説明

温度情報出力装置の温度情報出力方法

【課題】温度情報出力装置の面積を増やさなくとも動作可能な温度範囲を増やすことができる、温度情報出力装置の温度情報出力方法を提供する。
【解決手段】温度を感知し、当該温度に対応する第1の電圧VTEMPを出力するステップと、第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較するステップと、この比較結果に基づいて、デジタルコードDIGITAL_CODEを加減するステップと、デジタルコードDIGITAL_CODEによって変化する第2の電圧DACOUTを生成するステップとを含み、デジタルコードDIGITAL_CODEによって変化する第2の電圧DACOUTの変化幅が温度区間別に異なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度情報出力装置(On Die Thermal Sensor)及び温度情報出力装置の温度情報出力方法、これを備えるメモリ装置に関し、より詳しくは、温度情報出力装置の温度感知領域を増やすためのものに関する。
【背景技術】
【0002】
温度情報出力装置ODTSは、様々な半導体装置などにおいて、温度を測定するために使用されるが、温度情報出力装置が半導体装置の1つであるメモリ装置DRAMにどのように応用されているのかを説明する。
【0003】
メモリ装置のセルは、スイッチの役割を果たすトランジスタと、電荷(データ)を格納するキャパシタとから構成されている。メモリセル内のキャパシタに電荷があるか否かによって、すなわち、キャパシタの端子電圧が高いか否かによってデータの「ハイ(論理1)」又は「ロー(論理0)」に区分される。
【0004】
データの保管は、キャパシタに電荷が蓄積された形になっているため、原理的には電力の消費がない。しかし、MOSトランジスタのPN結合などによる漏れ電流があり、格納された初期の電荷量が消滅するため、データが消失し得る。これを防止するために、データを失う前にメモリセル内のデータを読み出し、その読み出した情報に合せて更に正常な電荷量を再充電しなければならない。
【0005】
この動作を周期的に繰り返してこそデータの記憶が維持される。このようなセル電荷の再充電過程をリフレッシュ動作と呼び、このようなリフレッシュ動作の必要に応じて、メモリ装置ではリフレッシュ電力が消費される。より低電力が要求されるバッテリー稼動システム(battery operated system)において、電力の消費を低減することは極めて重要、かつ、重大な問題である。
【0006】
リフレッシュに必要な電力の消費を低減するための試みの1つが、リフレッシュ周期を温度に応じて変化させることである。メモリ装置におけるデータ保有タイムは、温度が低くなるほど長くなる。したがって、温度領域をいくつかの領域に分割し、低い温度領域ではリフレッシュクロックの周波数を相対的に下げれば、電力の消費は低減するに違いない。したがって、メモリ装置内部の温度を正確に感知し、その感知した温度の情報を出力できる装置が必要となる。
【0007】
図1は、従来の温度情報出力装置の概念を説明するためのブロック図である。
【0008】
同図に示すように、従来の温度情報出力装置は、大別して、バンドギャップ部10とアナログ・デジタル変換部20とから構成されている。
【0009】
具体的には、バンドギャップ部10は、温度や電源電圧の影響を受けないバンドギャップ(bandgap)回路のうち、バイポーラトランジスタBJT(Bipolar Junction Transistor)のベース・エミッタ電圧VBEの変化が約−1.8mV/℃であることを利用して温度を感知する。また、微細に変動するバイポーラトランジスタのベース・エミッタ電圧VBEを増幅することにより、温度に一対一で対応する第1の電圧VTEMPを出力する。すなわち、温度が高いほど、低くなるバイポーラトランジスタBJTのベース・エミッタ電圧VBEを出力する。
【0010】
アナログ・デジタル変換部(Analog−Digital Convertor)20は、バンドギャップ部10から出力された第1の電圧VTEMPをデジタルコードDIGITAL_CODEに変換して出力するが、一般的に、追跡型アナログ・デジタル変換部(Tracking Analog−Digital Convertor)が多く利用されている。
【0011】
追跡型アナログ・デジタル変換部は、追跡型アナログ・デジタル変換部内部の第2の電圧DACOUTを用いて第1の電圧VTEMPを追跡し、デジタルコードDIGITAL_CODEを生成するが、その過程について簡略に説明する。まず、第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとの大きさを比較し、その比較結果にしたがってデジタルコードDIGITAL_CODEを増加又は減少させる。このとき、第2の電圧DACOUTの大きさもデジタルコードDIGITAL_CODEと共に増加又は減少させ、増加又は減少させた第2の電圧DACOUTを更に第1の電圧VTEMPと比較する。上記のような方法を繰り返すと、第2の電圧DACOUTは、第1の電圧VTEMPを追跡することになり、第1の電圧VTEMPに該当するデジタルコードDIGITAL_CODEが生成される。
【0012】
整理すると、バンドギャップ部10で温度情報を有する第1の電圧VTEMPを出力すると、アナログ・デジタル変換部20で第1の電圧VTEMPを温度情報を有するデジタルコードDIGITAL_CODEに変換して出力する。
【0013】
温度情報出力装置が、広い範囲の温度に対して感知することができると、温度情報出力装置を利用するメモリ装置のパワー管理(power manage)やシステム管理(system manage)の側面は更に良くなる。これは、広い範囲に対するメモリ装置の温度情報がわかるため、各温度によって精密な管理(temperature managing)が可能なためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2006−133228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、温度情報出力装置が広い範囲の温度をカバーしようとすれば、追加情報を出力するための回路の増加によるダイ(Die)面積の増加とパワーの消費とを伴うようになるという問題がある。
【0016】
本発明は、上記した従来の技術の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、温度情報出力装置の面積を増やさなくとも動作可能な温度範囲を増やすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで、上記の目的を達成するための本発明は、温度情報出力装置(On Die Thermal Sensor)が温度区間によって異なる解像度を有するようにする。すなわち、温度情報が重要な区間では、微細な温度変化を感知し、温度情報が重要でない区間では、温度変化の感知を鈍感にすることにより、全体的に温度情報出力装置の動作可能な温度範囲を増やすことを主な内容とする。
【0018】
温度情報出力装置は、各種半導体装置に利用されるが、温度情報出力装置を利用する半導体装置は、全ての温度区間で正確な温度情報を要求するものではなく、各々の温度区間ごとに要求される温度の正確度が異なる。これと関連し、温度情報出力装置を利用するメモリ装置の場合について説明する。
【0019】
図2は、メモリ装置が要求する温度情報の正確度を各温度区間別に示したグラフである。
【0020】
メモリ装置の温度区間は、アクティブ区間(Active Range)、モニタ区間(Monitor Range)、及びデバイスオペレーション区間(Device Operation Range)に分けられ、各温度区間は、それぞれ異なる正確度の温度情報を要求する。
【0021】
メモリ装置は、温度が高い(hot temperature)区間では、セルのデータ保持(cell data retention)を維持するために、リフレッシュ周期を温度に応じて適切に制御することが重要である。したがって、温度が高い区間に該当するアクティブ区間(Active Range、75℃〜95℃)では、精密な温度の測定を必要とするため、高い解像度及び正確度が必要である。(誤差3℃〜5℃の範囲)
【0022】
それに対し、アクティブ区間(Active Range、75℃〜95℃の範囲)を除いたモニタ区間(Monitor Range、40℃〜75℃の範囲、95℃〜)は、アクティブ区間より相対的に緩い解像度及び正確度を有してもよい。また、それ以外の範囲であるデバイスオペレーションレンジ(Device Operation Range)では、それより更に低い解像度を有してもよい。
【0023】
メモリ装置が温度区間によって上記のような解像度を有してもよい理由は、次のとおりである。DDR3 SDRAM JEDEC specでは、普通、温度区間(normal temperature range)を0℃〜85℃の範囲に規定し、拡張温度区間(extended temperature range)を0℃〜95℃の範囲に規定する。そのため、95℃以上の温度では、安定した動作を保障(guarantee)する必要性が減る。また、75℃以下の温度におけるメモリ装置の温度測定の目的は、リフレッシュ周期の調整によるセルのデータ保持(cell data retention)ではなく、リフレッシュ動作を減らすことによって待機状態(standby)の電流を減らすことが目的であるためである。
【0024】
したがって、温度情報出力装置が全ての温度範囲で正確な温度情報を出力する必要はなく、温度区間ごとに出力される温度情報の解像度が異なってもよい。
【0025】
本発明に係る温度情報出力装置の温度情報出力方法は、温度を感知し、当該温度に対応する第1の電圧VTEMPを出力するステップと、前記第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較するステップと、前記比較結果に基づいて、デジタルコードDIGITAL_CODEを加減するステップと、前記デジタルコードDIGITAL_CODEによって変化する前記第2の電圧DACOUTを生成するステップとを含み、前記デジタルコードDIGITAL_CODEによって変化する前記第2の電圧DACOUTの変化幅が温度区間別に異なることを特徴とする。
【0026】
さらに、温度情報出力装置の温度情報出力方法は、前記第2の電圧の変化幅が、温度情報出力装置が利用されるシステムにおいて要求する温度情報の正確度が高くなければならない区間であるほど小さいことを特徴とする。
【0027】
さらに、温度情報出力装置の温度情報出力方法は、前記第2の電圧を生成するステップが、バイナリコードである前記デジタルコードをデコードして、前記デジタルコードが表す数字の分「ハイレベル」信号を有する調整コードを生成するステップと、前記調整コードを用いて前記第2の電圧が生成されるノードに流れる電流の量を調整して前記第2の電圧を生成するステップとを含むことを特徴とする。
【0028】
さらに、温度情報出力装置の温度情報出力方法は、前記第1の電圧と第2の電圧とを比較し、デジタルコードを加減し、第2の電圧を生成するステップが数回繰り返され、前記第2の電圧が前記第1の電圧を追跡することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来の温度情報出力装置の概念を説明するためのブロック図である。
【図2】メモリ装置が要求する温度情報の正確度を各温度区間別に示したグラフである。
【図3】本発明に係る温度情報出力装置及びこれを備えるメモリ装置の一実施形態の構成図である。
【図4】図3の第2の電圧生成部240の一実施形態の構成図である。
【図5】図4の第2の電圧生成部から出力される第2の電圧DACOUTを示したグラフである。
【図6】最大変動電圧VULIMITと最小変動電圧VLLIMITとに応じてバイアス電圧BIAS1、BIASが生成されることを説明するための図である。
【図7】信号変換部300から生成されるフラグ信号TRIP_POINT_FLAG<0:M>を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を更に詳細に説明する。
【0031】
図3は、本発明に係る温度情報出力装置及びこれを含むメモリ装置の一実施形態の構成図である。
【0032】
同図に示すように、メモリ装置は、信号変換部300、セルフリフレッシュオシレータ400、及び温度情報出力装置500を備える。温度情報出力装置500は、温度情報を有するデジタルコードを出力するためにメモリ装置の温度を感知する。信号変換部300は、フラグ信号グループTRIP_POINT_FLAG<0:M>(Mは整数)を出力するために、デジタルコードDIGITAL_CODEをメモリ装置において必要な形に変換する。セルフリフレッシュオシレータ部400は、フラグ信号グループTRIP_POINT_FLAG<0:M>に応じてメモリ装置のセルフリフレッシュ周期を調整する。
【0033】
更に詳細には、温度情報出力装置500は、バンドギャップ部100及びアナログ・デジタル変換部200を備える。バンドギャップ部100は、感知された温度に対応する第1の電圧VTEMPを出力するために、メモリ装置の温度を感知する。アナログ・デジタル変換部200は、各々の温度区間によって異なる解像度を有するデジタルコードを出力する。
【0034】
温度情報出力装置500について説明すると、バンドギャップ部100は、従来の技術において詳述したように、温度に一対一で対応する第1の電圧VTEMPを出力する。具体的には、バンドギャップ部100は、温度や電源電圧に影響されないバンドギャップ回路のうち、バイポーラトランジスタBJTのベース・エミッタ電圧VBEの変化が約−1.8mV/℃であることを利用することによって温度を感知する。また、微細に変動するバイポーラトランジスタのベース・エミッタ電圧VBEを増幅することにより、温度に対応する第1の電圧VTEMPを出力する。また、バンドギャップ部100は、それぞれ温度変動に関係なく、一定の電位を有する、最大変動電圧と最小変動電圧、VULIMITとVLLIMITを出力する。
【0035】
アナログ・デジタル変換部200は、アナログ形の第1の電圧VTEMPをデジタル形のデジタルコードDIGITAL_CODEに変換して出力するが、第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較し、デジタルコードDIGITAL_CODEと第2の電圧DACOUTとを加減する追跡(tracking)方式でデジタルコードDIGITAL_CODEを生成する。このとき、温度区間別に第2の電圧DACOUTの加減幅が異なることを特徴とし、このような特徴は、温度区間によって温度情報出力装置500から出力される温度情報(すなわち、デジタルコードDIGITAL_CODE)の解像度が異なるようにする。
【0036】
アナログ・デジタル変換部200は、電圧比較部210、ローパスフィルタ部220、コード生成部230、及び第2の電圧生成部240を備えて構成される。
【0037】
電圧比較部210は、第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較し、デジタルコードDIGITAL_CODEを増加させるアップ信号UP、又はデジタルコードDIGITAL_CODEを減少させるダウン信号DOWNを出力する。
【0038】
ローパスフィルタ部220は、電圧比較部210のアップ信号UP又はダウン信号DOWNをコード生成部230に伝達する役割を果たす。ローパスフィルタ部220は、速やかに変わる信号を無視し、緩やかな変化を有する信号のみを出力する役割を果たす。すなわち、外部ノイズに対する影響を最小化する目的で利用される。このようなローパスフィルタ部220は、単にノイズを除去するために備えられるものであるため、必要に応じてローパスフィルタ部220を除去してコード生成部への伝達を行うこともできる。
【0039】
コード生成部230は、アップ信号UP又はダウン信号DOWNを受信して温度情報出力装置100、200の出力となるデジタルコードDIGITAL_CODEを出力し、第2の電圧DACOUTを生成するために、デジタルコードDIGITAL_CODEをデコードした調整コードグループSW<0:N>を出力する。
【0040】
コード生成部230は、アップダウンカウンタ部231とデコーダ部232とを備えて構成される。アップダウンカウンタ部231は、増加信号UP又は減少信号DOWNをカウントし、内部に予め設定されたデジタル値を増加又は減少させてデジタルコードDIGITAL_CODEを生成する。デコーダ部232は、デジタルコードDIGITAL_CODEを、第2の電圧DACOUTを生成し易い形のコードにデコードするために備えられる。すなわち、バイナリ(binary)コードであるデジタルコードDIGITAL_CODEをデコードしてデジタルコードDIGITAL_CODEが表す数字の分の「ハイ」信号を有する調整コードグループSW<0:N>を出力する。
【0041】
第2の電圧生成部240は、調整コードグループSW<0:N>を受信して調整コードグループSW<0:N>に対応する第2の電圧DACOUTを生成する。このとき、従来とは異なり、温度区間によって調整コードグループSW<0:N>に対応する第2の電圧DACOUTの傾きが異なることを特徴とする。すなわち、解像度が高くなければならない温度区間では、調整コードグループSW<0:N>が1つ異なるとき(デジタルコードDIGITAL_CODEが1つ異なるとき)、これに対応する第2の電圧DACOUT値は少しだけ変化し、解像度が低くてもよい温度区間では、調整コードグループSW<0:N>が1つ異なるとき、第2の電圧DACOUT値は更に大きく変化する。第2の電圧生成部240は、本発明の核心となる部分であり、これについての詳細な説明は、図4と共に後述する。
【0042】
バンドギャップ部100から出力される最大変動電圧VULIMIT及び最小変動電圧VLLIMITは、第2の電圧DACOUTが有する最大及び最小の限界値を設定する。具体的には、最大変動電圧VULIMIT及び最小変動電圧VLLIMITは、第2の電圧DACOUTの生成に用いられるバイアス電圧の形成に利用されるが、これについての説明は、図6と共に後述する。
【0043】
温度情報出力装置500の全体動作を説明すると、電圧比較部210は、比較結果によってアップ信号UPとダウン信号DOWNとを出力するために、第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較する。コード生成部230では、アップ信号UPとダウン信号DOWNとによってデジタルコードDIGITAL_CODEと調整コードSW<0:N>とを加減する。第2の電圧生成部240は、調整コードグループSW<0:N>を用いて調整することにより、第2の電圧DACOUTを出力する。加減された第2の電圧DACOUTは、第1の電圧VTEMPと繰り返し的に比較される。第2の電圧DACOUTを再度第1の電圧VTEMPと比較して上述した過程を繰り返す。このような過程を繰り返すと、第2の電圧DACOUTは第1の電圧VTEMPを追跡するようになり、結果的に、第1の電圧VTEMPに相応するデジタルコードDIGITAL_CODEが出力される。(アナログ・デジタル変換する。)
【0044】
クロック信号CLKにしたがって動作順序を定義すると、電圧比較部210がクロック信号CLKに応答して第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較すると、クロック信号CLKを一定時間(例えば、3回比較する時間)遅延させて発生させる第1のクロック遅延信号D_CLK_1に応答してローパスフィルタ部220を動作させる。同様に、第1のクロック遅延信号D_CLK_1を一定時間(例えば、ローパスフィルタ部220の動作時間の分)遅延させた第2のクロック遅延信号D_CLK_2に応答してアップダウンカウンタ部231を動作させる。ここで、クロック信号CLKは、外部コントロール回路から出力される信号である。
【0045】
上記のように、本発明のメモリ装置は、当該メモリ装置の温度を測定するための前述した温度情報出力装置500と、当該温度情報出力装置500から出力されるデジタルコードDIGITAL_CODEをメモリ装置で必要な形に変換して出力する信号変換部300と、当該信号変換部300から出力された信号(TRIP_POINT_FLAG<0:M>)に応じてメモリ装置のセルフリフレッシュ周期を制御するセルフリフレッシュオシレ−タ400とを備えて構成される。信号変換部300では、デジタルコードDIGITAL_CODEをフラグ信号(TRIP_POINT_FLAG<0:M>)の形に転換して出力するが、これは、図7と共に後述する。
【0046】
図4は図3の第2の電圧生成部240の一実施形態の構成図である。
【0047】
同図に示すように、第2の電圧生成部240は、調整コードSW<0:N>のうち、自体に該当するコードを受信して第1のノードNODE1をプルダウン駆動し、自体に該当するコードの属する温度区間によって異なるプルダウン駆動能力を有するプルダウン駆動部(410、420、430、440)、及び第1のノードNODE1と電流ミラー450を形成して流れる電流量による第2の電圧DACOUTを出力する第2のノードNODE2を備えて構成される。前記電流ミラー450は、第1のバイアス電圧BIAS1に応答してイネーブルされる。
【0048】
プルダウン駆動部(410、420、430、440)は、調整コードグループSW<0:M>のうち、自体に該当するコードを自体のゲートで受信してスイッチ動作を行うスイッチトランジスタ及びスイッチトランジスタに直列に接続され、第2のバイアス電圧BIASを自体のゲートに受信して第1のノードNODE1の電流を漏洩する電流シンクトランジスタを備え、電流シンクトランジスタは、前記プルダウン駆動部(410、420、430、440)の属する温度区間によって異なる幅を有することを特徴とする。
【0049】
その動作を説明すると、第1のノードNODE1に流れる電流は、プルダウン駆動部(410、420、430、440)によって制御され、多くのプルダウン駆動部(410、420、430、440)が作動するほど第1のノードNODE1に流れる電流量は多くなる。
【0050】
プルダウン駆動部(410、420、430、440)は、調整コードグループSW<0:N>のうち、自体に該当するコードを1つずつ受信して動作する。第1のプルダウン駆動部410は、第1のコードセット、例えば、調整コードグループSW<0:N>のうち、第1の調整コードないし第(A+1)の調整コードSW<0>ないしSW<a>を受信してデバイスオペレーション区間(device operation range)において動作する。第2のプルダウン駆動部420は、第2のコードセット、例えば、調整コードグループSW<0:N>のうち、第(A+2)の調整コードないし第(B+1)の調整コードSW<A+1>ないしSW<B>を受信してモニタ区間(monitor range)において動作する。第3のプルダウン駆動部430は、第3のコードセット、例えば、調整コードグループSW<0:N>のうち、第(B+2)の調整コードないし第(C+1)の調整コードSW<B+1>ないしSW<C>を受信してアクティブ区間(active range)において動作する。第4のプルダウン駆動部440は、第4のコードセット、例えば、調整コードグループSW<0:N>のうち、第(C+2)の調整コードないし第(N+1)の調整コードSW<C+1>ないしSW<N>を受信してオーバアクティブ区間(over active range)において動作する。各区間別にプルダウン駆動部(410、420、430、440)内の電流シンクトランジスタのプルダウン駆動能力(電流漏れ能力)に差がある。解像度が最も高くなければならない区間であるアクティブ区間430(active range)の電流漏れ能力がX1であれば、他の区間は、図面に示すように、X6、X6、X3などの電流漏れ能力を有している。(これは、電流シンクトランジスタの幅で調整する。)
【0051】
したがって、調整コードSW<0:N>によって変わる第1のノードNODE1に流れる電流の変化量は、どの区間のコードが変わるかによって異なる。すなわち、アクティブ区間の第3のコードセット、例えば、(C+2)ないし(C+1)番目の調整コードSW <B+1>ないしSW<C>が変わると、第1のノードNODE1に流れる電流量は少しだけ変わるが、デバイスオペレーション区間の第1のコードセット、例えば、第1の調整コードないし(A+1)の調整コードSW<0>ないしSW<A>が変わると、第1のノードNODE1に流れる電流量は大きく変わることになる。
【0052】
第1のノードNODE1と第2のノードNODE2とは、電流ミラー450を形成しており、第1のノードNODE1に流れる電流量が変わると、第2のノードNODE2に流れる電流量もこれにしたがって変わる。また、第2のノードNODE2に流れる電流量によって第2の電圧DACOUTが決定されるため、調整コードグループSW<0:N>の変化によって第2の電圧DACOUTが変わることになる。
【0053】
すなわち、調整コードグループSW<0:N>の値によって第2の電圧DACOUTが生成されるが、どの温度区間の調整コードグループSW<0:N>が変わるかによってコードが1つ変わるときに第2の電圧DACOUTの大きさの変わり方が異なる。これは、温度区間が存在せず、第2の電圧DACOUTの変動幅が一定していた従来の第2の電圧生成部とは異なる点である。
【0054】
上述したように第2の電圧生成部を構成すれば、それぞれのデジタルコードDIGITAL_CODEに対応する第2の電圧DACOUTの傾きが温度区間別に異なる。したがって、温度区間別にデジタルコードDIGITAL_CODEが1ビット変わるたびに表われる温度の幅が異なり、これは、つまり、温度情報出力装置の解像度が温度区間ごとに異なることを意味する。
【0055】
プルダウン駆動部のプルダウン駆動能力は、上述したように、トランジスタの幅を互いに異なるように実現することもできるが、電流シンクトランジスタに加えられるバイアス電圧のレベルを温度区間別に異なるようにするなど、他の様々な方法で実現することもできる。
【0056】
図5は、第1の電圧VTEMP(第2の電圧DACOUT)と、各温度区間に対応するデジタルコードDIGITAL_CODE値との関係を示したグラフである。
【0057】
グラフをみると、温度の高まりにつれて出力される第2の電圧DACOUTの傾きは、温度区間によって異なることが確認でき、これは、つまり、温度情報出力装置の解像度が区間ごとに異なることを表わす。
【0058】
デジタルコードDIGITAL_CODEの解像度を温度区間によって異なるよう設定することが可能になると、解像度が高くなくてもよい温度区間では、第2の電圧DACOUTの傾きを大きく設定することが可能である。したがって、第2の電圧DACOUTが第1の電圧VTEMPをカバーする追跡範囲が広くなり得る。すなわち、温度情報出力装置が動作可能な温度範囲が広くなる。
【0059】
図6は、最大変動電圧VULIMITと最小変動電圧VLLIMITとによって、バイアス電圧BIAS1、BIASを生成する上位リミッタ及び下位リミッタを説明するための図である。
【0060】
同図に示すように、下位リミッタは、第1のバイアス電圧BIAS1の電位レベルに応答して第3のノードNODE3の電位レベルを変動させる第1の電流ミラー610と、第3のノードNODE3の電位と最小変動電圧VLLIMITの電位レベルとを比較し、その値に応じて第1のバイアス電圧BIAS1のレベルを変動する第1の比較器620とを備える。したがって、下位リミッタは、第1のバイアス電圧BIAS1を調整して出力することができる。
【0061】
また、上位リミッタは、第2のバイアス電圧BIASの電位レベルに応答して第4のノードNODE4の電位レベルを変動させる第2の電流ミラー630と、第4のノードNODE4の電位と最大変動電圧VULIMITの電位レベルとを比較し、その値に応じて第2のバイアス電圧BIASのレベルを変動する第2の比較器640とを備える。したがって、上位リミッタは、第2のバイアス電圧BIASを調整して出力することができる。
【0062】
上述したように生成された第1のバイアス電圧BIAS1及び第2のバイアス電圧BIASは、図4の第2の電圧生成部240に入力されて、第2の電圧DACOUTの生成において、バイアスのための電圧として用いられ、これにより、第2の電圧生成部240は、第2の電圧DACOUTの最大値と最小値とを定義する最小変動電圧VLLIMIT及び最大変動電圧VULIMITを出力する。
【0063】
図7は、信号変換部300から生成されるフラグ信号TRIP_POINT_FLAG<0:M>を説明するための図である。
【0064】
信号変換部300では、デジタルコードDIGITAL_CODEをフラグ信号TRIP_POINT_FLAG<0:M>に変換して出力する。同図に示すように、フラグ信号TRIP_POINT_FLAG<0:M>が第1のプラグ信号ないし第3のプラグ信号TEMPA、TEMPB、TEMPCで構成されているものと仮定して説明する。第1のプラグ信号ないし第3のプラグ信号TEMPA、TEMPB、及びTEMPC信号は、それぞれ一定温度においてアクティブになる信号である。温度が最も低いところで高まり始めると、最も低い温度を感知する第1のプラグ信号TEMPAが「ハイレベル」となる。温度が更に高まると、第2のプラグ信号TEMPBも「ハイレベル」となり、温度が高まり続けると、第3のプラグ信号TEMPCも「ハイレベル」となる。
【0065】
信号変換部300では、デジタルコードDIGITAL_CODEを第1のプラグ信号ないし第3のプラグ信号TEMPA、TEMPB、及びTEMPCのようなフラグ信号に変換して出力し、これは、セルフリフレッシュオシレータ400に伝達される。セルフリフレッシュオシレータ400は、第1のプラグ信号ないし第3のプラグ信号TEMPA、TEMPB、及びTEMPCのようなフラグ信号が表す温度区間にしたがって、メモリ装置のセルフリフレッシュ周期を調整するようになる。
【0066】
更に、図2及び図3を参照して本発明に係る温度情報出力装置の温度情報出力方法について説明する。
【0067】
本発明に係る温度情報出力装置の温度情報出力方法は、温度を感知し、当該温度に対応する第1の電圧VTEMPを出力するステップと、前記第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較するステップと、前記比較結果に基づいてデジタルコードDIGITAL_CODEを加減するステップと、前記デジタルコードDIGITAL_CODEにしたがって変化する前記第2の電圧DACOUTを生成するステップとを含み、前記デジタルコードDIGITAL_CODEにしたがって変化する前記第2の電圧DACOUTの変化幅は、温度区間別に異なることを特徴とする。
【0068】
また、前記第2の電圧DACOUTの変化幅は、温度情報出力装置が利用されるシステムにおいて要求される温度情報の正確度が高くなければならない区間であるほど、小さいことを特徴とする。
【0069】
詳しくは、前記第2の電圧DACOUTを生成するステップは、バイナリコードである前記デジタルコードDIGITAL_CODEをデコードして、前記デジタルコードDIGITAL_CODEが表す数字の分の「ハイレベル」信号を有する調整コードグループSW<0:N>を生成するステップと、前記調整コードグループSW<0:N>を用いて前記第2の電圧DACOUTが生成されるノード(図4のNODE2)に流れる電流量を調整して、前記第2の電圧DACOUTを生成するステップとを含む。
【0070】
また、前記第1の電圧VTEMPと第2の電圧DACOUTとを比較してデジタルコードDIGITAL_CODEを加減し、第2の電圧DACOUTを生成するステップは、数回繰り返されて、前記第2の電圧DACOUTが前記第1の電圧VTEMPを追跡することを特徴とする。
【0071】
上述した本発明は、温度区間別に温度情報出力装置の解像度が異なるよう設定できるという長所がある。したがって、温度情報出力装置の面積を増やさなくとも動作可能な温度範囲を増やすことが可能になる。
【0072】
また、従来と同様に温度範囲をカバーする場合には、温度情報出力装置の面積を減らすことも可能であるという効果がある。
【0073】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明に係る技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0074】
100 バンドギャップ部
200 アナログ・デジタル変換部
210 電圧比較部
220 ローパスフィルタ部
230 コード生成部
231 アップダウンカウンタ部
232 デコーダ部
300 信号変換部
400 セルフリフレッシュオシレータ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度を感知し、当該温度に対応する第1の電圧を出力するステップと、
前記第1の電圧と第2の電圧とを比較するステップと、
前記比較結果に基づいて、デジタルコードを加減するステップと、
前記デジタルコードによって変化する前記第2の電圧を生成するステップと
を含み、前記デジタルコードによって変化する前記第2の電圧の変化幅が温度区間別に異なることを特徴とする温度情報出力装置の温度情報出力方法。
【請求項2】
前記第2の電圧の変化幅が、温度情報出力装置が利用されるシステムにおいて要求する温度情報の正確度が高くなければならない区間であるほど小さいことを特徴とする請求項1に記載の温度情報出力装置の温度情報出力方法。
【請求項3】
前記第2の電圧を生成するステップが、
バイナリコードである前記デジタルコードをデコードして、前記デジタルコードが表す数字の分「ハイレベル」信号を有する調整コードを生成するステップと、
前記調整コードを用いて前記第2の電圧が生成されるノードに流れる電流の量を調整して前記第2の電圧を生成するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の温度情報出力装置の温度情報出力方法。
【請求項4】
前記第1の電圧と第2の電圧とを比較し、デジタルコードを加減し、第2の電圧を生成するステップが数回繰り返され、前記第2の電圧が前記第1の電圧を追跡することを特徴とする請求項1に記載の温度情報出力装置の温度情報出力方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−51697(P2013−51697A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221013(P2012−221013)
【出願日】平成24年10月3日(2012.10.3)
【分割の表示】特願2007−339135(P2007−339135)の分割
【原出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(310024033)エスケーハイニックス株式会社 (122)
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung−daero,Bubal−eub,Icheon−si,Gyeonggi−do,Korea
【Fターム(参考)】