温水洗浄便座装置システム
【課題】 本発明は携帯電話で制御可能な温水洗浄便座装置システムに係り、特に携帯電話であらゆる温水洗浄便座装置に情報伝達が可能であり、連立トイレでも近隣の温水洗浄便座装置を誤って動作させることがなく制御するのに好適な温水洗浄便座装置システムを提供する。
【解決手段】 近距離無線通信手段を設けた携帯電話と、操作する温水洗浄便座装置を特定する固有識別コードを含む本体操作信号を送信するリモコンと、前記本体操作信号にて操作される温水洗浄便座装置とを備え、前記携帯電話は、前記リモコンを操作するリモコン操作信号を送信する送信手段を有するとともに、前記リモコンは前記リモコン操作信号を受信する受信手段を有するとともに、前記リモコン操作信号に対応する本体操作信号を送信することを特徴とする。
【解決手段】 近距離無線通信手段を設けた携帯電話と、操作する温水洗浄便座装置を特定する固有識別コードを含む本体操作信号を送信するリモコンと、前記本体操作信号にて操作される温水洗浄便座装置とを備え、前記携帯電話は、前記リモコンを操作するリモコン操作信号を送信する送信手段を有するとともに、前記リモコンは前記リモコン操作信号を受信する受信手段を有するとともに、前記リモコン操作信号に対応する本体操作信号を送信することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話で制御可能な温水洗浄便座装置システムに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の操作システムで携帯電話を使った機器操作システムとしては、その制御対象としてテレビが著名である。制御対象がテレビの場合、製造元毎に固有のコードが設定されているが、個々のテレビ毎に識別コードが設定されていない。これはテレビが室内で使用され、テレビの視聴者は同じ部屋におり操作者が特定できるため、複数の携帯電話での操作が可能でも実質上問題が生じないので、個々の機器に対応した固有識別コードを設けることなく制御する方法が用いられている。しかし、この種のシステムをそのまま温水洗浄便座装置システムに適用するには次のような問題がある。この種のシステムを温水洗浄便座装置システムに適用したものとして、例えば、特許文献1によれば、携帯電話に儲けられた赤外線通信手段から直接、温水洗浄便座装置に設置された受信手段に温水洗浄便座装置の制御情報を送信するようになっていた。通常、温水洗浄便座装置は隣接して連立設置させても、他のトイレブースに設置されているリモコンの制御信号を受信して動作しないよう温水洗浄便座装置の赤外線受信手段と赤外線送信手段であるリモコンは装置に固有識別コードを共有しており、この固有識別コードが送信されない限り、温水洗浄便座装置の受信手段は送信された信号を無視するようになっている。
【0003】
しかし特許文献1の方法は、携帯電話で直接温水洗浄便座装置を制御するようになっている。このようなに直接の温水洗浄便座装置を操作するためには、通常温水洗浄便座装置の本体の背面上部または側面に受信手段が設けられているので、使用者の後ろに向かって送信するようになり、送信の強さや方向が問題になり、確実に携帯電話の送信信号を温水洗浄便座装置の受信部で受信できるようにするためには、信号の送信強度を強くした上にトイレブース内の赤外信号の反射を利用することになる。しかし、この方法では連立したトイレブースでは、近隣での携帯電話で操作すると利用者が携帯電話で操作しようと意図した対象温水洗浄便座装置以外の温水洗浄便座装置が動作するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2002―84346号公報 (第6頁 第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、連立したトイレブースでも携帯電話を使って隣接の温水洗浄便座装置の干渉、誤制御することなく、利用者が制御したいという意図を持った特定の温水洗浄便座装置を制御するために、携帯電話を使って温水洗浄便座装置のリモコンに送信させ、そのリモコンから温水洗浄便座装置を操作する温水洗浄便座装置システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1は、近距離無線通信手段を設けた携帯電話と、操作する温水洗浄便座装置を特定する固有識別コードを含む本体操作信号を送信するリモコンと、前記本体操作信号にて操作される温水洗浄便座装置とを備え、前記近距離無線通信手段は、前記リモコンを操作するリモコン操作信号を送信する送信手段を有し、前記リモコンは前記リモコン操作信号を受信する受信手段を有するとともに、前記リモコン操作信号に対応する本体操作信号を送信するようにしているので、温水洗浄便座装置を利用する便器への着座状態で最も自然で無理のない態勢で操作が可能で、不特定多数の人が利用するリモコンに接触することなく温水洗浄便座装置を操作できる。
【0007】
更に請求項2では、請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段は赤外線送信手段で構成されるとともに、前記リモコンの受信手段は赤外線受信手段を有するようにしているので、他の信号通信手段として考えられる電波などに比べて安価で、携帯電話からの赤外線投光素子を使った送信信号を受信でき、かつトイレブースの遮蔽物を通した電波による誤動作もない。
【0008】
さらに請求項3では、請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段はRFダグで構成されるとともに、前記リモコンの受信手段はRFタグリーダーで構成される。よって、赤外線を使った場合に必要な黒い投受光窓を必要にせず、リモコン外ケースが一種類の材料で形成でき、赤外線の場合に比べ、デザインも選択幅が広がり、安価にできて、携帯電話に付加されているRFタグの情報を読み取ることができる。
【0009】
また、請求項4では、請求項1乃至3のいづれか1に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記リモコンは表示部を有するとともに、前記表示部に前記固有識別コードを表示させ、前記固有識別コードを前記携帯電話から前記リモコンへの通信の許可コードとするようにしているので、リモコン毎の固有の許可コードを生成することが可能であり、連立トイレでの混信による温水洗浄便座装置の誤動作を防止できる。
【0010】
また、請求項5では、請求項4に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記携帯電話は、画像を読み取るカメラ手段を有するとともに、前記リモコンの表示部に表示した二次元バーコードを読み取り、前記二次元バーコードに応じた前記許可コードとすることを特徴とする。二次元バーコードのように、直ぐに人が理解できないコードを利用することで、携帯電話のカメラを使い、リモコンに表示されたバーコードを撮影、解読し、解読した表示部コードリモコン毎の固有の許可コードを生成することが簡単に可能であり、連立トイレでの混信による温水洗浄便座装置の誤動作を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次の効果を発揮する。
携帯電話を使って温水洗浄便座装置のリモコンに送信させ、そのリモコンから温水洗浄便座装置を操作する温水洗浄便座装置システムを提供する。よって、使用者は、直接、リモコンを狙って操作すればいいので、使用者の後ろに向かっての無理な体勢や使用者の通信の影響を考慮しなくていいようになり、使い勝手が向上する。当然に、携帯電話の送信能力を下げたり、リモコンの受信能力を下げることができるので、機器の電池寿命を延ばすことができる。
また、温水洗浄便座装置システムにおいて、リモコンに携帯電話の送信信号を受信できる受信部を有し、携帯電話からは温水洗浄便座装置の機種に関わらず共通の共通利用許可コードを使って通信しているので、携帯電話はあらゆる温水洗浄便座装置に情報伝達が可能であり、情報伝達に必ずリモコンを経由しているのでリモコンが制御できる温水洗浄便座装置は特定されており、連立トイレでも近隣の温水洗浄便座装置を誤って動作させることがないという効果がある。また携帯電話の固体識別コードを温水洗浄便座装置に送信することも容易で、携帯電話の保有者を特定して、保有者の温水洗浄便座装置の好みの使用条件、例えば、温水圧、温水温度、ノズル位置、洗浄時間、乾燥温度、乾燥時間、脱臭強度、脱臭時間、ノズル駆動パターンなどが自動的に設定可能にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の第一の実施例の全体構成を示す図である。図1で温水洗浄便座装置30は、大便器40の上に設置されており、人体検知手段31、着座検出手段32、温水洗浄便座装置と一体化されずに設置されるリモコン20からの送信信号を受信する受信手段34、受信手段で受信した信号に応じて温水洗浄便座装置30を制御するための制御手段35、温水洗浄便座装置の動作部の1例であるノズル33、図示しないが温水洗浄便座装置内には便座ヒータやお尻の乾燥装置、脱臭器を有しており、リモコン20は操作手段22、携帯電話10からの信号を受信する受信手段21、受信手段21の上部からの信号を妨げる遮光部25、リモコンから前記温水洗浄便座装置の受信手段34に信号を送信する送信手段23および、リモコンや温水洗浄便座装置の状態などを表示する表示手段24からなり、携帯電話10は操作手段12、リモコンに信号を送信する送信手段11、表示手段13からなり、表示手段は温水洗浄便座装置を制御するために操作手段12とその操作により温水洗浄便座装置がどのように動作するかを図示して利用者がわかりやすい操作ガイドとして利用できる。
ここで、近距離無線通信手段は、赤外線送信手段等の最大数メートル程度以内の通信距離を持つ通信手段を言う。
【0013】
次に図2のフローチャートを使って本発明による携帯電話を使った温水洗浄便座装置の制御方法を説明する。図2で工程50から開始し、工程51は人体検知手段で人体を検知する工程である。工程52は着座検出手段で利用者が便座に着座していることを検出する。そこで利用者がリモコンを操作すれば工程53、工程55を経て、通常のリモコン操作で温水洗浄便座装置を制御できる。工程53でリモコンの操作が行われずに、工程54で携帯電話から、リモコンが、温水洗浄便座装置共通の利用許可コードと携帯電話固有の個体識別コード信号及び制御コードを受信すると工程55でリモコンがリモコン固有の識別コードと携帯電話固有の個体識別コード及び制御コードを含む信号を温水洗浄便座装置の受信手段に送信する。
【0014】
このとき携帯電話から送信する個体識別コード及び制御信号は図7のような投光パルスを用いる。図7の周波数の例は38kHzであるが、他の周波数でもかまわない。図7のパルスを使い、パルス送信後の比送信区間の時間長さで0,1を表示する図8の方法で2進数データとして1ビットを表現する。これらの方法を使い、個体識別コード及び制御信号は図9のフレームという集合で送信される。フレームはリーダ部とデータ部からなり、リーダ部は一定の時間のビット「1」信号の後に一定時間のビット「0」信号からなり、このリード部の後にデータが送信されることを示す。データ部は32ビットのカスタムコードと8ビットの制御データ部、16ビットのスイッチ部からなる。このうち、カスタムコードに携帯電話からの送信である共通許可コード4ビット、携帯電話の電話番号11桁のうち後ろから7桁の数値列をコード化するための28ビットを使う。スイッチ部は「お尻洗浄」とか「乾燥」などの動作を示すスイッチに対応したコードで、制御データ部は、各スイッチのうち、制御の度合いを示すデータ、例えば「お尻洗浄」の水勢の強さなどを示すデータである。携帯電話の電話番号の11桁は頭から3桁までは携帯電話であることを示す番号で、その次の3桁は携帯電話事業者を示す番号であり、これらのデータを削除しても、本発明の目的である利用者の特定に支障は生じない。このようにして工程56では前記送信信号を温水洗浄便座装置の受信手段で受信する。工程57は温水洗浄便座装置の受信手段が受信した信号に携帯電話固有の個体識別コードが含まれているかを確認する工程で、個体識別コードが含まれていると工程58に個体識別コードが含まれていないと工程60に移る。工程58では受信した携帯電話段固有の個体識別コードが温水洗浄便座装置の制御部の記憶部に記憶されている利用者コードと一致するかどうかを比較する。もし、記憶情報と一致すればそこに記憶されている利用者個人の好みの制御条件、例えばノズルの位置や洗浄水の強さ、洗浄時間、便座ヒータの温度などの条件を送信されてきた制御信号に付加して、工程60で制御する。一方、携帯電話固有の個体識別コードが含まれなければ工程60で送信されてきた制御コードに従い温水洗浄便座装置を制御する。
【0015】
図10はリモコンから温水洗浄便座装置の受信手段に送信される送信データの1例で、携帯電話からリモコンに送信されるときと同じようにフレームとして送信され、フレームはリーダ部とデータ部からなる。データ部はカスタムコード部と制御データ部、スイッチ部からなる。カスタムコード部はリモコンからの送信を温水洗浄便座装置の受信部が受信可能とする固有の識別コードを8ビット分もち、そのデータに引き続いて携帯電話の個体識別コード28ビットを有する。スイッチ部は携帯電話から送信されたデータをそのまま送信し、携帯電話の所有者が温水洗浄便座装置の記憶部に記憶されていれば、所有者の前記スイッチに該当する制御データの登録されているデータが制御コードに置き換えられる。記憶されていてもは利用者が制御データを指定したときは、指定された制御コードとなる。
以上、工程53から工程60までを、工程61の着座検出手段が工程62で着座検出しなくなるまで繰り返し、利用者のいろいろな制御を可能とする。
工程63、64は携帯電話固有の個体識別コードでの利用者で、新規の利用者または登録済みで登録データと違った条件を設定した場合に登録データを作成、登録する工程である。
【0016】
図3は本発明の第二の実施例を示す構成図である。携帯電話14の送信手段としてRFタグ101を装着している。RFタグは図11に示すように、いろいろな情報を記憶しているICとコイルからなり、タグリーダ部はコイルと受信部からなる。RFタグとタグリーダが移動しながら接近するとRFタグとタグリーダのコイル間に誘導起電力が生じ、RFタグ部のICに通電され、ICの情報が送信される。この送信情報を受信するのがタグリーダである。このRFタグには、個人の好みの温水洗浄便座装置の制御情報が登録されており、RFタグ101をリモコン20のタグリーダ201に接近させることにより、携帯電話の保有者の好みの温水洗浄便座装置の制御情報をリモコンが読み出し、リモコン独自の固有コードを付加して、温水洗浄便座装置の受信部34に送信することで制御を可能とする。第二の実施例ではRFタグを利用しており、
【0017】
図4は本発明の第三の実施例を示す構成図である。第三の実施例では、リモコン20の表示部24に固有コードを含むコードを表示する。この場合、コードを示す、数値列でも良いが、図5に示す二次元バーコードのように、直ぐに人が理解できないコードを利用する。携帯電話14のカメラ102を使い、リモコンに表示されたバーコードを撮影、解読し、解読した表示部コードと携帯電話の個体識別コードおよび操作信号を携帯電話の送信手段11からリモコンに送信する。以下は実施例1と同じ方法で温水洗浄便座装置を制御することができる。
【0018】
第三の実施例では、リモコンの表示部に表示する二次元バーコードは、人体検知手段31や着座検出手段32が非検知状態でかつある二次元バーコードを一定時間以上表示した後で、変更するようにもできる。このときリモコン内の図4に非表示のマイコンで乱数を発生させ、バーコードを作成する。このようにすれば定期的にコードが変更され、一定のコードを使いつづける時に比べ、コードを解読したいたずらを防止できる。
また第三の実施例では、リモコンの表示部に表示する二次元バーコードは、温水洗浄便座装置とリモコンが共有する固有識別コードでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の第一の実施例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第二の実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の第三の実施例を示す構成図である。
【図5】二次元バーコードの例を示す図である。
【図6】従来の例を示す図である。
【図7】本発明の赤外光の投光パルスを示す図である。
【図8】本発明の0,1を表記する方法を示す図である。
【図9】本発明の携帯電話からリモコンに送信するコードを示す図である。
【図10】本発明のリモコンから温水洗浄便座装置の受信部に送信するコードを示す図である。
【図11】本発明のRFタグとタグリーダを示す図である。
【符号の説明】
【0020】
11…送信手段 12…操作部 13…表示部
14…携帯電話 20…リモコン 21…受信部 22…操作部
23…送信部 24…表示部 25…遮光部 30…温水洗浄便座装置
31…人体検知手段 32…着座検出手段 33…ノズル
34…受信部 35…制御部 40…便器
101…RFタグ 201…タグリーダー 102…カメラ
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話で制御可能な温水洗浄便座装置システムに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の操作システムで携帯電話を使った機器操作システムとしては、その制御対象としてテレビが著名である。制御対象がテレビの場合、製造元毎に固有のコードが設定されているが、個々のテレビ毎に識別コードが設定されていない。これはテレビが室内で使用され、テレビの視聴者は同じ部屋におり操作者が特定できるため、複数の携帯電話での操作が可能でも実質上問題が生じないので、個々の機器に対応した固有識別コードを設けることなく制御する方法が用いられている。しかし、この種のシステムをそのまま温水洗浄便座装置システムに適用するには次のような問題がある。この種のシステムを温水洗浄便座装置システムに適用したものとして、例えば、特許文献1によれば、携帯電話に儲けられた赤外線通信手段から直接、温水洗浄便座装置に設置された受信手段に温水洗浄便座装置の制御情報を送信するようになっていた。通常、温水洗浄便座装置は隣接して連立設置させても、他のトイレブースに設置されているリモコンの制御信号を受信して動作しないよう温水洗浄便座装置の赤外線受信手段と赤外線送信手段であるリモコンは装置に固有識別コードを共有しており、この固有識別コードが送信されない限り、温水洗浄便座装置の受信手段は送信された信号を無視するようになっている。
【0003】
しかし特許文献1の方法は、携帯電話で直接温水洗浄便座装置を制御するようになっている。このようなに直接の温水洗浄便座装置を操作するためには、通常温水洗浄便座装置の本体の背面上部または側面に受信手段が設けられているので、使用者の後ろに向かって送信するようになり、送信の強さや方向が問題になり、確実に携帯電話の送信信号を温水洗浄便座装置の受信部で受信できるようにするためには、信号の送信強度を強くした上にトイレブース内の赤外信号の反射を利用することになる。しかし、この方法では連立したトイレブースでは、近隣での携帯電話で操作すると利用者が携帯電話で操作しようと意図した対象温水洗浄便座装置以外の温水洗浄便座装置が動作するという問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2002―84346号公報 (第6頁 第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、本発明の課題は、連立したトイレブースでも携帯電話を使って隣接の温水洗浄便座装置の干渉、誤制御することなく、利用者が制御したいという意図を持った特定の温水洗浄便座装置を制御するために、携帯電話を使って温水洗浄便座装置のリモコンに送信させ、そのリモコンから温水洗浄便座装置を操作する温水洗浄便座装置システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1は、近距離無線通信手段を設けた携帯電話と、操作する温水洗浄便座装置を特定する固有識別コードを含む本体操作信号を送信するリモコンと、前記本体操作信号にて操作される温水洗浄便座装置とを備え、前記近距離無線通信手段は、前記リモコンを操作するリモコン操作信号を送信する送信手段を有し、前記リモコンは前記リモコン操作信号を受信する受信手段を有するとともに、前記リモコン操作信号に対応する本体操作信号を送信するようにしているので、温水洗浄便座装置を利用する便器への着座状態で最も自然で無理のない態勢で操作が可能で、不特定多数の人が利用するリモコンに接触することなく温水洗浄便座装置を操作できる。
【0007】
更に請求項2では、請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段は赤外線送信手段で構成されるとともに、前記リモコンの受信手段は赤外線受信手段を有するようにしているので、他の信号通信手段として考えられる電波などに比べて安価で、携帯電話からの赤外線投光素子を使った送信信号を受信でき、かつトイレブースの遮蔽物を通した電波による誤動作もない。
【0008】
さらに請求項3では、請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段はRFダグで構成されるとともに、前記リモコンの受信手段はRFタグリーダーで構成される。よって、赤外線を使った場合に必要な黒い投受光窓を必要にせず、リモコン外ケースが一種類の材料で形成でき、赤外線の場合に比べ、デザインも選択幅が広がり、安価にできて、携帯電話に付加されているRFタグの情報を読み取ることができる。
【0009】
また、請求項4では、請求項1乃至3のいづれか1に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記リモコンは表示部を有するとともに、前記表示部に前記固有識別コードを表示させ、前記固有識別コードを前記携帯電話から前記リモコンへの通信の許可コードとするようにしているので、リモコン毎の固有の許可コードを生成することが可能であり、連立トイレでの混信による温水洗浄便座装置の誤動作を防止できる。
【0010】
また、請求項5では、請求項4に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記携帯電話は、画像を読み取るカメラ手段を有するとともに、前記リモコンの表示部に表示した二次元バーコードを読み取り、前記二次元バーコードに応じた前記許可コードとすることを特徴とする。二次元バーコードのように、直ぐに人が理解できないコードを利用することで、携帯電話のカメラを使い、リモコンに表示されたバーコードを撮影、解読し、解読した表示部コードリモコン毎の固有の許可コードを生成することが簡単に可能であり、連立トイレでの混信による温水洗浄便座装置の誤動作を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次の効果を発揮する。
携帯電話を使って温水洗浄便座装置のリモコンに送信させ、そのリモコンから温水洗浄便座装置を操作する温水洗浄便座装置システムを提供する。よって、使用者は、直接、リモコンを狙って操作すればいいので、使用者の後ろに向かっての無理な体勢や使用者の通信の影響を考慮しなくていいようになり、使い勝手が向上する。当然に、携帯電話の送信能力を下げたり、リモコンの受信能力を下げることができるので、機器の電池寿命を延ばすことができる。
また、温水洗浄便座装置システムにおいて、リモコンに携帯電話の送信信号を受信できる受信部を有し、携帯電話からは温水洗浄便座装置の機種に関わらず共通の共通利用許可コードを使って通信しているので、携帯電話はあらゆる温水洗浄便座装置に情報伝達が可能であり、情報伝達に必ずリモコンを経由しているのでリモコンが制御できる温水洗浄便座装置は特定されており、連立トイレでも近隣の温水洗浄便座装置を誤って動作させることがないという効果がある。また携帯電話の固体識別コードを温水洗浄便座装置に送信することも容易で、携帯電話の保有者を特定して、保有者の温水洗浄便座装置の好みの使用条件、例えば、温水圧、温水温度、ノズル位置、洗浄時間、乾燥温度、乾燥時間、脱臭強度、脱臭時間、ノズル駆動パターンなどが自動的に設定可能にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の第一の実施例の全体構成を示す図である。図1で温水洗浄便座装置30は、大便器40の上に設置されており、人体検知手段31、着座検出手段32、温水洗浄便座装置と一体化されずに設置されるリモコン20からの送信信号を受信する受信手段34、受信手段で受信した信号に応じて温水洗浄便座装置30を制御するための制御手段35、温水洗浄便座装置の動作部の1例であるノズル33、図示しないが温水洗浄便座装置内には便座ヒータやお尻の乾燥装置、脱臭器を有しており、リモコン20は操作手段22、携帯電話10からの信号を受信する受信手段21、受信手段21の上部からの信号を妨げる遮光部25、リモコンから前記温水洗浄便座装置の受信手段34に信号を送信する送信手段23および、リモコンや温水洗浄便座装置の状態などを表示する表示手段24からなり、携帯電話10は操作手段12、リモコンに信号を送信する送信手段11、表示手段13からなり、表示手段は温水洗浄便座装置を制御するために操作手段12とその操作により温水洗浄便座装置がどのように動作するかを図示して利用者がわかりやすい操作ガイドとして利用できる。
ここで、近距離無線通信手段は、赤外線送信手段等の最大数メートル程度以内の通信距離を持つ通信手段を言う。
【0013】
次に図2のフローチャートを使って本発明による携帯電話を使った温水洗浄便座装置の制御方法を説明する。図2で工程50から開始し、工程51は人体検知手段で人体を検知する工程である。工程52は着座検出手段で利用者が便座に着座していることを検出する。そこで利用者がリモコンを操作すれば工程53、工程55を経て、通常のリモコン操作で温水洗浄便座装置を制御できる。工程53でリモコンの操作が行われずに、工程54で携帯電話から、リモコンが、温水洗浄便座装置共通の利用許可コードと携帯電話固有の個体識別コード信号及び制御コードを受信すると工程55でリモコンがリモコン固有の識別コードと携帯電話固有の個体識別コード及び制御コードを含む信号を温水洗浄便座装置の受信手段に送信する。
【0014】
このとき携帯電話から送信する個体識別コード及び制御信号は図7のような投光パルスを用いる。図7の周波数の例は38kHzであるが、他の周波数でもかまわない。図7のパルスを使い、パルス送信後の比送信区間の時間長さで0,1を表示する図8の方法で2進数データとして1ビットを表現する。これらの方法を使い、個体識別コード及び制御信号は図9のフレームという集合で送信される。フレームはリーダ部とデータ部からなり、リーダ部は一定の時間のビット「1」信号の後に一定時間のビット「0」信号からなり、このリード部の後にデータが送信されることを示す。データ部は32ビットのカスタムコードと8ビットの制御データ部、16ビットのスイッチ部からなる。このうち、カスタムコードに携帯電話からの送信である共通許可コード4ビット、携帯電話の電話番号11桁のうち後ろから7桁の数値列をコード化するための28ビットを使う。スイッチ部は「お尻洗浄」とか「乾燥」などの動作を示すスイッチに対応したコードで、制御データ部は、各スイッチのうち、制御の度合いを示すデータ、例えば「お尻洗浄」の水勢の強さなどを示すデータである。携帯電話の電話番号の11桁は頭から3桁までは携帯電話であることを示す番号で、その次の3桁は携帯電話事業者を示す番号であり、これらのデータを削除しても、本発明の目的である利用者の特定に支障は生じない。このようにして工程56では前記送信信号を温水洗浄便座装置の受信手段で受信する。工程57は温水洗浄便座装置の受信手段が受信した信号に携帯電話固有の個体識別コードが含まれているかを確認する工程で、個体識別コードが含まれていると工程58に個体識別コードが含まれていないと工程60に移る。工程58では受信した携帯電話段固有の個体識別コードが温水洗浄便座装置の制御部の記憶部に記憶されている利用者コードと一致するかどうかを比較する。もし、記憶情報と一致すればそこに記憶されている利用者個人の好みの制御条件、例えばノズルの位置や洗浄水の強さ、洗浄時間、便座ヒータの温度などの条件を送信されてきた制御信号に付加して、工程60で制御する。一方、携帯電話固有の個体識別コードが含まれなければ工程60で送信されてきた制御コードに従い温水洗浄便座装置を制御する。
【0015】
図10はリモコンから温水洗浄便座装置の受信手段に送信される送信データの1例で、携帯電話からリモコンに送信されるときと同じようにフレームとして送信され、フレームはリーダ部とデータ部からなる。データ部はカスタムコード部と制御データ部、スイッチ部からなる。カスタムコード部はリモコンからの送信を温水洗浄便座装置の受信部が受信可能とする固有の識別コードを8ビット分もち、そのデータに引き続いて携帯電話の個体識別コード28ビットを有する。スイッチ部は携帯電話から送信されたデータをそのまま送信し、携帯電話の所有者が温水洗浄便座装置の記憶部に記憶されていれば、所有者の前記スイッチに該当する制御データの登録されているデータが制御コードに置き換えられる。記憶されていてもは利用者が制御データを指定したときは、指定された制御コードとなる。
以上、工程53から工程60までを、工程61の着座検出手段が工程62で着座検出しなくなるまで繰り返し、利用者のいろいろな制御を可能とする。
工程63、64は携帯電話固有の個体識別コードでの利用者で、新規の利用者または登録済みで登録データと違った条件を設定した場合に登録データを作成、登録する工程である。
【0016】
図3は本発明の第二の実施例を示す構成図である。携帯電話14の送信手段としてRFタグ101を装着している。RFタグは図11に示すように、いろいろな情報を記憶しているICとコイルからなり、タグリーダ部はコイルと受信部からなる。RFタグとタグリーダが移動しながら接近するとRFタグとタグリーダのコイル間に誘導起電力が生じ、RFタグ部のICに通電され、ICの情報が送信される。この送信情報を受信するのがタグリーダである。このRFタグには、個人の好みの温水洗浄便座装置の制御情報が登録されており、RFタグ101をリモコン20のタグリーダ201に接近させることにより、携帯電話の保有者の好みの温水洗浄便座装置の制御情報をリモコンが読み出し、リモコン独自の固有コードを付加して、温水洗浄便座装置の受信部34に送信することで制御を可能とする。第二の実施例ではRFタグを利用しており、
【0017】
図4は本発明の第三の実施例を示す構成図である。第三の実施例では、リモコン20の表示部24に固有コードを含むコードを表示する。この場合、コードを示す、数値列でも良いが、図5に示す二次元バーコードのように、直ぐに人が理解できないコードを利用する。携帯電話14のカメラ102を使い、リモコンに表示されたバーコードを撮影、解読し、解読した表示部コードと携帯電話の個体識別コードおよび操作信号を携帯電話の送信手段11からリモコンに送信する。以下は実施例1と同じ方法で温水洗浄便座装置を制御することができる。
【0018】
第三の実施例では、リモコンの表示部に表示する二次元バーコードは、人体検知手段31や着座検出手段32が非検知状態でかつある二次元バーコードを一定時間以上表示した後で、変更するようにもできる。このときリモコン内の図4に非表示のマイコンで乱数を発生させ、バーコードを作成する。このようにすれば定期的にコードが変更され、一定のコードを使いつづける時に比べ、コードを解読したいたずらを防止できる。
また第三の実施例では、リモコンの表示部に表示する二次元バーコードは、温水洗浄便座装置とリモコンが共有する固有識別コードでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第一の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の第一の実施例を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第二の実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の第三の実施例を示す構成図である。
【図5】二次元バーコードの例を示す図である。
【図6】従来の例を示す図である。
【図7】本発明の赤外光の投光パルスを示す図である。
【図8】本発明の0,1を表記する方法を示す図である。
【図9】本発明の携帯電話からリモコンに送信するコードを示す図である。
【図10】本発明のリモコンから温水洗浄便座装置の受信部に送信するコードを示す図である。
【図11】本発明のRFタグとタグリーダを示す図である。
【符号の説明】
【0020】
11…送信手段 12…操作部 13…表示部
14…携帯電話 20…リモコン 21…受信部 22…操作部
23…送信部 24…表示部 25…遮光部 30…温水洗浄便座装置
31…人体検知手段 32…着座検出手段 33…ノズル
34…受信部 35…制御部 40…便器
101…RFタグ 201…タグリーダー 102…カメラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離無線通信手段を設けた携帯電話と、操作する温水洗浄便座装置を特定する固有識別コードを含む本体操作信号を送信するリモコンと、前記本体操作信号にて操作される温水洗浄便座装置とを備え、前記近距離無線通信手段は、前記リモコンを操作するリモコン操作信号を送信する送信手段を有し、前記リモコンは前記リモコン操作信号を受信する受信手段を有するとともに、前記リモコン操作信号に対応する本体操作信号を送信することを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項2】
請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段は赤外線送信手段で構成されるとともに、前記リモコンの受信手段は赤外線受信手段を有することを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項3】
請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段はRFダグで構成されるとともに、前記リモコンの受信手段はRFタグリーダーで構成されることを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいづれか1に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記リモコンは表示部を有するとともに、前記表示部に前記固有識別コードを表示させ、前記固有識別コードを前記携帯電話から前記リモコンへの通信の許可コードとすることを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項5】
請求項4に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記携帯電話は、画像を読み取るカメラ手段を有するとともに、前記リモコンの表示部に表示した二次元バーコードを読み取り、前記二次元バーコードに応じた前記許可コードとすることを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項1】
近距離無線通信手段を設けた携帯電話と、操作する温水洗浄便座装置を特定する固有識別コードを含む本体操作信号を送信するリモコンと、前記本体操作信号にて操作される温水洗浄便座装置とを備え、前記近距離無線通信手段は、前記リモコンを操作するリモコン操作信号を送信する送信手段を有し、前記リモコンは前記リモコン操作信号を受信する受信手段を有するとともに、前記リモコン操作信号に対応する本体操作信号を送信することを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項2】
請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段は赤外線送信手段で構成されるとともに、前記リモコンの受信手段は赤外線受信手段を有することを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項3】
請求項1記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記近距離無線通信手段はRFダグで構成されるとともに、前記リモコンの受信手段はRFタグリーダーで構成されることを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいづれか1に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記リモコンは表示部を有するとともに、前記表示部に前記固有識別コードを表示させ、前記固有識別コードを前記携帯電話から前記リモコンへの通信の許可コードとすることを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【請求項5】
請求項4に記載の温水洗浄便座装置システムにおいて、前記携帯電話は、画像を読み取るカメラ手段を有するとともに、前記リモコンの表示部に表示した二次元バーコードを読み取り、前記二次元バーコードに応じた前記許可コードとすることを特徴とする温水洗浄便座装置システム。
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図1】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図10】
【図5】
【図6】
【図7】
【図11】
【図1】
【図3】
【図4】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2006−121144(P2006−121144A)
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−303864(P2004−303864)
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月19日(2004.10.19)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】
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