説明

液晶ディスプレイ

【課題】スペーサと同時に形成された非表示領域の遮光部が光漏れを遮断する機能を十分に果たす液晶表示装置を提供する。
【解決手段】画面表示領域と非表示領域と、第1基板及び前記第1基板と対向する第2基板と、第1開口部を含む有機膜と、前記第1開口部の中に配置し、前記第1基板と前記第2基板の間の間隔を維持するスペーサと、前記非表示領域に配置する第1遮光部とを含み、前記スペーサと前記第1遮光部は同じ物質を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(liquid crystal display:LCD)は、現在最も広く使用されているフラットパネルディスプレイ(flat panel display:FPD)のうちの一つであって、電極が形成されている二枚のディスプレイパネルとその間に挿入されている液晶層からなり、電極に電圧を印加して液晶層の液晶分子を再配列させることによって、透過する光の量を調節するディスプレイパネルである。
【0003】
広く使用されている液晶表示装置は電場生成電極(field generating electrode)が二つのディスプレイパネルに各々備えられている構造である。この中でも、一つのディスプレイパネル(以下、「薄膜アレイパネル」という)には複数の薄膜トランジスタと画素電極が行列状に配列されており、他のディスプレイパネル(以下、「共通電極パネル」という)には赤色、緑色、及び青色の色フィルタが形成されており、その全面を一つの共通電極が覆っている構造が主流である。
【0004】
しかし、このような液晶ディスプレイパネルは、画素電極とカラーフィルタが異なるディスプレイパネルに形成されるため、画素電極とカラーフィルタの間で正確な整列(align)が難しく整列誤差が発生する恐れがある。これを解決するため、カラーフィルタと画素電極を同一のディスプレイパネルに形成する構造であるアレイ状カラーフィルタ(color filter on array:COA)が提案されている。
【0005】
また、薄膜トランジスタディスプレイパネルと共通電極ディスプレイパネルとの接続マージンを考慮すれば、ブラックマトリックスのような遮光部を設定された大きさより大きく製作してもよい。しかし、この場合、増加されたブラックマトリックスの大きさによって開口率が低下する恐れがあるため、ブラックマトリックスを薄膜トランジスタディスプレイパネルに形成してもよい。
【0006】
二つのディスプレイパネルの間の液晶層の間隔をセルギャップといい、セルギャップは、応答速度、コントラスト比、視野角、輝度均一性など液晶ディスプレイパネルの全般的な動作特性に影響を与える。仮に、セルギャップが一定の間隔を有していなければ、画面全体にかけて均一な映像が表示されることができず、画質不良を招くようになる。したがって、基板上の全領域にわたって均一なセルギャップを維持するために、二つの基板のうちの一側には複数のスペーサを形成してもよい。
【0007】
ブラックマトリックスを含む遮光部は、画素の境界部分と表示領域の周りに形成される非表示領域の部分で光漏れを遮断する機能がある。特に、製造工程の単純化などのためにスペーサと遮光部を同時に形成してもよい。しかし、スペーサの高さを小さくする場合には、十分な光学濃度(Optical Density:OD)を有する遮光部を形成するのが難しいため、非表示領域で光漏れが発生する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、スペーサと同時に形成された非表示領域の遮光部が光漏れを遮断する機能を十分に果たす液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、画面表示領域と非表示領域と、第1基板及び前記第1基板と対向される第2基板と、第1開口部を含む有機膜と、前記第1開口部の中に配置され、前記第1基板と前記第2基板の間の間隔が維持されるスペーサと、前記非表示領域に配置される第1遮光部とを含み、前記スペーサと前記第1遮光部は同じ物質を含むことを特徴とする。
【0010】
前記第1基板上に配置されるゲート線と、前記ゲート線上に配置されるゲート絶縁膜と、前記ゲート絶縁膜上に配置されるデータ線と、前記有機膜の上に配置される画素電極とをさらに含み、前記有機膜は前記データ線上に配置してもよい。
【0011】
前記第1遮光部の厚さは4μm以上であってもよい。
【0012】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより大きくてもよい。
【0013】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより1.0μm以上大きくてもよい。
【0014】
前記スペーサの厚さは5.0μm以上であってもよい。
【0015】
前記第1遮光部の厚さは前記スペーサの厚さより1μm以上薄くてもよい。
【0016】
前記スペーサは、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど幅が小さくなってもよい。
【0017】
本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法は、画面表示領域と非表示領域を含む第1基板、及び前記第1基板と対向する第2基板を準備し、前記第1基板上に第1開口部を有する有機膜を形成し、前記第1開口部の中に配置し、前記第1基板と前記第2基板の間の間隔を維持するスペーサを形成し、前記非表示領域に配置する第1遮光部を形成し、前記スペーサと前記第1遮光部は同時に形成することを特徴とする。
【0018】
前記第1遮光部と前記スペーサを形成することは、半透過マスクを使用して、前記第1遮光部の厚さを前記スペーサの厚さより低くする露光段階を含んでもよい。
【0019】
前記スペーサは、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど幅が小さくなるように形成してもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、非表示領域の遮光部が所望の水準の光学濃度を有するようになり、セルギャップを維持すると同時に非表示領域で光漏れを遮断する液晶表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を示す配置図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一つの画素に対する等価回路図である。
【図3】図1のA領域を示す配置図である。
【図4】図3のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の図1のA領域を示す配置図である。
【図6】図5のVI−VI’線に沿って切断した断面図である。
【図7】図1のB領域を示す配置図である。
【図8】図7のX−X’線とX−X’’線、及び図3のY−Y’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明はここで説明される実施形態に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。本発明は多様に相異する形態で実現でき、ここに説明する実施形態に限定されない。ここで紹介される実施形態は、開示された内容が明確でかつ完全になりえるように、そして当業者に本発明の思想が十分に伝えられるようにするためのものである。
【0023】
図面において、層及び領域の厚さは明確に表現できるように誇張して示した。また、層が他の層または基板の「上に」または「接続される」とする場合、それは他の層または基板の上に直接形成または接続される、またはそれらの間に第3の層が介されることもできる。明細書全体にわたって同一な参照番号で表示された部分は同一な構成要素を意味する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置を示した配置図である。図2は、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の一つの画素に対する等価回路図である。
【0025】
図1及び図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、液晶パネルアセンブリ(liquid crystal panel assembly)300、及びこれに接続されているゲート駆動部400とデータ駆動部500、データ駆動部500に接続された階調電圧生成部(図示せず)、液晶パネルアセンブリ300に光を照射する光源部(図示せず)、光源ユニット(図示せず)を制御する光源駆動部(図示せず)、及びこれらを制御する信号制御部(signal controller、図示せず)を含む。
【0026】
ゲート駆動部400またはデータ駆動部500は、液晶パネルアセンブリ300の下部ディスプレイパネル100の上に形成してもよく、また、別の集積回路(integrated circuit:IC)チップの形状に独立して形成してもよい。
【0027】
液晶パネルアセンブリ300は、下部ディスプレイパネル100及び上部ディスプレイパネル200とその間に配置される液晶層3を含む。図1に示すように、液晶パネルアセンブリ300は、行方向に延在した複数のゲート線121、列方向に延在した複数のデータ線171、このゲート線121とデータ線171に接続されており、行列状に配列された複数の画素(pixel)を含む。また、液晶パネルアセンブリ300の外郭部には封止剤310が形成され、封止剤310は液晶層3の液晶分子を密封させる。
【0028】
液晶層3は、正(+)または負(−)の誘電率異方性を有してもよく、液晶層3の液晶分子は電場がない状態で、その長軸が二つのディスプレイパネル100、200の表面に対してほとんど水平または垂直を成すように配向されてもよい。
【0029】
ディスプレイパネル100、200の内側面には配向膜(alignment layer、図示せず)を形成してもよく、配向膜は垂直配向膜であってもよい。ディスプレイパネル100、200の外側面には偏光板(図示せず)を備えてもよい。
【0030】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、複数のゲート線GL、複数の対のデータ線DLa、DLb、及び複数の蓄積電極線SLを含む信号線と、これに接続された複数の画素PXを含む。
【0031】
各画素PXは一対の副画素PXa、PXbを含み、副画素PXa、PXbはスイッチング素子Qa、Qbと液晶キャパシタClca、Clcb、及び蓄積容量(storage capacitor)Csta、Cstbを含む。
【0032】
スイッチング素子Qa、Qbは下部ディスプレイパネル100に備えられている薄膜トランジスタなどの三端子素子として、その制御端子はゲート線GLに接続されており、入力端子はデータ線DLa、DLbに接続されており、出力端子は液晶キャパシタClca、Clcb及び蓄積容量Csta、Cstbに接続されている。
【0033】
液晶キャパシタClca、Clcbは、副画素電極191a、191bと共通電極270を二つの端子にし、二つの端子の間の液晶層3の部分を誘電体にして形成される。
【0034】
液晶キャパシタClca、Clcbの補助的な役割を果たす蓄積容量Csta、Cstbは、下部ディスプレイパネル100に備えられた蓄積電極線SLと副画素電極191a、191bが絶縁体を隔てて重なり、蓄積電極線SLには共通電圧Vcomなどの定められた電圧が印加される。
【0035】
二つの液晶キャパシタClca、Clcbに蓄積される電圧は、互いに少しの差異が生じるように設定されている。例えば、液晶キャパシタClcaに印加されるデータ電圧が液晶キャパシタClcbに印加されるデータ電圧に比べて常に低いか、または高く設定する。このように二つの液晶キャパシタClca、Clcbの電圧を適切に調節すれば、側面から眺める映像も正面から眺める映像のように最大限近づけて、液晶表示装置の側面視認性を向上する。
【0036】
次に、図3乃至図6を参照して、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置についてより詳細に説明する。
【0037】
図3は、図1のA領域を示す配置図である。図4は、図3のIV−IV’線に沿って切断した断面図である。
【0038】
図3及び図4を参照すれば、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、互いに対向する下部ディスプレイパネル100と上部ディスプレイパネル200、及びこれら二つのディスプレイパネル100、200の間に配置されている液晶層3を含む。
【0039】
まず、下部ディスプレイパネル100について説明する。
【0040】
絶縁基板110の上に複数のゲート線(gate line)121及び複数の蓄積電極線(storage electrode line)131、135が形成されている。
【0041】
ゲート線121はゲート信号を伝達し、横方向に伸びている。各ゲート線121は、上に突出した複数の第1及び第2ゲート電極(gate electrode)124a、124bを含む。
【0042】
蓄積電極線は、ゲート線121と実質的に並んで伸びた幹線(stem)131とこれから伸び出した複数の蓄積電極135を含む。
【0043】
蓄積電極線131、135の形状及び配置は多様な形態に変更してもよい。
【0044】
ゲート線121及び蓄積電極線131、135の上にはゲート絶縁膜(gate insulating layer)140が形成されており、ゲート絶縁膜140の上には、アモルファスシリコンまたは結晶シリコンなどからなる複数の半導体154a、154bが形成されている。
【0045】
半導体154a、154bの上には、各々複数の対のオーミックコンタクト部(ohmic contact)163b、165bが形成されており、オーミックコンタクト部163b、165bはシリサイド(silicide)またはn型不純物が高濃度にドーピングされているn水素化アモルファスシリコンなどの物質から形成されることができる。
【0046】
オーミックコンタクト部163b、165b及びゲート絶縁膜140の上には、複数の対のデータ線(data line)171a、171bと複数の対の第1及び第2ドレイン電極(drain electrode)175a、175bが形成されている。
【0047】
データ線171a、171bはデータ信号を伝達し、主に縦方向に伸びてゲート線121及び蓄積電極線の幹線131と交差する。データ線171a、171bは第1、第2ゲート電極124a、124bに向かって伸びて、U字型に曲がった第1及び第2ソース電極(source electrode)173a、173bを含み、第1及び第2ソース電極173a、173bは、第1、第2ゲート電極124a、124bを中心に第1及び第2ドレイン電極175a、175bと対向する。
【0048】
第1及び第2ドレイン電極175a、175bは、各々、第1及び第2ソース電極173a、173bによって一部囲まれた一側末端からの上に伸びており、反対側末端は、他の層との接続のためにその面積が広くてもよい。
【0049】
しかしながら、第1及び第2ドレイン電極175a、175bを始めとしたデータ線171a、171bの形状及び配置は多様な形態に変更してもよい。
【0050】
第1及び第2ゲート電極124a、124b、第1及び第2ソース電極173a、173b、及び第1及び第2ドレイン電極175a、175bは、第1及び第2半導体154a、154bと共に第1及び第2薄膜トランジスタ(thin film transistor:TFT)Qa、Qbを構成し、第1及び第2薄膜トランジスタQa、Qbのチャネル(channel)は、第1及び第2ソース電極173a、173bと第1及び第2ドレイン電極175a、175bの間の第1及び第2半導体154a、154bに形成される。
【0051】
オーミックコンタクト部163b、165bはその下の半導体154a、154bとその上のデータ線171a、171b、ドレイン電極175a、175bの間に存在し、それらの間の接触抵抗を低くする。半導体154a、154bには、ソース電極173a、173bとドレイン電極175a、175bの間を始めとして、データ線171a、171b及びドレイン電極175a、175bで遮らずに露出された部分が存在する。
【0052】
データ線171a、171b、ドレイン電極175a、175b、及び露出された半導体154a、154b部分の上には、窒化シリコンまたは酸化シリコンなどを用いた下部保護膜180pが形成されている。
【0053】
下部保護膜180pの上には、リソグラフィ工程で形成されたカラーフィルタ230が形成されている。カラーフィルタ230は、ゲート線121とデータ線171a、171bが交差して定義される画素領域に形成してもよく、各カラーフィルタ230は、赤色、緑色、及び青色の三原色(primary color)のうち一つを表示してもよい。カラーフィルタ230の左右境界はデータ線171a、171bの上に配置し、データ線171a、171bに沿って縦に長く伸びることができる。この場合、カラーフィルタ230は帯状であってもよい。同一色のカラーフィルタ230は隣接しなくてもよい。
【0054】
カラーフィルタ230は、感光性有機組成物に色を実現するための顔料が含まれている構造を有してもよい。例えば、カラーフィルタ230は、感光性有機組成物に赤色、緑色または青色の顔料が各々含まれている赤色、緑色、及び青色カラーフィルタを含んでもよい。
【0055】
特に、カラーフィルタ230は、開口部G1と溝(groove)G2を有してもよい。開口部G1は、第1及び第2ドレイン電極175a、175bと画素電極191が接触する領域で下部保護膜180pを露出する。溝G2は、隣接する画素領域の間で互いに隣接したデータ線171a、171bの間に形成されている。他の実施形態では、隣接する画素領域の間で互いに隣接したデータ線171a、171bの間に互いに異なる色を表示するカラーフィルタ230が重なっており、溝G2が形成されない。
【0056】
下部保護膜180p及びカラーフィルタ230の上には、有機物質または無機物質から形成された上部保護膜180qが形成されている。上部保護膜180qは、カラーフィルタ230を保護すると同時に下端に形成された層を平坦化させる役割を果たす。
【0057】
下部保護膜180pは、カラーフィルタ230の顔料が露出された半導体154a、154b部分へ流入するのを防止してもよい。
【0058】
上部保護膜180qは、ドレイン電極175a、175bを露出するコンタクトホール185a、185bを有する。コンタクトホール185a、185bは、カラーフィルタ230が有する開口部G1に接続されて重なっている。
【0059】
上部保護膜180qの上に複数の画素電極(pixel electrode)191が形成されている。画素電極191はITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明な導電物質から形成してもよい。画素電極191はギャップ91によって互いに分離されている第1及び第2副画素電極191a、191bを含む。第2副画素電極191bは、データ線171に沿って伸びた一対のブランチ(branche)195を含む。ブランチ195は、第1副画素電極191aとデータ線171a、171bの間に配置し、第1副画素電極191aの下端で接続される。第1及び第2副画素電極191a、191bは、コンタクトホール185a、185bを介して、第1及び第2ドレイン電極175a、175bと電気的に接続されており、第1及び第2ドレイン電極175a、175bからデータ電圧を印加する。
【0060】
上部保護膜180qの上に遮光部220、画素電極191の上にメインスペーサ363Mが形成されている。遮光部220は、画素領域の境界と第1及び第2薄膜トランジスタQa、Qbに対応する部分に形成する。しかし、画素電極191とドレイン電極175a、175bが接触するコンタクトホール185a、185bには、遮光部220でないメインスペーサ363Mを形成してもよい。
【0061】
メインスペーサ363Mはコンタクトホール185a、185bに接触し、上部ディスプレイパネル200に向かって突出している。メインスペーサ363Mは上部ディスプレイパネル200と下部ディスプレイパネル100の間の間隔を維持する役割を果たす。メインスペーサ363Mは上部ディスプレイパネル200と接触してもよい。
【0062】
遮光部220とメインスペーサ363Mは同時に形成してもよく、着色有機膜のような物質で形成してもよい。
【0063】
メインスペーサ363Mの厚さは、液晶層3の間隔に対応するセルギャップの高さより大きくてもよく、メインスペーサ363Mの厚さがセルギャップの高さより1μm以上大きくてもよい。
【0064】
具体的に、液晶層3の間隔に相当するセルギャップの高さが3.6μmであり、コンタクトホール185a、185bの面積が22μm×22μmとする場合、セルギャップの高さを維持するためのメインスペーサ363Mの厚さは5.0μm以上に形成してもよい。
【0065】
遮光部220の高さはメインスペーサ363Mより低く形成してもよい。
【0066】
上部保護膜180qが有するコンタクトホール185a、185bは、下へ行くほど幅が狭くなるスロープであってもよい。そのために、コンタクトホール185a、185bの中に形成されたメインスペーサ363Mの幅は、メインスペーサ363Mの中央部分に比べて、コンタクトホール185a、185bの形状に沿ってメインスペーサ363Mの下端部に近く行くほど狭くなる。その反面、上部保護膜180qの上に形成されたメインスペーサ363Mの幅は、メインスペーサ363Mの中央部分に比べて、メインスペーサ363Mの上端部へ行くほど狭くなるように形成してもよい。
【0067】
本発明の実施形態に係るメインスペーサ363Mはコンタクトホール185a、185bの中を満たしながら形成されるので、外部から力を受けた場合にその力を分散する面積が広く、スミア(smear)不良を改善してもよい。スミア不良とは、外部の圧力によってスペーサの弾性が損傷することをいう。
【0068】
次に、上部ディスプレイパネル200について説明する。
【0069】
上部ディスプレイパネル200において透明な絶縁基板210の上に共通電極270が形成されており、共通電極270の上に配向膜(図示せず)が形成されている。
【0070】
図5は、本発明の他の実施形態に係る液晶表示装置の図1のA領域を示す配置図である。図6は、図5のVI−VI’線に沿って切断した断面図である。
【0071】
図5及び図6に示した本実施形態は、図3及び図4に示した実施形態と大部分の構成が同一である。しかしながら、図5及び図6に示した本実施形態に係る液晶表示装置は、ゲート線121の上に形成された補助スペーサ(assistance spacer)363Sをさらに含む。
【0072】
補助スペーサ363Sはメインスペーサ363Mと共に形成してもよく、メインスペーサ363Mより上部表示板200から遠く離れている。しかし、遮光部220より上部表示板200との距離がより近くに形成してもよい。補助スペーサ363Sは、メインスペーサ363Mと共にセルギャップの高さを維持する機能がある。
【0073】
図7は、図1のB領域を示す配置図である。図8は、図7のX−X’線とX’−X’’線、及び図3のY−Y’線に沿って切断した断面図である。
【0074】
図7を参照すれば、コンタクト補助部81は、コンタクトホール181を介してゲート線121の端部129と各々接続される。コンタクト補助部81は、ゲート線121の端部129と外部装置との接着性を補完し、これらを保護する。データ線171の場合も同様である。図示してはいないが、データ線171の端部はゲート線121の端部129と類似の配置(configuration)を有してもよく、コンタクト補助部がデータ線171の端部に接続してもよい。
【0075】
液晶表示装置の表示領域DAは実際のイメージを出力する領域であり、非表示領域PAには遮光部221が形成されている。非表示領域PAの遮光部221は上部保護膜180qの上に形成されている。図8において、遮光部221は封止剤310の内側に形成されているが、封止剤310の下端または封止剤310の外側部分に形成してもよい。
【0076】
液晶表示装置の非表示領域PAの左右部分には、蓄積電極線131がゲート線121と同一層にほぼ行方向に延在されている。蓄積電極線131は外郭蓄積電極(outer storage electrode)138を含む。外郭蓄積電極138はほぼ正正方形状または長方形状であってもよい。
【0077】
液晶表示装置の非表示領域(PA)の左右部分には、蓄積電極線接続部174がデータ線171と同一層にほぼ列方向に多数延在している。
【0078】
透明コネクタ192は、蓄積電極線接続部174と外郭蓄積電極138とを電気的に接続している。透明コネクタ192と蓄積電極線接続部174の接続部位にはコンタクトホール183bが形成されており、透明コネクタ192と外郭蓄積電極138の接続部位にもコンタクトホール183aが形成されている。しかしながら、外郭蓄積電極138と蓄積電極線接続部174は省略してもよい。
【0079】
液晶表示装置の非表示領域(PA)の左右部分には、ゲート線121に接続されているゲート駆動部400が形成されている。また、ゲート駆動部400は、データ信号線410、ゲート信号線420を含み、これらは透明コネクタ192を介して電気的に接続されている。ゲート駆動部400のゲート信号線420はゲート線121と同一層に形成されており、ゲート駆動部400のデータ信号線410はデータ線171と同一層に形成されている。この時、透明コネクタ192とゲート駆動部400のデータ信号線410の接続部位には第1コンタクトホール183bが形成されており、透明コネクタ192とゲート駆動部400のゲート信号線420の接続部位にも第1コンタクトホール183aが形成されている。しかし、ゲート駆動部400は下部ディスプレイパネル100の上に形成されず、別の集積回路チップに形成してもよく、この場合、透明コネクタ192とゲート駆動部400のデータ信号線410またはゲート信号線420が接触する第1コンタクトホール183a、183bは存在しない。
【0080】
以下、本発明の一実施形態に係る液晶表示装置の非表示領域(PA)における特徴、及び表示領域(DA)と関連性のある内容について説明する。
【0081】
ここで、非表示領域(PA)に形成された遮光部221を第1遮光部221、表示領域(DA)に形成された遮光部220を第2遮光部220と称して説明する。
【0082】
第1遮光部221は、非表示領域(PA)の絶縁基板110の上で光漏れが起こり得る部分を全て覆ってもよい。第1遮光部221は、表示領域(DA)の第2遮光部220及びメインスペーサ363Mと同時に形成されることができる。また、第1遮光部221は、表示領域(DA)の第2遮光部220及びメインスペーサ363Mと同一物質を用いて形成してもよい。
【0083】
第1遮光部221は着色有機膜を用いて形成してもよく、光学濃度(optical density)が4〜5になるように形成する。第1遮光部221の光学濃度が4以上である場合にのみ光漏れを実質的に防止してもよい。第1遮光部221は、メインスペーサ363Mより上部ディスプレイパネル200から遠く離れている。この時、第1遮光部221の厚さはメインスペーサ363Mの厚さより1μm以上薄くてもよい。
【0084】
本発明の実施形態によれば、表示領域(DA)のメインスペーサ363Mを画素電極191とドレイン電極175a、175bが接触するコンタクトホール185a、185bに形成するので、ほぼ3.6μm程度の低いセルギャップの高さを維持しつつ5.0μm以上のメインスペーサ363Mを形成してもよい。
【0085】
コンタクトホール185a、185bなどの有機膜または無機膜が除去された部分にメインスペーサ363Mを配置して、メインスペーサ363Mと非表示領域(PA)に形成される第1遮光部221のコーティングの際にそのコーティング厚さを共に大きくすることができるので、第1遮光部221の厚さを増加してもよい。
【0086】
メインスペーサ363Mを3.6μmの高さに形成するとしても、非表示領域(PA)の第1遮光部221の高さを4.0μm以上に形成することができるので、光学濃度は4以上になる。したがって、本発明の実施形態に係る第1遮光部221は光漏れを遮断する。
【0087】
次に、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法について、図7及び図8を参照して説明する。
【0088】
画面表示領域DAと非表示領域PAを含む絶縁基板110の上に、ゲート電極124b、ソース電極173b、ドレイン電極175b、及び半導体154bを含む薄膜トランジスタQbを形成する。
【0089】
薄膜トランジスタQbの上に窒化シリコンまたは酸化シリコンなどから形成された下部保護膜180pを形成し、その上に、リソグラフィ工程で開口部G1と溝G2を有するカラーフィルタ230を形成する。
【0090】
下部保護膜180p及びカラーフィルタ230の上に、ドレイン電極175bを露出するコンタクトホール185bを有する上部保護膜180qを形成する。
【0091】
上部保護膜180qの上に非表示領域(PA)の第1遮光部221、表示領域(DA)の第2遮光部220、画素電極191の上にメインスペーサ363Mを形成する。メインスペーサ363Mは、上部ディスプレイパネル200と下部ディスプレイパネル100の間の間隔を維持する機能がある。
【0092】
第1遮光部221は、表示領域(DA)の第2遮光部220及びメインスペーサ363Mと同時に形成してもよい。ここで、半透過マスクを使用して、第1遮光部221の厚さをメインスペーサ363Mの厚さより薄くするための露光段階を行うことができる。
【0093】
また、メインスペーサ363Mは、メインスペーサ363Mの中央部分に比べてメインスペーサ363Mの上端部及び下端部に近づくほど幅が狭くなるように形成してもよい。
【0094】
その後、絶縁基板210の上に共通電極270が形成されている上部ディスプレイパネル200を、下部ディスプレイパネル100と結合する。
【0095】
以上、本発明の望ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるわけではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形及び改良形態もまた本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0096】
3 液晶層
81 コンタクト補助部
91 ギャップ
100 下部ディスプレイパネル
110 絶縁基板
121 ゲート線
124a、124b ゲート電極
129 ゲート線の端部
131、135 蓄積電極線
138 外郭蓄積電極
140 ゲート絶縁膜
154a、154b 半導体
163b、165b オーミックコンタクト部
171a、171b データ線
173a、173b ソース電極
174 蓄積電極線接続部
175a、175b ドレイン電極
180p 下部保護膜
180q 上部保護膜
183a、183b、185a、185b コンタクトホール
191 画素電極
192 透明コネクタ
200 上部ディスプレイパネル
220、221 遮光部
230 カラーフィルタ
270 共通電極
300 液晶パネルアセンブリ
310 封止剤
363M メインスペーサ
363S 補助スペーサ
400 ゲート駆動部
410 データ信号線
420 ゲート信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と非表示領域と、
第1基板及び前記第1基板と対向する第2基板と、
第1開口部を含む有機膜と、
前記第1開口部の中に配置され、前記第1基板と前記第2基板の間の間隔が維持されるスペーサと、
前記非表示領域に配置される第1遮光部と、を含み、
前記スペーサと前記第1遮光部とは同じ物質を含むことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1基板上に配置されるゲート線と、
前記ゲート線上に配置されるゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に配置されるデータ線と、
前記有機膜上に配置される画素電極と、をさらに含み、
前記有機膜は前記データ線上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1遮光部の厚さは4μm以上であることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより大きいことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記スペーサの厚さは前記セルギャップの高さより1.0μm以上大きいことを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記スペーサの厚さは5.0μm以上であることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1遮光部の厚さは前記スペーサの厚さより1μm以上薄いことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど小さくなることを特徴とする請求項7に記載の液晶表示装置。
【請求項9】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより大きいことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより1.0μm以上大きいことを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど小さくなることを特徴とする請求項10に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど小さくなることを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
前記第1遮光部の厚さは4μm以上であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項14】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより大きいことを特徴とする請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより1.0μm以上大きいことを特徴とする請求項14に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど小さくなることを特徴とする請求項15に記載の液晶表示装置。
【請求項17】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより大きいことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項18】
前記スペーサの厚さはセルギャップの高さより1.0μm以上大きいことを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置。
【請求項19】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど小さくなることを特徴とする請求項18に記載の液晶表示装置。
【請求項20】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど小さくなることを特徴とする請求項17に記載の液晶表示装置。
【請求項21】
前記スペーサの幅は、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど幅が小さくなることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項22】
画面表示領域と非表示領域を含む第1基板、及び前記第1基板と対向する第2基板を準備し、
前記第1基板上に第1開口部を有する有機膜を形成し、
前記第1開口部の中に配置し、前記第1基板と前記第2基板の間の間隔を維持するスペーサを形成し、
前記非表示領域に配置する第1遮光部を形成し、
前記スペーサと前記第1遮光部は同時に形成することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項23】
前記第1遮光部と前記スペーサとを形成することは、半透過マスクを使用して、前記第1遮光部の厚さを前記スペーサの厚さより低くする露光工程を含むことを特徴とする請求項22に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記スペーサは、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど幅が小さくなるように形成することを特徴とする請求項23に記載の液晶表示装置の製造方法。
【請求項25】
前記スペーサは、前記スペーサの中央部に対比して、前記スペーサの上端部及び下端部へ行くほど幅が小さくなるように形成する、請求項22に記載の液晶表示装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−113085(P2011−113085A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173834(P2010−173834)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】