにすれば、ガイドワイヤーのガイド下でチューブ7を血栓近傍まで到達させることができ、レーザー誘起液体噴流デバイスや他のデバイスの操作性が向上する。
【0054】
ただし、レーザー誘起液体噴流デバイスによっては、ジェット流吐出部5内にガイドワイヤーを挿通させることができない場合もあるので、このような場合は、図中、一点鎖線で示すようにチューブ接続部6にYコネクタ31を設け、Yコネクタ31からガイドワイヤーを引き出し、操作可能とすればよい。
【0055】
なお、ガイドワイヤーは、液体ジェット流と同じくチューブ7の内部を挿通しているので、液体ジェット流Jを照射させる際には、ガイドワイヤーを抜去する必要がある。
【0056】
<第3実施形態>
図9は本発明の第3実施形態を示すチューブの要部拡大断面図である。本実施形態は、図9に示すように、チューブ7の先端部周辺に少なくとも1つのルーメン部32を設けたものである。ルーメン部32を利用してガイドワイヤーを挿通し、これによりチューブ7をガイドワイヤーによるガイド下にて操作しつつ液体ジェット流Jを噴射させると、レーザー誘起液体噴流デバイスや他のデバイスの操作性が向上する。例えば、末梢側血管と中枢側血管が分岐している血管の分岐部において、ルーメン部32に挿入したガイドワイヤー(不図示)にチューブ7を沿わせて移動すると、チューブ7を所望の方向に移動させやすく、血管分岐部での血管の選択が極めて容易になる。
【0057】
<第4実施形態>
図10は本発明の第4実施形態を示すチューブの要部拡大断面図である。本実施形態は、図10に示すように、チューブ7の内部に液体ジェット流Jをを伝達する主流路7aと、主流路7a内に設けられ先端が開放された少なくとも1つの副流路7bとを有するものである。副流路7bは、チューブ7内に独立に別途チューブを挿通させてもよく、また仕切壁により仕切ることにより形成してもよい。このようにすれば、副流路7bをワイヤー挿通用のルーメンとして使用することができ、ここにガイドワイヤーを挿通させると、チューブ7のガイドと並行して液体ジェット流を噴射できることになり、前述した実施形態と同様、血管分岐部での血管の選択が容易になり、レーザー誘起液体噴流デバイスや他のデバイスの操作性が向上する。特に、本実施形態は、ガイドに使用したガイドワイヤーを抜去することにより、副流路7bをを造影剤等薬剤の投与や、破砕した血栓片などの付着物Fの破片を吸引除去する等、多目的に使用でき、デバイスの高機能化を図ることができる。なお、副流路7bの先端は、前述した逆止弁30を用いて封止してもよい。
【0058】
上述した噴射開口部20の端部幅a、最大開口幅b、切込深さd、切込角度θ という要素について、具体的に検証した。
【0059】
<実験例1>
市販の血管造影カテーテル4Fr(外径:1.33mm、テルモ株式会社製)の先端1mmにウレタン樹脂片を挿入し、シアノアクリレート系接着剤を用いて接着して、カテーテル先端の孔が完全に封止した。先端から1mmの位置に、拡大下で剃刀を用いて切り込みを入れ、図4に示すような先端側に突出している(湾曲している)三日月状の噴射開口部20を形成した。
【0060】
カテーテルは、噴射開口部20の各要素の最適な寸法について詳細に調べるため、噴射開口部20の端部幅a、最大開口幅b、切込深さd、切込角度θの各要素について異なる値のものを18種類を作製した。なお、これら要素の割り付け方法及び実験方法については、日本規格協会出版・矢野 宏著「品質工学計算法入門」に基づくものである。
【0061】
(評価1)
これら18種類のカテーテルから、試料である0.5%(w/w)Agaroseに向って液体ジェット流Jを噴射し、これを破砕し、破砕前後での試料の質量変化量を測定した。結果を表1に示す。表において、質量変化の程度を「+」の数で示した。質量変化が大きいほど、つまり破砕能力が高いものほど「+」の数が多い。
【0062】
【表1】

【0063】
この結果より、最大開口幅bが1mmに達すると、破砕量は低下することが判明した。反面、端部幅aと切込深さdについては、最適な寸法が本実験の範囲にあることが分かった。また、カテーテルを動かさずに固定した場合は、切込角度θが30°を超えると破砕量が低下することが判明した。
【0064】
<実験例2>
評価1の結果から更に各要素の値を絞り込むため、前述の条件について修正を加え、再度新たに表2に示す18種類のカテーテルを作製した。
【0065】
(評価2)
実験例1と同様に、18種類のカテーテルを用いて液体ジェット流Jを0.5%(w/w)Agaroseに向って噴射し、破砕前後での試料の質量変化量を測定した。結果を表2に示す。
【0066】
【表2】

【0067】
図11は、噴射開口部20の各要素における設定値の有効度の指標を示すグラフである。表2から各要素の有効度の指標を求めると、図11に示すようになる。図11においては、有効度の値が高いほど、破砕に対して寄与することを示している。
【0068】
<実験例3>
評価2の有効度の指標結果から噴射開口部20の各要素の設定すべき値を推定し、再度新たに11種類のカテーテルを作製した。つまり、図11において、有効度の値が2以上であれば、実用性を有しているので、噴射開口部20の端部幅aが0.95mm、と1.05mmのもの、最大開口幅bが0.10mm、0.25mm及び0.50mmのもの、切込角度θは10°、15°及び20°のもの、切込深さdは0.20mm及び0.25mmのものを準備した。
【0069】
(評価3)
これら11種類のカテーテルを用いて、先の実験と同様、液体ジェット流を0.5%(w/w)Agaroseに噴射し、破砕前後での試料の質量変化量を測定した。結果を表3に示す。
【0070】
【表3】

【0071】
No.11のカテーテルが最も0.5%(w/w)Agaroseの破砕量が最も多いことから、No.11の値を噴射開口部20の各構成要素の設定すべき最適値とした。このときの端部幅aの値は、カテーテルの外径Dの78.7%、切込深さdはカテーテルの外径Dの18.8%に相当する。
【0072】
<実験例4>
(評価4)
続いて噴射開口部20が有効に作用する液体ジェット流の強さと、チューブ7のサイズについて調べるため、市販のカテーテル(テルモ株式会社製)各種にチューブ接続部6を接続し、先端から液体ジェット流を噴出させたときの衝撃力を測定した。図12に示す結果が得られた。
【0073】
図12から明らかなように、内径が0.49mm〜2.10mmのカテーテルであればどれでも液体ジェット流の噴射が可能であるが、衝撃力のピークは内径が1.05mm〜1.12mmにあることが分かった。
【0074】
<実験例5>
(評価5)
評価4から判明した液体ジェット流の衝撃力と破砕能力との関係を調べるため、評価4で用いた市販のテルモ株式会社製カテーテル各種にチューブ接続部6を接続し、先端から液体ジェット流Jを噴出させながら0.5%(w/w)Agaroseを破砕し、破砕前後での試料の質量変化を測定した。結果を表4に示す。
【0075】
【表4】

【0076】
カテーテル内径が0.49mmのカテーテルでは液体ジェット流により0.5%(w/w)Agaroseを破砕できたが、内径が2.10mmのカテーテルでは有効に十分に破砕できなかった。
【0077】
<実験例6>
市販のガイディングカテーテル6Fr(外径:2.00mm、テルモ株式会社製)の先端に外径2.10mm−内径1.80mmのウレタンチューブを熱融着し、その先端1mmにウレタン樹脂片を挿入して、シアノアクリレート系接着剤を用いて接着し、カテーテル先端を封止した。先端から1mmの位置に、拡大下で剃刀を用いて切り込みを入れ、図3のような三日月形の噴射開口部20を形成した。カテーテルが6Frであるときの噴射開口部20の最適な寸法について調べるため、評価3で得られた噴射開口部20の条件を直径の拡大に併せて変更し、4種類のカテーテルを作製した。
【0078】
(評価6)
4種類のカテーテルを用いて液体ジェット流Jを0.5%(w/w)Agaroseに噴射して破砕し、破砕前後での試料の質量変化量を測定した。結果を表5に示す。
【0079】
【表5】

【0080】
表5から明らかなように、No.3のカテーテルが最も試験前後の質量変化が高かった。この結果より、カテーテルの直径が変化するとき、噴射開口部20の条件は半径方向に等倍(表5からすれば1.5倍)して拡大すれば良いことが判明した。なお、No.3のカテーテルの端部幅aは、カテーテルの外径Dの80.0%、切込深さdは、カテーテルの外径Dの20.0%に相当する。
【0081】
このような噴射開口部20を備えたチューブ7では,液体ジェット流Jがチューブ7の先端まで伝達されたときに、噴射開口部20から噴射される液体ジェット流Jは、実用上全く問題がない0.04gf以上の衝撃力を有することが判明した。
【0082】
このような検証結果を衝撃力が0.04gf以上有する点からまとめると、端部幅aは、前記チューブの外径(D)の75%〜85%が好ましい。
【0083】
開口幅bは、0.1mm〜0.5mmが好ましく、さらに好ましくは、約0.25mmの幅である。
【0084】
切込深さdは、切込角度θによっても規定されるものであるが、チューブ7の外径Dの約7%〜約20%が好ましく、さらに好ましくは、約15%〜約20%の長さである。
【0085】
切込角度θは、約10〜約30°又は約150°〜約170°の範囲、さらに好ましくは、10度〜20度又は約160°〜約170°、つまり、10度〜20度若しくはその補角となるように形成すれば、軸方向にも半径方向にもバランスよく広範囲に液体ジェット流Jを噴射でき、好ましいことが判明した。
【0086】
噴射開口部20は、チューブ7の先端部付近に設けられており、その位置は特に制限されるものではないが、血管内における操作性を考慮すれば、先端から5cm以内であることが、使用上好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、液体導入部より導入されたジェット流を、チューブ先端から広範囲に噴射することにより血栓を破砕する治療用デバイスとして利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る第1実施形態の全体を示す概略断面図である。
【図2】ジェット流吐出部を示す拡大断面図である。
【図3】チューブを示す拡大断面図である。
【図4】噴射開口部の例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)の断面図である。
【図5】噴射開口部の例を示し、(A)は平面図、(B)は(A)の断面図である。
【図6】(A)は一般的なチューブによる血栓破砕状態を示す断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図である。
【図7】(A)は本発明にかかるチューブによる血栓破砕状態を示す断面図、(B)は(A)のB−B線に沿う矢視図である。
【図8】本発明の第2実施形態を示すチューブの要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第3実施形態を示すチューブの要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第4実施形態を示すチューブの要部拡大断面図である。
【図11】噴射開口部の各要素における設定値の有効度を示すグラフである。
【図12】カテーテルの内径と液体ジェット流による衝撃力との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0089】
6…ジェット流吐出部、
7…液体噴流放出チューブ、
7a…主流路、
7b…副流路、
20…噴射開口部、
20a…三日月形状の噴射開口部(先端側に凸)、
20b…三日月形状の噴射開口部(基端側に凸)、
20c…長孔形状の噴射開口部、
30…逆止弁、
32…ルーメン部、
a…端部幅
b…最大開口幅、
d…切込深さ、
D…チューブの外径、
J…液体ジェット流、
M1…噴射開口部の周方向中点、
M2…端部間の中点、
θ…切込角度。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体ジェット流を吐出するジェット流吐出部に基端部が連結され、先端部側から前記液体ジェット流を噴射する長尺で可撓性を有する液体噴流放出チューブにおいて、
当該チューブは、先端が封止されたものであって、先端部近傍側部に前記チューブの軸線と交差する部分を有する湾曲したスリット状の噴射開口部を設けたことを特徴とする液体噴流放出チューブ。
【請求項2】
前記噴射開口部は、先端側若しくは基端側に向かって突出する三日月形状としたことを特徴とする請求項1に記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項3】
前記チューブは、当該チューブの内部から外部への流通を阻止する逆止弁により先端を封止したことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項4】
前記チューブは、前記液体ジェット流を伝達する主流路と、当該主流路に添設された少なくとも1つのルーメン部と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項5】
前記チューブは、前記液体ジェット流を伝達する主流路と、当該主流路内に設けられ先端が開放された少なくとも1つの副流路と、を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項6】
前記噴射開口部は、前記チューブの軸線と直交する方向の端部間の幅(a)が前記チューブの外径(D)の75%〜85%、前記チューブの軸線方向の最大開口幅(b)が0.1mm〜0.5mmとなるように形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項7】
前記噴射開口部は、外周縁から径方向への切込深さ(d)が前記チューブの外径(D)の15%〜20%となるように形成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項8】
前記噴射開口部は、周方向中点(M1)と前記端部間の中点(M2)とを通る直線と、前記チューブの軸線とのなす切込角度(θ)が10度〜20度若しくはその補角となるように形成したことを特徴とする請求項2に記載の液体噴流放出チューブ。
【請求項9】
前記噴射開口部は、前記チューブの先端から5cm以内に形成したことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の液体噴流放出チューブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−39216(P2009−39216A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−205732(P2007−205732)
【出願日】平成19年8月7日(2007.8.7)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】