説明

液滴吐出装置、液状体供給方法、及び液状体供給装置

【課題】液状体を液滴として吐出する吐出ヘッドに供給される液状体におけるゲル状異物を含む異物の数を抑制することができる液滴吐出装置、液状体供給方法、及び液状体供給装置を提供する。
【解決手段】液滴吐出装置は、液状体を液滴として吐出し、液滴を描画対象物上に着弾させることによって描画対象物上に液状体を配置する液滴吐出装置であって、液滴を吐出する吐出ヘッドと、吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、ヘッド保持手段と描画対象物とを相対移動させる相対移動手段と、吐出ヘッドに液状体を供給する液状体供給手段と、を備え、液状体供給手段は、吐出ヘッドに向けて液状体を流動させる供給路の途中に、ヘッド保持手段と一体に移動可能に配設された濾過フィルターを備える液状体濾過手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状体を液滴として吐出する液滴吐出ヘッドを備える液滴吐出装置、液滴吐出ヘッドに液状体を供給する液状体供給方法、及び液滴吐出ヘッドに液状体を供給する液状体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液状体を液滴として吐出し、任意の位置に着弾させることによって、所定の量の液状体を所定の位置に精度よく配置する液滴吐出装置が知られている。所定の量の液状体を所定の位置に精度よく配置するためには、吐出量や吐出方向が正確であることが必要である。しかし、液状体の中に異物が存在することに起因して液滴の飛行曲がりなどが発生し、着弾位置不良が発生する場合があった。
【0003】
特許文献1には、ノズル本体における内部空間の先端に設けられたオリフィスから有機EL材料などの液体を基板に吐出するノズルを備えた(有機EL)塗布装置において、ノズル本体における有機EL材料を流通させるための流路として機能している内部空間にフィルタを配設した塗布装置及び有機EL塗布装置が開示されている。当該塗布装置及び有機EL塗布装置は、内部空間に配設されたフィルタによって異物やゲル化溶質などを捕集して、オリフィスに達するのを阻止することで、異物などによるオリフィスの目詰まりを確実に防止することによって、ノズル目詰まりを抑制して液体を安定して吐出するとともに、装置の稼働率を高めるとしている。
特許文献2には、インクを収容するインク瓶と、インクを吐出して記録を行うプリントヘッドと、インク瓶からプリントヘッドにインクを供給する印字用インク供給路と、インク供給路の途中に設けられ、第1のフィルタを含む第1のろ過装置と、印字用インク供給路とは別途に設けられ、インク瓶からプリントヘッドを繋ぐパージ用インク流路と、パージ用インク流路に設けられ、第2のフィルタを含む第2のろ過装置とを具備して、異物がフィルタの二次側へ流出することを極力回避し得るインクジェット記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−41943号公報
【特許文献2】特開2009−6729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された装置は、吐出ノズル孔(オリフィス)ごとにフィルタを設けており、多数の吐出ノズル孔を有する吐出ヘッドに適用するとヘッドが非常に複雑になるという課題があった。特許文献1に開示された装置は、多数の微小な吐出ノズル孔を有する吐出ヘッドに適用することは物理的にほとんど不可能である。特許文献2に開示された装置は、インク供給路が2系統必要であり、供給路が複雑になるという課題があった。
表示装置のカラーフィルター(光学フィルター)を構成するカラーフィルター膜(光学フィルター膜)や有機EL装置の有機EL膜のような機能膜を形成するための機能液においては、機能液の成分に由来する、固形の異物とゲル状の異物との2種類の異物が生成される場合がある。ゲル状異物は、変形することによって、ゲル状異物自体の外径より小さいフィルターの孔も通過することができるため除去が困難である。特許文献1及び特許文献2に開示された異物除去のための装置は、そのようなゲル状異物の特性に注目してなされたものではなく、ゲル状異物の特性に対応するものではないため、ゲル状異物の除去は必ずしも充分には実施できない可能性が高いという課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例にかかる液滴吐出装置は、液状体を液滴として吐出し、前記液滴を描画対象物上に着弾させることによって前記描画対象物上に前記液状体を配置する液滴吐出装置であって、前記液滴を吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段と前記描画対象物とを相対移動させる相対移動手段と、前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する液状体供給手段と、を備え、前記液状体供給手段は、前記吐出ヘッドに向けて前記液状体を流動させる供給路の途中に、前記ヘッド保持手段と一体に移動可能に配設された濾過フィルターを備える液状体濾過手段を備えることを特徴とする。
【0008】
本適用例にかかる液滴吐出装置によれば、液状体濾過手段が備える濾過フィルターがヘッド保持手段と一体に移動可能に配設されている。したがって、液状体濾過手段の濾過フィルターはヘッド保持手段に保持された吐出ヘッドと一体に移動する位置に配設されている。すなわち、濾過フィルターは吐出ヘッドの近くに位置していることから、濾過フィルターから吐出ヘッドに至る供給路の長さを短くすることができる。本発明の発明者らは、液状体が貯留されている間に液状体の成分に由来する異物が生成される場合があることを見いだした。液状体が貯留されている間に異物が生成されることから、液状体が液滴吐出装置の流路に在る間にも異物が生成される可能性がある。濾過フィルターから吐出ヘッドに至る供給路の長さを短くすることで、濾過フィルターによって濾過されて異物が除去された液状体に、再度異物が発生する可能性を小さくすることができる。
なお、濾過フィルターはヘッド保持手段と一体に移動可能であるため、吐出ヘッドの位置が固定であってヘッド保持手段の位置が固定の場合には、濾過フィルターの位置も固定である。
【0009】
[適用例2]上記適用例にかかる液滴吐出装置は、前記濾過フィルターは、濾過精度が0.5μm以上、10μm以下であり、前記液状体が前記濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることが好ましい。
【0010】
この液滴吐出装置によれば、濾過精度が0.5μm以上であることで、液状体の成分に影響を与えることなく液状体を濾過することができる。濾過精度が10μm以下であることで、当該液状体における多くの固形の異物を濾過することができることが、本発明の発明者らによって確認されている。また、濾過精度が10μm以下であり、液状体が濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることで、当該液状体におけるゲル状異物を濾過することができることが、本発明の発明者らによって確認されている。
【0011】
[適用例3]上記適用例にかかる液滴吐出装置は、前記液状体を貯留して、水頭差によって前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する水頭圧力タンクをさらに備え、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記水頭圧力タンクから前記吐出ヘッドに至る途中に配設されていることが好ましい。
【0012】
この液滴吐出装置によれば、水頭圧力タンクと吐出ヘッドとの間に濾過フィルターが配設されている。水頭圧力タンクにおいて発生した異物を濾過フィルターによって濾過して、水頭圧力タンクにおいて発生した異物が吐出ヘッドに至ることを抑制することができる。
【0013】
[適用例4]上記適用例にかかる液滴吐出装置は、前記液状体供給手段は、前記吐出ヘッドが備える液滴吐出ノズルにおける前記液状体の液圧を所定の値に維持する圧力制御手段をさらに備え、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記圧力制御手段の上流側に配設されていることが好ましい。
【0014】
この液滴吐出装置によれば、濾過フィルターは、供給路における圧力制御手段の上流側に配設されている。圧力制御手段は、圧力制御手段の位置にある液状体の液圧を調整することで、吐出ヘッドの液滴吐出ノズルにおける液状体の圧力を所定の値に維持する。このため、圧力制御手段の位置にある液状体の液圧と液滴吐出ノズルにおける液状体の液圧との関係が一定であることが好ましい。液状体が濾過フィルターを通過する際には圧力損出があり、濾過フィルターの一次側の液圧に対して二次側の液圧が変動する可能性がある。濾過フィルターを圧力制御手段の上流側に配設することで、圧力制御手段と液滴吐出ノズルとの間に濾過フィルターが介在することに起因して圧力制御手段による液滴吐出ノズルにおける液圧の調整が影響を受けることを防止することができる。
【0015】
[適用例5]上記適用例にかかる液滴吐出装置は、前記液状体供給手段は、前記供給路における前記濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターをさらに備えることが好ましい。
【0016】
この液滴吐出装置によれば、濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターによって、濾過フィルターで濾過された液状体をさらに濾過して、液状体に含まれる異物をより確実に除去することができる。特に、濾過フィルター自体から脱離する異物が存在する場合には有効である。
【0017】
[適用例6]上記適用例にかかる液滴吐出装置は、前記液状体濾過手段は、前記液状体を流入させる流入口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより下側に配設されており、前記液状体を流出させる流出口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより上側に配設されていることが好ましい。
【0018】
この液滴吐出装置によれば、液状体濾過手段に液状体を流入させる流入口が濾過フィルターより下側に配設されている。これにより、濾過フィルターに捕らえられた異物が重力によって濾過フィルターから剥がれ易くすることができる。異物が濾過フィルターから剥がれることで、異物が濾過フィルターに付着して濾過フィルターの目詰まりが生ずることを抑制することができる。また、液状体濾過手段から液状体を流出させる流出口が濾過フィルターより上側に配設されている。これにより、気泡を流出口から排出し易くすることができる。気泡が排出されることによって、気泡が濾過フィルターに付いていることで、液状体の流動が妨げられることを抑制することができる。
【0019】
[適用例7]上記適用例にかかる液滴吐出装置は、前記濾過フィルターの一次側における前記液状体の圧力を調整する液圧調整手段をさらに備えることが好ましい。
【0020】
この液滴吐出装置によれば、液圧調整手段を用いて液状体や当該液状体におけるゲル状異物の特性に応じて濾過フィルターにかかる液圧を調整することによって、液状体が濾過フィルターを通過する流速を、ゲル状異物が濾過フィルターを透過する可能性が小さく、吐出ヘッドからの液状体の吐出量を充分送出可能な、適切な流速に調整することができる。
【0021】
[適用例8]本適用例にかかる液状体供給方法は、液状体を液滴として吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段と描画対象物とを相対移動させる相対移動手段とを備え、前記液滴を吐出し、当該液滴を前記描画対象物上に着弾させることによって前記描画対象物上に前記液状体を配置する液滴吐出装置における、前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する液状体供給方法であって、前記吐出ヘッドに向けて前記液状体が流動させられる前記液状体の供給路の途中に前記ヘッド保持手段と一体に移動可能配設された濾過フィルターによって前記液状体を濾過する液状体濾過工程を有することを特徴とする。
【0022】
本適用例にかかる液状体供給方法によれば、液状体濾過工程において用いる濾過フィルターが、ヘッド保持手段と一体に移動可能に配設されている。したがって、濾過フィルターはヘッド保持手段に保持された吐出ヘッドと一体に移動する位置に配設されている。すなわち、濾過フィルターは吐出ヘッドの近くに位置していることから、濾過フィルターから吐出ヘッドに至る供給路の長さを短くすることができる。本発明の発明者らは、液状体が貯留されている間に液状体の成分に由来する異物が生成される場合があることを見いだした。液状体が貯留されている間に異物が生成されることから、液状体が液滴吐出装置の流路に在る間にも異物が生成される可能性がある。濾過フィルターから吐出ヘッドに至る供給路の長さを短くすることで、濾過フィルターによって濾過されて異物が除去された液状体に、再度異物が発生する可能性を小さくすることができる。
なお、濾過フィルターはヘッド保持手段と一体に移動可能であるため、吐出ヘッドの位置が固定であってヘッド保持手段の位置が固定の場合には、濾過フィルターの位置も固定である。
【0023】
[適用例9]上記適用例にかかる液状体供給方法は、前記濾過フィルターが、濾過精度が0.5μm以上、10μm以下であり、前記液状体濾過工程において前記液状体が前記濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることが好ましい。
【0024】
この液状体供給方法によれば、濾過精度が0.5μm以上であることで、液状体の成分に影響を与えることなく液状体を濾過することができる。濾過精度が10μm以下であることで、当該液状体における多くの固形の異物を濾過することができることが、本発明の発明者らによって確認されている。また、濾過精度が10μm以下であり、液状体が濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることで、当該液状体におけるゲル状異物を濾過することができることが、本発明の発明者らによって確認されている。
【0025】
[適用例10]上記適用例にかかる液状体供給方法は、前記液状体を貯留する貯留部から水頭差によって前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する水頭差供給工程を含み、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記水頭差供給工程において前記液状体が流動する部分に配設されていることが好ましい。
【0026】
この液状体供給方法によれば、水頭差供給工程において液状体が流動する部分に濾過フィルターが配設されている。したがって、水頭差によって吐出ヘッドに液状体を供給する貯留部と吐出ヘッドとの間に濾過フィルターが配設されている。これにより、貯留部において発生した異物を濾過フィルターによって濾過して、貯留部において発生した異物が吐出ヘッドに至ることを抑制することができる。
【0027】
[適用例11]上記適用例にかかる液状体供給方法は、前記吐出ヘッドが備える液滴吐出ノズルにおける前記液状体の液圧を所定の値に維持する圧力制御手段によって液滴吐出ノズルにおける前記液状体の圧力を制御する圧力制御工程をさらに有し、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記圧力制御手段の上流側に配設されていることが好ましい。
【0028】
この液状体供給方法によれば、濾過フィルターは、供給路における圧力制御手段の上流側に配設されている。圧力制御手段は、圧力制御手段の位置にある液状体の液圧を調整することで、吐出ヘッドの液滴吐出ノズルにおける液状体の圧力を所定の値に維持する。このため、圧力制御手段の位置にある液状体の液圧と液滴吐出ノズルにおける液状体の液圧との関係が一定であることが好ましい。液状体が濾過フィルターを通過する際には圧力損出があり、濾過フィルターの一次側の液圧に対して二次側の液圧が変動する可能性がある。濾過フィルターを圧力制御手段の上流側に配設することで、圧力制御手段と液滴吐出ノズルとの間に濾過フィルターが介在することに起因して圧力制御手段による液滴吐出ノズルにおける液圧の調整が影響を受けることを防止することができる。
【0029】
[適用例12]上記適用例にかかる液状体供給方法は、前記供給路における前記濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターによって、前記液状体濾過工程において濾過された前記液状体を再度濾過する二次濾過工程をさらに有することが好ましい。
【0030】
この液状体供給方法によれば、二次濾過工程において、濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターによって、濾過フィルターで濾過された液状体をさらに濾過することで、液状体に含まれる異物をより確実に除去することができる。特に、濾過フィルター自体から脱離する異物が存在する場合には有効である。
【0031】
[適用例13]上記適用例にかかる液状体供給方法は、前記液状体濾過工程において、前記濾過フィルターを備える液状体濾過手段に、重力加速度方向において前記濾過フィルターの下側に配設されている流入口から前記液状体を流入させ、重力加速度方向において前記濾過フィルターの上側に配設されている流出口から前記液状体を流出させることが好ましい。
【0032】
この液状体供給方法によれば、液状体濾過工程において液状体濾過手段に液状体を流入させる流入口が濾過フィルターより下側に配設されている。これにより、濾過フィルターに捕らえられた異物が重力によって濾過フィルターから剥がれ易くすることができる。異物が濾過フィルターから剥がれることで、異物が濾過フィルターに付着して濾過フィルターの目詰まりが生ずることを抑制することができる。また、液状体濾過工程において液状体濾過手段から液状体を流出させる流出口が濾過フィルターより上側に配設されている。これにより、気泡を流出口から排出し易くすることができる。気泡が排出されることによって、気泡が濾過フィルターに付いていることで、液状体の流動が妨げられることを抑制することができる。
【0033】
[適用例14]上記適用例にかかる液状体供給方法は、前記濾過フィルターの一次側における前記液状体の圧力を調整する液圧調整工程をさらに有することが好ましい。
【0034】
この液状体供給方法によれば、液圧調整工程において液状体や当該液状体におけるゲル状異物の特性に応じて濾過フィルターにかかる液圧を調整することによって、液状体が濾過フィルターを通過する流速を、ゲル状異物が濾過フィルターを透過する可能性が小さく、吐出ヘッドからの液状体の吐出量を充分送出可能な、適切な流速に調整することができる。
【0035】
[適用例15]本適用例にかかる液状体供給装置は、液状体を液滴として吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段と描画対象物とを相対移動させる相対移動手段とを備え、前記液滴を吐出し、当該液滴を前記描画対象物上に着弾させることによって前記描画対象物上に前記液状体を配置する液滴吐出装置における、前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する液状体供給装置であって、前記吐出ヘッドに向けて前記液状体を流動させる供給路の途中に、前記ヘッド保持手段と一体に移動可能に配設された濾過フィルターを備える液状体濾過手段を備えることを特徴とする。
【0036】
本適用例にかかる液状体供給装置によれば、液状体濾過手段が備える濾過フィルターがヘッド保持手段と一体に移動可能に配設されている。したがって、液状体濾過手段の濾過フィルターはヘッド保持手段に保持された吐出ヘッドと一体に移動する位置に配設されている。すなわち、濾過フィルターは吐出ヘッドの近くに位置していることから、濾過フィルターから吐出ヘッドに至る供給路の長さを短くすることができる。本発明の発明者らは、液状体が貯留されている間に液状体の成分に由来する異物が生成される場合があることを見いだした。液状体が貯留されている間に異物が生成されることから、液状体が液滴吐出装置の流路に在る間にも異物が生成される可能性がある。濾過フィルターから吐出ヘッドに至る供給路の長さを短くすることで、濾過フィルターによって濾過されて異物が除去された液状体に、再度異物が発生する可能性を小さくすることができる。
なお、濾過フィルターはヘッド保持手段と一体に移動可能であるため、吐出ヘッドの位置が固定であってヘッド保持手段の位置が固定の場合には、濾過フィルターの位置も固定である。
【0037】
[適用例16]上記適用例にかかる液状体供給装置は、前記濾過フィルターが、濾過精度が0.5μm以上、10μm以下であり、前記液状体が前記濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることが好ましい。
【0038】
この液状体供給装置によれば、濾過精度が0.5μm以上であることで、液状体の成分に影響を与えることなく液状体を濾過することができる。濾過精度が10μm以下であることで、当該液状体における多くの固形の異物を濾過することができることが、本発明の発明者らによって確認されている。また、濾過精度が10μm以下であり、液状体が濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることで、当該液状体におけるゲル状異物を濾過することができることが、本発明の発明者らによって確認されている。
【0039】
[適用例17]上記適用例にかかる液状体供給装置は、前記液状体を貯留して、水頭差によって前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する水頭圧力タンクをさらに備え、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記水頭圧力タンクから前記吐出ヘッドに至る途中に配設されていることが好ましい。
【0040】
この液状体供給装置によれば、水頭圧力タンクと吐出ヘッドとの間に濾過フィルターが配設されている。水頭圧力タンクにおいて発生した異物を濾過フィルターによって濾過して、水頭圧力タンクにおいて発生した異物が吐出ヘッドに至ることを抑制することができる。
【0041】
[適用例18]上記適用例にかかる液状体供給装置は、前記吐出ヘッドが備える液滴吐出ノズルにおける前記液状体の液圧を所定の値に維持する圧力制御手段をさらに備え、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記圧力制御手段の上流側に配設されていることが好ましい。
【0042】
この液状体供給装置によれば、濾過フィルターは、供給路における圧力制御手段の上流側に配設されている。圧力制御手段は、圧力制御手段の位置にある液状体の液圧を調整することで、吐出ヘッドの液滴吐出ノズルにおける液状体の圧力を所定の値に維持する。このため、圧力制御手段の位置にある液状体の液圧と液滴吐出ノズルにおける液状体の液圧との関係が一定であることが好ましい。液状体が濾過フィルターを通過する際には圧力損出があり、濾過フィルターの一次側の液圧に対して二次側の液圧が変動する可能性がある。濾過フィルターを圧力制御手段の上流側に配設することで、圧力制御手段と液滴吐出ノズルとの間に濾過フィルターが介在することに起因して圧力制御手段による液滴吐出ノズルにおける液圧の調整が影響を受けることを防止することができる。
【0043】
[適用例19]上記適用例にかかる液状体供給装置は、前記供給路における前記濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターをさらに備えることが好ましい。
【0044】
この液状体供給装置によれば、濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターによって、濾過フィルターで濾過された液状体をさらに濾過して、液状体に含まれる異物をより確実に除去することができる。特に、濾過フィルター自体から脱離する異物が存在する場合には有効である。
【0045】
[適用例20]上記適用例にかかる液状体供給装置は、前記液状体濾過手段は、前記液状体を流入させる流入口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより下側に配設されており、前記液状体を流出させる流出口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより上側に配設されていることが好ましい。
【0046】
この液状体供給装置によれば、液状体濾過手段に液状体を流入させる流入口が濾過フィルターより下側に配設されている。これにより、濾過フィルターに捕らえられた異物が重力によって濾過フィルターから剥がれ易くすることができる。異物が濾過フィルターから剥がれることで、異物が濾過フィルターに付着して濾過フィルターの目詰まりが生ずることを抑制することができる。また、液状体濾過手段から液状体を流出させる流出口が濾過フィルターより上側に配設されている。これにより、気泡を流出口から排出し易くすることができる。気泡が排出されることによって、気泡が濾過フィルターに付いていることで、液状体の流動が妨げられることを抑制することができる。
【0047】
[適用例21]上記適用例にかかる液状体供給装置は、前記濾過フィルターの一次側における前記液状体の圧力を調整する液圧調整手段をさらに備えることが好ましい。
【0048】
この液状体供給装置によれば、液圧調整手段を用いて液状体や当該液状体におけるゲル状異物の特性に応じて濾過フィルターにかかる液圧を調整することによって、液状体が濾過フィルターを通過する流速を、ゲル状異物が濾過フィルターを透過する可能性が小さく、吐出ヘッドからの液状体の吐出量を充分送出可能な、適切な流速に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図。
【図2】(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図。(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図。(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図。
【図3】機能液供給部の構成を示す模式図。
【図4】(a)は、液晶表示パネルについて、各構成要素とともに対向基板側から見た平面図。(b)は、(a)にA−Aで示した断面における断面形状を示す概略断面図。
【図5】(a)は、マザー対向基板として形成される対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図。
【図6】3色カラーフィルターの色要素膜の配列例を示す模式平面図。
【図7】(a)は、第一フィルターを通過する流速と濾過結果との関係を示す図。(b)は、第一フィルターの濾過精度と濾過結果との関係を示す図。
【図8】中継タンクの上流と下流とにおける異物の数の測定値を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、液滴吐出装置、液状体供給方法、及び液状体供給装置について、図面を参照して説明する。本実施形態は、デバイスの一例である液晶表示装置のカラーフィルターを製造する工程において、機能膜の一例である色要素膜を形成する工程で用いられる液滴吐出装置における機能液の供給装置及び供給方法を例に説明する。
【0051】
<液滴吐出法>
最初に、カラーフィルターなどの形成に用いられる液滴吐出法について説明する。液滴吐出法の吐出技術としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換方式、電気熱変換方式、静電吸引方式等が挙げられる。帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御して吐出ノズルから吐出させるものである。また、加圧振動方式は、材料に30kg/cm2程度の超高圧を印加して吐出ノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進して吐出ノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散して吐出ノズルから吐出されない。また、電気機械変換方式は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出して吐出ノズルから吐出させるものである。
【0052】
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒーターにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、吐出ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。液滴吐出法は、材料の使用に無駄が少なく、しかも所望の位置に所望の量の材料を的確に配置できるという利点を有する。このうち、ピエゾ方式は、液状材料に熱を加えないため、材料の組成等に影響を与えないなどの利点を有する。本実施形態では、液状材料選択の自由度の高さ、及び液滴の制御性の良さの点から上記ピエゾ方式を用いる。
【0053】
<液滴吐出装置>
次に、機能液供給部4(図3参照)を用いて液滴吐出ヘッド20(図2参照)に機能液40(図3参照)を供給する液滴吐出装置1について説明する。最初に、液滴吐出装置1の構成の全般について、図1を参照して説明する。図1は、液滴吐出装置の概略構成を示す外観斜視図である。機能液供給部4が、液状体供給手段、又は液状体供給装置に相当する。機能液40が、液状体に相当する。
【0054】
図1に示すように、液滴吐出装置1は、機能液40を液滴として吐出するインクジェット方式の液滴吐出ヘッド20を有するヘッド機構部2と、液滴吐出ヘッド20から吐出された液滴の吐出対象であるワークWを載置するワーク載置台33を有するワーク機構部3と、液滴吐出ヘッド20への機能液40の供給を行う機能液供給部4と、液滴吐出ヘッド20の保守を行うメンテナンス装置部5と、を備えている。また、これら各機構部等を総括的に制御する吐出装置制御部6を備えている。さらに、液滴吐出装置1は、床上に設置された複数の支持脚8と、支持脚8の上側に設置された定盤9とを備えている。液滴吐出ヘッド20が、吐出ヘッドに相当する。
【0055】
定盤9の上面には、ワーク機構部3が配設されている。ワーク機構部3は、定盤9の長手方向(X軸方向)に延在している。ワーク機構部3の上方には、定盤9に固定された2本の支持柱で支持されているヘッド機構部2が、配設されている。ヘッド機構部2は、ワーク機構部3と略直交する方向(Y軸方向)に延在している。定盤9の傍らには、ヘッド機構部2の液滴吐出ヘッド20に連通する供給管を有する機能液供給部4の機能液タンク41などが配置されている。ヘッド機構部2の一方の支持柱の近傍には、メンテナンス装置部5がワーク機構部3と並んでX軸方向に延在して配設されている。さらに、定盤9の下側に、吐出装置制御部6が収容されている。
【0056】
ヘッド機構部2は、液滴吐出ヘッド20を有するヘッドユニット21と、ヘッドユニット21を支持するヘッドキャリッジ22と、ヘッドキャリッジ22をY軸方向に移動させるY軸走査機構28と有し、ヘッドキャリッジ22をY軸方向に移動させることで、液滴吐出ヘッド20をY軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。ヘッドキャリッジ22の上面には、機能液供給部4の中継タンク43が固定されている。
ワーク機構部3は、ワーク載置台33と、ワーク載置台33をX軸方向に移動させるX軸走査機構38と有し、ワーク載置台33をX軸方向に移動させることで、ワーク載置台33に載置されたワークWを、X軸方向に自在に移動させる。また、移動した位置に保持する。
ヘッドキャリッジ22がヘッド保持手段に相当する。Y軸走査機構28とX軸走査機構38とが、相対移動手段に相当する。
【0057】
液滴吐出ヘッド20を、Y軸方向の吐出位置まで移動させて停止させ、下方にあるワークWのX軸方向の移動に同調させて、機能液40を液滴として吐出させる。X軸方向に移動させるワークWと、Y軸方向に移動させる液滴吐出ヘッド20とを相対的に制御することにより、ワークW上の任意の位置に液滴を着弾させることで、所望する描画などを行うことが可能である。
【0058】
<液滴吐出ヘッド>
次に、液滴吐出ヘッド20について、図2を参照して説明する。図2は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す図である。図2(a)は、液滴吐出ヘッドの概略構成を示す外観斜視図であり、図2(b)は、液滴吐出ヘッドの構造を示す斜視断面図であり、図2(c)は、液滴吐出ヘッドの吐出ノズルの部分の構造を示す断面図である。
【0059】
図2(a)に示したように、液滴吐出ヘッド20は、接続針26aを2個有する液体導入部26と、液体導入部26に連なるポンプ部27と、ポンプ部27に連なるノズル基板25と、を備えている。液体導入部26のそれぞれの接続針26aには、それぞれ配管接続部材96(図3参照)が接続されて、当該配管接続部材96を介して機能液供給部4の供給管46(図3参照)が接続され、供給管46(機能液供給部4)から機能液40が供給される。
【0060】
ノズル基板25には、多数の吐出ノズル24が略一直線状に並んだノズル列24Aが2列形成されている。吐出ノズル24から液状体を液滴として吐出し、対向する位置にあるワークWなどに着弾させることで、当該位置に液状体を配置する。ノズル列24Aは、液滴吐出ヘッド20が液滴吐出装置1に装着された状態で、図1に示したY軸方向に延在している。ノズル列24Aにおいて吐出ノズル24は等間隔のノズルピッチで並んでおり、2列のノズル列24A間で、吐出ノズル24の位置がY軸方向に半ノズルピッチずれている。したがって、液滴吐出ヘッド20としては、Y軸方向に半ノズルピッチ間隔で液状体の液滴を配置することができる。
【0061】
図2(b)及び(c)に示すように、液滴吐出ヘッド20は、ノズル基板25にポンプ部27を構成する圧力室プレート51が積層されており、圧力室プレート51に振動板52が積層されている。
圧力室プレート51には、液体導入部26から振動板52の液供給孔53を経由して供給される機能液40が常に充填される液たまり55が形成されている。液たまり55は、振動板52と、ノズル基板25と、圧力室プレート51の壁とに囲まれた空間である。また、圧力室プレート51には、複数のヘッド隔壁57によって区切られた圧力室58が形成されている。振動板52と、ノズル基板25と、2個のヘッド隔壁57とによって囲まれた空間が圧力室58である。
【0062】
圧力室58は吐出ノズル24のそれぞれに対応して設けられており、圧力室58の数と吐出ノズル24の数とは同じである。圧力室58には、2個のヘッド隔壁57の間に位置する供給口56を介して、液たまり55から機能液40が供給される。ヘッド隔壁57と圧力室58と吐出ノズル24と供給口56との組は、液たまり55に沿って1列に並んでおり、1列に並んだ吐出ノズル24がノズル列24Aを形成している。図2(b)では図示省略したが、図示した吐出ノズル24を含むノズル列24Aに対して液たまり55に関して略対称位置に、1列に並んで配設された吐出ノズル24がもう1列のノズル列24Aを形成しており、対応するヘッド隔壁57と圧力室58と供給口56との組が、1列に並んでいる。
【0063】
振動板52の圧力室58を構成する部分には、それぞれ圧電素子59の一端が固定されている。圧電素子59の他端は、固定板(図示省略)を介して液滴吐出ヘッド20全体を支持する基台(図示省略)に固定されている。
圧電素子59は電極層と圧電材料とを積層した活性部を有し、電極層に駆動電圧を印加することで、活性部が長手方向(図2(b)又は(c)における振動板52の厚さ方向)に縮む。活性部が縮むことで、圧電素子59の一端が固定された振動板52が圧力室58と反対側に引張られる力を受ける。振動板52が圧力室58と反対側に引張られることで、振動板52が圧力室58の反対側に撓む。これにより、圧力室58の容積が増加することから、機能液40が液たまり55から供給口56を経て圧力室58に供給される。次に、電極層に印加されていた駆動電圧が解除されると、活性部が元の長さに戻ることで、圧電素子59が振動板52を押圧する。振動板52が押圧されることで、圧力室58側に戻る。これにより、圧力室58の容積が急激に元に戻る、すなわち増加していた容積が減少することから、圧力室58内に充填されていた機能液40に圧力が加わり、当該圧力室58に連通して形成された吐出ノズル24から機能液40が液滴となって吐出される。
【0064】
<機能液供給部>
次に、機能液供給部4の構成について、図3を参照してより詳細に説明する。図3は、機能液供給部の構成を示す模式図である。図3に示すように、機能液供給部4は、機能液タンク41と、サブタンク42と、中継タンク43と、第一濾過器70と第二濾過器80と、圧力調整弁90と、配管接続部材96と、これらのタンクなどの間及び液滴吐出ヘッド20を連通して機能液40を機能液タンク41から液滴吐出ヘッド20へ供給する供給管46と、を備えている。また、圧力付与装置60と、機能液タンク圧力管64と、サブタンク圧力管65とを備えている。
【0065】
圧力付与装置60は、図3に点線で示したように吐出装置制御部6と電気的に接続されている。機能液40は、機能液タンク41から供給管461(供給管46)を介してサブタンク42へ至り、サブタンク42から供給管462(供給管46)を介して中継タンク43に至る。さらに、中継タンク43から供給管463(供給管46)を経由して第一濾過器70に至り、第一濾過器70から供給管464(供給管46)を経由して第二濾過器80に至り、第二濾過器80から供給管465(供給管46)を経由して圧力調整弁90に至り、圧力調整弁90から供給管466(供給管46)を経由して液滴吐出ヘッド20に供給される。
【0066】
機能液タンク41は液滴吐出ヘッド20に機能液40を供給するための供給元であって、機能液40を貯留する貯留部41aと貯留栓41bとを有している。貯留栓41bは、貯留部41aの開口に嵌合自在であって、嵌合することで、貯留部41aの内部を外部と遮断する。貯留栓41bには、圧力付与装置60に結合されている機能液タンク圧力管64の一端と、サブタンク42に連通する供給管461の一端とが固定されている。貯留栓41bが貯留部41aの開口に嵌合することで、機能液タンク圧力管64の一端と、供給管461の一端とが貯留部41aに結合される。圧力付与装置60が機能液タンク圧力管64を介して貯留部41aの内部の圧力を調整することで、供給管461を介して、機能液40をサブタンク42へ送出する。機能液タンク41への機能液40の補充や新たな機能液40の充填は、貯留部41aに機能液40を直接補充又は充填することで実行してもよいし、貯留部41aを機能液40が充填された別の貯留部41aと交換することで実行してもよい。
【0067】
サブタンク42は、サブタンク圧力管65を介して圧力付与装置60と結合されており、機能液タンク41に連通する供給管461の一端と、一端が中継タンク43に結合された供給管462の一端とが結合されている。サブタンク42は、圧力付与装置60により、内部の圧力が制御されており、液滴吐出ヘッド20の駆動に応じて機能液40を中継タンク43に供給する。サブタンク42内に機能液40が存在する状態であれば、機能液タンク41がなくても機能液40を中継タンク43に供給することが可能であり、液滴吐出ヘッド20への機能液40の供給を継続すると共に機能液タンク41を外したり交換したりすることが可能である。
【0068】
なお、サブタンク42は、貯留する機能液40の液面上にステンレスなどの金属板、フッ素系樹脂などのいわゆる落し蓋を設置し、液面と大気とが直接接触する面積を減らすように構成することが好ましい。また、機能液タンク41においても、サブタンク42と同様のタンク構成として、サブタンク42に機能液40を供給する前に、機能液タンク41での機能液40と大気との接触を防止することが好ましい。これにより、機能液40への気泡の混入、機能液40の変質を抑制することが可能である。
【0069】
サブタンク42から送出された機能液40は、供給管462を介して中継タンク43に至り、中継タンク43に一時貯留される。中継タンク43に一時貯留されている機能液40の液位を所定の位置に維持することで、当該液位と吐出ノズル24との水頭差を適切な値に維持して、吐出ノズル24における機能液40の液圧を適切な値に維持する。液滴吐出ヘッド20における機能液40の吐出量に応じて、サブタンク42から中継タンク43に、中継タンク43から液滴吐出ヘッド20に供給された量と略同量の機能液40を供給することで、中継タンク43に貯留されている機能液40の液位を所定の位置に維持する。吐出ノズル24における機能液40の液圧を適切な値に維持することで、吐出ノズル24からの機能液40の液だれが抑制されると共に、機能液40の吐出量が設計上意図したものとなる。中継タンク43が、水頭圧力タンク又は液状体を貯留する貯留部に相当する。本実施形態では省略したが、機能液40に、上述したように気泡が混入したり、大気が溶解したりすることによって吐出特性が損なわれる場合には、混入した気泡や溶解した気体を抜くための脱気装置が用いられる。脱気装置は、サブタンク42と中継タンク43との間に配設することが好ましい。
【0070】
吐出ノズル24における機能液40の液圧の適切な値は、機能液40の粘性などの特性によって異なる値となる。吐出ノズル24における機能液40の液圧の適切な値に対応する中継タンク43に貯留されている機能液40の液位も異なる液位となる。したがって、中継タンク43における機能液40の液位は、機能液40の特性に応じて適宜設定することが好ましい。設定された中継タンク43における機能液40の液位を維持するように、圧力付与装置60を駆動して、サブタンク42から中継タンク43に機能液40を供給する。
【0071】
中継タンク43から送出された機能液40は、供給管463を介して第一濾過器70に送られる。
第一濾過器70は、濾過タンク71と、第一フィルター74とを備えている。濾過タンク71は、略円柱形状の外形を有し、中に略円柱形状の空間である濾過流路78が形成されている。第一濾過器70は、濾過タンク71が上述したヘッドキャリッジ22に固定されることで、ヘッドキャリッジ22に保持されている。
濾過タンク71がヘッドキャリッジ22に固定された状態で、濾過タンク71の重力加速度方向の下側には、濾過流路78から濾過タンク71の外部に連通する流入口76が形成されている。濾過タンク71がヘッドキャリッジ22に固定された状態で、濾過タンク71の重力加速度方向の上側には、濾過流路78から濾過タンク71の外部に連通する流出口77が形成されている。流入口76は、濾過タンク71に接続された供給管463の流路と連通している。流出口77は、濾過タンク71に接続された供給管464の流路と連通している。
【0072】
第一フィルター74は、濾過材73と保持部材72とを備えている。第一フィルター74は、例えば濾過材73が略円筒形状を有するカプセル型フィルターである。第一フィルター74を構成する濾過材73は、蛇腹状に折られた濾過材素材を折れ線の方向が円筒の軸方向となるように略円筒形状にした、いわゆるプリーツ加工をしたものである。濾過材73は、略円筒形状の内径に勘合した保持部材72の保持部72aによって略円筒形状が維持されている。円筒形状の一端は、保持部材72の端板72bによって覆われて、塞がれている。円筒形状のもう一端は、保持部材72の端板72cによって覆われており、濾過材73の端面が中心に穴が形成された略円板形状を有する端板72cによって塞がれると共に、濾過材73の円筒の穴は、端板72cの穴に連通している濾過材73は、端板72cの穴が流出口77に連通する状態で、濾過タンク71に固定されている。これにより、濾過タンク71の濾過流路78は、第一フィルター74によって2つの部分に分けられている。二分された濾過流路78の流入口76と連通する側を、一次側流路78aと表記し、流出口77と連通する側を、二次側流路78bと表記する。
流入口76から流入した機能液40は、一次側流路78aから濾過材73を透過してのみ、二次側流路78bに流入可能であり、濾過材73を透過することで濾過される。濾過された機能液40は、流出口77から送出される。
第一濾過器70が、濾過手段に相当する。第一フィルター74が、濾過フィルターに相当する。
第一フィルター74は、濾過タンク71に固定されており、濾過タンク71が上述したヘッドキャリッジ22に固定されることで、ヘッドキャリッジ22と一体に移動可能である。
【0073】
流出口77から送出された機能液40は、流出口77が連通する供給管464を通って、供給管464のもう一端が接続された第二濾過器80に送られる。
第二濾過器80は、濾過タンク81と、第二フィルター84とを備えている。濾過タンク81は、略円柱形状の外形を有し、中に略円柱形状の空間である濾過流路88が形成されている。第二濾過器80は、濾過タンク81が上述したヘッドキャリッジ22に固定されることで、ヘッドキャリッジ22に保持されている。濾過タンク81がヘッドキャリッジ22に固定された状態で、濾過タンク81の重力加速度方向の下側には、濾過流路88から濾過タンク81の外部に連通する流入口86が形成されている。濾過タンク81がヘッドキャリッジ22に固定された状態で、濾過タンク81の重力加速度方向の上側には、濾過流路88から濾過タンク81の外部に連通する流出口87が形成されている。流入口86は、濾過タンク81に接続された供給管464の流路と連通している。流出口87は、圧力調整弁90に接続された供給管465の流路と連通している。
【0074】
第二フィルター84は、例えば、濾過材が略円板形状を有するディスク型フィルターである。第二フィルター84は、略円板形状の外周が図示省略した保持部材を介して、略円柱形状の空間を形成する濾過タンク81の内壁に固定されている。これにより、濾過タンク81の濾過流路88は、第二フィルター84によって2つの部分に分けられている。二分された濾過流路88の流入口86と連通する側を、一次側流路88aと表記し、流出口87と連通する側を、二次側流路88bと表記する。
流入口86から流入した機能液40は、一次側流路88aから第二フィルター84を透過してのみ、二次側流路88bに流入可能であり、第二フィルター84を透過することで濾過される。濾過された機能液40は、流出口87から送出される。
【0075】
流出口87から送出された機能液40は、流出口87が連通する供給管465を通って、供給管465のもう一端が接続された圧力調整弁90に送られる。図3では図示省略したが、供給管465は途中で分岐しており、1個の濾過タンク81に対して、供給管465を介して、複数の圧力調整弁90が接続されている。圧力調整弁90には、供給管466及び配管接続部材96を介して液滴吐出ヘッド20の接続針26aが接続されている。
供給管463と、供給管464と、供給管465とが、供給路に相当する。
【0076】
圧力調整弁90は、例えば大気圧を利用して、流入した機能液40の液圧を一定の液圧に調整して出力するため、液滴吐出ヘッド20に供給される機能液40の液圧が一定の液圧に調整される。
圧力調整弁90は、ユニットプレート94に立設された調整弁支持枠91に固定されて、ヘッドユニット21を構成するユニットプレート94に固定されている。ユニットプレート94には、ヘッド保持部材92を介して液滴吐出ヘッド20が固定されている。ユニットプレート94がヘッドキャリッジ22に保持されることによって、ヘッドユニット21がヘッドキャリッジ22に保持されている。
圧力調整弁90が、圧力制御手段に相当する。
【0077】
圧力調整弁90から送出された機能液40は、供給管466及び配管接続部材96を介して、接続針26aから液滴吐出ヘッド20に供給される。
【0078】
機能液40は、機能液タンク41からサブタンク42に送出され、圧力付与装置60によって圧力が加えられ、サブタンク42から中継タンク43に圧送され、中継タンク43に一時貯留される。中継タンク43から液滴吐出ヘッド20へは、中継タンク43における機能液40の液位と液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24の位置とのいわゆる水頭差によって、機能液40が送られる。機能液40は、第一濾過器70及び第二濾過器80を通過することで、異物が除去される。圧力調整弁90において、機能液40の液圧が一定の液圧に調整されることで、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24の位置における機能液40の液圧が適切な液圧に調整される。
【0079】
<液晶表示パネルの構成>
次に、上述した液滴吐出装置1を用いて機能液40のような機能液を配置して製造されるデバイスの一例である液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの対向基板(カラーフィルター基板)について説明する。最初に、液晶表示パネルについて説明する。図4は、液晶表示パネルの構造を示す概略図である。図4(a)は、液晶表示パネルについて、各構成要素とともに対向基板側から見た平面図であり、図4(b)は、図4(a)にA−Aで示した断面における断面形状を示す概略断面図である。
【0080】
図4(a)及び(b)に示すように、液晶表示パネル110は、素子基板101と、対向基板102と、シール材104によって接着された素子基板101と対向基板102との隙間に充填された液晶108とを備えている。素子基板101は、TFT(Thin Film Transistor)素子103及び画素電極106bを有しており、対向基板102は、対向電極106a及びカラーフィルター105を有している。素子基板101は対向基板102より一回り大きく額縁状に張り出した状態となっている。
【0081】
素子基板101は、厚さおよそ1.2mmの石英ガラス基板を用いており、その表面には画素を構成する画素電極106bと、画素電極106bに接続されたTFT素子103が形成されている。対向基板102は、厚みがおよそ1.0mmの透明な石英ガラスからなるガラス基板102aを用いており、共通電極としての対向電極106aが設けられている。また、対向基板102には、画素電極106bと対向する位置に色要素膜115(図6参照)が形成されたカラーフィルター105が設けられている。色要素膜115は、有色透明な膜であって、カラーフィルター105において、透過する光の色を変えるフィルター膜である。
【0082】
<マザー対向基板>
次に、マザー対向基板102Aについて、図5を参照して説明する。図5は、マザー対向基板の構造を模式的に示す平面図である。図5(a)は、マザー対向基板として形成される対向基板の平面構造を模式的に示す平面図であり、図5(b)は、マザー対向基板の平面構造を模式的に示す平面図である。
対向基板102は、分割されてガラス基板102aとなるマザー対向基板102Aの上に上述したカラーフィルター105などを形成した後、マザー対向基板102Aを個別の対向基板102(ガラス基板102a)に分割して形成される。なお、本実施形態においては、マザー対向基板102Aの上にカラーフィルター105などを形成したものや、カラーフィルター105などを形成する途中の状態のものも、マザー対向基板102Aと表記する。
【0083】
図5(a)に示すように、対向基板102は、ガラス基板102aの周囲の僅かな額縁領域を除く部分に、カラーフィルター105が形成されている。カラーフィルター105は、方形状のガラス基板102aの表面に複数の色要素膜領域112をドットパターン状、本実施形態ではドット・マトリクス状に形成し、当該色要素膜領域112に色要素膜115を形成することによって形成されている。
【0084】
図5(b)に示すように、マザー対向基板102Aには、対向基板102のカラーフィルター105が、分割されてガラス基板102aとなる部分のそれぞれに形成されている。
【0085】
<カラーフィルター>
次に、対向基板102に形成されているカラーフィルター105及びカラーフィルター105における色要素膜115(赤色色要素膜115R、緑色色要素膜115G、及び青色色要素膜115B)の配列について、図6を参照して説明する。図6は、3色カラーフィルターの色要素膜の配列例を示す模式平面図である。
【0086】
図6に示すように、色要素膜115は、透光性のない樹脂材料によって格子状のパターンに形成された隔壁116によって区画されてドット・マトリクス状に並んだ複数の例えば方形状の色要素膜領域112を色材で埋めることによって形成される。例えば、色要素膜115を構成する色材を含む機能液を色要素膜領域112に充填し、当該機能液の溶媒を蒸発させて機能液を固化させることで、色要素膜領域112を埋める膜状の色要素膜115を形成する。
【0087】
3色カラーフィルターにおける赤色色要素膜115R、緑色色要素膜115G、及び青色色要素膜115Bの配列としては、例えば、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列などが知られている。ストライプ配列は、図6(a)に示したように、マトリクスの縦列が全て同色の赤色色要素膜115R、緑色色要素膜115G、又は青色色要素膜115Bになる配列である。モザイク配列は、図6(b)に示したように、横方向の各行ごとに色要素膜115を1個分だけ色をずらした配列で、3色フィルターの場合、縦横の直線上に並んだ任意の3つの色要素膜115が3色となる配列である。デルタ配列は、図6(c)に示したように、色要素膜115の配置を段違いにし、3色フィルターの場合、任意の隣接する3つの色要素膜115が異なる色となる配色である。
【0088】
図6(a)、(b)、又は(c)に示した3色フィルターにおいて、色要素膜115は、それぞれが、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)のうちのいずれか1色の色材によって形成されている。隣り合って形成された赤色色要素膜115R、緑色色要素膜115G、及び青色色要素膜115Bを各1個ずつ含む色要素膜115の組で、画像を構成する最小単位である絵素のフィルター(以降、「絵素フィルター114」と表記する。)を形成している。1個の絵素フィルター114内の赤色色要素膜115R、緑色色要素膜115G、及び青色色要素膜115Bのいずれか1個又はそれらの組み合わせに光を選択的に通過させることにより、さらに、通過させる光の光量を調整することによりフルカラー表示を行う。
【0089】
正確な色調を実現するためには、複数の色要素膜115におけるそれぞれの膜厚のばらつきが小さいことが必要であり、それぞれの色要素膜115における膜厚の部分的な違いが小さいことが必要である。複数の色要素膜115におけるそれぞれの膜厚のばらつきを小さくするために、各色要素膜領域112に配置する機能液の量が正確であることが好ましい。それぞれの色要素膜115における膜厚の部分的な違いを小さくするために、それぞれの色要素膜領域112における機能液の配置位置(機能液の液滴の着弾位置)が正確であることが好ましい。
【0090】
<濾過特性>
次に、第一濾過器70と第二濾過器80とによる濾過特性について、図7を参照して説明する。図7は、第一濾過器及び第二濾過器による濾過結果を示す図である。図7(a)は、第一フィルターを通過する流速と濾過結果との関係を示す図であり、図7(b)は、第一フィルターの濾過精度と濾過結果との関係を示す図である。
【0091】
図7(a)は、赤色色要素膜115R、緑色色要素膜115G、又は青色色要素膜115Bを形成するために液滴吐出装置1を用いて配置する機能液40である赤色用機能液、緑色用機能液、又は青色用機能液が含んでいた異物の数を示している。第一濾過器70の第一フィルター74の濾過精度は5μmであり、第二濾過器80の第二フィルター84の濾過精度は3μmである。異物の数は機能液5mlあたりの数である。赤色用機能液、緑色用機能液、及び青色用機能液は、液滴吐出ヘッド20に供給される直前の位置で採取した。
【0092】
図7(a)に示すように、赤色用機能液は、第一濾過器70及び第二濾過器80がない状態では、60個の異物が存在し、流速0.05(mL/min・cm2)では異物は存在せず、流速0.5(mL/min・cm2)では1個の異物が残存し、流速1.0(mL/min・cm2)では3個の異物が残存し、流速2.0(mL/min・cm2)では12個の異物が残存していた。すなわち、流速1.0(mL/min・cm2)以下では、95%以上の異物が除去されている。
緑色用機能液は、第一濾過器70及び第二濾過器80がない状態では、120個の異物が存在し、流速0.05(mL/min・cm2)では3個の異物が残存し、流速0.5(mL/min・cm2)では5個の異物が残存し、流速1.0(mL/min・cm2)では8個の異物が残存し、流速2.0(mL/min・cm2)では60個の異物が残存していた。すなわち、流速1.0(mL/min・cm2)以下では、93%以上の異物が除去されている。
青色用機能液は、第一濾過器70及び第二濾過器80がない状態では、90個の異物が存在し、流速0.05(mL/min・cm2)では2個の異物が残存し、流速0.5(mL/min・cm2)では3個の異物が残存し、流速1.0(mL/min・cm2)では4個の異物が残存し、流速2.0(mL/min・cm2)では20個の異物が残存していた。すなわち、流速1.0(mL/min・cm2)以下では、95%以上の異物が除去されている。
【0093】
第一濾過器70及び第二濾過器80を用いることで、機能液を濾過して異物の多くを除去することができる。流速1.0(mL/min・cm2)以下では、残存する異物の数が数個以下であり、充分な異物除去効果が認められる。
本実施形態の液滴吐出装置1において第一フィルター74及び第二フィルター84を通過する機能液の速度が最大になるのは、液滴吐出ヘッド20の保守のために機能液を流動させる場合であり、この場合の流速は0.8(mL/min・cm2)程度である。したがって、この場合も流速は1.0(mL/min・cm2)以下であり、第一フィルター74及び第二フィルター84を用いることで、充分な異物除去効果を得ることが可能である。
【0094】
なお、第一フィルター74における機能液40が通過する部分の断面積にくらべて、第二フィルター84における機能液40が通過する部分の断面積が小さいため、第二フィルター84を通過する機能液40の速度は、図7(a)に示した第一フィルター74を通過する機能液40の速度より大きい。このため、ゲル状異物の濾過については、第二フィルター84の寄与は小さいと考えられる。第一フィルター74によって、ゲル状異物及び大きさが5μm以上の固形異物が捕捉され、第二フィルター84によって、大きさが5μm未満で第一フィルター74によって捕捉されなかった大きさが3μm以上の固形異物、及び第一フィルター74から脱落した固形異物が捕捉されている。
【0095】
図7(b)は、第一フィルター74及び第二フィルター84の濾過精度ごとの緑色用機能液が含んでいた異物の数を示している。第一濾過器70の第一フィルター74の濾過精度は0.5から15μmであり、第二濾過器80の第二フィルター84の濾過精度も0.5から15μmである。異物の数は機能液5mlあたりの数である。緑色用機能液は、液滴吐出ヘッド20に供給される直前の位置で採取した。濾過精度が0.5μm未満のフィルターを用いると、機能液の通液に支障をきたす場合があるため、濾過精度の最小値を0.5μmとした。第一フィルター74を透過する緑色用機能液の流速は、1.0(mL/min・cm2)である。
【0096】
図7(b)に示すように、第一濾過器70及び第二濾過器80がない状態では、120個の異物が存在していた。
第一フィルター74の濾過精度が0.5μm、第二フィルター84の濾過精度が0.5μmの場合、2個の異物が残存していた。第一フィルター74の濾過精度が3μm、第二フィルター84の濾過精度が1μmの場合、4個の異物が残存し、濾過精度が5μmと3μmとの場合、8個の異物が残存し、濾過精度が10mと5μmとの場合、15個の異物が残存した。第一フィルター74の濾過精度が15μm、第二フィルター84の濾過精度も15μmの場合、70個の異物が残存していた。
第一フィルター74の濾過精度が5μm以下の場合には、93%以上の異物が除去されている。第一フィルター74の濾過精度が10μmの場合には、約88%の異物が除去されている。濾過精度が15μmの場合には、除去できた異物の割合が、約42%に減少している。
【0097】
<異物数の変化>
次に、異物の変化(増加)が確認された例について、図8を参照して説明する。図8は、中継タンクの上流と下流とにおける異物の数の測定値を示す図である。図8は、赤色用機能液、緑色用機能液、又は青色用機能液が含んでいた異物の数を示している。異物の数は機能液5mlあたりの数である。「中継タンク上流」は、赤色用機能液、緑色用機能液、又は青色用機能液が中継タンク43に流入する前に供給管462から抜き取られた機能液40であることを示しており、「中継タンク下流」は、赤色用機能液、緑色用機能液、又は青色用機能液が中継タンク43から送出された後に供給管463から抜き取られた機能液40であることを示している。
図8に示すように、赤色用機能液における異物の数は、中継タンク43の上流における15個から、下流では60個に増加している。同様に、緑色用機能液における異物の数は、80個から120個に、青色用機能液における異物の数は、30個から90個に、それぞれ増加している。増加した異物は、ほとんどがゲル状異物である。
【0098】
以下、実施形態による効果を記載する。本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)機能液供給部4は、第一濾過器70と第二濾過器80とを備えている。第一濾過器70と第二濾過器80とで液滴吐出ヘッド20に供給される機能液40を濾過することによって、濾過を実施する前の機能液40に含まれる異物の数に対して、液滴吐出ヘッド20に到達する異物の数を減少させることができる。
【0099】
(2)機能液40は、機能液タンク41からサブタンク42に送出され、圧力付与装置60によって圧力が加えられ、サブタンク42から中継タンク43に圧送される。圧送することで、機能液タンク41に対して移動して位置が変動する中継タンク43に確実に機能液40を送ることができる。また、中継タンク43における機能液40の減少具合に応じて任意の量を送出して、中継タンク43における液位を調整することができる。中継タンク43における液位を調整することによって、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24の位置における機能液40の液圧や、第一濾過器70又は第二濾過器80の第一フィルター74又は第二フィルター84を通過させるための圧力を調整することができる。
【0100】
(3)中継タンク43から液滴吐出ヘッド20へは、水頭差を利用して機能液40が送出される。液滴吐出ヘッド20から機能液40が吐出されると吐出ノズル24の位置における機能液40の液圧が減少し、中継タンク43における機能液40との水頭差が大きくなるため、中継タンク43から液滴吐出ヘッド20に機能液40が送出される。これにより、液滴吐出ヘッド20において機能液40を吐出することによって機能液40が減少することに即対応して、中継タンク43から液滴吐出ヘッド20に機能液40を送出することができる。
【0101】
(4)機能液供給部4は圧力調整弁90を備えている。圧力調整弁90を用いることで、液滴吐出ヘッド20の吐出ノズル24の位置における機能液40の液圧を確実に調整することができる。
【0102】
(5)第一濾過器70及び第二濾過器80は、圧力調整弁90の上流に配置されている。これにより、第一濾過器70及び第二濾過器80において生ずる圧力損失によって圧力調整弁90によって調整された液圧が変動することを抑制することができる。
【0103】
(6)第一濾過器70及び第二濾過器80は、中継タンク43の下流に配置されている。中継タンク43で増加する可能性がある異物を、第一濾過器70及び第二濾過器80で除去することができる。
第一濾過器70及び第二濾過器80が中継タンク43の上流に配置された場合には、第一濾過器70及び第二濾過器80で濾過されて異物の数が減少した機能液40が中継タンク43に貯留されている間に、異物の数が増加する可能性がある。第一濾過器70及び第二濾過器80を中継タンク43の下流に配置することで、当該可能性をなくすることができる。
【0104】
(7)第一濾過器70及び第二濾過器80は、中継タンク43の下流に配置されている。このため、機能液40は、第一濾過器70又は第二濾過器80の第一フィルター74及び第二フィルター84を、水頭差による圧力によって透過する。したがって、機能液40は、大きな圧力をかけられることなく、すなわち、流速が速くなることなく、第一フィルター74を透過する。これにより、機能液40が高速で第一フィルター74を透過することによってゲル状の異物が第一フィルター74を透過する可能性を小さくすることができる。
また、第一濾過器70及び第二濾過器80が中継タンク43の上流に配置される構成の場合には、中継タンク43に向けて圧送される機能液40が大きな圧力を受けて第一フィルター74を透過させられる可能性が高い。中継タンク43の下流に配置されることによって、中継タンク43に向けて圧送される機能液40が大きな圧力を受けて第一フィルター74を透過させられることを防止することができる。
【0105】
(8)第一濾過器70の下流に第二濾過器80が配設されている。これにより、第一フィルター74からの脱離物のような第一濾過器70において発生した異物が液滴吐出ヘッド20に到達することを抑制することができる。
【0106】
以上、添付図面を参照しながら好適な実施形態について説明したが、好適な実施形態は、前記実施形態に限らない。実施形態は、要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論であり、以下のように実施することもできる。
【0107】
(変形例1)前記実施形態においては、液滴吐出装置1の機能液供給部4は圧力調整弁90を備えており、圧力調整弁90によって吐出ノズル24における液圧を適切に維持していたが、液滴吐出装置又は液状体供給装置が圧力調整弁90のような圧力制御手段を備えることは必須ではない。例えば、中継タンク43における機能液40の液位を適切に保つことで、水頭差による吐出ノズル24における液圧を適切に維持するような構成であってもよい。
【0108】
(変形例2)前記実施形態においては、液滴吐出装置1の機能液供給部4は中継タンク43を備えており、中継タンク43における機能液40の液位を適切に保つことで、水頭差によって液滴吐出ヘッド20に機能液40を供給していた。また、第一フィルター74及び第二フィルター84を透過させるための機能液40の液圧や、吐出ノズル24における液圧を適切に維持していた。しかし、液滴吐出装置又は液状体供給装置が中継タンク43のような水頭圧力タンクを備えることは必須ではない。例えば、圧力付与装置60のような与圧手段を用いて液状体に適切な圧力を付与する構成であってもよい。圧力調整弁90のような圧力制御手段によって吐出ノズルにおける液圧を適切に維持する構成であってもよい。
【0109】
(変形例3)前記実施形態においては、液滴吐出装置1の機能液供給部4は第一濾過器70に加えて第二濾過器80を備えていたが、液滴吐出装置又は液状体供給装置が第二濾過器80の第二フィルター84のような第二フィルターを備えることは必須ではない。液滴吐出装置又は液状体供給装置は1個の濾過フィルターを備える構成であってもよい。
【0110】
(変形例4)前記実施形態においては、第一フィルター74はカプセル型フィルターであり、第二フィルター84は、ディスク型フィルターであったが、液滴吐出装置又は液状体供給装置が備える濾過フィルターがカプセル型フィルターであることも、第二フィルターがディスク型フィルターであることも必須ではない。液滴吐出装置又は液状体供給装置が備える濾過フィルター及び第二フィルターは、カプセル型フィルターやディスク型フィルターなど、どのような形状のフィルターであってもよい。
【0111】
(変形例5)前記実施形態においては、第一フィルター74はカプセル型フィルターであり、プリーツ加工を施したフィルターであったが、カプセル型フィルターがプリーツ加工を施したフィルターであることは必須ではない。カプセル型フィルターは、例えば、デプスタイプのフィルターであってもよい。
【0112】
(変形例6)前記実施形態においては、中継タンク43はヘッドキャリッジ22の上面に固定されていたが、中継タンク43のような水頭圧力タンクが、ヘッドキャリッジ22のようなヘッド保持手段に固定されていることは必須ではない。水頭圧力タンクを、ヘッド保持手段に対して水頭圧力タンクを昇降可能に支持する支持装置を設け、当該支持装置によって、水頭圧力タンクを昇降可能に支持する構成であってもよい。水頭圧力タンクを昇降させることによって、ヘッド保持手段に固定されている吐出ヘッドや濾過フィルターや第二フィルターに対する水頭圧力タンクの高さを変えることで、吐出ヘッドの液滴吐出ノズルにおける液状体の液圧を調整したり、濾過フィルターや第二フィルターの一次側の液圧を調整したりすることができる。この場合の水頭圧力タンクを昇降可能に支持する支持装置が、液圧調整手段に相当する。
【0113】
(変形例7)前記実施形態においては、X軸走査機構38によってワーク載置台33をX軸方向に移動させることでワークWをX軸方向に移動し、Y軸走査機構28によって液滴吐出ヘッド20をY軸方向に移動することで、ワークWと液滴吐出ヘッド20とを平面方向において相対移動させていた。描画対象物と吐出ヘッドとを相対移動させるために描画対象物と吐出ヘッドの両方を移動させることは必須ではない。描画対象物と吐出ヘッドのいずれか一方を平面方向に移動させることで、描画対象物と吐出ヘッドとを相対移動させる構成であってもよい。
【0114】
(変形例8)前記実施形態においては、第一フィルター74、及び第二フィルター84を備える機能液供給部4が供給する機能液は、カラーフィルターを構成する色要素膜を形成するための機能液であった。しかし、前記実施形態において説明した液滴吐出装置1や機能液供給部4のような液滴吐出装置や液状体供給装置において異物の濾過を好適に実施することができる液状体は、カラーフィルターを構成する色要素膜を形成するための機能液に限らない。液状体は、液滴として吐出可能な液状体であればどのような液状体であっても、液状体を吐出ヘッドに供給する途中で、好適に異物を除去することができる。液状体に発生又は混入する異物にゲル状の異物が含まれるような液状体を扱う場合に特に有用である。
【符号の説明】
【0115】
1…液滴吐出装置、2…ヘッド機構部、3…ワーク機構部、4…機能液供給部、20…液滴吐出ヘッド、21…ヘッドユニット、22…ヘッドキャリッジ、24…吐出ノズル、24A…ノズル列、28…Y軸走査機構、33…ワーク載置台、38…X軸走査機構、40…機能液、41…機能液タンク、43…中継タンク、46…供給管、60…圧力付与装置、70…第一濾過器、71…濾過タンク、72…保持部材、73…濾過材、74…第一フィルター、76…流入口、77…流出口、78a…一次側流路、78b…二次側流路、80…第二濾過器、81…濾過タンク、84…第二フィルター、86…流入口、87…流出口、88a…一次側流路、88b…二次側流路、90…圧力調整弁、102…対向基板、102A…マザー対向基板、104…シール材、105…カラーフィルター、108…液晶、110…液晶表示パネル、112…色要素膜領域、115…色要素膜、115B…青色色要素膜、115G…緑色色要素膜、115R…赤色色要素膜、116…隔壁、461,462,463,464,465,466…供給管。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状体を液滴として吐出し、前記液滴を描画対象物上に着弾させることによって前記描画対象物上に前記液状体を配置する液滴吐出装置であって、
前記液滴を吐出する吐出ヘッドと、
前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、
前記ヘッド保持手段と前記描画対象物とを相対移動させる相対移動手段と、
前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する液状体供給手段と、を備え、
前記液状体供給手段は、前記吐出ヘッドに向けて前記液状体を流動させる供給路の途中に、前記ヘッド保持手段と一体に移動可能に配設された濾過フィルターを備える液状体濾過手段を備えることを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記濾過フィルターは、濾過精度が0.5μm以上、10μm以下であり、前記液状体が前記濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることを特徴とする、請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記液状体を貯留して、水頭差によって前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する水頭圧力タンクをさらに備え、
前記濾過フィルターは、前記供給路における前記水頭圧力タンクから前記吐出ヘッドに至る途中に配設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
前記液状体供給手段は、前記吐出ヘッドが備える液滴吐出ノズルにおける前記液状体の液圧を所定の値に維持する圧力制御手段をさらに備え、
前記濾過フィルターは、前記供給路における前記圧力制御手段の上流側に配設されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記液状体供給手段は、前記供給路における前記濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターをさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
前記液状体濾過手段は、前記液状体を流入させる流入口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより下側に配設されており、前記液状体を流出させる流出口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより上側に配設されていることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
【請求項7】
前記濾過フィルターの一次側における前記液状体の圧力を調整する液圧調整手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液滴吐出装置。
【請求項8】
液状体を液滴として吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段と描画対象物とを相対移動させる相対移動手段とを備え、前記液滴を吐出し、当該液滴を前記描画対象物上に着弾させることによって前記描画対象物上に前記液状体を配置する液滴吐出装置における、前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する液状体供給方法であって、
前記吐出ヘッドに向けて前記液状体が流動させられる前記液状体の供給路の途中に前記ヘッド保持手段と一体に移動可能配設された濾過フィルターによって前記液状体を濾過する液状体濾過工程を有することを特徴とする液状体供給方法。
【請求項9】
前記濾過フィルターは、濾過精度が0.5μm以上、10μm以下であり、前記液状体濾過工程において前記液状体が前記濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることを特徴とする、請求項8に記載の液状体供給方法。
【請求項10】
前記液状体を貯留する貯留部から水頭差によって前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する水頭差供給工程を含み、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記水頭差供給工程において前記液状体が流動する部分に配設されていることを特徴とする、請求項8又は9に記載の液状体供給方法。
【請求項11】
前記吐出ヘッドが備える液滴吐出ノズルにおける前記液状体の液圧を所定の値に維持する圧力制御手段によって液滴吐出ノズルにおける前記液状体の圧力を制御する圧力制御工程をさらに有し、前記濾過フィルターは、前記供給路における前記圧力制御手段の上流側に配設されていることを特徴とする、請求項8乃至10のいずれか一項に記載の液状体供給方法。
【請求項12】
前記供給路における前記濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターによって、前記液状体濾過工程において濾過された前記液状体を再度濾過する二次濾過工程をさらに有することを特徴とする、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の液状体供給方法。
【請求項13】
前記液状体濾過工程において、前記濾過フィルターを備える液状体濾過手段に、重力加速度方向において前記濾過フィルターの下側に配設されている流入口から前記液状体を流入させ、重力加速度方向において前記濾過フィルターの上側に配設されている流出口から前記液状体を流出させることを特徴とする、請求項8乃至12のいずれか一項に記載の液状体供給方法。
【請求項14】
前記濾過フィルターの一次側における前記液状体の圧力を調整する液圧調整工程をさらに有することを特徴とする、請求項8乃至13のいずれか一項に記載の液状体供給方法。
【請求項15】
液状体を液滴として吐出する吐出ヘッドと、前記吐出ヘッドを保持するヘッド保持手段と、前記ヘッド保持手段と描画対象物とを相対移動させる相対移動手段とを備え、前記液滴を吐出し、当該液滴を前記描画対象物上に着弾させることによって前記描画対象物上に前記液状体を配置する液滴吐出装置における、前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する液状体供給装置であって、
前記吐出ヘッドに向けて前記液状体を流動させる供給路の途中に、前記ヘッド保持手段と一体に移動可能に配設された濾過フィルターを備える液状体濾過手段を備えることを特徴とする液状体供給装置。
【請求項16】
前記濾過フィルターは、濾過精度が0.5μm以上、10μm以下であり、前記液状体が前記濾過フィルターを通過する流速が0.05(mL/min・cm2)以上、1.0(mL/min・cm2)以下であることを特徴とする、請求項15に記載の液状体供給装置。
【請求項17】
前記液状体を貯留して、水頭差によって前記吐出ヘッドに前記液状体を供給する水頭圧力タンクをさらに備え、
前記濾過フィルターは、前記供給路における前記水頭圧力タンクから前記吐出ヘッドに至る途中に配設されていることを特徴とする、請求項15又は16に記載の液状体供給装置。
【請求項18】
前記吐出ヘッドが備える液滴吐出ノズルにおける前記液状体の液圧を所定の値に維持する圧力制御手段をさらに備え、
前記濾過フィルターは、前記供給路における前記圧力制御手段の上流側に配設されていることを特徴とする、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の液状体供給装置。
【請求項19】
前記供給路における前記濾過フィルターの下流側に配設されている第二フィルターをさらに備えることを特徴とする、請求項15乃至18のいずれか一項に記載の液状体供給装置。
【請求項20】
前記液状体濾過手段は、前記液状体を流入させる流入口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより下側に配設されており、前記液状体を流出させる流出口が重力加速度方向において前記濾過フィルターより上側に配設されていることを特徴とする、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の液状体供給装置。
【請求項21】
前記濾過フィルターの一次側における前記液状体の圧力を調整する液圧調整手段をさらに備えることを特徴とする、請求項15乃至20のいずれか一項に記載の液状体供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−218315(P2011−218315A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92040(P2010−92040)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】