液晶表示装置
【課題】電界反転時における電界分布の差異が画質に与える影響を抑えた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】第1画素電極PX1と、その下側に対向して配置されて第1画素電極PX1との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第1対向電極CT1とを、それぞれ有する複数の第1画素と、第2画素電極PX2と、その上側に対向して配置されて第2画素電極PX2との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第2対向電極CT2とを、それぞれ有する複数の第2画素と、第1画素の各々と第2画素の各々においてかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路と、を含み、第1画素と第2画素は、所定周期における電界が互いに反転するようにかけられ、第1画素の少なくとも一部の画素と第2画素の少なくとも一部の画素は、少なくとも1つの方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする液晶表示装置。
【解決手段】第1画素電極PX1と、その下側に対向して配置されて第1画素電極PX1との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第1対向電極CT1とを、それぞれ有する複数の第1画素と、第2画素電極PX2と、その上側に対向して配置されて第2画素電極PX2との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第2対向電極CT2とを、それぞれ有する複数の第2画素と、第1画素の各々と第2画素の各々においてかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路と、を含み、第1画素と第2画素は、所定周期における電界が互いに反転するようにかけられ、第1画素の少なくとも一部の画素と第2画素の少なくとも一部の画素は、少なくとも1つの方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、画素電極と対向電極との間にかけられる電界を反転することによって発生するフリッカ等の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶表示装置では、マトリクス状に画素が配置される。各画素には画素電極と対向電極とが設けられて、2つの電極間に印加される電圧によって液晶層が駆動される。また、画素電極と対向電極との間には、液晶層の短寿命化を防止するために交流化された電圧が印加され、その周期に従って両電極間の電界が反転される。
【0003】
なお、特許文献1には、白表示における着色を抑制した横電界方式の液晶表示装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−58007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、互いに形状が異なる画素電極と対向電極などといった電極構造のため、正方向に印加された場合の電界分布と、逆方向に印加された場合の電界分布とで、完全に一致するように反転させることは困難である。このため、前者の場合と後者の場合とにおいて、駆動される液晶層の配向に差異が生じ、画素における光の透過率が異なることとなる。電界反転時に発生する透過率の差異は、フリッカの発生等、液晶表示装置の画質に悪影響を及ぼす。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて、電界反転時における電界分布の差異が画質に与える影響を抑えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、第1画素電極と、該第1画素電極に対向してその下側に配置されて該第1画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第1対向電極とを、それぞれ有する複数の第1画素と、第2画素電極と、該第2画素電極に対向してその上側に配置されて該第2画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第2対向電極とを、それぞれ有する複数の第2画素と、前記第1画素の各々と前記第2画素の各々においてかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路と、を含み、前記第1画素と前記第2画素は、前記所定周期における電界が互いに反転するようにかけられ、前記第1画素の少なくとも一部の画素と前記第2画素の少なくとも一部の画素は、少なくとも1つの方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0007】
(2)(1)の液晶表示装置において、前記第1画素における前記第1画素電極は上層に配置されるとともに、前記第1対向電極は下層に配置され、前記第2画素における前記第2画素電極は前記下層に配置されるとともに、前記第2対向電極は前記上層に配置される、ことを特徴とする。
【0008】
(3)(1)から(2)の何れかの液晶表示装置において、前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、前記第1画素電極と前記第1対向電極、及び、前記第2画素電極と前記第2対向電極は、前記TFT基板に形成され、前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、ことを特徴とする。
【0009】
(4)(1)から(3)の何れかの液晶表示装置において、前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、前記第1画素電極と、前記第2対向電極は、前記TFT基板において複数の帯状部分を含むよう形成され、前記第1対向電極と、前記第2画素電極は、前記TFT基板において平板状に形成され、前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、ことを特徴とする液晶表示装置。
【0010】
(5)(1)から(4)の何れかの液晶表示装置において、前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、縦方向又は横方向のうちの一方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記縦方向又は前記横方向のうちの他方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0011】
(6)(1)から(5)の何れかの液晶表示装置において、前記第1画素の各々と前記第2画素の各々に、映像信号を供給するように敷設される複数の映像信号線を含み、前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、該1フレーム周期において、前記映像信号を1又は複数の前記映像信号線毎に交互に極性が反転するように供給し、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記映像信号線が敷設される方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記映像信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0012】
(7)(1)から(5)の何れかの液晶表示装置において、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々に、走査信号を供給するように敷設される複数の走査信号線を含み、前記反転駆動回路は、1又は複数の走査信号線を走査する毎に、該走査信号線によって選択された前記第1画素及び前記第2画素にかけられる電界を反転させるライン反転回路であって、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記走査信号線が敷設された方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記走査信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0013】
(8)(1)から(5)の何れかの液晶表示装置において、前記反転駆動回路は、1フレーム毎に前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々にかけられる電界を反転させるフレーム反転回路であって、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、互いに千鳥状になるように配列される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
(1)に記載の液晶表示装置によれば、電界反転時における電界分布の差異が画質に与える影響を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、IPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であって、走査信号線、映像信号線、薄膜トランジスタ、画素電極、及び対向電極が配置されたTFT基板と、当該TFT基板と対向して、液晶層を封止する対向基板とを含んで構成される。このTFT基板及び対向基板は、例えば、ガラス基板で形成されて、対向基板にはカラーフィルタが設けられてよい。
【0016】
図1は、上記の液晶表示装置のTFT基板SUBの等価回路図を示している。同図において、TFT基板SUBでは、複数の走査信号線GLが互いに等間隔を置いて図中横方向に敷設されており、また、複数の映像信号線DLが互いに等間隔をおいて図中縦方向に敷設されている。そして、これら走査信号線GL及び映像信号線DLによりマトリクス状に並ぶ画素のそれぞれが区画されている。また、各走査信号線GLと平行に、基準信号線CLが図中横方向に敷設されている。
【0017】
走査信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素領域には、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を有する薄膜トランジスタが形成されており、そのゲート電極は走査信号線GLに接続され、ドレイン電極は映像信号線DLに接続されている。また、各画素領域には画素電極PX及び対向電極CTが形成されており、画素電極PXは薄膜トランジスタのソース電極に接続され、対向電極CTは基準信号線CLに接続されている。
【0018】
以上の回路構成において、基準線駆動回路CDRから、基準信号線CLを解して各画素における対向電極CTに基準電圧が印加され、走査線駆動回路GDRから、各走査信号線GLを介して各画素に走査信号が順次供給される。走査信号線GLによる画素行の選択のタイミングにおいて、映像信号線駆動回路DDRから各映像信号線DLを介して映像信号が供給されることにより、各画素の画素電極PXに映像信号の電圧が印加される。これにより、画素電極PXと対向電極CTの間に、映像信号の電圧に応じた強度の横電解が、各画素の液晶層において発生する。この液晶層は、液体の流動性と固体(結晶)の光学的性質を併せ持ち、電圧等によって分子の向きが変えられて光の状態を制御することができる液晶分子を封有している層である。上述の横電界が、液晶層にかけられることにより、各画素の光の透過率が制御される。
【0019】
ここで、液晶層に一方向の電解が加わり続けることによる劣化を防止するため、液晶層は交流で駆動される。本実施形態における液晶表示装置は、フレーム反転駆動によって交流化され、各画素における液晶層にかけられる横電界が、所定の交流化周期で反転することとなる。フレーム反転駆動では、1フレーム周期(例えば、1/60秒の期間)毎に各走査信号線GLが一方向から順次選択されて走査されることにより、一画面(フレーム)が表示され、1フレーム周期毎に各画素に同一の極性となる電界がかけられて、反転するようになっている。具体的には、対向電極CTに印加される基準電位は、フレーム反転周期に関わらず一定であり、1フレーム周期においては、各映像信号線DLから基準電位に対して同一極性となるように映像信号が出力され、1フレーム周期毎に各映像信号線DLを基準電位に対して反転駆動する。そして、特に本実施形態における液晶表示装置では、マトリクス状に並ぶ画素は、第1画素と第2画素とを含んで構成されており、映像信号線駆動回路DDRは、1フレーム周期毎に、第1画素の各々と第2画素の各々にかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路を含んでいる。
【0020】
ここで、図2及び図3は、第1画素と第2画素における薄膜トランジスタと画素電極及び対向電極の位置関係を模式的に示す断面図である。これらの図で示すように、ガラス基板GA1上に保護層PAが形成されて、半導体膜PS、ゲート絶縁層GI、絶縁層IS1、ゲート電極GT、ドレイン電極DT及びソース電極STによって薄膜トランジスタが形成されている。この薄膜トランジスタは、上述のマトリクス状に並ぶ画素のそれぞれに形成される。ゲート電極GTは走査信号線GLと接続され、走査信号が印加されるタイミングにおいて、映像信号線DLと接続されたドレイン電極DTから半導体膜PSおよびソース電極STを経て映像信号線DLの映像信号が画素電極PX1(第1画素電極)及びPX2(第2画素電極)に供給される。また、対向電極CT1(第1対向電極)及びCT2(第2対向電極)は、コンタクトホール等を介して基準信号線CLと接続される(不図示)。そして、第1画素は、図2で示すように、液晶層LCにおいて設けられた画素電極PX1とソース電極STとが接続し、対向電極CT1が画素電極PX1よりも下側(ガラス基板GA1側)の層である絶縁層IS3に設けられる。この絶縁層IS3は、平坦化のために設けられた絶縁層IS2の上側(ガラス基板GA2側)に設けられる。一方、第2画素は、図3で示すように、液晶層LCにおいて対向電極CT2が設けられ、画素電極PX2が対向電極CT2の下側の層である絶縁層IS3に設けられる。対向電極CT1と画素電極PX2は、絶縁層IS3に周囲を覆われ、その上側の層である液晶層LCに画素電極PX1と対向電極CT2とが設けられる。これらの画素電極PX1とPX2及び対向電極CT1とCT2は、ガラス基板GA1側から入射するバックライトからの光源を透過するためにITO(インジウム錫酸化物:Indium Tin Oxide)等の透明導電膜によって形成される。なお、液晶層LCにおいて、画素電極PX1および対向電極CT2が形成された絶縁層IS3と、カラーフィルタ層FLとの表面には配向膜が設けられるが、この配向膜は図2、図3においては省略されている。
【0021】
そして、第1画素及び第2画素のドレイン電極DTに、対向電極CT1及びCT2に印加された基準電位に対して高い電位となるように映像信号が供給されると、図2及び図3における点線で示すような横電解が発生する。このように第1画素と第2画素とでは、画素電極と対向電極とが配置される層が逆転しているため、所定の基準電位に対して同一極性となるように映像信号線DLから映像信号が出力されることにより、液晶層LCに印加される電界が反転することとなる。第1画素と第2画素とを少なくとも一つの方向に交互となるように配置することで、電界分布が反転した画素が1フレームにおいて混在して表示される。これにより、1フレーム毎に反転駆動されることによる画質の劣化が、観察者が巨視的に見ることで緩和されることとなる。
【0022】
ここで、本実施形態では、画素電極PX1と対向電極CT2が上層である液晶層LCに、画素電極PX2と対向電極CT1が下層である絶縁層IS3に配置されている。しかし、画素電極と対向電極の位置が、第1画素と第2画素とで上下反転するように配置されていれば、必ずしも同層で形成されなくともよい。第1画素と第2画素における画素電極及び対向電極の位置が上下反転することで、基準電位に対して同一極性となる映像信号により、第1画素と第2画素の電界分布が1フレーム周期において互いに反転するため、上記と同様に画質の劣化が緩和される。
【0023】
図4Aは、上層である液晶層LCにおいて画素電極PX1と対向電極CT2が配置されている様子と、下層である絶縁層IS3において画素電極PX2と対向電極CT1とが配置されている様子を示す斜視図である。また、図4Bは、第1画素と第2画素とが配列されている様子を示す上面図であり、図4C及び図4Dは、上面図におけるC−C断面とD−D断面を示す断面図である。本実施形態では、第1画素の少なくとも一部の画素、第2画素の少なくとも一部の画素が横方向にライン状に配列され、第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが縦方向に交互になるように配列される。これにより、フレーム反転駆動の液晶表示装置において、縦方向のスメアが改善される。なお、図4Bでは、第1画素の少なくとも一部の画素によるラインと第2画素の少なくとも一部の画素によるラインが共に1行のラインとして形成されているが、複数行のラインによって形成されてもよいし、互いに異なる行数のラインで形成されてもよい。
【0024】
また、上層に配置される画素電極PX1と対向電極CT2は、複数の帯状部分を含んで形成される電極であり、本実施形態においては櫛歯状に形成されている。また、当該帯状部分は、所定の方向に向かって延伸するとともに、複数の帯状部分が所定間隔を空けて並設される。一方、下層に配置される対向電極CT1と画素電極PX2は、平板状に形成された電極であり、下層の電極に対して上層の電極が重畳するように設けられる。これにより横電界は、複数の帯状部分から、液晶層LCと当該帯状部分による隙間を経て下層に配置される平板状の電極に至るように形成される。また、上層に配置される2種類の電極が、形状が共通する部分を有して形成され、下層に配置される2種類の電極も同様に形状が共通する部分を有して形成されるため、同一出力の映像信号に対して印加される電界分布が、第1画素と第2画素とで略反転することとなる。これにより、同一出力の映像信号に対する第1画素と第2画素の透過率の差が少なくなる。
【0025】
また、画素電極PX1とPX2は、各第1画素及び各第2画素に個別に設けられる。一方、対向電極CT1とCT2は、画素電極PX1とPX2と同様に個別に設けられてもよいし、第1画素及び第2画素に関わらず全ての画素で共用される電極として設けられてもよいし、第1画素の少なくとも一部の画素又は第2画素の少なくとも一部の画素のいずれか、もしくは両方に共用されるように設けられてもよい。第1画素及び第2画素は、走査信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素領域において、個別の対向電極又は他の画素においても共用される対向電極を有することとなる。また、本実施形態においては、図4の各図において示すように、ライン状に配列された第1画素で共用されるように対向電極CT1が設けられ、同様にライン状に配列された第2画素で共用されるように対向電極CT2が設けられる。
【0026】
上層に設けられる対向電極CT2は、図4Aで示すように、ライン状に配列された各第2画素において櫛歯状に連なって形成されており、第2画素と他の第2画素との境界部分における帯状電極が他の帯状電極よりも太く形成される。なお、本実施形態の液晶表示装置はフレーム反転駆動されるため、対向電極CT1とCT2とが他層を介して導通するように形成されていてもよい。なお、対向電極CT1とCT2は、個別に形成される場合、若しくは、複数の画素に共通して設けられる場合のいずれの場合であっても、他層に設けられる基準信号線CLとコンタクトホール等を介して接続され基準電位が印加される。
【0027】
また、下層に設けられる平板状の画素電極PX2の周囲には、図4A及び図4D等で示すように、絶縁層IS3が設けられている。この絶縁層IS3の代わりに、画素電極PX2と他の画素電極PX2との間に対向電極CT1を介在させるように設けて、画素電極PX2と対向電極CT1間の絶縁を維持しつつ、異なるラインとして配列された第1画素の対向電極CT1を互いに導通させてもよい。なお、平板状に形成された対向電極CT1には、不図示の開口部が設けられて、当該開口部を経て薄膜トランジスタにおけるソース電極STと画素電極PX1とが接続する。
【0028】
[第2の実施形態]
上記の第1の実施形態における液晶表示装置は、フレーム反転駆動によって交流化されるとしているが、第2の実施形態では、Vライン反転駆動(カラム反転駆動)によって交流化される。具体的には、第1の実施形態では、1フレーム周期においては、各映像信号線DLから基準電位に対して同一極性となるように出力されるが、第2の実施形態では、互いに等間隔をおいて縦方向に敷設された各映像信号線DLが、1又は複数の映像信号線DL毎に交互に基準電位に対する極性を反転するように出力する。Vライン反転駆動の場合も、フレーム反転駆動の場合と同様に、1フレーム周期毎に各映像信号線DLが基準電位に対して反転駆動される。映像信号線駆動回路DDRには、映像信号線DL毎に交互に基準電位に対する極性を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転駆動回路が含まれる。
【0029】
ここで、複数の映像信号線DLは、図1で示すように縦方向に所定の間隔おきに平行に敷設される。また、図4B等で示すように、第1画素の少なくとも一部の画素と第2画素の少なくとも一部の画素が、横方向(映像信号線DLが敷設される方向に対して垂直となる方向)のライン状に配列される。これにより、第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが、縦方向(映像信号線DLに対して平行な方向)に交互となるように配置される。したがって、1フレームにおいて、電界分布が反転した画素が映像信号線DLの敷設される方向とその方向に垂直な方向に混在して表示され、フレーム毎に反転駆動されることによる画質の劣化がさらに緩和される。
【0030】
[第3の実施形態]
上記の第1の実施形態では、図4A等で示すように、第1画素と第2画素とが横方向のライン状に配列され、さらに第1画素によるラインと第2画素によるラインとが縦方向に交互になるように配列される。一方、第3の実施形態では、図5A等で示すように、第1画素の少なくとも一部の画素と、第2画素の少なくとも一部の画素とが縦方向のライン状に配列され、さらに第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが横方向に交互になるように配列される。第3の実施形態は、かかる点以外は第1の実施形態と略同様である。
【0031】
ここで、図5A及び図5Bは、図4A及び図4Bと同様の斜視図と上面図であり、第1画素と第2画素とが縦方向のライン状に交互に配列される様子を示している。図5Cは、図5Bの上面図におけるC−C断面を示す断面図である。図5Aでは、画素電極PX2と対向電極CT1との絶縁性が維持されつつ、画素電極PX2の周囲に対向電極CT1が設けられる。第3の実施形態における液晶表示装置は、第1の実施形態と同様にフレーム反転駆動されるため、図5Bのように第1画素と第2画素とが配置されることで横方向のスメアが改善される。なお、図5Bでは、第1画素のラインと第2画素のラインが1列のラインとして形成されているが、複数列のラインによって形成されてもよいし、互いに異なる列数のラインで形成されてもよい。また、異なる列に設けられる対向電極CT1は導通していてもよいし、図5Bで示すように互いに異なる電極で形成されて絶縁されていてもよい。
【0032】
[第4の実施形態]
上記の第3の実施形態における液晶表示装置は、フレーム反転駆動によって交流化されるとしているが、第4の実施形態では、ライン反転駆動(Hライン反転駆動)によって交流化される。具体的には、第4の実施形態では、互いに等間隔を置いて横方向に敷設された各走査信号線GLにおいて、1又は複数の走査信号線GLが選択される毎に、選択された第1画素と第2画素にかけられていた電界を反転するように、映像信号線DLから映像信号が出力される。ライン反転駆動の場合には、1又は複数の走査信号線GLが選択される毎に、映像信号線DLが基準電位に対する極性を反転して出力するため、1又は複数の走査信号線GL毎に交互にその極性が反転することとなる。そしてフレーム反転駆動の場合と同様に、1画面を表示する1フレーム周期毎に、各映像信号線DLからの出力が基準電位に対して反転駆動されることとなる。映像信号線駆動回路DDRには、このようなライン反転駆動をするライン反転回路が含まれる。第4の実施形態は、かかる点以外は第3の実施形態と略同様である。
【0033】
ここで、複数の映像信号線DLは、図1で示すように縦方向に敷設され、複数の走査信号線GLは横方向に敷設される。また、図5Bで示すように、第1画素の少なくとも一部の画素と第2画素の少なくとも一部の画素が、縦方向(走査信号線GLが敷設される方向に対して垂直となる方向)のライン状に配置される。第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが、横方向(走査信号線DLに対して平行な方向)に交互となるように配置される。これにより、1フレームにおいて、電界分布が反転した画素が走査信号線GLの敷設される方向とその方向に垂直な方向に混在して表示され、フレーム毎に反転駆動されることによる画質の劣化がさらに緩和される。
【0034】
また、第4の実施形態において、基準線駆動回路CDRにおいて、上記の走査信号線GLの選択のタイミングに同期させて、ハイ・ローといった2種類の基準電位を交流化して切り替える機能を有する基準線反転回路を設けることとしてもよい。これにより、映像信号線駆動回路DDRの消費電力が改善される。また、この場合には、対向電極CT1及びCT2は、少なくとも極性が互いに反転する画素間では絶縁される。具体的には、例えば、共通の走査信号線GLから信号が提供される第1画素及び第2画素における対向電極CT1及びCT2との間では導通され、走査信号線GLに対して垂直な方向の対向電極間では絶縁される。
【0035】
[第5の実施形態]
上記の第1の実施形態では、図4A等で示すように、第1画素と第2画素とが横方向のライン状に配列され、さらに第1画素のラインと第2画素のラインとが縦方向に交互になるように配列される。一方、第5の実施形態では、図6A等で示すように、第1画素と、第2画素とが千鳥状に配列される。具体的には、第1画素の少なくとも一部の画素、および第2画素の少なくとも一部の画素とが矩形状に配列され、第1画素による矩形と第2画素による矩形とが縦方向及び横方向に交互になるように配列される。第5の実施形態は、かかる点以外は第1の実施形態と略同様である。
【0036】
ここで、図6A及び図6Bは、図4A及び図4Bと同様の斜視図と上面図であり、第1画素と第2画素とが千鳥状に交互に配列される様子を示している。図6Cは、図6Bの上面図におけるC−C断面を示す断面図である。図6Aでは、画素電極PX2と対向電極CT1との絶縁性が維持されつつ、画素電極PX2の周囲に対向電極CT1が設けられる。また、第5の実施形態における液晶表示装置は、第1の実施形態と同様にフレーム反転駆動されており、図6B等で示すように第1画素と第2画素とが配列されることで横方向及び縦方向のスメアが改善される。なお、図6Bでは、1画素の第1画素と1画素の第2画素とが千鳥状に交互に配列されているが、例えば、縦2画素×横4画素による8画素、縦1画素×横10画素による10画素というような複数の画素からなる矩形配列で千鳥状に配列されてもよい。また、第1画素及び第2画素による各矩形配列のそれぞれが同様の画素数で形成されなくともよく、画素数の多い矩形配列と画素数の少ない矩形配列とが混在して配列されてもよい。なお、RGBの3色の画素が存在する場合には、これに対応して、縦1画素×横3画素の矩形状に第1画素と第2画素とを設けて、第1画素の矩形配列と第2画素の矩形配列とを千鳥状に交互に配列することとしてもよい。
【0037】
なお、上記の各実施形態において、マトリクス状に配列される画素において、R(赤)、G(緑)B(青)のサブ画素によって1画素が構成されてもよい。この場合には、当該1画素におけるサブ画素の全てを第1画素又は第2画素としてもよい。また、当該1画素にかかわらず、サブ画素を単位として、第1画素又は第2画素を配置するようにしてもよい。
【0038】
なお、上記の各実施形態では、映像信号線駆動回路DDRにおいて反転駆動回路を設けて基準線駆動回路CDRが提供する基準電位に対して、映像信号を反転させるようにしているが、映像信号に対して基準電圧を反転させるような回路構成としてもよい。
【0039】
なお、本発明の実施形態に係る液晶表示装置において、上記では液晶の駆動方式をIPS方式として説明しているが、VA(Vertically Aligned)方式やTN(Twisted Nematic)方式等のその他の方式の駆動方式であってもよい。VA方式及びTN方式の場合には、第1画素の画素電極PX1及び第2画素の対向電極CT2が対向基板CFに、対向電極CT1と画素電極PX2とがTFT基板に設けられる。
【0040】
なお、上記の各実施形態では、第1画素と第2画素とを、図4B、図5B、図6Bで示されるような2種類の画素を設けることとしている。しかし、本発明の液晶表示装置において、画素電極と対向電極の配置されている層や形状がそれぞれ異なる複数種類の第1画素や複数種類の第2画素を含んで、マトリクス状に画素が配列されるように設けられてもよい。また、上記のような第1画素と第2画素のほかに、対向電極と画素電極が同層に配置された画素を含んでマトリクス状に配列されてもよい。
【0041】
なお、上記の各実施形態では、第1画素における画素電極PX1と第2画素における対向電極CT2とが、図4B、図5B、図6Bで示すように、同一の方向に櫛歯の端部が設けられる電極で形成されているが、例えば、画素電極PX1や対向電極CT2の配置に応じて異なる方向に櫛歯の端部が設けられるようにしてもよい。
【0042】
以上説明した本発明の実施形態に係る液晶表示装置は、上記の実施形態によっては限定されず、その技術的思想の範囲内において異なる形態にて実施されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の回路図を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の第1画素の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の第2画素の断面を模式的に示す断面図である。
【図4A】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す斜視図である。
【図4B】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す上面図である。
【図4C】図4BにおけるC−C断面を示す断面図である。
【図4D】図4BにおけるD−D断面を示す断面図である。
【図5A】本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す斜視図である。
【図5B】本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す上面図である。
【図5C】図5BにおけるC−C断面を示す断面図である。
【図6A】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す斜視図である。
【図6B】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す上面図である。
【図6C】図6BにおけるC−C断面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
PX 画素電極、PX1 第1画素電極、PX2 第2画素電極、CT 対向電極、CT1 第1対向電極、CT2 第2対向電極、GL 走査信号線、DL 映像信号線、CL 基準信号線、GDR 走査線駆動回路、DDR 映像信号線駆動回路、CDR 基準線駆動回路、SUB TFT基板、CF 対向基板、GA1,GA2 ガラス基板、PA 保護膜、GI ゲート絶縁層、IS1,IS2,IS3 絶縁層、PS 半導体膜、GT ゲート電極、DT ドレイン電極、ST ソース電極、LC 液晶層、FL カラーフィルタ層。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に、画素電極と対向電極との間にかけられる電界を反転することによって発生するフリッカ等の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に液晶表示装置では、マトリクス状に画素が配置される。各画素には画素電極と対向電極とが設けられて、2つの電極間に印加される電圧によって液晶層が駆動される。また、画素電極と対向電極との間には、液晶層の短寿命化を防止するために交流化された電圧が印加され、その周期に従って両電極間の電界が反転される。
【0003】
なお、特許文献1には、白表示における着色を抑制した横電界方式の液晶表示装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−58007号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、互いに形状が異なる画素電極と対向電極などといった電極構造のため、正方向に印加された場合の電界分布と、逆方向に印加された場合の電界分布とで、完全に一致するように反転させることは困難である。このため、前者の場合と後者の場合とにおいて、駆動される液晶層の配向に差異が生じ、画素における光の透過率が異なることとなる。電界反転時に発生する透過率の差異は、フリッカの発生等、液晶表示装置の画質に悪影響を及ぼす。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて、電界反転時における電界分布の差異が画質に与える影響を抑えた液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するために、本発明に係る液晶表示装置は、第1画素電極と、該第1画素電極に対向してその下側に配置されて該第1画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第1対向電極とを、それぞれ有する複数の第1画素と、第2画素電極と、該第2画素電極に対向してその上側に配置されて該第2画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第2対向電極とを、それぞれ有する複数の第2画素と、前記第1画素の各々と前記第2画素の各々においてかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路と、を含み、前記第1画素と前記第2画素は、前記所定周期における電界が互いに反転するようにかけられ、前記第1画素の少なくとも一部の画素と前記第2画素の少なくとも一部の画素は、少なくとも1つの方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0007】
(2)(1)の液晶表示装置において、前記第1画素における前記第1画素電極は上層に配置されるとともに、前記第1対向電極は下層に配置され、前記第2画素における前記第2画素電極は前記下層に配置されるとともに、前記第2対向電極は前記上層に配置される、ことを特徴とする。
【0008】
(3)(1)から(2)の何れかの液晶表示装置において、前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、前記第1画素電極と前記第1対向電極、及び、前記第2画素電極と前記第2対向電極は、前記TFT基板に形成され、前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、ことを特徴とする。
【0009】
(4)(1)から(3)の何れかの液晶表示装置において、前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、前記第1画素電極と、前記第2対向電極は、前記TFT基板において複数の帯状部分を含むよう形成され、前記第1対向電極と、前記第2画素電極は、前記TFT基板において平板状に形成され、前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、ことを特徴とする液晶表示装置。
【0010】
(5)(1)から(4)の何れかの液晶表示装置において、前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、縦方向又は横方向のうちの一方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記縦方向又は前記横方向のうちの他方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0011】
(6)(1)から(5)の何れかの液晶表示装置において、前記第1画素の各々と前記第2画素の各々に、映像信号を供給するように敷設される複数の映像信号線を含み、前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、該1フレーム周期において、前記映像信号を1又は複数の前記映像信号線毎に交互に極性が反転するように供給し、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記映像信号線が敷設される方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記映像信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0012】
(7)(1)から(5)の何れかの液晶表示装置において、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々に、走査信号を供給するように敷設される複数の走査信号線を含み、前記反転駆動回路は、1又は複数の走査信号線を走査する毎に、該走査信号線によって選択された前記第1画素及び前記第2画素にかけられる電界を反転させるライン反転回路であって、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記走査信号線が敷設された方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記走査信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、ことを特徴とする。
【0013】
(8)(1)から(5)の何れかの液晶表示装置において、前記反転駆動回路は、1フレーム毎に前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々にかけられる電界を反転させるフレーム反転回路であって、前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、互いに千鳥状になるように配列される、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
(1)に記載の液晶表示装置によれば、電界反転時における電界分布の差異が画質に与える影響を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態に係る液晶表示装置は、IPS(In-Plane Switching)方式の液晶表示装置であって、走査信号線、映像信号線、薄膜トランジスタ、画素電極、及び対向電極が配置されたTFT基板と、当該TFT基板と対向して、液晶層を封止する対向基板とを含んで構成される。このTFT基板及び対向基板は、例えば、ガラス基板で形成されて、対向基板にはカラーフィルタが設けられてよい。
【0016】
図1は、上記の液晶表示装置のTFT基板SUBの等価回路図を示している。同図において、TFT基板SUBでは、複数の走査信号線GLが互いに等間隔を置いて図中横方向に敷設されており、また、複数の映像信号線DLが互いに等間隔をおいて図中縦方向に敷設されている。そして、これら走査信号線GL及び映像信号線DLによりマトリクス状に並ぶ画素のそれぞれが区画されている。また、各走査信号線GLと平行に、基準信号線CLが図中横方向に敷設されている。
【0017】
走査信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素領域には、MIS(Metal-Insulator-Semiconductor)構造を有する薄膜トランジスタが形成されており、そのゲート電極は走査信号線GLに接続され、ドレイン電極は映像信号線DLに接続されている。また、各画素領域には画素電極PX及び対向電極CTが形成されており、画素電極PXは薄膜トランジスタのソース電極に接続され、対向電極CTは基準信号線CLに接続されている。
【0018】
以上の回路構成において、基準線駆動回路CDRから、基準信号線CLを解して各画素における対向電極CTに基準電圧が印加され、走査線駆動回路GDRから、各走査信号線GLを介して各画素に走査信号が順次供給される。走査信号線GLによる画素行の選択のタイミングにおいて、映像信号線駆動回路DDRから各映像信号線DLを介して映像信号が供給されることにより、各画素の画素電極PXに映像信号の電圧が印加される。これにより、画素電極PXと対向電極CTの間に、映像信号の電圧に応じた強度の横電解が、各画素の液晶層において発生する。この液晶層は、液体の流動性と固体(結晶)の光学的性質を併せ持ち、電圧等によって分子の向きが変えられて光の状態を制御することができる液晶分子を封有している層である。上述の横電界が、液晶層にかけられることにより、各画素の光の透過率が制御される。
【0019】
ここで、液晶層に一方向の電解が加わり続けることによる劣化を防止するため、液晶層は交流で駆動される。本実施形態における液晶表示装置は、フレーム反転駆動によって交流化され、各画素における液晶層にかけられる横電界が、所定の交流化周期で反転することとなる。フレーム反転駆動では、1フレーム周期(例えば、1/60秒の期間)毎に各走査信号線GLが一方向から順次選択されて走査されることにより、一画面(フレーム)が表示され、1フレーム周期毎に各画素に同一の極性となる電界がかけられて、反転するようになっている。具体的には、対向電極CTに印加される基準電位は、フレーム反転周期に関わらず一定であり、1フレーム周期においては、各映像信号線DLから基準電位に対して同一極性となるように映像信号が出力され、1フレーム周期毎に各映像信号線DLを基準電位に対して反転駆動する。そして、特に本実施形態における液晶表示装置では、マトリクス状に並ぶ画素は、第1画素と第2画素とを含んで構成されており、映像信号線駆動回路DDRは、1フレーム周期毎に、第1画素の各々と第2画素の各々にかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路を含んでいる。
【0020】
ここで、図2及び図3は、第1画素と第2画素における薄膜トランジスタと画素電極及び対向電極の位置関係を模式的に示す断面図である。これらの図で示すように、ガラス基板GA1上に保護層PAが形成されて、半導体膜PS、ゲート絶縁層GI、絶縁層IS1、ゲート電極GT、ドレイン電極DT及びソース電極STによって薄膜トランジスタが形成されている。この薄膜トランジスタは、上述のマトリクス状に並ぶ画素のそれぞれに形成される。ゲート電極GTは走査信号線GLと接続され、走査信号が印加されるタイミングにおいて、映像信号線DLと接続されたドレイン電極DTから半導体膜PSおよびソース電極STを経て映像信号線DLの映像信号が画素電極PX1(第1画素電極)及びPX2(第2画素電極)に供給される。また、対向電極CT1(第1対向電極)及びCT2(第2対向電極)は、コンタクトホール等を介して基準信号線CLと接続される(不図示)。そして、第1画素は、図2で示すように、液晶層LCにおいて設けられた画素電極PX1とソース電極STとが接続し、対向電極CT1が画素電極PX1よりも下側(ガラス基板GA1側)の層である絶縁層IS3に設けられる。この絶縁層IS3は、平坦化のために設けられた絶縁層IS2の上側(ガラス基板GA2側)に設けられる。一方、第2画素は、図3で示すように、液晶層LCにおいて対向電極CT2が設けられ、画素電極PX2が対向電極CT2の下側の層である絶縁層IS3に設けられる。対向電極CT1と画素電極PX2は、絶縁層IS3に周囲を覆われ、その上側の層である液晶層LCに画素電極PX1と対向電極CT2とが設けられる。これらの画素電極PX1とPX2及び対向電極CT1とCT2は、ガラス基板GA1側から入射するバックライトからの光源を透過するためにITO(インジウム錫酸化物:Indium Tin Oxide)等の透明導電膜によって形成される。なお、液晶層LCにおいて、画素電極PX1および対向電極CT2が形成された絶縁層IS3と、カラーフィルタ層FLとの表面には配向膜が設けられるが、この配向膜は図2、図3においては省略されている。
【0021】
そして、第1画素及び第2画素のドレイン電極DTに、対向電極CT1及びCT2に印加された基準電位に対して高い電位となるように映像信号が供給されると、図2及び図3における点線で示すような横電解が発生する。このように第1画素と第2画素とでは、画素電極と対向電極とが配置される層が逆転しているため、所定の基準電位に対して同一極性となるように映像信号線DLから映像信号が出力されることにより、液晶層LCに印加される電界が反転することとなる。第1画素と第2画素とを少なくとも一つの方向に交互となるように配置することで、電界分布が反転した画素が1フレームにおいて混在して表示される。これにより、1フレーム毎に反転駆動されることによる画質の劣化が、観察者が巨視的に見ることで緩和されることとなる。
【0022】
ここで、本実施形態では、画素電極PX1と対向電極CT2が上層である液晶層LCに、画素電極PX2と対向電極CT1が下層である絶縁層IS3に配置されている。しかし、画素電極と対向電極の位置が、第1画素と第2画素とで上下反転するように配置されていれば、必ずしも同層で形成されなくともよい。第1画素と第2画素における画素電極及び対向電極の位置が上下反転することで、基準電位に対して同一極性となる映像信号により、第1画素と第2画素の電界分布が1フレーム周期において互いに反転するため、上記と同様に画質の劣化が緩和される。
【0023】
図4Aは、上層である液晶層LCにおいて画素電極PX1と対向電極CT2が配置されている様子と、下層である絶縁層IS3において画素電極PX2と対向電極CT1とが配置されている様子を示す斜視図である。また、図4Bは、第1画素と第2画素とが配列されている様子を示す上面図であり、図4C及び図4Dは、上面図におけるC−C断面とD−D断面を示す断面図である。本実施形態では、第1画素の少なくとも一部の画素、第2画素の少なくとも一部の画素が横方向にライン状に配列され、第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが縦方向に交互になるように配列される。これにより、フレーム反転駆動の液晶表示装置において、縦方向のスメアが改善される。なお、図4Bでは、第1画素の少なくとも一部の画素によるラインと第2画素の少なくとも一部の画素によるラインが共に1行のラインとして形成されているが、複数行のラインによって形成されてもよいし、互いに異なる行数のラインで形成されてもよい。
【0024】
また、上層に配置される画素電極PX1と対向電極CT2は、複数の帯状部分を含んで形成される電極であり、本実施形態においては櫛歯状に形成されている。また、当該帯状部分は、所定の方向に向かって延伸するとともに、複数の帯状部分が所定間隔を空けて並設される。一方、下層に配置される対向電極CT1と画素電極PX2は、平板状に形成された電極であり、下層の電極に対して上層の電極が重畳するように設けられる。これにより横電界は、複数の帯状部分から、液晶層LCと当該帯状部分による隙間を経て下層に配置される平板状の電極に至るように形成される。また、上層に配置される2種類の電極が、形状が共通する部分を有して形成され、下層に配置される2種類の電極も同様に形状が共通する部分を有して形成されるため、同一出力の映像信号に対して印加される電界分布が、第1画素と第2画素とで略反転することとなる。これにより、同一出力の映像信号に対する第1画素と第2画素の透過率の差が少なくなる。
【0025】
また、画素電極PX1とPX2は、各第1画素及び各第2画素に個別に設けられる。一方、対向電極CT1とCT2は、画素電極PX1とPX2と同様に個別に設けられてもよいし、第1画素及び第2画素に関わらず全ての画素で共用される電極として設けられてもよいし、第1画素の少なくとも一部の画素又は第2画素の少なくとも一部の画素のいずれか、もしくは両方に共用されるように設けられてもよい。第1画素及び第2画素は、走査信号線GL及び映像信号線DLにより区画される画素領域において、個別の対向電極又は他の画素においても共用される対向電極を有することとなる。また、本実施形態においては、図4の各図において示すように、ライン状に配列された第1画素で共用されるように対向電極CT1が設けられ、同様にライン状に配列された第2画素で共用されるように対向電極CT2が設けられる。
【0026】
上層に設けられる対向電極CT2は、図4Aで示すように、ライン状に配列された各第2画素において櫛歯状に連なって形成されており、第2画素と他の第2画素との境界部分における帯状電極が他の帯状電極よりも太く形成される。なお、本実施形態の液晶表示装置はフレーム反転駆動されるため、対向電極CT1とCT2とが他層を介して導通するように形成されていてもよい。なお、対向電極CT1とCT2は、個別に形成される場合、若しくは、複数の画素に共通して設けられる場合のいずれの場合であっても、他層に設けられる基準信号線CLとコンタクトホール等を介して接続され基準電位が印加される。
【0027】
また、下層に設けられる平板状の画素電極PX2の周囲には、図4A及び図4D等で示すように、絶縁層IS3が設けられている。この絶縁層IS3の代わりに、画素電極PX2と他の画素電極PX2との間に対向電極CT1を介在させるように設けて、画素電極PX2と対向電極CT1間の絶縁を維持しつつ、異なるラインとして配列された第1画素の対向電極CT1を互いに導通させてもよい。なお、平板状に形成された対向電極CT1には、不図示の開口部が設けられて、当該開口部を経て薄膜トランジスタにおけるソース電極STと画素電極PX1とが接続する。
【0028】
[第2の実施形態]
上記の第1の実施形態における液晶表示装置は、フレーム反転駆動によって交流化されるとしているが、第2の実施形態では、Vライン反転駆動(カラム反転駆動)によって交流化される。具体的には、第1の実施形態では、1フレーム周期においては、各映像信号線DLから基準電位に対して同一極性となるように出力されるが、第2の実施形態では、互いに等間隔をおいて縦方向に敷設された各映像信号線DLが、1又は複数の映像信号線DL毎に交互に基準電位に対する極性を反転するように出力する。Vライン反転駆動の場合も、フレーム反転駆動の場合と同様に、1フレーム周期毎に各映像信号線DLが基準電位に対して反転駆動される。映像信号線駆動回路DDRには、映像信号線DL毎に交互に基準電位に対する極性を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転駆動回路が含まれる。
【0029】
ここで、複数の映像信号線DLは、図1で示すように縦方向に所定の間隔おきに平行に敷設される。また、図4B等で示すように、第1画素の少なくとも一部の画素と第2画素の少なくとも一部の画素が、横方向(映像信号線DLが敷設される方向に対して垂直となる方向)のライン状に配列される。これにより、第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが、縦方向(映像信号線DLに対して平行な方向)に交互となるように配置される。したがって、1フレームにおいて、電界分布が反転した画素が映像信号線DLの敷設される方向とその方向に垂直な方向に混在して表示され、フレーム毎に反転駆動されることによる画質の劣化がさらに緩和される。
【0030】
[第3の実施形態]
上記の第1の実施形態では、図4A等で示すように、第1画素と第2画素とが横方向のライン状に配列され、さらに第1画素によるラインと第2画素によるラインとが縦方向に交互になるように配列される。一方、第3の実施形態では、図5A等で示すように、第1画素の少なくとも一部の画素と、第2画素の少なくとも一部の画素とが縦方向のライン状に配列され、さらに第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが横方向に交互になるように配列される。第3の実施形態は、かかる点以外は第1の実施形態と略同様である。
【0031】
ここで、図5A及び図5Bは、図4A及び図4Bと同様の斜視図と上面図であり、第1画素と第2画素とが縦方向のライン状に交互に配列される様子を示している。図5Cは、図5Bの上面図におけるC−C断面を示す断面図である。図5Aでは、画素電極PX2と対向電極CT1との絶縁性が維持されつつ、画素電極PX2の周囲に対向電極CT1が設けられる。第3の実施形態における液晶表示装置は、第1の実施形態と同様にフレーム反転駆動されるため、図5Bのように第1画素と第2画素とが配置されることで横方向のスメアが改善される。なお、図5Bでは、第1画素のラインと第2画素のラインが1列のラインとして形成されているが、複数列のラインによって形成されてもよいし、互いに異なる列数のラインで形成されてもよい。また、異なる列に設けられる対向電極CT1は導通していてもよいし、図5Bで示すように互いに異なる電極で形成されて絶縁されていてもよい。
【0032】
[第4の実施形態]
上記の第3の実施形態における液晶表示装置は、フレーム反転駆動によって交流化されるとしているが、第4の実施形態では、ライン反転駆動(Hライン反転駆動)によって交流化される。具体的には、第4の実施形態では、互いに等間隔を置いて横方向に敷設された各走査信号線GLにおいて、1又は複数の走査信号線GLが選択される毎に、選択された第1画素と第2画素にかけられていた電界を反転するように、映像信号線DLから映像信号が出力される。ライン反転駆動の場合には、1又は複数の走査信号線GLが選択される毎に、映像信号線DLが基準電位に対する極性を反転して出力するため、1又は複数の走査信号線GL毎に交互にその極性が反転することとなる。そしてフレーム反転駆動の場合と同様に、1画面を表示する1フレーム周期毎に、各映像信号線DLからの出力が基準電位に対して反転駆動されることとなる。映像信号線駆動回路DDRには、このようなライン反転駆動をするライン反転回路が含まれる。第4の実施形態は、かかる点以外は第3の実施形態と略同様である。
【0033】
ここで、複数の映像信号線DLは、図1で示すように縦方向に敷設され、複数の走査信号線GLは横方向に敷設される。また、図5Bで示すように、第1画素の少なくとも一部の画素と第2画素の少なくとも一部の画素が、縦方向(走査信号線GLが敷設される方向に対して垂直となる方向)のライン状に配置される。第1画素による複数のラインと第2画素による複数のラインとが、横方向(走査信号線DLに対して平行な方向)に交互となるように配置される。これにより、1フレームにおいて、電界分布が反転した画素が走査信号線GLの敷設される方向とその方向に垂直な方向に混在して表示され、フレーム毎に反転駆動されることによる画質の劣化がさらに緩和される。
【0034】
また、第4の実施形態において、基準線駆動回路CDRにおいて、上記の走査信号線GLの選択のタイミングに同期させて、ハイ・ローといった2種類の基準電位を交流化して切り替える機能を有する基準線反転回路を設けることとしてもよい。これにより、映像信号線駆動回路DDRの消費電力が改善される。また、この場合には、対向電極CT1及びCT2は、少なくとも極性が互いに反転する画素間では絶縁される。具体的には、例えば、共通の走査信号線GLから信号が提供される第1画素及び第2画素における対向電極CT1及びCT2との間では導通され、走査信号線GLに対して垂直な方向の対向電極間では絶縁される。
【0035】
[第5の実施形態]
上記の第1の実施形態では、図4A等で示すように、第1画素と第2画素とが横方向のライン状に配列され、さらに第1画素のラインと第2画素のラインとが縦方向に交互になるように配列される。一方、第5の実施形態では、図6A等で示すように、第1画素と、第2画素とが千鳥状に配列される。具体的には、第1画素の少なくとも一部の画素、および第2画素の少なくとも一部の画素とが矩形状に配列され、第1画素による矩形と第2画素による矩形とが縦方向及び横方向に交互になるように配列される。第5の実施形態は、かかる点以外は第1の実施形態と略同様である。
【0036】
ここで、図6A及び図6Bは、図4A及び図4Bと同様の斜視図と上面図であり、第1画素と第2画素とが千鳥状に交互に配列される様子を示している。図6Cは、図6Bの上面図におけるC−C断面を示す断面図である。図6Aでは、画素電極PX2と対向電極CT1との絶縁性が維持されつつ、画素電極PX2の周囲に対向電極CT1が設けられる。また、第5の実施形態における液晶表示装置は、第1の実施形態と同様にフレーム反転駆動されており、図6B等で示すように第1画素と第2画素とが配列されることで横方向及び縦方向のスメアが改善される。なお、図6Bでは、1画素の第1画素と1画素の第2画素とが千鳥状に交互に配列されているが、例えば、縦2画素×横4画素による8画素、縦1画素×横10画素による10画素というような複数の画素からなる矩形配列で千鳥状に配列されてもよい。また、第1画素及び第2画素による各矩形配列のそれぞれが同様の画素数で形成されなくともよく、画素数の多い矩形配列と画素数の少ない矩形配列とが混在して配列されてもよい。なお、RGBの3色の画素が存在する場合には、これに対応して、縦1画素×横3画素の矩形状に第1画素と第2画素とを設けて、第1画素の矩形配列と第2画素の矩形配列とを千鳥状に交互に配列することとしてもよい。
【0037】
なお、上記の各実施形態において、マトリクス状に配列される画素において、R(赤)、G(緑)B(青)のサブ画素によって1画素が構成されてもよい。この場合には、当該1画素におけるサブ画素の全てを第1画素又は第2画素としてもよい。また、当該1画素にかかわらず、サブ画素を単位として、第1画素又は第2画素を配置するようにしてもよい。
【0038】
なお、上記の各実施形態では、映像信号線駆動回路DDRにおいて反転駆動回路を設けて基準線駆動回路CDRが提供する基準電位に対して、映像信号を反転させるようにしているが、映像信号に対して基準電圧を反転させるような回路構成としてもよい。
【0039】
なお、本発明の実施形態に係る液晶表示装置において、上記では液晶の駆動方式をIPS方式として説明しているが、VA(Vertically Aligned)方式やTN(Twisted Nematic)方式等のその他の方式の駆動方式であってもよい。VA方式及びTN方式の場合には、第1画素の画素電極PX1及び第2画素の対向電極CT2が対向基板CFに、対向電極CT1と画素電極PX2とがTFT基板に設けられる。
【0040】
なお、上記の各実施形態では、第1画素と第2画素とを、図4B、図5B、図6Bで示されるような2種類の画素を設けることとしている。しかし、本発明の液晶表示装置において、画素電極と対向電極の配置されている層や形状がそれぞれ異なる複数種類の第1画素や複数種類の第2画素を含んで、マトリクス状に画素が配列されるように設けられてもよい。また、上記のような第1画素と第2画素のほかに、対向電極と画素電極が同層に配置された画素を含んでマトリクス状に配列されてもよい。
【0041】
なお、上記の各実施形態では、第1画素における画素電極PX1と第2画素における対向電極CT2とが、図4B、図5B、図6Bで示すように、同一の方向に櫛歯の端部が設けられる電極で形成されているが、例えば、画素電極PX1や対向電極CT2の配置に応じて異なる方向に櫛歯の端部が設けられるようにしてもよい。
【0042】
以上説明した本発明の実施形態に係る液晶表示装置は、上記の実施形態によっては限定されず、その技術的思想の範囲内において異なる形態にて実施されてよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の回路図を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の第1画素の断面を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の第2画素の断面を模式的に示す断面図である。
【図4A】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す斜視図である。
【図4B】本発明の第1の実施形態及び第2の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す上面図である。
【図4C】図4BにおけるC−C断面を示す断面図である。
【図4D】図4BにおけるD−D断面を示す断面図である。
【図5A】本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す斜視図である。
【図5B】本発明の第3の実施形態及び第4の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す上面図である。
【図5C】図5BにおけるC−C断面を示す断面図である。
【図6A】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す斜視図である。
【図6B】本発明の第5の実施形態に係る液晶表示装置の画素電極と対向電極が配置されている様子を示す上面図である。
【図6C】図6BにおけるC−C断面を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
PX 画素電極、PX1 第1画素電極、PX2 第2画素電極、CT 対向電極、CT1 第1対向電極、CT2 第2対向電極、GL 走査信号線、DL 映像信号線、CL 基準信号線、GDR 走査線駆動回路、DDR 映像信号線駆動回路、CDR 基準線駆動回路、SUB TFT基板、CF 対向基板、GA1,GA2 ガラス基板、PA 保護膜、GI ゲート絶縁層、IS1,IS2,IS3 絶縁層、PS 半導体膜、GT ゲート電極、DT ドレイン電極、ST ソース電極、LC 液晶層、FL カラーフィルタ層。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画素電極と、該第1画素電極に対向してその下側に配置されて該第1画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第1対向電極とを、それぞれ有する複数の第1画素と、
第2画素電極と、該第2画素電極に対向してその上側に配置されて該第2画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第2対向電極とを、それぞれ有する複数の第2画素と、
前記第1画素の各々と前記第2画素の各々においてかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路と、を含み、
前記第1画素と前記第2画素は、前記所定周期における電界が互いに反転するようにかけられ、
前記第1画素の少なくとも一部の画素と前記第2画素の少なくとも一部の画素は、少なくとも1つの方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1の液晶表示装置において、
前記第1画素における前記第1画素電極は上層に配置されるとともに、前記第1対向電極は下層に配置され、
前記第2画素における前記第2画素電極は前記下層に配置されるとともに、前記第2対向電極は前記上層に配置される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1の液晶表示装置において、
前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、
前記第1画素電極と前記第1対向電極、及び、前記第2画素電極と前記第2対向電極は、前記TFT基板に形成され、
前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1の液晶表示装置において、
前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、
前記第1画素電極と、前記第2対向電極は、前記TFT基板において複数の帯状部分を含むよう形成され、
前記第1対向電極と、前記第2画素電極は、前記TFT基板において平板状に形成され、
前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1の液晶表示装置において、
前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、縦方向又は横方向のうちの一方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記縦方向又は前記横方向のうちの他方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1の液晶表示装置において、
前記第1画素の各々と前記第2画素の各々に、映像信号を供給するように敷設される複数の映像信号線を含み、
前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、該1フレーム周期において、前記映像信号を1又は複数の前記映像信号線毎に交互に極性が反転するように供給し、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記映像信号線が敷設される方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記映像信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1の液晶表示装置において、
前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々に、走査信号を供給するように敷設される複数の走査信号線を含み、
前記反転駆動回路は、1又は複数の走査信号線を走査する毎に、該走査信号線によって選択された前記第1画素及び前記第2画素にかけられる電界を反転させるライン反転回路であって、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記走査信号線が敷設された方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記走査信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1の液晶表示装置において、
前記反転駆動回路は、1フレーム毎に前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々にかけられる電界を反転させるフレーム反転回路であって、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、互いに千鳥状になるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項1】
第1画素電極と、該第1画素電極に対向してその下側に配置されて該第1画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第1対向電極とを、それぞれ有する複数の第1画素と、
第2画素電極と、該第2画素電極に対向してその上側に配置されて該第2画素電極との間にかけられる電界によって液晶層を駆動する第2対向電極とを、それぞれ有する複数の第2画素と、
前記第1画素の各々と前記第2画素の各々においてかけられる電界を所定周期毎に反転する反転駆動回路と、を含み、
前記第1画素と前記第2画素は、前記所定周期における電界が互いに反転するようにかけられ、
前記第1画素の少なくとも一部の画素と前記第2画素の少なくとも一部の画素は、少なくとも1つの方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1の液晶表示装置において、
前記第1画素における前記第1画素電極は上層に配置されるとともに、前記第1対向電極は下層に配置され、
前記第2画素における前記第2画素電極は前記下層に配置されるとともに、前記第2対向電極は前記上層に配置される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項1の液晶表示装置において、
前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、
前記第1画素電極と前記第1対向電極、及び、前記第2画素電極と前記第2対向電極は、前記TFT基板に形成され、
前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
請求項1の液晶表示装置において、
前記液晶層を狭持するTFT基板と対向基板とを含み、
前記第1画素電極と、前記第2対向電極は、前記TFT基板において複数の帯状部分を含むよう形成され、
前記第1対向電極と、前記第2画素電極は、前記TFT基板において平板状に形成され、
前記第1画素電極は前記第1対向電極よりも前記液晶層側に、前記第2対向電極は前記第2画素電極よりも前記液晶層側に形成される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項5】
請求項1の液晶表示装置において、
前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、縦方向又は横方向のうちの一方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記縦方向又は前記横方向のうちの他方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項1の液晶表示装置において、
前記第1画素の各々と前記第2画素の各々に、映像信号を供給するように敷設される複数の映像信号線を含み、
前記反転駆動回路は、前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々においてかけられる電界を1フレーム周期毎に反転するフレーム反転回路であって、該1フレーム周期において、前記映像信号を1又は複数の前記映像信号線毎に交互に極性が反転するように供給し、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記映像信号線が敷設される方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記映像信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項1の液晶表示装置において、
前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々に、走査信号を供給するように敷設される複数の走査信号線を含み、
前記反転駆動回路は、1又は複数の走査信号線を走査する毎に、該走査信号線によって選択された前記第1画素及び前記第2画素にかけられる電界を反転させるライン反転回路であって、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、それぞれが、前記走査信号線が敷設された方向に対して垂直となる方向の複数のラインとなるように配列されるとともに、前記走査信号線に対して平行な方向に交互となるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項1の液晶表示装置において、
前記反転駆動回路は、1フレーム毎に前記第1画素の各々及び前記第2画素の各々にかけられる電界を反転させるフレーム反転回路であって、
前記第1画素の少なくとも一部の画素及び前記第2画素の少なくとも一部の画素は、互いに千鳥状になるように配列される、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【公開番号】特開2010−102009(P2010−102009A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271848(P2008−271848)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【Fターム(参考)】
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