説明

温湿度表示装置、梱包部材、および電子機器

【課題】機器に結露が発生する状態にあるか否かを把握することができる温湿度表示装置を提供する。
【解決手段】外気温度を検知する温度センサ3aと、外気湿度を検知する湿度センサ3bと、温度センサ3aで検知した外気温度を表示する外気温度表示部と湿度センサ3bで検知した外気湿度を表示する湿度表示部を兼ねる外気温湿度表示部3cと、機器内部の温度を検知する機器付設温度センサ5と、機器内部の温度を表示する機器内部温度表示3dと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温湿度表示装置、それを備えた梱包部材、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
冬季、複写機、ファクシミリ、プリンタなどの画像形成装置や電気製品など各種機器を、冷えた屋外から暖房の効いた屋内に搬入して開梱し、電源を入れる際、しばしば、機器内部に結露が発生することが知られている。結露に気がつかないまま機器を動作させた場合、結露が原因による動作不良となることがあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような不具合を防止するため、ヒータを組み入れた梱包技術も提案されているが、ヒータの発熱量が足りない場合、あるいは外気と機器内部との温度差が大きい場合には、結露が発生しまっても気がつかないことがあった。
本発明は、機器に結露が発生する状態にあるか否かを把握することができる温湿度表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、外気温度を検知する外気温度センサと、外気湿度を検知する外気湿度センサと、機器内部の温度を検知する機器付設センサと、前記外気温度センサ、前記外気湿度センサ、及び前記機器付設センサの検知結果を夫々表示する表示手段と、を備えた温湿度表示装置を特徴とする。
請求項2記載の発明は、電子機器を覆うように梱包あるいは包装する梱包部材において、請求項1記載の温湿度表示装置を備えた梱包部材を特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の温湿度表示装置を備えた電子機器を特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2に記載の梱包部材において、前記表示装置の近傍に前記外気温、外気湿度、及び機器内部の内部温度との関係から前記電子機器内部の結露の有無を読み取る露点一覧表が設けられている梱包部材を特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項3に記載の電子機器において、前記表示装置の近傍に前記外気温、外気湿度、及び機器内部の内部温度との関係から機器内部の結露の有無を読み取る露点一覧表が設けられている電子機器を特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の温湿度表示装置は、外気温度を検知する外気温度センサ、外気湿度を検知する外気湿度センサ、機器内部の温度を検知する機器付設センサの検知結果を表示する各表示部を備えているので、外気温湿度と機器内部の温度との関係から機器内部の結露の有無を把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は本発明の温湿度表示装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
この図1において、梱包材である梱包箱1の内部には電子機器としての画像形成装置2があり、この画像形成装置2は梱包箱1により外気と遮断されている。
梱包箱1の外側には本発明の温湿度表示装置3が着脱自在に取り付けられている。温湿度表示装置3は、外気温度を検知する温度センサ3aと、外気湿度を検知する湿度センサ3bと、温度センサ3aで検知した外気温度を表示する外気温度表示部と湿度センサ3bで検知した外気湿度を表示する湿度表示部を兼ねる外気温湿度表示部3cと、機器内部の温度を検知する機器付設温度センサ5と、機器内部の温度を表示する機器内部温度表示3dと、を備えている。
温湿度表示装置3からは、或る程度の長さを有するハーネス4が延びており、その先端には機器付設温度センサ5が接続されている。機器付設温度センサ5は、画像形成装置2に設けられた簡単に開閉可能な前ドア6の内側に設けてあり、簡単に取り出すことが可能でかつ、画像形成装置2内部の温度が測定できるように構成されている。これにより、サービスマンは、外気温湿度と機器内部の温度との関係から、機器内部の結露の有無を把握するためのグラフ、マニュアルを見て、機器内部の結露の有無を把握することができる。具体的には、例えば図2に示す露点一覧表7を見ることになる。
【0007】
図2は、図1に示した第1の実施形態の変形例を示した図である。
温湿度表示装置3の下方の梱包箱1の表面には露点一覧表7が貼り付けてある。図3は、図2に示す露点一覧表の内容を示す図である。この露点一覧表7は、外気温度が25℃、湿度60%時に、点Aで露点と交わる。そのときの画像形成装置2内部の温度は16℃である。従って画像形成装置2内部の温度が16℃以下にある場合、結露発生の危険があり、16℃を超えるなら結露の発生は無いと判断できる。
同様に外気温度が30℃、湿度60%時に、点Bで露点と交わる。そのときの画像形成装置2内部の温度は27℃である。
従って、画像形成装置2内部の温度が27℃以下にある場合、結露発生の危険があり、27℃を超えるなら結露の発生は無いと判断できる。
【0008】
図4は本発明の温湿度表示装置の第2の実施形態を示す斜視図である。この例では、温湿度表示装置3を画像形成装置2の側面に直接に取り付けている。
このようにすると開梱した状態の画像形成さうち2の結露の有無を把握することができる。
図5は本発明の温湿度表示装置の第3の実施形態を示す斜視図である。
この例では、機器付設温度センサ5のほか、機器付設湿度センサ7を設け、温湿度表示装置3を操作パネル8で兼用させている。
機器付設湿度センサ7によりさらに結露の発生の有無を的確に判断できる。また、独立した温湿度表示装置3を設ける必要がないから、省スペース化を図ることができる。
図6は図5の第3の実施形態の変形例を示す図である。
この例では、画像形成装置2内部にヒータ9を取り付けている。上記実施の形態で結露の発生の有無を把握することができたが、ヒータ9により画像形成装置2内部を暖めることで結露を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の温湿度表示装置の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の第1の実施形態の変形例を示す図である。
【図3】図2に示す露点一覧表の内容を示す図である。
【図4】本発明の温湿度表示装置の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の温湿度表示装置の第3の実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5の第3の実施形態の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0010】
1 梱包箱、2 画像形成装置、3 温湿度表示装置、3a 温度センサ、3b 湿度センサ、3c 外気温湿度表示部、3d 機器内部温度表示、4 ハーネス、5 機器付設温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気温度を検知する外気温度センサと、外気湿度を検知する外気湿度センサと、機器内部の温度を検知する機器付設センサと、前記外気温度センサ、前記外気湿度センサ、及び前記機器付設センサの検知結果を夫々表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする温湿度表示装置。
【請求項2】
電子機器を覆うように梱包あるいは包装する梱包部材において、請求項1記載の温湿度表示装置を備えたことを特徴とする梱包部材。
【請求項3】
請求項1記載の温湿度表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項2に記載の梱包部材において、前記表示装置の近傍に前記外気温、外気湿度、及び機器内部の内部温度との関係から前記電子機器内部の結露の有無を読み取る露点一覧表が設けられていることを特徴とする梱包部材。
【請求項5】
請求項3に記載の電子機器において、前記表示装置の近傍に前記外気温、外気湿度、及び機器内部の内部温度との関係から機器内部の結露の有無を読み取る露点一覧表が設けられていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−334267(P2007−334267A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169391(P2006−169391)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】